JP2006231778A - グラフィックスフィルム及びグラフィックス製品 - Google Patents

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茂明 村岡
Makoto Hirata
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Abstract

【課題】 着色された被着体に貼付するように設計されたグラフィックスフィルムの形態をとり、被着体の色及びグラフィックスフィルムの色をともに生かすことができ、色のコーディネーションが容易に可能であり、従来品で経験されたことのない魅力的な発色及び外観を達成することができ、しかも汎用性に優れたグラフィックスフィルムを提供すること。
【解決手段】 透明な接着剤層の上に、光輝性及び(又は)光干渉性の無機もしくは有機充填材を含有する透明な発色層を、好ましくは透明な発色コーティング層あるいは発色フィルム層の形で少なくとも備えてなるように構成する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、グラフィックスフィルムに関し、さらに詳しく述べると、着色された被着体(例えば、自動車の車体、建築物の外壁など)に貼付したときにその被着体の色及びグラフィックスフィルムの構成員の色が相互に作用しあって、光輝性及び光干渉性に優れた新規な発色及び外観を呈示できるグラフィックスフィルムに関する。また、本発明は、かかるグラフィックスフィルムを使用したグラフィックス製品に関する。本発明のグラフィックスフィルムは、例えば、自動車の車体において、ストライプ、エンブレム、ツートーン塗装の代替品などとして有利に使用することができる。
周知の通り、従来一般的なグラフィックスでは、様々な色をもった基材及びその基材の表面に任意に適用された様々な色をもった塗装、塗膜などの上に、それらの色に合わせて適当な色の塗料やインクを選択し、塗被するのが主流となっている。しかし、この方法の場合、多種多様の所望とするグラフィックにあわせて最適な基材、塗装、塗膜などを用意しなければならず、グラフィックスの製造やその前の準備が非常に煩雑である。また、塗料やインクを塗被する方法を採用しているので、得られる外観に限界があり、真新しいグラフィックスを得ることができないばかりでなく、適用可能なグラフィックスや基材に制限がある。ここで、塗料やインクで用いる顔料、染料などを使い分けてカラーコーディネートを行うことも考えられるけれども、基材、塗装、塗膜などの色にあわせた色調整が必要であるので、汎用性に乏しい。また、グラフィックスの大きさが増加すれば増加するほど、製造が難しくなり、コストの増加も避けることができない。
ところで、本発明のグラフィックスフィルムとは直接には関係がないけれども、本発明の実施において使用される光輝性及び光干渉性の充填材に類似の材料を使用した例が公知であるので、以下に説明する。
特許文献1は、玩具、衣料、壁クロス、車のボディ等の装飾や塗料に用いられる光輝性装飾粉及びその製造方法を記載する。この発明は、したがって、第1の合成樹脂からなるフィルムと、その主面に設けられてエンボス加工された第2の合成樹脂からなる薄膜と、その上に蒸着された金属又は金属酸化物の薄膜とを備え、厚さ30μm以下であることを特徴とする光輝性装飾粉にある。
特許文献2は、多量の情報を印字して使用し、しかも偽造を困難とした、例えば銀行カード、クレジットカードなどのカードを記載する。この発明は、したがって、カード基材上に、透明樹脂中に光輝性顔料が分散された光輝性層が積層されており、前期光輝性層上には、透明樹脂中に隠蔽性顔料を含有し、下層を隠蔽する画線部と非画線部とからなる隠蔽性パターン層が積層されており、さらに、前記隠蔽性パターン層上及び前記非画線部における前記光輝性層上には、染料受容性透明樹脂を主体とし、移行してくる染料を受容可能な染料受容層が積層されていることを特徴とするカードにある。
特開平11−7231号公報(特許請求の範囲、段落0001、0010〜0011) 特開2001−171272(特許請求の範囲、段落0001、0026〜0028)
本発明の目的は、着色された被着体に貼付するように設計されたグラフィックスフィルムにおいて、被着体の色及びグラフィックスフィルムの色をともに生かして、換言すると、色のコーディネーションが容易であり、従来品で経験されたことのない魅力的な発色及び外観を達成することのできるグラフィックスフィルムを提供することにある。
また、本発明の目的は、汎用性が高く、様々な色をもった被着体及びグラフィックスフィルムに適用することができ、かつ製造及び取り扱いが容易であるグラフィックスフィルムを提供することにある。特に本発明は、曲面構造をもった被着体も含めて、各種の被着体に対する貼付作業を手早く確実に行うことができ、エア噛みなどの不都合が発生することもないグラフィックスフィルムを提供することにある。
さらに、本発明の目的は、被着体及びグラフィックスフィルムの色を生かしたような上質なやわらかいニュアンスの外観、例えばモノトーン的な近似色ツートーンなどをもったグラフィックスフィルムを提供することにある。
さらにまた、本発明の目的は、本発明のグラフィックスフィルムの有利な使用方法及びそれを使用した、外観がカラーコーディネートされておりかつ上質でやわらかなニュアンスをもったグラフィックス製品を提供することにある。
本発明の上記した目的やその他の目的は、以下の詳細な説明から容易に理解することができるであろう。
本発明は、その1つの面において、着色された被着体の表面に貼付して用いられるものであって、透明な接着剤層の上に、光輝性及び(又は)光干渉性の無機もしくは有機充填材を含有する透明な発色層を少なくとも備えてなることを特徴とするグラフィックスフィルムにある。
また、本発明は、そのもう1つの面において、着色された基材からなる被着体と、該被着体の表面に少なくとも部分的に貼付された本発明のグラフィックスフィルムとからなることを特徴とするグラフィックス製品にある。
ここで、「透明」とは、広義で用いられており、フィルム層、発色層などが、それらの層の下方に位置する下地層の色、塗色などをそのままあるいはやや減色させた状態で透過させ得る程度の透明度を有していることを意味する。すなわち、本発明で使用する透明なフィルム層、発色層などは、グラフィックスフィルムに求められている視認効果やその用途などにもよるが、通常、ほぼ透明であれば問題なく使用可能である。また、所望ならば、フィルム層、発色層などは、本発明の作用効果に悪影響がでず、場合によってはより良好な視認効果が期待される限りにおいて、不透明なものを使用してもよい。
本発明によれば、以下の詳細な説明から理解されるように、着色された被着体に貼付したときにその被着体の色及びグラフィックスフィルムの構成員の色が相互に作用しあって、光輝性及び光干渉性に優れた新規な発色及び外観を呈示できるグラフィックスフィルムを提供することができる。
本発明のグラフィックスフィルムの場合、被着体の様々な色及びグラフィックスフィルムの構成員の様々な色をそれぞれ生かした形で相互に作用させることができるので、今までの技術では予想されなかったまったく新しい発色効果を得ることができる。具体的には、各種の被着体に適用したとき、上質でやわらかなニュアンスのカラーコーディネート、例えばモノトーン的、近似色ツートーン代替品(ツートーン塗装に代わり得るもの)を得ることができる。
また、本発明のグラフィックスフィルムでは、グラフィックスフィルム本来の構造上の問題に由来する外観不良、例えば、接着剤層の構成や、接着剤層の表面にスライド性の向上のために分散させたガラスビーズに由来して発生するフィルム透明部の外観不良があった場合にも、光輝性、光干渉性を示す発色成分がそれらの外観不良を抑制し、肉眼で目立たなくすることができる。また、フィルム透明部の外観不良を防止もしくは低く抑制することができるので、そのような外観不良があるために従来の技術では適用がなされていなかった新たな技術分野においての本発明のグラフィックスフィルムの使用を提案することができる。
さらに、本発明のグラフィックスフィルムは、光輝性、光干渉性を示す発色成分を含むインクを例えばスクリーン印刷などで印刷するだけで透明な発色層を形成することができるので、その製造がいたって簡単であり、安価にかつ効率よく製造することができる。さらに、本発明のグラフィックスフィルムは、このように有利にかつ容易に製造することができるので、貼付対象の被着体に制限を受けることがなく、したがって、各種のグラフィックス製品の製造に有利に応用することができる。
さらにまた、本発明のグラフィックスフィルムは、その接着剤層に微細な凹凸構造を設けた場合、それを被着体に適用する時に接着剤層の下に空気(気泡)が入り込むことがなく、場合によって気泡が入り込んでも貼付の過程で凹凸構造(連通溝)経由で容易に外側に押し出すことが可能であり(すなわち、エア抜け性が良好であり)、また、気泡の排出に利用した接着剤層の微細な連通溝は、貼付の完了後に消失可能であるので、光散乱などの悪影響を引き起こすことがない。また、連通溝は、たとえそれが部分的に残存していたとしても、またその残存部位が連通溝が目立ちやすいフィルム透明部であったとしても、本発明のグラフィックスフィルムでは光輝性、光干渉性を示す発色成分がそれらの連通溝を隠蔽してしまうので、外観上の不都合はなんら発生することがない。
さらに加えて、本発明のグラフィックスフィルムは、特に自動車産業において、ストライプ、エンブレム、ツートーン塗装の代替品などとして有利に使用することができる。特に、本発明のグラフィックスフィルムは、様々なボディカラーに適用することができるので、多機種の自動車に対して同じように有利に適用することができる。すなわち、本発明のグラフィックスフィルムは、汎用的であり、安価でグラフィックス製品を提供することができる。
本発明は、着色された被着体の表面に貼付して用いられるものであって、透明な接着剤層の上に、光輝性及び(又は)光干渉性の無機もしくは有機充填材を含有する透明な発色層を少なくとも備えてなることを特徴とするグラフィックスフィルム、そして着色された基材からなる被着体と、該被着体の表面に少なくとも部分的に貼付された本発明のグラフィックスフィルムとからなることを特徴とするグラフィックス製品にある。本発明のグラフィックスフィルム及びグラフィックス製品は、それぞれ、いろいろな形態で有利に実施することができるけれども、以下、添付の図面を参照して典型的な実施形態について説明する。
図1は、本発明によるグラフィックスフィルムの好ましい1形態を示した断面図であり、図では、このグラフィックスフィルムを被着体の表面に貼付して作製したグラフィックス製品も示されている。なお、図示のグラフィックスフィルムは、モノトーン的近似色のツートーンカラーパターンを得るために自動車車体の側面に貼付したストライプ材である。
図示のグラフィックス製品(ツートーンカラーパターンを備えた自動車車体)20は、塗装鋼板1からなる。塗装鋼板1は、図示しないけれども、その鋼板1の上に常法にしたがってプライマ塗装、中塗り塗装、上塗り塗装などが施されている。したがって、塗装鋼板1は、その表面にグラフィックスフィルム10が貼付されていない状態では、図中右側に点線の矢印で示すように、最上層の塗装色Aを肉眼で視認することができる。
グラフィックスフィルム10は、下から順に、透明な接着剤層2、透明なフィルム層3、光輝性及び(又は)光干渉性の無機もしくは有機充填材6を含有する透明な発色層4、そしてクリア層5を有している。図示の発色層4は、光輝性、光干渉性のパール顔料粉末を充填材6として分散含有する透明な合成樹脂のコーティングからなる発色コーティング層である。なお、これらの4層のみではグラフィックスフィルム10が自立性に乏しい場合もあるけれども、グラフィックスフィルム10は、通常、その製造段階から使用の直前まで、以下に説明するところのリリースライナーでその接着剤層2を保護しているので、リリースライナーが支持体として作用し、取り扱い性が損なわれるようなことはない。
塗装鋼板1は、その表面にグラフィックスフィルム10が貼付されている状態で上方から観察すると、図中左側に実線の矢印で示すように、最上層の塗装色Aを別の魅力ある第2の塗装色Aとして肉眼で視認することができる。これは、塗装色Aが、透明な発色コーティング層4を介して観察する結果、光輝性、光干渉性のパール顔料粉末の作用によって光学的に変化せしめられたためである。また、第2の塗装色Aは、グラフィックスフィルム10に対する光の入射角やそれを見る観察者の観察角度によっても変化可能であり、その場合、図示の場合とは別の、バラエティに富み、新しく魅力的な外観を得ることができる。なお、いずれの場合にも、第2の塗装色Aは、最上層の塗装色Aの特徴をそのまま生かした状態で新たな発色を示すことができるので、得られる外観に有利に反映させることができる。
さらに、図示の形態の場合、グラフィックスフィルム10の上面において塗装鋼板1に由来する第2の塗装色Aを視認できることに加えて、光輝性、光干渉性のパール顔料粉末を含有する発色コーティング層4に由来する光輝性、光干渉色Bもあわせて視認することができる。ここで、光輝性、光干渉色Bは、主として光輝性、光干渉性のパール顔料粉末の作用に基づき、これにさらに第2の塗装色Aの作用が加わっているので、上質なやわらかいニュアンスのカラーコーディネートに大きく寄与することができる。ここでもまた、上記した第2の塗装色Aの場合と同様に、光輝性、光干渉色Bは、グラフィックスフィルム10に対する光の入射角やそれを見る観察者の観察角度によっても変化可能であり、その場合、図示の場合とは別の、バラエティに富み、新しく魅力的な外観を得ることができる。なお、発色コーティング層4に由来する外観向上効果に関して、その向上効果の良し悪しは、以下において説明するように、パール顔料粉末の選定やその含有量の規定などに左右されるであろう。
さらに加えて、図示の形態の場合、第2の塗装色Aと光輝性、光干渉色Bが有機的に組み合わさりかつ相互に作用しあうため、それぞれの色が単独では発現し得なかった新たな外観を得ることができる。すなわち、従来のツートーン塗装では、2種類の粉体塗料を使用して塗装鋼板1の見切り線Lのところで塗り分けを行っているので、典型的にはパトロールカーの白黒2色に示されるように明確なツートーンカラーパターンが得られているけれども、本発明のグラフィックスフィルムを車体に貼付する手法を採用した場合には、一方の領域では塗装鋼板1に由来する塗装色Aが視認され、見切り線Lによって区分される他方の領域では第2の塗装色Aと光輝性、光干渉色Bの組み合わせが視認されるので、従来のツートーン塗装では経験されたことのない、モノトーン的な近似色のツートーンカラーパターンを得ることができる。また、従来の方法では、グラフィックスフィルムを貼付した車体においては高級感をもった外観は得られないというのが一般的な認識であったところを、本発明では上質なやわらかいニュアンスのカラーコーディネートが可能であるので、従来の認識を払拭して新たな意匠性を生み出すことができる。もちろん、本発明のグラフィックスフィルムは取り扱いが容易であり、専門家以外でも失敗なく車体に貼付することができるので、ツートーン塗装に比べて工程が簡単かつ経済的であり、汎用性も大である。
図2は、本発明によるグラフィックスフィルムのもう1つの好ましい形態を示した断面図であり、図1の場合と同様に、グラフィックスフィルム10は、モノトーン的近似色のツートーンカラーパターンを得るために自動車車体の側面に貼付したストライプ材であり、かつグラフィックス製品20は、ツートーンカラーパターンを備えた自動車車体である。自動車車体は、塗装鋼板1からなり、その表面にグラフィックスフィルム10が貼付されていない状態では、図中右側に点線の矢印で示すように、最上層の塗装色Aを肉眼で視認することができる。
グラフィックスフィルム10は、下から順に、透明な接着剤層2、光輝性及び(又は)光干渉性の無機もしくは有機充填材6を含有する透明な発色層13、そしてクリア層5を有している。図示の発色層13は、光輝性、光干渉性のパール顔料粉末を充填材6として分散含有する透明な合成樹脂からなる発色フィルム層である。なお、これらの3層のみではグラフィックスフィルム10が自立性に乏しい場合もあるけれども、グラフィックスフィルム10は、通常、その製造段階から使用の直前まで、以下に説明するところのリリースライナーでその接着剤層2を保護しているので、リリースライナーが支持体として作用し、取り扱い性が損なわれるようなことはない。
塗装鋼板1は、その表面にグラフィックスフィルム10が貼付されている状態で上方から観察すると、図中左側に実線の矢印で示すように、最上層の塗装色Aを別の魅力ある第2の塗装色Aとして肉眼で視認することができる。これは、塗装色Aが、透明な発色フィルム層13を介して観察する結果、光輝性、光干渉性のパール顔料粉末の作用によって光学的に変化せしめられたためである。また、第2の塗装色Aは、グラフィックスフィルム10に対する光の入射角やそれを見る観察者の観察角度によっても変化可能であり、その場合、図示の場合とは別の、バラエティに富み、新しく魅力的な外観を得ることができる。なお、いずれの場合にも、第2の塗装色Aは、最上層の塗装色Aの特徴をそのまま生かした状態で新たな発色を示すことができるので、得られる外観に有利に反映させることができる。
さらに、図示の形態の場合、基本的には図1の形態と同じように、グラフィックスフィルム10の上面において塗装鋼板1に由来する第2の塗装色Aを視認できることに加えて、光輝性、光干渉性のパール顔料粉末を含有する発色フィルム層13に由来する光輝性、光干渉色Bもあわせて視認することができる。ここで、光輝性、光干渉色Bは、主として光輝性、光干渉性のパール顔料粉末の作用に基づき、これにさらに第2の塗装色Aの作用が加わっているので、上質なやわらかいニュアンスのカラーコーディネートに大きく寄与することができる。ここでもまた、上記した第2の塗装色Aの場合と同様に、光輝性、光干渉色Bは、グラフィックスフィルム10に対する光の入射角やそれを見る観察者の観察角度によっても変化可能であり、その場合、図示の場合とは別の、バラエティに富み、新しく魅力的な外観を得ることができる。なお、発色フィルム層13に由来する外観向上効果に関して、その向上効果の良し悪しは、以下において説明するように、パール顔料粉末の選定やその含有量の規定などに左右されるであろう。
さらに加えて、図示の形態の場合、第2の塗装色Aと光輝性、光干渉色Bが有機的に組み合わさりかつ相互に作用しあうため、それぞれの色が単独では発現し得なかった新たな外観を得ることができる。すなわち、本発明のグラフィックスフィルムを車体に貼付する手法を採用した場合には、一方の領域では塗装鋼板1に由来する塗装色Aが視認され、見切り線Lによって区分される他方の領域では第2の塗装色Aと光輝性、光干渉色Bの組み合わせが視認されるので、従来のツートーン塗装法では経験されたことのない、モノトーン的な近似色のツートーンカラーパターンを得ることができる。また、従来の方法では、グラフィックスフィルムを貼付した車体においては高級感をもった外観は得られないというのが一般的な認識であったところを、本発明では上質なやわらかいニュアンスのカラーコーディネートが可能であるので、従来の認識を払拭して新たな意匠性を生み出すことができる。もちろん、本発明のグラフィックスフィルムは取り扱いが容易であり、専門家以外でも失敗なく車体に貼付することができるので、ツートーン塗装に比べて工程が簡単かつ経済的であり、汎用性も大である。
図3は、図1に示したグラフィックスフィルムの1変更例を示したものである。図3を図1と対比することで理解されるように、両者の層構成は同じであり、但し、図3のグラフィックスフィルム10の場合、接着剤層2がその被着体側の表面において微細な連通溝12を有しているので、微細な凹凸構造がその表面に付与されている。図4は、この凹凸構造の理解を深めるために示す接着剤層2の平面図である。微細な凹凸構造は、図示のように、透明なフィルム層3の表面に塗被された接着剤層2の表面に切頭四角錐形(あるいは、台形)の突起物22を等間隔で配置するとともに、それぞれの突起物22の間を逆台形の微細な連通溝12が格子状に走るように構成されている。突起物22と連通溝12をこのようなパターンで配置した結果、エア抜け性が改善されるので、グラフィックスフィルム10を被着体に貼付する際に両者間に気泡が取り込まれるのを防止することができる。すなわち、図5に模式的に示すように、グラフィックスフィルム10をその接着剤層2を介して被着体1に貼付する場合、通常の貼付作業では、スキージなどを使用して入念に作業を行ったとしても、グラフィックスフィルム10と被着体1の間に気泡が取り込まれるのを防止するのは非常に困難であるけれども、本発明のグラフィックスフィルム10は、その接着剤層2に微細な連通溝12を有しているので、グラフィックスフィルム10と被着体1の間に捕捉された空気を連通溝12を介して外側に排出することができ、不良品の発生や貼付作業のやり直しを防止することができる。
ここで補足して説明すると、接着剤層の表面の微細な凹凸構造は、グラフィックスフィルムを被着体に貼付するときには両者間に捕捉された空気を外部に排出する機能を具え、かつ貼付が完了した時点ではその凹凸構造自体が接着剤層に取り込まれ、消失することが可能な形状及び寸法を有していることが好ましい。適当な凹凸構造は、通常、規則的もしくはランダムに分布せしめられた一群の突起物と、それらの突起物の間に形成された連通溝とをもって構成される。また、必要ならば、グラフィックスフィルムのスライド性の向上のため、微細な凹凸構造に加えてさらに、ガラスビーズやその他の微粒子を接着剤層の表面に分散させてもよい。
接着剤層の表面において、突起物と連通溝は、いろいろに組み合わせて凹凸構造を形成することができる。すなわち、これらの2つの要素は、それらの効果を最大限に引き出したり、最適にコントロールするため、いろいろな形状及びサイズの突起物を使用するとともに、それらの突起物を規則的なパターンで配置してもよく、ランダムなパターンで配置してもよい。例えば、突起物は、正四角錐、三角錐、円錐、切頭四角錐、切頭円錐、半球、球などの形状を有することができ、場合によっては、これらの突起物の任意の組み合わせであってもよい。これらの突起物の群において、相隣り合う突起物の境界部分は、通常、突起物の他の部分よりも低くなり、したがって、本発明でいう連通溝を形成することができる。
再び図3を参照すると、接着剤層2は、ここでは図示していないが、通常、製造を容易にし、かつグラフィックスフィルム10を使用するまでの間その接着剤層2を保護するため、リリースライナーで被覆されている。また、リリースライナーの表面には、グラフィックスフィルム10の接着剤層2の表面に微細な凹凸構造を付与するため、その凹凸構造に対応したパターンで凹部及び連続した微小突起が設けられている。
本発明によるグラフィックスフィルムは、上記したように、本発明の範囲内においていろいろな構成及び特徴を備えている。引き続いて、本発明のグラフィックスフィルムをその構成、特徴、使用などについてさらに詳細に説明する。
本発明のグラフィックスフィルムは、光輝性、光干渉性の外観を呈示し、かつ従来提案されたことのない上質なやわらかいニュアンスのカラーコーディネートを可能とするので、いろいろな技術分野で有利に利用することができ、特徴的なグラフィックス製品を提供することができる。
本発明のグラフィックスフィルムは特に、魅力的な外観や優れた意匠性などが求められている各種の被着体に有利に適用することができる。かかる被着体は、基本的に着色されたものであり、しかし、被着体自身に任意の色が付与されているのであるならば、あえて着色処理を施さなくてもよい。典型的な着色方法は、塗料等の塗装や吹き付け、着色コーティングなどである。いずれの着色方法を使用しても、塗色あるいは塗膜の色の選択は重要なファクタであり、グラフィックスフィルムにおいて所望される外観やカラーコーディネートに応じて最適な色を選択することが必要である。
本発明の実施において、着色されるべき被着体の種類及び材質は特に限定されるものではない。例えば、被着体の材質は、例えば、アルミニウム、鉄、ステンレス鋼などの金属材料であってもよく、あるいはプラスチック材料及び強化プラスチック材料やタイル等を含めたセラミック材料などであってもよい。さらに、必要ならば、これらの材料の複合材であってもよい。また、被着体の種類としては、以下に列挙するものに限定されるわけではないけれども、乗用車、オートバイなどの自動車、モーターボート、客船などの船舶、電車などの鉄道車両、ビルディングなどの建築物の外壁や内壁、その他を挙げることができる。本発明のグラフィックスフィルムの特に典型的な使用例としては、自動車の車体のマーク、ストライプ、エンブレム、ツートーン塗装代替品などを挙げることができる。
本発明のグラフィックスフィルムにおいて、接着剤層は、透明もしくはほぼ透明であることが好ましい。接着剤層は、所定レベルの透明性を保証することができ、グラフィックスフィルムを被着体に適用した時にそのフィルムを強力に固定することができ、かつ本発明の作用効果に悪影響がでない限り、任意の接着剤又は粘着剤を使用して形成することができる。接着剤層の形成に特に適当なものは、感圧接着剤である。また、感圧接着剤は、再剥離性を有していないことが好ましい。接着剤層の形成に有用な感圧接着剤としては、以下に列挙するものに限定されるわけではないけれども、例えば、ポリアクリレート、粘着性付与ゴム、粘着性付与合成ゴム、エチレン酢酸ビニル、シリコーンなどを挙げることができる。本発明の実施に好適なアクリル系接着剤は、例えば、米国特許第3,239,478号、同第5,169,727号、再発行特許第24,906号、米国特許第4,952,650号及び同第4,181,752号に開示されている。感圧接着剤の好ましい分類は、アルキルアクリレートのホモポリマーやコポリマー、あるいはそれらの多元共重合体である。
また、接着剤層は、通常、その接着面を保護し、かつ取り扱い性を改良するため、リリースライナー(剥離紙、剥離ライナーなどともいう)を露出面に備えた形で使用される。すなわち、接着剤層は、例えば、接着剤のポリマーを溶媒又は水に分散させた後にリリースライナー上に塗布し、乾燥し、さらにキュアさせことによって形成することができる。接着剤のポリマーの塗布は、例えばバーコートなどの常用のコーティング方法を使用して行うことができる。また、接着剤のポリマーは、任意ではあるが、さらに架橋せしめられたものでもよい。もしも溶媒系又は水系の感圧接着剤組成物を使用するのであるならば、接着剤層は、溶媒又は水の全て又は大半を除去するための乾燥工程を伴うであろう。感圧接着剤に代えてホットメルト接着剤を使用してもよい。さらに、低分子量の重合性接着組成物をリリースライナー上に塗布し、加熱、UV照射あるいは電子線照射などで重合もしくは架橋させて接着剤層を形成することもできる。
接着剤は、必要に応じて、1種類もしくはそれ以上の添加剤を含んでもよい。例えば、接着剤は、重合方法、塗付方法、最終用途などに応じて、開始剤、架橋剤、可塑剤、粘着性付与剤、連鎖移動剤、酸化防止剤、安定剤、難燃剤、粘度強化剤及びそれらの混合物を添加剤として使用することができる。
接着剤層の厚さは、例えば接着剤の組成、必要に応じて付与される突起物や連通溝の形状及び寸法、被着体の種類などを含む多くのファクタに応じて広い範囲で変更することができる。一般に、接着剤層の厚さは、約10〜100μmの範囲であることが好ましい。
接着剤層は、その被着体側の表面に微細な凹凸構造を備えていることが好ましい。接着剤層の表面に付与されるべき凹凸構造は、グラフィックスフィルムを被着体に貼付するときに両者間に捕捉された空気を外部に排出する機能を具え、かつ貼付が完了した時点ではその凹凸構造自体が接着剤層に取り込まれ、消失することが可能な形状及び寸法を有していることが好ましい。本発明の実施では、前記したように、複数個の突起物が微細な凹凸構造の形成のために分布せしめられていることが好ましい。
接着剤層の凹凸構造は特に、その接着剤層の表面に形成された格子状の微細な連通溝と、それらの連通溝によって囲まれた突起物とによって形成されていることが好ましい。それぞれの突起物の間に形成された微細な連通溝は、それぞれ、接着剤層の周縁部で終端せしめられる。連通溝は、非常に微細であり、通常、肉眼でその存在を認めることが実質的にできない。すなわち、連通溝は、目視ではどの面から観察しても明瞭に認めることができないので、顕微鏡的に観察することが必要な程度の微細度を有している。ここで、「顕微鏡的微細度」とは、連通溝の形を確認するために、どのような目視面から見ても、肉眼に対して光学的補助器具が必要であるほど大きさが小さい構造を指している。一つの基準は、1966年、W.J.Smith著、McGraw−Hill社から出版された刊行物、Modern Optic Engineeringの104〜105頁に示されている。それによれば、視力とは、「認識されうる最も小さな文字の視角の大きさによって定義し、測定されるもの」である。通常の視力は認識しうる最も小さな文字が高低角で5分の範囲の弧を網膜上に形成する時と考えられる。これは、250mm(10インチ)の典型的な観察距離においては、この認識対象に関して0.36mm(0.0145インチ)の横方向の距離となる。
接着剤層に形成された連通溝は、微細に形成されているにもかかわらず、グラフィックスフィルムを自動車の車体、建築物の外壁等の被着体に貼付するときに両者間に捕捉された空気を外部に排出(いわゆる、「エア抜き」処理)する機能を有しており、さらには、ラミネートフィルムの貼付が完了した時点では、連通溝自体が接着剤層に取り込まれる形で消失し、よって、連通溝の存在に由来する光透過率に対する悪影響を取り除くことができる。
連通溝の形状及び寸法は、上述のような作用効果が得られる限りにおいて特に限定されるものではない。例えば、連通溝は、その加工方法によっていろいろに変更し得るけれども、それを横断方向に関して見た時、V字形、U字形、矩形、逆台形などの断面を有していることが好ましい。また、連通溝の寸法の限界は、アスペクト比を用いて説明することができる。アスペクト比は、接着剤層の面に平行な連通溝の顕微鏡的最大寸法と接着剤層の面に垂直な連通溝の顕微鏡的最大寸法との比として定義される。アスペクト比は、連通溝の壁に垂直な角度でその溝の断面寸法を求めることによって測定することができる。このアスペクト比の限界は、連通溝のタイプによって変動するが、通常、約0.1〜20の範囲であり、好ましくは、約10〜15の範囲である。
連通溝は、一般に、いろいろなパターンで接着剤層の表面に形成することができる。連通溝は、ランダムに整列していてもよく、規則的なパターンになっていてもよい。連通溝のパターンには、直線を主体とするパターン、曲線を主体とするパターンなどが含まれる。複数の溝パターンを組み合わせて、連続した1つの連通溝パターンを粘着剤層の表面に形成してもよい。
また、連通溝は、好ましくは、リリースライナーの接着剤層側の表面に連続した微小突起を予め連続して形成しておいて、それを接着剤層で被覆することによって形成することができる。したがって、リリースライナーの微小突起は、連通溝に嵌合し得る形状を有することができ、具体的には、三角形、逆U字形、矩形、台形などの断面を有することができる。
リリースライナーは、いろいろな基材から有利に構成することができるというものの、適当な基材は、紙やプラスチック材料、例えば、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリエステル樹脂、酢酸セルロース樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリフッ化ビニリデン樹脂など、あるいはこのようなプラスチック材料で被覆又はそれを積層された紙やその他の材料などである。これらのエンボス加工可能なコート紙又は熱可塑性フィルムは、そのまま使用してもよいが、シリコーン処理あるいはその他の方法で処理して剥離特性を向上させた後に使用するのが好ましい。また、リリースライナーの厚さは、どのような効果が求められているかなどにより大きく変わってくる。リリースライナーの厚さは、通常、約30〜300μmの範囲であるのが好ましい。さらに、米国特許第5,650,215号に開示されているような様々な技術を用いて、任意の構造をリリースライナーに付与することも可能である。
さらに、リリースライナーに対する凹部及び微小突起の付与は、エンボス加工を含めたいろいろな技法を使用して実施することができる。出願人により開発されたマイクロリブロケーション技術を利用した専用のマスターツールを使用して、そのパターンをリリースライナーの表面に転写するのが好ましい。
グラフィックスフィルムが図1に断面で示したような構成をとる場合、上記した接着剤層に隣接して透明なフィルム層が用いられる。ここで使用するフィルム層は、従来グラフィックスフィルムの作製に一般的に使用されている透明なプラスチックフィルムであることができる。かかる透明なフィルム層の形成に好適な樹脂材料の例としては、以下に列挙するものに限定されるわけではないけれども、ポリエステル樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ビニル樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、可塑化ポリ塩化ビニル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、フッ素樹脂などを挙げることができる。本発明の実施に特に好適な樹脂材料は、ポリエチレンテレフタレート(PET)である。この材料は、透明性、強度、そして剛性のすべてにすぐれているからである。
透明なフィルム層は、いろいろな方法によって形成することができるけれども、比較的に薄膜で形成する必要があるので、印刷法、蒸着法などの薄膜形成法を有利に使用することができる。例えば、透明なフィルム層は、フィルム形成性の樹脂材料を用意し、これを一般的にはリリースライナーによって一時的に支持されている接着剤層の上にスクリーン印刷法、グラビア印刷法等の常用の印刷法を使用して印刷し、硬化させることによって形成することができる。透明なフィルム層の厚さは、所望の用途などに応じて幅広く変更することができるが、通常、約300μm以下であり、好ましくは約25〜100μmの範囲である。また、このフィルム層の表面には、そのフィルム層と接着剤層との間の接合力を強化するために、必要に応じてプライマ処理を施してもよい。
グラフィックスフィルムが図1に断面で示したような層構成をとる場合、透明なフィルム層の上にさらに、透明な発色コーティング層が用いられる。発色コーティング層は、本発明で意図する光輝性、光干渉性の外観を得るために必須の層であり、光輝性を呈するか、光干渉性を呈するか、さもなければ光輝性と光干渉性を同時に呈する充填材を含有する。かかる充填材は、無機材料からなってもよく、有機材料からなってもよく、さもなければ無機材料と有機材料の混合物からなってもよい。本発明の実施には特に、無機及び(又は)有機顔料の粉末を充填材として有利に使用することができる。
充填材として有用な顔料は、以下に列挙するものに限定されるわけではないけれども、アルミニウム、銅などの金属あるいは真鍮などの合金の粉末、薄片等、アルミニウムなどの金属を蒸着した金属蒸着箔の薄片等、アルミナなどの金属酸化物の金属箔の薄片等、鱗片状雲母、例えば二酸化チタン被覆雲母、酸化鉄被覆雲母、三塩化ビスマスなどのパール顔料、干渉パール顔料、カラーシフト顔料等、酸化チタン被覆ガラスフレークなどの鮮片状ガラス、光干渉性フィルムの薄片、その他である。これらの顔料は、発色コーティング層中に分散させた場合、反射光と透過光とがあるときに、光の干渉の結果として、その色彩や光を視線の角度によって変化させる作用効果を有している。
参考までに記載すると、上記した顔料は、下記のような製造元から商業的に入手可能である。
日本板硝子株式会社:
「メタシャイン(Metashine)」シリーズ(酸化チタン被覆ガラスフレーク)
フレックス社(米国):
「クロマフレア(ChromaFlair)」シリーズ(多層構造によるカラーシフト顔料)
「スペクトラフレア(SpectraFlair)」シリーズ(表面構造、多層構造によるカラーシフト顔料)
メルク社(米国):
「イリオジン(Iriodin)」シリーズ(干渉パール顔料)
「ウルトラ7200」シリーズ(多層構造による干渉パール顔料)
「NewGp」シリーズ(多層構造による干渉パール顔料)
「シラリック(Xiralilic)」シリーズ(多層構造による干渉パール顔料)
エンゲルハルト社(米国):
「MEARLIN」シリーズ(パール顔料及び干渉パール顔料)
日本光研工業株式会社:
「PEARL−GRAZE」シリーズ(パール顔料及び干渉パール顔料)
「ULTIMICA」シリーズ(パール顔料及び干渉パール顔料)
上記した顔料の大きさは、広い範囲で変更することができるけれども、通常、約5〜130μmの平均粒径を有しているものが好ましい。これらの顔料は、単独で使用してもよく、2種類以上を組み合わせて使用してもよい。また、必要に応じて、その他の顔料や、顔料以外の充填材を使用してもよい。さらに、これらの顔料に、沈降防止剤、界面活性剤、シランカップリング剤などの添加剤を併用してもよい。
発色コーティング層中の上記顔料やその他の充填材の含有量は、所望とする発色効果、光輝性、光干渉性などに応じて広く変更することができるというものの、通常、5重量%以下であることが好ましく、さらに好ましくは約0.5〜5重量%の範囲である。充填材の含有量が5重量%を上回ると、光輝性、光干渉性が過度に発現し、上質でやわらかなニュアンスのカラーコーディネートを達成することができなくなる。
透明な発色コーティング層は、所望とする発色効果や充填材の組み込み方法などに応じていろいろな手法で形成することができる。一般的には、発色コーティング層は、透明な樹脂(バインダともいう)、充填材及び任意の添加剤を配合して調製したコーティングインクあるいは塗料から形成することができる。本発明で充填材として使用される光輝性、光干渉性の顔料等は、通常のソリッド色のインクとは異なって、その顔料に特有の発色効果をコーティングインクに対して付与することができる。発色コーティング層の形成には、商業的に入手可能な各種の透明な樹脂を任意に使用することができる。使用可能な樹脂の一例を示すと、例えば、エチルセルロース、ニトロセルロース、酢酸セルロース等のセルロース誘導体、ポリスチレン等のスチレン樹脂、スチレン共重合樹脂、ポリメタクリル酸メチル、ポリアクリル酸エチル等の(メタ)アクリル樹脂、ロジン及びロジン変性樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂などである。
次いで、得られたコーティングインクを透明なフィルム層上にスクリーン印刷法、グラビア印刷法等の常用の印刷法を使用して印刷する。また、この印刷は、単色印刷であっても、多色印刷であってもよい。また、印刷法に代えて、例えばロールコーティング、グラビアロールコーティング、ナイフコーティング、カーテンコーティング等の乗用のコーティング法を使用してもよい。さらに、印刷やコーティングで形成する代わりに、別に作製した透明な発色コーティング(薄膜)を透明なフィルム層に転写することによって発色コーティング層を形成してもよい。発色コーティング層の膜厚は、広く変更し得るというものの、好ましくは、約2〜20μmの範囲である。
本発明のグラフィックスフィルムでは、その最上層にクリア層が用いられる。クリア層は、それを保護膜として作用させる観点から、本来必須の性質である透明性に加えて、耐候性及び耐熱性を有することが望ましく、好ましくは、そのような性質を満足させる各種の樹脂のなかから適当な樹脂を選択して形成することができる。また、クリア層は、その下地である発色層との良好な密着性を有することも望ましい。クリア層の形成のために適当な樹脂としては、以下に列挙するものに限定されないけれども、ポリエステル樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリカーボネート樹脂、塩化ビニル樹脂、アクリル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリオレフィン樹脂、弗化ビニリデン樹脂などを挙げることができる。また、このクリア層の膜厚は、所望とする効果などに応じて広く変更し得るというものの、通常、約5〜100μmの範囲であるのが好ましく、さらに好ましくは、約20〜75μmの範囲である。さらに、このクリア層の追加の作用効果として、装飾フィルムの表面に対する光沢の付与なども期待できる。
本発明のグラフィックスフィルムは、上記したように、いろいろな形態で実施することができる。例えば、グラフィックスフィルムの層構成を単純化するために図1に示した層構成に代えて図2に示したような層構成を採用した場合、透明なフィルム層に光輝性及び(又は)光干渉性の無機もしくは有機充填材を含有させて透明な発色フィルム層となすことができる。
透明な発色フィルム層は、所望とする発色効果や充填材の組み込み方法などに応じていろいろな手法で形成することができる。例えば、上記した透明な発色コーティング層の形成と同様な手法を使用して、次のような手法で発色フィルム層を形成することができる。まず、フィルム形成性の樹脂材料を用意する。適当な樹脂材料は、例えば、透明なフィルム層の形成のところで説明したような、ポリエチレンテレフタレート(PET)などである。次いで、この樹脂材料に所定量の光輝性及び(又は)光干渉性の無機もしくは有機充填材を練り込む。ここで使用することのできる充填材は、例えば、透明な発色コーティング層のところで説明したような、パール顔料、干渉又は光干渉パール顔料、カラーシフト顔料などの各種の顔料である。
選ばれた充填材の所定量を練り込んだ後、フィルム形成性の樹脂材料を一般的にはリリースライナーによって一時的に支持されている接着剤層の上にスクリーン印刷法、グラビア印刷法等の常用の印刷法を使用して印刷し、硬化させる。さもなければ、透明な発色フィルム層をこのように印刷によって形成する代わりに、充填材の所定量を練り込んだフィルム形成性の樹脂材料から別の場所で透明な発色フィルム層(いわば、前駆体)を形成した後、その発色フィルム層を接着剤層に転写することによって、目的とする発色フィルム層を形成してもよい。このようにして得られる透明な発色フィルム層の厚さは、所望の用途などに応じて幅広く変更することができるけれども、通常、約300μm以下であり、好ましくは約25〜100μmの範囲である。
このようにして透明な発色フィルム層を形成した場合、例えばさらに特異的な発色効果を期待するような場合を除いて、その発色フィルム層の上にさらに透明な発色コーティング層を形成することは不要である。通常、発色フィルム層の上に上述のクリア層を所定の膜厚で形成することが好ましい。
図1及び図2に示したグラフィックスフィルムは、上記したようにして製造することができる。また、例えば接着剤層の表面に微細な凹凸構造を付与した図3のグラフィックスフィルムは、次のような手順で製造することができる。
グラフィックスフィルムの接着剤層と密着せしめられるべき表面に複数個の微細な凹部が予め定められたパターンで形成されたリリースライナーを用意する。一例を示すと、ここで使用するのに有用なリリースライナーは、ポリコートライナーと呼ばれるもので、紙からなる基材の両面にポリエチレンコーティングが施されている。紙基材は、それに代えてポリエステル基材などを使用してもよい。このリリースライナーの一方のポリエチレンコーティングには、シリコーン溶液を塗布して剥離処理を施す。次いで、離型処理後のポリエチレンコーティングに、エンボス加工によって凹部を形成する。エンボス加工は、例えば、マスターツールと呼ばれるエンボスロールをリリースライナーの片面のポリエチレンコーティングに圧着して行うことができる。リリースライナーに対する凹部の付与は、マスターツールを使用したエンボス加工の他に、その他の常用の機械的加工やエッチング処理などによって行ってもよい。
次いで、リリースライナーの凹部を備えた表面に、連続して形成された微小突起からなる微細構造化面を付与する。一例を示すと、リリースライナーのポリエチレンコーティングに、再びエンボス加工によって微小突起を形成する。エンボス加工は、上記と同様にして実施することができ、場合によっては他の方法を使用してもよい。エンボスロールの表面パターンがポリエチレンコーティングに転写され、微小突起を有するリリースライナーが得られる。
リリースライナーに微細構造化面を付与した後、その微細構造化面に対して感圧接着剤を、その微細構造化面を完全に被覆するのに十分な厚さで塗布して接着剤層を形成する。一例を示すと、リリースライナーの微小突起を有するポリエチレンコーティングの上に選ばれた感圧接着剤を所定の膜厚で塗布し、乾燥し、さらにキュアさせる。感圧接着剤の塗布は、バーコートなどの常用のコーティング方法を使用して行うことができる。
その後、リリースライナーの接着剤層に上記したような手順で透明なフィルム層、透明な発色コーティング層及びクリア層を順次積層すると、目的とするグラフィックスフィルムが完成する。
引き続いて、本発明をその実施例を参照して説明する。なお、本発明は、これらの実施例によって限定されるものでないことは言うまでもない。
実施例1
本例では、下記の材料を使用して図1に模式的に示すグラフィックスフィルムを作製した。
接着剤層の形成に使用するため、接着剤層付きのリリースライナー、透明スコッチカルTMフィルム(50μm厚の塩化ビニルフィルム+30μm厚のアクリル系接着剤層、商品名「S/C3669CF」、3M社製)を用意した。
次いで、リリースライナーの接着剤層の上に、透明樹脂原料(ポリエステル樹脂)を希釈剤と一緒に混練して調製したコーティングインクをスクリーン印刷で塗布及び乾燥し、透明なフィルム層を作製した。
その後、透明なフィルム層の上に、下記の第1表に記載するように、異なる光輝性、光干渉性顔料粉末(クロマフレア、シラリック及びイリオジン7200)を異なる配合量(0.2、0.5、1.0、3.0、5.0、8.0、15.0、30.0及び40.0重量%)で含有する透明な発色コーティング層を形成した。本例では、発色コーティング層を形成するため、それぞれの顔料粉末を希釈剤と一緒に透明樹脂原料(ポリエステル樹脂)に混練してコーティングインクを調製し、このインクをスクリーン印刷で約5μmの厚さ(乾燥時)で塗布し、乾燥した。このようにして発色コーティング層を形成した後、表面保護と耐候性及び光沢外観の付与のため、ポリエステル樹脂系のクリア塗料を約20μmの厚さ(乾燥時)で塗布し、乾燥した。約105μmの厚さをもったグラフィックスフィルムが得られた。
上記のようにして作製したグラフィックスフィルムを異なる塗装色(黒、パールホワイト及びシルバーメタリック)をもった自動車塗装パネルに貼り付け、供試パネルを作製した。各供試パネルの塗装色を肉眼で観察したところ、下記の第1表に記載するような評価結果が得られた。
Figure 2006231778
上記第1表の評価結果から理解できるように、本発明によるグラフィックスフィルムは、その発色コーティング層を構成する光輝性、光干渉性顔料の種類や配合量に応じて、塗装色の発色と発色コーティング層の発色の間でいろいろな関係を導くことができる。特に顔料の配合量を0.5〜5.0重量%の間に設定した場合、塗装色及び発色コーティング層の両方において満足し得る発色を確認できた。実際に、これらの配合量で顔料を発色コーティング層に添加した場合、自動車塗装パネルの塗装色を生かしたままで、光輝性、光干渉性の外観を付与することができ、上質なやわらかいニュアンスのカラーコーディネート(モノトーン的、近似色ツートーンなど)が可能となった。
実施例2
前記実施例1に記載の手法を使用してグラフィックスフィルムを作製したけれども、本例では、接着剤層の形成に使用するため、透明スコッチカルTMフィルムに代えて、接着剤層付きのマイクロコンプライTMリリースライナー、透明スコッチカルTMフィルム(150μm厚のポリウレタンフィルム+45μm厚のアクリル系接着剤層、商品名「FPU3000J」、3M社製)を使用した。約220μmの厚さをもったグラフィックスフィルムが得られた。
作製したグラフィックスフィルムを前記実施例1と同様に異なる塗装色(黒、パールホワイト及びシルバーメタリック)をもった自動車塗装パネルに貼り付け、供試パネルを作製した。本例の場合、リリースライナーの表面構造(マイクロコンプライ)に由来する微細な連通溝が接着剤層の表面に形成されていたので、グラフィックスフィルムの貼付作業が非常に容易であり、フィルムと供試パネルの間に気泡が取り込まれることもなかった。
さらに、各供試パネルの塗装色を肉眼で観察したところ、上記の第1表に記載したものと同様な評価結果が得られた。すなわち、発色コーティング層を構成する光輝性、光干渉性顔料の配合量を特に0.5〜5.0重量%の間に設定した場合、塗装色及び発色コーティング層の両方において満足し得る発色を確認できた。実際に、これらの配合量で顔料を発色コーティング層に添加した場合、自動車塗装パネルの塗装色を生かしたままで、光輝性、光干渉性の外観を付与することができ、上質なやわらかいニュアンスのカラーコーディネート(モノトーン的、近似色ツートーンなど)が可能となった。
実施例3
前記実施例2に記載の手法を使用してグラフィックスフィルムを作製した。次いで、それぞれのグラフィックスフィルムを異なる塗装色(黒、パールホワイト及びシルバーメタリック)をもった自動車車体(実車)の側面に貼り付け、ツートーン塗装の代替品として使用し得るか否かを目視によって評価した。
まず、リリースライナーの表面構造に由来する微細な連通溝が接着剤層の表面に形成されていたので、自動車車体に対するグラフィックスフィルムの貼付作業が非常に容易であり、フィルムと供試パネルの間に気泡が取り込まれることもなかった。
また、顔料の配合量を特に0.5〜5.0重量%の間に設定した場合、塗装色及び発色コーティング層の両方において満足し得る発色を確認できた。さらに、グラフィックスフィルムを貼付していない領域では自動車車体の塗装色をそのまま発色させることができる一方で、その領域に隣接したグラフィックスフィルム貼付領域ではモノトーン的、近似色ツートーンを発色させることができたので、自動車車体は、上質なやわらかいニュアンスのツートーン塗装車両の外観を提供した。なお、本例で得られたツートーン塗装代替品の場合、マイクロコンプライに由来する微細な連通溝のエア噛みがわずかに認められたけれども、その上に存在する発色コーティング層の顔料粉末の隠ぺい力によって少しも問題とはならなかった。
実施例4
前記実施例1に記載の手法を使用してグラフィックスフィルムを作製したけれども、本例では、接着剤層の形成に使用するため、透明スコッチカルTMフィルムに代えて、接着剤層付きのコントロールタックTMプラスコンプライTMフィルム(150μm厚のポリウレタンフィルム+35μm厚のアクリル系接着剤層、3M社製)を使用した。約210μmの厚さをもったグラフィックスフィルムが得られた。
作製したグラフィックスフィルムを前記実施例1と同様に異なる塗装色(黒、パールホワイト及びシルバーメタリック)をもった自動車塗装パネルに貼り付け、供試パネルを作製した。本例の場合、リリースライナーの表面構造(マイクロコンプライ)に由来する微細な連通溝が接着剤層の表面に形成されていたので、グラフィックスフィルムの貼付作業が非常に容易であり、フィルムと供試パネルの間に気泡が取り込まれることもなかった。さらに、この接着剤層の表面には連通溝に組み合わさって微細なガラス粒子(フリット)が分布せしめられているため、貼り付け時の気泡抜けと同時にスライダビリティが良好であり、位置決めも容易に可能であった。これらの事実から、本例のグラフィックスフィルムは、大型バスの側面のような大面積の被着体に貼付するのに非常に有効であるということがわかった。
さらに、各供試パネルの塗装色を肉眼で観察したところ、上記の第1表に記載したものと同様な評価結果が得られた。すなわち、発色コーティング層を構成する光輝性、光干渉性顔料の配合量を特に0.5〜5.0重量%の間に設定した場合、塗装色及び発色コーティング層の両方において満足し得る発色を確認できた。実際に、これらの配合量で顔料を発色コーティング層に添加した場合、自動車塗装パネルの塗装色を生かしたままで、光輝性、光干渉性の外観を付与することができ、上質なやわらかいニュアンスのカラーコーディネート(モノトーン的、近似色ツートーンなど)が可能となった。また、マイクロコンプライに由来する微細な連通溝のエア噛みがわずかに認められたけれども、その上に存在する発色コーティング層の顔料粉末の隠ぺい力によって少しも問題とはならなかった。さらに、接着剤層に存在するガラス粒子に原因して外観特性の低下が心配されたけれども、ガラス粒子が顔料粉末と同様に見えかつ顔料粉末によって隠ぺいされ、さらには光干渉性の向上に関与し得るため、なんらの不具合も発生しなかった。
実施例5
本例では、下記の材料を使用して図2に模式的に示すグラフィックスフィルムを作製した。
接着剤層の形成に使用するため、接着剤層付きのリリースライナー、透明スコッチカルTMフィルム(50μm厚の塩化ビニルフィルム+30μm厚のアクリル系接着剤層、商品名「S/C3669CF」、3M社製)を用意した。
次いで、リリースライナーの接着剤層の上に、下記の第2表に記載するように、異なる光輝性、光干渉性顔料粉末(メタシャイン、クロマフレア、シラリック及びイリオジン7200)を異なる配合量(0.2、0.5、1.0、3.0、5.0、8.0、15.0、30.0及び40.0重量%)で含有する透明な発色フィルム層を形成した。本例では、発色フィルム層を形成するため、それぞれの顔料粉末を希釈剤と一緒に透明樹脂原料(ポリエステル樹脂)に混練してコーティングインクを調製し、このインクをスクリーン印刷で約5μmの厚さ(乾燥時)で塗布し、乾燥した。このようにして発色フィルム層を形成した後、表面保護と耐候性及び光沢外観の付与のため、ポリエステル樹脂系のクリア塗料を約20μmの厚さ(乾燥時)で塗布し、乾燥した。約100μmの厚さをもったグラフィックスフィルムが得られた。
上記のようにして作製したグラフィックスフィルムを異なる塗装色(黒、パールホワイト及びシルバーメタリック)をもった自動車塗装パネルに貼り付け、供試パネルを作製した。各供試パネルの塗装色を肉眼で観察したところ、下記の第2表に記載するような評価結果が得られた。
Figure 2006231778
上記第2表の評価結果から理解できるように、本発明によるグラフィックスフィルムは、その発色フィルム層を構成する光輝性、光干渉性顔料の種類や配合量に応じて、塗装色の発色と発色フィルム層の発色の間でいろいろな関係を導くことができる。特に顔料の配合量を0.3〜5.0重量%の間に設定した場合、塗装色及び発色コーティング層の両方において満足し得る発色を確認できた。実際に、これらの配合量で顔料を発色フィルム層に添加した場合、自動車塗装パネルの塗装色を生かしたままで、光輝性、光干渉性の外観を付与することができ、上質なやわらかいニュアンスのカラーコーディネート(モノトーン的、近似色ツートーンなど)が可能となった。
さらに、本発明者らの実験の結果、本例で発色フィルム層中の顔料の配合量を0.3重量%及び0.5重量%とした場合に得られる評価結果は、前記実施例1に記載のように発色コーティング層中の顔料の配合量を3.0重量%及び5.0重量%とした場合に得られる評価結果に近いということも確認できた。
本発明によるグラフィックスフィルムの好ましい1形態を示した断面図である。 本発明によるグラフィックスフィルムのもう1つの好ましい形態を示した断面図である。 本発明によるグラフィックスフィルムのさらにもう1つの好ましい形態を示した断面図である。 図3に示したグラフィックスフィルムの平面図である。 図3に示したグラフィックスフィルムの貼付方法を示した斜視図である。
符号の説明
1 被着体
2 透明な接着剤層
3 透明なフィルム層
4 透明な発色コーティング層
5 クリア層
6 光輝性、光干渉性充填材
10 グラフィックスフィルム
12 微細な連通溝
13 透明な発色フィルム層
20 グラフィックス製品

Claims (13)

  1. 着色された被着体の表面に貼付して用いられるものであって、透明な接着剤層の上に、光輝性及び(又は)光干渉性の無機もしくは有機充填材を含有する透明な発色層を少なくとも備えてなることを特徴とするグラフィックスフィルム。
  2. 前記発色層が、透明なフィルム層の上に形成された発色コーティング層であることを特徴とする請求項1に記載のグラフィックスフィルム。
  3. 前記発色層が、前記充填材を含有する発色フィルム層であることを特徴とする請求項1に記載のグラフィックスフィルム。
  4. 最上層にさらにクリア層を有することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のグラフィックスフィルム。
  5. 前記充填材が、無機もしくは有機顔料の粉末であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のグラフィックスフィルム。
  6. 前記顔料が、パール顔料、干渉パール顔料、カラーシフト顔料、アルミナ顔料、酸化チタン被覆ガラスフレーク、二酸化チタン被覆雲母片、酸化鉄被覆雲母片又はその組み合わせであることを特徴とする請求項5に記載のグラフィックスフィルム。
  7. 前記充填材が、発色層を構成する材料の全量を基準にして0.5〜5重量%の量で含まれることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載のグラフィックスフィルム。
  8. 前記接着剤層が、その被着体側の表面に微細な凹凸構造を備えていることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載のグラフィックスフィルム。
  9. 前記接着剤層の表面の凹凸構造が、前記グラフィックスフィルムを前記被着体に貼付するときに両者間に捕捉された空気を外部に排出する機能を具え、かつ貼付が完了した時点ではその凹凸構造自体が前記接着剤層に取り込まれ、消失することが可能な形状及び寸法を有していることを特徴とする請求項8に記載のグラフィックスフィルム。
  10. 前記凹凸構造が、前記接着剤層の表面に形成された格子状の微細な連通溝に由来していることを特徴とする請求項8又は9に記載のグラフィックスフィルム。
  11. 前記接着剤層が、その露出面を被覆したリリースライナーをさらに備えていることを特徴とする請求項1〜10のいずれか1項に記載のグラフィックスフィルム。
  12. 着色された基材からなる被着体と、該被着体の表面に少なくとも部分的に貼付された請求項1〜10のいずれか1項に記載のグラフィックスフィルムとからなることを特徴とするグラフィックス製品。
  13. 前記被着体が自動車の車体あるいはその取り付け部品であり、前記グラフィックスフィルムが、ストライプ、エンブレム又はツートーン塗装の代替品を構成していることを特徴とする請求項12に記載のグラフィックス製品。
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