JP6152066B2 - 光輝性シートおよびその製造方法、並びにこれを用いた積層成形品の製造方法 - Google Patents

光輝性シートおよびその製造方法、並びにこれを用いた積層成形品の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、光輝性シートおよびその製造方法、並びにこれを用いた積層成形品の製造方法に関する。
従来、自動車ボディなどの塗装面上に、フィルム表面に印刷層が形成されてなる光輝性シートを貼着して装飾を施すことが行われている。この際、貼着されるフィルムが有する印刷層には各種の着色料等が用いられるが、例えば特許文献1では、深み感のある高級塗装物の上に貼着しても周囲の高級塗装物と違和感を生じない深み感のある色調を持たせるべく、透明ポリウレタンフィルム層、アルミ粉を含有する着色印刷層、粘着剤層がこの順に積層されてなるフィルム複合体を用いる技術が開示されている。
ところで、自動車ボディのような立体成形品の表面加飾法は、成形品の付加価値を高め高級感を付与する目的から近年注目されているが、その表面が複雑な三次元形状のものが多いため、成形品上に柄付けをした後この柄層に保護・塗装を行っている。しかしながら、このような方法は作業工程の工数と時間を要し、コストアップとなる。
このため、作業工程が少なく、低コストで表面を加飾できる方法として、装飾フィルムを立体成形品に直接接着する方法が望まれている。このような方法として、例えば、特許文献2には、いわゆる真空成形法による加飾技術に用いるための化粧フィルムとして、光輝性粉末(アルミニウム粉末)と熱可塑性樹脂バインダを必須成分とするインクを透明熱可塑性樹脂フィルムの片面にベタ印刷または塗布したものが開示されている。
特開2003−231232号公報 特開2003−175568号公報
ここで、本発明者らの検討によれば、特許文献2に開示されているような構成を有する化粧フィルムを用いて真空成形法等のフィルムが延伸されて貼着される方法により被着体に対して積層すると、貼着前には光輝性を有していたフィルムが、貼着後には光輝性を失ってしまう場合があることが判明した。このように延伸・貼着後に化粧フィルムの光輝性が失われてしまうと、成形品の外観を著しく損ねることから、延伸・貼着後にもフィルムの光輝性を維持できるようにすることは、積層成形品の製造においてきわめて重要な制御因子である。
そこで本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、光輝性を有するシート(光輝性シート)を真空成形法等により被着体に対して延伸・貼着した場合であっても、光輝性シートの光輝性を維持しうる手段を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意研究を行った。その結果、光輝性シートを構成する光輝性層の視認側とは反対側の面に、隠ぺい性の高い隠ぺい層を設けることで、上記課題が解決されうることを見出し、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明の一形態は、延伸可能な透明樹脂層と、光輝性層と、反射濃度が0.5以上である隠ぺい層とがこの順に配置されてなる光輝性シートである。
本発明の他の形態によれば、上記形態に係る光輝性シートの好適な製造方法が提供される。当該製造方法は、キャスティングフィルムの表面に、延伸可能な透明樹脂層を形成する工程と、前記樹脂層の表面に、金属粉末を含有するインクを印刷することにより光輝性層を形成する工程と、前記光輝性層の表面に、反射濃度が0.5以上である隠ぺい層を形成する工程とを含む。
本発明のさらに他の形態によれば、上述の光輝性シートを用いた積層成形品の製造方法が提供される。当該製造方法は、真空成形、圧空成形または真空・圧空成形により、光輝性層に対して隠ぺい層の側が被着体側に配置されるように、上記形態に係る光輝性シートを被着体の表面に積層する積層工程を有するものである。
本発明によれば、光輝性を有するシート(光輝性シート)を真空成形法等により被着体に対して延伸・貼着した場合であっても、光輝性シートの光輝性を維持しうる手段が提供されうる。
本発明の一実施形態に係る光輝性シートの断面図である。 一般的なカーボン粒子(カーボンブラック)の構造を示す模式図である(三菱化学株式会社のウェブサイト(http://www.carbonblack.jp/cb/tokusei.html)より引用)。 本発明の一実施形態に係る光輝性シートの好適な製造方法を示す断面図である。 本発明に係る積層工程(1)を説明する概略図である。 本発明に係る積層工程(1)を説明する概略図である。 本発明に係る積層工程(1)を説明する概略図である。 本発明に係る積層工程(1)を説明する概略図である。 本発明に係る積層工程(1)を説明する概略図である。
≪光輝性シート≫
本発明の一形態によれば、延伸可能な透明樹脂層と、光輝性層と、反射濃度が0.5以上である隠ぺい層とがこの順に配置されてなる光輝性シートが提供される。
以下、図面を参照しながら、上記形態に係る光輝性シートについて詳細に説明するが、本発明の技術的範囲は下記の形態のみに限定されるわけではない。
図1は、本発明の一実施形態に係る光輝性シートの断面図である。図1に示すように、本実施形態に係る光輝性シート10は、例えばポリウレタン樹脂などからなる透明樹脂層102と、光輝性層104(光輝性顔料104aを含有する)と、隠ぺい率の高い隠ぺい層である黒色印刷層106と、接着剤を含む接着剤層108と、剥離シート110とがこの順に積層されてなるものである。
以下、本発明の光輝性シートを構成する各構成要素について、より詳細に説明する。
[透明樹脂層]
透明樹脂層102は、光輝性シート10における主要な構成要素であり、光輝性シート10が用いられる用途に応じて各種の材料から構成されうる。後述するような凹凸成形品の表面に真空成形法等によって貼付される場合を考慮すると、透明樹脂層102を構成する材料は、凹凸成形品の三次元形状に追従できる程度で延伸可能であるものであることが必要である。具体的な材料として特に制限はないが、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン、ポリブタジエン等のポリオレフィン、アクリル樹脂、塩化ビニル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステルなどが挙げられる。これらのうち、延伸性(立体形状追従性)、透明性、意匠性、耐久性、コストを考慮すると、ポリエチレン、無延伸ポリプロピレン、アクリル樹脂、塩化ビニル樹脂、ポリウレタン樹脂が好ましい。真空成形、圧空成形または真空・圧空成形のしやすさの観点から、透明樹脂層102の構成材料は無延伸フィルムであることが好ましい。ここで、上記材料は、単独で使用されてもあるいは2種以上の混合物の形態で使用されてもよい。また、透明樹脂層102は、単独の樹脂層から構成されてもよいし、異なる種類の樹脂層が積層されてなるものであってもよい。
透明樹脂層102の厚みは、特に制限されないが、延伸性(立体形状追従性)、破断強度、耐擦過性などを考慮すると、5〜200μmであることが好ましく、10〜150μmであることがより好ましい。このような厚みであれば、真空成形、圧空成形または真空・圧空成形を容易に行うことができ、また、当該成形によってもこれら樹脂層は凹凸成形品への立体形状追従性を十分発揮できる。
透明樹脂層102は光輝性層104を保護する機能を発揮しうるものであることから、透明樹脂層102は高い透明性を有するものであることが視認性の確保の観点からは必要である。具体的には、透明樹脂層102の全光線透過率は、好ましくは70%以上であり、より好ましくは80%以上である。
また、透明樹脂層102は、透明性を損なわない範囲で着色されてもよい。着色剤としては、チタンイエロー、フタロシアニンブルー、キナクリンレッドなどが挙げられる。
透明樹脂層102の汚染を防ぐために、フッ素樹脂層を積層することができる。フッ素樹脂層を積層する方法は、透明樹脂層の上にフッ素樹脂を含む塗料を塗布する方法、透明樹脂層とフッ素樹脂層を溶融共押出する方法、透明樹脂層の上に接着剤層介してフッ素樹脂フィルムを貼り合せる方法等が挙げられる。
フッ素樹脂としては、ポリフッ化ビニリデン、エチレン−テトラフルオロエチレン共重合体、エチレン−クロロトリフルオロエチレン共重合体、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルコキシエチレン共重合体、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体、ポリクロロトリフルオロエチレン等が挙げられる。
[光輝性層]
光輝性層104は、光輝性(メタリック感)を有する層である。光輝性層104の具体的な構成について特に制限はなく、従来公知の知見が適宜参照されうる。一例として、光輝性層104は、蒸着やスパッタリング等の乾式製膜法によって形成されてなる金属薄膜層であってもよいし、図1に示すように光輝性顔料およびバインダを含有する光輝性顔料含有層であってもよい。これらのうち、延伸後の光輝性の維持という観点からは、光輝性層104は光輝性顔料含有層であることが好ましい。
光輝性層104が金属薄膜層である場合、当該金属薄膜層を構成する金属としては、例えば、クロム、インジウム、スズ、アルミニウムなどが挙げられる。なかでも、延伸後の光輝性の維持という観点からは、クロム、インジウム、スズが好ましく採用される。
一方、光輝性層104が光輝性顔料含有層である場合、当該光輝性顔料含有層に含まれる光輝性顔料としては、特に制限はなく従来公知の知見が適宜参照されうる。光輝性顔料は、例えば、アルミニウム材料、パール顔料、およびガラス材料からなる群から選択される1種または2種以上が挙げられる。アルミニウム材料の具体例としては、アルミニウム粉末、アルミニウムペースト、およびアルミニウムフレークが挙げられる。アルミニウム粉末は、溶剤成分を含まないメタリック顔料であり、アルミニウム粒子にアクリル系樹脂などの樹脂をコーティングしたタイプの材料も含まれる。また、アルミニウムペーストは、アルミニウムの鱗片状微細粒子を表面処理し、有機溶剤等でペースト状にした材料である。さらに、アルミニウムフレークの一例として、アルミニウム蒸着膜を顔料化したタイプの材料もある。また、パール顔料の一例としては、雲母を微粉末化して表面処理を施したホワイトパールが挙げられる。また、ガラス材料の一例としては、鱗片状ガラスフレーク、またはそのフレークをさらに金属や金属酸化物でコートした光輝性顔料タイプの材料が挙げられる。
光輝性顔料の平均粒子径について特に制限はないが、好ましくは5〜30μmであり、より好ましくは10〜25μmである。アルミニウムペーストにおけるアルミニウム粒子のように鱗片状の形状を有する光輝性顔料の平均粒子径については、粒子の大きな面をなす側の平均粒子径を意味するものとし、粒度分布測定装置を用いた光散乱法によって測定した粒子径のD50値(累積重量50%粒子径)を「平均粒子径」として採用するものとする。
光輝性顔料含有層は、バインダを含むことが好ましい。使用可能なバインダとしては、例えば、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、アルキド樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂などが挙げられ、透明樹脂であれば、さらに好ましい。これらのバインダは、アミノ樹脂、メチロール化メラミン樹脂、アルキルエーテル化メラミン樹脂、尿素樹脂、ポリイソシアネート化合物などの架橋剤と併せて使用することもできる。
光輝性層104が光輝性顔料含有層である場合、当該光輝性顔料含有層に含まれる光輝性顔料の含有量は、光輝性層104を構成する固形分100質量%に対して、好ましくは5〜50質量%であり、より好ましくは10〜40質量%である。
光輝性層104が光輝性顔料含有層である場合、光輝性層104に含まれる光輝性顔料104aは、図1に示すように透明樹脂層102の側により高い濃度で存在することが好ましい。具体的には、光輝性層104が光輝性顔料104aを含む場合、光輝性層104の透明樹脂層102側における光輝性顔料104aの濃度(濃度A;光輝性層を構成する固形分100質量%に対する質量比)が、光輝性層104の透明樹脂層102とは反対の側における光輝性顔料104aの濃度(濃度B)よりも高いことが好ましい。濃度Bに対して、濃度Aはより好ましくは1.5〜10倍であり、さらに好ましくは2〜5倍である。
[隠ぺい層]
隠ぺい層は、凹凸成形品の下地が、光輝性シートを通して透けて見えることを防ぐ層である。隠ぺい率は高いことが好ましい。「隠ぺい性」をより定量的に規定すれば、本発明に係る光輝性シートを構成する隠ぺい層の隠ぺい率は、70%以上である。「隠ぺい率」は、下地の色を遮蔽する能力を示す指標であり、JIS K5600−4−1:1999により規定される。隠ぺい率試験紙の白部および黒部に光輝性シートを貼付した後、それぞれの三刺激値Y及びYを測定し、隠ぺい率の比Y/Yの百分率として算出される。この隠ぺい率は、好ましくは75%以上であり、より好ましくは78%以上である。
図1に示す実施形態では、隠ぺい層として黒色印刷層106が、光輝性層104に隣接するように配置されている。
光輝性シートを延伸すると、光輝性顔料同士の間隔が広がることにより、光輝性が低下する。しかし、隠ぺい層が黒色であることにより、光輝性層の光輝性が強調され、光輝性の低下を抑えることができる。
黒色印刷層106は、例えば、カーボンブラック等の黒色顔料を含む印刷層でありうる。かような構成を有することにより、本実施形態の光輝性シート10において、黒色印刷層13は黒色を呈する。
「黒色」の好ましい形態をより定量的に規定すれば、本発明に係る光輝性シート10において、隠ぺい層(図1の黒色印刷層106)は、反射濃度が0.5以上である。「反射濃度」は、光学濃度の1種であり、反射率(=反射面からの反射光量/反射面への入射光量)を用いて、「−log10(反射率)」として定義される。例えば、反射率が10%のとき、反射濃度は(−log10(0.1))=1と算出され、反射率が1%のとき、反射濃度は(−log10(0.01))=2と算出される。逆に、反射濃度が0.5以上となる場合の反射率は、(1/10)1/2(=約31.6%)以下である。この反射濃度は、好ましくは0.8以上であり、より好ましくは1.0以上であり、さらに好ましくは1.3以上であり、特に好ましくは1.7以上であり、最も好ましくは2.0以上である。
図1に示す実施形態の光輝性シート10においては、黒色印刷層106が黒色を呈し、かつ、反射濃度が0.5以上となっていることで、高い隠ぺい性を示す。
なお、黒色印刷層106は、カーボンブラック等の黒色顔料を含むインクを用いたスクリーン印刷により形成された印刷層であることが好ましい。ただし、黒色印刷層106を形成するための手段はこれに限定されず、例えば、オフセット印刷、フレキソ印刷、グラビア印刷、スプレー塗装、バーコートなどにより形成された層であってもよい。
本実施形態では、黒色印刷層106を黒色とし、隠ぺい層として機能させるための手段として、カーボン粒子であるカーボンブラックを黒色印刷層106に添加している。カーボンブラックとしては、オイルファーネスブラック、チャネルブラック、ランプブラック、サーマルブラック、アセチレンブラックなど各種のものが知られている。本実施形態では、いずれのものも用いられうる。
また、用いられるカーボン粒子の平均粒子径の値について特に制限はなく、上述した隠ぺい率(好ましくは、隠ぺい率および反射濃度)を達成しうる形態であれば適宜採用されうる。一例として、カーボン粒子の平均粒子径は、好ましくは10〜100nmであり、より好ましくは20〜80nmであり、特に好ましくは25〜70nmである。なお、カーボン粒子の平均粒子径の値は、例えば、電子顕微鏡により撮影された写真から、数〜数十個のカーボン粒子を無作為に選択し、選択された個々のカーボン粒子の粒子径(輪郭線上の任意の2点間を結ぶ最大長)から算術平均値を算出することにより得ることができる。図2は、一般的なカーボン粒子(カーボンブラック)の構造を示す模式図である(三菱化学株式会社のウェブサイト(http://www.carbonblack.jp/cb/tokusei.html)より引用)。図2に示すように、カーボン粒子(カーボンブラック)は表面にカルボキシル基(−COOH基)やヒドロキシル基(−OH基)などの官能基を有しており、ストラクチャーと称される構造を有する。カーボン粒子の接着剤(後述)中での分散性は、図2に示すストラクチャー構造に依存して変動しうる。このため、黒色印刷層106に含まれる他の成分の種類およびその配合量を考慮して、それに適したストラクチャーを有するカーボン粒子を適宜選定することが好ましい。
黒色印刷層106に含有される黒色顔料の含有量は特に制限されず、所望の隠ぺい率を達成可能な量で適宜設定されうる。一例として、黒色印刷層106における黒色顔料の含有量は、黒色印刷層106を構成する固形分100質量%に対して、好ましくは1〜30質量部であり、より好ましくは5〜20質量部であり、さらに好ましくは10〜15質量部である。
黒色印刷層106は、バインダを含むことが好ましい。使用可能なバインダとしては、例えば、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、アルキド樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂などが挙げられる。これらのバインダは、アミノ樹脂、メチロール化メラミン樹脂、アルキルエーテル化メラミン樹脂、尿素樹脂、ポリイソシアネート化合物などの架橋剤と併せて使用することもできる。
バインダの配合量についても特に制限はないが、一例として、黒色印刷層106におけるバインダの含有量は、黒色印刷層106を構成する固形分100質量%に対して、好ましくは3〜40質量部であり、より好ましくは5〜35質量部であり、さらに好ましくは10〜30質量部である。
[接着剤層]
接着剤層108は、接着剤(図示せず)を含む層である。接着剤層108に含まれる接着剤の具体的な構成について特に制限はない。また、接着剤の選定の際には、後述する真空成形における被着体である凹凸成形品の材質を考慮するとよく、接着剤または粘着剤のいずれも用いられうる。本発明において、接着剤は粘着剤(感圧性接着剤)を含むものとする。
接着剤として、具体的には、アクリル系接着剤、シリコーン系接着剤、ゴム系接着剤、ビニルエーテル系接着剤、ホットメルト型接着剤などが挙げられる。これらの接着剤は、溶剤型またはエマルジョン型のいずれであってもよい。これらのうち、アクリル系接着剤としては、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸2−ジエチルブチル、(メタ)アクリル酸イソオクチル、(メタ)アクリル酸2−メトキシエチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸デシル、(メタ)アクリル酸ドデシル、(メタ)アクリル酸トリデシル等の(メタ)アクリル酸エステルの1種または2種以上と、それら(メタ)アクリル酸エステルと共重合可能な(メタ)アクリル酸、イタコン酸、マレイン酸、無水マレイン酸、アクリル酸ヒドロキシエチル、アクリル酸ヒドロキシプロピル、アクリルアミド、ジメチルアクリルアミド、メタクリル酸メチルアミノエチル、(メタ)アクリル酸メトキシエチル等の官能性モノマーとの共重合物等が挙げられる。シリコーン系接着剤の具体例としては、ジメチルシロキサンガムとジメチルシロキサンレジンとの混合物および/または重合物により構成されるもの等が挙げられる。ゴム系接着剤の具体例としては、スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体ゴム、スチレン−ブタジエンゴム、ポリブテンゴム、ブチルゴム等の合成ゴムや天然ゴムを主成分とするもの等が挙げられる。ビニルエーテル系接着剤の具体例としては、エチルビニルエーテル、プロピルビニルエーテル、ブチルビニルエーテル、2−エチルヘキシルビニルエーテル等が挙げられる。ホットメルト型接着剤/粘着剤は、熱により一旦溶融し、冷却により元の固体に戻るタイプの接着剤であり、その具体例としては、アクリル系、ゴム系、ウレタン系、エステル系、ポリアミド系などの種々のものがあり、より具体的には、ポリオレフィン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体、スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体などのスチレンブロック共重合体等が挙げられる。
あるいは、化学反応型接着剤を使用してもよい。ここで、化学反応型接着剤とは、構成成分が化学反応により高分子化して固化するタイプの接着剤のことであり、その具体例としては、外部から熱を与えることにより化学反応を開始する加熱硬化型接着剤、可視光、紫外線、電子線等の照射により化学反応を開始する光・電子線硬化型接着剤等が挙げられる。加熱硬化型接着剤の具体例としては、エポキシ系接着剤等が挙げられ、光・電子線硬化型接着剤の具体例としては、ポリエステルアクリレート等が挙げられる。
接着剤層108の厚みは特に制限されないが、好ましくは5〜100μmであり、より好ましくは15〜50μmである。接着剤層108の厚みは、被着体の表面(被着面)の凹凸の大きさにより適宜選択して設定される。
接着剤層108は、従来公知のその他の添加剤をさらに含みうる。かような添加剤としては、例えば、粘着付与剤、充填剤、酸化防止剤などが挙げられる。粘着付与剤としては、例えば、ロジン系樹脂、ポリテルペン系樹脂などの天然樹脂、C5系、C9系、ジシクロペンタジエン系などの石油樹脂、クマロンインデン樹脂、キシレン樹脂などの合成樹脂などが挙げられる。充填剤としては、例えば、亜鉛華、シリカ、炭酸カルシウムなどが挙げられる。なお、二酸化チタンもまた、充填剤として機能しうる。
[剥離シート]
剥離シート110は、光輝性シート10の使用前において、接着剤層108を保護し、接着性の低下を防止する機能を有する層である。そして、剥離シート110は、光輝性シート10の使用時には剥離される。
剥離シート110の具体的な形態は特に制限されず、従来公知の知見が適宜参照されうる。剥離シート110は一般的に、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステルフィルム、ポリプロピレンやポリエチレン等のポリオレフィンフィルムなどのプラスチックフィルム;グラシン紙、クラフト紙、クレーコート紙などの紙といった材料を基材として構成される。これらの基材の厚みは、通常10〜400μm程度である。また、剥離シート110の表面には、接着剤層108からの剥離性を向上させるためのシリコーンなどから構成される剥離剤からなる層(図示せず)が設けられる。当該層の厚みは、通常0.01〜1μm程度である。
[変形例]
本発明の変形例では、隠ぺい層である黒色印刷層106と、接着剤層108とが、1つの層として構成される。つまり、接着剤層108に黒色顔料を含ませることで、接着剤層108に隠ぺい性を持たせることもできるのである。かような構成とすることで、光輝性シートの薄膜化という利点が得られる。ただし、接着力の観点からは、隠ぺい層と接着剤層とが別々の層として形成されてなる図1に示すような形態がより好ましい。
≪光輝性シートの製造方法≫
本実施形態の光輝性シート10の製造方法について特に制限はなく、光輝性シートの製造に関する従来公知の手法が適宜参照されうる。以下、図面を参照しつつ、本実施形態に係る光輝性シートを製造するのに好適な製造方法について、説明する。
図3は、本発明の一実施形態に係る光輝性シートの好適な製造方法を示す断面図である。
まず、図3(a)に示すように、キャスティングフィルム200の表面に、延伸可能な透明樹脂層102を形成する。
キャスティングフィルム200は「工程フィルム」とも称され、光輝性シートの完成後には剥離されるものである。本発明に係る製造方法において用いられうるキャスティングフィルムの材質は、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレン等の基材に、アルキド樹脂、シリコーン等の剥離層が積層されたものが例示される。キャスティングフィルムの厚さは、3〜200μm、好ましくは、16〜100μmである。フィルム表面はより平滑性が高いほど、好ましい。
なお、以下に記載する製造方法では、キャスティングフィルム200上に、透明樹脂層、光輝性層、隠ぺい層、接着剤層等が順次積層される。そして、特に透明樹脂層の上に光輝性層および隠ぺい層を形成する際には、キャスティングフィルムを介して透明樹脂層を固定した状態で、光輝性層および隠ぺい層を積層することになる。この際、キャスティングフィルムの主表面を吸引固定手段によって吸引することによりキャスティングフィルムを固定し、それにより透明樹脂層を固定することが可能である。一方、キャスティングフィルムを用いずに、別途準備・作製された透明樹脂層(透明樹脂シート)を用意し、この透明樹脂層を吸引固定手段によって吸引することで透明樹脂層を固定し、その状態で透明樹脂層上に光輝性層および/または隠ぺい層を形成するという製造方法も用いられうる。ただし、かような構成の場合には、透明樹脂層の吸引固定手段と接触した部位に接触の跡が残る可能性があり、光輝性シートの外観に悪影響を及ぼすことも否定できない。これに対し、上述したようなキャスティングフィルムを用いる製造方法によれば、当該キャスティングフィルムは最終的に剥離されて光輝性シートの構成材料とはならないことから、かような製造方法は、光輝性シート(透明樹脂層)の外観に悪影響を及ぼさないという点で、好ましい。
また、キャスティングフィルムを配置しておくことで、透明樹脂層を形成した際の乾燥時における透明樹脂層の収縮を防止することができるという利点も得られる。
さらに、透明樹脂層がキャスティングフィルムの上に形成されることにより、透明樹脂層が延伸されることがないので、十分な延伸性を有する。
キャスティングフィルム200の表面に延伸可能な透明樹脂層102を形成する手法について特に制限はないが、通常は、透明樹脂層102を構成する樹脂を溶剤に溶解させた溶液をキャスティングし、乾燥させることで透明樹脂層102が形成される。この際、用いられうる溶剤としては、例えば、ミネラルスピリット、ヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサン、オクタンなどの脂肪族炭化水素;ベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素;クロルベンゼン、トリクロルベンゼン、パークロルエチレン、トリクロルエチレンなどのハロゲン化炭化水素;メタノール、エタノール、n−プロピルアルコール、n−ブタノールなどのアルコール類;n−プロパノン、2−ブタノン;などのケトン類;酢酸エチル、酢酸プロピル;などのエステル類;テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、エチルプロピルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルなどのグリコール類およびそのエーテル;N,N−ジメチルホルムアミドなどが挙げられるが、これらに限定されるわけではない。また、これらの溶剤は1種のみが単独で用いられてもよいし、2種以上が併用されてもよい。
続いて、図3(b)に示すように、上記で形成した透明樹脂層102の表面に、光輝性顔料104aを含有するインクを印刷して塗膜を形成する。
光輝性層104を形成するのに用いられるインクは、光輝性顔料104a(例えば、アルミニウム粉末)を含有するものであればよく、上述した光輝性層104に含まれうるバインダを含有するものであることが好ましい。通常は当該光輝性顔料104aおよびバインダが溶剤に分散してなる構成を有するものである。この際、溶剤としては、上述した溶剤が同様に用いられうるため、ここでは詳細な説明を省略する。また、インク中の光輝性顔料104aの濃度についても特に制限はないが、通常は5〜30質量%程度である。
インクを印刷するための具体的な手法について特に制限はなく、スクリーン印刷、オフセット印刷、フレキソ印刷、グラビア印刷、スプレー塗装、バーコートなどの手法が用いられうる。なかでも、光輝性の観点からは、スクリーン印刷が好ましく採用される。
インクを印刷した後、この塗膜を静置することで、当該塗膜中で光輝性顔料104aを沈降させる。そして、当該塗膜を乾燥させることで溶剤を除去する。これにより、光輝性層104が形成される。
この際の静置条件について特に制限はなく、光輝性顔料104aが沈降するのに十分な時間、静置すればよいが、静置時間は、通常は20秒〜10分間程度であり、好ましくは1〜5分間である。また、乾燥条件についても特に制限はなく、自然放置の状態で乾燥させてもよいし、60〜100℃程度の乾燥温度、1〜60分間の乾燥時間といった条件での乾燥処理を施してもよい。なお、可能であれば、静置工程と乾燥工程とを同時に行ってもよい。
ここで、インクを印刷した直後には、インクにより形成された塗膜中に光輝性顔料104aが均一に分散した状態である。しかし、その状態で静置すると、塗膜中に存在する光輝性顔料104aは塗膜中を沈降して図3(b)に示すように透明樹脂層102の側に蓄積される。このように、乾燥前に静置することにより透明樹脂層102の側に光輝性顔料が蓄積され、光輝性が向上する。これにより、光輝性シートを延伸した場合であっても、光輝性の低下が小さくなるのである。
次いで、図3(c)に示すように、上記で形成した光輝性層104の表面に、隠ぺい層(図3(c)では黒色印刷層106)を形成する。隠ぺい層(黒色印刷層106)の形成は、上述した光輝性層104と同様の手法により可能である。すなわち、隠ぺい性を持たせるためのカーボンブラック(カーボン粒子)とバインダとを、適当な溶剤に溶解・分散させたインクを、スクリーン印刷等の従来公知の塗膜形成法によって塗布し、得られた塗膜を乾燥させることで、光輝性層104の表面に隠ぺい層(黒色印刷層106)が形成されうる。
さらに、隠ぺい層(黒色印刷層106)の表面に、接着剤層108を形成する。好ましい実施形態では、図3(d)に示すように、剥離シート110の表面に接着剤層108が形成されてなる積層シートを別途準備しておき、当該積層シートの接着剤層108が隠ぺい層(黒色印刷層106)の側を向くように、貼り合わせればよい。
このようにして、図3(e)に示すように、キャスティングフィルム200上に本発明に係る光輝性シート10が形成されてなる積層体が得られる。そして、最終的にこの積層体からキャスティングフィルム200を剥離することで、本発明に係る光輝性シート10が完成する。
≪光輝性シートの用途≫
本発明により提供される光輝性シートは、真空成形法等による積層成形品の製造に好適に用いられる。したがって、本発明の他の形態によれば、上述した形態に係る光輝性シート10を用いた積層成形品の製造方法もまた、提供される。なお、本明細書において「積層成形品」とは、被着体の表面に、上述した形態の光輝性シート10が、光輝性層104に対して隠ぺい層(黒色印刷層106)の側が被着体側に配置されるように貼り付けられてなる成形品を意味する。
本形態に係る積層成形品の製造方法は、真空成形、圧空成形または真空・圧空成形により、光輝性層104に対して隠ぺい層(黒色印刷層106)の側が被着体側に配置されるように、上記形態に係る光輝性シート10を被着体の表面に積層する積層工程を有する。
被着体の具体的な構成について特に制限はなく、積層工程において上記光輝性シート10を貼り付けることが可能な物品等であればよい。なお、本発明に係る積層成形品の製造方法では、形状の入り組んだ凹凸を有する被着体に対しても、確実に光輝性シート10を貼り付けることができるという利点がある。したがって、本発明に係る製造方法における被着体は、このような凹凸を有するもの(「凹凸成形品」とも称する)であることが好ましい。以下、被着体が凹凸成形品である場合を例に挙げて本発明に係る製造方法の詳細について説明するが、本発明の技術的範囲はかような形態のみに限定されるわけではない。
[積層工程]
積層工程では、上述した形態の光輝性シート10を、真空成形、圧空成形または真空・圧空成形により、光輝性層104に対して隠ぺい層(黒色印刷層106)の側が凹凸成形品側に配置されるように、凹凸成形品の表面に積層する。本明細書において、「真空成形」とは、光輝性シート10を加熱などにより軟化させ、凹凸成形品に配置して、光輝性シート10と凹凸成形品との間の空間を真空にすることによって、光輝性シート10を凹凸成形品に吸着して成形する方法を指す。真空成形の例としては、特に限定されないが、ストレート法、ドレープ法、プラグアシスト法、エアースリップ法、スナップバック法、リバースドロー法、プラグアシスト・リバースドロー法、エアークッション法等が挙げられる。「圧空成形」とは、光輝性シート10を加熱などにより軟化させ、凹凸成形品に配置して、光輝性シート10側から凹凸成形品方向にガスを流して光輝性シート10より上方(光輝性シートと凹凸成形品がない側との間)の空間を加圧して、光輝性シート10を凹凸成形品に圧着して成形する方法を指す。「真空・圧空成形」とは、上記真空成形および圧空成形を組み合わせた方法であり、光輝性シート10を加熱などにより軟化させ、凹凸成形品に配置して、光輝性シート10と凹凸成形品との間の空間を真空にするとともに、光輝性シート10の側から凹凸成形品方向にガスを流して光輝性シート10より上方(光輝性シート10と凹凸成形品がない側との間)の空間を加圧して、光輝性シート10を凹凸成形品に吸着・圧着して成形する方法を指す。
このように、真空成形、圧空成形または真空・圧空成形は、目的とする凹凸成形品表面上に、光輝性シート10を加熱軟化しつつ展張し、光輝性シート10の貼り合わせる側の空間を減圧する(真空成形)もしくは反対側の空間を加圧する(圧空成形)またはこれらを組み合わせる(真空・圧空成形)ことにより、光輝性シート10を凹凸成形品表面の三次元立体形状に沿って成形しつつ貼着・積層することが可能である。ゆえに、本発明の製造方法によると、目的とする凹凸成形品の立体形状に追従させて凹凸成形品表面全体に光輝性シート10を密着させることができる。また、本発明の製造方法は目的とする凹凸成形品の立体形状追従性に優れるため、光輝性シート10に局所的な延性を生じさせることなく、微細な構造に対しても光輝性シートを凹凸成形品の形状に密に対応して積層(貼着)することが可能である。また、本発明に係る真空成形、圧空成形、真空・圧空成形は、減圧または加圧下でかつ短時間に積層(貼着)工程が行われるため、積層(貼着)時の気泡の混入を抑制・防止できる。
以下、図4A〜図4Eを参照しながら、真空・圧空成形による本発明に係る積層工程を説明する。なお、成形を真空成形または圧空成形により行う場合には、加圧または真空を省略する以外は、下記方法と同様に行うことができる。
図4A〜図4Eは、本発明に係る積層工程を説明する概略図である。まず、真空/圧空成形機300内に、光輝性シート10および凹凸成形品302を設置する(図4A)。ここで、真空/圧空成形機300は、テーブル305が配置される容器304および蓋306を有する。光輝性シート10は、容器304および蓋306で挟むように設置し、この際、光輝性層104に対して隠ぺい層(黒色印刷層106)の側が凹凸成形品302側に配置されるように配置する。また、凹凸成形品302はテーブル305内に設置する。次に、ヒーター303により光輝性シート10を加熱し、軟化させるとともに、真空/圧空成形機300内の空気を抜き取って装置内を減圧/真空にする(図4B)。ここで、加熱条件は、真空および/または圧空成形時に凹凸成形品302の形状に十分追従できる程度にまで光輝性シート10を軟化できる条件であれば特に制限されず、透明樹脂層の材料などによって適宜選択される。具体的には、加熱温度は、60〜160℃であることが好ましく、80〜140℃であることがより好ましい。また、加熱時間は、30秒〜5分であることが好ましく、1〜3分であることがより好ましい。次に、テーブル305を光輝性シート10側に持ち上げる(図4C)。次に、蓋306内に空気または不活性ガス(窒素ガス、アルゴンガス、ヘリウムガス等)を導入して、蓋306内の空間を加圧状態にして、光輝性シート10を凹凸成形品302の形状に沿って積層(貼着)する(図4D)。
次に、蓋306を持ち上げて、真空/圧空成形機300内の圧力を大気圧に戻す(図4E)。次いで、凹凸成形品302の外部にはみ出した余分な光輝性シート10部分をサーモカッター、カッター等の適当な切断手段を用いて切り取り(トリミング処理)、凹凸成形品302上に光輝性シート10が接着された積層成形品を得る。
本発明に係る光輝性シート10を用いて真空成形法等により被着体に対して延伸・貼着すると、延伸・貼着後にも光輝性シートの光輝性を維持させることが可能となる。かような効果が発現するメカニズムについては完全には明らかではないが、隠ぺい性の高い隠ぺい層(黒色印刷層)が光輝性層104に対して視認側とは反対の側に配置されていることで、最終的には延伸・貼着後にも光輝性シートの光輝性が確保されるものと考えられる。
本発明の効果を、以下の実施例および比較例を用いて説明する。ただし、本発明の技術的範囲が以下の実施例のみに制限されるわけではない。
≪光輝性シートの作製≫
(実施例)
キャスティングフィルム(PET;50μm)上にウェット膜厚100μmでアクリルウレタン樹脂(亜細亜工業社製エクセロール290)を塗布し、120℃にて2分間乾燥処理を行った。これにより、キャスティングフィルムの表面に乾燥膜厚30μmの透明樹脂層を形成した。
次いで、アクリルウレタン樹脂(亜細亜工業社製エクセロール290)100質量部に対してアルミニウムペースト(旭化成ケミカルズ社製HR−8801)5質量部を混合して得られた混合物を、上記で形成した透明樹脂層の露出表面上にウェット膜厚100μmで塗布し、23℃にて8時間静置後、120℃にて2分間乾燥処理を行った。これにより、透明樹脂層の表面に乾燥膜厚30μmの光輝性層を形成した。
続いて、(帝国インキ製造社製VK−911墨)をスクリーン印刷によって塗布した。これにより、光輝性層の表面に乾燥膜厚16μmの隠ぺい層を形成した。
さらに、剥離シートの表面にアクリル系粘着剤を塗布して乾燥膜厚30μmの粘着剤層を形成し、隠ぺい層の露出表面に前記粘着剤層を転写し、キャスティングフィルムを剥離して、本実施例の光輝性シートを得た。なお、得られた光輝性シートにおける隠ぺい層について、分光光度計(DATACOLOR社製、SF600PLUS)を用いて反射濃度を測定したところ、0.7であった。
(比較例)
隠ぺい層を形成しなかったこと以外は、上述した実施例1と同様の手法により、本比較例の光輝性シートを得た。なお、得られた光輝性シートにおける隠ぺい層について、分光光度計(DATACOLOR社製、SF600PLUS)を用いて反射濃度を測定したところ、0.3であった。
≪積層成形品の作製・評価≫
図4A〜図4Eに記載の装置・手法を用いた真空・圧空成形法により、上述した実施例および比較例のそれぞれで得られた光輝性シートを、被着体(直径10cmの半球)の凸表面に貼着させた。この際、光輝性シートから剥離シートを剥離してから、上記真空・圧空成形法による貼着を行った。
なお、ヒーター303による光輝性シート10の加熱・軟化の際の温度は100℃とし、加熱時間は1分とした。また、真空/圧空成形機300内の空気を抜き取って装置内を減圧/真空にする(図4B)際の圧力は0.5kPaとした。
このようにして得られた積層成形品の表面を目視にて観察したところ、比較例の光輝性シートを用いて得られた積層成形品の表面からは光輝性(メタリック感)が失われていた。一方、実施例の光輝性シートを用いて得られた積層成形品の表面では光輝性(メタリック感)が維持されており、良好な外観を示した。
10 光輝性シート、
102 透明樹脂層、
104 光輝性層、
104a 光輝性顔料、
106 黒色印刷層(隠ぺい層)、
108 接着剤層、
110 剥離シート、
200 キャスティングフィルム、
300 真空/圧空成形機、
302 凹凸成形品、
303 ヒーター、
304 容器、
305 テーブル、
306 蓋。

Claims (3)

  1. キャスティングフィルムの表面に、延伸可能な透明樹脂層を形成する工程と、
    前記透明樹脂層の表面に、光輝性顔料を含有するインクを印刷して塗膜を形成する工程と、
    前記塗膜を静置して、前記塗膜中で前記光輝性顔料を沈降させ、前記塗膜を乾燥させることにより光輝性層を形成する工程と、
    前記光輝性層の表面に、反射濃度が0.5以上である隠ぺい層を形成する工程と、
    を含む、光輝性シートの製造方法。
  2. 前記インクの印刷をスクリーン印刷により行う、請求項に記載の製造方法。
  3. 請求項1または2に記載の製造方法により光輝性シートを製造する工程、および、
    その後に、真空成形、圧空成形または真空・圧空成形により、前記光輝性層に対して前記隠ぺい層の側が被着体側に配置されるように前記光輝性シートを前記被着体の表面に積層する積層工程を有する、積層成形品の製造方法。
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