JP2006215050A - 放射線像変換パネル、及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】発光量が十分であり、且つ高い粒状性を有する放射線像変換パネル及びその製造方法を提供すること。
【解決手段】輝尽性蛍光体及び結合剤を含む蛍光体層を有する放射線像変換パネルであって、蛍光体層が2層以上から構成され、蛍光体層の最上層における輝尽性蛍光体に対する結合剤量(重量)が、最上層以外の層における輝尽性蛍光体に対する結合剤量(重量)よりも多く、且つそれぞれ作製された蛍光体層の最上層となる蛍光体シート及び最上層以外の蛍光体層となる蛍光体シートが熱圧着により接着された、ことを特徴とする放射線像変換パネル及びその製造方法である。
【選択図】なし

Description

本発明は、輝尽性蛍光体を用いた放射線像変換パネル及びその製造方法に関するものである。
従来の放射線写真法に代わる方法として、たとえば特開昭55−12145号公報などに記載されているような輝尽性蛍光体を用いる放射線像変換方法が知られている。この方法は、輝尽性蛍光体を含有する放射線像変換パネル(蓄積性蛍光体シートともいう)を利用するもので、被写体を透過した、あるいは被検体から発せられた放射線を前記パネルの輝尽性蛍光体に吸収させ、その後に輝尽性蛍光体を可視光線、赤外線などの電磁波(励起光)で時系列的に励起することにより、輝尽性蛍光体中に蓄積されている放射線エネルギーを蛍光(輝尽発光光)として放出させ、この蛍光を光電的に読み取って電気信号を得て、得られた電気信号に基づいて被写体あるいは被検体の放射線画像を可視像として再生するものである。
この放射線像変換方法によれば、従来の放射線写真フィルムと増感紙との組合せを用いる放射線写真法による場合に比較して、はるかに少ない被曝線量で情報量の豊富な放射線画像を得ることができるという利点がある。従って、この方法は、特に医療診断を目的とするX線撮影等の直接医療用放射線撮影において、利用価値の非常に高いものである。
放射線像変換方法に用いられる放射線像変換パネルは、基本構造として、支持体とその片面に設けられた蛍光体層とからなるものである。なお、蛍光体層が自己支持性を有する場合には必ずしも支持体を必要としない。また、この蛍光体層の支持体とは反対側の表面(支持体に面していない側の表面)には一般に、透明な保護層が設けられていて、蛍光体層を化学的な変質あるいは物理的な衝撃から保護している。
蛍光体層は一般に、輝尽性蛍光体とこれを分散状態で含有支持する結合剤とからなるものであり、輝尽性蛍光体は、X線などの放射線を吸収したのち励起光の照射を受けると、輝尽発光を示す性質を有するものである。従って、被写体を透過したあるいは被検体から発せられた放射線は、その放射線量に比例して放射線像変換パネルの蛍光体層に吸収され、放射線像変換パネルには被写体あるいは被検体の放射線像が放射線エネルギーの蓄積像として形成される。この蓄積像は、上記励起光を照射することにより輝尽発光光として放出させることができ、この輝尽発光光を光電的に読み取って電気信号に変換することにより放射線エネルギーの蓄積像を画像化することが可能となる。
放射線像変換方法は、上述のように非常に有利な画像形成方法であるが、この方法に用いられる放射線像変換パネルも従来の放射線写真法に用いられる増感紙と同様に、高感度であってかつ画質(鮮鋭度、粒状性など)の良好な画像を与えるものであることが望まれる。放射線像変換パネルの感度は、基本的には放射線像変換パネルに含有されている輝尽性蛍光体の総輝尽発光量に依存し、この総発光量は蛍光体自体の発光輝度によるのみならず、蛍光体層における輝尽性蛍光体の含有量によっても異なる。輝尽性蛍光体の含有量が多いことは、またX線等の放射線に対する吸収も大であることを意味するから、一層高い感度が得られ、同時に画質(特に、粒状性)が向上する。一方、蛍光体層における輝尽性蛍光体の含有量が一定である場合には、輝尽性蛍光体粒子が密に充填されているほどその層厚を薄くすることができるから、散乱による励起光の広がりを少なくすることができ、相対的に高い鮮鋭度を得ることができる。
近年、高画質化の要求が高まり、蛍光体層を支持体上に形成し、そしてこの蛍光体層を圧縮することにより得られる放射線像変換パネルが、特開昭59−126299号公報、特開昭59−126300号公報に開示されている。このようにして得られる放射線像変換パネルは、蛍光体層を圧縮処理することで、蛍光体層中の輝尽性蛍光体の密度をそれまでの放射線像変換パネルよりも高くしたものであった。
しかしながら、このような技術でも、近年の高画質化の要求に応えるには、不充分であった。
特開昭55−12145号公報 特開昭59−126299号公報 特開昭59−126300号公報
特に、用いる輝尽性蛍光体の粒子サイズが小さいと、粒状性、鮮鋭度は良好であるが、発光量は少なくなるのでS/N比が不利になり、逆に大きいと、発光量は大きいが、粒状性を高めることができないため、十分な発光量と、高い粒状性とを両立させるのは、非常に困難であった。
したがって本発明は、発光量が十分であり、且つ高い粒状性を有する放射線像変換パネルを提供すること、詳しくは、発光量を低下させずに、粒状性ノイズを下げることができ、優れた画質の放射線像を得ることができる放射線像変換パネル及びその製造方法を提供することを目的とする。
発明者らは、蛍光体層を2層以上に分けて、蛍光体層の各層の特性を変化させることに着目し、鋭意研究した結果、本発明に至った。
すなわち本発明は、
<1>輝尽性蛍光体及び結合剤を含む蛍光体層を有する放射線像変換パネルであって、
蛍光体層が2層以上から構成され、
蛍光体層の最上層における輝尽性蛍光体に対する結合剤量(重量)が、最上層以外の層における輝尽性蛍光体に対する結合剤量(重量)よりも多く、
且つそれぞれ作製された蛍光体層の最上層となる蛍光体シート及び最上層以外の蛍光体層となる蛍光体シートが熱圧着により接着された、
ことを特徴とする放射線像変換パネルである。
<2>最上層における輝尽性蛍光体に対する結合剤量(重量)が、最上層以外の層における輝尽性蛍光体に対する結合剤量(重量)よりも0.5wt%以上多いことを特徴とする<1>に記載の放射線像変換パネル。
<3>蛍光体層の最上層の厚みが、最上層以外の層よりも厚いことを特徴とする<1>に記載の放射線像変換パネルである。
<4>蛍光体層の最上層の厚みが、最上層以外の層よりも薄いことを特徴とする<2>に記載の放射線像変換パネルである。
<5><1>〜<4>のいずれか1項に記載の放射線像変換パネルを製造する放射線像変換パネルの製造方法であって、
蛍光体層の最上層となる蛍光体シート、及び最上層以外の蛍光体層となる蛍光体シートをそれぞれ作製し、支持体上に当該シートを順番に載せ、熱圧着しながら接着することを特徴とする放射線像変換パネルの製造方法である。
本発明の放射線像変換パネルは、その蛍光体層を、2層以上にし、蛍光体層の最上層における輝尽性蛍光体に対する結合剤量を、最上層以外の層における輝尽性蛍光体に対する結合剤量よりも多くし、且つそれぞれ作製された蛍光体層となる蛍光体シートを熱圧着により接着することで、発光量が高い機能を最上層以外の少なくとも1層に担わせ、粒状性が高い機能を最上層に担わせることができるため、発光量、及び粒状性、共に優れ、S/N比が良好である。
以上のように、本発明によれば、発光量が十分であり、且つ高い粒状性を有する放射線像変換パネル及びその製造方法を提供することができる。
本発明を実施の形態を挙げて詳細に説明する。
本発明の放射線像変換パネルは、通常、支持体上に、蛍光体層が設けられ、必要により、保護層、着色層、縁貼り層等を任意に設けてもよい。そして、蛍光体層は、当該蛍光体層となる蛍光体シートをそれぞれ作製し、これらを熱圧着により接着したものである。
以下、本発明の放射線像変換パネルの各構成について、詳しく説明する。
(蛍光体層)
蛍光体層は、少なくとも輝尽性蛍光体及び結合剤を含み、必要により、各種添加剤等を任意に添加してもよい。
蛍光体層は、2層以上から構成され、且つ蛍光体層の最上層における輝尽性蛍光体に対する結合剤量が、最上層以外の層における輝尽性蛍光体に対する結合剤量よりも多い。このような構成をとることにより、最上層以外の少なくとも1層で、発光量を確保しつつ、粒状性ノイズに最も影響する最上層では、粒状性を良好にし粒状性ノイズを低減させることができるため、優れた画質の放射線像を得ることができる。
蛍光体層の最上層における輝尽性蛍光体に対する結合剤量は、最上層以外の層における輝尽性蛍光体に対する結合剤量よりも、0.5wt%以上多いことが好ましく、1.0wt%以上多いことが特に好ましいが、約100wt%より多いと、厚みあたりの発光量が低下する等の弊害が起こり易くなる場合がある。
蛍光体層の各層における輝尽性蛍光体に対する結合剤量としては、所望の放射線像変換パネルの特性、蛍光体の種類などによって異なるが、1wt%〜100wt%の範囲から選択することが好ましく、より好ましくは、2.5wt%〜12.5wt%である。
蛍光体層の各層の層厚としては、所望の放射線像変換パネルの特性、蛍光体の種類などによって異なるが、通常、20〜500μm程度が好ましく、50〜300μmがより好ましい。また、各層の層厚は、同一であっても、異なっていてもよいが、粒状性を重視する場合は、最上層を厚くし、鮮鋭度、発光量を重視する場合は、最上層を薄くすることにより、粒状性、鮮鋭度、発光量を制御することができる。
蛍光体層は、2層以上から構成されるが、好ましくは2〜5層であり、より好ましくは、2〜3層である。また、蛍光体層が3層以上の場合、最上層以外の各層における輝尽性蛍光体に対する結合剤量の関係は、特に制限はないが、下層にいくほど輝尽性蛍光体に対する結合剤量が少なくなっている構成が好ましい。
[輝尽性蛍光体]
輝尽性蛍光体は、先に述べたように放射線を照射した後、励起光を照射すると輝尽発光を示す蛍光体であるが、実用的な面からは波長が400〜900nmの範囲にある励起光によって300〜500nmの波長範囲の輝尽発光を示す蛍光体であることが望ましい。輝尽性蛍光体としては、二価ユーロピウム賦活アルカリ土類金属ハロゲン化物系蛍光体、セリウム賦活アルカリ土類金属ハロゲン化物系蛍光体及びセリウム賦活希土類オキシハロゲン化物系蛍光体が、高輝度の輝尽発光を示すので好ましい。ただし、本発明に用いられる輝尽性蛍光体は、このような蛍光体に限られるものではなく、放射線を照射したのちに励起光を照射した場合に輝尽発光を示す蛍光体であればいかなるものであってもよい。
輝尽性蛍光体の粒子サイズは、1〜15μmが好ましく、2〜10μmがより好ましい。この粒子サイズが、1μm未満であると、発光量が少なくなる虞があり、また、15μmを超えると粒状性が悪化する虞があり、いずれも好ましくない。
[結合剤]
結合剤としては、熱可塑性エラストマーが好適に用いられる。かかる熱可塑性エラストマーは、30〜150℃の軟化温度又は融点を有し、且つ0.3kgf/mm2以下の弾性率を有することが好ましい(以下、かかる性質を有する熱可塑性エラストマーを「特定の熱可塑性エラストマー」という。)。そして結合剤としては、上記特定の熱可塑性エラストマーを含むエラストマーが主成分(好ましくは結合剤の60%以上)として使用されることが好ましい。特定の熱可塑性エラストマーは、全エラストマーの30〜100重量%の範囲で使用されるのが好ましく、さらに60〜100重量%の範囲で使用されるのが好ましく、特に80〜100重量%の範囲で使用されるのが好ましい。
熱可塑性エラストマーの軟化温度又は融点は、30〜120℃が好ましいが、より好ましくは30〜100℃である。なお、本発明で言う軟化温度とは、ビカット軟化温度である。
熱可塑性エラストマーの弾性率は、0.3kgf/mm2以下が好ましいが、より好ましくは0.1kgf/mm2以下、更に好ましくは0.1kgf/mm2以下である。一方、弾性率の下限値としては0.001以上とすることが好ましい。
熱可塑性エラストマーの引張り強度としては、0.1〜20kgf/mm2が一般的であり、1〜15kgf/mm2が好ましく、特に1〜10kgf/mm2が好ましい。上記特定の熱可塑性エラストマーの引張り伸度は10〜2000%が一般的であり、100〜1500%が好ましく、さらに200〜1500%が好ましい。
熱可塑性エラストマーとして具体的には、ポリスチレン、ポリオレフィン、ポリウレタン、ポリエステル、ポリアミド、ポリブタジエン、エチレン酢酸ビニル、ポリ塩化ビニル、天然ゴム、フッ素ゴム、ポリイソプレン、塩素化ポリエチレン、スチレン−ブタジエンゴム、シリコンゴムなどが挙げられる。この中でも、ポリウレタン、ポリエステル及びポリオレフィンが好ましく、特にポリウレタンが好ましい。
結合剤としては、上記特定の熱可塑性エラストマー単独であってもよいし、二種以上の混合物でもよく、また上記特定の熱可塑性エラストマーと、それ以外のエラストマーとからなる二種以上の混合物でもよい。また、熱可塑性エラストマー以外のポリマー(例、エポキシ樹脂)を、更に混合して使用してもよい。特にエポキシ樹脂は、通常黄変防止のために使用される。この場合、熱可塑性エラストマー以外のポリマーは、結合剤全体の40重量%未満の量にて使用される。
結合剤は、上記弾性率及び引張り強度を、所望とする値に調整するために、公知の架橋剤を添加することができる。使用できる架橋剤としては、ポリイソシアネート、第1級アミン、第2級アミン、酸無水物等が挙げられ、結合剤として使用するエラストマーやポリマーの種類、所望とする性質等により適宜選択することができ、また同様にその添加量も適宜調整すればよい。
(支持体)
支持体の材料としては、例えば、ガラス、金属の板、あるいは従来の放射線写真法における増感紙(又は増感用スクリーン)の支持体として用いられている各種の材料、あるいは放射線像変換パネルの支持体として公知の材料から任意に選ぶことができる。そのような材料の例としては、セルロースアセテート、ポリエステル、ポリエチレンテレフタレート、ポリアミド、ポリイミド、トリアセテート、ポリカーボネートなどのプラスチック物質のフィルム;アルミニウム箔、アルミニウム合金箔などの金属シート;通常の紙、バライタ紙、レジンコート紙、二酸化チタンなどの顔料を含有するピグメント紙、ポリビニルアルコールなどをサイジングした紙などの紙;アルミナ、ジルコニア、マグネシア、チタニアなどのセラミックスの板あるいはシート;などを挙げることができる。
支持体には、公知の放射線像変換パネルと同様に、支持体と蛍光体層の結合を強化するため、あるいは放射線像変換パネルとしての感度もしくは画質(鮮鋭度、粒状性)を向上させるために、蛍光体層が設けられる側の支持体表面にゼラチンなどの高分子物質からなる接着性付与層、二酸化チタン、酸化ガドリニウムなどの光反射性物質からなる光反射層、カーボンブラックなどの光吸収性物質からなる光吸収層などの各種の層を設けることができ、それらの構成は所望の放射線像変換パネルの目的、用途などに応じて任意に選択することができる。
支持体は、特開昭58−200200号公報に記載されているように、得られる画像の鮮鋭度を向上させる目的で、支持体の蛍光体層側の表面(支持体の蛍光体層側の表面に接着性付与層、光反射層あるいは光吸収層などが設けられている場合には、その表面を意味する)には微小の凹凸が形成されていてもよい。
支持体の厚みとしては、特に制限はないが、通常75〜300μm程度が好ましく、150〜200μmがより好ましい。
(保護層)
本発明の放射線像変換パネルは、通常の放射線像変換パネルと同様に、支持体に接する側とは反対側の蛍光体層の表面に、蛍光体層を物理的及び化学的に保護する目的で、保護層を設けてもよい。
保護層としては、透明保護層が好ましく、その材料としては、例えば、酢酸セルロース、ニトロセルロースなどのセルロース誘導体;あるいはポリメチルメタクリレート、ポリビニルブチラール、ポリビニルホルマール、ポリカーボネート、ポリ酢酸ビニル、塩化ビニル・酢酸ビニル共重合体、弗素系樹脂(例えば、フルオロオレフィン・ビニルエーテル共重合体)などの合成高分子物質等が挙げられる。
透明保護層は、上記合成高分子物質等を適当な溶媒に溶解して調製した溶液を、蛍光体層表面に塗布することにより形成することができる。また適宜、ポリイソシアネート等の架橋剤を使用することができる。あるいは、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリエチレン、ポリ塩化ビニリデン、ポリアミドなどからなるプラスチックシート;及び透明なガラス板などの保護層形成用シートを別に形成して蛍光体層の表面に適当な接着剤を用いて接着するなどの方法によっても形成することができる。
保護層の厚みとしては、特に制限はないが、通常、0.1〜20μm程度が好ましい。
(着色層)
本発明の放射線像変換パネルは、得られる画像の鮮鋭度を向上させる目的で、上記の少なくともいずれかの層の間に、励起光を吸収し輝尽発光光は吸収しないような着色層を設けてもよい(特公昭59−23400号参照)。
(縁貼り層)
本発明の放射線像変換パネルは、より耐搬送特性、特に耐衝撃性及び耐汚染性を向上すべく、放射線像変換パネルの少なくとも一辺の端部(側面部)に縁貼り層を設けてもよい。
縁貼り層形成用の被覆剤は、特に限定されるものではなく、例えば、特開昭62−3700号公報に記載の線状ポリエステル又は線状ポリエステルと塩化ビニル・酢酸ビニル共重合体とのポリマー混合物、特開平4−2998号公報に記載の有機溶媒可溶性フッ素系樹脂等を挙げることができる。また、特開平7−140300号公報に詳細に記載されているシリコーン系ポリマーとポリイソシアネートとからなるものも挙げられ、かかる被覆剤により縁貼り層を形成した放射線像変換パネルは、極めて高い耐搬送特性、特に耐衝撃性及び耐汚染性を達成することができる。
(放射線像変換パネルの作製)
本発明の放射線像変換パネルは、以下のようにして製造することができるが、これに限定されるわけではない。また、以下の製造方法では、蛍光体層が、2層で構成する形態を説明するが、3層以上の場合にもこれに準じて製造することができる。
1)蛍光体層形成用の塗布液の調製
まず、上記輝尽性蛍光体と結合剤(架橋剤を含む)とを適当な塗布液調製用の溶剤に加え、これを充分に混合して結合剤溶液中に輝尽性蛍光体が均一に分散して、前述した範囲で輝尽性蛍光体に対する結合剤量が違う2種の蛍光体層形成用塗布液を調製する。ここで、輝尽性蛍光体に対する結合剤量が多い方を蛍光体層形成用塗布液1とし、少ない方を蛍光体層形成用塗布液2とする。
塗布液調製用の溶剤の例としては、メタノール、エタノール、n−プロパノール、n−ブタノールなどの低級アルコール;メチレンクロライド、エチレンクロライドなどの塩素原子含有炭化水素;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなどのケトン;酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチルなどの低級脂肪酸と低級アルコールとのエステル;ジオキサン、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテル、テトラヒドロフランなどのエーテル;及びこれらの混合物が挙げられる。
蛍光体層形成用の塗布液には、該塗布液中における蛍光体の分散性を向上させるための分散剤、形成後の蛍光体層中における結合剤と蛍光体との間の結合力を向上させるための可塑剤等、種々の添加剤が混合されていてもよい。そのような目的に用いられる分散剤の例としては、フタル酸、ステアリン酸、カプロン酸、親油性界面活性剤などを挙げることができる。同様に可塑剤の例としては、燐酸トリフェニル、燐酸トリクレジル、燐酸ジフェニルなどの燐酸エステル;フタル酸ジエチル、フタル酸ジメトキシエチルなどのフタル酸エステル;グリコール酸エチルフタリルエチル、グリコール酸ブチルフタリルブチルなどのグリコール酸エステル;そして、トリエチレングリコールとアジピン酸とのポリエステル、ジエチレングリコールとコハク酸とのポリエステルなどのポリエチレングリコールと脂肪族二塩基酸とのポリエステルなどが挙げられる。
2)蛍光体層の形成
上記のようにして調製された蛍光体と結合剤とを含有する蛍光体層形成用塗布液1及び2を、それぞれシート形成用の仮支持体の表面に均一に塗布することにより塗布液の塗膜を形成する。この塗布操作は、通常の塗布手段、たとえば、ドクターブレード、ロールコーター、ナイフコーターなどを用いることにより行うことができる。また、仮支持体は、前記支持体と同様の材料から任意に選ぶことができる。
別々の仮支持体上に蛍光体層形成用塗布液1及び2を、それぞれ塗布し、乾燥したのち、仮支持体から剥がして放射線像変換パネルの蛍光体層となる蛍光体シート1及び2を作製する。従って、仮支持体の表面には予め離型剤を塗布しておき、形成された蛍光体シートが仮支持体から剥がし易くなるようにしておくことが好ましい。
3)支持体への蛍光体層の接着
支持体上に、先に得られた蛍光体シート1及び2を、支持体、蛍光体シート2、蛍光体シート1の順番で載せ、好ましくは結合剤の軟化温度又は融点以上の温度で圧縮(熱圧着)しながら支持体上に接着して、2層の蛍光体層を形成する。
この圧縮処理に使用される圧縮装置の例としては、カレンダーロール、ホットプレスなど一般に知られているものを挙げることができる。たとえば、カレンダーロールによる圧縮処理は、支持体上に上記蛍光体シートを載せ、結合剤の軟化温度又は融点以上に加熱したローラーの間を一定の速度で通過させることにより行われる。ただし、本発明において圧縮装置はこれらのものに限られるものではなく、上記のような蛍光体シートを加熱しながら圧縮することのできるものであればいかなるものであってもよい。
圧縮処理の際の圧力は、50kgw/cm2以上が一般的で、200〜700Kgw/cm2が好ましい。加熱温度(カレンダーロールによる圧縮処理の場合には、上下のロール温度)は、上記のように軟化温度又は融点以上とすることが一般的であり、軟化温度又は融点より10〜50℃高い温度で行うことがより好ましい。また、一般に圧力をかける上と下の加圧体(カレンダーロールによる圧縮処理の場合には、上と下のロール)を同じ温度とすることが好ましい。さらにカレンダーロールによる圧縮処理の場合の送り速度は、0.1〜5.0m/分の範囲とすることが好ましい。
4)保護層、縁貼り層の形成
必要により、蛍光体層表面に保護層、放射線像変換パネルの少なくとも一辺の端部(側面部)に縁貼り層を形成する。なお、保護層は、従来公知、或いは上述したように形成することができ、縁貼り層は、従来公知の方法にて形成することができる。
以上により、本発明の放射線像変換パネルを得ることができる。
次に本発明を、実施例を挙げてさらに具体的に説明する。ただし、これらの各実施例は、本発明を制限するものではない。なお、文中「部」とあるのは、特に断りのない限り「重量部」を意味するものとする。
[実施例1]
1)上層用蛍光体シートの作製
(上層用蛍光体シートの組成)
・蛍光体;BaFBr0.850.15:Eu2+(粒子サイズ8μm)1000部
・結合剤 60部
;ポリウレタンエラストマー(大日本インキ化学工業(株)製パンデク
スT5265H[固形]15%MEK溶液)
;エポキシ樹脂(油化シエルエポキシ(株)製EP1001[固形])
;ポリイソシアネート(日本ポリウレタン(株)製コロネートHX)
(結合剤の重量混合比(ポリウレタンエラストマー:エポキシ樹脂:ポリイソシアネート)は、70:20:10である。)
上記組成の材料に、さらにMEKを粘度が30Pa・sになるように適量加え、プロペラミキサーを用いて分散、混合して、粘度が30Pa・s(25℃)の蛍光体シート形成用塗布液を調製した。これをシリコン系離型剤が塗布されているポリエチレンテレフタレート(仮支持体、厚み190μm)上に塗布し、乾燥した後、仮支持体から剥離して上層用蛍光体シート(厚み140μm)を作製した。
2)下層用蛍光体シートの作製
上層用蛍光体シートの組成の結合剤の添加量を50部に変更した以外は、上層用蛍光体シートと同様にして、下層用蛍光体シート(厚み140μm)を作製した。
3)反射(下塗)層の形成
(反射層の組成)
・酸化ガドリニウム(Gd23)の微細粒子(全粒子の90重量%
の粒子の粒子径が1〜5μmの範囲にあるもの) 30部
・結合剤:軟質アクリル樹脂(クリスコートP−1018GS:2
0%溶液;大日本インキ化学工業(株)) 30部
・フタル酸エステル 3.5部
・導電剤:ZnOウイスカー 10部
・着色剤:群青 0.4部
上記組成の材料に、さらにMEKを適量加え、プロペラミキサーを用いて分散、混合して、粘度が10Pa・s(20℃)の反射(下塗)層形成用塗布液を調製した。厚さ300μmのポリエチレンテレフタレート(支持体)をガラス板上に水平に置き、当該支持体上に、上記下塗層形成用塗布液を均一塗布した後、塗布膜を乾燥し、支持体上に反射層(厚み20μm)を形成した。
4)蛍光体層の形成
さらに、支持体上に形成された反射層上に、先に作製しておいた上層用蛍光体シート及び下層用蛍光体シートを、互いの仮支持体剥離面同士を合わせて、下層用蛍光体シート、上層用蛍光体シートの順番で載せ、熱圧着を行った。熱圧着は、カレンダーロールを用いて、500Kgw/cm2の圧力、上ロール温度を90℃、下ロール温度を75℃、そして送り速度を1.0m/分の条件にて連続的に行った。この熱圧着により、支持体上に形成された反射層と蛍光体シートとは完全に融着し、2層の蛍光体層が形成された。また、蛍光体層の厚みは約25%薄くなり、蛍光体の充填度が大きくなった。
5)保護層の形成
(保護層の組成)
・フッ素系樹脂:フルオロオレフィン・ビニルエーテル共重合体(ル
ミフロンLF−504X(40%溶液)、旭硝子(株)製) 50部
・架橋剤:ポリイソシアネート(オレスターNP38−70S(70
%溶液)、三井東圧(株)製) 9部
・滑り剤:アルコール変性シリコーン(X−22−2809(66%
溶液)、信越化学工業(株)製) 0.5部
・触媒:ジブチルチンジラウレート(KS1260、共同薬品(株)製)3m部
上記組成の材料を、適量のメチルエチルケトン/シクロヘキサン(2/8、容積比)に溶解して、粘度0.2〜0.3Pa・sの保護層形成用塗布液を調製した。この保護層形成用塗布液を上記の蛍光体層上に塗布した後、120℃で30分間熱処理して熱硬化させるとともに乾燥し、厚さ3μmの保護層を設けた。
6)縁貼り層の形成
(縁貼り層の組成)
・シリコーン系ポリマー(ポリジメチルシロキサン単位を有するポリ
ウレタン、ダイアロマーSP−3023(15wt%溶液(溶
媒:メチルエチルケトンとトルエンの混合溶媒))、大日精化
(株)製) 70部
・架橋剤:ポリイソシアネート(クロスネートD−70(50wt%
溶液)、大日精化(株)製) 3部
・黄変防止剤:エポキシ樹脂(EP1001[固形];油化シエルエ
ポキシ(株)製) 0.6部
・滑り剤:アルコール変性シリコーン(X−22−2809(66%
溶液)、信越化学工業(株)製) 0.2部
上記組成の材料を、メチルエチルケトン15部に加え、溶解させて、縁貼り層形成用塗布液を調製した。先に作製した支持体、下塗層、蛍光体層及び保護層から構成されたパネルの各側面に、当該縁貼り層形成用塗布液を塗布し、室温で充分乾燥させて、膜厚25μmの縁貼り層を形成した。
以上のようにして、支持体、下塗層、2層の蛍光体層、保護層及び縁貼り層から構成された実施例1の放射線像変換パネルを製造した。
[実施例2〜5、比較例1〜2]
上層用及び下層用蛍光体シートの作製において、蛍光体の粒子サイズ、結合剤の量、シート厚みを、表1に示す値に変更した以外は、実施例1と同様にして、2層の蛍光体層を形成し、実施例2〜5、比較例1〜2の放射線像変換パネルを製造した。
[評価]
実施例1〜5、及び比較例1〜2の放射線像変換パネルから得えられる画像の画質(発光量、粒状性)を以下のように評価した。結果を表1に示す。
放射線像変換パネルに、保護層側から管電圧80KVpのX線を照射した後、He−Neレーザー光(632.8nm)で走査して蛍光体を励起し、蛍光体層から放射される輝尽発光を受光して電気信号に変換し、これを画像再生装置によって画像として再生して表示装置上に画像を得た。このときの蛍光体層から放射される輝尽発光光量測定し、また、10mRの線量における粒状性(RM)ノイズを測定した。なお、測定器は富士写真フイルム(株)製FCR7000を使用した。
Figure 2006215050
表1から明らかなように、上層の蛍光体層のバインダー量を多くした重層蛍光体層により、発光量を低下させずに粒状性ノイズを下げることができた。これによりS/N比の良好な放射線像変換パネルを得ることができる。

Claims (5)

  1. 輝尽性蛍光体及び結合剤を含む蛍光体層を有する放射線像変換パネルであって、
    蛍光体層が2層以上から構成され、
    蛍光体層の最上層における輝尽性蛍光体に対する結合剤量(重量)が、最上層以外の層における輝尽性蛍光体に対する結合剤量(重量)よりも多く、
    且つそれぞれ作製された蛍光体層の最上層となる蛍光体シート及び最上層以外の蛍光体層となる蛍光体シートが熱圧着により接着された、
    ことを特徴とする放射線像変換パネル。
  2. 最上層における輝尽性蛍光体に対する結合剤量(重量)が、最上層以外の層における輝尽性蛍光体に対する結合剤量(重量)よりも0.5wt%以上多いことを特徴とする請求項1に記載の放射線像変換パネル。
  3. 蛍光体層の最上層の厚みが、最上層以外の層よりも厚いことを特徴とする請求項1に記載の放射線像変換パネル。
  4. 蛍光体層の最上層の厚みが、最上層以外の層よりも薄いことを特徴とする請求項1に記載の放射線像変換パネル。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載の放射線像変換パネルを製造する放射線像変換パネルの製造方法であって、
    蛍光体層の最上層となる蛍光体シート、及び最上層以外の蛍光体層となる蛍光体シートをそれぞれ作製し、支持体上に当該シートを順番に載せ、熱圧着しながら接着することを特徴とする放射線像変換パネルの製造方法。
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