JP2006207965A - 防弾衣料用布帛 - Google Patents

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Abstract

【課題】高い機械的物性(靭性因子)を有し、製造工程における工程安定性に優れると共に、安価で、しかも防弾性能に優れた防弾衣料用布帛を安価で提供すること。
【解決手段】カーボンナノチューブを含む全芳香族ポリアミドフィラメントから構成される布帛であって、該全芳香族ポリアミドフィラメントには、カーボンナノチューブが全芳香族ポリアミドフィラメントの全重量に対して0.5〜5重量%含有されている。
【選択図】なし

Description

本発明は、防弾衣料用布帛に関するものであり、より詳しくは、カーボンナノチューブを含む全芳香族ポリアミドフィラメントから構成される防弾衣料用布帛に関するものである。
近年、ポリマーの高付加価値化、高性能化に対して高い関心が寄せられている。そのための手段の一つとして、充填剤、すなわちフィラーをポリマーに分散混合させた複合材料の開発が盛んに行なわれている。
これまで、ポリマーの機械的特性や耐熱性を向上させる目的で、繊維状、針状のフィラーが用いられており、引張強度、弾性率、曲げ強度、熱寸法安定性、クリープ特性の向上、反りの改善、耐摩耗性、表面硬度、耐熱性、耐行撃性といった諸物性が向上することが知られている。
例えば、特開2003−119622号公報(特許文献1)には、カーボンナノチューブを5重量%以上含有させ、その圧縮強度を向上させたポリベンザゾール繊維が開示されており、該繊維が布帛状の防弾衣料などの用途に使用できることも記載されている。
しかしながら、布帛状の耐弾材料の場合、ただ単に構成繊維の圧縮強度を向上させただけでは、布帛としての衝撃吸収力がむしろ低下することがあり、また、一般にフィラーを含有するポリマー材料は、伸度が低下する欠点もあるため、高強度、高弾性を示すフィラーまたはポリマーを用いても、必ずしも防弾性能に優れた布帛を得ることができるとはかぎらないという問題があった。
さらに、ポリベンザゾール繊維は非常に高価であり、その結果、該繊維よりなる防弾材料も極めて高価なものになってしまうという問題があり、安価で、しかも防弾性能に優れた防弾材料の登場が切望されてきた。
特開2003−119622号公報
本発明は、上記従来技術を背景になされたもので、その目的は、高い機械的物性(靭性因子)を有し、製造工程における工程安定性に優れると共に、安価で、しかも防弾性能に優れた防弾衣料用布帛を提供することにある。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、カーボンナノチューブを含む全芳香族ポリアミドフィラメントから布帛を構成させるとき、優れた防弾性能(靭性因子)を有する布帛が得られることを究明し、本発明に到達した。
すなわち、本発明によれば、カーボンナノチューブを含む全芳香族ポリアミドフィラメントから構成される布帛であって、該全芳香族ポリアミドフィラメントには、カーボンナノチューブが全芳香族ポリアミドフィラメントの全重量に対して0.5〜5重量%含有されていることを特徴とする防弾衣料用布帛が提供される。
本発明によれば、高い機械的物性(靭性因子)を有し、製造工程における工程安定性に優れると共に、安価で、しかも防弾性能に優れた防弾衣料用布帛が提供される。
以下、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
本発明で使用する全芳香族ポリアミドは、溶液中でのジカルボン酸ジクロライドとジアミンとの低温溶液重合、または界面重合から得ることができる。具体的に本発明において使用されるジアミン成分としては、p−フェニレンジアミン、2−クロルp−フェニレンジアミン、2,5−ジクロルp−フェニレンジアミン、2,6−ジクロルp−フェニレンジアミン、m−フェニレンジアミン、3,4'−ジアミノジフェニルエーテル、4,4'−ジアミノジフェニルエーテル、4,4'−ジアミノジフェニルメタン、4,4'−ジアミノジフェニルスルフォン、3,3'−ジアミノジフェニルスルフォン等を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
中でもジアミン成分として、p−フェニレンジアミン、m−フェニレンジアミンおよび3,4'−ジアミノジフェニルエーテルが好ましい。
また、具体的に本発明において使用されるジカルボン酸クロライド成分としては、例えばイソフタル酸クロライド、テレフタル酸クロライド、2−クロルテレフタル酸クロライド、2,5−ジクロルテレフタル百隻クロライド、2,6−ジクロルテレフタル酸クロライド、2,6−ナフタレンジカルボン酸クロライドなど挙げられるが、これらに限定されるものではない。中でもジカルボン酸クロライド成分として、テレフタル酸ジクロライド、イソフタル酸ジクロライドが好ましい。従って本発明における全芳香族ポリアミドの例としてコポリパラフェニレン・3,4'−オキシジフェニレンテレフタルアミド、ポリパラフェニレンテレフタルアミド及び、ポリメタフェニレンテレフタルアミド等を挙げることが出来る。
また全芳香族ポリアミドを重合する際の溶媒としては具体的にN,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドン、N−メチルカプロラクタム等の有機極性アミド系溶媒、テトラヒドロフラン、ジオキサン等の水溶性エーテル化合物、メタノール、エタノール、エチレングリコール等の水溶性アルコール系化合物、アセトン、メチルエチルケトン等の水溶性ケトン系化合物、アセトニトリル、プロピオニトリル等の水溶性ニトリル化合物等があげられる。これらの溶媒は2種以上の混合溶媒として使用することも可能であり、特に制限されることはない。該溶媒は脱水されていることが望ましい。
この場合、溶解性を挙げるために重合前、途中、終了時に一般に公知の無概塩を適当量添加しても差し支えない。このような無機塩として例えば、塩化リチウム、塩化カルシウム等が挙げられる。
上記全芳香族ポリアミドの製造において用いられる全芳香族ポリアミド溶液のポリマー濃度は、好ましくは0.5〜30重量%、より好ましくは1〜25重量%である。ポリマー濃度が0.5重量%未満では、ポリマーの絡み合いが少なく十分な延伸が行えない場合がある。一で、ポリマー濃度が30重量%を超える場合、ノズルから吐出する際に不安定流動が起こりやすくなり安定的に紡糸することが困難となることがある。
また、全芳香族ポリアミドを製造する際、これらのジアミン成分と酸クロライド成分は、ジアミン成分対酸クロライド成分のモル比として好ましくは0.90〜1.10、より好ましくは0.95〜1.05の範囲で用いることが好ましい。
この全芳香族ポリアミドの末端は封止されることもできる。末端封止剤を用いて封止する場合、その末端封止剤としては、例えばフタル酸クロライドおよびその置換体、アミン成分としてはアニリンおよびその置換体が挙げられる。
一般に用いられる酸クロライドとジアミンの反応においては生成する塩化水素のごとき酸を捕捉するために脂肪族や芳香族のアミン、第4級アンモニウム塩を併用できる。
反応の終了後、必要に応じて塩基性の無機化合物、例えば水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム、酸化カルシウム等を添加し中和反応する。反応条件は特別な制限を必要としない。酸クロライドとジアミンとの反応は、一般に急速であり、反応温度は例えば、−25℃〜100℃、好ましくは−10℃〜80℃である。
このようにして得られる全芳香族ポリアミドはアルコール、水といった非溶媒に投入して、沈殿せしめ、パルプ状にして取り出すことができる。これを再度他の溶媒に溶解して成形に供することもできるが、重合反応によって得た溶液をそのまま成形用溶液として用いることができる。再度溶解させる際に用いる溶媒としては、全芳香族ポリアミドを溶解するものであれば特に限定はされないが、上記全芳香族ポリアミドの重合に使用される溶媒が好ましい。
本発明で使用されるカーボンナノチューブは実質的に炭素からなる管状の化合物で、層は単層でも多層でも層の数を問わない。製造方法としては、アーク放電法、気相成長法などが知られているが(例えば、特開2001−80913号公報など)、何れの方法で得たカーボンナノチューブを用いても良い。該カーボンナノチューブの外径は100nm以下、長さは0.5μm以上10μm以下、好ましくは1μm以上5μm以下である。外径が100nm又は長さが10μmを越える場合、後述するように繊維中に均一に分散せしめることが難しくなるため、糸の強度低下を招き好ましくない。一方、該カーボンナノチューブの長さが0.5μm未満の場合、紡糸工程でカーボンナノチューブが繊維軸方向に十分配向せず強度向上に寄与しない場合があるため好ましくない。
本発明においては、物性を損なわない範囲で、カーボンナノチューブ以外のフィラーを併用することができる。用いるフィラーとしては、繊維状もしくは、板状、鱗片状、粒状、不定形状、破砕品など非繊維状の充填剤が挙げられ、具体的には例えば、ガラス繊維、ポリアクリロニトリル系やピッチ系の炭素繊維、ステンレス繊維、アルミニウム繊維や黄銅繊維などの金属繊維、全芳香族ポリアミド繊維などの有機繊維、石膏繊維、セラミック繊維、アスベスト繊維、ジルコニア繊維、アルミナ繊維、シリカ繊維、酸化チタン繊維、炭化ケイ素繊維、ロックウール、チタン酸カリウムウィスカー、チタン酸バリウムウィスカー、ほう酸アルミニウムウィスカー、窒化ケイ素ウィスカー、マイカ、タルク、カオリン、シリカ、炭酸カルシ.ウム、ガラスビーズ、ガラスフレーク、ガラスマイクロバルーン、クレー、二硫化モリブデン、ワラステナイト、酸化チタン、酸化亜鉛、ポリリン酸カルシウム、グラファイト、金属粉、金属フレーク、金属リボン、金属酸化物、カーボン粉末、黒鉛、カーボンフレーク、鱗片状カーボンなどが挙げられる。また、上記のフィラーは2種以上を併用して使用することもできる。
なお、本発明に使用する上記のフィラーはその表面を公知のカップリング剤(例えば、シラン系カップリング剤、チタネート系カップリング剤など)、その他の表面処理剤で処理して用いることもできる。
本発明においては、上記全芳香族ポリアミドからなるフィラメントに、全芳香族ポリアミドフィラメント全重量に対し、カーボンナノチューブが0.5〜5重量%の範囲で含まれることが必要である。該含有量が0.5重量%未満であると靭性因子の向上が見られず、一方、該含有量が5重量%を超えるとカーボンナノチューブを紡糸溶液中に均一に分散させることが困難となる。
上記のカーボンナノチューブを含む全芳香族ポリアミドフィラメントは、カーボンナノチューブを含有していないものに比較して、引張強度(T)を10%以上向上させることが可能である。また本発明の全芳香族ポリアミドフィラメントは、カーボンナノチューブを含有していないものに比較して伸度(E)を10%以上向上させることが可能である。
さらに、上記のカーボンナノチューブを含む全芳香族ポリアミドフィラメントは靭性因子(TF)がカーボンナノチューブを含有していないものに比較して10%以上向上し、好ましくは20%以上向上し、30以上の靭性因子を有する全芳香族ポリアミドフィラメントを得ることが可能である。ここで、靭性因子(TF)とは、下記式で表されるように、グラム/デニールの単位で測定された引張強度(T)と伸度(E)との平方根との積で表される。
Figure 2006207965
本発明の全芳香族ポリアミド系フィラメントが高い機械的特性(引張強度、伸度、および靭性因子)を有し、布帛にされた場合、優れた耐弾性能を有する理由としては定かではないが、紡糸工程において延伸配向させることにより、カーボンナノチューブが繊維軸方向に高度に配向していることが原因と考えられる。
例えば、本発明で使用するフィラメント中におけるカーボンナノチューブの配向度をX線測定により解析した場合、(002)の反射ピーク強度から下記式により算出される配向度Aは50%以上であることが好ましく、より好ましくは70%以上、さらに好ましくは80%以上である。
Figure 2006207965
上記配向度Aは、フィラメント中におけるフィラーの配向性を示すパラメーターであり、カーボンナノチューブ層面の配向性がまったく無い場合はA=0、層面がフィラメント繊維軸方向に完全に平行に並んだ場合はA=100となる。
本発明においては、カーボンナノチューブを、全芳香族ポリアミドフィラメント中に50%以上、さらに好ましくは70%以上という高い配向度Aで、選択的に繊維軸方向に配向させることにより、機械的物性(靭性因子)、及びそれに起因する耐弾性能の向上が達成されると考えている。
本発明においては、全芳香族ポリアミドフィラメントの製造方法として特に限定はされないが、全芳香族ポリアミド、カーボンナノチューブおよび溶媒からなる紡糸用溶液(ドープ)を調製し、得られたドープをノズルより吐出し、貧溶媒からなる凝固浴中で凝固し、乾燥させることにより製造することができる。
また、紡糸用ドープに使用される溶媒としては、上記の全芳香族ポリアミドの製造時に使用した溶媒など、全芳香族ポリアミドおよびカーボンナノチューブを溶解及び/又は分散させることができる溶媒を使用することができ、これらの溶媒は2種以上の混合溶媒として使用することも可能である。
また紡糸用ドープのポリマー濃度、すなわち全芳香族ポリアミドの濃度は0.05〜30重量%、より好ましくは1〜25重量%が好ましい。
全芳香族ポリアミド、カーボンナノチューブおよび溶媒からなる紡糸用ドープの調整方法は、(ア)全芳香族ポリアミドの溶液にカーボンナノチューブを加える方法、(イ)全芳香族ポリアミドの溶液とカーボンナノチューブの溶液とを混合する方法、(ウ)カーボンナノチューブの溶液に全芳香族ポリアミドを添加し溶解する方法等がある。さらに、本発明における紡糸用ドープには、本発明の効果を損なわない範囲で他の成分、例えば酸化防止剤や耐熱安定剤、耐候剤、染料、帯電防止剤、難燃剤、導電性ポリマー、その他の重合体を添加することができる。
上記方法によって得られた紡糸用ドープを用いて、湿式法、半乾半湿法等により繊維に成形し、溶媒を除去した後、乾燥することで本発明の全芳香族ポリアミド系フィラメント
を製造することができる。また、得られた成形体を延伸することにより、ポリマーマトリクスである全芳香族ポリアミドおよびフィラーとして用いているカーボンナノチューブが高度に配向し、全芳香族ポリアミドフィラメントの高い物性が発現すると考えている。
延伸の方法としては、凝固糸状態での水洗延伸、沸水延伸、または乾燥糸状態での加熱延伸等行うことができる。延伸倍率については、特に制限はないが、1.05倍以上であることが好ましく、さらに好ましくは1.1倍以上であることが好ましい、該延伸倍率が1.05倍よりも小さい場合、ポリマーマトリクス中におけるカーボンナノチューブの配向が不十分であり好ましくない。また、延伸倍率をコントロールすることで全芳香族ポリアミドフィラメントの伸度および強度を制御することができる。
本発明においては、上記全芳香族ポリアミドフィラメントを、織物、編物、不織布などの布帛の形態で使用する。この際、織物の形態で使用すると全芳香族ポリアミドフィラメントが経緯一方向に配列するため繊維の性能が発揮されやすく、本発明の目的である高い防弾性能が達成されやすい。
上記布帛の、下記式で表されるカバーファクター(CF)は2500〜3500であることが好ましい。カバーファクター(CF)が上記範囲にあると、織り組織の形態を維持しやすく、織り目が開き難くなる。したがって着弾によって繊維がずれず、繊維性能のロスが少なくなり高い耐弾性能を示す。
Figure 2006207965
尚、上記布帛は単独で使用しても、他の繊維布帛と組み合わせて使用してもよい。この際、組み合わされる繊維布帛としては、他のアラミド繊維、ポリアリレート繊維、高強度ポリエチレン繊維など引張り強度が18cN/dtex以上の繊維の布帛を使用すること
が好ましい。
以下、実施例により本発明をさらに具体的に説明する。なお、実施例中の各特性は、以下の方法に従って評価した。
(1)防弾性能
防弾性能は9mm拳銃を用いて評価した。予め10cmの厚みの粘土上に被評価サンプルをベルト等で動かないように固定し、銃口から5mの位置に弾丸が垂直にあたるような角度でセットした。
弾丸の速度は一定であるため、サンプルの積層枚数を増減させることにより総目付を変更し、弾丸がサンプルを貫通しない目付(非貫通最小目付)により評価を行った。評価は同条件で4回繰り返し行い、1回の貫通もない場合に貫通しないと判断する。
なお、サンプルの大きさは他のテスト弾丸がサンプルに与えたダメージの影響がない程度に十分大きなものとした。
性能評価に用いた弾丸の仕様は9mm弾で、形状は鉛が丹銅で覆われたフルメタルジャケットであり、その重量は8.0gである。また、拳銃から発射された弾丸の速度は345m/sであった。
[実施例1]
添加するカーボンナノチューブとしては、気相成長法により製造され、カーボンのシートが同心円上に複数重なっている多層カーボンナノチューブ(以下、MWNTと称することがある。)を使用した。該多層カーボンナノチューブのチューブ径は、40nm、アスペクト比は110であった。
カーボンナノチューブの分散は、浅田鉄工株式会社製ビーズミル(NanoGrainMi1l)を用いておこない、N−メチル−2−ピロリドン(以下、NMPと称することがある。)中に0.3重量%となる様にNMP分散体を調整した。この時、メディアとして、0.3mmのジルコニアビーズを使用した。
得られたカーボンナノチューブ分散体、およびNMPを、コポリパラフェニレン・3,4'−オキシジフェニレンテレフタルアミド(共重合モル比が1:1の芳香族ポリアミド)の濃度6重量%のNMP溶液中に、得られるドープ中のカーボンナノチューブの含有量が芳香族ポリアミドの全重量を基準として1重量%となるように添加し、温度80℃で4時間撹拝混合した。
得られたドープを用い、孔数667ホールの紡糸口金から吐出し、エアーギャップ約10mmを介してNMP濃度30重量%の水溶液中に紡出し凝固した後(半乾半湿式紡糸法)、水洗、乾燥し、次いで、500℃の温度下で10倍に延伸した後、巻き取ることによりカーボンナノチューブが良好に分散した全芳香族ポリアミドフィラメントを得た。
得られた全芳香族ポリアミドフィラメントの総繊度は1100dtex、フィラメント数は667フィラメント、単糸繊度1.65dtexであり、その強度は27.7cN/dtexであった。
このフィラメントを用い、たて、よこの織密度を45本/インチとして、目付け285g/mの平織物を得た(CF=2985)。得られた織物を、複数枚重ね、上記の方法に従って、防弾性能を評価した。非貫通最小目付けは4560g/m(16枚)であった。
[実施例2〜3]
実施例1において、カーボンナノチューブの含有量が、全芳香族ポリアミドフィラメントの全重量を基準として3重量%、または、5重量%となるように添加した以外は実施例1と同様に実施した。結果を表1に示す。
[実施例4]
実施例1において、多層カーボンナノチューブを使用するかわりに、カーボンのシートが一層のみよりなる単層カーボンナノチューブ(以下、SWNTと称することがある。)を使用した以外は、実施例1と同様に実施した。結果を表1に示す。
[比較例1]
実施例1において、カーボンナノチューブを添加しなかった以外は、実施例1と同様に実施した。結果を表1に示す。
[比較例2]
実施例1において、カーボンナノチューブの含有量が、全芳香族ポリアミドフィラメントの全重量を基準として10重量%となるように添加した以外は実施例1と同様に実施した。結果を表1に示す。
Figure 2006207965
表1より明らかな様に、カーボンナノチューブを添加した全芳香族ポリアミドフィラメントは、未添加のフィラメントに比べて強度、モジュラスが向上するだけでなく、防弾性能が大きく向上することが認められる。
本発明によれば、高い機械的物性(靭性因子)を有し、製造工程における工程安定性に優れると共に、安価で、しかも防弾性能に優れた防弾衣料用布帛が提供されるので、防弾衣料、あるいは安全衣料等の用途分野に有用である。

Claims (5)

  1. カーボンナノチューブを含む全芳香族ポリアミドフィラメントから構成される布帛であって、該全芳香族ポリアミドフィラメントには、カーボンナノチューブが全芳香族ポリアミドフィラメントの全重量に対して0.5〜5重量%含有されていることを特徴とする防弾衣料用布帛。
  2. カーボンナノチューブが多層カーボンナノチューブである請求項1記載の防弾衣料用布帛。
  3. 全芳香族ポリアミドがコポリパラフェニレン・3、4’−オキシジフェニレンテレフタルアミドである請求項1又は2記載の防弾衣料用布帛。
  4. 全芳香族ポリアミドがポリパラフェニレンテレフタルアミドである請求項1又は2記載の防弾衣料用布帛。
  5. 下記式で表される布帛のカバーファクター(CF)が2500〜3500である請求項1〜4のいずれ1項に記載の防弾衣料用布帛。
    Figure 2006207965
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