JP6321425B2 - 全芳香族ポリアミド繊維 - Google Patents

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Description

本発明は、全芳香族ポリアミド繊維に関する。さらに詳しくは、繊維の引張強度を低下することなく、耐光性が改善された全芳香族ポリアミド繊維に関する。
従来、芳香族ジアミンと芳香族ジカルボン酸ジハライドとから製造される全芳香族ポリアミドは、耐熱性および難燃性に優れていることが知られている。そして、全芳香族ポリアミド繊維は、これらの特性が必要とされる分野、例えば、フィルター、電子部品などの産業用途や、防護衣などの防災安全衣料用途などに用いられている。
しかしながら、全芳香族ポリアミド繊維は、光に対する安定性が十分でなく、光照射により著しい変色または着色が起こるとともに、分子量低下による力学的特性等の物性の低下を生ずる。この光に対する劣化は、一般の有機高分子材料と比較して顕著であり、例えば、太陽光線に直接さらされた場合には短期問で著しい劣化を招くほどである。したがって、直接的または間接的に光にさらされる防護衣料、インテリア、車輌の内装材、魚網、ロープ等に使用する場合には、大きな制限を受けていた。
このような観点から、従来、芳香族ポリアミドの耐光性を向上させる試みが提案されている。例えば、特許文献1においては、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤および酸化防止剤を添加して、耐光性を向上させる方法が提案されている(特許文献1参照)。しかしながら、この方法による耐光性向上の程度では、未だ満足できるものではなった。
また、ピペリジン誘導体を添加して、芳香族ポリアミドの耐光性を向上させる方法も開示されている(特許文献2参照)。しかしながら、この方法による芳香族ポリアミドは、添加した紫外線吸収剤が成形時に揮散したり、熱により分解したり、さらには使用時にも徐々にブリードアウトする等の問題があり、長期に亘る耐光性改善効果は得られていなかった。
さらに、芳香族ポリアミドにカーボンブラックを含有させることで、耐光性を向上る方法が開示されている(特許文献3〜5参照)。しかしながら、カーボンブラックの添加量の増加に伴い、繊維の引張強度、弾性率などの機械的物性が低下し、耐光性の向上と機械的物性の持続とを両立させることは困難であった。
特開昭49−100322号公報 特開昭50−34344号公報 特開2007−23451号公報 特開昭64−85316号公報 特開平6−81211号公報
本発明は、上記のごとき従来技術を背景になされたものであり、その目的とするところは、機械強度と耐光性とを兼ね備えた全芳香族ポリアミド繊維を提供することにある。
本発明者は、上記課題を解決すべく鋭意研究を重ねた。その結果、下記化学式(I)で表される構造反復単位(I)と、下記化学式(II)で表される構造反復単位(II)と、下記化学式(III)で表される構造反復単位(III)とを、特定比率で含む全芳香族ポリアミドからなる繊維は、高い耐光性と機械強度を有することを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち本発明は、化学式(I)で表される構造反復単位(I)、化学式(II)で表される構造反復単位(II)、及び化学式(III)で表される構造反復単位(III)を含む全芳香族ポリアミドからなる全芳香族ポリアミド繊維であって、前記構造反復単位(II)が、構造反復単位(I)、構造反復単位(II)、および構造反復単位(III)の合計に対して40〜60モル%であり、前記構造反復単位(III)が、構造反復単位(I)、構造反復単位(II)、および構造反復単位(III)の合計に対して5〜10モル%である全芳香族ポリアミド繊維である。
Figure 0006321425
Figure 0006321425
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本発明の全芳香族ポリアミド繊維は、優れた機械強度を有するとともに、例えば長期間日光に晒される使用環境においても強度低下を起こさず、優れた耐光性も有する。このため、例えば魚網等に好適に用いる事が出来る。
以下、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
<パラ型全芳香族ポリアミド>
[パラ型全芳香族ポリアミドの構造]
本発明の繊維を構成するパラ型全芳香族ポリアミドは、下記化学式(I)で表される構造反復単位(I)と、下記化学式(II)で表される構造反復単位(II)と、及び下記化学式(III)で表される構造反復単位(III)とを、特定比率で含む全芳香族ポリアミドである。
Figure 0006321425
Figure 0006321425
Figure 0006321425
[構造反復単位の比率]
本発明の繊維を構成するパラ型全芳香族ポリアミドにおいては、構造反復単位(II)の比率が、構造反復単位(I)、構造反復単位(II)、および構造反復単位(III)の合計に対して40〜60モル%、好ましくは45〜55モル%である。構造反復単位(II)の比率が40モル%未満の場合には、ポリマーの固有粘度が高くなり、繊維化が困難となる。一方で、構造反復単位(II)の比率は60モル%を超える場合には、繊維の強度低下が著しいため好ましくない。
また、同時に、構造反復単位(III)の比率が、構造反復単位(I)、構造反復単位(II)、および構造反復単位(III)の合計に対して5〜10モル%、好ましくは5〜8モル%である。構造反復単位(III)の比率が5モル%未満の場合には、十分な耐光性が得られない。一方で、構造反復単位(III)の比率が10モル%を超える場合には、繊維の強度低下が著しいため好ましくない。
<パラ型全芳香族コポリアミドの製造方法>
本発明に用いられる全芳香族ポリアミドは、従来公知の方法にしたがって製造することができる。例えば、アミド系極性溶媒中で、ジカルボン酸ジクロライド成分と芳香族ジアミン成分とを、低温溶液重合、または界面重合して得ることができる。
[パラ型全芳香族ポリアミドの原料]
(芳香族ジアミン成分)
本発明において使用される芳香族ジアミン成分としては、p−フェニレンジアミン、2−クロルp−フェニレンジアミン、2,5−ジクロルp−フェニレンジアミン、2,6−ジクロルp−フェニレンジアミン、m−フェニレンジアミン、3,4’−ジアミノジフェニルエーテル、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルスルフォン、3,3’−ジアミノジフェニルスルフォン、3,4’−ジアミノジフェニルエーテル、2−アミノベンズアミドなどを挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
なお、本発明においては、少なくとも2種類の芳香族ジアミン成分と1種類のアントラニルアミド誘導体とを、構造反復単位(I)、構造反復単位(II)、および構造反復単位(III)の比率にあわせて用いることが重要である。構造反復単位(I)、構造反復単位(II)、および構造反復単位(III)を構成する芳香族ジアミン成分およびアントラニルアミド誘導体は、それぞれ、単独あるいは2種以上を混合して使用することができる。
本発明において使用されるアントラニルアミド誘導体モノマーは、下記化学式で示される。
Figure 0006321425
(式中、R1及びR2は、水素原子、ハロゲン原子、アミノ基、ニトロ基、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数2〜8のアルコキシ基、炭素数2〜8のアシル基、炭素数2〜8のアシルオキシ基、炭素数2〜8のアルコキシカルボニル基、炭素数2〜8のアシルアミノ基である。)
本発明においては、芳香族ジアミンとしてp−フェニレンジアミン、m−フェニレンジアミン、3,4’−ジアミノジフェニルエーテルを用いることが好ましく、アントラニルアミド誘導体としては、上記式中R1、R2が水素原子であるものを用いることが好ましい。
(芳香族ジカルボン酸ジクロライド成分)
本発明において使用される芳香族ジカルボン酸ジクロライド成分としては、例えば、イソフタル酸クロライド、テレフタル酸クロライド、2−クロルテレフタル酸クロライド、2,5−ジクロルテレフタル酸クロライド、2,6−ジクロルテレフタル酸クロライド、2,6−ナフタレンジカルボン酸クロライドなど挙げられるが、これらに限定されるものではない。また、これらの芳香族ジカルボン酸ジクロライドは、1種類のみならず2種類以上を用いることができ、その組成比は特に限定されるものではない。
なかでは、テレフタル酸ジクロライド、イソフタル酸ジクロライドを用いることが好ましい。
したがって、本発明における全芳香族ポリアミドの例としては、コポリパラフェニレン・3,4’−オキシジフェニレンテレフタルアミド、ポリパラフェニレンテレフタルアミド、およびポリメタフェニレンテレフタルアミドなどを挙げることができる。
[パラ型全芳香族コポリアミドの重合]
(重合溶媒)
全芳香族ポリアミドを重合する際の溶媒としては、例えば、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドン、N−メチルカプロラクタムなどの有機極性アミド系溶媒、テトラヒドロフラン、ジオキサンなどの水溶性エーテル化合物、メタノール、エタノール、エチレングリコールなどの水溶性アルコール系化合物、アセトン、メチルエチルケトンなどの水溶性ケトン系化合物、アセトニトリル、プロピオニトリルなどの水溶性ニトリル化合物などが挙げられる。これらの溶媒は、単独あるいは2種以上の混合溶媒として使用することも可能である。なお、上記溶媒は、脱水されていることが望ましい。
[無機塩]
溶解性を上げるために、重合前、途中、終了時に公知の無機塩を適当量添加しても差し支えない。このような無機塩として、例えば塩化リチウム、塩化カルシウムなどが挙げられる。
[原料組成比]
芳香族ジアミン成分と芳香族ジカルボン酸ジクロライド成分との比は、芳香族ジアミン成分に対する芳香族ジカルボン酸ジクロライド成分のモル比として、好ましくは0.90〜1.10、より好ましくは0.95〜1.05である。芳香族ジカルボン酸クロライド成分のモル比が0.90未満または1.10を超える場合には、芳香族ジアミン成分との反応が十分に進まず、高い重合度が得られないため好ましくない。
[反応条件]
芳香族ジカルボン酸クロライド成分と芳香族ジアミン成分との反応条件は、特に限定されるものではない。酸クロライドとジアミンとの反応は一般に急速であり、反応温度としては、例えば、−25℃〜100℃の範囲とすることが好ましく、−10℃〜80℃の範囲とすることがさらに好ましい。
[その他重合条件等]
全芳香族ポリアミドの末端は、封止されていてもよい。末端封止剤を用いて封止する場合には、例えば、フタル酸クロライドおよびその置換体、アニリンおよびその置換体を用いることができる。
また、生成する塩化水素のごとき酸を捕捉するために、脂肪族や芳香族のアミン、第4級アンモニウム塩を併用できる。
反応の終了後は、必要に応じて、塩基性の無機化合物、例えば水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム、酸化カルシウムなどを添加し、中和反応を実施してもよい。
[重合後処理等]
上記のようにして得られる全芳香族ポリアミドは、アルコール、水といった貧溶媒に投入して沈澱せしめ、パルプ状にして取り出すことができる。取り出されたパラ型全芳香族ポリアミドを再度、他の溶媒に溶解して成形に供することができるが、重合反応によって得た溶液をそのまま成形用溶液として用いることもできる。一度取り出してから再度、溶解させる際に用いる溶媒としては、全芳香族ポリアミドを溶解するものであれば特に限定されないが、上記全芳香族ポリアミドの重合に使用する溶媒が好ましい。
[その他添加剤等]
なお、本発明においては、物性を損なわない範囲で、フィラーを併用することができる。用いるフィラーとしては、繊維状、もしくは板状、鱗片状、粒状、不定形状、破砕品など非繊維状の充填剤が挙げられ、具体的には例えば、ガラス繊維、PAN系やピッチ系の炭素繊維、ステンレス繊維、アルミニウム繊維や黄銅繊維などの金属繊維、全芳香族ポリアミド繊維以外の有機繊維、石膏繊維、セラミック繊維、ジルコニア繊維、アルミナ繊維、シリカ繊維、二酸化チタン繊維、炭化ケイ素繊維、ロックウール、チタン酸カリウムウィスカー、チタン酸バリウムウィスカー、ほう酸アルミニウムウィスカー、窒化ケイ素ウィスカー、マイカ、層状粘土鉱物、タルク、カオリン、シリカ、炭酸カルシウム、ガラスビーズ、ガラスフレーク、ガラスマイクロバルーン、クレー、二硫化モリブデン、ワラステナイト、二酸化チタン、酸化亜鉛、ポリリン酸カルシウム、グラファイト、金属粉、金属フレーク、金属リボン、金属酸化物、本発明の窒化ホウ素粒子以外の、カーボン粉末、黒鉛、カーボンフレーク、鱗片状カーボンなどが挙げられる。また、上記のフィラーは、2種以上を併用して使用することもできる。
また、本発明に用いられるポリマーや得られる繊維には、そのほか、種々の添加剤、例えば、酸化防止剤、紫外線吸収剤、耐光安定剤などの劣化防止剤、滑剤、帯電防止剤、離型剤、可塑剤、顔料などの着色剤などを併用してもよい。上記添加剤の使用量は、得られる繊維本来の物性を損なわない範囲で、添加剤の種類に応じて適当に選択できる。
<パラ型全芳香族ポリアミド繊維の製造方法>
本発明のパラ型全芳香族ポリアミド繊維を製造するにあたっては、全芳香族ポリアミド溶液(全芳香族ポリアミド製造時の生成ポリマードープであってもよい)を、湿式紡糸あるいは乾式紡糸したのち、溶媒を除去する。以下、本発明の全芳香族ポリアミド繊維の製造方法の一例を示す。
[紡糸用溶液(ポリマードープ)の調整]
繊維の製造にあたり、パラ型全芳香族ポリアミドを有機溶媒に溶解させた等方性の紡糸用溶液(ドープ)を得る。紡糸用溶液(ポリマードープ)を調整する方法としては、特に限定されるものではない。溶液重合を行った後の有機溶媒ドープそのままでも、得られた全芳香族ポリアミドを有機溶媒に再度溶解させたものでもよい。ここで、パラ型全芳香族ポリアミドを再度溶解させる際に用いる溶媒としては、上記したパラ型全芳香族ポリアミドの重合に用いる溶媒を使用することができる。
[紡糸・凝固]
上記のごとく調整された等方性のドープ(紡糸用溶液)を用いて、湿式紡糸法またはエアギャップを設けた半乾半湿式紡糸法によって繊維を成形する。すなわち、先ず、上記で得られた紡糸用溶液(ドープ)をノズルから吐出し、続いて、エアギャップを介し、または介さずに、凝固浴中の凝固液に接触させて凝固糸を形成する。
凝固浴としては、全芳香族ポリアミドの貧溶媒が用いられるが、全芳香族ポリアミドドープの溶媒が急速に抜け出して全芳香族ポリアミド繊維に欠陥ができないように、通常は良溶媒を添加して凝固速度を調節する。一般には、貧溶媒としては水、良溶媒としては全芳香族ポリアミドドープ用の溶媒を用いることが好ましい。良溶媒/貧溶媒の重量比は、全芳香族ポリアミドの溶解性や凝固性にもよるが、15/85〜40/60の範囲とすることが好ましい。
[その他の工程]
凝固液から凝固糸条を引き上げた後は、公知の方法によって、最終的なパラ型全芳香族ポリアミド繊維を得ることができる。例えば、水洗工程を実施して形成された未延伸糸から溶媒を除去し、必要に応じて延伸を実施し、乾燥工程等を経た後に必要に応じて延伸することにより配向させ、最終的な繊維を得ることができる。
[延伸工程]
本発明の繊維は、延伸配向されていることが好ましい。延伸の方法としては特に限定されるものではなく、凝固糸状態での水洗延伸、沸水延伸のみならず、乾燥糸状態での加熱延伸等、いずれでもよい。また、延伸倍率については特に制限はないが、5倍以上であることが好ましく、8倍以上であることがさらに好ましい。延伸倍率を制御することにより、得られる芳香族ポリアミド繊維の伸度および強度を制御することができる。
本発明の繊維は、広角X線回折により求めた結晶配向度が89%以上、結晶化度が74%以上と、高度に配向および結晶化していることが好ましい。結晶配向度および結晶化度のどちらか一方または両方が低い場合には、得られる繊維の機械的物性が不充分となりやすい。
熱延伸を実施する場合には、その温度は、全芳香族ポリアミドのポリマー骨格にもよるが、好ましくは300〜550℃、さらに好ましくは350〜500℃とし、また、延伸倍率は好ましくは4倍以上、さらに好ましくは4〜10倍とする。
<芳香族ポリアミド繊維>
(単糸繊度)
本発明のパラ型全芳香族ポリアミド繊維の単糸繊度は、好ましくは0.5〜50dtex、さらに好ましくは1.0〜10dtexである。0.5dtex未満の場合には、製糸性が不安定となる場合がある。また、繊維の比表面積が大きくなるため耐光劣化を受け易い。一方で、50dtexを超える場合には、繊維の比表面積が小さくなり、耐光劣化を受けにくい反面で、製糸工程で凝固が不完全となりやすく、その結果、紡糸や延伸工程で工程調子が乱れやすく、物性も低下しやすくなる。
(用途)
本発明のパラ型全芳香族ポリアミド繊維は、織物、編物、不織布などの布帛のほか、組紐、ロープ、撚糸コード、ヤーン、綿などの繊維構造物を構成することができる。
以下、実施例および比較例により、本発明をさらに詳しく具体的に説明する。ただし、これらの実施例および比較例は本発明の理解を助けるためのものであって、本発明の範囲が限定されるものではない。
<測定・評価方法>
実施例および比較例においては、以下の項目について、以下の方法で測定・評価を実施した。
[繊度]
JIS−L−1015に準じ、測定した。
[繊維の引張強度]
引張試験機(INSTRON社製、商品名:INSTRON、型式:5565型)を用いて、ASTM D885の手順に基づき、以下の条件で測定を実施した。
(測定条件)
温度 :室温
測定試料長 :500mm
チャック引張速度 :250mm/分
初荷重 :0.2cN/dtex
[強度保持率(耐光性)]
JIS L 0842−71に準拠し、紫外線カーボンアーク灯式耐候性試験機にて100時間で180,000kJ/m照射前後における引張強度の測定を実施した。光照射前後の引張強度値を用いて、以下の式により強度保持率を求めた。
強度保持率(%)=(光照射後の引張強度)/(光照射前の引張強度)×100
<実施例1>
[パラ型全芳香族ポリアミドの重合]
108.0gのパラフェニレンジアミンを1.0Lのジオキサンに溶解し、これに8.0gのピリジンを添加した。更に115.0gのイサト酸無水物を添加し、5時間還流下で反応させた。反応後、反応溶液にエタノール1.0Lを添加し、0℃で12時問静置した。析出した白色結晶をろ取し、さらにエタノールで再結晶後、析出結晶をろ取し100℃で6時問乾燥することによりアントラニルアミド誘導体モノマーを得た。
N−メチル−2−ピロリドン(NMP)2.139Lに得られたアントラニルアミド誘導体モノマー12.7g(5モル%)、パラフェニレンジアミン22.8g(20モル%)と、3,4’−ジアミノジフェニルエーテル52.8g(25モル%)とを秤量して投入し、室温で溶解させた。得られたジアミン溶液に、テレフタル酸クロライド106.9g(50モル%)を投入して反応せしめることにより、ポリマーを重合した。引き続き、22.5質量%の水酸化カルシウムを含有するNMP分散液172.2gを添加して中和し、ポリマー溶液を得た。
[紡糸用溶液(ポリマードープ)の調整]
得られたポリマー溶液(98%濃度の濃硫酸中、ポリマー濃度0.5g/dlの溶液について30℃で測定した固有粘度(IV)は3.3)溶液を、濃度6質量%となるようNMPに溶解し、紡糸用溶液(ポリマードープ)を調整した。
[紡糸・凝固]
得られたドープを用い、孔数25ホールの紡糸口金から吐出し、エアギャップ約10mmを介してNMP濃度30質量%の水溶液中に紡出して凝固させた後(半乾半湿式紡糸法)、水洗、乾燥し、次いで、温度530℃下で10.0倍に延伸した後に巻き取ることにより、パラ型全芳香族ポリアミド繊維を得た。得られた繊維の物性等を表1に示す。
<実施例2>
アントラニルアミド誘導体モノマー2.5モル%、パラフェニレンジアミン22.5モル%、3,4’−ジアミノジフェニルエーテル25モル%とした以外は、実施例1と同様の方法で、パラ型全芳香族ポリアミド繊維を得た。得られた繊維の物性等を表1に示す。
<比較例1>
パラフェニレンジアミン25モル%、3,4’−ジアミノジフェニルエーテル25モル%とした以外は、実施例1と同様の方法で、パラ型全芳香族ポリアミド繊維を得た。得られた繊維の物性等を表1に示す。
<比較例2>
アントラニルアミド誘導体モノマー10モル%、パラフェニレンジアミン15モル%、3,4’−ジアミノジフェニルエーテル25モル%とした以外は、実施例1と同様の方法で、パラ型全芳香族ポリアミド繊維を得た。得られた繊維の物性等を表1に示す。
<比較例3>
アントラニルアミド誘導体モノマー1モル%、パラフェニレンジアミン24モル%、3,4’−ジアミノジフェニルエーテル25モル%とした以外は、実施例1と同様の方法で、パラ型全芳香族ポリアミド繊維を得た。得られた繊維の物性等を表1に示す。
<比較例4>
パラフェニレンジアミン25モル%、3,4’−ジアミノジフェニルエーテル25モル%として、実施例1と同様の方法で、ポリマー溶液を得た。得られたポリマー溶液に、カーボンブラックのNMP分散液(大日精化工業株式会社製、MPS−1100 Black(T))を、ポリマーに対してカーボンブラックが5質量%となるように加え、続いて、浅田鉄工株式会社製プラネタリーミキサー(製品名PVM−5)を用いて、80℃にて2時間加熱・混練し、カーボンブラック含有全芳香族ポリアミド溶液を得た。
得られたカーボンブラック含有全芳香族ポリアミド溶液を紡糸用溶液として、実施例1と同様の方法で全芳香族ポリアミド繊維を得た。得られた繊維の物性等を表1に示す。
Figure 0006321425

Claims (1)

  1. 化学式(I)で表される構造反復単位(I)、化学式(II)で表される構造反復単位(II)、及び化学式(III)で表される構造反復単位(III)を含む全芳香族ポリアミドからなる全芳香族ポリアミド繊維であって、
    前記構造反復単位(II)が、構造反復単位(I)、構造反復単位(II)、および構造反復単位(III)の合計に対して40〜60モル%であり、
    前記構造反復単位(III)が、構造反復単位(I)、構造反復単位(II)、および構造反復単位(III)の合計に対して5〜10モル%である全芳香族ポリアミド繊維。
    Figure 0006321425
    Figure 0006321425
    Figure 0006321425
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