JP2006199190A - 空気入り安全タイヤ - Google Patents

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Abstract

【課題】内圧充填時の通常走行性能(転がり抵抗、操縦安定性等)を高レベルに維持しつつ、従来のサイド補強タイプの安全タイヤに比べて軽量で、更に、サイド補強ゴム層の発熱が小さく、ランフラット走行性能が大幅に改善された空気入り安全タイヤを提供する。
【解決手段】サイドウォール部2のカーカス4の内側に配置した一対の断面三日月状サイド補強ゴム層6を備えた空気入り安全タイヤにおいて、前記サイド補強ゴム層6に、ゴム成分に対して、次式:σ≧-0.01×E+1.2 及び次式:σ≧0.02 [式中、σは、177℃における熱収縮応力(cN/dtex)であり;Eは、25℃における49N荷重時の弾性率(cN/dtex)である]の条件を満たすポリケトン短繊維を配合してなるゴム組成物を用いる。
【選択図】図1

Description

本発明は、空気入り安全タイヤ、特にサイドウォール部にサイド補強ゴム層が配置されており、ランフラット走行における耐久性が大幅に改善された空気入り安全タイヤに関するものである。
従来、パンク等によりタイヤの内圧が低下した状態でも、ある程度の距離を安全に走行することが可能なタイヤ、所謂ランフラットタイヤとして、タイヤのサイドウォール部のカーカスの内側に断面三日月状のサイド補強ゴム層を配置して、サイドウォール部の剛性を向上させた、サイド補強タイプのランフラットタイヤが知られている。しかしながら、タイヤの内圧が低下した状態での走行、所謂ランフラット走行においては、タイヤのサイドウォール部の変形が大きくなるにつれサイド補強ゴム層の変形も大きくなり、その結果、該サイド補強ゴム層の発熱が進んで、場合によっては200℃以上の高温に達することもあり、このような状態では、サイド補強ゴム層がその破壊限界を超えてしまい、タイヤが故障に至る危険性がある。
このような故障に至るまでの時間を遅くする手段として、上記サイド補強ゴム層の最大厚さを増大するなどして、サイド補強ゴム層の体積を増大させる手法が知られているが、このような手法を採用すると、タイヤの重量が増加して、タイヤの転がり抵抗が増大したり、乗り心地や操縦安定性が悪化するといった問題が発生する。
これに対し、特開平11−348512号公報(特許文献1)には、内圧充填時の通常走行性能を高レベルに維持しつつ、ランフラット耐久性を向上させたタイヤとして、サイド補強ゴム層に短繊維含有ゴム組成物を適用し、該短繊維をタイヤのラジアル方向に配列されたタイヤが開示されている。
また、特開2004−136863号公報(特許文献2)には、サイド補強ゴム層に特定の損失正接(tanδ)を有するゴム組成物を適用して、通常走行時の乗り心地を向上させつつ、ランフラット耐久性を向上させたタイヤが開示されている。
特開平11−348512号公報 特開2004−136863号公報
しかしながら、特開平11−348512号公報や特開2004−136863号公報に記載されたタイヤでも、ランフラット走行時の耐久性が十分でなく、依然として改良の余地が有った。
そこで、本発明の目的は、上記従来技術の問題を解決し、内圧充填時の通常走行性能(転がり抵抗、操縦安定性等)を高レベルに維持しつつ、従来のサイド補強タイプの安全タイヤに比べて軽量で、サイド補強ゴム層の発熱が小さく、更に、ランフラット走行性能が大幅に改善された空気入り安全タイヤを提供することにある。
本発明者らは、上記目的を達成するために鋭意検討した結果、サイド補強ゴム層を備えた安全タイヤにおいて、特定の熱収縮応力及び弾性率を有するポリケトン製の短繊維を含有するゴム組成物を上記サイド補強ゴム層に適用することで、ランフラット走行時におけるサイドウォール部の剛性が維持され、その結果、安全タイヤのランフラット走行性能が大幅に向上することを見出し、本発明を完成させるに至った。
即ち、本発明の空気入り安全タイヤは、一対のビード部及び一対のサイドウォール部と、両サイドウォール部に連なるトレッド部とを有し、前記一対のビード部間にトロイド状に延在してこれら各部を補強するカーカスと、前記サイドウォール部の前記カーカスの内側に配置した一対の断面三日月状サイド補強ゴム層とを備えた空気入り安全タイヤにおいて、
前記サイド補強ゴム層に、ゴム成分に対して、下記式(I)及び式(II):
σ ≧ -0.01×E + 1.2 ・・・ (I)
σ ≧ 0.02 ・・・ (II)
[式中、σは、177℃における熱収縮応力(cN/dtex)であり;Eは、25℃における49N荷重時の弾性率(cN/dtex)である]の条件を満たすポリケトン短繊維を配合してなるゴム組成物を用いたことを特徴とする。
ここで、177℃における熱収縮応力σは、177℃における最大熱収縮応力であり、具体的には、島津製作所製オートグラフによりサンプル長250mmで固定し、177℃の恒温槽で放置したときに得られる最大の応力を測定して求めることができる。また、25℃における49N荷重時の弾性率Eは、荷重−伸度曲線の49N荷重時の接線の傾きであり、具体的には、島津製作所製オートグラフによりサンプル長250mmで300mm/minの速度で引っ張ったときに得られる荷重−伸度曲線より49N荷重時の接線の傾きを測定して求めることができる。
本発明の空気入り安全タイヤにおいて、前記ポリケトン短繊維は、下記一般式(III):
Figure 2006199190
[式中、Aは不飽和結合によって重合された不飽和化合物由来の部分であり、各繰り返し単位において同一でも異なっていてもよい]で表される繰り返し単位から実質的になるポリケトンの繊維であることが好ましい。ここで、前記式(III)中のAとしては、エチレン基が特に好ましい。
また、本発明の空気入り安全タイヤにおいて、前記ポリケトン短繊維は、長さが0.1mm〜15mmで且つ直径が0.1μm〜200μmであることが好ましい。
更に、本発明の空気入り安全タイヤにおいて、前記ポリケトン短繊維は、高温下で収縮し、室温に戻すと伸長する可逆性を有することが好ましい。
本発明の空気入り安全タイヤの好適例においては、前記サイド補強ゴム層に用いるゴム組成物が、前記ゴム成分100質量部に対して前記ポリケトン短繊維2〜20質量部を配合してなる。
本発明によれば、特定の熱収縮応力及び弾性率を有するポリケトン製の短繊維を含有するゴム組成物をサイド補強ゴム層に用いることで、内圧充填時の通常走行性能が高く、従来のサイド補強タイプの安全タイヤに比べて軽量で、サイド補強ゴム層の発熱が小さく、更に、ランフラット走行時のサイドウォール部の剛性を十分に維持できるため、ランフラット走行性能が大幅に向上した空気入り安全タイヤを提供することができる。
以下に、図を参照しながら本発明を詳細に説明する。図1は、本発明の空気入り安全タイヤの一例の断面図である。図1に示す安全タイヤは、左右一対のビード部1及び一対のサイドウォール部2と、両サイドウォール部2に連なるトレッド部3とを有し、前記一対のビード部1間にトロイド状に延在して、これら各部1,2,3を補強するラジアルカーカス4と、該カーカス4のクラウン部のタイヤ半径方向外側に配置された2枚のベルト層からなるベルト5と、前記サイドウォール部2の前記カーカス4の内側に配置した一対の断面三日月状サイド補強ゴム層6と、タイヤ内面に配置したインナーライナー7と、前記ビード部1内に夫々埋設したリング状のビードコア8のタイヤ半径方向外側に配置したビードフィラー9とを備える。
図示例の安全タイヤにおいて、ラジアルカーカス4は、折り返しカーカスプライ4a及びダウンカーカスプライ4bとからなり、折り返しカーカスプライ4aの両端部は、ビードコア8の周りに折り返され、折り返し端部を形成している。なお、ラジアルカーカス4の構造及びプライ数は、これに限られるものではない。
また、図1に示す安全タイヤにおいては、上記ラジアルカーカス4のクラウン部のタイヤ半径方向外側には二枚のベルト層からなるベルト5が配置されており、該ベルト層は、通常、タイヤ赤道面に対して傾斜して延びるコードのゴム引き層からなり、2枚のベルト層は、該ベルト層を構成するコードが互いに赤道面を挟んで交差するように積層されてベルト5を構成する。なお、図1中のベルト5は、二枚のベルト層からなるが、本発明の安全タイヤにおいては、ベルト5を構成するベルト層の枚数はこれに限られるものではない。
本発明の空気入り安全タイヤにおいては、上記サイド補強ゴム層6に、ゴム成分に対して、下記式(I)及び式(II):
σ ≧ -0.01×E + 1.2 ・・・ (I)
σ ≧ 0.02 ・・・ (II)
[式中、σは、177℃における熱収縮応力(cN/dtex)であり;Eは、25℃における49N荷重時の弾性率(cN/dtex)である]の条件を満たすポリケトン短繊維を配合してなるゴム組成物を用いることを要する。上記ポリケトン短繊維は、高温時、即ち、177℃における熱収縮応力が高いため、ランフラット走行時におけるサイド補強ゴム層6の剛性を十分に保持することができる。そのため、上記式(I)及び式(II)を満たすポリケトン短繊維を含有するゴム組成物をサイド補強ゴム層6に適用することで、安全タイヤのランフラット耐久性を大幅に改善することができる。また、該ポリケトン短繊維含有ゴム組成物をサイド補強ゴム層6に適用することで、ランフラット耐久性を大幅に改善できるため、充分なランフラット耐久性を確保しつつ、サイド補強ゴム層6を薄肉化することが可能となり、その結果、安全タイヤの軽量化が実現できると共に、サイド補強ゴム層6の発熱を抑制することもできる。
なお、上記ポリケトン短繊維の177℃における熱収縮応力σが0.02cN/dtex未満では、ランフラット走行時(高温時)のサイド補強ゴム層6の剛性を確保できないため、安全タイヤのランフラット耐久性が低下する。また、式(I)の関係を満たさないポリケトン短繊維を用いると、常温時でのサイドウォール部の剛性も低くなる為、サイド補強ゴムの軽量化が困難になる。
上記サイド補強ゴム層6用ゴム組成物は、ゴム成分に対して上記ポリケトン短繊維を配合してなる。該ゴム組成物のゴム成分としては、天然ゴム(NR)の他、スチレン−ブタジエン共重合体ゴム(SBR)、ポリブタジエンゴム(BR)、ポリイソプレンゴム(IR)等のジエン系合成ゴムが挙げられ、これらゴム成分は、1種単独で用いてもよいし、2種以上をブレンドして用いてもよい。これらゴム成分の中でも、天然ゴム及びポリブタジエンゴムが好ましい。
上記ゴム組成物に用いるポリケトン短繊維は、上記式(III)で表される繰り返し単位から実質的になるポリケトンの短繊維であることが好ましい。また、短繊維の原料のポリケトンの中でも、繰り返し単位の97モル%以上が1-オキソトリメチレン[−CH2−CH2−CO−]であるポリケトンが好ましく、99モル%以上が1-オキソトリメチレンであるポリケトンが更に好ましく、100モル%が1-オキソトリメチレンであるポリケトンが最も好ましい。
上記ポリケトン短繊維の原料のポリケトンは、部分的にケトン基同士、不飽和化合物由来の部分同士が結合していてもよいが、不飽和化合物由来の部分とケトン基が交互に配列している部分の割合が90質量%以上であることが好ましく、97質量%以上であることが更に好ましく、100質量%であることが最も好ましい。
また、上記式(III)において、Aを形成する不飽和化合物としては、エチレンが最も好ましいが、プロピレン,ブテン,ペンテン,シクロペンテン,ヘキセン,シクロヘキセン,ヘプテン,オクテン,ノネン,デセン,ドデセン,スチレン,アセチレン,アレン等のエチレン以外の不飽和炭化水素や、メチルアクリレート,メチルメタクリレート,ビニルアセテート,アクリルアミド,ヒドロキシエチルメタクリレート,ウンデセン酸,ウンデセノール,6-クロロヘキセン,N-ビニルピロリドン,スルニルホスホン酸のジエチルエステル,スチレンスルホン酸ナトリウム,アリルスルホン酸ナトリウム,ビニルピロリドン及び塩化ビニル等の不飽和結合を含む化合物等であってもよい。
更に、上記ポリケトンの重合度としては、下記式:
Figure 2006199190
[式中、t及びTは、純度98%以上のヘキサフルオロイソプロパノール及び該ヘキサフルオロイソプロパノールに溶解したポリケトンの希釈溶液の25℃での粘度管の流過時間であり;Cは、上記希釈溶液100mL中の溶質の質量(g)である]で定義される極限粘度[η]が1〜20dL/gの範囲にあることが好ましく、2〜10dL/gの範囲にあることが更に好ましく、3〜8の範囲にあることがより一層好ましい。極限粘度が1dL/g未満では、分子量が小さ過ぎて、高強度のポリケトン繊維を得ることが難しくなる上、紡糸時、乾燥時及び延伸時に毛羽や糸切れ等の工程上のトラブルが多発することがあり、一方、極限粘度が20dL/gを超えると、ポリマーの合成に時間及びコストがかかる上、ポリマーを均一に溶解させることが難しくなり、紡糸性及び物性に悪影響が出ることがある。
上記ポリケトンの繊維化方法としては、(1)未延伸糸の紡糸を行った後、多段熱延伸を行い、該多段熱延伸の最終延伸工程で特定の温度及び倍率で延伸する方法や、(2)未延伸糸の紡糸を行った後、熱延伸を行い、該熱延伸終了後の繊維に高い張力をかけたまま急冷却する方法が好ましい。上記(1)又は(2)の方法でポリケトンの繊維化を行うことで、上記ポリケトン短繊維の作製に好適な所望のフィラメントを得ることができる。
ここで、上記ポリケトンの未延伸糸の紡糸方法としては、特に制限はなく、従来公知の方法を採用することができ、具体的には、特開平2−112413号、特開平4−228613号、特表平4−505344号に記載のようなヘキサフルオロイソプロパノールやm-クレゾール等の有機溶剤を用いる湿式紡糸法、国際公開第99/18143号、国際公開第00/09611号、特開2001−164422号、特開2004−218189号、特開2004−285221号に記載のような亜鉛塩、カルシウム塩、チオシアン酸塩、鉄塩等の水溶液を用いる湿式紡糸法が挙げられ、これらの中でも、上記塩の水溶液を用いる湿式紡糸法が好ましい。
例えば、有機溶剤を用いる湿式紡糸法では、ポリケトンポリマーをヘキサフルオロイソプロパノールやm-クレゾール等に0.25〜20質量%の濃度で溶解させ、紡糸ノズルより押し出して繊維化し、次いでトルエン,エタノール,イソプロパノール,n-ヘキサン,イソオクタン,アセトン,メチルエチルケトン等の非溶剤浴中で溶剤を除去、洗浄してポリケトンの未延伸糸を得ることができる。
一方、水溶液を用いる湿式紡糸法では、例えば、亜鉛塩、カルシウム塩、チオシアン酸塩、鉄塩等の水溶液に、ポリケトンポリマーを2〜30質量%の濃度で溶解させ、50〜130℃で紡糸ノズルから凝固浴に押し出してゲル紡糸を行い、更に脱塩、乾燥等してポリケトンの未延伸糸を得ることができる。ここで、ポリケトンポリマーを溶解させる水溶液には、ハロゲン化亜鉛と、ハロゲン化アルカリ金属塩又はハロゲン化アルカリ土類金属塩とを混合して用いることが好ましく、凝固浴には、水、金属塩の水溶液、アセトン、メタノール等の有機溶媒等を用いることができる。
また、得られた未延伸糸の延伸法としては、未延伸糸を該未延伸糸のガラス転移温度よりも高い温度に加熱して引き伸ばす熱延伸法が好ましく、更に、該未延伸糸の延伸は、上記(2)の方法では一段で行ってもよいが、多段で行うことが好ましい。該熱延伸の方法としては、特に制限はなく、例えば、加熱ロール上や加熱プレート上に糸を走行させる方法等を採用することができる。ここで、熱延伸温度は、110℃〜(ポリケトンの融点)の範囲が好ましく、総延伸倍率は、10倍以上であることが好ましい。
上記(1)の方法でポリケトンの繊維化を行う場合、上記多段熱延伸の最終延伸工程における温度は、110℃〜(最終延伸工程の一段前の延伸工程の延伸温度−3℃)の範囲が好ましく、また、多段熱延伸の最終延伸工程における延伸倍率は、1.01〜1.5倍の範囲が好ましい。一方、上記(2)の方法でポリケトンの繊維化を行う場合、熱延伸終了後の繊維にかける張力は、0.5〜4cN/dtexの範囲が好ましく、また、急冷却における冷却速度は、30℃/秒以上であることが好ましく、更に、急冷却における冷却終了温度は、50℃以下であることが好ましい。ここで、熱延伸されたポリケトン繊維の急冷却方法としては、特に制限はなく、従来公知の方法を採用することができ、具体的には、ロールを用いた冷却方法が好ましい。なお、こうして得られるポリケトン繊維は、弾性歪みの残留が大きいため、通常、緩和熱処理を施し、熱延伸後の繊維長よりも繊維長を短くすることが好ましい。ここで、緩和熱処理の温度は、50〜100℃の範囲が好ましく、また、緩和倍率は、0.980〜0.999倍の範囲が好ましい。
上記のように繊維化して得られたポリケトン繊維を糸長方向にカットすることで、目的のポリケトン短繊維を得ることができる。ここで、該ポリケトン短繊維は、長さが0.1mm〜15mmであることが好ましく、また、直径が0.1μm〜200μmであることが好ましい。ポリケトン短繊維の長さが0.1mm未満では、カット時の歩留まりが悪く、コスト高となり、一方、15mmを超えると、配合時のゴム成分への分散性が悪くなるため、ポリケトン短繊維が破壊核となってサイド補強ゴム層6の破壊特性が低下してしまう。また、ポリケトン短繊維の直径が0.1μm未満では、コストの点で好ましくなく、200μmを超えるとサイド補強ゴム層6の強度の点で好ましくない。
上記ポリケトン短繊維の断面形状は、円状であってもよいし、円状と異なる形状でもよい。また、上記ポリケトン短繊維は、加硫後におけるマトリックスゴムとの接着性が十分である限り、該ポリケトン短繊維に予め接着処理を施す必要は無いが、接着性が不十分な場合には、接着処理を施してもよい。更に、上記ポリケトン短繊維は、高温下で収縮し、室温に戻すと伸長する可逆性を有することが好ましい。
上記サイド補強ゴム層6用ゴム組成物は、上記ゴム成分100質量部に対して上記ポリケトン短繊維2〜20質量部を配合してなることが好ましい。ポリケトン短繊維の配合量が、上記ゴム成分100質量部に対して2質量部未満では、ポリケトン短繊維を配合する効果が十分に現れず、一方、20質量部を超えると、ポリケトン短繊維の分散性が悪化して破壊核となり、サイド補強ゴム層6の破壊特性が低下する。
上記サイド補強ゴム層6用ゴム組成物には、上記ゴム成分、ポリケトン短繊維の他に、ゴム工業界で通常使用される配合剤、例えば、充填剤、軟化剤、老化防止剤、加硫剤、加硫助剤、加硫促進剤等を、本発明の目的を害しない範囲内で適宜選択して配合することができる。これら配合剤としては、市販品を好適に使用することができる。なお、上記ゴム組成物は、ゴム成分に対して、ポリケトン短繊維と、必要に応じて適宜選択した各種配合剤とを配合して、混練り、熱入れ、押出等することにより製造することができる。
本発明の空気入り安全タイヤは、サイド補強ゴム層6に上述のポリケトン短繊維含有ゴム組成物を適用し、常法により製造することができる。なお、本発明の空気入り安全タイヤにおいて、タイヤ内に充填する気体としては、通常の或いは酸素分圧を変えた空気、又は窒素等の不活性ガスを用いることができる。
以下に、実施例を挙げて本発明を更に詳しく説明するが、本発明は下記の実施例に何ら限定されるものではない。
表1に示す配合処方のゴム組成物を調製し、該ゴム組成物をサイド補強ゴム層6に適用し、図1に示す構造で、サイズ265/35ZR18の安全タイヤを試作した。また、該安全タイヤに対して、下記の方法でランフラット耐久性を評価した。供試タイヤのサイド補強ゴム層6の最厚部ゲージ及び重量と共に、結果を表1に示す。
(1)ランフラット耐久性
各試作タイヤを常圧でリム組みし、内圧230kPaを封入してから38℃の室内に24時間放置後、バルブのコアを抜き内圧を大気圧として、荷重4.17kN、時速89km/h、温度38℃の条件でドラム走行テストを行った。この際の故障発生までの走行距離を測定し、比較例1のタイヤの故障発生までの走行距離を100として指数表示した。指数値が大きい程、故障発生までの走行距離が長く、ランフラット耐久性に優れることを示す。
Figure 2006199190
*1 JSR(株)製, BR01.
*2 FEF.
*3 N-(1,3-ジメチルブチル)-N'-フェニル-p-フェニレンジアミン, 大内新興化学工業製「ノクラック6C」.
*4 N-t-ブチル-2-ベンゾチアゾリルスルフェンアミド, 大内新興化学工業製「ノクセラーNS」.
*5 ほぼ100%が式(III)で表される繰り返し単位からなり、繰り返し単位の97モル%以上が1-オキソトリメチレンであるポリケトンの短繊維, 直径=10μm, 長さ=2mm.
*6 式(III)で表される繰り返し単位からなり、Aが主としてエチレン基であるポリケトン(プロピレン約6%含有)の短繊維, 直径=10μm, 長さ=2mm.
表1から明らかなように、上記式(I)及び式(II)の条件を満たすポリケトン短繊維を含有するゴム組成物をサイド補強ゴム層に適用することで、安全タイヤのラフラット耐久性を大幅に向上させることができる。また、ラフラット耐久性の向上幅が大きいので、サイド補強ゴム層の厚さを薄くして、タイヤを軽量化しても、優れたラフラット耐久性が得られる。
本発明の空気入り安全タイヤの一実施態様の断面図である。
符号の説明
1 ビード部
2 サイドウォール部
3 トレッド部
4 ラジアルカーカス
4a 折り返しカーカスプライ
4b ダウンカーカスプライ
5 ベルト
6 サイド補強ゴム層
7 インナーライナー
8 ビードコア
9 ビードフィラー

Claims (6)

  1. 一対のビード部及び一対のサイドウォール部と、両サイドウォール部に連なるトレッド部とを有し、前記一対のビード部間にトロイド状に延在してこれら各部を補強するカーカスと、前記サイドウォール部の前記カーカスの内側に配置した一対の断面三日月状サイド補強ゴム層とを備えた空気入り安全タイヤにおいて、
    前記サイド補強ゴム層に、ゴム成分に対して、下記式(I)及び式(II):
    σ ≧ -0.01×E + 1.2 ・・・ (I)
    σ ≧ 0.02 ・・・ (II)
    [式中、σは、177℃における熱収縮応力(cN/dtex)であり;Eは、25℃における49N荷重時の弾性率(cN/dtex)である]の条件を満たすポリケトン短繊維を配合してなるゴム組成物を用いたことを特徴とする空気入り安全タイヤ。
  2. 前記ポリケトン短繊維は、下記一般式(III):
    Figure 2006199190
    [式中、Aは不飽和結合によって重合された不飽和化合物由来の部分であり、各繰り返し単位において同一でも異なっていてもよい]で表される繰り返し単位から実質的になるポリケトンの繊維であることを特徴とする請求項1に記載の空気入り安全タイヤ。
  3. 前記式(III)中のAがエチレン基であることを特徴とする請求項2に記載の空気入り安全タイヤ。
  4. 前記ポリケトン短繊維は、長さが0.1mm〜15mmで且つ直径が0.1μm〜200μmであることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の空気入り安全タイヤ。
  5. 前記ポリケトン短繊維は、高温下で収縮し、室温に戻すと伸長する可逆性を有することを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の空気入り安全タイヤ。
  6. 前記サイド補強ゴム層に用いるゴム組成物が、前記ゴム成分100質量部に対して前記ポリケトン短繊維2〜20質量部を配合してなることを特徴とする請求項1に記載の空気入り安全タイヤ。
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