JP2006196329A - 空気極および該空気極を用いた空気二次電池 - Google Patents

空気極および該空気極を用いた空気二次電池 Download PDF

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Abstract

【課題】ガス拡散性とともに酸素発生と酸素還元が可能な二元機能を備え、酸素還元時の分極が小さく、かつ酸素発生・還元サイクルに対して高耐久性をする空気極と、正極と負極のみで充放電が可能な簡単な構成で、高エネルギー密度、高出力密度、高耐久性を有し、かつ積層化による大容量化が容易に可能な空気二次電池を提供すること。
【解決手段】空気極1は、ニッケル粉末と、イリジウムを含むパイロクロア型酸化物と、結着剤とを配合してなる。空気二次電池は、この空気極1を正極とし、亜鉛、鉄、アルミニウム、水素のいずれか1つを活物質とする負極2を備えている。
【選択図】図3

Description

本発明は、ガス拡散性を有し酸素発生・酸素還元がともに可能な空気極、およびこの空気極を用いる空気二次電池、さらに詳細には正極・負極以外の補助電極を必要としない空気二次電池に関する。
周知のとおり、炭素粉末などの導電材と酸素還元触媒を組み合わせた正極と、亜鉛、アルミニウム、鉄、水素のいずれかを活物質とする負極、およびアルカリ水溶液のような電解液を備え、正極側においては空気中の酸素の還元反応により電力を得ることが可能な空気一次電池が実用に供されている。例えば、正極での酸素/水酸化物イオン対の反応と負極での亜鉛/酸化亜鉛対の反応を組み合わせた場合、起電力が約1.5Vの空気電池を得ることができる。
現在実用に供されている空気電池は、放電のみが可能な一次電池である。この場合、正極は正極内部に酸素の浸透が可能なガス拡散性を有し、かつ酸素の還元をできるだけエネルギーロスが小さく、すなわちより小さい分極で行うことができるような酸素還元触媒が必要である。このような目的から、従来正極材料として、導電性を付与しかつ酸素還元触媒を保持するための炭素粉末と、酸素還元触媒である白金、さらにはガス拡散性を付与するとともに正極を成型体として維持する結着剤の役割を担うポリテトラフルオロエチレンなどのフッ素樹脂が用いられ、これらを成型・焼結したものが一般的によく知られている。
しかしながら、空気一次電池はその名のとおり放電のみが可能であり、充電によって再生利用できる機能は備えていない。充電が可能となるために、正極、負極のそれぞれの電極において酸化反応と還元反応がいずれも進行可能でなければならない。先に挙げた空気一次電池で用いられている負極は、亜鉛、アルミニウム、鉄、水素などのいずれの活物質においても、酸化還元が可能な、すなわち充放電に供することができる負極を構成することが可能である。実際に亜鉛の場合にはニッケル−亜鉛二次電池の負極として利用されている亜鉛電極、水素の場合であればニッケル−水素二次電池の負極として利用されている水素吸蔵合金電極がある。
一方、正極の場合、酸素還元触媒として用いられている各種材料は、酸素発生に対する触媒能が低く、現在用いられている空気一次電池用の正極では、充電は実用上不可能である。加えて、正極に炭素材料を使用している場合には、仮に充電によって正極上で酸素発生反応を起こそうとすると、同時に炭素が酸化されて最終的には二酸化炭素までに至り、充電とともに炭素が著しく消耗されて使用不能になる。つまり、従来の空気一次電池に使用されている正極では、単に外部回路から電気を供給して充電しても、負極側は対応可能であっても、正極側ではこれに対応する反応を生じせしめることは不可能であり、二次電池として利用することは困難であった。
これに対して、空気電池を二次電池として応用する試みがこれまでなされてきた。例えば、特許文献1には、光電変換部と電池部から空気電池を構成し、電池部は、金属電極、電解質、空気極、および補助電極からなり、空気極は空気中と電解質中に露出し、金属電極と補助電極は前記電解質中に配置され、かつ、前記金属電極と前記補助電極間には、金属電極の充電が行われるような状態に光電変換部の出力が接続され、これによって、放電で消耗した金属電極の充電を行うことができる充電式空気電池が開示されている。
また、特許文献2には、正極としてガス拡散電極を、負極として水素吸蔵合金を、負極充電用補助極として触媒性電極体を備えてなるアルカリ二次電池、および前記ガス拡散電極が空気極であるアルカリ二次電池、並びに前記触媒性電極体の製造方法が開示されている。
さらに、特許文献3には、ニッケル粉末と、このニッケル粉末上に担持されたイリジウムおよび/またはイリジウム酸化物と、前記ニッケル粉末上に担持された酸素還元触媒と、結着剤とを配合してなる空気極とその製造方法、およびこの空気極を正極とし、亜鉛、鉄、アルミニウム、水素のいずれか1つを活物質とする負極を備えている空気二次電池が開示されている。
特開2000−133328号公報 特開平7−282860号公報 特開2002−158013号公報
上記特許文献1、2で開示されている充電式空気電池やアルカリ二次電池においては、正極、負極以外に、補助電極または負極充電用補助極と称する充電をするための第3の電極が必要である。したがって、正極、負極のみからなる空気一次電池に比べて電池の構造が複雑であり、電池構成部材が多く、製造プロセスも複雑化し、多工程になるという欠点や、第3の電極が必須要件であるため、この電極分の容積、重量が加味されることにより、空気電池の大きなメリットである単位容積当たりもしくは単位重量当たりのエネルギー密度や出力密度が低下するという欠点があった。また、第3の電極を必要とする場合には、正極や負極を単純に積層化して大型化を図るとともに、よりエネルギー密度や出力密度を向上させることは極めて困難になるという欠点があった。
すなわち、空気電池を二次電池として応用する上では、第3の電極を用いることなく、正極で酸素発生(充電時)・酸素還元(放電時)のいずれも行うことができる、いわゆる二元機能を備えた空気極を用いることが望ましく、軽量化、大容量化、高エネルギー密度化、高出力密度化といった諸特性を向上させるためには、二元機能を備えた空気極を用いることが不可欠である。一方、このような二元機能を備えた空気極については、これまで空気一次電池で使用されている空気極と同様な構造をベースとして、炭素粉末とともに酸素還元用触媒と酸素発生用触媒を混合して構成されたものの例もあるが、炭素粉末を使用しているため、充電によりこれが消耗し、充放電サイクルを繰り返すとその消耗によって早期に使用不能になるという欠点があった。
これに対して、上記特許文献3で開示されている空気極は、炭素粉末のかわりにニッケル粉末を用いており、さらにこのニッケル粉末に担持された酸素発生と酸素還元に対する触媒を備えていることから、炭素粉末のような充電による消耗がなく、充放電サイクルに対して高い耐久性を有するとされている。
しかしながら、2種類の触媒を使用するため構成や製造方法が複雑であり、またそれぞれの触媒が単独の機能しか有しないために、酸素還元や酸素発生に対する分極、特に酸素還元に対する分極が大きいという欠点があった。さらに、酸素還元触媒は酸素発生に対する耐久性が低いため、これが充放電サイクル特性を低下させる要因になるという欠点があった。さらに、ニッケル粉末上に直接酸素発生触媒や酸素還元触媒を担持する方法において、ニッケル粉末の高温での熱処理を行うために、ニッケル粉末が酸化され、これによってニッケル粉末の導電性が低くなるとともに、電解液であるアルカリ水溶液中でこのニッケルの酸化物が反応する場合には、これがニッケル粉末間の導通を阻害して、充放電サイクル特性を低下させる可能性があるという欠点があった。
上記のような課題に対して、本発明は、ガス拡散性とともに酸素発生と酸素還元が可能な二元機能を備え、酸素還元時の分極が小さく、かつ酸素発生・還元サイクルに対して高耐久性をする空気極の提供を目的とする。
また、本発明は、正極と負極のみで充放電が可能な簡単な構成で、高エネルギー密度、高出力密度、高耐久性を有し、かつ積層化による大容量化が容易に可能な空気二次電池を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題に対して、新しい二元機能を有する触媒材料の開発を行い、またこれとともにニッケル粉末を利用した新しい空気極の構成、製造方法、製造条件の検討やその特性評価とともに、この空気極を利用する二次電池の作製とその特性評価に対して様々な研究を行った結果より得られた知見に基づいて本発明をなすに至った。
すなわち、本発明は、ニッケル粉末と、イリジウムを含むパイロクロア型酸化物と、結着剤とを配合してなる空気極である。ここで、イリジウムを含むパイロクロア型酸化物とは、パイロクロア型酸化物のモル組成を表す一般的な表現であるA7−x(但し、−1≦x≦1)において、Bサイトの元素がイリジウムである酸化物であり、Aサイトの元素としてはビスマスや鉛などが挙げられる。また、結着剤としては、撥水性を有するとともに、ニッケル粉末を相互に結着させながらその間隙にガスの拡散を許容することを可能にするものであって、ポリテトラフルオロエチレンなどのフッ素樹脂系材料が用いられるが、上記条件を満足するものであれば、特にこれに限定されるものではない。
ニッケル粉末と、イリジウムを含むパイロクロア型酸化物と、結着剤との配合割合は、質量比で、98.9〜20:0.1〜60:1〜20が好ましい。イリジウムを含むパイロクロア型酸化物が0.1質量%よりも少ないと空気極内で触媒が十分に分布できず、空気極全体で触媒の作用が十分に得られないので好ましくなく、また60質量%よりも多くなると空気極内でニッケルに比べて導電性の低い酸化物の割合が増えるため、空気極全体の電気抵抗が大きくなるため好ましくない。また、結着剤が1質量%よりも少ないと空気極内に撥水性を十分に付与することができず、ガス拡散性が低下して酸素還元分極が大きくなるとともに、電解液が空気極を通って大気側まで浸透して電解液漏れを生じて空気極として機能することができなくなるため好ましくなく、また20質量%よりも多くなると空気極内の撥水性が強くなりすぎて電解液が空気極内に浸透することが困難となり、酸素発生の際に電解液が空気極内部でニッケル粉末および触媒と接触する面積が減少して、酸素発生の分極が大きくなるため好ましくない。また、これらの理由からニッケル粉末の割合は、98.9〜20質量%が好ましい。
本発明者らは、イリジウムを含むパイロクロア型酸化物とニッケル粉末を構成材料とする空気極が、電解液であるアルカリ水溶液中での酸素発生と酸素還元に対して高い触媒性を発揮することを見出した。ここでイリジウムを含むパイロクロア型酸化物は、ニッケル粉末上に担持されているかおよび/またはアルカリ水溶液と空気との両方に対してニッケル粉末とともに接触した状態(パイロクロア型酸化物がニッケル粉末と混合されている状態)にあり、酸素還元および酸素発生のいずれに対しても触媒として作用する。特に、詳細は明らかではないが、本発明者らはイリジウムを含むパイロクロア型酸化物とニッケル粉末との間における電子的および化学的な相互作用によって、従来の空気極に比べて酸素発生と酸素還元に対する高い触媒能を発揮することを見出した。さらに、このような作用によって、空気極内部における酸素発生と酸素還元がいずれも円滑に進行し、副反応であるニッケル粉末自身の酸化や還元が抑制されることによって、ニッケル粉末の消耗が低減され、従来の炭素粉末を用いる空気極や、ニッケル粉末と他の金属系および/または酸化物系の触媒とを組み合わせた構成を有する空気極に比べて、酸素発生・還元サイクルを繰り返してもより高い耐久性を実現できることを見出した。
また、本発明は、前記イリジウムを含むパイロクロア型酸化物がビスマスイリジウム酸化物である空気極である。ここで、ビスマスイリジウム酸化物とは、先に示したパイロクロア型酸化物の組成式においてBiIr7−xで示される酸化物である。この酸化物は、イリジウムを含むパイロクロア型酸化物の中でも、特にニッケル粉末との組合せにおいて、酸素発生や酸素還元に対して分極が低く、かつ高い電流密度や高温での作動においても充放電サイクルに対して高い耐久性を実現することが可能となる。
また、本発明は、上記の空気極を正極とし、亜鉛、鉄、アルミニウム、水素のいずれか1つを活物質とする負極を備えている空気二次電池である。ここで、亜鉛、鉄、アルミニウムの各元素を活物質とする負極については、従来の亜鉛−空気電池、鉄−空気電池、アルミニウム−空気電池に用いられているような負極を使用することができる。また、水素を活物質とする負極については、La−Ni系合金、La−Nd−Ni系合金、La−Gd−Ni系合金、La−Y−Ni系合金、La−Co−Ni系合金、La−Ce−Ni系合金、La−Ni−Ag系合金、La−Ni−Fe系合金、La−Ni−Cr系合金、La−Ni−Pd系合金、La−Ni−Cu系合金、La−Ni−Al系合金、La−Ni−Mn系合金、La−Ni−In系合金、La−Ni−Sn系合金、La−Ni−Ga系合金、La−Ni−Si系合金、La−Ni−Ge系合金、La−Ni−Al−Co系合金、La−Ni−Al−Mn系合金、La−Ni−Al−Cr系合金、La−Ni−Al−Cu系合金、La−Ni−Al−Si系合金、La−Ni−Al−Ti系合金、La−Ni−Al−Zr系合金、La−Ni−Mn−Zr系合金、La−Ni−Mn−Ti系合金、La−Ni−Mn−V系合金、La−Ni−Cr−Mn系合金、La−Ni−Cr−Zr系合金、La−Ni−Fe−Zr系合金、La−Ni−Cu−Zr系合金、並びに、上記合金中のLa元素をミッシュメタルで置き換えた合金、また、Ti−Zr−Mn−Mo系合金やZr−Fe−Mn系合金、Mg−Ni系合金等のTi、Fe、Mn、Al、Ce、Ca、Mg、Zr、Nb、V、Co、Ni、Cr元素の2組以上の組合せからなる合金等の水素吸蔵合金、さらには、Ti、V、Zr、La、Pd、Pt等の水素化物を形成する(水素吸蔵性を有する)金属、または上記合金や金属の水素化物(水素を吸蔵した物質)などを用いることができるが、水素の吸蔵放出が可能な材料であれば、特に上記の組成に限定されるものではない。
本発明の空気二次電池では、第3の電極を必要とすることなく、正極と負極のみで充放電が可能な簡単な構成で、高エネルギー密度、高出力密度、高耐久性を有し、かつ積層化による大容量化が容易に可能な空気二次電池を提供することが可能となる。
また、本発明は、上記の負極が水素吸蔵合金である空気二次電池である。水素吸蔵合金は、亜鉛負極、鉄負極、アルミニウム負極に比べて、充放電サイクルに対する耐久性や、急激な負荷変動に対する応答特性に優れるため、より高い充放電サイクル性能を有するとともに、負荷応答特性に優れることで、応用範囲の広い二次電池を提供することが可能となる。
以上説明したように、本発明によれば下記の効果を奏する。
(1)ガス拡散性とともに酸素発生と酸素還元が可能な二元機能を備え、かつ高い酸素発生・還元触媒能を有し、酸素発生・還元サイクルに対して高耐久性を有する空気極を提供できることから、空気極の電極抵抗、酸素発生・還元反応に伴う分極が低減され、空気極におけるエネルギーロスを低減し、出力向上を図ることができるとともに、空気極の長寿命化を図ることができる。
(2)上記のような優れた特性、効果を有する空気極を用いた空気二次電池が提供できることから、第3の電極を必要としない単純な構造で積層化による大容量化および軽量化が実現可能となり、エネルギー密度および出力密度が向上するとともに、空気極の耐久性が高いことで極めて長寿命な二次電池となる。
以下、本発明を実施例、比較例を用いてより詳しく説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
0.6020gのBi(NO・5HOと0.6378gのHIrCl・6HOを75℃の蒸留水300cmに溶解し、攪拌・混合してから、2mol/dmのNaOH水溶液を加えた。その際、浴温度は75℃で、酸素バブリングを行いながら3日間攪拌した。これによって生じた沈殿物を含む溶液を85℃で保持して蒸発乾固させてペースト状とした。このペースト状のものを蒸発皿に移し、120℃、12時間乾燥させてから乳鉢で粉砕した後に、空気雰囲気中で600℃、2時間焼成した。次に、焼成物中に含まれる副生成物を除去するために、70℃の蒸留水を用いて吸引ろ過し、パイロクロア型のビスマスイリジウム酸化物を単離した。さらに、これを120℃、12時間乾燥させた後に、乳鉢を用いて粉砕してビスマスイリジウム酸化物粉末を得た。尚、その構造はX線回折法によりパイロクロア型であることを確認した。
このようにして得られたビスマスイリジウム酸化物粉末、ニッケル粉末(純度99.8%、粒径3〜7μm)、市販のPTFE(ポリテトラフルオロエチレン)粒子懸濁液を攪拌混合して粘土状とした。この時、ビスマスイリジウム酸化物粉末、ニッケル粉末、PTFE粒子の質量比を10:80:10とした。粘土状としたものを室温で約30分間乾燥させてから、集電体となるニッケル網上に100kg/cmでディスク状にプレス成形してから、窒素雰囲気中370℃で12分間熱処理して空気極を作製した。
(比較例1)
空気極を以下のように作製した。ニッケル粉末(純度99.8%、粒径3〜7μm)約5gを金属イリジウム換算で1mg/cmを含む塩化イリジウム酸および金属白金換算で1mg/cmを含む塩化白金酸の混合溶液50cm中に約60分間浸漬した後、空気雰囲気中の電気炉で470℃、2分間加熱処理した(粉末1)。粉末1をXPSおよびEDXにより分析した結果、粉末1の表面に酸化イリジウムおよび白金が担持されていることを確認した。粉末1とニッケル粉末(純度99.8%、粒径3〜7μm)と市販のPTFE(ポリテトラフルオロエチレン)粒子懸濁液を攪拌混合して粘土状とした後、室温で約30分間乾燥させた。この時、粉末1、ニッケル粉末、PTFE粒子の質量比を30:60:10とした。乾燥させたものをニッケル網上に100kg/cmでディスク状にプレス成形してから、窒素雰囲気中370℃で12分間熱処理して空気極を作製した。
上記実施例1、比較例1で得られた各空気極について、対極に白金板(14cm)、参照極に水銀−酸化水銀電極、電解液に7mol/dmのKOH水溶液を用いて定電流法による分極曲線の作成を行った。なお、測定方法は定法に従い、電解液中に対極を浸漬し、電解液と参照極間は液絡で接続し、空気極はテフロン(登録商標)製ホルダーを用いて一方が電解液に、他方が空気に接触する構成とした。酸素発生反応(アノード分極)、酸素還元反応(カソード分極)のそれぞれの分極特性図を図1に示した。また、同じ構成で空気極に電流密度±50mA/cm、電流印可時間10分、休止時間1分として、周期的に極性を反転させるパルス電流を印可し、その際の電位の変化を測定した。尚、特性評価は60℃で行った。
図1に示したように、本発明の空気極(実施例1)は、比較例1の空気極に対して酸素還元時の分極が小さく、極めて高い触媒能を有することが判った。特に、高い電流密度での酸素発生・還元が可能であり、この空気極を用いることで高い出力密度が得られる空気二次電池を作製できることが判った。
さらに、図2には各空気極について正電流を印可した際(酸素発生)の電流遮断直前の電位と負電流を印可した際(酸素還元)の電流遮断直前の電位を、連続する正電流印可と負電流印可を1サイクルとして、サイクル数に対する変化を示したものである。図2から明らかなように、比較例1に対して、実施例1の空気極では酸素還元時の電位がより高く、放電に伴う分極が抑制されていた。さらに、比較例1の空気極では約500サイクル以降で酸素還元に対する電位が急激に低下して680サイクルで通電が出来なくなったのに対して、実施例1の空気極ではサイクル数に対する電位の変化は酸素発生と酸素還元のいずれに対しても小さく、また2000サイクルを超える通電が可能であることが判った。すなわち、本発明の空気極は極めて高い耐久性を有することが明らかとなった。
(実施例2)
図3は本発明の空気二次電池の概略構成図であり、本図において、1は空気極、2は負極、3は電解液、4はケース、5は正極端子、6は負極端子である。
実施例1の空気極を正極とし、負極にLaNi系水素吸蔵合金(15mm×15mm×3mm)を、電解液に7mol/dmのKOH水溶液を用いて、図3に示した構造の空気二次電池をテフロン(登録商標)製容器を使って作製した。尚、正極と負極の端子として、ニッケル線をそれぞれに接続した。この電池の起電力は約1Vで、50mA/cm(正極表面積あたり)での充放電に対して電流効率はほぼ100%であった。また、100サイクルを超える充放電において、充放電電圧に変化は認められず、高い耐久性を有することが判った。
本発明は、モバイル機器、パソコン、メモリーバックアップ用電池、小型電子機器、補聴器、ハイブリッド自動車、電気自動車、分散型家庭用電源、分散型事業用電源、電力貯蔵用電池等に利用可能である。
実施例1および比較例1の空気極の分極曲線を示す。 実施例1および比較例1の充放電電位のサイクル特性を示す。 本発明の空気二次電池の概略構成を示す。
符号の説明
1 空気極
2 負極
3 電解液
4 ケース
5 正極端子
6 負極端子

Claims (4)

  1. ニッケル粉末と、イリジウムを含むパイロクロア型酸化物と、結着剤とを配合してなる空気極。
  2. イリジウムを含むパイロクロア型酸化物がビスマスイリジウム酸化物である請求項1に記載の空気極。
  3. 請求項1または2に記載の空気極を正極とし、亜鉛、鉄、アルミニウム、水素のいずれか1つを活物質とする負極を備えている空気二次電池。
  4. 負極が水素吸蔵合金である請求項3に記載の空気二次電池。
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