JP5626872B2 - 水素/空気二次電池 - Google Patents
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Description
一方、空気電池は機械式充電型の亜鉛/空気二次電池を除いて、二次電池としてはいまだ実用化されていない。機械式充電型の亜鉛/空気二次電池とは、電池内部の反応としては放電だけを行うもので、放電後の亜鉛負極を外部に取り出し、新しい亜鉛負極と取り替えることで再利用できるものである。したがって、一般に知られる二次電池のように、電池内での反応によって再充電することで繰り返し利用できるものではない。上記のような亜鉛、アルミニウム、鉄などを負極活物質に用いる空気電池は、通常アルカリ性の水溶液を電解液として用いている。
例えば、本発明者らは、ニッケル粉末と、イリジウムを含むパイロクロア型酸化物と、結着剤を混合してなる空気極と、水素吸蔵合金を用いた負極を備えた空気二次電池を(特許文献1)および(非特許文献1)に開示した。以下では、この二次電池を水素/空気二次電池と記す。
放電:4MH+O2→4M+2H2O
充電:4M+2H2O→4MH+O2
なお、式中のMは水素吸蔵合金であり、MHは水素を吸蔵した状態の水素吸蔵合金を意味する。
上記の反応式の通り、放電では負極で水素吸蔵合金から水素が放出され、空気極で酸素が還元されて水が生成する。このとき、電解液に用いられているアルカリ性水溶液中で水が増加する。
反対に、充電ではアルカリ性水溶液中の水が分解して、負極では水素が吸蔵され、空気極では酸素が発生する。発生した酸素は空気極内の空隙を通って大気中に放出される。
すなわち、水素/空気二次電池は、水のみを活物質とする二次電池であり、充放電電気量に依存して電解液中の水の物質量が変化することが特徴である。これは水素/空気二次電池に特有の電池反応であり、水素吸蔵合金以外の負極を用いる空気電池や、空気電池以外のすべての一次電池、二次電池で水のみを活物質とするものはない。
例えば、(特許文献2)〜(特許文献4)には空気電池が開示さているが、これらは電解液に有機溶媒やイオン液体を用いるものや、負極活物質にリチウムを用いるものであり、電解液中の水を電池の活物質とする空気電池ではなく、後述するように、本発明が解決しようとする課題のポイントである電解液中の水の物質量の変化に関する課題は生じない。
よって、水素/空気二次電池の充放電サイクル特性、再充電性、耐久性を向上させるために、充電時に増加する電解液量と放電時に減少する電解液量を制御できるような構造が要望されていた。
この構成により、以下のような作用が得られる。
(1)充電反応により減少する電解液の供給又は放電反応により増加する電解液の貯蔵を行う電解液貯蔵部を電池容器内に空気極及び負極と分離して形成し、電解液保持体の少なくとも一部が電解液貯蔵部内の電解液に浸漬していることにより、放電時には空気極と負極の間で生成する水による圧力上昇により、電解液保持体を介して空気極と負極の間で放電によって増加した分の電解液を電解液貯蔵部に貯蔵することが可能となり、また充電時には空気極と負極の間で減少する水による圧力低下を利用して、電解液貯蔵部から電解液保持体を介して充電によって減少した分の電解液を空気極と負極の間に供給することが可能となる。
(2)また、これによって空気極と負極の間では電解液保持体に保持された電解液量を常に一定に保つことができる。
(3)また、上記のような電解液の供給と貯蔵が、電解液保持体を介して、空気極−負極間と電解液貯蔵部との間で行われるため、空気極からの電解液の漏洩を抑制することが可能となる。
(4)また、上記のような電解液の供給と貯蔵が、電解液保持体を介して、空気極−負極間と電解液貯蔵部との間で行われるため、空気極−負極間に存在する電解液量を電解液保持体の空隙率を変えることで調整が可能となり、必要最適量の電解液量を空気極と負極の間に常に保持することができる。
(5)また、上記のような電解液の供給と貯蔵が、電解液保持体を介して、空気極−負極間と電解液貯蔵部との間で行われるため、空気極−負極間に存在する電解液量を電解液保持体の空隙率と厚みを変えることで調整が可能となり、電池の充放電容量の大小に関わらず必要最適量の電解液量を空気極と負極の間に常に保持することができる。
なお、本発明の水素/空気二次電池では、負極に水素吸蔵合金以外の金属または合金を用いる他の一次電池または二次電池のような負極でのデンドライト成長などによる負極と空気極の間の短絡は生じないため、これを意図した機能である、いわゆるセパレート性は、本発明の水素/空気二次電池の電解液保持体に必ずしも必要とするものではない。
この構成により、請求項1で得られる作用に加え、以下のような作用が得られる。
(1)イリジウムを含むパイロクロア型酸化物とニッケルとの間における電子的および化学的な相互作用によって、酸素発生と酸素還元に対する高い触媒能が得られ、空気極内部における酸素発生と酸素還元をいずれも円滑に進行させることができる。
(2)イリジウムを含むパイロクロア型酸化物とニッケルとの組み合わせによって、空気極で副反応として生じる可能性があるニッケル自身の酸化や還元が抑制されることによって、ニッケルの消耗が低減され、炭素粉末を用いた空気極や、ニッケルと他の金属系および/または酸化物系の触媒とを混合した構成を有する空気極に比べて、酸素発生・還元サイクルに対する耐久性を向上させることができる。
(3)イリジウムを含むパイロクロア型酸化物とニッケルは、湿式または乾式のいずれの方法でも結着剤との混合、成形が容易であり、特別な装置を用いず空気極を製造することができる。
(4)白金などの高価な貴金属を触媒に用いないことから、これらに対して空気極のコストを低減できる。
イリジウムを含むパイロクロア型酸化物は、ニッケル上に担持されているかおよび/またはアルカリ性水溶液と空気との両方に対してニッケルとともに接触した状態にあり、酸素還元および酸素発生のいずれに対しても高い触媒活性を有する。
この構成により、請求項2で得られる作用に加え、以下のような作用が得られる。
(1)ビスマスイリジウム酸化物は、イリジウムを含むパイロクロア型酸化物の中でも、特にニッケルとの組合せにおいて、空気極における充電時の酸素発生や放電時の酸素還元に対して触媒活性が高く、かつ高い電流密度や高温での作動においても充放電サイクルに対して高い耐久性を有する。
(2)鉛イリジウム酸化物のような他のパイロクロア型酸化物に対して、鉛のような有毒成分を含まないため、電池の製造・使用・廃棄・処分において安全性が高くなる。
(3)ビスマスイリジウム酸化物は、硝酸ビスマスのようなビスマス化合物と塩化イリジウム酸のようなイリジウム化合物を出発原料とし、共沈法と呼ばれる方法により前駆体物質を合成してから加熱処理するという簡単な方法で得られることから、空気極を構成する活性の高い触媒を容易に得ることができる。
この構成により、請求項1乃至3の内いずれか1項で得られる作用に加え、以下のような作用が得られる。
(1)負極に対向して2つの空気極が配設されることにより、負極の両側を電池反応に利用することが可能となり、単電池としてより高い電流での充放電が可能になるとともに、放電電圧の分極を小さくすることができる。
(2)負極に対向して1つの空気極を配設する場合に比べて、電池内部におけるデッドスペースを削減することができる。
この構成により、請求項4で得られる作用に加え、以下のような作用が得られる。
(1)複数の電解液保持体の少なくとも一部が共通の電解液貯蔵部内の電解液に浸漬していることにより、電池容器内の電解液貯蔵部の構造を簡単にすることができる
(2)電解液貯蔵部が共通ではなく各電解液保持体に対して配置されている場合に比べて、電解液貯蔵部の容積を小さくすることが可能で、電池容器全体の体積も減少し、体積当たりのエネルギー密度や出力密度を向上させることができる。
この構成により、請求項5で得られる作用に加え、以下のような作用が得られる。
(1)複数の電解液保持体が共通の電解液貯蔵部内で連結されていることにより、複数の電解液保持体が2つ以上の空気極に対して、電解液貯蔵部を介して一体となり、電解液保持体の部材点数を少なくすることができる。
(2)空気極と負極の間にある電解液保持体中の電解液量を、複数の空気極と負極の間に対して均一に保つことが可能となり、各々の空気極と負極の間に存在する電解液量のバランスが崩れることを防ぎ、各々の空気極と負極の間の極間電圧が異なることを抑制することができる。
この構成により、請求項1乃至6の内いずれか1項で得られる作用に加え、以下のような作用が得られる。
(1)負極及び負極に対向する1つ又は2つの空気極の長手方向が水平方向と平行に配置される電極対が、電池容器内に複数組積層されていることによって、単電池としての最大放電可能電流、出力密度、エネルギー密度を向上させることができる。
(2)単一容器内に複数の電極対が積層されていることによって、単一の電極対からなる電池を複数接続する場合に比べて、電池全体で占める容積を減少させることができる。
この構成により、請求項1乃至6の内いずれか1項で得られる作用に加え、以下のような作用が得られる。
(1)負極及び負極に対向する1つ又は2つの空気極の長手方向が鉛直方向と平行に配置される電極対が、電池容器内に複数組並設されていることによって、単電池としての最大放電可能電流、出力密度、エネルギー密度を向上させることができる。
(2)単一容器内に複数の電極対が並設されていることによって、単一の電極対からなる電池を複数接続する場合に比べて、電池全体で占める体積を減少させることができる。
(3)空気極と負極を鉛直に配置することによって、放電によって空気極と負極の間で生成する水による圧力上昇と、充電によって空気極と負極の間で減少する水による圧力低下とともに、重力沈降と毛管現象との相互作用が加わることで、充放電時における空気極と負極間での水の減少・増加に対応して、電解液貯蔵部から空気極と負極の間の電解液保持体に電解液をより適切なタイミングで供給でき、または空気極と負極の間の電解液保持体から電解液貯蔵部へ電解液をより適切なタイミングで貯蔵できる。
請求項1に記載の発明によれば、以下のような有利な効果が得られる。
(1)空気極と負極の間の電解液量の増加または減少を電解液保持体と電解液貯蔵部によって調整し、空気極と負極の間の電解液量を常に一定に保つことができることから、放電にともなう空気極と負極の間の電解液量の増加による電解液の電池容器からの漏洩、電解液量の増加による電池抵抗の増大、電解液量の増加による電極上での反応分布の不均一化による電極反応抵抗の増大、負極の水素吸蔵合金に吸蔵された水素の放電時における利用率の低下を抑制できる。
(2)(1)の効果とともに、充電時にともなう空気極と負極の間の電解液量の減少による負極や空気極の電極反応抵抗の増大、電極上での反応分布の不均一化による電池抵抗の増大、負極の水素吸蔵合金に吸蔵される水素量の減少を抑制できる。
(3)(1)および(2)の効果にともなって、電池の放電容量および充電容量の増加、水素吸蔵合金の利用率の向上、全電池抵抗の低減が可能となり、電池の出力密度およびエネルギー密度を向上させることができる。
(4)さらに、(1)および(2)の効果にともなって、電解液の漏洩や電池反応に伴う発熱が抑制され、電池の安全性を向上させることができる。
(5)さらに、(1)および(2)の効果にともなって、電池の充放電サイクル特性が向上し、電池寿命を長くすることができる。
(6)さらに、空気極と負極の間に必要最適量の電解液を保持することができ、かつ電池の充放電容量の大小に関わらず必要最適量の電解液を保持することができることから、多様な電池容量や電池サイズに対して、上記に述べた効果を発揮することができる。
(1)酸素発生と酸素還元に対する高い触媒性が得られ、空気極内部における酸素発生と酸素還元をいずれも円滑に進行させることができることから、導電性物質としてのニッケルと触媒としてのイリジウムを含むパイロクロア型酸化物を用いる場合以外に比べて、充電及び放電における空気極の抵抗を低減できる。
(2)(1)の効果とともに、空気極の抵抗が低減できることによって電池抵抗が減少し、電池の電圧効率およびエネルギー効率を向上することができる。
(3)導電性物質としてニッケル以外の物質を用いる場合や、触媒にイリジウムを含むパイロクロア型酸化物以外の物質を用いる場合に比べて、導電性物質自身の酸化還元による消耗を抑制することができる。
(4)導電性物質としてニッケル以外の物質を用いる場合や、触媒にイリジウムを含むパイロクロア型酸化物以外の物質を用いる場合に比べて、触媒自身の酸化還元による消耗を抑制することができる。
(5)(3)および(4)の効果とともに、空気極の耐久性が向上され、電池の寿命を長くすることができる。
(1)イリジウムを含むパイロクロア型酸化物の中でも、ビスマスイリジウム酸化物は特に酸素発生や酸素還元に対する触媒活性が高く、高い電流密度や高温での作動においても充放電サイクルに対して空気極が高い耐久性を有することから、電池の充放電可能な最大電流を向上させることが可能となり、また使用温度範囲を広くすることができる。
(2)(1)の効果とともに、電池の充放電可能な最大電流が向上することから、電池の最大出力をより高くすることが可能となる。
(3)(1)および(2)の効果とともに、高電流、高温での作動においても耐久性に優れた電池を提供することができる。
(4)ビスマスイリジウム酸化物は、鉛イリジウム酸化物のような有害物質を含まないことから、電池の製造・使用・廃棄・処分において安全性が高くなることによって、定置用電源、家庭用電源、移動体用電源、電気自動車・ハイブリッド自動車用電源、電動バイク用電源などにおいて、ライフサイクルにおける安全性やリサイクル性の高い二次電池を提供することが出来る。
(5)(4)の効果とともに、補聴器用電源やモバイル機器用電源など人体に近い位置で使用される機器の電源として用いる場合においても、安全性が高い二次電池を提供することができる。
(1)単電池としてより高い電流での充放電が可能になるとともに、充放電時の分極を小さくすることができることから、充放電可能な最大電流が向上し、かつ電池のエネルギー密度や出力密度を高くすることができる。
(2)(1)の効果とともに、負極に対向して1つの空気極を配設する場合に比べて、電池内部におけるデッドスペースを削減することができることから、電池のエネルギー密度や出力密度をさらに向上させることができる。
(1)電池容器内の電解液貯蔵部の構造を簡素化してその容積を小さくすることができることから、電池全体の体積も減少し、体積当たりのエネルギー密度や出力密度が高く、高密度に実装することができると共に高出力性に優れる。
(1)電解液保持体の部材点数が少なく、複数の空気極と負極の間に対して電解液保持体中の電解液量を均一に保つことができ、各々の空気極と負極の間に存在する電解液量のバランスが崩れることを防ぎ、極間電圧が異なることを抑制することができ、出力の均一性、安定性に優れる。
(1)複数の空気極と負極を配置し、大きな電極面積と電池容量を確保することにより、単電池としての出力特性、エネルギー密度を向上させることができ、再充電性と耐久性に優れる。
(1)複数の空気極と負極を配置し、大きな電極面積と電池容量を確保することにより、単電池としての出力特性を向上させることができ、再充電性と耐久性に優れる。
(2)充放電時における空気極と負極の間での水の減少・増加に対応して、電解液保持体と電解液貯蔵部との間で、電解液をより適切なタイミングで供給または貯蔵して電解液保持体に保持される電解液量を常に一定に保ち、安定した充放電を行うことができ、動作安定性、高品質性、長寿命性に優れる。
(実施の形態1)
図1は本発明の実施の形態1の水素/空気二次電池の要部断面模式図である。
図1中、1は本発明の実施の形態1の水素/空気二次電池、1aは水素/空気二次電池1の電池容器、2はニッケルと、イリジウムを含むパイロクロア型酸化物であるビスマスイリジウム酸化物と、結着剤と、を混合して形成され、電池容器1a内に水平に配設された空気極、3は空気極2に対向して電池容器1a内に水平に配設された水素吸蔵合金を用いた負極、4は空気極2と負極3との間に配設されアルカリ性水溶液である電解液を保持する電解液保持体、5は空気極2の電解液保持体4と反対の側に、放電に必要な酸素の空気極2への取り込み若しくは充電で発生する酸素の空気極2からの散逸が可能なように電池容器1aに形成された通気路、6は電池容器1の長手方向の一端に形成された電解液貯蔵部であり、電解液保持体4の一部が電解液貯蔵部6内の電解液に浸漬し、電解液保持体4と電解液貯蔵部6の間では電解液の流れが確保されている。
尚、電解液貯蔵部6は、充電反応により電解液が減少する電解液保持体4に十分な電解液を供給し、放電反応により電解液保持体4で増加する電解液を確実に貯蔵できるように、電池の充放電容量に適した体積となっている。
通気路5は単に電池容器1に形成された開口部でもよい。
図2は本発明の実施の形態1の水素/空気二次電池の変形例の要部断面模式図である。
図2において、実施の形態1の変形例における水素/空気二次電池1Aが実施の形態1と異なるのは、電池容器1aに電解液保持体4の両端部が電解液と浸漬するように2つの電解液貯蔵部6が形成されている点である。
これにより、放電によって空気極2と負極3の間で生成する水による圧力上昇と、充電によって空気極2と負極3の間で減少する水による圧力低下を利用して、放電時には電解液保持体4で増加した分の電解液を両端の電解液貯蔵部6に貯蔵することができ、また充電時には電解液保持体4で減少した分の電解液を両端の電解液貯蔵部6から供給することができる。この結果、空気極2と負極3の間では電解液保持体4に保持される電解液量が常に一定に保たれるようになる。
(1)充電反応により減少する電解液の供給又は放電反応により増加する電解液の貯蔵を行う電解液貯蔵部を電池容器内に有し、電解液保持体の少なくとも一部が電解液貯蔵部内の電解液に浸漬していることにより、放電時には空気極と負極の間で生成する水による圧力上昇により、電解液保持体を介して空気極と負極の間で放電によって増加した分の電解液を電解液貯蔵部に貯蔵することが可能となり、また充電時には空気極と負極の間で減少する水による圧力低下を利用して、電解液貯蔵部から電解液保持体を介して充電によって減少した分の電解液を空気極と負極の間に供給することが可能となる。
(2)また、これによって空気極と負極の間では電解液保持体に保持された電解液量を常に一定に保つことができる。
(3)また、上記のような電解液の供給と貯蔵が、電解液保持体を介して、空気極−負極間と電解液貯蔵部との間で行われるため、空気極からの電解液の漏洩を抑制することが可能となる。
(4)また、上記のような電解液の供給と貯蔵が、電解液保持体を介して、空気極−負極間と電解液貯蔵部との間で行われるため、空気極−負極間に存在する電解液量を電解液保持体の空隙率を変えることで調整が可能となり、必要最適量の電解液量を空気極と負極の間に常に保持することができる。
(5)また、上記のような電解液の供給と貯蔵が、電解液保持体を介して、空気極−負極間と電解液貯蔵部との間で行われるため、空気極−負極間に存在する電解液量を電解液保持体の空隙率と厚みを変えることで調整が可能となり、電池の充放電容量の大小に関わらず必要最適量の電解液量を空気極と負極の間に常に保持することができる。
(6)イリジウムを含むパイロクロア型酸化物とニッケルとの間における電子的および化学的な相互作用によって、酸素発生と酸素還元に対する高い触媒能が得られ、空気極内部における酸素発生と酸素還元をいずれも円滑に進行させることができる。
(7)イリジウムを含むパイロクロア型酸化物とニッケルとの組み合わせによって、空気極で副反応として生じる可能性があるニッケル自身の酸化や還元が抑制されることによって、ニッケルの消耗が低減され、炭素粉末を用いた空気極や、ニッケルと他の金属系および/または酸化物系の触媒とを混合した構成を有する空気極に比べて、酸素発生・還元サイクルに対する耐久性を向上させることができる。
(8)イリジウムを含むパイロクロア型酸化物とニッケルは、湿式または乾式のいずれの方法でも結着剤との混合、成形が容易であり、特別な装置を用いなくても空気極を製造することができる。
(9)白金などの高価な貴金属を触媒に用いないことから、これらに対して空気極のコストを低減できる。
(10)空気極を形成するビスマスイリジウム酸化物は、イリジウムを含むパイロクロア型酸化物の中でも、特にニッケルとの組合せにおいて、空気極における充電時の酸素発生や放電時の酸素還元に対して触媒活性が高く、かつ高い電流密度や高温での作動においても充放電サイクルに対して高い耐久性を有する。
(11)鉛イリジウム酸化物のような他のパイロクロア型酸化物に対して、鉛のような有毒成分を含まないため、電池の製造・使用・廃棄・処分において安全性が高くなる。
(12)ビスマスイリジウム酸化物は、硝酸ビスマスのようなビスマス化合物と塩化イリジウム酸のようなイリジウム化合物を出発原料とし、共沈法と呼ばれる方法により前駆体物質を合成してから加熱処理するという簡単な方法で得られることから、空気極を構成する活性の高い触媒を容易に得ることができる。
実施の形態2における水素/空気二次電池について説明する。尚、実施の形態1と同様のものについては、同じ符号を付して説明を省略する。
図3は本発明の実施の形態2の水素/空気二次電池の要部断面模式図であり、図4は本発明の実施の形態2の水素/空気二次電池の変形例の要部断面模式図である。
図3において、実施の形態2の水素/空気二次電池1Bが実施の形態1と異なるのは、空気極2、負極3、電解液保持体4が鉛直方向に配置されている点であり、図3では電解液貯蔵部6がこれらの下方に配置されている。なお、図には示していないが、図3の上下を逆にして電解液貯蔵部6が上となるように配置したものも、本実施の形態2に含まれる。
また、図4において、実施の形態2の変形例の水素/空気二次電池1Cが実施の形態2と異なるのは、電池容器1aに電解液保持体4の両端部が電解液に浸漬するように2つの電解液貯蔵部6が形成されている点であり、実施の形態1の変形例における水素/空気二次電池1Aを鉛直に配置したものに相当する。
(1)空気極と負極を鉛直に配置することによって、放電によって空気極と負極の間で生成する水による圧力上昇と、充電によって空気極と負極の間で減少する水による圧力低下とともに、重力沈降と毛管現象との相互作用が加わることで、充放電時における空気極と負極間での水の減少・増加に対応して、電解液貯蔵部から空気極と負極の間の電解液保持体に電解液をより適切なタイミングで供給でき、または空気極と負極の間の電解液保持体から電解液貯蔵部へ電解液をより適切なタイミングで貯蔵できる。
実施の形態3における水素/空気二次電池について説明する。尚、実施の形態1又は2と同様のものについては、同じ符号を付して説明を省略する。
図5は本発明の実施の形態3の水素/空気二次電池の要部断面模式図である。
図5において、実施の形態3の水素/空気二次電池1Dが実施の形態2の変形例と異なるのは、負極3の両側に対向して2つの空気極2が配設され、電解液保持体4が負極3と各々の空気極2との間にそれぞれ配設されている点である。なお、図5の構成を一組として、1つの電池容器1aの中に複数組を並設することもできる。このとき、隣接する空気極2の間では通気路5を共通化することができる。
尚、本実施の形態では、負極3、空気極2、電解液保持体4を電池容器1a内で鉛直方向に配置したが、実施の形態1と同様に水平方向に配置する構造としてもよい。
(1)負極に対向して2つの空気極が配設されることにより、負極の両側を電池反応に利用することが可能となり、単電池としてより高い電流での充放電が可能になるとともに、放電電圧の分極が小さくなることで、エネルギー密度および出力密度を向上させることができる。
(2)負極に対向して1つの空気極を配設する場合に比べて、電池内部におけるデッドスペースを削減することができる。
実施の形態4における水素/空気二次電池について説明する。尚、実施の形態1乃至3と同様のものについては、同じ符号を付して説明を省略する。
図6は本発明の実施の形態4の水素/空気二次電池の要部断面模式図である。
図6において、実施の形態4の水素/空気二次電池1Eが実施の形態3と異なるのは、2つの電解液保持体4a,4bの両端部がそれぞれ共通の電解液貯蔵部6内の電解液に浸漬している点である。なお、図6の構成を一組として、1つの電池容器1aの中に複数組を並設することもできる。このとき、隣接する空気極2の間では通気路5を共通化することができる。
尚、本実施の形態では、負極3、空気極2、電解液保持体4a,4bを電池容器1a内で鉛直方向に配置したが、実施の形態1と同様に水平方向に配置する構造としてもよい。
(1)複数の電解液保持体の少なくとも一部が共通の電解液貯蔵部内の電解液に浸漬していることにより、電池容器内の電解液貯蔵部の構造を簡単にすることができる。
(2)電解液貯蔵部が共通ではなく各電解液保持体に対して配置されている場合に比べて、電解液貯蔵部の容積を小さくすることが可能で、電池全体の体積も減少し、体積当たりのエネルギー密度や出力密度を向上させることができる。
実施の形態5における水素/空気二次電池について説明する。尚、実施の形態1乃至4と同様のものについては、同じ符号を付して説明を省略する。
図7は本発明の実施の形態5の水素/空気二次電池の要部断面模式図である。
図7において、実施の形態5の水素/空気二次電池1Fが実施の形態4と異なるのは、2つの電解液保持体4a,4bが共通の電解液貯蔵部6内で連結部4cによって連結されて一体化されている点である。なお、電解液保持体4a、4bと接続部4cはもとより一体であるものであってもよい。また、図7の構成を一組として、1つの電池容器1aの中に複数組を並設することもできる。このとき、隣接する空気極2の間では通気路5を共通化することができる。
尚、本実施の形態では、負極3、空気極2、電解液保持体4a、4bを電池容器1a内で鉛直方向に配置したが、実施の形態1と同様に水平方向に配置する構造としてもよい。
(1)2つの電解液保持体が共通の電解液貯蔵部内で連結されていることにより、2つの電解液保持体が2つの空気極に対して、電解液貯蔵部を介して一体となり、電解液保持体の部材点数を少なくすることができる。
(2)空気極と負極の間にある電解液保持体中の電解液量を、2つの空気極と負極の間に対して均一に保つことが可能となり、各々の空気極と負極の間に存在する電解液量のバランスが崩れることを防ぎ、各々の空気極と負極の間の極間電圧が異なることを抑制することができる。
実施の形態6における水素/空気二次電池について説明する。尚、実施の形態1乃至5と同様のものについては、同じ符号を付して説明を省略する。
図8は本発明の実施の形態6の水素/空気二次電池の要部断面模式図である。
図8において、実施の形態6の水素/空気二次電池1Gが実施の形態5と異なるのは、実施の形態5の水素/空気二次電池1Fにおける負極3及び負極3に対向する2つの空気極2の長手方向が鉛直方向と平行に配置される電極対が、電池容器1a内に2組並設され、電解液保持体4b同士が共通の電解液貯蔵部6内で連結部4dによって連結されて蛇行状に一体化され、隣接する2つの空気極2の間に電池容器1aの外部と連通する共通の通気路5aが形成されている点である。
これにより、各々の空気極2と負極3の間の極間電圧のばらつきを抑制して、均一化することができる。
また、本実施の形態では、電池容器1a内に並設する電極対の数が2組の場合について説明したが、電極対の数は、適宜、選択することができる。
また、負極3、空気極2、電解液保持体4a、4bを電池容器1a内で鉛直方向に配置したが、実施の形態1と同様に水平方向に配置する構造としてもよい。なお、電解液保持体4a、4bと接続部4c、4dはもとより一体であるものであってもよい。
(1)負極及び負極に対向する2つの空気極の長手方向が鉛直方向と平行に配置される電極対が、電池容器内に2組並設されていることによって、単電池としての最大放電可能電流、出力密度、エネルギー密度を向上させることができる。
(2)単一容器内に複数の電極対が並設されていることによって、単一の電極対からなる電池を複数接続する場合に比べて、電池全体で占める体積を減少させることができる。
(3)空気極と負極を鉛直に配置することによって、放電によって空気極と負極の間で生成する水による圧力上昇と、充電によって空気極と負極の間で減少する水による圧力低下とともに、重力沈降と毛管現象との相互作用が加わることで、充放電時における空気極と負極間での水の減少・増加に対応して、電解液貯蔵部から空気極と負極の間の電解液保持体に電解液をより適切なタイミングで供給でき、または空気極と負極の間の電解液保持体から電解液貯蔵部へ電解液をより適切なタイミングで貯蔵できる。
(実施例1)
Bi(NO3)3・5H2OとH2IrCl6・6H2Oを同じ濃度となるように75℃の蒸留水に溶解し、攪拌・混合してから、2mol/LのNaOH水溶液を加えた。
その際、浴温度は75℃で、酸素バブリングを行いながら3日間攪拌した。これによって生じた沈殿物を含む溶液を85℃で保持して蒸発乾固させてペースト状とした。このペースト状のものを蒸発皿に移し、120℃、12時間乾燥させてから乳鉢で粉砕した後に、空気雰囲気中で600℃、2時間焼成した。次に、焼成物中に含まれる副生成物を除去するために、70℃の蒸留水を用いて吸引ろ過し、パイロクロア型のビスマスイリジウム酸化物を単離した。さらに、これを120℃、12時間乾燥させた後に、乳鉢を用いて粉砕してビスマスイリジウム酸化物粉末を得た。
このようにして得られたビスマスイリジウム酸化物粉末、ニッケル粉末(純度99.8%、粒径10〜20μm)、市販のPTFE(ポリテトラフルオロエチレン)粒子を重量比で20:70:10となるように混合して粘土状とした後、常温で30分程度乾燥させたものを集電体となるニッケル網上に100kg/cm2でディスク状(直径13mm、厚さ0.3mm)にプレス成形してから、窒素雰囲気中370℃で13分間熱処理して空気極を作製した。
上記の空気極および負極と、電解液保持体として市販のアルカリ電池用セパレータ(ユアサメンブレンシステムズ製、登録商標名:ユミグラフター)と、電解液として7mol/LのKOH水溶液を用い、図3に示した構造の水素/空気二次電池を、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)を電池容器の材料に使って作製した。PTFE容器には電解液貯蔵部となる空間を配置し、その内部に電解液5mLを注入した。また、電解液保持体の面積は、空気極および負極よりも大きくし、かつ電解液貯蔵部内の電解液に電解液保持体の一部が浸漬するようにした。なお、空気極のリードにはニッケル線を使用した。
電池容器に電解液貯蔵部となる空間を設けず、かつ電解液保持体を空気極および負極とほぼ同じ面積にしたことを除いて、実施例1と同じ水素/空気二次電池を作製した。尚、電解液保持体に保持された電解液は約60μLであった。
図9中、横軸は充放電のサイクル数(回)であり、縦軸は放電時及び充電時の電池電圧(V)である。
実施例1では、300サイクル以上の充放電で可能であり、平均放電電圧0.9〜0.73V(白丸参照)、平均充電電圧1.5V(灰色丸参照)の安定な電圧を示した。
これに対し、比較例1では、初期の充放電試験では実施例1とほぼ同じ放電電圧と充電電圧を示した(白四角、灰色四角参照)が、10サイクルで充放電が終了し、11サイクルからは充放電ができなくなった。比較例1の電池を解体した結果、電解液保持体にはほとんど電解液が残っていないことがわかった。
以上の結果から、充放電時の電解液保持体における電解液(水)の減少、増加に対し、電解液貯蔵部からの電解液の供給及び電解液貯蔵部への電解液の貯蔵を行うことにより、電解液保持体に保持される電解液量を略一定に保つことができ、安定した充放電を繰り返し行うことが可能となり、動作安定性、高品質性、長寿命性に優れる水素/空気二次電池を実現できることが明らかとなった。
実施例1と同じ方法で作製したビスマスイリジウム酸化物粉末と、ニッケル粉末(純度99.8%、粒径10〜20μm)、市販のPTFE(ポリテトラフルオロエチレン)粒子を重量比で20:70:10となるように混合し、ニッケル網とともにロールプレス機で加圧した後、窒素雰囲気中370℃で13分間熱処理して、角型の空気極(45mm×45mm,厚さ0.2mm)を作製した。また、実施例1と同じ水素吸蔵合金を用いて、これを発泡ニッケル内にEVA(エチルビニルアセテート)とともにロールプレスして成形し、空気極とほぼ同じ面積の負極(理論容量600mAh)を作製した.なお、水素吸蔵合金と発泡ニッケルとEVAの重量比は1:1:0.01とした。
上記の空気極および負極と、電解液保持体として市販のアルカリ電池用セパレータ(ユアサメンブレンシステムズ製、登録商標名:ユミグラフター)と不織布、電解液として7mol/LのKOH水溶液を用い、図2に示した構造の水素/空気二次電池を、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)を電池容器の材料に使って作製した。PTFE容器には電解液貯蔵部となる空間を配置し、その内部に電解液5mLを注入した。また、電解液保持体の面積は、空気極および負極よりも大きくし、かつ電解液貯蔵部内の電解液に電解液保持体の一部が浸漬するようにした。なお、空気極のリードにはニッケル線を使用した。
電池容器に電解液貯蔵部となる空間を設けず、かつ電解液保持体を空気極および負極とほぼ同じ面積にしたことを除いて、実施例2と同じ水素/空気二次電池を作製した。尚、電解液保持体に保持された電解液は約1mLであった。
実施例2では、50mAでの放電に対して10時間もの放電が可能であり、安定した放電電圧が得られた。これに対して、比較例2では実施例2よりも低い電流で放電したにも関わらず放電時間は7.5時間であった。このとき実施例2の放電電気量は508mAh、比較例2の放電電気量は219mAhであり、実施例2は比較例2に対して2倍以上の放電が可能となった。また、体積エネルギー密度は実施例2が308Wh/L、比較例2は115Wh/Lであり、実施例2では比較例2に対してエネルギー密度が2.7倍に向上した。また、安定な放電電圧が得られる放電可能な限界電圧を0.1Vとして、放電可能な最大電流値を測定した結果、実施例2は600mA、比較例2は150mAであり、比較例2に対して実施例2は放電可能な最大電流値が4倍に向上した。さらに、負極の水素吸蔵合金の利用率は実施例2が84%、比較例2が29%であり、利用率が約3倍に向上した。
以上の結果から、充放電時の電解液保持体における電解液(水)の減少、増加に対し、電解液貯蔵部からの電解液の供給及び電解液貯蔵部への電解液の貯蔵を行うことにより、電解液保持体に保持される電解液量を略一定に保つことができ、安定した放電を行うことが可能となり、これによって放電可能な最大電流値、出力、エネルギー密度が向上し、動作安定性、高品質性、長寿命性とともに放電特性に優れる水素/空気二次電池を実現できることが明らかとなった。
1a 電池容器
2 空気極
3 負極
4,4a,4b 電解液保持体
4c,4d 接続部
5,5a 通気路
6 電解液貯蔵部
Claims (8)
- 電池容器内に配設される空気極と、前記空気極に対向して前記電池容器内に配設される水素吸蔵合金を用いた負極と、前記空気極と前記負極との間に配設され電解液を保持する電解液保持体と、を備えた水素/空気二次電池であって、
充電反応により減少する電解液の供給又は放電反応により増加する電解液の貯蔵を行う電解液貯蔵部を前記電池容器内に前記空気極及び前記負極と分離して形成し、前記電解液保持体の少なくとも一部が前記電解液貯蔵部内の前記電解液に浸漬して、前記電解液の供給と貯蔵が、前記電解液保持体を介して、前記空気極−前記負極間と前記電解液貯蔵部との間で行われることを特徴とする水素/空気二次電池。 - 前記空気極が、ニッケルと、イリジウムを含むパイロクロア型酸化物と、結着剤と、を含有してなることを特徴とする請求項1に記載の水素/空気二次電池。
- 前記イリジウムを含む前記パイロクロア型酸化物が、ビスマスイリジウム酸化物であることを特徴とする請求項2に記載の水素/空気二次電池。
- 前記負極に対向して2つの前記空気極が配設され、前記電解液保持体が前記負極と各々の前記空気極との間にそれぞれ配設されていることを特徴とする請求項1乃至3の内いずれか1項に記載の水素/空気二次電池。
- 複数の前記電解液保持体の少なくとも一部が共通の前記電解液貯蔵部内の前記電解液に浸漬していることを特徴とする請求項4に記載の水素/空気二次電池。
- 複数の前記電解液保持体が共通の前記電解液貯蔵部内で連結されていることを特徴とする請求項5に記載の水素/空気二次電池。
- 前記負極及び前記負極に対向する1つ又は2つの前記空気極の長手方向が水平方向と平行に配置される電極対が、前記電池容器内に複数組積層されていることを特徴とする請求項1乃至6の内いずれか1項に記載の水素/空気二次電池。
- 前記負極及び前記負極に対向する1つ又は2つの前記空気極の長手方向が鉛直方向と平行に配置される電極対が、前記電池容器内に複数組並設されていることを特徴とする請求項1乃至6の内いずれか1項に記載の水素/空気二次電池。
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