JP2006170032A - エンジンの燃料噴射制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】燃料ポンプにより加圧供給される燃料を高圧状態で蓄圧室に蓄え、該蓄圧室に蓄えられた燃料を燃料噴射弁を介して噴射するものにあって、その始動性を向上させることのできる燃料噴射制御装置を提供する。
【解決手段】コモンレール6内の燃圧は、燃料ポンプ4の操作により、燃料タンク1の燃料がコモンレール6に加圧供給されることで制御される。エンジンの始動時においては、実際の燃圧を目標とする燃圧に制御するためのフィードバックゲインを、始動完了後のフィードバックゲインとは別に設定する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、燃料ポンプにより加圧供給される燃料を高圧状態で蓄圧室に蓄え、該蓄圧室に蓄えられた燃料を燃料噴射弁を介して噴射するエンジンの燃料噴射制御装置に関する。
この種の燃料噴射制御装置としては、燃料ポンプより加圧供給される燃料をコモンレールに蓄え、この蓄えられた燃料をディーゼルエンジンの各気筒の燃焼室に噴射供給するコモンレール式のものが周知である。コモンレール式の燃料噴射制御装置によれば、コモンレール内で所定の燃圧とされる燃料を各気筒の各燃料噴射弁に供給するために、燃料噴射の制御性能を向上させることができる。
ただし、燃料ポンプは、通常、エンジンから駆動力が付与されるものであるため、エンジンの始動に際して、コモンレール内の燃圧が適切な高圧状態に上昇するまでには時間がかかる。また、エンジンの始動に際しての適切な高圧状態は、エンジンの冷却水の温度によって異なることも知られている。このため、コモンレール内の燃圧が、エンジンの冷却水の温度によって定まる適切な圧力まで上昇する前に燃料の噴射を開始すると、燃料噴射制御を適切に行なうことができないおそれがある。
そこで従来は、例えば下記特許文献1に見られるように、エンジンの冷却水の温度に応じて適切な燃圧を決定し、コモンレール内の実際の燃圧が、決定された適切な燃圧以上に上昇するまで燃料噴射の開始を禁止する燃料噴射制御装置も提案されている。このように、実際の燃圧が適切な燃圧となるまで燃料の噴射を禁止することで、適切な燃圧にて燃料の噴射制御を行なうことができる。
ところで、燃料噴射弁を介した燃料の噴射が開始されると、コモンレール内の燃料が消費されるため、コモンレール内の燃圧が低下する。このため、上記特許文献1に記載の燃料噴射制御装置のように、コモンレール内の燃圧が適切な燃圧となることで噴射を開始したとしても、燃料噴射の開始に起因してコモンレール内の燃圧が低下することで、始動性が悪化することが懸念される。
なお、上記燃料噴射制御装置に限らず、燃料ポンプにより加圧供給される燃料を高圧状態で蓄圧室に蓄え、該蓄圧室に蓄えられた燃料を燃料噴射弁を介して噴射するものにあっては、燃料の噴射開始に伴う燃圧の低下に起因して始動性が悪化するこうした実情も概ね共通したものとなっている。
特開2001−295685号公報
本発明が解決しようとする課題は、燃料の噴射開始に伴う燃圧の低下に起因して始動性が悪化することにある。また、本発明の目的は、燃料ポンプにより加圧供給される燃料を高圧状態で蓄圧室に蓄え、該蓄圧室に蓄えられた燃料を燃料噴射弁を介して噴射するものにあって、始動性を向上させることのできる燃料噴射制御装置を提供することにある。
以下、上記課題を解決するための手段、及びその作用効果を記載する。
手段1では、当該エンジンの始動に際し、前記燃料噴射弁を介した燃料の噴射開始に伴う前記蓄圧室内の燃圧の低下を抑制する抑制手段を備えるようにした。
燃料噴射弁を介して燃料が噴射されると、蓄圧室の燃料が消費されることから蓄圧室内の燃圧が低下する。特に、燃料の噴射が開始されるときには、蓄圧室の燃料が消費されていなかった状況から、蓄圧室の燃料が消費される状況へと急変することとなるため、蓄圧室内の燃圧が突然低下するようになる。
この点、上記構成によれば、抑制手段を備えることで、燃料の開始に伴う燃圧の低下が抑制されることから、当該エンジンの始動性を向上させることができる。
手段2では、前記蓄圧室内の燃圧が、要求される量の燃料の噴射が可能となる圧力の最低値(噴射制御可能圧)の近傍となるときに生じる燃圧の低下を抑制する抑制手段を備えるようにした。
蓄圧室内の燃圧が上記噴射制御可能圧の近傍となると、燃料噴射弁からの噴射される燃料量が急激に増加すること等に起因して蓄圧室内の燃圧が低下することがある。
この点、上記構成では、抑制手段を備えることで、こうした燃圧の低下が抑制されることから、当該エンジンの始動性を向上させることができる。
手段3では、手段2において、前記抑制手段が、前記蓄圧室内の燃圧が前記最低値(噴射制御可能圧)の近傍となるとき、前記蓄圧室に供給する燃料量を増量するようにした。
上記構成では、実際の燃圧が噴射制御可能圧の近傍となるときに蓄圧室に供給される燃料量を増量することで、噴射制御可能圧の近傍において実際の燃圧が低下することを好適に抑制することができる。
手段4では、手段1〜3のいずれかにおいて、前記蓄圧室内の燃圧を目標とする燃圧にフィードバック制御し、前記抑制手段は、前記燃圧の低下が懸念されなくなる所定の条件となる前後で前記フィードバック態様を切り替えるようにした。
上記構成では、上記燃圧の低下が懸念されるときと、該燃圧の低下が懸念されないときとで各々別の態様にてフィードバック制御を行なうことできる。したがって、蓄圧室内の燃圧の変動要因に応じて各々適切な態様にてフィードバック制御を行なうことができるため、特に上記燃圧の低下が懸念されるときには、例えば、これを抑制すべくフィードバックゲインを設定することなどが可能となる。ちなみに、このフィードバックゲインについては、上記燃圧の低下が懸念されるときの方が、懸念されないときよりも大きく設定することが望ましい。
なお、上記所定の条件は、始動が完了するときや、蓄圧室内の燃圧が上昇し目標とする燃圧に近似する所定のタイミングとしてもよい。また、手段2の構成を備える場合には、上記所の条件は、蓄圧室内の燃圧が上記噴射制御可能圧よりも所定の圧力だけ高くなったときとしてもよい。更に、手段3の構成を備える場合には、上記燃圧の低下が懸念されるときに、蓄圧室内の燃圧が噴射制御可能圧の近傍となるときを含むようにすることが望ましい。
手段5では、手段1〜4のいずれかにおいて、前記蓄圧室内の燃圧を制御するための操作量を、前記エンジンの運転状態に応じて設定する設定手段を有し、前記抑制手段は、前記燃圧の低下を見越して、前記蓄圧室に加圧供給する燃料量を増量すべく、前記設定される操作量を補正するようにした。
上記構成では、設定手段によって上記操作量が設定され、更に、上記燃圧の低下を見越して、蓄圧室に加圧供給される燃料量を増量すべく、上記操作量が補正される。このため、設定手段によって設定される操作量によっては上記燃圧の低下が生じるときにも、この燃圧の低下を好適に抑制することができる。
なお、この手段5が手段4の構成を備えないときでも、こうした開ループ制御に加えて、フィードバック制御を行なう構成としてもよい。
手段6では、手段5において、前記抑制手段は、前記実際の燃圧及び前記エンジンの回転速度の少なくとも一方に基づき前記燃圧の低下を見越すようにした。
手段1の「燃料の噴射開始」は、通常、燃圧が燃料の噴射開始を許容する燃圧となることで行なわれる。このため、手段1の燃圧の低下は、燃料の噴射開始を許容する燃圧となることで生じる。一方、手段2の「燃圧の低下」は、噴射制御可能圧の近傍となることで生じる。したがって、燃圧の低下が生じるときを、燃圧の検出値の監視により予測することが可能である。また、始動時においては、燃圧の上昇とエンジンの回転速度の上昇との間には、相関関係がある。このため、燃圧の低下が生じるときを、エンジンの回転速度に基づいて予測することも可能である。
このため、上記構成では、燃圧の低下を見越した燃料の増量制御を好適に行なうことができる。なお、燃圧の低下を見越すために用いるパラメータとしては、上記のものに加えて、例えばエンジンの冷却水の温度等、燃料噴射量を算出するためのパラメータを用いてもよい。
なお、上記各手段5又は6は、手段7によるように、前記設定手段は、前記エンジンの始動に際して要求される要求噴射量と、前記エンジンの回転速度と、前記実際の燃圧との少なくとも1つに基づいて前記操作量をマップ演算するようにしてもよい。
また、上記手段4によるフィードバック制御や、上記手段5〜7による設定手段による制御を行なう前に、蓄圧室の燃圧を制御するアクチュエータによる蓄圧室への燃料の供給が可能な最大量の燃料を供給する制御(全吐出制御)を行なうようにしてもよい。
このように全吐出制御を併せて行うことで、始動に際して蓄圧室の燃圧を迅速に上昇させることができる。
手段8では、手段1又は2のいずれかにおいて、又は手段3〜7のいずれかにおいて、前記抑制手段は、前記燃圧の低下が懸念されなくなる所定の条件となったときよりも該条件となる前の方が、前記燃料噴射弁に噴射の指令のなされる燃料量である指令噴射量が少なくなるようにした。
上記手段1及び手段2における燃圧の低下は、いずれも燃料噴射弁を介して燃料が噴射されることで、蓄圧室内の燃料が減少することによって生じる。
この点、上記構成では、燃圧の低下が懸念されるときの指令噴射量を、懸念されなくなるときの指令噴射量よりも少なく設定することで、蓄圧室内の燃料の低減の度合いを抑制することができ、ひいては、燃圧の低下を抑制することができる。
なお、上記所定の条件は、始動が完了するときや、実際の燃圧が上昇し目標とする燃圧に近似する所定のタイミングとしてもよい。また、手段2の構成を備える場合には、上記所の条件は、実際の燃圧が上記噴射制御可能圧よりも所定の圧力だけ高くなったときとしてもよい。更に、手段3の構成を備える場合には、上記燃圧の低下が懸念されるときに、実際の燃圧が噴射制御可能圧の近傍となるときを含むようにすることが望ましい。
手段9では、手段1〜8のいずれかにおいて、前記抑制手段は、前記エンジンの始動に際し、前記燃料噴射弁に噴射の指令のなされる燃料量である指令噴射量を徐々に増加させるようにした。
上記手段1及び手段2における燃圧の低下は、いずれも燃料噴射弁を介して燃料が噴射されることで、蓄圧室内の燃料が減少することによって生じる。
この点、上記構成では、指令噴射量が一定とされた場合に燃圧の低下が懸念されるときの方が、懸念されなくなるときよりも、指令噴射量が少なく設定されることとなる。したがって、蓄圧室内の燃料の低減の度合いを抑制することができ、ひいては、燃圧の低下を抑制することができる。
なお、手段9が手段3〜7のいずれかの構成を有する場合には、手段9特有の上記作用効果に加えて、手段3〜7の作用効果を奏することができるため、燃圧の低下をいっそう抑制することができる。
上記各手段8又は9は、手段10によるように、前記抑制手段は、前記エンジンの始動に際して要求される要求噴射量を算出する手段と、該要求噴射量に基づき、前記指令噴射量を前記要求噴射量よりも少なく設定する手段とを備えるようにしてもよい。
手段11では、手段1又は2において、又は、手段3〜10のいずれかにおいて、前記抑制手段は、前記蓄圧室内の燃圧が所定以上に上昇するまで前記燃圧の上昇の度合いを抑制するようにした。
上記構成では、燃圧が所定以上に上昇するまでその上昇の度合いが抑制されるため、所定以上に上昇したときの燃圧の上昇の度合いは増大することとなる。このため、この所定の燃圧が、上記燃圧の低下が懸念される燃圧近傍に設定されることで、燃圧の低下を好適に抑制することができる。
手段12では、手段1〜11のいずれかにおいて、前記燃料噴射弁は、前記燃料ポンプから燃料が汲み上げられる燃料タンクと前記蓄圧室とを連通可能な構成であり、前記抑制手段は、前記蓄圧室から供給される燃料を噴射することなく前記燃料タンクに戻すように前記燃料噴射弁を駆動する空打ち駆動を行なう機能を有して、且つ当該エンジンの始動に際し、前記蓄圧室内の燃圧が上昇から下降に転じるまで、前記燃料噴射弁を介した燃料噴射の合間に前記空打ち駆動を行なうようにした。
上記構成では、実際の燃圧が上昇から下降に転じるまで、換言すれば、上記燃圧の低下が生じるまで、空打ち駆動を行なうことで、この間、燃料の加圧供給量の割には、蓄圧室内の燃圧が上昇しないこととなる。そして、上記燃圧の低下が生じるときに空打ち駆動を止めることで、加圧供給量を増大させることができる。このため、上記燃圧の低下を好適に抑制することができる。
なお、手段12が、手段3〜10のいずれかの構成を有する場合には、手段12特有の上記作用効果に加えて、手段3〜10の作用効果を奏することができるため、燃圧の低下をいっそう好適に抑制することができる。
手段13では、手段1〜11のいずれかにおいて、前記燃料噴射弁は、前記燃料ポンプから燃料が汲み上げられる燃料タンクと前記蓄圧室とを連通可能な構成であり、前記抑制手段は、前記蓄圧室から供給される燃料を噴射することなく前記燃料タンクに戻すように前記燃料噴射弁を駆動する空打ち駆動を行なう機能を有して、且つ当該エンジンの始動に際し、前記蓄圧室内の燃圧及び前記エンジンの回転速度の少なくとも一方が所定以上に上昇するまで、前記燃料噴射弁を介した燃料噴射の合間に前記空打ち駆動を行なうようにした。
上記構成では、蓄圧室内の燃圧及びエンジンの回転速度の少なくとも一方が所定以上上昇するときに、空打ち駆動を行なうことで、この間、燃料の加圧供給量の割には、蓄圧室内の燃圧が上昇しないこととなる。そして、上記燃圧の低下が生じるときに空打ち駆動を止めることで、加圧供給量を増大させることができる。このため、上記所定の燃圧や所定の回転速度を、上記燃圧の低下が生じると予想される値の近傍に設定することで、上記燃圧の低下を好適に抑制することができる。
なお、上記所定の燃圧や所定の回転速度は、上記予想される値以下とすることが望ましい。
なお、手段13が手段3〜10のいずれかの構成を有する場合には、手段13特有の上記作用効果に加えて、手段3〜10の作用効果を奏することができるため、燃圧の低下をいっそう好適に抑制することができる。
手段14では、手段1〜13のいずれかにおいて、前記燃料噴射弁は、その内壁と接しつつ該内壁に沿って一方及び他方に変位することで当該噴射弁を開弁及び閉弁させる変位部材を備えるとともに、該変位部材の変位方向の両端部とそれぞれ対向する2つの室が前記蓄圧室と連通されるようにして形成されており、前記両端部に印加される燃圧のバランスが、前記燃料ポンプから燃料が汲み上げられる燃料タンクと前記2つの室のうちの一方との間を連通及び遮断するアクチュエータによって操作されることで、当該噴射弁の開弁及び閉弁が制御されるようにした。
上記構成の燃料噴射弁では、その開弁及び閉弁に際して、蓄圧室の燃料の燃圧を利用する構成であるため、燃圧が低いとその駆動が十分に行なわれない。すなわち、噴射指令を出した際、要求される燃料を噴射することが可能となる噴射制御可能圧未満であるか以上であるかによって、実際に噴射される燃料が大きく異なる。このため、噴射制御可能圧未満であるときから燃料の噴射を開始する構成においては、噴射制御可能圧となるときに燃圧が大きく低下することが懸念される。また、噴射制御可能圧となることで燃料の噴射を開始する構成においては、この燃料の噴射開始に伴って燃圧が大きく低下することが懸念される。
このため、手段14では、手段1〜13の作用効果を特に好適に奏することができる。
(第1の実施形態)
以下、本発明にかかるエンジンの燃料噴射制御装置を6気筒のディーゼルエンジンの燃料噴射制御装置に適用した第1の実施形態を図面を参照しつつ説明する。
図1に本実施形態の全体構成を示す。
図示するように、燃料タンク1内の燃料は、燃料ポンプ4によって汲み上げられる。燃料ポンプ4は、当該ディーゼルエンジンの出力軸であるクランク軸2から駆動力を付与され、また、その内部のアクチュエータによる弁の開弁及び閉弁動作によって燃料を加圧する機関駆動式のポンプである。また、燃料ポンプ4の上記弁は、外部から操作がなされない限り、燃料の加圧供給ができないノーマリークローズ式のものである。燃料ポンプ4によって汲み上げられた燃料は、加圧されてコモンレール6に供給される。コモンレール6は、燃料ポンプ4から加圧供給された高圧状態の燃料(高圧燃料)を蓄えて、各気筒の燃料噴射弁10(ここでは、1つの気筒の燃料噴射弁のみを例示)に高圧燃料を分配供給する配管である。
燃料噴射弁10は、コモンレール6から供給される高圧燃料を、エンジンの燃焼室に噴射供給するものである。詳しくは、燃料噴射弁10の先端に円柱状のニードル収納部12が設けられている。そして、ニードル収納部12には、その軸方向に変位可能なノズルニードル14が収納されている。ノズルニードル14は、燃料噴射弁10の先端部に形成されている環状のニードルシート部16に着座することで、ニードル収納部12を外部(エンジンの燃焼室)から遮断する一方、ニードルシート部16から離座することで、ニードル収納部12を外部と連通させる。また、ニードル収納部12には、コモンレール6から高圧燃料通路18を介して高圧燃料が供給される。
ノズルニードル14の背面側(ニードルシート部16と対向する側の反対側)は、背圧室20に対向している。背圧室20には、高圧燃料通路18を介してコモンレール6から高圧燃料が供給される。また、ノズルニードル14の中間部には、ニードルスプリング22が備えられており、ニードルスプリング22によりノズルニードル14は燃料噴射弁10の先端側へ押されている。
一方、低圧燃料通路24は燃料タンク1に連通しており、低圧燃料通路24と背圧室20との間は、弁体26によって連通及び遮断される。すなわち、背圧室20と低圧燃料通路24とを連通するオリフィス28が弁体26によって塞がれることで、背圧室20と低圧燃料通路24とが遮断される一方、オリフィス28が開放されることで背圧室20と低圧燃料通路24とが連通される。
弁体26は、バルブスプリング30によって燃料噴射弁10の先端側へ押されている。また、弁体26は、電磁ソレノイド32の電磁力により吸引されることで、燃料噴射弁10の後方側に変位可能となっている。
こうした構成において、電磁ソレノイド32が通電されず電磁ソレノイド32による吸引力が働いていないときには、弁体26は、バルブスプリング30の力によって、オリフィス28を塞ぐこととなる。一方、ノズルニードル14は、ニードルスプリング22によって燃料噴射弁10の先端側へ押され、ニードルシート部16に着座した状態(燃料噴射弁10の閉弁状態)となる。
ここで、電磁ソレノイド32が通電されると、電磁ソレノイド32による吸引力により弁体26は燃料噴射弁10の後方側へ変位し、オリフィス28を開放する。これにより、背圧室20の高圧燃料は、オリフィス28を介して低圧燃料通路24へと移動する。このため、背圧室20の高圧燃料がノズルニードル14へ印加する圧力は、ニードル収納部12内の高圧燃料がノズルニードル14に印加する圧力よりも小さくなる。そして、この圧力差が、ニードルスプリング22がノズルニードル14を燃料噴射弁10の先端側へ押す力よりも大きくなると、ノズルニードル14がニードルシート部16から離座した状態(燃料噴射弁10の開弁状態)となる。
このように、燃料噴射弁10は、電磁ソレノイド32への通電制御がなされていないときに閉弁状態となるノーマリークローズ型の噴射弁である。
また、燃料噴射弁10は、ノズルニードル14の変位方向の両端部に対向する室(ニードル収納部12及び背圧室20)のそれぞれに充填される燃料によりこれら両端部に印加する圧力のバランスが、弁体26の変位によって操作される圧力バランスタイプの噴射弁でもある。この圧力バランスタイプの噴射弁では、高圧燃料によってノズルニードル14の両端に印加される圧力のバランスを操作することで、燃料噴射弁10の開弁及び閉弁が制御される。このため、これら開弁及び閉弁に用いられるアクチュエータである弁体26及び電磁ソレノイド32に必要とされるエネルギ量を低減することが可能な構成となっている。
一方、電子制御装置40は、中央処理装置やメモリを備えており、ディーゼルエンジンの運転状態や運転環境等を検出する各種センサの検出値を取り込み、これらに基づいて、ディーゼルエンジンの運転を制御するものである。
上記各種センサとしては、例えばコモンレール6内の燃料の圧力を検出する燃圧センサ50や、クランク軸2の回転角度を検出するクランク角センサ52、カム軸の回転角度を検出するカム角センサ54、エンジンの冷却水の温度を検出する水温センサ56、吸気通路内の圧力を検出する吸気圧センサ58等がある。そして、これら各種センサの検出値に基づき、電子制御装置40では、燃料ポンプ4や燃料噴射弁10の電磁ソレノイド32等を操作する。
ここで、本実施形態にかかる燃料噴射制御について説明する。
図2に、本実施形態にかかる燃料噴射制御の処理手順を示す。この処理は、電子制御装置40によって例えば所定周期で繰り返し実行される。
この一連の処理において、まず、ステップS1では、エンジンの各種運転状態の検出値が取り込まれる。具体的には、これら検出値としては、クランク角センサ52による検出値や、カム角センサ54の検出値、水温センサ56の検出値、吸気圧センサ58の検出値等がある。そして、ステップS2では、例えばクランク角センサ52の検出値に基づく回転速度NEや、吸気圧センサ58の検出値に基づく負荷、水温センサ56の検出値等に基づき、当該エンジンの運転状態等によって要求される燃料量である要求噴射量QFINRを算出する。続いて、ステップS3では、回転速度NEや負荷、冷却水温等に基づき、コモンレール6内の目標とする燃圧(目標燃圧PFIN)を算出する。
そして、ステップS4では、ステップS2にて算出された要求噴射量QFINRに基づき燃料噴射弁10を介した燃料噴射を行なう。ここでの燃料噴射は、エンジンの始動時においては、燃圧センサ50によって検出されるコモンレール6内の燃圧NPCが、燃料噴射弁10による燃料の噴射が可能となる圧力である噴射可能圧(例えば「10MPa」)以上となるときに開始される。すなわち、燃圧NPCが過度に低いと燃料噴射弁10から燃料の噴射を行なうことができないために、燃圧NPCが噴射可能圧以上となることをもって燃料噴射弁10を介した燃料噴射を行なう。
続くステップS5では、ステップS3にて算出された目標燃圧PFINに基づき、コモンレール6内の燃圧を制御する。
そして、ステップS5の処理が終了すると、この一連の処理を一旦終了する。なお、実際には、例えば、燃料噴射制御にかかる処理(ステップS2及びステップS4)と、コモンレール6内の燃圧制御にかかる処理(ステップS3及びステップS5)とを異なる周期で実施する等してもよい。
次に、ステップS5で行なわれるコモンレール6内の燃圧の制御について説明する。
図3に、上記燃圧の制御の処理手順を示す。この処理は、電子制御装置40によって例えば所定周期で繰り返し実行される。図示されるように、上記燃圧の制御は、イグニッションスイッチがオフではなく且つエンジンストールしてもいないとき(ステップS11、NO)に行なわれる。
本実施形態の燃圧の制御は、エンジンの始動に際しての以下の3つのモードと、始動後のモード(通常モード)との4つのモードを有する。
始動モード1(ステップS17)…クランク角センサ52及びカム角センサ54の検出信号がいずれも未だ入力されないとき(ステップS13、NO)に行なわれる制御モード。始動時に1番初めに行なわれる制御モード。
クランク角センサ52及びカム角センサ54の検出信号が入力されないときには、燃料ポンプ4の操作(詳しくは、燃料ポンプ内の弁の操作)をクランク軸2に同期したかたちで行なうことができない。一方、本実施形態の燃料ポンプ4の上記弁は、上述したように、ノーマリークローズ式のものである。したがって、上記信号が入力されないときには、所定の時間周期で燃料ポンプ4の駆動態様(詳しくは、弁の開弁及び閉弁)を変更する操作を行なうことで、コモンレール6に燃料を供給し、コモンレール6内の燃圧を迅速に上昇させるようにする。なお、この制御の詳細については、例えば特開平2−146256号公報や、特開平6−207548号公報に記載されているものとしてもよい。
始動モード2(ステップS18)…クランク角センサ52及びカム角センサ54の少なくとも一方の検出信号が入力されたとき(ステップS13、Yes)であって、且つ回転速度NEが所定の閾値β1以下であることと燃圧NPCが所定の閾値γ1以下であることとの論理積が成り立つとき(ステップS15、Yes)に行なわれる制御モード。始動時に2番初めに行なわれる制御モード。
ここでは、始動を迅速に行なうべく、燃料ポンプ4からコモンレール6に最大の供給量で燃料の加圧供給を行なう(全圧送)。なお、この制御の詳細については、例えば特開平6−207548号公報に記載されているものとしてもよい。
ここで、所定の閾値γ1は、燃料噴射弁10が要求される量の燃料の噴射が可能となる圧力の最低値である噴射制御可能圧(例えば「20MPa」)よりも低い値であって、且つ上記噴射可能圧よりも高い圧力に設定される。すなわち、この噴射制御可能圧は、噴射可能圧よりも大きな値を有する。
上述したように、本実施形態では、燃圧NPCが噴射可能圧となることで燃料の噴射が開始される。しかし、このときには、先の図2のステップS2で算出された要求噴射量QFINRの燃料を正確に噴射できるわけではない。要求噴射量QFINRを正確に噴射できるようになるのは、コモンレール6内の燃圧が噴射制御可能圧となるときである。そして、燃圧NPCが噴射制御可能圧の近傍となると、燃料噴射弁10から噴射される燃料量が急激に増大することから、燃圧NPCが低下するおそれがある。特に、低温始動(水温センサ56の検出値が低いとき)には、要求噴射量QFINRは多量となるため、燃圧NPCの低下も大きなものとなるおそれがある。そこで、本実施形態では、この燃圧NPCの低下を抑制すべく、燃圧NPCが噴射制御可能圧となる前に、後述する始動モード3に切り替えるようにする。
また、上記所定の閾値β1は、コモンレール6内の燃圧が噴射制御可能圧となることを、回転速度NEに基づき予測するための判定値である。回転速度NEが高まると、燃料ポンプ4による燃料の加圧供給能力が増大するため、コモンレール6内の燃圧も上昇する。このため、特に始動時においては、コモンレール6内の燃圧とエンジンの回転速度との間には相関がある。上記閾値β1は、この相関を利用して定められている。
始動モード3(ステップS19)…回転速度NEが所定の閾値β1より大きいことと燃圧NPCが所定の閾値γ1より大きいこととの論理和が成り立ち(ステップS15、No)、且つ回転速度NEが所定の閾値β2以下であって且つ燃圧NPCが所定の閾値γ2以下であるとの論理積が成り立つとき(ステップS16、Yes)に行なわれるモード。始動時の3番目に行なわれる制御モード。
ここでは、燃圧NPCが噴射制御可能圧となるときに生じる燃圧の低下を抑制するための制御を行なう。この処理については、後述する。
ここで、所定の閾値β2は、所定の閾値β1よりも大きな値であって、且つエンジンの始動完了を判定するためのものである。また、所定の閾値γ2は、所定の閾値γ1よりも大きな値であって、且つエンジンの始動完了を判定するためのものである。
通常モード(ステップS20)…エンジンの始動完了後に、コモンレール6内の燃圧を先の図2のステップS3で算出した目標燃圧QFINに制御するために行なう制御モード。ちなみに、一旦この通常モードとなると、イグニッションスイッチがオフとなったり、エンジンストールとなったりしない限り、通常モードの制御を継続する(ステップS12、Yes)。
なお、クランク信号やカム信号が未だ入力されないときであっても、燃圧NPCが所定の閾値α以上であるとき(ステップS14、Yes)には、コモンレール6への燃料の加圧供給を行なわない。これは、始動モード1によりコモンレール6に燃料が過剰に供給されることを回避するためのものである。
ここで、通常モードで行なう処理の手順について、図4を用いて更に説明する。
この一連の処理においては、まず、ステップS21において、先の図2のステップS2で算出された目標燃圧PFINを取り込む。続くステップS22では、先の図2のステップS1で取り込まれた各種検出値のうち、燃圧NPCを取り込む。そして、ステップS23においては、燃圧NPCを目標燃圧PFINに追従させるべく、フィードバック制御を行なう。詳しくは、本実施形態では、適宜設定されたゲイン(比例ゲインPn、積分ゲインIn、及び微分ゲインDn)を用いて、PID制御(比例制御、積分制御、及び微分制御)を行なう。
そして、ステップS23の処理が完了すると、この一連の処理を一旦終了する。
次に、上記始動モード3で行なう処理の手順について、図5を用いて更に説明する。
この一連の処理においては、まず、ステップS31において、先の図2のステップS2で算出された目標燃圧PFINを取り込む。続くステップS32では、先の図2のステップS1で取り込まれた各種検出値のうち、燃圧NPCを取り込む。そして、ステップS33においては、燃圧NPCを目標燃圧PFINに追従させるべく、フィードバック制御を行なう。詳しくは、本実施形態では、適宜設定されたゲイン(比例ゲインPi、積分ゲインIi、及び微分ゲインDi)を用いて、PID制御を行なう。
この始動モード3で用いるゲインは、いずれも通常モードで用いるゲインとは独立に設定されている。換言すれば、コモンレール6内の燃圧が噴射制御可能圧の近傍となることによる燃圧の低下が懸念されるときと、該燃圧の低下が懸念されないときとで各々別の態様にてフィードバック制御を行なう。具体的には、フィードバックゲインを、始動モード3のものの方が通常モードのものよりも大きく設定する。
すなわち、通常モードによる制御時には、エンジンの始動が完了し、エンジンの回転速度が十分に大きな値となるため、機関駆動式の燃料ポンプ4による加圧供給能力も安定している。また、目標燃圧PFINに対する実際の燃圧のずれは、通常、周期的なものともなっている。そこで、こうした状況に適切なフィードバックゲインを設定する。一方、始動モード3による制御時には、実際の燃圧が噴射制御可能圧の近傍であるために、実際の燃圧が急激に低下するおそれがある。このため、この燃圧の低下を抑制することのできるようなフィードバックゲインを設定する。なお、この始動モード3において適切なフィードバックゲインを用いて通常モードにおける制御を行なうと、ハンチングを生じる等、フィードバック制御を適切なものとすることができない。
なお、上記ステップS33の処理が完了すると、この一連の処理を一旦終了する。
ここで、本実施形態にかかるコモンレール6内の燃圧の制御を行なった場合のコモンレール6内の燃圧の推移等について図6に基づいて説明する。
図6(a)は、イグニッションスイッチのオン、オフ態様の推移を示す。また、図6(b)は、エンジンに初期回転を付与する原動機であるスタータの駆動態様の推移を示す。図6(c)は、エンジンの回転速度の推移を示す。図6(d)は、コモンレール6内の燃圧の推移を示す。図6(e)は、要求噴射量QFINRの推移を示す。
図示されるように、イグニッションスイッチがオンとされた後、時刻t1にスタータが起動するとこれに伴いエンジンの回転速度が上昇し、また機関駆動式の燃料ポンプ4が駆動されることでコモンレール6内の燃圧が上昇する。
ただし、燃圧が噴射可能圧となることで燃料の噴射制御が開始された後、燃圧が噴射制御可能圧の近傍となると、燃料噴射弁10を介して燃料の噴射量が急激に増大する。このため、始動モード3による制御を行なわず、始動完了まで始動モード2の制御を行なった場合には、図6(d)に破線にて示すように、燃圧が一旦低下する。そして、これに起因して燃料の噴射や燃料の燃焼に不具合が生じるため、図6(c)に破線にて示すようにエンジンの回転速度も低下する。そして、これは始動時間の遅延や排気特性の悪化をもたらす。
これに対し、本実施形態では、燃圧の低下を抑制するために特に設定されたゲインにてフィードバック制御を行う始動モード3の制御を有することで、図6(c)及び図6(d)に示すように、回転速度や燃圧の大きな低下もなく始動を良好に行なうことができる。
なお、図6(e)に示す要求噴射量QFINRが始動直後に大きな値に設定された後、時刻t2に低減されているのは、始動直後、エンジンの回転力を生成すべく大きなエネルギが要求されるためである。
以上詳述した本実施形態によれば、以下の効果が得られるようになる。
(1)実際の燃圧が噴射制御可能圧となる近傍において、始動モード3の制御を行なった。そして、この始動モード3のフィードバックゲインを、通常モードで用いるゲインとは独立に設定した。これにより、コモンレール6内の燃圧が噴射制御可能圧となることによる燃圧の低下が懸念されるときと、該燃圧の低下が懸念されないときとで各々適切なフィードバック制御を行なうことができる。したがって、上記燃圧の低下を抑制することができる。
(2)クランク信号やカム信号が入力されないときにおいて、始動モード1によりコモンレール6への燃料の加圧供給を行なうことで、エンジンの始動を迅速に行なうことができる。
(3)燃料ポンプ4による燃料の加圧供給が可能な最大量の燃料を供給する始動モード2を設けることで、エンジンの始動をより迅速に行なうことができる。
(第2の実施形態)
以下、第2の実施形態について、先の第1の実施形態との相違点を中心に図面を参照しつつ説明する。
本実施形態では、エンジンの始動時におけるコモンレール6内の燃圧の制御を開ループ制御とする。すなわち、始動モード3においてもフィードバック制御を行なわず、エンジンの運転状態に応じて燃料ポンプ4の操作量を設定する。更に、コモンレール6内の燃圧が噴射制御可能圧近傍となることに起因した同燃圧の低下を見越して、コモンレール6に加圧供給される燃料量を増量すべく、上記設定される操作量を補正するようにする。以下、これについて詳述する。
図7に、本実施形態にかかる始動モード3の処理の手順を示す。この処理も電子制御装置40により例えば所定周期で繰り返し実行される。
この一連の処理においては、まずステップS41において、先の図2のステップS2で算出された要求噴射量QFINRと、先の図2のステップS1で取り込まれた燃圧NPCと、回転速度NEとを取り込む。続くステップS42では、要求噴射量QFINRと、燃圧NPCと、回転速度NEとに基づき、燃料ポンプ4の操作量をマップ演算する。なお、ここでは、要求噴射量QFINRと、燃圧NPCと、回転速度NEとに基づき、コモンレール6に加圧供給する燃料量を演算するマップと、コモンレール6内に加圧供給する燃料量と燃料ポンプ4の操作量との関係を定めるマップとの2つのマップを備えるとともに、これら2つのマップによって上記操作量のマップ演算を行なうようにしてもよい。
なお、ここでの操作量は、同操作量による燃料ポンプ4の燃料の加圧供給量が、燃料ポンプ4の燃料の加圧供給量の最大値よりも少なくなるように設定されている。換言すれば、全圧送とならないように設定されている。
そして、ステップS43では、燃圧NPCが所定以上に上昇しているか否かを判断する。ここで所定以上の上昇とは、燃圧NPCが噴射制御可能圧の直前まで上昇しているか否かを意味する。したがって、先の図3のステップS15に示した所定の閾値γ1よりも大きな値であって、噴射制御可能圧よりも小さな値を判定値として設定し、燃圧NPCがこの判定値以上となることで燃圧NPCが所定以上に上昇したと判断する。
そして、ステップS43において、燃圧NPCが所定以上に上昇していないと判断されるときには、ステップS44でマップ演算された操作量にて燃料ポンプ4を操作する。
一方、ステップS45において、燃圧NPCが所定以上に上昇したと判断されると、燃圧の低下を見越して、ステップS45の処理を行なう。このステップS45では、コモンレール6に加圧供給される燃料量を増量すべく、ステップS42でマップ演算された操作量を補正し、この補正された操作量にて燃料ポンプ4を操作する。この燃料の増量は、燃圧の低下を抑制するためのものである。なお、この増量量は、固定値でもよいが、要求噴射量QFINRや、要求噴射量QFINRの算出のために用いるパラメータに基づき可変設定するようにしてもよい。すなわち、燃料噴射弁10から噴射供給される燃料量は、要求噴射量QFINRに依存することから、燃料噴射弁10から噴射供給される燃料量に応じて、コモンレール6内に加圧供給される燃料量を可変設定するなら、上記燃圧の低下をいっそう好適に抑制することができる。
以上詳述した本実施形態によれば、先の第1の実施形態の上記(2)及び(3)の効果に加えて、更に以下の効果が得られるようになる。
(4)燃料ポンプ4の操作量を設定し、更に、燃圧の低下を見越してコモンレール6に加圧供給される燃料量を増量すべく設定する操作量を補正するようにした。このため、上記設定される操作量によっては上記燃圧の低下が生じるときにも、この燃圧の低下を好適に抑制することができる。
(5)燃圧NPCが所定の圧力以上となることに基づき、上記燃圧の低下を見越すようにした。このため、燃圧の低下を見越した燃料の増量制御を好適に行なうことができる。
(6)要求噴射量QFINRと、回転速度NEと、燃圧NPCとに基づいて上記操作量をマップ演算するようにした。このため、上記操作量を、簡易な処理にて算出することができる。
(第3の実施形態)
以下、第3の実施形態について、先の第1の実施形態との相違点を中心に図面を参照しつつ説明する。
本実施形態では、先の図3の処理において、始動モード3を行なわず、ステップS15の条件が満たされてから、ステップS16の条件が満たされなくなるまで、始動モード2の制御を行なう。そして、ステップS16の条件が満たされなくなると、通常モードに移行する。
そして、本実施形態では、始動に際しての燃圧の低下を抑制すべく、燃料噴射弁10に噴射の指令のなされる指令噴射量を以下のように設定する。
図8に、本実施形態にかかる始動時の燃料噴射制御にかかる処理手順を示す。この処理は、始動時において、先の図2のステップS4に示した処理として実行される。
この一連の処理においては、まずステップS51において、先の図2のステップS2で算出された要求噴射量QFINRと、先の図2のステップS3で算出された目標燃圧PFINと、先の図2のステップS1で取り込まれたコモンレール6内の燃圧NPCとを取り込む。
一方、ステップS52では、燃圧NPCが所定の閾値a以上であるか否かを判断する。ここで、所定の閾値aは、燃圧NPCが噴射制御可能圧の近傍となることに起因した上記燃圧の低下が懸念されなくなるときを判断するための判定値である。
そして、ステップS52で燃圧NPCが所定の閾値a以上であると判断されると、ステップS53において指令噴射量QFINを、要求噴射量QFINRとする。ここで、指令噴射量QFINは、電磁ソレノイド32への通電タイミングや通電時間等、燃料噴射弁10を介した燃料噴射制御を行なうに際しての操作量に対応する量である。
一方、ステップS52で燃圧NPCが所定の閾値a未満であると判断されると、ステップS54では、指令噴射量QFINを、徐々に増加させる処理を行なう。詳しくは、要求噴射量QFINRを、目標燃圧PFINと燃圧NPCとの差に基づいて減量補正したものを指令噴射量QFINとする。具体的には、要求噴射量QFINRから燃圧NPCを減算した量に所定の比例定数Kを乗算したものを、要求噴射量QFINRから減算することで、指令噴射量QFINを算出する。
なお、ステップS53の処理やステップS54の処理が完了すると、この一連の処理を一旦終了する。
ここで、本実施形態にかかる始動時の燃料噴射制御を行なった場合のコモンレール6内の燃圧の推移等について図9に基づいて説明する。
図9(a)は、イグニッションスイッチのオン、オフ態様の推移を示す。また、図9(b)は、スタータの駆動態様の推移を示す。図9(c)は、エンジンの回転速度の推移を示す。図9(d)は、コモンレール6内の燃圧の推移を示す。図9(e)は、指令噴射量QFINの推移を示す。
図示されるように、イグニッションスイッチがオンとされた後、時刻t11にスタータが起動するとこれに伴い回転速度が上昇し、また機関駆動式の燃料ポンプ4が駆動されることで燃圧が上昇する。
そして、燃圧が、所定の閾値aとなるまでは、指令噴射量QFINは、要求噴射量QFINRよりも少なく設定される。このため、燃圧が噴射制御可能圧となったときでも、燃料噴射弁10を介して噴射される燃料量は、抑制されている。このため、燃圧が噴射制御可能圧となるときに生じる燃圧の低下を好適に抑制することができる。
そして、始動に際し、燃圧が上昇から大きく下降に転じることを回避することができるため、燃圧の低下に伴う失火等に起因して始動性や排気特性が悪化することを好適に回避することができる。
以上説明した本実施形態によれば、先の第1の実施形態の上記(2)及び(3)の効果に加えて、更に以下の効果が得られるようになる。
(7)燃圧の低下が懸念されるときの指令噴射量QFINを、要求噴射量QFINRよりも少なく設定することで、コモンレール6内の燃料の低減の度合いを抑制することができ、ひいては、燃圧の低下を抑制することができる。
(第4の実施形態)
以下、第4の実施形態について、先の第1の実施形態との相違点を中心に図面を参照しつつ説明する。
本実施形態では、先の図3の処理において、始動モード3を行なわず、ステップS15の条件が満たされてから、ステップS16の条件が満たされなくなるまで、始動モード2の制御を行なう。そして、ステップS16の条件が満たされなくなると、通常モードに移行する。
そして、本実施形態では、始動に際しての燃圧の低下を抑制すべく、燃圧NPCの低下を検出するまで、コモンレール6から加圧供給される燃料を噴射することなく燃料タンク1に戻すように燃料噴射弁10を駆動する空打ち駆動を行なう。
図10に、始動時の燃料噴射弁10の操作にかかる処理手順を示す。この処理は、先の図2のステップS4の処理として実行される。
この一連の処理においては、まずステップS61において、先の図2のステップS2で算出された要求噴射量QFINRと、先の図2のステップS1で取り込まれたコモンレール6内の燃圧NPCとを取り込む。
続くステップS62では、燃圧NPCが上昇から下降に転じたか否かを監視する。そして、ステップS62において、未だ燃圧が上昇から下降に転じていないと判断されると、ステップS63において、要求噴射量QFINRを指令噴射量として燃料噴射弁10の操作を行なった後、所定期間経過後、燃料噴射弁10の空打ち駆動を行なう。ここで、空打ち駆動は、電磁ソレノイド32への通電を行なうことで、背圧室20と低圧燃料通路24とを連通させ、且つノズルニードル14がニードルシート部16から離座する(燃料噴射弁10が開弁する)前に電磁ソレノイド32への通電制御を止めることで行なう。これにより、コモンレール6から加圧供給される燃料を噴射することなく燃料タンク1に戻すことができる。
こうした空打ち駆動が行なわれると、コモンレール6内の燃圧は、空打ち駆動を行なわない場合と比較して上昇しにくくなる。
そして、ステップS62において、燃圧NPCが上昇から下降への転じたと判断されるときには、ステップS64において空打ち駆動を止める。これにより、コモンレール6内の燃圧の上昇度合いが大きくなる。このため、燃圧NPCの低下を好適に抑制することができる。
なお、上記ステップS63やステップS64の処理が完了したときには、この一連の処理を一旦終了する。
以上説明した本実施形態によれば、先の第1の実施形態の上記(2)及び(3)の効果に加えて、更に以下の効果が得られるようになる。
(8)燃圧NPCが上昇から下降に転じるまで、空打ち駆動を行なうことで、この間、燃料の加圧供給量の割には、コモンレール6の燃圧が上昇しないこととなる。そして、燃圧NPCが下降に転じるときに、空打ち駆動を止めることで、加圧供給量を増大させることができる。このため、燃圧NPCの低下を好適に抑制することができる。
(その他の実施形態)
なお、上記各実施形態は、以下のように変更して実施してもよい。
・上記第1の実施形態では、始動モード3においてPID制御を行なったがこれに限らない。例えば比例制御だけでもよく、また古典制御以外の制御でもよい。
・上記第2の実施形態では、燃圧NPCが所定以上に上昇することをもって、燃圧の低下を見越すようにしたが、これに限らない。燃圧NPCと回転速度NEとの少なくとも一方に基づき燃圧の低下を見越すようにしてもよい。
・上記第2の実施形態では、要求噴射量QFINR、燃圧NPC、回転速度NEに基づき、燃料ポンプ4の操作量をマップ演算したが、燃料ポンプ4の操作量を算出するためのパラメータとしては、これに限らない。上記3つのパラメータの少なくとも1つを用いて操作量を演算してもよく、またエンジンの冷却水の温度等を更に加味してもよい。
・蓄圧室内の実際の燃圧を制御するための操作量をエンジンの運転状態に応じて設定する設定手段としては、上記第2の実施形態やその変形例のマップを備えて構成されるものに限らず、例えば要求噴射量QFINR、燃圧NPC、回転速度NE等のパラメータに基づいて適宜の式により算出するものであってもよい。
・上記第2の実施形態において、燃圧の低下を見越して操作量を補正する代わりに、燃圧の低下を検出したときに操作量を補正するようにしてもよい。
・上記第2の実施形態やその変形例においては、始動モード3において開ループ制御を行なったが、これら開ループ制御に加えてフィードバック制御を併せて行なってもよい。この際、そのフィードバック制御としては、先の図4に示した通常モードのPID制御でもよく、また、先の図5に示したPID制御でもよい。
・上記第1の実施形態や第2の実施形態及びそれらの変形例において、始動モード1や始動モード2についてはこれを設けなくてもよい。
・要求噴射量QFINRに基づき、指令噴射量QFINを要求噴射量QFINRよりも少なく設定する手段としては、先の図8のステップS54に限らない。例えば始動に際してのエンジンの目標回転速度を算出するとともに、該目標回転速度と実際の回転速度NEとの差等に基づいて指令噴射量QFINを設定するものであってもよい。
・エンジンの始動に際し、指令噴射量QFINを徐々に増加させる手法としては、上記要求噴射量QFINRよりも少ない燃料噴射量を設定するものに限らない。例えば、始動に際しては、当該エンジンの運転状態に関わらず予め定められた態様にて指令噴射量を徐々に増加させてもよい。
・上記第3の実施形態において、燃圧の低下が懸念されなくなる所定の条件としては、燃圧NPCが所定以上に上昇する条件に限らない。例えばエンジンの回転速度NEが所定以上上昇する条件としてもよい。
・燃圧の低下が懸念されなくなる所定の条件となったときよりもなる前の方が、指令噴射量が少なくなるようにする手法としては、先の図8やその変形例に示すものに限らない。例えば、上記所定の条件となる前において、上記条件となったときよりも少ない指令噴射量を固定値として予め定めておいてもよい。
・当該エンジンの始動に際し、燃圧NPCが上昇から下降に転じるまで、燃料噴射弁10を介した燃料噴射の合間に行なわれる空打ち駆動について、これを行なうタイミングとしては、先の図10のステップS63に示したものに限らない。例えば、任意の気筒に燃料噴射を行なうときに、他の気筒の燃料噴射弁によって空打ち駆動を行なうようにしてもよい。
・燃料噴射弁10を介した燃料噴射の合間に空打ち駆動を行なう期間としては、上記第4の実施形態に例示したものに限らない。例えば、当該エンジンの始動に際し、実際の燃圧及びエンジンの回転速度の少なくとも一方が所定以上に上昇するまで行なうようにしてもよい。
・コモンレール6内の燃圧が所定以上に上昇するまで同燃圧の上昇の度合いを抑制する手法としては、上記空打ち駆動に限らない。例えばコモンレール6内の燃料の一部を燃料タンク1に戻すようにしてもよい。
・燃料ポンプに備えられる弁としては、ノーマリークローズ式のものに限らず、電子制御装置40による操作がなされないときでもクランク軸2から駆動力が付与されることでコモンレール6へ燃料を加圧供給するノーマリーオープン式のものでもよい。そして、ノーマリーオープン式のものにおいては、先の図3のステップS14を設けることは、特に有効なものとなっている。すなわち、この場合、コモンレール6内に燃料が過剰に供給されることを回避することができる。
・当該エンジンの始動に際し、蓄圧室内の実際の燃圧が、要求される量の燃料の噴射が可能となる圧力の最低値である噴射制御可能圧の近傍となるときに生じる燃圧の低下を抑制する抑制手段としては、上記各実施形態及びその変形例で例示したものに限らない。例えば、第1の実施形態と第3又は第4の実施形態との併用等、コモンレール6内の燃圧の制御にかかるものと燃料噴射弁10の操作にかかるものとを併用するようにしてもよい。
・圧力バランスタイプの噴射弁としては、先の図1に例示したものに限らない。また、燃料噴射弁としては、圧力バランスタイプのものに限らない。圧力バランスタイプのもの以外の燃料噴射弁を用いた場合であっても、(イ)燃料の噴射を開始するとき、又は(ロ)燃料噴射弁を介した噴射制御を開始した後、当該噴射弁の噴射能力が高まり(噴射制御可能圧の近傍となり)、噴射量が急激に上昇するとき、等にはコモンレール内の燃圧が低下するおそれがある。このため、これを抑制すべく、当該エンジンの始動に際し、燃料噴射弁を介した燃料の噴射開始に伴う蓄圧室内の燃圧の低下を抑制する抑制手段を適用することは有効である。
・その他、エンジンは、6気筒のディーゼルエンジンに限らない。また、低温始動であることを把握するためのパラメータとしては、エンジンの水温を検出する手段の検出値に限らず、外気温を検出する手段の検出値であってもよい。
本発明にかかる燃料噴射制御装置の第1の実施形態の全体構成を示す図。 同実施形態にかかる燃料噴射制御の処理手順を示すフローチャート。 同実施形態にかかるコモンレール内の燃圧の制御の処理手順を示すフローチャート。 同実施形態における始動完了後のコモンレール内の燃圧の制御の処理手順を示すフローチャート。 同実施形態における始動時のコモンレール内の燃圧の制御の処理手順を示すフローチャート。 同実施形態の制御による燃圧の推移を示すタイムチャート。 第2の実施形態における始動時のコモンレール内の燃圧の制御の処理手順を示すフローチャート。 第3の実施形態における始動時の燃料噴射処理の手順を示すフローチャート。 同実施形態の制御による燃圧の推移を示すタイムチャート。 第4の実施形態における始動時の燃料噴射弁の操作の処理手順を示すフローチャート。
符号の説明
4…燃料ポンプ、6…コモンレール、10…燃料噴射弁、40…電子制御装置、50…燃圧センサ。

Claims (14)

  1. 燃料ポンプにより加圧供給される燃料を高圧状態で蓄圧室に蓄え、該蓄圧室に蓄えられた燃料を燃料噴射弁を介して噴射するエンジンの燃料噴射制御装置において、
    当該エンジンの始動に際し、前記燃料噴射弁を介した燃料の噴射開始に伴う前記蓄圧室内の燃圧の低下を抑制する抑制手段を備えることを特徴とするエンジンの燃料噴射制御装置。
  2. 燃料ポンプにより加圧供給される燃料を高圧状態で蓄圧室に蓄え、該蓄圧室に蓄えられた燃料を燃料噴射弁を介して噴射するエンジンの燃料噴射制御装置において、
    当該エンジンの始動に際し、前記蓄圧室内の燃圧が、要求される量の燃料の噴射が可能となる圧力の最低値の近傍となるときに生じる燃圧の低下を抑制する抑制手段を備えることを特徴とするエンジンの燃料噴射制御装置。
  3. 前記抑制手段は、前記蓄圧室内の燃圧が前記最低値の近傍となるとき、前記蓄圧室に供給する燃料量を増量する請求項2記載のエンジンの燃料噴射制御装置。
  4. 前記蓄圧室内の燃圧を目標とする燃圧にフィードバック制御し、前記抑制手段は、前記燃圧の低下が懸念されなくなる所定の条件となる前後で前記フィードバック態様を切り替える請求項1〜3のいずれかに記載のエンジンの燃料噴射制御装置。
  5. 前記蓄圧室内の燃圧を制御するための操作量を前記エンジンの運転状態に応じて設定する設定手段を有し、前記抑制手段は、前記燃圧の低下を見越して、前記蓄圧室に加圧供給する燃料量を増量すべく、前記設定される操作量を補正する請求項1〜4のいずれかに記載のエンジンの燃料噴射制御装置。
  6. 前記抑制手段は、前記実際の燃圧及び前記エンジンの回転速度の少なくとも一方に基づき前記燃圧の低下を見越すようにした請求項5記載のエンジンの燃料噴射制御装置。
  7. 前記設定手段は、前記エンジンの始動に際して要求される要求噴射量と、前記エンジンの回転速度と、前記実際の燃圧との少なくとも1つに基づいて前記操作量をマップ演算するものである請求項5又は6記載のエンジンの燃料噴射制御装置。
  8. 前記抑制手段は、前記燃圧の低下が懸念されなくなる所定の条件となったときよりも該条件となる前の方が、前記燃料噴射弁に噴射の指令のなされる燃料量である指令噴射量が少なくなるようにする請求項1〜7のいずれかに記載のエンジンの燃料噴射制御装置。
  9. 前記抑制手段は、前記エンジンの始動に際し、前記燃料噴射弁に噴射の指令のなされる燃料量である指令噴射量を徐々に増加させる請求項1〜8のいずれかに記載のエンジンの燃料噴射制御装置。
  10. 前記抑制手段は、前記エンジンの始動に際して要求される要求噴射量を算出する手段と、該要求噴射量に基づき、前記指令噴射量を前記要求噴射量よりも少なく設定する手段とを備える請求項8又は9記載のエンジンの燃料噴射制御装置。
  11. 前記抑制手段は、前記蓄圧室内の燃圧が所定以上に上昇するまで前記燃圧の上昇の度合いを抑制する請求項1〜10のいずれかに記載のエンジンの燃料噴射制御装置。
  12. 前記燃料噴射弁は、前記燃料ポンプから燃料が汲み上げられる燃料タンクと前記蓄圧室とを連通可能な構成であり、
    前記抑制手段は、前記蓄圧室から供給される燃料を噴射することなく前記燃料タンクに戻すように前記燃料噴射弁を駆動する空打ち駆動を行なう機能を有して、且つ当該エンジンの始動に際し、前記蓄圧室内の燃圧が上昇から下降に転じるまで、前記燃料噴射弁を介した燃料噴射の合間に前記空打ち駆動を行なう請求項1〜11のいずれかに記載のエンジンの燃料噴射制御装置。
  13. 前記燃料噴射弁は、前記燃料ポンプから燃料が汲み上げられる燃料タンクと前記蓄圧室とを連通可能な構成であり、
    前記抑制手段は、前記蓄圧室から供給される燃料を噴射することなく前記燃料タンクに戻すように前記燃料噴射弁を駆動する空打ち駆動を行なう機能を有して、且つ当該エンジンの始動に際し、前記蓄圧室内の燃圧及び前記エンジンの回転速度の少なくとも一方が所定以上に上昇するまで、前記燃料噴射弁を介した燃料噴射の合間に前記空打ち駆動を行なう請求項1〜11のいずれかに記載のエンジンの燃料噴射制御装置。
  14. 前記燃料噴射弁は、その内壁と接しつつ該内壁に沿って一方及び他方に変位することで当該噴射弁を開弁及び閉弁させる変位部材を備えるとともに、該変位部材の変位方向の両端部とそれぞれ対向する2つの室が前記蓄圧室と連通されるようにして形成されており、
    前記両端部に印加される燃圧のバランスが、前記燃料ポンプから燃料が汲み上げられる燃料タンクと前記2つの室のうちの一方との間を連通及び遮断するアクチュエータによって操作されることで、当該噴射弁の開弁及び閉弁が制御される請求項1〜13のいずれかに記載のエンジンの燃料噴射制御装置。
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