JP2001295685A - 蓄圧式燃料噴射装置 - Google Patents

蓄圧式燃料噴射装置

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JP2001295685A
JP2001295685A JP2000114644A JP2000114644A JP2001295685A JP 2001295685 A JP2001295685 A JP 2001295685A JP 2000114644 A JP2000114644 A JP 2000114644A JP 2000114644 A JP2000114644 A JP 2000114644A JP 2001295685 A JP2001295685 A JP 2001295685A
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pressure
engine
fuel
injection
fuel injection
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English (en)
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Satoru Suenaga
了 末永
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Denso Corp
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  • Electrical Control Of Air Or Fuel Supplied To Internal-Combustion Engine (AREA)
  • Fuel-Injection Apparatus (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 低温始動時に、完爆を得るまでの始動時間を
大幅に短縮することのできるコモンレール式燃料噴射装
置を提供する。 【解決手段】 スタータへの通電を開始してディーゼル
エンジンを必要最低回転速度以上でクランキングしてい
る時に、ディーゼルエンジンへの燃料噴射を開始する噴
射開始圧力として、エンジン冷却水温に応じた最適な噴
射開始圧力(=目標圧力)を算出する。そして、噴射開
始圧力が目標圧力以上に上昇するまで、各インジェクタ
1〜4への通電時間指令(開弁指令)を禁止すること
で、噴射開始初期からエンジン始動に最適な噴射圧力で
燃料噴射を実施できるようになった。この結果、この燃
料噴射がエンジンの各燃焼室の温度を低下させる等の悪
影響を与えることがなくなり、ディーゼルエンジンの空
気圧縮熱で燃料の着火が容易となり、燃料噴射を開始し
てから初爆が得られるまでの時間を短縮できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、蓄圧式燃料噴射装
置に関するもので、特に高圧ポンプより吐出された高圧
燃料をコモンレールに蓄圧し、ディーゼルエンジンの燃
焼室内に噴射供給する各インジェクタへ均一な噴射圧力
を与えることが可能なコモンレール式燃料噴射装置に係
わる。
【0002】
【従来の技術】従来より、一種のサージタンクとして機
能するコモンレール内に蓄圧された高圧燃料を、インジ
ェクタによってディーゼルエンジンの燃焼室に噴射供給
する蓄圧式燃料噴射装置が知られている。このような蓄
圧式燃料噴射装置は、ディーゼルエンジンのクランク軸
により回転駆動される高圧ポンプによって燃料タンクか
ら汲み上げた燃料を高圧化している。
【0003】そして、高圧ポンプに取り付けられた調整
用電磁弁は、ECUからの制御信号により電子制御され
て、高圧ポンプから燃料配管を経てコモンレールへ圧送
される高圧燃料の圧送量を調整することで、コモンレー
ル圧力が所望の噴射圧力となるように変更する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところが、従来の蓄圧
式燃料噴射装置においては、エンジン始動に最適な噴射
開始圧力はエンジン温度によって異なるが、燃料噴射の
開始を許可する噴射開始圧力の条件が外気温が低温時
(低温始動時)であっても外気温が常温(25℃程度)
時(常温始動時)であっても一定値となっている。これ
により、低温始動時には、図6(b)、(d)のタイミ
ングチャートに示したように、エンジン温度に対応した
最適な噴射圧力(目標圧力)よりも、かなり低い圧力値
(噴射開始圧力)でディーゼルエンジンの燃焼室内への
燃料噴射の開始が許可される。
【0005】この結果、この燃料噴射がディーゼルエン
ジンの燃焼室の温度を低下させる等の悪影響を及ぼし、
エンジンの空気圧縮熱で燃料の着火が難しくなり、エン
ジンの始動が困難となったり、有効な燃焼が得られるま
でに時間がかかり、図6(a)、(c)のタイミングチ
ャートに示したように、初爆を得るまでの時間が延びて
しまい、スタータの通電を開始してから完爆するまでの
始動時間が長時間となるという問題が生じている。
【0006】特に、冬期に−10℃以下まで外気温が低
下する極寒地においては、上記の問題点がより顕著に現
れ、完爆を得るまでの始動時間が長時間となることで、
車両乗員がエンジン故障と誤って判断してしまったり、
長時間スタータを作動させることによりバッテリーが消
耗してバッテリー上がりとなってしまったりするという
問題が生じる。
【0007】ここで、エンジン始動は、一般的に、初
爆、完爆、吹上がりをもって完了としており、その完爆
までの時間が短い程始動性が良く、吹上がりまでの時間
が短い程応答性の良いディーゼルエンジンと判断され
る。特に、低温始動時のようにエンジンフリクションが
大きいときには始動性、吹上がり性が悪化するので、こ
れらを改良する必要がある。
【0008】
【発明の目的】本発明の目的は、エンジン始動時、特に
低温始動時に、燃料噴射弁を開弁して燃料噴射を開始す
る噴射開始圧力をエンジン冷却水温等のエンジン温度に
応じた最適な噴射開始圧力とすることで、燃料噴射を開
始してから有効な燃焼が行えるまでの時間を短縮するこ
とのできる蓄圧式燃料噴射装置を提供する。
【0009】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の発明に
よれば、燃料圧力検出手段で検出した燃料圧力が、噴射
開始圧力決定手段で決定したエンジン始動に最適な噴射
圧力以上に上昇するまで、燃料噴射弁の開弁指令を禁止
することにより、低温始動時に、エンジン温度に対応し
た最適な噴射圧力よりも、かなり低い圧力値でエンジン
への燃料噴射が開始されることはない。
【0010】したがって、エンジン始動に最適な噴射圧
力以上に燃料圧力が上昇したらエンジンへの燃料噴射を
開始することで、有効な燃焼が得られるまでの時間が短
くなり、スタータへの通電を開始してから完爆を得るま
での始動時間を大幅に短縮することができる。これによ
り、極寒地においても、完爆を得るまでの始動時間を短
縮できるので、車両乗員がエンジン故障と誤って判断す
ることはなく、スタータへの通電時間を短縮できるの
で、バッテリーの消耗を抑えることができ、バッテリー
上がりを抑えることができる。
【0011】請求項2に記載の発明によれば、エンジン
始動時に燃料噴射を開始する最適な噴射開始圧力は、エ
ンジンが吸入する吸入空気の温度、燃料の温度、エンジ
ンの冷却水温または室外空気の温度のうちのいずれか1
つ以上によって設定することで、低温始動時の始動性の
向上を図ることができる。また、請求項3に記載の発明
によれば、エンジンを始動させるスタータへの通電開始
時に、エンジンの回転速度、スタータへ電力を供給する
バッテリのバッテリ電圧または室内空気の温度のうちの
いずれか1つ以上によって設定することで、低温始動時
の始動性の向上を図ることができる。さらに、請求項4
に記載の発明によれば、エンジン始動に最適な噴射圧力
は、エンジン冷却水温、クランキング回転速度または吸
気温度等のエンジン温度が低ければ低い程、高い圧力値
に設定される始動時目標レール圧力であることを特徴と
している。
【0012】
【発明の実施の形態】〔実施例の構成〕発明の実施の形
態を実施例に基づき図面を参照して説明する。ここで、
図1はコモンレール式燃料噴射装置の燃料配管系を示し
た図である。
【0013】本実施例のコモンレール式燃料噴射装置
は、本発明の蓄圧式燃料噴射装置に相当するもので、多
気筒ディーゼルエンジン(以下エンジンと略す)の各気
筒の燃焼室に取り付けられた複数の燃料噴射弁(燃料噴
射ノズル:以下インジェクタと言う)1〜4と、高圧燃
料を蓄圧するサージタンクの一種であるコモンレール5
と、燃料タンク6から汲み上げた燃料を加圧してコモン
レール5に吐出する可変吐出量型高圧ポンプ(以下、高
圧ポンプと略す)7と、複数のインジェクタ1〜4およ
び高圧ポンプ7を電子制御する電子式コントロールユニ
ット(以下ECUと言う)10とを備えた電子制御燃料
噴射システムである。
【0014】ここで、エンジンは、バッテリーの電力で
回転するスタータ(エンジン始動用モータ)によってエ
ンジンのフライホイールが、エンジンを始動するのに必
要な最低回転速度以上で回されることで始動する。スタ
ータは、車両乗員がイグニッションスイッチをOFF位
置からST位置に回すことで、ECUにより通電が開始
される(スタータON信号がONされる)。
【0015】複数個(本例では4個)のインジェクタ1
〜4は、エンジンの各気筒(シリンダー)の燃焼室に取
り付けられて、エンジンの各燃焼室内に高圧燃料を噴射
供給する燃料噴射ノズルである。そして、各インジェク
タ1〜4からエンジンへの燃料噴射量および燃料噴射時
期等は、アクチュエータとしての噴射期間制御用電磁弁
(噴射期間可変手段)11〜14への通電および通電停
止をECU10で電子制御することにより決定される。
【0016】コモンレール5は、比較的に高い(大気圧
の1000倍以上の)圧力(コモンレール圧力)の高圧
燃料を蓄える一種のサージタンクで、高圧パイプ8を介
して各インジェクタ1〜4に接続されている。なお、各
インジェクタ1〜4、コモンレール5および高圧ポンプ
7から燃料タンク6への燃料のリターン配管9は、コモ
ンレール5内のコモンレール圧力が、限界蓄圧圧力を超
えることがないようにプレッシャリミッタ15からも圧
力を逃がせるように構成されている。
【0017】高圧ポンプ7は、エンジンのクランク軸の
回転に伴って回転することで、燃料タンク6内の燃料を
燃料フィルター16を介在した燃料配管17を経て汲み
上げるフィードポンプ(図示せず)を内蔵し、このフィ
ードポンプにより吸い出された燃料を加圧して高圧燃料
を圧送するサプライポンプよりなる。この高圧ポンプ7
には、アクチュエータとしての噴射圧力制御用電磁弁1
9が取り付けられている。
【0018】その噴射圧力制御用電磁弁19は、ECU
10からの制御信号により電子制御されることにより、
高圧ポンプ7から燃料配管18を経てコモンレール5へ
の高圧燃料の圧送量を調整することで、各インジェクタ
1〜4からエンジンの燃焼室内に燃料噴射する噴射圧力
を変更する噴射圧力可変手段である。
【0019】ECU10は、本発明の燃料噴射制御手
段、噴射開始圧力決定手段に相当するもので、制御処
理、演算処理を行うCPU、各種の制御プログラムおよ
びデータを保存するROM、入力データを保存するRA
M、入力回路、出力回路、電源回路およびインジェクタ
駆動回路(インジェクタドライブ回路:以下EDUと言
う)20等より構成されている。
【0020】本実施例のEDU20は、ECU10より
出力される制御信号(例えば制御パルス信号)を受け
て、ECU10で算出された燃料噴射時期(開弁時
期)、燃料噴射量(=噴射期間)に応じて開弁、閉弁さ
せるように、図示しないバッテリーのバッテリ電圧を各
インジェクタ1〜4の各噴射期間制御用電磁弁11〜1
4へ供給(通電)または供給停止(通電停止)を制御す
る。
【0021】そして、ECU10に入力する基本センサ
としては、エンジンの回転速度を検出する回転速度セン
サ(運転状態検出手段)21、アクセルペダルの踏み込
み量(アクセル開度)を検出するアクセル開度センサ
(運転状態検出手段)22、エンジンが吸入する吸入空
気の温度を検出する吸気温センサ23、リターン配管9
内の燃料の温度を検出する燃料温センサ24、およびエ
ンジンの冷却水温を検出する冷却水温センサ(エンジン
温度検出手段)25等がある。
【0022】さらに、コモンレール5内に蓄圧された高
圧燃料の燃料圧力(噴射圧力、コモンレール圧力)を検
出する燃料圧センサ(燃料圧力検出手段)26、エンジ
ンのクランク軸の回転角度、およびエンジン回転速度を
検出するクランク角センサ(運転状態検出手段)27等
がある。
【0023】ここで、ECU10は、エンジンの定常運
転時には、クランク角センサ27からのクランク軸回転
パルス、カム軸回転パルスの信号を基準にして、インジ
ェクタ1〜4の燃料噴射時期(開弁時期)や、高圧ポン
プ7の吐出量(燃料圧送期間)を算出することで、コモ
ンレール圧力を最適な噴射圧力(=目標圧力)に保持す
るように高圧ポンプ7の噴射圧力制御用電磁弁19への
通電タイミングを制御する。
【0024】そして、回転速度センサ21とアクセル開
度センサ22や、冷却水温センサ25または燃料温セン
サ24で測定した値から燃料噴射量を算出し、この算出
した燃料噴射量を達成するために、運転状態毎にコモン
レール5内の燃料圧力から算出されたインジェクタ通電
時間指令(値)で各インジェクタ1〜4の噴射期間制御
用電磁弁11〜14をそれぞれ駆動することで、エンジ
ンが運転される。
【0025】そして、ECU10は、エンジンを始動す
る目的で、車両乗員がスタータへの通電を開始してエン
ジンのクランク軸を必要最低回転速度以上でクランキン
グしている時に、図3の特性図に示したように、冷却水
温センサ25で検出されるエンジン冷却水温(TW)、
あるいはエンジン冷却水温(TW)にスタータON継続
時間を加味した補償量に応じてエンジン始動に最適な噴
射開始圧力(始動時目標レール圧力=目標圧力)を算出
し(噴射開始圧力決定手段)、コモンレール圧力(実レ
ール圧力)がその目標圧力以上に上昇するまで、各イン
ジェクタ1〜4へのインジェクタ通電時間指令(インジ
ェクタ開弁指令)を禁止するように構成されている。
【0026】この図3の特性図から、エンジン冷却水温
(TW)が低い程、始動時目標レール圧力は高く設定さ
れる。なお、本実施例では、エンジンの冷却水温(T
W)が5℃以上の時には、始動時目標レール圧力が例え
ば30MPa〜40MPaに設定される。また、エンジ
ン冷却水温(TW)が5℃以下で、0℃以上の時より
も、エンジンの冷却水温(TW)が0℃以下で、−40
℃以上の時の方が、始動時目標レール圧力が高め(傾斜
が大きい)に設定されている。
【0027】〔実施例の制御方法〕次に、本実施例のコ
モンレール式燃料噴射装置の制御方法を図1ないし図5
に基づいて簡単に説明する。ここで、図4はECUによ
る始動時噴射量制御を示したフローチャートで、図5は
エンジン始動までのスタータON信号、レール内燃料圧
力、エンジン回転速度、インジェクタ通電時間指令値お
よび噴射量指令値の変化を示したタイミングチャートで
ある。
【0028】先ず、車両乗員がイグニッションスイッチ
をOFF位置からST位置まで回すことにより、バッテ
リーからの電流でスタータモータが回転し、同時にオー
バーランニングクラッチに押されたピニオンギヤがエン
ジンのクランク軸に直結したフライホイール外周のリン
グギヤと噛み合ってフライホイールを回転させる。
【0029】これにより、クランク軸が回転するので、
エンジンの気筒内をピストンが上下運動することで吸気
管より気筒内に空気が吸入される。一方、高圧ポンプ7
もエンジンのクランク軸の回転に伴って燃料タンク6か
ら汲み上げた燃料を加圧することで、コモンレール5内
の燃料圧力が上昇する。
【0030】このとき、ECU10は、イグニッション
スイッチをST位置まで回した際に、スタータの可動接
点と固定接点とが当接することで発生するスタータON
信号がONされているか否かを判定する(スタータ通電
開始検出手段:ステップS1)。この判定結果がNOの
場合には、始動時噴射量制御を終了する。
【0031】ここで、図5(a)〜(c)のタイミング
チャートに示したように、スタータON信号がOFFの
場合、すなわち、エンジンが停止中でエンジン回転速度
が0rpmの場合には、コモンレール5内の燃料圧力
(以下レール内燃料圧力と言う)は大気圧に設定され
る。また、エンジン停止中は、図5(e)のタイミング
チャートに示したように、噴射量指令値もゼロに設定さ
れる。
【0032】また、ステップS1の判定結果がYESの
場合、すなわち、スタータON信号がONされている場
合には、スタータによってエンジンが始動に必要な最低
回転速度(例えば400rpm)以上でクランキングさ
れるので、図5(b)、(c)のタイミングチャートに
示したように、クランク軸の回転に伴って高圧ポンプ7
が駆動されて噴射圧力制御用電磁弁19が通電されるこ
とにより、コモンレール5内の燃料圧力(=レール内燃
料圧力)が徐々に上昇する。
【0033】そして、予め最適に適合された燃料噴射
量、目標噴射圧力(目標レール圧力)等を算出する(噴
射開始圧力決定手段:ステップS2)。具体的には、回
転速度センサ21、アクセル開度センサ22からのセン
サ信号をA/D変換したディジタル値(クランキング回
転速度、アクセル開度)に応じて、基本噴射量を算出
し、この基本噴射量に冷却水温センサ25からのセンサ
信号をA/D変換したディジタル値(エンジンの冷却水
温)等の補償量を加味したエンジン始動時に最適な始動
時噴射量を算出し、この始動時噴射量に相当する噴射量
指令値(図5(e)参照)をRAMに格納する。
【0034】また、図3の特性図に示したように、エン
ジンの冷却水温に基づいてエンジン始動に最適な噴射開
始圧力(=目標圧力)を算出し、この算出した噴射開始
圧力をRAMに格納する。なお、算出した噴射開始圧力
にスタータON継続時間等の補償量を加味して噴射開始
圧力(=目標圧力)を算出しても良い。
【0035】次に、燃料圧センサ26からのセンサ信号
をA/D変換したディジタル値を検出し、この検出した
現在のコモンレール圧力(=実レール圧力)が最適値で
あるか否かを判定する。すなわち、クランキング回転速
度がエンジン始動に必要な回転速度(例えば400rp
m)以上で、且つレール内燃料圧力が目標圧力(例えば
30〜40MPa)以上の噴射開始条件(噴射停止条件
が無し)を満足しているか否かを判定する(噴射禁止判
定手段:ステップS3)。この判定結果がNOの場合、
すなわち、エンジンの燃焼室内への燃料噴射が禁止され
ている場合には、リターンする。
【0036】ここで、噴射停止条件(噴射禁止条件)
は、クランキング回転速度がエンジン始動に必要な回転
速度(例えば400rpm)未満である時か、あるいは
レール内燃料圧力が目標圧力(例えば30〜40MP
a)未満である時、イグニッションスイッチをOFF位
置に戻した時、その他の噴射停止要求が出された時であ
る。
【0037】また、ステップS3の判定結果がYESの
場合、すなわち、クランキング回転速度がエンジン始動
に必要な回転速度(例えば400rpm)以上で、且つ
レール内燃料圧力が目標圧力(例えば30〜40MP
a)以上の噴射開始条件を満足している場合には、ステ
ップS2で算出した燃料噴射量と燃料圧センサ26で検
出された実レール圧力とから噴射期間を算出する(ステ
ップS4)。その後に、始動時噴射量制御を終了する。
【0038】本実施例によれば、図5(a)〜(f)の
タイミングチャートに示したように、エンジン始動時、
特に低温始動時の噴射開始圧力を、エンジン始動に最適
な噴射開始圧力(=目標圧力)とすることで、スタータ
ON信号がONとなってから、つまりスタータへの通電
を開始してから燃料噴射が開始されるまでの時間は長く
なるが、クランキング回転速度がエンジン始動に必要な
回転速度(例えば400rpm)以上で、且つ実レール
内燃料圧力が目標圧力(例えば30〜40MPa)以上
となった際にインジェクタ1〜4を開弁することによ
り、噴射開始初期からエンジン始動に最適な噴射圧力で
燃料噴射を行うことができる。
【0039】この結果、この燃料噴射がエンジンの燃焼
室の温度を低下させる等の悪影響を与えることがないの
で、エンジンの空気圧縮熱で燃料の着火が容易となる。
すなわち、エンジンの始動が容易となるので、有効な燃
焼が得られるまでの時間を短縮できる。したがって、各
インジェクタ1〜4の噴射期間制御用電磁弁11〜14
へインジェクタ通電時間指令値がそれぞれ出力されてか
ら、つまり各インジェクタ1〜4が開弁して各気筒毎の
燃焼室内への燃料噴射が開始されてから、各気筒内にお
いて初爆が得られるまでの時間を短縮できる。それによ
って、本実施例のコモンレール式燃料噴射装置は、図5
(c)および図6(c)のタイミングチャートに示した
ように、スタータへの通電を開始(スタータON信号を
OFFからON)してから完爆が得られるまでの始動時
間を従来の技術に比べて大幅に短縮することができる。
【0040】〔実施例の効果〕以上のように、本実施例
のコモンレール式燃料噴射装置は、エンジン始動時、特
に−10℃以下の極寒地における低温始動時にコモンレ
ール5内の燃料圧力がエンジン始動に最適な噴射開始圧
力(最適値)となるまで、各インジェクタ1〜4への閉
弁指令を禁止(インジェクタ通電時間指令値をOFF)
することで、インジェクタ1〜4からエンジンの燃焼室
内への燃料噴射を実施しないようにしている。
【0041】それによって、スタータをONすることで
エンジンをクランキングしてから初回の燃料噴射でエン
ジン始動に最適な噴射圧力を得ることができ、初爆が誘
起されるまでの時間が大幅に短縮されるので、エンジン
の始動性、特にエンジンの低温始動性の向上を実現する
ことができる。したがって、本実施例のエンジンは、完
爆までの時間が短いので始動性が非常に良好で、且つ吹
上がりまでの時間が短いので応答性が非常に良いディー
ゼルエンジンと判断できる。
【0042】ここで、図4のフローチャートのうちスタ
ータON信号がONしてるか否かをを判定した後に、最
適な燃料噴射量、最適な噴射開始圧力を算出する際に、
吸気温度、吸気圧力、大気圧、燃料温度、外気温または
内気温等を考慮して燃料噴射量、噴射開始圧力(目標レ
ール圧力)を決定した上で、本発明の制御を適用すれば
更に始動時間を短くすることができる。
【0043】〔変形例〕ここで、エンジン始動時のエン
ジンの回転速度とは、スタータによってエンジンが回さ
れるクランキング回転速度のことである。そして、この
クランキング回転速度を回転速度センサ21で検出し、
この検出したクランキング回転速度に応じてエンジン始
動に最適な噴射開始圧力(=目標圧力)を決定するよう
にしても良い。
【0044】これは、バッテリ電圧が低下する程、スタ
ータの回転速度が遅くなるので、クランキング回転速度
も遅くなる。そして、バッテリ電圧はエンジンの温度に
左右されるエンジンルーム内の雰囲気温度が低下すると
低くなる。したがって、エンジンの回転速度およびバッ
テリ電圧は、エンジン温度と相関があるため、それらを
用いて噴射開始圧力を決定するようにしても、エンジン
冷却水温と同様に低温始動時の始動性の向上を図ること
ができる。
【0045】本実施例では、燃料圧センサ26をコモン
レール5に直接取り付けて、コモンレール5内の燃料圧
力(コモンレール圧力、噴射圧力)を検出しているが、
燃料圧センサ26を高圧ポンプ7の吐出部、燃料配管1
8、高圧パイプ8または各インジェクタ1〜4内の燃料
通路、燃料溜り部等のいずれかに取り付けて、コモンレ
ール5内の燃料圧力(コモンレール圧力、噴射圧力)を
検出しても良い。
【0046】本実施例では、コモンレール5内の燃料圧
力を変更する燃料圧力可変手段として、燃料の吐出量を
可変する可変吐出量型高圧ポンプ7を使用した例を説明
したが、コモンレール5内の燃料圧力を変更する燃料圧
力可変手段として、コモンレール5内の燃料圧力を減圧
弁等によってコモンレール5内から圧力を抜くことでコ
モンレール5内の燃料圧力を制御するものを使用しても
良い。
【図面の簡単な説明】
【図1】コモンレール式燃料噴射装置の燃料配管系を示
した概略構成図である(実施例)。
【図2】コモンレール式燃料噴射装置の制御系を示した
概略構成図である(実施例)。
【図3】エンジン冷却水温に対する始動時目標レール圧
力の圧力値を示した特性図である(実施例)。
【図4】ECUによる始動時噴射量制御を示したフロー
チャートである(実施例)。
【図5】エンジン始動までのスタータON信号、レール
内燃料圧力、エンジン回転速度、インジェクタ通電時間
指令値および噴射量指令値の変化を示したタイミングチ
ャートである(実施例)。
【図6】エンジン始動までのスタータON信号、レール
内燃料圧力、エンジン回転速度、インジェクタ通電時間
指令値および噴射量指令値の変化を示したタイミングチ
ャートである(従来の技術)。
【符号の説明】
1 インジェクタ(燃料噴射弁) 2 インジェクタ(燃料噴射弁) 3 インジェクタ(燃料噴射弁) 4 インジェクタ(燃料噴射弁) 5 コモンレール 7 高圧ポンプ 10 ECU(燃料噴射制御手段、噴射開始圧力決定手
段) 11 噴射期間制御用電磁弁(噴射期間可変手段) 12 噴射期間制御用電磁弁(噴射期間可変手段) 13 噴射期間制御用電磁弁(噴射期間可変手段) 14 噴射期間制御用電磁弁(噴射期間可変手段) 19 噴射圧力制御用電磁弁(噴射圧力可変手段) 21 回転速度センサ(運転状態検出手段) 22 アクセル開度センサ(運転状態検出手段) 23 吸気温センサ 24 燃料温センサ 25 冷却水温センサ(エンジン温度検出手段) 26 燃料圧センサ(燃料圧力検出手段) 27 クランク角センサ(運転状態検出手段)

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】高圧ポンプから吐出された高圧燃料を蓄圧
    するコモンレールと、 このコモンレールに蓄圧された高圧燃料をエンジンの各
    気筒毎に噴射供給する複数の燃料噴射弁と、 前記コモンレール内に蓄圧された高圧燃料の燃料圧力を
    検出する燃料圧力検出手段と、 前記エンジンの運転状態を検出する運転状態検出手段
    と、 前記燃料圧力検出手段で検出した燃料圧力および前記運
    転状態検出手段で検出したエンジンの運転状態に基づい
    て、前記コモンレール内の燃料圧力および前記燃料噴射
    弁の開弁時期や閉弁時期を制御する燃料噴射制御手段と
    を備えた蓄圧式燃料噴射装置であって、 前記燃料噴射制御手段は、エンジンの温度を検出するエ
    ンジン温度検出手段、および前記エンジン温度検出手段
    で検出したエンジン温度に応じてエンジン始動に最適な
    噴射開始圧力を決定する噴射開始圧力決定手段を有し、 前記燃料圧力検出手段で検出した燃料圧力が、前記噴射
    開始圧力決定手段で決定したエンジン始動に最適な噴射
    圧力以上に上昇するまで、前記燃料噴射弁の開弁指令を
    禁止することを特徴とする蓄圧式燃料噴射装置。
  2. 【請求項2】請求項1に記載の蓄圧式燃料噴射装置にお
    いて、 前記エンジン温度検出手段は、前記エンジンが吸入する
    吸入空気の温度を検出する吸気温センサ、燃料の温度を
    検出する燃料温センサ、前記エンジンの冷却水温を検出
    する冷却水温センサ、あるいは室外空気の温度を検出す
    る外気温センサのうちのいずれか1つ以上のセンサであ
    ることを特徴とする蓄圧式燃料噴射装置。
  3. 【請求項3】請求項1に記載の蓄圧式燃料噴射装置にお
    いて、 前記エンジン温度検出手段は、エンジンを始動させるス
    タータへの通電開始時に、前記エンジンの回転速度を検
    出する回転速度センサ、前記スタータへ電力を供給する
    バッテリ電圧センサ、あるいは室内空気の温度を検出す
    る内気温センサのうちのいずれか1つ以上のセンサであ
    ることを特徴とする蓄圧式燃料噴射装置。
  4. 【請求項4】請求項1ないし請求項3のいずれかに記載
    の蓄圧式燃料噴射装置において、前記エンジン始動に最
    適な噴射圧力は、エンジン温度が低ければ低い程、高い
    圧力値に設定される始動時目標レール圧力であることを
    特徴とする蓄圧式燃料噴射装置。
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