JP2006135045A - 研磨装置及び半導体装置の製造方法 - Google Patents

研磨装置及び半導体装置の製造方法 Download PDF

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Abstract

【目的】 かかる問題点を克服し、電極からの電圧印加を安定させ、信頼性の高い配線接続を行い、さらには、Cu膜の研磨残りを防止してウエハ面内均一性を得ることを目的とする。
【構成】 ウエハ300を保持するキャリア510と、前記キャリア510と対向して設けられ、前記ウエハ300を電解研磨する研磨パッド530と、前記研磨パッド530と対向して前記キャリア510とは反対側に配置され、前記研磨パッド530をアノード電極として前記研磨パッド530との間で通電されるカソード電極となる電極シート570と、を備えたことを特徴とする。
【選択図】 図1

Description

本発明は、研磨装置及び半導体装置の製造方法に係り、特に、Cu(銅)配線を用いた半導体装置の製造方法及びかかる半導体装置の製造に用いる電解研磨装置に関するものである。
近年、半導体集積回路(LSI)の高集積化、及び高性能化に伴って新たな微細加工技術が開発されている。化学機械研磨(ケミカル・メカニカル・ポリッシング:chemical mechanical polishing:CMP)法もその一つであり、LSI製造工程、特に多層配線形成工程における層間絶縁膜の平坦化、金属プラグ形成、或いは埋め込み工程において頻繁に利用されている技術である(例えば、特許文献1参照)。
特に、最近はLSIの高速性能化を達成するために、配線技術を従来のアルミ(Al)合金から低抵抗のCu或いはCu合金(以下、まとめてCuと称する。)に代える動きが進んでいる。Cuは、Al合金配線の形成において頻繁に用いられたドライエッチング法による微細加工が困難であるので、溝加工が施された絶縁膜上にCu膜を堆積し、溝内に埋め込まれた部分以外のCu膜をCMPにより除去して埋め込み配線を形成する、いわゆるダマシン(damascene)法が主に採用されている(例えば、特許文献2参照)。Cu膜はスパッタ法などで薄いシード層を形成した後に電解めっき法により数100nm程度の厚さ(例えば、300nm〜1000nm)の積層膜で形成されることが一般的である。
さらに、最近は層間絶縁膜として比誘電率の低いlow−k膜を用いることが検討されている。すなわち、比誘電率kが、約4.2のシリコン酸化膜(SiO膜)から比誘電率kが例えば3.5以下のlow−k膜を用いることにより、配線間の寄生容量を低減することが試みられている。また、比誘電率kが2.5以下のlow−k膜材料の開発も進められており、これらは材料中に空孔が入ったポーラス材料となっているものが多い。このようなlow−k膜(若しくはポーラスlow−k膜)とCu配線を組み合わせた多層配線構造を有する半導体装置の製造方法は次のようなものである。
図12は、従来のlow−k膜とCu配線を組み合わせた多層配線構造を有する半導体装置の製造方法を示す工程断面図である。
図12では、デバイス部分等の形成方法は省略している。
図12(a)において、シリコン基板による基体200上に化学気相成長(CVD)等の方法により第1の絶縁膜221を成膜する。
図12(b)において、フォトリソグラフィ工程及びエッチング工程により、Cu金属配線或いはCuコンタクトプラグを形成するための溝構造(開口部H)を第1の絶縁膜221に形成する。
図12(c)において、第1の絶縁膜221上にバリアメタル膜240、Cuシード膜及びCu膜260をかかる順序で形成して、150℃から400℃の温度で約30分間アニール処理する。
図12(d)において、Cu膜260とバリアメタル膜240をCMPにより除去することにより、溝である開口部HにCu配線を形成する。
図12(e)において、前記Cu膜260表面に還元性プラズマ処理を施した後に第2の絶縁膜281を成膜する。
さらに、多層Cu配線を形成する場合は、これらの工程を繰り返して積層していくのが一般的である。ここで、第1の絶縁膜221と第2の絶縁膜281の大半がlow−k膜となる。
前記CMPに関し、テーブル(CMPプラテン)の中心を軸に回転するロータリ方式のCMP装置に関する技術(例えば、特許文献3参照)、特に、ロータリ方式のCMP装置の中で電解研磨に関する技術が特許文献4〜6に開示されている。
また、CMPプラテンがプラテンの中心から偏芯した位置を軸に回転する、いわゆる回転及びオービタル運動するオービタル方式のCMP装置に関する技術が特許文献7に開示されている。
米国特許番号4944836 特開平2−278822号公報 特開2001−185515号公報 特開2002−93761号公報 特開2001−77117号公報 特開2003−347243号公報 特開平11−239961号公報
図13は、CMPを用いた研磨工程時の半導体装置の断面例を示す図である。
図13では、図12における第1の絶縁膜は、下地CVD膜となるSiC膜212とlow−k膜220とキャップCVD膜となるSiO膜222とにより構成される。
図13において、図12に示す前述の方法によってlow−k膜220を基体200となるシリコンウエハ上に形成しても、low−k膜220はSiO膜222と比較して機械的強度が弱いため、CMPの研磨荷重Pによって構造的な破壊が起こったり、キャップCVD膜となるSiO膜222がlow−k膜220から剥離する問題があった。もしくはlow−k膜220と下地CVD膜となるSiC膜212の界面で剥離する問題があった。特にヤング率や硬度が低いlow−k材料や、キャップCVD膜とlow−k膜の接着強度が低い材料でこの問題が頻発した。
従来はこのようなlow−k膜の剥離を抑制するために、CMPの研磨荷重を下げることで対処していた。しかし、研磨荷重を下げると研磨速度も低下するという問題があった。そのために、従来は安定した研磨速度とウエハ面内均一性を得るために6.9×10Pa(1psi)以上の研磨荷重でCMPを行うことが一般的であった。この問題が、層間絶縁膜としてlow−k材を、配線としてCuを用いるlow−k/Cu配線開発の大きな問題となっていた。
この問題を解決するために電解研磨を併用したロータリ型CMPも開発を試みている。
図14は、ロータリ型CMP装置の概念図である。
図14に示すロータリ型のCMP装置において、プラテン620上に配置された対向電極670と研磨パッド630上に、研磨面を下に向けて基板となるウエハ300をキャリア610が保持する。キャリア610を図に示すように中心を軸に回転することでウエハ300を回転させ、プラテン620も中心を軸に回転させる。そして、研磨パッド630上に電解研磨液660を供給ノズル650から供給する。その際、ウエハ300上に成膜されたCu膜とCMPプラテン620上の対向電極670間に電圧を印加して電解研磨を行う。また、プラテン620は回転するため、外部の電源装置から電圧を印加するためには、可動式電極を接点640とする必要があった。ここで、図14に示したように、ウエハ300とプラテン620は同時に回転するために、それぞれ接点が常時接続していることができず、それぞれの電極からの電圧印加が安定しないという問題があった。さらに、特に、回転するプラテン620から飛び散る電解研磨液660の濡れから電極となる接点640を保護することが難しく、電解研磨液660による腐食等が発生する問題があった。このような状態の中、信頼性の高い配線接続を行うことが困難であった。さらに、研磨パッドの面積に対するウエハの面積が小さく、研磨の効率が悪いという問題があった。
さらに、Cu膜を研磨する最終段階において、研磨残りが発生するという問題があった。
図15は、研磨残りが発生する様子を説明するための図である。
図15(b)に示すように、通常、接点は、ウエハ300上に成膜されたCu膜の外周部において接続される。したがって、図15(a)(b)に示すように、ウエハ300上に島状(アイランド型)に残ったCu膜に対しては、接点が接続された外周部と通電できず、その結果、電解研磨ができない。したがって、かかるアイランド型のCu膜の研磨残りが発生するという問題があった。
本発明は、かかる問題点を克服し、電極からの電圧印加を安定させ、信頼性の高い配線接続を行い、さらには、Cu膜の研磨残りを防止してウエハ面内均一性を得ることを目的とする。
本発明の電解研磨装置は、
基板を保持する保持部と、
前記保持部と対向して設けられ、前記基板を電解研磨する研磨パッドと、
前記研磨パッドと対向して前記保持部とは反対側に配置され、前記研磨パッドをアノード電極として前記研磨パッドとの間で通電されるカソード電極と、
を備えたことを特徴とする。
アノード電極となる前記研磨パッドと、前記保持部と反対側に対向して設けられたカソード電極とに通電することで、電解研磨する場合に、研磨パッド自体を前記基板の被電解研磨面に接触させて前記基板の被電解研磨面をアノード電極化させる。その結果、前記基板とカソード電極との間で電場を形成することができる。よって、電解研磨を行なうことができる。電解研磨を行なうことができるので、研磨荷重を下げることができる。さらに、前記基板の外周部に接点を設けずに、研磨パッド自体を前記基板の被電解研磨面に接触させることで、被電解研磨領域がアイランド状に残った場合でも被電解研磨領域に通電させることができる。
そして、本発明における前記電解研磨装置は、さらに、アノード電極となる前記研磨パッドと前記カソード電極とにより挟持される絶縁板を備え、
前記カソード電極と前記絶縁板と前記研磨パッドとには、前記カソード電極側から前記研磨パッド側に向かって電解研磨液を供給する貫通する供給孔が設けられていることを特徴とする。
前記供給孔が設けられていることにより、前記研磨パッドから電解研磨液が基板表面に供給される。そして、基板面との間で電場が形成された前記カソード電極には、基板面で電解研磨された研磨金属が付着する。
さらに、本発明における前記カソード電極と前記研磨パッドとは、オービタル運動をすることを特徴とする。
自転せずにオービタル運動による周回軌道を移動することにより、前記カソード電極と前記研磨パッドとに接続される外部からの接点を前記カソード電極、或いは、前記カソード電極と電気的に接続された部材と、前記研磨パッド、或いは、前記研磨パッドと電気的に接続された部材とに固定して配置することができる。接点を固定して配置することができるので、電極からの電圧印加を安定させることができる。
さらに、前記カソード電極の材料として、銅(Cu)を用いると特に有効である。
基板面で電解研磨される研磨金属として、Cuが電解研磨される場合には、同じ、Cuをカソードとすることにより、より効果的に基板面の電解研磨を行なうことができる。
さらに、前記研磨パッドの材料として、カーボン材料を用いると有効である。
前記カーボン
材料として、カーボンファイバーを用いると特に有効である。
後述するように、カーボンファイバーを用いたことで、導電性材料でありながらやわらかい研磨材に形成することができる。
さらに、前記電解研磨液は、リン酸或いは硫酸を含有することが望ましい。
本発明の半導体装置の製造方法は、
基体上に絶縁膜を形成する絶縁膜形成工程と、
前記絶縁膜上に導電性材料膜を形成する導電性材料膜形成工程と、
アノード電極に前記導電性材料膜面を接触させて、前記アノード電極と所定のカソード電極との間で通電することで、前記導電性材料膜を電解研磨する電解研磨工程と、
を備えたことを特徴とする。
前記導電性材料膜を電解研磨することにより、研磨加重を小さくすることができる。さらに、アノード電極に前記導電性材料膜面を接触させて、前記アノード電極と所定のカソード電極との間で通電することにより、前記導電性材料膜を電解研磨する場合に、導電性材料膜がアイランド状に残った場合でも導電性材料膜に通電させることができる。
さらに、本発明における前記絶縁膜形成工程において、
前記低誘電率材料を用いた低誘電率材料膜を形成する低誘電率材料膜形成工程と、
前記低誘電率材料膜上に前記低誘電率材料膜を覆うキャップ膜を形成するキャップ膜形成工程と、
を有することを特徴とする。
機械的強度が弱い前記低誘電率材料膜上に、前記低誘電率材料膜を覆うキャップ膜が形成されることで、その後の導電性材料膜を研磨する場合に、キャップ膜が前記低誘電率材料膜から剥離しやすいが、ここで、研磨加重を小さくできる本発明の電解研磨を行なうことで、かかる剥離を防止することができる。
ここで、本発明における前記導電性材料膜形成工程において、前記導電性材料膜の材料として、銅(Cu)を用いる場合に、特に有効である。
以上説明したように、本発明によれば、研磨荷重を下げることができるので、低誘電率材料膜の構造的な破壊を起こさないようにすることができる。さらに、キャップ膜が低誘電率材料膜から剥離しないようにすることができる。さらに、低誘電率材料膜と下地CVD膜との界面で剥離しないようにすることができる。さらに、オービタル運動により、接点を固定して配置することができるので、前記接点を、通電のための電線と電解研磨中離れることなく接続させても、自転により生じる問題点である通電用ケーブルが回転軸に巻き取られたり、前記研磨パッド上を前記ケーブルに覆われたりするといったことをおこさないようにすることができる。よって、これら問題点を回避するためのブラシ接点等の可動式接点を用いる必要もない。接点を電解研磨中離れることなく接続できるため、安定した電圧を印加し続けることができる。安定した電圧を印加し続けることができるので、安定した研磨速度とウエハ面内均一性を得ることができる。よって、半導体製造装置として信頼性の高い配線接続を行うことができる。さらに、接点を固定して配置することができるので、プラテンから飛び散る電解研磨液の濡れから接点を保護することを容易に行なうことができる。よって、電解研磨液による腐食等を防止することができる。さらに、研磨パッド面が基板面と接触して電極となるので、アイランド状の研磨残りを生じさせないようにすることができる。
実施の形態1.
図1は、実施の形態1における研磨装置の概要構成図である。
図1において、研磨装置は、オービタル型のCMP装置である。電解研磨による作用とCMPによる化学機械研磨の両方の作用で研磨を行う。平面運動の一例であるオービタル運動機構を有するテーブルであるプラテン520上には、電極シート570が配置される。そして、電極シート570の上に絶縁板580が配置され、絶縁板580の上に導電性材料を用いた研磨パッド530が配置される。かかる研磨パッド530上に、研磨面を下に向け、すなわち前記研磨パッド530側に向けてウエハ300を保持部の一例であるキャリア510が保持する。ウエハ300表面には、後述するCu膜が形成される。カソード電極となる電極シート570には、外部装置より負の電圧を印加するために通電する電線と接続する接点542が配置され設けられている。一方、アノード電極となる研磨パッド530には、外部装置より正の電圧を印加するために通電する電線と接続する接点540が配置され設けられている。電解研磨液560は、プラテン520の下部より電極シート570側から研磨パッド530を抜けてウエハ300面内に供給される。
前記プラテン520と共に電極シート570と絶縁板580と前記研磨パッド530をオービタル運動させながら、ウエハ300表面と前記研磨パッド530を接触させ、前記接点540を介して前記研磨パッド530に通電することにより前記ウエハ300をアノード電極化させ、さらに、前記接点542を介して電極シート570に通電することにより、前記ウエハ300と電極シート570との間に電場を形成し、前記ウエハ300を電解研磨する。供給された電解研磨液560は、プラテン520のオービタル運動に伴い、外周部から排出される。ウエハ300表面で、ウエハ300面より大きく、ウエハ300と平行な研磨パッド530面で電解研磨することにより、均一な電解研磨を行なうことができる。ウエハ300表面を電解研磨することにより、電解研磨により研磨される分、CMPでの研磨を行わないようにすることができ、CMPの研磨荷重を下げることができる。
図2は、実施の形態1におけるオービタル運動の様子を説明するための図である。
図2において、C1は、研磨パッド530の中心位置、C2は、キャリア510に支持されたウエハ300の中心位置、Aは、研磨パッド530に配置された接点540の位置を示している。電極シート570に配置された接点542の位置も同様である。
図2に示すように、ウエハ300の位置を固定して表わすと、導電性パッド530は、自転せずに所定の周回軌道を移動する。オービタル型の研磨装置では、研磨プラテン520がその中心を軸として回転するのではなく、研磨プラテン520上の全ての点が円を描くように回転するものである。その回転半径は1cmから10cmの範囲であることが望ましい。ロータリ型のプラテン回転機構では、電解研磨を行うために必要な導電性のCMPパッドの電極となる接点の位置が、プラテンの回転とともにずれてしまうが、オービタル型のプラテン回転機構を用いることによって、プラテンが回転しても電極となる接点540および接点542は常に同じ方向に向けることが可能となるために、前記接点540および接点542を前記研磨パッド及び電極シートに固定して配置することができる。よって、電極の接続が安定しており、電解研磨装置の信頼性が向上する。前記接点540は、電気的に接続された他の部材に固定して配置してもよい。かかる他の部材を介して研磨パッド530に接続して通電すればよい。同様に、前記接点542は、電気的に接続された他の部材に固定して配置してもよい。かかる他の部材を介して電極シート570に接続して通電すればよい。例えば、前記接点542は、プラテン520に固定して配置してもよい。プラテン520を介してプラテン520上に置かれた電極シート570に接続して通電すればよい。
前記接点540或いは前記接点542には、オービタル運動により移動する前記接点540或いは前記接点542の移動量を許容する尤度をもったフレキシブル電線が接続される。前記接点540或いは前記接点542の移動量を許容する尤度をもった電線が接点に接続されることにより、前記接点位置を固定しても通電のための電線と電解研磨中離れることなく接続させることができる。前記接点540或いは前記接点542と電源を結ぶ配線となるフレキシブル電線は、10cm以下の範囲で伸び縮みするようにしておけば良い。従来のロータリ型のCMP装置では、電極の位置がプラテンの回転とともに回転するため、電解研磨液の濡れから電極が腐食するのを保護することが難しく、信頼性の高い配線接続を行うことが困難であったが、本実施の形態1では、電極となる接点540および接点542の位置が固定されるため保護し易く腐食するのを防止することができる。
さらに、ここでは、キャリア510は、ウエハ300を保持しながら回転させる。ここで、図14に示す構成では、ウエハと陽極を接続するため、ヘッドの回転中に電気的接続が保たれるような構造にしなければならないが、ここでは、キャリア510を介してウエハ300側に接点を接続させず、研磨パッド530を介してウエハ300側に通電することにより、前記ウエハ300を保持しながら回転させても、自転により生じる問題点である通電用ケーブルが回転軸に巻き取られたり、前記ケーブルに覆われたりするといったことをおこさないようにすることができる。さらに、ウエハ300を回転させることで、スラリーや電解研磨液の排出を促進することができる。
さらに、キャリア510を介してウエハ300外周部に接点を接続させず、研磨パッド530を介してウエハ300側に通電することにより、ウエハ300上に成膜されたCu膜外周部と電気的に接続が切れた、例えば、アイランド状のCu膜であっても通電させることができる。その結果、研磨残りの問題を解消することができる。
以下、図1の研磨装置を使用した半導体装置の製造方法を説明する。
図3は、半導体装置の構成のうち、層間絶縁膜として、下層のSiO膜形成工程からlow−k膜上のSiO膜形成工程までを示す工程断面図である。それ以降の工程は後述する。
図3(a)において、SiO膜形成工程として、基体200上にCVD法によって、例えば、膜厚200nmの下地SiO膜を堆積し、SiO膜210を形成する。ここでは、CVD法によって成膜しているが、その他の方法を用いても構わない。基体200として、例えば、直径300ミリのシリコンウエハ等の基板を用いる。ここでは、デバイス部分の形成を省略している。
図3(b)において、SiC膜形成工程として、SiO膜210の上に、CVD法によって、SiCを用いた膜厚50nmの下地SiC膜を堆積し、SiC膜212を形成する。ここでは、CVD法によって成膜しているが、その他の方法を用いても構わない。SiC膜212は、エッチングストッパとしての機能も有する。SiC膜の代わりに誘電率の低いSiOC膜を用いても構わない。或いは、バリア信頼性の高いSiCN膜、SiN膜を用いることができる。
図3(c)において、low−k膜形成工程として、基体200の上に形成された前記SiC絶縁膜形成工程により形成されたSiC膜212の上に多孔質の絶縁性材料を用いたlow−k膜220を200nmの厚さで形成する。low−k膜220を形成することで、比誘電率kが3.5よりも低い層間絶縁膜を得ることができる。low−k膜220の材料としては、例えば、多孔質のメチルシルセスキオキサン(methyl silsequioxane:MSQ)を用いることができる。また、その形成方法としては、例えば、溶液をスピンコートし熱処理して薄膜を形成するSOD(spin on dielectic coating)法を用いることができる。ここでは、スピナーの回転数は900min−1(900rpm)で成膜した。このウエハをホットプレート上で窒素雰囲気中150℃の温度で75秒間の第1のベークを行い、さらに250℃の温度で75秒間第2のベークを行った後、最終的にホットプレート上で窒素雰囲気中450℃の温度で10分間のキュアを行った。MSQの材料や形成条件などを適宜調節することにより、所定の物性値を有する多孔質の絶縁膜が得られる。例えば、密度が0.68g/cm3で比誘電率kが1.8、空孔率が55%、ヤング率が1.6GPa、硬度が0.18GPa物性値を有するlow−k膜220が得られる。low−k膜のSiとOとCの組成比は、Siが30%、Oが53%、Cが17%とする。
そして、Heプラズマ処理工程として、このlow−k膜220表面をCVD装置内でヘリウム(He)プラズマ照射によって表面改質する。Heプラズマ照射によって表面が改質されることで、low−k膜220とlow−k膜220上に形成する後述するキャップ膜としてのCVD−SiO膜222との接着性を改善することができる。ガス流量は1.7Pa・m/s(1000sccm)、ガス圧力は1000Pa、高周波パワーは500W、低周波パワーは400W、温度は400℃とした。キャップCVD膜をlow−k膜上に成膜する際は、low−k膜表面にプラズマ処理を施すことがキャップCVD膜との接着性を改善する上で有効である。プラズマガスの種類としてはアンモニア(NH)、亜酸化窒素(NO)、水素(H)、He、酸素(O)、シラン(SiH)、アルゴン(Ar)、窒素(N)などがあり、これらの中でもHeプラズマはlow−k膜へのダメージが少ないために特に有効である。また、プラズマガスはこれらのガスを混合したものでも良い。例えば、Heガスは他のガスと混合して用いると効果的である。
図3(d)において、SiO膜形成工程として、前記Heプラズマ処理を行った後、キャップ膜として、CVD法によってlow−k膜220上にSiOを膜厚50nm堆積することで、SiO膜222を形成する。SiO膜222を形成することで、直接リソグラフィを行うことができないlow−k膜220を保護し、low−k膜220にパターンを形成することができる。かかるキャップCVD膜は、SiO膜、SiC膜、SiOC膜、SiCN膜などがあるが、ダメージ低減の観点からはSiO膜が優れ、低誘電率化の観点からはSiOC膜が、耐圧向上の観点からはSiC膜やSiCN膜が優れている。さらに、SiO膜とSiC膜の積層膜、もしくはSiO膜とSiCO膜の積層膜、もしくはSiO膜とSiCN膜の積層膜を用いることができる。さらにキャップCVD膜の一部、もしくは全てが後述する平坦化工程においてCMPにより除去されても良い。キャップ膜を除去することで誘電率をさらに低減することができる。キャップ膜の厚さとしては10nmから150nmが良く、10nmから50nmが実効的な比誘電率を低減する上で効果的である。
以上の説明において、下層配線における層間絶縁膜は、比誘電率が3.5以下のlow−k膜でなくても構わないが、low−k膜(特に、ポーラスlow−k膜)を含む場合に特に有効である。なぜならば、low−k膜は絶縁耐圧が低い材料が多いだけでなく、CMPプロセスによりダメージを受けやすいからである。比誘電率が3.5以下の低誘電率絶縁膜としてlow−k膜を一部に形成することで、半導体装置の微細化を図ることができる。low−k膜の種類としては、塗布されることにより形成されるMSQやHSQ(Hydrogen Silsesquioxane)、ポリマー、CVDにより形成されるSiOC系やポリマーのいずれも用いることができる。また、low−k膜の比誘電率は3.0以下のもの、特に2.6以下のものに対して有効である。また、CVD膜とスピン塗布膜を比較した場合、特にスピン塗布膜に対して有効である。前記low−k膜の膜厚としては、100nmから1000nmの範囲であることが望ましい。前述のMSQ膜の組成としては、珪素の濃度は20%から40%、炭素の濃度は10%から30%、酸素の濃度は40%から60%が望ましい。
図4は、配線形成のための開口部形成工程からめっき工程までを示す工程断面図である。それ以降の工程は後述する。
図4(a)において、開口部形成工程として、リソグラフィ工程とドライエッチング工程でダマシン配線を作製するための配線溝構造である開口部150をSiO膜222とlow−k膜220と下地SiC膜212内に形成する。図示していないレジスト塗布工程、露光工程等のリソグラフィ工程を経てSiO膜222の上にレジスト膜が形成された基体200に対し、露出したSiO膜222とその下層に位置するlow−k膜220を、下地SiC膜212をエッチングストッパとして異方性エッチング法により除去し、その後、下地SiC膜212をエッチングして開口部150を形成すればよい。異方性エッチング法を用いることで、基体200の表面に対し、略垂直に開口部150を形成することができる。例えば、一例として、反応性イオンエッチング法により開口部150を形成すればよい。
図4(b)において、バリアメタル膜形成工程として、前記開口部形成工程により形成された開口部150及びSiO膜222表面にバリアメタル材料を用いたバリアメタル膜240を形成する。物理気相成長法(physical vapor deposition:PVD)法の1つであるスパッタ法を用いるスパッタリング装置内で窒化タンタル(TaN)を膜厚5nm、タンタル(Ta)膜を膜厚8nm堆積し、バリアメタル膜240を形成する。TaN膜とTa膜とを積層することで、TaN膜によりCuのlow−k膜220への拡散防止を図り、Ta膜によりCuの密着性向上を図ることができる。バリアメタル材料の堆積方法としては、原子層気相成長(atomic layer deposition:ALD法、あるいは、atomic layer chemical vapor deposition:ALCVD法)やCVD法などを用いることでPVD法を用いる場合より被覆率を良くすることができる。
前記バリアメタル膜は、Ta膜、TaN膜、もしくはその積層膜であることが望ましい。前記バリアメタル膜の成膜方法は、CVD法もしくはALD法であることが被覆性の観点から望ましいが、上述したスパッタ法などのPVD法であっても有効である。
図4(c)において、シード膜形成工程として、スパッタ等の物理気相成長(PVD)法により、次の工程である電解めっき工程のカソード極となるCu薄膜をシード膜250としてバリアメタル膜240が形成された開口部150内壁及び基体200表面に堆積(形成)させる。ここでは、シード膜250を膜厚50nm堆積させた。
図4(d)において、めっき工程として、シード膜250をカソード極として、電解めっき等の電気化学成長法によりCu膜260を開口部150及び基体200表面に堆積させる。ここでは、膜厚500nmのCu膜260を堆積させ、堆積させた後にアニール処理を250℃の温度で30分間行った。
図5は、平坦化する研磨工程を示す工程断面図である。
図5において、研磨工程として、SiO膜222の表面に堆積された導電部としての配線層となるCu膜260、シード膜250、及びバリアメタル膜240をCMP研磨及び電解研磨により除去することにより、図5に表したような埋め込み構造を形成する。前記研磨工程において、電解研磨により研磨加重を小さくすることができるので、一部に形成された比誘電率が3.5以下の低誘電率絶縁膜と他の部分に形成された絶縁膜との剥離を抑制することができる。
図6は、実施の形態1における研磨装置の概要構成断面図である。
研磨装置は、図示していないオービタル回転機構とヘッド回転機構とにより、プラテン520とキャリア510とを平面運動させる。プラテン520をオービタル回転機構によりオービタル回転させ、キャリア510をヘッド回転機構により自転させる。研磨荷重は1.3×10Pa(0.2psi)の超低荷重に設定し、オービタル回転数は19min−1(19rpm)、ヘッドの回転数は21min−1(21rpm)、電解研磨液の供給速度は0.4L/min(400cc/分)とする。
研磨布となる研磨パッド530は、導電性のパッドは、導電性の物質をCMPパッドに含ませたもので良く、例えばカーボン材料製、特にカーボンファイバー製の単層パッドを用いるとよい。金属を用いるとウエハ300表面を傷つけてしまうが、前記導電性パッドの材料として、カーボンファイバーを用いたことで、導電性材料でありながらやわらかいソフトな材料に形成でき、ウエハ300表面を研磨しても傷つけず、研磨パッドとしてより好ましい。言い換えれば、スクラッチを低減することができる。
研磨パッドの裏側には、絶縁性のスペーサとなる絶縁板580を挟んで銅製の電極シート570が配置される。電極シート570は、Cu製が望ましいが、これに限らず、導電性材料であればよい。例えば、ステンレス材であってもよい。或いは、プラテン520自体を電極シート570の代わりに陰極に用いてもよい。但し、陰極には電解研磨されたCuが堆積するため、研磨パッド530や絶縁板580と一緒に取り外しできるものが望ましい。また、電解研磨されたCuがプラテン520に堆積しないようにするため、プラテン520と電極シート570との間に絶縁性のシートを挿入し、電気的に絶縁してもよい。
研磨パッド530と絶縁板580と電極シート570には、140個のスラリー供給用の穴(供給孔550)が施され、電解研磨液560はこの供給孔550を通して研磨プラテン520の下から図6の矢印のように供給される。設定された研磨荷重によって研磨パッドとなる導電性パッド530とウエハ300表面は接触しており、電解研磨液560は研磨パッドに施された溝の中を通過して研磨プラテン520の外部に流されるものである。前記研磨パッド530と前記ウエハ300表面と間に電解研磨液560を供給する供給孔550が設けられていることにより、従来のような前記導電性パッドの上方から滴下される場合より確実に電解研磨液をウエハ300表面に供給することができる。
前記研磨パッド530にはプラテン520の外側で電源と接続されており、他方の電極は、電極シート570に接続されている。図1では、接点540は、研磨パッド530上に配置されているが、図6のようにパッドの裏側にあってもどちらでもよい。また、研磨パッド530の裏面に接点540となる電極シートを別途設けても構わない。同様に、接点542も、電極シート570上に配置されていても、裏側にあってもどちらでもよい。
なお、図14で説明したロータリ型の電解研磨方式の場合、電解研磨液はプラテンの上から垂らす方式を採用せざるを得ない。回転するプラテンの電極は、外周で常にコンタクトを取れるように可動式のものとなるため、問題が生じる。
電解研磨液は、リン酸と過酸化水素水とクエン酸とベンゾトリアゾールとポリアクリル酸アンモニウムから成る水溶液を用いた。リン酸は0.5重量%、過酸化水素は2体積%、クエン酸は0.05重量%、ベンゾトリアゾールは0.05重量%、ポリアクリル酸アンモニウムは0.01重量%の濃度で添加した。前記電解研磨としては、リン酸もしくは硫酸を含む水溶液を用いることが可能である。また、水溶液中に銅イオンを添加することにより電流量を増加することが可能である。さらに、ディシングや摩擦力を低減するために、防食剤や界面活性剤を用いることが可能である。防食剤としてはベンゾトリアゾール(BTA)やイミダゾール、またはその誘導体を用いることができる。界面活性剤としてはポリアクリル酸もしくはポリアクリル酸アンモニウムなどを用いることが可能である。
電解研磨を促進するために過酸化水素のような酸化剤を添加することも有効である。これによってCu表面が酸化され、電解研磨の速度が速くなる。
また、有機酸を添加することによって均一なエッチングを行うことが可能となる。有機酸を添加する場合は、リン酸や硫酸の濃度を低減することが可能となる。リン酸や硫酸の濃度を低減することでCuに対する過度な腐食を防止することができる。有機酸としては、ヒドロキシ酸(OH基を含む有機酸)もしくはカルボン酸(COOH基を含む有機酸)が望ましく、ヒドロキシカルボン酸(OH基とCOOH基を一分子中に含む有機酸)が最も望ましい。例えば、クエン酸、リンゴ酸、コハク酸、酒石酸、フタル酸、マロン酸、マレイン酸、フマル酸、乳酸、ピメリン酸、アジピン酸、グルタル酸、シュウ酸、サリチル酸、グルコール酸、安息香酸、酪酸、吉草酸、プロピオン酸、酢酸、ギ酸などが挙げられる。
電解研磨液は砥粒を含むことが可能である。砥粒の濃度は10重量%以下であることがスクラッチ低減の観点から望ましい。さらに、5重量%以下の砥粒であればCMP後の洗浄性が良くなる観点から望ましい。1重量%以下の砥粒であれば分散性の観点から望ましい。砥粒を含まなければ廃液処理の観点から、なお望ましい。
図7は、実施の形態1における研磨装置の概要構成断面図である。
図7では、プラテン520にも研磨パッド530と絶縁板580と電極シート570に設けられた位置に合わせて供給孔550が施され、電極シート570が、プラテン520の表面に乗せられている。電解研磨液560はこの供給孔550を通して研磨プラテン520の下から図7の矢印のように供給される。かかる構成の場合、カソード電極となる電極シート570では、この供給孔550の内壁に電解研磨液560が触れることになる。したがって、ウエハ300で電解研磨されたCuと同等のCuが電解研磨液中から電極シート570の供給孔550の内壁に付着する。
図8は、実施の形態1における研磨装置の別の概要構成断面図である。
図7では、電解研磨液560が、電極シート570の供給孔550の内壁にのみ触れる構成であるが、図8に示すように、プラテン520と電極シート570との間に空間を設け、かかる空間に電解研磨液560が溜まる槽(バッファ領域)となるように構成してもよい。そして、バッファ領域にいったん溜まった電解研磨液560を供給孔550を通して研磨パッド530側に供給してもよい。バッファ領域を設けることで、電解研磨液560が電極シート570の下面全面に触れることになり、ウエハ300で電解研磨されたCuと同等のCuが付着する場合に、許容できる付着量を大きくすることができる。よって、電極シート570の交換寿命を向上させることができる。また、研磨パッド530と絶縁板580と電極シート570の剛性を高め、撓まないようにするため、バッファ領域に支柱或いは支持梁を設けてプラテン520で電極シート570を支持するように構成しても構わない。電解研磨液560が触れる領域が電極シート570における供給孔550の内壁面積より大きな面積とすることにより許容できるCu付着量を大きくすることができる。
図9は、研磨パッドの表面形状を示す図である。
図9(a)に示すように、研磨パッド530の表面には、格子状の溝が形成されている。溝の交差する位置の底部に前記供給孔550が設けられている。研磨パッド530の上面に溝が形成され、前記溝の底部から電解研磨液560が供給されることにより、溝をつたって電解研磨液560をウエハ300表面全体に供給することができる。また、前記研磨パッド530とウエハ300表面との間に残った電解研磨液560を排出し、新しい電解研磨液560と置換することができる。そして、前記溝が格子状に形成されることで、さらに、電解研磨液の広がりを促進することができる。図9(b)に示すように、溝は、例えば、幅2mm、深さ1mmに形成する。図9では、格子状の溝が形成されているが、これに限るものではなく、例えば、同心円状の溝が形成されてもよい。
以上のように、研磨液は、研磨布となる研磨パッド530に形成された穴を通して研磨プラテン520の裏側からウエハ300表面に供給されることが望ましい。特に、研磨パッド530の表面に格子状の溝や同心円状の溝が施されていることが研磨液を高速に流動させる観点から望ましい。研磨布中の溝が施されている面積は10%から40%であることが高研磨速度を維持する上で望ましい。
上述の条件でCuの電解研磨を行った結果、300nm/分の速度でCuが研磨され、研磨を始めてから約90秒で光学式終点信号が検知されて研磨が終了した。従来、終点信号が検出されても研磨残りが発生するという問題があったが、本実施の形態による電解研磨方式によれば研磨残りは全く発生しなかった。その後、TaNのCMPをCMPスラリーに切り替えて1分間研磨を行い、キャップSiO2膜4が露出するまで研磨した。TaNのCMPでは硬度(Shore D)が70以下のソフトパッドを用いて、low−k膜の剥離を防止するようにした。
図10は、オービタル型とロータリ型とにおける電解研磨時の電流波形を示す図である。
オービタル型の電解研磨装置では、電圧を10V、電流を3A必要とした。
CMP後のウエハを顕微鏡で検査したところ、low−k膜の剥離は全く見られなかった。これに対してロータリ型の電解研磨装置でCMPを行った場合、図10に示すように、プラテンの電極に研磨液が付着して度々電流が不安定になり、電解研磨がストップする問題が発生した。また、電極が回転する端子によって擦れ(図14参照)、かつそこが研磨液によって腐食する問題が多発した。オービタル式の電解研磨装置では電極を被覆することができるために腐食することは無く、安定で信頼性の高い研磨を行うことが可能であった(図1参照)。また、ロータリ型の電解研磨装置でCMPを行った場合、研磨残りは頻発した。そのため、Cu研磨の途中段階でCu用のCMPスラリーを用いて研磨を行う必要があった。つまり、Cu研磨を電解研磨のみで安定して終了させることはできなかった。本実施の形態では、Cu用のCMPスラリーを用いて研磨荷重を上げて化学機械研磨を行なうといったことは必要なく、電解研磨液を用いて小さい研磨荷重のまま電解研磨および、研磨パッド530をウエハ300に接触させることによる小さい研磨荷重のままでの化学機械研磨により所定のCu膜の平坦化を行なうことができる。また、ロータリ型の電解研磨装置では、電圧を10V、電流を5A必要とした。オービタル型の方が、ウエハ面積とパット面積の差がはるかに小さいので、少ない電流で効率よく研磨することができる。
研磨パッドの溝に関しては、本実施例では格子溝のものを用いた。溝部分の面積比が30%のものを用いたが、溝が全く形成されていない研磨パッドを用いた場合と比較すると研磨速度が4倍以上増加した。
研磨パッドに設けられた研磨液の供給穴の数については、10個、30個、100個、300個の場合で比較すると、多ければ多いほど研磨速度が増加し、かつウエハ内の研磨均一性が向上することがわかった。
本実験をデバイスが搭載されたウエハで実施しても同様の効果を確認することができた。1層目のCu配線層だけでなく、2層目のCu配線層においてもlow−k膜が剥離なく研磨することができ、さらに3層目以上のCu配線層でも剥離なく研磨することができた。low−k材料としては、HSQやポリマー、CVD法によるSiOCを用いても剥離なく研磨することができた。
半導体装置の製造をさらに進めていくには、以下のようにしていけばよい。
図11は、平坦化する研磨工程後、第2の絶縁膜としてのlow−k膜形成工程までを示す工程断面図である。
図11において、研磨処理後、還元性プラズマ処理工程として、CVD装置内でアンモニア(NH)プラズマ処理を行なう。この処理により図5における平坦化工程でのCu−電解研磨の際にスラリーとの反応によって形成されたCu表面の錯体を還元し、キャップSiO膜上に存在する残留有機物を除去することができる。この処理によりCu−電解研磨の際にスラリーとの反応によって形成されたCu表面の錯体が還元され、キャップSiO2膜上にある残留有機物も除去されることから絶縁耐圧は改善される。前記還元性のプラズマはアンモニアプラズマ、もしくは水素(H)プラズマが効果的であり、特にアンモニアプラズマが処理装置内におけるガスの扱い易さから好ましい。
還元性プラズマ処理工程では、図示していないCVD装置内におけるチャンバの内部にて、下部電極を兼ねた温度が400℃に制御された基板ホルダの上に基体200となる半導体基板を設置する。そして、チャンバの内部に上部電極内部からガスを供給する。供給するガス流量は11.8Pa・m/s(7000sccm)とした。真空ポンプにより233Paのガス圧力になるように真空引きされたチャンバの内部の上記上部電極と下部電極との間に高周波電源を用いてプラズマを生成させる。高周波パワーは560W、低周波パワーは250W、処理時間は10秒とした。
そして、次の層における第2の絶縁膜形成工程の一部であるSiC膜形成工程として、還元性プラズマ処理した同じCVD装置内で400℃の温度で30nmの膜厚のSiC膜275を形成する。SiC膜275は拡散防止膜の働きがあり、このSiC膜275を形成することで、Cuの拡散を防止することができる。かかるCVD法で形成されるSiC膜275の他に、SiCN膜、SiCO膜、SiN膜、SiO膜を用いることができる。そして、low−k膜形成工程として、図3(c)で説明した工程と同様に、SiC膜275の上にSiC膜275よりも比誘電率の低い低誘電率膜である、多孔質の絶縁性材料を用いたlow−k膜280を形成する。以降、多層配線を必要に応じ順次形成する。
以上のように、上記のCu電解研磨の電極の信頼性の問題は、オービタル型の回転機構を備えた電解研磨装置でCuの研磨平坦化を行うことにより克服することができる。これにより低荷重で、かつ高い研磨速度でダマシンCu配線を形成することが可能となり、low−k膜の剥離も防止することが可能となる。
前記実施の形態において、比誘電率が2.6以下の場合、ポーラスlow−k膜が主流となるため、配線溝におけるlow−k膜の側壁が20nm以下の膜厚のCVD膜で被覆保護されていることが望ましい。これはポーラスlow−k膜のポアシーリングの働きがある。特に、バリアメタル膜をCVD法やALD法によって形成する場合に染み込みが無くなるために効果的である。このポアシーリングのためのCVD膜の種類としては、SiC膜、SiCH膜、SiCN膜、SiCO膜、SiN膜が望ましい。特に、低誘電率の観点からSiC膜やSiCH膜が最適である。
以上の説明において、バリアメタルとして、Ta、TaNに限らず、TaCN(炭化窒化タンタル)、WN(窒化タングステン)、WCN(炭化窒化タングステン)、TiN(窒化チタン)等の高融点金属の窒化膜或いは窒化炭素膜であっても構わない。或いはチタン(Ti)、WSiN等であっても構わない。
ここで、上記各実施の形態における配線層の材料として、Cu以外に、Cu−Sn合金、Cu−Ti合金、Cu−Al合金等の、半導体産業で用いられるCuを主成分とする材料を用いて同様の効果が得られる。
なお、多層配線構造などを形成する場合には、各図において基体200は、下層の配線層と絶縁膜とが形成されたものである。
上記各実施の形態においては、多孔質絶縁膜の材料としては、多孔質誘電体薄膜材料としてのMSQに限らず、他の多孔質無機絶縁体膜材料、多孔質有機絶縁体膜材料を用いても同様の効果を得ることができる。
特に、多孔質の低誘電率材料に上記各実施の形態を適用した場合には、上述の如く顕著な効果が得られる。上記各実施の形態において多孔質絶縁膜の材料として用いることができるものとしては、例えば、各種のシルセスキオキサン化合物、ポリイミド、炭化フッ素(fluorocarbon)、パリレン(parylene)、ベンゾシクロブテンをはじめとする各種の絶縁性材料を挙げることができる。
以上、具体例を参照しつつ各実施の形態について説明した。しかし、本発明は、これらの具体例に限定されるものではない。
例えば、各実施の形態で層間絶縁膜が形成された基体200は、図示しない各種の半導体素子あるいは構造を有するものとすることができる。また、半導体基板ではなく、層間絶縁膜と配線層とを有する配線構造の上に、さらに層間絶縁膜を形成してもよい。開口部も半導体基板が露出するように形成してもよいし、配線構造の上に形成してもよい。
さらに、層間絶縁膜の膜厚や、開口部のサイズ、形状、数などについても、半導体集積回路や各種の半導体素子において必要とされるものを適宜選択して用いることができる。
その他、本発明の要素を具備し、当業者が適宜設計変更しうる全ての半導体装置の製造方法は、本発明の範囲に包含される。
また、説明の簡便化のために、半導体産業で通常用いられる手法、例えば、フォトリソグラフィプロセス、処理前後のクリーニング等は省略しているが、それらの手法が含まれることは言うまでもない。
実施の形態1における研磨装置の概要構成図である。 実施の形態1におけるオービタル運動の様子を説明するための図である。 半導体装置の構成のうち、層間絶縁膜として、下層のSiO膜形成工程からlow−k膜上のSiO膜形成工程までを示す工程断面図である。 配線形成のための開口部形成工程からめっき工程までを示す工程断面図である。 平坦化する研磨工程を示す工程断面図である。 実施の形態1における研磨装置の概要構成断面図である。 実施の形態1における研磨装置の概要構成断面図である。 実施の形態1における研磨装置の別の概要構成断面図である。 導電性パッドの表面形状を示す図である。 オービタル型とロータリ型とにおける電解研磨時の電流波形を示す図である。 平坦化する研磨工程後、第2の絶縁膜としてのlow−k膜形成工程までを示す工程断面図である。 従来のlow−k膜とCu配線を組み合わせた多層配線構造を有する半導体装置の製造方法を示す工程断面図である。 CMPを用いた研磨工程時の半導体装置の断面例を示す図である。 ロータリ型CMP装置の概念図である。 研磨残りが発生する様子を説明するための図である。
符号の説明
150 開口部
200 基体
210,222 SiO
212,275 SiC膜
220,280 low−k膜
221,281 絶縁膜
240 バリアメタル膜
250 シード膜
260 Cu膜
300 ウエハ
510,610 キャリア
520,620 プラテン
530 研磨パッド
540,542,640 接点
550 供給孔
560,660 電解研磨液
570 電極シート
580 絶縁板
630 研磨パッド
650 供給ノズル
670 対向電極

Claims (8)

  1. 基板を保持する保持部と、
    前記保持部と対向して設けられ、前記基板を電解研磨する研磨パッドと、
    前記研磨パッドと対向して前記保持部とは反対側に配置され、前記研磨パッドをアノード電極として前記研磨パッドとの間で通電されるカソード電極と、
    を備えたことを特徴とする研磨装置。
  2. 前記電解研磨装置は、さらに、アノード電極となる前記研磨布と前記カソード電極とにより挟持される絶縁板を備え、
    前記カソード電極と前記絶縁板と前記研磨パッドとには、前記カソード電極側から前記研磨布側に向かって電解研磨液を供給する貫通する供給孔が設けられていることを特徴とする請求項1記載の研磨装置。
  3. 前記カソード電極と前記研磨パッドとは、オービタル運動をすることを特徴とする請求項2記載の研磨装置。
  4. 前記研磨パッドの材料として、カーボン材料を用いることを特徴とする請求項1〜3いずれか記載の研磨装置。
  5. 前記電解研磨液は、リン酸或いは硫酸を含有することを特徴とする請求項2記載の研磨装置。
  6. 基体上に絶縁膜を形成する絶縁膜形成工程と、
    前記絶縁膜上に導電性材料膜を形成する導電性材料膜形成工程と、
    アノード電極に前記導電性材料膜面を接触させて、前記アノード電極と所定のカソード電極との間で通電することで、前記導電性材料膜を電解研磨する電解研磨工程と、
    を備えたことを特徴とする半導体装置の製造方法。
  7. 前記絶縁膜形成工程において、
    前記低誘電率材料を用いた低誘電率材料膜を形成する低誘電率材料膜形成工程と、
    前記低誘電率材料膜上に前記低誘電率材料膜を覆うキャップ膜を形成するキャップ膜形成工程と、
    を有することを特徴とする請求項6記載の半導体装置の製造方法。
  8. 前記導電性材料膜形成工程において、前記導電性材料膜の材料として、銅(Cu)を用いることを特徴とする請求項6又は7記載の半導体装置の製造方法。
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JP2011177884A (ja) * 2010-02-05 2011-09-15 Kuraray Co Ltd 研磨パッド

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