JP2006117826A - 硬化型樹脂組成物及びそれを貼着した部品 - Google Patents

硬化型樹脂組成物及びそれを貼着した部品 Download PDF

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敏博 庄司
Mayumi Aoki
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Abstract

【課題】 ガラス、金属、酸化珪素、窒化珪素、酸化アルミニウム、酸化錫、酸化チタン又はインジウム−錫酸化物等の無機材料に対する初期接着性が良好であるばかりでなく、塗工時にハジキが発生することがなく、薄膜の硬化膜を形成することが可能である。更に湿式条件下でも良好な接着性を示す硬化型樹脂組成物を提供する。
【解決手段】 (A)数平均分子量が4000から14000のウレタン(メタ)アクリレート、
(B)式(1)
Figure 2006117826

で表される化合物、
(C)式(2)
Figure 2006117826

又は式(3)

Figure 2006117826

で表される化合物、及び
(D)分子内に重合性官能基を有するシリコーンオイル
を含有する硬化型樹脂組成物を用いる。
【選択図】 なし

Description

本発明は、プラスティック、ガラス、金属及びセラミック等の表面を保護するためのコーティング剤、あるいはこれらを貼り合わせるための接着剤として用いる硬化型樹脂組成物に関し、特にガラス等の無機材質よりなる基板を貼り合わせる際の接着剤として用いる硬化型樹脂組成物に関する。
従来から、紫外線硬化型樹脂組成物又は熱硬化型樹脂組成物等は、ごく短時間の紫外線照射又は加熱により硬化が完了する為、フイルム等の接着剤等に広く用いられている。しかしながら、硬化する際に内部応力が発生し、特にガラス等の無機材料の接着は困難であった。こうした状況の中で、ラジカル重合系の紫外線硬化型樹脂組成物として、金属やガラス等に対する密着性を改良した技術がいくつか提案されてきた。そのような技術として、例えば、数平均分子量が11442のウレタンアクリレートとノニルフェノールエチレンオキシド変性アクリレートとイソボルニルアクリレートとN-ビニルカプロラクタム又はN-アクリロイルモルホリンを含有する紫外線硬化型樹脂組成物を光ファイバーの1次被覆剤として使用することで、高温多湿雰囲気に曝された場合でも十分な破断強度を保持しうる耐久性に優れた光ファイバーを製造する技術が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
また、数平均分子量が9200のウレタンアクリレートとノニルフェニルオキシエチルアクリレートとN-ビニルカプロラクタムを含有する紫外線硬化型樹脂組成物を光ファイバーの1次被覆剤として使用する技術が開示されている(例えば、特許文献2参照)。
更に、光ファイバーの2次被覆層用、あるいはユニット形成用ではあるが、数平均分子量が8580のウレタンアクリレートとイソボルニルアクリレートとN-ビニルピロリドンとノニルフェノールオキシエチルアクリレートを含有する紫外線硬化型樹脂組成物が開示されている(例えば、特許文献3参照)。
しかし、上記ラジカル重合系の紫外線硬化型樹脂組成物は、ガラス等の無機材料に対する濡れ性が実用上十分でなく、ハジキが発生したり、薄膜の硬化膜を形成することが困難であった。また、該組成物からなる硬化膜を形成したガラス等の無機材料に対する接着性は、初期は良好であるものの、高温高湿条件下或いは水浸漬下等の環境条件(以下、湿式条件と記す)においては、硬化膜と無機材料の界面に水分が侵入し、硬化膜の接着力が劣化し、剥離する問題があった。
ところで、吸水性の低い光ファイバー用紫外線硬化型樹脂組成物に関する技術として、少なくとも一つの末端に(メタ)アクリロイル基を有するポリジメチルシロキサン化合物とウレタンアクリレートとイソボルニルアクリレートとトリシクロデカンジメチルジアクリレートとN-ビニルピロリドンを含有する組成物が知られている(例えば、特許文献4参照)。しかしながら、該組成物の硬化膜においても、高温高湿条件下或いは水浸漬下等の環境条件における無機材料に対する接着性は実用上不十分であり、今後更に改良する必要があった。
特開2000−86936号公報(実施例1、実施例2) 特開2003−241032号公報(実施例1) 特開2004−27197号公報(実施例1) 特開平10−287717号公報(請求の範囲、第7段落、第60段落、各実施例)
従って、本発明の目的は、ガラス、金属、酸化珪素、窒化珪素、酸化アルミニウム、酸化錫、酸化チタン又はインジウム−錫酸化物等の無機材料に対する初期接着性が良好であるばかりでなく、塗工時にハジキが発生することがなく、薄膜の硬化膜を形成することが可能であり、更に湿式条件下でも良好な接着性を示す硬化型樹脂組成物を提供するものである。
本発明者等は、上記課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、特定範囲の分子量を持つウレタン(メタ)アクリレートと下記式(1)で表される特定構造の単官能(メタ)アクリレートと下記式(2)又は下記式(3)で表される分子内に環状構造を含む重合性化合物と分子内に重合性官能基を有するシリコーンオイルとを含有する硬化型樹脂組成物の硬化膜がガラス等の無機化合物に対する初期接着性及び湿式条件下における接着性に優れることを見出し、本発明を完成させた。
本発明者等は、上記の課題を解決する方法を検討するにあたり、当初は、ウレタン(メタ)アクリレートと下記式(1)の化合物と下記式(2)又は下記式(3)の化合物を含有する紫外線硬化型樹脂組成物を検討した。該組成物はガラス基板等の無機材料への初期接着性が比較的良好であった。その理由は、下記式(1)、下記式(2)及び下記式(3)で表される化合物がラジカル重合する場合に、分子構造中にアクリロイル基又はビニル基以外の部分にラジカル活性点が発生する確率が小さく、その為短い架橋点間分子量で三次元架橋することがなくなり、硬化膜の内部応力が小さくなることに起因すると推察している。特に、下記式(1)の化合物のエチレンオキシド鎖が長くなると、分子中の芳香族環によるブロック作用がエチレンオキシド鎖に及ばず、エチレンオキシド鎖中にもラジカル活性点が生じて、単官能モノマーであるにも拘わらず短い架橋点間分子量で3次元架橋を生ずる確率が大きくなる。その結果、硬化膜の内部応力が増して、ガラス基板への初期接着性が低下するものと推察する。
しかしながら、該組成物はガラス基板等の無機材料に塗工すると、塗工直後にハジキが生じやすく、薄い膜厚の硬化膜を形成することが困難であった。そこで、無機材料に対する濡れ性を向上させるため、ポリエーテル変性シリコーンオイルを添加したところ、ハジキの発生は防止できたがシリコーンオイル未添加の組成物と比較して、初期接着性の向上は見られず、湿式条件下における接着性に関しては何ら改善されることはなかった。そこで、本発明者等は、種々の材料を検討したところ、分子内に重合性官能基を有するシリコーンオイルを上記組成物に添加すると初期接着性がより一層向上し、更に、塗工時のハジキを防止でき、且つ湿式条件下でも良好な接着性を示す紫外線硬化型樹脂組成物を提供できることを見出した。分子内に重合性官能基を有するシリコーンオイルは、紫外線を照射することにより他のモノマーと反応してポリマー中に取り込まれ固定化されるため、硬化膜中から染み出したりせず、したがって、湿式条件下においても硬化膜と無機材料の界面における撥水性が低下することが無く、その結果、接着性の劣化が起きないものと推測する。
即ち、本発明は、
(A)数平均分子量が4000から14000のウレタン(メタ)アクリレート、
(B)式(1)
Figure 2006117826
(式中、Rは水素原子又はメチル基、Rは水素原子、ハロゲン原子又は芳香族炭化水素基で置換されていても良い炭素数1〜20のアルキル基を表し、nは1又は2である。)で表される化合物、
(C)式(2)
Figure 2006117826
(式中、Rは水素原子又はメチル基、Rは環状構造を含む炭素数5〜20の脂肪族炭化水素基を表す。)又は式(3)
Figure 2006117826
(式中、Rはビニル基又は(メタ)アクリロイル基、nは3〜10の整数を表し、式中の環状部は環を形成する原子として酸素原子、硫黄原子又は窒素原子を含んでいてもよいが、酸素原子、硫黄原子及び窒素原子の中から選択される異種又は同一の原子同士が互いに結合する構造となることはない。)で表される化合物、及び
(D)分子内に重合性官能基を有するシリコーンオイル
を含有する硬化型樹脂組成物を提供するものである。
また、本発明は、上記の硬化型樹脂組成物の硬化膜が表面に形成されたガラス基板を提供するものである。
更に、本発明は、上記の硬化型樹脂組成物の硬化膜により2枚の基板を貼り合わせた部品であって、前記2枚の基板の少なくとも一方の基板がガラス基板であることを特徴とする光学部品を提供するものである。
本発明の硬化型樹脂組成物は、ガラス、金属、酸化珪素、窒化珪素、酸化アルミニウム、酸化錫、酸化チタン又はインジウム−錫酸化物等の無機材料の薄膜等に対する接着性が良好であるばかりでなく、塗工時にハジキが発生することがなく、薄膜の硬化膜を形成することが可能である。更に湿式条件下でも良好な接着性を示す。そのため、本発明の硬化型樹脂組成物は、光学レンズ、光導波路、プリズム等の光学部品の接着剤、或いはガラスを使用した床材、貼り合わせガラス等のガラス建材用接着剤、ガラス基材表面の加工コーティング剤等として、非常に有用である。
以下に本発明の硬化型樹脂組成物について詳細に説明する。なお、本明細書中で(メタ)アクリル酸とは、アクリル酸またはメタクリル酸のことであり、アクリル酸またはメタクリル酸の誘導体についても同様である。
本発明で使用するウレタン(メタ)アクリレートは、数平均分子量が4000から14000のものであり、(a)ポリオール化合物、(b)ポリイソシアネート化合物、(c)水酸基含有(メタ)アクリレート化合物を反応させて得られるものである。数平均分子量としては、6000〜12000であることが好ましく、8000〜10000であることがより好ましい。
本発明において使用するポリオール化合物(a)は例えば、ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール化合物、ポリカプロラクトンポリオール、ポリカーボネート系ポリオール、その他ポリオール等を挙げることが出来る。
ポリエーテルポリオールとしては例えば、ポリエチレンポリオール、ポリプロピレンポリオール、ポリテトラメチレンポリオール、ポリヘプタメチレンポリオール、ポリヘキサメチレンポリオール、ポリデカメチレンポリオール、あるいは二種以上のイオン重合性の環状化合物を開環共重合させて得られるポリエーテルポリオール等がある。イオン重合性の環状化合物としては、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブテン−1−オキシド、イソブテンオキシド、3,3−ビスクロロメチルオキセタン、テトラヒドロフラン、2−又は3−メチルテトラヒドロフラン、ジオキサン、トリオキサン、テトラオキサン、シクロヘキセンオキシド、スチレンオキシド、エピクロルヒドリン、グリシジルメタクリレート、アリルグリシジルカーボネート、ブタジエンモノオキシド、イソプレンモノオキシド、ビニルオキセタン、ビニルテトラヒドロフラン、ビニルシクロヘキセンオキシド、フェニルグリシジルエーテル、ブチルグリシジルエーテル、安息香酸グリシジルエステル等の環状エーテル類が挙げられる。また、上記イオン性の重合性環状化合物と、エチレンイミン等の環状イミン類、p−プロピオラクトン、グリコール酸ラクチド等の環状ラクトン酸、あるいはジメチルシクロポリシロキサン類とを開環共重合させたポリエーテルジオールを使用することもできる。上記二種以上のイオン重合性環状化合物の具体的な組み合わせとしては、テトラヒドロフランとプロピレンオキシド、テトラヒドロフランと2−メチルテトラヒドロフラン、テトラヒドロフランと3−メチルテトラヒドロフラン、テトラヒドロフランとエチレンオキシド、プロピレンオキシドとエチレンオキシド、ブテンオキシドとエチレンオキシド等を挙げることができる。これらのイオン重合性環状化合物の開環共重合体はランダムに結合していてもよい。ここまでに述べたこれらのポリエーテルポリオールでの市販品としては、例えば、Acclaim2200、Acclaim3201、Acclaim4200、Acclaim6320、Acclaim8200、Acclaim12000(以上ARCOケミカル社製)、PTMG1000、PTMG2000(以上三菱化成工業社製)、PPG1000、EXCENOL2020、EXCENOL1020(以上旭オーリン社製)、PEG1000、ユニセーフDC1100、ユニセーフDC1800(以上日本油脂社製)、PPTG2000、PPTG1000、PTG400、PTG650、PTGL2000、PTGL4000(以上保土ヶ谷化学社製)、Z−4441−1、PBG2000A、PBG2000B、Z−3001−4、Z−3001−5、Z−3001−9、Z−3001−15(以上第一工業製薬社製)等の市販品としても入手することができる。
ポリエステルポリオールとしては、例えばエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、グリセリン、テトラメチレングリコール、ポリテトラメチレングリコール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、1,9−ノナンジオール等の多価アルコールとフタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、マレイン酸、フマル酸、アジピン酸、セバシン酸等の多塩基酸とを反応して得られるポリエステルポリオール等を挙げることができる。市販品としてはクラボールP−2010、PMIPA、PKA−A、PKA−A2、PNA−2000(以上クラレ社製)等が入手できる。
ポリカプロラクトンポリオールとしては、ε−カプロラクトンと、例えばエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、グリセリン、テトラメチレングリコール、ポリテトラメチレングリコール、1,2−ポリブチレングリコール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、1,4−ブタンジオール等のポリオールを反応させて得られるポリカプロラクトンジオールが挙げられる。これらのジオールは、プラクセル205、プラクセル205AL、プラクセル212、プラクセル212AL、プラクセル220、プラクセル220AK(以上ダイセル化学工業社製)等が市販品として入手することができる。
ポリカーボネート系ポリオールとしては、例えば1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、1,9−ノナンジオール、ジプロピレングリコール、ジブチレングリコール、ビスフェノールAの如きジオール化合物のエチレンオキサイド2〜6モル付加反応物;上記ジオール化合物とシュウ酸、マロン酸、コハク酸、アジピン酸、アゼライン酸、ヘキサヒドロフタル酸の如きジカルボン酸の反応成生物;上記ジオール化合物とε−カプロラクトン又はβ−メチル−δ−バレロラクトン付加反応物であるポリエステルジオール等をジオール成分とするポリカーボネートポリオール;これらのポリカーボネートポリオールの、エチレンオキサイド又はプロピレンオキサイド又はε−カプロラクトン又はβ−メチル−δ−バレロラクトン付加反応物であるポリエステルジオール等が挙げられる。市販品としては例えば、デスモフェン2020E(住友バイエルン社製)、DN−980、DN−981、DN−982、DN−983(以上日本ポリウレタン社製)、PC−8000(米国PPG社製)等が入手できる。
上記に含まれないポリオールも数多く使用でき、一例を挙げるとエチレングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、ビスフェノールAのエチレンオキサイド付加ジオール、ビスフェノールAのブチレンオキサイド付加ジオール、ビスフェノールFのエチレンオキサイド付加ジオール、ビスフェノールFのブチレンオキサイド付加ジオール、水添ビスフェノールAのエチレンオキサイド付加ジオール、水添ビスフェノールAのブチレンオキサイド付加ジオール、水添ビスフェノールFのエチレンオキサイド付加ジオール、水添ビスフェノールFのブチレンオキサイド付加ジオール、ジシクロペンタジエンのジメチロール化合物、トリシクロデカンジメタノール、ヒドロキシ末端ポリブタジエン、ヒドロキシ末端水添ポリブタジエン、ひまし油変性ポリオール、ポリジメチルシロキサンの末端ジオール化合物、ポリジメチルシロキサンカルビトール変性ポリオール等がある。
本発明で用いられるポリイソシアネート化合物(b)としては、例えば2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、1,3−キシリレンジイソシアネート、1,4−キシリレンジイソシアネート、水添キシリレンジイソシアネート、1,5−ナフタレンジイソシアネート、m−フェニレンジイソシアネート、p−フェニレンジイソシアネート、3,3’−ジメチル−4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、水添ジフェニルメタンジイソシアネート、4,4’−ビフェニレンジイソシアネート、1,6−ヘキサンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、メチレンビス(4−シクロヘキシルイソシアネート)、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、1,4−ヘキサメチレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート等が挙げられ、特に、2,4−トリレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、1,3−キシリレンジイソシアネート、水添キシリレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、水添ジフェニルメタンジイソシアネート等が好ましい。これらのポリイソシアネート化合物(B)は一種又は二種以上併用しても良い。
水酸基含有(メタ)アクリレート化合物(c)としては、例えば2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェニルオキシプロピル(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールモノ(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ(メタ)アクリロイルフォスフェート、4−ヒドロキシシクロヘキシル(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールモノ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールモノ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、トリメチロールエタンジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトール(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート等を挙げることができるが、塗膜内部応力を小さくし、ガラス基板への接着性を阻害しない為、(メタ)アクリレート基を1つ持つ化合物が好ましい。これらのうち、特に2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート等が好ましい。
本発明で用いられるウレタン(メタ)アクリレートは、上記のポリオール化合物(a)、ポリイソシアネート化合物(b)及び水酸基含有(メタ)アクリレート化合物(c)を反応させて、数平均分子量が4000〜14000となるように製造する。その場合、
1)ポリオール化合物(a)として数平均分子量が3500〜13500のものを選択し、両末端にポリイソシアネート化合物(b)更に水酸基含有(メタ)アクリレート化合物(c)を付加させる方法
2)ポリオール化合物(a)は4000以下の低分子量化合物を使用し、ポリイソシアネート化合物(b)との繰り返しで数平均分子量を3500〜13500の末端イソシアネート基中間物を合成し、最後に水酸基含有(メタ)アクリレート化合物(c)を付加させる方法
がある。
また、ウレタン(メタ)アクリレートは、硬化型樹脂組成物中に20質量%〜60質量%含有することが好ましい。上記範囲であると適度な塗膜強度及び適度な硬化速度が得られ、更に、硬化型樹脂組成物の粘度が適度となり、ガラス等の無機材料に対する接着性が良好となる。
前記ウレタン(メタ)アクリレート以外にも、若干量のウレタン(メタ)アクリレート、ポリエステル(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリロイルオキシ基を有する化合物を併用しても良いが、分子量の小さい化合物はガラス基板への接着性を劣化させる傾向がある。
本発明で使用する式(1)で表される化合物の具体例としては、エチレンオキシド(n=1又は2)変性クレゾール(メタ)アクリレート、エチレンオキシド(n=1)変性トリブロモフェニル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、フェノキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、ノニルフェノキシエチレングリコール(n=1〜2)(メタ)アクリレート、パラクミルフェノキシエチレングリコール(n=1〜2)(メタ)アクリレート等がある。市販品としては、アロニクスM−101、アロニクスM−101A、アロニクスM−111、アロニクスM−110(以上東亞合成社製)、NKエステルAMP−10G、NKエステルAMP−20GY、NKエステルPHE−1G、NKエステルA−CMP−1E、NKエステルCMP−1E(以上新中村化学社製)、ニューフロンティアPHE、ニューフロンティアPHE−2、ニューフロンティアCEA、ニューフロンティアNP−2等が挙げられる。この中では、フェノキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、ノニルフェノキシエチレングリコール(n=1〜2)(メタ)アクリレートが好ましい。
本発明で使用する式(1)で表される化合物は、硬化型樹脂組成物中に20質量%〜60質量%含有することが好ましい。上記範囲であると硬化型樹脂組成物の塗工時の粘度を適切に調整することができる。また、該組成物の硬化速度を良好にすることができ、強靱、且つガラス等の無機材料への接着性が良好な硬化膜を得ることができる。
本発明で使用する式(2)で表される化合物の具体的な例としては、シクロペンチル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、シクロノニル(メタ)アクリレート、シクロデシル(メタ)アクリレート、シクロドデシル(メタ)アクリレート、シクロラウリル(メタ)アクリレート、シクロステアリル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、トリシクロデカニル(メタ)アクリレート等がある。
また、式(3)で表される化合物の具体的な例としては、N−ビニルピロリドン、N−ビニルカプロラクタム等がある。
上記式(2)及び式(3)で表される化合物は、硬化膜の無機材料に対する密着性の向上に好ましい化合物であり、これらは組成中に好ましくは5〜35質量%、特に好ましくは8〜30質量%の範囲で使用される。使用量が上記範囲であると無機材料への接着性が良好となる。また、硬化膜が劣化したり、脆くなり難く、吸水率を低くすることができる。
上記式(2)及び式(3)で表される化合物以外にも、無機材料に対する接着性を阻害しない範囲で、他の単官能(メタ)アクリレートモノマー、多官能(メタ)アクリレートモノマーを併用することも可能であるが、配合量としては、0質量%〜15質量%とすることが好ましい。
単官能(メタ)アクリレートモノマーとしては、例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、アミル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、ペンチル(メタ)アクリレート、イソアミル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、ヘプチル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ノニル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート、イソデシル(メタ)アクリレート、ウンデシル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、オクタデシル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、ブトキシエチル(メタ)アクリレート、エトキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、メトキシエチレングリコール(メタ)アクリレート、エトキシエトキシエチル(メタ)アクリレート、メトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート、ジアセトン(メタ)アクリルアミド、イソブトキシメチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、t−オクチル(メタ)アクリルアミド、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、7−アミノ−3,7−ジメチルオクチル(メタ)アクリレート、N,N−ジエチル(メタ)アクリルアミド、N,N’−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリロイルモルホリン等を挙げることができる。
多官能(メタ)アクリレートモノマーとしては、例えば、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、エチレンオキシド変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、プロピレンオキシド変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、エチレンオキシド変性ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、プロピレンオキシド変性ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレートトリ(メタ)アクリレート、トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレートジ(メタ)アクリレート、トリシクロデカンジメタノールジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAのジグリシジルエーテルに(メタ)アクリレートを付加させたエポキシ(メタ)アクリレート、等が挙げられる。
更に、本発明の硬化型樹脂組成物は、分子内に重合性官能基を有するシリコーンオイルを含有する。分子内に重合性官能基を有するシリコーンオイルは硬化型樹脂組成物に配合する他の成分との相溶性に優れ、該組成物を無機材料の表面に塗工する際の濡れ性に及び該組成物が硬化した際の接着性を優れたものにする。分子内に重合性官能基を有しないシリコーンオイル等、例えば、ポリエーテル変性シリコーンオイルの場合、湿式条件下では、塗膜中でマイグレーションが起こり、界面の疎水化を阻害し無機材料への接着性の劣化を起こし易い。一方、分子内に重合性官能基を有するシリコーンオイルは、紫外線を照射することにより他のモノマーと反応してポリマー中に取り込まれ固定化されるため、硬化膜中から染み出したりしない。
本発明で使用する分子内に重合性官能基を有するシリコーンオイルとしては、種々の構造の化合物を使用することができるが、下記式(4)、(5)及び(6)で表される化合物を使用することが好ましい。中でも、下記式(4)で表される化合物を使用することがより好ましい。
Figure 2006117826
(式中、Aはアクリロイル基、Mはポリエステル骨格を構造中に含む2価の基、Lは炭素数4〜20の芳香族又は脂肪族炭化水素基を表し、n、m及びxはそれぞれ独立的に1〜20の整数である。)
Figure 2006117826
(式中、Aはアクリロイル基、Qはエチレンオキサイド又はプロピレンオキサイドがランダム或いはブロック状に連なったポリエーテル構造の2価の基を表し、n、m及びxはそれぞれ独立的に1〜20の整数である。)
Figure 2006117826
(式中、Zは、1〜6個の式(7)
Figure 2006117826
(式中、Aはアクリロイル基、Qはエチレンオキサイド又はプロピレンオキサイドがランダム或いはブロック状に連なったポリエーテル構造の2価の基を表す。)で表される基と1〜100個の式(8)
Figure 2006117826
で表される基がランダム又はブロック状に連なった基を表す。)
重合性基を持つポリエーテル変性シリコーンオイルの市販品としては、例えば、BYK−UV3570、BYK−UV3530、BYK−UV3500(以上ビックケミー社製)、EFKA83(エフカケミカルズ社製)、Tego Rad2100、Tego Rad2200N、Tego Rad2250、Tego Rad2500、Tego Rad2600、Tego Rad2700(以上デグサ社製)、ADDID320(ワッカーケミカル社製)等が挙げられる。
本発明の硬化型樹脂組成物は、熱又は活性エネルギー線、或いはその両方によって硬化されるものである。ここで活性エネルギー線とは、赤外線、可視光線、紫外線及びX線、電子線、α線、β線、γ線のような電離放射線を意味する。
本発明の硬化型樹脂組成物を熱硬化させる場合には、通常ラジカル重合開始剤が用いられ、このラジカル重合開始剤としては、例えば過酸化物、アゾ化合物を挙げることができ、具体例としては、ベンゾイルパーオキサイド、t−ブチル−オキシベンゾエート、アゾビスイソブチロニトリル等を挙げることができる。
また、本発明の硬化型樹脂組成物を紫外線硬化させる場合には、光重合開始剤及び必要に応じてさらに光増感剤が用いられる。このような光重合開始剤としては、例えば1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、4−ベンゾイル−4’−メチルジフェニルサルファイド、カルバゾール、3−メチルアセトフェノン、4−クロロベンゾフェノン、4,4’−ジメトキシベンゾフェノン、4,4’−ジアミノベンゾフェノン、ミヒラーケトン、ベンゾインプロピルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンジルジメチルケタール、1−(4−イソプロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、チオキサントン、ジエチルチオキサントン、2−イソプロピルチオキサントン、2−クロロチオキサントン、2−メチル−1−〔4−(メチルチオ)フェニル〕−2−モルホリノ−プロパン−1−オン、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキサイド等を挙げることができる。特に、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキサイドが、365nm以上の長波長側に感光域を持ちながら、比較的着色が小さいことから好ましい。これらの光重合開始剤は、組成物全体に対して1〜10質量%配合するのが好ましい。また、光増感剤としては、トリエチルアミン、N−メチルジエタノールアミン、4−ジメチルアミノ安息香酸、4−ジメチルアミノ安息香酸エチル、4−ジメチルアミノ安息香酸イソアミル等の三級アミン化合物が挙げられる。
本発明の硬化型樹脂組成物には、添加剤としてシランカップリング剤を含有することが好ましい。湿式条件下では、塗膜とガラス等の無機材料の界面に水分の侵入があり、接着性を弱くする為、シランカップリング剤にて界面を疎水化することにより、本来硬化型樹脂組成物の硬化膜が持っている無機材料への接着性が、湿式条件下でも保持される様にすることが好ましい。シランカップリング剤としては、例えば、ビニルメトキシシラン、ビニルエトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、γ−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−クロロプロピルトリエトキシシラン、p−スチリルトリメトキシシラン等が挙げられる。特に、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン等のチオール系シランカップリング剤及びγ−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン等の(メタ)アクリロイル系シランカップリング剤の添加が好ましい。
また、添加剤としてシランカップリング剤と同等の機能を有するシリコーンアルコキシオリゴマーを代替えしても良い。これは、シランカップリング剤のアルコキシ基を部分的に加水分解縮合化することにより、オリゴマー化したもので、残アルコキシ基がシランカップリング剤と同様の反応をする為に、上記と同様に無機材料への接着性が、湿式条件下でも保持される様になる。
上記以外の各種添加剤、例えば酸化防止剤、着色剤、紫外線吸収剤、光安定剤、熱重合禁止剤、保存安定剤、可塑剤、滑剤、溶剤、フィラー、老化防止剤等を必要に応じて配合することもできる。
本発明の硬化型樹脂組成物は、前記各成分を加熱混合攪拌等の常法により混合して製造することができる。
本発明の硬化型樹脂組成物の硬化層を表面に形成する方法としては、スピンコート、ロールコート、平版印刷、フレキソ印刷等の塗膜形成手段を用いて、ガラス等の基板上に塗膜を形成した後、(熱硬化の場合)基板を加熱処理して硬化させるか、又は(紫外線硬化の場合)紫外線を照射し、硬化させる。また、本発明の硬化型樹脂組成物を用いて、ガラス基板等を貼り合わせ接着する方法としては、基板上にディスペンサ等を用いて硬化型樹脂組成物を適量滴下し、気泡が入らない様に、貼り合わせ基板を貼り合わせた後、(熱硬化の場合)貼り合わせ基板を加熱処理して硬化接着させるか、又は、(紫外線硬化の場合)ガラス基板或いは貼り合わせ基板を通して、紫外線を照射して、硬化接着させる。場合によっては、紫外線硬化と加熱処理を併用しても良い。
本発明の硬化型樹脂組成物を紫外線硬化させるために用いる紫外線照射の方法としては、一般的な連続光照射以外に、閃光照射方式を使用してもよい。その際のランプとしては、メタルハライドランプ、高圧水銀ランプ、超高圧水銀ランプ、キセノンランプ等が使用できる。
以下、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
(ウレタンアクリレートオリゴマー(UA1)合成)
攪拌機、冷却器、窒素ガス導入管を備えた反応容器に、数平均分子量8000のポリプロピレングリコール(Arco ケミカル社Acclaim 8200)1モル、トルエン−2,4−ジイソシアネート(三井武田ケミカル社TDI−100)2モル、触媒としてジブチル錫ジラウレートの微量を仕込んだ。70℃で反応を行い、イソシアネート濃度が仕込み濃度の1/2なったことを確認した。次に、ヒドロキシエチルアクリレート(大阪有機化学工業社HEA)2モルを、重合禁止剤として、t−ブチルハイドロキノンを微量及びジブチル錫ジラウレートを微量加え、更に70℃でイソシアネート基がほぼ無くなるまで反応させて、数平均分子量8580のウレタンアクリレートオリゴマー(UA1)を得た。
(ウレタンアクリレートオリゴマー(UA2)合成)
上記合成例にて、数平均分子量8000のポリプロピレングリコール(Arco ケミカル社Acclaim 8200)を数平均分子量4000のポリプロピレングリコール(Arco ケミカル社Acclaim 4200)に変えた以外は、同様の手順にて、数平均分子量4580のウレタンアクリレートオリゴマー(UA2)を得た。
(ウレタンアクリレートオリゴマー(UA3)合成)
上記合成例にて、数平均分子量8000のポリプロピレングリコール(Arco ケミカル社Acclaim 8200)を数平均分子量3000のポリプロピレングリコール(Arco ケミカル社Acclaim 3201)に変えた以外は、同様の手順にて、数平均分子量3580のウレタンアクリレートオリゴマー(UA3)を得た。
<実施例1〜8および比較例1〜6>
(1)硬化型樹脂組成物の調製
表1及び表2に示した組成により、実施例および比較例の各硬化型樹脂組成物を調製した。調製は、200mlSUSビーカーに各原料を約100質量部配合し、70℃ホットプレート上にて加熱溶解した。
(2)試験・評価方法
≪塗工時のハジキの有無、及び初期ガラス基板接着性試験≫
上記、実施例及び比較例の各組成物の溶解を確認後、25℃恒温水槽中にて、硬化型樹脂組成物の粘度を測定した。それを基に、ガラス基板上に膜厚約50μmになるように塗布し、120W/cmのメタルハライドランプを用いて光量0.5J/cm(アイグラフィックス(株)製紫外線光量計UVPF−36)の紫外線を照射し、窒素中にて硬化させた。23±3℃,50±10%RHの環境で24時間放置した後、JISK−5400−1990の碁盤目−セロファンテープ(商標:ニチバン(株))法による接着性試験を行った。評価は、碁盤目の総数100に対してガラス板上に残った塗膜のます目の数で表し、残ったます目が多いほど接着性が良いことを示す。なお、塗工後の塗膜を目視観察し、ハジキの有無を検査した。
≪60℃温水浸漬直後のガラス基板接着性試験≫
上記塗膜形成ガラス基板を60℃温水中に24時間放置した後、上記と同様に、碁盤目−セロファンテープ(商標:ニチバン(株))法による接着性試験を行った。上記、初期と60℃温水浸漬直後の接着性試験を基に、総合評価を行った。評価基準は次のようである。即ち、初期、60℃温水浸漬直後共に100/100の場合は、○(接着性・良好)とし、それ以外は、×(接着性・不良)とした。
Figure 2006117826
Figure 2006117826
表1及び表2中の略号は、以下の化合物を示す。
M1:ノニルフェノキシエチレングリコールアクリレート
(東亞合成社製アロニクスM−111)
M2:フェノキシジエチレングリコールアクリレート
(東亞合成社製アロニクスM−101A)
M3:パラクミルフェノキシエチレングリコールアクリレート
(新中村化学工業社製NKエステルA−CMP−1E
M4:ノニルフェノールEO変性(n=4)アクリレート
(東亞合成社製アロニクスM−113)
M5:ノニルフェノールPO変性(n=2.5)アクリレート
(東亞合成社製アロニクスM−117)
M6:テトラヒドロフルフリルアクリレート
(大阪有機化学工業社製ビスコート#150)
M7:アクリロイルモルホリン(興人社製ACMO)
M8:イソボルニルアクリレート(大阪有機化学工業社製IBXA)
M9:N−ビニルカプロラクタム(ISPジャパン社製V−Cap/RC)
M10:EO変性(n=3)トリメチロールプロパントリアクリレート
(MIWON社製ミラマーM−310)
E1:2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン
(MIWON社製M−CURE BK−6)
E2:2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキサイド
(BASF社製ルシリンTPO)
F1:アクリロイル基含有ポリエーテル変性シリコーンオイル
(ビックケミー社製BYK UV−3570;前記式(4)で表される化合物)
F2:非反応性ポリエーテル変性シリコーンオイル
(日本ユニカー社製シルウェットL−7002)
G1:γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン
(信越化学工業社製KBM−803P)
G2:アクリロイル基含有シリコーンアルコキシオリゴマー
(信越化学工業社製X−40−2672)
表1及び表2から、実施例1,3,4は、数平均分子量8580を持つウレタンアクリレートオリゴマーであり、かつ特定単官能モノマーを32質量%、N−ビニルカプロラクタム又はイソボルニルアクリレートを9.4質量%含む硬化型樹脂組成物であり、初期及び60℃温水浸漬後でも、硬化塗膜はガラス基板への良好な接着性を示すことが判る。これを数平均分子量4580のウレタンアクリレートオリゴマーに変えても同様である(実施例2)。実施例5は、特定単官能モノマーの構造を変えた場合であり、同様に硬化塗膜はガラス基板への良好な接着性を示した。実施例6は、N−ビニルカプロラクタムとイソボルニルアクリレートを合計30質量%含有させた場合であり、同様に硬化塗膜はガラス基板への良好な接着性を示した。実施例7は、実施例1の光重合開始剤を2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノンから2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキサイドに変更した場合であり、同様に硬化塗膜はガラス基板への良好な接着性を示した。実施例8は、シランカップリング剤をチオール系シランカップリング剤からアクリロイル基含有シリコーンアルコキシオリゴマーに変更したものであり、同様に硬化塗膜はガラス基板への良好な接着性を示した。
一方、比較例1は、実施例1のウレタンアクリレートオリゴマーを数平均分子量3580のウレタンアクリレートオリゴマーに変えた場合であり、初期はガラス基板への接着性は良好なものの60℃温水浸漬後の接着性は、剥離が見られた。比較例2,3は、N−ビニルカプロラクタム及びイソボルニル(メタ)アクリレートを含有しない場合であり、初期はガラス基板への接着性は良好なものの60℃温水浸漬後の接着性は、剥離が見られた。比較例4,5は、それぞれ特定単官能モノマーのアルキレンオキシド変性の平均付加モル数がそれぞれ4モル、2.5モルのものであり、上記と同様に、60℃温水浸漬後のガラス接着性は、剥離が見られた。比較例6は、レベリング剤としてのシリコーンオイルを重合性基を持ったものから非反応性のものに変更した場合である。これは、初期からガラス基板への接着性が不十分であった。
<貼り合わせ基板の作製>
上記実施例1〜8の硬化型樹脂組成物を5cm角の青ガラス基板上に約0.13g滴下し、その後別の青ガラス基板を貼り合わせた。その貼り合わせた基板を120W/cmのメタルハライドランプを用いて青ガラス基板透過光の光量が、0.5J/cm(アイグラフィックス(株)製紫外線光量計UVPF−36)の紫外線を照射し、硬化させた。
上記ガラス貼り合わせ基板を100℃オーブン中に10日間放置した後に外観観察を行った処、実施例1〜8の硬化型樹脂組成物で貼り合わせたガラス基板は剥離等が見られず、良好な貼り合わせ状態を維持し、剥離しようとしても容易に剥離出来ない状態であった。
<プラスチック基板への接着性評価>
上記実施例1〜8の硬化型樹脂組成物を下記に示すプラスチック基板上に膜厚約50μmになるように塗布し、120W/cmのメタルハライドランプを用いて光量0.5J/cm(アイグラフィックス(株)製紫外線光量計UVPF−36)の紫外線を照射し、窒素中にて硬化させた。その後、硬化塗膜の上からカッターナイフでクロス状に切れ目を入れ、セロファンテープ(商標:ニチバン(株))法による接着性試験を行った。その結果、実施例1〜8の硬化型樹脂組成物の硬化塗膜はプラスチック基板から剥離しようとしても容易に剥離出来ない状態であり、良好な接着性を示すことが判った。
アクリル基板(三菱レイヨン社製アクリライトL)
ポリカーボネート基板(筒中プラスチック社製EC−100)
アクリル−ポリスチレンシート(大日本インキ化学工業社製クリアパクトTS-20)
ポリエチレンテレフタレートフイルム(東レ社製ルミラー50−T60)

Claims (5)

  1. (A)数平均分子量が4000から14000のウレタン(メタ)アクリレート、
    (B)式(1)
    Figure 2006117826
    (式中、Rは水素原子又はメチル基、Rは水素原子、ハロゲン原子又は芳香族炭化水素基で置換されていても良い炭素数1〜20のアルキル基を表し、nは1又は2である。)で表される化合物、
    (C)式(2)
    Figure 2006117826
    (式中、Rは水素原子又はメチル基、Rは環状構造を含む炭素数5〜20の脂肪族炭化水素基を表す。)又は式(3)
    Figure 2006117826
    (式中、Rはビニル基又は(メタ)アクリロイル基、nは3〜10の整数を表し、式中の環状部は環を形成する原子として酸素原子、硫黄原子又は窒素原子を含んでいてもよいが、酸素原子、硫黄原子及び窒素原子の中から選択される異種又は同一の原子同士が互いに結合する構造となることはない。)で表される化合物、及び
    (D)分子内に重合性官能基を有するシリコーンオイル
    を含有する硬化型樹脂組成物。
  2. 更に、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン又は2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイドを含有する請求項1記載の硬化型樹脂組成物。
  3. 更に、分子内にメルカプト基又は(メタ)アクリロイル基を有するシリコーンアルコキシオリゴマー又はシランカップリング剤を含有する請求項1又は2のいずれかに記載の硬化型樹脂組成物。
  4. 請求項1、2又は3のいずれかに記載の硬化型樹脂組成物の硬化膜が表面に形成されたガラス基板。
  5. 請求項1、2又は3のいずれかに記載の硬化型樹脂組成物の硬化膜により2枚の基板を貼り合わせた部品であって、前記2枚の基板の少なくとも一方の基板がガラス基板であることを特徴とする光学部品。
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