JP2006117451A - 補修用セメント組成物及び補修工法 - Google Patents

補修用セメント組成物及び補修工法 Download PDF

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一行 水島
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昭俊 荒木
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Abstract

【課題】 高炉徐冷スラグを含有した補修用セメント組成物を表面コテ仕上げ及び吹付け施工に使用しコンクリート構造物の耐久性を向上させるものであり、さらに、施工性の向上を目的とする補修工法を提供すること。
【解決手段】 セメント、骨材、粘調剤、短繊維、セメント用ポリマー及び高炉徐冷スラグを含有してなる吹付け用セメント組成物。さらに、超微粉末物質や膨張材を含有してなる前記補修用セメント組成物。また、吹付けまたはコテ塗りによりコンクリート表面に薄塗り後、繊維シートを取付けさらにその上に前記補修用セメント組成物を吹付けまたはコテ塗りする補修工法。前記補修用セメント組成物と圧搾空気を吹付けノズル先端から30m以下の位置で混合して、前記補修用セメント組成物を吹付ノズルから吹付けることを特徴とする補修工法である。また、前記補修用セメント組成物を用いて補修したコンクリート構造物である。
【選択図】 なし

Description

本発明は、主に、土木・建築業界において適用されるコンクリート構造物の補修に使用される補修用セメント組成物及び補修工法に関する。
なお、本発明で云うモルタルとは、セメント等に細骨材を混合したモルタル及び必要に応じて粗骨材を混合したコンクリートを総称したものである。
近年、鉄筋コンクリート構造物において、二酸化炭素による中性化や塩化物イオンの浸透による塩害が進行し、鉄筋が腐食したコンクリート構造物からコンクリート片が剥落する事故が相次いでいる。このような事故を未然に防止する目的で剥落防止工が行われている(特許文献1参照)。
しかしながら、従来の剥落防止工に用いられる表面被覆材(防錆剤を混ぜたモルタル等)は、物質遮断性を有するものではなく、すなわち、二酸化炭素や塩素イオンの透過を抑止するものではなく、コンクリート構造物の劣化防止の観点から充分に延命化を図れるものではなかった。そのため、コンクリート構造物の耐久性を飛躍的に向上させる表面被覆材や剥落防止工法の開発が強く求められている。
特開2004−52413号公報
一方、海洋・港湾構造物を中心に予防保全計画が進められている。これは、重要構造物のライフサイクルを考慮し、劣化する前に予防処置を施すという考え方に基づいている。予防保全のための手法はまだ確立していないが、既存のコンクリート構造物に表面被覆材を施工する方法により構造物の延命化を図るものであり、予防保全の観点からも、コンクリート構造物の耐久性を飛躍的に向上させる表面被覆材の開発が強く求められている。
本発明者は、鋭意検討を重ねた結果、高炉徐冷スラグを含有した特定の補修用セメント組成物を使用することにより、上記課題を解決できる知見を得て本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、セメント、骨材、粘調剤、短繊維、セメント用ポリマー及び高炉徐冷スラグを含有してなる吹付け用セメント組成物であり、さらに、超微粉末物質を含有してなる前記補修用セメント組成物であり、さらに、膨張材を含有してなる前記補修用セメント組成物である。また、吹付けまたはコテ塗りによりコンクリート表面に薄塗り後、繊維シートを取付けさらにその上に前記補修用セメント組成物を吹付けまたはコテ塗りする補修工法であり、前記補修用セメント組成物と圧搾空気を吹付けノズル先端から30m以下の位置で混合して、前記補修用セメント組成物を吹付ノズルから吹付けることを特徴とする補修工法である。また、前記補修用セメント組成物を用いて補修したコンクリート構造物である。
本発明の補修用セメント組成物及び補修工法を使用することにより、二酸化炭素や塩素イオンの透過を抑止し中性化や塩害を抑え、コンクリート構造物の耐久性を飛躍的に向上させるばかりか、強度発現性や施工性が良好であり、さらに、吹付け時のリバウンド、粉塵量を低減でき、作業性の良好なコンクリートの表面コテ仕上げ及び吹付け施工ができる。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明は、高炉徐冷スラグを含有した補修用セメント組成物(以下、モルタルという)を表面コテ仕上げ、及び吹付け施工に使用しコンクリート構造物の耐久性を向上させるものであり、さらに、施工性の向上を目的とする補修工法を提供するものである。
本発明で使用するセメントとしては、特に限定されるものではなく、普通、早強及び中庸熱等の各種ポルトランドセメント、これらポルトランドセメントに高炉スラグ又はフライアッシュ等を混合した各種混合セメント、並びに、通常市販されている各種微粒子セメント、エコセメントが挙げられる。中でも、経済性や作業性が良く、スランプロスが少ない点で、普通ポルトランドセメントが好ましい。
本発明で使用する骨材としては、粗骨材や細骨材いずれも使用できるが、既設コンクリートの補修用に使用でき、かつ、既設コンクリートへ吹付けた際にリバウンドしにくい点で、細骨材率(容積%)が70〜100%の骨材が好ましく、100%の骨材がより好ましい。骨材の品質は、安定性が高く、密度が2.5cm/g以上のものが好ましい。細骨材としては、川砂、山砂、石灰砂、及び珪砂等が使用でき、粗骨材としては、川砂利、山砂利、及び石灰砂利等が使用でき、最大骨材寸法は10mm下が好ましい。
本発明のモルタルの配合は、C/S(セメント/骨材比:質量比)=1/1〜1/4が好ましく、1/1.5〜1/3がより好ましい。1/1未満では吹付けたモルタルにクラックが入りやすくなるおそれがあり、1/4を越えると単位セメント量が少なくなり、W/C(水/セメント比:質量比)が上がり、短・長期強度が低いばかりか、ポンプ圧送性が悪くなり、吹付けし難くなる場合がある。
本発明で使用する粘調剤は、モルタルの粘度を調整するもので、特に限定されるものではないが、一般に水溶性高分子物質と呼ばれているもので、メチルセルロース(MC)、カルボキシルメチルセルロース(CMC)、ポリビニルアルコール(PVA)及びアクリル酸及びポリエチレンオキサイド(PEO)等が挙げられ、既設コンクリート等と吹付けモルタルの吹付け時の付着性向上、リバウンド低減及びモルタル圧送性の向上を目的に使用される。
粘調剤の使用量は、通常、セメント100質量部に対して、0.01〜1質量部が好ましく、0.05〜0.5質量部がより好ましい。0.01質量部未満では既設コンクリート等と吹付けモルタルの吹付け時の付着性向上、リバウンド低減及びモルタル圧送性の向上が期待できない場合があり、1質量部を超えると、その効果の向上が期待できないばかりか経済的でない場合がある。
粘調剤の混合方法は、特に限定されるものではないが、予めセメントと混合、若しくは水に溶解等して混合することが好ましい。
本発明で使用する短繊維は、モルタルの靭性を向上させ、モルタルの剥落による落下等を防ぐため使用されるもので、短繊維として無機質や有機質いずれも使用できる。無機質の繊維としては、ガラス繊維、炭素繊維、ロックウール、石綿、セラミック繊維、及び金属繊維等が挙げられ、有機質の繊維としては、ビニロン繊維、ポリエチレン繊維、ポリプロピレン繊維、ポリアクリル繊維、セルロース繊維、ポリビニルアルコール繊維、アラミド繊維、パルプ、麻、木毛、及び木片等が挙げられる。これらの中では、混合性、作業性、耐久性、耐衝撃性、経済性の点で、金属繊維やビニロン繊維及びポリプロピレン繊維が好ましい。
短繊維の長さは、モルタル圧送性や混合性及び施工性等の点で、20mm以下が好ましく、6〜12mmがより好ましい。20mmを超えると圧送中にモルタルが閉塞する場合があり、モルタル表面の見栄えが悪くなる。
短繊維の使用量は、モルタル(水も含む)100容積部中、0.1〜3容積部以下が好ましく、0.1〜1.5容積部以下がより好ましい。0.1容積部未満だと耐衝撃性や弾性の向上の効果が小さい場合があり、3容積部を超えると、モルタルの混練り不良や圧送性の低下等の問題が発生する場合があり、経済的でない。
本発明で使用するセメント用ポリマー(以下、ポリマーという)としては、水性ポリマーディスパージョン、再乳化形粉末樹脂、水溶性ポリマー、液状ポリマーが挙げられ、特に限定されるものではない。水性ポリマーディスバージョンとしては、天然ゴムラテックスやアクリルゴム、スチレン・ブタジエンゴム(SBR)、クロロプレンゴム(CR)等の合成ゴムラテックスやエチレン・酢酸ビニル共重合体(EVA)、ポリアクリル酸エステル(PAE)等の樹脂エマルジョン等が挙げられる。ポリマーの形態としては、再乳化型粉末タイプや液体タイプ等があり、モルタルのリバウンド低減や既設コンクリートとの付着性の向上、耐久性向上のため使用される。
ポリマーの使用量は、セメント100質量部に対して、固形分換算で1〜15質量部が好ましくは、3〜10質量部がより好ましい。1質量部未満では既設コンクリート等と吹付けモルタルの吹付け時の付着性向上、リバウンド低減及びモルタルの耐久性の向上が期待できない場合があり、15質量部を超えると、その効果の向上が期待できないばかりか経済的でない場合がある。
ポリマーの混合方法は、特に限定されるものではないが、粉体の場合は、予めセメントと混合、若しくは混練り時に他の材料と同時投入するか水に懸濁又は溶解して混合する方法等が好ましく、液体の場合は、混練り時に他の材料と同時投入するか、水に混合して使用する方法等が好ましい。
本発明で使用する高炉徐冷スラグは、高炉で熔解したものが徐冷されて結晶化した高炉スラグである。
高炉徐冷スラグの成分は、高炉水砕スラグと同様の組成を有しており、具体的には、SiO、CaO、Al、及びMgO等を主要な化学成分とし、その他、TiO、及びFe等が挙げられる。また、化合物としては、ゲーレナイト2CaO・Al・SiOとアケルマナイト2CaO・MgO・2SiOの混晶であるメリライトを主成分とする。
本発明で使用する高炉徐冷スラグのガラス化率は、30%以下が好ましく、10%以下がより好ましい。ガラス化率が30%を超えると、本発明の効果、すなわち、二酸化炭素や塩素イオンの透過を抑止し、モルタルの中性化の抑えが充分に得られない場合がある。
本発明でいうガラス化率(X)は、X(%)=(1−S/S0)×100として求められる。ここで、Sは粉末X線回折法により求められる徐冷スラグ中の主要な結晶性化合物であるメリライト(ゲーレナイトとアケルマナイトの混晶)のメインピークの面積であり、S0は徐冷スラグを1000℃で3時間加熱し、その後、5℃/分の冷却速度で冷却したもののメリライトのメインピークの面積を表す。
高炉徐冷スラグの粉末度は、通常、ブレーン比表面積で2000〜8000cm/g程度の範囲にあるものが好ましく、3000〜7000cm/g程度のものがより好ましい。ブレーン比表面積が2000cm/g未満では、二酸化炭素や塩化物イオンの透過を抑止してモルタルの中性化や塩害を抑える効果が弱まり、また、8000cm/gを超えて粉砕するには粉砕動力が大きくなり不経済であり、また、高炉徐冷スラグが風化しやすくなり品質の経時的な劣化が大きくなる傾向がある。
高炉徐冷スラグの使用量は、通常、セメントと高炉徐冷スラグの合計100質量部に対して、10〜67質量部が好ましく、25〜50質量部がより好ましい。10質量部未満ではモルタルの中性化や塩害の抑止が充分に得られない場合があり、67質量部を超えると、その効果の向上が期待できない場合があるばかりか強度発現が低い場合がある。
本発明で使用する超微粉末物質(以下超微粉と言う)は、特に制限されるものではないが、例えば、金属シリコンやフェロシリコン合金等を製造する際に副生するシリカフューム、溶融シリカを製造する際に副生するシリカダスト、超微粉砕したスラグ及びベントナイト等が挙げられる。それらの平均粒子径は、10μm以下のものが好ましく、1μm以下のものがより好ましい。超微粉は、モルタルをポンプ圧送したときの材料分離防止と、吹付けたモルタルのリバウンド低減、剥落防止のため使用される。
超微粉の使用量は、通常、セメント100質量部に対して、1〜15質量部が好ましく、3〜10質量部がより好ましい。1質量部未満ではモルタルの材料分離防止、リバウンド低減の期待が出来ない場合があり、15質量部を超えると、その効果の向上が期待できない場合がある。
超微粉の混合方法は、特に限定されるものではないが、予めセメントと混合か好ましく、若しくは水と混合してスラリーとして混合しても良い。
膨張材は、市販の何れも使用可能であるが、カルシウムアルミサルホネート系や生石灰系等のものが挙げられ、モルタルの収縮低減のため用いられる。
膨張材の使用量は、単位セメント量により変動するが、通常、セメント100質量部に対して、1〜10質量部が好ましく、3〜7質量部がより好ましい。1質量部未満ではモルタルのひび割れ防止の期待が出来ない場合があり、10質量部を超えると、その効果の向上が期待できないばかりか異常膨張の原因となる場合がある。
膨張材の混合方法は、特に限定されるものではないが、予めセメントと混合しておくのが好ましい。
本発明で使用する水の量は、水と、セメント、超微分及び膨張材からなる結合材との水結合材比(W/B:質量比)で35〜60%が好ましく、40〜50%がより好ましい。35%未満だとモルタルの流動性が悪く、ポンプ圧送性に支障をきたす場合があり、60%を超えると強度発現性が低下する場合がある。
本発明では、モルタルの性状を改善する目的で、減水剤やAE剤等の各種混和剤を併用してもよい。
本発明のモルタルは、通常、既設コンクリートの断面修復する表面に厚さ1〜3mm程度に吹付けかコテで薄塗りを行った後、繊維シートを貼り付けその上にさらに前記モルタルを吹付けかコテ塗りを行い断面補修仕上げ行う。モルタルの施工厚さは凹凸部により若干変動するが、通常3〜20mm程度が好ましい。3mm以下では剥落防止効果が弱く、また、モルタルの中性化の問題が起こる可能性があり、20mmを超えても、大幅な効果改善は期待できなく、経済的でない。
本発明で使用する繊維シートとしては、ニ軸、三軸何れの繊維シートも使用可能であるが、既設コンクリートの凹凸に対しての追従性が有り、繊維の引張強度が高いビニロン繊維シート及びアクリル繊維シートが好ましい。繊維シートのメッシュサイズは8〜15mm程度で、メッシュ間隔は6〜10mm程度、厚みは1mm以下が好ましい。
本発明で使用する吹付けにおける圧搾空気との混合方法としては、例えば以下の方法が挙げられる。モルタルを圧送するポンプ、例えばスクイズポンプ、ピストンポンプ、及びスネークポンプ等により、10MPa以下の圧力でモルタルを圧送して、吹付ノズル先端から手前の位置、好ましくは吹付ノズル先端から30m以下、より好ましくは10m以下の位置で、モルタルと圧搾空気を混合して吹付けモルタルを調製し、この吹付けモルタルを補修吹付け材料として、補修個所に吹付ける方法が挙げられる。30mを越えると圧送管内での圧搾空気の圧力損失が大きく、モルタルが圧送管内で閉塞し、圧送が低下、若しくは圧送不良となる場合がある。
なお、圧搾空気は、1Mpa以下、好ましくは0.4〜0.7Mpaの圧力で、ホースを経由してY字管又はシャワーリングへ圧送され、Y字管又はシャワーリングから吐出してモルタルと混合し、吹付けモルタルとしてコンクリートの表面仕上げ及び断面修復に吹付けられるものである。
以下、実験例に基づき詳細に説明する。
実験例1
セメント75質量部、細骨材130質量部、粘調剤0.1質量部、短繊維1容積部(モルタル100容積部中)、ポリマー10質量部(固形分換算)、超微粉4質量部、膨張材4質量部とし、高炉徐冷スラグの使用量を表1に示すように変え、W/B(セメント、高炉徐冷スラグ、微粒分、膨張材含:質量比)=48%、からなるモルタルを調製し、ハンドミキサーで混練り後、40×40cmのコンクリート版表面に厚さ1mmでモルタルをコテ均しした後、所定材齢で圧縮強度試験と中性化試験を実施した。結果を表1に示す。
(使用材料)
セメント:普通ポルトランドセメント、市販品、比重3.16
高炉徐冷スラグ:化学組成(質量%)SiO31.7%、CaO39.5%、Al14.8%、ガラス化率5%、ブレーン比表面積6000cm/g
細骨材:新潟県青海町産石灰砂、比重2.67、最大骨材寸法0.6mm
粘調剤:メチルセルロース、市販品
短繊維:ビニロン繊維、市販品、L=12mm
ポリマー:スチレン・ブタジエンゴム(SBR)ラテックス、市販品
超微粉:シリカフューム、市販品、平均粒子径1μm以下
膨張材:アウイン系、市販品
(測定方法)
中性化試験:打設4週後、温度30℃、湿度60%、CO濃度5%で4週間中性化促進養生による。モルタルの破断面にフェノールフタレインアルコール溶液を塗布し、赤色に変化しない領域を中性化領域とした。
塩素イオン浸透試験:打設4週後、海水(JIS 6205に準拠、NaCl4.5g/L、MgCl11.1g/L、NaSO4.1g/L、KCl0.7g/Lを含んだ人工海水)に4週間浸漬した後、モルタルの破断面に0.1mol/Lの硝酸銀を塗布し、白色に変化した領域を塩素イオンの浸透した領域とした。
圧縮強度:JIS R 5201「セメントの物理試験方法」による。
Figure 2006117451
表1より、本発明のモルタル(補修用セメント組成物)は、中性化及び塩素イオンの浸透が抑制されていることが判る。
実験例2
実験例1の高炉徐冷スラグの使用量を25質量部とし、表2に示すように高炉徐冷スラグの粉末度と種類を変えたこと以外は、実験例1と同様に行った。結果を表2に示す。
Figure 2006117451
表2より、本発明のモルタル(補修用セメント組成物)は、中性化が抑制されていることが判る。
実験例3
実験例1の高炉徐冷スラグの使用量を25質量部とし、表3に示すように粘調剤の使用量を変えて、実験例1と同様にモルタルを調製しコンクリート表面にモルタルをコテ均しした後、所定材齢で付着強度の試験を実施した。また、施工性の評価も実施した。結果を表3に示す。
(測定方法)
付着強度:JHS 416「コンクリートとの付着試験」による。
施工性:コテによる均し状態を△・・伸びが悪い、○・・普通、◎・・良好、で表す。
Figure 2006117451
表3より、本発明のモルタル(補修用セメント組成物)は、施工性が良好で、付着強度が高く剥離し難いことが判る。
実験例4
実験例3の粘調剤の使用量を0.1質量部とし、表4に示すようにポリマー(固形分換算)の使用量を変えたこと以外は、実験例3と同様に行った。結果を表4に示す。
Figure 2006117451
表4より、本発明のモルタル(補修用セメント組成物)は、施工性が良好で、付着強度が高く剥離し難いことが判る。
実験例5
実験例3の粘調剤の使用量を0.1質量部とし、表5に示すように超微粉の使用量を変えた以外は、実験例3と同様に行った。この結果を表5に示す。
Figure 2006117451
表5より、本発明のモルタル(補修用セメント組成物)は、施工性が良好で、付着強度が高く剥離し難いことが判る。
実験例6
実験例1の高炉徐冷スラグの使用量を25質量部とし、表6に示すように膨張材の使用量を変え、実験例1と同様にモルタルを調製しモルタルの表面状態を観察した。結果を表6に示す。
(測定方法)
表面状態:30×30cmの平版コンクリートにモルタルを厚さ5mmに塗付け、表面をコテで均した後20℃、湿度60%の室内に1週間放置し、表面の亀裂発生状態を観察した。
○・・・・亀裂無し
△・・・・亀裂が1本
×・・・・亀裂が2本以上
Figure 2006117451
表6より、本発明のモルタル(補修用セメント組成物)は、モルタル表面に亀裂が発生し難く、外観が良好であることが判る。
実験例7
実験例1の高炉徐冷スラグの使用量を25質量部とし、実験例1と同様にモルタル(実験No.1-3)を調製し、ハンドミキサーで混練り後、40×40cmのコンクリート版表面に厚さ1mmでモルタルをコテ均しした後、表7に示す繊維シートをモルタルに押さえつけ、さらに前記モルタルを厚さ3mmでコテ均しを行い、材齢28日に押し抜き試験を実施した。結果を表7に示す。
(使用材料)
繊維シートA:ニ軸ビニロン繊維(目幅6mm)、市販品
繊維シートB:ニ軸ビニロン繊維 (目幅8mm)、市販品
繊維シートC:三軸ビニロン繊維 (目幅8mm)、市販品
繊維シートD:ニ軸ビニロン繊維 (目幅9mm)、市販品
繊維シートE:ニ軸アラミド繊維 (目幅9mm)、市販品
(測定方法)
押抜き試験:「はく落防止の押抜き試験方法」(JHS 424による)
・規格1.5KN以上(変位10mm以上における最大荷重)
・U型コンクリート蓋(400×600×60mm)中央部裏面をφ100mmで55mmの深さにコアを行い(5mm残す)、表面に実施例1の方法でモルタルを塗付け、材齢28日で裏面より押し抜き試験を実施する。
Figure 2006117451
表7より、本発明の繊維シートを使用した補修工法によりモルタル(補修用セメント組成物)の押抜き強度は高く、剥離し難いことが判る。
実験例8
繊維シートA:ニ軸ビニロン繊維(目幅6mm)を使用し、表8に示すように短繊維の使用量(モルタル100容積部中)を変えたこと以外は、実験例7と同様に行った。結果を表8に示す。
Figure 2006117451
表8より、本発明の繊維シートを使用した補修工法によりモルタル(補修用セメント組成物)の押抜き強度が高く、剥離し難いことが判る。
実験例9
実験例1の高炉徐冷スラグの使用量を25質量部とし、実験例1と同様にモルタル(実験No.1-3)を調製し、ダマカットミキサ(50L)で混練りして調製した。このモルタルをスクイズポンプで圧送し、先端8mmφの吹付けノズルの表9に示した混合位置で吹付けノズルシャワーリングから強制的に圧搾空気(0.7MPa)をモルタルに吹き込み(1.2m/h)、モルタルをコンクリート壁に吹付け(O.3m/h)た。なお、圧送ホースは1.5インチφの耐圧ホースを使用し、エアーホースは1/2インチφのホースを使用した。
モルタルと圧搾空気の混合位置を変えて吹付けたモルタルの測定結果を表9に示す。なお、圧搾空気の導入は、混合位置が1m未満ではシャワーリングで行い、1m以上ではY字管を使用して行った。
Figure 2006117451
表9より、本発明のモルタル(補修用セメント組成物)及び補修工法を使用すると、吹付けモルタルのリバウンド率と付着性が良好であることが判る。
本発明の補修用セメント組成物及び補修工法を使用することにより、二酸化炭素や塩素イオンの透過を抑止し中性化や塩害を抑え、コンクリート構造物の耐久性を飛躍的に向上させるばかりか、強度発現性や施工性が良好であり、さらに、吹付け時のリバウンド、粉塵量を低減でき、作業性の良好なコンクリートの表面コテ仕上げ及び吹付け施工ができるため、老朽化したコンクリート構造物の補修に極めて有用である。

Claims (6)

  1. セメント、骨材、粘調剤、短繊維、セメント用ポリマー及び高炉徐冷スラグを含有してなる補修用セメント組成物。
  2. さらに、超微粉末物質を含有してなる請求項1記載の補修用セメント組成物。
  3. さらに、膨張材を含有してなる請求項1又は2項記載の補修用セメント組成物。
  4. 請求項1〜3のいずれか1つに記載の補修用セメント組成物を吹付けまたはコテ塗りによりコンクリート表面に薄塗り後、繊維シートを取付けさらにその上に前記補修用セメント組成物を吹付けまたはコテ塗りすることを特徴とする補修工法。
  5. 請求項1〜3のいずれか1つに記載の補修用セメント組成物と圧搾空気を吹付けノズル先端から30m以下の位置で混合して、前記補修用セメント組成物を吹付ノズルから吹付けることを特徴とする補修工法。
  6. 請求項1〜3のいずれか1つに記載の補修用セメント組成物を用いて補修したコンクリート構造物。
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