JP2006111458A - 2層カーボンナノチューブの製造方法および2層カーボンナノチューブ含有組成物 - Google Patents

2層カーボンナノチューブの製造方法および2層カーボンナノチューブ含有組成物 Download PDF

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Kenichi Sato
謙一 佐藤
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【課題】 直径が細くかつ均一な2層カーボンナノチューブを効率よく合成することを可能にする2層カーボンナノチューブの製造方法及びこの方法で得られる2層カーボンナノチューブ含有組成物を提供する。
【解決手段】 (1)窒素吸着法による比表面積測定で300m2 /g以上を示すこと、(2)窒素吸着法による細孔分布測定で、細孔径が1〜10nmの領域に少なくとも一つ以上のピークを有すること、(3)空気中800℃焼成前後のX線回折においてピーク強度の変化率が5%以下であることの3要件全てを満たす材料に金属触媒を担持させ、600〜950℃でアルコールと接触させることにより2層カーボンナノチューブを主成分とするカーボンナノチューブを製造する。
【選択図】 なし

Description

本発明は、2層カーボンナノチューブの製造方法及び2層カーボンナノチューブ含有組成物に関し、さらに詳しくは、直径が細くかつ均一な2層カーボンナノチューブを効率よく合成することを可能にする2層カーボンナノチューブの製造方法およびその製造方法から得られた2層カーボンナノチューブ含有組成物に関する。
カーボンナノチューブは、グラファイトの1枚面を巻いて筒状にした形状を有しており、1層に巻いたものを単層カーボンナノチューブ、2層に巻いたものを2層カーボンナノチューブ、多層に巻いたものを多層カーボンナノチューブという。カーボンナノチューブは、高い機械的強度および高い導電性を有することから、燃料電池やリチウム2次電池用負極材として、また、樹脂、金属や有機半導体との複合材料からなる高強度樹脂、導電性樹脂、透明導電フィルム、金属電解粉、電磁波シールド材などの材料として期待されている。
さらに、L/D(長さ/直径の比)が大きく、直径は数nmであることから、走査型トンネル顕微鏡用プローブ、電界電子放出源、太陽電池素子、ナノピンセットの材料として期待されている。また、ナノサイズの空間を有することから、水素などの吸着材料、医療用ナノカプセル、MRI造影剤の材料として期待されている。いずれの用途の場合にも、高純度のカーボンナノチューブが要求されており、カーボンナノチューブとしては直径の細い単層や2層のカーボンナノチューブが有利であり、グラファイト層の欠陥が少ない方が特性的に優れている。
従来、カーボンナノチューブの製造方法として、アーク放電法、レーザー蒸発法、化学気相成長法などが知られている(非特許文献1参照)。なかでも、グラファイト層に欠陥の少ない高品質なカーボンナノチューブを安価に製造する方法として、触媒化学気相成長法が知られている(非特許文献2参照)。さらに触媒化学気相成長法によれば、カーボンナノチューブの層数を、単層、2〜5層に制御して製造することができることが知られている(非特許文献3参照)。
上記触媒化学気相成長法の好ましい方法として、触媒を単体に担持して行う方法が知られ(非特許文献4参照)、その担体としては酸化物がよく用いられる。しかし、カーボンナノチューブの物性を均一にするように制御することが難しく、特に直径が細くかつ均一な2層カーボンチューブを効率よく合成することは非常に困難であった。
斉藤弥八、坂東俊治[著]「カーボンナノチューブの基礎」、株式会社コロナ社、p17、23、47 ケミカル・フィジックス・レターズ(Chemical Physics Letters 303(1999),117-124 ケミカル・フィジックス・レターズ(Chemical Physics Letters 360(2002),229-234 田中一義[編]「カーボンナノチューブ−ナノデバイスへの挑戦」、株式会社化学同人、p74−76
本発明の目的は、直径が細くかつ均一な2層カーボンナノチューブを効率よく合成する
ことを可能にする2層カーボンナノチューブの製造方法およびそれ得られる2層カーボンナノチューブ含有組成物を提供することにある。
本発明の他の目的は、個々の2層カーボンナノチューブ中に屈曲構造を含みにくく、直線性に優れた2層カーボンナノチューブを効率よく合成することを可能にする2層カーボンナノチューブの製造方法およびそれ得られる2層カーボンナノチューブ含有組成物を提供することにある。
本発明のさらに他の目的は、カーボンナノチューブを含有する純度が高い2層カーボンナノチューブ含有組成物を効率よく合成することを可能にする2層カーボンナノチューブの製造方法およびそれ得られる2層カーボンナノチューブ含有組成物を提供することにある。
上記目的を解決する本発明の2層カーボンナノチューブの製造方法は、下記(1)から(3)の要件を全て満たす材料を担体として該担体上に金属触媒を担持させ、600〜950℃でアルコールと接触させることにより2層カーボンナノチューブを主成分とするカーボンナノチューブを製造することを特徴とするものである。
(1)窒素吸着法による比表面積測定で300m2 /g以上を示すこと。
(2)窒素吸着法による細孔分布測定で、細孔径が1〜10nmの領域に少なくとも一つ以上のピークを有すること。
(3)空気中800℃焼成前後のX線回折においてピーク強度の変化率が5%以下であること。
また、本発明の2層カーボンナノチューブ含有組成物は、下記(1)〜(4)の要件を全て満たすことを特徴とするものである。
(1)透過型電子顕微鏡で任意に選択した100本のカーボンナノチューブのうち、80本以上が2層カーボンナノチューブであること。
(2)透過型電子顕微鏡で任意に選択した2層カーボンナノチューブ中の屈曲部間距離の平均が100nm以上であること。
(3)共鳴ラマン散乱測定により、1560〜1600cm-1の範囲内で最大のピーク強度をG、1310〜1350cm-1の範囲内で最大のピーク強度をDとしたとき、G/Dの比が10以上であること。
(4)元素分析による金属含有率が1重量%以下であること。
本発明によれば、上記のように金属触媒を担持させる担体を、比表面積が300m2 /g以上で2〜10nmの領域に少なくとも一つのピークを持ち、かつ空気中800℃焼成前後のX線回折においてピーク強度の変化率が5%以下である材料とし、600〜950℃でアルコールと接触させることによって、カーボン純度が高く、かつ直径が細くて均一な2層カーボンナノチューブを効率よく合成することができる。また、本発明によれば、個々の2層カーボンナノチューブ中に屈曲構造を含みにくく、直線性に優れた2層カーボンナノチューブを得ることができる。
本発明で用いる担体の比表面積および細孔分布は、液体窒素温度での窒素の物理吸着から求めることができる。BET法として知られる手法を用い、減圧下に置いた担体に窒素を徐々に投入し、0〜大気圧の窒素の吸着等温線をとり、大気圧まで到達したら徐々に窒素を減らしていき、窒素の脱着等温線をとるようにすればよい。本手法により求めた比表面積が300m2 /g以上であれば、その担体は多孔質であることを示し、外表面上に触
媒粒子を担持しやすいことを意味する。
細孔径が1から10nmの領域を含むメソポーラス部分の細孔径分布を求めるためには、通常、脱着等温線を使用して計算する。細孔径分布を求める理論式としては、ドリモア−ヒール(Dollimore-Heal)法(以下、D−H法と略称する。)が知られている。本発明で定義する細孔径分布は窒素の脱着等温線からD−H法で求めたものである。
一般に細孔径分布は、横軸に細孔径をとり、縦軸にΔVp/ΔRpをとることで求められるが、本発明における細孔容量は、このグラフの面積から求めることができる。ここにRpは細孔の半径を表し、Vpは吸着した窒素を液化させた場合の体積を表す。ΔVp/ΔRpは、好ましくは1000以上である。細孔分布測定で1〜10nmの領域に少なくとも一つ以上のピークを有することで、その担体がメソポアを有することを意味し、メソポア径に近い大きさの金属粒子を担持しやすいことを意味する。
本発明で使用する担体が、空気中800℃焼成前後のX線回折においてピーク強度の変化率が5%以下であるとは、乾燥空気の雰囲気中で800℃で30分間焼成した時、その焼成前後において室温で粉末X線回折(XRD)を行った時、その担体の任意の2本のピークを取り出して、そのピーク強度比の変化率が5%以下であることをいう。ピーク強度比は、測定サンプルの調製により、変化する場合があるので注意を要する。
実質的構造変化の有無は、窒素雰囲気中で5℃/分で昇温して800℃まで示差熱分析(DTA)を行ったとき、600〜800℃までに発熱ピークが現れるかどうかでも判断することができる。すなわち、600〜800℃の範囲に発熱ピークがないものは、800℃まで実質上構造変化はないと判断できる。
600℃以降にDTA曲線が一度上に上がってから下に下がり、そのピークが800℃以前にある場合は、発熱ピークが現れるという。ピークかどうか判断が付かない場合は、曲線の登りはじめと、下がりきったところを結んでベースラインとし、そのベースラインからの垂線と曲線が交わったところで一番長いところを選び、その長さがノイズの高さの5倍以上の長さがある場合をピークという。また、その交点のところの温度を読みとり、発熱曲線のピークとする。
本発明において担体は特に限定されないが、シリカ、アルミナ、マグネシア、チタニア、ゼオライトが好ましく用いられ、各酸化物はメソポアを有するメソポーラス材料を形成していてもよい。
ここでメソポーラス材料とは、2〜50nm程度の直径を有する細孔を持つ材料である。界面活性剤と無機物質の協奏的な自己組織化により合成される。メソポーラス材料は、大きい比表面積と高い安定性など、触媒や吸着剤としての優れた基本物性を有する。この様な材料のメソポーラス細孔は、担体上でカーボンナノチューブを合成する際に金属担持する細孔として有用である。代表的物質としてメソポーラスシリカが挙げられる。メソポーラスシリカの結晶構造は特に限定されないが、例えば、モービル社が開発したヘキサゴナル構造をもつMCM−41、キュービック構造をもつMCM−48、層状すなわちラメラ構造をもつMCM−50があり、特に規則的な六角形の細孔が平行に配列したMCM−41構造が好んで用いられる。
また、ゼオライトとは、分子サイズの細孔径を有する結晶性無機酸化物からなるものである。ここに分子サイズとは、世の中に存在する分子のサイズの範囲であり、一般的には、0.2nmから2nm程度の範囲を意味する。さらに具体的には、結晶性シリケート、結晶性アルミノシリケート、結晶性メタロシリケート、結晶性メタロアルミノシリケート
、結晶性アルミノフォスフェート、あるいは結晶性メタロアルミノフォスフェート等で構成された結晶性マイクロポーラス物質のことである。
結晶性シリケート、結晶性アルミノシリケート、結晶性メタロシリケート、結晶性メタロアルミノシリケート、結晶性アルミノフォスフェート、結晶性メタロアルミノフォスフェートとしては、特に種類は制限されないが、例えば、アトラス オブ ゼオライト ストラクチュア タイプス(マイヤー、オルソン、バエロチャー、ゼオライツ、17(1/2)、1996)(Atlas of Zeolite Structure types(W. M. Meier, D. H. Olson, Ch.
Baerlocher, Zeolites, 17(1/2),1996))に掲載されている構造をもつ結晶性無機多孔性物質が挙げられる。また、本発明におけるゼオライトは、本文献に掲載されているものに限定されるものではなく、近年次々と合成されている新規な構造を有するゼオライトも含む。好ましい構造は、入手が容易なFAU型、MFI型、MOR型、BEA型、LTL型、LTA型であるが、これに限定されない。
ゼオライトは、その骨格が4面体の中心にSi又はAlやチタン等のヘテロ原子(Si以外の原子)、4面体の頂点に酸素を有するシリケート構造を有している。従って、4価の金属がその4面体構造の中心に入るのが最も安定であり、耐熱性が期待できる。したがって、理論的にはAl等の3価の成分を実質的に含まないか、或いは少ないゼオライトが耐熱性が高い。これらの製造法としては、従来公知の水熱合成法などで直接合成するか、後処理で3価の金属を骨格から抜く方法が好んで用いられる。
ゼオライトに酸またはアルカリ処理を施して、メソポーラス細孔を形成してもよい。
酸処理とは、酸化物を酸に接触させる処理であり、使用する酸は特に限定されないが、フッ化水素酸、硫酸、塩酸、硝酸またはこれら混合物が好ましい。
酸処理よる酸化物のメソポーラス細孔形成法は特に限定されない。例えば0.01〜1.00Mの酸の水溶液中に、1〜100gの酸化物を含浸し、0〜100℃で充分に攪拌して分散混合した後、水洗し、50〜200℃で乾燥することによりメソポーラス細孔を形成することができる。
また、アルカリ処理とは、酸化物にアルカリを接触させて、メソポーラス細孔を形成する方法であり、いくつかのアルカリによる処理を挙げることができる。使用するアルカリは特に限定されないが、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化セシウム、水酸化バリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウムまたはこれら混合物が好ましい。特に、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムが好ましい。
アルカリ処理による酸化物のメソポーラス細孔形成法は特に限定されない。例えば0.01〜1.00Mのアルカリの水溶液中に、1〜100gの酸化物を含浸し、0〜100℃で充分に攪拌して分散混合した後、水洗し、50〜200℃で乾燥することによりメソポーラス細孔を形成することができる。
本発明において、担体材料がチタン、ホウ素、ジルコニウムから選ばれる少なくとも一つをケイ素との原子比で0.01以上含むことが好ましい。担体にチタン、ホウ素、ジルコニウムから選ばれる少なくとも一つを含むことで、担体上に担持された金属触媒と担体との相互作用で触媒活性を制御することができ、生成する2層カーボンナノチューブの物性を制御しやすい。ホウ素、ジルコニウムから選ばれる少なくとも一つとケイ素との原子比は0.01以上が好ましい。この比率が0.01以下では、担体の触媒活性に及ぼす影響が小さい。一方、この比率が0.1以上では、逆に触媒活性を抑制する効果が働き、2層カーボンナノチューブの合成量が低減する。このため、ホウ素、ジルコニウムから選ばれる少なくとも一つとケイ素との原子比は0.01以上、0.1以下が好ましく用いられ
る。
次に担体に金属を担持する方法を説明する。
金属の種類は、特に限定されないが、3〜12族の金属、特に好ましくは、5〜11族の金属が用いられる。中でも、V,Mo,Mn,Fe,Co,Ni,Pd,Pt,Rh、W、Cu等が特に好ましく、さらに好ましくは、Fe,Co,Ni,Mo,Mnが用いられる。ここで金属とは、0価の状態とは限らない。反応中では0価の金属状態になっていると推定できるが、広く金属を含む化合物又は金属種という意味で解釈してよい。また金属は微粒子であることが好ましい。微粒子とは粒径が0.5〜10nmであることが好ましい。金属が微粒子であると細いカーボンナノチューブが生成しやすい。
金属は1種類だけを担持させても、2種類以上を担持させてもよいが、好ましくは、2種類以上を担持させるようにした方がよい。2種類の金属を担持させる場合は、Fe,Co,Ni,Mo,Mnを含むことが特に好ましい。
担体に対する金属の担持方法は、特に限定されない。例えば、担持したい金属の塩を溶解させた非水溶液中(例えばエタノール溶液)又は水溶液中に、酸化物を含浸し、充分に分散混合した後、乾燥させ、窒素、水素、不活性ガスまたはその混合ガス又は真空中で高温(300〜600℃)で加熱することにより、酸化物に金属を担持させることができる(含浸法)。
金属担持量は、多いほどカーボンナノチューブの収量が上がるが、多すぎると金属の粒子径が大きくなり、生成するカーボンナノチューブが太くなる。金属担持量が少ないと、担持される金属の粒子径が小さくなり、細いカーボンナノチューブが得られるが、収率が低くなる傾向がある。最適な金属担持量は、担体の細孔容量や外表面積、担持方法によって異なるが、担体に対して0.1〜20重量%の金属を担持することが好ましい。2種類以上の金属を使用する場合、その比率は限定されない。
このようにして得られた金属を担持した酸化物に、600〜950℃でアルコールを接触させ、2層カーボンナノチューブを製造する。触媒とアルコールとを接触させる温度は、600〜950℃であり、好ましくは700℃〜900℃の範囲がよい。温度が600℃よりも低いと、カーボンナノチューブの収率が悪くなり、また温度が950℃よりも高いと、使用する反応器の材質に制約があると共に、カーボンナノチューブ同士の接合が始まり、カーボンナノチューブの形状のコントロールが困難になる。
アルコールとして、例えばメタノール若しくはエタノール、プロパノール、ブタノールが好んで用いられる。これらの中でも、特にエタノールが最も好ましいアルコールである。
触媒にアルコールを接触させる工程の圧力は1000Pa以下であり、かつアルコールの分圧は1Pa以上100Pa以下であることが好ましい。触媒にアルコールを接触させる工程の圧力が1000Paより高いと、2層カーボンナノチューブの収率が著しく低下し、好ましくない。また、アルコールの分圧が1Paより低いと2層カーボンナノチューブの収率が著しく低下し、また100Paより高くては多層カーボンナノチューブの生成が促進されるため好ましくない。
触媒と炭素含有化合物との接触のさせ方は、特に限定されない。例えば、管状炉に設置された石英製、アルミナ製等の耐熱性の反応管内に、上述した触媒を置き、減圧、加熱下にアルコールガスを流すことにより達成することができる。触媒とアルコールの接触方法
は、上記のような方法のほかに、触媒を噴霧する方法、触媒を攪拌しながら接触させる方法であってもよい。
本発明の製造方法により得られるカーボンナノチューブ含有組成物は、以下の要件を満たしていることが特徴である。
すなわち、透過型電子顕微鏡で任意に選択した100本のカーボンナノチューブ中、80本以上が2層カーボンナノチューブである。その測定方法は、例えば、透過型電子顕微鏡で100万倍で観察し、150nm四方の視野の中で視野面積の10%以上がカーボンナノチューブで、かつ複数の視野中から任意に抽出した100本のカーボンナノチューブ中の80本以上が2層カーボンナノチューブであり、上記測定を10箇所について行った平均値で評価する。
また、本発明では、透過型電子顕微鏡で任意に選択した100本の2層カーボンナノチューブ中、80本以上がその外径が1.5から4.0nmの範囲内にある。その測定方法は、例えば、透過型電子顕微鏡で100万倍で観察し、複数の視野中から任意に抽出した100本の2層カーボンナノチューブの外径を測定し、80本以上がその外径が1.5から4.0nmの範囲内にあり、上記測定を10箇所について行った平均値で評価する。
また、本発明では、2層カーボンナノチューブを合成するための反応場に供給するガス中の水素濃度が100ppm以下である。水素は触媒表面を清浄化する作用があるものの、同時に高温で触媒のシンタリングを促進する。本発明のように炭素原料にアルコールを用いた場合、アルコール自体に触媒を清浄化する作用があることから、水素添加効果はシンタリング効果のみが優先するため、好ましくない。
また、本発明では、触媒を担持するメソポーラス材料が基板の上に製膜されていることを特徴とするものである。ここで、基板の種類は特に限定されるものではないが、メソポーラス材料を塗布する面は1mm2 以上あることが好ましく、1cm2 以上あることがさらに好ましい。その材質としては、ガラス、石英ガラス、シリコン、金属、酸化物が挙げられる。基板上へのメソポーラス材料の製膜方法は特に限定されないが、例えば、粉末状に合成したメソポーラス材料を後からコーティングしてもよいし、基板上にその場合成してもよい。この製膜されたメソポーラス材料上に2層カーボンナノチューブを合成することで、2層カーボンナノチューブ基板を得ることができる。
また、本発明では、2層カーボンナノチューブが基板から垂直方向に実質的に配向成長していることを特徴とする。基板から垂直方向に実質的に配向成長していることは、例えば、基板断面の電子顕微鏡写真から、任意に選んだ2層カーボンナノチューブの上端と下端を結んだ直線と基板表面とが形成する角度を10本以上について平均し、その結果が90°±10°であることをいう。配向成長することで、フィールドエミッションディスプレイや太陽電池として良好な電子放出特性を示す。
また、本発明で得られるカーボンナノチューブ組成物は、下記(1)〜(4)の要件を全て満たしている2層カーボンナノチューブ含有組成物であることを特徴とする。
(1)透過型電子顕微鏡で任意に選択した100本のカーボンナノチューブ中、80本以上が2層カーボンナノチューブであること。
(2)透過型電子顕微鏡で任意に選択した2層カーボンナノチューブ中の屈曲部間距離の平均が100nm以上であること。
(3)共鳴ラマン散乱測定により、1560〜1600cm−1の範囲内で最大のピーク強度をG、1310〜1350cm−1の範囲内で最大のピーク強度をDとしたとき、G/Dの比が10以上であること。
(4)元素分析による金属含有率が1重量%以下であること。
ここで、2層カーボンナノチューブ中の屈曲部とは、カーボンナノチューブのグラファイト構造中に炭素5員環と7員環が存在することによる屈曲をいい、図1の高分解能透過型電子顕微鏡写真で示す通り、カーボンナノチューブが長さ方向の途中で折れ曲がった状態になって観察される部分のことをいう。
本発明の2層カーボンナノチューブ含有組成物では、高分解能透過型電子顕微鏡で選んだ任意の2層カーボンナノチューブについて屈曲部から屈曲部までの距離の平均を求め、それを10本以上の2層カーボンナノチューブについて平均した結果が、100nm以上である。屈曲部から屈曲部までの距離が長ければ長いほど、2層カーボンナノチューブの直線性は向上し、導電性、熱伝導性が高い2層カーボンナノチューブとなる。屈曲部間距離は長いほど好ましいため、300nm以上が好ましく、500nm以上がさらに好ましく、1μm以上が最も好ましい。
また、本発明による2層カーボンナノチューブ含有組成物は、ラマン分光法により評価が可能である。ラマンスペクトルにおいて1590cm-1付近に見られるラマンシフトはグラファイト由来のGバンドと呼ばれ、1350cm-1付近に見られるラマンシフトはアモルファスカーボンやグラファイトの欠陥に由来のDバンドと呼ばれる。このG/D比が高いほどグラファイト化度が高く、高品質なカーボンナノチューブを意味する。本発明にある2層カーボンナノチューブは、そのG/D比が10以上である。より好ましくは15以上、最も好ましくは20以上である。
また、本発明による2層カーボンナノチューブ含有組成物は、元素分析による金属含有率が1重量%以下であるものをいう。金属含有率が高いと、ポリマーへ添加する用途、および医療医薬用途において異物となったり、人体へ悪影響を及ぼすことが懸念される。本発明による2層カーボンナノチューブの合成法では、触媒金属は担体と2層カーボンナノチューブの界面に存在することから、後述の通り、その界面で2層カーボンナノチューブを切断することで、容易に2層カーボンナノチューブと金属触媒を分離することができる。金属含有率は低いほど好ましく、より好ましくは0.5重量%以下、最も好ましくは0.1重量%以下である。
また、本発明のカーボンナノチューブ含有組成物は、合成したままの状態で利用してもよいが、好ましくは担体材料や触媒金属を除いて使用した方がよい。担体材料や触媒金属は、酸などで取り除くことができる。例えば、担体としてゼオライト、触媒金属としてコバルトを使った場合には、フッ化水素酸でゼオライトを、塩酸でコバルトを取り除くことができる。また、水酸化ナトリウム水溶液でもゼオライトを取り除くことができる。さらに、有機溶媒と水との2液を用いた分離方法で、ゼオライトおよびコバルトとカーボンナノチューブを分離して個別に回収することもできる。また、触媒金属の量を高度に取り除きたい場合には、焼成処理を行ってから酸で処理するとよい。それは、金属がグラファイトなどの炭素化合物で覆われているため、一度触媒周りの炭素を焼きとばしてから酸処理すれば、金属を効率よく除去することができるからである。
本発明の2層カーボンナノチューブ含有組成物は、電子放出材料として有用である。例えば、本発明のカーボンナノチューブ含有組成物をフィールドエミッションの電子源に用いた場合、直径が細く、電荷の集中が起こりやすいので、印加電圧を低く抑えることができる。
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、下記の実施例は例示のために示すものであって、いかなる意味においても、本発明を限定的に解釈するものとして使用しては
ならない。
実施例1
(MCM−41の合成)
セチルトリメチルアンモニウムブロマイド(CTAB:アルドリッチ製)3.64gと、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド(TMAOH:アルドリッチ製)1.45gを35℃のイオン交換水28.8mlに加えた後に、ヒュームドシリカ(アルドリッチ製)2.4gを加え1時間撹拌した。20時間エージング後に、オートクレーブに移し、150℃で48時間、または96時間、水熱合成した。水熱合成後に生成物をろ取、洗浄後に550℃で8時間焼成後に、800℃で1時間焼成した。以後、48時間合成品をMCM−41(48)、96時間合成品をMCM−41(96)と略す。
次に、セチルトリメチルアンモニウムブロマイド(CTAB:アルドリッチ製)3.64gと、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド(TMAOH:アルドリッチ製)1.45gを35℃のイオン交換水28.8mlに加えた後に、MCM−41(48)2.4gを加え1時間撹拌した。20時間エージング後に、オートクレーブに移し、150℃で140時間、水熱合成した。水熱合成後に生成物をろ取、洗浄後に550℃で8時間焼成後に、800℃で1時間焼成した。以後、本サンプルを2MCM−41(140)と略し、また上記MCM−41(48)、MCM−41(96)と合わせた3サンプルを総称してMCM−41と表記する。
(MCM−41の細孔径分布測定)
合成したMCM−41を用いて窒素吸着量測定装置(日本ベル製 BELSOAP36)により液体窒素温度(77K)で窒素吸着量を測定し、その脱着曲線のデータよりD−H法で細孔径分布を求めた。その結果を図2に示す。
図2において、Rpは、細孔の半径を表し、Vpは吸着した窒素を液化させた場合の体積を表す。細孔分布のピーク位置は、MCM−41(48)では3.48nm、MCM−41(96)では3.48nm、2MCM−41(140)では4.19nmであった。比表面積は、MCM−41(48)では829m2 /g、MCM−41(96)では833m2 /g、2MCM−41(140)では903m2 /gであった。
(MCM−41への金属塩の担持)
硝酸鉄・9水和物(関東化学社製)0.03gと硝酸コバルト・6水和物(関東化学社製)0.17gとをエタノール(関東化学社製)15mlに溶解した。この溶液に、MCM−41を1.4g加え、超音波洗浄機で30分間処理し、60℃及び120℃の恒温下でエタノールを除去して乾燥した。その後空気中、400℃で1時間加熱し、MCM−41粉末に金属塩が担持された固体触媒を得た。
(2層カーボンナノチューブを含有する組成物の合成)
内径32mmの石英管の中央部の石英ウール上に、上記で調製した固体触媒1.0gをとり、アルゴンガスを600cc/分で供給した。石英管を電気炉中に設置して、中心温度を800℃に加熱した(昇温時間60分)。800℃に到達した後、反応管内を真空引きし、10Pa以下になったことを確認後に、エタノール蒸気を100Paの圧力になるように20分間導入した。エタノール蒸気の導入を止めた後に、高純度アセチレンガス(高圧ガス工業製)を5cc/分で30分供給し、温度を室温まで冷却し、2層カーボンナノチューブを含有する組成物を取り出した。なお、担体のX線回折の結果、ピーク強度の変化率は5%未満であった。
(2層カーボンナノチューブを含有する組成物の高分解能透過型電子顕微鏡分析)
上記のようにして得たカーボンナノチューブを含有する組成物を高分解能透過型電子顕微鏡で観察したところ、図3、図4、図5に示すように、カーボンナノチューブはきれいなグラファイト層で構成されており、層数が2層のカーボンナノチューブが80%以上であった。カーボンナノチューブ以外の炭素不純物(フラーレン、ナノパーティクル、アモルファスカーボン等)はほとんど観察されなかった。
(2層カーボンナノチューブを含有する組成物の共鳴ラマン分光分析)
上記のようにして得たカーボンナノチューブを含有する組成物を共鳴ラマン分光計(ホリバ ジョバンイボン製 INF−300)で測定し、G/D比を求めた結果、MCM−41(48)では15、MCM−41(96)では12、2MCM−41(140)では13と高品質2層カーボンナノチューブであることがわかった。
実施例2
(Sol−Gel法によるメソポーラス材料の合成)
テトラエチルオルソシリケート(TEOS:アルドリッチ製)、特級エタノール(和光純薬製)、塩酸(和光純薬製))、イオン交換水をモル比で1:3:5×10-5:1となるように加え、1時間還流後に、CTABの塩酸溶液を加え、以下のモル比の組成物を得た。
TEOS:EtOH:HCl:H2O:CTAB=1:20:4×10-3:5:0.1
この組成物を48時間撹拌後に、室温で3日間放置乾燥した。粉砕後に550℃で8時間焼成後に、800℃で1時間焼成し、メソポーラス材料(以下、SGと略称する。)を得た。
(SGの細孔径分布測定)
合成したSGを用いて窒素吸着量測定装置(日本ベル製 BELSOAP36)により液体窒素温度(77K)で窒素吸着量を測定し、その脱着曲線のデータよりD−H法で細孔径分布を求めた。その結果を図2に示す。
図2において、Rpは、細孔の半径を表し、Vpは吸着した窒素を液化させた場合の体積を表す。細孔分布のピーク位置は、2.52nmであった。比表面積は、899m2 /gであった。
(SGへの金属塩の担持)
硝酸鉄・9水和物(関東化学社製)0.03gと硝酸コバルト・6水和物(関東化学社製)0.17gとをエタノール(関東化学社製)15mlに溶解した。この溶液に、SGを1.4g加え、超音波洗浄機で30分間処理し、60℃及び120℃の恒温下でエタノールを除去して乾燥した。その後空気中、400℃で1時間加熱し、SG粉末に金属塩が担持された固体触媒を得た。
(2層カーボンナノチューブを含有する組成物の合成)
内径32mmの石英管の中央部の石英ウール上に、上記で調製した固体触媒1.0gをとり、アルゴンガスを600cc/分で供給した。石英管を電気炉中に設置して、中心温度を800℃に加熱した(昇温時間60分)。800℃に到達した後、反応管内を真空引きし、10Pa以下になったことを確認後に、エタノール蒸気を100Paの圧力になるように20分間導入した。エタノール蒸気の導入を止めた後に、高純度アセチレンガス(高圧ガス工業製)を5cc/分で30分供給し、温度を室温まで冷却し、2層カーボンナノチューブを含有する組成物を取り出した。なお、担体のX線回折の結果、ピーク強度の変化率は5%未満であった。
(2層カーボンナノチューブを含有する組成物の高分解能透過型電子顕微鏡分析)
上記のようにして得たカーボンナノチューブを含有する組成物を高分解能透過型電子顕微鏡で観察したところ、図6に示すように、カーボンナノチューブはきれいなグラファイト層で構成されており、層数が2層のカーボンナノチューブが80%以上であった。カーボンナノチューブ以外の炭素不純物(フラーレン、ナノパーティクル、アモルファスカーボン等)はほとんど観察されなかった。
(2層カーボンナノチューブを含有する組成物の共鳴ラマン分光分析)
上記のようにして得たカーボンナノチューブを含有する組成物を共鳴ラマン分光計(ホリバ ジョバンイボン製 INF−300)で測定し、G/D比を求めた結果、11と高品質2層カーボンナノチューブであることがわかった。
実施例3
(ボロシリケートの細孔径分布測定)
エヌイーケムキャット製ボロシリケートを用いて窒素吸着量測定装置(日本ベル製 BELSOAP36)により液体窒素温度(77K)で窒素吸着量を測定し、その脱着曲線のデータよりD−H法で細孔径分布を求めた。その結果、細孔分布のピーク位置は、2.50nmであった。比表面積は、328m2 /gであった。
(ボロシリケートへの金属塩の担持)
硝酸鉄・9水和物(関東化学社製)0.03gと硝酸コバルト・6水和物(関東化学社製)0.17gとをエタノール(関東化学社製)15mlに溶解した。この溶液に、ボロシリケートを1.4g加え、超音波洗浄機で30分間処理し、60℃及び120℃の恒温下でエタノールを除去して乾燥した。その後空気中、400℃で1時間加熱し、SG粉末に金属塩が担持された固体触媒を得た。
(2層カーボンナノチューブを含有する組成物の合成)
内径32mmの石英管の中央部の石英ウール上に、上記で調製した固体触媒1.0gをとり、アルゴンガスを600cc/分で供給した。石英管を電気炉中に設置して、中心温度を800℃に加熱した(昇温時間60分)。800℃に到達した後、反応管内を真空引きし、10Pa以下になったことを確認後に、エタノール蒸気を100Paの圧力になるように20分間導入した。エタノール蒸気の導入を止めた後に、高純度アセチレンガス(高圧ガス工業製)を5cc/分で30分供給し、温度を室温まで冷却し、2層カーボンナノチューブを含有する組成物を取り出した。なお、担体のX線回折の結果、ピーク強度の変化率は5%未満であった。
(2層カーボンナノチューブを含有する組成物の高分解能透過型電子顕微鏡分析)
上記のようにして得たカーボンナノチューブを含有する組成物を高分解能透過型電子顕微鏡で観察したところ、図7に示すように、カーボンナノチューブはきれいなグラファイト層で構成されており、層数が2層のカーボンナノチューブが80%以上であった。カーボンナノチューブ以外の炭素不純物(フラーレン、ナノパーティクル、アモルファスカーボン等)はほとんど観察されなかった。
(2層カーボンナノチューブを含有する組成物の共鳴ラマン分光分析)
上記のようにして得たカーボンナノチューブを含有する組成物を共鳴ラマン分光計(ホリバ ジョバンイボン製 INF−300)で測定し、G/D比を求めた結果、14と高品質2層カーボンナノチューブであることがわかった。
実施例4
(電界電子放出源の作成)
100mlビーカーに実施例1にて得られたカーボンナノチューブを50mgおよびアセトン100mlを入れ、超音波を30分間照射した。本分散液を、これとは別に銅板を入れたビーカーに入れ、静置してアセトンを自然蒸発させることにより、表面にカーボンナノチューブを堆積させた銅板を得た。
(電界電子放出能の評価)
得られた銅板をカソードにしアノード電極と対向させ、この2極管構造物を評価用チャンバーに導入し、電界電子放出能を評価した。その結果、本実施例で得られたカーボンナノチューブは良好な電界電子放出能を示した。
比較例1
BET測定でメソポア領域に細孔を持たないシリカライト(無処理シリカライト、エヌイーケムキャット社製)を用いて実施例1の金属塩の担持以降と同様の操作を行ったが、カーボンナノチューブは得られなかった。
カーボンナノチューブにおける屈曲部について例示する高分解能透過型電子顕微鏡写真図である。 本発明において担体材料に使用するメソポーラス材料及びボロシリケートをD−H法で解析したメソポーラス細孔部分の細孔径分布曲線図である。 本発明においてMCM−41(48)を用いて合成したカーボンナノチューブ含有組成物の高分解能透過型電子顕微鏡写真図である。 本発明においてMCM−41(96)を用いて合成したカーボンナノチューブ含有組成物の高分解能透過型電子顕微鏡写真図である。 本発明において2MCM−41(140)を用いて合成したカーボンナノチューブ含有組成物の高分解能透過型電子顕微鏡写真図である。 本発明においてゾル−ゲル法によるメソポーラス材料を用いて合成したカーボンナノチューブ含有組成物の高分解能透過型電子顕微鏡写真図である。 本発明においてボロシリケートを用いて合成したカーボンナノチューブ含有組成物の高分解能透過型電子顕微鏡写真図である。
符号の説明
Rp 細孔の半径
Vp 吸着した窒素を液化させた場合の体積

Claims (15)

  1. 下記(1)から(3)の要件を全て満たす材料を担体として該担体上に金属触媒を担持させ、600〜950℃でアルコールと接触させることにより2層カーボンナノチューブを主成分とするカーボンナノチューブを製造することを特徴とする2層カーボンナノチューブの製造方法。
    (1)窒素吸着法による比表面積測定で300m2 /g以上を示すこと。
    (2)窒素吸着法による細孔分布測定で、細孔径が1〜10nmの領域に少なくとも一つ以上のピークを有すること。
    (3)空気中800℃焼成前後のX線回折においてピーク強度の変化率が5%以下であること。
  2. 前記担体の窒素吸着法による細孔分布測定で、細孔の半径をRpで、吸着した窒素を液化させた場合の体積をVpで表すとき、細孔径が1〜10nmの領域にあるピークの高さ(ΔVp/ΔRp)が1000以上である請求項1に記載の2層カーボンナノチューブの製造方法。
  3. 前記担体の材料がケイ素を主成分とするメソポーラス材料である請求項1または2に記載の2層カーボンナノチューブの製造方法。
  4. 前記担体の材料がMCM−41構造を有するメソポーラス材料である請求項3に記載の2層カーボンナノチューブの製造方法。
  5. 前記担体の材料がゼオライトである請求項1または2に記載の2層カーボンナノチューブの製造方法。
  6. 前記担体の材料がチタン、ホウ素、ジルコニウムから選ばれる少なくとも一つをケイ素との原子比で0.01以上含んでいる請求項1から5のいずれかに記載の2層カーボンナノチューブの製造方法。
  7. 前記金属触媒が鉄、コバルト、ニッケル、モリブデン、マンガンから選ばれる少なくとも一つを含んでいる請求項1から6のいずれかに記載の2層カーボンナノチューブの製造方法。
  8. 前記金属触媒にアルコールを接触させる工程の圧力が1000Pa以下であり、かつアルコールの分圧が1Pa以上100Pa以下である請求項1から7のいずれかに記載の2層カーボンナノチューブの製造方法。
  9. 製造されたカーボンナノチューブから透過型電子顕微鏡で任意に選択した100本のうち、80本以上が2層カーボンナノチューブである請求項1から8のいずれかに記載の2層カーボンナノチューブの製造方法。
  10. 製造されたカーボンナノチューブから透過型電子顕微鏡で任意に選択した2層カーボンナノチューブ100本のうち、80本以上が外径1.5から4.0nmの範囲内にある請求項1から9のいずれかに記載の2層カーボンナノチューブの製造方法。
  11. 2層カーボンナノチューブを合成するための反応場に供給するガス中の水素濃度が100ppm以下である請求項1から10のいずれかに記載の2層カーボンナノチューブの製造方法。
  12. MCM−41構造を有するメソポーラス材料が基板の上に製膜されている請求項1から11のいずれかに記載の2層カーボンナノチューブの製造方法。
  13. 2層カーボンナノチューブが前記基板から垂直方向に実質的に配向成長している請求項12に記載の2層カーボンナノチューブの製造方法。
  14. 下記(1)〜(4)の要件を全て満たす2層カーボンナノチューブ含有組成物。
    (1)透過型電子顕微鏡で任意に選択した100本のカーボンナノチューブのうち、80本以上が2層カーボンナノチューブであること。
    (2)透過型電子顕微鏡で任意に選択した2層カーボンナノチューブ中の屈曲部間距離の平均が100nm以上であること。
    (3)共鳴ラマン散乱測定により、1560〜1600cm-1の範囲内で最大のピーク強度をG、1310〜1350cm-1の範囲内で最大のピーク強度をDとしたとき、G/Dの比が10以上であること。
    (4)元素分析による金属含有率が1重量%以下であること。
  15. 請求項14に記載の2層カーボンナノチューブ含有組成物を含む電子放出材料。
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