JP2006100348A - 物理量センサの製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 ステージ部、フレーム部、連結部、及び突出部を備えたリードフレームと、ステージ部に配した物理量センサチップとを一体的にモールドする一対の金型を用いて物理量センサチップを傾斜させる物理量センサの製造方法において、金型の内面に配される弾性変形可能なシートの損傷を防止できるようにする。
【解決手段】 一対の金型E,Fを相互に近づけてシートSを配した金型Fの内面F1により突出片19,21を押圧し、連結部17aを塑性変形させてステージ部7,9を傾斜させる第1クランプ工程と、一対の金型E,Fを相互に引き離して突出片19,21とシートSとを離間させ、再度一対の金型E,Fを相互に近づけてリードフレームを金型E,F内に固定する第2クランプ工程とを備え、第1クランプ工程において、一対の金型E,Fを相互に近づけたときの相対位置を第2クランプ工程における相対位置よりも離す物理量センサの製造方法を提供する。
【選択図】 図3

Description

この発明は、磁気や重力等の物理量の方位や向きを測定する物理量センサの製造方法に関する。
近年、携帯電話機等の携帯端末装置には、ユーザの位置情報を表示させるGPS(Global Positioning System)機能を持つものが登場している。このGPS機能に加え、地磁気を正確に検出する機能や加速度を検出する機能を持たせることで、ユーザが携帯する携帯端末装置の三次元空間内の方位や向きあるいは移動方向の検知を行うことができる。
上述した機能を携帯端末装置に持たせるためには、磁気センサ、加速度センサ等の物理量センサを携帯端末装置に内蔵させることが必要となる。また、このような物理量センサにより三次元空間での方位や加速度を検知可能とするためには、物理量センサチップの設置面を傾斜させることが必要となる。
ここで、上述した物理量センサは、現在様々なものが提供されており、例えば、その1つとして、磁気を検出すると共に上述したものとは異なり設置面が傾斜しない磁気センサが知られている。この磁気センサは、基板の表面上に載置されて該表面に沿って互いに直交する2方向(X,Y方向)の外部磁界の磁気成分に対して感応する一方の磁気センサチップ(物理量センサチップ)と、基板の表面上に載置されて該表面に直交する方向(Z方向)の外部磁界の磁気成分に対して感応する他方の磁気センサチップとを有している。
そして、この磁気センサはこれら一対の磁気センサチップにより検出された磁気成分により、地磁気成分を3次元空間内のベクトルとして測定を行っている。
ところが、この磁気センサは、他方の磁気センサチップを基板の表面に対して垂直に立てた状態で載置していたため、厚み(Z方向に対する高さ)が増してしまう不都合がある。したがって、この厚みを極力小さくする意味においても、始めに説明したように設置面が傾斜する物理量センサ(例えば、特許文献1から3参照。)が好適に用いられている。
さらに、この種の物理量センサとして、上記特許文献1に記載されているような加速度センサがある。この片側ビーム構造の加速度センサは、搭載基板に対して予め加速度センサチップ(物理量センサチップ)を傾斜させているため、センサパッケージングを搭載基板の表面上に載置したとしても、傾斜方向に応じた所定軸方向の感度を高く保ち、基板の表面に沿う方向を含む他軸方向の感度を低減することができる。
ところで、上述した物理量センサチップの傾斜は、例えば、図15に示すように、物理量センサチップ51,53とリード55とを一体的に固定させる樹脂モールド部を形成する際に行われる。
すなわち、リード55を含むフレーム部57と、フレーム部57に支持されたステージ部59,61とを備えた薄板状のリードフレームに、予めステージ部59,61から厚さ方向に突出する突出部63,65を形成しておく。そして、樹脂モールド部を形成するための一対の金型G,Hでフレーム部57を挟み込む際に、リードフレームの突出部63,65を一方の金型Hの内面H1で押圧することにより、ステージ部59,61及びこれに取り付けられた物理量センサチップ51,53が傾斜することになる。
なお、この樹脂モールド部の形成の際には、リード55への樹脂バリを防止したり、金型Hと樹脂とを剥離しやすくする弾性変形可能なシート67を、樹脂成形空間を画定する金型Hの内面H1に配しておく(例えば、特許文献4参照。)。
特開平9−292408号公報 特開2002−156204号公報 特開2004−128473号公報 特開2003−133350号公報
ところで、上記のように、物理量センサチップ51,53を傾斜させる際には、突出部63,65がシート67を金型Hの内面H1に押し付けられた状態で前記内面H1上を移動するため、突出部63,65によってシート67が引っ張られることになる。ここで、突出部63,65による引っ張り速度にシート67の弾性変形が追従できない場合、また、突出部63,65による引っ張り量が長い場合には、シート67が破れてしまうという問題があった。
この発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであって、シートの損傷を防止できる物理量センサの製造方法を提供することを目的としている。
上記課題を解決するために、この発明は以下の手段を提案している。
請求項1に係る発明は、物理量センサチップを載置するステージ部と、その周囲に配されるリードを備えたフレーム部と、これらを連結する連結部と、前記ステージ部から少なくとも上下方向のいずれか一方に突出する突出部とを有する金属製薄板からなるリードフレームを用意する準備工程と、前記各ステージ部に前記物理量センサチップを接着する接着工程と、該物理量センサチップと前記リードとを電気的に接続する配線工程と、前記リードフレームをその上下方向から挟み込む一対の金型のうち、少なくとも前記突出部に対向する一方の金型の内面に弾性変形可能な薄膜状のシートを配するシート配設工程と、前記一対の金型を相互に近づける方向に相対移動させて前記シートを配した前記内面により前記突出部を押圧し、前記連結部を少なくとも塑性変形させると共に前記ステージ部を前記フレーム部に対して傾斜させる第1クランプ工程と、前記突出部と前記シートとが相互に離間する位置まで前記一対の金型を相互に引き離し、再度前記一対の金型を相互に近づける方向に移動させて前記リードフレームを前記金型内に固定する第2クランプ工程と、前記金型内に樹脂を射出して前記リードフレームおよび前記物理量センサチップを樹脂により一体的にモールドするモールド工程とを備え、前記第1クランプ工程において前記一対の金型を相互に近づけたときの前記一対の金型の相対位置が、前記第2のクランプ工程において前記リードフレームを金型内に固定したときの前記一対の金型の相対位置と同一、もしくはそれよりも離れていることを特徴とする物理量センサの製造方法を提案している。
この発明に係る物理量センサの製造方法によれば、第1クランプ工程では、一対の金型の相対位置がリードフレームを固定する第2クランプ工程における一対の金型の相対位置と同一、もしくはそれよりも離れた位置で停止するため、第1クランプ工程における突出部の押圧によるステージ部の傾斜角度が、第2クランプ工程における同傾斜角度よりも小さくなる。すなわち、ステージ部は、第1クランプ工程において傾斜した後、第2クランプ工程においてさらに大きく傾斜することになる。
なお、ステージ部の傾斜は連結部の塑性変形に基づいて行われるため、第1クランプ工程後に一対の金型を相互に引き離しても、ステージ部の傾斜状態が保持されるか、若干のスプリングバックにより、傾斜が少し戻ることになる。したがって、第2クランプ工程においては、一対の金型の相対位置が近づくことにより、第1クランプ工程におけるステージ部の傾斜角度からさらに傾斜するか、あるいは金型の相対位置が同一であっても、前記スプリングバック後のステージ部の傾斜角度からさらに傾斜させることになるため、いずれの場合でもステージ部が所定角度まで傾斜することになる。
また、第1クランプ工程においては、突出部がシートに接触した状態で金型の内面に沿って移動するため、シートが突出部に引っ張られて弾性変形するが、この第1クランプ工程後に金型を相互に離間させると突出部がシートから離間するため、シートが弾性復帰して突出部に引っ張られる前の状態となる。
以上のように、突出部の押圧によるステージ部の傾斜は2つのクランプ工程に分けて行われるため、1つのクランプ工程でステージ部を所定角度まで傾斜させる場合と比較して、突出部によるシートの弾性変形量を小さくすることができる。
また、第1クランプ工程後に金型を相互に離間させた際には、前述のように、突出部により引っ張られたシートが弾性復帰し、かつ、ステージ部の傾斜状態が保持されるため、第2クランプ工程では、シートに対する突出部の接触位置が第1クランプ工程における同接触位置と異なる。なお、2つのクランプ工程における一対の金型の相対位置が同一でも、第1クランプ工程後のスプリングバック後の第2クランプ工程では、同様に接触位置が異なることとなる。したがって、第1クランプ工程において突出部がシートに食い込んでシートに切欠が形成されたとしても、第2クランプ工程において突出部が再び前記切欠に入り込むことがなく、前記切欠が大きくなることを防止できる。
なお、突出部がシートに食い込む場合には、突出部がシートに接触した状態における金型の移動距離が大きい程シートに形成される切欠も大きくなるが、本発明においては、突出部の押圧によるステージ部の傾斜が2つのクランプ工程に分けて行われるため、1つのクランプ工程でステージ部を所望の角度まで傾斜させる場合と比較して、突出部がシートに接触した状態での金型の移動距離が短くなる。したがって、突出部の押圧による前記切欠の成長を抑制することができる。
請求項2に係る発明は、請求項1に記載の物理量センサの製造方法において、前記第2クランプ工程後に前記フレーム部に対して傾斜する前記ステージ部の角度をθ2として、前記第1クランプ工程後に前記フレーム部に対して傾斜する前記ステージ部の角度θ1を、0.5×θ2<θ1≦0.8×θ2、とすることを特徴とする物理量センサの製造方法を提案している。
この発明に係る物理量センサの製造方法によれば、第1クランプ工程後におけるステージ部の角度θ1を、第2クランプ工程後におけるステージ部の角度θ2の0.5倍よりも大きくした場合には、第2クランプ工程においてステージ部を傾斜させる角度が、第1クランプ工程において傾斜させるステージ部の角度θ1よりも小さくなる。この場合には、第2クランプ工程において突出部がシートに接触した状態で金型を相互に近づける距離は、第1クランプ工程のときよりも短くなる。
したがって、第1クランプ工程の場合と比較して、第2クランプ工程において金型が突出部を押圧する長さが短くなるため、第2クランプ工程におけるシートへの突出部の食い込み量を小さくすることができる。
なお、第1クランプ工程におけるステージ部の角度θ1を第2クランプ工程におけるステージ部の角度θ2の0.8倍以下としたのは、第1クランプ工程において金型の内面上を移動する突出部の移動長さが過度に長くなり、これに基づいてシートが損傷することを防止するためである。
請求項3に係る発明は、請求項2に記載の物理量センサの製造方法において、第1クランプ工程における前記一対の金型の相対移動速度が、前記シートの弾性変形が追従可能な型締め速度であり、第2クランプ工程における前記一対の金型の相対移動速度が、前記型締め速度よりも大きいことを特徴とする物理量センサの製造方法を提案している。
この発明に係る物理量センサの製造方法によれば、第1クランプ工程においては、前記シートの弾性変形が追従可能な型締め速度で金型を相互に移動させることにより、一方の金型の内面上を移動する突出部の速度は、シートがその全体にわたって均一に弾性変形する程度の大きさとなる。このため、第1クランプ工程においては突出部の移動距離が大きくても、シートに損傷が発生することがない。そして、突出部の移動距離が小さい第2クランプ工程では、金型の相対的な移動速度を前記型締め速度より大きくしてシートが局所的に弾性変形しても、突出部によるシートの引っ張り長さが小さいため、シートに損傷が発生することがない。
請求項4に係る発明は、物理量センサチップを載置するステージ部と、その周囲に配されるリードを備えたフレーム部と、これらを連結する連結部と、前記ステージ部から少なくとも上下方向のいずれか一方に突出する突出部とを有する金属製薄板からなるリードフレームを用意する準備工程と、前記各ステージ部に前記物理量センサチップを接着する接着工程と、該物理量センサチップと前記リードとを電気的に接続する配線工程と、前記リードフレームをその上下方向から挟み込む一対の金型のうち、前記突出部に対向する一方の金型の内面に弾性変形可能な薄膜状のシートを配するシート配設工程と、前記一対の金型を相互に近づける方向に相対移動させて前記リードフレームを前記金型内に固定すると共に、前記シートを配した前記内面により前記突出部を押圧し、前記連結部を変形させると共に前記ステージ部を前記フレーム部に対して傾斜させるクランプ工程と、前記金型内に樹脂を射出して前記リードフレームおよび前記物理量センサチップを樹脂により一体的にモールドするモールド工程とを備え、前記クランプ工程のうち、少なくとも前記突出部が前記シートに接触した状態において、前記シートの弾性変形が追従可能な型締め速度により前記一対の金型を相対的に移動させることを特徴とする物理量センサの製造方法を提案している。
この発明に係る物理量センサの製造方法によれば、クランプ工程においては、突出部がシートに接触した状態で金型の内面上を移動するため、シートが突出部に引っ張られて弾性変形する。ここで、突出部の移動速度は金型の型締め速度に伴った小さい速度となるため、シートの一部のみが局所的に伸びることがない、すなわち、シート全体を均一に伸ばすことができる。
請求項5に係る発明は、請求項4に記載の物理量センサの製造方法において、前記クランプ工程において、前記突出部が前記シートに接触する前までの前記一対の金型の相対的な移動速度が、前記型締め速度よりも大きいことを特徴とする物理量センサの製造方法を提案している。
この発明に係る物理量センサの製造方法によれば、突出部とシートとが接触しない状態において、金型の相対移動速度を型締め速度よりも大きくすることで、クランプ工程に要する時間を短縮することができる。
請求項6に係る発明は、請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の物理量センサの製造方法において、前記準備工程において、前記突出部の先端が丸みを帯びた形状とする加工工程を含むことを特徴とする物理量センサの製造方法を提案している。
この発明に係る物理量センサの製造方法によれば、2つのクランプ工程において突出部の先端とシートとが接触しても、突出部の先端がシートに食い込んで切欠が形成されることを防ぎ、この切欠の形成に基づくシートの損傷を確実に防止できる。
以上説明したように、請求項1に係る発明によれば、突出部の押圧によるステージ部の傾斜を2つのクランプ工程に分けて行うことにより、突出部によってシートが過度に引き伸ばされることを抑制できるため、シートが損傷することを防止できる。
さらに、第1クランプ工程において突出部によってシートに切欠が形成されたとしても、第2クランプ工程において前記切欠が大きくなることを防止できる、また、各クランプ工程において突出部の押圧によるシートの切欠の成長も抑制することができるため、この切欠に基づくシートの損傷も防止できる。
また、請求項2に係る発明によれば、第2クランプ工程におけるシートへの突出部の食い込み量が第1クランプ工程の場合と比較して小さくできるため、突出部の食い込みに基づくステージ部の角度θ2のずれを小さくすることができる。したがって、ステージ部に搭載される物理量センサチップの傾斜角度を精度良く設定することが可能となる。
また、請求項3に係る発明によれば、第2クランプ工程において一対の金型を第1クランプ工程における移動速度よりも大きい速度で相互に近づけることにより、第2クランプ工程に要する時間を短縮できるため、物理量センサの製造効率向上を図ることができる。
また、請求項4に係る発明によれば、突出部がシートに接触した状態において、シートの弾性変形が追従可能な型締め速度により一対の金型を近づける方向に相対移動させることにより、シート全体を均一に伸ばすことができるため、突出部の引っ張りに基づくシートの損傷発生を防止できる。
また、請求項5に係る発明によれば、クランプ工程に要する時間を短縮できるため、物理量センサの製造効率向上を図ることができる。
また、請求項6に係る発明によれば、突出部の先端が丸みを帯びた形状とすることにより、2つのクランプ工程において突出部の先端とシートとが接触しても、突出部の先端がシートに食い込んで切欠が形成されることを防ぎ、この切欠の形成に基づくシートの損傷を確実に防止できる。
図1から図8は、本発明の第1の実施形態を示しており、この実施の形態に係る製造方法により製造される磁気センサ(物理量センサ)は、相互に傾斜させた2つの磁気センサチップにより外部磁界の向きと大きさを測定するものであり、薄板状の銅材等からなる金属板にプレス加工及びエッチング加工を施して形成されるリードフレームを用いて製造されるものである。
リードフレーム1は、図1,2に示すように、平面視矩形の板状に形成された磁気センサチップ(物理量センサチップ)3,5を載置する2つのステージ部7,9と、ステージ部7,9を支持するフレーム部11とを備えており、これらステージ部7,9とフレーム部11とは一体的に形成されている。フレーム部11は、ステージ部7,9を囲むように平面視矩形の枠状に形成された矩形枠部13と、この矩形枠部13から内方に向けて突出する複数のリード15,17とからなる。
ここで、リード15は、磁気センサチップ3,5のボンディングパッド(図示せず)と電気的に接続されるものである。また、リード17は、ステージ部7,9を矩形枠部13に対して固定するための吊りリードであり、リード17の一端部(連結部)17aが各ステージ部7,9の一端部7a,9a側の両端に位置する側端部に連結されている。なお、各ステージ部7,9の側端部は、2つのステージ部7,9を並べる方向に直交する各ステージ部7,9の幅方向の端部を示している。
リード17の一端部17aは、リード17の他の部分よりも細く形成されており、ステージ部7,9を傾斜させる際に容易に塑性変形できるようになっている。
2つのステージ部7,9は、矩形枠部13の一辺に沿って並べて配されており、その表面7c,9cにそれぞれ磁気センサチップ3,5を載置するように形成されている。
相互に対向するステージ部7,9の他端部7b,9bには、ステージ部7,9の裏面7d,9d側に突出する一対の突出片(突出部)19,21がそれぞれ形成されており、これら突出片19,21は、ステージ部7,9を傾斜させるためのものである。そして、これら突出片19,21は、略棒状に形成されており、ステージ部7の突出片19とステージ部9の突出片21とは互いに対向して配されている。
このように構成されたリードフレーム1のうち、ステージ部7,9を含むリード15,17よりも内側の領域は、フォトエッチング加工によりリードフレーム1の他の部分よりも薄く形成され、例えば半分の厚さ寸法に形成されている。このフォトエッチング加工は、金属薄板にプレス加工を施す前に行われる。
次に、磁気センサの製造方法について説明する。
はじめに、上述したリードフレーム1を用意し(準備工程)、ステージ部7,9の表面7c,9cにそれぞれ磁気センサチップ3,5を接着する(接着工程)と共に、ワイヤー23を配して磁気センサチップ3,5の表面に配されたボンディングパッド(図示せず)とリード17とを電気的に接続する(配線工程)。なお、ワイヤー23を配する際には、ステージ部7,9を傾斜させる段階において、ワイヤー23と磁気センサチップ3,5とのボンディング部分、およびリード17とのボンディング部分が互いに変化するため、このワイヤー23の材質は、曲げやすく柔らかいことが好ましい。
次いで、図3に示すように、凹部E1を有する金型Eの表面E2にリードフレーム1の矩形枠部13を配する。この際には、矩形枠部13の内側にあるリード15,17、ステージ部7,9、磁気センサチップ3,5、突出片19,21は、凹部E1の上方に配される。なお、この状態においては、凹部E1側から上方側に向けて、磁気センサチップ3,5、ステージ部7,9、突出片19,21が順番に配されている。
そして、突出片19,21の上方には、平坦面(内面)F1を有する金型Fが配され、前述した金型Eと共にリードフレーム1の矩形枠部13を上下方向から挟み込むように構成されている。この金型Fの平坦面F1には、リード15への樹脂バリを防止したり、金型Fと樹脂とを剥離しやすくするためのシートSが配される(シート配設工程)。このシートSは、薄膜状に形成されると共に弾性変形可能となっている。
その後、金型Fを金型Eに近づける方向に移動させて、図4に示すように、シートSを配した金型Fの平坦面F1により突出片19,21の先端部19a,21aを押圧する(第1クランプ工程)。この際には、各ステージ部7,9の側端部に位置するリード17の一端部17aを結ぶ軸線回りにステージ部7,9がそれぞれ回転するように、リード17の一端部17aが塑性変形すると共にステージ部7,9がリード17に対して傾斜する。
また、この際には、突出片19,21の先端部19a,21aがシートSに接触した状態で金型Fの内面F1に沿って移動するため、シートSが突出片19,21に引っ張られてシートSが弾性変形する。さらに、この際には、突出片19,21の先端部19a,21aがシートSに食い込むため、シートSに切欠S1,S2が形成される。
なお、この状態において、シートSを配した金型Fの平坦面F1は図3に示した矩形枠部13に当接していない、すなわち、リードフレーム1は一対の金型E,F内に固定されていない。また、この状態においては、ステージ部7,9と共に磁気センサチップ3,5が、リード17に対して所定角度θ1で傾斜している。
また、この第1クランプ工程における金型Fの移動速度(型締め速度)は、シートSの弾性変形が追従可能な程度の大きさとなっている、すなわち、この金型Fの移動に応じて平坦面F1上を移動する突出片19,21の先端部19a,21aの移動速度は、シートSがその全体にわたって均一に弾性変形する程度の大きさとなっており、シートSが局所的に弾性変形する場合と比較して破れ難くなる。
その後、突出片19,21の先端部19a,21aとシートSとが相互に離間する位置まで、金型Eに対して金型Fを引き離す方向に移動させ、その後、再度金型Fを金型Eに近づける方向に移動させてリードフレーム1を金型E,Fに固定する(第2クランプ工程)。
金型Eに対して金型Fを引き離す方向に移動させた際には、図5に示すように、シートSが弾性復帰して突出片19,21に引っ張られる前の状態となる。また、前述の第1クランプ工程においてリード17の一端部17aは塑性変形しているため、一対の金型E,Fを相互に引き離しても、ステージ部7,9は前述した所定角度θ1で傾斜した状態に保持される。
そして、図6に示すように、一対の金型E,Fを相互に引き離した状態からリードフレーム1を金型E,F内に固定する際には、突出片19,21の先端部19a,21aが再度シートSに接触し、シートSが再度突出片19,21に引っ張られて弾性変形することになる。ただし、前述したように、突出片19,21がシートSから離間させた際には、シートSが弾性復帰し、かつ、ステージ部7,9の傾斜状態が保持されるため、この第2クランプ工程における突出片19,21の先端部19a,21aとシートSとの接触位置は、第1クランプ工程における同接触位置と異なる。したがって、この第2クランプ工程では、突出片19,21が第1クランプ工程において形成された切欠S1,S2に再び入り込むことがなく、この切欠S1,S2が大きくなることを防止できる。
なお、突出片19,21の先端部19a,21aがシートSの表面に食い込み難くしたり、切欠S1,S2の大きさを小さくするためには、シートSを硬い材料から形成することが好ましく、また、シートSの表面を滑らかに形成して、突出片19,21の先端部19a,21aとシートSの表面との摩擦が少なくなるようにすることも好ましい。
そして、上述した第2クランプ工程においてリードフレーム1を金型E,F内に固定した際には、図3に示す矩形枠部13が金型E,Fにより挟み込まれる。すなわち、第2クランプ工程において金型E,Fは、第1クランプ工程よりも近い位置で停止するため、金型Fの平坦面F1により突出片19,21の先端部19a,21aがさらに押圧され、ステージ部7,9と共に磁気センサチップ3,5が、第1クランプ工程における所定角度θ1よりも大きな所定角度θ2で傾斜することになる。
なお、第1クランプ工程における一対の金型E,Fの相対位置は、第1クランプ工程における所定角度θ1と第2クランプ工程における所定角度θ2との関係が、
0.7×θ2≦θ1≦0.8×θ2、
となるように、設定されている。この関係によれば、第1クランプ工程における所定角度θ1が、第2クランプ工程における所定角度θ2の半分よりも大きくなるため、第2クランプ工程においてステージ部7,9を傾斜させる角度が、第1クランプ工程において傾斜させる所定角度θ1よりも小さくなる。この場合には、第2クランプ工程において突出片19,21がシートSに接触した状態で金型Fを移動させる距離が、第1クランプ工程のときよりも短くなる。
したがって、第2クランプ工程において金型Fが突出片19,21を押圧する長さが短くなるため、シートSへの突出片19,21の食い込み量が第1クランプ工程の場合と比較して小さくなる。
なお、第1クランプ工程における所定角度θ1を第2クランプ工程における所定角度θ2の0.8倍以下としたのは、第1クランプ工程において金型Fの内面F1上を移動する突出片19,21の移動長さが過度に長くなり、これに基づいてシートSが損傷することを防止するためである。
また、第2クランプ工程において、金型Fを金型Eに近づける方向に移動させる際には、第1クランプ工程における移動速度よりも大きい速度で金型Fを移動させる。この際には、金型Fの内面F1上を移動する突出片19,21の移動速度がシートの弾性変形が追従可能な速度よりも大きくなって、これに伴うシートSの弾性変形が局所的に行われるが、突出片19,21によるシートSの引っ張り長さが第1クランプ工程の場合と比較して小さくなる。
この第2クランプ工程の後には、金型Fの平坦面F1により突出片19,21の先端部19a,21aを押圧した状態で、金型E,F内に溶融樹脂を射出し、磁気センサチップ3,5を樹脂の内部に埋める樹脂モールド部を形成する(モールド工程)。これにより、図7,8に示すように、磁気センサチップ3,5が、相互に傾斜した状態で、樹脂モールド部27の内部に固定されることになる。なお、ここで用いる樹脂は、樹脂の流動によって磁気センサチップ3,5及びステージ部7,9の所定角度が変化しないように、流動性が高い材質であることが好ましい。
最後に、矩形枠部13を切り落としてリード15,17を個々に切り分け、磁気センサ30の製造が終了する。
以上のように製造された磁気センサ30に設けられた磁気センサチップ3,5は、樹脂モールド部27の内部に埋まっており、樹脂モールド部27の下面27aに対してそれぞれ所定角度θ2で傾斜している。また、相互に対向する磁気センサチップ3,5の一端部3b,5bが樹脂モールド部27の上面27c側に向くと共に、その表面3a,5aが相互に鋭角に傾斜している。ここで鋭角とは、ステージ部7の表面7aと、ステージ部9の裏面9dとのなす角度θ3を示しており、この角度θ3は、前述した2つの所定角度θ2をたし合わせたものに等しい。
磁気センサチップ3は、外部磁界の2方向の磁気成分に対してそれぞれ感応するものであり、これら2つの感応方向は、磁気センサチップ3の表面3aに沿って互いに直交する方向(A方向およびB方向)となっている。
また、磁気センサチップ5は、外部磁界の2方向の磁気成分に対して感応するものであり、これら2つの感応方向は、磁気センサチップ5の表面5aに沿って互いに直交する方向(C方向およびD方向)となっている。
さらに、表面3aに沿ってA,B方向により画定される平面(A−B平面)と、表面5aに沿ってC,D方向により画定される平面(C−D平面)とは、互いに鋭角な角度θ3で交差している。
なお、A−B平面とC−D平面とがなす角度θ3は、0°よりも大きく、90°以下であり、理論上では、0°よりも大きい角度であれば3次元的な地磁気の方位を測定できる。ただし、実際上は20°以上であることが好ましく、30°以上であることがさらに好ましい。
磁気センサチップ3,5を外部に対して電気的に接続するための複数のリード15の裏面15aは、樹脂モールド部27の下面27a側に露出している。このリード15の一端部15bは、ワイヤー23により磁気センサチップ3,5と電気的に接続されており、その接続部分が樹脂モールド部27の内部に埋まっている。
この磁気センサ30は、例えば、図示しない携帯端末装置内の基板に搭載され、この携帯端末装置では、磁気センサ30により測定した地磁気の方位を携帯端末装置の表示パネルに示すようになっている。
上記の磁気センサ30の製造方法によれば、突出片19,21の押圧によるステージ部7,9の傾斜を2つのクランプ工程に分けて行うことにより、各クランプ工程において突出片19,21によるシートSの弾性変形量を小さくして、シートSが過度に引き伸ばされることを抑制できるため、シートSが損傷することを防止できる。
また、第1クランプ工程において突出片19,21によってシートSに切欠S1,S2が形成されたとしても、第2クランプ工程において前記切欠S1,S2が大きくなることを防止できるため、この切欠に基づくシートSの損傷も防止できる。
なお、突出片19,21がシートSに食い込む場合には、突出片19,21がシートSに接触した状態での金型Fの移動距離が大きい程シートSに形成される切欠も大きくなるが、本実施形態においては、突出片19,21の押圧によるステージ部7,9の傾斜が2つのクランプ工程に分けて行われるため、1つのクランプ工程でステージ部7,9を所望の角度まで傾斜させる場合と比較して、突出片19,21がシートSに接触した状態での金型Fの移動距離が短くなる。したがって、突出片19,21の押圧による前記切欠の成長を抑制して、シートSの損傷防止を図ることができる。
さらに、第2クランプ工程におけるシートSへの突出片19,21の食い込み量が第1クランプ工程の場合と比較して小さくできるため、突出片19,21の食い込みに基づくステージ部7,9の所定角度θ2のずれを小さくすることができる。したがって、2つの磁気センサチップ3,5の相対角度θ3を精度良く設定することが可能となる。
また、第2クランプ工程におけるシートSへの突出片19,21の食い込み量を小さくできるため、樹脂モールド部27の下面27aから外方に露出する突出片19,21の領域を小さくすることができる。したがって、磁気センサ30を製造した後にリード15に半田付用のめっきを施す際に、樹脂モールド部27の下面27aから露出する突出片19,21にもめっき膜が形成されたとしても、このめっき膜が樹脂モールド部27の下面27aからの突出する長さを小さくでき、磁気センサ30を容易に携帯端末装置等の基板に搭載することが可能となる。なお、めっき膜の形成はリード15に対する半田の濡れ性を向上させるものであり、磁気センサ30を基板に搭載する際に半田によりリード15と基板とを電気接続するために必要となる。
また、第2クランプ工程において、金型Fを金型Eに近づける方向に移動させる際には、第1クランプ工程における移動速度よりも大きい速度で金型Fを移動させることにより、クランプ工程に要する時間を短縮できるため、磁気センサ30の製造効率向上を図ることができる。なお、第2クランプ工程においては、突出片19,21によるシートSの引っ張り長さが第1クランプ工程の場合と比較して小さいため、第1クランプ工程における移動速度よりも大きい速度で金型Fを移動させても、突出片19,21によるシートSの弾性変形が局所的に行われたとしても、シートSに損傷が発生することがない。
なお、この第1の実施形態では、第1クランプ工程後に一対の金型E,Fを相互に引き離した際に、ステージ部7,9は所定角度θ1で傾斜した状態に保持されるとしたが、これに限ることはなく、若干のスプリングバックによりこの傾斜が少し戻ることがある。この場合には、前記スプリングバック後の傾斜角度をθ1として、第2クランプ工程における所定角度θ2との関係、0.7×θ2≦θ1≦0.8×θ2、を設定することが望ましい。
また、第2クランプ工程において金型Fを金型Eに近づける方向に移動させる速度は、第1クランプ工程のときよりも大きいとしたが、これに限ることはなく、例えば、各クランプ工程における金型Fの移動速度を等しくするとしても構わない。ただし、この移動速度はシートSの弾性変形が追従可能な程度の大きさとすることが好ましい。
さらに、第1クランプ工程における所定角度θ1と第2クランプ工程における所定角度θ2との関係は、0.7×θ2≦θ1≦0.8×θ2としたが、これに限ることはなく、少なくとも0.5×θ2<θ1≦0.8×θ2であればよい。
また、第1クランプ工程におけるの所定角度θ1と第2クランプ工程における所定角度θ2との関係が0.5×θ2<θ1≦0.8×θ2となるように、各クランプ工程における一対の金型E,Fの相対位置を設定することに限らず、少なくとも2つのクランプ工程に分けて行えばよい。この構成においても、各クランプ工程におけるシートSへの突出片19,21の食い込み量が、1つのクランプ工程で行う場合と比較して小さくなるため、2つの磁気センサチップ3,5の相対角度θ3を精度良く設定できる。また、樹脂モールド部27の下面27aから露出する突出片19,21に付着しためっき膜の突出長さも小さくできるため、磁気センサ30を容易に携帯端末装置等の基板に搭載できる。
さらに、第1クランプ工程では、一対の金型E,Fの相対位置がリードフレーム1を固定する第2クランプ工程における一対の金型E,Fの相対位置よりも離れた位置で停止させるとしたが、これに限ることはなく、例えば、一対の金型E,Fの相対位置を第2クランプ工程の場合と同一の位置で停止させるとしても構わない。
上記構成の場合においても、第1クランプ工程においてスプリングバックが発生してステージ部7,9の傾斜が少し戻ったとしても、第2クランプ工程においてスプリングバック後の傾斜角度θ1からさらに傾斜させることができるため、ステージ部7,9を所定角度θ2まで傾斜させることができる。また、この構成の場合でも、シートSに対する突出片19,21の接触位置は2つのクランプ工程において相互に異なるため、第1クランプ工程において突出片19,21がシートSに食い込んでシートSに切欠が形成されても、第2クランプ工程において突出片19,21が再び前記切欠に入り込むことが無く、前記切欠が大きくなることを防止できる。
次に、本発明による第2の実施形態について説明する。なお、この第2の実施形態に係る磁気センサの製造方法は、第1の実施形態とクランプ工程についてのみ異なる。ここでは、クランプ工程のみについて説明し、その他の工程については、その説明を省略する。
この実施形態においては、第1の実施形態と同様の配線工程を行った後に、金型Fを金型Eに近づける方向に移動させてリードフレーム1を金型E,F内に固定すると共に、シートSを配した金型Fにより突出片19,21を押圧してリード17の一端部17aを変形させると共にステージ部7,9をフレーム部11に対して所定角度θ2で傾斜させる(クランプ工程)。そして、第1の実施形態と同様に、モールド工程を行い、最後に、矩形枠部13を切り落として磁気センサ30の製造を終了する。なお、クランプ工程における一端部17aの変形は弾性変形でも塑性変形のいずれでも構わない。
上述したクランプ工程においては、金型Eに近づける金型Fの移動速度を図9に示すグラフのように調整する。このグラフの横軸は、クランプ工程における金型Fの位置を示しており、この値が大きくなる程、一対の金型E,Fが相互に近づくことになる。この横軸の零点は、突出片19,21とシートSとが相互に離間し、金型Fが金型Eから十分に離れた位置を示している。また、X1は突出片19,21の先端部19a,21aがシートSに接触したときの金型Fの位置を示しており、X2は一対の金型E,Fによりリードフレーム1が固定されたときの金型Fの位置を示している。なお、X3は、接触位置X1と固定位置X2との間の中途位置を示している。また、グラフの縦軸は、金型Eに向けて前進する金型Fの移動速度を示している。
図9に示すように、クランプ工程の際には、突出片19,21とシートSとが相互に離間した初期位置(X=0)から、金型Fが速度Vmaxまで加速しながら金型Eに向けて移動し、その後、金型Fが接触位置X1に到達するまでの間に、Vmaxよりも十分に小さい移動速度(型締め速度)V1まで減速する。この移動速度V1は、第1の実施形態の第1クランプ工程と同様に、シートSの弾性変形が追従可能な程度の速度であり、突出片19,21の移動に伴ってシートSがその全体にわたって均一に弾性変形できる速度である。
その後、金型Fは、移動速度V1からさらに減速しながら接触位置X1から中途位置X3まで移動し、中途位置X3において所定時間、例えば3秒間だけ金型Fの移動を停止する。この移動停止は、リード17の一端部17aの塑性変形を安定させるため、すなわち、ステージ部7,9をフレーム部11に対して安定して傾斜させるために行われる。
最後に、金型Fが移動速度V1よりも小さい速度で中途位置X3から固定位置X2まで移動することでクランプ工程が終了する。
上記の磁気センサ30の製造方法によれば、突出片19,21がシートSに接触した状態においては、シートSの弾性変形が追従可能な移動速度V1により金型Fを金型Eに近づける方向に移動させるため、突出片19,21によりシートS全体を均一に伸ばすことができるため、突出片19,21の引っ張りに基づくシートSの損傷発生を抑制できる。
また、突出片19,21がシートSに接触するまでは、移動速度V1よりも大きい速度で金型Fを金型Eに近づけるため、クランプ工程に要する時間を短縮でき、磁気センサ30の製造効率向上を図ることができる。
なお、この第2の実施形態では、クランプ工程において金型Fの速度を連続的に変化させるとしたが、金型Fの速度は、少なくとも初期位置(X=0)から接触位置X1までの間において移動速度V1よりも大きく、かつ、接触位置X1から固定位置X2までの間において移動速度V1以下となっていればよい。また、磁気センサ30の製造効率向上を考慮しない場合には、金型Fが初期位置(X=0)から固定位置X2に至るまで、その速度を移動速度V1以下としても構わない。
さらに、この第2の実施形態では、第1の実施形態のようにステージ部7,9を傾斜させた後に金型Fが突出片19,21から離間することがないため、一端部7aは塑性変形に限らず、弾性変形するとしても構わない。
また、上述した第1,第2の実施形態の各クランプ工程においては、金型Fが移動するとしたが、これに限ることはなく、少なくとも金型E,Fが相対的に移動すればよい。
また、第1,第2の実施形態において、突出片19,21の先端部19a,21aは、シートSに食い込んで切欠を形成する形状としていたが、シートSに食い込み難い形状とすることが好ましい。
すなわち、突出片19,21は、例えば、図10(a),(b)に示すように、金属製薄板からリードフレーム1を形成するパンチング加工において、その裏面19c,21cから表面19b,21bに向けて打ち抜き、突出片19,21の裏面19c,21c側の先端部19a,21aを滑らかな丸みを帯びた形状に形成されるとしてもよい。
この構成の場合には、突出片19,21の先端部19a,21aとシートSとが相互に接触するが、突出片19,21の先端部19a,21aが丸みを帯びた形状となっているため、突出片19,21の先端部19a,21aがシートSに食い込んで切欠が形成されることを防ぎ、この切欠の形成に基づくシートSの損傷を確実に防止できる。
なお、突出片19,21の先端部19a,21aは、上記のようにパンチング加工により形成されることに限らず、この突出片19,21の先端部19a,21aが少なくとも丸みを帯びた形状となっていればよい。すなわち、例えば、図11に示すように、突出片19,21の先端部19a,21aの裏面側が凸状の丸みを帯びた形状となるように、先端部19a,21aに屈曲加工を施すとしても構わない。この屈曲加工は、図12に示すように、金型等を用いてステージ部7,9に対して突出片19,21を屈曲させる際に同時に行うことが好ましい。
また、上記屈曲加工を施す場合には、図13,14に示すように、突出片19,21の先端部19a,21aの表面19b,21bや裏面19c,21cにフォトエッチング加工を施して、先端部19a,21aの厚さ寸法を他の部分よりも薄く形成してもよい。この構成の場合には、先端部19a,21aを容易に屈曲させることができる。
さらに、突出片19,21は、相互に対向するステージ部7,9の他端部7c,9cに形成されるとしたが、これに限ることはなく、少なくともステージ部7,9の端部に形成されていればよい。
また、突出片19,21は、ステージ部7,9の裏面7d,9d側に突出するとしたが、少なくとも樹脂モールド部27を形成するための金型E,Fにより押圧されて、ステージ部7,9及び磁気センサチップ2,3を傾斜させるように構成されていればよい。
また、ステージ部7,9は、平面視略矩形に形成されるとしたが、これに限ることはなく、少なくとも磁気センサチップ3,5が表面7a,9aに接着可能に形成されていればよい。すなわち、ステージ部7,9は、例えば、平面視で円形、楕円形に形成されるとしてもよいし、厚さ方向に貫通する穴を設けたものや、網目状に形成したものとしても構わない。
また、本発明の実施形態では、互いに平行な軸線を中心に2つの磁気センサチップ3,5をそれぞれ傾斜させていたが、これに限ることはなく、例えば、相互に直交する基準軸線を中心に2つの磁気センサチップ3,5をそれぞれ傾斜させるとしても構わない。この場合には、相互に直交する2つの磁気センサチップ3,5の2つの感応方向(例えば、図7におけるA,D方向)を樹脂モールド部27の下面27aに沿う方向とすることができるため、下面27aに沿う磁気を精度よく測定することができる。
さらに、本発明の実施形態では、3次元空間内の磁気方向を検出する磁気センサに適用して説明したが、これに限ることはなく、少なくとも3元空間内の方位や向きを測定する物理量センサであればよい。ここで物理量センサは、例えば、磁気センサチップの代わりに加速度の大きさや方向を検出する加速度センサチップを搭載した加速度センサであってもよい。
以上、本発明の実施形態について図面を参照して詳述したが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等も含まれる。
本発明の第1の実施形態に係る磁気センサの製造方法に使用するリードフレームを示す平面図である。 図1のリードフレームの側断面図である。 図1のリードフレームにおいて、ステージ部を傾斜させる方法を示す側断面図である。 図1のリードフレームにおいて、ステージ部を傾斜させる方法を示す側断面図である。 図1のリードフレームにおいて、ステージ部を傾斜させる方法を示す側断面図である。 図1のリードフレームにおいて、ステージ部を傾斜させる方法を示す側断面図である。 図1のリードフレームを用いて製造される磁気センサを示す平面図である。 図7の磁気センサの側断面図である。 本発明の第2の実施形態に係る磁気センサの製造方法において、クランプ工程における金型の移動履歴を示すグラフである。 本発明の他の実施形態に係る磁気センサの製造方法に使用するリードフレームの突出片を示しており、(a)は拡大側面図、(b)はパンチング加工により突出片が形成される状態を示す拡大断面図である。 本発明の他の実施形態に係る製造方法によって製造された磁気センサを示す側断面図である。 図11の磁気センサにおいて、突出片の屈曲加工を示す側断面図である。 本発明の他の実施形態に係る製造方法によって製造された磁気センサを示す側断面図である。 本発明の他の実施形態に係る製造方法によって製造された磁気センサを示す側断面図である。 従来の物理量センサの製造方法を示す側断面図である。
符号の説明
1・・・リードフレーム、3,5・・・磁気センサチップ(物理量センサチップ)、7,9・・・ステージ部、11・・・フレーム部、15,17・・・リード、17a・・・一端部(連結部)、19,21・・・突出片(突出部)、19a,21a・・・先端部、30・・・磁気センサ(物理量センサ)、E,F・・・金型、F1・・・平坦面(内面)、S・・・シート

Claims (6)

  1. 物理量センサチップを載置するステージ部と、その周囲に配されるリードを備えたフレーム部と、これらを連結する連結部と、前記ステージ部から少なくとも上下方向のいずれか一方に突出する突出部とを有する金属製薄板からなるリードフレームを用意する準備工程と、
    前記各ステージ部に前記物理量センサチップを接着する接着工程と、
    該物理量センサチップと前記リードとを電気的に接続する配線工程と、
    前記リードフレームをその上下方向から挟み込む一対の金型のうち、少なくとも前記突出部に対向する一方の金型の内面に弾性変形可能な薄膜状のシートを配するシート配設工程と、
    前記一対の金型を相互に近づける方向に相対移動させて前記シートを配した前記内面により前記突出部を押圧し、前記連結部を少なくとも塑性変形させると共に前記ステージ部を前記フレーム部に対して傾斜させる第1クランプ工程と、
    前記突出部と前記シートとが相互に離間する位置まで前記一対の金型を相互に引き離し、再度前記一対の金型を相互に近づける方向に移動させて前記リードフレームを前記金型内に固定する第2クランプ工程と、
    前記金型内に樹脂を射出して前記リードフレームおよび前記物理量センサチップを樹脂により一体的にモールドするモールド工程とを備え、
    前記第1クランプ工程において前記一対の金型を相互に近づけたときの前記一対の金型の相対位置が、前記第2のクランプ工程において前記リードフレームを金型内に固定したときの前記一対の金型の相対位置と同一、もしくはそれよりも離れていることを特徴とする物理量センサの製造方法。
  2. 前記第2クランプ工程後に前記フレーム部に対して傾斜する前記ステージ部の角度をθ2として、前記第1クランプ工程後に前記フレーム部に対して傾斜する前記ステージ部の角度θ1を、
    0.5×θ2<θ1≦0.8×θ2、
    とすることを特徴とする請求項1に記載の物理量センサの製造方法。
  3. 第1クランプ工程における前記一対の金型の相対移動速度が、前記シートの弾性変形が追従可能な型締め速度であり、
    第2クランプ工程における前記一対の金型の相対移動速度が、前記型締め速度よりも大きいことを特徴とする請求項2に記載の物理量センサの製造方法。
  4. 物理量センサチップを載置するステージ部と、その周囲に配されるリードを備えたフレーム部と、これらを連結する連結部と、前記ステージ部から少なくとも上下方向のいずれか一方に突出する突出部とを有する金属製薄板からなるリードフレームを用意する準備工程と、
    前記各ステージ部に前記物理量センサチップを接着する接着工程と、
    該物理量センサチップと前記リードとを電気的に接続する配線工程と、
    前記リードフレームをその上下方向から挟み込む一対の金型のうち、前記突出部に対向する一方の金型の内面に弾性変形可能な薄膜状のシートを配するシート配設工程と、
    前記一対の金型を相互に近づける方向に相対移動させて前記リードフレームを前記金型内に固定すると共に、前記シートを配した前記内面により前記突出部を押圧し、前記連結部を変形させると共に前記ステージ部を前記フレーム部に対して傾斜させるクランプ工程と、
    前記金型内に樹脂を射出して前記リードフレームおよび前記物理量センサチップを樹脂により一体的にモールドするモールド工程とを備え、
    前記クランプ工程のうち、少なくとも前記突出部が前記シートに接触した状態において、前記シートの弾性変形が追従可能な型締め速度により前記一対の金型を相対的に移動させることを特徴とする物理量センサの製造方法。
  5. 前記クランプ工程において、前記突出部が前記シートに接触する前までの前記一対の金型の相対的な移動速度が、前記型締め速度よりも大きいことを特徴とする請求項4に記載の物理量センサの製造方法。
  6. 前記準備工程において、前記突出部の先端が丸みを帯びた形状とする加工工程を含むことを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の物理量センサの製造方法。
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