JP2006091625A - 光学ローパスフィルタ - Google Patents

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Abstract

【課題】 分離性能が低く、厚くなる水晶板を複屈折板として用いても、薄く構成することができる光学ローパスフィルタを提供する。
【解決手段】 入射側に配置される第1複屈折板2と、出射側に配置される第2複屈折板4と、第1複屈折板2と第2複屈折板4との間に介在している位相板3又は第3複屈折板6とを有し、第2複屈折板4が、第1複屈折板2と分離して固体撮像素子130を内蔵するパッケージ140の固体撮像素子130に入射光を導く開口部141を閉塞しているカバーガラスとして機能している構造とする。
【選択図】 図1

Description

本発明は、空間周波数の高域成分を抑制する光学ローパスフィルタに関する。
近年、ビデオカメラやデジタルスチルカメラなどの撮像装置には、CCDやCMOS等の固体撮像素子が広く用いられている。高画質を求めるビデオカメラやデジタルスチルカメラなどでは、空間周波数の高域成分を抑制して画像のモアレ等の偽信号を防止する光学ローパスフィルタが撮影レンズと固体撮像素子との間に組み込まれている。また、赤外線成分をカットし、固体撮像素子が赤外線で露光するのを防ぐ赤外線カットフィルタも撮影レンズと固体撮像素子との間に組み込まれている。
高画質を求めるデジタルスチルカメラでは、固体撮像素子のサイズが大型化し、画素のピッチも大きくなる傾向がある。しかも、高画質を得るために、光学ローパスフィルタは、4点分離の高性能なものが用いられる。4点分離の光学ローパスフィルタは、2枚の複屈折板の間に位相板を挟んだ構造か、あるいは複屈折板を3枚重ねた構造のものが用いられる。
複屈折板の常光線と異常光線を分離させる分離性能は基材の常光線と異常光線の屈折率差で決まってしまう。そのため、所望の画素ピッチの分だけ分離幅を有する光学ローパスフィルタを構成するときには、複屈折板の素材の選定と複屈折板の厚さの調節とで行われる。一般に複屈折板として用いられてきている水晶板は、分離性能が低く、そのため、画素のピッチが大きい固体撮像素子に用いられる光学ローパスフィルタの複屈折板として水晶板を用いると、光学ローパスフィルタが全体としてかなり厚くなる。
近年、デジタルスチルカメラの小型化、薄型化が急激に進行しており、固体撮像素子と撮影レンズとの間の距離が短くなってきている。そのため、光学ローパスフィルタや赤外線カットフィルタのフィルタを薄型化することが必要になってきている。光学ローパスフィルタを薄型化するには、特許文献1に示されているように、光学ローパスフィルタを構成する少なくとも2枚必要な複屈折板の素材として、常光線と異常光線の屈折率差が水晶より大きいニオブ酸リチウムが用いられている。例えば、常光線と異常光線を10μm分離させるために必要な厚さは、水晶が1.53mmであるのに対し、ニオブ酸リチウムは0.25mmである。
特開2003−149546号
しかしながら、ニオブ酸リチウムは、水晶と比較してコストが非常に高い。そのため、ニオブ酸リチウムを光学ローパスフィルタの複屈折板として用いた光学機器は、高価な機種になってしまう。しかも、ニオブ酸リチウムは強度的に脆いという特性があり、その他の光学板と貼り合わせて用いる必要があり、取り扱い難いという問題がある。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、分離性能が低く、厚くなる水晶板を複屈折板として用いても、薄く構成することができる光学ローパスフィルタを提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明は、第1に、入射側に配置される第1複屈折板と、出射側に配置される第2複屈折板と、前記第1複屈折板と前記第2複屈折板との間に介在している位相板又は第3複屈折板とを有し、前記第2複屈折板が、前記第1複屈折板と分離されて固体撮像素子を内蔵するパッケージの前記固体撮像素子に入射光を導く開口部を閉塞しているカバーガラスとして機能していることを特徴とする光学ローパスフィルタを提供する。
この光学ローパスフィルタは、固体撮像素子に近い方の第2複屈折板を第1複屈折板と分離させて、パッケージに内蔵されている撮像素子に入射光を導く開口部を閉塞しているカバーガラスとして用いたものである。固体撮像素子のパッケージに用いられているカバーガラスは、アルファ線等の放射線を放出しない特殊な高純度ガラスが用いられている。例えば水晶板はアルファ線等の放射線を放出しないため、カバーガラスとして使用可能である。第2複屈折板をカバーガラスとして用いることにより、本来の光学ローパスフィルタから第2複屈折板の厚みが減り、分離性能が低く、厚くなる水晶板を複屈折板として用いても、光学ローパスフィルタを薄く構成することができる。
一般的に光学ローパスフィルタには、2点分離と4点分離の機能を有するものがある。2点分離の機能を有する光学ローパスフィルタは、1枚の複屈折板が撮像レンズ系と固体撮像素子との間に配置されている。一方、4点分離の機能を有する光学ローパスフィルタは、最低2枚の複屈折板と位相板が撮像レンズ系と固体撮像素子との間に配置されている。本発明では、第2複屈折板が、固体撮像素子を内蔵するパッケージのカバーガラスとして機能し、第1複屈折板と前記位相板又は第3複屈折板とから成る光学物品とは分離されている。そして、第1複屈折板と位相板又は第3複屈折板とから組み合わされた光学物品を用いず、第2複屈折板のみを用いる構成である場合には、2点分離の機能を有する光学ローパスフィルタとして使用することが可能である。また、第2複屈折板と、第1複屈折板と位相板又は第3複屈折板から成る光学物品とを組み合わせる構成の場合には、4点分離の機能を有する光学ローパスフィルタとして使用することが可能である。このように、本発明によれば、2点分離や4点分離を有する光学ローパスフィルタとして、共通化して使用することが可能である。
本発明は、第2に、上記第1の光学ローパスフィルタにおいて、前記第1複屈折板、前記第2複屈折板及び前記第3複屈折板が、ニオブ酸リチウム及び/又は水晶で構成されていることを特徴とする光学ローパスフィルタを提供する。
第2複屈折板をカバーガラスとして用いて本来の光学ローパスフィルタから第2複屈折板の厚みが減少したことにより薄く構成することができるため、水晶を用いて低コストとすることができるが、いずれかの複屈折板にニオブ酸リチウムを用いて更に薄くすることができる。
本発明は、第3に、上記第1又は第2の光学ローパスフィルタにおいて、前記位相板が、入射する光の波長が大きくなるに従って位相差が大きくなる波長分散特性を有する高分子フィルムであることを特徴とする光学ローパスフィルタを提供する。
位相板を高分子フィルムとすることによって、光学ローパスフィルタを薄く構成することができると共に、入射する光の波長が大きくなるに従って位相差が大きくなる波長分散特性を有し、広い波長範囲に亘って入射光の偏光状態を直線偏光から円偏光に変換することができるため、広い波長範囲の入射光に対して四分の一波長板としての機能を有する、高性能な光学ローパスフィルタを構成することができる。
以下、本発明の光学ローパスフィルタの実施の形態について説明するが、本発明は以下の実施の形態に限定されるものではない。
本発明の光学ローパスフィルタは、入射側に配置される第1複屈折板と、出射側に配置される第2複屈折板と、第1複屈折板と第2複屈折板との間に介在している位相板又は第3複屈折板とを有し、第2複屈折板が第1複屈折板と分離している構造を有する。
本発明では、第2複屈折板が、固体撮像素子を内蔵するパッケージの固体撮像素子に入射光を導く開口部を閉塞しているカバーガラスとして機能し、第1複屈折板と位相板又は第3複屈折板とが組み合わされた光学物品とは分離されている。そして、第1複屈折板と位相板又は第3複屈折板とが組み合わされた光学物品を用いず、第2複屈折板のみを用いる構成である場合には、2点分離の機能を有する光学ローパスフィルタとして使用することが可能である。
図1は、本発明の光学ローパスフィルタの第1実施形態を用いた撮像装置を模式的に表した概略断面図である。
この撮像装置100は、撮影レンズ110と、撮影レンズ110を通過した光線の中の高い空間周波数成分を抑制する本発明の光学ローパスフィルタ1と、赤外線をカットする赤外線吸収フィルタ120と、光学ローパスフィルタ1と赤外線吸収フィルタ120を通過した光を受光する固体撮像素子130とを有する。第1実施形態の光学ローパスフィルタ1は、第1複屈折板2と位相板3と第2複屈折板4とを有する。
本実施形態の光学ローパスフィルタ1を構成する第1複屈折板2と位相板3は、第2複屈折板4と分離し、組み合わされて一つの光学部品を構成している。これらの第1複屈折板2と位相板3とが組み合わされた光学部品に赤外線吸収フィルタ120が組み合わされて複合フィルタ5として機能している。この複合フィルタ5は、固体撮像素子130と撮影レンズ110の間に配置され、入射側から第1複屈折板2、位相板3、赤外線吸収フィルタ120の順に貼り合わされている。第1複屈折板2の上面には第1反射防止膜161が、赤外線吸収フィルタ120の下面には第2反射防止膜162がそれぞれ設けられている。
固体撮像素子130は、複数の画素からなり、画素が一定のピッチで規則正しく配列された構造を有する。固体撮像素子130は、例えばCCD(Charge Coupled Device)、CMOS(Complementary MOS)から構成され、受光した光を電気信号に変換する機能を有する。
固体撮像素子130は、ゴミが付着することを防止するため、セラミックや樹脂等の絶縁性の素材で構成される凹型のパッケージ140の中に封入され、固体撮像デバイス150として用いられる。このパッケージ140は撮影レンズ110を通過した光が入射する開口部141を備える。パッケージ140の内部の底面中央には、固体撮像素子130が開口部141と対向して接着剤で固定されている。パッケージ140の内部と外部を接続する外部接続配線131がパッケージ140の側壁を貫通して設けられ、固体撮像素子130と外部接続配線131とはボンディングワイヤ132を介して電気的に接続されている。パッケージ140の開口部141に本発明の光学ローパスフィルタ1を構成する第2複屈折板4が開口部141を閉塞して接着剤142を介して装着されている。この第2複屈折板4は、開口部141を閉塞してパッケージ140を密封するカバーガラスとして機能している。第2複屈折板4の上面には第3反射防止膜163が、下面には第4反射防止膜164がそれぞれ設けられている。
従って、本実施形態における光学ローパスフィルタ1は、第1複屈折板2と第2複屈折板4とが分離し、出射側の第2複屈折板4が固体撮像素子130を内蔵しているパッケージ140のカバーガラスとして用いられている構造となっている。このように、通常は一体化されている第1複屈折板2と位相板3と第2複屈折板4とを分離しても、光学ローパスフィルタ1としての機能に支障はない。また、固体撮像素子130のパッケージ140に用いられているカバーガラスには、アルファ線等の放射線を放出しない特殊な高純度ガラスが用いられている。例えば複屈折板を構成する水晶はアルファ線等の放射線を放出しないため、そのままカバーガラスとして使用可能である。アルファ線等の放射線を放出する複屈折板をカバーガラスとして用いる場合は、下面に薄い高純度ガラスを貼り合わせるようにしてもよい。
第1複屈折板2と第2複屈折板4は、水晶、ニオブ酸リチウム(LiNbO3)等の複屈折性を有する結晶板であり、水晶板のみを双方に用いる場合や、水晶とニオブ酸リチウムの組み合わせ、あるいは他の素材で構成される複屈折板を組み合わせて用いてもよい。複屈折とは、入射した光が、互いに垂直な振動方向を持つ常光線と異常光線の二つの光に分離する現象をいう。水晶とニオブ酸リチウム以外に複屈折性を有する結晶としては、チリ硝石、方解石、ルチル、KPD(KH2PO4)、APD(NH4H2PO4)等を例示することができる。
位相板3は、位相差を与えるために光学系に入れる透明板であり、互いに垂直な主軸方向に振動する直線偏光成分を通過させ、この二成分間に必要な位相差を与える結晶板で、二分の一波長板、四分の一波長板などがある。光学ローパスフィルタ1における位相板3としては、二分の一波長板と四分の一波長板の組み合わせ、又は四分の一波長板単独で用いられる。四分の一波長板として、通常に用いられる水晶板を用いることができる。四分の一波長板としての水晶板はやや厚みが大きいものの、高性能である。
本発明の光学ローパスフィルタ1においては、四分の一波長板として、入射する光の波長が大きくなるに従って位相差が大きくなる波長分散特性を有する高分子フィルムを用いることが好ましい。このような四分の一波長板として機能する高分子フィルムは市販されている。市販されている高分子フィルムは、一軸延伸されたガラス転移点温度が200℃以上のポリカーボネート製である。
図2は市販の高分子フィルムの複屈折の波長分散特性を示すグラフである。グラフの横軸は入射光の波長(nm)、縦軸は出射光の位相差(nm)を示す。実線の直線は、入射する光の波長に対する1/4の位相差の波長を示すもので、常光線と異常光線に1/4の位相差を与えて直線偏光を円偏光に変換する理想的な位相差を示し、入射する光の波長の大きさに比例して位相差が大きくなる。一点鎖線aで示す曲線と破線bで示す曲線は、それぞれ市販の四分の一波長板としての高分子フィルムの複屈折の波長分散特性を示す。それぞれ、可視光の範囲(400〜800nm)で入射する光の波長が大きくなるに従って位相差が大きくなる実線に近い波長分散特性を有する。
入射する光の波長が大きくなるに従って位相差が大きくなる波長分散特性を有する高分子フィルムを光学ローパスフィルタ1の位相板3として用いることにより、広い波長範囲に亘って直線偏光を真円に近い楕円偏光に変換することができ、均一に分離できるため、広い波長範囲の入射光に対して四分の一波長板としての機能を有する高性能な光学ローパスフィルタとすることができる。また、低コストで薄い高分子フィルムであり、光学ローパスフィルタの薄型化と低コスト化に寄与できる。
図1に示す第1実施形態の光学ローパスフィルタ1は、固体撮像素子130を内蔵しているパッケージ140の開口部を閉塞していたカバーガラスを光学ローパスフィルタ1を構成している第2複屈折板4で置き換えたことにより、部品としての光学ローパスフィルタ自体の厚さは、第2複屈折板4の厚みの分だけ減少し、しかも位相板3として薄い高分子フィルムを用いているため、更に厚さを減少させることができる。そのため、第1複屈折板2と第2複屈折板4に水晶板を用いても厚さの薄い光学ローパスフィルタとして構成することができ、安価で強度に優れた光学ローパスフィルタとすることができる。
一般的に光学ローパスフィルタには、2点分離と4点分離の機能を有するものがある。2点分離の機能を有する光学ローパスフィルタは、1枚の複屈折板が撮像レンズ110と固体撮像素子130との間に配置されている。一方、4点分離の機能を有する光学ローパスフィルタは、最低2枚の複屈折板と位相板が撮像レンズ110と固体撮像素子130との間に配置されている。本発明では、第2複屈折板4が、固体撮像素子130を内蔵するパッケージ140のカバーガラスとして機能し、第1複屈折板2と位相板3とから構成される光学物品とは分離されている。そして、第1複屈折板2と位相板3とが組み合わされた光学物品を用いず、第2複屈折板4のみを用いる構成である場合には、2点分離の機能を有する光学ローパスフィルタとして使用することが可能である。また、第2複屈折板4と、第1複屈折板2と位相板3から構成される光学物品とを組み合わせる構成の場合には、4点分離の機能を有する光学ローパスフィルタ1として使用することが可能である。このように、本発明によれば、2点分離や4点分離を有する光学ローパスフィルタとして、共通化して使用することが可能である。
また、4点分離の光学ローパスフィルタ自体をカバーガラスとして用いることも提案されているが、従来の光学ローパスフィルタは、第1複屈折板2と位相板3と第2複屈折板4とから構成される光学物品が全て接合されている構成であるため、製造時において固体撮像素子130に不良品が発見されたときに、固体撮像素子130と一緒に光学ローパスフィルタも廃棄されてしまうため、不良発生時における損失が大きい。本発明では、第2複屈折板2が、固体撮像素子130を内蔵するパッケージ140のカバーガラスとして機能し、第1複屈折板2と位相板3とから構成される光学物品と分離されていることにより、製造段階において、不良発生時にかかるコストを低減させることが可能である。更に、第2複屈折板4を第1複屈折板2と分離しているため、第2複屈折板4を貼り合わせる工程を削減できるという利点がある。
図3に、第1複屈折板2と第2複屈折板4の両方に水晶板を用い、位相板3として高分子フィルムを用いた光学ローパスフィルタ1で7.8μmの分離幅の4点分離を実現するための各部品の仕様を示す。APS−Cサイズ(16.7×23.4mm)で600万画素の固体撮像素子130では、画素のピッチは約7.8μm程度である。
第1複屈折板2は、厚さが1.322mmの水晶板を用いる。光学軸(複屈折性結晶で複屈折の起きない方向の軸)は、図3に示すように矩形状に切り出したときの短辺に平行で入射面に垂直な平面上にあって入射面の法線に対して45゜の角度である。上面には第1反射防止膜161が設けられ、下面には反射防止膜が設けられていない。
位相板3は、厚さ0.12mmの一軸延伸したポリカーボネート製のプラスチックフィルムで構成される四分の一波長板である。位相差の波長分散特性は図2のa又はbに示したものを用いる。
赤外線吸収フィルタ120は、厚さ0.3mmの赤外線吸収ガラス板を用いる。赤外線吸収フィルタ120の下面には第2反射防止膜162を設ける。赤外線吸収フィルタ120は、無機多層膜で構成される赤外線反射膜と比較して厚さが必要であるが、赤外線反射膜と異なって入射角依存性が無く、画面周辺に色むらの発生がないという特徴がある。
大判の第1複屈折板2,高分子フィルム3,赤外線吸収フィルタ120とを貼り合わせ、縦25mm、横30mmの矩形状に切り出すことによって複合フィルタ5を形成することができる。また、それぞれを矩形状に切り出したものを貼り合わせるようにしてもよい。複合フィルタ5の上面と下面の両方に第1反射防止膜161と第2反射防止膜162が設けられ、光線の透過率を向上させている。複合フィルタ5の厚さは、1.32mm+0.12mm+0.30mm=1.74mmとなる。水晶板を2枚用いる従来の光学ローパスフィルタでは、第2複屈折板4の厚さが加わって3.06mmの厚さとなるのに対して1.32mmの厚さを減少させることができる。
なお、本発明の光学ローパスフィルタでは、第1複屈折板2と第2複屈折板4とを分離させたために、第1複屈折板2と位相板3と赤外線吸収フィルタ120を貼り合わせた複合フィルタ5を撮像装置に組み込むときに、位相板3を下にして組み込む必要がある。そのため、複合フィルタ5に、上下方向を識別するための識別マークを設けることが好ましい。識別マークとしては、四隅の一つの角部の切り欠き、左右非対称部分への切り欠き、上下の端面形状を異ならせる、上下の基板の大きさを異ならせる等を例示することができる。
第2複屈折板4は、厚さが1.322mmの水晶板を例えば縦25mm、横30mmの矩形板に切り出されて形成されている。光学軸は、図3に示すように矩形板の長辺に平行で入射面に垂直な平面上にあって入射面の法線に対して45゜の角度である。上面には第3反射防止膜163が設けられ、下面には放射線の放出を考慮して反射防止膜が設けられていない。第2複屈折板4は、固体撮像素子130を収納するパッケージ140の開口部141を閉塞するカバーガラスとしてパッケージ140と共に固体撮像素子130を封入している。
このように構成された光学ローパスフィルタ1を含むフィルタの作用について説明する。図1に示した撮影レンズ110から第1反射防止膜161を介して水晶板で構成される第1複屈折板2に垂直入射した光線は、直線偏光の常光線と常光線と直交する方向に振動する直線偏光の第1異常光線とに分離し、常光線は屈折の法則に従って第1複屈折板2を直進し、第1異常光線は第1複屈折板2の中で縦方向(短辺と平行な方向)にずれ、第1複屈折板2を通過した互いに直角方向の直線偏光の常光線と第1異常光線は互いに縦方向に7.8μm離間した平行な光線となる。次に、位相板3を通過した常光線と第1異常光線は、それぞれ円偏光又は円に近い楕円偏光となる。そして、これらの常光線と第1異常光線は赤外線吸収フィルタ120を通過する際に赤外線成分が吸収されて赤外線吸収フィルタ120を通過し、第2反射防止膜162を通って出射する。更に、第3反射防止膜163を介して第2複屈折板4に垂直入射した常光線と第1異常光線は、常光線から第2の異常光線が横方向(長辺と平行な方向)に分離し、常光線は第2複屈折板4を直進し、第2異常光線は横方向に7.8μm横ずれして出射する。第1異常光線は常光線と同じ偏光成分と第3異常光線に分離し、常光線と同じ偏光成分は第2複屈折板4を直進し、第3異常光線は横方向に7.8μm横ずれして出射する。従って、光学ローパスフィルタ1によって一つの光線から7.8μmの分離幅で正方形を形作る4本の光線に分離され、それぞれの光線が固体撮像素子130のそれぞれ隣接する異なる画素に入射する。これによって、画素ピッチよりも細かい像を鈍らせることができ、光学像の空間周波数の高域成分を抑制することができる。
図4は、第1実施形態と異なる実施形態と第1実施形態の使用形態を示す概略断面図である。図4(a)に示す第2実施形態の光学ローパスフィルタ1bでは、第1複屈折板2としてニオブ酸リチウムを用いて光学ローパスフィルタ1bを構成している。第1複屈折板2の素材を強度的に脆いニオブ酸リチウムとしたことにより、貼り合わせる赤外線吸収フィルタ120の厚さも、第1実施形態の0.3mmの厚さでは赤外線吸収剤の濃度が高くなり強度的に弱いため、0.5mm程度とすることが好ましい。第1複屈折板2を分離性能が高いニオブ酸リチウムとすることにより、7.8μmの分離幅を得るには第1複屈折板2の厚さを0.22mmとすることができ、赤外線吸収フィルタ120を含む複合フィルタ5b全体の厚さは、0.22mm+0.12mm+0.5mm=0.84mmと水晶板を用いる場合より薄くすることができる。
図4(b)に示す第3実施形態の光学ローパスフィルタ1cでは、第1実施形態の位相板3の代わりに第3複屈折板6を用いている。3枚の複屈折板2,6,4で光学ローパスフィルタ1cを構成しても、同様に4点分離の高性能な光学ローパスフィルタとすることができる。第3複屈折板6としては、第1複屈折板2と第2複屈折板4と同様のものを用いることができる。第1複屈折板2と第3複屈折板6が組み合わされて一つの光学部品を構成し、第1複屈折板2と第3複屈折板6が貼り合わされて複合フィルタ5cとして撮影レンズ110と撮像素子130の間に配置され、第2複屈折板4が第1複屈折板2と分離されて撮像素子デバイス150のカバーガラスとして機能している。入射側から第1複屈折板2、第3複屈折板6、第2複屈折板4の順に配置されたこれらの複屈折板2,6,4の光学軸を相互に45゜ずつずらせて組み合わせる。複屈折板として水晶板を3枚用いると、かなり厚くなるため、第1複屈折板2の光学材料としてニオブ酸リチウムを用いるようにしてもよい。また、第3複屈折板6の出射側に、赤外線吸収フィルタを接合して用いることも可能である。
図4(c)に示す第4実施形態の光学ローパスフィルタ1は、第1実施形態における複合フィルタ5の下面を第2複屈折板4に極めて近接させた状態又は接触させた状態を示している。第1複屈折板2と第2複屈折板4とを分離させた場合でも、複合フィルタ5と第2複屈折板4との間の間隙を例えば0〜1mm程度に小さくすることにより、パッケージ140と撮影レンズ110との間の距離を最小限とすることができる。
第1実施形態、第2実施形態では、赤外線をカットするフィルタとして赤外線吸収フィルタを用いたが、多層膜フィルタにより赤外線を反射する赤外線カットフィルタを撮影レンズ110、第1複屈折板2の上面、第2複屈折板4の上面等に設けるようにしてもよい。多層膜フィルタによる赤外線カットフィルタとすることにより、赤外線カットフィルタの厚みを極めて薄くすることができる。また、多層膜で構成される紫外線反射膜もいずれかの面に設けるようにしてもよく、更に、紫外線と赤外線の両者を反射し、可視光線を通過させるUVIRカットフィルタをいずれかの面に設けてもよい。なお、赤外線吸収フィルタ120も、第1実施形態、第2実施形態では、位相板3の下面に貼り合わせていたが、撮影レンズ110や光学ローパスフィルタ1の何れの部分に配置してもよい。また、位相板は、前述した説明では第1複屈折板と貼り合わされていたが、第2複屈折板と貼り合わせるようにしてもよい。
本発明の光学ローパスフィルタは、固体撮像素子の前の光路に配置されて入射光線中の高い空間周波数成分を抑制して固体撮像素子に生じるモアレなどの偽信号を消去する用途に利用することができる。
本発明の光学ローパスフィルタの第1実施形態を含む撮像装置の概要を示す断面構成図である。 本発明の光学ローパスフィルタの位相板として用いる高分子フィルムの複屈折を表すグラフである。 光学ローパスフィルタで7.8μmの分離幅の4点分離を実現するための各部品の仕様を示す構成図である。 (a)〜(c)は本発明の光学ローパスフィルタのその他の実施形態を示す断面構成図である。
符号の説明
1:光学ローパスフィルタ、2:第1複屈折板、3:位相板、4:第2複屈折板、5:複合フィルタ、6:第3複屈折板、100:撮像装置、110:撮影レンズ、120:赤外線吸収フィルタ、130:固体撮像素子、140:パッケージ、141:開口部

Claims (3)

  1. 入射側に配置される第1複屈折板と、出射側に配置される第2複屈折板と、前記第1複屈折板と前記第2複屈折板との間に介在している位相板又は第3複屈折板とを有し、前記第2複屈折板が、前記第1複屈折板と分離して固体撮像素子を内蔵するパッケージの前記固体撮像素子に入射光を導く開口部を閉塞しているカバーガラスとして機能していることを特徴とする光学ローパスフィルタ。
  2. 請求項1記載の光学ローパスフィルタにおいて、
    前記第1複屈折板、前記第2複屈折板及び前記第3複屈折板が、ニオブ酸リチウム及び/又は水晶で構成されていることを特徴とする光学ローパスフィルタ。
  3. 請求項1又は2記載の光学ローパスフィルタにおいて、
    前記位相板が、入射する光の波長が大きくなるに従って位相差が大きくなる波長分散特性を有する高分子フィルムであることを特徴とする光学ローパスフィルタ。
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