JP2006083296A - 蛍光体の製造方法及び蛍光体並びにプラズマディスプレイパネル - Google Patents

蛍光体の製造方法及び蛍光体並びにプラズマディスプレイパネル Download PDF

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直子 古澤
Hisahiro Okada
尚大 岡田
Hideki Hoshino
秀樹 星野
Kazuyoshi Goan
一賀 午菴
Kazuya Tsukada
和也 塚田
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Abstract

【課題】発光輝度を向上させつつイオンスパッタによる劣化を防ぐことができる蛍光体の製造方法及び蛍光体並びにプラズマディスプレイパネルを提供すること。
【解決手段】本発明に係る蛍光体の製造方法は、蛍光体の前駆体を形成する前駆体形成工程と、前記前駆体形成工程で得られた前記前駆体を焼成して蛍光体を形成する焼成工程と、前記焼成工程で得られた前記蛍光体を酸洗浄する酸洗浄工程と、前記酸洗浄工程で得られた蛍光体表面に対しアルカリ金属系フッ化物からなる保護膜を形成する保護膜形成工程とから構成させる。
【選択図】なし

Description

本発明は、蛍光体の製造方法及び蛍光体並びにプラズマディスプレイパネルに関し、特に保護膜が形成された蛍光体の製造方法及び蛍光体並びにプラズマディスプレイパネルに関する。
近年、プラズマディスプレイパネルは、画面の大型化及び薄型化が可能なことから陰極線管(CRT)に代わり得るフラットパネルディスプレイとして注目されている。
プラズマディスプレイパネルは、電極を備えた2枚のガラス基板と、基板間に設けられた隔壁によって形成される多数の微小放電空間(以下、セルという。)とを有している。このセルの内壁には、蛍光体層が設けられ、Xe等を主成分とする放電ガスが封入されている。電極間に電圧を印加して基板上に規則正しく配置されたセルを選択的に放電させると、放電ガスに起因する紫外線が発生し、これにより蛍光体が励起されて可視光を発光する仕組みとなっている。
このため、プラズマディスプレイパネルに使用される蛍光体は、真空紫外線励起蛍光体と呼ばれており、また、一般に固相法により製造されている。なお、固相法とは、蛍光体母体を構成する元素を含む化合物とEu、Mn等の付活剤元素を含む化合物を所定量混合する前駆体形成工程を行った後、所定の温度で焼成する焼成工程を行い、固相間反応を促すことにより蛍光体を得る方法である。
ところで、このようなプラズマディスプレイパネルにおいては、高い発光輝度を有するだけでなく、高い発光輝度を維持することができる発光輝度維持率に優れた蛍光体が市場では求められている。
このような蛍光体の経時的な劣化には、イオン衝突(以下、イオンスパッタという。)による劣化と、真空紫外光(以下、VUVという。)による劣化の2種類の要因が挙げられているが、特に緑色蛍光体として知られているZn2Si04:Mn2+ではイオンスパッタによる劣化幅が大きいことが報告されている(非特許文献1)。
従来からイオンスパッタによる劣化を防ぐために、蛍光体表面に保護膜を設ける方法が知られている(特許文献1)。特許文献1では、蛍光体を励起させる真空紫外線の波長域である147〜172nm付近の波長域に対して透過率が高いアルカリ土類金属フッ化物を用いて保護膜を形成させて、真空紫外線の効率的な受光による発光輝度を向上させつつ、イオンスパッタによる劣化を防止しようとを試みている。
特開2001−200249号公報 信学技法(Technical Report of IEICEEID 99−95,2000−01)
しかし、ここで、特許文献1のように、単にアルカリ土類金属フッ化物を用いて保護膜を形成させただけでは、発光輝度を向上させつつ、イオンスパッタによる劣化を防ぐには不十分であった。
本発明は、前記問題点を鑑みてなされたものであり、発光輝度を向上させつつ、イオンスパッタによる劣化の防ぐことができる蛍光体の製造方法及びそのような製造方法を用いて製造された蛍光体並びに蛍光体を用いて製造されたプラズマディスプレイパネルを提供することである。
上記課題を解決するため請求項1に記載の発明は、
蛍光体の前駆体を形成する前駆体形成工程と、前記前駆体形成工程で得られた前記前駆体を焼成して蛍光体を形成する焼成工程と、前記焼成工程で得られた前記蛍光体を酸洗浄する酸洗浄工程と、前記酸洗浄工程で得られた蛍光体表面に対しアルカリ金属系フッ化物からなる保護膜を形成する保護膜形成工程とを含むことを特徴とする。
請求項1に記載の発明によれば、蛍光体の前駆体を形成する前駆体形成工程と、前記前駆体形成工程で得られた前記前駆体を焼成して蛍光体を形成する焼成工程と、前記焼成工程で得られた前記蛍光体を酸洗浄する酸洗浄工程と、前記酸洗浄工程で得られた蛍光体表面に対しアルカリ金属系フッ化物からなる保護膜を形成する保護膜形成工程とを含むので、酸洗浄工程で蛍光体表面の不純物や前駆体形成工程及び1次焼成工程で生じた欠陥部分を溶解させて取り除き、蛍光体表面を平坦にした後に、蛍光体表面上に層を形成して保護膜を形成することができる。また、保護膜は、アルカリ金属系フッ化物からなるので、蛍光体を保護しつつ、真空紫外線を透過させることができ、蛍光体の励起を妨げない。
請求項2記載の発明は、
請求項1に記載の蛍光体の製造方法において、前記酸洗浄工程の後に、前記酸洗浄工程で得られた蛍光体に対しアニール処理を行うアニール工程を含み、前記アニール工程の後に前記保護膜形成工程を行うことを特徴とする。
請求項2に記載の発明によれば、前記酸洗浄工程の後に、前記酸洗浄工程で得られた蛍光体に対しアニール処理を行うアニール工程を含み、前記アニール工程の後に前記保護膜形成工程を行うので、請求項1に記載の蛍光体の製造方法と比べて、酸処理工程後の蛍光体表面をより滑らかにした状態で層形成を行うことができる。
請求項3記載の発明は、
請求項1又は2に記載の蛍光体の製造方法は、前記前駆体形成工程は液相法であることを特徴とする。
請求項3記載の発明によれば、前記前駆体形成工程は液相法であるので、液相法で得られた前駆体の粒子は構成元素が原子レベルで均一であり、前駆体の表面から内部にわたって組成が均一となることができる。
請求項4に記載の発明は、
請求項1〜3いずれか一項に記載の蛍光体の製造方法は、前記蛍光体がZn2Si04:Mn2+の結晶構造からなることを特徴とする。
請求項4に記載の発明によれば、前記蛍光体がZn2Si04:Mn2+の結晶構造からなるので、特に、イオンスパッタによる劣化幅が大きいZn2Si04:Mn2+の構造をもつ蛍光体において、請求項1から請求項3のいずれか一項と同一の作用を得ることができ、蛍光体表面を平坦にした状態で保護膜を形成することができる。
請求項5記載の発明は、
請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の製造方法で製造された蛍光体であることを特徴とする。
請求項5に記載の発明によれば、請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の製造方法で製造された蛍光体であるので、蛍光体は請求項1から請求項4のいずれか一項と同一の作用を得ることができ、蛍光体表面を平坦にした状態で保護膜を形成することができる。
請求項6に記載の発明は、請求項5に記載の前記蛍光体を放電セルに備えたプラズマディスプレイパネルであることを特徴とする。
請求項6に記載の発明によれば、請求項5に記載の前記蛍光体を放電セルに備えたプラズマディスプレイパネルであるので、プラズマディスプレイパネルは請求項5と同一の作用を得ることができ、結晶面が整った蛍光体表面上に保護膜を形成させることができる。
請求項1に記載の発明によれば、酸洗浄工程で蛍光体表面の不純物や前駆体形成工程及び焼成工程で生じた欠陥部分を溶解させて取り除き、蛍光体表面を平坦にした後に、蛍光体表面上に層を形成して保護膜を形成することができるので、結晶面が整った蛍光体表面上に保護膜を形成することができ、このような原子配列の整った蛍光体表面上に成長した保護膜は高い結晶性を持つため、真空紫外線の透過率を高めるとともに、イオンスパッタによる劣化を防止することができる。したがって、保護膜は蛍光体を保護しつつ、真空紫外線を透過させることができる。
請求項2に記載の発明によれば、請求項1に記載の蛍光体の製造方法と比べて、酸処理工程後の蛍光体表面をより滑らかにした状態で層形成を行うことができるので、より結晶面が整った蛍光体表面上に保護膜を形成させることができ、保護膜の結晶性をさらに高めることができる。したがって、保護膜は真空紫外線の透過率をさらに高めるとともに、イオンスパッタによる劣化をさらに防止することができる。
また、アニール工程は、蛍光体自体の結晶性を高める効果があるため、蛍光体そのものの発光輝度及びイオンスパッタによる劣化耐性を向上させるという相乗効果を得ることができる。
請求項3記載の発明によれば、液相法で得られた前駆体の粒子は構成元素が原子レベルで均一であり、前駆体の表面から内部にわたって組成が均一となることができるので、固相法と比べて、焼成する際にMn23の生成を防止するために添加するSiO2の量を減らすことができ、蛍光体表面をSiO2リッチな状態にさせることがない。したがって、蛍光体表面の原子配列に乱れを生じさせることがなく、保護膜は結晶性を高めて真空紫外線の透過率を高めるとともに、イオンスパッタによる劣化を一層防止することができる。
請求項4に記載の発明によれば、特に、イオンスパッタによる劣化幅が大きいZn2Si04:Mn2+の構造をもつ蛍光体において、請求項1から請求項3のいずれか一項と同一の作用を得ることができ、蛍光体表面を平坦にした状態で保護膜を形成することができるので、結晶面が整った蛍光体表面上に保護膜を形成させて保護膜の結晶性を高めて真空紫外線の透過率を高めるとともに、イオンスパッタによる劣化を防止することができる。
請求項5に記載の発明によれば、蛍光体は請求項1から請求項4のいずれか一項と同一の作用を得ることができ、蛍光体表面を平坦にした状態で、保護膜を形成することができるので、結晶面が整った蛍光体表面上に保護膜を形成させて保護膜の結晶性を高めて真空紫外線の透過率を高めるとともに、イオンスパッタによる劣化を防止することができる。
請求項6に記載の発明によれば、プラズマディスプレイパネルは請求項5と同一の作用を得ることができ、結晶面が整った蛍光体表面上に保護膜を形成させることができるので、保護膜の結晶性を高めて真空紫外線の透過率を高めるとともに、イオンスパッタによる劣化を防止することができる。
以下、図面を参照しながら本発明を実施するための最良の形態について説明する。ただし、発明の範囲は図示例に限定されない。
まず、本発明に係る蛍光体の製造方法について説明する。
本発明に係る蛍光体の製造方法は、蛍光体の前駆体を形成する前駆体形成工程と、前駆体形成工程で得られた前駆体を焼成して蛍光体を形成する焼成工程と、焼成工程で得られた前記蛍光体を酸洗浄する酸洗浄工程と、酸洗浄工程で得られた蛍光体表面上に保護膜を形成する保護膜形成工程とから構成されている。
まず、前駆体形成工程について説明する。
前駆体形成工程では、液相法(「液相合成法」ともいう。)により前駆体を形成することが好ましい。
液相法とは、液体の存在下又は液中で蛍光体前駆体を作製することにより蛍光体を得る方法である。液相法では、蛍光体原料を液相中で反応させるので、反応は蛍光体を構成する元素イオン間で行われ、化学量論的に高純度な蛍光体が得やすい。また、固相間反応と粉砕工程とを繰り返し行いながら蛍光体を製造する固相法と比して、粉砕工程を行わずとも微少な粒径の粒子を得ることができ、粉砕時にかかる応力による結晶中の格子欠陥を防ぎ、発光効率の低下を防止することができる。
本発明において、液相法として従来公知の冷却晶析をはじめとするあらゆる晶析法や共沈法を用いることが可能であるが、特に反応晶析法を用いることが好ましい。
反応晶析法とは、晶析現象を利用して、液相中又は気相中で蛍光体の原料となる元素を含む原料溶液又は原料ガスを混合することにより蛍光体前駆体を作製する方法である。晶析現象とは、冷却、蒸発、pH調節、濃縮等による物理的または化学的な環境の変化、或は化学反応によって混合系の状態に変化を生じる場合等に液相中から固相が析出する現象を指す。本発明における反応晶析法による蛍光体前駆体の製造方法は、上記の様な晶析現象発生の誘因となりえる物理的、化学的操作による製造方法を意味する。
反応晶析法を適用する際の溶媒は反応原料が溶解すれば何を用いてもよいが、過飽和度制御のしやすさの観点から水が好ましい。複数の反応原料を用いる場合は、原料の添加順序は同時でも異なっていてもよく、活性によって適切な順序を適宜組み立てることができる。
反応晶析法を用いて前駆体を作製する際のいずれの工程においても、反応原料の添加速度、攪拌速度、反応中の温度、pH等の諸物性値を制御するのが好ましく、反応中に超音波を照射してもよい。また、粒径制御のために界面活性剤やポリマー等を添加してもよい。さらに、原料を添加し終えたら、必要に応じて溶液を濃縮又は熟成のうちのどちらか一方、あるいは両方行うことも好ましい態様の一つである。
このようにして得られた蛍光体前駆体は、本発明の蛍光体の中間生成物であり、この蛍光体前駆体を後述するような所定の温度に従って焼成することにより蛍光体を得ることが好ましい。
液相法で前駆体を合成した後、必要に応じてろ過、蒸発乾固、遠心分離等の方法で回収した後に好ましくは洗浄、脱塩処理工程を行う。
脱塩処理工程は蛍光体前駆体から副塩などの不純物を取り除くための工程であり、各種膜分離法、凝集沈降法、電気透析法、イオン交換樹脂を用いた方法、ヌーデル水洗法などを適用することができる。
本発明においては、蛍光体前駆体の生産性向上、且つ、副塩や不純物を十分に除去し、粒子の粗大化や粒子径分布の拡大を防止する観点から、前駆体脱塩後の電気伝導度が0.01mS/cm〜20mS/cmの範囲であることが好ましく、さらに好ましくは0.01〜10mS/cmであり、特に好ましくは0.01mS/cm〜5mS/cmである。
また、前述したような電気伝導度になるように調整することにより、最終的に得られる蛍光体の発光輝度の向上にも効果がある。なお、電気伝導度の測定方法はどのような方法を用いることも可能であるが、市販の電気伝導度測定器を使用すればよい。
脱塩処理工程終了後、さらに乾燥工程を行ってもよい。
次に、焼成工程について説明する。
焼成工程では、前駆体形成工程により得られた蛍光体前駆体を焼成処理することにより蛍光体を形成させる。
蛍光体前駆体を焼成する際には、いかなる方法を用いてもよく、焼成温度や時間は最も性能が高くなるように調整すればよい。例えば、大気中で600℃〜1800℃の間で適当な時間焼成することにより、目的の組成の蛍光体を得ることができる。また、800℃程度で焼成を行い有機物を酸化した後に、1100℃で90分大気中で焼成するという方法も有効である。
焼成装置(焼成容器)は現在知られているあらゆる装置を使用することができる。例えば箱型炉、坩堝炉、円柱管型、ボート型、ロータリーキルン等が好ましく用いられる。雰囲気も前駆体組成に合わせて酸化性、還元性、不活性ガス等を用いることができ、適宜選択することができる。さらに、必要に応じて焼成の後に還元処理または酸化処理等を施しても良い。また、蛍光体の組成や反応条件等によっては焼成を行う必要がない場合があり、その場合は焼成工程を省いても構わない。
また、焼成時に必要に応じて焼結防止剤を添加してもよい。焼結防止剤を添加する場合は、蛍光体前駆体形成時にスラリーとして添加することができる。また、粉状のものを乾燥済前駆体と混合して焼成してもよい。
焼結防止剤は特に限定されるものではなく、蛍光体の種類、焼成条件によって適宜選択される。例えば、蛍光体の焼成温度域によって800℃以下での焼成にはTiO2等の金属酸化物が、1000℃以下での焼成にはSiO2が、1700℃以下での焼成にはAl23が、それぞれ好ましく使用される。
なお、蛍光体の組成や反応条件等によっては、例えば乾燥工程等において結晶化が進み、焼成を行う必要が無い場合がある。その場合は焼成処理を省いても構わない。
焼成処理後、酸洗浄工程に先立って、冷却処理、分散処理等の諸工程を施してもよく、分級してもよい。
冷却処理工程では、焼成処理で得られた焼成物を冷却する処理を行う。冷却処理は特に限定されないが、公知の冷却方法より適宜選択することができ、例えば、該焼成物を前記焼成装置に充填したまま冷却することができる。また、放置により温度低下させてもよいし、冷却機を用いて温度制御しながら強制的に温度低下させてもよい。
分散処理工程では、焼成処理工程で得られた焼成物を分散する処理を行う。分散処理方法としては、例えば、高速攪拌型のインペラー型の分散機、コロイドミル、ローラーミル、ボールミル、振動ボールミル、アトライタミル、遊星ボールミル、サンドミル等の媒体メディアを装置内で運動させてその衝突及び剪断力の両方により微粒化するもの、カッターミル、ハンマーミル、ジェットミル等の乾式型の分散機、超音波分散機、高圧ホモジナイザー等が挙げられる。
次に、酸洗浄工程について説明する。
酸洗浄工程では、焼成工程を経て得られた蛍光体に対して、酸洗浄処理を行う。酸洗浄処理では、蛍光体表面の不純物や分散処理によるクラック等の欠陥が入った表面がエッチングされる。なお、蛍光体表面の不純物とは、前駆体形成工程及び焼成工程において反応せずに残存した未反応物やこれらの過程で生じた蛍光体以外の微量な物質を指している。以下に酸洗浄処理の詳しい条件を述べる。
酸洗浄処理を行う際に、酸性の水溶液を用いる。pH値については特に規定されるものではないが、pH1以上3未満が特に好ましい。酸性の水溶液がpH1未満の場合には、蛍光体本体にダメージが生じてしまい、発光輝度が減少してしまう。
また、酸性の水溶液種類は、酸性であるなら、特に限定されるものではないが、例えば塩酸、硝酸、クエン酸、酢酸等が好ましい。
なお、酸洗浄処理後には、水洗処理等を行い、酸性液を除去することが好ましい。また、酸洗浄処理後、保護膜形成工程に先立ってアニール工程を行うことが好ましい。
ここで、アニール工程について説明する。
アニール工程では、酸洗浄工程で得られた蛍光体に対して大気焼成を行った後に続けて還元焼成を行う。そこで、まず、大気焼成の詳しい条件を以下に述べる。
大気焼成での焼成雰囲気は、大気を用いるが、N2−O2等の混合ガスを用いてもよい。N2-O2の混合ガスを用いた場合、O2を2%以上40%以下にするのが好ましく、10%以上30%以下にするのが特に好ましい。焼成温度は、500℃〜1200℃の中で適宜選択することができるが、500℃以上1000℃以下が好ましく、さらに好ましくは500℃以上800℃以下である。これは、1200℃を超えると、蛍光体粒子の融着が見られ、500℃を下回ると、還元焼成後にもスパッタ耐性の改善が見られないからである。
次に、還元焼成の詳しい条件について説明する。
還元焼成の条件は、還元雰囲気と焼成時間、焼成温度をコントロールして、最も発光輝度が高く、スパッタ耐性が高くなるような条件であり、このような条件は当業者が周知技術を試行錯誤することにより見出すことが可能である。例えば、焼成温度を500℃以上700℃以下、N2-H2混合ガスを用い、H2を0.3%〜2%、焼成時間を1時間以上3時間以下とすると好ましい結果が得られる条件であるが、特にこの条件に限定されるものではない。このように還元焼成を大気焼成に続けて行うことにより蛍光体は発光輝度を向上させ、保護膜を形成させる際に保護膜の結晶性を高めることができる。
次に、保護膜形成工程について説明する。
保護膜形成工程では、酸洗浄工程で得られた蛍光体の表面に対してイオンスパッタによる劣化を防ぐための保護膜形成を行う。
なお、保護膜形成の原料としては、蛍光体が効率よく真空紫外線を受光することができるものを用いる必要がある。そのため、真空紫外線の波長域である147〜172nm付近の波長域に対して透過率が高いアルカリ金属系フッ化物を用いる。なお、アルカリ金属系フッ化物とは、アルカリ金属フッ化物及びアルカリ土類金属フッ化物からなる化合物を指しており、元素周期表Ia族(水素を除く)及びIIa族を含むフッ化物からなる化合物を指している。中でも、MgF2,CaF2,LiFのいずれか一つ若しくはこれらの組み合わせからなる化合物が好ましく、特にMgF2からなる化合物が好ましい。
保護膜の形成方法としては、例えば、フッ化マグネシウムの微粉末と蛍光体とを混合して蛍光体表面にこれらを付着させた後に焼成を行って保護膜を形成する方法や、蛍光体の分散液中にフッ化アンモニウムと塩化マグネシウムとを同時に混合し、フッ化アンモニウムを蛍光体表面に析出させる方法等が挙げられる。なお、前述したようなアルカリ金属系フッ化物の微粉末を用いる場合には、微粉末の粒径を300nm以下とすることが好ましく、さらに100nm以下とすることが好ましい。その際、微粉末の作製には、ボールミル、ビーズミル等を用いることができる。
このようにして、保護膜形成工程では、酸洗浄工程で得られた蛍光体表面に対してアルカリ金属系フッ化物の層からなる保護膜を形成させ、本発明の蛍光体を形成させる。
ここで、前述したような蛍光体の製造方法で使用される蛍光体の原料について説明する。蛍光体の原料としては以下に示すような化合物を構成するような無機蛍光体の原料であることが好ましい。
[青色発光蛍光体化合物]
(BL−1) :Sr227:Sn4+
(BL−2) :Sr4Al1425:Eu2+
(BL−3) :BaMgAl1017:Eu2+
(BL−4) :SrGa24:Ce3+
(BL−5) :CaGa24:Ce3+
(BL−6) :(Ba,Sr)(Mg,Mn)Al1017:Eu2+
(BL−7) :(Sr,Ca,Ba,Mg)10(PO4)6Cl2:Eu2+
(BL−8) :ZnS:Ag
(BL−9) :CaWO4
(BL−10):Y2SiO5:Ce
(BL−11):ZnS:Ag,Ga,Cl
(BL−12):Ca259Cl:Eu2+
(BL−13):BaMgAl1423:Eu2+
(BL−14):BaMgAl1017:Eu2+,Tb3+,Sm2+
(BL−15):BaMgAl1423:Sm2+
(BL−16):Ba2Mg2Al1222:Eu2+
(BL−17):Ba2Mg4Al818:Eu2+
(BL−18):Ba3Mg5Al1835:Eu2+
(BL−19):(Ba,Sr,Ca)(Mg,Zn,Mn)Al1017:Eu2+
[緑色発光蛍光体化合物]
(GL−1) :(Ba,Mg)Al1627:Eu2+,Mn2+
(GL−2) :Sr4Al1425:Eu2+
(GL−3) :(Sr,Ba)Al2Si28:Eu2+
(GL−4) :(Ba,Mg)2SiO4:Eu2+
(GL−5) :Y2SiO5:Ce3+,Tb3+
(GL−6) :Sr227−Sr225:Eu2+
(GL−7) :(Ba,Ca,Mg)5(PO43Cl:Eu2+
(GL−8) :Sr2Si38−2SrCl2:Eu2+
(GL−9) :Zr2SiO4,MgAl1119:Ce3+,Tb3+
(GL−10):Ba2SiO4:Eu2+
(GL−11):ZnS:Cu,Al
(GL−12):(Zn,Cd)S:Cu,Al
(GL−13):ZnS:Cu,Au,Al
(GL−14):Zn2SiO4:Mn2+
(GL−15):ZnS:Ag,Cu
(GL−16):(Zn,Cd)S:Cu
(GL−17):ZnS:Cu
(GL−18):Gd22S:Tb
(GL−19):La22S:Tb
(GL−20):Y2SiO5:Ce,Tb
(GL−21):Zn2GeO4:Mn
(GL−22):CeMgAl1119:Tb
(GL−23):SrGa24:Eu2+
(GL−24):ZnS:Cu,Co
(GL−25):MgO・nB23:Ce,Tb
(GL−26):LaOBr:Tb,Tm
(GL−27):La22S:Tb
(GL−28):SrGa24:Eu2+,Tb3+,Sm2+
[赤色発光蛍光体化合物]
(RL−1) :Y22S:Eu3+
(RL−2) :(Ba,Mg)2SiO4:Eu3+
(RL−3) :Ca28(SiO462:Eu3+
(RL−4) :LiY9(SiO462:Eu3+
(RL−5) :(Ba,Mg)Al1627:Eu3+
(RL−6) :(Ba,Ca,Mg)5(PO43Cl:Eu3+
(RL−7) :YVO4:Eu3+
(RL−8) :YVO4:Eu3+,Bi3+
(RL−9) :CaS:Eu3+
(RL−10):Y23:Eu3+
(RL−11):3.5MgO,0.5MgF2GeO2:Mn
(RL−12):YAlO3:Eu3+
(RL−13):YBO3:Eu3+
(RL−14):(Y,Gd)BO3:Eu3+
特に、無機蛍光体の原料としては、前記(GL−14)Zn2SiO4:Mn2+を構成する原料の適用が好ましい。
次に、本発明に係る蛍光体について説明する。
本発明の蛍光体は、前述した製造方法で製造された蛍光体であり、蛍光体の前駆体を形成する前駆体形成工程と、前記前駆体形成工程で得られた前駆体を焼成して蛍光体を形成する焼成工程とを具備した蛍光体の製造方法において、焼成工程で得られた蛍光体に対して酸洗浄を行うとともに酸洗浄後に蛍光体表面上にアルカリ金属系フッ化物からなる層が形成された保護膜を形成することで、蛍光体の発光を妨げず、イオンスパッタによる劣化を防止することを可能にするものである。
すなわち、本発明の蛍光体では、焼成工程で得られた蛍光体に対して酸洗浄を行うことにより蛍光体表面の不純物や酸洗浄工程以前の製造過程で生じた欠陥部分を溶解させて取り除き、露出された蛍光体表面である結晶面が平坦になる。このような結晶面が平坦な蛍光体では原子配列も整っているため、その後に形成される保護膜は原子配列の整った結晶面上に結晶を成長させる。その結果、保護膜は蛍光体との接面部において結晶の乱れを最小限にすることができ、保護膜の結晶性が高まることで、真空紫外線を効率よく透過させることができるので、蛍光体の発光を妨げることがないように構成される。
また、この保護膜は、イオンスパッタによる劣化を防ぐ為のものであり、アルカリ金属系フッ化物からなる層から形成されているため、イオンスパッタによる劣化を防ぎつつ、蛍光体が効率よく真空紫外線を受光することができ、蛍光体の発光を妨げることがないように構成される。
特に、保護膜形成に先立って酸洗浄工程の後に、酸洗浄工程で得られた蛍光体に対してアニール処理を行った場合においては、蛍光体表面をより滑らかにした状態で層形成を行うことができ、より結晶面が整った蛍光体表面上に保護膜を形成させて保護膜の結晶性が高まることで、真空紫外線を効率よく透過させることができるので、蛍光体の発光を妨げず、イオンスパッタによる劣化を一層防止することができるように構成される。
次に、図1を参照して、本発明に係るプラズマディスプレイパネルの実施形態について説明する。なお、プラズマディスプレイパネルには、電極の構造及び動作モードから大別すると、直流電圧を印加するDC型と、交流電圧を印加するAC型のものとがあるが、図1には、AC型プラズマディスプレイパネルの構成概略の一例を示した。
図1に示すプラズマディスプレイパネル1は、表示側に配置される基板である前面板10と前面板10に対向する背面板20とを備えている。
まず、前面板10について説明する。前面板10は、可視光を透過し、基板上に各種の情報表示を行うもので、プラズマディスプレイパネル1の表示画面として機能するものであり、前面板10には、表示電極11、誘電体層12、保護層13等が設けられている。
前面板10として、ソーダライムガラス(青板ガラス)等の可視光を透過する材料を好ましく使用できる。前面板10の厚さとしては、1〜8mmの範囲が好ましく、より好ましくは2mmである。
表示電極11は、前面板10の背面板20と対向する面に複数設けられ、規則正しく配置されている。表示電極11は、透明電極11aとバス電極11bとを備え、幅広の帯状に形成された透明電極11a上に、同じく帯状に形成されたバス電極11bが積層された構造となっている。なお、バス電極11bの幅は、透明電極11aよりも狭く形成されている。なお、表示電極11は所定の放電ギャップをあけて対向配置された2つの表示電極11で一組となっている。
透明電極11aとしては、ネサ膜等の透明電極を使用することができ、そのシート抵抗は、100Ω以下であることが好ましい。透明電極11aの幅としては、10〜200μmの範囲が好ましい。
バス電極11bは、抵抗を下げるためのものであり、Cr/Cu/Crのスパッタリング等により形成することができる。バス電極11bの幅としては、5〜50μmの範囲が好ましい。
誘電体層12は、前面板10の表示電極11が配された表面全体を覆っている。誘電体層12は、低融点ガラス等の誘電物質から形成することができる。誘電体層12の厚さとしては、20〜30μmの範囲が好ましい。誘電体層12の表面は保護層13により全体的に覆われる。保護層13は、MgO膜を使用することができる。保護層13の厚さとしては、0.5〜50μmの範囲が好ましい。
次に、背面板20について説明する。
背面板20には、アドレス電極21、誘電体層22、隔壁30、蛍光体層35R、35G、35B等が設けられている。
背面板20は、前面板10と同様に、ソーダライムガラス等が使用できる。背面板20の厚さとしては、1〜8mmの範囲が好ましく、より好ましくは2mm程度である。
アドレス電極21は、背面板20の、前面板20と対向する面に複数設けられている。アドレス電極21も、透明電極11aやバス電極11bと同様に帯状に形成されている。アドレス電極21は、平面視において、表示電極11と直交するように、所定間隔毎に複数設けられている。
アドレス電極21は、Ag厚膜電極等の金属電極を使用することができる。アドレス電極21の幅は、100〜200μmの範囲が好ましい。
誘電体層22は、背面板20のアドレス電極21が配された表面全体を覆っている。この誘電体層22は、低融点ガラス等の誘電物質から形成することができる。誘電体層22の厚さとしては、20〜30μmの範囲が好ましい。
誘電体層22上のアドレス電極21の両側方には、長尺に形成された隔壁30が背面板20側から前面板10側に立設されており、平面視において隔壁30は表示電極11と直交している。また、隔壁30は、背面板20と前面板10との間をストライプ状に区画した複数の微少放電空間(以下、放電セルという)31を形成しており、各放電セル31の内側には、希ガスを主体とする放電ガスが封入されている。
なお、隔壁30は、低融点ガラス等の誘電物質から形成することができる。隔壁30の幅は、10〜500μmの範囲が好ましく、100μm程度がより好ましい。隔壁30の高さ(厚み)としては、通常、10〜100μmの範囲であり、50μm程度が好ましい。
放電セル31には、赤(R)、緑(G)、青(B)のいずれかに発光する蛍光体から構成された蛍光体層35R、35G、35Bのいずれかが規則正しい順序で設けられている。一つの放電セル31内には、平面視において表示電極11とアドレス電極21が交差する点が多数存在するようになっており、これら一つ一つの交点を最小の発光単位として、左右方向に連続するR、G、Bの3つの発光単位により1画素を構成している。各蛍光体層35R、35G、35Bの厚さは特に限定されるものではないが、5〜50μmの範囲が好ましい。
なお、蛍光体層35R、35G、35Bの形成に当たっては、前述の方法により製造した本発明の蛍光体をバインダ、溶剤、分散剤などの混合物に分散し、適度な粘度に調整された蛍光体ペーストを放電セル31に塗布又は充填し、その後乾燥又は焼成することにより隔壁側面30a及び底面30aに本発明の蛍光体が付着した蛍光体層35R、35G、35Bを形成させるものとする。なお、蛍光体ペーストの調整は従来公知の方法により行うことができる。また、蛍光体ペースト中の蛍光体の含有量としては30質量%〜60質量%の範囲にするのが好ましい。
蛍光体ペーストを放電セル31R、31G、31Bに塗布又は充填する際には、スクリーン印刷法、フォトレジストフィルム法、インクジェット法など種々の方法で行うことができる。
このようにプラズマディスプレイパネルを構成させることにより、表示の際には、アドレス電極21と一組の表示電極11、11のうちいずれか一方の表示電極との間で選択的にトリガー放電を行わせることにより、表示を行う放電セルを選択させる。その後、選択された放電セル内において一組の表示電極11、11間でサステイン放電を行わせることにより放電ガスに起因する紫外線を生じさせ、蛍光体層35R、35G、35Bから可視光を生じさせることを可能にする。
以上のことから、本発明では、酸洗浄工程で蛍光体表面の不純物や前駆体形成工程及び焼成工程で生じた欠陥部分を溶解させて取り除き、蛍光体表面を平坦にした後に、蛍光体表面上に層を形成して保護膜を形成させる。その結果、結晶面が整った蛍光体表面上に保護膜を形成させて保護膜の結晶性が高まることで、真空紫外線を効率よく透過させることができるので、蛍光体の発光を妨げず、イオンスパッタによる劣化を防止することができる。
この場合において、酸処理工程後にアニール工程を行うことで、蛍光体表面をより滑らかにした状態で層形成を行うことができ、より結晶面が整った蛍光体表面上に保護膜を形成させて結晶性を高めることができ、真空紫外線を効率よく透過させることができるので、蛍光体の発光を妨げず、イオンスパッタによる劣化を防止することができる。
また、前駆体形成工程を液相法で行うことにより、得られた前駆体の粒子の構成元素を原子レベルで均一にさせ、前駆体の表面から内部にわたって組成を均一にさせることができる。その結果、固相法と比べて、焼成する際に添加するSiO2の量を減らすことができ、蛍光体表面の原子配列の乱れを最小限にすることができる。したがって、保護膜の結晶性がさらに高まることで、真空紫外線を効率よく透過させることができるので、蛍光体の発光を妨げず、イオンスパッタによる劣化を一層防止することができる。
特に、蛍光体としてZn2Si04:Mn2+を用いた場合では、イオンスパッタによる劣化幅が大きいため、前述したような効果が顕著に現れる。
したがって、このような蛍光体をプラズマディスプレイパネルに用いることにより、前述したような効果と同一の効果を得ることができ、発光輝度を向上させるとともに、イオンスパッタによる劣化を防止することができるプラズマディスプレイパネルとすることができる。
なお、前述した効果を評価するにあたって、以下の項目を検討した。
蛍光体の発光輝度を評価するにあたって、蛍光体に真空紫外線(エキシマランプ)を照射して、真空紫外線の照射し、その際の蛍光体の発光輝度を測定した。
また、蛍光体のイオンスパッタによる劣化を評価するにあたって、イオンスパッタ装置を用い、蛍光体にArイオンを照射して、Arイオンの照射前後の蛍光体の発光輝度を測定し、イオンスパッタで発光輝度が低下する程度(発光輝度維持率)を評価した。
また、プラズマディスプレイパネルの発光輝度及び発光輝度の劣化を評価するにあたって、プラズマディスプレイパネルの電極に同等維持電圧を印加させる際に電圧を長時間印加させる前後での蛍光体の発光輝度を測定し、点灯直後の発光輝度と電圧の長時間印加で発光輝度が低下する程度(発光輝度維持率)を評価した。
以下、本発明に係る実施例1および実施例2を説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
〔実施例1〕
本実施例1では、緑色蛍光体としてZn2SiO4:Mn2+の結晶構造をもつ蛍光体1〜3を作製し、得られた蛍光体粒子にスパッタ処理を施し、スパッタ処理前後の相対発光輝度を評価した。まず、蛍光体1〜3の合成について説明する。
1.蛍光体の作製
(1)蛍光体1の作製
純水1000ccをA液とする。関東化学社製 硝酸亜鉛6水和物36.26gと、硝酸マンガン6水和物0.90gを純水に溶解し、500ccとしこれをB液とする。関東化学社製 28%アンモニア水18.25gを純水、扶桑化学社製コロイダルシリカPL−3 35nm 20%水溶液18.78gと混合し500ccとし、これをC液とする。
室温において、A液を激しく攪拌した中に、B液とC液を30分間かけて等速で添加し、白色の沈殿を得た。その後、加圧ろ過法により固液分離を行った。
ついで、回収された沈殿物を100℃で24hr乾燥させた後、乾燥済み前駆体を得た。得られた前駆体を窒素100%の雰囲気中で1260℃、3時間焼成して焼成物を得た。その後、得られた焼成物に対してボールミルを用いて分散を行い、蛍光体1を得た。蛍光体1の粒度分布を粒度分布測定器(セイシン企業株式会社製 LMS−300)を用いて測定し、平均粒径を求めた。蛍光体1の平均粒径は2.5μmであった。
(2)蛍光体2の作製
前記(1)蛍光体1の作製で得られた蛍光体1を2つに分け、一方について酸洗浄を行い蛍光体2を得た。酸洗浄は、塩酸0.1N100ccあたりに蛍光体1を5g加え、充分に攪拌したのちろ過、純水による洗浄を行った。
(3)蛍光体3の作製
前記(2)蛍光体2の作製で得られた蛍光体2を2つに分け、一方を大気雰囲気中500℃3hr焼成したのち、N299%−H21%雰囲気中600℃で1hr焼成を行い、蛍光体3を得た。
2.保護膜の形成
まず、高純度化学研究所株式会社製 MgF2,CaF2,LiFをビーズミル分散機(VMA−GETZMANN社製 DISPERMATT SL−C5)を用いて分散を行い、平均粒径50nmの微粒子をそれぞれについて作製した。なお、粒径は、ゼ−タサイザー1000(マルバーン社製)を用いて測定した。この微粒子を用いて、前述した方法で得られた蛍光体1〜蛍光体3に対して、蛍光体表面に保護膜を設け、実施例及び比較例に用いる試料となる蛍光体試料1〜蛍光体試料5を作製する。
(1)蛍光体試料1の作製
蛍光体2を10gあたり、50ccのエタノール中に分散し、その中に、前述した方法で得られたMgF2の微粒子1.6gを加え、乳鉢で十分に混合した後、濾過、乾燥する。その後、窒素100%の雰囲気中で1000℃、3時間焼成して蛍光体表面に保護膜を形成した蛍光体試料1を得た。
(2)蛍光体試料2の作製
前記(1)の蛍光体試料1の作製で用いた蛍光体2を蛍光体3に変更する以外は前記(1)と同様の方法で蛍光体試料を作製し、これを蛍光体試料2とした。
(3)蛍光体試料3の作製
前記(2)の蛍光体試料2の作製で用いたMgF2の微粒子をCaF2の微粒子に変更する以外は前記(1)と同様の方法で蛍光体試料を作製し、これを蛍光体試料3とした。
(4)蛍光体試料4の作製
前記(2)の蛍光体試料2の作製で用いたMgF2の微粒子をLiFの微粒子に変更する以外は前記(1)と同様の方法で蛍光体試料を作製し、これを蛍光体試料4とした。
(5)比較例の蛍光体試料5の作製
前記(1)の蛍光体試料1の作製で用いた蛍光体2を蛍光体1に変更する以外は前記(1)と同様の方法で蛍光体試料を作製し、これを蛍光体試料5とした。
3.発光輝度の測定
前記で得られた蛍光体試料1〜蛍光体試料5について、発光輝度の測定を行った。
発光輝度の測定は、0.1〜1.5Paの真空槽内でエキシマ146nmランプ(ウシオ電機社製)を用いて紫外線を照射して、蛍光体から緑色光を発光させた。次に、得られた緑色光を検出器(MCPD−3000(大塚電子株式会社製))を用いてその輝度を測定した。そして、蛍光体試料1〜蛍光体試料4の発光のピーク輝度を、比較例の蛍光体試料5を100とした相対値で求め下記表1に示した。
また、前記で得られた蛍光体試料1〜蛍光体試料5について、イオンスパッタを行う前後の蛍光体試料の発光輝度の測定を行い、下記式(1)で発光輝度維持率を求め、その結果を下記表1に示した。
発光輝度維持率=[(イオンスパッタ後の発光輝度)/(イオンスパッタ前の発光輝度)]×100 ・・・式(1)
スパッタを行う際には、サンユー電子社製イオンスパッタ装置SC−701を使用し、Arガス雰囲気中で放電電圧1.0kV 放電電流5mA 真空度13Paの条件下で、5minスパッタを行った。
Figure 2006083296
以上のように、酸処理を行った蛍光体試料1〜試料4では、発光輝度維持率が上昇していることがわかる。また、酸処理に加え、アニール処理を行った蛍光体試料2〜蛍光体試料4では、さらに発光輝度が改善され、発光輝度維持率が上昇していることがわかる。
〔実施例2〕
実施例2では、実施例1において得られた蛍光体試料2、蛍光体試料5を用いてプラズマディスプレイパネルを製造し、プラズマディスプレイパネルの発光輝度を評価した。まず、プラズマディスプレイパネルの製造に用いる蛍光体ペーストの調整について説明する。
1.蛍光体ペーストの調整
(1)蛍光体ペースト1の調整
本発明に係る蛍光体ペーストとして、前記実施例1において作製した蛍光体試料2を用い、下記の組成で混合し、蛍光体ペースト1の調整を行った。
蛍光体試料2 45重量%
ターピネオール,ペンタンジオールの1:1混合液 54.5重量%
エチルセルロース(エトキシ基の含有率50%) 0.3重量%
ポリオキシエチレンアルキルエーテル 0.2重量%
(2)比較例の蛍光体ペーストの調整
蛍光体ペースト1の蛍光体試料2を蛍光体試料5に変更する以外は同様にして、蛍光体ペースト2の調整し、比較例の蛍光体ペーストとした。
2.プラズマディスプレイパネルの製造
(1)プラズマディスプレイパネル1の製造
図1に示した、ストライプ型のセル構造を持つ、交流面放電型のプラズマディスプレイパネル1を以下のように製造した。
まず、前面板10となるガラス基板上の所定の位置に、透明電極11aとして透明電極を配置する。次に、Cr−Cu−Crをスパッタリングし、フォトエッチングを行うことによりバス電極11bを透明電極11a上に形成し、表示電極11とする。そして、前記表面ガラス基板10上に、表示電極11を覆うように低融点ガラスを印刷し、これを500〜600℃で焼成することにより誘電体層12を形成する。さらに誘電体層12の上に、MgOを電子ビーム蒸着して保護膜13を形成する。
一方、背面板20上には、Ag厚膜を印刷し、これを焼成することにより、アドレス電極21を形成する。そして、前記背面板20上で、且つ、アドレス電極21の両側方に隔壁30を形成する。隔壁30は、低融点ガラスをピッチ0.2mmで印刷し、焼成することにより形成できる。さらに、前記隔壁30により区画された放電セル31内に前記蛍光体ペースト1と、別に調整した赤色蛍光体ペースト、青色蛍光体ペーストをスクリーン塗布法により塗布した。このとき、一つの放電セル31につき、一色の蛍光体ペーストを用いる。その後、蛍光体ペーストを乾燥又は焼成して、ペースト中の有機成分を除去し、放電セル31R、31G、31Bにそれぞれ発光色が異なる蛍光体層35R、35G、35Bを形成した。
そして、前記電極11、21等が配置された前記前面板10と背面板20とを、それぞれの電極配置面が向き合うように位置合わせし、約1mmのギャップを保った状態で、その周辺をシールガラス(図示略)により封止する。そして、前記基板10、20間に、放電により紫外線を発生するキセノン(Xe)と主放電ガスのネオン(Ne)とを混合したガスを封入して気密密閉した後、エージングを行う。以上によって、プラズマディスプレイパネルを製造し、プラズマディスプレイパネル1とした。
(2)比較例のプラズマディスプレイパネルの製造
比較例のプラズマディスプレイパネルとして、上記緑色蛍光体ペースト1を蛍光体ペースト2にすることで比較例のプラズマディスプレイパネル2を作製した。
3.プラズマディスプレイパネルのパネル発光輝度
次に、プラズマディスプレイパネル1とプラズマディスプレイパネル2について、それぞれプラズマディスプレイパネルの点灯直後の発光輝度を測定した。結果を下記表2に示す。なお、発光輝度の測定は、電極に同等維持電圧(170Vの交流電圧)を印加したときの白色輝度を測定するものとし、プラズマディスプレイパネル2の発光輝度を100とした場合のプラズマディスプレイパネル1の相対発光輝度を求めた。
また、点灯後1000時間の発光輝度を測定し、発光輝度維持率を求めた。
Figure 2006083296
このように、MgF2膜を酸処理及びアニール処理後の蛍光体表面に形成した蛍光体試料を用いて製造されたプラズマディスプレイパネル1では、発光輝度が高く、かつ発光輝度維持率に優れていることがわかる。
本発明に係るプラズマディスプレイパネル一例を示した斜視図である。
符号の説明
1 プラズマディスプレイパネル
10 基板
20 基板
30 隔壁
31R、31G、31B 放電セル
35R、35G、35B 蛍光体層

Claims (6)

  1. 蛍光体の前駆体を形成する前駆体形成工程と、前記前駆体形成工程で得られた前記前駆体を焼成して蛍光体を形成する焼成工程と、前記焼成工程で得られた前記蛍光体を酸洗浄する酸洗浄工程と、前記酸洗浄工程で得られた蛍光体表面に対しアルカリ金属系フッ化物からなる保護膜を形成する保護膜形成工程とを含むことを特徴とする蛍光体の製造方法。
  2. 前記酸洗浄工程の後に、前記酸洗浄工程で得られた蛍光体に対しアニール処理を行うアニール工程を含み、前記アニール工程の後に前記保護膜形成工程を行うことを特徴とする請求項1に記載の蛍光体の製造方法。
  3. 前記前駆体形成工程は液相法であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の蛍光体の製造方法。
  4. 前記蛍光体はZn2Si04:Mn2+での結晶構造からなることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の蛍光体の製造方法。
  5. 請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の製造方法で製造された蛍光体。
  6. 請求項5に記載の前記蛍光体を放電セルに備えたプラズマディスプレイパネル。
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