JP2006061594A - ミシン - Google Patents

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Toru Takada
亨 高田
Yasuo Sakakibara
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Abstract

【課題】 針棒が右方針振り位置と左方針振り位置とに針振りする場合に、これら左右両針落ち位置の夫々における糸締まりを改善でき、しかも目飛びを防止できるようにすること。
【解決手段】 下軸48から回転釜8へ回転駆動力を伝達する駆動力伝達系50に、下軸48の回転駆動力を伝達可能で且つ針棒の針振りに連動して回転釜8の下軸48に対する回転位相を調節する第2位相調節機構51を設け、駆動力伝達系50は第1及び第2釜駆動軸56,58と下軸48に固定された駆動ギヤ60と第2釜駆動軸58に軸心方向へ移動可能に外嵌されて駆動ギヤ60に噛合した従動ギヤ61とを備え、第2位相調節機構51は第1釜駆動軸56の右端部に形成されたヘリカルスプライン外歯56aと、従動ギヤ61に形成されたヘリカルスプライン内歯61cと、針棒の針振りに連動させて従動ギヤ61を軸心方向へ移動駆動する移動駆動機構65を備えた。
【選択図】 図7

Description

本発明は、糸捕捉用釜の下軸に対する回転位相だけでなく、回転天秤の主軸に対する回転位相を、針棒の右方への針振りと左方への針振りとで適宜調節できるようにしたものに関する。
従来、鳩目穴かがりミシン、二重環縫いミシン、千鳥縫いミシン等の飾り縫いミシンには、一般的に、ミシン主軸に連動して回転する回転型天秤が設けられている。この種の回転型天秤は上糸掛け部を有する正面視略T字状に形成され、ミシン主軸に同期して回転するに際して、糸供給源から縫針に至る糸道経路の途中部において、糸供給源から繰り出された上糸の一部が上糸掛け部に係合するため、回転型天秤による糸取り量を調節可能になっている。
ところで、加工布の種類や布厚、更には縫糸の種類や太さにより、縫い上がりの風合い(縫目の詰まり具合)が変わってしまうことが多い。そこで、回転天秤による糸取り量曲線の位相を、進めたり遅らせるように調整できるようにして、風合いの様相を任意に変更できるようにしたミシンの回転天秤装置が種々提案されている。
例えば、特許文献1のミシンの回転縫糸取上装置は、ミシン主軸と同心に取付けられた基円板であって、主軸と同方向、同角速度で回転する1枚の基円板と、その基円板に取付けられた数個の内側縫糸接触ピンと、その内側縫糸接触ピンによって基円板の前面にそれと同心に支持された1枚の円板と、その円板の前面に度田付られた数個の外側縫糸接触ピンとを備え、更に円板の基円板に対する取付け角度を調節固定し得るような調節固定装置を備え、その取付け角度の調節により、縫糸取上量の変化曲線の形状を変更調節し、縫糸取り上げ作用を各種縫い条件に適合させ得るようにしてある。
特公昭37−17183号公報 (第1〜2頁、図1,図2)
前述したように、特許文献1に記載のミシンの回転縫糸取上装置においては、調節固定装置の取付け角度を調節して縫糸取上量の変化曲線の形状を変更調節するようにして、作業者或いは消費者の好みにより、縫い上がりの風合いの様相を変更できるようにしてあるだけである。
ところで、例えば、千鳥縫目を形成する千鳥縫いミシンの場合、針棒は右方と左方とに交互に針落ちするように針振りする。その為、針棒の右方針振り位置と左方針振り位置とで、回転釜の外釜に有する剣先と縫針の目孔との出会いタイミングが異なるだけでなく、剣先に引っ掛けられた上糸ループが回転釜から抜けるタイミングも異なる。即ち、回転釜の回転方向が作業者から視て反時計回りの場合には、縫針の目孔との出会いタイミング及び上糸ループの糸抜けタイミングは、右方への針振りの場合に早くなり、左方への針振りの場合に遅くなる。
しかし、回転天秤の回転位相や針棒の上下動の位相は、基本的に回転釜の剣先が針揺動幅の略中央に来たときを基準に設定されているので、右側針落ち位置と左側針落ち位置の各々における糸締まりが何れにおいても最適にはならず、縫い上がりの風合いや見栄えが悪いという問題がある。
更に、針棒の針振りに同期させて回転釜の回転位相を変更する等、回転釜の回転位相については何ら調節できるようにはなっていないため、縫い糸の種類や太さによって、或いは縫製速度が高速の場合等、縫製条件によっては、縫針と剣先の出会いタイミングが安定せず、目飛びが発生する虞があること、等の問題がある。
請求項1のミシンは、針棒を針振りさせる針振り機構と下軸により回転駆動される糸捕捉用釜とを有するミシンにおいて、下軸から糸捕捉用釜へ回転駆動力を伝達する駆動力伝達系に、下軸の回転駆動力を伝達可能で且つ針棒の針振りに連動して糸捕捉用釜の下軸に対する回転位相を調節する位相調節機構を設けたものである。
ミシンモータで回転駆動される主軸と同期して下軸が回転され、下軸の回転駆動力は駆動力伝達系により糸捕捉用釜に伝達される。そこで、糸捕捉用釜の下軸に対する回転位相が、針振り機構による針棒の針振りに連動させて、右方へ針振りした場合にはそれに適した回転位相に調節されるともに、左方へ針振りした場合にはそれに適した回転位相に調節される。
請求項2のミシンは、請求項1の発明において、前記駆動力伝達系は、釜駆動軸と、下軸に固定された駆動ギヤと、釜駆動軸に軸心方向へ移動可能に外嵌されて駆動ギヤに噛合した従動ギヤとを備え、位相調節機構は、溝カム及びこの溝カムに係合するカム部を介して相互に係合する第1係合部及び第2係合部であって、釜駆動軸に形成された第1係合部と、前記従動ギヤに形成された第2係合部と、針棒の針振りに連動させて前記従動ギヤを軸心方向へ移動駆動する移動駆動手段とを備えたものである。
請求項3のミシンは、請求項2の発明において、前記第1係合部は第1ヘリカルスプライン係合歯であり、前記第2係合部は前記第1ヘリカルスプライン係合歯に噛合した第2ヘリカルスプライン係合歯である。
請求項4のミシンは、請求項1〜3の何れかの発明において、前記位相調節機構は、ミシンの作業者から視て糸捕捉用釜の回転方向が反時計回りの場合に、針棒が右方へ針振りする際には糸捕捉用釜の下軸に対する回転位相を遅らせ且つ針棒が左方へ針振りする際には糸捕捉用釜の下軸に対する回転位相を進めるものである。
請求項5のミシンは、請求項1〜3の何れかの発明において、前記位相調節機構は、ミシンの作業者から視て糸捕捉用釜の回転方向が時計回りの場合に、針棒が左方へ針振りする際には糸捕捉用釜の下軸に対する回転位相を遅らせ且つ針棒が右方へ針振りする際には糸捕捉用釜の下軸に対する回転位相を進めるものである。
請求項6のミシンは、請求項2の発明において、前記移動駆動手段は、従動ギヤの軸直交端面に当接する入力部材と、釜駆動軸に外装されて従動ギヤを軸心方向へ付勢するバネ部材と、針振り機構の針棒台駆動シャフトの針振り水平移動を前記入力部材に伝達するリンク機構とを有するものである。
請求項7のミシンは、請求項3の発明において、前記移動駆動手段は、従動ギヤの軸直交端面に当接する入力部材と、釜駆動軸に外装されて従動ギヤを軸心方向へ付勢するバネ部材と、入力部材を従動ギヤの方へ駆動するアクチュエータと、このアクチュエータを針棒の針振りに同期させて制御する制御手段とを有するものである。
請求項8のミシンは、請求項3の発明において、前記移動駆動手段は、従動ギヤに制動トルクを付与する制動トルク付与機構と、この制動トルク付与機構に針振り機構の針棒台駆動シャフトの針振り水平移動を伝達して制動トルクを発生させるリンク機構とを有するものである。
請求項9のミシンは、請求項3の発明において、前記移動駆動手段は、従動キヤに制動トルクを付与する制動トルク付与機構と、この制動トルク付与機構に制動トルクを発生させるアクチュエータと、このアクチュエータを針棒の針振りに同期させて制御する制御手段とを有するものである。
請求項10のミシンは、ミシンの主軸に同期回転するように連動連結された回転天秤と、針棒を針振りさせる針振り機構と、下軸により回転駆動される糸捕捉用釜とを有するミシンにおいて、主軸に連結された針棒クランクに固定され回転天秤へ回転力を伝達し且つ回転天秤を支持する為の伝達支持部材と、伝達支持部材の回転駆動力を回転天秤に伝達可能で且つ針棒の針振りに連動して回転天秤の主軸に対する回転位相を調節する第1位相調節機構と、下軸から糸捕捉用釜へ回転駆動力を伝達する駆動力伝達系に設けられ、下軸の回転駆動力を伝達可能で且つ針棒の針振りに連動して糸捕捉用釜の下軸に対する回転位相を調節する第2位相調節機構とを設けたものである。
請求項1の発明によれば、針棒を針振りさせる針振り機構と下軸により回転駆動される糸捕捉用釜とを有するミシンにおいて、下軸から糸捕捉用釜へ回転駆動力を伝達する駆動力伝達系に位相調節機構を設けたので、下軸の回転駆動力を駆動力伝達系により糸捕捉用釜に伝達できる上、糸捕捉用釜の下軸に対する回転位相を、針振り機構による針棒の針振りに連動させて、つまり右方へ針振りした場合にはそれに適した回転位相に調節することができ、左方へ針振りした場合にはそれに適した回転位相に調節することができる。
それ故、剣先と縫針の目孔との出会いを、針棒の右方への針振りと左方への針振りの何れにおいても最適なタイミングで実現させることができ、縫目形成における針振り時の目飛びを確実に防止することができる。
請求項2の発明によれば、前記駆動力伝達系は、釜駆動軸と、下軸に固定された駆動ギヤと、釜駆動軸に軸心方向へ移動可能に外嵌されて駆動ギヤに噛合した従動ギヤとを備え、位相調節機構は、溝カム及びこの溝カムに係合するカム部を介して相互に係合する第1係合部及び第2係合部であって、釜駆動軸に形成された第1係合部と、従動ギヤに形成された第2係合部と、針棒の針振りに連動させて従動ギヤを軸心方向へ移動駆動する移動駆動手段とを備えたので、下軸の回転が駆動ギヤを介して従動ギヤに伝達され、従動ギヤの回転が釜駆動軸を介して糸捕捉用釜を回転駆動できる上、針棒の針振りに連動して従動ギヤが軸心方向に移動されるので、従動ギヤの第2係合部に係合した第1係合部を有する釜駆動軸、つまり糸捕捉用釜の下軸に対する回転位相を遅らせたり、進めたりして調節することができる。その他請求項1と同様の効果を奏する。
請求項3の発明によれば、前記第1係合部は第1ヘリカルスプライン係合歯であり、前記第2係合部は第1ヘリカルスプライン係合歯に噛合した第2ヘリカルスプライン係合歯であるので、これら従動ギヤの第2ヘリカルスプライン係合歯と、釜駆動軸の第1ヘリカルスプライン係合歯との噛合(係合)により、糸捕捉用釜の位相調節の迅速化及び円滑化を図ることができる。その他請求項2と同様の効果を奏する。
請求項4の発明によれば、前記位相調節機構は、ミシンの作業者から視て糸捕捉用釜の回転方向が反時計回りの場合に、針棒が右方へ針振りする際には糸捕捉用釜の下軸に対する回転位相を遅らせ且つ針棒が左方へ針振りする際には糸捕捉用釜の下軸に対する回転位相を進めるので、上糸ループの糸捕捉用釜からの糸抜けタイミングが早い右方への針振り時に、糸捕捉用釜の回転位相を遅らせるため、右方への針振りに最適な糸締まりを実現することができるとともに、上糸ループの糸捕捉用釜からの糸抜けタイミングが遅い左方への針振り時に、糸捕捉用釜の回転位相を進めるため、左方への針振りに最適な糸締まりを実現することができる。その他請求項1〜3の何れかと同様の効果を奏する。
請求項5の発明によれば、前記位相調節機構は、ミシンの作業者から視て糸捕捉用釜の回転方向が時計回りの場合に、針棒が左方へ針振りする際には糸捕捉用釜の下軸に対する回転位相を遅らせ且つ針棒が右方へ針振りする際には糸捕捉用釜の下軸に対する回転位相を進めるので、上糸ループの糸捕捉用釜からの糸抜けタイミングが早い左方への針振り時に、糸捕捉用釜の回転位相を遅らせるため、左方への針振りに最適な糸締まりを実現することができるとともに、上糸ループの糸捕捉用釜からの糸抜けタイミングが遅い右方への針振り時に、糸捕捉用釜の回転位相を進めるため、右方への針振りに最適な糸締まりを実現することができる。その他請求項1〜3の何れかと同様の効果を奏する。
請求項6の発明によれば、前記移動駆動手段は、従動ギヤの軸直交端面に当接する入力部材と、釜駆動軸に外装されて従動ギヤを軸心方向へ付勢するバネ部材と、針振り機構の針棒台駆動シャフトの針振り水平移動を入力部材に伝達するリンク機構とを有するので、リンク機構を介して針棒台駆動シャフトの針振り水平移動を入力部材に伝達して従動ギヤを針振りに連動させて軸心方向へ確実に移動駆動でき、しかも従動ギヤの移動復帰をバネ部材で確実に行うことができる。その他請求項3と同様の効果を奏する。
請求項7の発明によれば、前記移動駆動手段は、従動ギヤの軸直交端面に当接する入力部材と、釜駆動軸に外装されて従動ギヤを軸心方向へ付勢するバネ部材と、入力部材を従動ギヤの方へ駆動するアクチュエータと、このアクチュエータを針棒の針振りに同期させて制御する制御手段とを有するので、針棒の針振りに連動させてアクチュエータを駆動させることにより、入力部材を介して従動ギヤを軸心方向へ確実に電気的に移動駆動でき、しかも従動ギヤの移動復帰をバネ部材で確実に行うことができる。
しかも、アクチュエータを駆動停止させて従動ギヤを確実に移動復帰させることができる。更に、針振り機構の針振り駆動力を何ら使用しないため、針振り機構の大型化を防止することができる。その他請求項2と同様の効果を奏する。
請求項8の発明によれば、前記移動駆動手段は、従動ギヤに制動トルクを付与する制動トルク付与機構と、この制動トルク付与機構に針振り機構の針棒台駆動シャフトの針振り水平移動を伝達して制動トルクを発生させるリンク機構とを有するので、リンク機構を介して針棒台駆動シャフトの針振り水平移動を制動トルク付与機構に伝達し、制動トルク付与機構で発生する制動トルクを従動ギヤに付与することにより、従動ギヤを針振りに連動させて軸心方向へ確実に移動駆動できるため、リンク機構による従動ギヤの軸方向へ移動させる駆動力を格段に軽減させることができる。しかも、従動ギヤの移動復帰をバネ部材で確実に行うことができる。その他請求項2と同様の効果を奏する。
請求項9の発明によれば、前記移動駆動手段は、従動キヤに制動トルクを付与する制動トルク付与機構と、この制動トルク付与機構に制動トルクを発生させるアクチュエータと、このアクチュエータを針棒の針振りに同期させて制御する制御手段とを有するので、針棒の針振りに連動させてアクチュエータを駆動制御することにより、制動トルク付与機構で制動トルクが発生するので、その発生した制動トルクを従動ギヤに付与することにより、従動ギヤを針振りに連動させて軸心方向へ確実に移動駆動できる。
しかも、アクチュエータを駆動停止させて従動ギヤを確実に移動復帰させることができる。更に、針振り機構の針振り駆動力を何ら使用しないため、針振り機構の大型化を防止することができる。その他請求項2と同様の効果を奏する。
請求項10の発明によれば、ミシンの主軸に同期回転するように連動連結された回転天秤と、針棒を針振りさせる針振り機構と、下軸により回転駆動される糸捕捉用釜とを有するミシンにおいて、伝達支持部材と、第1位相調節機構と、第2位相調節機構とを設けたので、第1位相調節機構により回転天秤の主軸に対する回転位相が、針棒の針振りに連動して主軸の回転位相に対して進めるように調節された場合、天秤糸取り量曲線の位相が、針棒揺動の中心における従来の天秤糸取り量曲線(基準)に対して進むようになり、針棒の針振りに連動して主軸の回転位相に対して遅らすように調節された場合、天秤糸取り量曲線の位相が、針棒揺動の中心における従来の天秤糸取り量曲線(基準)に対して遅れるようになるので、針棒の右方への針振りと左方への針振りの何れにおいても、最適な糸締まりを実現させることができる。
一方、下軸の回転駆動力を駆動力伝達系により糸捕捉用釜に伝達できる上、糸捕捉用釜の下軸に対する回転位相を、針振り機構による針棒の針振りに連動させて、つまり右方へ針振りした場合にはそれに適した回転位相に調節することができ、左方へ針振りした場合にはそれに適した回転位相に調節することができるため、剣先と縫針の目孔との出会いを、針棒の右方への針振りと左方への針振りの何れにおいても最適なタイミングで実現させることができ、しかも縫目形成における右方又は左方への針振り時の目飛びを確実に防止することができる。
本実施形態のミシンは、針棒上下動機構の針棒クランクに固定されて主軸に同期回転する伝達支持部材の回転駆動力を回転天秤に伝達可能で且つ針棒の針振りに連動して回転天秤の主軸に対する回転位相を第1位相調節機構で調節可能にするとともに、下軸から糸捕捉用釜へ回転駆動力を伝達する駆動力伝達系に設けられた第2位相調節機構により、下軸の回転駆動力を伝達可能で且つ針棒の針振りに連動して糸捕捉用釜の下軸に対する回転位相を調節可能にしてある。
図1〜図3に示すように、千鳥縫いミシン1のアーム部2に左右方向向きに配設された主軸4は機枠2Aに複数箇所において回転可能に支持され、アーム部2の頭部2aにおいて、主軸4の左端部に連結させて針棒を上下駆動する針棒上下動機構5と、針棒を左右に針振りさせる針振り機構6等が配設され、ベッド部3内に回転釜8が設けられている。先ず、この針棒上下動機構5について簡単に説明しておく。
針棒10は、機枠2Aに左右方向移動可能に支持された正面視コ字状の針棒台11に上下動可能に支持され、その下端部に縫針7を着脱可能に装着している。一方、主軸4の左端部に連結ピン12aを有する針棒クランク(釣合い錘)12が固着され、その連結ピン12aに針棒クランクロッド13の上端部が回動可能に枢着されている。
針棒クランクロッド13の下端部に水平方向向きのスライドピン14が左右方向スライド可能に支持され、そのスライドピン14の左端部(先端部)が針棒10の上端近傍部に固着した針棒抱き15に連結されている。それ故、主軸4の回転により針棒クランク12を介して針棒クランクロッド13が上下動するため、これに連結された針棒抱き15を介して針棒10が同時に上下動する。
次に、針振り機構6は、一般的な構成であるため、簡単に説明する。針振り機構6は、ステッピングモータからなる針振りモータ(図示略)と、この針振りモータに連結された針棒台駆動シャフト17と、スライドピン14と、針棒台駆動シャフト17に連結された針棒台11等を有する。
針振りモータが正転駆動されると、図2−1,図4に示すように、針棒台駆動シャフト17が所定距離だけ右方に針振り水平移動するので、スライドピン14が右方にスライドしながら針棒台11と針棒10が同時に右方の針振り位置に針振りする。
針振りモータが逆転駆動されると、図3−1,図5に示すように、針棒台駆動シャフト17が所定距離だけ左方に針振り水平移動するので、スライドピン14が左方にスライドしながら針棒台11と針棒10が同時に左方の針振り位置に針振りする。
次に、回転天秤装置20について説明する。回転天秤装置20は、主軸4に連結された針棒クランク12に固定され回転天秤9へ回転力を伝達し且つ回転天秤9を支持する為の伝達支持部材21と、伝達支持部材21の回転駆動力を回転天秤9に伝達可能で且つ針棒10の針振りに連動して回転天秤9の前記主軸4に対する回転位相を調節する第1位相調節機構22等を有している。
図2−1〜図3−1に示すように、回転天秤9へ回転駆動力を伝達し且つ回転天秤9を支持する為の伝達支持部材21が連結ピン12aの左端部に固定されている。伝達支持部材21は図2−1に示すように、正面視にて略クランク状であり、その左端部分には、図6に示すように円柱状の連結部21aが形成され、その連結部21aの外周部の一端に、左右向きのキー部材23が突出状に固着されている。
次に、第1位相調節機構22について説明する。第1位相調節機構22は、図2−1,図3−1,図6に示すように、ヘリカルスプライン内歯25bが形成された内歯形成部材25と、この内歯形成部材25に噛合するヘリカルスプライン外歯26aが形成された外歯形成部材26と、針振り機構6の針棒台駆動シャフト17の針振り水平移動を内歯形成部材25に伝達する水平移動伝達機構27等を有している。
内歯形成部材25には、その環状歯形成部25aの内周部に、主軸4の軸心と同心のヘリカルスプライン内歯25bであって、主軸4の軸心に対するリード角が左方から視て反時計回りに所定角度(例えば、約27°)のヘリカルスプライン内歯25bが形成されている。連結部21aの基端部にその内歯形成部材25が嵌入され、その右端部に内周側に突出した環状の支持壁部25cを介して連結部21aに左右方向移動自在に支持されている。
更に、その支持壁部25cの内周側の一カ所に左右方向向きのキー溝25dが形成され、連結部21aのキー部材23に左右方向移動可能に係合している。
一方、外周部にヘリカルスプライン外歯26aが形成された外歯形成部材26は、ヘリカルスプライン内歯25bと同じリード角(例えば、約27°)を有し、内歯形成部材25に左方から噛合し、その内側に形成された円筒状の連結凹部26bに連結部21aの左端部(先端部)が嵌入され、止めネジ28により連結部21aに対して押圧摩擦を介して回動可能に連結されている。外歯形成部材26の左端面に、回転天秤9の基端部9aが複数の固定ビス(図示略)で固定されている。
このように、内歯形成部材25が、伝達支持部材21の左端部に回転可能に支持された外歯形成部材26に対して、図2−1に示すように、主軸4の軸心と平行に右方移動位置にスライドした場合、内歯形成部材25は伝達支持部材21に対してキー部材23とキー溝25dを介して単独で回動できないため、外歯形成部材26がヘリカルスプライン内歯25bとヘリカルスプライン外歯26aの噛合を介して左方から視て時計回りに回動し、回転天秤9の主軸4に対する回転位相を進ませる(図1の2点鎖線及び図10参照)。
その逆に、内歯形成部材25が伝達支持部材21の左端部に回転可能に支持された外歯形成部材26に対して、図3−1に示すように、主軸4の軸心と平行に左方移動位置にスライドした場合、内歯形成部材25は伝達支持部材21に対してキー部材23とキー溝25dを介して単独で回動できないため、外歯形成部材26がヘリカルスプライン内歯25bとヘリカルスプライン外歯26aとの噛合を介して左方から視て反時計回りに回動し、回転天秤9の主軸4に対する回転位相を遅らせる(図1の実線及び図10参照)。
回転天秤9は、図1〜図3−1に示すように、その基端部9aより延びる回転腕部9bと、その先端部の上糸保持部9c等から構成され、基端部9aと回転腕部9bとの間に、第1上糸保持点9d及び第2上糸保持点9eが形成されている。ところで、図1,図2−1に示すように、機枠2Aの端部に面板カバー30が固定され、その面板カバー30に形成された円形開口部30aに外歯形成部材26の左端部が外部に露出するように臨んでいる。
図2−1,図3−1に示すように、回転天秤9の上糸保持部9cに引っ掛けられた上糸18が外れないように、天秤カバー32が頭部2aに設けられている。この天秤カバー32には天秤凹部32aが形成されている。
そこで、この天秤カバー32は、面板カバー30に形成された1対の円筒支持部材30bを介して固定ビス33で面板カバー30に固着されおり、回転天秤9の上糸保持部9cが天秤凹部32a内で回転するため、縫製中における上糸保持部9cからの上糸18の糸外れを防止するように構成されている。
次に、水平移動伝達機構27について説明する。この水平移動伝達機構27は、針振り機構6による水平移動量を、回転天秤9の位相変更角(例えば、約8°)に対応する距離(例えば、約3mm) だけ内歯形成部材25を主軸4の軸心方向へスライドさせる第1リンク機構35を有している。
即ち、図2−1,図2−2に示すように、針棒台11の上端部に連結ピン36が固定され、針棒台11の後側の機枠2Aに枢支ピン37で回動自在に枢支された第1リンク板38の前端部に形成された二股部38aに連結ピン36が嵌入している。面板カバー30内には前後方向向きに配設された第2リンク板39がその長さ方向中央部で枢支ピン40により回動自在に枢支され、第1リンク板38の後端と第2リンク板39の後端とが連結ピン41,42で夫々第3リンク板43の両端に連結されている。
第3リンク板43の前端部にコロ44が回転可能に枢着され、内歯形成部材25に形成された環状溝部25eに下側から係合している。ここで、第1リンク板38の枢支ピン37から連結ピン36までの距離と、枢支ピン37から連結ピン42までの距離の比率が約2.7:1となり、針棒台駆動シャフト17の最大針振り水平移動量(針棒10の最大針振り量)が8mmの場合、内歯形成部材25のスライド量が約3mmに減少する。
その結果、ヘリカルスプライン外歯26aとヘリカルスプライン内歯25bのリード角が約27°であるため、内歯形成部材25が外歯形成部材26に対して主軸4の軸心と平行に右方移動位置に約3mmだけスライドした場合、外歯形成部材26が左方から視て時計回りに約8°回動し、回転天秤9の主軸4に対する回転位相を8°分進ませる。
その逆に、内歯形成部材25が外歯形成部材26に対して主軸4の軸心と平行に左方移動位置に約約3mmだけスライドした場合、外歯形成部材26が左方から視て反時計回りに約8°回動し、回転天秤9の主軸4に対する回転位相を8°分遅らせる。ここで、これら第1〜第3リンク板38,39,43と、枢支ピン37,40及び連結ピン36,41,42等から第1リンク機構35が構成されている。
次に、ベッド部3には下軸48が主軸4と平行に配設されており、そのベッド部3に設けられ、下軸48から回転釜8へ回転駆動力を伝達する駆動力伝達系50と、その駆動力伝達系50に設けられた第2位相調節機構(位相調節機構に相当する)51について説明する。
先ず、駆動力伝達系50について説明する。図7〜図8に示すように、主軸4に同期して回転駆動される左右方向向きの下軸48が機枠3Aに複数箇所でベアリング55により回転可能に支持されている。下軸48の前側に下軸48と平行な第1釜駆動軸56が設けられ、その第1釜駆動軸56と直交状に前後方向向きの第2釜駆動軸58が設けられ、これら第1及び第2釜駆動軸56,58の各々は機枠3Aに複数箇所でベアリング57,59により回転可能に支持されている。第2釜駆動軸58の後端部に回転釜8が後ろ向きに固着されている。
下軸48に固着された駆動ギヤ60と第1釜駆動軸56の右端部に設けた従動ギヤ61とが噛合し、第1釜駆動軸56の左端部に設けた第1ベベルギヤ62と第2釜駆動軸58の後端部に設けた第2ベベルギヤ63とが噛合している。それ故、図7において、下軸48が右方から視て反時計回りに回転した場合、駆動ギヤ60と従動ギヤ61とを介して第1釜駆動軸56が右方から視て時計回りに回転し、両ベルギヤ62,63を介して第2釜駆動軸58が正面視にて反時計回りに回転する。
次に、その駆動力伝達系50に設けられ、下軸48の回転駆動力を伝達可能で且つ針棒10の針振りに連動して回転釜8の下軸48に対する回転位相を調節する第2位相調節機構51について説明する。
第2位相調節機構51は、図7〜図9に示すように、第1釜駆動軸56の右端部に形成されたヘリカルスプライン外歯56a(これが第1係合部である第1ヘリカルスプライン係合歯に相当する)と、従動ギヤ61の内周部に形成されてヘリカルスプライン外歯56aに噛合したヘリカルスプライン内歯61c(これが第2係合部である第2ヘリカルスプライン係合歯に相当する)と、針棒10の針振りに連動させて従動ギヤ61を軸心方向へ移動駆動する移動駆動機構65(これが移動駆動手段に相当する)を備えている。
ヘリカルスプライン外歯56aは、第1釜駆動軸56の軸心に対する所定のリード角(例えば、約27°)、つまり右方から視て反時計回りに捩じれたリード角を有している。従動ギヤ61には、その略右半部分の第1ギヤ形成部61aの内周部に、ヘリカルスプライン外歯56aと同じリード角を有するヘリカルスプライン内歯61cが形成され、その略左半部分の第2ギヤ形成部61bの外周部に駆動ギヤ60(平ギヤ)に噛合する平ギヤ61dが形成されている。
それ故、針棒10の右方針振り時に、従動ギヤ61が第1釜駆動軸56(ヘリカルスプライン外歯56a)に対して、図7に示す右方移動位置にスライドした場合、従動ギヤ61は駆動ギヤ60との噛合を介して単独で回動できないため、第1釜駆動軸56がヘリカルスプライン内歯61cとヘリカルスプライン外歯56aの噛合を介して右方から視て反時計回りに微動し、第2釜駆動軸58が正面視にて時計回りに微動するので、回転釜8における剣先8aの下軸48に対する回転位相を遅らせる(図4の2点鎖線を参照)。
その逆に、針棒10の左方針振り時に、従動ギヤ61が第1釜駆動軸56(ヘリカルスプライン外歯56a)に対して、図8に示す左方移動位置にスライドした場合、従動ギヤ61は駆動ギヤ60との噛合を介して単独で回動できないため、第1釜駆動軸56がヘリカルスプライン内歯61cとヘリカルスプライン外歯56aの噛合を介して右方から視て時計回りに微動し、第2釜駆動軸58が正面視にて反時計回りに微動するので、回転釜8における剣先8aの下軸48に対する回転位相を進ませる(図5の2点鎖線を参照)。
次に、針棒10の針振りに連動して従動ギヤ61を軸心方向へ移動駆動する移動駆動機構65について説明する。この移動駆動機構65は、図7,図8に示すように、二股状に開脚した入力部材66と、これに連結された第2リンク機構67と、第1釜駆動軸56に外装されて従動ギヤ61を軸心右方向へ付勢する圧縮コイルバネ68(これがバネ部材に相当する)等を有している。
図7,図8に示すように、第2リンク機構67は、前述した針振り機構6の針棒台駆動シャフト17に連結された左右向きの第4リンク板70と、この第4リンク板70の左端部に連結された前後向きの第5リンク板71等で構成されている。第5リンク板71の前後方向中央部で機枠3Aに枢支ピン72で回動自在に枢支され、第5リンク板71の後端部において入力部材66の中央部に連結ピン73により連結されている。入力部材66の両脚部の各々にコロ74が回転自在に枢着され、各コロ74が従動ギヤ61の右端面に同時に当接可能になっている。
ここで、針棒台駆動シャフト17の最大針振り水平移動量(針棒10の最大針振り量)が8mmの場合、第2リンク機構67により、第1リンク機構35と同様に従動ギヤ61のスライド量が約3mmに減少する。針棒10が右方へ針振りした場合、図7に示すように、第2リンク機構67を介して入力部材66が右方へ退避移動するので、従動ギヤ61が第1釜駆動軸56に外装された圧縮コイルバネ68のバネ力で右方移動位置にスライドし、前述したように、回転釜8における剣先8aの下軸48に対する回転位相を遅らせる(図10参照)。
即ち、回転釜8の回転方向が作業者から視て反時計回りであるため、針棒10が右方へ針振りした場合には、左方への針振りに比べて、縫針7の目孔7aに対する回転釜8の剣先8aの出会いを遅らせる必要がある。そこで、針棒10が右方へ針振りした場合に、回転釜8における剣先8aの下軸48に対する回転位相を遅らせることで、縫針7の目孔7aと剣先8aの出会いタイミングを最適にできる。
一方、針棒10が左方へ針振りした場合、図8に示すように、第2リンク機構67を介して入力部材66が左方に押圧移動するので、従動ギヤ61が圧縮コイルバネ68のバネ力に抗して左方移動位置にスライドし、前述したように、回転釜8における剣先8aの下軸48に対する回転位相を進ませる(図10参照)。
即ち、針棒10が左方へ針振りした場合には、右方への針振りに比べて、縫針7の目孔7aに対する剣先8aの出会いを早める必要があるため、針棒10が左方へ針振りした場合に、回転釜8における剣先8aの下軸48に対する回転位相を進ませることで、縫針7の目孔7aと剣先の出会いタイミングを最適にできる。
次に、このように構成された千鳥縫いミシン1の作用について説明する。
図1に示すように、縫製開始に際して、図示しない糸駒から延びる上糸18は、面板カバー30に設けた第1糸案内部材45を経て、回転天秤9の回転腕部9b又は上糸保持部9cに掛けられた後、第2糸案内部材46経て、針棒糸案内(図示略)を通って縫針7の目孔7aに至る所定の糸道経路に沿って上糸通しが行われている。
縫製の為の準備が完了してから縫製開始スイッチが操作された場合、図示外のミシンモータにより主軸4が所定回転方向に回転駆動されるので、針棒10は針棒上下動機構5を介して上下に駆動されるとともに、主軸4の回転駆動力が伝達支持部材21と、内歯形成部材25と、外歯形成部材26に順々に伝達されて回転天秤9が主軸4に同期して回転駆動される。
これと同時に、針振り機構6により針棒10が左方針振り位置と右方針振り位置とに交互に切換えられるとともに、主軸4に連結された下軸48及び駆動力伝達系50により回転釜8が所定の回転方向(作業者から視て反時計回り)に回転される。それ故、縫針7と回転釜8に有する剣先8aとの協働により、加工布に千鳥縫目が順々に形成される。
ところで、回転釜8の回転方向が作業者から視て反時計回りであるため、針振り機構6により針棒10が右方へ針振りした場合(図4参照)には、縫針7の目孔7aから延びる上糸ループが回転釜8から抜けるタイミングが早くなる。そこで、前述したように、針棒10が右方へ針振りした場合には、縫針7の目孔7aに対する回転釜8の剣先8aの出会いを遅らせる必要がある。
そこで、針棒10が右方へ針振りした場合には、図7に示すように、第2リンク機構67を介して入力部材66が右方へ退避移動して従動ギヤ61が右方移動位置にスライドし、前述したように、回転釜8における剣先8aの下軸48に対する回転位相を遅らせることができ、縫針7の目孔7aと剣先8aの出会いタイミングを最適にできる。
更に、針棒10が右方へ針振りした場合には、図2−1,図2−2,図4に基づいて説明したように、水平移動伝達機構27の第1リンク機構35を介して、内歯形成部材25が右方移動位置に約3mmだけスライドするので、外歯形成部材26が左方から視て時計回りに回動し、外歯形成部材26に固着された回転天秤9の位相を約8 °分進ませる。その結果、図11に示すように、針振りの中心における従来の天秤糸取り量曲線(基準)に対して、所定位相(約8°)だけ進ませた天秤糸取り量曲線(位相進む)が得られる。
一方、針振り機構6により針棒10が左方へ針振りした場合( 図5 参照) には、縫針7の目孔7aから延びる上糸ループが回転釜8から抜けるタイミングが遅くなる。そこで、前述したように、針棒10が左方へ針振りした場合には、縫針7の目孔7aに対する回転釜8の剣先8aの出会いを早める必要がある。
そこで、針棒10が左方へ針振りした場合には、図8に示すように、第2リンク機構67を介して入力部材66が左方へ押圧移動して従動ギヤ61が左方移動位置にスライドし、前述したように、回転釜8における剣先8aの下軸48に対する回転位相を進ませることができ、縫針7の目孔7aと剣先8aの出会いタイミングを最適にできる。
更に、針棒10が左方へ針振りした場合には、図3 −1,図3−2,図5に基づいて説明したように、水平移動伝達機構27の第1リンク機構35を介して、内歯形成部材25が左方移動位置に約3mmだけスライドするので、外歯形成部材26が左方から視て反時計回りに回動し、外歯形成部材26に固着された回転天秤9の位相を約8 °分遅らせる。その結果、図11に示すように、針振りの中心における従来の天秤糸取り量曲線(基準)に対して、所定位相(約8°)だけ遅らせた天秤糸取り量曲線(位相遅れ)が得られる。
ここで、針振り機構6による針棒10の左右の針振り位置への変更が針棒10の略最上位置付近において実行されるのに伴って、回転天秤9の主軸4に対する回転位相がその時点で変更されるとともに、回転釜8の下軸48に対する回転位相もその時点で変更されるので、針振りを実行しながら縫目形成される各縫目において、何ら支障を来すことは絶対にない。
このように、駆動力伝達系50は、第1及び第2釜駆動軸56,58と、下軸48に固定された駆動ギヤ60と、第1釜駆動軸56に軸心方向へ移動可能に外嵌されて駆動ギヤ60に噛合した従動ギヤ61とを備え、第2位相調節機構51は、第1釜駆動軸56に形成されたヘリカルスプライン外歯56aと、従動ギヤ61に形成されたヘリカルスプライン内歯61cと、針棒10の針振りに連動させて従動ギヤ61を軸心方向へ移動駆動する移動駆動機構65とを備えたので、下軸48の回転が駆動ギヤ60を介して従動ギヤ61に伝達され、従動ギヤ61の回転が第1及び第2釜駆動軸56,58を介して回転釜8を回転駆動できる上、針棒10の針振りに連動して従動ギヤ61が軸心方向に移動されるので、従動ギヤ61のヘリカルスプライン内歯61cに噛合したヘリカルスプライン外歯56aを有する第1釜駆動軸56、つまり回転釜8の下軸48に対する回転位相を遅らせたり、進めたりして調節することができる。
そこで、作業者から視て回転釜8の回転方向が反時計回りの場合に、針棒10が右方へ針振りする際には回転釜8の下軸48に対する回転位相を遅らせるので、上糸ループの糸捕捉用釜からの糸抜けタイミングが早い右方への針振り時に、糸捕捉用釜の回転位相を遅らせるため、右方への針振りに最適な糸締まりを実現することができる。しかも、針棒10が左方へ針振りする際には回転釜8の下軸48に対する回転位相を進めるので、上糸ループの糸捕捉用釜からの糸抜けタイミングが遅い左方への針振り時に、糸捕捉用釜の回転位相を進めるため、左方への針振りに最適な糸締まりを実現することができる。
更に、主軸4に同期回転するように連動連結された回転天秤9と、伝達支持部材21と、第1位相調節機構22とを設けたので、第1位相調節機構22により回転天秤9の主軸4に対する回転位相が、針棒10の針振りに連動して主軸4の回転位相に対して進めるように調節された場合、天秤糸取り量曲線の位相が、針棒揺動の中心における従来の天秤糸取り量曲線(基準)に対して進むようになり、針棒10の針振りに連動して主軸4の回転位相に対して遅らすように調節された場合、天秤糸取り量曲線の位相が、針棒揺動の中心における従来の天秤糸取り量曲線(基準)に対して遅れるようになるので、針棒10の右方への針振りと左方への針振りの何れにおいても、最適な糸締まりを実現させることができる。
次に、前記実施形態を部分的に変更した変更形態について説明する。
〔1〕図12に示すように、第2リンク機構67に代えて位相調節ソレノイド75(これがアクチュエータに相当する)を採用し、その位相調節ソレノイド75で入力部材66を、図7と同様に退避移動させ、また図8と同様に押圧移動させるようにしてもよい。この場合、図13に示すように、位相調節ソレノイド75は制御装置76(これが制御手段に相当する)で駆動制御するように構成されている。
即ち、制御装置76は、CPU76aとROM76b及びRAM76c等を有し、針振りモータの正転駆動又は逆転駆動により針棒台駆動シャフト17が針振り水平移動したときの移動位置を検出する移動位置検出センサ(図示略)から右方針振り信号と左方針振り信号を受け、その針振り信号に基づいて位相調節ソレノイド75が駆動制御される。
ここで、移動駆動機構65Aは、従動ギヤ61の軸直交端面に当接する入力部材66と、第1釜駆動軸56に外装されて従動ギヤ61を軸心右方向へ付勢する圧縮コイルバネ68と、入力部材66を従動ギヤ61の方へ駆動する位相調節ソレノイド75と、この位相調節ソレノイド75を針棒10の針振りに同期させて制御する制御装置76等から構成されている。
それ故、針振り機構6により針棒10が右方へ針振りした場合には、位相調節ソレノイド75を駆動させないでその出力軸75aを退入させることで、図7と同様に回転釜8における剣先8aの下軸48に対する回転位相を遅らせることができる。一方、針振り機構6により針棒10が左方へ針振りした場合には、位相調節ソレノイド75を駆動させてその出力軸75aを進出させることで、図8と同様に回転釜8における剣先8aの下軸48に対する回転位相を進めることができる。
その為、前述した実施例と同様の効果が得られる上、実施例に用いた第2リンク機構67により、針振り機構6による針振り駆動力で従動ギヤ61を左方の押圧位置へ直接移動させる場合に比べて、針振り機構6の大型化を防止することができる。
〔2〕移動駆動機構65Bは、図14,図15に示すように、従動ギヤ61Aに制動トルクを付与する制動トルク付与機構80と、この制動トルク付与機構80に針振り機構6の針棒台駆動シャフト17の針振り水平移動を伝達する第3リンク機構81等で構成するようにしてもよい。
制動トルク付与機構80について説明すると、従動ギヤ61Aの第1ギヤ形成部61aの外周部に、ヘリカルスプライン外歯56aと同じ捩じれ方向及びリード角を有するヘリカルスプライン外歯61eが形成されている。第1釜駆動軸56の右端部分には、従動ギヤ61Aに噛合する円筒状の第1制動ギヤ82とこれに噛合する第2制動ギヤ83が外嵌され、第2制動ギヤ83は第1釜駆動軸56の右端部でベアリング84により回転可能に且つ軸方向の移動が規制されている。
第1制動ギヤ82の略左半部分の円筒部の内周部に、ヘリカルスプライン外歯61eに噛合するヘリカルスプライン内歯82aが形成され、その略右半部分の枢支部の外周部に、ヘリカルスプライン内歯82aよりリードの小さいヘリカルスプライン外歯82bが形成されている。第2制動ギヤ83の略左半部分の円筒部の内周部に、ヘリカルスプライン外歯82bに噛合するヘリカルスプライン内歯83aが形成されている。
即ち、第1制動ギヤ82は従動ギヤ61Aと同期して回転可能に且つ軸方向移動可能に第1釜駆動軸56に支持され、第2制動ギヤ83は第1制動ギヤ82と同期して回転可能に且つ軸方向移動不可能に第1釜駆動軸56に支持されている。第3リンク機構81は、前述した針振り機構6の針棒台駆動シャフト17に連結された左右向きの第6リンク板81aと、この第6リンク板81aの左端部に連結された前後向きの第7リンク板81b等で構成されている。
第7リンク板81bの先端部に入力部材66が連結されている。更に、このように構成された第3リンク機構81に連結された入力部材66の両脚にはブレーキシュー85が夫々固着され、これらブレーキシュー85は第2制動ギヤ83の右端面を押圧するときに発生する制動トルクを付与可能になっている。
制動トルク付与機構80はこのように構成されているので、下軸48と第1釜駆動軸56が図示の回転方向に夫々回転駆動されながら、針振り機構6により針棒10が右方へ針振りした場合には、図14に示すように、第3リンク機構81を介して入力部材66が右方へ退避移動する。
このとき、入力部材66のブレーキシュー85は第2制動ギヤ83に押圧接触しないため、従動ギヤ61Aはそのヘリカルスプライン内歯61cと第1釜駆動軸56のヘリカルスプライン外歯56aとの噛合を介して、また第1制動ギヤ82もそのヘリカルスプライン内歯82aと従動ギヤ61Aのヘリカルスプライン外歯61eとの噛合及びそのヘリカルスプライン外歯82bと第2制動ギヤ83のヘリカルスプライン内歯83aとの噛合を介して右方に退避移動する。
しかし、第1制動ギヤ82が第2制動ギヤ83に当接して右方に移動できなくなったとき、つまり従動ギヤ61Aが第1制動ギヤ82に当接して右方に移動できなくなった図14に示す最右限位置まで退避移動したとき、前述したように、回転釜8における剣先8aの下軸48に対する回転位相を遅らせることができ、縫針7の目孔7aと剣先8aの出会いタイミングを最適にできる。
一方、針振り機構6により針棒10が左方へ針振りした場合には、図15に示すように、第3リンク機構81を介して入力部材66が左方へ押圧移動する。このとき、入力部材66のブレーキシュー85が第2制動ギヤ83の右端面を押圧して制動トルクを発生するため、先ず第2制動ギヤ83に制動トルクが付与されるとともに、第2制動ギヤ83に噛合する第1制動ギヤ82に制動トルクが付与され、更に第1制動ギヤ82に噛合する従動ギヤ61Aにも制動トルクが付与される。
その結果、第1制動ギヤ82は第2制動ギヤ83から受ける制動トルクと第2制動ギヤ83との噛合を介して左方へ移動し、従動ギヤ61Aは第1制動ギヤ82から受ける制動トルクと第1制動ギヤ82との噛合を介して左方の押圧位置へ移動する。それ故、前述したように、回転釜8における剣先8aの下軸48に対する回転位相を進めることができ、縫針7の目孔7aと剣先8aの出会いタイミングを最適にできる。
このように、入力部材66のブレーキシュー85で第2制動ギヤ83の右端面を押圧することにより発生する制動トルクでもって従動ギヤ61Aを左方の押圧位置へ移動できるため、前述した実施例と同様の効果が得られる上、第3リンク機構81で従動ギヤ61Aを左方の押圧位置へ直接移動させる場合に比べて、第3リンク機構81による入力部材66の押圧力を格段に軽減させることができる。
〔3〕図16,図17に示すように、移動駆動機構65Cは、変更形態〔2〕で用いた第3リンク機構81に代えて位相調節ソレノイド90(アクチュエータに相当する)を採用し、その位相調節ソレノイド90で入力部材66を、図14と同様に退避移動させ、また図15と同様に押圧移動させるようにし、前述した変更形態〔2〕と同様の制動トルク付与機構80Aを採用するようにしてもよい。この場合、図18に示すように、位相調節ソレノイド90は制御装置76A(これが制御手段に相当する)で駆動制御するように構成されている。
即ち、制御装置76Aは、CPU76aとROM76b及びRAM76c等を有し、針振りモータの正転駆動又は逆転駆動により針棒台駆動シャフト17が針振り水平移動したときの移動位置を検出する移動位置検出センサ(図示略)から右方針振り信号と左方針振り信号を受け、その針振り信号に基づいて位相調節ソレノイド90が駆動制御される。
ここで、移動駆動機構65Cは、従動ギヤ61Aに制動トルクを付与する制動トルク付与機構80Aと、この制動トルク付与機構80Aを従動ギヤ61Aの方へ駆動する位相調節ソレノイド90と、この位相調節ソレノイド90を針棒10の針振りに同期させて制御する制御装置76A等から構成されている。
それ故、針振り機構6により針棒10が右方へ針振りした場合には、位相調節ソレノイド90を駆動させないでその出力軸90aを退入駆動させることで、図7と同様に回転釜8における剣先8aの下軸48に対する回転位相を遅らせることができる。一方、針振り機構6により針棒10が左方へ針振りした場合には、位相調節ソレノイド90を駆動させてその出力軸90aを進出駆動させることで、図8と同様に回転釜8における剣先8aの下軸48に対する回転位相を進めることができる。
このように、位相調節ソレノイド90を駆動させて入力部材66に固着したブレーキシュー85で第2制動ギヤ83の右端面を押圧することにより発生する制動トルクでもって従動ギヤ61Aを左方の押圧位置へ移動できるため、前述した実施例と同様の効果が得られる上、変更形態〔2〕に用いた第3リンク機構81により、針振り機構6による針振り駆動力で従動ギヤ61Aを左方の押圧位置へ直接移動させる場合に比べて、針振り機構6の大型化を防止することができる。
〔4〕図19に示すように、外歯形成部材26Aの外周部に1つ又は複数(例えば、4つ)の螺旋状の溝カム26cを等間隔に形成し、内歯形成部材25Aの内周部にそれら溝カム26cに係合可能な1つ又は複数(例えば、4つ)の螺旋状のカム部25fを形成し、これら溝カム26c及びカム部25fを介して、内歯形成部材25Aと外歯形成部材26Aを相互に係合させるようにしてもよい。また、カム部25fをピン部材で構成するようにしてもよい。
更に、外歯形成部材26Aの外周部に1つ又は複数(例えば、4つ)の螺旋状のカム部を形成し、内歯形成部材25Aの内周部に1つ又は複数(例えば、4つ)の螺旋状の溝カムを形成し、これら溝カム及びカム部を介して、内歯形成部材25Aと外歯形成部材26Aを相互に係合させるようにしてもよい。また、カム部をピン部材で構成するようにしてもよい。
〔5〕図20に示すように、第1釜駆動軸56Aの外周部に1つ又は複数(例えば、4つ)の螺旋状の溝カム56bを等間隔に形成し、従動ギヤ61Aの内周部にそれら溝カム56bに係合可能な1つ又は複数(例えば、4つ)の螺旋状のカム部61eを形成し、これら溝カム56b及びカム部61eを介して、従動ギヤ61Aと第1釜駆動軸56Aを相互に係合させるようにしてもよい。また、カム部61eを溝カム56bに係合可能なピン部材で構成するようにしてもよい。
更に、第1釜駆動軸56Aの外周部に1つ又は複数(例えば、4つ)の螺旋状のカム部を形成し、従動ギヤ61Aの内周部に1つ又は複数(例えば、4つ)の螺旋状の溝カムを形成し、これら溝カム及びカム部を介して、内歯形成部材25Aと外歯形成部材26Aを相互に係合させるようにしてもよい。また、カム部をピン部材で構成するようにしてもよい。
〔6〕作業者から視て回転釜8の回転方向が時計回りの場合には、針棒10が左方へ針振りする際には回転天秤9の回転位相を進め且つ針棒10が右方へ針振りする際には回転天秤9の回転位相を遅らせるようにしてもよい。この場合、上糸18の回転釜8からの糸抜けタイミングが早い左方への針振り時に、回転天秤9による糸締まりが早まるため、左方への針振りに最適な糸締まりを実現することができるとともに、上糸18の回転釜8からの糸抜けタイミングが遅い右方への針振り時に、回転天秤9による糸締まりが遅れるため、右方への針振りに最適な糸締まりを実現することができる。
〔7〕作業者から視て回転釜8の回転方向が時計回りの場合には、針棒10が左方へ針振りする際には回転釜8の下軸48に対する回転位相を遅らせ且つ針棒10が右方へ針振りする際には回転釜8の下軸48に対する回転位相を進めるようにしてもよい。この場合、上糸ループの回転釜8からの糸抜けタイミングが早い左方への針振り時に、回転釜8の回転位相を遅らせるため、左方への針振りに最適な糸締まりを実現することができるとともに、上糸ループの回転釜8からの糸抜けタイミングが遅い右方への針振り時に、回転釜8の回転位相を進めるため、右方への針振りに最適な糸締まりを実現することができる。
〔8〕水平移動伝達機構27の第1リンク機構35は、1つ又は複数のリンク板を組み合わせた各種のリンク機構で構成するようにしてもよい。この場合、第1リンク機構35として、針棒10の最大針振り量に対する内歯形成部材25のスライド量を可変にできるように構成することも可能である。
〔9〕第1リンク機構35を省略し、ソレノイドやエアシリンダ等で内歯形成部材25を直接に駆動するようにしてもよく、ステッピングモータやDCサーボモータ等の電動アクチュエータで駆動するようにしてもよい。また、位相調節ソレノイド75,90に代えて、エアシリンダ等のアクチュエータ、ステッピングモータやDCサーボモータ等の電動アクチュエータで駆動するようにしてもよい。
〔10〕ヘリカルスプライン内歯25b,61c,82a,83aやヘリカルスプライン外歯26a,56a,61e,82bのリード角や捩じれ方向は、針振り量や内歯形成部材25や従動ギヤ61のスライド量に応じて適宜設定するようにしてもよい。
〔11〕ヘリカルスプライン内歯25b、ヘリカルスプライン外歯26a、カム部25f等に、DLCコーティング(ダイヤモンド・ライク・カーボンコーティングを施すと、DLCコーティングによる低摩擦係数効果により、より小さい駆動力でヘリカルスプライン内歯25bをスライド駆動させ得ることができる。
〔12〕本案は、鳩目穴かがり縫目を形成する鳩目穴かがりミシン、飾り縫いミシン等、回転天秤を有する各種のミシンに本発明を適用し得ることは勿論である。
本発明の実施例に係る千鳥縫いミシンの天秤カバーを外した頭部の側面図である。 千鳥縫いミシンの頭部の内部構造(右方針振り状態)を示す正面図である。 右方針振り状態のリンク機構の平面図である。 千鳥縫いミシンの頭部の内部構造(左方針振り状態)を示す正面図である。 左方針振り状態のリンク機構の平面図である。 右方に針振りした針棒と回転釜との背面図である。 左方に針振りした針棒と回転釜との背面図である。 伝達支持部材と内歯形成部材と外歯形成部材の分解斜視図である。 ベッド部の内部機構(左方への針振り時)を説明する底面図である。 ベッド部の内部機構(右方への針振り時)を説明する底面図である。 第1釜駆動軸と従動ギヤの分解斜視図である。 針棒の針振りと回転天秤の位相と回転釜の位相の相関関係を説明する図表である。 釜糸量曲線と左右の針振り時における天秤糸取り量曲線を示す線図である。 変更形態に係る図7相当図である。 制御装置で位相調節ソレノイドを駆動制御する制御系のブロック図である。 変更形態に係る図7相当図である。 変更形態に係る図8相当図である。 変更形態に係る図7相当図である。 変更形態に係る図8相当図である。 制御装置で位相調節ソレノイドを駆動制御する制御系のブロック図である。 変更形態に係る図6相当図である。 変更形態に係る図9相当図である。
符号の説明
1 千鳥縫いミシン
4 主軸
6 針振り機構
8 回転釜
9 回転天秤
10 針棒
12 針棒クランク
17 針棒台駆動シャフト
21 伝達支持部材
22 第1位相調節機構
25 内歯形成部材
25b ヘリカルスプライン内歯
26 外歯形成部材
26a ヘリカルスプライン外歯
27 水平移動伝達機構
50 駆動力伝達系
51 第2位相調節機構
56 第1釜駆動軸
56a ヘリカルスプライン外歯
58 第2釜駆動軸
60 駆動ギヤ
61 従動ギヤ
61A 従動ギヤ
61c ヘリカルスプライン内歯
61e ヘリカルスプライン外歯
65 移動駆動機構
65A 移動駆動機構
65B 移動駆動機構
65C 移動駆動機構
66 入力部材
67 第2リンク機構
68 圧縮コイルバネ
75 位相調節ソレノイド
76 制御装置
76A 制御装置
80 制動トルク付与機構
80A 制動トルク付与機構
81 第3リンク機構
82 第1制動ギヤ
82a ヘリカルスプライン内歯
82b ヘリカルスプライン外歯
83 第2制動ギヤ
83a ヘリカルスプライン内歯

Claims (10)

  1. 針棒を針振りさせる針振り機構と下軸により回転駆動される糸捕捉用釜とを有するミシンにおいて、
    前記下軸から糸捕捉用釜へ回転駆動力を伝達する駆動力伝達系に、下軸の回転駆動力を伝達可能で且つ針棒の針振りに連動して前記糸捕捉用釜の下軸に対する回転位相を調節する位相調節機構を設けた、
    ことを特徴とするミシン。
  2. 前記駆動力伝達系は、釜駆動軸と、下軸に固定された駆動ギヤと、釜駆動軸に軸心方向へ移動可能に外嵌されて駆動ギヤに噛合した従動ギヤとを備え、
    前記位相調節機構は、
    溝カム及びこの溝カムに係合するカム部を介して相互に係合する第1係合部及び第2係合部であって、前記釜駆動軸に形成された第1係合部と、前記従動ギヤに形成された第2係合部と、
    前記針棒の針振りに連動させて前記従動ギヤを軸心方向へ移動駆動する移動駆動手段とを備えた、
    ことを特徴とする請求項1に記載のミシン。
  3. 前記第1係合部は第1ヘリカルスプライン係合歯であり、前記第2係合部は前記第1ヘリカルスプライン係合歯に噛合した第2ヘリカルスプライン係合歯であることを特徴とする請求項2に記載のミシン。
  4. 前記位相調節機構は、ミシンの作業者から視て糸捕捉用釜の回転方向が反時計回りの場合に、針棒が右方へ針振りする際には糸捕捉用釜の下軸に対する回転位相を遅らせ且つ針棒が左方へ針振りする際には糸捕捉用釜の下軸に対する回転位相を進めることを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載のミシン
  5. 前記位相調節機構は、ミシンの作業者から視て糸捕捉用釜の回転方向が時計回りの場合に、針棒が左方へ針振りする際には糸捕捉用釜の下軸に対する回転位相を遅らせ且つ針棒が右方へ針振りする際には糸捕捉用釜の下軸に対する回転位相を進めることを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載のミシン
  6. 前記移動駆動手段は、前記従動ギヤの軸直交端面に当接する入力部材と、前記釜駆動軸に外装されて従動ギヤを軸心方向へ付勢するバネ部材と、針振り機構の針棒台駆動シャフトの針振り水平移動を前記入力部材に伝達するリンク機構とを有することを特徴とする請求項2に記載のミシン。
  7. 前記移動駆動手段は、前記従動ギヤの軸直交端面に当接する入力部材と、前記釜駆動軸に外装されて従動ギヤを軸心方向へ付勢するバネ部材と、前記入力部材を従動ギヤの方へ駆動するアクチュエータと、このアクチュエータを針棒の針振りに同期させて制御する制御手段とを有することを特徴とする請求項2に記載のミシン。
  8. 前記移動駆動手段は、前記従動ギヤに制動トルクを付与する制動トルク付与機構と、この制動トルク付与機構に針振り機構の針棒台駆動シャフトの針振り水平移動を伝達して制動トルクを発生させるリンク機構とを有することを特徴とする請求項2に記載のミシン。
  9. 前記移動駆動手段は、前記従動キヤに制動トルクを付与する制動トルク付与機構と、この制動トルク付与機構に制動トルクを発生させるアクチュエータと、このアクチュエータを針棒の針振りに同期させて制御する制御手段とを有することを特徴とする請求項2に記載のミシン。
  10. ミシンの主軸に同期回転するように連動連結された回転天秤と、針棒を針振りさせる針振り機構と、下軸により回転駆動される糸捕捉用釜とを有するミシンにおいて、
    前記主軸に連結された針棒クランクに固定され前記回転天秤へ回転力を伝達し且つ回転天秤を支持する為の伝達支持部材と、
    前記伝達支持部材の回転駆動力を回転天秤に伝達可能で且つ針棒の針振りに連動して前記回転天秤の前記主軸に対する回転位相を調節する第1位相調節機構と、
    前記下軸から糸捕捉用釜へ回転駆動力を伝達する駆動力伝達系に設けられ、下軸の回転駆動力を伝達可能で且つ針棒の針振りに連動して前記糸捕捉用釜の下軸に対する回転位相を調節する第2位相調節機構と、
    を設けたことを特徴とするミシン。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7565873B2 (en) 2007-03-05 2009-07-28 Brother Kogyo Kabushiki Kaisha Sewing machine
TWI454602B (zh) * 2007-11-22 2014-10-01 Juki Kk Sewing machine
US9290869B2 (en) 2013-03-21 2016-03-22 Brother Kogyo Kabushiki Kaisha Sewing machine

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