JP2006057516A - 内燃機関の制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 スワールコントロールバルブ(SCV)を備えた内燃機関において、SCV動作過渡時の筒内充填空気量をより高い精度で求める内燃機関の制御装置を提供する。
【解決手段】 SCV21を備えた内燃機関における筒内充填空気量を求める内燃機関の制御装置であって、上記SCV21の動作過渡時における筒内充填空気量を求める場合には、上記SCV21の動作に伴って吸気ポート7のSCV21から吸気弁6aまでの空間Spに既燃ガスが出入りすることによる筒内充填空気量への影響が考慮される内燃機関の制御装置が提供される。つまり、本制御装置において上記SCV21の動作過渡時における筒内充填空気量を求める場合には、上記SCVの動作について考慮しないで求めた筒内充填空気量が、上記空間Spを出入りする既燃ガスの量に相当する分の空気量を用いて補正される。
【選択図】 図10

Description

本発明は内燃機関の制御装置に関する。
内燃機関の燃焼室において燃焼される混合気の空燃比を最適な値とするためには、吸気弁が閉じたときに筒内(燃焼室内)に充填されている空気の量(以下、「筒内充填空気量」と称す)を正確に推定する必要がある。そのため、従来より上記筒内充填空気量を求めるために種々の方法が試みられている。例えば、特許文献1には、内燃機関の吸気系に関してエネルギ保存則、質量保存側、状態方程式等を適用して流体モデルを構築し、それに基づいて筒内充填空気量を求める方法が開示されている。
他方、従来より、吸気ポートを二つに分岐し、その片方を開閉するようにバルブ(スワールコントロールバルブ:SCV)を設けた内燃機関が公知である。このような内燃機関では、上記バルブを運転条件によって制御し、例えば必要に応じて筒内(すなわち燃焼室内)に気流を発生させて希薄燃焼を可能にする等して、燃費と出力性能の両立を図ることができる。
特開2001−41095号公報 特開2002−147279号公報
ところで、上記スワールコントローバルブを備えた内燃機関においては、上記スワールコントローバルブの動作に関連して上記筒内充填空気量に変動が生じる場合がある。そして、その主たる原因は、上記スワールコントローバルブの動作に関連してスワールコントローバルブが設けられた吸気ポートのスワールコントローバルブから吸気弁に至るまでの空間に既燃ガスが出入りすることであると考えられる。
すなわち、スワールコントローバルブが開状態から閉状態にされる場合に吸気弁が開閉されると、上記スワールコントローバルブから吸気弁に至るまでの空間に筒内から既燃ガスが逆流してそこに留まることになるため、その分だけ多くの空気が筒内に吸入されることになる。その結果、この場合の筒内充填空気量は増加する傾向がある。
一方、スワールコントローバルブが閉状態から開状態にされる場合に吸気弁が開閉された時には、上記スワールコントローバルブから吸気弁に至るまでの空間に留まっていた既燃ガスが筒内に吸入されることになるので、その分だけ筒内に吸入される空気は少なくなる。その結果、この場合の筒内充填空気量は減少する傾向がある。
このようにスワールコントローバルブの動作は筒内充填空気量に影響を与えるため、この点を考慮しなければ、スワールコントローバルブの動作の筒内充填空気量への影響の残っている期間(スワールコントローバルブの動作過渡時)については、例えば上記流体モデルに基づいて求められる筒内充填空気量の精度が低下してしまう恐れがある。
本発明は、上記のような問題に鑑みてなされたもので、その目的は、スワールコントローバルブを備えた内燃機関において、上記スワールコントローバルブ動作過渡時における筒内充填空気量をより高い精度で求めることのできる内燃機関の制御装置を提供することである。
本発明は、上記課題を解決するための手段として、特許請求の範囲の各請求項に記載された内燃機関の制御装置を提供する。
請求項1に記載の発明は、スワールコントロールバルブを備えた内燃機関における筒内充填空気量を求める内燃機関の制御装置であって、上記スワールコントロールバルブの動作過渡時における筒内充填空気量を求める場合には、上記スワールコントロールバルブの動作に伴って吸気ポートのスワールコントロールバルブから吸気弁までの空間に既燃ガスが出入りすることによる筒内充填空気量への影響が考慮される、内燃機関の制御装置を提供する。
請求項2に記載の発明では請求項1に記載の発明において、上記スワールコントロールバルブの動作過渡時における筒内充填空気量を求める場合には、上記スワールコントロールバルブの動作について考慮しないで求めた筒内充填空気量が、上記スワールコントロールバルブの動作に伴って上記空間を出入りする既燃ガスの量に相当する分の空気量を用いて補正される。
請求項3に記載の発明では請求項2に記載の発明において、上記スワールコントロールバルブの動作について考慮しないで求めた上記筒内充填空気量を上記空気量を加算することによって補正して上記スワールコントロールバルブの閉動作に伴うスワールコントロールバルブの動作過渡時の筒内充填空気量を求めることと、上記スワールコントロールバルブの動作について考慮しないで求めた上記筒内充填空気量を上記空気量を減算することによって補正して上記スワールコントロールバルブの開動作に伴うスワールコントロールバルブの動作過渡時の筒内充填空気量を求めることとのうちの少なくとも一方が行なわれる。
請求項4に記載の発明では請求項2または3に記載の発明において、補正に用いられる上記空気量が、該空気量をMscvとし、吸気弁閉弁時の吸気管内圧力をPmc、吸気弁閉弁時の吸気管内温度をTmc、上記空間の容積をVscv、気体定数をRとすると、下記(1)式に基づいて求められる。
Figure 2006057516
以上のように、本願の発明によれば、上記スワールコントロールバルブの動作過渡時における筒内充填空気量が、上記スワールコントロールバルブの動作に伴って既燃ガスが吸気ポートのスワールコントロールバルブから吸気弁までの空間に吸入されるまたは同空間から排出されるということを考慮して求められる。この結果、上記スワールコントロールバルブの動作過渡時における筒内充填空気量をより高い精度で求めることが可能となる。
なお、スワールコントロールバルブの動作過渡時とは、スワールコントロールバルブの動作の筒内充填空気量への影響の残っている期間を意味する。
各請求項に記載の発明は、スワールコントロールバルブ動作過渡時の筒内充填空気量をより高い精度で求めることを可能にするという共通の効果を奏する。
以下、図面を参照して、本発明の実施形態について詳細に説明する。なお、図面において、同一または類似の構成要素には共通の参照番号を付す。
図1は本発明の内燃機関の制御装置を筒内噴射型火花点火式内燃機関に適用した場合の一例を示す概略構成図である。また、図2は図1に示した内燃機関の機関本体部分を断面で示した説明図である。なお、これらの図では理解を容易にするために1気筒分のみが示されている。
機関本体1はシリンダブロック2と、シリンダブロック2内で往復動するピストン3と、シリンダブロック2上に固定されたシリンダヘッド4とを具備する。ピストン3とシリンダヘッド4との間には燃焼室5が形成される。また、シリンダヘッド4には各気筒毎に二つに分岐した吸気ポート7(7a及び7b)及び排気ポート9(9a及び9b)と、各吸気ポート7a、7b及び各排気ポート9a、9bに夫々対応する吸気弁6a、6b及び排気弁8a、8bとが配置される。分岐した吸気ポートの一方(吸気ポート7a)には、駆動装置22によって駆動されるスワールコントロールバルブ(SCV)21が配置される。さらに、シリンダヘッド4の中央部には点火プラグ10が配置され、シリンダヘッド4周辺部には燃料噴射弁11が配置される。
各気筒の吸気ポート7は下流側の吸気管13を介してサージタンク14に連結され、サージタンク14は上流側の吸気管15を介してエアクリーナ16に連結される。上記吸気管15内にはステップモータ等の駆動装置17によって駆動されるスロットル弁18が配置される。一方、各気筒の排気ポート9は排気管19に連結され、この排気管19は排気浄化装置20に連結される。
電子制御ユニット(ECU)31はディジタルコンピュータからなり、双方向性バス32を介して相互に接続されたRAM(ランダムアクセスメモリ)33、ROM(リードオンリメモリ)34、CPU(マイクロプロセッサ)35、入力ポート36及び出力ポート37を具備する。上記吸気管13には、吸気管内の圧力を検出するための吸気管内圧力センサ40が設けられており、吸気管内圧力センサ40は吸気管内圧力に比例した出力電圧を発生し、この出力電圧が対応するAD変換器38を介して入力ポート36に入力される。
また、スロットル弁18の開度を検出するためのスロットル弁開度センサ43と、内燃機関の周囲の大気の圧力、または吸気管15に吸入される空気の圧力(吸気圧)を検出するための大気圧センサ44と、内燃機関の周囲の大気の温度、または吸気管15に吸入される空気の温度(吸気温)を検出するための大気温センサ45とが設けられ、これらセンサの出力電圧は対応するAD変換器38を介して入力ポート36に入力される。また、アクセルペダル46にはアクセルペダル46の踏込み量に比例した出力電圧を発生する負荷センサ47が接続され、負荷センサ47の出力電圧は対応するAD変換器38を介して入力ポート36に入力される。クランク角センサ48は例えばクランクシャフトが30度回転する毎に出力パルスを発生し、この出力パルスが入力ポート36に入力される。CPU35ではこのクランク角センサ48の出力パルスから機関回転数が計算される。一方、出力ポート37は対応する駆動回路39を介して点火プラグ10、燃料噴射弁11、スロットル弁18駆動用の駆動装置17及びSCV駆動用の駆動装置22等に接続される。
ところで、近年、内燃機関の吸気系に関してエネルギ保存則、質量保存側、状態方程式等を適用して流体モデルを構築し、それに基づいて筒内充填空気量等を求めて内燃機関の制御を行うことが検討されている。すなわち例えば、内燃機関の吸気系について、スロットルモデル、吸気管モデル、吸気弁モデル等を構築し、これら各モデルを用いることによりスロットル弁開度、大気圧、及び大気温度等から筒内充填空気量等を求めて、これに基づいて内燃機関の制御を行うようにする。
そして本実施形態においても、図1及び図2に示したような構成においてモデルを用いた内燃機関の制御が行われる。すなわち、本実施形態においては、通常時、以下で説明するような吸入空気量モデルM20を用いた制御が行われる。図3は、吸入空気量モデルM20を示す図である。
吸入空気量モデルM20は、図3に示したようにスロットルモデルM21、吸気管モデルM22、吸気弁モデルM23を備える。スロットルモデルM21には、スロットル弁開度センサによって検出されたスロットル弁の開度(以下、「スロットル弁開度」と称す)θtと、大気圧センサによって検出された内燃機関周囲の大気圧Paと、大気温センサによって検出された内燃機関周囲の大気温度Taと、後述する吸気管モデルM22において算出されたスロットル弁より下流側の吸気管内の圧力(吸気管内圧力)Pmとが入力され、これら入力された各パラメータの値を後述するスロットルモデルM21のモデル式に代入することで、単位時間当たりにスロットル弁を通過する空気の流量(以下、「スロットル弁通過空気流量mt」と称す)が算出される。スロットルモデルM21において算出されたスロットル弁通過空気流量mtは、吸気管モデルM22へ入力される。
吸気管モデルM22には、スロットルモデルM21において算出されたスロットル弁通過空気流量mtと、以下で詳述する単位時間当たりに燃焼室内に流入する空気の流量(以下、「筒内吸入空気流量mc」と称す。なお、筒内吸入空気流量mcの定義については、吸気弁モデルM23において詳述する)とが入力され、これら入力された各パラメータの値を後述する吸気管モデルM22のモデル式に代入することで、上記吸気管内圧力Pmとスロットル弁より下流側の吸気管内の温度(吸気管内温度)Tmとが算出される。吸気管モデルM22において算出された吸気管内圧力Pmは吸気弁モデルM23及びスロットルモデルM21に入力される。
吸気弁モデルM23には、吸気管モデルM22において算出された吸気管内圧力Pmが入力され、その値を後述する吸気弁モデルM23のモデル式に代入することで、筒内吸入空気流量mcが算出される。算出された筒内吸入空気流量mcは、筒内充填空気量Mcに変換され、この筒内充填空気量Mcに基づいて燃料噴射弁からの燃料噴射量が決定される。また、吸気弁モデルM23において算出された筒内吸入空気流量mcは吸気管モデルM22に入力される。
図3から分かるように、吸入空気量モデルM20ではあるモデルにおいて算出されたパラメータの値が別のモデルへの入力値として利用されるので、吸入空気量モデルM20全体では、実際に入力される値はスロットル弁開度θt、大気圧Pa、及び大気温度Taの三つのパラメータのみであり、これら三つのパラメータから筒内充填空気量Mcが算出される。
次に、吸入空気量モデルM20の各モデルM21〜M23について説明する。
スロットルモデルM21では、大気圧Pa(kPa)、大気温度Ta(K)、吸気管内圧力Pm(kPa)、スロットル弁開度θtから、下記式(2)に基づいてスロットル弁通過空気流量mt(g/s)が算出される。ここで、式(2)におけるμはスロットル弁における流量係数で、スロットル弁開度θtの関数であり、図4に示したようなマップから定まる。また、At(m2)はスロットル弁の開口断面積(以下、「スロットル開口面積」と称す)を示し、スロットル弁開度θtの関数である。なお、これら流量係数μ及びスロットル開口面積Atをまとめたμ・Atをスロットル弁開度θtから一つのマップで求めるようにしてもよい。また、Rは気体定数である。
Figure 2006057516
Φ(Pm/Pa)は下記式(3)に示した関数であり、この式(3)におけるκは比熱比(κ=Cp(等圧比熱)/Cv(等容比熱)であり、一定値とする)である。この関数Φ(Pm/Pa)は図5に示したようなグラフに表すことができるので、このようなグラフをマップとしてECUのROMに保存し、実際には式(3)を用いて計算するのではなくマップからΦ(Pm/Pa)の値を求めるようにしてもよい。
Figure 2006057516
これらスロットルモデルM21の式(2)及び式(3)は、スロットル弁18上流の気体の圧力を大気圧Pa、スロットル弁18上流の気体の温度を大気温度Ta、スロットル弁18を通過する気体の圧力を吸気管内圧力Pmとして、図6に示したようなスロットル弁18のモデルに対して、質量保存則、エネルギ保存則及び運動量保存則を適用し、さらに気体の状態方程式、比熱比の定義式、及びマイヤーの関係式を利用することによって得られる。
吸気管モデルM22では、スロットル弁通過空気流量mt(g/s)、筒内吸入空気流量mc(g/s)、及び大気温度Ta(K)から、下記式(4)及び式(5)に基づいて吸気管内圧力Pm(kPa)及び吸気管内温度Tm(K)が算出される。なお、式(4)及び式(5)におけるVm(m3)はスロットル弁から吸気弁までの吸気管等の部分(以下、「吸気管部分」と称す)13´の容積に等しい定数である。
Figure 2006057516
Figure 2006057516
ここで、吸気管モデルM22について図7を参照して説明する。吸気管部分13´の総気体量をMとすると、総気体量Mの時間的変化は、吸気管部分13´に流入する気体の流量、すなわちスロットル弁通過空気流量mtと、吸気管部分13´から流出する気体の流量、すなわち筒内吸入空気流量mcとの差に等しいため、質量保存則により下記式(6)が得られ、この式(6)及び気体の状態方程式(Pm・Vm=M・R・Tm)より、式(4)が得られる。
Figure 2006057516
また、吸気管部分13´の気体のエネルギM・Cv・Tmの時間的変化量は、吸気管部分13´に流入する気体のエネルギと吸気管部分13´から流出する気体のエネルギとの差に等しい。このため、吸気管部分13´に流入する気体の温度を大気温度Ta、吸気管部分13´から流出する気体の温度を吸気管内温度Tmとすると、エネルギ保存則により下記式(7)が得られ、この式(7)及び上記気体の状態方程式より、式(5)が得られる。
Figure 2006057516
吸気弁モデルM23では、吸気管内圧力Pmから、下記式(8)に基づいて、筒内吸入空気流量mcが算出される。なお、式(8)におけるa、bは、少なくとも機関回転数NEに基づいて定められる適合パラメータであり、予めマップを作成しておき、必要に応じてマップを検索して求めるようにする。
Figure 2006057516
上述した吸気弁モデルM23について図8を参照して説明する。一般に、吸気弁6a、6bが閉じた時に燃焼室5内に充填されている空気の量である筒内充填空気量Mcは、吸気弁6a、6bが閉弁する時(吸気弁閉弁時)に確定し、吸気弁閉弁時の燃焼室5内の圧力に比例する。また、吸気弁閉弁時の燃焼室5内の圧力は吸気弁上流の気体の圧力、すなわち吸気管内圧力Pmと等しいとみなすことができる。したがって、筒内充填空気量Mcは、吸気管内圧力Pmに比例すると近似することができる。
ここで、単位時間当たりに吸気管部分13´から流出する全空気の量を平均化したもの、または単位時間当たりに吸気管部分13´から全ての燃焼室5に吸入される空気の量を一つの気筒の吸気行程に亘って平均化したものを筒内吸入空気流量mc(以下で詳述する)とすると、筒内充填空気量Mcが吸気管内圧力Pmに比例することから、筒内吸入空気流量mcも吸気管内圧力Pmに比例すると考えられる。このことから、理論及び経験則に基づいて、上記式(8)が得られる。なお、式(8)における適合パラメータaは比例係数であり、適合パラメータbは排気弁閉弁時において燃焼室5内に残存している既燃ガス量に関連する値である。
次に、筒内吸入空気流量mcについて、図9を参照して内燃機関が4気筒である場合について説明する。なお、図9は横軸がクランクシャフトの回転角度、縦軸が単位時間当たりに吸気管部分13´から燃焼室5に実際に流入する空気の量である。図9に示したように、4気筒の内燃機関では、吸気弁6a、6bが例えば1番気筒、3番気筒、4番気筒、2番気筒の順に開弁し、各気筒に対応する吸気弁6a、6bの開弁量に応じて吸気管部分13´から各気筒の燃焼室5内へ空気が流入する。吸気管部分13´から各気筒の燃焼室5内に流入する空気の流量の変位は図9に破線で示した通りであり、これらを総合した吸気管部分13´から全気筒の燃焼室5に流入する空気の流量は図9に実線で示した通りである。また、例えば1番気筒への筒内充填空気量Mcは図9に斜線で示した部分に相当する。
これに対して、実線で示した吸気管部分13´から全ての気筒の燃焼室5に流入する空気の量を平均化したものが筒内吸入空気流量mcであり、図中に一点鎖線で示されている。そして、この一点鎖線で示した筒内吸入空気流量mcに、4気筒の場合にはクランクシャフトが180°(すなわち、4ストローク式内燃機関において1サイクル中にクランクシャフトが回転する角度720°を気筒数で割った角度)回転するのにかかる時間ΔT180°を乗算したものが筒内充填空気量Mcとなる。したがって、吸気弁モデルM23で算出された筒内吸入空気流量mcにΔT180°を乗算することで、筒内充填空気量Mcを算出することができる(Mc=mc・ΔT180°)。
次に、上記吸入空気量モデルM20を用いて、実際に筒内充填空気量Mcを算出する場合について説明する。筒内充填空気量Mcは吸入空気量モデルM20を用いて、上記式(2)、式(4)、式(5)、及び式(8)を解くことにより表される。この場合、ECUで処理するために、これらの式を離散化する必要がある。時刻t、計算間隔(離散時間)Δtを用いて式(2)、式(4)、式(5)、及び式(8)を離散化すると、それぞれ下記式(9)、式(10)、式(11)、及び式(12)が得られる。なお、吸気管内温度Tm(t+Δt)は、式(10)及び式(11)によってそれぞれ算出されたPm/Tm(t+Δt)及びPm(t+Δt)から、式(13)によって算出される。
Figure 2006057516
Figure 2006057516
Figure 2006057516
Figure 2006057516
Figure 2006057516
このようにして実装された吸入空気量モデルM20では、スロットルモデルM21の式(9)で算出された時刻tにおけるスロットル弁通過空気流量mt(t)と、吸気弁モデルM23の式(12)で算出された時刻tにおける筒内吸入空気流量mc(t)とが、吸気管モデルM22の式(10)及び式(11)に代入され、これにより時刻t+Δtにおける吸気管内圧力Pm(t+Δt)及び吸気管内温度Tm(t+Δt)が算出される。次いで、算出されたPm(t+Δt)は、スロットルモデルM21及び吸気弁モデルM23の式(9)及び式(12)に代入され、これにより時刻t+Δtにおけるスロットル弁通過空気流量mt(t+Δt)及び筒内吸入空気流量mc(t+Δt)が算出される。そして、このような計算を繰り返すことによって、スロットル弁開度θt、大気圧Pa、及び大気温度Taから、任意の時刻tにおける筒内吸入空気流量mcが算出され、算出された筒内吸入空気流量mcに上記時間ΔT180°を乗算することで、任意の時刻tにおける筒内充填空気量Mcが求められる。
なお、内燃機関の始動時には、すなわち時刻t=0においては、吸気管内圧力Pmは大気圧と等しい(Pm(0)=Pa)とされ、吸気管内温度Tmは大気温度と等しい(Tm(0)=Ta)とされて、各モデルM21〜M23における計算が開始される。
また、上記吸入空気量モデルM20では、大気温度Ta及び大気圧Paが一定であるとしているが、時刻によって変化する値としてもよく、例えば、大気温度を検出するための大気温センサによって時刻tにおいて検出された値を大気温度Ta(t)、大気圧を検出するための大気圧センサによって時刻tにおいて検出された値を大気圧Pa(t)として上記式(9)及び式(11)に代入するようにしてもよい。
ところで、本実施形態においては、上述したように内燃機関がSCV21を備えている。SCV21は、運転条件によってこれを制御し、例えば必要に応じて筒内(すなわち燃焼室内)に気流を発生させて希薄燃焼を可能にする等して、燃費と出力性能の両立を図ろうとするものであるが、このようなSCVを備えた内燃機関においては、SCVの動作に関連して実際の筒内充填空気量に変動が生じる場合がある。
そして、その主たる原因は、上記SCV21の動作に関連して吸気ポート7aのSCV21から吸気弁6aに至るまでの空間(SCV下流側空間)Spに既燃ガスが出入りすることであると考えられる。以下、図10及び図11を参照してこのことについて説明する。
図10は、SCV21が開状態から閉状態にされる時に吸気弁6a、6bが開閉された場合について示した図である。この場合、SCV下流側空間Spに筒内から既燃ガスが逆流してそこに留まることになるため、その分だけ多くの空気が筒内(すなわち燃焼室5内)に吸入されることになる。つまり、この場合には、上記SCV下流側空間Spに吸入されそこに留まる既燃ガスの量に相当する分の空気量だけ筒内充填空気量が増加することになる。
一方、図11は、SCV21が閉状態から開状態にされる時に吸気弁6a、6bが開閉された場合について示した図である。この場合、上記SCV下流側空間Spに留まっていた既燃ガスが筒内(すなわち燃焼室5内)に吸入されることになるので、その分だけ筒内に吸入される空気は少なくなる。つまり、この場合には、上記SCV下流側空間Spに留まっていた既燃ガスの量に相当する分の空気量だけ筒内充填空気量が減少することになる。
このようにSCV21の動作は、筒内充填空気量に影響を与えるので、この点を考慮せずに、上記吸入空気量モデルM20に基づいて求めた筒内充填空気量は精度の低いものとなってしまう。そこで本実施形態の内燃機関の制御装置では、SCV21の動作の筒内充填空気量への影響の残る期間(SCV動作過渡時)については、以下で説明するような方法で上記吸入空気量モデルM20に基づいて求めた筒内充填空気量Mcを補正し、SCV動作過渡時について求められる筒内充填空気量の精度を向上するようにしている。
すなわち、本実施形態の内燃機関の制御装置では、SCV動作過渡時における筒内充填空気量を求める場合、上記吸入空気量モデルM20に基づいて求められた筒内充填空気量Mcが、上記SCV21の動作に伴って上記SCV下流側空間Spを出入りする既燃ガスの量に相当する分の空気量を用いて補正されるようになっている。
より詳細には、本実施形態の内燃機関の制御装置では、SCV21の閉動作に伴うSCV動作過渡時については、SCV21の動作について考慮しないで上記吸入空気量モデルM20に基づいて求めた筒内充填空気量Mcが、SCV21の閉動作に対応して上記SCV下流側空間Spに吸入されそこに留まる既燃ガスの量に相当する分の空気量Mscv1を加算することによって補正され、上記SCV21の閉動作に伴うSCV動作過渡時における筒内充填空気量Mcp1が求められるようになっている(Mcp1=Mc+Mscv1)。
また、本実施形態の内燃機関の制御装置では、SCV21の開動作に伴うSCV動作過渡時については、SCV21の動作について考慮しないで上記吸入空気量モデルM20に基づいて求めた筒内充填空気量Mcが、SCV21の開動作に対応して上記SCV下流側空間Spから筒内へ排出される既燃ガスの量に相当する分の空気量Mscv2を減算することによって補正され、上記SCV21の開動作に伴うSCV動作過渡時における筒内充填空気量Mcp2が求められるようになっている(Mcp2=Mc−Mscv2)。
なお、図10及び図11を参照して行なった説明からも明らかなように、SCV21の開動作に対応して上記SCV下流側空間Spから筒内へ排出される既燃ガスの量は、先にSCV21の閉動作に対応して上記SCV下流側空間Spに吸入されそこに留まることとなった既燃ガスの量と同じであるので、これら既燃ガスの量に相当する分の空気量Mscv1及びMscv2も同じ値となる。そして、この空気量Mscv(=Mscv1=Mscv2)は、状態方程式に基づいて下記式(14)のように表すことができる。
Figure 2006057516
ここで、Pmcは吸気弁閉弁時の吸気管内圧力、Vscvは上記SCV下流側空間Spの容積、Tmcは吸気弁閉弁時の吸気管内温度、Rは気体定数である。
つまり、本実施形態の内燃機関の制御装置においてSCV動作過渡時における筒内充填空気量を求める場合には、上記吸入空気量モデルM20に基づいて求めた筒内充填空気量Mcが、上記式(14)に基づいて求めた空気量Mscvを用いて補正されるようになっている。そしてこのようにすることで、本実施形態の内燃機関の制御装置によれば、SCV動作過渡時における筒内充填空気量をより高い精度で求めることができる。
なお、上記SCV動作過渡時は、SCV21の動作開始後もしくは動作完了後の時間や吸気回数等を基準にして実験等によって予め定められ、例えば、SCV21の動作開始後の吸気回数が3回まで等とされる。
また、上述の実施形態においては、SCV21の閉動作に伴うSCV動作過渡時とSCV21の開動作に伴うSCV動作過渡時との両方について、上記吸入空気量モデルM20に基づいて求めた筒内充填空気量Mcの補正を行うようにされていたが、他の実施形態においては、SCV21の閉動作に伴うSCV動作過渡時とSCV21の開動作に伴うSCV動作過渡時とのうちの何れか一方についてのみ上述したような補正を行うようにしてもよい。
図1は、本発明の内燃機関の制御装置を筒内噴射型火花点火式内燃機関に適用した場合の一例を示す概略構成図である。 図2は図1に示した内燃機関の機関本体部分を断面で示した説明図である。 図3は、吸入空気量モデルを示す図である。 図4は、スロットル弁開度と流量係数との関係を示す図である。 図5は、関数Φ(Pm/Pa)を示す図である。 図6は、スロットルモデルの基本概念を示す図である。 図7は、吸気管モデルの基本概念を示す図である。 図8は、吸気弁モデルの基本概念を示す図である。 図9は、筒内充填空気量及び筒内吸入空気流量の定義に関する図である。 図10は、スワールコントロールバルブが開状態から閉状態にされる時に吸気弁が開閉された場合について説明するための図である。 図11は、スワールコントロールバルブが閉状態から開状態にされる時に吸気弁が開閉された場合について説明するための図である。
符号の説明
1 機関本体
5 燃焼室
6a、6b 吸気弁
7、7a、7b 吸気ポート
8a、8b 排気弁
9、9a、9b 排気ポート
11 燃料噴射弁
18 スロットル弁
21 スワールコントロールバルブ

Claims (4)

  1. スワールコントロールバルブを備えた内燃機関における筒内充填空気量を求める内燃機関の制御装置であって、
    上記スワールコントロールバルブの動作過渡時における筒内充填空気量を求める場合には、上記スワールコントロールバルブの動作に伴って吸気ポートのスワールコントロールバルブから吸気弁までの空間に既燃ガスが出入りすることによる筒内充填空気量への影響が考慮される、内燃機関の制御装置。
  2. 上記スワールコントロールバルブの動作過渡時における筒内充填空気量を求める場合には、上記スワールコントロールバルブの動作について考慮しないで求めた筒内充填空気量が、上記スワールコントロールバルブの動作に伴って上記空間を出入りする既燃ガスの量に相当する分の空気量を用いて補正される、請求項1に記載の内燃機関の制御装置。
  3. 上記スワールコントロールバルブの動作について考慮しないで求めた上記筒内充填空気量を上記空気量を加算することによって補正して上記スワールコントロールバルブの閉動作に伴うスワールコントロールバルブの動作過渡時の筒内充填空気量を求めることと、
    上記スワールコントロールバルブの動作について考慮しないで求めた上記筒内充填空気量を上記空気量を減算することによって補正して上記スワールコントロールバルブの開動作に伴うスワールコントロールバルブの動作過渡時の筒内充填空気量を求めることとのうちの少なくとも一方が行なわれる、請求項2に記載の内燃機関の制御装置。
  4. 補正に用いられる上記空気量が、該空気量をMscvとし、吸気弁閉弁時の吸気管内圧力をPmc、吸気弁閉弁時の吸気管内温度をTmc、上記空間の容積をVscv、気体定数をRとすると、下記(1)式に基づいて求められる、請求項2または3に記載の内燃機関の制御装置。
    Figure 2006057516
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