JP2006048785A - 光ディスクスタンパの作製方法、光ディスクスタンパおよび光ディスク - Google Patents

光ディスクスタンパの作製方法、光ディスクスタンパおよび光ディスク Download PDF

Info

Publication number
JP2006048785A
JP2006048785A JP2004225307A JP2004225307A JP2006048785A JP 2006048785 A JP2006048785 A JP 2006048785A JP 2004225307 A JP2004225307 A JP 2004225307A JP 2004225307 A JP2004225307 A JP 2004225307A JP 2006048785 A JP2006048785 A JP 2006048785A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
wobble
region
groove
area
optical disc
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2004225307A
Other languages
English (en)
Inventor
Somei Endo
惣銘 遠藤
Katsuhiko Otomo
勝彦 大友
Kiyoe Yone
清江 米
Yuko Asano
祐子 浅野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sony Corp
Original Assignee
Sony Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sony Corp filed Critical Sony Corp
Priority to JP2004225307A priority Critical patent/JP2006048785A/ja
Publication of JP2006048785A publication Critical patent/JP2006048785A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • GPHYSICS
    • G11INFORMATION STORAGE
    • G11BINFORMATION STORAGE BASED ON RELATIVE MOVEMENT BETWEEN RECORD CARRIER AND TRANSDUCER
    • G11B7/00Recording or reproducing by optical means, e.g. recording using a thermal beam of optical radiation by modifying optical properties or the physical structure, reproducing using an optical beam at lower power by sensing optical properties; Record carriers therefor
    • G11B7/007Arrangement of the information on the record carrier, e.g. form of tracks, actual track shape, e.g. wobbled, or cross-section, e.g. v-shaped; Sequential information structures, e.g. sectoring or header formats within a track
    • G11B7/00736Auxiliary data, e.g. lead-in, lead-out, Power Calibration Area [PCA], Burst Cutting Area [BCA], control information

Landscapes

  • Optical Record Carriers And Manufacture Thereof (AREA)
  • Manufacturing Optical Record Carriers (AREA)

Abstract

【課題】 光ディスクのスタンパを作製する時にランド部の高さ変化を抑え、ウォブルグルーブの再生特性、プッシュプル信号の変動量の特性を良好とする。
【解決手段】 YAGレーザの4次高調波(λ=266nm)の記録用レーザ光を発振するレーザ源14から出射されたレーザ光は、EOM15と光検出器(PD)16と光出力制御部(APC)17によって、単位面積あたりの露光量が一定とされる。音響光学変
調偏向器22によって光学偏向が施された上でビームエクスパンダー(BEX)26に入射する。音響光学変調偏向器22によって、BCA領域、PIC領域およびデータ記録領域のそれぞれのウォブルグルーブを形成するために、記録ビームが偏向される。相対的なランド部の高さ変化量がPIC領域では0.083以下であり、データ記録領域では、0.047以下とされる。
【選択図】 図2

Description

この発明は、無機材料からなるレジストを用いて作製工程を簡略化することが可能な光ディスクスタンパの作製方法に関する。また、無機材料からなるレジストを用いて作製工程を簡略化することにより得られる光ディスクスタンパに関する。さらに、光ディスクスタンパにより作成された光ディスクに関する。
今日、情報記録媒体として用いられる光ディスクはその用途に応じて、MD(Mini Disc )、MO(Magneto Optical )、DVD(Digital Versatile Disc)、Blu−ray Disc(登録商標)等様々なフォーマットが提案されている。いずれのフォーマットで使用される光ディスク基板も、一般的には樹脂材料の射出成型により作製されており光ディスクの低価格化が実現されている。
光ディスク基板の射出成型においては、光ディスクにグルーブやピット等のパターンを具備させるために、それらのパターンを転写させる光記録媒体製造用原盤としてのスタンパが射出成型装置のキャビティ内に配設される。
ここで、スタンパの作製方法の概略について説明する。まず、ガラス原盤上に、スピンコート法等によってごく薄くフォトレジスト(感光剤)を塗布し、ガラス原盤を回転させながらカッティング装置のレーザにより露光する。フォトレジスト膜には、露光によってグルーブまたはピットに対応したパターンの潜像が形成される。
その後、回転するガラス原盤上に現像液を滴下し、現像処理をすることで、光ディスクのグルーブまたはピットに対応した凹凸のレジストパターンをガラス原盤上に形成する。
次に、このガラス原盤上にメッキ処理によりニッケル等の金属を析出させ、これを剥離させ、トリミングを行うことでスタンパが得られる。スタンパが射出成型装置のキャビティ内に配設され、キャビティ内に樹脂が注入されることによって、ディスク基板が作製される。
下記の特許文献1には、所要のパターンを露光する際に、露光ビームを二つの露光ビームに分割し、各露光ビームの偏向量を異ならせる露光方法が記載されている。
特開2003−59052号公報
従来、CD−R、CD−RW、DVD+RW、DVD−R、DVD−RWの各フォーマットでは、ウォブル(Wobbled ;蛇行)グルーブに記録するグルーブ記録フォーマットが提案されている。このような光ディスクにおいては、光ディスクの種類に応じて最適のフォーマット(グルーブ幅、トラックピッチ、ウォブルフォーマット)が異なる。露光ビームによりグルーブフォーマットを形成するため、上記グルーブの幅やトラックピッチ、ウォブルフォーマットは、露光ビームのスポット径や波長に大きく影響される。
CD−R、CD−RWはHe−Cdレーザ(442nm)により、グルーブの凹凸パターン記録し、最適グルーブ幅が550−600nm、トラックピッチは1600nmである。高密度光ディスクのDVD+RW、DVD−R、DVD−RWは、4.7GBであり、CD−R、CD−RW記録密度の約7.2倍の高密度であるため、最適グルーブ幅が300−330nm、トラックピッチは740nmである。短波長のKrレーザ(413nm)を用いることにより、露光ビームのスポット径dを小さくし、DVD+RW、DVD−R、DVD−RWの最適グルーブ幅を実現した。最近、DVDより5倍程度高密度の25GB程度)Blu−ray Disc(以下、BDと適宜表記する)フォーマットが提案されている。
BDフォーマットは、片面単層で約25Gバイト、片面2層で約50Gバイトの記録容量を有する高密度光ディスクのフォーマットである。BDの種類として、書き換え可能なディスクに関する規格は既に提案され、追記可能なディスク、および再生専用のディスクについての規格の検討がされている。
BDフォーマットでは、記録再生用ビームスポット径を小とするために、光源波長を405nmとし、対物レンズの開口数NA(Numerical Aperture)を0.85と大きくしている。CD(Compact Disc)規格では、光源波長:780nm、NA:0.45、スポット
径:2.11μmであり、DVD(Digital Versatile Disc)規格では、光源波長:650nm、NA:0.6、スポット径:1.32μmである。BD規格では、スポット径を0.58μmまで絞ることができ、DVDと比して、約1/5とすることができる。さらに、対物レンズの開口数NAを高めた結果、ディスク面とレーザ光の光軸がなす角度の90°からの傾きに許される角度誤差(チルト・マージンと称される)が小さくなるので、情報層を覆うカバー層を0.1mmまで薄くしている。
図1にBDディスクのグルーブの模式図を示す。向かって左側がディスク内周側で、右側がディスク外周側である。もっとも内周側にはBCA(Burst Cutting Area)領域1があり、PIC(Permanent Information & Control Data)領域2のピットとデータ記録領域3のグルーブは蛇行するように形成されたウォブルグルーブとされる。図1は模式的な図であり、トラックの本数は実際の本数を示すものではない。
内周のBCA領域1は、半径r=21.3mm〜22.0mmの間にグループ状トラックが形成されたものである。BCA領域1のグルーブは、充分大きなトラックピッチTp=2000nmで形成されている。
PIC領域2は、半径r=22.4mm〜23.197mmの間にグループ状トラックが形成されたものである。PIC領域2では、トラックピッチTp=350nmの矩形ウォブルグルーブが形成されている。
データ領域3は、半径r=23.235mm〜58.017mmの間の領域であり、ウォブルグルーブが形成されている。外周の半径r=58.017mm〜58.6mmの間は、リードアウトの領域であり、MSKの正弦波ウォブルグルーブのみが存在する。トラックピッチTp=320nmである。トラックピッチを比較的小さくするのは、データの記録容量を増加させるためである。なお、実際にデータが記録されるのは、半径r=24mmより外周側となり、半径r=24mmより内周側には、インフォメーション等が記録されている。なお、半径位置の数値は、23.3GBの容量を有するBDにおけるものである。
PIC領域2およびデータ記録領域3のグルーブは、MSK(Minimum Shift Keying)信号とSTW(Saw Tooth Wobble)信号との重畳信号で形成されたウォブルグルーブである。MSK方式は、ウォブルグの変調方式であり、正弦波からなるウォブルの特定位置にアドレスを集中して埋め込んでいる。
このように情報を集中して埋め込むと、その部分に欠陥があった場合に影響が受けるので、MSKのウォブルにSTWを多重している。STW方式は、ウォブル形状をのこぎり波の形とし、その歯の向きでアドレス情報の"0"と"1"とを判定する方式である。STW方式は、同じ情報が広範囲にわたって連続的に並んでいるため、部分的な欠陥が生じても修復できる可能性が高い特徴を有する。BDの書き換え可能な規格では、MSKとSTWとを組み合わせることによって誤りに耐性が高いアドレス情報を得ることが可能とされている。
露光ビームのスポット径dは、使用する露光用光源(レーザ)の波長λ並びに光源から出た光束を感光剤に収束させるための対物レンズの開口数NAによって次の式(1)で表される。
d=1.22 X (λ/NA) (1)
上記の各光ディスクフォーマットにおけるレーザの露光波長(λ)、トラックピッチ(Tp)、ディスク径方向の振幅であるウォブル量(Wa)、露光ビームのスポット径(d)を表1にまとめる。
Figure 2006048785
この表1に示されるように、CD−R、CD−RW、DVD−R,DVD−RWの通常密度光ディスクでは、トラックピッチ(Tp)>露光ビーム径(d)であり、比較的容易に、各フォーマット(ウォブルグルーブ)の形成を行うことができ、十分な記録再生特性やウォブルの再生特性を得ることができる。
しかしながら、高密度光ディスクのBDでは、PIC領域2のトラックピッチTpが350nm、データ記録部3のトラックピッチTpが320nmであり、短波長で安定な266nmレーザを用いた場合でも、
d(360nm)>Tp(350nmまたは320nm)
となる。すなわち、露光ビーム径(d)>トラックピッチTpとなる。
この関係から露光ビームが隣接トラックに漏れこんでしまう。隣接するウォブルグルーブの位相関係によっては、ウォブルグルーブ同士がかなり近づくことがあり、露光ビームの隣接トラックへの漏れ込み量が変化する。さらに、ウォブルにより、露光ビームのランド部への漏れ込み量がさらに変化するため、露光、現像、スタンパの作成、成形等の工程で作成されたBDディスクにおいてランド部の高さが変化する。
BDフォーマットでは、相変化記録膜を用いているため、グルーブ深さが23nm程度と非常に浅く、ランド部の高さ変化が2〜3nm程度存在すると、高さ変化量が10%程度となり、ウォブルグルーブに関して良好な再生特性を得ることが困難であった。また、ランド部の高さ変化は、トラッキングサーボに用いるプッシュプル信号の変動を大きくし、トラッキングサーボを不安定にする問題があった。
また、波長λを短波長化して露光ビーム径(d)をより小さくすることが考えられる。例えば半導体で短波長エキシマーレーザ(波長200nm台)に用いられている化学増幅型レジストは、光ディスクの露光のように、1〜3時間を要する用途では、空気中のアミンと反応して、化学増幅反応安定性が損なわれ、現像後、グルーブ幅変化が大きく、プッシュプル信号の変動を大きくし、トラッキングサーボを不安定にした。
したがって、この発明の目的は、ウォブルグルーブ形成のための露光時に、露光ビームの隣接するトラックまたはランドへの漏れ込みによるランド部の高さ変化を抑えることができる光ディスクスタンパの作製方法、光ディスクスタンパおよび光ディスクを提供することにある。
上述した課題を解決するために、この発明の第1の態様は、ウォブルグルーブを有し、露光ビームの径がウォブルグルーブのピッチより大である第1の領域(矩形ウォブルグルーブ)および第2の領域(正弦波とのこぎり波の重畳ウォブルグルーブまたは正弦波ウォブルグルーブ)を有し、第1の領域のピッチが第2の領域のピッチより大である光ディスクフォーマットの光ディスクスタンパ作製方法において、、
第1の領域におけるランド部の高さ変化量/平均のグルーブ深さがほぼ0.083以下であり、第2の領域におけるランド部の高さ変化量/平均のグルーブ深さがほぼ0.047以下であることを特徴とする光ディスクスタンパの作製方法である。
この発明の第2の態様は、ウォブルグルーブを有し、露光ビームの径がウォブルグルーブのピッチより大である第1の領域(矩形ウォブルグルーブ)および第2の領域(正弦波とのこぎり波の重畳ウォブルグルーブまたは正弦波ウォブルグルーブ)を有し、第1の領域のピッチが第2の領域のピッチより大である光ディスクフォーマットの光ディスクスタンパにおいて、、
第1の領域におけるランド部の高さ変化量/平均のグルーブ深さがほぼ0.083以下であり、第2の領域におけるランド部の高さ変化量/平均のグルーブ深さがほぼ0.047以下であることを特徴とする光ディスクスタンパである。
この発明の第3の態様は、ウォブルグルーブを有し、露光ビームの径がウォブルグルーブのピッチより大である第1の領域(矩形ウォブルグルーブ)および第2の領域(正弦波とのこぎり波の重畳ウォブルグルーブまたは正弦波ウォブルグルーブ)を有し、第1の領域のピッチが第2の領域のピッチより大である光ディスクフォーマットの光ディスクにおいて、、
第1の領域におけるランド部の高さ変化量/平均のグルーブ深さがほぼ0.083以下であり、第2の領域におけるランド部の高さ変化量/平均のグルーブ深さがほぼ0.047以下であることを特徴とする光ディスクである。
この発明の第4の態様は、ウォブルグルーブを有し、露光ビームの径がウォブルグルーブのピッチより大である第1の領域(矩形ウォブルグルーブ)および第2の領域(正弦波とのこぎり波の重畳ウォブルグルーブまたは正弦波ウォブルグルーブ)を有し、第1の領域のピッチが第2の領域のピッチより大である光ディスクフォーマットの光ディスクスタンパ作製方法において、
第1の領域におけるウォブルグルーブの幅変化の範囲が100%を所望の幅とする場合に、93.8%〜100%であり、第2の領域におけるウォブルグルーブの幅変化の範囲が100%を所望の幅とする場合に、98.1%〜100%であることを特徴とする光ディスクスタンパの作製方法である。
この発明の第5の態様は、ウォブルグルーブを有し、露光ビームの径がウォブルグルーブのピッチより大である第1の領域(矩形ウォブルグルーブ)および第2の領域(正弦波とのこぎり波の重畳ウォブルグルーブまたは正弦波ウォブルグルーブ)を有し、第1の領域のピッチが第2の領域のピッチより大である光ディスクフォーマットの光ディスクスタンパにおいて、
第1の領域におけるウォブルグルーブの幅変化の範囲が100%を所望の幅とする場合に、93.8%〜100%であり、第2の領域におけるウォブルグルーブの幅変化の範囲が100%を所望の幅とする場合に、98.1%〜100%であることを特徴とする光ディスクスタンパである。
この発明の第6の態様は、ウォブルグルーブを有し、露光ビームの径がウォブルグルーブのピッチより大である第1の領域(矩形ウォブルグルーブ)および第2の領域(正弦波とのこぎり波の重畳ウォブルグルーブまたは正弦波ウォブルグルーブ)を有し、第1の領域のピッチが第2の領域のピッチより大である光ディスクフォーマットの光ディスクにおいて、、
第1の領域におけるウォブルグルーブの幅変化の範囲が100%を所望の幅とする場合に、93.8%〜100%であり、第2の領域におけるウォブルグルーブの幅変化の範囲が100%を所望の幅とする場合に、98.1%〜100%であることを特徴とする光ディスクである。
この発明によれば、ウォブルグルーブのランド部の高さ変化を抑えるので、記録ジッター、再生ジッター、プッシュプル信号の特性等の記録再生特性が良好な光ディスクを得ることができる。また、露光ビームの波長およびレジストの種類として特殊なものを必要とせず、比較的ローコストの製造費用とできる。
以下、この発明の一実施形態について図面を参照しながら説明する。一実施形態による記録媒体は、図1に示したようなBDフォーマットに対してこの発明を適用したものである。BDでは、BCA領域1における2000nmトラックピッチのグルーブの配列からなるグルーブトラックと、PIC領域2における350nmトラックピッチの矩形ウォブルグルーブの配列からなるグルーブトラックと、データ記録領域3における320nmトラックピッチのウォブリンググルーブであるグルーブトラックとが基板表面に1つの螺旋状に連なるように形成されたものである。
BCA領域1が半径r=21.3[mm]〜22.0[mm]の間に形成され、PIC領域2が半径r=22.4[mm]〜23.2[mm]の間に形成され、データ記録領域3が半径r=23.2[mm]〜58.6[mm]の間に形成される。
上述したように、BCA領域非ウォブルグルーブ(2000nmトラックピッチ)は、比較的容易に形成することができる。BDフォーマットの規格上、PIC領域2の矩形ウォブルグルーブ(350nmトラックピッチ)は、バイフェーズ変調の矩形信号をジッター4.5%以下で再生しなければならない。
データ記録領域3のウォブルグルーブは、956.522〔kHz〕のMSKと2倍波のSTWの重畳信号の各々のウォブルアドレス情報信号を再生しなければならない。各々のウォブルアドレス情報信号を再生するためには、MSKとSTWとのウォブル再生信号の2次歪を−12dB以下としなければならない。また、データ記録領域3のトラックピッチが320nmと非常に小さく、トラッキングサーボに用いるプッシュプル信号の変動を15%以下にしなければならない。
一実施形態は、かかる特性を満たすことが可能な露光を行うものである。一実施形態は、光ディスクの製造プロセスにおいて、各所望の凹凸パターンをディスク基板の表面に転写するためのスタンパを形成するに際し、光源から出射されたレーザビームをAPC(Auto Power Controller)によりレーザ強度変調器例えばEOM(Electro Optic Modulator)に対してフィードバック制御を行い、半径により線速度に対応して線形にEOMを透過するレーザ光の光出力変化させ、単位面積あたりの露光量を一定にする。さらに、安定なノボラック系のポジ型レジスト用い、グルーブ幅が均一な形状パターンを形成した例である。
先ず、一実施形態で使用した光学的記録装置について図2を参照して説明する。図2に示したレーザカッティング装置は、ガラス原盤10の上に成膜されたフォトレジスト層11を露光して、フォトレジスト層11にグルーブの潜像を形成するためのものである。
フォトレジスト層11に潜像を形成する際、ガラス原盤10は、移動光学テーブル20上に設けられたターンテーブル12に取り付けられる。そして、フォトレジスト層11を露光する際に、フォトレジスト層11の全面にわたって所望のパターンでの露光がなされるように、ターンテーブル12によって回転駆動されると共に、移動光学テーブル20によって平行移動される。ダラス原盤10は、例えば線速度一定で回転される。
記録用レーザ光は、レーザ光源14から発生する。光源14としては、任意のものが使用可能であるが、短波長のレーザ光を出射するものが好ましい。具体的には、例えば、YAGレーザの4次高調波(λ=266nm)の記録用レーザ光を発振するレーザ源が使用される。
光源14から出射されたレーザ光は、平行ビームのまま直進して、電気光学効果を利用した変調器であるEOM15に入射され、EOM15により強度変調される。EOM15で強度変調されたレーザ光が光路分離用ビームスプリッタBS1に入射される。
ビームスプリッタBS1を透過した一部のレーザ光が透過光路上に配設された光検出器(PD)16に入射する。ビームスプリッタBS1で反射されたレーザ光がミラーM2でさらに反射され、移動光学テーブル20のウォブル光学系に導かれる。
光検出器16に入射したレーザ光は、光検出器16により電気信号に変換され、光検出器16の出力信号が光出力制御部(APC)17に供給され、光出力制御部17の出力信
号がEOM15に制御信号として供給される。EOM15は、光出力制御部17より供給される制御信号の信号電界に応じて、光源14から出射される記録用レーザ光の強度変調を行う。
このように、レーザ光の一部を光検出器16により検出し、これに基づいて光出力制御部17によりEOM15に対してフィードバック制御を行うことにより、EOM15を透過するレーザ光の光出力を安定させるようになされている。このような制御系によって、ビームスプリッタBS1の反射光も出力が安定し、単位面積あたりの露光量を一定にしながら記録できる。露光量の変化量を例えば±2.0%以内に抑えることができる。
ミラーM2で反射され、移動光学テーブル20上に水平に導かれたレーザ光は、ウェッジプリズム21および23、並びに音響光学変調偏向器(AOM/AOD;Acoustic Optical Modulator/Acoustic Optical Deflector)22によって光学偏向が施された上でビームエクスパンダー(BEX)26に入射する。
移動光学テーブル20には、2つのウェッジプリズム21および23と、1つの音響光学変調偏向器(AOM/AOD;Acoustic Optical Modulator/Acoustic Optical Deflector)22とが配置されている。これらウェッジプリズム21および23と、音響光学変調偏向器22は、平行ビームのまま入射して来たレーザ光と格子面とがブラッグの条件を満たすと共にビーム水平高さが変わらないように配置されている。音響光学変調偏向器22に用いられる音響光学素子としては酸化テルル(TeO2 )が好適である。
音響光学変調偏向器22は、グルーブのウォブルに対応するように、レーザ光に対して光学偏向を施すためのものである。すなわちレーザ光は、ウェッジプリズム21を介して音響光学変調偏向器22に入射され、この音響光学変調偏向器22によって、所望する露光パターンに対応するように光学偏向がなされる。音響光学変調偏向器22によって光学偏向が施されたレーザ光は、ウェッジプリズム23を介して出射される。
音響光学変調偏向器22には、所定の駆動信号がドライバ24から供給される。ドライバ24には、電圧制御発振器(VCO:Voltage Controlled Oscillator)25から高周
波信号が供給される。電圧制御発振器25には制御信号が供給される。
電圧制御発振器25に対する制御信号は、BCA領域のDCグルーブを形成する場合はゼロレベルの直流(DC)信号である。PIC領域の矩形ウォブルグルーブを形成する場合は、制御信号が2分の1周波数のバイフェーズ変調の矩形信号である。データ記録領域のウォブルグルーブを形成する場合は、2分の1周波数の478〔kHz〕MSKと2倍波のSTWの重畳信号である。478〔kHz〕MSKと2倍波のSTWの重畳信号は、各々(MSK、STW)アドレスのウォブル情報を記録するものである。
なお、音響光学変調偏向器22は、ブラッグ回折における一次回折光強度が超音波パワーにほぼ比例することを利用したものであり、記録信号に基づいて超音波パワーを変調してレーザ光の光変調を行う。ブラッグ回折を実現するために、ブラッグ条件;2dsinθ=nλ(ここに、d:格子間隔、λ:レーザ光波長、θ:レーザ光と格子面のなす角、n:整数である)を満たすように、レーザ光の光軸に対する音響光学変調偏向器22の位置関係および姿勢が設定されている。
ウェッジプリズム21、23および音響光学偏向器22によって光学偏向が施されたレーザ光はビームエクスパンダー(BEX)26に入射する。ビームエクスパンダー(BEX)26は、ビーム径を変換することができる。例えばビームエクスパンダ−26が(6倍、4倍、2倍)にビーム径を拡大する。
レーザ光は、ビームエクスパンダー(BEX)26によって所定のビーム径に拡大されて、ミラーM3によって反射されて対物レンズ27へと導かれ、対物レンズ27によってフォトレジスト層11上に集光される。レーザ光をフォトレジスト層11の上に集光するための対物レンズ27は、より微細なグルーブパターンを形成できるようにするために、開口数NAが大きい方が好ましく、具体的には、開口数NAが0.9程度の対物レンズが好適である。
フォトレジスト層11がレーザ光によって露光され、フォトレジスト層11に潜像が形成される。このとき、フォトレジスト層11が塗布されてなるガラス原盤10は、フォトレジスト層11の全面にわたって所望のパターンでの露光がなされるように、ターンテーブル12によって回転駆動されると共に、移動光学テーブル20によってレーザ光が径方向に移動される。この結果、レーザ光の照射軌跡に応じた潜像がフォトレジスト層11の全面にわたって形成されることになる。
上述した光学的記録装置では、BCA領域における2000nmのトラックピッチのグルーブの配列からなるグルーブトラックと、PIC領域における350nmトラックピッチの矩形ウォブルグルーブの配列からなるグルーブトラックと、データ記録領域における正弦波ウォブルしたウォブリンググルーブであるグルーブトラックとが1つの螺旋状に連なるパターンとして、ガラス原盤10上のフォトレジスト層11に形成される。
かかるグルーブのパターンを形成するために、トラックの長手方向の線速度が2.64[m/s]になるようにターンテーブル12の回転数を制御しつつ、移動光学テーブル20の送りピッチをBCA領域では2000nmとし、PIC領域では350nmとし、データ記録領域では320nmとして露光する。
この光学的記録装置では、移動光学テーブル20の位置をポジションセンサ30によって検出し、それぞれの領域ごとに各々対応したタイミングおよびピッチで露光を行って、上述のようなBCA領域、PIC領域およびデータ記録領域のそれぞれのグルーブパターンの潜像をガラス原盤10上のフォトレジストに露光する。また、レーザスケール31により検知される波長(例えば0.78[μm])を基準として、送りサーボ33およびエアスライダ32の動作を制御して、移動光学テーブル20の送りピッチを変更することが可能とされている。
一実施形態では、徐々に送りピッチを変化させている。BCA領域(半径r=21.3mm〜22.0mm)の間は送りピッチ2000nmであり、トラックピッチ遷移領域(半径r=22.0mm〜22.4mm)の間に送りピッチを2000nmから350nmに徐々に変化させる。PIC領域2(半径r=22.4mm〜23.2mm)の間は送りピッチ350nmであり、トラックピッチ遷移領域(半径r=23.2mm)に送りピッチを350nmから320nmに徐々に変化させる。データ記録領域3(半径r=23.2mm〜58.5mm)の間は送りピッチ320nmでそれぞれ形成される。
上述のようにして変調および偏向されたレーザ光によって、ガラス原盤10上のフォトレジスト層11には、所望のBCA領域、PIC領域およびデータ記録領域のグルーブの潜像が形成される。
続いて、ガラス原盤10上のフォトレジスト11に現像処理を施して、露光した部分のレジストを溶解させて現像を行う。さらに詳細には、図示しない現像機のターンテーブル上に未現像のガラス原盤10を載置し、ターンテーブル12と共に回転させつつ、原盤10の表面に現像液を滴下してその表面のフォトレジスト層11を現像する。その結果、BCA領域(2000nmトラックピッチ)のグルーブと、PIC領域(350nmトラックピッチ)の矩形ウォブルグルーブと、データ記録領域におけるMSKとSTWの重畳したウォブリンググルーブとが、1つの螺旋状に連なるグルーブがパターニングされたレジストガラス原盤を得ることができる。
次いで、光デイスク原盤の凹凸パターン上に無電界メツキ法等によりニツケル皮膜でなる導電化膜層を形成する。導電化膜層が形成された光デイスク原盤を電鋳装置に取り付け、電気メツキ法により導電化膜層上に 300±5〔μm 〕程度の厚さになるようにニツケルメツキ層を形成する。続いてニツケルメツキ層付きガラス板からニツケルメツキ層をカッター等で剥離し、そのニツケルメツキ層信号形成面のフオトレジストをアセトン等を用いて洗浄する。
一例として、スタンパA(BEX6倍)、スタンパB(BEX4倍)、スタンパC(BEX2倍)を作製する。さらに、凹凸が反転するマザースタンパA(BEX6倍)、マザースタンパB(BEX4倍)、マザースタンパC(BEX2倍)を作製する。
次いで評価用ディスクを作成する。作成方法はマザースタンパA、B,Cをポリカーボネート(屈折率1.59)の透明樹脂を用いて射出成形によってディスク基板A,B,Cを作製し、信号形成面に形成されたグルーブ凹凸パターンを転写する。
図3に示すように、1.1mm厚の成形基板41の信号形成面に、Al合金等からなる光反射層42が成膜される。光反射層42上にSiO2等からなる第1の誘電体層43と
、GeSbTe合金等からなる相変化記録層44と、SiO2等からなる第2の誘電体層
45とがスパッタリングによって順次成膜され、光反射層、第1の誘電体層、相変化記録層、第2の誘電体層からなる記録層が形成される。
第2の誘電体層43上にPSAをスピンコート法により20nm厚塗布し、80μm厚のポリカーボネートシートをローラーで圧力をかけてPSAを硬化させることにより、PSA+ポリカーボネートシートの100μm厚のカバー層46が形成される。カバー層46側から記録再生用のレーザビームが照射される。以上の工程により、BDフォーマットのディスクA、B,Cが完成する。
上述のように作成したディスクの評価結果について説明する。一例として、光ディスクA,光ディスクB、光ディスクCの評価作業を光ピツクアツプ(レーザ波長406nm、NA=0.85)備えたBlu−ray Disc評価機を用いて評価する。3種類の光ディスクA,B,Cのウォブルグルーブ部(読み取り面に近い記録領域)に1−7変調で変調したデータの記録再生を行ない、下記の表2に評価データを示す。
Figure 2006048785
表2において、G specは、規格で規定されている許容範囲の値を示している。PIC領域に関しての規格である、「jitter leading」および「jitter trailing」は、再生ウォ
ブル信号の立ち上がりおよび立ち下がりが基準のウインドウに対して時間的にどれだけずれているかを%で示すものである。4.5%より小であると規定されている。
データ領域(半径位置が45mm)においては、「NPPnorm min」,「NPPnorm dev」,「NWS min」,「before CNR」が規定されている。「NPPnorm min」および「NPPnorm dev」は、正規化されたプッシュプル信号の最小値および振幅変動値を意味している。「NPPnorm min」は、0.21〜0.45の範囲の値の必要があり、「NPPnorm dev」は、0.15以上の必要がある。「NWS min」は、正規化されたウォブルシグナルの最小値を意味する。「NWS min」は、0.20〜0.56の範囲の値の必要がある。「before CNR」は、ウォブルシグナルのCNR(キャリアノイズレシオ)を意味する。「before CNR」は、高い値が良い。
「SHD/SHL」は、 MSKとSTWの2次歪を意味し、規格では、−12dBより小であることが必要とされている。さらに、「Rec.Jitter」は、記録ジッターを意味する。規格では、半径位置(R)が25mm、45mm、55mmのそれぞれの位置において、6.5%より小であることが必要とされている。
表2に示す評価データにおいて、下線を付したデータは、規格を満たしていない値を示している。表2から分かるように、光ディスクAおよび光ディスクBは、PICウォブル信号の再生ジッタ−および記録ジッタ−が良く、良好な記録再生特性を実現できた。また、プッシュプル信号の変動量が小さく、安定したトラッキングサーボを実現した。さらに、MSKとSTWの2次歪(SHD/SHL)も充分に規格を満たしており、ウォブルグルーブのウォブルアドレス情報を安定に再生することを実現できた。
しかしながら、光ディスクCは、PICウォブル信号の再生ジッタ−が良くなく、また、プッシュプル信号の振幅変動値が規格外であり、さらに、MSKとSTWの2次歪も規格を満たしていない。
AFM(Atomic Force Microscope:原子間力顕微鏡)により、上記光ディスクのウォブ
ルグルーブ形状を測定した。ウォブルによるランド部の高さ変化は、上述した3種類の光ディスクで異なった。PIC領域のウォブル振幅量を±22nmとし、MSK&STWのウォブル振幅量を±11nmとした。ウォブルによるランド部の高さ変化の測定結果を下記の表3に示す。
Figure 2006048785
表3に示す測定結果から、ウォブルによるランド部の高さ変化量を、PIC領域は、1.9nm以下、データ領域(MSK&STW)は、1.1nm以下を許容範囲とすれば、光ディスクA,光ディスクBでは、安定な記録再生が行なわれることがわかる。また、グルーブ深さは、深い部分(隣接のウォブル離れる部分)が24nmとなり、浅い部分(隣接のウォブル近づく部分)は、ウォブルによるランド部の高さ変化量だけ浅くなる。つまり、光ディスクBのグルーブ深さの浅い部分はPIC領域が22.1nmとなり、データ部が22.9nmである。光ディスクBの平均のグルーブ深さは、PIC領域が23nmであり、データ領域が23.5nmである。
上述した評価の結果から、光ディスクAおよび光ディスクBのような安定な記録再生が行なわれるためには、(ウォブルによるランド部の高さ変化量/平均のグルーブ深さ)の関係が下記の式(2)で示すものを満足することが必要である。
PIC領域:1.9nm/23nm=0.083
データ領域:1.1nm/23.5nm=0.047
波長 266nmでなるYAGレーザの4次高調波のレーザ光源、開口数NA=0.9の対物レンズ、安定なノボラック系のレジストを用いる。266nmのレーザのビーム径は、0.9mmであり、ビームエキスパンダBEX26は、拡大率が6倍、4倍、2倍でビーム径を拡大し、対物レンズ27に入る前のビーム径がそれぞれ5.4mm、3.6mm、1.8mmとなる。対物レンズ27の開口は、3.6mmである。ビームエキスパンダBEX26の拡大率が6倍、4倍であり、対物レンズ27の前のビーム径がそれぞれ5.4mm、3.6mmのときに、PICウォブル信号の再生ジッターや、MSKとSTWの2次歪み(SHD/SHL)等のBDの規格を満たすことができる。
すなわち、(対物レンズの前のビーム径/対物レンズの開口)が下記の関係にあるときに充分な特性が得られる。
(5.4〜3.6)mm/3.6mm=1.5〜1.0
さらに、音響光学変調偏向器22を構成するAODのウォブル非対称性や、対物レンズ27の光軸外特性などにより、ウォブルによりAODの周波数が変化すると、図4に示すように、対物レンズ27から出される露光パワーが変化し、形成されるウォブルグルーブのグルーブ幅変化が生じる。図4の例では、224MHzおよび225MHzで露光パワーが最大の0.287mWとなる。(露光パワー/最大の露光パワー)×100〔%〕でもってパワーの値が正規化される。
図4と対応するパワーおよび正規化したパワーの周波数に対する値を下記の表4に示す。
Figure 2006048785
AODのウォブル非対称性や対物レンズ27の光軸外特性に注目してグルーブ幅変化の量が互いに相違する3種類の評価用光ディスク(ディスクD、ディスクEおよびディスクF)を作製し、ウォブル再生やグルーブ幅変化の評価を行い、評価の結果を下記の表5および表6に示す。表5は、評価用光ディスクのグルーブ幅変化量を示し、表6が評価データを示す。
Figure 2006048785
Figure 2006048785
一例として、PIC領域のウォブルによるAODの周波数の変化が±4MHzであり、データ領域のMSKおよびSTWのウォブルによるAODの周波数の変化が±2MHzである。
光ディスクDの場合、中心周波数が224MHzとされ、PIC領域のウォブルによるAODの周波数が220MHz、228MHzとなり、露光パワーが0.267mW(93%)、0.285mW(99.3%)となり、その結果、グルーブ幅が145nm、162nmとなる。また、データ領域のMSKおよびSTWのウォブルによるAODの周波数が222MHz、226MHzとなり、露光パワーが0.281mW(97.9%)、0.286mW(99.7%)となり、その結果、グルーブ幅の変化が表5に示すように、154nm、164nmとなる。
このようにグルーブ幅が変化する光ディスクDの場合では、表6の下線を引いたデータから分かるように、PICウォブル信号の再生ジッタ−および記録ジッタ−が悪く、プッシュプル信号変動(NPPnorm dev)、ウォブルの2次歪み(SHD/SHL)の特性が悪く、規格を満たしていない。
光ディスクEの場合、中心周波数を225MHzとした。PIC領域のウォブルによるAODの周波数が221MHz、229MHzとなり、露光パワーが0.275mW(95.8%)、0.284mW(99.0%)となり、その結果、グルーブ幅が151nm、161nmとなる。また、データ領域のMSKおよびSTWのウォブルによるAODの周波数が223MHz、227MHzとなり、露光パワーが0.285mW(99.3%)、0.286mW(99.7%)となり、その結果、グルーブ幅の変化が表5に示すように、160nm、162nmとなる。
このようにグルーブ幅が変化する光ディスクEの場合では、表6のデータから分かるように、規格を充分に満たしている。すなわち、PICウォブル信号の再生ジッタ−および記録ジッタ−が良く、良好な記録再生特性を実現でき、また、プッシュプル信号の変動量が小さく、安定したトラッキングサーボを実現でき、さらに、MSKとSTWの2次歪(SHD/SHL)も充分に規格を満たしており、ウォブルグルーブのウォブルアドレス情報を安定に再生できた。
さらに、光ディスクFの場合、中心周波数を226MHzとした。PIC領域のウォブルによるAODの周波数が222MHz、230MHzとなり、露光パワーが0.281mW(97.9%)、0.283mW(98.6%)となり、その結果、グルーブ幅が155nm、160nmとなる。また、データ領域のMSKおよびSTWのウォブルによるAODの周波数が224MHz、228MHzとなり、露光パワーが0.287mW(100%)、0.285mW(99.3%)となり、その結果、グルーブ幅の変化が表5に示すように、158nm、161nmとなる。
このようにグルーブ幅が変化する光ディスクFの場合では、表6のデータから分かるように、光ディスクEと同様に、規格を充分に満たしている。
ここで、グルーブ幅変化に注目すると、上述した光ディスクD、EおよびFにおいて、グルーブ幅の変動比率(小さい方のグルーブ幅/大きい方のグルーブ幅)を求めると、下記の表7に示すものとなる。
Figure 2006048785
以上の結果から、PIC領域のウォブルのグルーブ幅変化は、(93.8〜100%)の時に充分に規格を満たす特性が得られる。また、データ領域のMSKおよびSTWのウォブルのグルーブ幅変化は、(98.1〜100%)の時に充分に規格を満たす特性が得られる。
上述したように、この発明の一実施形態は、波長266nmのYAGレーザの4次高調波のレーザ光源、開口数NA=0.9の対物レンズを用いて、ウォブル光学系をフォーマットに合わせて最適に調整し、安定なノボラック系のレジストを用いることにより、ウォブルによるランド部の高さ変化を1.9nm以下にして、ウォブルの再生特性(PIC
Jitter、MSK&STWウォブル再生)やプッシュプル信号の変動量に関する規格を満たすBDフォーマットを実現できた。
以上、この発明の一実施形態について具体的に説明したが、この発明は、上述の一実施形態に限定されるものではなく、この発明の技術的思想に基づく各種の変形が可能である。例えば、上述の一実施形態において挙げた数値はあくまでも例に過ぎず、必要に応じてこれと異なる数値を用いてもよい。また、カッティング装置の構成は、図2に示す構成以外のものが可能である。
この発明を適用できる高密度ディスクのフォーマットを示す略線図である。 この発明を適用できる光学記録装置(光学カッティング装置)の一例を示す略線図である。 この発明を適用できる高密度ディスクの構造を示す断面図である。 この発明に使用できる音響光学偏向器(AOD)の周波数に対するパワーの変化を示すグラフである。
符号の説明
1・・・BCA領域
2・・・PIC領域
3・・・データ記録領域
10・・・レジスト基板
11・・・レジスト層
12・・・ターンテーブル
13・・・スピンドルサーボ
14・・・レーザ光源
15(EOM)・・・電気光学変調器
16(PD)・・・光検出器
20・・・・移動光学テーブル
21,23・・・ウェッジプリズム
22・・・音響光学偏向器(AOD)
24・・・・ドライバー
25・・・電圧周波数制御器(VCO)
26(BEX)・・・・ビームエクスパンダ−
27・・・・対物レンズ
30・・・・ポジションセンサー
31・・・・レーザスケール
32・・・・エアースライダー
33・・・・送りサーボ

Claims (13)

  1. ウォブルグルーブを有し、露光ビームの径がウォブルグルーブのピッチより大である第1の領域(矩形ウォブルグルーブ)および第2の領域(正弦波とのこぎり波の重畳ウォブルグルーブまたは正弦波ウォブルグルーブ)を有し、上記第1の領域のピッチが上記第2の領域のピッチより大である光ディスクフォーマットの光ディスクスタンパ作製方法において、
    上記第1の領域におけるランド部の高さ変化量/平均のグルーブ深さがほぼ0.083以下であり、上記第2の領域におけるランド部の高さ変化量/平均のグルーブ深さがほぼ0.047以下であることを特徴とする光ディスクスタンパの作製方法。
  2. 請求項1において、
    上記第1の領域におけるウォブルによるランド部の高さ変化量を1.9nm以下とすることを特徴とする光ディスクスタンパ作製方法。
  3. 請求項1において、
    上記第2の領域におけるウォブルによるランド部の高さ変化量を1.1nm以下とすることを特徴とする光ディスクスタンパ作製方法。
  4. 請求項1において、
    露光ビームの波長が266nmで、ノボラック系のポジ型レジストに対して露光を行うことを特徴とする光ディスクスタンパ作製方法。
  5. ウォブルグルーブを有し、露光ビームの径がウォブルグルーブのピッチより大である第1の領域(矩形ウォブルグルーブ)および第2の領域(正弦波とのこぎり波の重畳ウォブルグルーブまたは正弦波ウォブルグルーブ)を有し、上記第1の領域のピッチが上記第2の領域のピッチより大である光ディスクフォーマットの光ディスクスタンパにおいて、
    上記第1の領域におけるランド部の高さ変化量/平均のグルーブ深さがほぼ0.083以下であり、上記第2の領域におけるランド部の高さ変化量/平均のグルーブ深さがほぼ0.047以下であることを特徴とする光ディスクスタンパ。
  6. 請求項5において、
    上記第1の領域におけるウォブルによるランド部の高さ変化量を1.9nm以下とすることを特徴とする光ディスクスタンパ。
  7. 請求項5において、
    上記第2の領域におけるウォブルによるランド部の高さ変化量を1.1nm以下とすることを特徴とする光ディスクスタンパ。
  8. ウォブルグルーブを有し、露光ビームの径がウォブルグルーブのピッチより大である第1の領域(矩形ウォブルグルーブ)および第2の領域(正弦波とのこぎり波の重畳ウォブルグルーブまたは正弦波ウォブルグルーブ)を有し、上記第1の領域のピッチが上記第2の領域のピッチより大である光ディスクフォーマットの光ディスクにおいて、
    上記第1の領域におけるランド部の高さ変化量/平均のグルーブ深さがほぼ0.083以下であり、上記第2の領域におけるランド部の高さ変化量/平均のグルーブ深さがほぼ0.047以下であることを特徴とする光ディスク。
  9. 請求項8において、
    上記第1の領域におけるウォブルによるランド部の高さ変化量を1.9nm以下とすることを特徴とする光ディスク。
  10. 請求項8において、
    上記第2の領域におけるウォブルによるランド部の高さ変化量を1.1nm以下とすることを特徴とする光ディスク。
  11. ウォブルグルーブを有し、露光ビームの径がウォブルグルーブのピッチより大である第1の領域(矩形ウォブルグルーブ)および第2の領域(正弦波とのこぎり波の重畳ウォブルグルーブまたは正弦波ウォブルグルーブ)を有し、上記第1の領域のピッチが上記第2の領域のピッチより大である光ディスクフォーマットの光ディスクスタンパ作製方法において、
    上記第1の領域におけるウォブルグルーブの幅変化の範囲が100%を所望の幅とする場合に、93.8%〜100%であり、上記第2の領域におけるウォブルグルーブの幅変化の範囲が100%を所望の幅とする場合に、98.1%〜100%であることを特徴とする光ディスクスタンパの作製方法。
  12. ウォブルグルーブを有し、露光ビームの径がウォブルグルーブのピッチより大である第1の領域(矩形ウォブルグルーブ)および第2の領域(正弦波とのこぎり波の重畳ウォブルグルーブまたは正弦波ウォブルグルーブ)を有し、上記第1の領域のピッチが上記第2の領域のピッチより大である光ディスクフォーマットの光ディスクスタンパにおいて、
    上記第1の領域におけるウォブルグルーブの幅変化の範囲が100%を所望の幅とする場合に、93.8%〜100%であり、上記第2の領域におけるウォブルグルーブの幅変化の範囲が100%を所望の幅とする場合に、98.1%〜100%であることを特徴とする光ディスクスタンパ。
  13. ウォブルグルーブを有し、露光ビームの径がウォブルグルーブのピッチより大である第1の領域(矩形ウォブルグルーブ)および第2の領域(正弦波とのこぎり波の重畳ウォブルグルーブまたは正弦波ウォブルグルーブ)を有し、上記第1の領域のピッチが上記第2の領域のピッチより大である光ディスクフォーマットの光ディスクにおいて、
    上記第1の領域におけるウォブルグルーブの幅変化の範囲が100%を所望の幅とする場合に、93.8%〜100%であり、上記第2の領域におけるウォブルグルーブの幅変化の範囲が100%を所望の幅とする場合に、98.1%〜100%であることを特徴とする光ディスク。
JP2004225307A 2004-08-02 2004-08-02 光ディスクスタンパの作製方法、光ディスクスタンパおよび光ディスク Pending JP2006048785A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004225307A JP2006048785A (ja) 2004-08-02 2004-08-02 光ディスクスタンパの作製方法、光ディスクスタンパおよび光ディスク

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004225307A JP2006048785A (ja) 2004-08-02 2004-08-02 光ディスクスタンパの作製方法、光ディスクスタンパおよび光ディスク

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2006048785A true JP2006048785A (ja) 2006-02-16

Family

ID=36027150

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2004225307A Pending JP2006048785A (ja) 2004-08-02 2004-08-02 光ディスクスタンパの作製方法、光ディスクスタンパおよび光ディスク

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2006048785A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US8110343B2 (en) Manufacturing method for optical recording and reproducing medium stamper
JP2000231745A (ja) 光記録媒体、光記録媒体製造用原盤及びその製造方法
US20060007836A1 (en) Optical recording medium and master disc for manufacturing optical recording medium
KR100909603B1 (ko) 광학 기록 재생 매체, 광학 기록 재생 매체 제조용 마더스탬퍼 및 광학 기록 재생 장치
JP2001229546A (ja) 光記録媒体及び光記録媒体製造用原盤
JP2003272238A (ja) 光学記録再生媒体、光学記録再生媒体製造用原盤及び光学記録再生装置
JPWO2003041064A1 (ja) 光学記録再生媒体、光学記録再生媒体製造用スタンパ及び光学記録再生装置
JP4370756B2 (ja) 光学記録再生媒体、光学記録再生媒体製造用原盤、光学記録再生媒体の製造方法及び光学記録再生装置
JP2006048785A (ja) 光ディスクスタンパの作製方法、光ディスクスタンパおよび光ディスク
US7068585B2 (en) Optical information recording medium
JP4396230B2 (ja) 光学記録方法、光記録媒体製造用原盤および光記録媒体
JP2005032317A (ja) 光学記録再生媒体、光学記録再生媒体製造用スタンパ及び光学記録方法
JPH11296910A (ja) 光記録媒体及び光記録媒体製造用原盤
JP2000048409A (ja) 光記録媒体、光記録媒体製造用原盤及び光記録再生装置
JP2003045040A (ja) 光記録媒体、光記録媒体作製用原盤、成形用スタンパ及びこれらの製造方法、ならびに光学記録再生方法
JP2006172637A (ja) 光ディスク用原盤の製造方法、光ディスク用原盤および光ディスクならびに凹凸形成方法および凹凸基板
JP2004178651A (ja) 光学記録再生媒体及びこれを用いた光学記録再生装置
JP2004039011A (ja) 光記録媒体、光記録媒体製造用原盤、記録再生装置および記録再生方法
JP2003157543A (ja) 光学記録方法、光学記録再生媒体、光学記録再生媒体製造用原盤、光学記録再生媒体製造用スタンパ及び光学記録再生装置
JP2000260070A (ja) 光記録媒体、光記録媒体製造用原盤及び光記録再生装置
JP2006012266A (ja) 光記録媒体および光記録媒体製造用原盤
JP2000276778A (ja) 光記録媒体、光記録媒体製造用原盤及び光記録再生装置
JP2002334484A (ja) 光記録媒体、光記録媒体作製用原盤、マザースタンパ、成形用スタンパとこれらの製造方法
JP2003208719A (ja) 光学記録再生媒体、光学記録再生媒体製造用スタンパ及び光学記録再生装置
JP2005203050A (ja) 光ディスク原盤の記録方法、光ディスク原盤の製造方法、光ディスク原盤、並びに光ディスク

Legal Events

Date Code Title Description
RD04 Notification of resignation of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424

Effective date: 20060209

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20070604

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20090309

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20090407

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20090605

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20090721