JP2004039011A - 光記録媒体、光記録媒体製造用原盤、記録再生装置および記録再生方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】グルーブを形成する場合に、側面が細かい波状であってもウォブル情報の安定した再生を可能とする。
【解決手段】レーザカッティング装置10では、9.091MHzのウォブル振幅量でグルーブの幅を広げることができ、84.672kHzのウォブル信号の光学偏向を施し、フォトレジスト12の表面に集光され、レーザ光が高周波数9.091MHzで多重露光することでグルーブの幅を広げることができ、幅広かつ両側面が9.091MHzで細かい波状にウォブルしたグルーブが形成される。記録再生装置のカットオフ周波数以上の高周波のウォブルでグルーブ側面が細かい波状にウォブルしてもウォブル再生信号振幅が0となるため、低周波(84.672kHz)でウォブルしたグルーブのウォブルアドレス信号の再生が可能である。
【選択図】 図3
【解決手段】レーザカッティング装置10では、9.091MHzのウォブル振幅量でグルーブの幅を広げることができ、84.672kHzのウォブル信号の光学偏向を施し、フォトレジスト12の表面に集光され、レーザ光が高周波数9.091MHzで多重露光することでグルーブの幅を広げることができ、幅広かつ両側面が9.091MHzで細かい波状にウォブルしたグルーブが形成される。記録再生装置のカットオフ周波数以上の高周波のウォブルでグルーブ側面が細かい波状にウォブルしてもウォブル再生信号振幅が0となるため、低周波(84.672kHz)でウォブルしたグルーブのウォブルアドレス信号の再生が可能である。
【選択図】 図3
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、記録トラックに沿ってグルーブが形成されてなる光記録媒体、並びにそのような光記録媒体を製造する際に使用される光記録媒体製造用原盤に関する。また、この発明は、記録トラックに沿ってグルーブが形成されてなる光記録媒体に対する記録および/または再生処理を行う記録再生装置および記録再生方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
光記録媒体は、光学的に記録および/または再生が行われる記録媒体であり、例えば、コンパクトディスクやレーザディスク等のように、データに対応したエンボスピットがディスク基板に予め形成されてなる再生専用光ディスクや、ミニディスク(Mini Disc;MD)等のように、磁気光学効果を利用してデータの記録再生を行う光磁気ディスクや、DVD等のように、記録膜の相変化を利用してデータの記録再生を行う相変化型光ディスクなどがある。
【0003】
光磁気ディスクや相変化型光ディスクのように書き込みが可能な光記録媒体には、通常、記録トラックに沿ったグルーブがディスク基板に形成される。ここで、グルーブとは、主にトラッキングサーボを行えるようにするために、記録トラックに沿って形成された、いわゆる案内溝のことである。なお、グルーブとグルーブの間の部分は、ランドと称される。
【0004】
そして、グルーブが形成されてなる光記録媒体では、通常、プッシュプル信号を用いることでトラッキングサーボがなされる。なお、プッシュプル信号は、光記録媒体に光ビームを照射し、当該光ビームが光記録媒体によって反射された光を、トラック中心に対して対称に配置された2つの光検出器により検出し、それら2つの光検出器からの出力の差をとることにより得られる。
【0005】
先に提案されている特許第2960018号においては、MDのデータ記録部であるウォブルワイドグルーブの形成方法が提案されている。ウォブルワイドグルーブの形成は、22.05kHzと5MHzの重畳信号によりレーザ光のスポットをウォブルすることで行われる。22.05kHzのFM変調信号は、アドレスのウォブル情報を記録するもので、5MHzの信号はその振幅量によってグルーブの幅を広げることができる。ウォブルワイドグルーブは、グルーブの両方の側面がウォブルしている。上記特許に記載の方法を用いたMDディスクは、ウォブルワイドグルーブを用いているため、安定にADIP(Address In Pre−groove) のウォブル信号を再生でき、また、MO信号を安定に記録再生ができる。
【0006】
MDのフォーマットの記録の場合、記録ビームの半径(D/2)以下の短い周期で多重露光するように、ウォブル(偏向)周波数の空間周波数を選定することでグルーブの幅を広げることができる。例えばMDでは、5MHzの偏向周波数で多重露光することで、幅広のグルーブが形成される。このようにしてグルーブの側面が細かい波状に多重露光することのないウォブルグルーブを形成することができる。すなわち、細かい波状を生じないために、線速度v、偏向周波数fおよび記録ビーム径Dの関係が次の式(1)の関係を満足するようになされている。
【0007】
v・1/f ≦ D/2 (1)
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
最近では、記録密度の高密度化にともない、記録ビーム径Dを小さくして微小なピットや、幅が狭いグルーブを形成するようになっている。また、高転送レート化にともない、線速度vが高速度化する。しかしながら、現状では、ウォブル(偏向)周波数は9MHz程度が限界である。
【0009】
例えばCD−ROMに匹敵するような大容量化を目的として、データ専用のMDData2が提案されている。MDData2は、MDの4倍の密度とされている。MDData2の場合、記録ビーム径Dが400nm程度、線速度vが2.0m/sであり、ウォブル周波数が9MHzの場合では、(1)式が下記の示されるものとなる。
【0010】
v・1/f=(2.0m/s)/9MHz=222nm>200nm(D/2)
【0011】
このように、9MHzでは、式(1)の条件を満足することができなくなり、ウォブル周波数も9MHz程度以上高くすることが困難であり、グルーブの側面が細かい波状になる問題があった。
【0012】
この発明は、以上のような点を考慮して案出されたものであり、記録密度を高密度化にした場合でも、安定したウォブル信号の再生が可能で、また、安定した記録再生特性が可能な光記録媒体を提供することを目的としている。また、この発明は、そのような光記録媒体を製造することが可能な光記録媒体製造用原盤を提供することも目的としている。また、この発明は、そのような光記録媒体に対する記録および/または再生処理を行う記録再生装置および記録再生方法を提供することも目的としている。
【0013】
【課題を解決するための手段】
上述した課題を解決するために、請求項1の発明は、記録トラックに沿って低周波でウォブルしたグルーブが形成されてなると共に、光記録再生装置のカットオフ周波数以上の高周波のウォブルでグルーブ側面が細かい波状にウォブルしたグルーブが重畳されていることを特徴とする光記録媒体である。
【0014】
請求項3の発明は、ラックに沿ってピットが形成されてなると共に、光記録再生装置のカットオフ周波数以上の高周波のウォブルでピット側面が細かい波状にウォブルしたピットが形成されることを特徴とする光記録媒体である。
【0015】
請求項4の発明は、記録トラックに沿って低周波でウォブルしたグルーブが形成されてなると共に、光記録再生装置のカットオフ周波数以上の高周波のウォブルでグルーブ側面が細かい波状にウォブルしたグルーブが重畳されていることを特徴とする光記録媒体製造用原盤である。
【0016】
請求項6の発明は、トラックに沿ってピットが形成されてなると共に、光記録再生装置のカットオフ周波数以上の高周波のウォブルでピット側面が細かい波状にウォブルしたピットが形成されることを特徴とする光記録媒体製造用原盤である。
【0017】
請求項7の発明は、光記録媒体に対する記録および/または再生処理を行う記録再生装置であって、光記録媒体は、記録トラックに沿って低周波でウォブルしたグルーブが形成されてなると共に、光記録再生装置のカットオフ周波数以上の高周波のウォブルでグルーブ側面が細かい波状にウォブルしたグルーブが重畳されており、低周波でウォブルしたグルーブのウォブル情報を再生すると共にグルーブにデータを記録再生することを特徴とする記録再生装置である。請求項9の発明は、低周波でウォブルしたグルーブのウォブル情報を再生すると共にグルーブにデータを記録再生することを特徴とする記録再生方法である。
【0018】
請求項8の発明は、光記録媒体に対する記録および/または再生処理を行う記録再生装置であって、光記録媒体は、トラックに沿ってピットが形成されてなると共に、光記録再生装置のカットオフ周波数以上の高周波のウォブルでピット側面が細かい波状にウォブルしたピットが形成され、ピット側面が細かい波状にウォブルしたピットを再生することを特徴とする記録再生装置である。請求項10の発明は、ピット側面が細かい波状にウォブルしたピットを再生することを特徴とする記録再生方法である。
【0019】
この発明に係る光記録媒体は、記録トラックに沿ってグルーブが形成されてなると共に、多重露光するウォブルによりグルーブの側面が細かい波状になっても、光記録再生装置のカットオフ周波数以上の高周波の多重露光ウォブル周波数を用いることにより、グルーブ内の記録特性およびウォブルグルーブのウォブル信号再生特性を充分に得ることができる。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施の形態について、この発明を適用した光磁気ディスクを例に挙げ、図面を参照しながら詳細に説明する。この発明を適用した光磁気ディスクについて、要部を拡大した断面図を図1に示す。図1において、参照符号1が光磁気ディスクを示す。一例として、光磁気ディスクは、MDData2の仕様のものである。
【0021】
光磁気ディスク1は、円盤状に形成されてなり、磁気光学効果を利用してデータの記録再生が行われる。そして、この光磁気ディスク1は、ポリメチルメタクリレート(PMMA)やポリカーボネート(PC)等からなるディスク基板2の上に、光磁気記録がなされる記録層3と、当該記録層3を保護する保護層4とが形成されてなる。ここで、記録層3は、例えば、SiN等からなる誘電体膜3aと、TeFeCo合金等からなる垂直磁気記録膜3bと、SiN等からなる誘電体膜3cと、Al等からなる反射膜3dとが積層されたものである。また、保護層4は、例えば、記録層3の上に紫外線硬化樹脂がスピンコートされることで形成されている。なお、この発明において、記録層3や保護層4の構成は任意であり、本例に限定されるものではない。
【0022】
この光磁気ディスク1(MDData2)は、記録領域の一部を拡大した図1に示すように、光ピックアップ5によりピット部6が再生領域、ウォブルグルーブ7が光磁気記録によるデータの書き込みが可能な領域となっている。
【0023】
また、この光磁気ディスク1において、トラックピッチTPitchは0.95μmとされ、同様に、書き込み可能領域ウォブルグルーブの幅は、0.60μm程度とされている。現行のMDData2は、グルーブの幅0.60μm程度、ランド幅0.65μm程度であり、ランドが書き込み可能領域とされているが、この実施の形態では、0.60μm程度の幅広のウォブルグルーブが書き込み可能領域とされる。さらに、ウォブルグルーブと同心円状のウォブルしていないグルーブとが交互に形成されたダブルスパイラルの構造とされている。
【0024】
上述した光磁気ディスク1を製造する際には、光磁気ディスク1の原盤となる光記録媒体製造用原盤の作製にレーザカッティング装置が使用される。以下、光記録媒体製造用原盤の作製に使用されるレーザカッティング装置の一例について、図2を参照して詳細に説明する。
【0025】
図2に示したレーザカッティング装置10は、ガラス基板11の上に塗布されたフォトレジスト12を露光して、当該フォトレジスト12に潜像を形成するためのものである。このレーザカッティング装置10でフォトレジスト12に潜像を形成する際、フォトレジスト12が塗布されたガラス基板11は、移動光学テーブル上に設けられた回転駆動装置に取り付けられる。そして、フォトレジスト12を露光する際、ガラス基板11は、フォトレジスト12の全面にわたって所望のパターンでの露光がなされるように、回転駆動装置によって回転駆動されると共に、移動光学テーブルによって平行移動される。
【0026】
このレーザカッティング装置10は、レーザ光を出射する光源13と、光源13から出射されたレーザ光の光強度を調整するための電気光学変調器(EOM:E1ectro Optical Modulator)14と、電気光学変調器14から出射されたレーザ光の光軸上に配された検光子15と、検光子15を透過してきたレーザ光を反射光と透過光とに分割する第1のビームスプリッタBS1および第2のビームスプリッタBS2と、第2のビームスプリッタBS2を透過してきたレーザ光を検出するフォトディテクタ(PD:Photo Detector)16と、電気光学変調器14に対して信号電界を印加して電気光学変調器14から出射されるレーザ光強度を調整する光出力制御部(APC:Auto Power Controller)17とを備えている。
【0027】
光源13から出射されたレーザ光は、先ず、APC17から印加される信号電界によって駆動される電気光学変調器14によって所定の光強度とされた上で検光子15に入射される。ここで、検光子15は、S偏光だけを透過する検光子であり、この検光子15を透過してきたレーザ光は、S偏光となる。
【0028】
なお、光源13には、任意のものが使用可能であるが、短波長のレーザ光を出射するものが好ましい。具体的には、例えば、波長λが351nmのレーザ光を出射するKrレーザや、波長λが442nmのレーザ光を出射するHe−Cdレーザなどが、光源13として好適である。
【0029】
ビームスプリッタBS1およびBS2を透過したレーザ光は、フォトディテクタ16によって、その光強度が検出され、当該光強度に応じた信号がフォトディテクタ16からAPC17に送られる。そして、APC17は、フォトディテクタ16によって検出される光強度が所定のレベルにて一定となるように、電気光学変調器14に対して印加する信号電界を調整する。これにより、電気光学変調器14から出射するレーザ光の光強度が一定となるように、フィードバック制御がなされ、ノイズの少ない安定したレーザ光が得られる。
【0030】
光源13より出射されたレーザ光は、ビームスプリッタBS1およびミラーM1で反射され、移動光学テーブル18上に水平に導かれ、偏向光学系(図2においてODと示す)18によって光学偏向が施された上でミラーM3によって反射されて進行方向が90°曲げられた上で偏光ビームスプリッタPBSに入射する。
【0031】
偏向光学系18は、ウォブルグルーブのウォブルに対応するように、レーザ光に対して光学偏向を施すためのものである。すなわち、偏向光学系18に入射したレーザ光は、ウェッジプリズム19を介して音響光学偏向器(AOD:AcoustoOptical Deflector)20に入射し、この音響光学偏向器20によって、所望する露光パターンに対応するように光学偏向が施される。ここで、音響光学偏向器20に使用される音響光学素子としては、例えぱ、酸化テルル(TeO2 )からなる音響光学素子が好適である。音響光学偏向器20によって光学偏向が施された第2のレーザ光は、ウエッジプリズム21を介して偏向光学系18から出射される。
【0032】
なお、ウェッジプリズム19、21は、音響光学偏向器20の音響光学素子の格子面に対してブラッグ条件を満たすようにレーザ光が入射するようにすると共に、音響光学偏向器20によってレーザ光に対して光学偏向を施したとしてもビーム水平高さが変わらないようにするためのものである。換言すれば、ウエッジプリズム19、音響光学偏向器20およびウエッジプリズム21は、音響光学偏向器20の音響光学素子の格子面がレーザ光に対してブラッグ条件を満たし、且つ偏向光学系18から出射されるレーザ光のビーム水平高さが変わらないように配置される。
【0033】
ここで、音響光学偏向器20には、音響光学偏向器20を駆動するための駆動用ドライバ22が接続されている。駆動用ドライバ22には、直流電圧と、電圧制御発振器(VCO:Voltage Controlled Oscillator)23からの高周波信号がアドレス情報を含む制御信号によりFM変調された信号とが供給される。そして、ガラス基板11上のフォトレジスト12の露光時には、所望する露光パターンに応じた信号が電圧制御発振器23から駆動用ドライバ22に入力され、当該信号に応じて駆動用ドライバ22によって音響光学偏向器20が駆動され、これにより、レーザ光に対して光学偏向が施される。
【0034】
具体的には、例えば、周波数84.672kHzにてグルーブをウォブルさせることにより、グルーブにアドレス情報が付加される。この場合では、例えば中心周波数が224MHzの高周波信号を周波数を84.672kHzのFM変調した信号と9.091MHzを重畳した制御信号を、電圧制御発振器23から駆動用ドライバ22に供給する。
【0035】
そして、この信号に応じて、駆動用ドライバ22によって音響光学偏向器20を駆動し、音響光学偏向器20の音響光学素子のブラッグ角を変化させ、その結果、フォトレジスト12上に集光されるレーザ光の光スポットの位置は、周波数84.672kHz+9.091MHz、振幅±20nmにて、ガラス基板11の半径方向に振動される。9.091MHzのウォブル振幅量の変化でグルーブの幅を広げることができる。
【0036】
そして、このような偏向光学系18によって、ウォブルグルーブのウォブルに対応するように光学偏向が施されたレーザ光は、ミラーM3によって反射されて進行方向が90°曲げられた上で偏光ビームスプリッタPBSに入射する。レーザ光は、偏光ビームスプリッタPBSによって反射されて、拡大レンズL3によって所定のビーム径とされた上でミラーM4によって反射されて対物レンズ24へと導かれ、対物レンズ24によってフォトレジスト膜12上に集光される。
【0037】
なお、レーザ光をフォトレジスト12の上に集光するための対物レンズ24は、より微細なルーブパターンを形成できるようにするために、開口数NAが大きい方が好ましく、具体的には、開口数NAが0.9程度の対物レンズが好適である。
【0038】
さらに、光源13より出射されたレーザ光は、ビームスプリッタBS2およびミラーM2で反射され、HWPを介して偏光ビームスプリッタPBSに入射する。このレーザ光は、ウォブルグルーブを形成するためのレーザ光と半径方向で一定の間隔でフォトレジスト膜12上に照射される。このレーザ光は、偏向されず、ウォブルしない同心円状のグルーブを形成するためのものである。ウォブルグルーブとウォブルしないグルーブとを形成するように、フォトレジスト膜12の表面に対物レンズ24がレーザ光を集光する。
【0039】
フォトレジスト膜12が露光され、フォトレジスト膜12に潜像が形成される。このとき、フォトレジスト膜12が塗布されているガラス基板11は、フォトレジスト膜12の全面にわたって所望のパターンでの露光がなされるように、図示しない回転駆動装置によって回転駆動されると共に、移動光学テーブルによってレーザ光が径方向に移動される。この結果、レーザ光の照射軌跡に応じた潜像がフォトレジスト膜12の全面にわたって形成されることとなる。
【0040】
前述の式(1)において、線速度v=2.00m/s、記録ビーム径D=400nmとすると、偏向周波数fを10MHz以上にしないと、多重露光で形成されるグルーブの側面が細かい波状となる。一実施形態では、f=9.091MHzとしているので、細かい波状が生じる。この偏向周波数は、例えばクロックの周波数に等しいものであり、空間周波数は220nm(1T)になる。
【0041】
以上のようなレーザカッティング装置10では、9.091MHzのウォブル振幅量でグルーブの幅を広げることができ、84.672kHzのウォブル信号で光学偏向(ウォブル)を施し、フォトレジスト12の表面に集光され、レーザ光が高周波数9.091MHzで多重露光することでグルーブの幅を広げることができ、幅広かつ両側面が9.091MHzで細かい波状にウォブルしたグルーブが形成される。
【0042】
図3Aは、この発明の一実施形態におけるウォブルグルーブの露光方法と偏向で多重露光する方法を模式的に示す。また、図3Bは、現像処理により形成される両側面が細かい波状のウォブルグルーブを示す。偏向を生じさせる制御信号は、FM変調したウォブルアドレス信号(84.672kHz)とグルーブの幅を広げる信号(9.091MHz)の正弦波の重畳信号である。
【0043】
次に、図1に示した光磁気ディスク1の製造方法について、具体的な一例を挙げて詳細に説明する。光磁気ディスク1を作製する際は、先ず、原盤工程として、幅広かつ両側面のウォブル振幅量の異なるグルーブに対応した凹凸パターンを有する光記録媒体製造用原盤を、上述したレーザカッティング装置10を用いて作製する。
【0044】
この原盤工程においては、先ず、表面を研磨した円盤状のガラス基板11を洗浄し乾燥させ、その後、このガラス基板11上に感光材料であるフォトレジスト12を塗布する。次に、このフォトレジスト12をレーザカッティング装置10によって露光し、両側面が9.091MHzで細かい波状にウォブルしたグルーブに対応した潜像をフォトレジスト12に形成する。
【0045】
なお、後述する評価用光磁気ディスクを作製する際、レーザカッティング装置10の光源13には、波長λが351nmのレーザ光を出射するKrレーザを使用し、レーザ光をフォトレジスト12上に集光するための対物レンズ24には、開口数NAが0.9のものを使用した。また、拡大レンズL3には焦点距離が50mmのレンズを使用した。
【0046】
レーザ光に対して、偏向光学系18により光学偏向を施し、幅広かつ両側面のウォブル振幅量の異なるグルーブに対応した潜像がフォトレジスト12に形成される。具体的には、電圧制御発振器23から高周波信号を制御信号にて変調して駆動用ドライバ22に供給し、この信号に基づいて駆動用ドライバ22によって音響光学偏向器20を駆動して、当該音響光学偏向器20の音響光学素子のブラッグ角を変化させ、これにより、レーザ光に対して光学偏向を施す。
【0047】
なお、後述する評価用光磁気ディスクを作製する際は、中心周波数224MHzの高周波信号を84.672kHzのFM変調アドレス信号と9.091MHzの重畳制御信号にて変調して、電圧制御発振器23から駆動用ドライバ22に供給した。そして、この信号に基づいて、駆動用ドライバ22によって音響光学偏向器20を駆動し、音響光学偏向器20の音響光学素子のブラッグ角を変化させ、これにより、フォトレジスト12上に集光されるレーザ光の光スポットの位置が、9.091MHzのウォブル周期で多重露光されグルーブ幅が広げられ、84.672kHzのFM変調アドレス信号に応じて両側面がウォブルするように光学偏向される。
【0048】
そして、このように光学偏向を施したレーザ光を、対物レンズ24によってフォトレジスト12上に集光することにより、フォトレジスト12を露光し、幅広で且つ両側面が9.091MHzで細かい波状にウォブルしたグルーブに対応した潜像をフォトレジスト12に形成する。
【0049】
具体的には、後述する評価用光磁気ディスクを作製する際、ガラス基板11の回転速度は、レーザ光による光スポットとフォトレジスト12との相対的な移動速度が線速2.00m/secとなるようにした。そして、ガラス基板11を1回転毎に0.95μm(すなわちトラックピッチの分)だけ、移動光学テーブルによってガラス基板11の半径方向に平行移動させた。
【0050】
以上のようにしてフォトレジスト12に潜像を形成した後、フォトレジスト12が塗布されている面が上面となるように、ガラス基板11を現像機のターンテーブル上に載置する。そして、当該ターンテーブルを回転させることによりガラス基板11を回転させながら、フォトレジスト12上に現像液を滴下して現像処理を施して、ガラス基板11上に幅広かつ両側面が9.091MHzで細かい波状にウォブルしたグルーブに対応した凹凸パターンを形成する。
【0051】
次に、凹凸パターン上に無電界メッキ法によりニッケル等からなる導電化膜を形成し、その後、導電化膜が形成されたガラス基板11を電鋳装置に取り付け、電気メッキ法により導電化膜上に300±5〔μm〕程度の厚さになるようにニッケルメッキ層を形成する。その後、このメッキ層を剥離し、剥離したメッキをアセトン等を用いて洗浄し、凹凸パターンが転写された面に残存しているフォトレジスト12を除去する。
【0052】
以上の工程により、ガラス基板11上に形成されていた凹凸パターンが転写されたメッキからなる光記録媒体製造用原盤、すなわち、幅広で且つ両側面が9.091MHzで細かい波状にウォブルしたグルーブに対応した凹凸パターンが形成された光記録媒体製造用原盤(いわゆるスタンパ)が完成する。
【0053】
次に、転写工程として、Photo−Polymerization法(2P法:光硬化法(光硬化樹脂を紫外線で硬化させる))を用いて、光記録媒体製造用原盤の表面形状が転写されてなるディスク基板を作製する。
【0054】
具体的には、先ず、光記録媒体製造用原盤の凹凸パターンが形成された面上にフォトポリマーを平滑に塗布してフォトポリマー層を形成し、次に、当該フォトポリマー層に泡やゴミが入らないようにしながら、フォトポリマー層上にベースプレートを密着させる。ここで、ベースプレートには、例えば、1.2mm厚のポリメチルメタクリレート(屈折率1.49)からなるベースプレートを使用する。
【0055】
その後、紫外線を照射してフォトポリマーを硬化させ、その後、光記録媒体製造用原盤を剥離することにより、光記録媒体製造用原盤の表面形状が転写されてなるディスク基板2を作製する。
【0056】
なお、ここでは、光記録媒体製造用原盤に形成された凹凸パターンがより正確にディスク基板2に転写されるように、2P法を用いてディスク基板2を作製する例を挙げたが、ディスク基板2を量産するような場合には、ポリメチルメタクリレートやポリカーボネート等の透明樹脂を用いて射出成形によってディスク基板2を作製するようにしても良いことは言うまでもない。
【0057】
次に、成膜工程として、光記録媒体製造用原盤の表面形状が転写されてなるディスク基板2上に記録層3および保護層4を形成する。具体的には例えば、先ず、ディスク基板2の凹凸パターンが形成された面上に、SiN等からなる第1の誘電体膜3aと、TbFeCo合金等からなる垂直磁気記録膜3bと、SiN等からなる第2の誘電体膜3cとをスパッタリングによって順次成膜し、更に、第2の誘電体膜3c上にAl等からなる光反射膜3dを蒸着によって成膜する。その結果、第1の誘電体膜3a、垂直磁気記録膜3b、第2の誘電体膜3cおよび光反射膜3dからなる記録層3が形成される。その後、記録層3上に紫外線硬化樹脂がスピンコート法により塗布され、紫外線硬化樹脂に対して紫外線を照射し硬化させることにより、保護層4が形成される。以上の工程により、光磁気ディスク1が完成する。
【0058】
つぎに、上述のような製造方法にて評価用光磁気ディスクを複数作製し、それらの評価を行った結果について説明する。
【0059】
評価用光磁気ディスクの評価を行うにあたっては、先ず、両側面が9.091MHzで細かい波状にウォブルしたグルーブに対応した凹凸パターンの複数の光記録媒体製造用原盤を作製した。
【0060】
そして、幅広かつ両側面が9.091MHzで細かい波状にウォブルしたグルーブに対応した潜像を形成するため、レーザ光のパワーを1.2mW、1.5mW、1.95mWの範囲で変化させ、複数の光記録媒体製造用原盤のウォブルグルーブ幅を電子顕微鏡で測定した。グルーブ幅はそれぞれ、572nm、594nm、615nmであった。
【0061】
84.672kHzのFM変調アドレス信号の振幅量は±20nm、9.091MHzで多重露光ウォブルの振幅量は±100nmでウォブルするように形成した。
【0062】
そして、以上のようにして作製した複数の光記録媒体製造用原盤を用いて、上述したような2P法により、評価用光磁気ディスクAを作製した。
【0063】
また、多重露光の偏向の周波数をクロックの周波数9.091MHzの半分(4.545MHz、空間周波数;440nm(2T))で多重露光した細かい波状にウォブルしたグルーブに対応した評価用光磁気ディスクBを作製した。レーザ光のパワーを1.2mW、1.5mW、1.95mWの範囲で変化させ、複数の光記録媒体製造用原盤のグルーブ幅を電子顕微鏡で測定した。グルーブ幅はそれぞれ、561nm、583nm、606nmであった。
【0064】
そして、以上のように作製した各評価用光磁気ディスクA,Bについて、ウォブルアドレス信号の再生特性、光磁気記録膜の記録再生特性の測定した。なお、測定には、レーザ光の波長λが650nm、対物レンズの開口数NAが0.52の光ピックアップを用いた。
【0065】
各評価用光磁気ディスクA,Bについて、すべてのグルーブ幅において、安定したウォブルアドレス信号の再生が可能であった。
【0066】
また、一方の側面の振幅量±20nm、磁気記録膜の記録再生特性(ジッター)は以下に示すように、充分に安定した記録再生特性を得た。
【0067】
【0068】
【0069】
このように、空間周波数220nm(1T)でグルーブ側面が細かい波状にウォブルしかつ84.672kHzでウォブルしたグルーブの評価用光磁気ディスクAおよび空間周波数440nm(2T)でグルーブ側面が細かい波状にウォブルしかつ84.672kHzでウォブルしたグルーブの評価用光磁気ディスクBは、安定したウォブルアドレス信号の再生が可能であった。また、充分に安定した記録再生特性を得た。
【0070】
空間周波数220nm(1T)や空間周波数440nm(2T)でグルーブ側面が細かい波状にウォブルしても、84.672kHzでウォブルしたグルーブのウォブルアドレス信号の再生が可能であった。空間周波数220nmや空間周波数440nmのウォブルは、カットオフ周波数以上の高周波のウォブルである。カットオフ周波数以上の高周波のウォブルでグルーブ側面が細かい波状にウォブルしても、84.672kHzでウォブルしたグルーブのウォブルアドレス信号の再生が可能である。
【0071】
カットオフ周波数とは、再生信号振幅がほぼ0となる空間周波数のことであり、データの再生に使用するレーザ光の波長をλとし、光ディスク上にレーザ光を集光する対物レンズの開口数をNAとしたとき、2NA/λで表される。MDData2の場合、NA=0.52、λ=650nmであるから、カットオフ周波数(2NA/λ)は1600本/mmであり、そのピッチは0.625μmである。つまり、0.625μmの周期より短い周期の微細なパターンを読み取ることができない。
【0072】
換言すると、クロックの周波数9.091MHz(1T;空間周波数220nm=0.220μm)やクロックの周波数の半分の周波数4.545MHz(2T;空間周波数440nm=0.440μm)のカットオフ周波数以上の高周波のウォブルでグルーブ側面が細かい波状にウォブルしてもウォブル再生信号振幅が0となるため、低周波(84.672kHz)でウォブルしたグルーブのウォブルアドレス信号の再生が可能である。
【0073】
図4は、上述した光磁気ディスクを使用する記録再生装置の構成例を示す。図4において、参照符号31が上述したように、側面が細かい波状にウォブルしているウォブルグルーブが形成された光磁気ディスクである。入力端子32には、記録するデータが供給される。データ変調器33は、入力データに対してディジタル変調を施す。例えばRLL(1,7)によって入力データが変調される。RLL(1,7)では、最短マーク長が2Tで最長マーク長が8Tである。
【0074】
データ変調器33の出力データが記録ヘッド駆動部34に供給される。記録ヘッド駆動部34は、記録/再生部35に含まれる記録ヘッドに変調データを供給する。記録/再生部34には、光ピックアップが含まれている。記録時では、記録用のレーザ光を光ピックアップが光磁気ディスク31に対して照射する。
【0075】
また、光ピックアップは、光磁気ディスク31からの反射光からトラッキングエラー信号、フォーカスエラー信号およびアドレス情報を含むウォブル信号を生成する。記録/再生部35からのトラッキングエラー信号およびフォーカスエラー信号は、サーボ部36に対して出力される。サーボ部36は、記録/再生部35内の光ピックアップのトラッキングおよびフォーカスを制御する制御信号、光磁気ディスク31の回転を制御する制御信号、並びに光ピックアップのディスク径方向の移動を制御する制御信号を生成する。
【0076】
ウォブル信号は、ウォブル信号検出部37に出力される。ウォブル信号検出部37は、現在記録または再生を行っているトラックが奇数番目か偶数番目かを判別し、トラック判別結果をアドレスデコーダ38に対して出力すると共に、ウォブル信号からアドレス情報を復調し、アドレス情報をアドレスデコーダ38に対して出力する。さらに、ウォブル信号検出部37は、ウォブル信号から正弦波のキャリア信号を抽出し、サーボ部36に対して抽出したキャリア信号を供給する。
【0077】
アドレスデコーダ38は、ウォブル信号検出部37から供給されるアドレス情報信号およびトラック判別信号からアドレスを算出し、そのアドレスをシステムコントローラ39に対して出力する。システムコントローラ39は、アドレスデコーダ38から供給されるアドレス情報にしたがって、所定の制御信号をサーボ部36に出力すると共に、入力装置40から所定の操作に対応する信号が供給されると、その操作に応じた制御信号をサーボ部36に出力し、記録/再生部35を制御するようになされている。
【0078】
光磁気ディスク31の光ピックアップによって読み出され、記録/再生部35における処理によって得られた再生データがデータ復調器41に供給される。データ復調器41では、記録時に施されたディジタル変調例えばRLL(1,7)の復調処理がなされる。データ復調器41の出力端子42に対して再生データが取り出される。
【0079】
この発明は、上述したこの発明の一実施形態に限定されるものでは無く、この発明の要旨を逸脱しない範囲内で様々な変形や応用が可能である。この発明は、記録トラックに沿ってグルーブが形成されてなる光記録媒体、並びにその製造に使用される光記録媒体製造用原盤に対して広く適用可能であり、この発明の対象となる光記録媒体は、例えば、再生専用の光記録媒体、繰り返しデータの書き換えが可能な光記録媒体、或いはデータの追記は可能だか消去はできないような光記録媒体のいずれでもよい。
【0080】
また、データの記録方法も特に限定されるものではなく、この発明の対象となる光記録媒体は、例えば、予めデータが書き込まれている再生専用の光記録媒体、磁気光学効果を利用してデータの記録再生を行う光磁気記録媒体、或いは記録層の相変化を利用してデータの記録再生を行う相変化型光記録媒体などのいずれでもよい。
【0081】
また、この発明は、記録領域の少なくとも一部にグルーブが形成されている光記録媒体、並びにその製造に使用される光記録媒体製造用原盤に対して広く適用可能である。すなわち、例えば、記録領域全体にグルーブが形成されていてもよいし、或いは、光磁気ディスクA,Bのように、グルーブが形成されることなくエンボスピットによってデータが記録されているような領域が記録領域内に存在していてもよい。
【0082】
【発明の効果】
以上詳細に説明したように、この発明によれば、カットオフ周波数以上の高周波のウォブルでグルーブ側面が細かい波状にウォブルしても、低周波(例えば84.672kHz)でウォブルしたグルーブのウォブルアドレス信号の再生が可能であり、充分に安定した記録再生動作が可能である。また、クロックの周波数9.091MHz(周期1T)やクロックの周波数の半分の周波数4.545MHz(周期2T)の高周波のウォブルでグルーブ側面が細かい波状にウォブルしても、低周波でウォブルしたグルーブのウォブルアドレス信号の再生が可能であり、充分に安定した記録再生動作が可能である。
【0083】
この発明によれば、多重露光するウォブルによりグルーブの側面が細かい波状であっても、安定したウォブル信号の再生が可能な光記録媒体を提供できる。また、この発明は、そのような光記録媒体を製造することが可能な光記録媒体製造用原盤を提供できる。また、この発明は、そのような光記録媒体に対する記録および/または再生処理を行う記録再生装置および記録再生方法を提供することもできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明を適用した光磁気ディスクの一例について、その要部を拡大して示す断面図である。
【図2】この発明を適用した光磁気ディスクの記録領域の一部を拡大して示す図である。
【図3】この発明に係る記録媒体および記録媒体製造用原盤を作製する際に使用されるレーザカッティング装置の一例について、その光学系の概要を示す図である。
【図4】この発明を適用した光磁気ディスクに対して記録再生を行う記録再生装置の一例のブロック図である。
【符号の説明】
1・・・光磁気ディスク、2・・・ディスク基板、3・・・記録層、4・・・保護層、10・・・レーザカッティング装置、11・・・ガラス基板、・・・12 フォトレジスト、13・・・光源、18・・・偏向光学系、20・・・音響光学偏向器(AOD)、19,21・・・ウェッジプリズム、22・・・ドライバ、23・・・電圧制御発振器(VCO)、24・・・対物レンズ
【発明の属する技術分野】
この発明は、記録トラックに沿ってグルーブが形成されてなる光記録媒体、並びにそのような光記録媒体を製造する際に使用される光記録媒体製造用原盤に関する。また、この発明は、記録トラックに沿ってグルーブが形成されてなる光記録媒体に対する記録および/または再生処理を行う記録再生装置および記録再生方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
光記録媒体は、光学的に記録および/または再生が行われる記録媒体であり、例えば、コンパクトディスクやレーザディスク等のように、データに対応したエンボスピットがディスク基板に予め形成されてなる再生専用光ディスクや、ミニディスク(Mini Disc;MD)等のように、磁気光学効果を利用してデータの記録再生を行う光磁気ディスクや、DVD等のように、記録膜の相変化を利用してデータの記録再生を行う相変化型光ディスクなどがある。
【0003】
光磁気ディスクや相変化型光ディスクのように書き込みが可能な光記録媒体には、通常、記録トラックに沿ったグルーブがディスク基板に形成される。ここで、グルーブとは、主にトラッキングサーボを行えるようにするために、記録トラックに沿って形成された、いわゆる案内溝のことである。なお、グルーブとグルーブの間の部分は、ランドと称される。
【0004】
そして、グルーブが形成されてなる光記録媒体では、通常、プッシュプル信号を用いることでトラッキングサーボがなされる。なお、プッシュプル信号は、光記録媒体に光ビームを照射し、当該光ビームが光記録媒体によって反射された光を、トラック中心に対して対称に配置された2つの光検出器により検出し、それら2つの光検出器からの出力の差をとることにより得られる。
【0005】
先に提案されている特許第2960018号においては、MDのデータ記録部であるウォブルワイドグルーブの形成方法が提案されている。ウォブルワイドグルーブの形成は、22.05kHzと5MHzの重畳信号によりレーザ光のスポットをウォブルすることで行われる。22.05kHzのFM変調信号は、アドレスのウォブル情報を記録するもので、5MHzの信号はその振幅量によってグルーブの幅を広げることができる。ウォブルワイドグルーブは、グルーブの両方の側面がウォブルしている。上記特許に記載の方法を用いたMDディスクは、ウォブルワイドグルーブを用いているため、安定にADIP(Address In Pre−groove) のウォブル信号を再生でき、また、MO信号を安定に記録再生ができる。
【0006】
MDのフォーマットの記録の場合、記録ビームの半径(D/2)以下の短い周期で多重露光するように、ウォブル(偏向)周波数の空間周波数を選定することでグルーブの幅を広げることができる。例えばMDでは、5MHzの偏向周波数で多重露光することで、幅広のグルーブが形成される。このようにしてグルーブの側面が細かい波状に多重露光することのないウォブルグルーブを形成することができる。すなわち、細かい波状を生じないために、線速度v、偏向周波数fおよび記録ビーム径Dの関係が次の式(1)の関係を満足するようになされている。
【0007】
v・1/f ≦ D/2 (1)
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
最近では、記録密度の高密度化にともない、記録ビーム径Dを小さくして微小なピットや、幅が狭いグルーブを形成するようになっている。また、高転送レート化にともない、線速度vが高速度化する。しかしながら、現状では、ウォブル(偏向)周波数は9MHz程度が限界である。
【0009】
例えばCD−ROMに匹敵するような大容量化を目的として、データ専用のMDData2が提案されている。MDData2は、MDの4倍の密度とされている。MDData2の場合、記録ビーム径Dが400nm程度、線速度vが2.0m/sであり、ウォブル周波数が9MHzの場合では、(1)式が下記の示されるものとなる。
【0010】
v・1/f=(2.0m/s)/9MHz=222nm>200nm(D/2)
【0011】
このように、9MHzでは、式(1)の条件を満足することができなくなり、ウォブル周波数も9MHz程度以上高くすることが困難であり、グルーブの側面が細かい波状になる問題があった。
【0012】
この発明は、以上のような点を考慮して案出されたものであり、記録密度を高密度化にした場合でも、安定したウォブル信号の再生が可能で、また、安定した記録再生特性が可能な光記録媒体を提供することを目的としている。また、この発明は、そのような光記録媒体を製造することが可能な光記録媒体製造用原盤を提供することも目的としている。また、この発明は、そのような光記録媒体に対する記録および/または再生処理を行う記録再生装置および記録再生方法を提供することも目的としている。
【0013】
【課題を解決するための手段】
上述した課題を解決するために、請求項1の発明は、記録トラックに沿って低周波でウォブルしたグルーブが形成されてなると共に、光記録再生装置のカットオフ周波数以上の高周波のウォブルでグルーブ側面が細かい波状にウォブルしたグルーブが重畳されていることを特徴とする光記録媒体である。
【0014】
請求項3の発明は、ラックに沿ってピットが形成されてなると共に、光記録再生装置のカットオフ周波数以上の高周波のウォブルでピット側面が細かい波状にウォブルしたピットが形成されることを特徴とする光記録媒体である。
【0015】
請求項4の発明は、記録トラックに沿って低周波でウォブルしたグルーブが形成されてなると共に、光記録再生装置のカットオフ周波数以上の高周波のウォブルでグルーブ側面が細かい波状にウォブルしたグルーブが重畳されていることを特徴とする光記録媒体製造用原盤である。
【0016】
請求項6の発明は、トラックに沿ってピットが形成されてなると共に、光記録再生装置のカットオフ周波数以上の高周波のウォブルでピット側面が細かい波状にウォブルしたピットが形成されることを特徴とする光記録媒体製造用原盤である。
【0017】
請求項7の発明は、光記録媒体に対する記録および/または再生処理を行う記録再生装置であって、光記録媒体は、記録トラックに沿って低周波でウォブルしたグルーブが形成されてなると共に、光記録再生装置のカットオフ周波数以上の高周波のウォブルでグルーブ側面が細かい波状にウォブルしたグルーブが重畳されており、低周波でウォブルしたグルーブのウォブル情報を再生すると共にグルーブにデータを記録再生することを特徴とする記録再生装置である。請求項9の発明は、低周波でウォブルしたグルーブのウォブル情報を再生すると共にグルーブにデータを記録再生することを特徴とする記録再生方法である。
【0018】
請求項8の発明は、光記録媒体に対する記録および/または再生処理を行う記録再生装置であって、光記録媒体は、トラックに沿ってピットが形成されてなると共に、光記録再生装置のカットオフ周波数以上の高周波のウォブルでピット側面が細かい波状にウォブルしたピットが形成され、ピット側面が細かい波状にウォブルしたピットを再生することを特徴とする記録再生装置である。請求項10の発明は、ピット側面が細かい波状にウォブルしたピットを再生することを特徴とする記録再生方法である。
【0019】
この発明に係る光記録媒体は、記録トラックに沿ってグルーブが形成されてなると共に、多重露光するウォブルによりグルーブの側面が細かい波状になっても、光記録再生装置のカットオフ周波数以上の高周波の多重露光ウォブル周波数を用いることにより、グルーブ内の記録特性およびウォブルグルーブのウォブル信号再生特性を充分に得ることができる。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施の形態について、この発明を適用した光磁気ディスクを例に挙げ、図面を参照しながら詳細に説明する。この発明を適用した光磁気ディスクについて、要部を拡大した断面図を図1に示す。図1において、参照符号1が光磁気ディスクを示す。一例として、光磁気ディスクは、MDData2の仕様のものである。
【0021】
光磁気ディスク1は、円盤状に形成されてなり、磁気光学効果を利用してデータの記録再生が行われる。そして、この光磁気ディスク1は、ポリメチルメタクリレート(PMMA)やポリカーボネート(PC)等からなるディスク基板2の上に、光磁気記録がなされる記録層3と、当該記録層3を保護する保護層4とが形成されてなる。ここで、記録層3は、例えば、SiN等からなる誘電体膜3aと、TeFeCo合金等からなる垂直磁気記録膜3bと、SiN等からなる誘電体膜3cと、Al等からなる反射膜3dとが積層されたものである。また、保護層4は、例えば、記録層3の上に紫外線硬化樹脂がスピンコートされることで形成されている。なお、この発明において、記録層3や保護層4の構成は任意であり、本例に限定されるものではない。
【0022】
この光磁気ディスク1(MDData2)は、記録領域の一部を拡大した図1に示すように、光ピックアップ5によりピット部6が再生領域、ウォブルグルーブ7が光磁気記録によるデータの書き込みが可能な領域となっている。
【0023】
また、この光磁気ディスク1において、トラックピッチTPitchは0.95μmとされ、同様に、書き込み可能領域ウォブルグルーブの幅は、0.60μm程度とされている。現行のMDData2は、グルーブの幅0.60μm程度、ランド幅0.65μm程度であり、ランドが書き込み可能領域とされているが、この実施の形態では、0.60μm程度の幅広のウォブルグルーブが書き込み可能領域とされる。さらに、ウォブルグルーブと同心円状のウォブルしていないグルーブとが交互に形成されたダブルスパイラルの構造とされている。
【0024】
上述した光磁気ディスク1を製造する際には、光磁気ディスク1の原盤となる光記録媒体製造用原盤の作製にレーザカッティング装置が使用される。以下、光記録媒体製造用原盤の作製に使用されるレーザカッティング装置の一例について、図2を参照して詳細に説明する。
【0025】
図2に示したレーザカッティング装置10は、ガラス基板11の上に塗布されたフォトレジスト12を露光して、当該フォトレジスト12に潜像を形成するためのものである。このレーザカッティング装置10でフォトレジスト12に潜像を形成する際、フォトレジスト12が塗布されたガラス基板11は、移動光学テーブル上に設けられた回転駆動装置に取り付けられる。そして、フォトレジスト12を露光する際、ガラス基板11は、フォトレジスト12の全面にわたって所望のパターンでの露光がなされるように、回転駆動装置によって回転駆動されると共に、移動光学テーブルによって平行移動される。
【0026】
このレーザカッティング装置10は、レーザ光を出射する光源13と、光源13から出射されたレーザ光の光強度を調整するための電気光学変調器(EOM:E1ectro Optical Modulator)14と、電気光学変調器14から出射されたレーザ光の光軸上に配された検光子15と、検光子15を透過してきたレーザ光を反射光と透過光とに分割する第1のビームスプリッタBS1および第2のビームスプリッタBS2と、第2のビームスプリッタBS2を透過してきたレーザ光を検出するフォトディテクタ(PD:Photo Detector)16と、電気光学変調器14に対して信号電界を印加して電気光学変調器14から出射されるレーザ光強度を調整する光出力制御部(APC:Auto Power Controller)17とを備えている。
【0027】
光源13から出射されたレーザ光は、先ず、APC17から印加される信号電界によって駆動される電気光学変調器14によって所定の光強度とされた上で検光子15に入射される。ここで、検光子15は、S偏光だけを透過する検光子であり、この検光子15を透過してきたレーザ光は、S偏光となる。
【0028】
なお、光源13には、任意のものが使用可能であるが、短波長のレーザ光を出射するものが好ましい。具体的には、例えば、波長λが351nmのレーザ光を出射するKrレーザや、波長λが442nmのレーザ光を出射するHe−Cdレーザなどが、光源13として好適である。
【0029】
ビームスプリッタBS1およびBS2を透過したレーザ光は、フォトディテクタ16によって、その光強度が検出され、当該光強度に応じた信号がフォトディテクタ16からAPC17に送られる。そして、APC17は、フォトディテクタ16によって検出される光強度が所定のレベルにて一定となるように、電気光学変調器14に対して印加する信号電界を調整する。これにより、電気光学変調器14から出射するレーザ光の光強度が一定となるように、フィードバック制御がなされ、ノイズの少ない安定したレーザ光が得られる。
【0030】
光源13より出射されたレーザ光は、ビームスプリッタBS1およびミラーM1で反射され、移動光学テーブル18上に水平に導かれ、偏向光学系(図2においてODと示す)18によって光学偏向が施された上でミラーM3によって反射されて進行方向が90°曲げられた上で偏光ビームスプリッタPBSに入射する。
【0031】
偏向光学系18は、ウォブルグルーブのウォブルに対応するように、レーザ光に対して光学偏向を施すためのものである。すなわち、偏向光学系18に入射したレーザ光は、ウェッジプリズム19を介して音響光学偏向器(AOD:AcoustoOptical Deflector)20に入射し、この音響光学偏向器20によって、所望する露光パターンに対応するように光学偏向が施される。ここで、音響光学偏向器20に使用される音響光学素子としては、例えぱ、酸化テルル(TeO2 )からなる音響光学素子が好適である。音響光学偏向器20によって光学偏向が施された第2のレーザ光は、ウエッジプリズム21を介して偏向光学系18から出射される。
【0032】
なお、ウェッジプリズム19、21は、音響光学偏向器20の音響光学素子の格子面に対してブラッグ条件を満たすようにレーザ光が入射するようにすると共に、音響光学偏向器20によってレーザ光に対して光学偏向を施したとしてもビーム水平高さが変わらないようにするためのものである。換言すれば、ウエッジプリズム19、音響光学偏向器20およびウエッジプリズム21は、音響光学偏向器20の音響光学素子の格子面がレーザ光に対してブラッグ条件を満たし、且つ偏向光学系18から出射されるレーザ光のビーム水平高さが変わらないように配置される。
【0033】
ここで、音響光学偏向器20には、音響光学偏向器20を駆動するための駆動用ドライバ22が接続されている。駆動用ドライバ22には、直流電圧と、電圧制御発振器(VCO:Voltage Controlled Oscillator)23からの高周波信号がアドレス情報を含む制御信号によりFM変調された信号とが供給される。そして、ガラス基板11上のフォトレジスト12の露光時には、所望する露光パターンに応じた信号が電圧制御発振器23から駆動用ドライバ22に入力され、当該信号に応じて駆動用ドライバ22によって音響光学偏向器20が駆動され、これにより、レーザ光に対して光学偏向が施される。
【0034】
具体的には、例えば、周波数84.672kHzにてグルーブをウォブルさせることにより、グルーブにアドレス情報が付加される。この場合では、例えば中心周波数が224MHzの高周波信号を周波数を84.672kHzのFM変調した信号と9.091MHzを重畳した制御信号を、電圧制御発振器23から駆動用ドライバ22に供給する。
【0035】
そして、この信号に応じて、駆動用ドライバ22によって音響光学偏向器20を駆動し、音響光学偏向器20の音響光学素子のブラッグ角を変化させ、その結果、フォトレジスト12上に集光されるレーザ光の光スポットの位置は、周波数84.672kHz+9.091MHz、振幅±20nmにて、ガラス基板11の半径方向に振動される。9.091MHzのウォブル振幅量の変化でグルーブの幅を広げることができる。
【0036】
そして、このような偏向光学系18によって、ウォブルグルーブのウォブルに対応するように光学偏向が施されたレーザ光は、ミラーM3によって反射されて進行方向が90°曲げられた上で偏光ビームスプリッタPBSに入射する。レーザ光は、偏光ビームスプリッタPBSによって反射されて、拡大レンズL3によって所定のビーム径とされた上でミラーM4によって反射されて対物レンズ24へと導かれ、対物レンズ24によってフォトレジスト膜12上に集光される。
【0037】
なお、レーザ光をフォトレジスト12の上に集光するための対物レンズ24は、より微細なルーブパターンを形成できるようにするために、開口数NAが大きい方が好ましく、具体的には、開口数NAが0.9程度の対物レンズが好適である。
【0038】
さらに、光源13より出射されたレーザ光は、ビームスプリッタBS2およびミラーM2で反射され、HWPを介して偏光ビームスプリッタPBSに入射する。このレーザ光は、ウォブルグルーブを形成するためのレーザ光と半径方向で一定の間隔でフォトレジスト膜12上に照射される。このレーザ光は、偏向されず、ウォブルしない同心円状のグルーブを形成するためのものである。ウォブルグルーブとウォブルしないグルーブとを形成するように、フォトレジスト膜12の表面に対物レンズ24がレーザ光を集光する。
【0039】
フォトレジスト膜12が露光され、フォトレジスト膜12に潜像が形成される。このとき、フォトレジスト膜12が塗布されているガラス基板11は、フォトレジスト膜12の全面にわたって所望のパターンでの露光がなされるように、図示しない回転駆動装置によって回転駆動されると共に、移動光学テーブルによってレーザ光が径方向に移動される。この結果、レーザ光の照射軌跡に応じた潜像がフォトレジスト膜12の全面にわたって形成されることとなる。
【0040】
前述の式(1)において、線速度v=2.00m/s、記録ビーム径D=400nmとすると、偏向周波数fを10MHz以上にしないと、多重露光で形成されるグルーブの側面が細かい波状となる。一実施形態では、f=9.091MHzとしているので、細かい波状が生じる。この偏向周波数は、例えばクロックの周波数に等しいものであり、空間周波数は220nm(1T)になる。
【0041】
以上のようなレーザカッティング装置10では、9.091MHzのウォブル振幅量でグルーブの幅を広げることができ、84.672kHzのウォブル信号で光学偏向(ウォブル)を施し、フォトレジスト12の表面に集光され、レーザ光が高周波数9.091MHzで多重露光することでグルーブの幅を広げることができ、幅広かつ両側面が9.091MHzで細かい波状にウォブルしたグルーブが形成される。
【0042】
図3Aは、この発明の一実施形態におけるウォブルグルーブの露光方法と偏向で多重露光する方法を模式的に示す。また、図3Bは、現像処理により形成される両側面が細かい波状のウォブルグルーブを示す。偏向を生じさせる制御信号は、FM変調したウォブルアドレス信号(84.672kHz)とグルーブの幅を広げる信号(9.091MHz)の正弦波の重畳信号である。
【0043】
次に、図1に示した光磁気ディスク1の製造方法について、具体的な一例を挙げて詳細に説明する。光磁気ディスク1を作製する際は、先ず、原盤工程として、幅広かつ両側面のウォブル振幅量の異なるグルーブに対応した凹凸パターンを有する光記録媒体製造用原盤を、上述したレーザカッティング装置10を用いて作製する。
【0044】
この原盤工程においては、先ず、表面を研磨した円盤状のガラス基板11を洗浄し乾燥させ、その後、このガラス基板11上に感光材料であるフォトレジスト12を塗布する。次に、このフォトレジスト12をレーザカッティング装置10によって露光し、両側面が9.091MHzで細かい波状にウォブルしたグルーブに対応した潜像をフォトレジスト12に形成する。
【0045】
なお、後述する評価用光磁気ディスクを作製する際、レーザカッティング装置10の光源13には、波長λが351nmのレーザ光を出射するKrレーザを使用し、レーザ光をフォトレジスト12上に集光するための対物レンズ24には、開口数NAが0.9のものを使用した。また、拡大レンズL3には焦点距離が50mmのレンズを使用した。
【0046】
レーザ光に対して、偏向光学系18により光学偏向を施し、幅広かつ両側面のウォブル振幅量の異なるグルーブに対応した潜像がフォトレジスト12に形成される。具体的には、電圧制御発振器23から高周波信号を制御信号にて変調して駆動用ドライバ22に供給し、この信号に基づいて駆動用ドライバ22によって音響光学偏向器20を駆動して、当該音響光学偏向器20の音響光学素子のブラッグ角を変化させ、これにより、レーザ光に対して光学偏向を施す。
【0047】
なお、後述する評価用光磁気ディスクを作製する際は、中心周波数224MHzの高周波信号を84.672kHzのFM変調アドレス信号と9.091MHzの重畳制御信号にて変調して、電圧制御発振器23から駆動用ドライバ22に供給した。そして、この信号に基づいて、駆動用ドライバ22によって音響光学偏向器20を駆動し、音響光学偏向器20の音響光学素子のブラッグ角を変化させ、これにより、フォトレジスト12上に集光されるレーザ光の光スポットの位置が、9.091MHzのウォブル周期で多重露光されグルーブ幅が広げられ、84.672kHzのFM変調アドレス信号に応じて両側面がウォブルするように光学偏向される。
【0048】
そして、このように光学偏向を施したレーザ光を、対物レンズ24によってフォトレジスト12上に集光することにより、フォトレジスト12を露光し、幅広で且つ両側面が9.091MHzで細かい波状にウォブルしたグルーブに対応した潜像をフォトレジスト12に形成する。
【0049】
具体的には、後述する評価用光磁気ディスクを作製する際、ガラス基板11の回転速度は、レーザ光による光スポットとフォトレジスト12との相対的な移動速度が線速2.00m/secとなるようにした。そして、ガラス基板11を1回転毎に0.95μm(すなわちトラックピッチの分)だけ、移動光学テーブルによってガラス基板11の半径方向に平行移動させた。
【0050】
以上のようにしてフォトレジスト12に潜像を形成した後、フォトレジスト12が塗布されている面が上面となるように、ガラス基板11を現像機のターンテーブル上に載置する。そして、当該ターンテーブルを回転させることによりガラス基板11を回転させながら、フォトレジスト12上に現像液を滴下して現像処理を施して、ガラス基板11上に幅広かつ両側面が9.091MHzで細かい波状にウォブルしたグルーブに対応した凹凸パターンを形成する。
【0051】
次に、凹凸パターン上に無電界メッキ法によりニッケル等からなる導電化膜を形成し、その後、導電化膜が形成されたガラス基板11を電鋳装置に取り付け、電気メッキ法により導電化膜上に300±5〔μm〕程度の厚さになるようにニッケルメッキ層を形成する。その後、このメッキ層を剥離し、剥離したメッキをアセトン等を用いて洗浄し、凹凸パターンが転写された面に残存しているフォトレジスト12を除去する。
【0052】
以上の工程により、ガラス基板11上に形成されていた凹凸パターンが転写されたメッキからなる光記録媒体製造用原盤、すなわち、幅広で且つ両側面が9.091MHzで細かい波状にウォブルしたグルーブに対応した凹凸パターンが形成された光記録媒体製造用原盤(いわゆるスタンパ)が完成する。
【0053】
次に、転写工程として、Photo−Polymerization法(2P法:光硬化法(光硬化樹脂を紫外線で硬化させる))を用いて、光記録媒体製造用原盤の表面形状が転写されてなるディスク基板を作製する。
【0054】
具体的には、先ず、光記録媒体製造用原盤の凹凸パターンが形成された面上にフォトポリマーを平滑に塗布してフォトポリマー層を形成し、次に、当該フォトポリマー層に泡やゴミが入らないようにしながら、フォトポリマー層上にベースプレートを密着させる。ここで、ベースプレートには、例えば、1.2mm厚のポリメチルメタクリレート(屈折率1.49)からなるベースプレートを使用する。
【0055】
その後、紫外線を照射してフォトポリマーを硬化させ、その後、光記録媒体製造用原盤を剥離することにより、光記録媒体製造用原盤の表面形状が転写されてなるディスク基板2を作製する。
【0056】
なお、ここでは、光記録媒体製造用原盤に形成された凹凸パターンがより正確にディスク基板2に転写されるように、2P法を用いてディスク基板2を作製する例を挙げたが、ディスク基板2を量産するような場合には、ポリメチルメタクリレートやポリカーボネート等の透明樹脂を用いて射出成形によってディスク基板2を作製するようにしても良いことは言うまでもない。
【0057】
次に、成膜工程として、光記録媒体製造用原盤の表面形状が転写されてなるディスク基板2上に記録層3および保護層4を形成する。具体的には例えば、先ず、ディスク基板2の凹凸パターンが形成された面上に、SiN等からなる第1の誘電体膜3aと、TbFeCo合金等からなる垂直磁気記録膜3bと、SiN等からなる第2の誘電体膜3cとをスパッタリングによって順次成膜し、更に、第2の誘電体膜3c上にAl等からなる光反射膜3dを蒸着によって成膜する。その結果、第1の誘電体膜3a、垂直磁気記録膜3b、第2の誘電体膜3cおよび光反射膜3dからなる記録層3が形成される。その後、記録層3上に紫外線硬化樹脂がスピンコート法により塗布され、紫外線硬化樹脂に対して紫外線を照射し硬化させることにより、保護層4が形成される。以上の工程により、光磁気ディスク1が完成する。
【0058】
つぎに、上述のような製造方法にて評価用光磁気ディスクを複数作製し、それらの評価を行った結果について説明する。
【0059】
評価用光磁気ディスクの評価を行うにあたっては、先ず、両側面が9.091MHzで細かい波状にウォブルしたグルーブに対応した凹凸パターンの複数の光記録媒体製造用原盤を作製した。
【0060】
そして、幅広かつ両側面が9.091MHzで細かい波状にウォブルしたグルーブに対応した潜像を形成するため、レーザ光のパワーを1.2mW、1.5mW、1.95mWの範囲で変化させ、複数の光記録媒体製造用原盤のウォブルグルーブ幅を電子顕微鏡で測定した。グルーブ幅はそれぞれ、572nm、594nm、615nmであった。
【0061】
84.672kHzのFM変調アドレス信号の振幅量は±20nm、9.091MHzで多重露光ウォブルの振幅量は±100nmでウォブルするように形成した。
【0062】
そして、以上のようにして作製した複数の光記録媒体製造用原盤を用いて、上述したような2P法により、評価用光磁気ディスクAを作製した。
【0063】
また、多重露光の偏向の周波数をクロックの周波数9.091MHzの半分(4.545MHz、空間周波数;440nm(2T))で多重露光した細かい波状にウォブルしたグルーブに対応した評価用光磁気ディスクBを作製した。レーザ光のパワーを1.2mW、1.5mW、1.95mWの範囲で変化させ、複数の光記録媒体製造用原盤のグルーブ幅を電子顕微鏡で測定した。グルーブ幅はそれぞれ、561nm、583nm、606nmであった。
【0064】
そして、以上のように作製した各評価用光磁気ディスクA,Bについて、ウォブルアドレス信号の再生特性、光磁気記録膜の記録再生特性の測定した。なお、測定には、レーザ光の波長λが650nm、対物レンズの開口数NAが0.52の光ピックアップを用いた。
【0065】
各評価用光磁気ディスクA,Bについて、すべてのグルーブ幅において、安定したウォブルアドレス信号の再生が可能であった。
【0066】
また、一方の側面の振幅量±20nm、磁気記録膜の記録再生特性(ジッター)は以下に示すように、充分に安定した記録再生特性を得た。
【0067】
【0068】
【0069】
このように、空間周波数220nm(1T)でグルーブ側面が細かい波状にウォブルしかつ84.672kHzでウォブルしたグルーブの評価用光磁気ディスクAおよび空間周波数440nm(2T)でグルーブ側面が細かい波状にウォブルしかつ84.672kHzでウォブルしたグルーブの評価用光磁気ディスクBは、安定したウォブルアドレス信号の再生が可能であった。また、充分に安定した記録再生特性を得た。
【0070】
空間周波数220nm(1T)や空間周波数440nm(2T)でグルーブ側面が細かい波状にウォブルしても、84.672kHzでウォブルしたグルーブのウォブルアドレス信号の再生が可能であった。空間周波数220nmや空間周波数440nmのウォブルは、カットオフ周波数以上の高周波のウォブルである。カットオフ周波数以上の高周波のウォブルでグルーブ側面が細かい波状にウォブルしても、84.672kHzでウォブルしたグルーブのウォブルアドレス信号の再生が可能である。
【0071】
カットオフ周波数とは、再生信号振幅がほぼ0となる空間周波数のことであり、データの再生に使用するレーザ光の波長をλとし、光ディスク上にレーザ光を集光する対物レンズの開口数をNAとしたとき、2NA/λで表される。MDData2の場合、NA=0.52、λ=650nmであるから、カットオフ周波数(2NA/λ)は1600本/mmであり、そのピッチは0.625μmである。つまり、0.625μmの周期より短い周期の微細なパターンを読み取ることができない。
【0072】
換言すると、クロックの周波数9.091MHz(1T;空間周波数220nm=0.220μm)やクロックの周波数の半分の周波数4.545MHz(2T;空間周波数440nm=0.440μm)のカットオフ周波数以上の高周波のウォブルでグルーブ側面が細かい波状にウォブルしてもウォブル再生信号振幅が0となるため、低周波(84.672kHz)でウォブルしたグルーブのウォブルアドレス信号の再生が可能である。
【0073】
図4は、上述した光磁気ディスクを使用する記録再生装置の構成例を示す。図4において、参照符号31が上述したように、側面が細かい波状にウォブルしているウォブルグルーブが形成された光磁気ディスクである。入力端子32には、記録するデータが供給される。データ変調器33は、入力データに対してディジタル変調を施す。例えばRLL(1,7)によって入力データが変調される。RLL(1,7)では、最短マーク長が2Tで最長マーク長が8Tである。
【0074】
データ変調器33の出力データが記録ヘッド駆動部34に供給される。記録ヘッド駆動部34は、記録/再生部35に含まれる記録ヘッドに変調データを供給する。記録/再生部34には、光ピックアップが含まれている。記録時では、記録用のレーザ光を光ピックアップが光磁気ディスク31に対して照射する。
【0075】
また、光ピックアップは、光磁気ディスク31からの反射光からトラッキングエラー信号、フォーカスエラー信号およびアドレス情報を含むウォブル信号を生成する。記録/再生部35からのトラッキングエラー信号およびフォーカスエラー信号は、サーボ部36に対して出力される。サーボ部36は、記録/再生部35内の光ピックアップのトラッキングおよびフォーカスを制御する制御信号、光磁気ディスク31の回転を制御する制御信号、並びに光ピックアップのディスク径方向の移動を制御する制御信号を生成する。
【0076】
ウォブル信号は、ウォブル信号検出部37に出力される。ウォブル信号検出部37は、現在記録または再生を行っているトラックが奇数番目か偶数番目かを判別し、トラック判別結果をアドレスデコーダ38に対して出力すると共に、ウォブル信号からアドレス情報を復調し、アドレス情報をアドレスデコーダ38に対して出力する。さらに、ウォブル信号検出部37は、ウォブル信号から正弦波のキャリア信号を抽出し、サーボ部36に対して抽出したキャリア信号を供給する。
【0077】
アドレスデコーダ38は、ウォブル信号検出部37から供給されるアドレス情報信号およびトラック判別信号からアドレスを算出し、そのアドレスをシステムコントローラ39に対して出力する。システムコントローラ39は、アドレスデコーダ38から供給されるアドレス情報にしたがって、所定の制御信号をサーボ部36に出力すると共に、入力装置40から所定の操作に対応する信号が供給されると、その操作に応じた制御信号をサーボ部36に出力し、記録/再生部35を制御するようになされている。
【0078】
光磁気ディスク31の光ピックアップによって読み出され、記録/再生部35における処理によって得られた再生データがデータ復調器41に供給される。データ復調器41では、記録時に施されたディジタル変調例えばRLL(1,7)の復調処理がなされる。データ復調器41の出力端子42に対して再生データが取り出される。
【0079】
この発明は、上述したこの発明の一実施形態に限定されるものでは無く、この発明の要旨を逸脱しない範囲内で様々な変形や応用が可能である。この発明は、記録トラックに沿ってグルーブが形成されてなる光記録媒体、並びにその製造に使用される光記録媒体製造用原盤に対して広く適用可能であり、この発明の対象となる光記録媒体は、例えば、再生専用の光記録媒体、繰り返しデータの書き換えが可能な光記録媒体、或いはデータの追記は可能だか消去はできないような光記録媒体のいずれでもよい。
【0080】
また、データの記録方法も特に限定されるものではなく、この発明の対象となる光記録媒体は、例えば、予めデータが書き込まれている再生専用の光記録媒体、磁気光学効果を利用してデータの記録再生を行う光磁気記録媒体、或いは記録層の相変化を利用してデータの記録再生を行う相変化型光記録媒体などのいずれでもよい。
【0081】
また、この発明は、記録領域の少なくとも一部にグルーブが形成されている光記録媒体、並びにその製造に使用される光記録媒体製造用原盤に対して広く適用可能である。すなわち、例えば、記録領域全体にグルーブが形成されていてもよいし、或いは、光磁気ディスクA,Bのように、グルーブが形成されることなくエンボスピットによってデータが記録されているような領域が記録領域内に存在していてもよい。
【0082】
【発明の効果】
以上詳細に説明したように、この発明によれば、カットオフ周波数以上の高周波のウォブルでグルーブ側面が細かい波状にウォブルしても、低周波(例えば84.672kHz)でウォブルしたグルーブのウォブルアドレス信号の再生が可能であり、充分に安定した記録再生動作が可能である。また、クロックの周波数9.091MHz(周期1T)やクロックの周波数の半分の周波数4.545MHz(周期2T)の高周波のウォブルでグルーブ側面が細かい波状にウォブルしても、低周波でウォブルしたグルーブのウォブルアドレス信号の再生が可能であり、充分に安定した記録再生動作が可能である。
【0083】
この発明によれば、多重露光するウォブルによりグルーブの側面が細かい波状であっても、安定したウォブル信号の再生が可能な光記録媒体を提供できる。また、この発明は、そのような光記録媒体を製造することが可能な光記録媒体製造用原盤を提供できる。また、この発明は、そのような光記録媒体に対する記録および/または再生処理を行う記録再生装置および記録再生方法を提供することもできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明を適用した光磁気ディスクの一例について、その要部を拡大して示す断面図である。
【図2】この発明を適用した光磁気ディスクの記録領域の一部を拡大して示す図である。
【図3】この発明に係る記録媒体および記録媒体製造用原盤を作製する際に使用されるレーザカッティング装置の一例について、その光学系の概要を示す図である。
【図4】この発明を適用した光磁気ディスクに対して記録再生を行う記録再生装置の一例のブロック図である。
【符号の説明】
1・・・光磁気ディスク、2・・・ディスク基板、3・・・記録層、4・・・保護層、10・・・レーザカッティング装置、11・・・ガラス基板、・・・12 フォトレジスト、13・・・光源、18・・・偏向光学系、20・・・音響光学偏向器(AOD)、19,21・・・ウェッジプリズム、22・・・ドライバ、23・・・電圧制御発振器(VCO)、24・・・対物レンズ
Claims (10)
- 記録トラックに沿って低周波でウォブルしたグルーブが形成されてなると共に、光記録再生装置のカットオフ周波数以上の高周波のウォブルでグルーブ側面が細かい波状にウォブルしたグルーブが重畳されていることを特徴とする光記録媒体。
- 請求項1において、
上記カットオフ周波数以上の高周波は、クロックの周波数(周期1T)またはクロックの周波数の半分の周波数(周期2T)であることを特徴とする光記録媒体。 - トラックに沿ってピットが形成されてなると共に、光記録再生装置のカットオフ周波数以上の高周波のウォブルでピット側面が細かい波状にウォブルしたピットが形成されることを特徴とする光記録媒体。
- 記録トラックに沿って低周波でウォブルしたグルーブが形成されてなると共に、光記録再生装置のカットオフ周波数以上の高周波のウォブルでグルーブ側面が細かい波状にウォブルしたグルーブが重畳されていることを特徴とする光記録媒体製造用原盤。
- 請求項4において、
上記カットオフ周波数以上の高周波は、クロックの周波数(周期1T)またはクロックの周波数の半分の周波数(周期2T)であることを特徴とする光記録媒体製造用原盤。 - トラックに沿ってピットが形成されてなると共に、光記録再生装置のカットオフ周波数以上の高周波のウォブルでピット側面が細かい波状にウォブルしたピットが形成されることを特徴とする光記録媒体製造用原盤。
- 光記録媒体に対する記録および/または再生処理を行う記録再生装置であって、
上記光記録媒体は、記録トラックに沿って低周波でウォブルしたグルーブが形成されてなると共に、光記録再生装置のカットオフ周波数以上の高周波のウォブルでグルーブ側面が細かい波状にウォブルしたグルーブが重畳されており、低周波でウォブルしたグルーブのウォブル情報を再生すると共にグルーブにデータを記録再生することを特徴とする記録再生装置。 - 光記録媒体に対する記録および/または再生処理を行う記録再生装置であって、
上記光記録媒体は、トラックに沿ってピットが形成されてなると共に、光記録再生装置のカットオフ周波数以上の高周波のウォブルでピット側面が細かい波状にウォブルしたピットが形成され、上記ピット側面が細かい波状にウォブルしたピットを再生することを特徴とする記録再生装置。 - 光記録媒体に対する記録および/または再生処理を行う記録再生方法であって、
上記光記録媒体は、記録トラックに沿って低周波でウォブルしたグルーブが形成されてなると共に、光記録再生装置のカットオフ周波数以上の高周波のウォブルでグルーブ側面が細かい波状にウォブルしたグルーブが重畳されており、低周波でウォブルしたグルーブのウォブル情報を再生すると共にグルーブにデータを記録再生することを特徴とする記録再生方法。 - 光記録媒体に対する記録および/または再生処理を行う記録再生方法であって、
上記光記録媒体は、トラックに沿ってピットが形成されてなると共に、光 記録再生装置のカットオフ周波数以上の高周波のウォブルでピット側面が細かい波状にウォブルしたピットが形成され、上記ピット側面が細かい波状にウォブルしたピットを再生することを特徴とする記録再生方法。
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Cited By (1)
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US7551537B2 (en) * | 2002-10-15 | 2009-06-23 | Sony Corporation | Method and apparatus for making master optical disk |
-
2002
- 2002-06-28 JP JP2002190577A patent/JP2004039011A/ja not_active Abandoned
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