JP2006047005A - 電流センサ - Google Patents

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Abstract

【課題】被検出電流路に流れる電流の大小にかかわらず、高い汎用性をもってそれら電流の電流量を検出することのできる電流センサを提供する。
【解決手段】いま、電流検出の対象となる被検出電流路IS1に白抜き矢印の方向に電流が流れているとすると、この被検出電流路IS1上にはベクトルMV1a、MV1b等の方向に作用する第1の磁気ベクトルが発生する。そして、こうした第1の磁気ベクトルに対して直交する角度、すなわちベクトルBV1の方向に、例えばバイアス磁石等を用いて第2の磁気ベクトルを作用させたとする。このような場合、これら第1の磁気ベクトルと第2の磁気ベクトルとの合成ベクトルは、上記被検出電流路IS1に流れる電流の電流量の変化に伴って角度変化するようになる。電流センサは、こうした合成ベクトルの角度変化を磁気抵抗素子の抵抗値の変化として感知して被検出電流路IS1の電流検出を行う。
【選択図】 図1

Description

本発明は、例えば車載バッテリに接続された電流路をはじめとする各種電流路の電流検出に用いられる電流センサに関し、特に磁気検出素子を用いて電流路に流れる電流の電流量を検出する電流センサに関する。
従来、この種の電流センサとしては、ホール素子を用いた電流センサがよく知られている。はじめに、このホール素子を用いた電流センサによる電流検出の原理について説明する。
一般に、ホール素子に磁界が付与されるとき、このホール素子には、付与される磁界の強度に比例するホール電圧が発生する。一方、電流路に電流が流れるとき、この電流路の周辺には流れる電流の大きさ(電流量)に比例する磁界が発生する。そこで、上記ホール素子を用いた電流センサでは、このような現象に鑑みて、電流路に流れる電流とこの電流に起因して発生する磁界との比例関係、およびホール素子に付与される磁界とこの磁界に伴って発生するホール電圧との比例関係を各々利用することにより、電流検出の対象とする被検出電流路に流れる電流の電流量(大きさ)を検出するようにしている。すなわち、ホール素子を用いた電流センサでは、被検出電流路に流れる電流に起因して発生する磁界を上記ホール電圧として感知することによって、同被検出電流路中の電流検出を行うこととなる。
ただしここで、ホール素子に付与される磁界の強度が小さい領域では、上記ホール素子に付与される磁界とこの磁界に伴って発生するホール電圧との比例関係が維持され難くなる。しかもこの場合、電流路に流れる電流に起因して発生する磁界の強度がそもそも小さいため、ホール素子を用いたセンサとして、上述の原理のみを採用して電流路中の電流検出を行うこと自体が困難となる。そこで、このような電流センサでは通常、例えば特許文献1に見られるように、被検出電流路に流れる電流に起因して発生する磁界を集磁するコアを設ける構造なども採用されている。図10に、この特許文献1に記載されている電流センサの基本的な構成を示す。
同図10に示されるように、この電流センサ101は、被検出電流路IS11に流れる電流iaに起因して発生する磁界を集磁するためのコア102とホール素子103とを基本的に有して構成されている。このうち、コア102は、被検出電流路IS11を囲うように側断面略C字状に形成されている。一方、ホール素子103は、同コア102にて対向する2つの端面に挟まれるかたちで配設されている。被検出電流路IS11およびコア102およびホール素子103のこのような配置関係では、被検出電流路IS11に流れる電流iaに起因して発生する磁界は、コア102により集磁され、同図10に白抜き矢印にて示すかたちで上記ホール素子103に作用するようになる。すなわち、このようなコア102を通じて上記ホール素子103に付与される磁界の強度が所要に確保されるようになり、被検出電流路IS11に流れる電流iaがたとえ小電流であっても、同電流iaの量(大きさ)を適切に検出することができるようになる。
しかしながら、このような電流センサ101にあっては、被検出電流路IS11に流れる電流iaが大電流(例えば+数百A)であるような場合には逆に、同被検出電流路IS11中の電流検出が困難となる。すなわちこの場合、被検出電流路IS11に流れる電流iaに起因して発生する磁界の強度も自ずと大きくなることから、上記コア102にこうした磁界が集磁されると、磁界強度の飽和を招くようになる。そして、このような飽和領域では、被検出電流路IS11に流れる電流iaが変化してもコア102により集磁される磁界の強度はほとんど変化しないため、このような磁界の強度を上記ホール電圧として感知したところで、被検出電流路IS11中の電流量を適切に検出することはできない。
そこで従来は、電流検出の対象となる被検出電流路に電流の分流路を設け、この分流路に対して上記電流センサ101を設けることも提案されている。図11に、このような構成についてその一例を示す。
同図11に示されるように、このような構成では、被検出電流路IS12に孔部Nが設けられ、この孔部Nの配設によって、被検出電流路IS12には、主電流路IS12bに対する分流路IS12aが形成されている。これにより、被検出電流路IS12に電流ibとして大電流が流れる場合であれ、分流路IS12aに流れる電流の電流量は自ずと小さくなる。したがって、この分流路IS12aに対して上記電流センサ101を配設するようにすることで、上述のコア102にて集磁される磁界の飽和も回避されるようになり、ひいては被検出電流路IS12に流れる電流ibについてもこれを適切に検出することができるようになる。ちなみに、この図11に例示する電流センサ101を通じて電流ibを検出する場合には、まず、ホール素子103によるホール電圧に基づいて分流路IS12a中の電流量を検出する。そして次に、上記検出した分流路IS12a中の電流量と、分流路IS12aおよび主電流路IS12bの幅比((L1+L2)/L1)とに基づいて被検出電流路IS12中の電流量を検出する。
特開平05−034375号公報
このように、上記従来の電流センサ101であっても、小電流から大電流までの広い範囲(ダイナミックレンジ)にわたって被検出電流路中の電流検出を行うことはできる。しかし、この従来の電流センサ101では、小電流を検出するために上述のコア102の配設が必須となる。しかも、大電流を検出する場合には、上述した分流路を別途設ける必要すらあり、広いダイナミックレンジにて電流検出を行う電流センサとしては汎用性に乏しいものとなっている。
なお、電流センサとしては、巨大磁気抵抗素子を用いた電流センサも知られているが、このような巨大磁気抵抗素子を用いた電流センサでも、広いダイナミックレンジにて電流検出を行おうとすると、やはり被検出電流路に分流路を設ける必要がある。すなわち、電流センサとしての汎用性という意味では、このような巨大磁気抵抗素子を用いた電流センサにおいてもこうした実情は概ね共通したものとなっている。
本発明は、上記実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、被検出電流路に流れる電流の大小にかかわらず、高い汎用性をもってそれら電流の電流量を検出することのできる電流センサを提供することにある。
こうした目的を達成するため、請求項1に記載の電流センサでは、磁界を検出する磁気検出素子を用いて電流検出の対象となる被検出電流路に流れる電流の電流量を検出する電流センサとして、前記被検出電流路に電流が流れることによって生ずる第1の磁気ベクトルに対して異なる角度に第2の磁気ベクトルを発生する磁界発生手段を備え、前記被検出電流路に流れる電流の電流量の変化に伴って生ずる前記第1の磁気ベクトルと前記第2の磁気ベクトルとの合成ベクトルの角度変化を前記磁気検出素子にて感知して前記被検出電流路に流れる電流の電流量を検出することとした。
前述の通り、被検出電流路に電流が流れることによって生ずる磁界の強度、すなわち上記第1の磁気ベクトルの大きさは同被検出電流路中の電流量に比例する。一方、例えば永久磁石などから設けられる磁界発生手段による磁界の強度、すなわち上記第2の磁気ベクトルの大きさは上記被検出電流路中の電流量に依存しない。このため、上記第2の磁気ベクトルが上記第1の磁気ベクトルに対して異なる角度方向に付与される上記構成では、これら第1および第2の磁気ベクトルの合成ベクトルが、上記被検出電流路に流れる電流の電流量の変化に伴って角度変化するようになる。したがって、こうした合成ベクトルの角度変化を上記磁気検出素子にて感知するようにすることで、上記被検出電流路の電流検出を行うことができるようになる。
ちなみに、このような電流センサでは、被検出電流路に流れる電流が大電流であり、第1の磁気ベクトルの大きさが第2の磁気ベクトルに対して過大になると、上記合成ベクトルがこの第1の磁気ベクトルの向き(角度)に依存するようになることがある。そしてこの場合、被検出電流路に流れる電流の電流量が変化しても上記合成ベクトルはほとんど角度変化しなくなるため、合成ベクトルの角度変化を磁気検出素子にて感知して上記被検出電流路中の電流検出を行うことが困難となる。ただし、上記構成では、上記第2の磁気ベクトルを、上記第1の磁気ベクトルの大きさに対応した適切な大きさに設定するようにするだけで、上記合成ベクトルがこの第1の磁気ベクトルの向き(角度)に依存することも回避されるようになる。したがって、こうした原理に基づいて電流検出を行う電流センサでは、被検出電流路に流れる電流の大小にかかわらず、高い汎用性をもってそれら電流の電流量を検出することが可能となる。
なお、上記磁気検出素子としては、磁気ベクトルの角度変化を抵抗値の変化として感知する磁気抵抗素子、磁界強度の変化を抵抗値の変化として感知する巨大磁気抵抗素子、さらには磁界強度に応じたホール電圧を発生するホール素子、等々の採用が考えられる。ただし、上記合成ベクトルの角度変化の感知を通じて被検出電流路の電流検出を行う上述の原理に鑑みれば、請求項2に記載の発明によるように、上記磁気検出素子として、上記被検出電流路に流れる電流の電流量の変化に伴って生ずる上記合成ベクトルの角度変化を抵抗値の変化として感知する磁気抵抗素子を採用するようにすることが、磁気検出素子の取り扱いを容易なものとする上で実用上より望ましい。
また、請求項2に記載の発明において、請求項3に記載の発明によるように、付与される磁気ベクトルの一方向への角度変化に対し、抵抗値が大きくなる角度をもって配置される第1の磁気抵抗素子と抵抗値が小さくなる角度をもって配置される第2の磁気抵抗素子との2種の磁気抵抗素子を備えるようにすれば、被検出電流路に流れる電流の電流量の変化に伴う上記合成ベクトルの角度変化をより的確に検出することができるようになる。なお、この場合には特に、これら第1および第2の磁気抵抗素子を電気的にはハーフブリッジ回路として設けるようにすることが実用上より望ましい。このような構成では、被検出電流路の電流量の変化に伴う上記合成ベクトルの角度変化を上記第1および第2の磁気抵抗素子の中点電位の変化として容易に、且つ、より的確に感知することができるようになる。
またさらに、請求項3に記載の発明において、請求項4に記載の発明によるように、前記第1および第2の磁気抵抗素子を、前記合成ベクトルの変化する平面上にて互いに90度傾いた角度にて配置するようにすれば、被検出電流路に流れる電流の電流量の変化に伴う上記合成ベクトルの角度変化を磁気抵抗素子の抵抗値の変化として検出し易くなる。具体的には、例えば上記第1および第2の磁気抵抗素子が上記ハーフブリッジとして形成される場合には、このハーフブリッジ回路から取り出される中点電位の変化が最も大きく現われるようになる。このため、上記合成ベクトルの角度変化の感知が容易となり、当該電流センサの電流の検出精度のさらなる向上が期待できるようになる。
ところで、上記ハーフブリッジ回路から取り出される中点電位は、上記合成ベクトルが上記第1の磁気抵抗素子および第2の磁気抵抗素子がなす角度のほぼ中央の角度付近で変化するとき、上記被検出電流路中の電流量の変化との関係で最も線形的に変化することがわかっている。したがって、請求項4に記載の発明において、請求項5に記載の発明によるように、前記被検出電流路に流れる電流として予め想定される最大の電流が同被検出電流路に流れるときの前記合成ベクトルの角度である最大角度と、同じく前記被検出電流路に流れる電流として予め想定される最小の電流が同被検出電流路に流れるときの前記合成ベクトルの角度である最小角度との平均角度が、前記第1および第2の磁気抵抗素子がなす角度のほぼ中央の角度となるようにそれら第1および第2の磁気抵抗素子を配置するようにすることがより望ましい。
磁気抵抗素子のこのような配置態様では、上記合成ベクトルは、前記第1および第2の磁気抵抗素子がなす角度のほぼ中央の角度を中心にして角度変化するようになる。このため、上記中点電位に基づいて上記被検出電流路に流れる電流の電流量を検出するにあたって、上記中点電位が最も線形的に変化する領域を積極的に利用することができるようになり、被検出電流路に流れる電流の検出精度も確保されるようになる。なお、上記合成ベクトルの最大角度および最小角度の平均角度とは、同合成ベクトルの最大角度と最小角度とを加算して2で割った角度である。
しかも、上述の中点電位の線形性は、第1の磁気抵抗素子から第2の磁気抵抗素子側に「30度≦θ≦60度」の角度範囲で上記合成ベクトルが角度変化するとき、好適に維持されることがわかっている。したがって、請求項5に記載の発明において、請求項6に記載の発明によるように、前記被検出電流路に流れる電流として予め想定される最小の電流が同被検出電流路に流れるときの前記合成ベクトルの角度である最小角度が、前記第1の磁気抵抗素子から前記第2の磁気抵抗素子側に30度だけ傾いた角度となるように前記磁界発生手段による前記第2の磁気ベクトルの大きさを設定するようにすることがより望ましい。
このような構成では、先の請求項5における磁気抵抗素子の配置態様と相まって、上記合成ベクトルは、上記第1および第2の磁気抵抗素子がなす角度のほぼ中央の角度を中心に、第1の磁気抵抗素子から第2の磁気抵抗素子側に30度〜60度だけ傾いた範囲内で角度変化するようになる。このため、上記中点電位に基づいて上記被検出電流路の電流量を検出するにあたって、同中点電位が線形的に変化する領域のみを利用することができるようになり、被検出電流路の電流の検出精度もより確保されるようになる。
なお、上記磁界発生手段としては、例えばコイルや、請求項7に記載の発明によるように、永久磁石、等々が有効である。これらいずれを用いても、被検出電流路の電流検出を行うことはできるが、上記磁界発生手段としての扱いやすさやコスト面等からすれば、これを永久磁石によって形成することが実用上はより望ましい。
また、請求項2〜6のいずれか一項に記載の構成において、請求項8に記載の発明によるように、上記磁界発生手段として2つの永久磁石を備え、これら2つの永久磁石の間に上記磁気抵抗素子を設けるようにすれば、上記磁気抵抗素子に対して上記第2の磁気ベクトルが直線的に作用するようになり、上記磁気抵抗素子の上記磁界発生手段に対する位置ずれによる影響が抑制されるようになる。
また、請求項2〜6のいずれか一項に記載の構成において、請求項9に記載の発明によるように、上記磁界発生手段として永久磁石と磁性体片とを備え、これら永久磁石と磁性体片との間に上記磁気抵抗素子を設けるようにしても先の請求項8に記載の発明と同様、上記磁気抵抗素子に対して上記第2の磁気ベクトルが直線的に作用するようになり、上記磁気抵抗素子の上記磁界発生手段に対する位置ずれによる影響が抑制されるようになる。しかもこの場合には、外乱磁界が上記磁性体片に集磁されるようにもなり、被検出電流路の電流の検出精度のさらなる向上が期待できるようになる。
なお、上記磁界発生手段としては、請求項10に記載の発明によるように、上記第1の磁気ベクトルに対して直交する角度にて上記第2の磁気ベクトルを発生するようにすることが実用上より望ましい。このような構成では、上記被検出電流路に流れる電流の電流量の変化に伴う上記合成ベクトルの角度変化が最も大きくなり、同合成ベクトルの角度変化の検出が容易になる。
はじめに、図1を参照して、この発明の原理について説明する。
いま、電流検出の対象となる被検出電流路IS1に同図1に示される白抜き矢印の方向に電流が流れているとすると、この被検出電流路IS1上にはベクトルMV1a、MV1b等の方向に作用する第1の磁気ベクトルが発生する。そして、こうした第1の磁気ベクトルに対して直交する角度、すなわちベクトルBV1の方向に、例えばバイアス磁石等を用いて第2の磁気ベクトルを作用させたとする。
このような場合、上記第1の磁気ベクトルは、被検出電流路IS1に流れる電流の電流量に比例して例えばベクトルMV1a、MV1b等のようにその大きさが変化する。一方、バイアス磁石等による第2の磁気ベクトルは、被検出電流路IS1に流れる電流の電流量に依存せずベクトルBV1の大きさで一定であるため、これら第1の磁気ベクトルと第2の磁気ベクトルとの合成ベクトルは、上記被検出電流路IS1に流れる電流の電流量の変化に伴って角度変化するようになる。
例えば、同図1に示すように、被検出電流路IS1に電流が流れない場合、上記第1の磁気ベクトルは発生しないため、上記合成ベクトルは、上記第2の磁気ベクトルそのものとなりベクトルBV1の方向に作用する。一方、被検出電流路IS1に電流が流れ始め、この電流によって上記第1の磁気ベクトルがベクトルMV1aの大きさになると、上記合成ベクトルは、先のベクトルBV1からベクトルSV1aに角度変化するようになる。また、被検出電流路IS1に流れる電流の電流量がさらに増大して第1の磁気ベクトルがベクトルMV1bの大きさになると、上記合成ベクトルはベクトルSV1bまで角度変化するようになる。
そこで、上記合成ベクトルのこのような角度変化を磁気抵抗素子の抵抗値の変化として感知するようにすることで、被検出電流路に流れる電流の電流量を検出することができるようになる。
具体的には、磁気抵抗素子として、第1および第2の磁気抵抗素子1a、1bの2種の磁気抵抗素子を備え、これら磁気抵抗素子1a、1bを、互いに同一の形状および同一の材料とするとともに、上記合成ベクトルが変化する平面上に互いに90度傾けて配置するようにする。また、これら磁気抵抗素子1a、1bを電気的にはハーフブリッジ回路として設け、該ハーフブリッジ回路を定電圧「Vcc」にて定電圧駆動するようにする。
このような構成によれば、上記合成ベクトルの角度変化は、上記ハーフブリッジ回路の中点電位Vmの変化として取り出されるようになる。したがって、この中点電位Vmの変化の感知を通じて被検出電流路IS1に流れる電流の電流量を検出することができるようになる。
しかしながら、このような原理を採用して被検出電流路に流れる電流の電流量を検出する電流センサにあっては、被検出電流路に流れる電流が大電流であり、第1の磁気ベクトルの大きさが第2の磁気ベクトルに対して過大になると、上記合成ベクトルがこの第1の磁気ベクトルの向き(角度)に依存するようになることがある。そしてこの場合、被検出電流路に流れる電流の電流量が変化しても上記合成ベクトルはほとんど角度変化しなくなるため、合成ベクトルの角度変化を磁気検出素子にて感知して上記被検出電流路中の電流検出を行うことが困難となる。
ただし、上記電流センサでは、上記バイアス磁石による上記第2の磁気ベクトルを、上記第1の磁気ベクトルに対して適切な大きさに設定するようにするだけで、上記合成ベクトルがこの第1の磁気ベクトルの向き(角度)に依存することも回避されるようになる。したがって、こうした原理に基づいて電流検出を行う電流センサでは、被検出電流路に流れる電流の大小にかかわらず、高い汎用性をもってそれら電流の電流量を検出することが可能となる。
ところで、上記第1および第2の磁気抵抗素子1a、1bが同図1に例示される態様にて配置されるとき、これら第1および第2の磁気抵抗素子1a、1bの抵抗値Ra、Rbはそれぞれ、

Ra=Rsinθ+Rcosθ ・・・(1)
Rb=Rcosθ+Rsinθ ・・・(2)
ただし、
θ:第1の磁気抵抗素子1aに流れる電流の方向と同第1の磁気抵抗素子1aに作用する磁気ベクトル(図1の例では合成ベクトル)とのなす角度
:「θ=90度」のときの磁気抵抗素子1aの抵抗値
:「θ=0度」のときの磁気抵抗素子1aの抵抗値

といった関係式にて表わされる。また、上記第1および第2の磁気抵抗素子1a、1bが同図1に例示される態様にて配置されるとき、上記ハーフブリッジ回路から取り出される中点電位Vmは、

Vm=(Rb/(Ra+Rb))×Vcc ・・・(3)

といった関係式にて表わされる。そして、同中点電位Vmに関して、上記式(1)〜(3)に基づいてさらに整理すると、

Vm=((1/2)−(ΔRcos2θ/4R))×Vcc ・・・(4)
ただし、
ΔR=R−R
=(R+R)×(1/2)

といった関係式が得られる。
この式(4)から明らかなように、上記ハーフブリッジ回路から取り出される中点電位Vmは、「(1/2)×Vcc」を基準として、「cos2θ」に比例して変化する。すなわち、図2に「cos2θ」の波形を示すように、中点電位Vmは、上記合成ベクトルが上記第1の磁気抵抗素子1aおよび第2の磁気抵抗素子1bのなす角度のほぼ中央の角度(θ=45度)付近で変化するとき、上記被検出電流路IS1中の電流量の変化との関係で最も線形的に変化する。したがって、第1および第2の磁気抵抗素子1a、1bの配置態様としては、
・合成ベクトルの最大角度と該合成ベクトルの最小角度との平均角度が、上記第1および第2の磁気抵抗素子1a、1bのなす角度のほぼ中央の角度となるようにそれら第1および第2の磁気抵抗素子1a、1bが配置される態様(A)。
を採用するようにすることがより望ましい。
すなわち、この(A)の態様では、上記合成ベクトルは、第1および第2の磁気抵抗素子1a、1bのなす角度のほぼ中央の角度を中心にして角度変化するようになる。このため、上記中点電位Vmに基づいて上記被検出電流路IS1中の電流量を検出するにあたって、上記中点電位Vmが最も線形的に変化する領域を積極的に利用することができるようになり、被検出電流路IS1中の電流の検出精度も確保されるようになる。なお、上記(A)の態様において、合成ベクトルの最大角度とは、被検出電流路IS1に流れる電流として予め想定される最大の電流が同被検出電流路IS1に流れるときの上記合成ベクトルの角度である。また、合成ベクトルの最小角度とは、同じく被検出電流路IS1に流れる電流として予め想定される最小の電流が同被検出電流路IS1に流れるときの上記合成ベクトルの角度である。また、合成ベクトルの最大角度および最小角度の平均角度とは、同合成ベクトルの最大角度と最小角度とを加算して2で割った角度である。
またさらに、図2に示される「cos2θ」の波形から明らかなように、上記中点電位Vmの線形性は、第1の磁気抵抗素子1aから第2の磁気抵抗素子1b側に「30度≦θ≦60度」の角度範囲で上記合成ベクトルが角度変化するとき、好適に維持される。したがって、上記バイアス磁石による上記第2の磁気ベクトルの大きさの設定態様としては、
・合成ベクトルの最小角度が、上記第1の磁気抵抗素子1aから上記第2の磁気抵抗素子1b側に30度だけ傾いた角度となるように上記バイアス磁石による上記第2の磁気ベクトルの大きさが設定される態様(B)。
を採用するようにすることがより望ましい。
すなわち、この(B)の態様では、先の(A)の態様と相まって、上記合成ベクトルは、上記第1および第2の磁気抵抗素子1a、1bのなす角度のほぼ中央の角度を中心に、第1の磁気抵抗素子1aから第2の磁気抵抗素子1b側に30度〜60度だけ傾いた範囲内で角度変化するようになる。このため、上記中点電位Vmに基づいて上記被検出電流路IS1の電流量を検出するにあたって、同中点電位Vmが線形的に変化する領域のみを利用することができるようになり、被検出電流路IS1の電流の検出精度もより確保されるようになる。
ここで、上記第1および第2の磁気抵抗素子1a、1bの配置態様、および上記第2の磁気ベクトルの大きさの設定態様としてそれぞれ、上記(A)および(B)の態様を採用する場合のこれら磁気抵抗素子1a、1bの配置方法、および第2の磁気ベクトルの大きさの設定方法についてその例を図3および図4に示す。
すなわち、この図3において、被検出電流路IS1に流れる電流として予め想定される最大の電流(+数百A)と、同被検出電流路IS1に流れる電流として予め想定される最小の電流(−数百A)とは、同一の絶対値を有する正負の電流となっている。このような場合、被検出電流路IS1に流れる電流として予め想定される最大の電流(+数百A)が同被検出電流路IS1に流れるとき、上記第1の磁気ベクトルはベクトルMV2aとなり、また上記合成ベクトルの最大角度はベクトルSV2aの角度となる。一方、同被検出電流路IS1に流れる電流として予め想定される最小の電流(−数百A)が同被検出電流路IS1に流れるとき、第1の磁気ベクトルは、上記ベクトルMV2aと同じ大きさであり、且つ、同ベクトルMV2aに対して逆方向であるベクトルMV2bとなり、また上記合成ベクトルの最小角度はベクトルSV2bの角度となる。すなわち、上記合成ベクトルの平均角度は、上記第2の磁気ベクトルが作用する角度であるベクトルBV1の角度となる。
そこで、この合成ベクトルの平均角度が、第1および第2の磁気抵抗素子1a、1bのなす角度のほぼ中央の角度となるようにそれら第1および第2の磁気抵抗素子1a、1bを配置するようにすることで、上記(A)の態様を採用することができるようになる。そして、こうして第1および第2の磁気抵抗素子1a、1bが配置されて後、上記バイアス磁石による上記第2の磁気ベクトルの大きさを設定することとなる。すなわち、上記合成ベクトルの最小角度であるベクトルSV2bの角度が、上記第1の磁気抵抗素子1aから上記第2の磁気抵抗素子1b側に30度だけ傾いた角度となるように上記第2の磁気ベクトルの大きさを設定するようにすることで、上記(B)の態様を採用することができるようになる。
他方、図4においては、被検出電流路IS1に流れる電流として予め想定される最大の電流(+数百A)に対し、同被検出電流路IS1に流れる電流として予め想定される最小の電流(−数百A)が絶対値の大きい負の電流となっている。このような場合、被検出電流路IS1に流れる電流として予め想定される最大の電流(+数百A)が同被検出電流路IS1に流れるとき、上記第1の磁気ベクトルはベクトルMV3aとなり、また上記合成ベクトルの最大角度はベクトルSV3aの角度となる。一方、同被検出電流路IS1に流れる電流として予め想定される最小の電流(−数百A)が同被検出電流路IS1に流れるとき、第1の磁気ベクトルは、上記ベクトルMV3aよりも大きく、且つ、同ベクトルMV3aに対して逆方向であるベクトルMV3bとなり、また上記合成ベクトルの最小角度はベクトルSV3bの角度となる。すなわち、上記合成ベクトルの平均角度は、同図4に示されるように、上記第2の磁気ベクトルが作用する角度であるベクトルBV1からベクトルSV3b側に傾いた角度となる。
そこで、この合成ベクトルの平均角度が、第1および第2の磁気抵抗素子1a、1bのなす角度のほぼ中央の角度となるようにそれら第1および第2の磁気抵抗素子1a、1bを配置するようにすることで、上記(A)の態様を採用することができるようになる。そして、こうして第1および第2の磁気抵抗素子1a、1bが配置されて後、上記バイアス磁石による上記第2の磁気ベクトルの大きさを設定することとなる。すなわち、上記合成ベクトルの最小角度であるベクトルSV3bの角度が、上記第1の磁気抵抗素子1aから上記第2の磁気抵抗素子1b側に30度だけ傾いた角度となるように上記第2の磁気ベクトルの大きさを設定するようにすることで、上記(B)の態様を採用することができるようになる。
次に、こうした原理に基づいて構成したこの発明にかかる電流センサの一実施の形態について、図5および図6を参照して詳細に説明する。
この電流センサ11は、図5に示されるように、上述のハーフブリッジ回路を備えて形成される磁気抵抗素子12を有するセンサチップ13と、同磁気抵抗素子12に上記第2の磁気ベクトルを付与するバイアス磁石(磁界発生手段)14とを基板15上に備えている。そして、この基板15が、樹脂などからなるモールド材(便宜上、図示略)によりモールドされた状態で当該電流センサ11の電流検出の対象となるバスバーBS上に設置される構造となっている。なお、この実施の形態にかかるバスバーBSには、車載バッテリからの出力電流や同車載バッテリへの充電電流となる電流Ib(−数百AA〜+数百A)、すなわち広いダイナミックレンジの電流が流れるようになっている。
このような構成では、上述のように、バスバーBSの電流Ibによって発生する第1の磁気ベクトルとバイアス磁石14による第2の磁気ベクトルとの合成ベクトルが、上記電流Ibの変化に伴って角度変化するようになる。そこで、電流センサ11は、上述の原理に基づき、こうした合成ベクトルの角度変化を感知してバスバーBSに流れる電流の電流量を検出するようにしている。
また、この実施の形態では、上記磁気抵抗素子12の配置態様、および上記バイアス磁石14による第2の磁気ベクトルの大きさの設定態様としてそれぞれ、上記(A)および(B)の態様を採用するようにしている。このため、電流センサ11によるバスバーBSの電流の検出精度が確保されている。
しかも、図6と併せて示すように、この電流センサ11は、上述のハーフブリッジ回路を2つ備えてそれを1組とした磁気抵抗素子MRE1〜MRE4からなるフルブリッジ回路として上記磁気抵抗素子12を形成するようにしている。なお、この回路において、磁気抵抗素子MRE2、MRE3の間には定電圧「+V」が印加され、また磁気抵抗素子MRE1、MRE4の各一端は各々接地されている。ちなみに、同回路では、磁気抵抗素子MRE1およびMRE3が第1の磁気抵抗素子、磁気抵抗素子MRE2およびMRE4が第2の磁気抵抗素子に各々相当する。
このようなフルブリッジ回路では、電流Ibの変化に伴って上記合成ベクトルが例えばベクトルSV4aからベクトルSV4bに変化するとき、磁気抵抗素子MRE1およびMRE3の抵抗値が大きくなる一方、磁気抵抗素子MRE2およびMRE4の抵抗値は小さくなる。そこで、こうした磁気抵抗素子MRE1〜MRE4の各抵抗値の変化を、磁気抵抗素子MRE1、MRE2の中点電位Va、および磁気抵抗素子MRE3、MRE4の中点電位Vbとしてこのフルブリッジ回路から取り出すとともに、これら中点電位VaおよびVbを所定の処理回路内の差動増幅器に入力して差動増幅するようにする。これにより、バスバーBSの電流変化に伴う合成ベクトルの角度変化が、上記差動増幅器の差動出力として現われるようになり、この差動出力に基づいてバスバーBSに流れる電流の電流量を検出することができるようになる。
以上説明したように、この実施の形態にかかる電流センサによれば、以下に記載するような優れた効果が得られるようになる。
(1)バスバーBSに流れる電流の電流量の変化に伴う合成ベクトルの角度変化を磁気抵抗素子12の抵抗値の変化として感知して同バスバーBS中の電流検出を行うようにした。このため、バスバーBSに流れる電流の大小にかかわらず、高い汎用性をもってそれら電流の電流量を検出することができるようになる。
(2)磁気抵抗素子12として、第1の磁気抵抗素子(MRE1、MRE3)および第2の磁気抵抗素子(MRE2、MRE4)を備え、これら第1および第2の磁気抵抗素子を、上記合成ベクトルが角度変化する平面上にて互いに90度傾いた角度にて配置するようにした。このため、上記合成ベクトルの角度変化の感知が容易となり、電流センサ11の電流の検出精度のさらなる向上が期待できるようになる。
(3)磁気抵抗素子12の配置態様として、上記(A)の態様を採用することとした。このため、フルブリッジ回路を構成する各ハーフブリッジ回路から取り出される中点電位Va、Vbが最も線形的に変化する領域を積極的に利用することができるようになり、バスバーBS中の電流の検出精度も確保されるようになる。
(4)バイアス磁石14による上記第2の磁気ベクトルの大きさの設定態様として、上記(B)の態様を採用することとした。このため、フルブリッジ回路を構成する各ハーフブリッジ回路から取り出される中点電位Va、Vbに基づいて上記バスバーBSの電流量を検出するにあたって、これら中点電位Va、Vbが線形的に変化する領域のみを利用することができるようになり、バスバーBSの電流の検出精度もより確保されるようになる。
(5)第1の磁気ベクトルに対して直交する角度にて上記バイアス磁石14による第2の磁気ベクトルを作用させるようにしたため、上記バスバーBSに流れる電流の電流量の変化に伴う上記合成ベクトルの角度変化が最も大きくなり、同合成ベクトルの角度変化の検出が容易になる。
なお、上記実施の形態は、以下のように変更して実施することもできる。
・磁気抵抗素子MRE1〜MRE4の各々を、図7に例示される磁気抵抗素子MREの形状にて構成するようにすれば、これら各磁気抵抗素子の抵抗値を、小さな面積で効率的に確保することができるようになる。
・磁界発生手段として、図8に例示される2つのバイアス磁石(永久磁石)14a、14bや、図9に例示されるバイアス磁石(永久磁石)14cおよび磁性体片14dを採用するようにすれば、電流センサによる電流の検出精度を好適に維持することができるようになる。すなわち、磁気抵抗素子12の近傍に1つのバイアス磁石が仮に配置される場合、同図8、図9に示すように、同バイアス磁石による第2の磁気ベクトルは磁気抵抗素子12に対して曲線的に作用するベクトルWTVとなる。この点、このように磁気抵抗素子12を挟むかたちで2つのバイアス磁石14a、14b、あるいはバイアス磁石14cおよび磁性体片14dを配置するようにすれば、これら磁石等によるバイアス磁界である第2の磁気ベクトルは上記磁気抵抗素子12に対して直線的に作用するベクトルSTVとなる。これにより、磁気抵抗素子12の磁界発生手段を構成する磁石等に対する位置ずれによる影響が抑制されるようになり、ひいては電流センサによる電流の検出精度についてもこれが好適に維持されるようになる。
しかも、磁界発生手段として特に、バイアス磁石14cおよび磁性体片14dを採用する場合には、磁気抵抗素子12の周辺に配置される各種磁性体による磁気的な影響、すなわち外乱磁界が上記磁性体片14dにより集磁されるようになるため、この意味でも、電流センサによる電流の検出精度がより好適に維持されるようになる。
・バイアス磁石14は、バスバーBSに電流が流れることによって生ずる第1の磁気ベクトルに対して異なる角度、すなわちバスバーBSに流れる電流の電流量の変化に伴って生ずる上記合成ベクトルの角度変化を磁気抵抗素子12にて感知することができるような角度に第2の磁気ベクトルを発生するものであればよい。
・磁界発生手段はコイルを用いた電磁石等であってもよい。
・バスバーBSに流れる電流の電流量が変化することにより生ずる合成ベクトルの角度変化を磁気抵抗素子の抵抗値の変化として感知して同バスバーBS中の電流検出を行う電流センサであれば、前記(1)の効果を得ることはできる。したがって、この(1)の効果を得る上では、第1および第2の磁気抵抗素子を電気的にフルブリッジ回路、ハーフブリッジ回路とする構成や、磁気抵抗素子の配置態様としての上記(A)の態様、バイアス磁石による上記第2の磁気ベクトルの大きさの設定態様としての上記(B)の態様等についてはこれらを割愛することも可能ではある。また、磁気抵抗素子としてこれも、例えば、付与される磁気ベクトルの一方向への角度変化に対し、抵抗値が大きくなる角度をもって配置される第1の磁気抵抗素子と抵抗値が小さくなる角度をもって配置される第2の磁気抵抗素子との2種の磁気抵抗素子を備えるものであってもよい。
・磁気検出素子としては、合成ベクトルの角度変化を何らかの物理的変化(抵抗値の変化やホール電圧の変化など)として感知可能な素子、例えば磁気抵抗素子や巨大磁気抵抗素子やホール素子などであればよい。
この発明の原理を説明する平面図。 「cos2θ」の波形を示すグラフ。 磁気抵抗素子の配置態様、および第2の磁気ベクトルの大きさの設定態様の一例を示す平面図。 磁気抵抗素子の配置態様、および第2の磁気ベクトルの大きさの設定態様の一例を示す平面図。 この発明にかかる電流センサの一実施の形態についてその平面構造を示す平面図。 同実施の形態の磁気抵抗素子の構成を示す平面図。 磁気抵抗素子の別例を示す平面図。 磁界発生手段の別例を示す平面図。 磁界発生手段の別例を示す平面図。 従来の電流センサを示す斜視図。 従来の電流センサを示す斜視図。
符号の説明
11…電流センサ、12…磁気抵抗素子、13…センサチップ、14、14a、14b、14c…バイアス磁石、14d…磁性体片、15…基板。

Claims (10)

  1. 磁界を検出する磁気検出素子を用いて電流検出の対象となる被検出電流路に流れる電流の電流量を検出する電流センサにおいて、
    前記被検出電流路に電流が流れることによって生ずる第1の磁気ベクトルに対して異なる角度に第2の磁気ベクトルを発生する磁界発生手段を備え、前記被検出電流路に流れる電流の電流量の変化に伴って生ずる前記第1の磁気ベクトルと前記第2の磁気ベクトルとの合成ベクトルの角度変化を前記磁気検出素子にて感知して前記被検出電流路に流れる電流の電流量を検出する
    ことを特徴とする電流センサ。
  2. 前記磁気検出素子が、前記被検出電流路に流れる電流の電流量の変化に伴って生ずる前記合成ベクトルの角度変化を抵抗値の変化として感知する磁気抵抗素子からなる
    請求項1に記載の電流センサ。
  3. 前記磁気抵抗素子として、付与される磁気ベクトルの一方向への角度変化に対し、抵抗値が大きくなる角度をもって配置される第1の磁気抵抗素子と抵抗値が小さくなる角度をもって配置される第2の磁気抵抗素子との2種の磁気抵抗素子を備える
    請求項2に記載の電流センサ。
  4. 前記第1および第2の磁気抵抗素子が、前記合成ベクトルの変化する平面上にて互いに90度傾いた角度にて配置されてなる
    請求項3に記載の電流センサ。
  5. 前記被検出電流路に流れる電流として予め想定される最大の電流が同被検出電流路に流れるときの前記合成ベクトルの角度である最大角度と、同じく前記被検出電流路に流れる電流として予め想定される最小の電流が同被検出電流路に流れるときの前記合成ベクトルの角度である最小角度との平均角度が、前記第1および第2の磁気抵抗素子がなす角度のほぼ中央の角度となるようにそれら第1および第2の磁気抵抗素子が配置されてなる
    請求項4に記載の電流センサ。
  6. 前記被検出電流路に流れる電流として予め想定される最小の電流が同被検出電流路に流れるときの前記合成ベクトルの角度である最小角度が、前記第1の磁気抵抗素子から前記第2の磁気抵抗素子側に30度だけ傾いた角度となるように前記磁界発生手段による前記第2の磁気ベクトルの大きさが設定されてなる
    請求項5に記載の電流センサ。
  7. 前記磁界発生手段が永久磁石からなる
    請求項1〜6のいずれか一項に記載の電流センサ。
  8. 前記磁界発生手段として2つの永久磁石を備え、前記磁気抵抗素子はこれら2つの永久磁石の間に配置されてなる
    請求項2〜6のいずれか一項に記載の電流センサ。
  9. 前記磁界発生手段として永久磁石と磁性体片とを備え、前記磁気抵抗素子はこれら永久磁石と磁性体片との間に配置されてなる
    請求項2〜6のいずれか一項に記載の電流センサ。
  10. 前記磁界発生手段は、前記第1の磁気ベクトルに対して直交する角度にて前記第2の磁気ベクトルを発生する
    請求項1〜9のいずれか一項に記載の電流センサ。
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