JP2006017955A - 定着装置および画像形成装置 - Google Patents

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秀則 町田
Atsushi Ishibe
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Abstract

【課題】 通紙幅の違いに関係なく通紙領域端部での温度上昇を抑制して幅方向での温度分布を均一化できるとともに均一化に際して温度の立ち上がりを損ねないようにできる構成を備えた定着装置を提供する。
【解決手段】 加熱ローラ71および定着ローラ72に掛け回されて定着対象となる記録媒体Pに接触可能な無端状の定着ベルト70と、定着ベルト70に接触して張力を付加するテンションローラ73と、定着ベルト70を押圧することにより定着ニップ部を形成する加圧部材74とを備え、定着ニップ部を前記記録媒体が通過する際に熱および圧力を加えて記録媒体上に担持されている未定着画像を定着可能な定着装置7において、テンションローラ73は、熱伝導率に異方性を有し、軸方向での熱伝導率が厚さ方向での熱伝導率よりも高いことを特徴とする。
【選択図】 図2

Description

本発明は、定着装置および画像形成装置に関し、さらに詳しくは、ベルトを定着部材として用いる定着装置の温度分布矯正機構に関する。
カラー画像形成の代表的方法には、複数の感光体上に形成される色の異なるトナー画像を直接転写紙に重ねながら転写させる直接転写方式と、複数の感光体上に形成される色の異なるトナー画像を中間転写体に重ねながら転写させ、しかる後に転写紙に一括して転写させる中間転写方式がある(例えば、非特許文献1)。
複数の感光体を転写紙または中間転写体に対向させ並べて配置することから、タンデム方式と呼ばれ、感光体毎にイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の各色に対して静電潜像の形成、現像などの電子写真プロセスを実行させ、直接転写方式では走行中の転写紙上に、中間転写方式においては走行中の中間転写体上に転写する(例えば、非特許文献1)。
これらの各方式を用いたタンデム方式のカラー画像形成装置では、直接転写方式にあっては、転写紙を支持しながら走行する無端ベルトを、中間転写方式にあっては、感光体から画像を受け取り担持する無端ベルトを採用するのが一般的である。そして4個の感光体を含む作像ユニットをベルトの展張面の一つである一走行辺に並べて設置する。
各作像ユニットにおいて形成された色毎の画像は記録シートなどの記録媒体に重畳転写された後、定着装置により熱および圧力を与えられて画像中のトナーを融解、浸透させて定着されることにより複写物とされる。
ところで、定着装置には、加熱ローラおよび加圧ローラを対向当接させる熱ローラ定着方式を用いる構成や加熱ローラと加圧ローラに対峙する定着ローラとに掛け回されたベルトを定着部材として用いるベルト定着方式がある(例えば、特許文献1)。
ベルト定着方式は、熱ローラ定着方式に用いられるローラに比べて熱容量が小さいベルトを定着部材とすることで、温度の立ち上がりを早めて定着時間の短縮を図ることができるという利点やベルトがこれを掛け回している定着ローラと対峙する加圧ローラの周面に倣って変形できることにより定着領域である定着ニップ部を広く設定できることにより定着効率を高めることができるという利点があり、概ね、図5に示す構成を備えている。
図5において、定着装置(便宜上、本発明の実施例に用いる符号7で示す)は、対向する一対のローラである加熱ローラ71と定着ローラ72とに掛け回されて定着対象となる記録媒体に相当する転写紙Pと接触可能な無端状の定着ベルト70と、定着ベルト70を加熱するための手段として加熱ローラ71に内蔵されたハロゲンヒータ71Aと、定着ベルト70に接触して張力を付加するテンションローラ73と、定着ベルト70を押圧して定着ニップ部を形成するための加圧部材としての加圧ローラ74とを主要部として備えている。
定着ベルト70は、加熱ローラ71および定着ローラ72にそれぞれ掛け回されて転写紙の搬送が可能な方向(図示矢印方向)に移動することができ、加熱ローラ71の内部に配置されているハロゲンヒータ71Aにより加熱された加熱ローラ71を介して定着に必要な温度に加熱される。
以下に、各部材の詳細について説明する。
定着ベルト70は、SUSやニッケルなどの金属、あるいは耐熱性樹脂から形成した無端状のベルト状基体が用いられている。
耐熱性樹脂の材質としては、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリエーテルケトン(PEEK)等が使用可能である。また基体の厚さは、熱伝導と強度のバランスから30〜100μmのものが用いられる。
定着ベルト70の表面は、転写紙P及びトナーTと加圧接触するため、耐熱性、耐久性に優れた表面離型層としてフッ素系樹脂等の表面離型層を被覆した構成としてある。さらに、画像の均一性を得るために表面離型層の下に100〜300μm程度のシリコーンゴムやフッ素ゴム等の耐熱ゴムによる弾性層が設けられる。
加熱ローラ71は、例えば径がφ30mmで、芯金は熱伝導率が良好なアルミあるいは鉄等の薄肉金属であり、その厚さは撓み・潰れ等の機械的強度と立ち上り時間の短縮から考えて0.3〜0.8mm程度に設定されている。芯金の内面にはハロゲンヒータ71Aからの熱吸収を向上させるため、黒体塗装を行う場合もある。
定着ローラ72は、例えば径がφ40mmで、アルミあるいは鉄等の芯金の外側に断熱層が設けられた構成であり、断熱層として、良好な耐熱性が得られるシリコーンゴムや多孔質セラミックスなどが使用される。
断熱層に使用される材料の熱伝導率は低ければ低い方が効果的で、概ね0.2W/m/K以下が選択される。
加圧ローラ74は、芯金の外周にフッ素系樹脂、シリコーンゴム等の耐熱性弾性層と、フッ素樹脂等からなる表面離型層を形成して構成されている。また、定着ベルト70からの転写紙Pの剥離性を良くするために、加圧ローラ74の表面硬度を定着ローラ72よりも硬くし、定着ベルト72と加圧ローラ74との間に、定着ベルト70が定着ローラ72の周面側に押圧されて窪んだ状態となる下向きの定着ニップ部が形成されるようになっている。加圧ローラ74の弾性層の厚さは、1mm〜数mm程度である。
テンションローラ73は、定着ベルト70の張力付加部材として用いられるために、例えばφ14のアルミ製の芯金が用いられる。また、立上りを早くするため芯金の外周に厚さ0.2〜2mm程度の断熱層を形成して定着ベルト70の熱を奪いにくくする構成とするこもある。
以上のような定着装置7においては、加熱ローラ71内のハロゲンヒータ71Aに通電されることにより加熱ローラ71が加熱されるとこれに掛け回されている定着ベルト70が加熱される。加熱ローラ71の表面温度、換言すれば定着ベルト70の温度制御は加熱ローラ71側に掛け回されている定着ベルト70に対向する温度検知センサ75を用いて行われる。
定着ベルト70は加熱ローラ71および定着ローラ72の間に展張され、その展張面のうちで加圧ローラ74と対向する面が転写紙Pと接触する。定着ベルト70に対してガイド部材76によってガイドされた転写紙Pは、トナーTの担持面を定着ローラ72側に向けて移動し、定着ローラ72に対して加圧ローラ74が押圧されることにより形成されている定着ニップ部に導入されると定着ベルト70からの熱を受けてトナーTが融解・浸透することにより定着される。
「続 電子写真技術の基礎と応用」(1996年11月15日発行 電子写真学会編 コロナ社刊 第35頁〜36頁) 特開2001−92282号公報(段落「0023」欄)
従来、定着装置における大きな問題は所定の定着温度に立ち上がるまでの時間が長いことがあった。そこで、特許文献1に開示されているように、加熱ローラに対する定着ベルトの巻き付け角を大きくする対策などがとられていた。
しかし、定着装置の問題としては上述した問題とは別に、定着ベルトの幅方向、つまり、移動方向と直角な方向で転写紙の幅に対応する方向での温度分布が転写紙サイズによって変化することが挙げられる。
定着ベルトの幅は転写紙の最大通紙幅よりも大きく設定されているが、この最大通紙幅以下の転写紙が連続して定着のために搬送された場合には通紙部分が温度低下する一方、非通紙両側部分での温度が上昇してしまう。このため、連続通紙終了直後に通紙を終了した転写紙よりも通紙幅が大きい転写紙を通紙した場合には、後で通紙された転写紙には、今まで非通紙部分であった領域にホットオフセット、つまり融解トナーが定着部材に逆転移することがある。
特に、先に行われた定着作業において転写紙の厚さが厚い場合や転写紙の移動速度が速い場合には、通紙部分と非通紙部分との間での温度差が顕著となり、後続して行われる定着作業に用いられる転写紙サイズによっては非通紙部分に接触する位置のトナーがホットオフセットを起こしやすくなる。
そこで、ホットオフセット防止のために非通紙部分の温度を制御して最大通紙幅以下の転写紙を通紙する場合には非通紙部分の温度を下げることも考えられるが、この対策では最大通紙幅の転写紙を通した場合にそれまでの非通紙部分にコールドオフセット、つまり、未定着トナーの転移が発生してこのトナーが定着部材に付着することがある。このようなオフセットは、次に搬送されてくる転写紙への転移を生じて汚損させることがある。
非通紙部分への温度制御に代えて、通紙される複数の転写紙幅にほぼ等しい長さのハロゲンヒータを複数設けることも考えられるが、転写紙幅はハガキのような小さいものからA5,B版サイズまで種々存在しているために全ての転写紙幅に対応させるにはハロゲンヒータの設置数が多くなりすぎてしまい、加熱ローラの大型化、さらに大型化によるローラ肉厚の増加などによる熱効率の低下という新たな不具合が生じる。このような結果から、全ての転写紙幅に対応したハロゲンヒータを設けることは困難である。
現実的には、非通紙部両側端部での温度上昇が発生した場合に転写紙の移動速度を低下させて幅方向での温度分布を緩和させること、あるいは定着ベルトに接触する定着ローラや加圧ローラさらにはテンションローラの肉厚を厚くして熱容量を大きくしてローラの軸方向での温度分布を緩和させることが多い。
しかし、現実的な対策を選択した場合には、定着ベルトに接触する部材であるローラの肉厚が厚くなることにより熱容量の増加を招き、この結果として、定着温度までの立ち上がりが悪くなり、ユーザにとって画像形成開始までの待機時間が長くなる印象を与えてしまう。
本発明の目的は、上記従来の定着装置における問題に鑑み、通紙幅の違いに関係なく通紙領域端部での温度上昇を抑制して幅方向での温度分布を均一化できるとともに均一化に際して温度の立ち上がりを損ねないようにできる構成を備えた定着装置および画像形成装置を提供することにある。
請求項1記載の発明は、対向する一対のローラに掛け回されて定着対象となる記録媒体に接触可能な無端状の定着ベルトと、該定着ベルトを加熱する手段と、該定着ベルトに接触して張力を付加するテンションローラと、前記定着ベルトを押圧することにより定着ニップ部を形成する加圧部材とを備え、前記定着ニップ部を前記記録媒体が通過する際に熱および圧力を加えて記録媒体上に未定着画像を定着可能な定着装置において、前記テンションローラは、熱伝導率に異方性を有し、軸方向での熱伝導率が厚さ方向での熱伝導率よりも高いことを特徴としている。
請求項2記載の発明は、請求項1記載の定着装置において、前記熱伝導率に異方性を有する材料は、繊維状あるいは繊維強化樹脂であり、繊維の向きと前記テンションローラの軸方向と平行に配していることを特徴としている。
請求項3記載の発明は、請求項1または2記載の定着装置において、前記熱伝導率に異方性を有する材料は、グラファイトが用いられることを特徴としている。
請求項4記載の発明は、請求項1乃至3のうちの一つに記載の定着装置を画像形成装置に用いることを特徴としている。
請求項1および4記載の発明によれば、定着ベルトに接触しているテンションローラが熱伝導率に異方性を有し、軸方向での熱伝導率が厚さ方向でのそれよりも高いので、定着ベルトの幅方向での温度を均衡化させることが可能となる。これにより、記録媒体のサイズによる非通紙部両側での温度上昇を抑制してホットオフセットの発生を未然に防止することができる。しかも、テンションローラにおける厚さ方向での伝導率が低いので、テンションローラの径方向での熱伝播が抑制されることにより熱の流出が抑えられて温度の立ち上がりを阻害しないようにすることができる。
請求項2記載の発明によれば、テンションローラにおける熱伝導率に異方性を有する材料が繊維の向きをローラの軸方向と平行に配しているので軸方向での熱伝導率を非常に高くすることができる一方、厚さ方向での熱伝導率を低く抑えることができる。これにより、軸方向での熱伝播を迅速に行えるようにして温度勾配をなくして均衡させることが可能となる。
請求項3記載の発明によれば、熱伝導率に異方性を有する材料にグラファイトを用いているので、機械的な強度を確保できることでローラ基材を薄いものとすることができる。これにより、ローラの肉厚を少なくすることにより熱容量を小さくして定着ベルトからの熱流出を抑制することができ、定着温度への立ち上がりまでの時間を短縮することが可能となる。
以下、図面に示す実施例による本発明を実施するための最良の形態について説明する。
図1は、本発明の実施例による画像形成装置の一つとして、電子写真方式の直接転写方式によるカラーレーザプリンタ(以下、レーザプリンタという)の構成を示す図であり、図2は、図1に示した定着装置に用いられるテンションローラの構成を説明するための図である。
図1においてレーザプリンタ2000は、イエロー(Y)、マゼンダ(M)、シアン(C)、黒(K)の各色の画像を形成するための4組のトナー像形成部1Y、1M、1C、1K(以下、各符号の添字Y、M、C、Kは、それぞれイエロー、マゼンダ、シアン、黒用の部材であることを示す)が、記録媒体の一つとして用いられる転写紙100の移動方向(図中の矢印Aに沿ってベルト60が走行する方向)における上流側から順に配置されている。
トナー像形成部1Y、1M、1C、1Kはそれぞれ、像担持体としての感光体ドラム11Y、11M、11C、11Kと、現像ユニットとを備えている。また、各トナー像形成部1Y、1M、1C、1Kの配置は、各感光体ドラムの回転軸が平行になるように且つ転写紙移動方向に所定のピッチで配列できるように設定されている。
図1に示すレーザプリンタ2000は、上記トナー像形成部1Y、1M、1C、1Kのほか、光書込ユニット2、給紙カセット3,4、レジストローラ対5、転写紙100を担持して各トナー像形成部の転写位置を通過するように搬送する転写搬送部材としての転写搬送ベルト60を有するベルト駆動装置としての転写ユニット6、ベルト定着方式の定着ユニット7、排紙トレイ8等を備えている。また、手差しトレイMF、トナー補給容器TCを備え、図示していない廃トナーボトル、両面・反転ユニット、電源ユニットなども二点鎖線で示したスペースSの中に備えている。
上記光書込ユニット2は、光源、ポリゴンミラー、f−θレンズ、反射ミラー等を備え、画像データに基づいて各感光体ドラム11Y、11M、11C、11Kの表面にレーザ光を走査しながら照射する。
転写ユニット6に用いられる転写搬送ベルト60は、体積抵抗率が10〜1011Ωcmである高抵抗の無端状単層ベルトであり、その材質はPVDF(ポリフッ化ビニリデン)である。この転写搬送ベルト60は、各トナー像形成部の感光体ドラム11Y、11M、11C、11Kに接触対向する各転写位置を通過するように、支持ローラ61〜65に掛け回されている。
これらの支持ローラのうち、転写紙移動方向上流側の入口ローラ61には、電源(図示されず)から所定電圧が印加された静電吸着ローラ80が対向するように転写搬送ベルト60の外周面に配置されている。この2つのローラ61,80の間を通過した転写紙100は転写搬送ベルト60上に静電吸着される。
ローラ63は転写搬送ベルト60を摩擦駆動する駆動ローラであり、図示しない駆動源に接続されていて矢印方向に回転する。
各転写位置において転写電界を形成する転写電界形成手段として、感光体ドラムに対向する位置には、転写搬送ベルト60の裏面に接触するように、転写バイアス印加部材(図1では、代表して67Yのみが符号を付けてある)を設けている。これらはスポンジ等を外周に設けたバイアスローラであり、各転写バイアス電源からローラ心金に転写バイアスが印加される。この印加された転写バイアスの作用により、転写搬送ベルト60に転写電荷が付与され、各転写位置において該転写搬送ベルト60と感光体ドラム表面との間に所定強度の転写電界が形成される。また上記転写が行なわれる領域での転写紙と感光体の接触を適切に保ち、最良の転写ニップを得るために、バックアップローラ68を備えている。
駆動ローラ63に巻きつけられた転写搬送ベルト60の外周面には、ブラシローラとクリーニングブレードから構成されたクリーニング装置85が接触するように配置されている。このクリーニング装置85により転写搬送ベルト60上に付着したトナー等の異物が除去される。
転写搬送ベルト60の走行方向で駆動ローラ63より下流に、転写搬送ベルトの外周面を押し込む方向にローラ64を設け、駆動ローラ83への巻きつけ角を確保している。ローラ64より更に下流の転写搬送ベルト60のループ内に、押圧部材(ばね)でベルトにテンションを与えるテンションローラ65を備えている。
図1中の一点鎖線は、転写紙100の搬送経路を示している。給紙カセット3、4あるいは手差しトレイMFから給送された転写紙100は、図示しない搬送ガイドにガイドされながら搬送ローラで搬送され、レジストローラ対5が設けられている一時停止位置に送られる。このレジストローラ対5により所定のタイミングで送出された転写紙100は、転写搬送ベルト60に担持され、各トナー像形成部1Y、1M、1C、1Kに向けて搬送され、各転写ニップを通過する。
各トナー像形成部1Y、1M、1C、1Kの感光体ドラム11Y、11M、11C、11K上で現像された各トナー像は、それぞれ各転写ニップで転写紙100に重ね合わされ、上記転写電界やニップ圧の作用を受けて転写紙100上に転写される。この重ね合わせの転写により、転写紙100上にはフルカラートナー像が形成される。ブラックトナー像を形成する場合には、図示しないが、転写ベルト60がブラック画像形成部にのみ対応するように傾動されるようになっている。また、図1中、符号Bは廃止トレイ8に向けた転写紙の排出方向を、符号Cはゲート部材により搬送方向を切り替えられて排出される方向をそれぞれ示している。
次に、定着装置7の構成について説明する。
定着装置7は、図5に示した構成を備えており、定着ベルト70に張力を付加するテンションローラ73は、図2に示す構成を備えている。
テンションローラ73は、熱伝導率に異方性を有し、軸方向の熱伝導率が厚さ方向、つまり径方向での熱伝導率よりも高く設定されている。
以下、テンションローラ73の構成に関して具体的な例を説明する。
(例1)
本例1では、テンションローラ73を、外径がφ10のアルミ製中実芯金73Aの外周面に厚さ2mmのグラファイト繊維73Bを配置している。繊維の向きは軸方向に平行する向きとされている。
(例2)
本例2では、テンションローラ73の芯金73Aを、(例1)に示した中実のものに代えて、φ10のアルミ製中空芯金(厚さ0.3mm)とし、外周面に厚さ2mmのグラファイト繊維を設けてある。繊維の向きは軸方向に平行する向きとされている。
熱伝導率に異方性を有する材料としてグラファイト繊維を設ける理由は、軸方向とこの軸方向に対する直角な方向、つまり、径方向とでの熱伝導率差が大きく、しかも、機械的な高強度が得られることが理由である。つまり、グラファイトは、ヤング率750(GPa)であり、アルミニウムのヤング率72(GPa)の10倍の強度をもつ。このため、芯金を薄くした場合でもグラファイトにより十分な強度を得ることが可能となり、これによって芯金の厚さに影響される熱容量を低減して温度の立ち上がりを改善することができる。
なお、異方性を有する材料としては、繊維状もしくは繊維強化樹脂であればよく、このような材料としては、グラファイト繊維の他に、ガラス繊維や窒化ケイ素繊維が挙げられる。これら繊維材料のうちで機械的な強度確保の点でグラファイト繊維が優位である。
本実施例は以上のような構成であるので、テンションローラ73の軸方向での熱伝導率が厚さ方向の熱伝導率よりも高いことにより定着ベルト70の幅方向での温度勾配をなくして均衡化することができる。これにより、通紙されなかった非通紙部分両側での温度上昇が抑えられてホットオフセットの防止が可能となる。
本発明者は、本実施例によるテンションローラ73を用いた場合と従来のテンションローラを用いた場合とで定着装置における定着ベルトの幅方向での温度分布および定着温度までの立ち上がり特性に関して比較してところ、図3および図4に示す結果を得た。
比較対象となるテンションローラの従来構造は次の通りである。
(比較例1)
φ10のアルミ製中実芯金の外周面に厚さ2mmの断熱フェルトを倦装している。
(比較例2)
φ14のアルミ製中実芯金を用いる。
本実施例によるテンションローラ(例1)、(例2)と従来のテンションローラ(比較例1)、(比較例2)とは、いずれも図5に示した構成の定着装置に適用されて実験され、図3は、A4版サイズ(図3中、通紙部分と表示した幅を有する)の転写紙を連続して500枚通紙した直後での定着ベルト70における軸方向の表面温度を示しており、図4は、定着ベルト70の表面温度が制御温度に達するまでの時間を示している。また、図3,図4に示す実験結果において実施例に示した(例1)、(例2)は符号(1)、(2)で示す、従来例である(比較例1)、(比較例2)は、それぞれ符号(3)、(4)で示している。
実験結果において、本実施例における(例1:(1))、(例2:(2))と、これに対する(比較例2:(4))においては、A4版サイズの転写紙を500枚連続通紙した直後での通紙部分(幅方向中央部分)に対する非通紙部分両側での温度上昇が、(比較例1:(3))の場合に比べて緩和されていることがわかる。
本実施例における(例1:(1)、(例2:(2))に挙げた構成では、連続通紙後にA4版よりの大きいA3版サイズの転写紙を通紙したところ、非通紙部分に対応する範囲でのホットオフセットが発生しなかった。
本実施例でのテンションローラ73は、熱伝導率に異方性を有する材料としてグラファイトを用いることにより、次のような作用が得られる。
グラファイトの熱伝導率は繊維の面方向が450(W/m/K)であり、厚さ方向が20(W/m/K)という異方性を備えている。これに対して、アルミニウムの熱伝導率は230(W/m/K)であることから、熱伝導率に関してグラファイトは軸方向でアルミニウムの1.5倍、軸と垂直方向が11.5分の1という関係にあり、このことから、軸方向における非通紙部分の熱が温度低下している通紙部分に対して円滑に伝搬することになり、軸方向での温度勾配をなくして均衡化することができる。
一方、比較例1においては、500枚の通紙直後において非通紙部分の温度が上昇し、通紙直後にA3版サイズの転写紙を通紙すると、それまで非通紙部分であった箇所にホットオフセットが発生した。
温度立ち上がりに関しては、図4に示すように、本実施例による(例2)、(例1)、(比較例3)、(比較例4)の順位が得られた。
本実施例による(例1)、(例1)とは、異方性の熱伝導率による、特に軸方向に対して厚さ方向の熱伝導率が低くされているので熱の流出が抑えられることが原因して立ち上がりが早められる。また、(例2)の場合には、(例1)と違って芯金が中空部材であるので熱容量が小さくなることも立ち上がり特性の向上に寄与している。
これに対して(比較例1)、(比較例2)においては、異方性の熱伝導率を有するグラファイトに対して厚さ方向での熱伝導率が高いことが原因して定着ベルト70から熱が奪われやすいことになり、結果として立ち上がり特性が悪くなる。
なお、本実施例における定着装置では、定着ベルト70を押圧して定着ニップ部を形成する構成として、図5に示すように、加圧ローラ74を用いて定着ベルト70を定着ローラ72に向け押圧することにより、定着ローラ72の周面の一部を凹状に変形させて熱伝播領域を拡大させる構成あるいは、対向するローラ同士を対象とするのでなく、張力付与のために定着ベルト70に押し当てられるテンションローラなどの部材を加熱部材として用い、テンションローラへの定着ベルト70の倦装角を利用して熱伝播領域を拡大させる構成などを対象とすることができる。
本実施例によれば、芯金の外周面、換言すれば、定着ベルト70に接触する面に熱伝導率に異方性を持つ材料を用いるだけの簡単な構成により、特別な断熱構造を要することなく軸方向での温度分布を均一化できるとともに、厚さ方向での熱伝導を抑制することによる定着ベルト70からの熱損失を低減してオフセット発生の防止および温度の立ち上がり特性の両方を同時に確保することが可能となる。
本発明実施例による定着装置が用いられる画像形成装置の一例を示す模式図である。 本発明実施例による定着装置に用いられるテンションローラの構成を説明するための断面図である。 図2に示した構成のテンションローラを用いた場合の定着ベルトの幅方向での温度分布に関して従来構造のものとの比較結果を説明するための線図である。 図2に示した構成のテンションローラを用いた場合の定着ベルトでの温度立ち上がり特性に関して従来構造のものとの比較結果を説明するための線図である。 定着装置の従来例を示す図である。
符号の説明
2000 カラープリンタ
7 定着装置
70 定着ベルト
71 加熱ローラ
71A ハロゲンヒータ
72 定着ローラ
73 テンションローラ
74 加圧ローラ
P 転写紙

Claims (4)

  1. 対向する一対のローラに掛け回されて定着対象となる記録媒体に接触可能な無端状の定着ベルトと、該定着ベルトを加熱する手段と、該定着ベルトに接触して張力を付加するテンションローラと、前記定着ベルトを押圧することにより定着ニップ部を形成する加圧部材とを備え、前記定着ニップ部を前記記録媒体が通過する際に熱および圧力を加えて記録媒体上に未定着画像を定着可能な定着装置において、
    前記テンションローラは、熱伝導率に異方性を有し、軸方向での熱伝導率が厚さ方向での熱伝導率よりも高いことを特徴とする定着装置。
  2. 請求項1記載の定着装置において、
    前記熱伝導率に異方性を有する材料は、繊維状あるいは繊維強化樹脂であり、繊維の向きと前記テンションローラの軸方向と平行に配していることを特徴とする定着装置。
  3. 請求項1または2記載の定着装置において、
    前記熱伝導率に異方性を有する材料は、グラファイトが用いられることを特徴とする定着装置。
  4. 請求項1乃至3のうちの一つに記載の定着装置を用いることを特徴とする画像形成装置。
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