JP4332593B2 - 像加熱装置 - Google Patents

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本発明は、加熱部材と加圧部材の圧接ニップ部に記録材を通紙して挟持搬送させて記録材に担持された画像を加熱する像加熱装置に関し、特に、複写機やプリンター等の画像形成装置に画像加熱定着装置として搭載するのに好適な像加熱装置に関する。
より詳しくは、可撓性を有するスリーブ状回転体と、該回転体を導くガイド部材と、該回転体を介してニップ内を搬送される記録材を加熱する加熱手段とを有する像加熱装置に関するものである。
電子写真複写機やプリンター等の画像形成装置において、記録材(用紙)に間接(転写)あるいは直接に形成担持させた未定着トナー画像を記録材面に固着画像として加熱定着させる定着装置としては、従来より熱ローラ方式の加熱定着装置が広く用いられている。
近年では、クイックスタートや省エネルギーの観点からフィルム加熱方式の定着装置が実用化されている。また、金属からなるフィルム自身を発熱させる電磁誘導加熱方式の加熱装置も提案されている。
a)フィルム式定着装置
フィルム加熱方式の定着装置は例えば特許文献1〜5等に提案されている。すなわち、加熱体としてのセラミックヒーターと、加圧部材としての加圧ローラとの間に耐熱性フィルム(以下、定着フィルム)を挟ませて圧接ニップ(以下、定着ニップ部)を形成させる。そして、該定着ニップ部の定着フィルムと加圧ローラとの間に未定着トナー画像を形成担持させた転写材を導入して定着フィルムと一緒に挟持搬送させる。これにより、定着フィルムを介してセラミックヒーターの熱を与えながら定着ニップ部の加圧力で未定着トナー画像を転写材面に定着させるものである。
このフィルム加熱方式の定着装置は、セラミックヒーター及びフィルムに低熱容量の部材を用いてオンデマンドタイプの装置を構成することができる。そして、画像形成実行時のみ熱源のセラミックヒーターに通電して所定の定着温度に発熱させれば良く、画像形成装置の電源オンから画像形成実行可能状態までの待ち時間が短く、スタンバイ時の消費電力も大幅に削減できる等の利点がある。
b)金属フィルム(定着ベルト)を用いた定着装置
近年、画像形成装置の高速化、カラー化に伴い、フィルム加熱方式の定着装置において、定着フィルムとして、SUSやニッケル等の金属フィルムを用いた定着装置が提案されている。更に、金属フィルム上に弾性層を設けたベルト状部材(以下、定着ベルト)を用いた定着装置が提案されている。
従来、定着フィルムの基材としては、耐熱性樹脂等が用いられてきたが、画像形成装置の高速化に伴い、定着フィルムの熱伝導率を高くし、セラミックヒーターの熱をより効率的に転写材に伝える必要が生じた。
このため、定着フィルム基材としては、樹脂よりも熱伝導率の高い金属を用いることが好ましい。このような金属製定着フィルムを用いた定着装置については例えば特許文献2や3等に開示されている。
また、画像形成装置のカラー化に伴い、定着フィルムの基材上に、弾性層を設ける必要が生じた。このような定着フィルム及び画像形成装置の例は例えば特許文献4や5等に開示されている。
これは、トナー画像が定着ニップ部を通過する際に、従来のフィルム定着装置では、カラー画像の多重に転写されたトナー像の形状に定着フィルム表面が追随することが出来ず、部分的に定着性のムラが生じるためである。定着性のムラは、画像の光沢ムラとして現れたり、OHT(オーバーヘッドプロジェクタ用透明シート)においては、透過性のムラとなり、投影した際に、透過性のムラがとして現れる、という問題点があった。定着フィルム上に弾性層を設けることにより、弾性層がトナー層に沿って変形することで、画像上不均一に載っているトナーが弾性層によって包み込まれ、均一に熱を与えることにより、均一な定着が達成される。
しかしながら、弾性層を設ける分、定着フィルムとしての熱伝導性は劣るため、その分の熱量を余計に与える必要がある。とりわけ、定着装置のオンデマンド性を確保するためには、定着装置を速やかに所定温度に立ち上げる必要があるため、通常の定着フィルムより、基材を金属フィルムとすることにより、熱伝導率を向上した定着ベルトの使用が有利である。
フィルム加熱方式でフィルムを用いる場合においては、フィルムのスラスト方向への寄りが発生する場合があり、これを厳しくコントロールすることは難しい。そこで、特許文献6や7等で、フィルムをルーズに懸回し、フィルムの寄り力を低減しフィルム端部をフランジのフィルム端部規制面(以下、「規制面」とも称する)で受け止めて寄り規制を行なうことが提案されている。この装置ではフィルムを介して加熱体とニップを形成する加圧回転体でフィルムを駆動し、フランジの規制面はニップ部を除いて設けられている。しかし、上記のようにフィルム端部をフランジで規制する場合、フィルムの寄り力が大きくなると、フィルムの膜厚、材質によってはフィルムに折れ、シワあるいは亀裂を生じる現象(以下、「フィルム端部破損」「スリーブ裂け」とも称する)がみられる。その結果として画像加熱定着装置における定着画像の劣化、定着フィルムの走行不良、耐久寿命の低下、フィルムの寄り規制音の発生等の可能性があった。
上記課題を解決するため、特許文献8では、フランジのフィルム規制面形状に関する提案がなされている。この提案では、図19に示すように、可撓性を有するスリーブ状回転体としての、エンドレスベルト状(円筒状)の定着フィルム203はフィルムガイド(不図示)にルーズに懸回されており、少なくとも停止時は定着ニップ部Nを除いて張力が働かない。加圧ローラ204は不図示の駆動源によりギアGを介して駆動され、定着フィルム203は定着ニップ部Nにおける加圧ローラ204との摩擦力のみで回転走行する。定着フィルム203の内面を長手方向全域にわたってガイドするフィルムガイドと当接したセラミックヒーター(不図示)と加圧ローラ204は定着フィルム203を挟んで加圧バネ205により所定の当接圧をもって互いに圧接状態にしている。これにより定着ニップ部Nを形成している。また、定着フィルム203のスラスト方向両端には、定着フィルム203の回転方向軌道およびスラスト方向端部を規制するフランジ(端部ホルダー)202が嵌合されている。フランジ202の外周面である202aと定着フィルム203の内周面とを摺動させることによって定着フィルム203の回転方向軌道を規制する。そして、フィルム端部規制面202bは定着フィルム203がスラスト方向に寄った場合でも上記フィルム端部規制面202bに突き当たることによってフィルム端部を規制している。
そして、定着ニップ部N後のフィルム移動方向形状に関して、規制面と定着フィルム端部との間隙が徐々に小さくなる箇所を設け、定着ニップ部N後の定着フィルム端部を緩やかに規制させることによって定着フィルム端部破損が発生する可能性があった。

図20は、定着フィルム203の回転方向軌道およびスラスト方向端部を規制するフランジ202の組み付け公差等によりフランジ202全体がスラスト方向外側に若干傾いた状態にある。そして、この状態で、定着フィルム寄り力が生じて規制面に定着フィルム端部が突き当たったときの概念図を示す。図20によると、フランジ202全体が外側に傾くと同時に規制面202bも外側に傾いてしまう。そのため、定着フィルム端部が寄り力により突き当たる規制面上の箇所は、より定着ニップ部Nに近い側の局部的な箇所となっている(点線で囲まれた部分)。この状態において強い定着フィルム寄り力が作用すると、定着フィルム端部破損が生じることが出願人の検討によりわかった。更なる検討により、フランジ202が外側に傾いた場合は定着ニップ部Nの上下流近傍のどちらかでも定着フィルム端部が突き当たってしまうと寄り力によって破損が生じてしまうことがわかった。
これは、定着フィルムを挟みこんでいる定着ニップ部N近傍では定着フィルム自身の柔軟性が失われやすい。そのような部分でフランジ202の規制面に局部的に突き当たって定着フィルム端部に強いストレスが加わってしまうことが主要因であり、そのストレスが定着フィルムの破断強度を超えることでフィルム破損が生じる。
また、別の例として、金属フィルムを用いた定着ベルトでは、定着ベルト自体の剛性は高いものの、定着ベルト製造工程において、定着ベルトを定着装置に適切な長さに切断するに際し、バリや微小なクラックが生じる。そして、繰り返し回転による摺擦で、こうしたバリや微小なクラック等を起点とした亀裂が生じていた。
こうした定着ベルト端部の亀裂を防止するために、特許文献9において、定着ベルト端部を支持するフランジを、定着ベルト外周面から支持する構造とし、定着ベルトと共に回転する構成とする。この構成とすることで、定着ベルト端部と定着装置の摺擦を防止する構成が開示されている。
図21と図22に、定着フランジ300を定着ベルト外周面から支持し、定着ベルト301と共に回転させる構成の一例の斜視図及び長手方向から見た断面図を示す。
定着フランジ300の内径は、定着ベルト301の外径より大きく設定されており、定着ベルト301は加圧ローラ302によって押さえられ変形することで、定着フランジ300の内面受け部300aに表面が接触し、摩擦力を生じる。この摩擦力により定着フランジ300は、定着ベルト301の回転に伴って回転する。
定着フランジ300は、内面受け部300aによって支持され、定着ベルト301が長手方向の寄りを生じた場合においても定着フランジ300から脱落することを防止している。
特開昭63−313182号公報 特開2003−045615号公報 特開2003−156954号公報 特開平10−10893号公報 特開平11−15303号公報 特開平4−44075号公報 特開平4−204980号公報 特開平5−208750号公報 特開平2002−231419号公報
しかしながら、上記の特許文献9のものも、定着ベルト301は、回転に伴い、定着ニップ部N近傍では加圧ローラ302による変形を受け、定着フランジ300に対して、半径方向(図23の斜線部矢印a・b方向)の運動を繰り返す。従って、定着フランジ300が、定着ベルト301と共に回転していても、定着ベルト301の端面と定着フランジ300との、ある程度の摺擦は避けられない。
図24に示すように、長手方向に対し直角方向より見た断面図のごとく、定着フランジ303端部に向かってテーパ形状を取り、定着ベルト301の長手延長線と定着フランジ303が定着ベルト301端面に接する面とのなす角度θを90°以上にする。これにより、定着ベルト301が回転に伴い、加圧ローラ302による変形を受けて、定着フランジ303端面で摺擦することをある程度防止する構成も提案されている。しかし、定着ニップ部N近傍での変形し始めと元に戻る最後の位置では、定着ベルト301端面と定着フランジ303が半径方向に摺擦する場所が必ず存在する。
また、定着ベルト301の寄り力が大きい場合においては、定着フランジ303の受け部において摩擦力が生じ、定着フランジ303が定着ベルト301の回転と同期して回転しない場合がある。そのような場合においては、定着フランジ303と定着ベルト301の回転速度が異なるため、定着フランジ303と定着ベルト301の摺動性がよくない場合には比較的大きな力が定着ベルトに働いてしまう。この時定着フランジ或いは定着ベルトが傾き、ニップ近傍で定着ベルトと定着フランジが接触すると非常に大きな座屈押力が働き、定着ベルトに亀裂が発生してしまう場合があった。
さらに、θを大きく取った場合は、定着ベルト301の長手方向の寄り力により、定着フランジ303が図24の矢印方向に引き込まれ、定着ベルト301に長手方向の歪みが生じ、定着ベルト301にかかるストレスが大きくなる。そのため、かえって定着ベルト301が疲労破壊を起こしてしまう、という問題があった。
特に、基層を、しごき加工等、塑性加工により形成した定着ベルト301においては、金属層の残留応力が大きい。こうした定着ベルト端面の摺擦や、長手方向の歪みにより、定着ベルト端面の微小なクラックを起点とした亀裂が生じたり、疲労破壊を起こしやすい。
また、特にカラー画像形成装置においては、白黒画像形成装置と比較して、定着ニップ部Nの圧力を大きくする必要がある。これは、複数色のトナーを重ねることによりカラー画像を形成するため、白黒画像形成装置よりもトナー像高さが高くなり、定着部において、均一に平滑な画像を得るためには、より高い圧力が必要となるためである。
定着ニップ部Nの圧力を大きくした場合、定着ベルトが長手方向に寄る力も大きくなるため、定着ベルトの座屈による亀裂が生じやすくなってしまう。
これらの理由から、更なる耐久性の向上が求められていた。そこで本発明はこの種の像加熱装置(定着装置)について、定着フィルム或いは定着ベルトとしての、可撓性を有するスリーブ状回転体の端部をより柔軟性の高い箇所で規制する。これによって、回転体端部破損に対するマージンを確保し、長寿命な像加熱装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するための本発明に係る像加熱装置の代表的な構成は、可撓性を有するスリーブ状の回転体と、前記回転体の内面に接触するヒーターと、前記回転体を介して前記ヒーターと共に圧接ニップ部を形成する加圧ローラと、前記圧接ニップ部の長手方向に関して前記回転体の端部に対向して設けられており前記回転体の前記長手方向への寄りを規制する規制部材と、を有し、前記圧接ニップ部で画像を担持する記録材を挟持搬送しつつ加熱する像加熱装置において、前記規制部材の前記回転体の端部が突き当たる規制面は前記圧接ニップ部の面と平行な仮想面で前記回転体を二等分した際の前記圧接ニップ部から遠いほうの領域に対向する領域のみに設けられており、前記規制面は前記圧接ニップ部に近くなるに連れて前記回転体の端部から離れるようにR形状となっていることを特徴とする。
以上説明したように、本発明によれば、回転体のスラスト方向をより柔軟性の高い回転体端部で規制し、組み付け公差等で規制部材等が傾いた場合においても、圧接ニップ近傍で回転体端部が規制面に局部的に突き当たることがなくなる。又加圧ローラにより変形を受ける圧接ニップ近傍で、環状部材に当接することがないので、回転体は半径方向の摺擦を受けることがない。従って、回転体端部破損に対するマージンを確保できる像加熱装置を提供できる。
参考例1における画像形成装置例の概略構成図 定着装置の斜視図 定着装置の途中部分省略の正面図 定着装置の一端部側の拡大縦断面図 図3の(5)−(5)線に沿う横断面図 ヒーターに対する給電系のブロック図 定着ベルトの層構成を示す断面模型図 定着ベルトを取り外した加熱アセンブリと加圧ローラとの外観斜視図 定着ベルトを取り外した加熱アセンブリの一端部側の分解斜視図 一端部側の定着フランジと端部ホルダーの斜視図 定着フランジと端部ホルダーの内面側の図 定着ベルトの規制状態を説明する図 定着ベルトと定着フランジの接触位置を説明する図 実施例1における画像形成装置例の概略構成図 定着装置の構成を説明する図 フランジが外側に傾いた場合のフィルム寄り概念図 参考例2における定着フランジ構成の概略図 定着フランジの断面図 従来例における定着装置の構成を説明する図 フランジが外側に傾いた場合のフィルム寄り概念図 従来例における定着フランジの構成を説明する斜視図 従来例における定着フランジの構成を説明する断面図 従来例における定着ベルトと定着フランジの摺擦状態を説明する図 従来例における定着ベルトの規制状態を説明する図
[参考例1]
(1)画像形成装置例
図1は本参考例1の像加熱装置を定着装置として搭載した画像形成装置例の概略構成図である。即ち、記録材に未定着画像を形成担持させる作像手段と、記録材上に形成担持させた未定着画像を固着画像として定着させる定着手段を有する画像形成装置において、定着手段として本参考例1の像加熱装置を備える画像形成装置である。より具体的には、本例の画像形成装置は電子写真プロセスを用いた、4色フルカラーのレーザービームプリンターである。
a)画像形成装置の全体的構成概略
この画像形成装置Aは、画像形成部として、像担持体としての感光体ドラム1、感光体ドラム1に帯電を行なう帯電装置2、感光体ドラム1上に露光して静電潜像を形成する露光手段(レーザースキャナー)3を有する。また、前記静電潜像をトナー像として現像する4つの現像器、即ちイエロー現像器4Y、マゼンダ現像器4M、シアン現像器4C、ブラック現像器4Bkを保持したロータリー式の現像器ホルダー4を有する。また、中間転写体ユニット5、感光体ドラム1の面を清掃するドラムクリーニングユニット(クリーニングブレード)6、等を有する。
中間転写体ユニット5は、中間転写ベルト5a、この中間転写ベルト5aを懸回張設させた駆動ローラ40及びテンションローラ41、中間転写ベルト5aを感光体ドラム1に押圧して一次転写部を形成させた1次転写ローラ5jを有する。また、駆動ローラ40の中間転写ベルト巻き掛け部において、それぞれ中間転写ベルト5aの外面に接離移動制御される2次転写ローラ11およびベルトクリーニングユニットとしての帯電ローラ5f、等を有する。
また、転写材給送部として、最終記録媒体としての転写材(不図示)を積載収納させた給紙カセット19、給送ローラ18、レジストセンサ14等を有する。また、転写材に対する画像形成後の定着排出部として、オンデマンド方式の定着装置8、排送ローラ対13、排出ガイド15、排出ローラ対9、排出トレー10、等を有する。
中間転写ベルト5aは矢印の時計方向に所定の周速度で回転駆動される。この中間転写ベルト5aの回転と同期して感光体ドラム1を矢印の反時計回りに回転させる。この感光体ドラム1表面を帯電装置2によって均一に帯電するとともに、露光手段3によってイエロー(Y)画像の光照射を行い、感光体ドラム1上にイエロー画像に対応した静電潜像を形成する。
この静電潜像形成と同時に現像器ホルダー4を駆動してイエロー現像器4Yを感光体ドラム1に対する現像位置に配置する。そして、感光体ドラム1上の静電潜像にイエロートナーが付着するように感光体ドラム1の帯電極性と同極性でほぼ同電位の電圧を印加して静電潜像にイエロートナーを付着させて現像する。その後、1次転写ローラ5jにトナーと逆極性の電圧を印加して感光体ドラム1上のイエロートナー像を中間転写ベルト5a上に1次転写する。
上述のようにしてイエロートナー像の1次転写が終了すると、次の色の現像器が回転移動し、感光体ドラム1に対向する現像位置に位置決めされる。そして、イエローの場合と同様にしてマゼンダ(M)、シアン(C)、そしてブラック(Bk)の各色について、静電潜像の形成、現像、中間転写ベルト5aに対する1次転写を順次行い、中間転写ベルト5a上に4色のトナー像を重ね合わせる。
この間、2次転写ローラ11は中間転写ベルト5aとは非接触状態にある。またクリーニングユニットとしての帯電ローラ5fも中間転写ベルト5aとは非接触状態に位置する。
一方、給送部の給送ローラ18が駆動されて給紙カセット19内に積載収納させてある転写材が1枚分離給送されてレジストローラ対7dに向かって搬送される。レジストローラ対7dの直後には転写材の先端を検知してレジストローラ対7dの回転駆動力を遮断し、転写材を所定の位置で待機させるレジストセンサ14が設けられている。これにより転写材はレジストローラ対7d近辺の所定の位置で一時待機状態にされる。
そして、中間転写ベルト5a上への4色のトナー像形成完了後、2次転写ローラ11が中間転写ベルト5aに圧接される(図1の状態)。更に中間転写ベルト5aの回転と同期して、レジストローラ対7d近辺の所定の位置で待機していた転写材がレジストローラ対7dの再駆動により中間転写ベルト5aと2次転写ローラ11とのニップ部である二次転写部に送り出される。レジストローラ対7dによる転写材の再給送は、中間転写ベルト5a上に形成された4色のトナー像の画像先端部が二次転写部に到達したとき転写材の先端部も丁度二次転写部に到達するタイミングでなされる。更に、2次転写ローラ11にはトナーと逆極性の電圧が印加され、中間転写ベルト5a上の4色のトナー像は二次転写部において一括して転写材の表面に2次転写していく。
このようにして、2次転写された転写材は搬送ベルトユニット12を経由して定着装置8に至り、ここで複数色のトナー像の定着(溶融混色)を受ける。そして、排送ローラ対13によって排出ガイド15に沿って搬送され、排出ローラ対9によって画像形成装置A上部のフェースダウン排出トレー10に排出され、画像形成を完了する。
一方、二次転写部における、中間転写ベルト5aから転写材へのトナー像の2次転写後に、ベルトクリーニングユニットとしての帯電ローラ5fが中間転写ベルト5aに圧接され、中間転写ベルト5a上に残った残留トナーに転写時と逆の電荷を与える。逆の電荷を付与された残留トナーは、感光体ドラム1に静電気的に付着され、その後感光体ドラム1用のドラムクリーニングユニット6により回収される。回収された残留トナーは、廃トナーとして廃トナーボックス16に回収され蓄積される。
(2)定着装置8
図2は定着装置8の斜視図、図3は途中部分省略の正面図、図4は図3の定着装置8の一端部側の拡大縦断面図、図5は図3の(5)−(5)線に沿う横断面図である。
100と104は互いに圧接して記録材を挟持搬送して記録材上の画像を加熱するニップ部(定着ニップ部)Nを形成している加熱部材としての加熱アセンブリと、加圧部材としての加圧ローラである。
加熱アセンブリ100は下記a〜e等の部材の組立て体である。
a:耐熱性の高い液晶ポリマー樹脂で形成したヒーターホルダー(ガイド部材)101
b:このヒーターホルダー101の下面にホルダー長手に沿って配設した加熱手段としての薄肉・細長のセラミックヒーターH。
c:ヒーターホルダー101の内側に配設した横断面下向きU字型の定着ステー110
d:上記ヒーターホルダー101・ヒーターH・定着ステー110のアセンブリにルーズに外嵌させた、可撓性を有するスリーブ状回転体としての定着ベルト103
e:定着ベルト103の両端部側にそれぞれ配設した、定着ベルト103の端部のラジアル方向を外周面側から、スラスト方向を側面(端面)から回転支持する定着ベルト支持部材(回転体支持部材)としての定着フランジ108と、定着フランジ108の内周面を回転支持するボス部109bと、定着フランジ108を介して定着ベルト103のスラスト方向端部を規制する定着ベルト端部規制面(回転体端部規制面)109cを備えた規制部材としての端部ホルダー109
f:基部をヒーターホルダー101に固定したステンレス製の弾性アーム102(図5)の先端部に保持され、該弾性アーム102により定着ベルト103の内面に弾性的に接触させて配設した検温素子としてのサーミスタTH
加圧ローラ104は、ステンレス製の芯金104aに、射出成形により厚み約3.5mmのシリコーンゴム層104bを形成し、その上に厚み約40μmのPFA樹脂チューブ(離形層)104cを被覆してなる。この加圧ローラ104は、図3のように、芯金104aの両端部側をそれぞれ装置フレーム107の手前側と奥側の側板107a間に軸受部材107bを介して回転自由に軸受させて配設してある。Gは芯金104aの一方側の端部に固定して配設したドライブギアである。このドライブギアGに駆動系Mから回転力が伝達されることで加圧ローラ104が図5において矢印の反時計方向に所定の速度で回転駆動される。
加熱アセンブリ100は、上記加圧ローラ104の上側に、ヒーターH側を下向にして加圧ローラ104に並行に配設される。両端部側の端部ホルダー109はそれぞれ装置フレーム107の手前側と奥側の側板107aに形成した縦スリット孔部107cから外方に突出させ、かつその縦スリット孔部107cの縦縁に縦ガイド溝部109dを係合させてある。そして、縦スリット孔部孔部107cの縦縁に沿って上下方向にスライド移動自由である。またこの両端部側の端部ホルダー109はそれぞれ定着ステー110の両端部側にそれぞれ図4・図8のように外方に突出させて設けた延長アーム部110aに嵌着させてある。
各端部ホルダー109の上面の押圧部109aがそれぞれ加圧板(加圧レバー)112により下向の押圧力Fを受ける。この押圧力Fで、定着ステー110により加熱アセンブリ100が加圧ローラ104の方向に加圧ローラ104のシリコーンゴム層104b弾性に抗して押し下げられる。これによりヒーターHが定着ベルト103を挟んで加圧ローラ104に対して圧接して、加熱アセンブリ100と加圧ローラ104との間に所定幅の定着ニップ部(圧接ニップ部)Nが形成される。
定着ベルト103の全長は加圧ローラ104の当接面長さ(定着ニップ部Nの長手長さ)よりも大きく設定してある。
加圧板112はそれぞれ装置フレーム107の手前側と奥側の側板107aの外側に一端側を軸支させて回動自由に設けられる。そして、加圧板途中部の下面を端部ホルダー109の上面押圧部109aに当接させ、加圧板自由端側の上面と側板107aの固定の折り曲げ部107dとの間に加圧バネ111を縮設して各端部ホルダー109の上面押圧部109aに加圧力Fを加えている。本実施例では総圧20kgf(片側10kgf)の力で加熱アセンブリ100を加圧ローラ104方向に加圧している。
なお、上記の加圧機構111・112は、不図示の圧解除機構を有し、ジャム処理時等に、加圧を解除し、転写材の除去が容易な構成となっている。
ヒーターホルダー101は、その両端部にそれぞれ装置フレーム107の手前側と奥側の側板107aに形成した縦スリット孔部107cから外方に突出する延長アーム部101aを有する。ヒーターHはその両端部がこの延長アーム部101aまで延長されていて、図6のように、一方側の端部には給電用電気接点aが設けられており、他方側の端部には温調用電気接点bが設けられている。そして、ヒーターホルダー101の一方側の延長アーム部101aには給電用コネクタ121が嵌着される。これにより、給電用コネクタ121側の電気接点とヒーターH側の給電用電気接点aとが導通して、ヒーターHと画像形成装置本体側の給電回路120とが電気的に連絡状態になる。またヒーターホルダー101の他方側の延長アーム部101aには温調用コネクタ122が嵌着される。これにより、温調用コネクタ122側の電気接点とヒーターH側の温調用電気接点bが導通してサーミスタTH(図5)の電気的検温情報が温調用電気接点b・温調用コネクタ122を介して画像形成装置本体側の制御回路(CPU)106に入力可能状態になる。
本参考例1の定着装置8においては、加圧ローラ104が回転駆動されることによって、定着ベルト103が定着ニップ部Nにおける圧接摩擦力でヒーターホルダー101・定着ステー110の外回りを図5の矢印の時計方向に従動回転する。その際、定着ベルト103内面とヒーター100及びヒーターホルダー101は摺動する構成となっている。ヒーター100の摺動面にはグリスが塗布され、定着ベルト103が回転することにより、定着ベルト内面全域にグリスが行き渡り、ヒーター100及びヒーターホルダー101と定着ベルト103内面との摺動性を確保している。
通常使用においては、定着装置の回転開始(加圧ローラ104の回転駆動、これに伴う定着ベルト103の従動回転)とともに、給電回路120からヒーターHへの給電が開始される。ヒーターHは迅速に昇温し、その発熱により、回転している定着ベルト103が加熱される。定着ベルト103の上昇が定着ベルト103の内面に接触させているサーミスタTHにより検知され、その電気的検温情報が制御回路106に入力する。制御回路106はサーミスタTHから入力する定着ベルト103の検温情報が所定の定着温度に維持されるように給電回路120からヒーターHへの給電電力を制御してヒーターH、即ち定着ベルト103の温度を所定に温調する。サーミスタTHは、ステンレス製のアーム102の先端にサーミスタ素子が取り付けられ、アーム102が揺動することにより、定着ベルト103内面の動きが不安定になった状態においても、サーミスタ素子が定着ベルト103内面に常に接する状態に保たれる。
そして、定着装置の回転が開始され、ヒーターHへの給電が開始され、定着ベルト103が所定の定着温度に温調された状態において、図5のように、画像定着すべき転写材Sが入り口ガイド105に案内されて定着ニップ部Nに導入される。入り口ガイド105は装置フレーム107に組みつけられ、二次転写ニップを抜けた転写材Sが定着ニップ部Nに正確にガイドされるよう転写材を導く役割を果たす。
定着ニップ部Nに導入された転写材Sは定着ニップ部Nを挟持搬送される。その挟持搬送過程で定着ベルト103の熱で加熱され、また定着ニップ部Nの加圧力で加圧されることで転写材S上の4色のトナー像が転写材S上に固着画像として定着(溶融混色)される。定着ニップ部Nを出た転写材Sは定着ベルト103の面から曲率分離し、排送ローラ対13によって排出ガイド15に沿って搬送され、排出ローラ対9によって画像形成装置A上部のフェースダウン排出トレー10に排出され、画像形成を完了する。
(3)定着ベルト103
可撓性を有するスリーブ状の回転体である定着ベルト103は、少なくとも一層の金属層を含む。本例における定着ベルト103は、金属製の基層上に弾性層、離型性層を形成してなる。図7に、本参考例1で使用した定着ベルト103の層構成を示す断面模型図を示す。
定着ベルト103は、SUSの素管を引き抜き加工により、厚さ34μmの厚みのシームレスベルト状に形成したSUSベルト(基層)103a上に、シリコーンゴム層(弾性層)103bを、リングコート法により形成した。その上に、離型性層103cとして、厚み30μmのPFA樹脂チューブを被覆してなる。シリコーンゴム層103bには、極力熱伝導率の高い材質を用い、定着ベルト103の熱容量を小さくすることが、温度立上げの観点からは望ましい。本実施例においては、熱伝導率が約1.0×10−3cal/sec・cm・Kと、シリコーンゴムとしては、熱伝導率が高い部類に属する材質を用いた。
一方、OHT透過性や、画像上の「す」(微小なグロスムラ)といった、画質の観点からは、定着ベルト103のシリコーンゴム層103bを極力厚くすることが望ましい。本発明者らの検討によれば、満足のいくレベルの画質を得るためには、200μm以上のゴム厚みが必要であることが分かっている。
本参考例1におけるシリコーンゴム層103bは、厚み275μmとした。また、本実施例における定着ベルト103の内径はφ24mmとした。
さらに、定着ベルト103表面にフッ素樹脂層を設けることで、表面の離型性を向上し、定着ベルト103表面にトナーが一旦付着し、再度転写材Sに移動することで発生するオフセット現象を防止することができる。
また、定着ベルト103表面の離型性層103cを、PFAチューブとすることで、より簡便に、均一な離型性層を形成することが可能となる。
(4)定着フランジ108、端部ホルダー109
図8は、定着ベルト103を取り外した加熱アセンブリと加圧ローラとの外観斜視図、図9は定着ベルト103を取り外した加熱アセンブリの一端部側の分解斜視図である。図10は一端部側の定着フランジ108と端部ホルダー109の斜視図、図11は定着フランジ108と端部ホルダー109の内面側の図である。
定着フランジ108は、定着ベルト103の端部のラジアル方向を外周面側から、スラスト方向を側面(端面)から回転支持する定着ベルト支持部材としての環状短筒状部材である。
端部ホルダー109はボス部109bにおいて上記の定着フランジ108の内周面を回転自由に支持するともに、定着フランジ108のスラスト方向の動きを規制している。すなわち、端部ホルダー109は定着フランジ108の内周面を回転支持するボス部109bと、定着フランジ108を介して定着ベルト103のスラスト方向端部を規制する定着ベルト端部規制面109cを設けた規制部材として機能している。
図11に示すように、定着フランジ108は、定着ベルト103の外径より大きな内径φ26を持ち、加圧ローラ104により変形を受けた定着ベルト103が定着フランジ108に内接することで摩擦力を生じる。そして、定着ベルト103と定着フランジ108が共に回転することにより、定着ベルト103の端面の摺擦を防止する構成をとっている。
また本参考例1においては、端部ホルダー109の定着フランジ108との摺擦面(定着ベルト端部規制面)109cは、下記のようにテーパαが設けられている。即ち、図4と図12に示すように、定着ニップ部Nから遠い部分は定着ベルト103に近づく方向に、定着ニップ部Nに近い部分は定着ベルト103から遠ざかる方向にテーパαが設けられている。
更に端部ホルダー109の摺擦面109cと定着フランジ108は、定着ベルト103外周より外側で接触するように構成されている。そのため、定着ベルト103が長手方向に寄ったときには、定着フランジ108は定着ベルト103に押され、図12に示すように端部ホルダー109の摺擦面109cに沿う。
即ち、端部ホルダー109の定着ベルト端部規制面109cと定着フランジ108は、定着ベルト端部(回転体端部)において、定着ニップ部Nのニップラインに平行な直線で定着ベルト周長(回転体周長)を略2等分した際、定着ニップ部N側では当接しない。定着ニップ部Nに対向する領域の一部で、かつ定着ベルト103の外周(回転体外周)より外側でのみ当接する。定着ベルト103がスラスト方向に寄ったときに、定着ベルト103により定着フランジ108が2点鎖線示から実線示のように傾斜し、定着ベルト103端部は定着ニップ部Nに対向する側でのみスラスト方向を規制される。
その結果、定着ベルト103と定着フランジ108は、定着ニップ部Nから遠く柔軟性がある部分(接触点113)でのみ接触している。そのため、寄り力によって規制面108aに定着ベルト端部が突き当たった場合においても定着ベルト端部には大きなストレスが加えられることはない。またニップ形成により変形する領域(図13の斜線領域β)においても定着ベルト103に摺擦力が働かないので、定着ベルト端部に存在する微小クラックを拡大することなく、寿命を向上させることができる。
また、定着ベルト端部において、定着ニップ部Nのニップラインに平行な直線で定着ベルト周長を略2等分した際、定着ニップ部Nに対向する側の定着ベルト端部規制面は、少なくとも定着ベルト外周より外側にも配設する。また、端部ホルダー109の定着ベルト端部規制面109cと、定着ベルト103のスラスト方向端部との間隙に関して、定着ニップ部Nに対向する領域内からニップ方向に向かって間隙を徐々に大きくする。これによって、定着ベルト端部と定着フランジ108の当接部を定着ニップ部Nに対して遠い側のみに設けることができる。そして、定着ベルト103のスラスト方向をより柔軟性の高い定着ベルト端部で規制し、組み付け公差等で規制部材が傾いた場合においても、定着ニップ部N近傍で定着ベルト端部が規制面に局部的に突き当たることがなくなる。又加圧ローラ104により変形を受けるニップ近傍で、定着フランジ108に当接することがないので、定着ベルト103は半径方向の摺擦を受けることがない。従って、定着ベルト端部破損に対するマージンを確保できる。
なお、加熱アセンブリ100の他端側の定着フランジ108、端部ホルダー109も上記と同様の構成・作用のものとしてある。定着ベルト103を常に長手一方端側に寄り移動するようにした場合には上記の定着フランジ108は定着ベルト103の寄り側のみに配設して、他方端側には設けない装置構成にすることもできる。
[実施例1]
(1)画像形成装置例
図14は本発明の実施例の像加熱装置を定着装置として用いた画像形成装置例の概略構成図である。本例の画像形成装置は電子写真プロセスを用いた、モノクロのレーザービームプリンターである。
1は所定の周速度で回転される電子写真感光体(以下ドラムと記す)である。ドラム1は回転過程で一次帯電器2により正または負の所定電位に均一帯電を受け、次いでレーザースキャナ3によるレーザー走査露光Lで目的画像情報の走査書き込みを受ける。これによりドラム1上に静電潜像が形成される。潜像の形成されたドラム1面は、現像装置4によりトナーTの供給をうけてトナー画像として顕像化される。
給紙カセット20に積載された記録材たる転写紙Pは給紙ローラ21と分離パッド22により1枚ずつ分離されてレジストローラ対23にむけて給送される。次いでトナー画像は転写ローラ24の位置を通過する過程で、この転写ローラ24とドラム1との間にレジストローラ対23でタイミングをとって送られた転写紙P面に順次転写されていく。
ドラム1から転写紙P面への転写は、転写ローラ24により転写紙P面の裏側にトナー画像の荷電極性と逆極性の帯電がなされることにより行なわれる。次いで転写紙Pは、転写ローラ24と逆極性の電圧を印加した除電針25で除電され、ドラム1から分離し、定着装置8へ搬送される。
定着装置8では転写紙P面上のトナーTが加熱溶融され、固着像として転写紙P面に定着される。
(2)定着装置8
図15に本実施例における定着装置の正面図の一部を示す。可撓性を有するスリーブ状回転体としての、エンドレスベルト状(円筒状)の定着フィルム203は耐熱性、トナー離形性、強靭性を有する単層定着フィルムあるいは所望の表面処理やラミネート処理をした複合層フィルムである。例えば耐熱処理をした約50μmのポリエステル(PET)やポリイミド(PI)、あるいはSUS等を薄膜処理した金属製スリーブを基層とし、その表面にPTFEやPFA等で離形層付与処理した複合層フィルムなどである。
この定着フィルム203はフィルムガイド201(図14)にルーズに懸回されており、少なくとも停止時は定着ニップ部Nを除いて張力が働かない。
加圧ローラ204は不図示の駆動源によりギアGを介して駆動され、定着フィルム203は定着ニップ部Nにおける加圧ローラ204との摩擦力のみで回転走行する。
定着フィルム203の内面を長手方向全域にわたってガイドするフィルムガイド部材201と当接したヒーター(セラミックヒーター)200と加圧ローラ204は定着フィルム203を挟んで定着ニップ部Nを形成している。即ち、加圧バネ205により所定の当接圧(例えばA4幅で総圧10〜15kgf)をもって互いに圧接状態にして定着ニップ部Nを形成している。ヒーター200の表面には蒸着、スパッタリング、CVD、スクリーン印刷等で形成されたTaSiO、銀パラジウム、TaN、RuO、ニクロム等の線上または細帯状の薄膜発熱抵抗部がある。
また、定着フィルム203のスラスト方向両端には、定着フィルム203の回転方向軌道およびスラスト方向端部を規制する端部ホルダー202が嵌合されている。端部ホルダー202の外周面である202aと定着フィルム203の内周面とを摺動させることによって定着フィルム203の回転方向軌道を規制している。フィルム端部規制面202bは定着フィルム203がスラスト方向(圧接ニップ部の長手方向)に寄った場合でも上記フィルム端部規制面202bに突き当たることによってフィルム端部を規制している。
ここで本実施例においては、端部ホルダー202上の定着フィルム端部規制面202bを、定着フィルム203の定着ニップ部N側203a(図15における定着フィルム203の下側)の範囲には設けない。そして、その反対側203bに相当する範囲にのみ設けていることを特徴とする。また図15に示すように、定着フィルム端部規制面202bの定着フィルム回転方向形状について、定着フィルム203のスラスト方向端部と前記端部規制面202bとの間隙は、定着ニップ部Nの反対面側で最も小さい。その位置から上下流方向に向けて徐々に大きくさせるようなR形状を形成している。即ち、端部ホルダー202の定着フィルム203の端部が突き当たる規制面202bは定着ニップ部Nの面と平行な仮想面で定着フィルム203を二等分した際の定着ニップ部Nから遠いほうの領域に対向する領域のみに設けられている。規制面202bは定着ニップ部Nに近くなるに連れて定着フィルム203の端部から離れるようにR形状となっている。
本実施例の構成によると、称呼の組付け状態のとき、定着フィルム203がスラスト方向に寄った場合に定着フィルム203端部が突き当たる箇所は、寄り規制面202bの頂点部A、即ちニップNから最も離れた位置でフィルム203の寄りを規制する。
図16に、組付け公差によって端部ホルダー202が外側に傾いた状態において、定着フィルム203の寄りが発生した場合の状態を示す。
定着フィルムの寄りは諸部材(特にヒーター200、加圧ローラ204)の位置・寸法精度がでていなかった場合に起こる。また、ヒーター幅方向で温度分布が生じたりして定着フィルム203の搬送力が幅方向で均一でない場合および定着フィルムの単品精度(膜厚、円筒度等)がでていない場合に起こる。
ここで発生する寄り力によって、定着フィルム203はスラスト方向に徐々に移動し、端部ホルダー202の規制面202bに突き当たる。
従来の端部ホルダーにおいては、フィルム端部規制面202bが外側へ傾いている場合に定着ニップ部N側(203a側)で突き当たっていた。しかし、本実施例では前記端部規制面202bを定着ニップ部Nの反対側(203b側)のみに設けている。そのため、たとえ規制面202bが外側へ傾いている場合においても定着フィルム203の端部が203a側で突き当たることがなくなる。更には規制面202bの回転方向形状をR形状にしていることにより、従来のような局所的な突き当て力を分散することができる。
先に述べたようにフィルム端部破損の主要因は、フィルムを挟みこんでいるニップ部近傍ではフィルム自身の柔軟性が失われやすく、そのような部分で端部ホルダーの規制面に局部的に突き当たってフィルム端部に強いストレスが加わってしまうことである。
本実施例の構成によれば、フィルムの柔軟性があるニップ最遠部付近でフィルム端部を規制している。そのため、寄り力によって規制面にフィルム端部が突き当たった場合においてもフィルム端部には大きなストレスが加えられることなく、フィルム端部破損に対して大きなマージンを確保することが可能となる。
[参考例2]
この参考例2は、定着フィルムのスラスト方向規制手段である端部ホルダーを、定着フィルムの外周面規制タイプとしたものである。記述以外の構成は、前述の参考例1・実施例1と同じ構成として、再度の説明を省略する。
図17に、本参考例2における定着装置の端部ホルダー402と定着フィルム403の概観図を示す。(a)において端部ホルダー402の正面図を示す。(b)にその断面図と定着フィルム403の端部を示す。(b)に示すように、定着フィルム403の端部外周面には端部ホルダーの内周面402aと接触する部位(幅D)を有する。
端部ホルダー402はPPS、液晶ポリマー、フェノール樹脂等の耐熱樹脂より形成されており、定着フィルム403の端部外周面Dが挿入可能な、内径Lcを有する挿入部402aを有する。すなわち、定着フィルム403のD部は端部ホルダー402の内径Lcを有する挿入部402aに挿入され、定着フィルム403の端面は端部ホルダー402のスラスト規制面402bに突き当たる。
挿入部402aは、3〜7°程度のテーパ402Tを有している。このテーパ402Tによって定着フィルム403の最端部が、突き当て部402bによってスラスト方向の規制がなされる。即ち、常に挿入部402aをつたって、定着フィルム403の中心方向に向かう力を受けながら、ラッパ状になる事による、定着フィルム403端部の引き裂き力を受けないように、突き当て部402bによってスラスト方向の規制がなされる。
このように、端部ホルダー402の挿入部402aに、テーパ402Tを設ける事によって、定着フィルム403の端部破壊を防止できる。
また、端部ホルダー402の内側には、Lsを径に持つ規制部位402cが設けられている。この規制部位402cは、ヒーターホルダー(不図示)の外径Lgよりも大きい径Lsに設定されている。規制部位402cの径Lsは、回転駆動中、定着フィルム403の内周側が接触しない。また、定着フィルム403が何らかの外力によってこの定着フィルム変形規制部位402cに当接しても、定着フィルム403が破損、または永久変形をおこさない径に設定してある。なお、上記径の関係については、Lc>Ls>Lgとなっている。
ここで本参考例2においては、端部ホルダー402上のフィルム端部スラスト規制面402bを、定着フィルム403の定着ニップ部(N)側の範囲には設けず、その反対側に相当する範囲にのみ設けていることを特徴とする。図18に示すように、端部ホルダー402は0〜5°程度の角度δを有して配設されており、この角度を持つことによりスラスト規制面402bを定着ニップ部(N)に対向する側にのみ設ける事が出来る。なお、この角度δはスラスト規制面402bのみを傾けても実現可能である。
本参考例2の構成によると、称呼の組付け状態のとき、定着フィルム403がスラスト方向に寄った場合に定着フィルム403端部が突き当たる箇所は、定着ニップ部(N)から最も離れた位置となる。この位置で定着フィルム403の寄りを規制することになる。
先に述べたように定着フィルム端部破損の主要因は、定着フィルムを挟みこんでいる定着ニップ部(N)近傍では定着フィルム自身の柔軟性が失われやすい。そのような部分で端部ホルダーの規制面に局部的に突き当たって定着フィルム端部に強いストレスが加わってしまうことである。
本参考例2の構成によれば、定着フィルムの柔軟性がある定着ニップ部(N)最遠部付近で定着フィルム端部を規制している。そのため、寄り力によって規制面に定着フィルム端部が突き当たった場合においても定着フィルム端部には大きなストレスが加えられることなく、定着フィルム端部破損に対して大きなマージンを確保することが可能となる。
なお、本参考例2のような定着フィルムのスラスト方向規制手段である端部ホルダーを、定着フィルムの外周面規制タイプとしたものは、参考例1の図15において、定着フィルムを内周規制から外周規制にしたものにしても、適用可能である。
以上、本発明の実施例を説明したが、本発明は実施例にとらわれるものではなく技術思想内でのあらゆる変形が可能である。
1)本発明の像加熱装置は、実施例の画像加熱定着装置としての使用に限られず、未定着画像を記録材に仮定させる仮定着装置、定着画像を担持した記録材を再加熱してつや等の画像表面性を改質する表面改質装置等としても使用できる。
2)加熱手段は実施例のセラミックヒーターに限られない。たとえば、ニクロム線等を用いた接触加熱体等や、鉄板片等の電磁誘導発熱性部材等であってもよい。
1‥‥感光体ドラム
2‥‥感光体ドラム帯電ローラ
3‥‥露光手段
4‥‥現像装置(現像ロータリー)
5‥‥中間転写体ユニット
5a‥‥参考例1に係る中間転写ベルト
5f‥‥参考例1に係るクリーニング帯電ローラ
5j‥‥参考例1に係る1次転写ローラ
6‥‥参考例1に係るクリーニングブレード
7d‥‥参考例1に係るレジストローラ対
8‥‥定着装置
9‥‥参考例1に係る排出ローラ
10‥‥参考例1に係る排紙トレー
11‥‥参考例1に係る二次転写ローラ
13‥‥参考例1に係る排紙ローラ対
14‥‥参考例1に係るレジセンサ
15‥‥参考例1に係る排紙ガイド
16‥‥参考例1に係る廃トナーボックス
19‥‥参考例1に係る給紙カセット
20‥‥実施例1に係る給紙カセット
21‥‥実施例1に係る給紙ローラ
22‥‥実施例1に係る分離パッド
23‥‥実施例1に係るレジストローラ対
24‥‥実施例1に係る転写ローラ
25‥‥実施例1に係る除電針
26‥‥実施例1に係る加熱装置
40‥‥参考例1に係るベルト駆動ローラ
41‥‥参考例1に係るベルト従動ローラ
H‥‥参考例1に係るヒーター
101‥‥参考例1に係るヒーターホルダー
TH‥‥参考例1に係るサーミスタ
103‥‥参考例1に係る定着ベルト
104‥‥参考例1に係る加圧ローラ
105‥‥参考例1に係る入り口ガイド
106‥‥参考例1に係るCPU
107‥‥参考例1に係るフレーム
108‥‥参考例1に係る定着フランジ
109‥‥参考例1に係る端部ホルダー
110‥‥参考例1に係る定着ステー
111‥‥参考例1に係る加圧バネ
112‥‥参考例1に係る加圧板
113‥‥参考例1に係る定着ベルトと定着フランジの接触点

202‥‥実施例1に係る端部ホルダー
203‥‥実施例1に係る定着フィルム
204‥‥実施例1に係る加圧ローラ
205‥‥実施例1に係る加圧バネ
300‥‥従来例に係る定着フランジ
301‥‥従来例に係る定着ベルト
302‥‥従来例に係る加圧ローラ
303‥‥従来例に係る定着フランジ
402‥‥参考例2に係る端部ホルダー
403‥‥参考例2に係る定着フィルム

Claims (1)

  1. 可撓性を有するスリーブ状の回転体と、前記回転体の内面に接触するヒーターと、前記回転体を介して前記ヒーターと共に圧接ニップ部を形成する加圧ローラと、前記圧接ニップ部の長手方向に関して前記回転体の端部に対向して設けられており前記回転体の前記長手方向への寄りを規制する規制部材と、を有し、前記圧接ニップ部で画像を担持する記録材を挟持搬送しつつ加熱する像加熱装置において、
    前記規制部材の前記回転体の端部が突き当たる規制面は前記圧接ニップ部の面と平行な仮想面で前記回転体を二等分した際の前記圧接ニップ部から遠いほうの領域に対向する領域のみに設けられており、前記規制面は前記圧接ニップ部に近くなるに連れて前記回転体の端部から離れるようにR形状となっていることを特徴とする像加熱装置。
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