以下、本発明の望遠鏡、望遠鏡本体およびアイピースを添付図面に示す好適な実施形態に基づいて詳細に説明する。
図1は、本発明の望遠鏡本体を地上望遠鏡本体に適用した場合の実施形態を示す斜め前方から見た斜視図、図2は、図1に示す地上望遠鏡本体を斜め後方から見た斜視図、図3は、図1に示す地上望遠鏡本体の断面側面図、図4は、本発明の地上望遠鏡の光学系を示す斜視図、図5は、プリズムユニットを図3と反対側から見た側面図、図6は、図1に示す地上望遠鏡本体と本発明のズーム式のアイピースとを組み合わせてなる本発明の地上望遠鏡のブロック図、図7および図8は、それぞれ、本発明の単焦点のアイピースの実施形態を示す斜視図およびブロック図である。
図1に示すように、地上望遠鏡本体(スポッティングスコープ本体)1は、対物光学系11を内蔵した鏡筒12と、鏡筒12の基端側に設けられた筐体13とを有している。筐体13の正面側上方には、ピント操作部材としてのピントリング32が回転可能に設置されている。
図2に示すように、筐体13の背面側には、アイピース取付口14と、ディスプレイ15と、各種の操作スイッチ類(入力手段、操作手段)4とが設置されている。
アイピース取付口14は、円筒状をなし、筐体13から突出するように設置されている。このアイピース取付口14には、単焦点(固定焦点)の接眼光学系21を内蔵したアイピース2や、ズーム式の接眼光学系21を内蔵したズームアイピース2Aを着脱自在に装着することができる。
地上望遠鏡本体1と、アイピース2またはズームアイピース2Aとで、本発明の地上望遠鏡(スポッティングスコープ)10が構成される。地上望遠鏡10は、例えば野鳥観察などの目的に好適に用いることができる。
このような地上望遠鏡本体1は、単焦点のアイピース2を使用する場合には焦点距離の異なる他のアイピース2に交換することによって、またズームアイピース2Aを使用する場合にはこれをズーミングすることによって、観察倍率を変えることができる。
アイピース取付口14には、装着されたアイピース2またはズームアイピース2Aに対する通信ライン70および電源ライン71を接続するための電気接点(入力手段)141が設けられている。
図示の構成では、アイピース取付口14に装着されたアイピース2の光軸が対物光学系11の光軸に対し上向きに所定角度傾斜するアングルタイプの地上望遠鏡となっているが、これに限らず、本発明は、両者が平行とされたストレートタイプのものにも適用することができる。
ディスプレイ(画像表示部)15は、例えば液晶表示装置、有機EL(Electro Luminescence)表示装置などで構成することができる。このディスプレイ15には、メニュー画面、各種モードの設定画面や、後述するCCD(Charge Coupled Device)撮像素子16で撮影した画像などを表示することができる。
さらに、ディスプレイ15には、後述するように、アイピース2またはズームアイピース2Aを覗いて観察する観察視野の範囲と、CCD撮像素子16で撮影される撮影写野の範囲との関係を幾何学的に示す関係表示画像を表示することもできる。
本実施形態では、ディスプレイ15は、アイピース取付口14の左側の近傍に配置されている。これにより、アイピースを右目で覗いた姿勢で左目でディスプレイ15を視認可能になっている。このため、アイピースを覗いて観察しながら、ディスプレイ15に表示される関係表示画像を同時に確認することができ、優れた操作性が得られる。
操作スイッチ類4としては、電源のON/OFFを切り替えるメインスイッチ41と、レリーズボタン42と、メニューキー43と、ディスプレイ15のON/OFFを切り替えるディスプレイキー44と、ディスプレイ15に表示されるカーソル等を移動させる上方向キー451、下方向キー452、左方向キー453および右方向キー454からなる4方向キー45と、選択した内容を確定するOKボタン46とが設けられている。
図3に示すように、鏡筒12の先端付近には、対物光学系11が設置されている。また、筐体13内には、フォーカスレンズ(焦点調節レンズ)31が対物光学系11と同軸上に設置されている。フォーカスレンズ31は、ピントリング32を回転操作することによって光軸方向に移動し、これによりピント合わせを行うことができる。ピントリング32の回転運動をフォーカスレンズ31の直進運動に変換するフォーカスレンズ移動機構33(図示せず)としては、例えば円筒カム機構や送りねじ機構などを用いることができる。フォーカスレンズ31と、ピントリング32と、フォーカスレンズ移動機構33とで、合焦手段3が構成される。
筐体13内におけるフォーカスレンズ31の後方には、プリズムユニット5が設置されている。プリズムユニット5は、第1の直角プリズム51と、第2の直角プリズム52と、第3の直角プリズム53と、第4の直角プリズム54と、プリズム55とを有している。
第1の直角プリズム51の短辺側の面と第2の直角プリズム52の長辺側の面とは接合されており、この接合面がビームスプリッター56を構成している。また、図4に示すように、プリズム55には、接眼光学系21(アイピース取付口14)へ向かう光が出射する出射面551が設けられている。
図3に示すように、対物光学系11およびフォーカスレンズ31を経た光は、まず、第1の直角プリズム51へ入射する。この光の光路L1は、ビームスプリッター56にて、接眼光学系21へ向かう第1光路L2と、CCD撮像素子16へ向かう第2光路L3とに分岐する。
接眼光学系21へ向かう第1光路L2は、ビームスプリッター56での反射と、第1の直角プリズム51の他方の短辺側の面での反射とにより、180°向きが変わる。図5に示すように、第1光路L2は、第3の直角プリズム53にて2回反射して再度180°向きが変わり、さらにプリズム55にて2回反射することにより上向きに傾斜し、出射面551より出射して接眼光学系21へ向かうように構成されている。
第1の直角プリズム51と第3の直角プリズム53とは、正立光学系(ポロプリズム)を構成する。これにより、アイピース2またはズームアイピース2Aにおいて正立像を観察することができる。
図3に示すように、CCD撮像素子16へ向かう第2光路L3は、ビームスプリッター56を透過して第4の直角プリズム54内へ進み、第4の直角プリズム54にて2回反射することにより180°向きが変わって前方へ進む。
筐体13内には、さらに、CCD撮像素子16と、光学フィルターユニット17と、縮小光学系18とが設置されている。
CCD撮像素子16は、第2光路L3に沿って進んだ光を受光する位置に配置されており、対物光学系11およびフォーカスレンズ31により形成された被写体像を撮像可能になっている。これにより、地上望遠鏡10では、アイピース2またはズームアイピース2Aでの観察しているものを同時にCCD撮像素子16によって撮影することができる。なお、撮像素子としては、CCD撮像素子16に限らず、例えばCMOSセンサー等を用いてもよい。
光学フィルターユニット17は、CCD撮像素子16の受光面側に重ねて設置されている。この光学フィルターユニット17は、光学ローパスフィルターと、赤外線カットフィルターとが積層されてなるものである。光学ローパスフィルターは、被写体光の空間周波数の中から、CCD撮像素子16の画素間隔で決まる標本化空間周波数に近い空間周波数成分を低減させるものである。光学ローパスフィルターを設けたことにより、偽色(モアレ)が生じるのを防止することができる。
また、赤外線カットフィルターは、赤外波長成分を除去するものである。赤外線カットフィルターを設置したことにより、CCD撮像素子16が人間の目に見えない赤外光を受光してしまうのを防止することができる。
第4の直角プリズム54と、CCD撮像素子16および光学フィルターユニット17との間には、縮小光学系18が設置されている。フォーカスレンズ31からの、第2光路L3を通った光束は、縮小光学系18によってCCD撮像素子16のサイズに合うように縮小され、CCD撮像素子16の受光面上に結像する。
以上説明したように、地上望遠鏡本体1では、対物光学系11を含む対物光学系11からCCD撮像素子16の受光面までの間に配置された光学系全系、すなわち、対物光学系11、フォーカスレンズ31、ビームスプリッター56、縮小光学系18および光学フィルターユニット17によって、CCD撮像素子16に対する撮影光学系が構成される。
この撮影光学系の焦点距離は、35mmフィルム判換算で800mm以上であるのが好ましい。ここで、35mmフィルム判換算の焦点距離とは、CCD撮像素子16の有効受光面を35mm銀塩フィルムカメラのフィルム露光面(36mm×24mm)の面積に拡大したとき、その拡大受光面に同じ画角で被写体像を結像させるような焦点距離を言う。
また、この撮影光学系の焦点距離の上限は特にないが、実際に実用されると想定される本発明の望遠鏡における撮影光学系の焦点距離としては、35mmフィルム判換算で20000mm以下程度である。
縮小光学系18は、その光軸方向へ移動可能に設置されており、レンズ駆動機構19の駆動により縮小光学系18が光軸方向へ移動するように構成されている(図6参照)。本実施形態におけるレンズ駆動機構19は、その詳細な図示を省略するが、送りねじとこれを回転させるステッピングモータとを用いて縮小光学系18を直進駆動する構造になっている。
縮小光学系18が光軸方向に移動すると、対物光学系11およびフォーカスレンズ31を介して形成される被写体像の結像位置がCCD撮像素子16の受光面に対して光軸方向に移動する。すなわち、縮小光学系18は、CCD撮像素子16の受光面上における被写体像の合焦状態を調節するCCD撮像素子16用の焦点調節光学系として機能する。
レンズ駆動機構19は、縮小光学系駆動コントローラ(制御手段)68の制御に基づいて作動し、被写体像の結像位置を光軸方向に相対的に移動させてCCD撮像素子16の受光面に対し位置合わせするフォーカス駆動手段として機能する。
なお、フォーカス駆動手段としては、上記の構成に限らず、CCD撮像素子16を光軸方向に移動することによって被写体像の結像位置をCCD撮像素子16の受光面に対し相対的に移動させるように構成されたものでもよい。本実施形態においては、構成の簡単化を優先し、縮小光学系18を移動させて焦点調節を行うようにしている。また、本発明では、このようなフォーカス駆動手段が省略されていても良い。
縮小光学系18に対しては、縮小光学系18が基準位置Psにあるのを検出する位置センサ69が設けられている。位置センサ69の出力信号は、縮小光学系駆動コントローラ68に入力される。縮小光学系18が基準位置Psにあるとき、CCD撮像素子16の受光面は、視野枠20(予定焦点位置)と光学的に等価な位置に位置する。
図6に示すように、地上望遠鏡本体1は、電気的回路構成として、ボディCPU(Central Processing Unit)60と、DSP(Digital Signal Processor)61と、記憶手段としてのSDRAM(Synchronous Dynamic Random Access Memory)62と、撮像信号処理回路63と、タイミングジェネレータ64と、メモリインターフェース66と、記憶手段としてのEEPROM(Electrically Erasable Programmable Read-Only Memory)67と、アイピースの装着状態を検出する検出スイッチ72とを有している。また、筐体13内には、メモリーカード(記録媒体)100を装填可能なスロット(図示せず)が設けられている。
ボディCPU60は、予め記憶されたプログラムや操作スイッチ類4からの入力信号に基づいて地上望遠鏡10を統括的に制御する制御手段であり、撮影制御、縮小光学系駆動コントローラ68に対する制御等の各種動作制御を行う。また、ボディCPU60は、後述する関係表示画像の画像データを生成する画像生成手段としても機能する。
検出スイッチ72は、アイピース取付口14に設置されており、アイピース取付口14にアイピース2またはズームアイピース2Aが装着されたときにオンするスイッチである。検出スイッチ72の出力信号は、ボディCPU60に入力される。これにより、ボディCPU60は、アイピース取付口14にアイピース2またはズームアイピース2Aが装着されているか否かを検出することができる。
DSP61は、CCD撮像素子16の駆動制御およびCCD撮像素子16からの画素信号から画像データを生成したり、画像データの圧縮処理やメモリーカード100への画像データ記録処理など、画像処理および画像記録の処理動作を統括して制御する制御手段として機能したりするプロセッサであり、ボディCPU60と接続され相互に通信して制御の連携が可能な構成となっている。
SDRAM62には、画像データ生成等の作業を行う作業領域や、ディスプレイ15用領域等が予め定められている。
タイミングジェネレータ64は、DSP61の制御に基づき、CCD撮像素子16、撮像信号処理回路63および縮小光学系駆動コントローラ68に対してサンプルパルスなどを出力し、これらの動作制御を行う。
EEPROM67には、対物光学系11を含む対物光学系11からCCD撮像素子16の受光面までの間に配置された光学系全系で構成される撮影光学系の垂直画角(以下、単に「垂直画角」と言う)の値θh[°]を示すデータと、対物光学系11の焦点距離の値fb[mm]を示すデータとが記憶(格納)されている。
撮影光学系の垂直画角θhとは、図9に示すように、撮影写野200の短辺方向の撮影画角のことである。なお、図9中に示す撮影光学系の水平画角θw[°]は、撮影写野200の長辺方向の撮影画角のことであり、θw>θhである。また、撮影光学系の対角画角をθd[°]とすると、θd>θwである。
次に、単焦点のアイピース2の構成について説明する。図8に示すように、本実施形態のアイピース2の接眼光学系21は、対物側から順に第1群211、第2群212および第3群213の3つのレンズ群で構成されている。これらの各レンズ群はいずれも固定されており、よって、アイピース2の接眼光学系21は、焦点距離が固定されたものとなっている。
同図に示すように、このアイピース2は、電気的回路構成として、アイピースCPU22と、記憶手段としてのROM(Read-Only Memory)23とを有している。
図7に示すように、アイピース2には、アイピース取付口14の電気接点141に対応する電気接点24が設けられている。アイピース2がアイピース取付口14に装着された状態では、両者の電気接点141および24が接触することにより、アイピースCPU22と地上望遠鏡本体1側のボディCPU60とが通信ライン70および電源ライン71を介して接続される。
アイピースCPU22は、電源ライン71を介して地上望遠鏡本体1から供給される電力により作動する。また、アイピースCPU22は、通信ライン71を介してボディCPU60と接続され、相互に通信して制御の連携が可能な構成となっている。
ROM23には、このアイピース2の接眼光学系21の焦点距離の値fA[mm]を示すデータと、見掛け視界の値θA[°]を示すデータとが記憶(格納)されている。
地上望遠鏡本体1に対しては、焦点距離fAの異なる複数のアイピース2が用意されており、そのうちの一つを選択してアイピース取付口14に装着して使用する。そして、アイピース2を焦点距離の異なるものに交換することにより、観察倍率を変えることができる。
次に、ズームアイピース2Aについて説明するが、単焦点のアイピース2との相違点を中心に説明し、同様の事項についてはその説明を省略する。
図6に示すように、ズームアイピース2Aの接眼光学系21では、第3群213は固定的に設置されているが、第1群211および第2群212は、光軸方向に移動可能になっており、ズーム光学系を構成している。ズームアイピース2Aが備えるズーム操作環(ズーム操作部材)214を回転させると、第1群211と第2群212とが互いの間隔を変えながら光軸方向に移動することにより、焦点距離が連続的に変化し、ズーミングがなされる。
なお、詳細な図示は省略するが、ズーム操作環214の回転運動は、公知の例えば円筒カム機構により第1群211および第2群212の光軸方向運動に変換されるように構成されている。
また、ズームアイピース2Aの外観図は省略するが、ズームアイピース2Aには、アイピース2Aと同様に、電気接点24が設けられている。
ズームアイピース2Aは、さらに、電気的回路構成として、アイピースCPU22と、ROM23と、接眼光学系21のズーミング量を検出するズームエンコーダ26とを有している。
ズームエンコーダ26は、ズームアイピース2Aの鏡筒内に固定されたパターン接点と、ズーム操作環214に固定されたブラシとを有しており、ズーム操作環214が手動操作されると、このブラシがパターン接点上を摺動することにより、ズーミング量に応じた信号をアイピースCPU22へ出力する。
ズームアイピース2AのROM23には、ズーミング量とこのズーミング量に応じて変化する接眼光学系21の焦点距離および見掛け視界との対応関係を示すテーブルまたは演算式が記憶(格納)されている。アイピースCPU22は、このテーブルまたは演算式とズームエンコーダ26の出力信号とに基づいて、そのときのズーミング状態における接眼光学系21の焦点距離の値fA[mm]を示すデータと、見掛け視界の値θA[°]を示すデータとを算出し、出力することができる。
以上、地上望遠鏡本体1とアイピース2またはズームアイピース2Aとで構成される地上望遠鏡10の構成について説明した。このような地上望遠鏡10の使用者は、アイピース2またはズームアイピース2Aの接眼光学系21を介して観察を行う際、観察対象物までの距離に応じてピントリング32を操作することにより、観察像のピントを合わせることができる。このとき、観察像の結像位置(空中像)が視野枠20の位置に来たときに、観察像のピントが合うと認識できるように設計されている。別言すると、使用者は、視野枠20の位置(予定焦点位置)に形成される像が明瞭に見えるように、ピントリング32を回してピント合わせを行うように設計されている。
そして、使用者は、撮影・記録しておきたい観察像に出会った場合、レリーズボタン42を操作して撮影を行うことにより、それを撮影・記録することができる。
このような地上望遠鏡10では、前述したように、単焦点のアイピース2を用いる場合には焦点距離fAの異なる他のアイピース2に交換することによって、また、ズームアイピース2Aを用いる場合にはズーム操作環214を回転させてズーミングすることによって、観察倍率を変えることができる。
観察倍率を大きくすると実視界が小さくなって観察視野の範囲が狭くなり、逆に観察倍率を小さくすると実視界が大きくなって観察視野の範囲が大きくなるが、CCD撮像素子16での撮影画角は観察倍率によらず一定であるので、CCD撮像素子16によって撮影される撮影写野の範囲は一定である。このため、観察視野の範囲と撮影写野の範囲との関係が使用者にとって理解しづらいという問題が生じる。
このような問題に鑑み、本発明の地上望遠鏡10では、観察視野の範囲と撮影写野の範囲との関係を幾何学的に示す関係表示画像をディスプレイ15に表示するようにした。使用者は、この関係表示画像を見ることにより、観察視野の範囲と撮影写野の範囲との関係を容易かつ確実に理解することができる。
以下、上述した本発明の特徴点を含め、地上望遠鏡10の制御動作について詳細に説明するが、まず最初に、ズームアイピース2Aを用いる場合について説明する。
図10は、ボディCPU60のメイン制御動作を示すフローチャート、図12は、アイピースCPU22の制御動作を示すフローチャートである。
電源オフ状態からメインスイッチ41が押されてオンすると(図10中のステップS001)、ボディCPU60が起動して各種設定値の読み込みを行った後、図11に示される処理10を行う(ステップS002)。
処理10においては、ボディCPU60は、まず、検出スイッチ72がオンしているか否かを判断する(図11中のステップS101)。検出スイッチ72がオフのときは、ボディCPU60は、アイピース取付口14にアイピースが装着されていない旨の警告をディスプレイ15に表示し(ステップS102)、使用者に対し注意を喚起する。さらに、ボディCPU60は、EEPROM67の、接眼光学系21の焦点距離fAおよび見掛け視界θAのデータの記憶領域をクリアした後(ステップS103)、ステップS101に戻って検出スイッチ72がオンするのを待機する。
ステップS101で検出スイッチ72がオンしていた場合には、ボディCPU60は、アイピースCPU22から焦点距離fAおよび見掛け視界θAのデータを取得するためにアイピースCPU22との通信を試みる(ステップS104)。
一方、アイピースCPU22は、電源ライン71によって地上望遠鏡本体1から電力が供給されると、パワーオンリセットされ、初期化される(図12中のステップS201)。次いで、アイピースCPU22は、ボディCPU60からの通信割り込みを禁止した状態とする(ステップS202)。通信割り込みを禁止する間、アイピースCPU22は、ズームエンコーダ26の出力信号を受け取る(ステップS203)とともに、ROM23に記憶された、焦点距離fAおよび見掛け視界θAとズーミング量との対応関係を示すデータテーブルまたは演算式を検出し(ステップS204)、これらに基づいて、現在のズーミング状態における焦点距離fAと、見掛け視界θAとを算出し、設定する(ステップS205)。
アイピースCPU22は、焦点距離fAおよび見掛け視界θAを算出・設定したら、ボディCPU60からの通信割り込みを許可し(ステップS206)、ボディCPU60からの通信割り込みを待つ(ステップS207)。ボディCPU60から通信割り込みがあった場合には(前記ステップS104)、ボディCPU60とアイピースCPU22とは、通信を行う(図11中のステップS106および図12中のステップS208)。この通信において、アイピースCPU22は、ステップS205で算出した現在のズーミング状態における焦点距離fAおよび見掛け視界θAのデータをボディCPU60へ送信する(図12中のステップS209)。ボディCPU60は、これらのデータを取得し、EEPROM67に記憶する(図11中のステップS107)。
アイピースCPU22は、ステップS208の通信を行った後はステップS202へ戻る。すなわち、アイピースCPU22は、ズーム操作環214が操作されてズーミング状態が変化する度に、そのズーミング状態における焦点距離fAおよび見掛け視界θAを算出し、その後の通信において、現在の状態の焦点距離fAおよび見掛け視界θAのデータをボディCPU60へ送信する。
なお、本発明のズームアイピース2Aやアイピース2以外の汎用のアイピースを使用する場合には、焦点距離fAのデータや見掛け視界θAのデータを記憶するROMがアイピースにないので、上記のアイピース通信が不能である。その場合には、使用するアイピースの情報(焦点距離fAおよび見掛け視界θA)を使用者が地上望遠鏡本体1に入力することができる。以下、この場合の使用者の入力操作およびボディCPU60の制御について説明する。
図25は、アイピース情報を入力する際にディスプレイ15に表示される入力画面を示す図である。
使用者によってメニューキー43が押されると、ボディCPU60は、図示しないオンスクリーンディスプレイ回路を制御して、ディスプレイ15に図25に示すメインメニュー画面91を表示する(図11のステップS601)。このメインメニュー画面91では、使用者は、4方向キー45を上下に操作してカーソル92を上下に動かすことにより、「撮影モード」、「アイピース変更」、「画質」および「サイズ」のうちから設定する項目を選択することができる。「撮影モード」、「画質」または「サイズ」の文字の位置にカーソル92を合わせてOKボタン46を押した場合には、それぞれの項目の設定処理へと進むが(ステップS603)、その説明は省略する。
「アイピース変更」の文字の位置にカーソル92を合わせてOKボタン46を押すと、メインメニュー画面91に代わって図25に示す見掛け視界入力画面93がディスプレイ15に表示される(ステップS604)。
見掛け視界入力画面93には、アイピースの見掛け視界の値θAを表す数値94が表示されており、4方向キー45が上または下に操作されると(ステップS605)、数値94が増大または減少する(ステップS606)。使用者は、地上望遠鏡本体1に装着するアイピースの見掛け視界の値に数値94が一致するように4方向キー45を操作し、一致したらOKボタン46を押して確定する。
ボディCPU60は、OKボタン46が押されるのを待機するが(ステップS607)、OKボタン46が押されずにメニューキー43が押された場合には(ステップS608)、メインメニュー画面91に戻る。
OKボタン46が押された場合には、ボディCPU60は、入力された数値94を見掛け視界の値θAとしてEEPROM67に記憶する(ステップS609)とともに、見掛け視界入力画面93に代わって図25に示す焦点距離入力画面95をディスプレイ15に表示する(ステップS610)。
焦点距離入力画面95には、アイピースの焦点距離の値fAを表す数値96が表示されており、4方向キー45が上または下に操作されると(ステップS611)、数値96が増大または減少する(ステップS612)。使用者は、地上望遠鏡本体1に装着するアイピースの焦点距離の値に数値96が一致するように4方向キー45を操作し、一致したらOKボタン46を押して確定する。
ボディCPU60は、OKボタン46が押されるのを待機するが(ステップS613)、OKボタン46が押されずにメニューキー43が押された場合には(ステップS614)、メインメニュー画面91に戻る。
OKボタン46が押された場合には、ボディCPU60は、入力された数値96を焦点距離の値fAとしてEEPROM67に記憶する(ステップS615)。
ボディCPU60が図11中のステップS104でアイピースとの通信を試みたとき、ROMを有さない汎用のアイピースであった場合には通信不能となる。ステップS104で通信不能であった場合には、ボディCPU60は、アイピース情報(見掛け視界θAおよび焦点距離fA)がEEPROM67に記憶されているか否かを判断し(ステップS105)、記憶されたアイピース情報がある場合には、後述するステップS108へと進む。これにより、前回の使用時に手動でアイピース情報を入力していた場合、次回の使用時に同じアイピースを用いる際には、アイピース情報の再度の入力を省略することができる。
また、ステップS105で、記憶されたアイピース情報がない場合には、ボディCPU60は、ステップS604へ進み、ディスプレイ15に見掛け視界入力画面93を表示する。このように、アイピース通信不能で、かつ既入力のアイピース情報もない場合には、自動的にアイピース情報の入力モードに入ることにより、アイピース情報の入力を使用者に促すことができる。
ステップS107、ステップS615またはステップS105を経て、焦点距離fAおよび見掛け視界θAのデータを取得したボディCPU60は、実視界の値θCを次のようにして算出する(ステップS108)。一般に望遠鏡では、対物光学系焦点距離を接眼光学系焦点距離で除算することにより観察倍率が得られ(観察倍率=対物光学系焦点距離/接眼光学系焦点距離)、見掛け視界を観察倍率で除算することにより実視界が得られる(実視界=見掛け視界/観察倍率)。よって、ボディCPU60は、上述のようにして取得した接眼光学系21の焦点距離fAおよび見掛け視界θAのデータと、EEPROM67に記憶された対物光学系11の焦点距離fbのデータとを利用して、θC=θA×fA/fbなる演算を行うことにより、実視界の値θC[°]を算出する。
この後、ボディCPU60は、算出した実視界の値θCと、EEPROM67に記憶された垂直画角の値θhとを比較し、実視界の値θCが垂直画角の値θhより小さい場合と大きい場合とで場合分けをして、関係表示画像の画像データを生成する。
まず、ボディCPU60は、dθ=θh−θCなる演算を行うことにより、垂直画角θhと実視界θCとの差dθを算出し(ステップS109)、さらにdθ>0であるか否かを判断する(ステップS110)。
dθ>0である場合、すなわち、実視界θCが垂直画角θhより小さい場合には、図13に示される処理11に進む(ステップS111)。
以下の説明では、図14に示すように、ディスプレイ15の画面の横:縦の比が4:3であり、hを自然数としてディスプレイ15の表示画素数が横4hピクセル×縦3hピクセルであるものとする。例えばh=80の場合、ディスプレイ15の表示画素数は320ピクセル×240ピクセルである。また、ディスプレイ15の最も左上の画素の座標を(0,0)、最も右下の画素の座標を(4h−1,3h−1)とする。
処理11では、ボディCPU60は、まず、撮影写野範囲を表す矩形(長方形)300をディスプレイ15に描画する(図13中のステップS301)。この矩形300の幅Wは、W=4hピクセルであり、矩形300の高さHは、H=3hピクセルである。これにより、図15に示すように、ディスプレイ15には、ディスプレイ15の画面に一杯の大きさの矩形300が表示される。
次いで、ボディCPU60は、次のような計算により、観察視野範囲を表す円400の半径r(単位はピクセル)を算出する(ステップS302)。図16から分かるように、理論上は、3h/2:r=tan(θh/2):tan(θC/2)の関係にあるので、r=tan(θC/2)/tan(θh/2)×(3h/2)となる。ただし、半径rは単位がピクセルであるため整数でなければならないので、ここでは、前記の理論上の値から0.5を減算した数の小数点第1位を四捨五入した値をrとする。すなわち、ボディCPU60は、r=ROUND(tan(θC/2)/tan(θh/2)×(3h/2)−0.5)なる演算を行い、得られたrを円400の半径とする。なお、「ROUND」は、小数点第1で四捨五入することを示す記号とする。なお、上記式で四捨五入をする前に0.5を減算した理由については後述する。
次いで、ボディCPU60は、ディスプレイ15の画面の中心に位置する座標(x,y)の画素を中心とし、ステップS302で求めた半径rピクセルの円400をディスプレイ15に描画する(ステップS303)。円400の中心とする画素の座標(x、y)は、x=4h/2−1、y=3h/2−1である。なお、hが奇数である場合、このyが整数にならないが、その場合にはyは小数点第1位で四捨五入した値とされる。
このようにして描画した円400の直径は、中心の1画素の分が加わることにより、(2r+1)ピクセルの大きさとなる。ステップS302でrを計算する際に0.5を減算したのは、この+1ピクセル分を相殺するためである。
図11中のステップS110でdθ>0でなかった場合、すなわち、実視界θCが垂直画角θh以上であった場合には、図18に示される処理12に進む(ステップS112)。
処理12では、ボディCPU60は、まず、観察視野範囲を表す円400をディスプレイ15に描画する(ステップS401)。この円400は、ディスプレイ15の画面の中心に位置する座標(x,y)の画素を中心として描画される。ここで、(x,y)は、前記と同様にx=4h/2−1、y=3h/2−1であり、hが奇数である場合、yは整数にならないが、その場合にはyは小数点第1位で四捨五入した値とされる。そして、円400の半径rは、r=yピクセル、すなわち(3h/2−1)ピクセルとされる。
これにより、図19に示すように、ディスプレイ15の画面の短辺の長さと直径がほぼ同じ円400がディスプレイ15に表示される。すなわち、円400は、ディスプレイ15に表示可能な最大の大きさとされる。この円400の直径は、中心の1画素の分が加わることにより、前記と同様に(2r+1)ピクセルの大きさとなる。
次いで、ボディCPU60は、撮影写野範囲を表す矩形300を表示するために、矩形300の高さの1/2の大きさであるH’(単位はピクセル)を次のような計算により算出する(ステップS402)。
図20から分かるように、理論上は、(r+0.5):H’=tan(θC/2):tan(θh/2)の関係にあるので、H’=tan(θh/2)/tan(θC/2)×(r+0.5)となる。ただし、H’は単位がピクセルであるため整数でなければならないので、ここでは、前記の理論上の値から0.5を減算した数の小数点第1位で四捨五入した値をH’とする。すなわち、ボディCPU60は、H’=ROUND(tan(θh/2)/tan(θC/2)×(r+0.5)−0.5)なる演算を行い、得られたH’を矩形300の高さの1/2とする。なお、上記式で、四捨五入をする前に0.5を減算した理由は前記と同様である。
次いで、ボディCPU60は、矩形300の幅の1/2の大きさであるW’(単位はピクセル)を計算する(ステップS403)。W’:H’=4:3であるので、W’=4H’/3となり、この値を小数点第1位で四捨五入した値をW’とする。すなわち、W’=ROUND(4H’/3)なる計算によりW’を算出する。
次いで、ボディCPU60は、矩形300を描画する(ステップS404)。矩形300は、図21に示すように、座標(x−W’,y−H’)の画素を始点、座標(x+W’,y+H’)の画素を終点とし、この両画素が対角になるように描画される。この矩形300の幅Wは、中心(x,y)の1画素の分が加わることにより、W=2W’+1ピクセルとなり、同様に矩形300の高さHは、H=2H’+1ピクセルとなる。ボディCPU60は、この式により算出した矩形300の幅Wおよび高さHの値を記憶する(ステップS405)。
以上説明した処理11または処理12により、撮影写野範囲を表す矩形300と観察視野範囲を表す円400とからなる関係表示画像がディスプレイ15に表示される。この関係表示画像は、実視界θCが垂直画角θhより小さい場合には図17のようになり、実視界θCが垂直画角θhより大きい場合には図21のようになる。使用者は、この関係表示画像を見て矩形300と円400とを対比することにより、撮影写野範囲と観察視野範囲との関係を容易に認識し理解することができる。
なお、ボディCPU60は、検出スイッチ72がオフからオンした時にも、上述した処理10を割り込み処理する。これにより、使用者がアイピースを他のものに交換した場合には、そのアイピースに合わせた関係表示画像が再度生成され表示される。
処理11または処理12を終えたら、ボディCPU60は、CCD撮像素子16で撮像したリアルタイムの画像、すなわちライブビューをディスプレイ15に表示するために、下記のようにしてその画像データを生成する(図10中のステップS003)。CCD撮像素子16の受光面上に結像した被写体像は、光電変換されて電荷データとなり、この電荷データ(信号)は、ライブビュー画像データ作成のため、CCD撮像素子16から所定画素分ずつ間引かれて順次読み出され、撮像信号処理回路63にて相関二重サンプリング(CDS)、自動利得制御(AGC)およびアナログ−デジタル変換がなされた後、DSP61へ入力される。DSP61においては、入力された信号に対して所定のカラープロセス処理やγ補正等の信号処理が施され、ライブビュー画像データ(輝度信号データY、二つの色差信号データCr、Cb)が生成される。このライブビュー画像データは、ディスプレイ15の表示画素数に対応して、CCD撮像素子16の有効画素数よりも少ない画素数(間引きしたデータ数)の画像データである。
ライブビュー画像データを生成したら、図22に示される処理21へ進む(ステップS004)。ここで、ボディCPU60が取得したライブビュー画像データの画素数は、幅Wiピクセル×高さHiピクセルであるものとする(図22中のステップS501)。
次いで、ボディCPU60は、ライブビュー画像を矩形300の大きさに合わせて表示するための表示倍率n(n≦1)を計算する(ステップS502)。すなわち、矩形300の幅Wをライブビュー画像の幅Wiで除算し、n=W/Wiなる演算を行う。
得られた表示倍率nを用いて、ライブビュー画像データをn倍にして、ディスプレイ15の矩形300内に表示する(ステップS503)。これにより、実視界θCが垂直画角θhより小さい場合には図23のようにして、また、実視界θCが垂直画角θhより大きい場合には図24のようにして、既に計算された矩形300および円400と、矩形300内のライブビュー画像とがオーバーレイ表示される(ステップS504)。
ライブビュー画像データの生成処理は、CCD撮像素子16の読み出しとともに周期的に更新され、ディスプレイ15上の矩形300内ではリアルタイムの動画として表示される。
本実施形態では、撮影写野範囲を表す矩形300内にライブビュー画像を表示することにより、観察視野範囲と撮影写野範囲との関係が一目瞭然となり、使用者は、その関係をさらに容易かつ確実に理解することができる。
以上、ズームアイピース2Aを使用した場合の制御について説明したが、単焦点のアイピース2を使用した場合の制御では、図12中のステップS203およびS204は行われない。すなわち、単焦点のアイピース2では、焦点距離fAおよび見掛け視界θAは固定値であるので、アイピースCPU22は、ステップS205において演算処理を行う必要はなく、ROM23に記憶された焦点距離fAおよび見掛け視界θAのデータを呼び出すだけで済む。この点以外においては、単焦点のアイピース2を使用した場合の制御はズームアイピース2Aの場合と同様であるので、説明を省略する。
以下、図10のフローチャートの残りの部分に基づいて、撮影を行うときの制御について説明する。
レリーズボタン42が半押しされて測光スイッチ421がオンすると(ステップS007)、ボディCPU60は、CCD撮像素子16の出力信号に基づいて測光(ステップS008)、および露出演算(ステップS009)を行う。
この状態から、さらにレリーズボタン42が全押しされてレリーズスイッチ422がオンすると(ステップS010)、ボディCPU60は、DSP61へ本露光動作を指示する。本露光指令を受けたDSP61は、CCD撮像素子16の不要電荷掃き出し制御や露出制御(電荷蓄積時間制御)を行った後、前記と同様に撮像信号処理回路63を介し、CCD撮像素子16から画素間引きせずに電荷データを読み出し、SDRAM62に一旦保持する。そして、DSP61は、SDRAM62から読み出した電荷データに対し所定の信号処理を施すことにより、画素データ数の多い記録用静止原画像データを生成する(ステップS011)。
さらに、DSP61は、生成された記録用静止原画像データから画素データ間引き処理をして、幅Wiピクセル×高さHiピクセルの表示用静止画像のスクリーンネイルを生成する(ステップS012)。また、DSP61は、ステップS011で生成した記録用静止原画像データに例えばJPEG等の画像データ圧縮処理を施し、得られた圧縮画像データをメモリインターフェース66を介して出力して、メモリーカード100に記録する(ステップS013)。
次いで、ボディCPU60は、ステップS012で生成した表示用静止画像を矩形300の大きさに合わせて表示するために、n=W/Wiなる演算により、表示倍率n(n≦1)を計算する(ステップS014)。
得られた表示倍率nを用い、n倍した表示用静止画像と、矩形300および円400とを、一定時間、ディスプレイ15にオーバーレイ表示する(ステップS016)。これにより、撮影後、使用者は、ディスプレイ15を見ることにより、撮影時の撮影写野範囲と観察視野範囲との関係を再確認することができる。
なお、メインスイッチ41が再度押されてオフした場合には、電源オフ状態となる(ステップS017)。
以上、本発明の望遠鏡、望遠鏡本体およびアイピースを図示の実施形態について説明したが、本発明は、これに限定されるものではなく、望遠鏡、望遠鏡本体およびアイピースを構成する各部は、同様の機能を発揮し得る任意の構成のものと置換することができる。また、任意の構成物が付加されていてもよい。
また、上述した実施形態においては、関係表示画像中の矩形300内にCCD撮像素子16で撮影した画像を表示するようにしたが、関係表示画像としては矩形300と円400のみを表示するようにしてもよい。また、関係表示画像中にCCD撮像素子16で撮影した画像を表示する場合には、矩形300の縁取りを表示せず、CCD撮像素子16で撮影した画像と円400のみを表示するようにしてもよい。
また、上述した実施形態においては、関係表示画像中の矩形300や円400は、その外周を縁取った図形として表示したが、矩形300、円400の表示方法としてはその形が見分けられるように表示できればいかなる表示方法でもよく、例えば、矩形300、円400の領域内を、背景と異なる色に塗りつぶしたり、輝度を変化させたり、網掛けを施したりするような表示方法であってもよい。
また、記憶手段に記憶される撮影画角、対物光学系焦点距離、接眼光学系焦点距離、見掛け視界等に関する各データは、それらの値そのものを示すデータでなくてもよく、それらの値に所定の換算や演算を施したデータであってもよい。
また、上述した実施形態においては、望遠鏡本体とアイピースとが着脱自在である構成について説明したが、本発明の望遠鏡では、望遠鏡本体と、接眼光学系の焦点距離を変更可能なアイピースとが一体化していて取り外しできないものであってもよい。この場合、アイピースは、接眼光学系の焦点距離を連続的に切り替え可能なズーム式のものでもよく、また、接眼光学系の焦点距離を段階的に切り替え可能なものでもよい。
また、上述した実施形態においては、本発明を地上望遠鏡に適用した場合について説明したが、本発明は、これに限らず、天体望遠鏡を含めた各種の望遠鏡に適用することができる。