JP2005523260A - 圧力ノズルを用いた均質噴霧乾燥固体非晶質薬剤分散体の製造方法 - Google Patents

圧力ノズルを用いた均質噴霧乾燥固体非晶質薬剤分散体の製造方法 Download PDF

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Abstract

少なくとも50 μmの平均直径および少なくとも10 μmのD10を有する小滴を生成し得るアトマイザーおよび製法条件を用いることにより、濃度増大ポリマー中の薬剤の均質固体非晶質分散体が、望ましいより大きい粒子サイズで、最小限の細粒で生成される。

Description

発明の背景
流体供給原料から粉末を生成するための噴霧乾燥の使用は周知であり、粉乳から大量化学物質および製剤までの範囲に及ぶ用途を伴う(米国特許第4,187,617号およびMujumbar et al., 91 Drying, pages 56-73 (1991)参照)。薬剤および濃度増大ポリマーの固体非晶質分散体を生成するための噴霧乾燥の使用も既知である(共通所有欧州特許出願第0 901 876号、第1 027 886号、第1 027 887号、第1 027 888号ならびに共通所有PCT出願WO 00/168092およびWO 00/168055参照)。
典型的噴霧乾燥装置は、乾燥小室、乾燥小室への溶媒含有液体供給材料を霧化するための霧化手段、乾燥小室に向けられる加熱乾燥気体の供給源、ならびに乾燥小室からのその流出後の冷却乾燥気体および気化溶媒流から乾燥生成物を分離するための収集手段を包含する。このような装置の例としては、NiroモデルPSD−1、PSD−2およびPSD−4(Niro A/S, Soeborg, Denmark)が挙げられる。噴霧乾燥により固体非晶質分散体を生成するために用いられる場合、均質固体非晶質分散体を生成するために必要とされる溶媒の迅速除去を達成するために、霧化溶媒含有供給材料の小滴は小さい必要がある、ということを慣用的見識は示唆する。したがって従来技術は、溶媒含有供給材料を霧化するための二液ノズルを装備した噴霧乾燥装置を用い、これは約50 μmまたはそれ未満の直径を有する溶媒含有供給材料の小滴を生成して、約30 μmまたはそれ未満の中央値粒子直径を有する噴霧乾燥生成物を生じる。いくつかの場合、このような噴霧乾燥装置は、実質的に非晶質の、そして使用環境に導入された場合に濃度増大を示す薬剤およびポリマーの実質的に均質な固体非晶質分散体を生成するのに有効であることが報告されている。他の場合には、申し分ないとは言えない結果が得られ、それにより適切な製法条件を同定しようと試みるための過度の実験を要する。しかしながら固体非晶質分散体粒子が首尾よく得られた場合でも、このような装置で生成された噴霧乾燥粒子はしばしば、小中央値粒子サイズ(約30 μm未満)ならびに大量の「細粒」(約10 μm未満の直径を有する粒子)を有する。さらにこのような粒子はしばしば、典型的にはcm3/gの単位で報告される高比容積−−即ちその質量により分けられる噴霧乾燥粉末の容積−−を有する。一般に、粉末の比容積が高いほど、その流動特徴は不十分である。その結果、二液ノズルを装備した噴霧乾燥装置を用いて生成される固体非晶質分散体は、相対的に不十分な流動特徴および不十分な収集効率を有する。さらにこのような小直径、高比容積製品の下流部門取り扱いおよび加工処理は、しばしば難しい。
したがって、流動特徴改良および収集効率改良を示す固体非晶質分散体を生じる改良型噴霧乾燥製法が当該技術分野では必要とされている。
発明の要約
本発明に従って、慣用的噴霧乾燥技法により達成されるものと同程度の濃度増大を依然として達成しながら、はるかに大きい中央値粒子サイズを有し、そして存在する微粒の割合の劇的低減を示す濃度増大ポリマー中の薬剤の均質噴霧乾燥固体非晶質分散体が生成される。このような改良型薬剤分散体は、50 μmまたはそれ以上の中央値小滴直径を有する小滴を生成する霧化手段の使用により生成され、ポリマーおよび薬剤の溶液の霧化のために、小滴の約10容量%未満が10 μm未満の直径を有する。このような霧化手段は、本明細書中では「圧力ノズル」と呼ばれる。慣用的および注文設計乾燥機の両方を含めた広範囲の噴霧乾燥機デザインを有する圧力ノズルが用いられ得る。
本発明の詳細な説明
図面(同一数字は同様の素子を指す)によると、図1には、乾燥小室20、乾燥小室上部21、収集円錐部品22、収集円錐部品の遠位端23に接続された収集導管26、サイクロン28および収集容器29を包含する典型的噴霧乾燥装置10が示されている。溶媒保有供給材料32を噴霧するアトマイザー30が示されている。図1の矢印は、乾燥気体供給源(示されていない)からの乾燥気体の方向および流れを示す。乾燥気体が溶媒保有供給材料32と接触すると、溶媒は供給材料から蒸発し、供給材料の粒子が形成され、収集円錐部品22を通して接続導管26へ、次にサイクロン28へと乾燥気体により運び去られる。サイクロン中で、粒子は乾燥気体から分離され、溶媒を蒸発させて、収集容器29中に粒子を収集させる。あるいはサイクロンの代わりに充填剤を用いて、乾燥気体から粒子を分離し、収集して、溶媒を蒸発させる。
乾燥気体は事実上任意の気体であり得るが、しかし可燃性蒸気の引火のための燃焼または爆発の危険を最小限にするために、そして分散体中の薬剤、濃度増大ポリマーまたはその他の物質の望ましくない酸化を最小限にするために、不活性気体、例えば窒素、窒素濃化気体またはアルゴンが利用される。装置10の気体流入口での乾燥気体の温度は、典型的には約60〜約300℃である。収集円錐部品22の流出口または遠位端23での生成物粒子、乾燥気体および蒸発溶媒の温度は、典型的には約0〜約100℃の範囲である。
上記のように、慣用的見識は、低溶解性薬剤および濃度増大ポリマーを含む均質固体非晶質分散体の形成は、相対的に小さい小滴を有する霧化溶媒含有供給材料を生成するために、図2に示した型の二液ノズルの使用を要する、というものである。二液ノズル中では、溶媒含有供給材料32は霧化気体36、例えば空気または窒素と混合されて、溶媒含有供給材料の小型小滴への霧化を生じる。二液ノズルにより生成される溶媒含有供給材料の霧化小滴は、典型的には50 μmまたはそれ未満の直径を有する。しばしば、ほとんどの小滴は、30 μmまたはそれ未満の直径を有する。この小型小滴サイズは、小滴からの溶媒の迅速蒸発を促す大表面積を生じる。この迅速乾燥は、均質である固体分散体を得るために必要とされる、ということを慣用的見識は示唆する。しかしながらその結果生じる乾燥分散体粒子は一般に、30 μmまたはそれ未満の中央値直径を有し、典型的には平均で10〜20 μmの直径を有する。この小型粒子サイズは、分散体粒子に関する相対的に不十分な流動特徴をもたらす。さらに二液ノズルの使用は、上記のように、非常に大きい比率の細粒の形成を生じる。これらの細粒は一般的に生成物に関する不十分な流動特徴をもたらすだけでなく、それらがしばしば蒙る静電気電荷がそれらの大表面対質量比のためにそれらの質量に比して大きいよう、十分に小型である。これは、粒子を互いにまたは噴霧乾燥機表面に粘着させる。このような小型荷電粒子は、サイクロン−および充填剤−ベースの収集スキームの両方において、不十分な収集効率を示す。
図3に示された型の圧力ノズルは、典型的には100〜250 μmの直径を有する、二液ノズルより大型の小滴を生成することが既知である。このような大型小滴からの溶媒の除去に要する時間は、小型小滴からの、例えば二液ノズルにより生成されるものからの時間より長い。溶媒除去のためのこのより長い時間にもかかわらず、溶液組成および加工処理条件の適正な選択により、均質噴霧乾燥分散体がそれにもかかわらず圧力ノズルを用いて生成され得る、ということを本発明人等は発見した。さらに、圧力ノズルの使用により得られる分散鯛は、実質的により大きい中央値粒子サイズを有し、最小細粒が存在する。好ましくは分散体粒子の少なくとも80容量%、さらに好ましくは少なくとも90容量%が10 μmより大きい直径を有する。したがってその結果生じる分散体は、流動特徴改良および収集効率改良を示し、依然として慣用的二液ノズルを用いて達成されるのと同程度の薬剤濃度増大を達成する。
薬剤
本発明は、薬剤および濃度増大ポリマーの固体非晶質分散体の生成において有用である。「薬剤」という用語は、慣用的であり、動物に、特にヒトに投与した場合に有益な予防的および/または治療的特性を有する化合物を意味する。薬剤は、本発明から利益を得るために、低溶解性薬剤である必要はないが、しかし低溶解性薬剤は本発明とともに用いるための好ましい種類を代表する。それにもかかわらず所望の使用環境において容易に感知可能な溶解度を示す薬剤でも、濃度増大ポリマーの付加が治療効力のために必要とされる用量のサイズを低減するかまたは薬剤有効性の迅速開始が望ましい場合に薬剤吸収速度を増大し得るならば、おそらくは本発明によりなされ得る溶解度/生物学的利用能の増大から利益を得ることができる。
本発明は、薬剤が「実質的に水不溶性」である(薬剤が生理学的関連pH(例えばpH1〜8)で0.01 mg/mLの最小水性溶解度を有することを意味する)かまたは「控えめに水溶性である」、即ち約12 mg/mLまでの水性溶解度を、あるいは約1 mg/mLから、約20〜40 mg/mLという高い値までの水性溶解度を有する低〜中等度でさえある水性溶解度を有することを意味する「低溶解性薬剤」の固体分散体を構成するために、そしてその溶解度を増大するために特に適している。本発明は、薬剤の溶解性が低減する場合に、より大きな有用性を見出す。したがって本発明の組成物は、10 mg/mL未満、さらに好ましくは1 mg/mL未満、さらに好ましくは0.1 mg/mL未満の溶解度を有する低溶解性薬剤のために選択される。概して薬剤は、10 mLより大きい、さらに典型的には100 mLより大きい用量対水性溶解度比を有すると言われるが、この場合、薬剤溶解度(mg/mL)は、任意の生理学的に関連する水溶液(pH値が1〜8のもの)、例えばUSP刺激胃および腸緩衝液中で観察される最小値であり、用量はmgである。したがって用量対水性溶解度比は、用量(mg)を溶解度(mg/mL)で割ることにより算定され得る。
薬剤の好ましい種類としては、抗高血圧薬、抗不安薬、凝固防止薬、抗痙攣薬、血糖降下薬、うっ血除去薬、抗ヒスタミン薬、鎮咳薬、抗腫瘍薬、β遮断薬、抗炎症薬、抗精神病薬、向知性薬、抗アテローム硬化薬、コレステロール低下薬、抗肥満薬、自己免疫障害薬、抗インポテンス薬、抗細菌薬および抗真菌薬、催眠薬、抗パーキンソン病薬、抗アルツハイマー病薬、抗生物質、抗うつ薬、抗ウイルス薬、グリコーゲンホスホリラーゼ阻害薬およびコレステロールエステル転移タンパク質(CETP)阻害薬が挙げられるが、これらに限定されない。
言及された薬剤は各々、中性形態の薬剤、その製薬上許容可能な塩およびそのプロドラッグを含むと理解されるべきである。抗高血圧薬の特定の例としては、プラゾシン、ニフェジピン、アムロジピンベシレート、トリマゾシンオヨビドキサゾシンが挙げられる;血糖降下薬の特定の例は、グリピジドおよびクロルプロマジドである;抗インポテンス薬の特定例は、シルデナフィルおよびクエン酸シルデナフィルである;抗腫瘍薬の特定の例としてはクロラムブシル、ロムスチンおよびエキノマイシンが挙げられる;イミダゾール型抗腫瘍薬の特定例はツブラゾールである;抗高コレステロール血症薬の特定例はアトルバスタチンカルシウムである;不安緩解薬の特定例としては、塩酸ヒドロキシジンおよび塩酸ドキセピンが挙げられる;抗炎症薬の特定例としては、ベタメタソン、プレドニソロン、アスピリン、ピロキシカム、バルデコキシブ、カルプロフェン、セレコキシブ、フルルビプロフェンおよび(+)−N−{4−[3−(4−フルオロフェノキシ)フェノキシ]−2−シクロペンテン−1−イル}−N−ヒドロキシウレアが挙げられる;バルビツール酸塩の特定例はフェノバルビタールである;抗ウイルス薬の特定の例としては、アシクロビル、ネルフィナビルおよびビラゾールが挙げられる;ビタミン/栄養剤の特定の例としては、レチノールおよびビタミンEが挙げられる;β遮断薬の特定例としてはチモロールおよびナドロールが挙げられる;催吐薬の特定例はアポモルフィンである;利尿薬の特定例としてはクロルタリドンおよびスピロノラクトンが挙げられる;抗凝固薬の特定例としてはジクマロールが挙げられる;強心薬の特定例としてはジゴキシンおよびジギトキシンが挙げられる;アンドロゲンの特定例としては17−メチルテストステロンおよびテストステロンが挙げられる;鉱質コルチコイドの特定例はデソキシコルチコステロンである;ステロイド系催眠薬/麻酔薬の特定例はアルファキサロンである;タンパク質同化薬の特定例としてはフルオキシメステロンおよびメタンステノロンが挙げられる;抗うつ薬の特定例としては、スルピリド、
[3,6−ジメチル−2−(2,4,6−トリメチル−フェノキシ)−ピリジン−4−イル]−(1−エチルプロピル)−アミン、3,5−ジメチル−4−(3’−ペントキシ)−2−(2’,4’,6’−トリメチルフェノキシ)ピリジン、ピロキシジン、フルオキセチン、パロキセチン、ベンラファキシンおよびセルトラリンが挙げられる;抗生物質の特定例としては、カルベニシリンインダニルナトリウム、塩酸バカムピシリン、トロレアンドマイシン、ドキシシリンヒクレートhyclate、アンピシリンおよびペニシリンGが挙げられる;抗感染薬の特定例としては、塩化ベンズアルコニウムおよびクロルヘキシジンが挙げられる;冠動脈血管拡張薬の特定例としてはニトログリセリンおよびミオフラジンが挙げられる;催眠薬の特定例はエトミデートである;炭酸脱水酵素阻害薬の特定例としてはアセタゾールアミドおよびクロルゾールアミドが挙げられる;抗真菌薬の特定例としては、エコナゾール、テルコナゾール、フルコナゾール、ボリコナゾールおよびグリセオフルビンが挙げられる;抗原生動物薬の特定例はメトロニダゾールである;駆虫薬の特定例としてはチアベンダゾールおよびオキシフェンダゾールおよびモランテルが挙げられる;抗ヒスタミン薬の特定例としては、アステミゾール、レボカバスチン、セチリジン、デカルボエトキシロラタジンおよびシンナリジンが挙げられる;抗精神病薬の特定例としては、ジプラシドン、オランゼピン、塩酸チオチキセン、フルスピリレン、リスペリドンおよびペンフルリドールが挙げられる;胃腸薬の特定例としては、ロペラミドおよびシサプリドが挙げられる;セロトニンアンタゴニストの特定例としては、ケタンセリンおよびミアンセリンが挙げられる;麻酔薬の特定例はリドカインである;
低血糖薬の特定例はアセトヘキサミドである;抗催吐薬の特定例は、ジメンヒドリネートである;抗細菌薬の特定例は、コトリモキサゾールである;ドーパミン作動薬の特定例はL−DOPAである;抗アルツハイマー病薬の特定例はTHAおよびドネペジルである;抗潰瘍薬/H2アンタゴニストの特定例はファモチジンである;沈静薬/催眠薬の特定例としてはクロルジアゼポキシドおよびトリアゾラムが挙げられる;血管拡張薬の特定例はアルプロスタジルである;血小板阻害薬の特定例はプロスタシクリンである;ACE阻害薬/抗高血圧薬の特定例としてはエナラプリル酸、キナプリルおよびリシノプリルが挙げられる;テトラサイクリン抗生物質の特定例としてはオキシテトラサイクリンおよびミノサイクリンが挙げられる;マクロライド抗生物質の特定例としてはエリスロマイシン、クラリトロマイシンおよびスピラマイシンが挙げられる;アザライド抗生物質の特定例はアジトロマイシンである;グリコーゲンホスホリラーゼ阻害薬の特定例としては、[R−(R**)]−5−クロロ−N−[2−ヒドロキシ−3−{メトキシメチルアミノ}−3−オキソ−1−(フェニルメチル)プロピル−1H−インドール−2−カルボキサミド]および5−クロロ−1H−インドール−2−カルボン酸[(1S)−ベンジル−(2R)−ヒドロキシ−3−((3R,4S)−ジヒドロキシ−ピロリジン−1−イル−)−3−オキシプロピル]アミドが挙げられる;CETP阻害薬の特定例としては、[2R,4S]−4−[アセチル−(3,5−ビス−トリフルオロメチル−ベンジル)−アミノ]−2−エチル−6−トリフルオロメチル−3,4−ジヒドロ−2H−キノリン−1−カルボン酸イソプロピルピルエステル、[2R,4S]−4−[3,5−ビス−トリフルオロメチル−ベンジル)−メトキシカルボニル−アミノ]−2−エチル−6−トリフルオロメチル−3,4−ジヒドロ−2H−キノリン−1−カルボン酸エチルエステルおよび[2R,4S]−4−[(3,5−ビス−トリフルオロメチル−ベンジル)−メトキシカルボニル−アミノ]−2−エチル−6−トリフルオロメチル−3,4−ジヒドロ−2H−キノリン−1−カルボン酸イソプロピルピルエステルが挙げられる。
固体薬剤含有分散体
本発明の方法により生成される組成物は、薬剤および少なくとも1つの濃度増大ポリマーの分散体を含む。分散体中の薬剤の少なくとも大部分は、非晶質である。本明細書中で用いる場合、薬剤の「大部分」という用語は、分散体中の薬剤の少なくとも60%が、結晶形態とは対照的に、非晶質であることを意味する。「非晶質」とは、薬剤が非血漿状態であることを単に意味する。好ましくは分散体中の薬剤は「実質的に非晶質」であり、これは、結晶形態の薬剤の量が約25%を超えないことを意味する。さらに好ましくは分散体中の薬剤は「ほとんど完全に非晶質で」あり、これは、結晶形態の薬剤の量が約10%を超えないことを意味する。結晶薬剤の量は、粉末X線回析(PXRD)、走査電子顕微鏡(SEM)分析、示差走査熱量測定(DSC)またはその他の標準定量測定により測定され得る。
組成物は、薬剤の用量および濃度増大ポリマーの有効性によって、約1〜約80重量%の薬剤を含有し得る。水性薬剤濃度および相対的生物学的利用能の増大は、典型的には低薬剤レベルで、典型的には約25〜40重量%未満で最良である。しかしながら剤形サイズの実際的限界のために、より高い薬剤レベルがしばしば選択され、多くの場合に良好に実行する。
非晶質薬剤は、ポリマー全体に均質に分布された薬剤の固溶体として、あるいはこれらの状態のまたはそれらの間に中間体を置く状態の組合せとして、純粋相として固体非晶質分散体内に存在し得る。分散対は好ましくは、非晶質薬剤がポリマー全体にできるだけ均質に分散されるよう、実質的に均質である。本明細書中で用いる場合、「実質的に均質な」とは、固体分散体内の相対的に純粋な非晶質領域に存在する薬剤の分画が相対的に小さく、薬剤の総量の20%未満の、好ましくは10%未満のオーダーである。
分散体はいくつかの富薬剤領域を有し得るが、しかし分散体それ自体は、分散体が実質的に均質であることを確証する単一ガラス転移温度(Tg)を有するのが好ましい。これは、一般的に、一方が薬剤のそして他方がポリマーのTgである2つの異なるTgを示す純粋非晶質薬剤粒子と純粋非晶質ポリマー粒子の単純物理的混合物と対照を成す。Tgは、本明細書中で用いられる場合、ガラス質物質が、漸次加熱時に、ガラス質状態からゴム様状態への相対的に急速な(即ち10〜100秒での)物理的変化を受ける特徴的温度である。ポリマー、薬剤または分散体のような非晶質物質のTgは、いくつかの技法により、例えば動力学的機械的分析器(DMA)により、膨張計により、誘電性分析器により、またはDSCにより測定され得る。各技法により測定される正確な値は多少変化し得るが、しかし通常は互いに10〜30℃の範囲内である。用いられる技法とは関係なく、非晶質分散体が単一Tgを示す場合、これは、分散体が実質的に均質であることを示す。実質的に均質である本発明の分散体は一般に、非均質分散体と比較して、より物理的安定であり、濃度増大特性改良を、次いで生物学的利用能改良を示す。
濃度増大ポリマー
本発明の組成物に用いるのに適した濃度増大ポリマーは、それらが薬剤と化学的に反作用しない、という意味で不活性であるべきである。ポリマーは中性であるかまたはイオン化可能であり、1〜8のpH範囲の少なくとも一部分で少なくとも0.1 mg/mLの水性溶解度を有するべきである。
濃度増大ポリマーは、以下の条件の少なくとも一方、さらに好ましくは両方を満たす必要がある。第一の条件は、当量の非分散化薬剤から成るが濃度増大ポリマーを含まない対照組成物と比較して、濃度増大ポリマーが使用環境中の薬剤の最大薬剤濃度(MDC)を増大する、というものである。即ち一旦組成物が使用環境中に導入されると、対照組成物と比較して、ポリマーは薬剤の水性濃度を増大する。好ましくはポリマーは、対照組成物と比較して少なくとも1.25倍、さらに好ましくは少なくとも2倍、最も好ましくは少なくとも3倍、水溶液中の薬剤のMDCを増大する。第二条件は、濃度増大ポリマーが、上記のように非分散化薬剤から成るが濃度増大ポリマーを含まない対照組成物と比較して、使用環境中の薬剤の濃度対時間曲線下面積(AUC)を増大する、というものである。即ち、使用環境中で、薬剤および濃度増大ポリマーを含む組成物は、当量の薬剤を含むがポリマーを含まない対照組成物の濃度の少なくとも約1.25倍である、使用環境への導入の時間から使用環境への導入後約270分の間の任意の90分期間の間のAUCを提供する。さらに好ましくは、組成物により提供されるAUCは、対照組成物の場合の少なくとも2倍、最も好ましくは少なくとも3倍である。
本明細書中で用いる場合、「使用環境」とは、哺乳類、特にヒトの消化管のin vivo環境、あるいは試験溶液、例えばリン酸塩緩衝化生理食塩水(PBS)またはモデル絶食十二指腸(MFD)溶液のin vitro環境であり得る。
本発明とともに用いるのに適した濃度増大ポリマーは、セルロース性または非セルロース性であり得る。ポリマーは、水溶液中で中性またはイオン化可能であり得る。これらのうち、イオン化可能およびセルロース性ポリマーが好ましく、イオン化可能セルロース性ポリマーがさらに好ましい。
濃度増大ポリマーは事実上「両親媒性」であるのが好ましく、これはポリマーが疎水性および親水性部分を有することを意味する。このようなポリマーは薬剤との相対的に強い相互作用を有する傾向があり、そして溶液中の種々の種類のポリマー/薬剤アセンブリーの形成を促し得る、と考えられるため、両親媒性ポリマーが好ましい。特に好ましい種類の両親媒性ポリマーはイオン化可能であるものであり、このようなポリマーのイオン化可能部分は、イオン化されると、ポリマーの親水性部分の少なくとも一部を構成する。例えば特定の理論に結び付けたくはないが、このようなポリマー/薬剤アセンブリーは、濃度増大ポリマーにより取り囲まれた疎水性薬剤クラスターを含み、ポリマーの疎水性領域は薬剤方向に内側に裏返り、そしてポリマーの親水性領域は水性環境方向に外側に向かう。あるいは薬剤の特定の化学的性質によって、ポリマーのイオン化官能基は、例えばイオン対合または水素結合を介して、薬剤のイオン基または極性基と会合し得る。イオン化可能ポリマーの場合、ポリマーの親水性領域はイオン化官能基を含む。さらに、同様の電荷のこのようなポリマーのイオン化基の相反(ポリマーがイオン化可能である場合)は、ポリマー/薬剤アセンブリーのサイズをナノメートルまたはミクロン以下のスケールに限定するのに役立ち得る。溶液中のこのような薬剤/濃度増大ポリマーアセンブリーは、荷電高分子ミセル様構造によく似ている。いかなる場合も、作用メカニズムと関係なく、このような両親媒性ポリマー、特に下記に列挙するようなイオン化可能セルロース性ポリマーは、水性使用環境中で高濃度の薬剤を保持するために、薬剤と相互作用することが示されている、ということを本発明人等は観察した。
本発明とともに用いるのに適したポリマーの一種類は、非イオン化可能(中性)非セルロース性ポリマーを含む。ポリマーの例としては以下のものが挙げられる:ヒドロキシル、アルキルアシルオキシおよび環状アミドからなる群から選択される少なくとも1つの置換基を有するビニルポリマーおよびコポリマー;非加水分解化(酢酸ビニル)形態のそれらの反復単位の少なくとも一部分を有するポリビニルアルコール;ポリビニルアルコールポリ酢酸ビニルコポリマー;ポリビニルピロリドン;およびポリエチレンポリビニルアルコールコポリマー;ならびにポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレンコポリマー。
中性非セルロース性ポリマーの好ましい種類は、少なくとも1つの親水性ヒドロキシル含有反復単位および少なくとも1つの疎水性アルキル−またはアリール含有反復単位のビニルコポリマーで構成される。このような中性ビニルコポリマーは、「両親媒性ヒドロキシル−機能性ビニルコポリマー」と呼ばれる。両親媒性ヒドロキシル−機能性ビニルコポリマーは、疎水性低溶解度薬剤と相互作用するのに十分な疎水性基ならびに良好な溶解のために十分な水性溶解度を有する十分な親水性基の両方を提供するこれらのコポリマーの両親媒性のために、高い濃度増大を提供すると考えられる。両親媒性ヒドロキシル−機能性ビニルコポリマーの共重合構造は、それらの親水性および疎水性が特定の低溶解度薬剤に伴う性能を最大にするよう調整するのを可能にする。
好ましいコポリマーは、以下の一般式を有する:
Figure 2005523260
(式中、AおよびBはそれぞれ「親水性ヒドロキシル含有」および「疎水性」置換基を表し、そしてnおよびmはそれぞれポリマー分子当たりの親水性ビニル反復単位の平均数および疎水性ビニル反復単位の平均数を表す)。コポリマーは、ブロックコポリマー、ランダムコポリマーであり得るし、あるいはそれらはこれら両端の間のどこでも構造を有し得る。nとmの和は一般に、約50〜約20,000であり、したがってポリマーは約2,500〜約1,000,000ダルトンの分子量を有する。
親水性ヒドロキシル含有反復単位「A」は、単にヒドロキシル(−OH)であるか、あるいはそれは、それに結合された1つまたは複数のヒドロキシルを伴う炭素数1〜6の任意の短い鎖のアルキルであり得る。
ヒドロキシル置換アルキルは、炭素−炭素またはエーテル結合を介してビニル主鎖に結合され得る。したがって「A」構造の例としては、ヒドロキシルそれ自体のほかに、ヒドロキシメチル、ヒドロキシエチル、ヒドロキシプロピル、ヒドロキシメトキシ、ヒドロキシエトキシおよびヒドロキシプロポキシが挙げられる。
疎水性置換基「B」は、単に水素(−H)であり得るが、この場合、疎水性反復単位はエチレン;炭素−炭素結合を介して結合される炭素数12までのアルキルまたはアリール置換基、例えばメチル、エチルまたはフェニル;エーテル結合を介して結合される炭素数12までのアルキルまたはアリール置換基、例えばメトキシ、エトキシまたはフェノキシ;エステル結合を介して結合される炭素数12までのアルキルまたはアリール置換基、例えばアセテート、プロピオネート、ブチラートまたはベンゾエートである。本発明の両親媒性ヒドロキシル機能性ビニルコポリマーは、置換ビニルコポリマーを調製するために用いられる任意の慣用的方法により合成され得る。いくつかの置換ビニルコポリマー、例えばポリビニルアルコール/ポリ酢酸ビニルが周知であり、市販されている。
合成するための特に便利なサブクラスの両親媒性ヒドロキシル−機能性ビニルコポリマーは、疎水性置換基「B」が、アルキレートまたはアリレート基がエステル結合を介してAの1つまたは複数のヒドロキシルに結合される親水性置換基「A」を含む。このようなコポリマーは、先ず、置換基Bを有する疎水性ビニル反復単位のホモポリマーを形成し、その後エステル基の一部を加水分解して、疎水性反復単位の一部分を、置換基Aを有する親水性ヒドロキシル含有反復単位に転化することにより合成される。例えばホモポリマー、ポリビニルブチラートの部分加水分解は、Aがヒドロキシル(−OH)であり、Bがブチラート(−OOC−CH2−CH2−CH3)であるコポリマー、ビニルアルコール/ビニルブチラートコポリマーを生じる。
全種類のコポリマーに関して、nの値は、結果的に生じるコポリマーが少なくとも部分的に水溶性であるよう、mの値と比較して十分に大きくなければならない。比n/mの値はAおよびBの同一性によって変わるが、しかしそれは一般に少なくとも約1、さらに一般的には約2またはそれ以上である。比n/mは、200という高い値であり得る。コポリマーが疎水性ホモポリマーの加水分解により生成される場合、nおよびmの相対値は、典型的には、加水分解化またはヒドロキシル形態であるコポリマーの全反復単位の分数(パーセントとして表される)である「加水分解%」で報告される。加水分解%Hは、以下のように示される:
Figure 2005523260
したがって、75%の加水分解%を有するビニルブチラート/ビニルアルコールコポリマー(ブチラート基の一部の加水分解により生成される)は、3のn/m比を有する。
両親媒性ヒドロキシル−機能性ビニルコポリマーの特に好ましいファミリーは、Aがヒドロキシルであり、そしてBがアセテートであるものである。このようなコポリマーは、ビニルアセテート/ビニルアルコールと呼ばれる。いくつかの商業的等級は、時として、単にポリビニルアルコールとも呼ばれる。しかしながら真のホモポリマーポリビニルアルコールは両親媒性でなく、ほぼ完全に水不溶性である。好ましいビニルアセテート/ビニルアルコールコポリマーは、Hが67%〜99.5%であり、またはn/mが約2〜200の値を有するものである。好ましい平均分子量は、約2500〜1,000,000ダルトン、さらに好ましくは約3000〜約100,000ダルトンである。
本発明とともに用いるのに適した別の種類のポリマーは、イオン化可能非セルロース性ポリマーを含む。ポリマーの例としては、カルボン酸−機能化ビニルポリマー、例えばカルボン酸機能化ポリメタクリレートおよびカルボン酸機能化ポリアクリレート、例えばオイドラジットEUDRAGIT(商標)シリーズ(製造:Rohm Tech Inc., Malden, Massachusetts);アミン機能化ポリアクリレートおよびポリメタクリレート;タンパク質、例えばゼラチンおよびアルブミン;ならびにカルボン酸機能化デンプン、例えばデンプングリコレートが挙げられる。
両親媒性である非セルロース性ポリマーは、相対的親水性および相対的疎水性モノマーのコポリマーである。例としては、アクリレートおよびメタクリレートコポリマーが挙げられる。商業的等級のこのようなコポリマーの例としては、メタクリレートとアクリレートのコポリマーであるオイドラジットEUDRAGIT(商標)シリーズが挙げられる。
好ましい種類のポリマーは、少なくとも1つのエステル−および/またはエーテル結合置換基を有するイオン化可能および中性(または非イオン化可能)セルロース性ポリマーを含むが、この場合、ポリマーは各置換基に関して少なくとも0.05の程度の置換を有する。本明細書中で用いられるポリマー命名法では、エーテル結合置換基は、エーテル基に結合される部分として「セルロース」の前に挙げられる;例えば「エチル安息香酸セルロース」は、エトキシ安息香酸置換基を有する、ということに留意すべきである。同様に、エステル結合置換基は、カルボキシレートとして「セルロース」の後に挙げられる;例えば「セルロースフタレート」は、ポリマーにエステル結合される各フタレート部分のカルボン酸と、他の非反応性のカルボン酸を有する。
ポリマー名、例えば「酢酸フタル酸セルロース」(CAP)は、エステル結合を介してセルロース性ポリマーのヒドロキシル基の有意の分画に結合される酢酸基およびフタル酸基を有するセルロース性ポリマーのファミリーのいずれかを指す、ということも留意すべきである。一般に、各置換基の置換の程度は、ポリマーの他の判定基準が満たされる限り、0.05〜2.9の範囲であり得る。「置換の程度」とは、置換されたセルロース鎖上のサッカリド反復単位当たりの3つのヒドロキシルの平均数を指す。例えばセルロース鎖上のすべてのヒドロキシルがフタレート置換された場合、置換のフタレート度は3である。ポリマーの性能を実質的に変えない相対的に少量で付加される付加的置換基を有するセルロース性ポリマーも、各ポリマーファミリー型内に含まれる。
両親媒性セルロース性物質は、各サッカリド反復単位上に存在する3つのヒドロキシル基のいずれかまたは全てで親セルロース性ポリマーが少なくとも1つの相対的疎水性置換基で置換されたポリマーを含む。疎水性置換基は本質的に、十分高いレベルまたは低度の置換に置換される場合、セルロース性ポリマーを本質的に水不溶性にさせ得る任意の置換基であり得る。疎水性置換基の例としては、エーテル結合アルキル基、例えばメチル、エチル、プロピル、ブチル等;あるいはエステル結合アルキル基、例えばアセテート、プロピオネート、ブチラート等;ならびにエーテル−および/またはエステル結合アリール基、例えばフェニル、ベンゾエートまたはフェニレートが挙げられる。ポリマーの親水性領域は、無置換ヒドロキシルがそれ自体相対的に親水性であるため、相対的に置換されない部分、または親水性置換基で置換される領域であり得る。親水性置換基としては、エーテル−またはエステル結合非イオン化可能基、例えばヒドロキシアルキル置換基、ヒドロキシエチル、ヒドロキシプロピル、ならびにアルキルエーテル基、例えばエトキシエトキシまたはメトキシエトキシが挙げられる。特に好ましい親水性置換基は、エーテル−またはエステル−結合イオン化可能基、例えばカルボン酸、チオカルボン酸、置換フェノキシ基、アミン、ホスフェートまたはスルホネートであるものである。
ある種類のセルロース性ポリマーは中性ポリマーを含むが、これは、ポリマーが実質的に水溶液中で非イオン化可能であることを意味する。このようなポリマーは、エーテル結合またはエステル結合され得る非イオン化可能置換基を含有する。エーテル結合非イオン化可能置換基の例としては、アルキル基、例えばメチル、エチル、プロピル、ブチル等;ヒドロキシアルキル基、例えばヒドロキシメチル、ヒドロキシエチル、ヒドロキシプロピル等;ならびにアリール基、例えばフェニルが挙げられる。エステル結合非イオン化可能置換基としては、アルキル基、例えばアセテート、プロピオネート、ブチラート等;ならびにアリール基、例えばフェニレートが挙げられる。しかしながらアリール基が含まれる場合、ポリマーが1〜8の任意の生理学的関連pHで少なくとも何らかの水溶解性を有するよう、ポリマーは十分量の親水性置換基を含む必要がある。
ポリマーとして用いられ得る非イオン化可能セルロース性ポリマーの例としては、以下のものが挙げられる:ヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテート、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシエチルメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロースアセテートおよびヒドロキシエチルエチルセルロース。
中性セルロース性ポリマーの好ましい一組は、両親媒性であるものである。ポリマーの例としては、ヒドロキシメチルセルロースおよびヒドロキシプロピルセルロースアセテートが挙げられるが、この場合、無置換ヒドロキシまたはヒドロキシプロピル置換基と比較して相対的に高い数値のメチルまたはアセテート置換基を有するセルロース性反復単位は、ポリマー上の他の反復単位と比較して、疎水性領域を構成する。
好ましい種類のセルロース性ポリマーは、生理学的関連pHで少なくとも部分的にイオン化可能であるポリマーを包含し、そしてエーテル結合されるかまたはエステル結合され得る少なくとも1つのイオン化可能置換基を含む。エーテル結合イオン化可能置換基の例としては、以下のものが挙げられる:カルボン酸、例えば酢酸、プロピオン酸、安息香酸、サリチル酸、アルコキシ安息香酸、例えばエトキシ安息香酸またはプロポキシ安息香酸、アルコキシフタル酸の種々の異性体、例えばエトキシフタル酸およびエトキシイソフタル酸、アルコキシニコチン酸の種々の異性体、例えばエトキシニコチン酸、ならびにピコリン酸の種々の異性体、例えばエトキシピコリン酸等;チオカルボン酸、例えばチオ酢酸;置換フェノキシ基、例えばヒドロキシフェノキシ等;アミン、例えばアミノエトキシ、ジエチルアミノエトキシ、トリメチルアミノエトキシ等;ホスフェート、例えばホスフェートエトキシ;およびスルホネート、例えばスルホネートエトキシ。エステル結合イオン化可能置換基の例としては、以下のものが挙げられる:カルボン酸、例えばスクシネート、シトレート、フタレート、テレフタレート、イソフタレート、トリメリテート、ならびにピリジン二カルボン酸の種々の異性体等;チオカルボン酸、例えばチオスクシネート;置換フェノキシ基、例えばアミノサリチル酸;アミン、例えば天然または合成アミノ酸、例えばアラニンまたはフェニルアラニン;ホスフェート、例えばアセチルホスフェート;およびスルホネート、例えばアセチルスルホネート。芳香族置換ポリマーに関しても、必要な水性溶解度を有するためには、少なくとも任意のイオン化可能基がイオン化されるpH値でポリマーを水可溶性にさせるために十分な親水性基、例えばヒドロキシプロピルまたはカルボン酸官能基がポリマーに結合される、というのも望ましい。いくつかの場合には、芳香族置換基、例えばフタレートまたはトリメリテート置換基は、それ自体イオン化可能であり得る。
生理学的関連pHで少なくとも部分的にイオン化されるセルロース性ポリマーの例としては、以下のものが挙げられる:酢酸コハク酸ヒドロキシプロピルメチルセルロース、コハク酸ヒドロキシプロピルメチルセルロース、酢酸コハク酸ヒドロキシプロピルセルロース、コハク酸ヒドロキシエチルメチルセルロース、酢酸コハク酸ヒドロキシエチルセルロース、フタル酸ヒドロキシメチルセルロース、酢酸コハク酸ヒドロキシエチルメチルセルロース、酢酸フタル酸ヒドロキシエチルメチルセルロース、カルボキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、カルボキシメチルエチルセルロース、エチルカルボキシメチルセルロース、酢酸フタル酸セルロース、酢酸フタル酸メチルセルロース、酢酸フタル酸エチルセルロース、酢酸フタル酸ヒドロキシプロピルセルロース、酢酸フタル酸ヒドロキシプロピルメチルセルロース、酢酸フタル酸コハク酸ヒドロキシプロピルセルロース、酢酸コハク酸フタル酸ヒドロキシプロピルメチルセルロース、コハク酸フタル酸ヒドロキシプロピルメチルセルロース、プロピオン酸フタル酸セルロース、酪酸フタル酸ヒドロキシプロピルセルロース、酢酸三メリチン酸セルロース、酢酸三メリチン酸メチルセルロース、酢酸三メリチン酸エチルセルロース、酢酸三メリチン酸ヒドロキシプロピルセルロース、酢酸三メリチン酸ヒドロキシプロピルメチルセルロース、酢酸三メリチン酸コハク酸ヒドロキシプロピルセルロース、プロピオン酸三メリチン酸セルロース、酪酸三メリチン酸セルロース、酢酸テレフタル酸セルロース、酢酸イソフタル酸セルロース、酢酸ピリジン二カルボン酸セルロース、酢酸サリチル酸セルロース、酢酸ヒドロキシプロピルサリチル酸セルロース、酢酸エチル安息香酸セルロース、酢酸ヒドロキシプロピルエチル安息香酸セルロース、酢酸エチルフタル酸セルロース、酢酸エチルニコチン酸セルロースおよび酢酸エチルピコリン酸セルロース。
親水性および疎水性領域を有する両親媒性の定義を満たすセルロース性ポリマーの例としては、酢酸フタル酸セルロースおよび酢酸三メリチン酸セルロースのようなポリマーが挙げられるが、この場合、1つまたは複数の酢酸置換基を有するセルロース反復単位は、酢酸置換基を有さないものまたは1つまたは複数のイオン化フタル酸または三メリチン酸置換基を有するものと比較して疎水性である。
セルロース性イオン化可能ポリマーの特に望ましいサブセットは、カルボン酸機能性芳香族置換基およびアルキレート置換基の両方を保有し、したがって両親媒性であるものである。ポリマーの例としては、酢酸フタル酸セルロース、酢酸フタル酸メチルセルロース、酢酸フタル酸エチルセルロース、酢酸フタル酸ヒドロキシプロピルセルロース、フタル酸ヒドロキシプロピルメチルセルロース、酢酸フタル酸ヒドロキシプロピルメチルセルロース、酢酸フタル酸コハク酸ヒドロキシプロピルセルロース、プロピオン酸フタル酸セルロース、酪酸フタル酸ヒドロキシプロピルセルロース、酢酸三メリチン酸セルロース、酢酸三メリチン酸メチルセルロース、酢酸三メリチン酸エチルセルロース、酢酸三メリチン酸ヒドロキシプロピルセルロース、酢酸三メリチン酸ヒドロキシプロピルメチルセルロース、酢酸三メリチン酸コハク酸ヒドロキシプロピルセルロース、プロピオン酸三メリチン酸セルロース、酪酸三メリチン酸セルロース、酢酸テレフタル酸セルロース、酢酸イソフタル酸セルロース、酢酸ピリジン二カルボン酸セルロース、酢酸サリチル酸セルロース、酢酸ヒドロキシプロピルサリチル酸セルロース、酢酸エチル安息香酸セルロース、酢酸ヒドロキシプロピルエチル安息香酸セルロース、酢酸エチルフタル酸セルロース、酢酸エチルニコチン酸セルロースおよび酢酸エチルピコリン酸セルロースが挙げられる。
セルロース性イオン化可能ポリマーの別の特に望ましいサブセットは、非芳香族カルボン酸置換基を保有するものである。ポリマーの例としては、酢酸コハク酸ヒドロキシプロピルメチルセルロース、コハク酸ヒドロキシプロピルメチルセルロース、酢酸コハク酸ヒドロキシプロピルセルロース、酢酸コハク酸ヒドロキシエチルメチルセルロース、コハク酸ヒドロキシエチルメチルセルロース、酢酸コハク酸ヒドロキシエチルセルロースおよびカルボキシメチルエチルセルロースが挙げられる。生理学的関連pHで少なくとも一部イオン化されるこれらのセルロース性ポリマーについて、以下のものが最も好ましいことを本発明人等は見出した:酢酸コハク酸ヒドロキシプロピルメチルセルロース、フタル酸ヒドロキシプロピルメチルセルロース、酢酸フタル酸セルロース、酢酸三メリチン酸セルロースおよびカルボキシメチルエチルセルロース。最も好ましいのは、酢酸コハク酸ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMCAS)である。
ポリマーの別の好ましい種類は、中和酸性ポリマーからなる。「中和酸性ポリマー」とは、「酸性部分」または「酸性置換基」の有意の分画が「中和された」、即ち、それらの脱プロトン化形態で存在する任意の酸性ポリマーを意味する。「中和酸性セルロース性ポリマー」とは、「酸性部分」または「酸性置換基」の有意の分画が「中和された」任意のセルロース性「酸性ポリマー」を意味する。「酸性ポリマー」とは、有意数の酸性部分を保有する任意のポリマーを意味する。概して有意数の酸性部分は、ポリマー1 g当たり約0.1 ミリ当量以上の酸性部分である。「酸性部分」としては、水と接触するかまたは水中に溶解されて、少なくとも一部分が水に水素陽イオンを付与し、したがって水素イオン濃度を増大し得る十分に酸性である任意の官能基が挙げられる。官能基がポリマーに共有結合される場合、それは約10未満のpKaを有するといわれているので、この定義は、任意の官能基または「置換基」を包含する。上記の説明に含まれる種類の官能基の例としては、カルボン酸、チオカルボン酸、ホスフェート、フェノール基およびスルホネートが挙げられる。このような官能基は、例えばポリアクリル酸に関するようなポリマーの一次構造を構成し得るが、しかしより一般的には、親ポリマーの主鎖に共有結合され、したがって「置換基」と呼ばれる。中和酸性ポリマーは、共通譲渡米国特許出願第60/300,255号(2001年6月22日提出)にさらに詳細に記載されている(この関連開示内容は参照により援用される)。
特定のポリマーは本発明により生成可能な分散体中に用いるのに適していると考察されているが、しかしこのようなポリマーの配合物も適している。したがって「濃度増大ポリマー」という用語は、単一種のポリマーのほかに、ポリマーの配合物を含むよう意図される。
本発明により生成される噴霧乾燥分散体中に存在する薬剤の量と比較した濃度増大ポリマーの量は薬剤および濃度増大ポリマーによっており、薬剤対ポリマー重量比0.1から5まで広範に変わり得る。しかしながら薬剤用量が非常に低い、例えば25 mgまたはそれ未満である場合を除いて、ほとんどの場合、薬剤対ポリマー比は0.05より大きく、2.5未満であり、そしてしばしば薬剤濃度または相対的生物学的利用能の増大は、1またはそれ未満という薬剤対ポリマー比で、あるいはいくつかの薬剤に関しては0.2またはそれ未満でも観察される、というのが好ましい。薬剤用量が約25 mgまたはそれ未満である場合には、薬剤対ポリマー重量比は有意に0.05未満であり得る。概して用量とは関係なく、薬剤濃度または相対的生物学的利用能の増強は、薬剤対ポリマー重量比の低減に伴って増大する。しかしながら錠剤、カプセルまたは懸濁液の総質量を低く保持することについての実際的限界のために、満足すべき結果が得られる限り、相対的に高い薬剤対ポリマー比を用いるのがしばしば望ましい。申し分ない結果を生じる最大薬剤:ポリマー比は、薬剤ごとに変わり、下記のin vitroおよび/またはin vivo溶解試験で最良に確定される。
概して、薬剤濃度または薬剤の相対的生物学的利用能を最大にするために、より低い薬剤対ポリマー比が好ましい。低薬剤対ポリマー比では、溶液からの薬剤の沈殿または結晶化の抑制を補償するために溶液中に利用可能な十分な濃度増大ポリマーが存在し、したがって薬剤の平均濃度は甚だ高くなる。高薬剤対ポリマー比に関しては、十分でない濃度増大ポリマーが溶液中に存在し、薬剤沈殿または結晶化がより容易に起こり得る。しかしながら剤形中に用いられ得る濃度増大ポリマーの量はしばしば、許容可能な剤形の最大総質量により限定される。例えばヒトへの経口投与が望ましい場合、低薬剤/ポリマー比では、薬剤およびポリマーの総質量は、単一錠剤またはカプセル中の所望の用量の送達のために非許容可能的に大きいことがあり得る。したがって、使用環境に容易に送達されるために十分に小さい剤形で十分な薬剤用量を提供するための特定剤形で最大薬剤濃度または相対生物学的利用能を生じるものより低い薬剤/ポリマー比を用いることがしばしば必要である。
濃度増大
濃度増大ポリマーは、対照組成物と比較して、使用環境中の薬剤の濃度を改良するために十分量で本発明により生成される噴霧乾燥分散体中に存在する。最低でも、本発明により生成される組成物は、非分散化薬剤単独の対照と比較して、濃度増大を提供する。したがって、組成物が使用環境に投与される場合、当量の結晶薬剤からなるが、しかし濃度増大ポリマーを含有しない対照と比較して、組成物が薬剤濃度改良を提供するよう、濃度増大ポリマーは十分量で存在する。
薬剤および濃度増大ポリマーを含む組成物は、in vitro溶解試験において溶解薬剤の濃度増大を提供する。MFDまたはPBS溶液中でのin vitro溶解試験における薬剤濃度増大は、in vivo性能および生物学的利用能の良好な指標である、ということが確定された。適切なPBS溶液は、NaOHでpH6.5に調整された20 mMNa2HPO4、47 mMKH2PO4、87 mMNaClおよび0.2 mMKClを含む水溶液である。適切なMFD溶液は、7.3 mMタウロコール酸ナトリウムおよび1.4 mMの1−パルミトイル−2−オレイル−sn−グリセロ−3−ホスホコリンの付加を伴う同一PBS溶液である。特に本発明の組成物は、それをMFDまたはPBS溶液に付加し、そして溶解を促すために撹拌することにより溶解試験され得る。一般に、このような試験において溶液に付加される組成物の量は、組成物中の薬剤が全て溶解した場合、試験溶液中の薬剤単独の平衡溶解度の少なくとも約2倍、好ましくは少なくとも約10倍である薬剤濃度を生じる量である。さらに高レベルの溶解薬剤濃度を実証するために、さらに多量の組成物の付加が試験溶液に加えられる。
一態様において、本発明により生成される組成物は、当量の非分散薬剤を有するが、ポリマーを含有しない対照組成物の平衡濃度の少なくとも1.25倍であるMDCを提供する。言い換えれば、対照組成物により提供される平衡濃度が1 μg/mLである場合には、本発明の組成物は少なくとも約.125 μg/mLのMDCを提供する。比較組成物は、慣用的には非分散薬剤単独である(典型的には、その最も熱力学的に安定な結晶形態中では結晶薬剤単独、あるいは薬剤の結晶形態が未知である場合には、対照は非晶質薬剤単独であり得る)か、あるいは薬剤+試験組成物中のポリマーの重量と等価の量の不活性希釈剤である。好ましくは本発明の組成物で達成される薬剤のMDCは、対照組成物の平衡濃度の少なくとも約2倍、さらに好ましくは少なくとも約3倍である。
あるいは本発明により生成される組成物は、水性使用環境中で、使用環境中への導入時〜使用環境中への導入後約270分までの間の少なくとも90分の任意の時間中、等量の非分散薬剤を有する対照組成物の少なくとも1.25倍であるAUCを提供する。好ましくは本発明の組成物は、水性使用環境中で、上記のように対照組成物の少なくとも約2倍、さらに好ましくは少なくとも約3倍である同一期間中のAUCを提供する。
水溶液中での薬剤濃度増大を評価するための典型的in vitro試験は、(1)薬剤の平衡濃度を達成するために十分量の対照組成物、典型的には薬剤単独をin vitro試験媒質、典型的にはMFDまたはPBS溶液に撹拌しながら付加し;(2)薬剤が全て溶解する場合、薬剤の理論濃度が薬剤の平衡濃度を少なくとも2の換算計数だけ、好ましくは少なくとも10の換算計数だけ超えるよう、等価試験媒質中に十分量の試験組成物(例えば薬剤およびポリマー)を撹拌しながら付加し;そして(3)試験媒質中の試験組成物の測定MDCおよび/または水生濃度AUCを対照組成物の平衡濃度および/または水性濃度AUCと比較することにより実行され得る。このような溶解試験を実行するに際しては、用いられる試験組成物または対照組成物の量は、全ての薬剤が溶解される場合、薬剤濃度が平衡濃度の少なくとも2倍、好ましくは少なくとも10倍であるような量である。実際、いくつかの極端な不溶性薬剤に関しては、達成されるMDCを同定するために、全ての薬剤が溶解される場合、薬剤濃度が薬剤の平衡濃度の100倍またはそれ以上でさえあるような量の試験組成物を用いる必要があり得る。
溶解薬剤の濃度は典型的には、試験媒質をサンプリングし、MDCが確認され得るよう試験媒質中の薬剤濃度対時間をプロットすることにより、時間の一関数として測定される。MDCは、試験継続期間中に測定された溶解薬剤の最大値であると解釈される。水性濃度AUCは、水性使用環境中への組成物の導入時(時間=0)〜使用環境中への導入後270分(時間=270分)の間の任意の90分間の濃度対時間曲線を積分することにより算定される。典型的には、組成物がそのMDCに迅速に、即ち約30分未満で到達する場合、AUCを算定するために用いられる時間間隔は時間=0〜時間=90分である。しかしながら組成物の上記の任意の90分間のAUCが本発明の判定基準を満たす場合には、本発明の方法により生成される組成物は、本発明の範囲内であると考えられる。
間違った確定を生じる大型薬剤粒子を回避するために、試験溶液は濾過されるかまたは遠心分離される。「溶解薬剤」は典型的には、0.45 μmシリンジフィルターを通過する物質、あるいは遠心分離後の上清中に残存する物質と解釈される。濾過は、13 mm、0.45 μmポリ二フッ化ビニリジンシリンジフィルター(Scientific Resources of Eatontown, New JerseyによりTITANの商標で販売されている)を用いて実行され得る。遠心分離は典型的には、13,000 Gで60秒間遠心分離することにより、ポリプロピレン微量遠心管中で実行される。その他の同様の濾過または遠心分離法が用いられ、有用な結果が得られる。例えば他の種類のマイクロフィルターの使用は、上記のフィルターを用いて得られた値より多少高いかまたは低い(±10〜40%)値を生じ得るが、しかし依然として好ましい分散体の同定を可能にする。「溶解薬剤」のこの定義は、単量体溶媒和化薬剤分子だけでなく、ミクロン以下の寸法を有するポリマー/薬剤アセンブリー、例えば薬剤集合体、ポリマーと薬剤の混合物の集合体、ミセル、高分子ミセル、コロイド粒子またはナノ結晶、ポリマー/薬剤複合体、ならびに特定溶解試験における濾液または上清中に存在するその他のこのような薬剤含有種のような広範囲の種も包含する、と認識される。
あるいは本発明により生成される組成物は、ヒトまたはその他の動物に経口投与される場合、等量の非分散薬剤の対照組成物が投与される場合に観察される場合の少なくとも約1.25倍である血中薬剤濃度のAUCを提供する。このような組成物は、約1.25の相対的生物学的利用能を有するとも言われ得る、ということが注目される。投与を促すために、投与ビヒクルを用いて用量を投与し得る。投与ビヒクルは、好ましくは水であるが、しかし試験組成物または対照組成物を懸濁するための物質も含有し得る。但し、これらの物質は組成物を溶解しないか、あるいはin vivoでの薬剤溶解度を変えない。好ましくは組成物は、ヒトまたはその他の動物に経口投与される場合、等量の非分散薬剤を含む対照組成物が投与される場合に観察される濃度の少なくとも約2倍、さらに好ましくは少なくとも約3倍である血中薬剤濃度でのAUCを提供する。したがって本発明により生成される組成物は、in vitroまたはin vivoで、あるいは両方で評価され得る。
本発明により生成される分散体中の薬剤の相対的生物学的利用能は、このような確定を行なうための慣用的方法を用いて、動物またはヒトにおいてin vivoで試験され得る。交差試験のようなin vivo検定を用いて、薬剤および濃度増大ポリマーの組成物が、上記のように薬剤を有するがしかしポリマーを含有しない対照組成物と比較して、相対的生物学的利用能増強を提供するか否かを確定し得る。in vivo交差試験では、薬剤およびポリマーの試験組成物は、試験被験者の群の半分に投与され、適切な洗い流し期間(例えば1週間)後、同一被験者は試験組成物と等量の薬剤を含むがしかしポリマーを含有しない対照組成物を投与される。他方の半分の群は、最初に対照組成物を、その後試験組成物を投与される。相対的生物学的利用能は、試験群に関して確定された血液(血清または血漿)中濃度対時間AUCを対照組成物により提供される血中AUCで割って測定される。好ましくはこの試験/対照比は、各被験者に関して確定され、次にその比は試験における全被験者で平均される。AUCのin vivo確定は、横座標(x軸)に沿った時間に対して縦座標(y軸)に沿って薬剤の血清または血漿濃度をプロットすることによりなされ得る。AUCの確定は周知の手法であり、例えばWelling, “Pharmacokinetics Processes and Mathematics,” ACS Monograph 185 (1986)に記載されている。
組成物の調製
薬剤および濃度増大ポリマーの分散体は、少なくとも主要部分、即ち非晶質状態である薬剤の少なくとも60%を生じる噴霧乾燥法により製造される。噴霧乾燥法および噴霧乾燥設備は、Perry’s Chemical Engineers’ Handbook (Sixth Edition 1984), pages 20-54 to 20-57に一般的に記載されている。噴霧乾燥法および設備に関するさらなる詳細は、Marshall, “Atomization and Spray-Drying,” 50 Chem. Eng. Prog. Monogr. Series 2 (1954)およびMasters, Spray Drying Handbook (Fourth Edition 1985)により再検討されている。
分散体は一般に、薬剤が、実質的に非晶質であり、そしてポリマー全体に実質的に均質に分布されるよう、ポリマー中に分散される場合、それらの最大生物学的利用能および安定性を有する。概して分散体の均質性の程度が増大すると、薬剤の水性濃度および相対的生物学的利用能の増強は同様に増大する。したがって最も好ましいのは、単一ガラス転移温度を有する分散体であり、これは高度の均一性を示す。
噴霧乾燥法では、薬剤および1つまたは複数の濃度増大ポリマーは、共通溶媒中に溶解される。「共通」とは、ここでは、化合物の混合物であり得る溶媒が薬剤およびポリマー(単数または複数)を溶解することを意味する。薬剤およびポリマーがともに溶解された後、溶媒は噴霧乾燥装置中で蒸発により迅速に除去されて、実質的に均質な固体非晶質分散体の生成を引き起こす。このような実質的に均質の分散体中では、薬剤はポリマー全体にできるだけ均質に分散され、そしてポリマー中に分散された薬剤の固溶体と考えられ得る。これは一般に、このような均質分散体を生成するために霧化小滴が迅速に乾燥されることを要する。急速乾燥の要求は一般に、非常に微細な小滴を生成する霧化手段を用いるための別のもの、例えば二液ノズルまたは回転アトマイザーから得られるものをもたらした。固体非晶質分散体はこのようなアトマイザーを用いて得られるが、一方、約50 μmまたはそれより大きい平均小滴直径を有する小滴を生成し、小滴の約10容積%未満が10 μm未満の直径を有する圧力ノズルを用いてポリマーおよび薬剤の溶液を霧化することは、実質的に非晶質で、そして実質的に均質である固体分散体が得られる十分に迅速な乾燥を依然として可能にしながら、多数の利点を有する、ということを本発明人等は見出した。その結果生じる分散体がポリマー中の薬剤の固溶体を構成する場合、分散体は熱力学的に安定であり、これはポリマー中の薬剤の濃度がその平衡値またはそれより低いことを意味するか、あるいはそれは、分散体ポリマー(単数または複数)中の薬剤濃度がその平衡値より高い過飽和固溶体と考えられ得る。
溶媒は、噴霧乾燥法により除去される。噴霧乾燥という用語は、慣用的に用いられ、そして液体混合物を小型小滴に分解し(霧化)、そして小滴からの溶媒の蒸発のための強力な駆動力が存在する噴霧乾燥装置中で、混合物から溶媒を迅速に除去することを包含する工程を広範に指す。溶媒蒸発のためのこのような強力な駆動力は一般に、噴霧乾燥装置中の溶媒の分圧を、乾燥小滴の温度での溶媒の蒸気圧より十分に低く保持することにより提供される。これは、(1)噴霧乾燥装置中の圧力を部分真空(例えば0.01〜0.50 atm)に保持し;(2)液体小滴を温乾燥気体と混合するか;あるいは(3)(1)および(2)の両方により成し遂げられる。さらに溶媒の蒸発のために必要な熱の少なくとも一部は、噴霧溶液を過熱することにより提供され得る。
噴霧乾燥に適した溶媒は、薬剤およびポリマーが相互に可溶性である任意の有機化合物であり得る。好ましくは溶媒は、150℃またはそれ以下の沸点を有する揮発性物質でもある。さらに溶媒は相対的に低い毒性を有し、International Committee on Harmonization(ICH)ガイドラインに従って許容可能であるレベルまで、分散体から除去される。このレベルまでの溶媒の除去は、噴霧乾燥工程後のトレー乾燥のような加工処理過程を要する。好ましい溶媒としては、アルコール、例えばメタノール、エタノール、n−プロパノール、イソ−プロパノールおよびブタノール;ケトン、例えばアセトン、メチルエチルケトンおよびメチルイソ−ブチルケトン;エステル、例えば酢酸エチルおよび酢酸プロピル;ならびに種々のその他の溶媒、例えばアセトニトリル、塩化メチレン、トルエンおよび1,1,1−トリクロロエタンが挙げられる。低揮発性溶媒、例えばジメチルアセトアミドまたはジメチルスルホキシドも用いられ得る。ポリマーおよび薬剤が噴霧乾燥法を実施可能にするのに十分に可溶性である限り、水との混合物の場合と同様に、溶媒の混合物、例えば50%メタノールおよび50%アセトンも用いられ得る。
溶媒保有供給材料の組成は、分散体中の薬剤対ポリマーの所望の比率および溶媒中の薬剤およびポリマーの溶解度によっている。一般にできるだけ高い溶媒保有供給材料中の併合薬剤ポリマー濃度を用いるのが望ましいが、但し薬剤およびポリマーは溶媒中に溶解され、固体非晶質分散体を生成するために除去されねばならない溶媒の総量を低減する。したがって溶媒保有供給材料は一般に、少なくとも約0.1重量%、さらに好ましくは少なくとも約1重量%、さらに好ましくは少なくとも約10重量%の併合薬剤およびポリマー濃度を有する。しかしながら低併合薬剤およびポリマー濃度を有する溶媒保有供給材料は、適切な固体非晶質分散体を生成するために用いられ得る。
薬剤およびポリマーを含む溶媒保有供給材料は、圧力ノズルを通して霧化される。「圧力ノズル」とは、50 μmまたはそれより大きい平均小滴直径を有する小滴を生成し、約10容量%未満の小滴が約10μm未満のサイズを有する霧化手段を意味する。一般に、適切にサイジングされ、設計された圧力ノズルは、噴霧溶液が所望の速度でノズルを通して押出された場合、このサイズ範囲内の小滴を生成するものである。したがって例えばPSD−1乾燥機に400 g/分の噴霧溶液を送達するのが望ましい場合、所望の平均小滴サイズを達成するための溶液の粘度および流量に適合されるノズルが選択されねばならない。大き過ぎるノズルは、所望の流量で操作された場合、大きすぎる小滴を送達する。これは、噴霧溶液の粘度が高い場合に特に言えることである。小滴が大き過ぎると、乾燥速度は遅くなり過ぎて、非均質分散体を生じることになり、あるいはそれらが噴霧乾燥壁に到達したときに依然として流体であると、小滴は乾燥機壁に粘着するかまたは被覆することさえあり、所望の生成物の収率を低くするかまたは全くなくする。このような場合、乾燥小室または収集コーンの壁上に作用する前に、小滴が移動する最小距離増大を提供するために、噴霧乾燥小室の高さが増大され得る。このような修正噴霧乾燥装置は、大型小滴を生成する霧化手段の使用を可能にする。このような修正噴霧乾燥装置の詳細は、共通所有米国特許仮出願60/354,080号(Attorney Docket PC23195)(2002年2月1日提出)で提供されている(この記載内容は、参照により本明細書中で援用される)。小さすぎるノズルを用いると、望ましくないほど小さい小滴を生じ得るか、あるいは特に高粘性供給溶液に関しては、所望の流量を達成するために許容不可能なほど高いポンプ圧を要する。
大多数のアトマイザーは液体供給材料を一定サイズ分布を有する小滴に霧化する。霧化手段により生成される小滴のサイズ分布は、いくつかの技法により、例えば機械的技法、例えば溶融蝋および凍結滴技法;電気的技法、例えば荷電導線および熱線技法;ならびに光学的技法、例えば写真および光散乱技法により測定され得る。アトマイザーにより生成される小滴サイズ分布を確定するためのより一般的方法のうちの1つはMalvern粒子サイズ分析器(Malvern Instruments Ltd., Framingham, Massachusettsから入手可能)の使用を伴う。このような計器を用いて小滴サイズおよび小滴サイズ分布を確定するために用いられる原理についてのさらなる詳細は、Lefebvre, Atomization and Sprays (1989)に見出され得る。
小滴サイズ分析器を用いて得られるデータを用いて、小滴のいくつかの特徴的直径を確定し得る。これらのうちの1つがD10で、これは、等しいかまたはより小さい直径の小滴を含有する総液体容積の10%を構成する小滴の直径に対応する直径である。言い換えれば、D10が10 μmである場合、小滴の10容量%が10 μmまたはそれ未満の直径を有する。したがって、D10が約10 μmより大きいような小滴を霧化手段が生成するのが好ましく、これは、小滴の90容量%が10 μmより大きい直径を有することを意味する。この要件は、固化生成物中の細粒(即ち10 μm未満の直径を有する粒子)の数が最小にされることを保証する。好ましくはD10は、約15 μmより大きく、さらに好ましくは約20 μmより大きい。
霧化手段により生成される小滴の別の有用な特徴的直径はD90であり、これは、等しいかまたはより小さい直径の小滴を含有する総液体容積の90%を構成する小滴の直径に対応する直径である。言い換えれば、D90が100 μmである場合、小滴の90容量%が100 μmまたはそれ未満の直径を有する。本発明の技法を用いて、実質的に均質な、実質的に非晶質の分散体を生成するために、D90は約300 μm未満、好ましくは250 μm未満であるべきである、ということを本発明人等は見出した。D90が高過ぎると、大型小滴の乾燥速度が遅くなり過ぎて、これが非均質分散体を生じ得るし、あるいは上記のように、それらが噴霧乾燥壁に到達したときに依然として流体であると、大型小滴は乾燥機壁に粘着するかまたは被覆することさえあり得る。
別の有用なパラメーターは、以下のように定義される「スパン」である:
Figure 2005523260
(式中、D50は等しいかまたはより小さい直径の液滴を含有する総液体容積の50%を構成する液滴の直径に対応する直径であり、そしてD90およびD10は上記と同様である)。時として当該技術分野で相対スパン因子またはRSFと呼ばれるスパンは、液滴サイズ分布の均一性を示す大きさを持たないパラメーターである。一般に、スパンが低いほど、霧化手段により生成される小滴サイズ分布は狭く、これは次いで一般に乾燥粒子に関するより狭い粒子サイズ分布を引き起こして、流動特性改良を生じる。好ましくは本発明の霧化手段により生成される小滴のスパンは、約3未満、さらに好ましくは約2未満、最も好ましくは約1.5未満である。
噴霧乾燥機中で形成される固体分散体粒子のサイズは、霧化手段により生成される小滴のサイズより一般的にやや小さい。典型的には、分散粒子の特徴的直径は、小滴の特徴的直径の約80%である。したがって一態様において、本発明の方法は、約40 μmまたはそれ以上の平均直径を有する固体非晶質分散体の粒子を生成し、約10容量%未満の粒子が約8 μm未満のサイズを有する。
均質固体非晶質分散体を生成するに際して用いるために霧化手段を選択する場合、いくつかの因子、例えば所望の流量、最大許容可能得気圧、ならびに溶媒保有供給材料の粘度および表面張力が考慮される必要がある。これらの因子と小滴サイズおよび小滴サイズ分布との間の関係は、当該技術分野で周知である。
上記のように、霧化手段の選択は用いられる噴霧乾燥装置の規模によっている。約10〜400 g/分の溶媒保有供給材料を噴霧し得るNiroPSD−1のような小規模装置に関しては、適切なアトマイザーの例としては、SKおよびTX噴霧乾燥ノズルシリーズ(Spraying Systems, Wheaton, Illinois);WGシリーズ(Delavan LTV, Widnes, Cheshire, England);ならびにモデル121ノズル(Dusen Schlick GmbH, Untersiemau, Germany)が挙げられる。約25〜600 kg/時間の溶媒保有供給材料を噴霧し得るNiroPSD−4のような大規模装置に関しては、アトマイザーの例としては、SDXおよびSDX IIIノズル(Delavan LTV)が挙げられる。
多くの場合、溶媒保有供給材料は、圧力下で霧化手段に送達される。必要な圧力は、アトマイザーのデザイン、ノズル開口部のサイズ、溶媒保有供給材料の粘度およびその他の特徴、ならびに所望の小滴サイズおよびサイズ分布により確定される。一般に供給圧は、2〜200 atmまたはそれ以上の範囲であるべきで、4〜150 atmがより典型的である。
乾燥気体の温度および流量は、噴霧乾燥装置の壁に影響を及ぼす前に小滴が固化するのに十分な滞留時間を可能にしながら、溶媒保有供給材料を乾燥するために十分な熱が乾燥小室に送達されるよう選択される。一般に溶媒保有供給材料の供給速度が速いほど、乾燥気体の温度および/または流量は高くなる。典型的には噴霧乾燥機への入口での乾燥気体の温度は、少なくとも約60℃、そして約300℃未満である。
小滴の表面対容積比が大きく、溶媒の蒸発のための駆動力が大きいと、小滴の固化時間は速くなる。固化時間は、約20秒未満、好ましくは約10秒未満、さらに好ましくは1秒未満であるべきである。この急速固化はしばしば、富薬剤および富ポリマー相に分離する代わりに、均一均質分散体を有する粒子を形成するためには重要である。上記のように、濃度および生物学的利用能の大きな増大を得るためには、できるだけ均質な分散体を生成することがしばしば必要である。
固化後、固体粉末は典型的には約5〜60秒間噴霧乾燥小室にとどまって、固体粉末から溶媒をさらに蒸発する。分散体中の溶媒は分散体のガラス転移温度を下げて、それを動的に不安定にさせる傾向があるため、乾燥機を出るときに、固体分散体の最終溶媒含量は低い必要がある。これは、分散体中の薬剤の相分離を、または結晶化さえも引き起こし得るが、これは、均質固体非晶質分散体と比較して、得られた濃度増大を劇的に低減し得る。一般に噴霧乾燥小室を出るときの分散体の溶媒含量は、約10重量%未満、好ましくは約3重量%未満、最も好ましくは約1重量%未満であるべきである。上記のように、その後の加工処理過程、例えばトレー乾燥は、溶媒をこのレベルまで除去するために用いられ得る。
賦形剤および剤形
固体非晶質分散体中に存在する重要成分は単に薬剤および濃度増大ポリマーであるが、しかし分散体の性能、取り扱いまたは加工処理を改良するために、その他の賦形剤が分散体中に含入され得る。任意に、一旦形成されると、組成物を錠剤、カプセル、座薬、懸濁液、懸濁液用粉末、クリーム、経皮パッチ、デポー剤等に処方するために、分散体は他の賦形剤と混合され得る。分散体は、薬剤を実質的に変えない本質的に任意の方法で、その他の剤形成分に付加され得る。賦形剤は、分散体とは別個であるかおよび/または分散体内に含入され得る。
一般に、賦形剤、例えば界面活性剤、pH調節剤、充填剤、マトリックス物質、錯化剤、可溶化剤、顔料、滑剤、流動促進剤、風味剤等が通例の目的のために、組成物の特性に悪影響を及ぼさずに典型的量で用いられ得る(例えばRemington’s Pharmaceutical Sciences(18th ed. 1990)参照)。
賦形剤の非常に有用な一種類は界面活性剤であり、好ましくは0〜10重量%存在する。適切な界面活性剤としては、脂肪酸およびあるキルスルホン酸塩;市販界面活性剤、例えば塩化ベンズアルコニウム(HYAMINE(商標) 1622, Lonza, Inc., Fairlawn, New Jersey);スルホコハク酸ジオクチルナトリウム(DOCUSATE SODIUM, Mallinckrodt Spec. Chem., St. Louis, Missouri);ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル(TWEEN(商標), ICI Americas Inc., Wilmington, Delaware; LIPOSORB(商標) O-20, Lipochem Inc., Patterson New Jersey; CAPMUL(商標) POE-0, Abitec Corp., Janesville, Wisconsin);ならびに天然界面活性剤、例えばナトリウムタウロコール酸、1−パルミトイル−2−オレオイル−sn−グリセロ−3−ホスホコリン、レシチンおよびその他のリン脂質、ならびにモノ−およびジグリセリドが挙げられる。このような物質は、例えば湿潤を促すことにより溶解速度を増大し、あるいは層でない場合は剤形からの薬剤放出速度を増大するために、有益に用いられ得る。
pH調節剤、例えば酸、塩基または緩衝剤の付加は有益であり、組成物の溶解を遅らせる(例えば、濃度増大ポリマーが陰イオン性である場合、酸、例えばクエン酸またはコハク酸)か、あるいは組成物の溶解速度を増大する(ポリマーが陽イオン性である場合、塩基例えば酢酸ナトリウムまたはアミン)。
慣用的マトリックス物質、錯化剤、可溶化剤、充填剤、崩壊作用物質(崩壊剤)または結合剤も、組成物それ自体の一部として付加され得るし、あるいは湿式または機械的またはその他の手段を介して造粒により付加される。これらの物質は、組成物の90重量%までを構成し得る。
マトリックス物質、充填剤または希釈剤の例としては、ラクトース、マンニトール、キシリトール、微晶質セルロース、二塩基性リン酸カルシウム(無水および二水和物)およびデンプンが挙げられる。
崩壊剤の例としては、デンプングリコール酸ナトリウム、アルギン酸ナトリウム、カルボキシメチルセルロースナトリウム、メチルセルロースおよびクロスカルメロースナトリウムならびに架橋形態のポリビニルピロリドン、例えばクロスポビドンCROSPOVIDONE(BASF Corporation)の商品名で販売されているものが挙げられる。
結合剤の例としては、メチルセルロース、微晶質セルロース、デンプンならびにゴム、例えばグアーゴムおよびトラガカントゴムが挙げられる。
滑剤の例としては、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウムおよびステアリン酸が挙げられる。
防腐剤の例としては、亜硫酸塩(酸化防止剤)、塩化ベンズアルコニウム、メチルパラベン、プロピルパラベン、ベンジルアルコールおよび安息香酸ナトリウムが挙げられる。
懸濁剤または増粘剤の例としては、キサンタンゴム、デンプン、グアーゴム、アルギン酸ナトリウム、カルボキシメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ポリアクリル酸、シリカゲル、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸マグネシウムおよび二酸化チタンが挙げられる。
固化防止剤または充填剤の例としては、酸化ケイ素およびラクトースが挙げられる。
可溶化剤の例としては、エタノール、プロピレングリコールまたはポリエチレングリコールが挙げられる。
当該技術分野で周知のものを含めてその他の慣用的賦形剤が本発明の組成物中に用いられ得る。一般に顔料、滑剤、風味剤等のような賦形剤は、通例の目的のために、組成物の特性に悪影響を及ぼさずに典型的量で用いられ得る。
本発明の組成物は、広範な種々の経路により送達され、その例としては経口、鼻腔、直腸、膣、皮下、静脈内および肺経路が挙げられるが、これらに限定されない。一般に経口経路が好ましい。
本発明の組成物は、薬剤の投与のために広範な種々の剤形でも用いられ得る。例示的剤形は、乾燥させて、あるいはペースト、スラリー、懸濁液または溶液;錠剤;カプセル;多微粒子;およびピルを形成するために水または他の液体の付加により再構成されて、経口摂取され得る粉末または顆粒である。種々の添加剤が本発明の組成物と混合され、粉砕され、造粒されて、このような剤形に適した物質を生成し得る。
本発明の組成物は、液体ビヒクル中の粒子の懸濁液として送達されるよう、種々の形態で処方され得る。このような懸濁液は、製造時点で液体またはペーストとして処方され得るし、あるいはそれらは乾燥粉末として、経口投与前には付加されないが後に付加される液体、典型的には水を用いて処方され得る。懸濁液に構成されるこのような粉末はしばしば、サッシェまたは構成用の経口粉末(OPC)として言及される。このような剤形は、任意の既知の手法を介して処方され、再構成され得る。最も簡単なアプローチは、単に水を付加して撹拌することにより再構成される乾燥粉末として剤形を処方することである。あるいは剤形は、併合され、撹拌されて経口懸濁液を形成する液体および乾燥粉末として処方され得る。さらに別の実施形態では、剤形は、先ず第一粉末に水を付加して溶液を生成し、これに第二粉末を撹拌しながら併合して、懸濁液を生成することにより再構成される2つの粉末として処方され得る。
一般に、薬剤の化学的および物理的安定を促すので、乾燥状態での長期保存のために薬剤の分散体が処方される、というのが好ましい。
本発明の組成物は、薬剤を投与することにより治療に付される任意の症状を治療するために用いられ得る。
実施例1
圧力ノズルを用いた噴霧乾燥法により、貧水溶性薬剤4−[(3,5−ビス−トリフルオロメチル−ベンジル)−メトキシカルボニル−アミノ]−2−エチル−トリフルオロメチル−3,4−ジヒドロ−2H−キノリン−1−カルボン酸エチルエステル(薬剤1)および両親媒性ポリマー酢酸コハク酸ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMCAS)の固体非晶質分散体の多微粒子を以下のように調製した。薬剤1をアセトン溶媒中で中間細粒等級のHPMCAS(AQUOT-MF(Shin Etsu製))と一緒に混合して、2.5重量%薬剤1、7.5重量%HPMCASおよび90重量%アセトンを含む供給溶液を生成した。供給溶液を高圧ギアポンプ(Z-Drive 2000, Zenith, Inc., Sanford, North Carolina)により、液体供給プロセス容器および図3に示したような型の圧力ノズル(モデルSK71−16, Spraying Systems, Inc.)を用いてNiroPSD−1噴霧乾燥機に押出した。この圧力ノズルにより生成された小滴サイズを、Malvern粒子サイズ分析器を用いて確定して、以下の結果を得た:平均小滴直径は125 μmであり、D10は64 μmであり、D50は110 μmであり、そしてD90は206 μmであって、1.3のスパンを生じた。
乾燥機は、乾燥機の乾燥小室の長さおよび容積を増大するために、9インチ乾燥小室延長部分も装備した。付加長は、乾燥機内の粒子滞留時間を増大した。乾燥機は、乾燥小室への乾燥気体の導入のための気体拡散手段も装備した。気体拡散手段は、乾燥小室の内部と同一の広がりを有するプレート(直径約0.8 m)で構成され、プレートの表面積の約1%を占める多数の1.7 mm穿孔を保有する。穿孔はプレート全体に均一に分布されるが、但し拡散器プレートの中心0.2 mの穿孔の密度は拡散器プレート外側部分における穿孔の密度の約25%であった。拡散器プレートの使用は、乾燥小室を通過する乾燥気体の組織化プラグ流を生じ、噴霧乾燥機内の生成物再循環を劇的に低減した。圧力ノズルを配置し、操作中に気体拡散器プレートで洗浄した。19 atm(262 psig)の圧力で180 g/分で、噴霧溶液を噴霧乾燥機に押出した。注入口温度103℃で窒素乾燥気体を気体拡散器プレートに送達した。蒸発溶媒および乾燥気体は、51±4℃の温度で乾燥機を出た。この方法により生成された分散体をサイクロンに収集し、次にポリエチレン裏張りトレー上に1 cmより低い深さに噴霧乾燥粒子を広げた後、それらを40℃で25時間乾燥することにより、溶媒トレー乾燥機中で乾燥した。乾燥後、固体分散体は、25重量%の薬剤1を含有した。
対照1(C1)は、HPMCAS−MFを伴う薬剤1の固体非晶質分散体から成っていたが、しかし図2に示した型のNiro二液外部混合噴霧ノズルを装備した同一のNiroPSD−1乾燥機中での噴霧乾燥により調製された。実施例1および対照1に関する噴霧乾燥条件および供給材料構成を、表1に要約する。
Figure 2005523260
実施例1の試料を分析して、分散体の結晶化度を確定した。先ず、AXS D8AdvancePXRD測定装置(Bruker, Inc., Madison, Wisconsin)を用いて、実施例1に関して粉末X線回析(PXRD)分析を実施した。この分析は回析図中に結晶ピークを示さなかったが、このことは、分散体中の薬剤がほぼ完全に非晶質であったことを示す。
実施例1の方法により製造された分散体の濃度増大の程度を、溶解試験で実証した。この試験のために、実施例1の分散体7.2 mgを含有する試料を微量遠心管に付加した(二重反復試験)。試験管を37℃温度制御小室中に入れて、290 mOsm/kgの浸透圧を有する1.8 mLのPBS(pH6.5)を付加した。回転ミキサーを用いて、試料を約60秒間混合した。試料を13,000 Gで37℃で1分間、遠心分離した。その結果生じた上清溶液を次にサンプリングし、メタノールで1:6(容積)希釈して、次に、Waters Symmetry C8カラムおよび15%(0.2%H3PO4)/85%メタノールから名ある移動相を用いて、256 nmのUV吸光度で、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)により分析した。試験管の内容物を回転ミキサー上で混合し、次の試料を採取するまで37℃で静かに放置した。試料の採取を4、10、20、40、90、1200分で実施して、各経過時間に関してAUCを算定した。同一手法を用いて、対照1および結晶薬剤1単独を試験した。結果を表2に示す。
Figure 2005523260
これらの試料で得られた薬剤の濃度を用いて、最初の90分における薬剤の最大濃度(Cmax90)および最初の90分での薬剤濃度対時間の曲線下面積(AUC90)の値を確定した。結果を表3に示す。これらのデータは、実施例1の分散体は結晶対照の値の717倍より大きいCmax90を提供したが、一方、AUC90は結晶対照の670倍より大きかった、ということを示す。データは、圧力ノズルを用いて製造された実施例1の分散体の濃度増大の程度が二液ノズルを用いて製造された対照1の分散体の値と本質的に等価であった、ということも示す。
Figure 2005523260
LA−910粒子サイズ分析器(Horiba Co., Irvine, California)を用いた各乾燥固体分散体の光散乱分析により、対照C1の分散体の場合と同様に、実施例1の分散体の粒子サイズ分布を確定した。図4は、実施例1および対照C1に関する容積頻度(%)対粒子直径(μm)のプロットである。これらのデータから、平均粒子直径(曲線のピーク)および細粒%(直径約10 μm未満曲線下面積を曲線下総面積で割った)を算定した。結果を表4に要約する。これらのデータは、圧力ノズルにより生成された分散体粒子(実施例1)の平均直径が二液ノズルにより生成された分散体粒子(対照C1)の3倍より大きかった、ということを示す。さらに実施例1の分散体中の細粒の数は、対照C1に関するものと比較した場合、90%以上低減された。
Figure 2005523260
以下の手法を用いて、実施例1の分散体の嵩およびタップtapped比体積を確定した。実施例1の分散体の試料を100-mL目盛り付きシリンダーに注ぎ入れて、風袋重量、試料体積および重量を測定し、記録した。体積を重量で割って嵩比体積4.8 mL/gを得た。次に、VanKelタップ密度計モデル50−1200を用いて、分散体を含入するシリンダーを1000回タップした。タップ体積を分散体の同一重量で割って、タップ比体積3.1 mL/gを得た。対照C1の分散体を用いて、同様の試験を実施した。表5に報告した結果は、圧力ノズルを用いて製造された分散体(実施例1)は、二液ノズルを用いて製造された分散体(対照C1)より低い比体積(嵩およびタップの両方)を有した、ということを示す。低比体積は、分散体に関する流動特性の改良を生じた。
Figure 2005523260
実施例2〜3
実施例1の場合と同様に、2.5重量%薬剤1およびHPMCASを含む噴霧乾燥分散体を調製したが、但し、表6に示すような代替的圧力ノズル(Spray Systems, Inc.)および噴霧乾燥条件を用いた。
Figure 2005523260
実施例1の場合と同様に、実施例2および3の分散体の特性を確定した。その結果を、実施例1および対照C1に関するものと一緒に、表7に要約し、図4にグラフで示すが、これは、圧力ノズルを用いて製造された分散体(実施例1〜3)は、本質的に等価の溶解性能を提供しながら、二液ノズルを用いて製造された分散体(対照C1)と比較して、非常に大きい粒子直径を有し、そして事実上全く細粒を有さない、ということを示す。さらに実施例1〜3の分散体は、対照C1よりも低い比体積を有し、流動特性改良を生じた。
Figure 2005523260
実施例4
貧水溶性薬剤5−クロロ−1H−インドール−2−カルボン酸[(1S)−ベンジル−3−((3R,4S)−ジヒドロキシピロリジン−1−イル−)−(2R)−ヒドロキシ−3−オキシプロピル]アミド(薬剤2)をHPMCASとともに含む固体非晶質分散体を、実施例1の場合と同様にSK 80−16圧力ノズル(Spraying Systems, Inc.)により、しかし表8に示した条件を用いて、アセトン中5重量%水を含む溶媒混合物を用いて、調製した。実施例4の分散体は50重量%の薬剤2を含有した。
対照C2(C2)は、HPMCAS−MFを伴う薬剤2の固体分散体から成っていたが、図2に示した型のNiro二液外部混合噴霧ノズルを用いて噴霧乾燥すると、50重量%の薬剤を含有した。噴霧乾燥条件および供給材料構成は、表8に示したようであった。
Figure 2005523260
実施例4および対照C2の分散体の溶解度および物理的特性を、下記の例外を伴うが実施例1の場合と同様に確定した。濃度増大の測定のために、薬剤全部が溶解した場合は濃度が2000 μg/mLであるよう、十分量の分散体を微量遠心管に付加した。HPLCにより、297 nmの吸光度で試料を分析した(Hewlett Packard 1100 HPLC, Zorbax SB C18カラム、35%アセトにトリル/65%H2O)。結晶薬剤2の対照(CD2)の同一特性も確定した。
これらの試験の結果を表9に要約し、図5にグラフで示すが、これは、圧力ノズルを用いて製造された分散体(実施例4)が、二液ノズルを用いて製造された分散体(対照C2)より大きい平均粒子直径を有し、より少ない細粒を有した、ということを示す。図5は、実施例4および対照C2の分散体に関する容積頻度対粒子直径のプロットである。実施例4の分散体の溶解性能は、二液ノズルを用いて製造されたC2分散体のものよりわずかに良好であった。実施例4の分散体は、結晶対照の4.9倍であるCmax90を提供し、AUC90は結晶対照の4.1倍であった。実施例4の分散体は、結晶対照より低い比容積も有した。
Figure 2005523260
実施例5
表10に示した条件を用いて、実施例4と同様に、モデルWG−256圧力ノズル(Delavan LTV)を用いて、50重量%の薬剤2をHPMCAとともに含む固体非晶質分散体を製造したが、但し、噴霧乾燥機は、小室延長部分または気体拡散器プレートを有さない標準NiroPSD−1噴霧乾燥機であった。
対照C3(C3)は、HPMCAS−MFを伴う50重量%の薬剤2の固体分散体の多微粒子から成っていたが、表10に記載した噴霧条件および供給材料構成を用いて、実施例5の場合と同一の乾燥機で、Niro二液外部混合噴霧ノズルを用いて噴霧乾燥した。
Figure 2005523260
実施例5および対照C3の分散体の溶解度および物理的特性を、実施例4の場合と同様に確定した。これらの試験の結果を表11に要約し、図6にグラフで示すが、これは、圧力ノズルを用いて製造された分散体(実施例5)が、二液ノズルを用いて製造された分散体(対照C3)よりはるかに大きい平均粒子直径を有し、はるかに少ない細粒を有した、ということを示す。図6は、実施例5および対照C3の分散体に関する容積頻度対粒子直径のプロットである。実施例5の分散体の溶解性能は、二液ノズルを用いて製造された分散体と実質的に同じであった。実施例5の分散体は、結晶対照の4.2倍であるCmax90を提供し、AUC90は結晶対照の4.0倍であった。
Figure 2005523260
実施例6
表12に示した条件を用いて、実施例1と同様に、モデルWG−256圧力ノズルを用いて、25重量%の薬剤1をHPMCAとともに含む固体非晶質分散体を製造したが、但し、噴霧乾燥機は、小室延長部分または気体拡散器プレートを有さない標準NiroPSD−1噴霧乾燥機であった。
対照C4(C4)は、HPMCAS−MFを伴う25重量%の薬剤1の固体分散体から成っていたが、実施例6の場合と同一の乾燥機を用いて、Niro二液外部混合噴霧ノズルを用いて噴霧乾燥した。噴霧条件および供給材料構成を表12に記載する。
Figure 2005523260
実施例6および対照C4の分散体の溶解度および物理的特性を、実施例1の場合と同様に確定した。これらの試験の結果を表13に要約し、図7にグラフで示すが、これは、圧力ノズルを用いて製造された分散体(実施例6)が、二液ノズルを用いて製造された分散体(対照C4)より大きい平均粒子直径を有し、細粒の比率を劇的に低減した、ということを示す。図7は、実施例6および対照C4に関する容積頻度対粒子直径のプロットである。実施例6の分散体の溶解性能は、二液ノズルを用いて製造された分散体とほぼ同じであったが、しかし結晶対照薬剤1単独(CD1)の709倍より大きいCmax90を提供し、AUC90は結晶対照の611倍より大きかった。
Figure 2005523260
上記明細書中に用いた用語および表現は説明のための用語としてそこで用いたものであって、本発明を限定するものではなく、このような用語および表現を用いる場合、示され、記述された特徴の等価物またはその一部を除外するという意図は存在せず、本発明の範囲は以下の特許請求の範囲によってのみ定義され限定されると認識される。
従来技術の噴霧乾燥装置の横断面図である。 溶媒含有供給材料を霧化することを示す典型的二液噴霧ノズルのスキームである。 溶媒含有供給材料を噴霧することを示す圧力ノズルのスキームである。 二液ノズルを用い、そして種々の圧力ノズルを用いて製造された噴霧乾燥薬剤分散体の中央値粒子サイズおよび粒子サイズ分布の比較を示すグラフである。 二液ノズルを用い、そして種々の圧力ノズルを用いて製造された噴霧乾燥薬剤分散体の中央値粒子サイズおよび粒子サイズ分布の比較を示すグラフである。 二液ノズルを用い、そして種々の圧力ノズルを用いて製造された噴霧乾燥薬剤分散体の中央値粒子サイズおよび粒子サイズ分布の比較を示すグラフである。 二液ノズルを用い、そして種々の圧力ノズルを用いて製造された噴霧乾燥薬剤分散体の中央値粒子サイズおよび粒子サイズ分布の比較を示すグラフである。

Claims (15)

  1. 製剤組成物の製造方法であって、以下の:
    (a)薬剤、濃度増大ポリマーおよび溶媒を含む供給溶液を生成し;
    (b)乾燥小室、前記供給溶液を前記乾燥小室中で小滴に霧化するための霧化手段、前記小滴を乾燥するための加熱乾燥気体の供給源および乾燥生成物収集手段を包含する噴霧乾燥装置に前記供給溶液を向けて;
    (c)前記霧化手段により前記乾燥小室中で前記供給溶液を小滴に霧化し、前記小滴は少なくとも50 μmの平均直径および少なくとも10 μmのD10を有し;
    (d)前記小滴を前記加熱乾燥気体と接触させて、前記薬剤および前記濃度増大ポリマーの固体非晶質分散体の微粒子を生成し;そして
    (e)前記微粒子を収集する
    過程を包含する方法であって、前記固体非晶質分散体が本質的に等量の前記薬剤単独からなる対照組成物と比較して使用環境中で前記薬剤の濃度増大を提供するのに十分な量で、前記濃度増大ポリマーが前記溶液中に存在する方法。
  2. 前記小滴が3未満のスパンを有する、請求項1記載の方法。
  3. 前記分散体中の前記薬剤が実質的に非晶質であり、そして前記分散体が実質的に均質である、請求項1記載の方法。
  4. 前記組成物が以下の:
    (a)前記対照組成物により提供される前記薬剤の濃度の少なくとも1.25倍である前記使用環境中の前記薬剤の最大濃度;または
    (b)前記対照濃度の少なくとも約1.25倍である前記使用環境への導入の時間から導入後約270分までの前記使用環境における任意の90分期間の間の濃度対時間曲線下面積
    を提供する、請求項1記載の方法。
  5. 前記組成物が前記対照組成物の少なくとも1.25倍である前記薬剤の相対生物学的利用能を提供する、請求項1記載の方法。
  6. 前記濃度増大ポリマーがイオン化セルロースポリマー、非イオン化セルロースポリマー、イオン化非セルロースポリマー、非イオン化非セルロースポリマー、中和酸性ポリマーおよびそれらの配合物からなる群から選択される、請求項1記載の方法。
  7. 前記ポリマーがヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルエチルセルロース、酢酸コハク酸ヒドロキシプロピルメチルセルロース、フタル酸ヒドロキシメチルセルロース、酢酸フタル酸セルロース、酢酸三メリチン酸セルロース、加水分解形態でのそれらの反復単位の少なくとも一部分を有するポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポロキサマーおよびそれらの配合物からなる群から選択される、請求項6記載の方法。
  8. 前記薬剤が抗高血圧薬、抗不安薬、凝固防止薬、抗痙攣薬、血糖降下薬、うっ血除去薬、抗ヒスタミン薬、鎮咳薬、抗腫瘍薬、β遮断薬、抗炎症薬、抗精神病薬、向知性薬、抗アテローム硬化薬、コレステロール低下薬、抗肥満薬、自己免疫障害薬、抗インポテンス薬、抗細菌薬、抗真菌薬、催眠薬、抗パーキンソン病薬、抗アルツハイマー病薬、抗生物質、抗うつ薬、抗ウイルス薬、グリコーゲンホスホリラーゼ阻害薬およびコレステロールエステル転移タンパク質阻害薬からなる群から選択される、請求項1記載の方法。
  9. 前記薬剤が[R−(R**)]−5−クロロ−N−[2−ヒドロキシ−3−{メトキシメチルアミノ}−3−オキソ−1−(フェニルメチル)プロピル−1H−インドール−2−カルボキサミド]、5−クロロ−1H−インドール−2−カルボン酸[(1S)−ベンジル−(2R)−ヒドロキシ−3−((3R,4S)−ジヒドロキシ−ピロリジン−1−イル−)−3−オキシプロピル]アミド、[2R,4S]−4−[アセチル−(3,5−ビス−トリフルオロメチル−ベンジル)−アミノ]−2−エチル−6−トリフルオロメチル−3,4−ジヒドロ−2H−キノリン−1−カルボン酸イソプロピルピルエステル、[2R,4S]−4−[3,5−ビス−トリフルオロメチル−ベンジル)−メトキシカルボニル−アミノ]−2−エチル−6−トリフルオロメチル−3,4−ジヒドロ−2H−キノリン−1−カルボン酸エチルエステルおよび[2R,4S]−4−[(3,5−ビス−トリフルオロメチル−ベンジル)−メトキシカルボニル−アミノ]−2−エチル−6−トリフルオロメチル−3,4−ジヒドロ−2H−キノリン−1−カルボン酸イソプロピルピルエステルからなる群から選択される、請求項1記載の方法。
  10. 前記霧化手段が約2〜約200 atmの圧力で前記供給溶液を霧化する圧力ノズルである、請求項1記載の方法。
  11. 前記装置への入口での前記乾燥気体の温度が約60〜約300℃である、請求項1記載の方法。
  12. 前記装置からの出口での前記乾燥気体の温度が約0〜約100℃である、請求項11記載の方法。
  13. 前記微粒子が少なくとも40 μmの平均直径を有し,そして前記微粒子の10容量%未満が約8 μm未満の直径を有する、請求項1記載の方法。
  14. 前記微粒子の少なくとも80容量%が10 μmより大きい直径を有する請求項1記載の方法。
  15. 請求項1〜14のいずれかの方法の製品。
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