JP2005504775A - イトラコナゾールを含有する組成物及びその製造方法 - Google Patents

イトラコナゾールを含有する組成物及びその製造方法 Download PDF

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Abstract

本発明は、生物学的利用率が顕著に増加したイトラコナゾールを含有した組成物及びその製造方法に関するものである。より詳細には、本発明は難溶性薬物であるイトラコナゾールと、脂肪酸または脂肪酸アルコールと、界面活性剤とを含む組成物及びその製造方法に関するものである。本発明の組成物は、自己微小乳化型薬物送達システム(SMEDDS)として作用し、難溶性薬物のイトラコナゾールが溶解または分散して粘性相を形成し、該粘性相を水に溶解してマイクロエマルジョンを形成する。そして、溶出特性及び生物学的利用率が向上するために、本発明に従う組成物は、スポラノックスカプセルのような市販製剤(よりも少量を使用しても、同等な薬効を示し、該スポラノックスカプセルのような市販製剤よりも安価である。

Description

【技術分野】
【0001】
本発明は、生物学的利用率が顕著に改善されたイトラコナゾールを含有する組成物に関し、より詳細には、難溶性のイトラコナゾールと、脂肪酸または脂肪酸アルコールと、界面活性剤とを含む製薬組成物に関するものである。また、本発明は、該組成物を製造する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
イトラコナゾール(itraconazole)は、アゾール系抗真菌剤でC353012の分子式を有し、かつ分子量は705.64である。淡黄色を帯びた粉末で存在するイトラコナゾールは、水には溶け難く、アルコールには若干溶解し、それぞれ、1μg/ml及び300μg/ml以下の溶解度を示す一方で、塩化メチレンには容易に溶解し、239mg/mlの溶解度を示す。また、イトラコナゾールは弱塩基性(pK=3.7)薬物で、胃液のような低いpHではほとんどイオン化され、かつ脂質に対する溶解性が大きい。イトラコナゾールは、経口投与、非経口投与及び局所投与された場合、広範囲な領域で抗真菌活性を示すことが知られている(米国特許第4,267,179号)。米国特許第4,267,179号に開示されているように、イトラコナゾールまたは、(±)−シス−4−[4−[4−[4−[[2−(2,4−ジクロロフェニル)−2−(1H−1,2,4−トリアゾール−1−イルメチルオクソラン−4−イル)メトキシ]フェニル]−1−ピペラジニル]フェニル]−2,4−ジヒドロ−2−(1−メチルプロピル)−3H−1,2,4−トリアゾール−3−オンは、経口用、非経口用及び局所用に開発された広域抗真菌性化合物である。また、国際公開第93/19061号は、4つのジアステレオ異性体の混合物からなるイトラコナゾールを製造する方法及び使用方法を開示している。
【0003】
しかしながら、イトラコナゾールを含んだ薬物の相当数は、該イトラコナゾールが難溶性であるため、生体に投与した時、消化液での溶解度と溶出速度が低く、従って生物学的利用率が低減されるという問題点があった。即ち、固体状態の薬物は、消化液中にて溶解されて初めて上皮細胞を介した吸収が可能である。従って、水に難溶性の薬物の場合、固形製剤からの溶解速度が消化液中にて遅くなり、その溶解工程が、吸収過程での律速段階となる。したがって、薬物の溶解速度が薬効の発現に要する時間並びにその効能の強度及び持続時間に直接的な影響を与える。その理由は、血中の薬物濃度は吸収速度と消失速度の関数であるため、その低溶出性は、血中の最大濃度を低減するとともに有効血中濃度の持続時間を変更する。イトラコナゾールのような難溶性薬物のこれらの問題を解決するために、溶解度または溶出速度を高めることによって生物学的利用率を改善しようとする多様な試みがなされた。しかしながら、難溶性のイトラコナゾールは、溶解度と生物学的利用率とを高めながら、経済的かつ製薬的に許容可能な剤形で処方化するには、多くの制限があった。
【0004】
このような問題点を解決するために、薬剤学の分野では、難溶性薬物の溶解性または溶出速度の増加を目的とした多様な製剤化手段が開発されている。例えば、生物学的利用率を向上させるための方法として、微細化(micronization)法による粒子径の調節、結晶多形及び非晶質の粉末製造、共融混合物、界面活性剤によるミセル化法、溶媒沈着(solvent deposit)法、乾燥エリキシル(dry elixir)法、噴霧乾燥法、不活性水溶性担体(inert water soluble carrier)を用いた共沈法、固体分散(solid dispersion)法及びシクロデキストリン類を利用する抱接複合体(inclusion complex)法、適切な溶媒及び併用可能な薬物、添加剤等の研究が幅広く報告されてきた。これらの努力にもかかわらず、薬物の溶解度がその製薬処方物を製造する方法に依存して変化するために経済性及び効率性の面で問題点が存在していた。固体分散法を用いた薬物の製剤と関連した先行技術を下記に示す。
【0005】
(1)国際公開第85/02767号及び米国特許第4,764,604号では、シクロデキストリンまたはその誘導体を利用して形成された複合体であって、その薬物の溶解度と生物学的利用率が高められた複合体が開示されている。
【0006】
(2)国際公開第90/11754号では、粒子径を小さくた薬物を含むエアゾール製剤が開示されており、該薬物の投与が容易になっている。
(3)国際公開第93/15719号では、リン脂質と溶媒システムを利用して製造された、イトラコナゾールを含有する外用リポソーム製剤が開示されている。
【0007】
(4)国際公開第95/31178号では、シクロデキストリンやその誘導体を利用して製造されたエマルジョン又は水溶液を用いる外用剤が開示されており、該外用剤は、薬物を鼻腔粘膜や膣粘膜に付着可能である。
【0008】
(5)国際公開第94/05236号では、薬物の溶解性及び生物学的利用率の改善された経口投与可能な処方物が開示されており、該処方物は、コア材料として25乃至30メッシュの糖球体(sugar spehre)を有するビーズ(bead)を親水性ポリマー、特にヒドロキシプロピルメチルセルロースと抗真菌剤、特にイトラコナゾールにてコーティングされたものであり、密封シールコーティングで仕上げられ、経口投与に適したカプセルに充填されており、かつイトラコナゾールを含むその製剤は現在では市販されており、「スポラノックス(登録商標)(Sporanox)」として公知である。
【0009】
(6)国際公開第97/44014号は、イトラコナゾールの製薬組成物を開示しており、該組成物はイトラコナゾールと適切な水溶性ポリマーとからなる固体分散体を最初に調製し、該固体分散体を選択的に溶融押出法を含む種々の技術により研削又はミリングすることにより得られる粒子からなり、該組成物は薬物の溶出速度を増大させるとともに食物摂取による生物学的利用率の変動を低減することにより、生物学的利用率を改善した。
【0010】
国際公開第94/05236号(ヤンセン ファルマシューティカ エヌ.ブイ.(Janssen Pharmaceutica N.V.))に記載されているように、良好な溶解性及び生物学的利用率を備えたビーズはイトラコナゾールと親水性ポリマー、より詳細にはヒドロキシプロピルメチルセルロースとの混合物を約25乃至30メッシュの非常に小さなコアの糖球体上に噴霧し、次いで乾燥し、ポリエチレングリコールによりシールすることにより製造され得る。イトラコナゾール約100mgに相当する約460mgのビーズは、経口投与に適したカプセルに充填され、これらのカプセルのうちの2つが真菌の感染に苦しむ患者に1日1回投与される。しかしながら、該ビーズは以下のような欠点を有する。その生物学的利用率は食物の摂取に容易に影響され、かつ製造工程が複雑である。塩化メチレンのような有機溶媒が使用され、それは残留毒性が示されるように人体には有害である。加えて、個体間において生物学的利用率に大きな差異が認められる。
一方、国際公開第97/44014号には、イトラコナゾール及び適切な水溶性ポリマーを含有する混合物を真空溶融、次いで溶融混合物を固体化するまで冷却させることにより固体分散体を製造し、かつ選択的に該固体分散体を研削又はミリングすることにより得られる粒子径が50〜500μmの粒子からなる製薬組成物が開示されており、該固体分散体はまた、押出成形物を噴霧乾燥するか、または該押出成形物を単に広い表面に注ぎ、溶媒を蒸発させることによっても製造される。そのような単一服用形態で投与できる製剤は一日に一回投与することが可能であるとともに製薬的に許容される添加物を更に含んでいる。しかしながら、この方法では、溶融押出機は、約120〜300℃の高温にて操作されるため、たとえイトラコナゾールが熱に非常に安定であるとしても水溶性ポリマーや添加剤が炭化したり変質し得るため、高温の調節が難しく、かつ複雑であり、製品の再現性が乏しく、かつ高コストになるという問題点を内包している。
【0011】
大韓民国特許出願第1998−27730号(株式会社チョンウェ製薬(Choongwae Pharm.Corp.))は、水に難溶性のイトラコナゾールの経口投与可能な処方物を開示しており、イトラコナゾールと、薬剤学的に安定で低いpHで迅速に溶解するpH依存性の親水性ポリマーとを溶媒に溶解し、分散し、次いで該混合物を噴霧乾燥し、固体分散体として得られたものであり、該処方物はイトラコナゾールの溶解性を増大し、かつ食物摂取に関係なく迅速な溶出性を呈し、それによりイトラコナゾールの生物学的利用率が改善されている。ここで、固体分散体とは、固体状態のポリマー、又は不活性担体中の一つ以上の活性成分の均等な分散体を意味する。しかしながら、一般的に親水性ポリマーを担体にして固体分散体を製造する溶媒法(solvent method)は、凍結乾燥法、自然乾燥法及び窒素ガス乾燥法を含め、製剤の効果に関する再現性が低く、費用が多くかかり、そのような製剤の製造に長時間を必要とするという短所がある。真空溶融法(vacuum melting method)を用いる場合、薬物と担体をそれらの融点以上に温度を上げて真空溶融させなければならないために薬物の安定性に影響を及ぼすことが起こり得、かつ、押出成形物の冷却時の条件が製剤の効能に悪影響を及ぼすため、該製剤の製造工程には細心の注意を払う必要がある。また、溶媒法または真空溶融法が単独で使用できない場合に使用される方法である溶媒−溶融法(solvent−melting method)は、製剤を製造する時間が長くなるという短所がある。特に、使用する有機溶媒は残留特性により人体に有害であり、かつ分散粒子が容易に凝集しやすく、よって再結晶が困難である。更に、薬物の溶出速度の増大により得られる用量の低減は達成できない。薬物の溶出速度は人工胃液(pH1.2)では速いが、ヒトでの該製剤の生物学的利用率に関しては信頼性のあるデータが得られなかった。
【0012】
大韓民国特許出願第1997−70873号(東亜製薬株式会社)に開示されているように、溶解性及び溶出速度が改善された新規な製薬組成物は、難溶性のイトラコナゾールを製薬的に許容可能な水溶性糖類(ショ糖、ブドウ糖、乳糖、マンニトール、ソルビトール、果糖等)と混合し、該混合物を加熱して真空溶融させた後、この溶融混合物を冷却させることにより製造され、これがカプセルや錠剤に製剤化される。イトラコナゾールを含む製薬組成物は安定性に優れ、安価な糖類を利用し、かつその製造工程も単純であるために経済的である。この方法は有機溶媒を使用してはいないが、真空溶融工程を、水溶性の糖が変性する温度である約160〜180℃の高い温度で実施するために、高コスト製品となり、加えて、薬物の溶出速度の改善により得られる用量の低減は達成できなかった。さらに、ヒトでの生物学的利用率に対するより詳細な情報がなく、実用化が困難である。
【0013】
以上のように、難溶性のイトラコナゾールの溶解度及び溶出速度の改善を達成させるために、イトラコナゾールを含む固体分散体が、真空溶融押出法、噴霧乾燥法、または、溶液−蒸発法を含む種々の方法を用いて製造され得るが、それらいずれの技術も、非効率性、複雑性、非経済性及び有機溶媒の有害性という明白な短所を有する。
【0014】
本発明者らは、従来技術において遭遇した、イトラコナゾールの溶出、生体内への吸収及び剤形化での問題点を改善しようと研究した結果、イトラコナゾールと、脂肪酸または脂肪酸アルコールと、界面活性剤とを含む粘性組成物が胃腸管で迅速に溶解及び分散され、かつ非常に安定なマイクロエマルジョンを形成し、よって、その溶出速度を増大させることにより生物学的利用率を改善できるという事実を発見して本発明を完成した。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
従って、本発明の目的は、溶出及び生物学的利用率が顕著に向上したイトラコナゾールを含有する新規な組成物を提供することである。
本発明の別の目的は、イトラコナゾールと、脂肪酸または脂肪酸アルコールと、界面活性剤とを含む粘性組成物を提供することである。
【0016】
本発明の更に別の目的は、難溶性のイトラコナゾールを脂肪酸、界面活性剤及び製薬的に許容可能な添加剤に溶融または分散させることにより製造される粘性組成物を提供することである。
【0017】
本発明の更なる目的は、該組成物を充填した軟カプセル剤または硬カプセル剤を提供することである。
本発明の更に別の目的は、該組成物を基剤と混合し、該混合物を乾燥して製造される固体粉末製剤を提供することである。
【0018】
本発明の更に別の目的は、該組成物の製造方法を提供することである。
本発明の更に別の目的は、イトラコナゾールと、脂肪酸または脂肪酸アルコールと、界面活性剤と、製薬的に混合可能な添加剤とを溶融混合する工程と、得られた混合物をミリングする工程とを含む該組成物の製造方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0019】
本発明は、生物学的利用率が顕著に改善されたイトラコナゾールを含有する組成物及びその製造方法に関するものである。本発明に従って、a)難溶性薬物のイトラコナゾール、b)脂肪酸または脂肪酸アルコール及び、c)界面活性剤を含む組成物及びその製造方法が提供される。本発明に従って、該組成物は、難溶性薬物のイトラコナゾールが脂肪酸及び界面活性剤に溶解または分散された粘性の形態である。そして、該組成物は水に溶解してマイクロエマルジョンを形成し、それにより自己微小乳化型薬物送達システム(self−microemulsifying drug delivery system (SMEDDS))として使用可能となる。
【0020】
本発明の組成物に使用できる脂肪酸または脂肪酸アルコールとしては、オレイン酸、ステアリルアルコール、ミリスチン酸、リノール酸またはラウリン酸、カプリン酸、カプリル酸、カプロン酸等が使用できるが、これらに限定されるものではない。オレイン酸、ラウリン酸、カプリン酸、カプリル酸及びカプロン酸が好ましい。
【0021】
本発明の組成物に使用できる界面活性剤としては、ラウリル硫酸ナトリウム及びその誘導体、ポロキサマー(poloxamer)及びその誘導体、飽和ポリグリコ形グリセライド(saturated polyglycorized glyceride, ゲルシレ(Gelucire)と称される)、ラブラソル(labrasol)、各種のポリソルベート(例えば、ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート(以下、ツイーン(Tween)20と称する)、ポリオキシエチレンソルビタンモノパルミテート(以下、ツイーン40と称する)、ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレート(以下、ツイーン60と称する)及びポリオキシエチレンソルビタンモノオレエート(以下、ツイーン80と称する))、ソルビタンエステル(例えば、ソルビタンモノラウレート(以下、スパン(Span)20と称する)、ソルビタンモノパルミテート(以下、スパン40と称する)、ソルビタンモノステアレート(以下、スパン60と称する)、ソルビタンモノオレエート(以下、スパン80と称する)、ソルビタントリラウレート(以下、スパン25と称する)、ソルビタントリオレエート(以下、スパン85と称する)、及びソルビタントリステアレート(以下、スパン65と称する))、クレモポル(cremophor)、PEG−60水素化ヒマシ油(PEG−60 hydrogenated castor oil)、PEG−40水素化ヒマシ油、ラウリルグルタミン酸ナトリウム(sodium lauryl glutamate)、ココアンホジ酢酸2ナトリウム(disodium cocoamphodiacetate)を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。これらの中で、陰イオン性界面活性剤であるラウリル硫酸ナトリウム及びその誘導体、非イオン性界面活性剤類であるツイーン20、40、60及び80、ソルビタンエステルであるスパン20、40、60、80、25、85及び65等が好ましく、最も好ましいのは、ツイーン20、40、60及び80である。
【0022】
本発明の組成物は、保存時におけるイトラコナゾールの再結晶化を防止するために一種以上の有機酸をさらに含むことが好ましい。本発明において使用される有機酸の例としては、クエン酸を挙げることができる。加えて、該有機酸はフマル酸、マレイン酸、リンゴ酸、サリチル酸、ギ酸、グリコール酸、乳酸、酢酸、プロピオン酸、α−又はβ−ヒドロキシ酸を含む。
【0023】
本発明の組成物は、界面活性剤と共に粘性の自己微小乳化型薬物伝達システム(SMEDDS)をより効率的に安定化させて溶出を増加させるために、共力剤(cosurfactant)を含むことができる。本発明で使用できる共力剤の例としては、ポリエチレングリコール(PEG)類及びその誘導体、エタノール含有アルコール、トランスクトル(transcutol)(例えばエトキシジグリコール)、プロピレングリコール、オレイン酸エチル、メチルピロリドン、エチルピロリドン、プロピルピロリドン、グリセロール、キシリトール、ソルビトール、デキストロース及びマンニトールが挙げられる。好ましい共力剤はトランスクトル、プロピレングリコール及びオレイン酸エチルである。
【0024】
本発明の組成物はまた、組成物の状態及び薬効に悪影響を与えない範囲内で多様な添加剤をさらに含むことができ、その例としては、オイル、抗酸化剤、崩解剤及び発泡剤が挙げられる。
【0025】
本発明の組成物に使用できるオイルの例としては、各種のラブラファク(Labrafac)(例えば、トリ(カプリル/カプリン酸)グリセリド(caprylic/capric triglyceride)または中間鎖トリグリセリド)、カプリル/カプリン酸プロピレングリコール(propylene glycol caprylate/caprate)、各種のラブラフィル(Labrafil)(例えば、オレオイルマクロゴール−6グリセリド、リノレオイルマクロゴール−6グリセリド)、ラウリン酸プロピレングリコール(ラウログリコールと称される)、モノオレイン酸グリセリル、モノリノール酸グリセリル、モノオレイン酸/モノリノール酸グリセリル、α−ビサボロール(α−bisabolol)、酢酸トコフェリル、リポソーム、ホスファチジルコリンを含むリン脂質、ジ−C12−13アルキルマレート、ココ−カプリレート/カプレート(coco−caprylate/caprate)、セチルオクタノエート及び水素化ヒマシ油等が挙げられるが、これ等に限定されるものではない。
【0026】
本発明の組成物に使用できる抗酸化剤の例としては、ブチル化ヒドロキシトルエン(BHT)、重亜硫酸ナトリウム、α−トコフェロール、ビタミンC、β−カロチン、アスコビルパルミテート、酢酸トコフェロール、フマル酸、ナリック酸(nalic acid)、ブチル化ヒドロキシアニソール、没食子酸プロピル及びアスコルビン酸ナトリウム等が挙げられるが、これ等に限定されるものではない。これらの抗酸化剤は、粘性組成物に直接添加されるか、または固形製剤の製造時に添加でき、組成物の全量に対して0.0001%〜10%の範囲内で添加される。
【0027】
本発明の組成物に使用される崩解剤の例としては、クロスカルメロースナトリウム(croscarmellose sodium)、ナトリウムスターチグリコレート(プリモジェル(Primojel))、微結晶セルロース(アビセル(Avicel))、クロスポビドン(ポリプラスドン(Polyplasdone))とその他市販のPVP、低置換ヒドロキシプロピルセルロース、アルギン酸、カルボキシメチルセルロース(CMC)のカルシウム塩及びナトリウム塩、コロイド性二酸化ケイ素、グアーガム、ケイ酸マグネシウムアルミニウム、メチルセルロース、粉末状セルロース、澱粉及びアルギン酸ナトリウムが挙げられるが、これ等に限定されるものではない。該崩解剤は、粘性組成物に直接添加されるか、または圧縮粒、ペレット、顆粒または錠剤等に処方化する際に、製薬的に許容可能な方法を用いて固体粉末製剤に添加される。使用される量は、通常1〜50重量%である。
【0028】
本発明の組成物に使用できる発泡剤の例としては、NaHCO、NaCOが挙げられるが、これ等に限定されるものではない。
本発明の組成物は、多様な製剤形態で投与できる。例えば、軟カプセルまたは硬カプセルを含むカプセルに充填した形態、または基剤と混合溶融してそれを乾燥粉末化し、これを圧縮粒、ペレットまたは錠剤等に成形して得られる製剤の形態で投与できる。固体粉末化工程にて使用する基剤の例としては、ポリエチレングリコール(PEG)、カルボワックス(carbowax)、飽和ポリグリコ形グリセリド(ゲルシアと称される)、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、モノステアリン酸グリセロールまたはポリビニルピロリドン(PVP)等の多様なポリマー基剤が使用できるが、これに限定されるものではない。また、本発明に従う組成物は更に、他の水溶性ポリマー基剤、例えばゼラチン、ガム類、炭化水素類、セルロース及びその誘導体、ポリエチレンオキサイド及びその誘導体、ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸及びその誘導体、ポリメチルアクリレート及び無機化合物を一つ以上含むことができる。
【0029】
本発明の組成物はヒトに経口投与される。経口投与時、本発明に従う組成物は、イトラコナゾールの生物学的利用率が従来の市販製剤(スポラノックス(登録商標)、ヤンセン ファーマシューティカ エヌ.ブイ.)より2〜4倍増加した。したがって、少量である約30〜70mgのイトラコナゾールを含む本発明の組成物は、100mgのイトラコナゾールを含む従来の市販製剤(スポラノックス(登録商標)、ヤンセン ファーマシューティカ エヌ.ブイ.)と同等の薬効を示した。組成物に含まれるイトラコナゾールの量は、患者の年齢、性別、病状等を考慮して適切に決定されるが、通常30〜120mg、好ましくは30〜80mg、より好ましくは30〜70mg、最も好ましいのは40〜60mgである。
【0030】
また、本発明に従って該組成物を製造する方法が提供され、該組成物はイトラコナゾール、脂肪酸及び界面活性剤、必要に応じて有機酸、オイル、抗酸化剤、崩解剤及び発泡剤等を混合し、加熱溶融または真空溶融した後、冷却することにより製造されるが、使用する目的に応じて該混合物をミリング(milling)する更なる工程をも含む。より詳細には、(1)イトラコナゾールを脂肪酸及び界面活性剤、使用する目的に応じて有機酸、オイル、抗酸化剤、崩解剤及び発泡剤等をさらに含む混合物に添加し、該混合物を加熱溶融または真空溶融させて冷却する工程を含み、透明粘性組成物を形成し、自己微小乳化型薬物伝達システムに使用でき、該工程は、好ましくは、さらに、(2)得られた粘性半固形組成物をロールミリング(roll−milling)(最も好ましくは、三段ロールミリング)工程を実施する。イトラコナゾールが加熱溶融または真空溶融工程にて分散されてワックス相の組成物が形成される場合、該組成物は、さらにロールミリングされ、より均質に分散した粘性組成物が得られる。加えて、該方法は、(3)該混合物の一部をまず加熱溶融または真空溶融させて冷却した後、該部分を1次ロールミリングして、それに再び残余混合物の一部を加えた後、さらにロールミリングすることにより粘性組成物を得ることができる。従って、該組成物に含まれるイトラコナゾールは溶出速度が増大し、生物学的利用率が改善された(以下、本発明の製造方法の特徴を詳細に記載した実験例1乃至4を参照されたい)。
【0031】
本発明の実験例によると、溶出特性と生物学的利用率が改善された粘性半固形組成物は、イトラコナゾール8〜12重量部と、脂肪酸8〜60重量部、好ましくは8〜48重量部、最も好ましくは8〜12重量部と、界面活性剤64〜120重量部、好ましくは80〜120重量部と、有機酸16〜24重量部とを含む混合物を加熱溶融または真空溶融して冷却させ、それにより淡褐色の粘性半固形組成物が、上記工程のみ、又は選択的にロールミリング工程を施すことにより形成される。また、オイル、抗酸化剤、崩解剤及び発泡剤で構成された群から選択される一種以上の添加剤を少量追加しても、該粘性組成物の状態及び溶出速度は変化しなかった。より詳細には、溶出特性と生物学的利用率が改善された粘性半固形組成物は、イトラコナゾール8〜12重量部と、オレイン酸8〜60重量部、好ましくは8〜48重量部、最も好ましくは8〜12重量部と、ツイーン20または80を64〜120重量部、好ましくは80〜120重量部と、クエン酸16〜24重量部とを含有する混合物を加熱溶融または真空溶融して冷却させ、かつ得られた粘性半固形組成物を選択的にロールミリング工程を施すことにより製造される。
【0032】
本発明のまた別の実験例によると、溶出特性と生物学的利用率が改善された粘性半固形組成物は、イトラコナゾール8〜12重量部と、オレイン酸、ラウリン酸、カプリル酸及びこれらの混合物で構成された群から選択される脂肪酸40〜60重量部、好ましくはラウリン酸及びカプリル酸の混合物40〜60重量部、最も好ましくはラウリン酸8〜12重量部及びカプリル酸32〜48重量部と、ツイーン20または80の64〜96重量部と、クエン酸16〜24重量部を含む混合物を加熱溶融または真空溶融して冷却させ、得られた粘性半固形組成物を選択的にロールミリング工程を施すことにより製造される。また、オイル、抗酸化剤、崩解剤及び発泡剤で構成された群から選択される一種以上の添加剤を少量追加してもその粘液組成物の状態や溶出速度は変化しなかった。
【発明を実施するための最良の形態】
【0033】
以下、実施例をあげて本発明をより詳細に説明する。しかしながら、以下の実施例は本発明を例示する目的にのみ提供されるものであり、本発明の範囲がこれ等の実施例に限定されるものではない。従って、本発明の精神及び請求の範囲を逸脱することなく、種々の変更及び修正が可能であることは、本発明が属する技術分野で通常の知識を持った者には自明である。
【実施例】
【0034】
実施例1
イトラコナゾール1g、オレイン酸3g及びツイーン80 3gを含む混合物を、実験例1と同様の方法に従って、加熱溶融または真空溶融した。その後、該混合物を冷却、ロールミリングして粘性のSMEDDSを得た。
【0035】
実施例2
イトラコナゾール1g、オレイン酸3g、ツイーン80 1.5g及びツイーン20 1.5gを含む混合物を、実験例1と同様の方法に従って、加熱溶融または真空溶融した。その後、該混合物を、冷却、ロールミリングして粘性のSMEDDSを得た。
【0036】
実施例3
イトラコナゾール1g、オレイン酸3g及びツイーン20 3gを含む混合物を、実験例1と同様の方法に従って、加熱溶融または真空溶融した。その後、該混合物を、冷却、ロールミリングして粘性のSMEDDSを得た。
【0037】
実施例4
イトラコナゾール1g、オレイン酸3g及びツイーン80 6gを含む混合物を、実験例1と同様の方法に従って、加熱溶融または真空溶融した。その後、該混合物を、冷却、ロールミリングして粘性のSMEDDSを得た。
【0038】
実施例5
イトラコナゾール1g、オレイン酸3g及びツイーン80 3gを含む混合物を、実験例1と同様の方法に従って、加熱溶融または真空溶融した。その後、該混合物を、冷却、ロールミリングした。1−エチル−2−ピロリジノン1gを該混合物に混合して、粘性のSMEDDSを得た。
【0039】
実施例6
イトラコナゾール1g、オレイン酸1g及びツイーン80 1gを含む混合物を、実験例1と同様の方法に従って、加熱溶融または真空溶融した。その後、得られた混合物を、冷却、ロールミリングした。1−エチル−2−ピロリジノン1gを得られた混合物に混合して、粘性のSMEDDSを得た。
【0040】
実施例7
イトラコナゾール1g、オレイン酸1g及びツイーン80 1gを含む混合物を、実験例1と同様の方法に従って、加熱溶融または真空溶融した。その後、得られた混合物を、冷却、ロールミリングした。1−メチル−2−ピロリジノン1gを得られた混合物に加え、均一に混合して、粘性のSMEDDSを得た。
【0041】
実施例8
イトラコナゾール1g、オレイン酸3g及びツイーン80 6gを含む混合物を、実験例1と同様の方法に従って、加熱溶融または真空溶融した。その後、得られた混合物を、冷却、ロールミリングした。カルメロースナトリウム1gを得られた混合物に加え、均一に混合して、粘性のSMEDDSを得た。
実施例9
イトラコナゾール1g、カプロン酸3g及びツイーン80 16gを含む混合物を、実験例1と同様の方法に従って、加熱溶融または真空溶融し、冷却した。得られた混合物をロールミリングして粘性のSMEDDSを得た。
【0042】
実施例10
イトラコナゾール1g、カプリル酸3g及びツイーン80 16gを含む混合物を、実験例1と同様の方法に従って、加熱溶融または真空溶融した後、冷却した。得られた混合物をロールミリングして粘性のSMEDDSを得た。
【0043】
実施例11
イトラコナゾール1g、カプリン酸3g及びツイーン80 16gを含む混合物を、実験例1と同様の方法に従って、加熱溶融または真空溶融した後、冷却した。得られた混合物をロールミリングして粘性のSMEDDSを得た。
【0044】
実施例12
イトラコナゾール1g、ラウリン酸3g及びツイーン80 16gを含む混合物を、実験例1と同様の方法に従って、加熱溶融または真空溶融した後、冷却した。得られた混合物をロールミリングして粘性のSMEDDSを得た。
【0045】
実施例13
イトラコナゾール1g、ミリスチン酸3g及びツイーン80 16gを含む混合物を、実験例1と同様の方法に従って、加熱溶融または真空溶融した後、冷却した。得られた混合物をロールミリングして粘性のSMEDDSを得た。
【0046】
実施例14
イトラコナゾール1g、パルミチン酸3g及びツイーン80 16gを含む混合物を、実験例1と同様の方法に従って、加熱溶融または真空溶融した後、冷却した。得られた混合物をロールミリングして粘性のSMEDDSを得た。
【0047】
実施例15
イトラコナゾール1g、ステアリン酸3g及びツイーン80 16gを含む混合物を、実験例1と同様の方法に従って、加熱溶融または真空溶融した後、冷却した。得られた混合物をロールミリングして粘性のSMEDDSを得た。
【0048】
実施例16
イトラコナゾール1g、リノール酸3g及びツイーン80 16gを含む混合物を、実験例1と同様の方法に従って、加熱溶融または真空溶融した後、冷却した。得られた混合物をロールミリングして粘性のSMEDDSを得た。
【0049】
実施例17
イトラコナゾール1g、オレイルアルコール3g及びツイーン80 16gを含む混合物を、実験例1と同様の方法に従って、加熱溶融または真空溶融した後、冷却した。得られた混合物をロールミリングして粘性のSMEDDSを得た。
【0050】
実施例18
イトラコナゾール1g、セチルアルコール3g及びツイーン80 16gを含む混合物を、実験例1と同様の方法に従って、加熱溶融または真空溶融した後、冷却した。得られた混合物をロールミリングして粘性のSMEDDSを得た。
【0051】
実施例19
イトラコナゾール1g、オレイン酸3g及びツイーン80 6gを含む混合物を、実験例1と同様の方法に従って、加熱溶融または真空溶融した後、冷却及びロールミリングした。クロスカルメロースナトリウム0.3g及びエトキシジグリコール1gを冷却した混合物に加え、均一に混合し、得られた混合物をロールミリングして粘性のSMEDDSを得た。
【0052】
実施例20
イトラコナゾール1g、オレイン酸3g及びツイーン80 6gを含む混合物を、実験例1と同様の方法に従って、加熱溶融または真空溶融した後、冷却及びロールミリングした。クロスカルメロースナトリウム0.3g及びエトキシジグリコール3gを冷却した混合物に加え、均一に混合し、得られた混合物をロールミリングして粘性のSMEDDSを得た。
【0053】
実施例21
イトラコナゾール1g、オレイン酸3g及びツイーン80 6gを含む混合物を、実験例1と同様の方法に従って、加熱溶融または真空溶融した後、冷却及びロールミリングした。クロスカルメロースナトリウム0.3g及びエトキシジグリコール5gを冷却した混合物に加え、均一に混合し、得られた混合物をロールミリングして粘性のSMEDDSを得た。
【0054】
実施例22
イトラコナゾール1g、オレイン酸3g及びツイーン80 6gを含む混合物を、実験例2と同様の方法に従って、で加熱溶融または真空溶融した後、冷却及びロールミリングした。ツイーン20 10g及びクロスカルメロースナトリウム0.3gを冷却した混合物に加え、均一に混合し、得られた混合物をロールミリングして粘性のSMEDDSを得た。
【0055】
実施例23
イトラコナゾール1g、オレイン酸3g及びツイーン80 6gを含む混合物を、実験例2と同様の方法に従って、加熱溶融または真空溶融した後、冷却及びロールミリングした。ツイーン80 10g及びクロスカルメロースナトリウム0.4gを冷却した混合物に加え、均一に混合し、得られた混合物をロールミリングして粘性のSMEDDSを得た。
【0056】
実施例24
イトラコナゾール1g、オレイン酸3g及びツイーン80 6gを含む混合物を、実験例2と同様の方法に従って、加熱溶融または真空溶融した後、冷却及びロールミリングした。ツイーン80 10g及びクロスカルメロースナトリウム0.3gを冷却した混合物に加え、均一に混合し、得られた混合物をロールミリングして粘性のSMEDDSを得た。
【0057】
実施例25
イトラコナゾール1g、オレイン酸2g及びツイーン80 7gを含む混合物を、実験例2と同様の方法に従って、加熱溶融または真空溶融した後、冷却及びロールミリングした。ツイーン80 10g及びクロスカルメロースナトリウム0.4gを冷却した混合物に加え、均一に混合し、得られた混合物をロールミリングして粘性のSMEDDSを得た。
【0058】
実施例26
イトラコナゾール1g、オレイン酸2g及びツイーン80 6gを含む混合物を、実験例2と同様の方法に従って、加熱溶融または真空溶融した後、冷却及びロールミリングした。ツイーン80 3g、クロスカルメロースナトリウム0.5g及びエトキシジグリコール1gを冷却した混合物に加え、均一に混合し、得られた混合物をロールミリングして粘性のSMEDDSを得た。
【0059】
実施例27
イトラコナゾール1g、オレイン酸2g及びツイーン80 6gを含む混合物を、実験例2と同様の方法に従って、加熱溶融または真空溶融した後、冷却及びロールミリングした。ツイーン80 5g、クロスカルメロースナトリウム0.5g及びエトキシジグリコール1gを冷却した混合物に加え、均一に混合し、得られた混合物をロールミリングして粘性のSMEDDSを得た。
【0060】
実施例28
イトラコナゾール1g、オレイン酸2g及びツイーン80 6gを含む混合物を、実験例2と同様の方法に従って、加熱溶融または真空溶融した後、冷却及びロールミリングした。ツイーン80 9g、クロスカルメロースナトリウム0.5g及びエトキシジグリコール1gを冷却した混合物に加え、均一に混合し、得られた混合物をロールミリングして粘性のSMEDDSを得た。
【0061】
実施例29
イトラコナゾール1g、クエン酸2g及びツイーン80 4gを含む混合物を、実験例3と同様の方法に従って、加熱溶融または真空溶融した後、40℃に冷却した。ツイーン80 4g及びラウリン酸1gを冷却した混合物に加え、均一に混合し、得られた混合物を室温にて冷却し、粘性のSMEDDSを得た。
【0062】
実施例30
イトラコナゾール1g、クエン酸2g及びツイーン80 4gを含む混合物を、実験例3と同様の方法に従って、加熱溶融または真空溶融した後、40℃に冷却した。ツイーン80 4g、カプリル酸0.5g及びラウリン酸1gを冷却した混合物に加え、均一に混合し、得られた混合物を室温にて冷却し、粘性のSMEDDSを得た。
【0063】
実施例31
イトラコナゾール1g、クエン酸2g及びツイーン80 4gを含む混合物を、実験例3と同様の方法に従って、加熱溶融または真空溶融した後、40℃に冷却した。ツイーン80 4g、カプリル酸1g及びラウリン酸0.5gを冷却した混合物に加え、均一に混合し、得られた混合物を室温にて冷却し、粘性のSMEDDSを得た。
【0064】
実施例32
イトラコナゾール1g、クエン酸2g及びツイーン80 4gを含む混合物を、実験例3と同様の方法に従って、加熱溶融または真空溶融した後、40℃に冷却した。ツイーン80 4g、カプリル酸1g及びラウリン酸1gを冷却した混合物に加え、均一に混合し、得られた混合物を室温にて冷却し、粘性のSMEDDSを得た。
【0065】
実施例33
イトラコナゾール1g、クエン酸2g及びツイーン80 4gを含む混合物を、実験例3と同様の方法に従って、加熱溶融または真空溶融した後、40℃に冷却した。ツイーン80 4g、カプリル酸0.5g及びラウリン酸0.5gを冷却した混合物に加え、均一に混合し、得られた混合物を室温にて冷却し、粘性のSMEDDSを得た。
【0066】
実施例34
イトラコナゾール1g、クエン酸2g及びツイーン80 4gを含む混合物を、実験例3と同様の方法に従って、加熱溶融または真空溶融した後、40℃に冷却した。ツイーン80 4g、カプリル酸0.7g及びラウリン酸0.3gを冷却した混合物に加え、均一に混合し、得られた混合物を室温にて冷却し、粘性のSMEDDSを得た。
【0067】
実施例35
イトラコナゾール1g、クエン酸2g及びツイーン80 4gを含む混合物を、実験例3と同様の方法に従って、加熱溶融または真空溶融した後、40℃に冷却した。ツイーン80 4g、カプリル酸0.6g及びラウリン酸0.4gを冷却した混合物に加え、均一に混合し、得られた混合物を室温にて冷却し、粘性のSMEDDSを得た。
【0068】
実施例36
イトラコナゾール1g、クエン酸2g及びツイーン80 4gを含む混合物を、実験例3と同様の方法に従って、加熱溶融または真空溶融した後、40℃に冷却した。ツイーン80 4g、カプリル酸0.8g及びラウリン酸0.4gを冷却した混合物に加え、均一に混合し、得られた混合物を室温にて冷却し、粘性のSMEDDSを得た。
【0069】
実施例37
イトラコナゾール1g、クエン酸2g及びツイーン80 4gを含む混合物を、実験例3と同様の方法に従って、加熱溶融または真空溶融した後、40℃に冷却した。ツイーン80 4g及びカプリル酸1gを冷却した混合物に加え、均一に混合し、得られた混合物を室温にて冷却し、粘性のSMEDDSを得た。
【0070】
実施例38
イトラコナゾール1g、クエン酸2g及びツイーン80 4gを含む混合物を、実験例3と同様の方法に従って、加熱溶融または真空溶融した後、40℃に冷却した。ツイーン80 4g、カプリル酸0.75g及びラウリン酸0.5gを冷却した混合物に加え、均一に混合し、得られた混合物を室温にて冷却し、粘性のSMEDDSを得た。
【0071】
実施例39
イトラコナゾール1g、クエン酸2g及びツイーン20 4gを含む混合物を、実験例3と同様の方法に従って、加熱溶融または真空溶融した後、40℃に冷却した。ツイーン20 4g、カプリル酸3g及びラウリン酸1gを冷却した混合物に加え、均一に混合し、得られた混合物を室温にて冷却し、粘性のSMEDDSを得た。
【0072】
実施例40
イトラコナゾール1g、クエン酸2g及びツイーン20 4gを含む混合物を、実験例3と同様の方法に従って、加熱溶融または真空溶融した後、40℃に冷却した。ツイーン20 4g、カプリル酸4g及びラウリン酸1gを冷却した混合物に加え、均一に混合し、得られた混合物を室温にて冷却し、粘性のSMEDDSを得た。
【0073】
実施例41
イトラコナゾール1g、クエン酸2g及びツイーン20 4gを含む混合物を、実験例3と同様の方法に従って、加熱溶融または真空溶融した後、40℃に冷却した。ツイーン20 4g、カプリル酸0.7g及びラウリン酸0.3gを冷却した混合物に加え、均一に混合し、得られた混合物を室温にて冷却し、粘性のSMEDDSを得た。
【0074】
実施例42
イトラコナゾール1g、クエン酸2g及びツイーン20 4gを含む混合物を、実験例3と同様の方法に従って、加熱溶融または真空溶融した後、40℃に冷却した。ツイーン20 4g、カプリル酸0.6g及びラウリン酸0.4gを冷却した混合物に加え、均一に混合し、得られた混合物を室温にて冷却し、粘性のSMEDDSを得た。
【0075】
実施例43
イトラコナゾール1g、クエン酸2g及びツイーン20 4gを含む混合物を、実験例3と同様の方法に従って、加熱溶融または真空溶融した後、40℃に冷却した。ツイーン20 4g、カプリル酸0.75g及びラウリン酸0.5gを冷却した混合物に加え、均一に混合し、得られた混合物を室温にて冷却し、粘性のSMEDDSを得た。
【0076】
実施例44
イトラコナゾール1g、クエン酸2g及びツイーン20 4gを含む混合物を、実験例3と同様の方法に従って、加熱溶融または真空溶融した後、40℃に冷却した。ツイーン20 4g、カプリル酸0.5g及びラウリン酸0.5gを冷却した混合物に加え、均一に混合し、得られた混合物を室温にて冷却し、粘性のSMEDDSを得た。
【0077】
実施例45
イトラコナゾール1g、クエン酸2g及びツイーン20 4gを含む混合物を、実験例3と同様の方法に従って、加熱溶融または真空溶融した後、40℃に冷却した。ツイーン20 4g、カプリル酸0.5g及びオレイン酸0.5gを冷却した混合物に加え、均一に混合し、得られた混合物を室温にて冷却し、粘性のSMEDDSを得た。
【0078】
実施例46
イトラコナゾール1g、クエン酸2g及びツイーン80 4gを含む混合物を、実験例4と同様の方法に従って、加熱溶融または真空溶融した後、40℃に冷却した。ツイーン80 4g及びオレイン酸1gを冷却した混合物に加え、均一に混合し、得られた混合物を室温にて約24時間反応させた。その後、該混合物をロールミリングして、粘性のSMEDDSを得た。
【0079】
実施例47
イトラコナゾール1g、クエン酸2g及びツイーン80 4gを含む混合物を、実験例4と同様の方法に従って、加熱溶融または真空溶融した後、40℃に冷却した。ツイーン80 11g及びオレイン酸1gを冷却した混合物に加え、均一に混合し、得られた混合物を室温にて約24時間反応させた。その後、該混合物をロールミリングして、粘性のSMEDDSを得た。
【0080】
実施例48
イトラコナゾール1g、クエン酸2g及びツイーン80 4gを含む混合物を、実験例4と同様の方法に従って、加熱溶融または真空溶融した後、40℃に冷却した。ツイーン80 8g及びオレイン酸1gを冷却した混合物に加え、均一に混合し、得られた混合物を室温にて約24時間反応させた。その後、該混合物をロールミリングして、粘性のSMEDDSを得た。
【0081】
実施例49
イトラコナゾール1g、クエン酸2g及びツイーン80 4gを含む混合物を、実験例4と同様の方法に従って、加熱溶融または真空溶融した後、40℃に冷却した。ツイーン80 10g及びオレイン酸1gを冷却した混合物に加え、均一に混合し、得られた混合物を室温にて約24時間反応させた。その後、該混合物をロールミリングして、粘性のSMEDDSを得た。
【0082】
実施例50
イトラコナゾール1g、クエン酸2g及びツイーン80 4gを含む混合物を、実験例4と同様の方法に従って、加熱溶融または真空溶融した後、40℃に冷却した。ツイーン80 6g及びオレイン酸1gを冷却した混合物に加え、均一に混合し、得られた混合物を室温にて約24時間反応させた。その後、該混合物をロールミリングして、粘性のSMEDDSを得た。
【0083】
実施例51
イトラコナゾール1g、乳酸2g及びツイーン80 4gを含む混合物を、実験例4と同様の方法に従って、加熱溶融または真空溶融した後、40℃に冷却した。ツイーン80 8g及びオレイン酸1gを冷却した混合物に加え、均一に混合し、得られた混合物を室温にて約24時間反応させた。その後、該混合物をロールミリングして、粘性のSMEDDSを得た。
【0084】
実施例52
イトラコナゾール1g、リンゴ酸2g及びツイーン80 4gを含む混合物を、実験例4と同様の方法に従って、加熱溶融または真空溶融した後、40℃に冷却した。ツイーン80 8g及びオレイン酸1gを冷却した混合物に加え、均一に混合し、得られた混合物を室温にて約24時反応させた。その後、該混合物をロールミリングして、粘性のSMEDDSを得た。
【0085】
実施例53
イトラコナゾール1g、クエン酸2g及びツイーン80 4gを含む混合物を、実験例4と同様の方法に従って、加熱溶融または真空溶融した後、40℃に冷却した。ツイーン80 6g乳酸2g及びオレイン酸1gを冷却した混合物に加え、均一に混合し、得られた混合物を室温にて約24時間反応させた。その後、該混合物をロールミリングして、粘性のSMEDDSを得た。
【0086】
実施例54
イトラコナゾール1g、クエン酸2g及びツイーン80 4gを含む混合物を、実験例4と同様の方法に従って、加熱溶融または真空溶融した後、40℃に冷却した。ツイーン80 6g、乳酸1g及びオレイン酸1gを冷却した混合物に加え、均一に混合し、得られた混合物を室温にて約24時間反応させた。その後、該混合物をロールミリングして、粘性のSMEDDSを得た。
【0087】
実施例55
イトラコナゾール1g、クエン酸2g及びツイーン80 4gを含む混合物を、実験例4と同様の方法に従って、加熱溶融または真空溶融した後、40℃に冷却した。ツイーン80 5g、乳酸3g及びオレイン酸1gを冷却した混合物に加え、均一に混合し、得られた混合物を室温にて約24時間反応させた。その後、該混合物をロールミリングして、粘性のSMEDDSを得た。
【0088】
実施例56
イトラコナゾール1g、クエン酸2g及びツイーン80 4gを含む混合物を、実験例4と同様の方法に従って、加熱溶融または真空溶融した後、40℃に冷却した。ツイーン80 4g及び乳酸3gを冷却した混合物に加え、均一に混合し、得られた混合物を室温にて約24時間反応させた。その後、該混合物をロールミリングして、粘性のSMEDDSを得た。
【0089】
実施例57
イトラコナゾール1g、クエン酸2g及びツイーン80 4gを含む混合物を、実験例4と同様の方法に従って、加熱溶融または真空溶融した後、40℃に冷却した。ツイーン80 6g、オレイン酸1g及び発泡性重曹(NaHCO)2gを冷却した混合物に加え、均一に混合し、得られた混合物を室温にて約24時間反応させた。その後、該混合物をロールミリングして、粘性のSMEDDSを得た。
【0090】
実施例58
実施例1〜57により製造したイトラコナゾールを含有する粘性半固形SMEDDSをソフトゼラチンカプセルに充填して、イトラコナゾールを含有する軟カプセルを製造した。
【0091】
実施例59
実施例1〜57により製造したイトラコナゾールを含有する粘性半固形SMEDDSを硬質ゼラチンカプセルに充填して、該カプセルの繋ぎ部分はシールして、イトラコナゾールを含有する硬カプセルを製造した。
【0092】
実施例60
実施例50で得た組成物10gとアセトン:エタノール(1:1の容積比)の混合液10mlを含む混合物にPVP10gを加えた。その後、得られた混合物を70℃のオーブンで乾燥して固体粉末製剤を得た。
【0093】
実施例61
実施例50で得た組成物10gを、予め60℃に加温したポリエチレングリコール10gに加えて均一に混合した後、得られた混合物を室温にて冷却し、乾燥して固体粉末製剤を得た。
【0094】
実施例62
実施例50で得た組成物10g及びPVP10gを、アセトン:エタノール(1:1の容積比)の混合液10mlと混合して均一に分散させた。そこへ水5mlを加えた後、得られた混合物を薬剤学的に使用されている通常の噴霧乾燥機を使用して、100℃の温度で噴霧乾燥して固体粉末製剤を得た。
【0095】
実施例63
実施例60から62で得た固体粉末に、崩解剤としての微結晶セルロース(アビセル)10%及び滑沢剤としてのコロイド性二酸化ケイ素(Cab−O−Sil)2%を均一に混合した。薬物量50mgに該当する重量を空の硬ゼラチンカプセルに充填して、固体カプセルを得た。
【0096】
実施例64
実施例60〜62で得た固体粉末に、崩解剤としての微結晶セルロース10%及び滑沢剤としてのコロイド性二酸化ケイ素(Cab−O−Sil)2%を均一に混合した。薬物量50mgに該当する重量をロータリー打錠機(12ステーション(stations)、高麗機械)を使用して打錠して錠剤を製造した。
【0097】
実施例65
実施例64で製造した錠剤を破砕した後、40〜60メッシュの篩を使用して微細粉末を除去した後、一定サイズの微細顆粒を得た。薬物量50mgに該当する重量の微細顆粒を空のハイドロゼラチン(hydrogelatin)カプセルに充填して固体カプセルを得た。
【0098】
比較例1
イトラコナゾール1g、クエン酸2g及びツイーン80 2gを含む混合物を実験例1と同様の方法に従って、加熱溶融または真空溶融した。得られた混合物を冷却及びロールミリングして、半透明かつ粘性のSMEDDSを得た。
【0099】
比較例2
イトラコナゾール100mgを含有する市販のスポラノックスカプセルを試験した。
比較例3
イトラコナゾール100mgを含有する市販のスポラノックスカプセルを乳鉢で均一に砕いて微細にして粉末を得た。
本発明に従うSMEDDSに対する製造方法の主たる特徴
本発明に従うSMEDDSの製造方法は、イトラコナゾール及び界面活性剤からなる混合物が有機酸を含むか又は含まないこと、更なるロールミリング工程を一度又は繰り返して実施すること、及び加熱溶融または真空溶融工程時に使用される界面活性剤を、2つに分けた後に2回に分けて加えることを特徴とする。
【0100】
まず、有機酸を混合物中に含有しない場合、薬物、界面活性剤及び脂肪酸からなる混合物を加熱溶融または真空溶融した後、ロールミリングして粘性のSMEDDSを最終製品として得る(実験例1参照)。薬物と界面活性剤の一部を1:4〜6の重量比でまず加熱溶融または真空溶融にて混合した後、第1のロールミリング工程を実施し、かつさらに残りの界面活性剤を加え、第2のロールミリング工程を実施した後、粘性のSMEDDSを最終製品として得る(実験例2参照)。一方、有機酸を含有する混合物を使用する場合、有機酸と界面活性剤を使用される有機酸の総量に対して、1:2〜4の重量比で混合した。冷却工程後の最終組成物が粘性の状態にある場合、ロールミリング工程は実施しない(実験例3参照)。しかしながら、製造した最終組成物が半固形のワックス相にて存在する場合、最終製品をロールミリング工程により粘性相に転換して粘性のSMEDDSを生成する(実験例4参照)。
【0101】
実験例1:溶融及び1段階ミリング工程によるイトラコナゾール並びに脂肪酸及び界面活性剤を含有するSMEDDSの製造方法
薬物、界面活性剤及び脂肪酸からなる混合物を150〜160℃で約10分間加熱溶融または真空溶融した。得られた淡褐色の粘性混合物を40℃に冷却した。必要に応じて追加的に、崩解剤(好ましくはカルメロースナトリウム)、共溶媒または共力剤(好ましくはトランスクトル)及び抗酸化剤(好ましくはブチル化ヒドロキシトルエンであり、混合物の総重量の0.1%を加える)を入れた後、ボルテックスミキサー機(vortexing)で約10分間均一分散させて室温または−10℃で冷却させ、半固形ワックス状の組成物を得た。その後、該ワックス組成物を一度ロールミリングして(1段階ロールミリング)、粘性半固形SMEDDSを得た。最終的な粘性半固形SMEDDSを製造する全過程を通して薬物の損失は認められなかった。
【0102】
実験例2:溶融及び2段階ミリング工程によるイトラコナゾール並びに脂肪酸及び界面活性剤を含有するSMEDDSの製造方法
薬物及び界面活性剤の一部を1:6、1:7または1:8の重量比にて脂肪酸と共に混合し、該混合物を150〜160℃で約10分間加熱溶融または真空溶融した。得られた黄色の粘性混合物を室温または−10℃で冷却して、第1のロールミリング工程を実施して粘性半固形SMEDDSを製造した。残りの界面活性剤をそこへ加え、必要に応じて追加的に崩解剤(好ましくはカルメロースナトリウム)、共溶媒または共力剤(好ましくはトランスクトル)及び抗酸化剤(好ましくはブチル化ヒドロキシトルエンであり、混合物の総重量の0.1%を加える)を入れた後、ボルテックスミキサー機で約10分間均一に分散させ、第2のロールミリング工程を実施して、粘性のSMEDDSを最終組成物として製造した。最終的な粘性半固形SMEDDSを製造する全過程を通して薬物の損失は認められなかった。
【0103】
実験例3:ロールミリング工程を実施しない溶融及び混合によるイトラコナゾール並びに脂肪酸、界面活性剤及び有機酸を含有するSMEDDSの製造方法
有機酸及び界面活性剤の一部を1:2の重量比率にて混合し、該混合物を150〜160℃で約10分間加熱溶融または真空溶融して黄色の粘性混合物を形成させた。そこへ薬物を入れて150〜160℃で約5分間加熱溶融または真空溶融して薬物を完全に溶解させ褐色の粘性混合物を形成させた。得られた混合物を40℃に冷却後、残りの界面活性剤及び脂肪酸、追加的に崩解剤(好ましくはカルメロースナトリウム)、共溶媒または共力剤(好ましくはトランスクトル)及び抗酸化剤(好ましくはブチル化ヒドロキシトルエンであり、混合物の総重量の0.1%を加える)を入れた後、ボルテックスミキサー機で約10分間均一に分散させ、室温または−10℃で冷却させ淡褐色かつ粘性半固形SMEDDSを製造した。最終的な粘性半固形SMEDDSを製造する全過程を通して薬物の損失は認められなかった。
【0104】
実験例4:溶融及び1段階ミリング工程によるイトラコナゾール並びに脂肪酸、界面活性剤及び有機酸を含有するSMEDDSの製造方法
有機酸及び界面活性剤の一部を1:2の重量比率にて混合し、該混合物を150〜160℃で約10分間加熱溶融または真空溶融して黄色の粘性混合物を形成させた。そこへ薬物を入れて150〜160℃で約5分間加熱溶融または真空溶融して薬物を完全に溶解させ、褐色の粘性混合物を形成させた。得られた混合物を40℃に冷却後、残りの界面活性剤及び脂肪酸、必要に応じて追加的に崩解剤(好ましくはカルメロースナトリウム)、共溶媒または共力剤(好ましくはトランスクトル)及び抗酸化剤(好ましくはブチル化ヒドロキシトルエンであり、混合物の総重量の0.1%を加える)を入れた後、ボルテックスミキサー機で約10分間均一に分散させ、室温にて冷却し、淡褐色粘性混合物を得た。該粘性混合物を室温で約24時間放置し、粘性、または半固形ワックス相に変化させ、次いでロールミリング工程により最終組成物として粘性のSMEDDSが得られた。最終的な粘性半固形SMEDDSを製造する全過程を通して薬物の損失は認められなかった。
【0105】
実験例5:粘性半固形製剤に含有されたイトラコナゾールの含有量の測定
イトラコナゾールを含有する製剤を、pH6.8のリン酸緩衝溶液を50%含有するエタノール溶液500mlに完全に溶融した(不溶物を含有する場合は、10分間振湯する)。得られた混合物を15,000rpmで2分間遠心分離して、0.45μmのメンブランフィルターでろ過した。ろ液1mlを適当に稀釈して、20μlのサンプルをHPLCを利用したイトラコナゾールの定量に使用した。この際、263nmの紫外線吸収を監視し、カラムはC18 ODS(4.6×150mm、5μm)、移動相はアセトニトリル:0.1%ジエチルアミン=60:40(容積/容積%)混液で、流速は1ml/分で、試料注入量は20μlであった。HPLCは、UV吸光計、ポンプ、オートサンプラーから構成されており、データを分析するボルウィン(Borwin)プログラムを備えたコンピュータに接続されている。内部標準物質として使用されるシサプライド(cisapride)のピーク面積に基づく標準曲線を用いてイトラコナゾールの濃度を定量した。
【0106】
実験例6:室温に6ヶ月間保存した際のイトラコナゾール含有粘性半固体製剤の物理特性(相分離有無、色、粘度)の変化
上述の実施例で製造したイトラコナゾール含有粘性半固体製剤約10gを試験管に入れた後、室温で6ヶ月間保存した。物理特性(相分離有無、色、粘度)の変化を肉眼で考察した。表1はイトラコナゾール含有粘性半固形製剤の物理特性(相分離有無、色、粘度)の変化を示す結果である。
【0107】
【表1】
Figure 2005504775
表1に示したように、イトラコナゾール含有粘性半固形製剤の物理特性(相分離、色、粘度)は、組成物(脂肪酸及び界面活性剤、最も好ましくは使用された、又は使用されていない有機酸)及びその使用された成分の量並びに該組成物の製造方法(好ましくはロールミリング工程の有無)によって大きく影響を受けることが分かった。最も好ましくは、脂肪酸と、界面活性剤と、有機酸を含む粘性組成物に対してロールミリング工程を施した場合に優れた溶出特性を示し、それは、以下の実験例7で詳細に説明する。
【0108】
実験例7:粘性半固形製剤に含有されたイトラコナゾールの溶出率の測定
製剤中に含まれるイトラコナゾールの溶出率を大韓薬典第7改訂に記載された溶出試験法に従って分析した。人工胃液としては、pH1.4±0.1のNaCl−HCl緩衝液を使用し、場合により0.3容積%のツイーン80を加えて使用した。人工腸液としては、pH6.8±0.1の0.02Mリン酸緩衝液を使用した。溶出法は、パドル法を使用し、溶出液は500ml、撹拌速度50rpm、溶出温度37±0.5℃で行なった。0、2、5、10、15、30、60及び90分に試料0.5mlを採取し、その際に、該試験溶液と同量の溶出液を加えた。凝固した場合、採取した試料は、15,000rpmで2分間遠心分離して、メンブランフィルター(0.45μm)でろ過後、HPLCを適用した。HPLCを用いたイトラコナゾールの定量には、20μlのサンプルを使用し、263nmの紫外線吸収を監視することにより検出し、その際、カラムはC18 ODS(4.6×150mm、5m)、移動相はアセトニトリル:0.1%ジエチルアミン=60:40(容積/容積%)混合溶液を、流速は1ml/分で使用した。HPLCは、UV吸光計、ポンプ、オートサンプラーから構成されており、データを分析するボルウィンプログラムを備えたコンピュータに接続されている。内部標準物質として使用されるシサプライドのピーク面積に基づく標準曲線を用いてイトラコナゾールの濃度を定量した。前記の4つの実施例により製造された粘性半固形製剤に対して人工胃液及び人工腸液中でのイトラコナゾールの溶出率(%)を分析した。
【0109】
薬物、脂肪酸及び界面活性剤からなる組成物を用いて、実験例1の溶融及び1段階ロールミリング工程に従って製造された粘性半固形製剤中に含有されるイトラコナゾールの人工胃液及び人工腸液中における溶出率(%)を表2及び表3に各々示した。
【0110】
【表2】
Figure 2005504775
【0111】
【表3】
Figure 2005504775
まず、市販製剤(スポラノックス(登録商標)カプセル)の場合、溶出試験中にカプセル中に含有された微細顆粒間の凝固が発生した。この凝固を除去したた時、スポラノックス(登録商標)カプセル中に含有されるイトラコナゾールの溶出率が増加することを考察した。したがって、市販製剤に含まれるイトラコナゾールのこの凝固による低溶出率は、イトラコナゾールの溶出率に関して、個体間に大きな差を発生し得ることを示している。実験例1の方法に従って種々の実施例にて製造した場合、粘性半固形製剤は、人工胃液中では、スポラノックス(登録商標)カプセルと類似かまたはそれより低い溶出率を示した。これに対して、人工腸液では、スポラノックス(登録商標)カプセルの溶出率が非常に低いため、変性半固形製剤は、該スポラノックス(登録商標)カプセルより高い溶出率を示した。
【0112】
薬物、脂肪酸及び界面活性剤からなる組成物を用いて、実験例2の溶融及び2段階ロールミリング工程に従って製造された粘性半固形製剤中に含有されるイトラコナゾールの人工胃液及び人工腸液中における溶出率(%)を表4及び表5に各々示した。
【0113】
【表4】
Figure 2005504775
【0114】
【表5】
Figure 2005504775
実験例2に記載の方法に従って、加熱溶融又は真空溶融、次いで2段階ロールミリング工程、更には冷却することにより種々の実施例において製造した場合、スポラノックス(登録商標)カプセルと比較して、人工腸液中では溶出率が顕著に増加し、それは脂肪酸及び界面活性剤の使用並びにそれらの濃度に依存しており、均一に分散した混合物を供給することを可能にする2段階ロールミリング工程がイトラコナゾールの溶出率に良好な影響を与えることを示した。また、崩解剤または発泡剤を含有した場合、該粘性半固形製剤は、高い初期溶出率を備えることも分かった。
【0115】
全体的には、界面活性剤及び脂肪酸からなる組成物をロールミリングにて処理した場合、粘性半固形製剤は優れた溶出率を有する。
薬物、脂肪酸及び界面活性剤並びに有機酸からなる組成物を用いて、実験例3の溶融混合法を使用して製造した粘性半固形製剤中に含有されるイトラコナゾールの人工胃液及び人工腸液中における溶出率(%)を表6及び表7に各々示した。
【0116】
【表6】
Figure 2005504775
【0117】
【表7】
Figure 2005504775
実験例3の方法で製造した粘性半固形製剤は、ロールミリング処理を施していないにも関らず、市販製剤及び比較例より優れた初期溶出率を示し、溶出パターンも類似していた。特に、ロールミリング工程を省略した簡単な方法を用いた実施例39及び40の製剤の場合、良好な物理化学特性を備え、高温においても比較的安定であり、かつ安定した物理化学特性を備えた透明な粘性相が形成されることが見出された。
【0118】
また、実験例4の方法に従って製造された粘性半固形製剤に含有されるイトラコナゾールの人工胃液及び人工腸液中における溶出率を評価し、結果を表8及び表9に各々示した。
【0119】
【表8】
Figure 2005504775
【0120】
【表9】
Figure 2005504775
有機酸を添加した場合、粘性SMEDDSはより安定し、かつ薬物の溶出率が向上することが分かった。詳細には、脂肪酸、界面活性剤及び有機酸を含有し、かつロールミリング処理を施した実施例50乃至56にて製造された粘性SMEDDSは、良好な溶出率を示した。特に、実験例4記載の方法に従って製造された粘性半固形製剤の場合、短期又は長期間の保存時に、安定した物理化学特性を示し、沈殿も見られず、相分離及び色の変化もなく、加えて、人工胃液及び特に、人工腸液において優れた溶出率を備えることが分かった。
【0121】
実験例8:本発明の粘性半固形製剤と市販製剤に含有されるイトラコナゾールのマウスにおける血漿濃度の比較
韓国国立保健院から購入した体重が250〜310gの雄の白色マウス(white mice)(Sprague−Dawley系)を約1〜2週間新しい環境に適応させた後、実験前日から一日絶食させ、エタノールで麻酔して、左側大腿動脈へのカニュレーションを、50IU/mlのヘパリンを含んだシリンジに連結されている管を用いて実施した。約2時間後、マウスが麻酔から覚醒した際に、本発明に従う固体粉末製剤の懸濁剤または市販製剤を、経口用ゾンデ(sonde)を使用して、体重1kg当たり20mgのイトラコナゾールを該マウスに投与し、投与の0.25、0.5、1、2、3、4、5、6及び8時間後に左側大腿動脈から血液を採取した。採取した血液を3500rpmで10分間遠心分離した後、単離した血漿を分析時まで−20℃にて保存した。血中内のイトラコナゾール濃度は、HPLCを利用して定量した。まず、血液300μlをマイクロチューブに入れ、内部標準物質を含む溶液50μlとアセトニトリル600μlを加えた後、2分間ボルテックスミキサー機で撹拌し、15,000rpmで2分間遠心分離した。上澄み液の20μlをHPLCに適用し、その際、263nmの紫外線吸光度を監視し、カラムはC18 ODS(4.6×150mm、5m)、移動相はアセトニトリル:0.1%ジエチルアミン=60:40(容積/容積%)混合溶液、流速は1ml/分のものを使用した。HPLCは、UV吸光計、ポンプ及びオートサンプラーから構成されており、該オートサンプラーはデータを分析するボルウィンプログラムを備えたコンピュータに接続されている。内部標準物質として使用されたシサプライドのピーク面積に基づく標準曲線を用いて、イトラコナゾールの濃度を定量した。
【0122】
本発明に従うイトラコナゾール含有粘性軟カプセル及びイトラコナゾールを含有する市販製剤(スポラノックス(登録商標)カプセル)をラットに経口投与後、イトラコナゾールの血漿濃度を時間の経過とともに調べ、結果を以下の表10に示した。
【0123】
【表10】
Figure 2005504775
表10に示したように、実施例14以外の全ての実施例にて製造された粘性軟カプセルを経口投与した後、イトラコナゾールの血漿濃度は市販のカプセルより高かった。特に、実施例39、40、50において製造された粘性軟カプセルをラットに経口投与した場合、イトラコナゾールの最高血漿濃度(Cmax)及び曲線下面積(AUC)は非常に高いことが観察され、本発明に従う粘性SMEDDSはイトラコナゾールの生物学的利用率を改善することを示している。
【0124】
実験例9:本発明の粘性半固形製剤及び市販製剤にそれぞれ含有されるイトラコナゾールのヒトでの血漿濃度の比較
20〜40歳の健康な成人男子6人に、空腹状態で本発明のイトラコナゾールを40mg含有するカプセル及び市販スポラノックス(登録商標)カプセルを、生物学的同等性試験法の基準(2×2クロスオーバー(cross−over)、3週間の休薬(washout)期間)に基づいて、各々水300mlと共に経口投与した。投与後0、1、2、3、4、5、6、8、12及び24時間に、血液をカテーテルを用いてそれぞれの腕部から採集した。バキュタイナ−(vacutainer)管に注入し、血液凝固を防止するためにヘパリンを加えた。被験者には3時間目に簡単な飲料を提供し、10時間後に一種の韓国料理である、ギムバップ(Gimbap),即ち、のり巻きを提供した。投与後8時間及び10時間目に、飲料及び野菜を混ぜた丼ご飯をそれぞれ被験者に提供した。実験中、アルコール飲料及びカフェインの摂取を禁止するとともに、行動は読書及び睡眠のみに制限された。採取された血液は、3500rpmで10分間遠心分離後、鉄を含まない管を用いて単離した血漿を分析時まで−20℃にて保存した。血中内のイトラコナゾール濃度を決定するために、HPLCを以下のように実施した。血液300μlをマイクロチューブに入れ、内部標準物質溶液50μlとアセトニトリル(CHCN)600μlを加えた後、2分間ボルテックスミキサー機で撹拌し、15,000rpmで2分間遠心分離した。263nmの紫外線吸光度にて監視しながら、上澄み液の20μlにHPLCを適用し、その際、カラムはC18 ODS(4.6×150mm、5μm)であり、アセトニトリル:0.1%ジエチルアミン=60:40(容積/容積%)混合溶液を移動層に使用し、流速は1ml/分であった。HPLCは、UV吸光計、ポンプ及びオートサンプラーから構成されており、データを解析するボルウィンプログラムを備えたコンピュータに接続されている。内部標準物質として使用されるシサプライドのピーク面積に基づく標準曲線を用いてイトラコナゾールの濃度を定量した。
【0125】
実験例2に従う方法にて製造されたイトラコナゾール60mg含有粘性軟カプセル及び市販製剤(スポラノックス(登録商標)カプセル)をヒトに経口投与後、時間の経過に伴うイトラコナゾールの血漿濃度を調べ、その結果を以下の表11に示した。
【0126】
【表11】
Figure 2005504775
表2及び表3で高い溶出率を示した実施例25において製造された組成物を充填したカプセルは、スポラノックス(登録商標)カプセルに比べて少ない用量をヒトに経口投与したが、該スポラノックス(登録商標)カプセルよりも高いCmax及びAUC値を示し、イトラコナゾールの生物学的利用率の改善が示された。
【0127】
加えて、実験例3の容易な工程に従って実施例40にて製造された安定な組成物を含有するカプセルの生物学的利用率を市販のカプセル剤と比較評価した。実験例2の方法に従って製造されたイトラコナゾール40mg含有粘性軟カプセル、及びイトラコナゾール100mg含有市販製剤(スポラノックス(登録商標)カプセル)をヒトに経口投与後、時間の経過に対するイトラコナゾールの血漿濃度を調べ、結果を以下の表12及び図1に示した。薬物動態学的変数は表12のデータから得られ、その結果を以下の表13に示した。
【0128】
【表12】
Figure 2005504775
【0129】
【表13】
Figure 2005504775
表13に示すように、イトラコナゾール40mg含有カプセル製剤及び該イトラコナゾール100mg含有の市販カプセル剤が薬物動態学においてわずか±20%のみ異なっていた。図1に示すように、2つのカプセル剤は、非常に類似したイトラコナゾールの血漿濃度を示し、生物学的に同等な挙動を示した。
【0130】
実験例4の方法に従って製造され、かつ優れた安定性と溶出率を示した実施例50において製造されたカプセル剤は、実施例40において製造されたカプセル剤と非常に類似したイトラコナゾールの血漿濃度を有することが明らかになった。加えて、脂肪酸、界面活性剤及び有機酸を含有し、かつ実験例50においてロールミリングにより製造された粘性のSMEDDSは、以下の実験例10に詳細に示されるように優れた生物学的利用率を有することが明らかとなった。
【0131】
実験例10:カプセル剤中に含まれるイトラコナゾールの安定性実験
物理化学的特性(相変化、溶出率等)に基づいて選定された種々の実施例において製造された粘性半固形製剤に対して、短期間又は長期間における安定性を試験した。実施例により製造されたイトラコナゾール含有粘性半固形カプセルを、乾燥剤とともにプラスチックのビンに入れて、他の補助装置を伴うことなく、蓋をした。該ビンを、40℃及び75%の湿度条件下に放置した。開始日及び6ヶ月後のイトラコナゾールの安定性を評価するために、カプセル中のイトラコナゾール含量、相変化及び溶出率を、実験例5、6及び7と同じ方法に従ってそれぞれ調べた。それとは別に、カプセル剤に充填されていない一部の粘性半固形製剤は、蓋をしないでペトリ皿上において、該ペトリ皿を40℃及び75%湿度条件に放置し、カプセル中のイトラコナゾールの含量、相変化及び溶出率を測定した。
【0132】
更に、実施例50において製造された粘性半固形製剤を40℃及び75%湿度条件下で6ヶ月保存した後、人工胃液中でのイトラコナゾールの安定性を、レーザー動的散乱(laser dynamic scattering)の原理に基づく粒子カウンタ(Par III,オズカ(Ozuka),日本)を使用して粒子大きさの変化を測定することにより評価した。
【0133】
安定性評価が、粘性半固形製剤をプラスチックビンに入れるか、またはペトリ皿に露出したままの状態にて40℃及び75%湿度条件下にて6ヶ月保存した後に実施された場合、イトラコナゾールの含量は、実施例において製造された全ての粘性半固形製剤においてほとんど変わらなかった。この結果は、イトラコナゾールが高温で非常安定であることを示す。
【0134】
粘性軟カプセル中に含有されるイトラコナゾールの、6ヶ月間保存した後の溶出率の変化を調べ、その結果を以下の表14に示した。
【0135】
【表14】
Figure 2005504775
実施例35、36及び38において製造された粘性半固形製剤を経口投与した場合、人工胃液ではほぼ安定であることが明らかになった。しかしながら、人工腸液では初期溶出率に比べて溶出率は顕著に減少し、再結晶が認められ、このことより該製剤は物理的には不安定であることが示された。
【0136】
実施例39、40における簡単な方法により製造された粘性半固形製剤を経口投与した場合、人工胃液において初期溶出率の若干の減少が観察された。該製剤の溶出パターンは安定していた。しかしながら、それらは市販カプセル剤に比べて高い溶出率を示し、溶出パターンは該市販カプセル剤と類似していた。加えて、それらは高温で比較的安定であり、薬物の沈殿、相分離及び色変化等を含む物理的特性は変化せず、かつ化学的にも非常に安定であった。しかしながら、長期間保存した場合、薬物の緩やかな放出が認められ、従って薬物の溶出率が遅くなった。
【0137】
実験例4により製造された粘性半固形製剤を経口投与した場合、人工胃液及び腸液において、初期の高い溶出率が観察され、それらは長期間保存後に漸次減少したが、物理的な特性に影響は与えなかった。これに対して、実施例50にて製造された粘性半固形製剤は他の半固形製剤と比べて比較的高い溶出率を備えるとともにかなり安定であり、しかも安定した物理特性を示した。
【0138】
一方、実施例50において製造されたSMEDDSは、人工胃液に分散させた場合、室温で6ヶ月保存後に粒子径は214から395μmに増加したが、非常に安定であった。SMEDDSを水に分散させた場合、マイクロエマルジョンの形成が観察された。
【0139】
種々の実施例により製造された粘性半固形製剤の安定性と溶出率に対するデータから明らかなように、難溶性イトラコナゾールを含有した粘性半固形製剤は、安定性と生物学的利用率が改善され、市販製剤と代替可能である。
【産業上の利用可能性】
【0140】
上記のように、本発明の組成物は、有機溶媒をまったく使用しないで、組成物に含まれる成分を単純に加熱溶融または真空溶融するという非常に簡単な方法である故に経済的であるのみならず、蔗糖、ブドウ糖、乳糖、マンニトール、ソルビトール、果糖等の糖類のような高温で不安定な成分を含んでいないために高温でも非常に安定である。特に、人工胃液及び人工腸液での溶出率のデータからも明らかなように、本発明の組成物は、市販製剤(スポラノックス(登録商標)カプセル)に比べて顕著に高い溶出率を示した。経口投与後に評価されたイトラコナゾールの血漿濃度のデータから明らかなように、本発明の組成物は、市販製剤(スポラノックス(登録商標)カプセル)に比べて、イトラコナゾールの血漿濃度は該市販カプセル剤と同様でありながらも2〜6倍も高い生物学的利用率を有していた。詳細には、本発明の組成物を1日1回30乃至80mgの用量で投与した場合、市販製剤を1日1回100mgの用量で投与する場合と同等な薬効を示し、従って、本発明の組成物を市販製剤とを代替することが可能となる。さらに、本発明に従う高い生物学的利用率を示す組成物を、軟カプセル、硬カプセルまたは固体粉末に処方化できる基剤に混合し、該混合物を乾燥することによって固体粉末として処方化するか、該固体粉末化製剤に薬剤学的に許容可能な添加剤を加えてカプセルに充填するか、圧縮粒子、ペレット、または錠剤等の他の経口投与可能な製剤に処方化することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0141】
【図1】本発明によるイトラコナゾール40mgを含有する軟カプセルとイトラコナゾールを100mg含有する市販製剤(スポラノックス(登録商標)カプセル)とを経口投与した後、該イトラコナゾールの時間経過による血漿濃度(μg/ml)をプロットしたグラフである。

Claims (47)

  1. 難溶性のイトラコナゾールと、脂肪酸または脂肪酸アルコールと、界面活性剤とを含有する粘性相の組成物。
  2. ヒトに投与された場合SMEDDSを形成することを特徴とする、請求項1に記載の組成物。
  3. 前記脂肪酸または脂肪酸アルコールが、オレイン酸、ステアリルアルコール、ミリスチン酸、リノール酸またはラウリン酸、カプリン酸、カプリル酸、カプロン酸及びそれらの混合物で構成された群から選択されることを特徴とする、請求項1に記載の組成物。
  4. 前記脂肪酸または脂肪酸アルコールが、オレイン酸、ラウリン酸、カプリン酸,カプリル酸、カプロン酸及びそれらの混合物で構成された群から選択されることを特徴とする、請求項3に記載の組成物。
  5. 前記脂肪酸または脂肪酸アルコールが、オレイン酸、ラウリン酸、カプリル酸及びそれらの混合物で構成された群から選択されることを特徴とする、請求項3に記載の組成物。
  6. 前記界面活性剤が、ラウリル硫酸ナトリウム及びその誘導体、ポロキサマー及びその誘導体、ラブラフィル、ラブラファク、ポリソルベート、ソルビタンエステル、クレモポル、PEG−60水素化ヒマシ油、PEG−40水素化ヒマシ油、ラウリルグルタミン酸ナトリウム、ココアンホジ酢酸2ナトリウム及びそれらの混合物で構成された群から選択されることを特徴とする、請求項1に記載の組成物。
  7. 前記界面活性剤が、ラウリル硫酸ナトリウム及びその誘導体、ポリソルベート、ソルビタンエステル及びそれらの混合物で構成された群から選択されることを特徴とする、請求項6に記載の組成物。
  8. 前記界面活性剤が、ツイーン20、ツイーン40、ツイーン60、ツイーン80及びそれらの混合物で構成された群から選択されることを特徴とする、請求項7に記載の組成物。
  9. 前記界面活性剤が、ツイーン20、ツイーン80及びそれらの混合物で構成された群から選択されることを特徴とする、請求項8に記載の組成物。
  10. 前記組成物が、共力剤をさらに含むことを特徴とする、請求項1に記載の組成物。
  11. 前記共力剤が、ポリエチレングリコール及びその誘導体、エタノール含有アルコール、トランスクトル、プロピレングリコール、オレイン酸エチル、メチルピロリドン、エチルピロリドン、プロピルピロリドン、グリセロール、キシリトール、ソルビトール、デキストロース、マンニトール及びそれらの混合物で構成された群から選択されることを特徴とする、請求項1に記載の組成物。
  12. 前記共力剤が、ポリエチレングリコールであることを特徴とする、請求項11に記載の組成物。
  13. 前記組成物が一種類以上の有機酸をさらに含むことを特徴とする、請求項1に記載の組成物。
  14. 前記有機酸が、クエン酸、フマル酸、マレイン酸、リンゴ酸、サリチル酸、ギ酸、グリコール酸、乳酸、酢酸、プロピオン酸、α−及びβ−ヒドロキシ酸及びそれらの混合物で構成された群から選択されることを特徴とする、請求項1に記載の組成物。
  15. 前記有機酸がクエン酸であることを特徴とする、請求項13に記載の組成物。
  16. 前記組成物が、オイル、抗酸化剤、崩解剤及び発泡剤から構成される群から選択される一種類以上をさらに含むことを特徴とする、請求項1に記載の組成物。
  17. 前記オイルが、トリ(カプリル/カプリン酸)グリセリド、α−ビサボロル、酢酸トコフェロール、リポソーム、ホスファチジルコリンを含むリン脂質、ジ−C12−13アルキルマレート、ココ−カプリレート/カプレート、セチルオクタノエート及び水素化ヒマシ油で構成される群から選択されることを特徴とする、請求項16に記載の組成物。
  18. 前記抗酸化剤が、ブチル化ヒドロキシトルエン(BHT)、重亜硫酸ナトリウム、α−トコフェロール、ビタミンC、β−カロチン、アスコビルパルミテート、酢酸トコフェロール、フマル酸、ナリック酸、ブチル化ヒドロキシアニゾール、没食子酸プロピル及びアスコルビン酸ナトリウムで構成される群から選択されることを特徴とする、請求項16に記載の組成物。
  19. 前記崩解剤が、クロスカルメロースナトリウム、ナトリウムスターチグリコレート、微結晶セルロース、クロスポビドン、ポリビニルピロリドン、低置換ヒドロキシプロピルセルロース、アルギン酸、カルボキシメチルセルロースのカルシウム塩及びナトリウム塩、コロイド性二酸化ケイ素、グアーガム、ケイ酸マグネシウムアルミニウム、メチルセルロース、粉末状セルロース、澱粉及びアルギン酸ナトリウムで構成される群から選択されることを特徴とする、請求項16に記載の組成物。
  20. 前記発泡剤が、NaHCO又はNaCOであることを特徴とする、請求項16に記載の組成物。
  21. 前記組成物が、イトラコナゾール8〜12重量部、脂肪酸8〜60重量部、界面活性剤64〜120重量部及び有機酸16〜24重量部を含むことを特徴とする、請求項1に記載の組成物。
  22. 前記組成物が、イトラコナゾール8〜12重量部、オレイン酸8〜60重量部、ツイーン20または80の64〜120重量部及びクエン酸16〜24重量部を含むことを特徴とする、請求項21に記載の組成物。
  23. 前記組成物が、イトラコナゾール8〜12重量部、オレイン酸、ラウリン酸、カプリル酸及びそれらの混合物で構成された群から選択される脂肪酸40〜60重量部、ツイーン20またはツイーン80 64〜96重量部及びクエン酸16〜24重量部を含むことを特徴とする、請求項1に記載の組成物。
  24. 前記脂肪酸が、ラウリン酸及びカプリル酸の混合物であり、その含量が40〜60重量部であることを特徴とする、請求項23に記載の組成物。
  25. 前記脂肪酸が、ラウリン酸及びカプリル酸の混合物であり、ラウリン酸の含量が8〜12重量部で、かつカプリル酸の含量が32〜48重量部であることを特徴とする、請求項23に記載の組成物。
  26. 請求項1乃至請求項25のいずれか1項に記載の組成物が充填された軟カプセル製剤。
  27. 30〜120mgのイトラコナゾールを含むことを特徴とする、請求項26に記載の軟カプセル製剤。
  28. 30〜80mgのイトラコナゾールを含むことを特徴とする、請求項27に記載の軟カプセル製剤。
  29. 40〜60mgのイトラコナゾールを含むことを特徴とする、請求項28に記載の軟カプセル製剤。
  30. 請求項1乃至請求項25のいずれか1項に記載の組成物が充填された硬カプセル製剤。
  31. 30〜120mgのイトラコナゾールを含むことを特徴とする、請求項30に記載の硬カプセル製剤。
  32. 30〜80mgのイトラコナゾールを含むことを特徴とする、請求項31に記載の硬カプセル製剤。
  33. 40〜60mgのイトラコナゾールを含むことを特徴とする、請求項32に記載の硬カプセル製剤。
  34. 請求項1乃至請求項25のいずれか1項に記載の組成物を基剤と混合し、かつ溶融及び乾燥粉末化して得られた固体粉末状の製剤、または前記固体粉末をさらに圧縮または処方化して得られた圧縮顆粒、ペレット、カプセルに処方化された製剤。
  35. 前記基剤が、ポリマー基剤であることを特徴とする、請求項34に記載の製剤。
  36. 前記ポリマー基剤が、ポリエチレングリコール、カルボワックス及びポリビニルピロリドンで構成される群から選択されることを特徴とする、請求項35に記載の製剤。
  37. 前記基剤が、水溶性基剤をさらに含むことを特徴とする、請求項35に記載の製剤。
  38. 前記水溶性基剤が、ゼラチン、ガム類、炭化水素類、セルロース及びその誘導体、ポリエチレンオキサイド及びその誘導体、ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸及びその誘導体、ポリメチルアクリレート及び無機化合物で構成される群から選択されることを特徴とする、請求項37に記載の製剤。
  39. 30〜120mgのイトラコナゾールを含むことを特徴とする、請求項34に記載の製剤。
  40. 30〜80mgのイトラコナゾールを含むことを特徴とする、請求項39に記載の製剤。
  41. 40〜60mgのイトラコナゾールを含むことを特徴とする、請求項40に記載の製剤。
  42. イトラコナゾールと、脂肪酸または脂肪酸アルコールと、界面活性剤とを含む混合物を加熱溶融または真空溶融する工程と、溶融した混合物を冷却する工程とを含む、請求項1に記載の組成物を製造する方法。
  43. 冷却工程の後にミリング工程をさらに含むことを特徴とする、請求項42に記載の方法。
  44. 前記混合物が有機酸をさらに含むことを特徴とする、請求項42に記載の方法。
  45. 前記混合物が、オイル、抗酸化剤、崩解剤及び発泡剤で構成される群から選択される一種以上の添加剤をさらに含むことを特徴とする、請求項42に記載の方法。
  46. イトラコナゾールと、有機酸と、界面活性剤とを含む混合物を加熱溶融または真空溶融する工程と、
    前記溶融した混合物を40℃に冷却する工程と、
    該混合物に界面活性剤及び脂肪酸を加える工程と、
    得られた混合物を室温にて冷却する工程と、
    からなることを特徴とする、請求項13に記載の組成物を製造する方法。
  47. 室温にて冷却する工程の後に、ミリング工程をさらに含むことを特徴とする、請求項46に記載の方法。
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