JP2005352360A - 加熱定着装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 連続プリントが多く行われる加熱定着装置において、加圧ローラ上へのトナーの蓄積を防止し、それによって発生する記録材へのトナー汚れや加圧ローラへの記録材の巻き付き等といった不具合を防止できる加熱定着装置を提供することを目的とする。
【解決手段】 加熱体を内包した回転体と、該回転体を圧接する加圧部材と、を有し、前記回転体と前記加圧部材の圧接ニップ部に、未定着トナー像を形成した記録材を加熱そして通過させることで該未定着トナー像を記録材上に定着させる加熱定着装置において、所定枚数カウント内におけるプリントジョブの回数が、所定回数に満たない場合、連続プリント時の所定枚数から、プリント速度を落とすことを特徴とする加熱定着装置。
【選択図】 図1

Description

本発明は、電子写真式プリンタ、複写機、及び静電記録装置等の画像形成装置、及びその画像形成装置に用いられる、記録材上にトナー等を定着させる加熱定着装置に関するものである。
従来、電子写真方式の複写機、プリンタ等の多くは、加熱定着手段として熱効率、安全性の良好な接触加熱型の熱ローラ定着方式や、省エネルギータイプのフィルム加熱方式を採用している。
熱ローラ定着方式の加熱定着装置は、内部にハロゲンヒータを内包する加熱用回転体としての加熱ローラ(以下、定着ローラ)と、これに圧接させた加圧用回転体としての弾性加圧ローラ(以下、加圧ローラ)を基本構成とする。この一対のローラを回転させ、この一対のローラの圧接ニップ部である定着ニップ部に、未定着画像(トナー画像)を形成担持した被加熱材としての記録材(転写材シート・静電記録材・エレクトロファックス紙・印字用紙等)を導入し、挟持搬送することで、定着ローラからの熱と定着ニップ部の加圧力により、トナー画像を記録材面に永久固着画像として熱圧定着させるものである。
一方、フィルム加熱方式の加熱定着装置は、例えば特許文献1,特許文献2,特許文献3,特許文献4,特許文献5,特許文献6,特許文献7,特許文献8,特許文献9,特許文献10,特許文献11,特許文献12,特許文献13,特許文献14,特許文献15,特許文献16等に提案されているように、固定配置したセラミックヒータ等の加熱部材(以下、加熱体)に、加熱用回転体である耐熱性フィルム(以下、定着フィルム)を回転加圧部材(以下、加圧ローラ)で密着させ、そして摺動回動させて、定着フィルムを挟んで加熱体と加圧ローラとで形成される圧接ニップ部である定着ニップ部に、トナー画像を担持形成した記録材を導入し、定着フィルムと一緒に搬送させて、定着フィルムを介して付与される加熱体からの熱と定着ニップ部の加圧力によってトナー画像を記録材面に永久固着画像として熱圧定着させるものである。
フィルム加熱方式の加熱定着装置は、加熱体としてセラミックヒータ等の低熱容量線状加熱体を、定着フィルムとして薄膜の低熱容量のものを用いることができるため、省電力化、ウェイトタイム短縮化(クイックスタート)が可能である。また、フィルム加熱方式の加熱定着装置は、定着フィルム駆動方法として定着フィルム内面に駆動ローラを設ける方法、また加圧ローラを駆動ローラとして用い加圧ローラとの摩擦力で定着フィルムを駆動する方法が知られているが、近年では部品点数が少なく低コストな構成である加圧ローラ駆動方式が多く用いられている。
ここで、記録材表面に担持された未定着トナーは、その全てが適度に加熱溶融されて、記録材表面に定着されるのが理想的であるが、溶けきらないコールドオフセット状態のトナー、溶けすぎたホットオフセット状態のトナー、静電的に不安定な状態のトナー等が存在すると、これらトナーは記録材に定着されずに記録材表面と接する側の定着フィルムや定着ローラに転移し、さらには紙間等で加圧ローラに転移することがある。
定着フィルム等に上記転移トナーが付着した場合、画像形成中、定着フィルム等はトナー溶融温度に加熱され、上記転移トナーは溶融状態となっているため、次の記録材の定着ニップ到達時に、その記録材表面のトナー像と混ざり合って記録材側に持っていかれたり、紙間等で加圧ローラへ転移したりするため、継続的に定着フィルム等が転移トナーにより汚れているという状態は存在しない。
一方、加圧ローラに上記転移トナーが付着した場合、加圧ローラは定着フィルムや定着ローラと比べて温度が低いため、転移トナーは溶融しにくい状況にある。特に定着フィルムを用いるフィルム加熱方式の加熱定着装置は、画像形成中以外に加圧ローラは加熱されず、温度が上昇しにくくいため、加圧ローラに付着した転移トナーはほとんど溶融しない。
さらに、加圧ローラは記録材表面のトナー像と接触しないため、次の記録材の定着ニップ到達時に、転移トナーが記録材側に持って行かれることは少なく、一旦、転移トナーが付着すると徐々に蓄積されていく傾向にあった。
特に、加圧ローラの離型性を低下させる炭酸カルシウムを填量として含む記録材の使用は、加圧ローラ上への転移トナーの蓄積をより一層助長する傾向にあった。
また、前回転等により加圧ローラの温度を上昇させる機会の多い間欠プリントの場合は、転移トナーが溶融しやすく記録材側に持っていかれやすいため、加圧ローラ上に転移トナーが蓄積しにくい傾向にあったが、前回転等による加圧ローラの温度を上昇させる機会の少ない連続プリントの場合は、転移トナーが溶融しにくいため、蓄積しやすい傾向にあった。
このような加圧ローラ上への転移トナーの蓄積は、記録材へのトナー汚れや、加圧ローラの離型性低下による加圧ローラへの記録材(特に記録材がOHPフィルムの場合)の巻き付き等の不具合を引き起こしてしまうことがあった。
このような問題に対し、特許文献17にて、プリントジョブが終了した定着装置の後回転後の停止時に行なうクリーニングシーケンスが各種提案されている。
上記提案のクリーニングシーケンスは、まずプリントジョブが終了した定着装置の後回転後の停止時に、定着ニップ部を加熱して、加圧ローラ上に転移した転移トナーのうち定着ニップ部にある転移トナーを溶融させて、溶融前よりも大きなトナー固まりとするとともに、定着フィルムと加圧ローラの定着ニップ部の温度を同じにする。その後、熱容量の小さい定着フィルムの表面温度は、熱容量の大きい加圧ローラの温度よりも低い状態が生じるため、前記溶融した転移トナーはより温度の低い定着フィルム側に固着し始める。この状態で定着装置を、少なくとも定着ニップ部のニップ幅に相当する量以上、回転させ、転移トナーを定着フィルム上に保持させることで、加圧ローラ上に転移トナーがさらに転移し、蓄積することを軽減させるものである。
特開昭63−313182号公報 特開平2−157878号公報 特開平4−44075号公報 特開平4−44076号公報 特開平4−44077号公報 特開平4−44078号公報 特開平4−44079号公報 特開平4−44080号公報 特開平4−44081号公 特開平4−44082号公報 特開平4−44083号公報 特開平4−204980号公報 特開平4−204981号公報 特開平4−204982号公報 特開平4−204983号公報 特開平4−204984号公報 特開平11−344894号公報
上記提案によるクリーニングシーケンスは、加圧ローラの外周面のうち、プリントジョブ終了後に定着ニップ内に停止する部分は、加圧ローラの停止毎に異なるため、間欠プリントが多く、上記クリーニングシーケンスの実行頻度が高い場合は、加圧ローラ外周面の全域にわたってクリーニングが行なえ、かつ前回転により加圧ローラ温度が上昇する機会が多いため、加圧ローラ上への転移トナーの蓄積を防止することが期待できる。
しかしながら、連続プリントが多く、上記クリーニングシーケンスの実行頻度が低い場合は、加圧ローラのクリーニングを充分に行なうことができず、かつ前回転により加圧ローラ温度が上昇する機会が少ないため、加圧ローラ上への転移トナーの蓄積、及びそれによって発生する記録材へのトナー汚れ等の問題が発生することがあった。
本発明は、上記課題を解決するものであり、その目的とするところは、連続プリントが多く行われる加熱定着装置において、加圧ローラ上へのトナーの蓄積を防止し、それによって発生する記録材へのトナー汚れや加圧ローラへの記録材の巻き付き等といった不具合を防止できる加熱定着装置を提供することにある。
この発明は下記の構成を備えることにより上記課題を解決できるものである。
(1)加熱体を内包した回転体と、該回転体を圧接する加圧部材と、を有し、前記回転体と前記加圧部材の圧接ニップ部に、未定着トナー像を形成した記録材を加熱そして通過させることで該未定着トナー像を記録材上に定着させる加熱定着装置において、所定枚数カウント内におけるプリントジョブの回数が、所定回数に満たない場合、連続プリント時の所定枚数から、プリント速度を落とすことを特徴とする加熱定着装置。
(2)加熱体を内包した回転体と、該回転体を圧接する加圧部材と、を有し、前記回転体と前記加圧部材の圧接ニップ部に、未定着トナー像を形成した記録材を加熱そして通過させることで該未定着トナー像を記録材上に定着させる加熱定着装置において、プリントジョブが終了した該定着装置の後回転後の停止時に、少なくとも加熱体を所定時間オン/オフするクリーニングシーケンスを有するとともに、所定枚数カウント内における前記クリーニングシーケンスの実行回数が、所定回数に満たない場合、連続プリント時の所定枚数から、プリント速度を落とすことを特徴とする加熱定着装置。
(3)前記クリーニングシーケンスが、加熱体を所定時間オン/オフ後、前記回転体を所定量回転させることを特徴とする前記(2)に記載の加熱定着装置。
(4)プリント速度の落とし方として、加熱定着装置を駆動させるモータの回転速度を落とす手法を採用していることを特徴とする前記(1)〜(3)いずれかに記載の加熱定着装置。
(5)プリント速度の落とし方として、連続プリント時の記録材の通紙間隔を広げる手法を採用していることを特徴とする前記(1)〜(3)いずれかに記載の加熱定着装置。
(6)プリント速度を落とした状態で所定枚数プリント後、再度元のプリント速度に戻して連続プリントを継続することを特徴とする前記(1)〜(5)いずれかに記載の加熱定着装置。
(7)プリント速度を落とした状態でプリントする枚数を、前記所定枚数カウント内におけるプリントジョブの回数から決定することを特徴とする前記(6)に記載の加熱定着装置。
(8)前記回転体は可撓性のエンドレスベルトからなり、かつ圧接ニップ部において記録材の未定着トナー像面と接触するよう配置されていることを特徴とする前記(1)〜(7)いずれかに記載の加熱定着装置。
本発明によると、連続プリントが多く行われる加熱定着装置において、加圧部材(加圧ローラ)上へのトナーの蓄積を防止でき、それによって発生する記録材へのトナー汚れや加圧部材への記録材の巻き付き等といった不具合を防止することができる。
以下本発明を実施するための最良の形態を、実施例により詳しく説明する。
(1)画像形成装置M
図1に、本発明に係る画像形成装置、すなわち本発明に係る定着装置を備えた画像形成装置を示す。
なお、図1は、本発明に係る画像形成装置の一例としてのレーザービームプリンタの概略構成を示す縦断面図である。
まず、図1を参照してレーザービームプリンタ(以下、画像形成装置)の構成を説明する。
図1に示す画像形成装置は、像担持体としてドラム型の電子写真感光体(以下、感光ドラム)1を備えている。感光ドラム1は、装置本体Mによって回転自在に支持されており、駆動手段(不図示)によって矢印R1方向に所定のプロセススピードで回転駆動される。感光ドラム1の周囲には、その回転方向に沿ってほぼ順に、帯電ローラ(帯電装置)2、露光手段3、現像装置4、転写ローラ(転写装置)5、クリーニング装置6が配設されている。また、装置本体Mの下部には、紙等のシート状の記録材Pを収納した給紙カセット7が配置されており、記録材Pの搬送経路に沿って上流側から順に、給紙ローラ15、搬送ローラ8、トップセンサ9、搬送ガイド10、本発明に係る定着装置11、排紙センサ16、搬送ローラ12、排紙ローラ13、排紙トレイ14が配置されている。
次に、上記構成の画像形成装置の動作を説明する。駆動手段(不図示)によって矢印R1方向に回転駆動された感光ドラム1は、帯電ローラ2によって所定の極性、所定の電位に一様に帯電される。
帯電後の感光ドラム1は、その表面に対しレーザー光学系等の露光手段3によって画像情報に基づいた画像露光Lがなされ、露光部分の電荷が除去されて静電潜像が形成される。
静電潜像は、現像装置4によって現像される。現像装置4は、現像ローラ4aを有しており、この現像ローラ4aに現像バイアスを印加して感光ドラム1上の静電潜像にトナーを付着させトナー像として現像(顕像化)する。トナー像は、転写ローラ5によって紙等の記録材Pに転写される。
記録材Pは、給紙カセット7に収納されており、給紙ローラ15によって給紙され、搬送ローラ8によって搬送され、トップセンサ9を介して、感光ドラム1と転写ローラ5との間の転写ニップ部に搬送される。このとき記録材Pは、トップセンサ9によって先端が検知され、感光ドラム1上のトナー像と同期がとられる。転写ローラ5には、転写バイアスが印加され、これにより、感光ドラム1上のトナー像が記録材P上の所定の位置に転写される。
転写によって表面に未定着トナー像を担持した記録材Pは、搬送ガイド10に沿って定着装置11に搬送され、ここで未定着トナー像が加熱、加圧されて記録材P表面に定着される。なお、定着装置11については後に詳述する。
トナー像定着後の記録材Pは、搬送ローラ12によって搬送され、排出ローラ13によって装置本体M上面の排紙トレイ14上に排出される。
一方、トナー像転写後の感光ドラム1は、記録材Pに転写されないで表面に残ったトナーがクリーニング装置6のクリーニングブレード6aによって除去され、次の画像形成に供される。
以上の動作を繰り返すことで、次々と画像形成を行なうことができる。図2にこの画像形成装置の動作工程図を示した。
1)前多回転工程
画像形成装置の始動(起動)動作期間(ウォーミング期間)である。画像形成装置のメイン電源スイッチのONにより、画像形成装置のメインモータを起動させて、所要のプロセス機器の準備動作を実行する。
2)スタンバイ
所定の始動動作期間終了後、メインモータの駆動が停止し、プリントジョブ開始信号が入力されるまで画像形成装置をスタンバイ(待機)状態に保持する。
3)前回転工程
プリントジョブ開始信号の入力に基づいて、メインモータを再駆動させて、所要のプロセス機器のプリントジョブ前動作を実行する期間である。
より実際的は、[1]画像形成装置がプリントジョブ開始信号を受信、[2]フォーマッタで画像を展開(画像のデータ量やフォーマッタの処理速度により展開時間は変わる)、[3]前回転工程開始、という順序になる。なお、前記1)の前多回転工程中にプリントジョブ開始信号が入力している場合は、前多回転工程の終了後、前記2)のスタンバイ無しに、引き続き前回転工程に移行する。
4)プリントジョブ実行
所定の前回転工程が終了すると、引き続いて前記の画像形成プロセスが実行されて、画像形成済みの記録材が出力される。連続プリントジョブの場合は前記の画像形成プロセスが繰返されて所定枚数分の画像形成済みの記録材が順次に出力される。
5)紙間工程
連続プリントジョブの場合において、前の記録材Pの後端と次の記録材Pの先端との間隔工程であり、転写部や定着装置においては非通紙状態期間である。
6)後回転工程
1枚だけのプリントジョブの場合、その画像形成済みの記録材が出力された後(プリントジョブの終了)、あるいは連続プリントジョブの場合、その連続プリントジョブの最後の画像形成済みの記録材が出力された後(プリントジョブの終了)も、メインモータを引き続き駆動させて、所要のプロセス機器のプリントジョブ後動作を実行する期間である。
7)スタンバイ
所定の後回転工程終了後、メインモータの駆動が停止し、次のプリントジョブ開始信号が入力されるまで画像形成装置をスタンバイ(待機)状態に保持する。
(2)加熱定着装置11
次に、図3を参照して本発明に係る定着装置11の一例について説明する。
なお、図3は、記録材Pの搬送方向(矢印K方向)に沿った断面図である。図3に示す定着装置11は、可撓性のエンドレスベルトを定着フィルムとする、加圧ローラ駆動方式の加熱定着装置である。
この定着装置11は、トナーを加熱する加熱体としてのセラミックヒータ(以下、ヒータ)20と、このヒータ20を内包する回転体としての定着フィルム25と、定着フィルム25に当接された加圧部材としての加圧ローラ26と、ヒータ20の温度を制御する温度制御手段27と、記録材Pの搬送を制御する回転制御手段28とを主要構成部材として構成されている。
ヒータ20と加圧ローラ26は定着フィルム25を挟んで圧接して定着ニップ部Nを形成している。加圧ローラ26が矢印R26の反時計方向に回転駆動されることで、該加圧ローラ26と定着フィルム25との、定着ニップ部Nにおける圧接摩擦力により定着フィルム25に回転力が作用して該定着フィルム25がその内面がヒータ20の下向き面に密着して摺動しながら矢印R25の時計方向に従動回転する。
加圧ローラ26が回転駆動され、それに伴って定着フィルム25が従動回転状態になり、またヒータ20に電力が供給され、該ヒータ20が昇温して所定の温度に立ち上がり温調された状態において、定着ニップ部Nの定着フィルム25と加圧ローラ26との間に未定着トナー像Tを担持した記録材Pが導入され、定着ニップ部Nにおいて記録材Pのトナー像担持面側が定着フィルム25の外面に密着して該定着フィルム25と一緒に定着ニップ部Nを挟持搬送されていく。この挟持搬送過程において、ヒータ20の熱が定着フィルム25を介して記録材Pに付与され、記録材P上の未定着トナー像Tが記録材P上に加熱・加圧されて溶融定着される。定着ニップ部Nを通過した記録材Pは定着フィルム25から曲率分離される。
<1>ヒータ20
ヒータ20は、本例のものはセラミックヒータであり、アルミナ等の耐熱性の基材20a上に例えば印刷によって抵抗体パターン20bを形成し、その表面をガラス層20cで被覆したものであり、記録材Pの搬送方向(矢印K方向)に直角な左右方向に長く、すなわち、記録材Pの幅よりも長く形成されている。ヒータ20は、装置本体Mに取り付けられたヒータホルダ22によって支持されている。ヒータホルダ22は、耐熱樹脂によって横断面半円状に形成された部材であり、次の定着フィルム25の回転をガイドするガイド部材としても作用する。
<2>定着フィルム25
定着フィルム25は、ポリイミド等の耐熱樹脂やSUS等の金属を円筒状に形成したものであり、上述のヒータ20及びヒータホルダ22に遊嵌されている。定着フィルム25は、加圧ローラ26によってヒータ20に押し付けられており、これにより定着フィルム25の裏面がヒータ20の下面に当接されるようになっている。定着フィルム25は、加圧ローラ26の矢印R26方向の回転により記録材Pが矢印K方向に搬送されるのに伴って矢印R25方向に回転されるように構成されている。なお、定着フィルム25の左右の両端部は、ヒータホルダ22のガイド部(不図示)によって規制されており、ヒータ20の長手方向にはずれないようになっている。また、定着フィルム25の内面には、ヒータ20やヒータガイド22との間の摺動抵抗を低減するためにグリースを塗布してある。
<3>加圧ローラ26
加圧ローラ26は、金属製の芯金26aの外周面に、シリコーンゴム等の弾性を有する耐熱性の離型層26bを設けたものであり、離型層26bの外周面により下方から定着フィルム25をヒータ20に押し付けて、定着フィルム25との間に定着ニップ部Nを構成している。この定着ニップ部Nにおける、加圧ローラ26の回転方向についての幅(ニップ幅)をaとすると、このニップ幅aは、記録材P上のトナーを好適に加熱、加圧することができる程度に設定されている。
<4>回転制御手段28
回転制御手段28は、加圧ローラ26を回転駆動するモータ29と、モータ29の回転を制御するCPU30とを有する。モータ29としては、例えばステッピングモータ等を使用することができ、加圧ローラ26の回転を矢印R26方向に連続的に行なうほか、所定の角度ずつ断続的に行なうことも可能である。つまり、加圧ローラ26の回転と停止とを繰り返しながら、記録材Pをステップ送りすることもできる。
<5>温度制御手段27
温度制御手段27は、ヒータ20の裏面に取り付けられたサーミスタ(温度検知素子)21と、サーミスタ21が検出する温度に基づいてトライアック24を制御し、ヒータ20に対する電力供給を制御するCPU23とを有する。
上述のように、定着装置11は、加圧ローラ26の矢印R26方向の回転により記録材Pを定着ニップ部Nにて挟持搬送しつつ、ヒータ20によって記録材P上のトナーを加熱する。この際、回転制御手段28によって加圧ローラ26の回転を制御することにより、記録材Pの送りを適宜に制御することができ、また、温度制御手段27によってヒータ20の温度を適宜に制御することができるものである。
(3)プリント速度の制御
次に、図4に示すフローチャートを参照して、プリント速度の制御方法の一例について説明する。なお、以下のプリント速度の制御は不図示の装置制御回路によって実行される。
<1>プリント枚数のカウント
プリントジョブの開始(S−1)後、図1に示すトップセンサ9や排紙センサ16のオン/オフ情報等により、プリント枚数をカウントする。任意に設定された所定枚数Dに初期設定した枚数カウンタEは、プリント毎に枚数が減算されていき(S−2)、ゼロになった時点(S−3)でカウントはリセットし、初期設定の所定枚数Dに設定される(S−7)。また枚数カウンタEは、画像形成装置本体の電源オフの時点もリセットされ、電源オン時に初期設定の所定枚数Dに設定される。
<2>プリントジョブのカウント
前回転から始まり、プリント、そして後回転で終わる一連のプリント動作(プリントジョブ)の実行回数は、前回転や後回転の実行回数や、フォーマッタからのプリントジョブの回数情報から、カウントする。任意に設定された所定回数Fに初期設定したジョブ回数カウンタGは、プリントジョブ毎に回数が減算されていき(S−4&5)、ゼロになった時点でカウントを停止する。ジョブ回数カウンタGは、上記枚数カウンタEのリセットと同時にリセットされ、初期設定の所定回数Fに設定される。
<3>プリント速度downの実行可否
枚数カウンタEがゼロになった時点(S−3)で、ジョブ回数カウンタGがゼロの場合(S−6)は、プリント所定枚数D内における間欠プリントの頻度が高い、すなわち前回転等により加圧ローラ26の温度を上昇させる機会が多く、転移トナーが蓄積しにくい状況であると判断するため、特別なアクションは取らずに、各カウンタのリセットのみ行なう(S−7)。
ここで本実施例において、加熱定着装置11の加圧ローラ26の回転駆動の開始は前回転工程の開始と同時であるが、ヒータ20への電力供給のタイミングは前回転工程開始時点のヒータ温度により変わる。前回転工程の間、加熱定着装置11を駆動させて加圧ローラ温度をある程度上昇させることで定着性を安定化することができる。
また、加圧ローラ26の回転駆動の停止は後回転工程の終了と同時であるが、ヒータ20への電力供給の停止のタイミングは排紙センサ16が記録材後端を検知した時点としている。
一方、ジョブ回数カウンタGがゼロ以外の場合は、プリント所定枚数D内における連続プリントの頻度が高い、すなわち前回転等により加圧ローラ26の温度を上昇させる機会が少なく、転移トナーが蓄積しやすい状況であると判断するため、下記に示すプリント速度downを所定のタイミングで実行させた(S−8)後、各カウンタのリセットを行なう(S−7)。
<4>プリント速度downの実行
本実施例では、画像形成装置Mのプロセススピードを半分、すなわち加圧ローラ26を回転駆動させるモータ29の回転速度を半分にして、プリント速度を半分(以下、半速)にする方法を採用する。
これにより、通常速度(以下、全速)より定着フィルム25と加圧ローラ26が直接接触している時間が半速の方が長くなるため、加圧ローラ26の表面温度が上昇し、加圧ローラ26に付着した転移トナーを溶融させやすいとともに、全速より加圧ローラ26と記録材Pが接触している時間も半速の方が長くなるため、加圧ローラ26上で溶融しているトナーをより確実に次の記録材に付着させて排出しやすくなる、すなわち加圧ローラ26上へのトナー蓄積を防止することができるのである。
このプリント速度の全速から半速への切り替えは、枚数カウンタEがちょうどゼロになった時の記録材と次の記録材が連続してプリントされる場合のプリント間に実行させる。
なお半速状態で連続プリントを続けると、単位時間当たりのプリント枚数(スループット)が低下してしまうため、本実施例では、半速で所定枚数(ここでは3枚とする)をプリント後、また全速に戻して連続プリントを続けるようにしている。
なお枚数カウンタEのゼロとプリントジョブの終了が同時の場合や、半速でのプリントが所定枚数に満たないうちにプリントジョブが終了した場合は、次のプリントジョブで残りの半速プリントを行なった方が、加圧ローラ26上へのトナー蓄積の防止効果が高まるため好ましいが、半速プリントをキャンセルしても構わない。
(4)比較実験1
本実施例のように、連続プリントが多いと判断した時に、連続プリント中、プリント速度を半速に切り替えて3枚プリント後、元の全速に戻す定着装置を用いた場合と、半速への切り替えを実行しない定着装置を用いた場合とについて、1セットを連続20枚、50枚、100枚通紙として計50000枚(2500セット、1000セット、500セット)通紙を行ない、加圧ローラ26上へのトナー蓄積レベルを比較した。
またその際、プリント枚数カウンタEに初期設定される所定枚数Dは250枚に固定し、プリントジョブ回数カウンタGに初期設定される所定回数Fの設定値を変えて比較を行なった。
これらの結果を表1に示す。表中の○はOKレベル、△は実用上問題の無いレベル、×はNGレベルを示す。なお、15℃/10%RHの環境下で、炭酸カルシウムを填量として含む記録材を用いて、文字パターンを印字し、5000枚/50000枚時点で加圧ローラの表面を観察して評価を行なった。
Figure 2005352360
この比較実験より、プリント速度の半速への切り替えの実行により、加圧ローラ26上へのトナー蓄積を防止できることが確認できた。
しかし、プリントジョブ回数カウンタGに初期設定される所定回数Fは、多くすると所定枚数D毎の半速への切り替えが実行されやすくなるため、加圧ローラ26上へのトナー蓄積の抑制効果は向上するが、一方でスループットが低下しやすくなる。そのため、所定回数Fには、各々の画像形成装置に見合った数値を決定する必要がある。
そこで本実施例におけるプリントジョブの所定回数Fは、最もバランスの取れている7回を採用した。
(5)プリント速度downの方法の他例
プリント速度を半速に切り替えるタイミングの他例として、連続プリントが所定枚数(例えば50枚)を超える場合、そのプリント開始前の履歴、例えば所定枚数カウント(例えば250枚)内におけるプリントジョブの回数が所定回数(例えば7回)に満たない等から、連続プリントが多いと判断した時に、連続する51枚目のプリントからプリント速度を半速に切り替えるような方法を採用してもよい。
さらに、上記実施例と同様に、半速状態で連続プリントを続けると、スループットが低下してしまうため、半速で所定枚数(例えば3枚)をプリント後、また全速に戻して連続プリントを続けてもよい。
また本実施例では、プリント速度downさせる方法として、画像形成装置Mのプロセススピードを半分にする方法を採用したが、もちろんプロセススピードの落とす量には制限は無く、3/4でも1/3でも、各々の画像形成装置に見合ったプロセススピードに落として構わない。
さらに、画像形成装置Mのプロセススピードを変えずに、記録材Pの給紙タイミング等を遅らす、すなわちプリント間隔(紙間)を広げることで、プリント速度downを行なってもよい。
次に実施例2として、連続プリント中にプリント速度をdownさせて所定枚数プリント後、再度元のプリント速度に戻す方式の他例について説明する。なお前述した実施例1と同一機能を有する部分は同一符号を示し説明は援用する。
本実施例では、所定枚数カウント内におけるプリントジョブの回数に応じて、プリント速度down状態でのプリント枚数を決定する。すなわち、実施例1では、枚数カウンタEがゼロになった時点で、ジョブ回数カウンタGがゼロ以外の場合は、連続プリントの頻度が高いと判断して、一律、所定枚数をプリント速度downしてしまうが、本実施例では、枚数カウンタEがゼロになった時点におけるジョブ回数カウンタGの値に基づいて、プリント速度down状態でのプリント枚数を決定しているのである。
これにより、連続プリントの頻度が非常に高い場合はプリント速度down状態でのプリント枚数を多く、また連続プリントの頻度が若干高い程度の場合はプリント速度down状態でのプリント枚数を少なく調整できるため、加圧ローラ26上へのトナー蓄積の抑制効果を保ちつつ、スループットの低下を最小限で抑えることができる。
○実験
枚数カウンタEがゼロになった時点におけるジョブ回数カウンタGの値と、プリント速度down状態、ここではプリント速度を半速に切り替えた状態におけるプリント枚数を振って、50000枚通紙を行ない、加圧ローラ26上へのトナー蓄積レベルを比較した。ここで、ジョブ回数カウンタGの値が変わるように、プリント枚数カウンタEに初期設定される所定枚数Dは250枚、プリントジョブ回数カウンタGに初期設定される所定回数Fは7回とした状態で、1セットを連続40枚(G=1)、80枚(G=4)、300枚(G=7)通紙として各々1250セット、625セット、100セット行なった。
この結果を表2に示す。表中の○はOKレベル、△は実用上問題の無いレベル、×はNGレベルを示す。なお、15℃/10%RHの環境下で、炭酸カルシウムを填量として含む記録材を用いて、文字パターンを印字し、50000枚時点で加圧ローラの表面を観察して評価を行なった。
Figure 2005352360
この実験から、枚数カウンタEがゼロになった時点におけるジョブ回数カウンタGにより、加圧ローラ26上へのトナー蓄積を防止に必要な、半速時におけるプリント枚数が異なることが確認できた。
そこで本実施例では、表3に示すような、半速時におけるプリント枚数をジョブ回数カウンタGの値から決定する方法を採用した。
Figure 2005352360
本実施例では、プリント速度downさせる方法として、画像形成装置Mのプロセススピードを半分にする方法を採用したが、もちろんプロセススピードの落とす量には制限は無く、3/4でも1/3でも、各々の画像形成装置に見合ったプロセススピードに落として構わない。
さらに、画像形成装置Mのプロセススピードを変えずに、記録材Pの給紙タイミング等を遅らす、すなわちプリント間隔(紙間)を広げることで、プリント速度downを行なってもよい。
次に実施例3として、加圧ローラへの転移トナー蓄積をより一層防止させるため、後回転後の停止時に少なくともヒータをオン/オフさせて加圧ローラをクリーニングするクリーニングシーケンスを設けた定着装置における、プリント速度downの実行方法について説明する。なお前述した実施例1と同一機能を有する部分は同一符号を示し説明は援用する。
すなわち、後回転後の停止時に、少なくともヒータ20をオン/オフするクリーニングシーケンスを有する加熱定着装置において、所定枚数内に実行された上記クリーニングシーケンスの回数が所定回数に満たない場合は、プリント速度downを実行し、加圧ローラ温度を上昇させることで加圧ローラに付着したトナーを溶融し、次の記録材とともにより確実に排出させることで、加圧ローラ上へのトナー蓄積を防止する。
(1)クリーニングシーケンス
プリントジョブの終了時に、定着ニップ部Nにおいて、記録材Pに定着されずに定着フィルム25に転移した転移トナーを軟化、そして結合させることで、定着フィルム25から加圧ローラ26に転移トナーがさらに転移しないよう温調させるクリーニングシーケンスを設けている。
一例としては、プリントジョブが終了した定着装置11の後回転後(スタンバイ時)の停止時に、ヒータ20への電力供給を行ない、定着ニップ部N中の加圧ローラ温度と定着フィルム表面温度をトナーが十分に軟化する温度T1に加熱制御する。
具体的には、図5にヒータ20への電力供給のタイミングチャートの一例を示すように、画像形成装置(定着装置も含む)の後回転工程が終了した時点から、所定時間(ここでは5秒)ヒータ20への電力供給を行なっている。また、上記チャートのように、加圧ローラ、すなわち画像形成装置駆動の停止後からヒータへの電力供給が開始され、所定時間後電力供給は停止する。
それにより、加圧ローラ26の膨張にも助長されて、定着ニップ部N中の個々の転移トナーを結合させることが可能になる。そして転移トナーが結合したところでヒータ20への電力供給を停止する。熱容量が大きく温度が下がりにくい加圧ローラ26と、熱容量が小さく温度が下がりやすい定着フィルム25と、から定着ニップ部Nは構成されているため、トナーの軟化温度T2(T2<T1)付近において、加圧ローラ26よりも定着フィルム表面の方が温度が低い状態が生じる。したがって、結合した転移トナーはより温度の低い定着フィルム25の方へ固着し始めるのである。このような状態(ここではヒータ20への電力供給を停止してから5秒後)で定着装置11を、少なくとも定着ニップ部のニップ幅に相当する量以上、回転させると、トナー同士が結合して形状が大きくなっているため、個々のトナーの時よりも、定着フィルム25上に保持することが容易になる。そのため、定着ニップ部Nで定着フィルム25に保持されている転移トナーが、加圧ローラ26にさらに転移することを軽減できるのである。
この一連のクリーニングシーケンス終了後、次のプリントジョブにより定着ニップ部Nに突入する記録材Pは常温のため、定着フィルム表面と記録材P間には温度差(定着フィルム表面>記録材)が生じ、定着ニップ部Nにて定着フィルム25に保持されていたトナーは、記録材P上に付着して吐き出されるのである。そして、加圧ローラ26の外周面のうち、プリントジョブ終了後に定着ニップ部Nに停止する部分は、加圧ローラ26の停止毎に異なるため、プリントを繰り返すことで加圧ローラ26の外周面の全域にわたってクリーニングが行なえ、加圧ローラ26への転移トナーの蓄積を防止できるのである。
なお他例として、上述のような定着装置11の後回転後の停止時に、ヒータ20への電力の供給をオン/オフした後、定着装置11の回転は行なわず、次のプリントジョブ開始直後の定着フィルム25と加圧ローラ26の温度差の無い状態で、加圧ローラ26表面のうちの定着ニップ部Nに位置する部分を移動させる制御、すなわち加熱を始める前に回転を始める制御を入れることにより、定着ニップNで定着フィルム25に保持されている転移トナーの加圧ローラ26への転移を軽減させる手法でも良い。
ここで、定着フィルム25に保持されたトナーが、加圧ローラ26側に転移するためには、一度トナーを軟化させなければならない。前回転時、定着フィルム温度の上昇によりトナーが軟化し、一部のトナーが加圧ローラ26側に転移するかもしれないが、加圧ローラ表面も定着フィルムと同様に記録材との間には温度差(加圧ローラ表面>記録材)が生じているとともに、転移したトナー自体の温度も高い(一度軟化点以上に加熱されている)ため、どちらにしても記録材にトナーは付着して吐き出される。従来例でも述べたけれども、前回転前から加圧ローラ側に保持されていたトナーは加熱されにくく、通常の前回転時間のみでは軟化点まで温度が上昇しないため記録材には付着できない。
(2)プリント速度downの実行
次に、図6に示すフローチャートを参照して、本発明に係るプリント速度downの実行方法の一例について説明する。
<1>プリント枚数のカウント
プリントジョブの開始(S−1)後、図1に示すトップセンサ9や排紙センサ16のオン/オフ情報等により、プリント枚数をカウントする。任意に設定された所定枚数Dに初期設定した枚数カウンタEは、プリント毎に枚数が減算されていき(S−2)、ゼロになった時点(S−3)でカウントはリセットし、初期設定の所定枚数Dに設定される(S−8)。また枚数カウンタEは、画像形成装置本体の電源オフの時点もリセットされ、電源オン時に初期設定の所定枚数Dに設定される。
<2>クリーニングシーケンスのカウント
上述したクリーニングシーケンスの実行回数をカウントする。任意に設定された所定回数Hに初期設定したクリーニング回数カウンタIは、クリーニングシーケンス毎に回数が減算されていき(S−5&6)、ゼロになった時点でカウントを停止する。クリーニング回数カウンタIは、上記枚数カウンタEのリセットと同時にリセットされ、初期設定の所定回数Hに設定される。
なお間欠プリントでも後回転後の停止時間が短く、クリーニングシーケンスが実行されない、または途中でキャンセルされた場合は、クリーニング回数カウンタIはカウントされない(S−5&6)。
すなわち、一つのプリントジョブが終了する前や後回転中に次のプリントジョブ信号を受信した場合、後回転後、すぐに前回転が開始される(スタンバイは無い)ため、クリーニングシーケンスは実行されない。
また、スタンバイ中のクリーニングシーケンスの実行中に次のプリントジョブ信号を受信した場合、ファーストプリントタイムの遅延が無いよう、クリーニングシーケンスを途中で全て停止(キャンセル)し、次のプリントジョブのためにすぐに前回転を開始させている。
<3>プリント速度downの実行可否
枚数カウンタEがゼロになった時点で(S−3)、クリーニング回数カウンタIがゼロの場合(S−7)は、プリント所定枚数D内におけるクリーニングシーケンスの実行頻度が高い、すなわち加圧ローラ26の外周面の全域にわたってクリーニングを行なっており、加圧ローラ26に転移トナーが蓄積しにくい状況であると判断するため、特別なアクションは取らずに、各カウンタのリセットのみ行なう(S−8)。
一方、クリーニング回数カウンタIがゼロ以外の場合は、プリント所定枚数D内におけるクリーニングシーケンスの頻度が低い、すなわち加圧ローラ26のクリーニングを充分に行なえていなく、加圧ローラ26に転移トナーが蓄積しやすい状況であると判断するため、下記に示すプリント速度downを所定のタイミングで実行させた(S−9)後、各カウンタのリセットを行なう(S−8)。
<4>プリント速度downの実行
本実施例では、画像形成装置Mのプロセススピードを半分、すなわち加圧ローラ26を回転駆動させるモータ29の回転速度を半分にして、プリント速度を半分(以下、半速)にする方法を採用する。
これにより、通常速度(以下、全速)より定着フィルム25と加圧ローラ26が直接接触している時間が半速の方が長くなるため、加圧ローラ26の表面温度が上昇し、加圧ローラ26に付着した転移トナーを溶融させやすいとともに、全速より加圧ローラ26と記録材Pが接触している時間も半速の方が長くなるため、加圧ローラ26上で溶融しているトナーをより確実に次の記録材に付着させて排出しやすくなる。すなわち加圧ローラ26上へのトナー蓄積を防止することができるのである。
このプリント速度の全速から半速への切り替えは、枚数カウンタEがちょうどゼロになった時の記録材と次の記録材が連続してプリントされる場合のプリント間に実行させる。
なお半速状態で連続プリントを続けると、単位時間当たりのプリント枚数(スループット)が低下してしまうため、本実施例では、半速で所定枚数(ここでは3枚とする)をプリント後、また全速に戻して連続プリントを続けるようにしている。
なお枚数カウンタEのゼロとプリントジョブの終了が同時の場合や、半速でのプリントが所定枚数に満たないうちにプリントジョブが終了した場合は、次のプリントジョブで残りの半速プリントを行なった方が、加圧ローラ26上へのトナー蓄積の防止効果が高まるため好ましいが、半速プリントをキャンセルしても構わない。
(3)比較実験2
本実施例のように、クリーニングシーケンスの頻度が低いと判断した時に、連続プリント中、プリント速度を半速に切り替えて3枚プリント後、元の全速に戻す定着装置を用いた場合と、半速への切り替えを実行しない定着装置を用いた場合とについて、1セットを連続40枚、80枚、200枚通紙として計50000枚(1250セット、625セット、250セット)通紙を行ない、加圧ローラ26上へのトナー蓄積レベルを比較した。
またその際、プリント枚数カウンタEに初期設定される所定枚数Dは500枚に固定し、クリーニング回数カウンタIに初期設定される所定回数Hの設定値を変えて比較を行なった。
これらの結果を表4に示す。表中の○はOKレベル、△は実用上問題の無いレベル、×はNGレベルを示す。なお、15℃/10%RHの環境下で、炭酸カルシウムを填量として含む記録材を用いて、文字パターンを印字し、5000枚/50000枚時点で加圧ローラの表面を観察して評価を行なった。
Figure 2005352360
この比較実験より、プリント速度の半速への切り替えの実行により、加圧ローラ26上へのトナー蓄積を防止できることが確認できた。
しかし、クリーニング回数カウンタIに初期設定される所定回数Hは、多くすると所定枚数D毎の半速への切り替えが実行されやすくなるため、加圧ローラ26上へのトナー蓄積の抑制効果は向上するが、一方でスループットが低下しやすくなる。そのため、所定回数Hには、各々の画像形成装置に見合った数値を決定する必要がある。
そこで本実施例におけるクリーニングシーケンスの所定回数Hは、最もバランスの取れている7回を採用した。
また本発明では、後回転後の停止時にヒータを所定時間オン/オフ(ここでは各5秒)後、定着装置を所定量回転させるクリーニングシーケンスをあらかじめ定着装置に設けているため、加圧ローラへのトナー蓄積防止に対するマージンがアップしており、実施例1に比べて、プリント枚数カウンタEに初期設定される所定枚数Dを大、もしくはクリーニング回数カウンタIに初期設定される所定回数Hを小のように、スループットダウンが起こりにくい方向に設定することができる。
(4)プリント速度downの方法の他例2
プリント速度を半速に切り替えるタイミングの他例として、連続プリントが所定枚数(例えば100枚)を超える場合、そのプリント開始前の履歴、例えば所定枚数カウント(例えば500枚)内におけるクリーニングシーケンスの回数が所定回数(例えば7回)に満たない等から、加圧ローラ26のクリーニングが充分に行なえていないと判断した時に、連続する101枚目のプリントからプリント速度を半速に切り替えるような方法を採用してもよい。
さらに、上記実施例と同様に、半速状態で連続プリントを続けると、スループットが低下してしまうため、半速で所定枚数(例えば3枚)をプリント後、また全速に戻して連続プリントを続けてもよい。
また本実施例では、プリント速度downさせる方法として、画像形成装置Mのプロセススピードを半分にする方法を採用したが、もちろんプロセススピードの落とす量には制限は無く、3/4でも1/3でも、各々の画像形成装置に見合ったプロセススピードに落として構わない。
さらに、画像形成装置Mのプロセススピードを変えずに、記録材Pの給紙タイミング等を遅らす、すなわちプリント間隔(紙間)を広げることで、プリント速度downを行なってもよい。
(5)プリント速度down後の復帰方法の他例
連続プリント中にプリント速度をdownさせて所定枚数プリント後、再度元のプリント速度に戻す方式の他例として、実施例2のように、所定枚数カウント内におけるクリーニングシーケンスの回数に応じて、プリント速度down状態におけるプリント枚数を決定する方法を採用してもよい。
これにより、クリーニングシーケンスの頻度が非常に少ない場合はプリント速度down状態でのプリント枚数を多く、またクリーニングシーケンスの頻度が少ない程度の場合はプリント速度down状態でのプリント枚数を少なく調整できるため、加圧ローラ26上へのトナー蓄積の抑制効果を保ちつつ、スループットの低下を最小限で抑えることができる。
〔その他〕
○フィルム加熱方式の加熱定着装置は、実施例のものは加圧用回転体駆動方式であるが、エンドレスの定着フィルムの内周面に駆動ローラを設け、フィルムにテンションを加えながら駆動する方式の装置であってもよいし、フィルムをロール巻きの有端ウエブ状にし、これを走行駆動させる方式の装置であってもよい。
○本発明において加熱定着装置はフィルム加熱方式に限られるものではなく、熱ローラ方式など、加熱部材と加圧部材とのニップで画像を担持した記録材を挟持搬送させて記録材上の画像を加熱する像加熱装置であればよい。
○ヒータはセラミックヒータに限られるものではない。例えば鉄板等の電磁誘導発熱性部材とすることもできる。ヒータとして鉄板等の電磁誘導発熱性部材を用い、これを定着ニップ部の位置に配設して、これに交番磁束発生手段としての電磁コイルと磁性コアにより発生させた高周波磁界を作用させることで発熱させる装置構成にすることもできる。また移動部材としてのフィルム自体を電磁誘導発熱性部材にして交番磁束発生手段で発熱させる装置構成にすることもできる。
○本発明の加熱定着装置は、未定着画像を記録材上に永久画像として加熱定着させる定着装置ばかりでなく、未定着画像を記録材上に仮定着させる加熱装置、画像を担持した記録材を再加熱してつや等の画像表面性を改質する加熱装置なども包含される。
○画像形成装置の作像方式は電子写真方式に限られず、静電記録方式、磁気記録方式等であってもよいし、また転写方式でも直接方式でもよい。
本発明の第1実施例における画像形成装置例の概略構成図である。 本発明の第1実施例における画像形成装置の動作工程図である。 本発明の第1実施例における加熱定着装置部分の拡大模式図である。 本発明の第1実施例における加熱定着装置のプリントdown実行のフローチャートである。 本発明の第3実施例におけるヒータへの電力供給のタイミングチャートの一例である。 本発明の第3実施例における加熱定着装置のプリントdown実行のフローチャートである。
符号の説明
1 像担持体(感光ドラム)
11 定着装置
20 加熱体(ヒータ)
21 温度検知素子(サーミスタ)
22 ヒータホルダ
23 CPU
24 トライアック
25 定着フィルム
26 加圧ローラ
27 温度制御手段
28 回転制御手段
29 モータ
30 CPU
N 定着ニップ部
P 記録材

Claims (8)

  1. 加熱体を内包した回転体と、該回転体を圧接する加圧部材と、を有し、
    前記回転体と前記加圧部材の圧接ニップ部に、未定着トナー像を形成した記録材を加熱そして通過させることで該未定着トナー像を記録材上に定着させる加熱定着装置において、
    所定枚数カウント内におけるプリントジョブの回数が、所定回数に満たない場合、連続プリント時の所定枚数から、プリント速度を落とすことを特徴とする加熱定着装置。
  2. 加熱体を内包した回転体と、該回転体を圧接する加圧部材と、を有し、
    前記回転体と前記加圧部材の圧接ニップ部に、未定着トナー像を形成した記録材を加熱そして通過させることで該未定着トナー像を記録材上に定着させる加熱定着装置において、
    プリントジョブが終了した該定着装置の後回転後の停止時に、少なくとも加熱体を所定時間オン/オフするクリーニングシーケンスを有するとともに、
    所定枚数カウント内における前記クリーニングシーケンスの実行回数が、所定回数に満たない場合、連続プリント時の所定枚数から、プリント速度を落とすことを特徴とする加熱定着装置。
  3. 前記クリーニングシーケンスが、加熱体を所定時間オン/オフ後、前記回転体を所定量回転させることを特徴とする請求項2に記載の加熱定着装置。
  4. プリント速度の落とし方として、加熱定着装置を駆動させるモータの回転速度を落とす手法を採用していることを特徴とする請求項1〜3いずれかに記載の加熱定着装置。
  5. プリント速度の落とし方として、連続プリント時の記録材の通紙間隔を広げる手法を採用していることを特徴とする請求項1〜3いずれかに記載の加熱定着装置。
  6. プリント速度を落とした状態で所定枚数プリント後、再度元のプリント速度に戻して連続プリントを継続することを特徴とする請求項1〜5いずれかに記載の加熱定着装置。
  7. プリント速度を落とした状態でプリントする枚数を、前記所定枚数カウント内におけるプリントジョブの回数から決定することを特徴とする請求項6に記載の加熱定着装置。
  8. 前記回転体は可撓性のエンドレスベルトからなり、かつ圧接ニップ部において記録材の未定着トナー像面と接触するよう配置されていることを特徴とする請求項1〜7いずれかに記載の加熱定着装置。
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JP2012053133A (ja) * 2010-08-31 2012-03-15 Fuji Xerox Co Ltd 画像形成装置

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