JP2005349939A - 車両用空調装置 - Google Patents

車両用空調装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2005349939A
JP2005349939A JP2004172243A JP2004172243A JP2005349939A JP 2005349939 A JP2005349939 A JP 2005349939A JP 2004172243 A JP2004172243 A JP 2004172243A JP 2004172243 A JP2004172243 A JP 2004172243A JP 2005349939 A JP2005349939 A JP 2005349939A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
temperature
air
outside air
blower
vehicle
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2004172243A
Other languages
English (en)
Inventor
Norio Asai
紀雄 浅井
Yuji Honda
祐次 本田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Denso Corp
Original Assignee
Denso Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Denso Corp filed Critical Denso Corp
Priority to JP2004172243A priority Critical patent/JP2005349939A/ja
Priority to DE102005009100A priority patent/DE102005009100A1/de
Priority to US11/068,273 priority patent/US7556090B2/en
Publication of JP2005349939A publication Critical patent/JP2005349939A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Air-Conditioning For Vehicles (AREA)

Abstract

【課題】 送風機の自動停止時に車両走行動圧により外気空調風を車室内へ吹き出す際に、送風機の自動停止時間の延長を図る。
【解決手段】 目標吹出温度TAOが所定の中間温度域にあるときは送風機を自動停止し(S80)、送風機の自動停止時に外気モードが選択され、かつ、外気温Tamが第1所定温度(15℃)以下の時はエアミックスドア開度を送風機作動時に比較して高温側に補正し(S120)、また、外気温Tamが第2所定温度(25℃)以上の時はエアミックスドア開度を送風機作動時に比較して低温側に補正する(S130)。
【選択図】 図3

Description

本発明は、自動制御方式の車両用空調装置における送風機の自動停止制御とそれに伴う温度調整手段の補正制御に関する。
従来より車両用空調装置においては、車室内温度(内気温)を乗員の設定温度に維持するための目標吹出空気温度TAOを算出し、この目標吹出空気温度TAOの高低に応じて送風機の風量(車室内吹出空気の風量)を自動制御している(例えば、特許文献1参照)。
より具体的には、目標吹出空気温度TAOの低温域および高温域において送風機の風量を大きくし、TAOの中間温度域において送風機の風量を小さくするように、送風機の回転数を高回転域から低回転域にわたって連続的に調整している。
特開昭58−26618号公報
しかし、従来技術では、空調装置の起動後は常に送風機が作動し続ける構成になっている。そのため、空調装置の起動後時間が経過して車室内の空調状態が進行し、車室内温度が設定温度付近に到達し、車室内が快適な空調状態になった後も、送風機が作動し続ける。このため、乗員によっては送風機の作動音が煩わしいと感じて、送風機作動スイッチを手動操作して送風機を停止する場合がある。
このことは、自動制御方式の空調装置であるにもかかわらず、乗員に送風機作動スイッチの手動操作を強いることになり、自動制御方式の特徴を損なうことになる。
そこで、本発明者は、乗員が送風機を停止したいと感じる空調条件を自動判定して送風機を自動停止する車両用空調装置を先に特願2004−58599号の特許出願にて提案している。
この先願のように送風機を自動停止する制御を行う車両用空調装置においても、車両走行時に外気モードを選択している場合は、車両走行動圧(ラム圧)により外気が空調装置通風路内に導入されるので、送風機を自動停止しても、温度調整した外気空調風を車室内へ吹き出すことができる。
しかし、低車速時には車両走行動圧による外気導入量が少ないので、車室内への吹出風量が不足するという現象が起きる。そのため、冬期暖房時であれば、送風機の自動停止時に、車室内温度が快適温度域よりも低下して乗員の快適性を損なう。また、夏期冷房時であれば、送風機の自動停止時に、車室内温度が快適温度域よりも上昇して乗員の快適性を損なう。この結果、送風機の自動停止時間が短くなってしまう。
本発明は、乗員が送風機を停止したいと感じる空調条件を自動判定して送風機を自動停止する車両用空調装置において、送風機の自動停止時に車両走行動圧により外気空調風を車室内へ吹き出す際に、送風機の自動停止時間の延長を図ることを目的とする。
上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明では、車室内へ吹き出す空気の温度および前記車室内へ吹き出す空気の風量を自動制御する自動制御方式の車両用空調装置において、
前記車室内へ向かって空気を送風する送風機(8)と、
前記送風機(8)の作動を自動制御する送風機制御手段(S50、S80)と、
車室内へ吹き出す空気の温度を調整する温度調整手段(17)と、
前記温度調整手段(17)の操作位置を自動制御する吹出温度制御手段(S70、S120、S130)とを備え、
前記送風機制御手段(S50、S80)は、前記送風機(8)の風量を自動制御する制御の他に、前記送風機(8)を空調熱負荷条件に基づいて自動停止する制御を行うようになっており、
前記吹出温度制御手段(S70、S120、S130)は、前記送風機(8)の自動停止時に外気モードが選択されたときに、前記温度調整手段(17)の操作位置を補正する補正手段(S120、S130)を包含しており、
前記補正手段(S120、S130)は、前記外気モードにより導入される外気を外気温より高い温度に加熱して車室内へ吹き出す条件下では前記温度調整手段(17)の操作位置を前記送風機(8)の作動時に比較して高温側に補正し、また、前記外気モードにより導入される外気を外気温より低い温度に冷却して車室内へ吹き出す条件下では前記温度調整手段(17)の操作位置を前記送風機(8)の作動時に比較して低温側に補正することを特徴としている。
これによると、空調熱負荷条件に基づいて送風機(8)を自動停止するから、車室内温度が乗員にとって快適な設定温度付近に維持されている状態を空調熱負荷条件に基づいて判定し、送風機(8)を自動停止することができる。
従って、快適な空調状態において送風機(8)の作動音をなくして車室内を静粛な環境とすることができ、乗員の快適性を一層向上できる。また、送風機(8)の消費電力も低減できる。しかも、乗員に手動操作の煩わしさを与えることなく静粛な車室内環境を作り出すことができ、実用上極めて有利である。
更に、送風機(8)の自動停止時に外気モードにより導入される外気を外気温より高い温度に加熱して車室内へ吹き出す条件下では、温度調整手段(17)の操作位置を送風機(8)の作動時に比較して高温側に補正するから、車室内吹出空気(温風)の吹出温度を高温側に補正できる。
また、送風機(8)の自動停止時に外気モードにより導入される外気を外気温より低い温度に冷却して車室内へ吹き出す条件下では、温度調整手段(17)の操作位置を送風機(8)の作動時に比較して低温側に補正するから、車室内吹出空気(冷風)の吹出温度を低温側に補正できる。
この結果、送風機(8)の自動停止時に車室内吹出空気の吹出風量が不足するという現象が起きても、暖房域における車室内温度の低下および冷房域における車室内温度の上昇を抑制できる。これにより、送風機(8)の自動停止時間の延長を図ることができるので、送風機(8)の自動停止制御による効果をより一層有効に発揮できる。
請求項2に記載の発明のように、請求項1に記載の車両用空調装置において、前記外気を外気温より高い温度に加熱して車室内へ吹き出す条件とは、外気温が第1所定温度以下の低外気温時であり、
また、前記外気を外気温より低い温度に冷却して車室内へ吹き出す条件とは、外気温が前記第1所定温度よりも所定温度高い第2所定温度以上の高外気温時である。
請求項3に記載の発明では、請求項2に記載の車両用空調装置において、前記低外気温時には、外気温が低くなるにつれて前記温度調整手段(17)の操作位置の高温側への補正量を大きくし、
また、前記高外気温時には、外気温が高くなるにつれて前記温度調整手段(17)の操作位置の低温側への補正量を大きくすることを特徴とする。
これによると、温度調整手段(17)の操作位置の補正量を外気温の高低に対応してきめ細かく調整することができる。そのため、温度調整手段(17)の操作位置を空調熱負荷に応じてより適切な方向に補正することができる。
請求項4に記載の発明のように、請求項1に記載の車両用空調装置において、前記外気を外気温より高い温度に加熱して車室内へ吹き出す条件とは、内気温が第1所定温度以下の低内気温時であり、
また、前記外気を外気温より低い温度に冷却して車室内へ吹き出す条件とは、内気温が前記第1所定温度よりも所定温度高い第2所定温度以上の高内気温時である。
請求項5に記載の発明では、請求項4に記載の車両用空調装置において、前記低内気温時には、内気温が低くなるにつれて前記温度調整手段(17)の操作位置の高温側への補正量を大きくし、
また、前記高内気温時には、内気温が高くなるにつれて前記温度調整手段(17)の操作位置の低温側への補正量を大きくする
これによると、温度調整手段(17)の操作位置の補正量を内気温の高低に対応してきめ細かく調整することができる。そのため、温度調整手段(17)の操作位置を空調熱負荷に応じてより適切な方向に補正することができる。
請求項6に記載の発明では、請求項1に記載の車両用空調装置において、前記外気を外気温より高い温度に加熱して車室内へ吹き出す条件とは、内気温が車室内の設定温度よりも低いときであり、
また、前記外気を外気温より低い温度に冷却して車室内へ吹き出す条件とは、内気温が車室内の設定温度よりも高いときである。
請求項7に記載の発明では、請求項6に記載の車両用空調装置において、前記内気温が前記設定温度よりも低いときは、前記内気温と前記設定温度との温度差が増大するにつれて前記温度調整手段(17)の操作位置の高温側への補正量を大きくし、
また、前記内気温が前記設定温度よりも高いときは前記内気温と前記設定温度との温度差が増大するにつれて前記温度調整手段(17)の操作位置の低温側への補正量を大きくすることを特徴とする。
これによると、温度調整手段(17)の操作位置の補正量を内気温と設定温度との温度差に応じてきめ細かく調整することができる。そのため、温度調整手段(17)の操作位置を空調熱負荷に応じてより適切な方向に補正することができる。
請求項8に記載の発明では、請求項3、5、7のいずれか1つに記載の車両用空調装置において、前記温度調整手段(17)の操作位置の高温側への補正量、および前記温度調整手段(17)の操作位置の低温側への補正量を車速が低下するにつれて大きくすることを特徴とする。
これによると、車速が低下して走行動圧による外気導入量が低下しても、車速の低下に応じて温度調整手段(17)の操作位置の補正量を大きくすることにより、暖房域における車室内温度の低下および冷房域における車室内温度の上昇を一層効果的に抑制できる。
なお、上記各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関
係を示すものである。
(第1実施形態)
図1は、第1実施形態の全体構成の概要を示すもので、車両用空調装置は車室内最前部
の計器盤(図示せず)の内側部に配設される室内空調ユニット1を備えている。この室内
空調ユニット1はケース2を有し、このケース2内に車室内へ向かって空気が送風される
空気通路を構成する。
このケース2の空気通路の最上流部に内気導入口3および外気導入口4を有する内外気
切替箱5を配置している。この内外気切替箱5内に、内外気切替手段としての内外気切替
ドア6を回転自在に配置している。
この内外気切替ドア6はサーボモータ7によって駆動されるもので、内気導入口3より
内気(車室内空気)を導入する内気モードと外気導入口4より外気(車室外空気)を導入
する外気モードとを切り替える。
内外気切替箱5の下流側には車室内に向かう空気流を発生させる電動式の送風機8を配
置している。この送風機8は、遠心式の送風ファン8aをモータ8bにより駆動するよう
になっている。送風機8の下流側にはケース2内を流れる空気を冷却する蒸発器9を配置
している。この蒸発器9は、送風機8の送風空気を冷却する冷房用熱交換器で、冷凍サイ
クル装置10を構成する要素の一つである。
なお、冷凍サイクル装置10は、圧縮機11の吐出側から、凝縮器12、受液器13お
よび減圧手段をなす膨張弁14を介して蒸発器9に冷媒が循環するように形成された周知
のものである。凝縮器12には電動式の冷却ファン12aによって室外空気(冷却空気)
が送風される。
冷凍サイクル装置10において、圧縮機11は電磁クラッチ11aを介して車両エンジ
ン(図示せず)により駆動される。従って、電磁クラッチ11aの通電の断続により圧縮
機11の作動を断続制御できる。また、蒸発器9は、膨張弁14にて減圧された後の低温
低圧の気液2相状態の冷媒が送風機8の送風空気から吸熱して蒸発することにより、送風
空気を冷却する。
一方、室内空調ユニット1において、蒸発器9の下流側にはケース2内を流れる空気を
加熱するヒータコア15を配置している。このヒータコア15は車両エンジンの温水(エ
ンジン冷却水)を熱源として、蒸発器9通過後の空気(冷風)を加熱する暖房用熱交換器
である。ヒータコア15の側方にはバイパス通路16が形成され、このバイパス通路16
をヒータコア15のバイパス空気が流れる。
蒸発器9とヒータコア15との間に温度調整手段をなすエアミックスドア17を回転自
在に配置してある。このエアミックスドア17はサーボモータ18により駆動されて、そ
の回転位置(開度)が連続的に調整可能になっている。
このエアミックスドア17の開度によりヒータコア15を通る空気量(温風量)と、バ
イパス通路16を通過してヒータコア15をバイパスする空気量(冷風量)との割合を調
節し、これにより、車室内に吹き出す空気の温度を調整するようになっている。
ケース2の空気通路の最下流部には、車両の前面窓ガラスWに向けて空調風を吹き出す
ためのデフロスタ吹出口19、乗員の顔部に向けて空調風を吹き出すためのフェイス吹出
口20、および乗員の足元部に向けて空調風を吹き出すためのフット吹出口21の計3種
類の吹出口が設けられている。
これら吹出口19〜21の上流部にはデフロスタドア22、フェイスドア23およびフットドア24が回転自在に配置されている。これらのドア22〜24は、図示しないリンク機構を介して共通のサーボモータ25によって開閉操作される。
次に、本実施形態の電気制御部の概要を説明すると、空調制御装置29は、CPU、ROMおよびRAM等を含む周知のマイクロコンピュータとその周辺回路から構成される。この空調制御装置29は、そのROM内に空調制御のための制御プログラムを記憶しており、その制御プログラムに基づいて各種演算、処理を行う。
空調制御装置29の入力側にはセンサ群30〜35からセンサ検出信号が入力され、また、車室内前部の計器盤(図示せず)付近に配置される空調パネル36から各種操作信号が入力される。
センサ群としては、具体的には、車速SPDを検出する車速センサ30、外気温(車室外温度)Tamを検出する外気センサ31、内気温(車室内温度)Trを検出する内気センサ32、車室内に入射する日射量Tsを検出する日射センサ33、蒸発器9の空気吹出部に配置されて蒸発器吹出空気温度Teを検出する蒸発器温度センサ34、ヒータコア15に流入する温水(エンジン冷却水)温度Twを検出する水温センサ35等が設けられる。
また、空調パネル36には各種操作スイッチとして、図2に示すスイッチ37〜43が設けられている。温度設定スイッチ37は車室内の設定温度の信号を出すもので、設定温度上昇用スイッチ37aと、設定温度低下用スイッチ37bと、設定温度表示部37cとを備えている。
吹出モードスイッチ38は吹出モードドア22〜24により設定される各種吹出モードをマニュアル設定するための信号を出すもので、フェイスモードスイッチ38a、バイレベルモードスイッチ38b、フットモードスイッチ38c、フットデフロスタモードスイッチ38d、およびデフロスタモードスイッチ38eを備えている。
内外気切替スイッチ39は内外気切替ドア6による内気モードと外気モードをマニュアル設定する信号を出すもので、内気モードスイッチ39aと外気モードスイッチ39bを備えている。
エアコンスイッチ40は圧縮機11の作動指令信号(電磁クラッチ11aのON信号)を出すものである。エコノミースイッチ41はエアコンスイッチ40の投入時よりも目標蒸発器吹出温度TEOを引き上げる信号を出して圧縮機11の稼働率を低下させるものである。
送風機作動スイッチ42は送風機8の風量切替をマニュアル設定するための信号を出すもので、送風機8を停止するOFFスイッチ42a、低風量用スイッチ42b、第1中風量用スイッチ42c、第1中風量より所定量多い第2中風量用のスイッチ42d、および大風量用スイッチ42eを備えている。
オートスイッチ43は空調自動制御状態の指令信号を出すもので、オートスイッチ43をオン状態にすると、エアコンスイッチ40およびエコノミースイッチ41がオフ状態であっても、電磁クラッチ11aに通電して、圧縮機11を作動状態にし、かつ、各種空調機器の作動を自動制御する状態にする。
空調制御装置29の出力側には、圧縮機11の電磁クラッチ11a、各機器の電気駆動手段をなすサーボモータ7、18、25、送風機8のモータ8b、凝縮器冷却ファン12aのモータ12b等が接続され、これらの機器の作動が空調制御装置29の出力信号により制御される。
次に、上記構成において本実施形態の作動を説明する。最初に、室内空調ユニット1の
作動の概要を説明すると、送風機8を作動させることにより、内気導入口3または外気導
入口4より導入された空気がケース2内を車室内に向かって送風される。また、電磁クラ
ッチ11aに通電して電磁クラッチ11aを接続状態とし、圧縮機11を車両エンジンに
て駆動することにより、冷凍サイクル装置10内を冷媒が循環する。
送風機8の送風空気は、先ず蒸発器9を通過して冷却、除湿され、この冷風は次にエア
ミックスドア17の回転位置(開度)に応じてヒータコア15を通過する流れとバイパス
通路16を通過する流れとに分けられる。ヒータコア15を通過する流れは加熱されて温
風となり、バイパス通路16を通過する流れは冷風のままである。
従って、エアミックスドア17の開度によりヒータコア15を通る空気量(温風量)と
、バイパス通路16を通過する空気量(冷風量)との割合を調整し、これにより、車室内
に吹き出す空気の温度を調整できる。そして、この温度調整された空調風が、ケース2の
空気通路の最下流部に位置するデフロスタ吹出口19、フェイス吹出口20およびフット
吹出口21のうち、いずれか1つまたは複数の吹出口から車室内へ吹き出して、車室内の
空調および車両の前面窓ガラスWの曇り止めを行う。
次に、本実施形態による空調自動制御を図3に基づいて説明する。図3は空調制御装置29のマイクロコンピュータにより実行される制御ルーチンのフローチャートであり、こ
の制御ルーチンはオートスイッチ43の投入によりスタートし、先ず、ステップS10に
てセンサ群30〜35の検出信号、空調パネル36からの各種操作信号等を読み込む。
次に、ステップS20にて車室内への吹出空気の目標吹出温度TAOを算出する。この
目標吹出温度TAOは空調熱負荷変動にかかわらず、空調パネル36の温度設定スイッチ
37により乗員が設定した設定温度Tsetに車室内温度を維持するために必要な車室内
吹出空気温度である。このTAOは設定温度Tset、外気温Tam、内気温Tr、日射
量Tsに基づいて下記数式(1)により算出する。
TAO=Kset×Tset−Kr×Tr−Kam×Tam−Ks×Ts+C (1)
但し Kset、Kr、Kam、Ks:制御ゲイン
C:補正用の定数
次に、ステップS30にて目標蒸発器吹出温度TEOを算出する。ここで、目標蒸発器
吹出温度TEOは、主に、車室内吹出空気の温度制御、車両前面窓ガラスWの曇り止め制
御、圧縮機11の省動力(エコノミー)制御、車室内湿度制御等のために決定される制御値であって、周知のごとく目標吹出温度TAO、外気温度Tam、車室内湿度等に応じて算出される。
次に、ステップS40にて目標吹出温度TAOが、前記設定温度Tset付近の所定中
間温度域にあるか判定する。この設定温度Tset付近の所定中間温度域は具体的には1
8℃〜34℃である。
前記設定温度Tsetは、乗員が快適と感じる温度であって、通常、25℃前後の温度が設定される。従って、TAO=18℃〜34℃という、この中間温度域は、室内空調ユニット1の空調熱負荷が最小となる温度域であると言うことができる
。ここで、室内空調ユニット1の空調熱負荷とは、車室内温度Trを設定温度Tsetに
維持するために、室内空調ユニット1の吸い込み空気を冷却または加熱する熱量を言う。
空調装置の起動時、例えば、夏期の冷房起動時では車室内が50℃以上にも及ぶ高温になることがあるので、こような冷房起動時には目標吹出温度TAOが−30℃以下の低温度として算出される。このため、ステップS40の判定はNOとなる。
また、冬期の暖房起動時には車室内が逆に0℃以下のような低温になるので、暖房起動時には目標吹出温度TAOが90℃以上にも及ぶ高温として算出される。このため、ステップS40の判定はNOとなる。
このように、空調装置の起動直後の冷房立ち上げ時および暖房立ち上げ時には室内空調
ユニット1の空調熱負荷が非常に大きくなって、目標吹出温度TAOが設定温度Tset
から大きく離れた高温または低温として算出されるので、ステップS40の判定がNOと
なり、ステップS50に進む。
このステップS50では、送風機8を作動(ON)状態にするとともに、送風機8の風
量を目標吹出温度TAOの変化に応じて自動制御する。
この風量制御を図4に基づいて具体的に説明すると、夏期の冷房起動時には通常、目標
吹出温度TAOが、図4の第1所定温度T1(例えば−30℃)より低い温度として算出
されるので、送風機8の駆動モータ8bへの印加電圧を最大にして、送風機8の風量を最
大風量(Hi)に設定する。
そして、車室内の冷房が進行して車室内温度(内気温)Trが低下するにつれて目標吹
出温度TAOが上昇する。目標吹出温度TAOが第1所定温度T1以上に上昇すると、こ
れにつれて、送風機8の駆動モータ8bへの印加電圧を連続的に低下して送風機8の風量
を連続的に低下させる。
目標吹出温度TAOが第2所定温度T2(例えば8℃)まで上昇すると送風機8の風量
を最小風量(Lo)まで低下させる。
これに対し、冬期の暖房起動時には通常、目標吹出温度TAOが図4の第6所定温度T
6(例えば90℃)より高い温度として算出されるので、送風機8の駆動モータ8bへの
印加電圧を最大にして、送風機8の風量を最大風量(Hi)に設定する。
なお、図4では、目標吹出温度TAOの低温側(冷房側)の最大風量(Hi)と目標吹
出温度TAOの高温側(暖房側)の最大風量(Hi)とを同一値として示しているが、一
般に最大冷房時の必要風量の方が最大暖房時の必要風量より大きいので、実際には、目標
吹出温度TAOの高温側(暖房側)の最大風量(Hi)を目標吹出温度TAOの低温側(
冷房側)の最大風量(Hi)よりも所定量小さく設定する。
そして、車室内の暖房が進行して車室内温度(内気温)Trが上昇するにつれて目標吹
出温度TAOが低下する。目標吹出温度TAOが第6所定温度T6以下に低下すると、こ
れにつれて、送風機8の駆動モータ8bへの印加電圧を連続的に低下して送風機8の風量
を連続的に低下させる。
目標吹出温度TAOが第5所定温度T5(例えば44℃)まで低下すると送風機8の風
量を最小風量(Lo)まで低下させる。
図3において、次のステップS60では、圧縮機11を作動(ON)状態にするととも
に、圧縮機11の能力制御を行う。具体的には、蒸発器9の吹出空気温度Te(温度セン
サ34の検出温度)が目標蒸発器吹出温度TEOとなるように圧縮機11の能力制御を行
う。
本実施形態では、圧縮機11として常に一定の吐出容量で作動する固定容量型圧縮機を
用いているので、具体的には、図5に示すように圧縮機11の作動を断続制御する。すな
わち、蒸発器9の実際の吹出空気温度Teが目標蒸発器吹出温度TEOまで上昇すると、
電磁クラッチ11aに通電して圧縮機11を作動状態とし、蒸発器9の実際の吹出空気温
度Teが目標蒸発器吹出温度TEO−αまで低下すると、電磁クラッチ11aへの通電を
遮断して圧縮機11を停止(OFF)状態とする。ここで、αはハンチング防止のための
ヒステリシス幅で、例えば、1℃程度である。
このように、圧縮機11の作動を断続制御することにより、圧縮機11の稼働率、ひい
ては冷媒吐出能力が制御されて、蒸発器9の実際の吹出空気温度Teが目標蒸発器吹出温
度TEO付近に維持される。
次のステップS70では、エアミックスドア17の通常開度制御を行う。具体的には、エアミックスドア17の目標開度SWを、目標吹出温度TAOと、蒸発器温度センサ34により検出される蒸発器吹出空気温度Teと、水温センサ44により検出される温水温度Twとに基づいて次式(2)により算出する。
SW={(TAO−Te)/(Tw−Te)}×100(%) (2)
そして、エアミックスドア17の実際の開度が上記目標開度SWとなるように、サーボモータ18によりエアミックスドア17を駆動制御する。これにより、車室内吹出温度が目標吹出温度TAOとなるようにエアミックスドア17の開度が制御され、車室内温度Trが設定温度Tsetに維持される。
ここで、エアミックスドア17の「通常開度制御」とは、上記式(2)に示すように、ステップS30で算出された目標吹出温度TAOに対して後述のような補正をせずに、そのTAO算出値をそのまま用いて目標開度SWを算出することを言う。
なお、SW=0(%)は、エアミックスドア17の最大冷房位置であり、バイパス通路
16を全開し、ヒータコア15側の通風路を全閉する。これに対し、SW=100(%)
は、エアミックスドア17の最大暖房位置であり、バイパス通路16を全閉し、ヒータコ
ア15側の通風路を全開する。
ところで、春秋の中間季節等においては、車室内空調の熱負荷が元々小さいので、送風
機8の風量を最小風量(Lo)まで低下しても、車室内温度(内気温)Trを乗員が設定
した設定温度Tset付近に維持することができる。このような空調熱負荷条件下では、
目標吹出温度TAOが前記した設定温度Tset付近の所定中間温度域(18℃〜34℃
)の範囲内に入る。
この場合には、図3のステップS40の判定がYESとなるので、ステップS80に進み、送風機8の駆動モータ8bへの通電を遮断して送風機8を完全に停止する。続いて、ステップS90にて電磁クラッチ11aへの通電を遮断状態に維持して、圧縮機11を完全な停止状態に維持する。
これにより、車室内を送風機騒音が全くない静粛な雰囲気にすることができ、車室内の
快適性を向上できるとともに、送風機8の消費電力低減および圧縮機11の駆動動力低減
効果を発揮できる。しかも、車室内空調の熱負荷が小さい状況を判定して、送風機8およ
び圧縮機11の自動停止制御を行うから、乗員の手動操作を必要とせず、乗員に操作負担
をかけることもない。
更に、送風機8の風量を最小風量(Lo)にする第2所定温度T2と第5所定温度T5との温度範囲(例えば、8℃〜44℃)の内側に入る所定温度範囲(例えば、18℃〜34℃)を車室内空調の熱負荷が最小となる範囲とし、この空調熱負荷最小範囲にて送風機8および圧縮機11を自動停止しているから、送風機8および圧縮機11の停止状態が持続されて、目標吹出温度TAOが上記空調熱負荷最小範囲(例えば、18℃〜34℃)の外側へ変動した場合に、送風機8が必ず最小風量で再起動する。
従って、送風機8が最小風量よりも高い風量で急に再起動するという違和感を乗員に与えることを確実に回避できる。このことも乗員の快適性向上に貢献できる。
次に、ステップS100にて内外気切替ドア6による空気吸い込みモードが外気モードであるか判定する。内気モードであるときは上述のステップS70に進み、エアミックスドア17の「通常開度制御」を行う。つまり、内気モードであるときは、車両走行動圧による外気流入がないので、送風機8の停止に伴って車室内への空調風の吹出が生じない。このため、エアミックスドア17の「開度補正制御」を行う必要がないので、ステップS70にてエアミックスドア17の「通常開度制御」を行う。
これに反し、外気モードであるときはステップS110に進み、外気温Tamの高低を判定する。具体的には、外気温Tamが第1所定温度(具体的には15℃)以下の低外気温域であるか、第1所定温度よりも所定温度高い第2所定温度(具体的には25℃)以上の高外気温域であるか、この第1所定温度と第2所定温度との間の中間温度域(15℃より高く25℃より低い温度域)であるかを判定する。
ここで、上記中間温度域は、外気の導入により車室内を設定温度Tset付近にほぼ維持できる温度範囲であるから、外気温Tamが上記中間温度域に該当するとき(判定結果がCであるとき)はステップS70に進み、エアミックスドア17の「通常開度制御」を行う。
一方、外気温Tamが第1所定温度(具体的には15℃)以下の低外気温域に該当するとき(判定結果がAであるとき)はステップS120に進み、エアミックスドア17の「HOT側開度補正制御」を行う。
また、外気温Tamが第2所定温度(具体的には25℃)以上の高外気温域に該当するとき(判定結果がBであるとき)はステップS130に進み、エアミックスドア17の「COOL側開度補正制御」を行う。
以下エアミックスドア17のHOT側およびCOOL側の開度補正制御について詳述する。外気温Tamが第1所定温度(具体的には15℃)以下の低外気温域は、暖房領域であり、この暖房領域において送風機8が自動停止され、走行動圧による外気空調風(温風)の吹出風量が、送風機8の低速(Lo)作動時の吹出風量より少ないと、車室内暖房能力が必要能力に対して不足するので、車室内温度が設定温度より徐々に低下していく。このことが、送風機8の自動停止期間を短くする原因となる。
そこで、本実施形態では、低外気温域ではエアミックスドア17の開度をHOT側(高温側)に補正制御することにより、送風機8の自動停止時における車室内暖房能力の不足を補って、送風機8の自動停止期間の延長を図る。
エアミックスドア17のHOT側への開度補正制御は、具体的には、エアミックスドア17の目標開度SWaを次式(3)により算出し、この目標開度SWaにエアミックスドア17の開度を制御することである。
SWa={(TAOa−Te)/(Tw−Te)}×100(%) (3)
この(3)式において、TAOa=TAO+ΔTaである。
なお、TAOは前述の(2)式により算出される目標吹出空気温度で、ΔTaはTAOを高温側へ補正するための補正量で、図6(a)(b)のマップ(特性図)に基づいて決定される。
図6(a)(b)のマップは予め実験等に基づいて作成され、空調制御装置29のマイクロコンピュータの記憶装置(ROM)に記憶してある。なお、後述の図7〜図11のマップ(特性図)も同様に記憶装置(ROM)に記憶される。
図6(a)に示すように、外気温Tamが15℃以下の場合に、外気温Tamが15℃から低下するにつれて補正量f1(Tam)を増大するように決定する。そして、外気温Tamが0℃まで低下すると、補正量f1(Tam)が上限値(20℃)に達するようになっている。
図6(b)のマップは、この外気温Tamに応じた補正量f1(Tam)を更に車速SPDにより補正して、最終的な補正量ΔTaを決定する。図6(b)において、車速=80km/h以上の速度範囲では、車両走行動圧による外気導入量が送風機8の低速(Lo)運転による送風量以上となるので、補正量ΔTaを0としている。
そして、車両走行動圧による外気導入量は車速の低下とともに減少するので、補正量ΔTaを車速の低下に伴って増大している。車速が10km/h以下の低速走行時には、補正量ΔTa=補正量f1(Tam)とし、補正量ΔTaを最大にしている。
これにより、外気温が低いほど、また、車速が低いほど、補正量ΔTaを増大して、エアミックスドア開度の目標開度SWaをHOT側(最大暖房側)に補正制御できる。このため、車室内吹出空気(温風)温度を高温側へ補正することができるので、送風機8の自動停止時における車室内吹出風量の不足を補って、送風機8の自動停止期間を延長できる。
次に、エアミックスドア17のCOOL側への開度補正制御を説明すると、エアミックスドア17の目標開度SWbを次式(4)により算出し、この目標開度SWbと一致するようにエアミックスドア17の開度を制御する。
SWb={(TAOb−Te)/(Tw−Te)}×100(%) (4)
この(4)式において、TAOb=TAO−ΔTbである。
なお、TAOは前述の(2)式により算出される目標吹出空気温度で、ΔTbはTAOを低温側へ補正するための補正量で、図7(a)(b)のマップに基づいて決定される。
図7(a)に示すように、外気温Tamが25℃以上の場合に、外気温Tamが25℃から上昇するにつれて補正量f2(Tam)を増大するように決定する。そして、外気温Tamが30℃まで上昇すると、補正量f2(Tam)が上限値(20℃)に達するようになっている。
図7(b)のマップは、この外気温Tamに応じた補正量f2(Tam)を更に車速SPDにより補正して、最終的な補正量ΔTbを決定する。図7(b)において、車速=80km/h以上の速度範囲では、車両走行動圧による外気導入量が送風機8の低速(Lo)運転による送風量以上となるが、外気温Tamが25℃以上である場合は、補正量ΔTbを0とせず、10℃(最小値)としている。
これは、外気温Tamが25℃以上である場合は冷房域であり、導入外気を冷却する必要があるが、送風機8の自動停止時にはこれに連動して圧縮機11も自動停止して、蒸発器9が冷却作用を停止するためである。
そして、外気導入量は車速の低下とともに減少するので、補正量ΔTbを車速の低下に伴って増大している。車速が10km/h以下の低速走行時には、補正量ΔTb=補正量f2(Tam)とし、補正量ΔTbを最大にしている。
これにより、外気温が高いほど、また、車速が低いほど、補正量ΔTbを増大して、エアミックスドア開度の目標開度SWbをCOOL側(最大冷房側)に補正制御できる。このため、車室内吹出空気(冷風)温度を低温側へ補正することができるので、送風機8の自動停止時における車室内吹出風量の不足を補って、送風機8の自動停止期間を延長できる。
ところで、第1実施形態における具体的手段と本発明の構成要素との対応関係を述べると、図3のステップS50、S80により「送風機8の作動を自動制御する送風機制御手段」を構成する。
また、図3のステップS70、S120、S130により「温度調整手段の操作位置(エアミックスドア17開度)を自動制御する吹出温度制御手段」を構成する。
そして、図3のステップS70、S120、S130のうち、ステップS120、S130は、「送風機8の自動停止時に外気モードが選択されたときに、温度調整手段の操作位置(エアミックスドア17開度)を補正する補正手段」を構成する。
(第2実施形態)
上記第1実施形態では、外気温Tamの高低を判定し、低外気温時にはエアミックスドア開度の目標開度SWaをHOT側(最大暖房側)に補正制御し、また、高外気温時にはエアミックスドア開度の目標開度SWbをCOOL側(最大冷房側)に補正制御しているが、第2実施形態では図3のステップS110において外気温Tamの代わりに内気温Trの高低を判定して、エアミックスドア開度の補正制御を行う。
第2実施形態では内気温Trが第1所定温度(例えば、20℃)以下であると、図3のステップS110からステップS120に進みエアミックスドア開度の目標開度SWaをHOT側(最大暖房側)に補正制御する。
具体的には、図8(a)に示すように、内気温Trが20℃以下の場合に、内気温Trが20℃から低下するにつれて補正量f1(Tr)を10℃から連続的に増大するように決定する。そして、内気温Trが15℃まで低下すると、補正量f1(Tr)が上限値(20℃)に達するようになっている。
図8(b)のマップは、この内気温Trに応じた補正量f1(Tr)を更に車速SPDにより補正して、最終的な補正量ΔTaを決定するもので、前述の図6(b)と同様のものであるから、具体的説明は省略する。
図8(a)(b)により、内気温が低いほど、また、車速が低いほど、補正量ΔTaを増大できる。
ステップS120では、第1実施形態と同様に、TAOa=TAO+ΔTaとし、前述の(3)式にて目標開度SWaを算出する。これにより、低内気温時には、エアミックスドア開度の目標開度SWaをHOT側(最大暖房側)に補正制御できる。このため、車室内吹出空気(温風)温度を高温側へ補正することができるので、送風機8の自動停止時における車室内吹出風量の不足を補って、送風機8の自動停止期間を延長できる。
また、第2実施形態では内気温Trが第1所定温度(例えば、20℃)よりも所定値高い第2所定温度(例えば、25℃)以上であると、図3のステップS110からステップS130に進みエアミックスドア開度の目標開度SWbをCOOL側(最大冷房側)に補正制御する。
具体的には、図9(a)に示すように、内気温Trが25℃以上の場合に、内気温Trが25℃から上昇するにつれて補正量f2(Tr)を連続的に増大するように決定する。そして、内気温Trが30℃まで上昇すると、補正量f2(Tr)が上限値(20℃)に達するようになっている。
図9(b)のマップは、この内気温Trに応じた補正量f2(Tr)を更に車速SPDにより補正して、最終的な補正量ΔTbを決定するもので、前述の図7(b)と同様のものであるから、具体的説明は省略する。
ステップS130では、第1実施形態と同様に、TAOb=TAO−ΔTbとし、前述の(4)式にて目標開度SWbを算出する。これにより、高内気温時には、エアミックスドア開度の目標開度SWaをCOOL側(最大冷房側)に補正制御できる。このため、車室内吹出空気(冷風)温度を低温側へ補正することができるので、送風機8の自動停止時における車室内吹出風量の不足を補って、送風機8の自動停止期間を延長できる。
なお、第2実施形態において、内気温Trが第1所定温度(例えば、20℃)と第2所定温度(例えば、25℃)との間の中間温度域であるときは図3のステップS110からステップS70に進みエアミックスドア開度の通常制御を行う。
(第3実施形態)
上記第1、第2実施形態では、外気温Tamまたは内気温Trの高低を判定し、低外気温時または低内気温時にはエアミックスドア開度の目標開度SWaをHOT側(最大暖房側)に補正制御し、また、高外気温時または高内気温時にはエアミックスドア開度の目標開度SWbをCOOL側(最大冷房側)に補正制御しているが、第3実施形態では図3のステップS110において、外気温Tamおよび内気温Trの代わりに、内気温Trと設定温度Tsetとの温度差(Tr−Tset)の大小を判定して、エアミックスドア開度の補正制御を行う。
第3実施形態では内気温Trの方が設定温度Tsetよりも低くて(Tr<Tset)、温度差(Tr−Tset)が所定のマイナス値(例えば、−2℃)以下の値であると、図3のステップS110からステップS120に進みエアミックスドア開度の目標開度SWaをHOT側(最大暖房側)に補正制御する。
具体的には、図10(a)に示すように、温度差(Tr−Tset)が−2℃以下のマイナス側の値であるときは、温度差(Tr−Tset)が−2℃から更にマイナス側へなるにつれて補正量f1(Tr−Tset)を10℃から連続的に増大するように決定する。そして、温度差(Tr−Tset)が−10℃まで低下すると、補正量f1(Tr−Tset)が上限値(20℃)に達するようになっている。
図10(b)のマップは、この温度差(Tr−Tset)に応じた補正量f1(Tr−Tset)を更に車速SPDにより補正して、最終的な補正量ΔTaを決定するもので、前述の図6(b)、図8(b)と同様のものであるから、具体的説明は省略する。
図10(a)(b)により、内気温Trが設定温度Tsetよりも低いほど、また、車速が低いほど、補正量ΔTaを増大できる。
ステップS120では、第1、第2実施形態と同様に、TAOa=TAO+ΔTaとし、前述の(3)式にて目標開度SWaを算出する。これにより、内気温Trが設定温度Tsetよりも低いほど、エアミックスドア開度の目標開度SWaをHOT側(最大暖房側)に補正制御できる。このため、車室内吹出空気(温風)温度を高温側へ補正することができるので、送風機8の自動停止時における車室内吹出風量の不足を補って、送風機8の自動停止期間を延長できる。
第3実施形態では内気温Trの方が設定温度Tsetよりも高くて(Tr>Tset)、温度差(Tr−Tset)が所定のプラス値(例えば、2℃)以上の値であると、図3のステップS110からステップS130に進みエアミックスドア開度の目標開度SWbをCOOL側(最大冷房側)に補正制御する。
具体的には、図11(a)に示すように、温度差(Tr−Tset)が2℃以上のプラス値であるときは、温度差(Tr−Tset)が2℃から更にプラス側へ大きくなるにつれて補正量f2(Tr−Tset)を15℃から連続的に増大するように決定する。そして、温度差(Tr−Tset)が20℃までプラス側へ増大すると、補正量f2(Tr−Tset)が上限値(20℃)に達するようになっている。
図11(b)のマップは、この温度差(Tr−Tset)に応じた補正量f2(Tr−Tset)を更に車速SPDにより補正して、最終的な補正量ΔTbを決定するもので、前述の図7(b)、図9(b)と同様のものであるから、具体的説明は省略する。
図11(a)(b)により、内気温Trが設定温度Tsetよりも高いほど、また、車速が低いほど、補正量ΔTbを増大できる。
ステップS130では、第1、第2実施形態と同様に、TAOb=TAO−ΔTbとし、前述の(4)式にて目標開度SWbを算出する。これにより、内気温Trが設定温度Tsetよりも高いほど、エアミックスドア開度の目標開度SWaをCOOL側(最大冷房側)に補正制御できる。このため、車室内吹出空気(冷風)温度を低温側へ補正することができるので、送風機8の自動停止時における車室内吹出風量の不足を補って、送風機8の自動停止期間を延長できる。
(他の実施形態)
本発明は上述の実施形態に限定されることなく、以下に例示するように種々変形可能である。
(1)上述の実施形態では、車室内吹出空気の温度調整手段として、冷温風の風量割合を調整するエアミックスドア17を用いているが、車室内吹出空気の温度調整手段として、ヒータコア15に流入する温水の流量や温度を調整する周知の温水弁を用いてもよい。
(2)上述の実施形態では、エアミックスドア開度の補正制御を行うに当たり、外気温Tam、内気温Tr、車速SPD等に基づいて補正量ΔTa、ΔTbを算出し、この補正量ΔTa、ΔTbにより目標吹出空気温度TAOを補正することにより、エアミックスドア開度の補正制御を行うようにしているが、上記補正量ΔTa、ΔTbによりエアミックスドア開度の目標開度SWa、SWbを直接補正し、それにより、アミックスドア開度の補正制御を行うようにしてもよい。
(3)上述の実施形態では、ステップS40において車室内空調の熱負荷最小範囲を目標吹出温度TAOに基づいて判定し、ステップS80にて送風機8を自動停止する制御を行っているが、目標吹出温度TAOの代わりに車室内温度(内気温)Trと日射量Tsを用いて、空調の熱負荷最小範囲を判定してもよい。
また、目標吹出温度TAOの代わりに外気温Tamと日射量Tsを用いて、空調の熱負荷最小範囲を判定してもよい。また、日射量Tsを考慮せずに、外気温Tamのみで空調の熱負荷最小範囲を判定してもよい。例えば、外気温Tamが乗員の快適温度範囲(例えば、10℃〜20℃の範囲)内にあるときを空調の熱負荷最小範囲であると判定してもよい。
また、目標吹出温度TAOの代わりに、車室内温度Trと設定温度Tsetとの温度差を用いて、空調の熱負荷最小範囲を判定したり、外気温Tamと設定温度Tsetとの温度差を用いて、空調の熱負荷最小範囲を判定してもよい。
本発明の第1実施形態を示す全体システム構成図である。 第1実施形態における空調パネルの正面図である。 第1実施形態の空調制御の概要を示すフローチャ−トである。 第1実施形態による送風機制御の特性図である。 第1実施形態による固定容量型圧縮機の断続制御の特性図である。 第1実施形態による低外気温時のエアミックスドア開度補正のためのTAO補正量の特性図である。 第1実施形態による高外気温時のエアミックスドア開度補正のためのTAO補正量の特性図である。 第2実施形態による低内気温時のエアミックスドア開度補正のためのTAO補正量の特性図である。 第2実施形態による高内気温時のエアミックスドア開度補正のためのTAO補正量の特性図である。 第3実施形態によるエアミックスドア開度補正のためのTAO補正量の特性図で、内気温が設定温度より低い場合を示す。 第3実施形態によるエアミックスドア開度補正のためのTAO補正量の特性図で、内気温が設定温度より高い場合を示す。
符号の説明
8…送風機、9…蒸発器(冷房用熱交換器)、11…圧縮機、
17…エアミックスドア(温度調整手段)、29…空調制御装置。

Claims (8)

  1. 車室内へ吹き出す空気の温度および前記車室内へ吹き出す空気の風量を自動制御する自動制御方式の車両用空調装置において、
    前記車室内へ向かって空気を送風する送風機(8)と、
    前記送風機(8)の作動を自動制御する送風機制御手段(S50、S80)と、
    車室内へ吹き出す空気の温度を調整する温度調整手段(17)と、
    前記温度調整手段(17)の操作位置を自動制御する吹出温度制御手段(S70、S120、S130)とを備え、
    前記送風機制御手段(S50、S80)は、前記送風機(8)の風量を自動制御する制御の他に、前記送風機(8)を空調熱負荷条件に基づいて自動停止する制御を行うようになっており、
    前記吹出温度制御手段(S70、S120、S130)は、前記送風機(8)の自動停止時に外気モードが選択されたときに、前記温度調整手段(17)の操作位置を補正する補正手段(S120、S130)を包含しており、
    前記補正手段(S120、S130)は、前記外気モードにより導入される外気を外気温より高い温度に加熱して車室内へ吹き出す条件下では前記温度調整手段(17)の操作位置を前記送風機(8)の作動時に比較して高温側に補正し、また、前記外気モードにより導入される外気を外気温より低い温度に冷却して車室内へ吹き出す条件下では前記温度調整手段(17)の操作位置を前記送風機(8)の作動時に比較して低温側に補正することを特徴とする車両用空調装置。
  2. 前記外気を外気温より高い温度に加熱して車室内へ吹き出す条件とは、外気温が第1所定温度以下の低外気温時であり、
    また、前記外気を外気温より低い温度に冷却して車室内へ吹き出す条件とは、外気温が前記第1所定温度よりも所定温度高い第2所定温度以上の高外気温時であることを特徴とする請求項1に記載の車両用空調装置。
  3. 前記低外気温時には、外気温が低くなるにつれて前記温度調整手段(17)の操作位置の高温側への補正量を大きくし、
    また、前記高外気温時には、外気温が高くなるにつれて前記温度調整手段(17)の操作位置の低温側への補正量を大きくすることを特徴とする請求項2に記載の車両用空調装置。
  4. 前記外気を外気温より高い温度に加熱して車室内へ吹き出す条件とは、内気温が第1所定温度以下の低内気温時であり、
    また、前記外気を外気温より低い温度に冷却して車室内へ吹き出す条件とは、内気温が前記第1所定温度よりも所定温度高い第2所定温度以上の高内気温時であることを特徴とする請求項1に記載の車両用空調装置。
  5. 前記低内気温時には、内気温が低くなるにつれて前記温度調整手段(17)の操作位置の高温側への補正量を大きくし、
    また、前記高内気温時には、内気温が高くなるにつれて前記温度調整手段(17)の操作位置の低温側への補正量を大きくすることを特徴とする請求項4に記載の車両用空調装置。
  6. 前記外気を外気温より高い温度に加熱して車室内へ吹き出す条件とは、内気温が車室内の設定温度よりも低いときであり、
    また、前記外気を外気温より低い温度に冷却して車室内へ吹き出す条件とは、内気温が車室内の設定温度よりも高いときであることを特徴とする請求項1に記載の車両用空調装置。
  7. 前記内気温が前記設定温度よりも低いときは、前記内気温と前記設定温度との温度差が増大するにつれて前記温度調整手段(17)の操作位置の高温側への補正量を大きくし、
    また、前記内気温が前記設定温度よりも高いときは前記内気温と前記設定温度との温度差が増大するにつれて前記温度調整手段(17)の操作位置の低温側への補正量を大きくすることを特徴とする請求項6に記載の車両用空調装置。
  8. 前記温度調整手段(17)の操作位置の高温側への補正量、および前記温度調整手段(17)の操作位置の低温側への補正量を車速が低下するにつれて大きくすることを特徴とする請求項3、5、7のいずれか1つに記載の車両用空調装置。
JP2004172243A 2004-03-03 2004-06-10 車両用空調装置 Pending JP2005349939A (ja)

Priority Applications (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004172243A JP2005349939A (ja) 2004-06-10 2004-06-10 車両用空調装置
DE102005009100A DE102005009100A1 (de) 2004-03-03 2005-02-28 Fahrzeug-Klimaanlage zum Vorsehen eines angenehmen Zustandes für einen Fahrgast
US11/068,273 US7556090B2 (en) 2004-03-03 2005-02-28 Vehicular air-conditioner providing a comfortable condition for a passenger

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004172243A JP2005349939A (ja) 2004-06-10 2004-06-10 車両用空調装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2005349939A true JP2005349939A (ja) 2005-12-22

Family

ID=35584761

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2004172243A Pending JP2005349939A (ja) 2004-03-03 2004-06-10 車両用空調装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2005349939A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR101220970B1 (ko) 2006-12-29 2013-01-11 한라공조주식회사 차량용 공조장치의 인테이크 및 템프 도어 제어 방법
JP2017189997A (ja) * 2016-04-11 2017-10-19 株式会社デンソー 空調装置
CN110315926A (zh) * 2018-03-29 2019-10-11 宝马股份公司 空调设备及其调节方法、车辆和计算机可读存储介质

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR101220970B1 (ko) 2006-12-29 2013-01-11 한라공조주식회사 차량용 공조장치의 인테이크 및 템프 도어 제어 방법
JP2017189997A (ja) * 2016-04-11 2017-10-19 株式会社デンソー 空調装置
CN110315926A (zh) * 2018-03-29 2019-10-11 宝马股份公司 空调设备及其调节方法、车辆和计算机可读存储介质
CN110315926B (zh) * 2018-03-29 2023-09-15 宝马股份公司 空调设备及其调节方法、车辆和计算机可读存储介质

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US7556090B2 (en) Vehicular air-conditioner providing a comfortable condition for a passenger
JP6278214B2 (ja) 車両用空調装置
JP5445514B2 (ja) 車両用空調装置
JP5263032B2 (ja) 車両用空調装置
JP5533637B2 (ja) 車両用空調装置
JP3781612B2 (ja) 車両用空調装置
JP2006224705A (ja) 車両用空調装置
JP4496971B2 (ja) 車両用空調装置
JP4407368B2 (ja) 車両用空調装置
JP2006240387A (ja) 車両用空調装置
JP4144536B2 (ja) 車両用空調装置
JP2002331820A (ja) 車両用空調装置
JP4561014B2 (ja) 車両用空調装置
JP3945243B2 (ja) 車両用空調装置
JP2005349939A (ja) 車両用空調装置
JP3862942B2 (ja) 車両用空調装置
JP4218550B2 (ja) 車両用空調装置
JP2002283839A (ja) 車両用冷房装置
JPH11151930A (ja) 車両用空調装置
JP5526675B2 (ja) 車両用空調装置
JP5245537B2 (ja) 車両用空調装置
JP2007001337A (ja) 車両用空調装置および車両用空調制御プログラム
JP5251741B2 (ja) 車両用空調装置
JP2004042706A (ja) 車両用空調装置
JP2004042711A (ja) 車両用空調装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20060809

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20071130

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20071211

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20080408