JP2005341726A - モータの制御方法、モータの制御装置、及びインクジェットプリンタ - Google Patents

モータの制御方法、モータの制御装置、及びインクジェットプリンタ Download PDF

Info

Publication number
JP2005341726A
JP2005341726A JP2004157831A JP2004157831A JP2005341726A JP 2005341726 A JP2005341726 A JP 2005341726A JP 2004157831 A JP2004157831 A JP 2004157831A JP 2004157831 A JP2004157831 A JP 2004157831A JP 2005341726 A JP2005341726 A JP 2005341726A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
motor
rotational speed
value
target
motor control
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2004157831A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4534600B2 (ja
Inventor
Hiroshi Wanibuchi
博 鰐渕
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Seiko Epson Corp
Original Assignee
Seiko Epson Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Seiko Epson Corp filed Critical Seiko Epson Corp
Priority to JP2004157831A priority Critical patent/JP4534600B2/ja
Publication of JP2005341726A publication Critical patent/JP2005341726A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4534600B2 publication Critical patent/JP4534600B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Character Spaces And Line Spaces In Printers (AREA)
  • Control Of Electric Motors In General (AREA)
  • Ink Jet (AREA)

Abstract

【課題】 オーバーシュートを防ぎつつ加速期間を短縮することができ、制御に要する演算量を少なくすることができるモータの制御方法、モータの制御装置、及びインクジェットプリンタを提供する。
【解決手段】 本発明のモータの制御方法は、キャリッジモータ13の回転速度Vcと目標回転速度Vtとの偏差ΔVに応じた値を出力する比例要素210と、キャリッジモータ13の回転速度Vcと目標回転速度Vtとの偏差ΔVを積分して積分値に応じた値を出力する積分要素212を有するCRモータ制御回路200によりキャリッジモータ13を制御する際に、キャリッジモータ13の目標等速回転速度Vconstにおける積分要素212の出力値QIを積分出力上限値として予め設定し、キャリッジモータ13を本稼動させたときの回転速度が目標等速回転速度Vconstに達するまでの加速期間t0〜t1に、積分要素212の出力値QIを積分出力上限値に固定する。
【選択図】 図8

Description

本発明は、モータの回転速度を目標回転速度との偏差に応じた値を出力する比例手段と、モータの回転速度と目標回転速度との偏差を積分して積分値に応じた値を出力する積分手段を有する制御系によりモータの駆動を制御するモータの制御方法、モータの制御装置、及びインクジェットプリンタに関する。
紙、布、フィルム等の被印刷体に印刷を行う各種のプリンタのなかで、被印刷体にインクを吐出して印刷を行う方式のプリンタは、インクジェットプリンタと呼ばれている。
このようなインクジェットプリンタにおいては、インクを吐出する印刷ヘッドと、該印刷ヘッドに供給するインクを収容したインク容器とを搭載したキャリッジを駆動するモータを制御系によって制御し、キャリッジを移動させながら印刷ヘッドから被印刷体に向けてインクを吐出して印刷を行うのが一般的である。
したがって、被印刷体に対して高品質の印刷を行うためには、キャリッジを駆動するモータを高精度に制御する必要がある。
そこで、モータの回転速度と目標回転速度との偏差に応じた値を出力する比例手段と、前記モータの回転速度と目標回転速度との偏差を積分して積分値に応じた値を出力する積分手段を有する制御系により前記モータを制御するモータ制御方法において、前記比例手段の出力値に対して、前記積分手段の出力値に応じた比例出力上限値を設け、前記比例手段の出力値がこの比例出力上限値を超える場合には、前記比例手段の出力値が前記比例出力上限値とすることを特徴とするモータ制御方法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
このようなモータ制御方法によれば、インクが消費されてインク容器に収容されたインクの量が少なくなってモータに加わる負荷が変動した場合であっても、高精度にモータを制御することが可能となる。
特開2003−79177号
上述したように、従来のモータ制御方法では、比例手段による比例制御と積分手段による積分制御を組み合わせ、さらには微分制御も加えた所謂PID制御を行うことが一般的であり、モータの加速時から等速状態を経て停止するまでの1回の走査駆動に対して、例えば図9に示すような目標回転速度を設定していた。なお、この図9のグラフは、モータによりインクジェットプリンタのキャリッジを駆動する際のキャリッジの位置とモータの回転速度との関係を示したものである。
しかしながら、図9に示すように設定された目標回転速度にモータの回転速度を追従させようとした場合には、目標回転速度が等速度の時だけでなく加速時や減速時においても実回転速度を目標回転速度に一致させるように制御するため、例えば目標等回転速度に達するまでの加速期間が長くなってしまう。そして、加速期間が長くなるに伴ってキャリッジの加速距離も長く設けなけばならず、プリンタが大型化してしまう要因となってしまう。
また、加速期間を短くしようとして急激な加速を試みたとしても、積分手段の出力値は比例手段の時間的累積の値であるため目標回転速度に近づいたときには過大な値となったり、また、積分手段の演算から実際にモータへ出力されるまでのタイムラグの影響が増大しやすくなったりするため、目標回転速度に対してオーバーシュートが起こりやすかった。
さらに、モータの加速から停止までの間、常に比例手段と積分手段によって高精度の制御を行おうとすると、制御回路の演算負荷が増大し、メモリの量も増えてしまう状況にあった。
本発明の目的は、オーバーシュートを防ぎつつ加速期間を短縮することができ、制御に要する演算量を少なくすることができるモータの制御方法、モータの制御装置、及びインクジェットプリンタを提供することである。
上記課題を解決することのできる本発明に係るモータ制御方法は、モータの回転速度と目標回転速度との偏差に応じた値を出力する比例手段と、前記モータの回転速度と目標回転速度との偏差を積分して積分値に応じた値を出力する積分手段を有する制御系により前記モータを制御するモータ制御方法において、前記モータの目標等速回転速度における前記積分手段の出力値を積分出力上限値として予め設定し、前記モータを本稼動させたときの回転速度が前記目標等速回転速度に達するまでの加速期間に、前記積分手段の出力値を前記積分出力上限値に固定することを特徴としている。
このような構成のモータ制御方法によれば、例えばモータを予備駆動させて本稼動時のモータの目標等速回転速度となる積分手段の出力値を測定してそれを積分出力上限値として設定しておき、その後モータを本稼動させる際の加速期間に、積分手段からの出力値を積分出力上限値に固定することで、実際にモータの回転速度が目標等速回転速度に達するときに積分手段の出力値が積分出力上限値を超えないため、オーバーシュートの発生を容易に防止することができる。また、加速期間において積分手段が出力する値が一定であるため、制御に要する演算量が少なくなり、さらに積分手段の演算から出力までのタイムラグの発生も防ぐことができる。したがって、モータの急激な加速が可能となり、加速期間を短くすることができる。
また、本発明のモータ制御方法において、前記加速期間における目標回転速度を前記目標等速回転速度と同値に設定し、前記加速期間に前記比例手段による演算を行うことが好ましい。
この場合には、上記のようにモータを本稼動させる際の加速期間には積分手段からの出力値は一定であるため、モータを加速させるための出力は比例手段によるものが支配的要素となる。そして、加速期間の目標回転速度を目標等速回転速度と同値としておくことで、加速初期の速度偏差が大きくなり比例手段の演算によって急激にモータの回転が加速される。したがって、加速時間を効果的に短縮することができる。
また、本発明のモータ制御方法において、前記加速期間終了後、前記比例手段及び前記積分手段による演算を行うことが好ましい。
モータの回転速度が目標等速回転速度に達した後は、回転速度を目標等速回転速度に維持するための制御を行えば良いため、比例手段だけでなく積分手段の演算も行ってフィードバック制御を行うことで、回転速度の偏差を小さくすることができる。
また、上記課題を解決することのできる本発明に係るモータ制御装置は、モータの回転速度と目標回転速度との偏差に応じた値を出力する比例手段と、前記モータの回転速度と目標回転速度との偏差を積分して積分値に応じた値を出力する積分手段を有する制御系により前記モータを制御するモータ制御装置において、前記制御系は、前記モータの目標等速回転速度における前記積分手段の出力値を積分出力上限値として設定可能であり、前記モータを本稼動させたときの回転速度が前記目標等速回転速度に達するまでの加速期間に、前記積分手段の出力値を前記積分出力上限値に固定することを特徴としている。
また、本発明のモータ制御装置において、前記制御系は、前記加速期間における目標回転速度を前記目標等速回転速度と同値に設定し、前記加速期間に前記比例手段による演算を行うことが好ましい。
また、本発明のモータ制御装置において、前記制御系は、前記加速期間終了後、前記比例手段及び前記積分手段による演算を行うことが好ましい。
また、本発明のモータ制御装置において、前記モータは、被印刷体にインクを吐出する印刷ヘッドと、該印刷ヘッドに供給されるインクを収容したインク容器を備えたキャリッジを駆動するためのモータとすると良い。
この場合には、インクを吐出するためにキャリッジが等速度で走査するまでの立ち上がり時間を短くすることができ、素早い印刷を行うことが可能となる。
また、上記構成のモータ制御装置を備えたインクジェットプリンタは、素早い印刷を行うことができるとともに、キャリッジを加速させるための加速距離を短くできるため、プリンタの小型化を図ることができる。
本発明によれば、オーバーシュートを防ぎつつ加速期間を短縮することができ、制御に要する演算量を少なくすることができるモータの制御方法、モータの制御装置、及びインクジェットプリンタを提供することができる。
以下、添付図面に基づいて本発明に係るモータの制御方法、モータの制御装置、及びインクジェットプリンタの一実施形態を詳細に説明する。
図1及び図2は本実施形態のモータ制御方法を実施可能なインクジェットプリンタ1の主要な構成を示す概略斜視図である。
このインクジェットプリンタ1は、印刷用紙を収容した給紙カセット10が着脱自在に装着されている。給紙カセット10は、用紙を収容するように略矩形状に形成されたベース10aを備えており、プリンタ本体に装着される給紙口側にシャッタ部材10cが設けられるとともに、このシャッタ部材10cの後方側(プリンタ本体と離れた側)には開閉自在な保護カバー10bが設けられている。なお、保護カバー10bは、プリンタ本体に給紙カセット10を装着したままの状態で、プリンタ本体側に傾倒するように開閉可能である。
このインクジェットプリンタ1において、キャリッジ4は、キャリッジモータ13にタイミングベルト3により接続されて、ガイドレール2に沿って往復移動するように構成されており、用紙と対向する面にはアクチュエータによりインクを加圧してノズル開口からインク適を吐出させるインクジェットヘッド5が設けられている。
そして、このインクジェットヘッド5に対して、図2に示すように、プリンタ下部に配置したインクカートリッジ7から可撓性のインクチューブ6を介してインクが供給される。
給紙カセット10内に収容された用紙は、紙送りモータ12により回転伝達機構(図示せず)を介して接続されたオートシートフィーダ15と、歯車伝達機構20により回転駆動される搬送ローラ11及び14とにより、一定のピッチでキャリッジ4の移動方向(主走査方向)と直交する方向(副走査方向)に搬送される。
また、図2に示すように、印刷領域の外側には、インクジェットヘッド5のインクノズル面の汚れのワイピング、インクノズルの詰まりを防止するためのキャッピング、インクノズルから増粘状態のインクを吸引するインク吸引等を行うヘッドメンテナンス機構28が設けられている。
搬送ローラ11は、図1に示すように、歯車伝達機構20を構成する歯車23を一端側に有し、紙送りモータ12の軸上のピニオン21から減速歯車22を介して駆動されるとともに、他端側に設けた駆動歯車26が回転伝達機構(図示せず)を介してオートシートフィーダ15及びヘッドメンテナンス機構28を駆動する。搬送ローラ14は、一端側に歯車25を有し、複数の伝達歯車24を介して紙送りモータ12により駆動される。
次に、図3を参照しつつ、インクジェットプリンタ1の電気的な構成について説明する。図3は、インクジェットプリンタ1の電気的な構成を示すブロック図である。
インクジェットプリンタ1は、主制御回路102と、CPU104と、主制御回路102およびCPU104にバスを介して接続された各種のメモリ(ROM110、RAM112、EEPROM114)とを備えている。主制御回路102には、パーソナルコンピュータなどの外部装置との間で信号の送受信を行うインターフェース回路120と、紙送りモータ駆動回路130と、ヘッド駆動回路140と、CRモータ駆動回路150とが接続されている。
紙送りモータ12は、紙送りモータ駆動回路130によって駆動されて搬送ローラ14を回転させ、これによって用紙Pを副走査方向に移動させる。紙送りモータ12にはロータリエンコーダ32が設けられており、ロータリエンコーダ32の出力信号は主制御回路102に入力されている。
キャリッジ4の底面には、複数のノズル(図示せず)を有する印刷ヘッド52が設けられている。各ノズルは、ヘッド駆動回路140によって駆動されて、用紙P、または紙、布、フィルム等の被印刷体に向けて、インク滴を吐出する。
キャリッジモータ13は、CRモータ駆動回路150によって駆動される。このインクジェットプリンタ1は、キャリッジ4の主走査方向に沿った位置と速度を検出するためのリニアエンコーダ70を備えている。このリニアエンコーダ70は、主走査方向に平行に設けられた直線状の符号板72と、キャリッジ50に設けられたフォトセンサ74とによって構成されている。リニアエンコーダ70の出力信号は、主制御回路102に入力されている。
なお、主制御回路102は、3つの駆動回路130、140、150に制御信号をそれぞれ供給する機能を有しており、また、インターフェース回路120で受信した各種の印刷コマンドの解読や、印刷データの調整に関する制御、各種のセンサの監視などを実行する機能も有している。一方、CPU104は、主制御回路102を補助するための各種の機能を有しており、例えば各種のメモリの制御などを実行する。
次に、図4及び図5を参照しつつ、キャリッジモータ13の駆動制御装置の構成について説明する。図4は、キャリッジモータ13の駆動制御装置の構成を示すブロック図である。図5は、モータ駆動信号Sdrと、キャリッジモータ13の特性との関係を示す説明図である。
キャリッジモータ13の駆動制御装置は、CRモータ制御回路200と、CRモータ駆動回路150とを含んでいる。なお、CRモータ制御回路200は、図3に示した主制御回路102の一部である。
リニアエンコーダ70の出力信号Senは、CRモータ制御回路200内の位置演算回路230と速度演算回路232とに入力される。これらの回路230、232は、エンコーダ70の出力信号Senの図示しないA相信号とB相信号とに基づいて、キャリッジモータ13の現行回転位置Pcと現行回転速度Vcとをそれぞれ求める。現行回転位置Pcは目標回転速度発生回路204に入力される。目標回転速度発生回路204には、回転位置Pcに応じた目標回転速度Vtが予め設定されており、この目標回転位置Pcに応じた目標回転速度Vtを発生する。
減算器206は、この目標回転速度Vtと現行回転速度Vcとの偏差ΔVを求め、この回転速度偏差ΔVを比例要素(比例手段)210と積分要素(積分手段)212と微分要素(微分手段)214とに入力する。これらの3つの演算要素210、212、214の演算結果QP、QI、QDは、加算器216で加算されて、加算結果ΣQが算出される。
各演算要素210、212、214の出力QP、QI、QDと、それらの加算結果ΣQは、例えば以下の式(1)〜(4)で与えられる。
QP(j)=ΔV(j)×Kp ・・・(1)
QI(j)=QI(j−1)+ΔV(j)×Ki ・・・(2)
QD(j)={ΔV(j)−ΔV(j−1)}×Kd ・・・(3)
ΣQ(j)=QP(j)+QI(j)+QD(j) ・・・(4)
ここで、jは時刻であり、Kpは比例ゲイン、Kiは積分ゲイン、Kdは微分ゲインである。
デューティ調整回路220は、この加算結果ΣQ(「PID出力」とも呼ぶ)に応じて、積分要素212または目標回転速度発生回路204を調整することによって、駆動回路150に供給するデューティ信号Dtのレベルを調整する。このデューティ信号Dtは、加算結果ΣQに比例した信号であり、キャリッジモータ13のデューティを示す信号である。
CRモータ駆動回路150は、トランジスタブリッジで構成されたDC−DCコンバータ154と、ベースドライブ回路152とを備えている。ベースドライブ回路152は、CRモータ制御回路200から供給されたデューティ信号Dtに応じて、DC−DCコンバータ154のトランジスタのベースに印加するベース信号を発生する。DC−DCコンバータ154は、このベース信号に応じてモータ駆動信号Sdrを生成してキャリッジモータ13に供給する。
図5(A)は、モータ駆動信号Sdrの信号変化を示している。モータ駆動信号Sdrのデューティは、オンレベルにある期間Tonを、駆動信号の1周期Tpで割った値である。なお、本実施の形態では、モータ駆動信号Sdrのデューティを「キャリッジモータのデューティ」とも呼ぶ。
キャリッジモータ13としてブラシ付きDCモータを使用した場合には、そのトルク/回転数特性は、図5(B)に示すように、デューティに比例する。CRモータ駆動回路150は、駆動信号Sdrのデューティがデューティ信号Dtに比例するように駆動信号Sdrを生成する。この結果、キャリッジモータ13は、CRモータ制御回路200から与えられるデューティ信号Dtに応じた駆動力を発生してキャリッジ4を駆動する。
次に、図6を参照しつつ印刷ヘッド52による印刷動作の概要について説明する。図6は、印刷動作の概要を説明するための図である。
前述したように目標回転速度発生装置204は、回転位置Pcに応じてキャリッジモータ13の目標回転速度Vtを発生させる。発生する目標回転速度Vtの変化パターンは、例えば、図6に示したようなものである。なお、この図6のグラフは、キャリッジモータ13により駆動されて走査方向に移動する際のキャリッジ4の位置Pとキャリッジモータ13の目標回転速度Vtとの関係を示したものである。
図6において、P0〜P1の区間はキャリッジモータ13の加速区間であり、本実施形態では従来(図9参照)と異なり、走査開始位置(グラフ左端)からインク吐出時の等速回転速度の目標値と同値に設定されている。そのため、この加速区間ではキャリッジモータ13の駆動開始直後から即座に等速回転速度に追従するように加速する。また、P1〜P2の区間はキャリッジモータ13の等速区間であり、この区間ではキャリッジモータ13の回転速度がVconstなる回転速度にて等速回転するように制御される。P2〜P3の区間は、キャリッジモータ13の減速区間であり、この区間ではキャリッジモータ13の回転速度が減速するように制御される。
したがって、印刷ヘッド52が搭載されているキャリッジ4は、P0〜P1の区間では加速するように制御され、P1〜P2の区間では等速移動するように制御され、P2〜P3の区間では減速するように制御される。
ここで、印刷ヘッド52を搭載したキャリッジ4が等速移動を開始する少し前の時期から、等速移動を終了した少し後の時期までの間において、印刷ヘッド52から被印刷体に対してインクを吐出することにより印刷が行われる。例えば、印刷ヘッド52を搭載したキャリッジ4を駆動するキャリッジモータ13の回転速度が、目標等速回転速度Vconstの80%〜90%以上になるとインクの吐出が開始され、キャリッジモータ13の回転速度が、目標等速回転速度Vconstの80%〜90%以下になるとインクの吐出が終了する。なお、印刷ヘッド52を搭載したキャリッジ4が等速移動を行っている期間のみ、印刷ヘッド52から被印刷体に対してインクを吐出するようにしてもよい。
したがって、被印刷体に対して高品質な印刷を行うためには、特に、加速区間の終期、等速区間、及び、減速区間の初期において、キャリッジモータ13の回転速度が、図6に示したような目標回転速度パターンに精度良く追従することが求められる。
次に、図7及び図8を参照しつつ、CRモータ制御回路200の動作について説明する。図7及び図8は、本実施形態に係るCRモータ制御回路200の動作例を示した図であり、図7は、キャリッジ4の目標回転速度パターンと、実際の回転速度との関係を示した図である。図7において、横軸(時間軸)t0〜t1の期間は図6に示したP0〜P1の区間と対応する加速期間であり、t1〜t2の期間は図6に示したP1〜P2の区間と対応する等速期間であり、t2〜t3の期間は図6に示したP2〜P3の区間と対応する減速期間である。
また、図8は、比例要素210の出力値QP、積分要素212の出力値QI、及び加算結果ΣQの出力値を説明するための図である。なお、図8において、微分要素214の出力値は、加算結果ΣQに対して非常に小さいため、図示を省略している。また、微分要素214の演算による制御は、加速期間、等速期間、減速期間の何れにおいても、行っても行わなくても良い。
CRモータ制御回路200を動作させるに際して、まず、キャリッジモータ13の回転速度が目標回転速度に精度良く追従するように、比例要素210、積分要素212、及び、微分要素214における、比例ゲインKp、積分ゲインKi、及び、微分ゲインKdをチューニングする。
また、本実施形態では、加速期間から等速期間にかけてのオーバーシュートの発生を防止するために、加速期間における積分要素212の出力値QIを予め設定する。比例要素210の出力QP、積分要素212の出力QI、微分要素214の出力QDのうち、出力QDの影響は僅かであるため出力QPと出力QIについて検討すると、出力QPは、目標速度に一致すれば理論上ゼロとなる。特に、等速期間で一致し続ければ出力QPもゼロのままとなる。一方、出力QIは、出力QPの累積と考えることができるため、等速期間においてもゼロになることはないと考えられる。このように、キャリッジモータ13の制御に大きな影響を与えるのは積分要素212の出力QIであり、オーバーシュートを引き起こすのも加速期間の終期で出力QIが過大となることが主要因である。
そのため、本実施形態では、実際の回転速度が目標等速回転速度となるときの出力QIの値を積分出力上限値として予め設定し、加速期間における積分要素212の出力QIの値を、この積分出力上限値に固定する。積分出力上限値の決め方は、予め回転速度と出力QIとの関係をデータテーブルとして作成して、その中から選択的に決定しても良いし、また、印刷前にキャリッジ4を予備走査して目標等速度で移動させ、そのときの出力QIをメモリに記憶しておいても良い。なお、出力QIの値は、キャリッジ4の質量、駆動摩擦力、キャリッジモータ13のトルク、キャリッジモータ13の回転速度等の因子で決定されるため、予備動作により決定することが好ましい。予備動作は、インクジェットプリンタ1の電源ON時、印刷開始直前、印刷モード変換後、等のタイミングで行うと良い。
このように、加速期間における積分要素212の出力QIの値を目標等速回転速度時の出力である積分出力上限値に固定することで、加速期間内で出力QIが過大となることを確実に防ぐことができ、オーバーシュートの発生が防止される。また、加速期間において積分要素の演算を行わないため、演算負荷及びメモリの使用量を軽減できるとともに、出力QIが一定値であるため演算から出力までのタイムラグも発生しない。
また、加速期間における目標回転速度が目標等速回転速度Vconstと同値に設定されており、その目標回転速度との偏差に応じた比例要素210による演算を行うため、従来の目標速度に追従して加速を行うよりも素早く回転速度を目標等速回転速度Vconstまで上げることができ、加速期間t0〜t1を短くすることができる。従来の目標速度パターンではキャリッジモータ13のデューティが100%とはならないが、本実施形態における加速期間での制御は所謂ステップ応答制御であり、キャリッジモータ13のデューティをより大きくしてキャリッジモータ13のパワーをより効果的に活用することができる。なお、比例要素210による演算は、回転速度が目標等速回転速度Vconstに達したときに出力QPがゼロとなるため、オーバーシュートを引き起こしにくい。
また、図8に示すように、回転速度が目標等速回転速度Vconstに達して等速期間となったら、比例要素210による演算は引き続き行われ、さらに、積分要素212による演算が開始される。つまり、目標等速回転速度Vconstに対する回転速度の変動を比例要素210と積分要素212によるフィードバック制御により収束させる。なお、同時に微分要素214による制御を加えても良い。
また、減速期間においては、比例要素と積分要素による制御を引き続き行って、キャリッジモータ13の回転を停止させる。なお、減速期間には微分要素214も加えた所謂PID制御を行うことが望ましい。
前述の実施の形態では、比例要素、積分要素、及び、微分要素を備えた制御系を例にとって説明したが、微分要素を有しない制御系についても、本発明は適用可能である。
また、被印刷体として印刷用紙を例にとって説明したが、被印刷体として、フィルム、布、金属薄板等を用いてもよい。
前述の実施形態に係るプリンタ、コンピュータ本体、CRT等の表示装置、マウスやキーボード等の入力装置、フレキシブルドライブ装置、及び、CD−ROMドライブ装置を備えたコンピュータシステムも実現可能であり、このようにして実現されたコンピュータシステムは、システム全体として従来システムよりも優れたシステムとなる。
前述の実施形態に係るプリンタに、コンピュータ本体、表示装置、入力装置、フレキシブルディスクドライブ装置、及び、CD−ROMドライブ装置がそれぞれ有する機能又は機構の一部を持たせてもよい。例えば、プリンタが、画像処理を行う画像処理部、各種の表示を行う表示部、及び、デジタルカメラ等により撮影された画像データを記録した記録メディアを着脱するための記録メディア着脱部を有する構成としてもよい。
上記実施の形態のモータの制御方法及び装置では、印刷装置としてカラーインクジェットプリンタを用いたが、被印刷体に対して印刷処理できる印刷装置であれば、これに限られることなく、例えば、モノクロインクジェットプリンタ、レーザプリンタ、ファクシミリ等に適用しても良い。また、シリアルプリンタの印刷ヘッド用モータの制御、ラインプリンタの紙送り用モータの制御にも本発明は適用できる。さらに、DCモータ全般の駆動を制御するのに本発明が好適であるが、ACサーボモータやステッピングモータ等の駆動制御に対しても本発明は適用可能である。
また、紙送りする際に用いられるモータを制御するために、上記のモータ制御方法及びモータ制御装置を用いることもできる。その場合、安定した紙送り動作が行われるので、印刷に際して濃淡むらの発生を防止することができる。
本発明の一実施例としてのインクジェットプリンタの主要な構成を示す概略上側斜視図である。 本発明の一実施例としてのインクジェットプリンタの主要な構成を示す概略下側斜視図である。 プリンタの電気的な構成を示すブロック図である。 キャリッジモータの駆動制御装置の構成を示すブロック図である。 モータ駆動信号と、キャリッジモータの特性との関係を示す説明図である。 印刷動作の概要を説明するための図である。 CRモータ制御回路の動作例を示した図である。 演算要素の出力値を示した図である。 従来のキャリッジモータの目標回転速度を示す図である。
符号の説明
1:インクジェットプリンタ、2:ガイドレール、3:牽引ベルト、4:キャリッジ、5:インクジェットヘッド、6:インクチューブ、7:インクカートリッジ、10:給紙カセット、11:搬送ローラ、12:紙送りモータ、13:キャリッジモータ、14:搬送ローラ、20:歯車伝達機構、28:ヘッドメンテナンス機構、32:ロータリエンコーダ、52:印刷ヘッド、70:リニアエンコーダ、72:符号板、74:フォトセンサ、102:主制御回路、104:CPU、110:ROM、112:RAM、114:EEPROM、120:インターフェース回路、130:紙送りモータ駆動回路、140:ヘッド駆動回路、150:CRモータ駆動回路、152:ベースドライブ回路、154:DC−DCコンバータ、200:CRモータ制御回路、204:目標速度発生回路、206:減算器、210:比例要素、212:積分要素、214:微分要素、216:加算器、220:デューティ調整回路、230:位置演算回路、232:速度演算回路

Claims (8)

  1. モータの回転速度と目標回転速度との偏差に応じた値を出力する比例手段と、前記モータの回転速度と目標回転速度との偏差を積分して積分値に応じた値を出力する積分手段を有する制御系により前記モータを制御するモータ制御方法において、
    前記モータの目標等速回転速度における前記積分手段の出力値を積分出力上限値として予め設定し、
    前記モータを本稼動させたときの回転速度が前記目標等速回転速度に達するまでの加速期間に、前記積分手段の出力値を前記積分出力上限値に固定することを特徴とするモータ制御方法。
  2. 請求項1に記載のモータ制御方法であって、
    前記加速期間における目標回転速度を前記目標等速回転速度と同値に設定し、
    前記加速期間に前記比例手段による演算を行うことを特徴とするモータ制御方法。
  3. 請求項1または2に記載のモータ制御方法であって、
    前記加速期間終了後、前記比例手段及び前記積分手段による演算を行うことを特徴とするモータ制御方法。
  4. モータの回転速度と目標回転速度との偏差に応じた値を出力する比例手段と、前記モータの回転速度と目標回転速度との偏差を積分して積分値に応じた値を出力する積分手段を有する制御系により前記モータを制御するモータ制御装置において、
    前記制御系は、前記モータの目標等速回転速度における前記積分手段の出力値を積分出力上限値として設定可能であり、
    前記モータを本稼動させたときの回転速度が前記目標等速回転速度に達するまでの加速期間に、前記積分手段の出力値を前記積分出力上限値に固定することを特徴とするモータ制御装置。
  5. 請求項4に記載のモータ制御装置であって、
    前記制御系は、前記加速期間における目標回転速度を前記目標等速回転速度と同値に設定し、
    前記加速期間に前記比例手段による演算を行うことを特徴とするモータ制御装置。
  6. 請求項4または5に記載のモータ制御装置であって、
    前記制御系は、前記加速期間終了後、前記比例手段及び前記積分手段による演算を行うことを特徴とするモータ制御装置。
  7. 請求項4から6の何れか1項に記載のモータ制御装置であって、前記モータは、被印刷体にインクを吐出する印刷ヘッドと、該印刷ヘッドに供給されるインクを収容したインク容器を備えたキャリッジを駆動するためのモータであることを特徴とするモータ制御装置。
  8. 請求項4から7の何れか1項に記載のモータ制御装置を備えたことを特徴とするインクジェットプリンタ。
JP2004157831A 2004-05-27 2004-05-27 モータの制御方法、モータの制御装置、及びインクジェットプリンタ Expired - Fee Related JP4534600B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004157831A JP4534600B2 (ja) 2004-05-27 2004-05-27 モータの制御方法、モータの制御装置、及びインクジェットプリンタ

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004157831A JP4534600B2 (ja) 2004-05-27 2004-05-27 モータの制御方法、モータの制御装置、及びインクジェットプリンタ

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2005341726A true JP2005341726A (ja) 2005-12-08
JP4534600B2 JP4534600B2 (ja) 2010-09-01

Family

ID=35494667

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2004157831A Expired - Fee Related JP4534600B2 (ja) 2004-05-27 2004-05-27 モータの制御方法、モータの制御装置、及びインクジェットプリンタ

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4534600B2 (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009133478A (ja) * 2007-10-30 2009-06-18 Brother Ind Ltd 駆動力伝達装置及びこれを備えた画像記録装置
JP2009255508A (ja) * 2008-03-28 2009-11-05 Seiko Epson Corp 可動部材の駆動制御装置および印刷装置ならびに可動部材の駆動制御方法
JP2009255507A (ja) * 2008-03-28 2009-11-05 Seiko Epson Corp 可動部材の駆動制御装置および印刷装置ならびに可動部材の駆動制御方法

Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS6464575A (en) * 1987-09-01 1989-03-10 Canon Kk Speed control of motor
JPH04195301A (ja) * 1990-11-28 1992-07-15 Shinko Electric Co Ltd 積分・比例補償器

Patent Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS6464575A (en) * 1987-09-01 1989-03-10 Canon Kk Speed control of motor
JPH04195301A (ja) * 1990-11-28 1992-07-15 Shinko Electric Co Ltd 積分・比例補償器

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009133478A (ja) * 2007-10-30 2009-06-18 Brother Ind Ltd 駆動力伝達装置及びこれを備えた画像記録装置
JP2009255508A (ja) * 2008-03-28 2009-11-05 Seiko Epson Corp 可動部材の駆動制御装置および印刷装置ならびに可動部材の駆動制御方法
JP2009255507A (ja) * 2008-03-28 2009-11-05 Seiko Epson Corp 可動部材の駆動制御装置および印刷装置ならびに可動部材の駆動制御方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP4534600B2 (ja) 2010-09-01

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3654217B2 (ja) 印刷装置におけるキャリッジモータの制御
US7686301B2 (en) Printing apparatus, feeding apparatus, and feeding control method
US7562870B2 (en) Printer
JP2006240026A (ja) 記録装置及び記録制御方法
JP2001232882A (ja) 印刷制御装置および制御方法
JP2009073181A (ja) プリンタ、駆動制御方法およびプリンタのモータ制御プログラム
JP4534600B2 (ja) モータの制御方法、モータの制御装置、及びインクジェットプリンタ
JP2006240212A (ja) プリンタおよびプリンタ用モータの制御方法
JP3738715B2 (ja) モータ制御装置、インクジェットプリンタ、モータ制御方法、コンピュータプログラム、及び、コンピュータシステム
JP2007219691A (ja) Pid制御装置および制御パラメータ更新方法
JP2005354800A (ja) モータの制御方法、モータの制御装置、及びインクジェットプリンタ
JP2019166761A (ja) モーター制御方法およびモーター制御装置
JP4543967B2 (ja) モータ制御装置及び印刷装置
JP2005335231A (ja) モータの制御方法、モータの制御装置、及びインクジェットプリンタ
JP2013215914A (ja) 記録装置、記録装置の駆動制御方法および記録装置の駆動制御プログラム
JP4342906B2 (ja) 画像形成装置
JP4325151B2 (ja) 印刷装置およびコンピュータシステム
JP2011116050A (ja) キャリッジの制御方法
JP2006248104A (ja) モータの制御方法、モータの制御装置、及びインクジェットプリンタ
JP4507704B2 (ja) 印刷装置、及びその制御方法
JP2005349690A (ja) プリンタ
JP2006150619A (ja) 印刷装置、コンピュータプログラム、印刷システム、及び、印刷方法
JP2008179057A (ja) プリンタ
JP3695361B2 (ja) 印刷装置におけるキャリッジモータの制御
JP5071073B2 (ja) モータ制御装置、プリンタおよび駆動制御方法

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20070320

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20070320

RD03 Notification of appointment of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7423

Effective date: 20070320

RD04 Notification of resignation of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424

Effective date: 20080331

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20100210

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20100216

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20100413

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20100525

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20100607

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130625

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees