JP4507704B2 - 印刷装置、及びその制御方法 - Google Patents

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Description

本発明は、モータによって駆動される可動部と、前記モータの回転速度と目標回転速度との偏差に応じた制御量に基づいて前記モータを制御する制御部とを備えた印刷装置、及びその制御方法に関する。
紙、布、フィルム等の印刷媒体に印刷を行う各種の印刷装置のなかで、インクを吐出して印刷を行う方式の印刷装置は、一般にインクジェットプリンタと呼ばれている。
このインクジェットプリンタは、所定方向に移動可能に案内された可動部としてのキャリッジを有しており、このキャリッジには、インクを吐出する印刷ヘッド、及びこの印刷ヘッドに供給するインクを収容したインク容器の両者が搭載されている。そして、モータによって前記キャリッジを移動させながら、印刷ヘッドから印刷媒体に向けてインクを吐出して印刷を行うようになっている。
従って、高品質な印刷を行うには、前記モータを高精度に制御する必要があり、そのための代表的な制御方式として、PID制御方式(比例積分微分制御方式)が使用されている。このPID制御方式は、目標回転速度に対するモータの回転速度の偏差が小さくなるように、制御量たるPID出力値を決定し、このPID出力値に基づいて前記モータを制御するものである(特許文献1を参照。)。
但し、前記偏差が大きい場合には、キャリッジの総重量と比べてPID出力値が大きくなり過ぎることがあって、その場合にはキャリッジの加速度が過大となってしまう。そして、その結果、インクの吐出等が不安定となって高品質な印刷をできなくなる。
そこで、通常は、PID出力値に対して上限値及び下限値からなる制限をかけており、この範囲から外れる場合には、PID出力値を強制的に上限値又は下限値に置換することによって、キャリッジに過大な加速度が生じるのを防いでいる。
特開2001−103778号公報(第7頁、第1図)
しかしながら、通常、上述の上下限値は、PID出力値に関する固定値である。従って、例えばインクの消費に伴ってキャリッジの総重量が小さくなる等というように、モータに加わる負荷が変動する場合には、前述の上下限値は、ある特定の総重量に対応するインクの消費量に関しては適正値となり得るが、それ以外の大半の消費量については適正値にはなり得ず、すなわち、インク容器を新品に取り替えてからインクを使い切るまでの大半の期間は、制限不足か制限過剰の状態にある。
そして、特に、制限不足の場合には、前記PID出力値を上限値及び下限値に置換しても、相変わらず、そのPID出力値は、その時点の総重量に対応する最適なPID出力値よりも大きくなっていて、その乖離の程度によってはキャリッジには過大な加速度が生じてしまう。
本発明は、このような課題を解決するためになされたものであり、その目的とするところは、可動部を駆動するモータに加わる負荷が変動する場合であっても、前記可動部に過大な加速度が生じることを確実に防止可能な印刷装置、及びその制御方法を提供することにある。
主たる発明は、モータによって駆動される可動部と、前記モータの回転速度と目標回転速度との偏差に応じた制御量に基づいて前記モータを制御する制御部とを備えた印刷装置において、前記制御部は、前記制御量を所定周期で生成し、該制御量が生成される度に、過去の複数の時点における、検出された前記可動部の加速度と制御量との関係に基づいて、生成された前記制御量に対応する加速度であって、前記モータを制御した場合に生じ得る前記可動部の加速度を予測し、該予測された加速度の大きさが所定値を超える場合に、前記制御量を制限することを特徴とする印刷装置である。
本発明の他の特徴については、本明細書及び添付図面の記載により明らかにする。
本明細書における発明の詳細な説明の項の記載により、少なくとも次のことが明らかにされる。
モータによって駆動される可動部と、前記モータの回転速度と目標回転速度との偏差に応じた制御量に基づいて前記モータを制御する制御部とを備えた印刷装置において、前記制御部は、前記制御量に基づいて前記モータを制御した場合に生じ得る前記可動部の加速度を算出し、該算出された加速度の大きさが所定値を超える場合に、前記制御量を制限することを特徴とする印刷装置。
このような印刷装置によれば、前記制御量に基づいて前記モータを制御した場合に生じ得る前記可動部の加速度を算出し、その加速度の大きさが所定値を超える場合に、前記制御量を制限する。従って、可動部を駆動するモータに加わる負荷が変動する場合であっても、当該可動部に過大な加速度が生じることを確実に防ぐことができる。
かかる印刷装置において、前記目標回転速度が一定である等速制御を行う場合と、前記目標回転速度が一定ではない不等速制御を行う場合とで、前記所定値が異なっているのが望ましい。
このような印刷装置によれば、前記等速制御と前記不等速制御とのそれぞれに対して最適な所定値を設定することができて、可動部に過大な加速度が生じることをより確実に防ぐことができる。
かかる印刷装置において、前記制御部は、前記偏差に比例した第1の制御量を出力する比例部を備え、前記モータの制御に使用される制御量は、前記第1の制御量であるのが望ましい。
このような印刷装置によれば、所謂比例制御が行われる。従って、高精度に可動部を制御可能となる。
かかる印刷装置において、前記制御部は、前記偏差を積分した第2の制御量を出力する積分部を備え、前記モータの制御に使用される制御量は、前記第1の制御量に前記第2の制御量を加えたものであるのが望ましい。
このような印刷装置によれば、所謂比例積分制御が行われる。従って、より高精度に可動部を制御可能となる。
かかる印刷装置において、前記制御部は、前記偏差を微分した第3の制御量を出力する微分部を備え、前記モータの制御に使用される制御量は、前記第1及び第2の制御量に前記第3の制御量を加えた値であるのが望ましい。
このような印刷装置によれば、所謂比例積分微分制御が行われる。従って、より高精度に可動部を制御可能となる。
かかる印刷装置において、前記制御部は、前記制御量を所定周期で生成するとともに、過去の第1時点の制御量によって生じた可動部の第1の加速度実績値と、前記第1時点よりも過去の第2時点の制御量によって生じた可動部の加速度実績値とを用いて一次補間を行うことによって、現時点の制御量に基づいて前記モータを制御した場合に生じ得る可動部の加速度を算出して、前記現時点の制御量を制限するか否かを決めるのが望ましい。
このような印刷装置によれば、過去の制御量と、それによって生じた可動部の加速度実績値との関係を用いて、現時点の制御量に対応する前記可動部の加速度を算出する。従って、前記現時点の制御量を制限するか否かを的確に判定することができる。
かかる印刷装置において、前記制御部はメモリを有し、該メモリは、前記第1時点及び第2時点の制御量と、これらに対応する前記第1の加速度実績値及び第2の加速度実績値に関するデータとを、所定周期で更新しながら記憶しているのが望ましい。
このような印刷装置によれば、前記第1時点及び第2時点の制御量と、これらに対応する前記第1の加速度実績値及び第2の加速度実績値に関するデータとは、所定周期で更新されながら記憶されている。よって、常に、更新値を用いて一次補間を行うことができるので、モータに加わる負荷が経時的に変化する場合であっても、現時点の制御量によって生じ得る加速度を高い予測精度で算出可能となる。
かかる印刷装置において、前記可動部は、印刷媒体に対して相対移動可能に案内されたキャリッジであり、該キャリッジには、前記印刷媒体に向けてインクを吐出する印刷ヘッドと、該印刷ヘッドに供給されるインクを収容したインク容器とを備えているのが望ましい。
このような印刷装置によれば、キャリッジを駆動するためのモータの負荷は、インクの消費に伴って小さくなる。しかし、本発明では、制御量に基づいて前記モータを制御した場合に生じ得る前記キャリッジの加速度を算出し、この加速度に基づいて前記制御量を制限する。従って、上述のようにモータの負荷が小さくなっても、キャリッジに過大な加速度が生じることを防止することができる。
また、モータによって駆動される可動部と、前記モータの回転速度と目標回転速度との偏差に応じた制御量に基づいて前記モータを制御する制御部とを備えた印刷装置において、前記可動部は、印刷媒体に対して相対移動可能に案内されたキャリッジであり、該キャリッジには、前記印刷媒体に向けてインクを吐出する印刷ヘッドと、該印刷ヘッドに供給されるインクを収容したインク容器とを備えており、前記制御部は、前記偏差に比例した第1の制御量を出力する比例部と、前記偏差を積分した第2の制御量を出力する積分部と、前記偏差を微分した第3の制御量を出力する微分部とを備え、前記モータの制御に使用される制御量は、前記第1の制御量と前記第2の制御量と前記第3の制御量とを加えたものであり、前記制御部は、前記制御量を所定周期で発生し、過去の第1時点の制御量によって生じた可動部の第1時点の加速度実績値に関するデータと、前記第1時点から所定時間だけ過去の第2時点の制御量によって生じた可動部の第1加速度実績値に関するデータとを、それぞれの制御量に対応させつつ、所定周期で更新しながら記憶するメモリを有し、前記制御部は、前記第1時点及び第2時点の制御量と、これらに対応する前記第1の加速度実績値及び第2の加速度実績値に関するデータとを用いて一次補間を行うことによって、現時点の制御量に基づいて前記モータを制御した場合に生じ得る前記可動部の加速度を算出し、該算出された加速度の大きさが所定値を超える場合に、前記現時点の制御量を制限し、前記所定値は、前記目標回転速度が一定である等速制御を行う場合と、前記目標回転速度が一定ではない不等速制御を行う場合とで異なっていることを特徴とする印刷装置。
このような印刷装置によれば、既述のほぼ全ての効果を奏するため、本発明の目的が最も有効に達成される。
また、モータによって駆動される可動部と、前記モータの回転速度と目標回転速度との偏差に応じた制御量に基づいて前記モータを制御する制御部とを備えた印刷装置の制御方法において、前記制御部は、前記制御量に基づいて前記モータを制御した場合に生じ得る前記可動部の加速度を算出するステップと、該算出された加速度の大きさが所定値を超える場合に、前記制御量を制限するステップとを備えたことを特徴とする制御方法も実現可能である。
===印刷装置の全体構成===
まず、図1を参照しつつ、印刷装置の全体構成について説明する。図1は、本発明に係る印刷装置の一実施例としてのインクジェットプリンタ20の主要な構成を示す概略斜視図である。
このプリンタ20は、印刷媒体としての印刷用紙Pを所定の紙送り方向SSに送る紙送りモータ30と、プラテン40と、印刷ヘッド52を搭載したキャリッジ50と、キャリッジ50を前記紙送り方向SSと直交する方向(以下、キャリッジ移動方向と言う)MSに移動させるキャリッジモータ60と、を備えている。
キャリッジ50は、キャリッジモータ60に駆動される牽引ベルト62によって牽引され、ガイドレール64に沿って移動する。キャリッジ50には、印刷ヘッド52の他に、印刷ヘッド52に供給される黒色インクを収容したブラックインク容器としてのブラックインクカートリッジ54と、印刷ヘッド52に供給されるカラーインクを収容したカラーインク容器としてのカラーインクカートリッジ56とが搭載されている。
===電気的な構成===
次に、図2を参照しつつ、プリンタ20の電気的な構成について説明する。図2は、プリンタ20の電気的な構成を示すブロック図である。
プリンタ20は、主制御回路102と、CPU104と、主制御回路102およびCPU104にバスを介して接続された各種のメモリ(ROM110、RAM112、EEPROM114)とを備えている。主制御回路102には、パーソナルコンピュータなどの外部装置との間で信号の送受信を行うインターフェース回路120と、紙送りモータ駆動回路130と、ヘッド駆動回路140と、CRモータ駆動回路150とが接続されている。
紙送りモータ30は、紙送りモータ駆動回路130によって駆動されて紙送りローラ34を回転させ、これによって印刷用紙Pを紙送り方向SSに移動させる。紙送りモータ30にはロータリエンコーダ32が設けられており、ロータリエンコーダ32の出力信号は主制御回路102に入力されている。
キャリッジ50の底面には、複数のノズル(図示せず)を有する印刷ヘッド52が設けられている。各ノズルは、ヘッド駆動回路140によって駆動されて、印刷用紙Pに向けてインク滴を吐出する。
キャリッジモータ60は、CRモータ駆動回路150によって駆動される。このプリンタ20は、キャリッジ50のキャリッジ移動方向MSに沿った位置と速度を検出するためのリニアエンコーダ70を備えている。このリニアエンコーダ70は、キャリッジ移動方向MSに平行に設けられた直線状の符号板72と、キャリッジ50に設けられたフォトセンサ74とによって構成されている。リニアエンコーダ70の出力信号は、主制御回路102に入力されている。
なお、主制御回路102は、3つの駆動回路130、140、150に制御信号をそれぞれ供給する機能を有しており、また、インターフェース回路120で受信した各種の印刷コマンドの解読や、印刷データの調整に関する制御、各種のセンサの監視などを実行する機能も有している。一方、CPU104は、主制御回路102を補助するための各種の機能を有しており、例えば各種のメモリの制御などを実行する。
===キャリッジモータ60の制御部の構成===
次に、図3、及び、図4を参照しつつ、キャリッジモータ60の制御部の構成について説明する。図3は、キャリッジモータ60の制御部の構成を示すブロック図である。図4は、モータ駆動信号Sdrと、キャリッジモータ60の特性との関係を示す説明図である。
キャリッジモータ60の制御部は、CRモータ制御回路200と、CRモータ駆動回路150とを含んでいる。なお、CRモータ制御回路200は、図2に示した主制御回路102の一部である。
リニアエンコーダ70の出力信号Senは、CRモータ制御回路200内の位置演算回路230と速度演算回路232とに入力される。これらの回路230、232は、エンコーダ70の出力信号Senの図示しないA相信号とB相信号とに基づいて、キャリッジモータ60の現行回転位置Pと現行回転速度Vとをそれぞれ求める。第1の減算器202は、与えられた目標回転位置Ptと現行回転位置Pとの偏差△Pを求めて目標回転速度発生回路204に入力する。目標回転速度発生回路204は、この回転位置偏差△Pに応じた目標回転速度Vtを発生する。
第2の減算器206は、この目標回転速度Vtと現行回転速度Vとの偏差△Vを求め、この回転速度偏差△Vを比例要素210と積分要素212と微分要素214とに入力する。これらの3つの演算要素210、212、214の演算結果QP、QI、QDは、加算器216で加算されて、加算結果ΣQが算出される。
各演算要素210、212、214の出力QP、QI、QDと、それらの加算結果ΣQは、例えば以下の式(1)〜(4)で与えられる。
QP(j)=△V(j)×Kp ……(1)
QI(j)=QI(j−1)+△V(j)×Ki ……(2)
QD(j)={△V(j)−△V(j−1)}×Kd ……(3)
ΣQ(j)=QP(j)+QI(j)+QD(j) ……(4)
ここで、Kpは比例ゲイン、Kiは積分ゲイン、Kdは微分ゲインである。また、出力QP、QI、QDは、所定の出力周期Δtcで出力され、上記のjは現時点を、またj−1は、前記現時点jよりも前記出力周期Δtcだけ前の前回時点を表している。
リミッター回路218は、後記の所定条件が成立する場合に、前記加算結果ΣQ(j)(「PID出力値」とも呼ぶ)に対して制限をかけるものであり、これについては後述する。
デューティ回路220は、前記リミッター回路218から入力されたPID出力値ΣQ(j)に応じて、駆動回路150に供給するデューティ信号Dtのレベルを調整する。このデューティ信号Dtは、加算結果ΣQ(j)に比例した信号であり、キャリッジモータ60のデューティを示す信号である。そして、これによってキャリッジモータ60は、所謂PWM(Pluse Width Modulation:パルス幅変調)制御によって制御される。
CRモータ駆動回路150は、トランジスタブリッジで構成されたDC−DCコンバータ154と、ベースドライブ回路152とを備えている。ベースドライブ回路152は、CRモータ制御回路200から供給されたデューティ信号Dtに応じて、DC−DCコンバータ154のトランジスタのベースに印加するベース信号を発生する。DC−DCコンバータ154は、このベース信号に応じてモータ駆動信号Sdrを生成してキャリッジモータ60に供給する。
図4(A)は、モータ駆動信号Sdrの信号変化を示している。モータ駆動信号Sdrのデューティは、オンレベルにある期間Tonを、駆動信号の1周期Tpで割った値である。なお、本実施の形態では、モータ駆動信号Sdrのデューティを「キャリッジモータのデューティ」とも呼ぶ。
キャリッジモータ60としてブラシ付き直流モータを使用した場合には、そのトルク/回転数特性は、図4(B)に示すように、デューティに比例する。CRモータ駆動回路150は、駆動信号Sdrのデューティがデューティ信号Dtに比例するように駆動信号Sdrを生成する。この結果、キャリッジモータ60は、CRモータ制御回路200から与えられるデューティ信号Dtに応じた駆動力を発生してキャリッジ50を駆動する。
===印刷動作の概要===
次に、図5を参照しつつ印刷ヘッド52による印刷動作の概要について説明する。図5は、印刷動作の概要を説明するための図である。
前述したように目標回転速度発生回路204は、回転位置偏差ΔPに応じてキャリッジモータ60の目標回転速度Vtを発生させる。発生する目標回転速度Vtの変化パターンは、例えば、図5に示したようなものである。
図5において、0〜t1の期間はキャリッジモータ60の加速制御期間(請求項に係る「不等速制御」の場合に相当する)であり、この期間ではキャリッジモータ60が加速するよう制御される。t1〜t2の期間はキャリッジモータ60の等速制御期間であり、この期間ではキャリッジモータ60がVcontなる回転速度にて等速回転するように制御される。t2〜t3の期間は、キャリッジモータ60の減速制御期間(請求項に係る「不等速制御」の場合に相当する)であり、この期間ではキャリッジモータ60が減速するよう制御される。
したがって、印刷ヘッド52が搭載されているキャリッジ50は、0〜t1の期間では加速するよう制御され、t1〜t2の期間では等速移動するように制御され、t2〜t3の期間では減速するよう制御される。
ここで、印刷ヘッド52を搭載したキャリッジ50が等速移動を開始する少し前の時期から、等速移動を終了した少し後の時期までの間において、印刷ヘッド52から印刷用紙Pに対してインクを吐出することにより印刷が行われる。例えば、印刷ヘッド52を搭載したキャリッジ50を駆動するキャリッジモータ60の回転速度が、目標等速回転速度Vcontの80%〜90%に達するとインクの吐出が開始され、キャリッジモータ60の回転速度が、目標等速回転速度Vcontの80%〜90%以下になるとインクの吐出が終了する。なお、印刷ヘッド52を搭載したキャリッジ50が等速移動行っている期間のみ、印刷ヘッド52から印刷用紙Pに対してインクを吐出するようにしてもよい。
ところで、前述したようにキャリッジ50には、印刷ヘッド52の他に、印刷ヘッド52に供給するインクを収容したインク容器(ブラックインクカートリッジ54、カラーインクカートリッジ56)が搭載されている。このインク容器に収容されたインクは印刷が行われる毎に消費されるから、インク容器の重量は、印刷が行われる毎に減少する。このため、新品のインク容器がキャリッジ50に搭載されている場合のキャリッジモータ60の駆動負荷に比べて、インクの残量が少なくなったインク容器がキャリッジ50に搭載されている場合のキャリッジモータ60の駆動負荷は小さくなる。なお、このことは、後述する本発明に係る課題に関係する。
===PID出力値ΣQのリミッター回路218について===
前述したことから、前記PID出力値ΣQと、キャリッジ50に与えられる駆動力とは比例関係にある。従って、PID出力値ΣQが大きい程、キャリッジ50は大きな駆動力で動かされ、結果としてキャリッジ50の加速度aは大きくなる。但し、この加速度aがあまりにも過大であると、インク滴の吐出を乱す等という悪影響を印刷動作に与えてしまい、高品質な印刷を行えなくなる。
そこで、通常は、図3に示すように、PID出力値ΣQが生成される前記加算器216と、その下流のデューティ回路220との間には、PID出力値ΣQを制限するリミッター回路218が設けられている。そして、前記加算器216で生成されたPID出力値ΣQが、所定の上下限値から外れる場合には、前記リミッター回路218は、前記PID出力値ΣQを前記上下限値に置換して前記CRモータ駆動回路150へ出力し、これによって過大な加速度の発生を防いでいる。
但し、一般に、この上下限値は、PID出力値ΣQに関する固定値として設定されている。従って、前述したように、インクの消費に伴ってキャリッジ50の総重量が小さくなっていくことに起因して、キャリッジモータ60に加わる負荷が経時的に変動する場合には、前述の上下限値は、ある特定の消費量に対しては適正値となり得るが、それ以外の大半の消費量については適正値とはならない。すなわち、インクカートリッジ54,56を新品に取り替えてからインクを使い切るまでの大半の期間は、制限不足か制限過剰の状態にある。
そして、特に、制限不足の場合には、PID出力値ΣQを上下限値に置換しても、相変わらず、そのPID出力値ΣQは、その時点の総重量に対応する最適なPID出力値ΣQよりも大きくなっていて、その乖離の程度によってはキャリッジ50に過大な加速度aが生じてしまう。
そこで、本実施形態に係るリミッター回路218では、前記加算器216からPID出力値ΣQが入力される度に、そのPID出力値ΣQによって生じ得るキャリッジ50の加速度aを予測する。そして、予測された加速度aの大きさが所定の限界値alimitを超ええる場合には、前記PID出力値ΣQを制限するようにしており、これによって過大な加速度aが生じるのを確実に防止しているのである。
図6は、このリミッター回路218が行う処理のフローチャートである。なお、この図中のフローは、PID出力値ΣQがリミッター回路218に入力される度に繰り返し実行される。
図6に示すように、先ず、加算器216からリミッター回路218へ、今回出力予定のPID出力値ΣQ(j)(以下では、現時点jのPID出力値とも言う)が入力される(S210)。すると、このリミッター回路218は、このPID出力値ΣQ(j)によって生じ得るキャリッジ50の加速度a(j)を予測する(S220)。この予測方法については後述する。
そうしたら、S230のステップへ移行して、前記予測された加速度a(j)が、上限値alimitと下限値−alimitとで規定される範囲から外れていないか判定する。そして、外れていない判定の場合には、このPID出力値ΣQ(j)をそのまま前記CRモータ駆動回路150へ出力する。一方、外れている判定の場合には、そのまま出力したのでは、印刷上問題となる大きさの加速度aが生じる虞があるので、前記PID出力値ΣQ(j)を制限してCRモータ駆動回路150に出力する。なお、このPID出力値ΣQ(j)の制限の程度については後述する。
===加速度a(j)の予測方法とPID出力値ΣQ(j)の制限の程度について===
<<<加速度a(j)の予測方法>>>
ステップS220で行われる加速度a(j)の予測は、過去のPID出力実績値と、それによって生じた加速度実績値とを用いて、現時点のPID出力値ΣQ(j)に対して一次補間を行うことによって達成される。
図7に、この一次補間を説明するためのグラフを示す。グラフの縦軸には、加速度aを、また横軸にはPID出力値ΣQを対応付けており、以下では、このグラフ上の各点の座標を(ΣQ,a)で示す。
周知なように、一次補間とは、2個の既知量の間、又はその外側の関数値を、それら3つのプロットされた点が直線上にあるとして求めるものであり、図中のグラフにおいては、既知量の点を、点A及び点Bで示している。そして、本実施形態の場合には、点Aの座標(ΣQ,a)は、過去の第1時点のPID出力実績値ΣQと、これによって生じた加速度実績値aとによって決まり、また、点Bの座標(ΣQ,a)は、前記第1時点よりも過去の第2時点のPID出力実績値ΣQbと、これによって生じた加速度実績値aとによって決まる。一方、求めるべき関数値は、直線AB上において、現時点jのPID出力値ΣQ(j)に対応する加速度a(j)である。
従って、この直線ABから、現時点のPID出力値ΣQ(j)に対応する加速度aの値を読み取れば、前記PID出力値ΣQ(j)によって生じ得る加速度a(j)を求めることができる。
ちなみに上述のようにして求められる加速度a(j)を式で表現すると、次の式(5)のようになる。
a(j)=[(a−a)/(ΣQ−ΣQ)]×(ΣQ(j)−ΣQ)+a
…… (5)
よって、このような加速度a(j)の予測は、前記加速度実績値a,a及びPID出力実績値ΣQ,ΣQを前記EEPROM114に記憶するようにするとともに、前記リミッター回路218に、式(5)を演算するための演算回路を設けることで達成される。
なお、ここで、EEPROM114は、前記加速度実績値a,aとPID出力実績値ΣQ,ΣQとを所定の更新周期毎に更新しながら記憶している。従って、前述したインクの消費に伴ってキャリッジ50の総重量が小さくなるというように、キャリッジモータ60に加わる負荷が経時的に変化する場合であっても、当該負荷の変動は、これら更新された加速度実績値a,aとPID出力実績値ΣQ,ΣQに反映されている。よって、前記式(5)を用いて、現時点jのPID出力値ΣQ(j)によって生じ得る加速度a(j)を高い予測精度で算出可能となる。
前記更新周期は、例えば、PID出力値ΣQの前記出力周期Δtcに設定される。また、加速度実績値a,a及びPID出力実績値ΣQ,ΣQに係る前記第1時点及び第2時点は、それぞれに、現時点jよりも一つ前の時点である前回時点j−1、及び、更に一つ前の時点である前々回時点j−2にすると良い。そして、このようにすれば、直近のキャリッジモータ60の負荷状態を常に反映させて加速度a(j)を予測することができるので、その予測精度を更に高めることができる。なお、PID出力値ΣQの加速度aへの影響が遅れて顕れる場合には、前記第1及び第2時点を、その遅れ分だけ過去の時点にずらせば良い。
なお、前回時点j−1の加速度実績値a(j−1)及び前々回時点j−2の加速度実績値a(j−2)は、それぞれに、図3の速度演算回路232から入力された現時点jの回転速度V(j)と、その一つ前の前回時点j−1の回転速度V(j−1)と、更にその一つ前の前々回時点j−2の回転速度V(j−2)とから、次の式(6)及び式(7)によって計算されて前記EEPROM114に記憶される。
a(j−1)=[V(j)−V(j−1)]/Δtc ……(6)
a(j−2)=[V(j−1)−V(j−2)]/Δtc ……(7)
<<<PID出力値ΣQ(j)の制限の程度>>>
図6のステップS230で予測された加速度a(j)が、上下限値alimit,―alimitで規定される範囲から外れている場合には、ステップS250へ移行して、PID出力値ΣQ(j)に制限をかけることになる。ここでは、この制限の程度について、その一例を示しつつ説明する。
この一例にあっては、上限値alimit又は下限値―alimitが得られるPID出力値ΣQlimitまでPID出力値ΣQ(j)を抑えるようにしている。そして、このようにすれば、このPID出力値ΣQlimitによって生じ得る加速度aの大きさを、前記限界値alimitに小さくすることができる。
なお、前記PID出力値ΣQlimitは、図7の直線Aw上において、例えば、上下限値alimit,−alimitに対応するPID出力値ΣQを読み取ることによって求めることができる。また、最適な上下限値alimit,−alimitは、例えば、加速度aを数水準で振りながら実際にインクを印刷用紙Pに吐出してみて印刷への影響を調査する等して取得することができる。
===変形例===
前述の実施形態に係るリミッター回路218は、図6のステップS230に示すように加速度の上下限値alimit,−alimitを一組しか備えていなかったが、この変形例においては、互いに異なる三組の上下限値alimit,−alimitを備えており、キャリッジ50の速度制御の状態に応じて使い分けるようになっている。すなわち、図5の加速制御期間においてPID出力値ΣQを制限するか否かの判定用に、加速制御用の上下限値alimit,−alimitが用意されており、等速制御期間においては、等速制御用の上下限値alimit,−alimitが、また、減速制御期間においては、減速制御用の上下限値alimit,−alimitが、それぞれに用意されている。
図8に、この処理を達成するフローチャートを示す。なお、図6に示した前述の実施形態と同じステップについては、同じ符号を付して示し、その相違点についてのみ説明する。
図8を参照してわかるように、本変形例に係るフローチャートは、ステップS222が追加されており、すなわち、現在のキャリッジ50の状態が、等速制御期間、加速制御期間、および減速制御期間のいずれであるかを判定するようになっている。そして、等速制御期間であるとの判定の場合には、ステップS224へ移行して、上下限値alimit,−alimitを等速制御用の値に置換する。一方、加速制御期間であるとの判定の場合には、ステップS226へ移行して、上下限値alimit,−alimitを加速制御用の値に置換する。また、減速制御期間であるとの判定の場合には、ステップS228へ移行して、上下限値alimit,−alimitを減速制御用の値に置換する。
そうしたらステップS230に移行し、ステップS220にて予測された加速度a(j)が、置換後の上下限値alimit,−alimitによる範囲から外れていなかの判定を行い、外れていなければステップS240へ移行してPID出力値ΣQ(j)をそのまま出力し、外れていればステップS250へ移行してPID出力値ΣQ(j)を制限して出力する。
なお、前記キャリッジ50の現時点jの状態が、上記三つの制御期間のいずれに該当するかの判定は、例えば、目標回転速度発生回路204によって生成された目標回転速度Vtによって行うことができる。すなわち、現時点jの目標回転速度Vt(j)の大きさが、一つ前の時点j−1の目標回転速度Vt(j−1)と同じであれば、等速制御期間であるし、また、大きくなっていれば加速制御期間であるし、更に、小さくなっていれば減速制御期間である。
===その他の実施の形態===
以上、いくつかの実施の形態に基づき本発明に係る印刷装置等を説明してきたが、上記した発明の実施の形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定するものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更、改良され得ると共に、本発明にはその等価物が含まれることはもちろんである。
前述の実施形態では、CRモータ制御回路200が、比例要素210、積分要素212、及び微分要素214を備えているものとして説明したが、微分要素214、更には積分要素212を有しないCRモータ制御回路200に対しても、本発明を適用可能であるのは言うまでもない。
前述の実施形態では、加算器216とデューティ回路220との間にリミッター回路218を設置して、PID出力値ΣQに対して制限をかけるようにしたが、このリミッター回路218の設置位置は、加算器216とキャリッジモータ60との間であれば、何等これに限るものではない。例えば、図3に示すデューティ回路220とCRモータ駆動回路150との間に設けるようにしても良い。なお、この場合には、前記PID出力値ΣQの代わりにデューティ信号Dtに対して制限をかけることになって、ちなみに、図7の横軸は、デューティ信号Dtに置き換えられるとともに、式(5)中のΣQもDtに置き換えられる。
前述の実施形態では、可動部としてキャリッジ50を示し、このキャリッジ50を駆動するキャリッジモータ60の制御に対して本発明を適用したが、何等これに限るものではない。例えば、可動部を紙送りローラ34とし、この紙送りローラ34を駆動する紙送りモータ30に対して本発明を適用しても良い。なお、この場合においては、紙送りモータ30の負荷は、紙や布等の印刷媒体の素材種類に応じて変動するし、また、同一の印刷用紙P内においても、紙送りローラ34の当接位置が印刷用紙Pの先端部なのか中間部なのかというように、その紙送り方向SSの当接位置に応じても変動する。従って、本発明は、この紙送りモータ30の制御に対しても効果を発揮する。
前述の実施形態では、印刷媒体として印刷用紙Pを例にとって説明したが、印刷媒体として、フィルム、布、金属薄板等を用いてもよい。
前述の実施形態に係るプリンタ、コンピュータ本体、CRT等の表示装置、マウスやキーボード等の入力装置、フレキシブルドライブ装置、及び、CD−ROMドライブ装置を備えたコンピュータシステムも実現可能であり、このようにして実現されたコンピュータシステムは、システム全体として従来システムよりも優れたシステムとなる。
前述の実施形態に係るプリンタに、コンピュータ本体、表示装置、入力装置、フレキシブルディスクドライブ装置、及び、CD−ROMドライブ装置がそれぞれ有する機能又は機構の一部を持たせてもよい。例えば、プリンタが、画像処理を行う画像処理部、各種の表示を行う表示部、及び、デジタルカメラ等により撮影された画像データを記録した記録メディアを着脱するための記録メディア着脱部を有する構成としてもよい。
前述の実施形態では、印刷装置としてカラーインクジェットプリンタを示したが、モータによって駆動される可動部を有する印刷装置であれば、これに限られることなく、例えば、モノクロインクジェットプリンタ、レーザプリンタ、ファクシミリ等に適用しても良い。
本発明の一実施例としてのインクジェットプリンタ20の主要な構成を示す概略斜視図である。 プリンタ20の電気的な構成を示すブロック図である。 キャリッジモータ60の制御部の構成を示すブロック図である。 モータ駆動信号Sdrと、キャリッジモータ60の特性との関係を示す説明図である。 印刷動作の概要を説明するための図である。 本実施形態に係るリミッター回路218が行う処理のフローチャートである。 加速度の予測に用いる一次補間を説明するためのグラフである。 リミッター回路218が行う処理の変形例のフローチャートである。
符号の説明
20 インクジェットプリンタ、30 紙送りモータ、32 ロータリエンコーダ、
34 紙送りローラ、40 プラテン、50 キャリッジ、52 印刷ヘッド、
54 ブラックインクカートリッジ、56 カラーインクカートリッジ、
60 キャリッジモータ、62 牽引ベルト、64 ガイドレール、
70 リニアエンコーダ、72 符号板、74 フォトセンサ、
102 主制御回路、104 CPU、110 ROM、112 RAM、
114 EEPROM、120 インターフェース回路、
130 紙送りモータ駆動回路、140 ヘッド駆動回路、
150 CRモータ駆動回路、152 ベースドライブ回路、
154 DC−DCコンバータ、200 CRモータ制御回路、
202 第1の減算器、204 目標回転速度発生回路、206 第2の減算器、
210 比例要素、212 積分要素、214 微分要素、216 加算器、
220 デューティ回路、218 リミッター回路、230 位置演算回路、
232 速度演算回路

Claims (10)

  1. モータによって駆動される可動部と、前記モータの回転速度と目標回転速度との偏差に応じた制御量に基づいて前記モータを制御する制御部とを備えた印刷装置において、
    前記制御部は、前記制御量を所定周期で生成し、該制御量が生成される度に、過去の複数の時点における、検出された前記可動部の加速度と制御量との関係に基づいて、生成された前記制御量に対応する加速度であって、前記モータを制御した場合に生じ得る前記可動部の加速度を予測し、
    該予測された加速度の大きさが所定値を超える場合に、前記制御量を制限することを特徴とする印刷装置。
  2. 請求項1に記載の印刷装置において、
    前記目標回転速度が一定である等速制御を行う場合と、前記目標回転速度が一定ではない不等速制御を行う場合とで、前記所定値が異なっていることを特徴とする印刷装置。
  3. 請求項1又は2に記載の印刷装置において、
    前記制御部は、前記偏差に比例した第1の制御量を出力する比例部を備え、
    前記モータの制御に使用される制御量は、前記第1の制御量であることを特徴とする印刷装置。
  4. 請求項3に記載の印刷装置において、
    前記制御部は、前記偏差を積分した第2の制御量を出力する積分部を備え、
    前記モータの制御に使用される制御量は、前記第1の制御量に前記第2の制御量を加えたものであることを特徴とする印刷装置。
  5. 請求項4に記載の印刷装置において、
    前記制御部は、前記偏差を微分した第3の制御量を出力する微分部を備え、
    前記モータの制御に使用される制御量は、前記第1及び第2の制御量に前記第3の制御量を加えた値であることを特徴とする印刷装置。
  6. 請求項1乃至5のいずれかに記載の印刷装置において、
    前記制御部は、前記制御量を所定周期で生成するとともに、
    過去の第1時点の制御量によって生じた可動部の第1の加速度実績値と、前記第1時点よりも過去の第2時点の制御量によって生じた可動部の加速度実績値とを用いて一次補間を行うことによって、現時点の制御量に基づいて前記モータを制御した場合に生じ得る可動部の加速度を算出して、前記現時点の制御量を制限するか否かを決めることを特徴とする印刷装置。
  7. 請求項6に記載の印刷装置において、
    前記制御部はメモリを有し、
    該メモリは、前記第1時点及び第2時点の制御量と、これらに対応する前記第1の加速度実績値及び第2の加速度実績値に関するデータとを、所定周期で更新しながら記憶していることを特徴とする印刷装置。
  8. 請求項1乃至7のいずれかに記載の印刷装置において、
    前記可動部は、印刷媒体に対して相対移動可能に案内されたキャリッジであり、
    該キャリッジには、前記印刷媒体に向けてインクを吐出する印刷ヘッドと、該印刷ヘッドに供給されるインクを収容したインク容器とを備えていることを特徴とする印刷装置。
  9. モータによって駆動される可動部と、前記モータの回転速度と目標回転速度との偏差に応じた制御量に基づいて前記モータを制御する制御部とを備えた印刷装置において、
    前記可動部は、印刷媒体に対して相対移動可能に案内されたキャリッジであり、該キャリッジには、前記印刷媒体に向けてインクを吐出する印刷ヘッドと、該印刷ヘッドに供給されるインクを収容したインク容器とを備えており、
    前記制御部は、前記偏差に比例した第1の制御量を出力する比例部と、前記偏差を積分した第2の制御量を出力する積分部と、前記偏差を微分した第3の制御量を出力する微分部とを備え、前記モータの制御に使用される制御量は、前記第1の制御量と前記第2の制御量と前記第3の制御量とを加えたものであり、
    前記制御部は、前記制御量を所定周期で発生し、
    過去の第1時点の制御量によって生じた可動部の第1の加速度実績値に関するデータと、前記第1時点から所定時間だけ過去の第2時点の制御量によって生じた可動部の第2の加速度実績値に関するデータとを、それぞれの制御量に対応させつつ、所定周期で更新しながら記憶するメモリを有し、
    前記制御部は、前記第1時点及び第2時点の制御量と、これらに対応する前記第1の加速度実績値及び第2の加速度実績値に関するデータとを用いて一次補間を行うことによって、現時点の制御量に基づいて前記モータを制御した場合に生じ得る前記可動部の加速度を算出し、
    該算出された加速度の大きさが所定値を超える場合に、前記現時点の制御量を制限し、
    前記所定値は、前記目標回転速度が一定である等速制御を行う場合と、前記目標回転速度が一定ではない不等速制御を行う場合とで異なっていることを特徴とする印刷装置。
  10. モータによって駆動される可動部と、前記モータの回転速度と目標回転速度との偏差に応じた制御量に基づいて前記モータを制御する制御部とを備えた印刷装置の制御方法において、
    前記制御部は、前記制御量を所定周期で生成し、該制御量が生成される度に、過去の複数の時点における、検出された前記可動部の加速度と制御量との関係に基づいて、生成された前記制御量に対応する加速度であって、前記モータを制御した場合に生じ得る前記可動部の加速度を予測するステップと、
    該予測された加速度の大きさが所定値を超える場合に、前記制御量を制限するステップとを備えたことを特徴とする制御方法。
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