JP2005335138A - 印刷装置、印刷方法、およびプログラム - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 ブラックのインクを吐出する第1インク吐出部と、前記ブラック以外の他の色のインクを吐出する第2インク吐出部とを備え、印刷データに基づき、前記第1インク吐出部および前記第2インク吐出部のうちの少なくともいずれか一方から媒体に向けて前記インクを吐出して、第1の解像度およびこの第1の解像度よりも低い第2の解像度にて前記媒体に画像を印刷可能な印刷装置において、モノクロ印刷用の印刷データに基づき、前記第2の解像度にて画像を印刷するときに、前記第2インク吐出部から前記他の色のインクを媒体に向けて吐出して前記画像を印刷する。
【選択図】 図21
Description
ブラックのインクを吐出する第1インク吐出部と、前記ブラック以外の他の色のインクを吐出する第2インク吐出部とを備え、
印刷データに基づき、前記第1インク吐出部および前記第2インク吐出部のうちの少なくともいずれか一方から媒体に向けて前記インクを吐出して、第1の解像度およびこの第1の解像度よりも低い第2の解像度にて前記媒体に画像を印刷可能な印刷装置において、
モノクロ印刷用の印刷データに基づき、前記第2の解像度にて画像を印刷するときに、
前記第2インク吐出部から前記他の色のインクを媒体に向けて吐出して前記画像を印刷することを特徴とする印刷装置である。
本明細書及び添付図面の記載により、少なくとも以下の事項が明らかとなる。
印刷データに基づき、前記第1インク吐出部および前記第2インク吐出部のうちの少なくともいずれか一方から媒体に向けてインクを吐出して、第1の解像度およびこの第1の解像度よりも低い第2の解像度にて前記媒体に画像を印刷可能な印刷装置において、
モノクロ印刷用の印刷データに基づき、前記第2の解像度にて画像を印刷するときに、
前記第2インク吐出部から前記他の色のインクを媒体に向けて吐出して前記画像を印刷することを特徴とする印刷装置。
印刷データに基づき、前記第1インク吐出部および前記第2インク吐出部のうちの少なくともいずれか一方から媒体に向けて前記インクを吐出して、第1の解像度およびこの第1の解像度よりも低い第2の解像度にて前記媒体に画像を印刷可能な印刷装置において、
モノクロ印刷用の印刷データに基づき、前記第2の解像度にて画像を印刷するときに、
前記第2インク吐出部から前記他の色のインクを媒体に向けて吐出して前記画像を印刷し、
前記第2の解像度にて画像を印刷するときには、ドラフト印刷モードにて前記画像を印刷するときが含まれ、
前記モノクロ印刷用の印刷データに基づき、前記第2の解像度にて画像を印刷するときに、前記他の色のインクの他に、前記第1インク吐出部から前記ブラックのインクを前記媒体に向けて吐出して前記画像を印刷し、
前記第2インク吐出部として、シアンのインクを吐出するシアンインク吐出部と、マゼンダのインクを吐出するマゼンダインク吐出部と、イエロのインクを吐出するイエロインク吐出部とを備え、
モノクロ印刷用の印刷データに基づき、前記第2の解像度にて画像を印刷するときに、
前記シアンインク吐出部、前記マゼンダインク吐出部および前記イエロインク吐出部からそれぞれ前記インクが媒体に向けて吐出されて、前記媒体上にて相互に重なり、
前記媒体を所定の方向に沿って搬送する搬送機構と、
前記第1インク吐出部および前記第2インク吐出部が設けられ、前記所定の方向と交差する方向に沿って移動可能なヘッドとを備え、
前記ヘッドが前記交差する方向に沿って移動したときに、前記第1インク吐出部および第2インク吐出部のうちの少なくともどちらか一方からインクを吐出する印刷動作と、
前記搬送機構による前記媒体の搬送動作とを交互に実行して前記画像を前記媒体に印刷し、
前記第1インク吐出部および前記第2インク吐出部が、前記所定の方向に沿って相互にずれた位置に設けられ
前記第1インク吐出部および前記第2インク吐出部のうちの少なくともどちらか一方が、インクを吐出するノズルを複数備え、
前記ノズルが所定の方向に沿って相互に間隔をあけて配置され、
前記第2の解像度にて印刷する画像を構成する画素の間隔が、前記ノズルの前記間隔と等しいことを特徴とする印刷装置。
モノクロ印刷用の印刷データに基づき、前記第2の解像度にて画像を印刷するときに、
前記第2インク吐出部から前記他の色のインクを媒体に向けて吐出して前記画像を印刷することを特徴とする印刷方法。
モノクロ印刷用の印刷データに基づき、前記第2の解像度にて画像を印刷するときに、
前記第2インク吐出部から前記他の色のインクを媒体に向けて吐出して前記画像を印刷するステップを実行することを特徴とするプログラム。
本発明にかかる印刷装置の一実施形態として、インクジェットプリンタ1と、コンピュータ装置1100とを備えた印刷システムを例にとり、その概要について説明する。
<プリンタドライバについて>
図2は、プリンタドライバが行う基本的な処理の概略的な説明図である。既に説明された構成要素については、同じ符号を付しているので、説明を省略する。
図3は、プリンタドライバ1110のユーザインターフェースの説明図である。このプリンタドライバ1110のユーザインターフェースは、ビデオドライバ1102を介して、表示装置に表示される。ユーザーは、入力装置1300を用いて、プリンタドライバ1110の各種の設定を行うことができる。
また、ユーザーは、この画面上から、印刷に用いられる印刷用紙(媒体)を選択することができる。例えば、ユーザーは、印刷媒体として、普通紙や光沢紙を選択することができる。媒体の種類(紙種)が異なれば、インクの滲み方や乾き方も異なるため、印刷に適したインク量も異なる。そのため、プリンタドライバ1110は、選択された紙種に応じて、画像データを印刷データに変換する。
このほかに、ユーザーは、この画面上から、印刷モードを選択することができる。プリンタドライバ1110は、ユーザーにより選択された印刷モードに応じた形式になるように、画像データを印刷データに変換する。ここで、ユーザーが選択可能な印刷モードについては、後で詳しく説明する。
一方、インクジェットプリンタ1は、図1に示すように、背面から供給された印刷用紙等の媒体Sを前面から排出する構造を備えている。このインクジェットプリンタ1の背面部には、印刷される媒体Sがセットされる給紙部4が設けられている。この給紙部4には、媒体Sを支持するための給紙トレー8が設けられている。また、インクジェットプリンタ1の前面部には、印刷された媒体Sが排出される排紙部3が設けられている。この排紙部3には、排出された印刷済みの媒体Sを保持するための排紙トレー7が設けられている。
<ヘッドの構成について>
図7は、ヘッド21の下面におけるノズルの配列を示したものである。ヘッド21の下面には、同図に示すように、異なる色のインクを吐出する複数種類のノズル群211Y、211M、211C、211Kが設けられている。本実施形態では、ノズル群として、イエロ(Y)のインクを吐出するイエロノズル群211Yと、マゼンダ(M)のインクを吐出するマゼンダノズル群211Mと、シアン(C)のインクを吐出するシアンノズル群211Cと、ブラック(K)のインクを吐出するブラックノズル群211Kとがヘッド21に設けられている。なお、ここでは、ブラックノズル群211Kは、本発明の第1インク吐出部に相当する。また、イエロノズル群211Y、シアンノズル群211Cおよびマゼンダノズル群211Mは、本発明の第2インク吐出部に相当する。すなわち、イエロノズル群211Yから吐出されるイエロ(Y)のインクと、シアンノズル群211Cから吐出されるシアン(C)のインクと、マゼンダノズル群から吐出されるマゼンダ(M)のインクとは、それぞれ本発明の「他の色のインク」に相当する。
図8は、各ノズル♯1〜♯180のノズル駆動回路220を示したものである。このノズル駆動回路220は、同図に示すように、原駆動信号発生部222と、駆動信号整形部224とを備えている。本実施形態では、このようなノズル駆動回路220が、各ノズル群211Y、211M、211C、211Kごとにそれぞれ設けられている。すなわち、イエロインクノズル群211Y、マゼンダインクノズル群211M、シアンインクノズル群211Cおよびブラックインクノズル群211Kにそれぞれ対応して4つのノズル駆動回路220が設けられている。そして、各ノズル群211Y、211M、211C、211Kごとにそれぞれ個別に各ノズル♯1〜♯180のピエゾ素子の駆動が行われるようになっている。図中に各信号名の最後に付されたかっこ内の数字は、その信号が供給されるノズルの番号を示している。
図9は、各信号の説明のためのタイミングチャートである。すなわち、同図には、原信号ODRVと、印刷信号PRT(i)と、駆動信号DRV(i)の各信号のタイミングチャートが示されている。
次に前述したインクジェットプリンタ1の印刷動作について説明する。ここでは、「双方向印刷」を例にして説明する。図10は、インクジェットプリンタ1の印刷動作の処理手順の一例を示したフローチャートである。以下で説明される各処理は、コントローラ126が、メインメモリ127又はEEPROM129に格納されたプログラムを読み出して、当該プログラムに従って、各ユニットを制御することにより実行される。
本実施形態に係るインクジェットプリンタ1にあっては、印刷モードとして、通常印刷モードと、ドラフト印刷モードとを備えている。ここで、ドラフト印刷モードとは、印刷処理を高速で実行するためのモードである。ドラフト印刷モードでは、印刷処理を高速で実行するために、印刷すべき画像の一部を省いて印刷処理を実行するようになっている。つまり、印刷すべき画像を所定の割合で間引きすることにより、印刷処理を実行するようになっている。これによって、印刷速度を飛躍的に向上させて、印刷処理を高速で実行することができる。一方、印刷画質については、印刷すべき画像の一部を省いて間引いて印刷した分だけ落ちてしまう。このことから、ドラフト印刷モードは、試し刷り印刷やテスト印刷などに利用される。
図12、図13および図14は、通常印刷モードにおける印刷方式を説明したものである。ここでは、通常印刷モードにおける印刷方式として、「インターレース方式」の場合と、「オーバーラップ方式」の場合とを例にして説明する。
図12は、インターレース方式により媒体Sにドットを形成して画像Gを印刷する方法について概略的に説明するものである。なお、ここでは、説明の便宜上、インクを吐出するノズル群211(本実施形態のノズル群211Y、211M、211C,211Kに相当)が媒体Sに対して移動しているように描かれているが、同図はノズル群211と媒体Sとの相対的な位置関係を示すものであって、実際には、媒体Sが搬送方向に沿って移動している。また、同図において、黒丸で示されたノズルは、インクを吐出するノズルであり、白丸で示されたノズルは、インクを吐出しないノズルである。図12Aは、パス1〜パス4におけるノズル群211(ヘッド21)の位置と、ドットの形成の様子を示し、図12Bは、パス1〜パス6におけるノズル群211(ヘッド21)の位置とドットの形成の様子を示している。
図14は、オーバーラップ方式により媒体Sに画像Gを印刷する方法を概略的に説明するものである。図14Aは、パス1〜パス8におけるノズル群211(本実施形態のノズル群211Y、211M、211C,211Kに相当)の位置とドットの形成の様子を示し、図14Bは、パス1〜パス12におけるノズル群211の位置とドットの形成の様子を示している。前述のインターレース方式では、一つのラスタラインは一つのノズルにより形成されていた。一方、オーバーラップ方式では、例えば、一つのラスタラインが、二つ以上のノズルにより形成されている。
(1)N/Mが整数である。
(2)N/Mはkと互いに素の関係にある。
(3)搬送量Fが(N/M)・Dに設定される。
次にドラフト印刷モードにおける印刷方式について詳しく説明する。図15は、ドラフト印刷モードにおける印刷方式の一例を説明したものである。前述した通常印刷モードにおける『インターレース方式』や『オーバーラップ方式』では、全てのノズルを用いて印刷を行っていなかったが、このドラフト印刷においては、使用可能なノズルを全て用いて印刷処理を実行する。なお、ここでは、簡略的に、ノズル群211が4つのノズル♯1〜♯4を有している場合を例にして説明する。また、インクを吐出するノズルは、黒丸で示している。
前述したように、「インターレース方式」や「オーバーラップ方式」などの印刷方式により印刷処理を実行する通常印刷モードと、ドラフト印刷モードとでは、形成するラスタラインの本数が異なり、印刷される画像の解像度も異なる。このため、印刷処理を実行する際に、ドラフト印刷モードに設定された場合と、それ以外の通常印刷モードに設定された場合とでは、プリンタドライバ1110が実行する処理が異なる。
このようなドラフト印刷モードにおいて、モノクロ印刷を実行しようとした場合に、次のような問題が発生した。すなわち、従来のドラフト印刷モードにおいては、モノクロ印刷を実行しようとした場合に、通常印刷モードにてモノクロ印刷を実行する場合と同様に、ブラックノズル群211Kのみを使用して、ブラックノズル群211Kの各ノズル♯1〜♯180からブラック(K)のインクを媒体Sに吐出して、画像Gを印刷していた。このようにインクが吐出されるのは、ブラックノズル群211Kのノズル♯1〜♯180のみであったため、媒体S上に形成されるラスタライン間に、大きな隙間が生じてしまった。この隙間が「空白」として、印刷される画像G中に形成されてしまうことから、印刷される画像Gがかすれてしまったり、また全体的に色が薄く見えてしまうなどの問題が発生していた。
本実施形態のインクジェットプリンタ1にあっては、このような問題点を克服するために、ドラフト印刷モードにてモノクロ印刷を実行しようとするときに、従来のようにブラックノズル群211Kのみからインクを吐出して画像を形成するのではなく、ブラックノズル群211K以外の他のノズル群、即ち、ここでは、シアンノズル群211Cやマゼンダノズル群211M、イエロノズル群211Yの各ノズル♯1〜♯180から各々インクを吐出して、画像を印刷する。その処理の内容について以下に詳しく説明する。
本実施形態では、ブラックノズル群211Kの他に、シアンノズル群211Cやマゼンダノズル群211M、イエロノズル群から各々インクを吐出してモノクロ印刷を実行するために、プリンタドライバ1110は、色変換処理を実行する際に使用する従来の色変換テーブルに加え、別の新しい色変換テーブルを備えている。
図19は、本実施形態のプリンタドライバ1110が参照する色変換テーブル502、504、506を印刷モード別にまとめたものである。プリンタドライバ1110は、印刷モードが通常印刷モードに設定され、印刷方式としてカラー印刷が選択されていた場合には、参照する色変換テーブルLUTとしてカラー色変換テーブル502を選択する。これにより、色変換処理部1114は、カラー色変換テーブル502を参照して色変換処理を行う。また、プリンタドライバ1110は、印刷モードが通常印刷モードに設定され、印刷方法としてモノクロ印刷が選択されている場合には、参照する色変換テーブルLUTとして、ブラック色変換テーブル504を選択する。これにより、色変換処理部1114は、色変換処理を行う際に、ブラック色変換テーブル504を参照して色変換処理を行う。
図20は、プリンタドライバ1110の処理手順の一例を説明したものである。
プリンタドライバ1110は、ユーザー等から印刷命令を受け取ると(S302)、次に、アプリケーションプログラム1104から出力された画像データを媒体Sに印刷する際の解像度に変換する解像度変換処理を行う(S304)。ここでは、図16で説明したように、設定されている印刷モードに応じた解像度変換処理を行う。つまり、印刷モードが通常印刷モードに設定されていた場合には、解像度変換処理部1112により、その通常印刷モードに対応した解像度に画像データを解像度変換する処理を実行する。また、印刷モードがドラフト印刷モードに設定されていた場合には、そのドラフト印刷モードに対応した解像度に画像データを解像度変換する処理を実行する。
本実施形態では、先に説明したように、ドラフト印刷モードにてモノクロ印刷を実行するときには、コンポジットブラック色変換テーブル506に基づき色変換処理されて生成されたモノクロCMYKデータに基づき印刷処理が行われることから、実際の印刷動作では、シアンノズル群211C、マゼンダノズル群211M、イエロノズル群211Yおよびブラックノズル群211Kの4つのノズル群の各ノズル♯1〜♯180からそれぞれシアン(C)、マゼンダ(M)、イエロ(Y)およびブラック(K)の4色のインクが各々媒体Sに向けて吐出されて印刷が実行される。
以上本実施形態にあっては、ドラフト印刷モードにてモノクロ印刷を実行するときに、ブラックノズル群211Kの他に、シアンノズル群211Cやマゼンダノズル群211M、イエロノズル群211Yの各ノズル♯1〜♯180から各々インクを吐出して、シアン(C)、マゼンダ(M)およびイエロ(Y)の各色を合成することによりブラック(K)を表現する、いわゆるコンポジットブラックにより画像を印刷する。このことから、従来のように、ブラックノズル群211Kのみからインクを吐出して画像を印刷する場合に比べて、シアン(C)のインクと、マゼンダ(M)のインクと、イエロ(Y)のインクと、ブラック(K)のインクとが相互に重なり、より大きなドットを形成することができる。これによって、印刷される画像Gに「空白部」が生じてしまうのを可及的に抑制することができ、印刷される画像がかすれてしまったり、また全体的に色が薄く見えてしまうのを防止することができる。
図23〜図27は、本実施形態のインクジェットプリンタ1の他の構成例を説明するための図である。図23は、そのインクジェットプリンタ1のヘッド21のノズル群を説明する説明図である。図24は、そのインクジェットプリンタ1のヘッド21のノズル群の配置を詳しく説明する説明図である。図25は、そのインクジェットプリンタ1のドラフト印刷モードにて印刷される画像を説明するための説明図である。図26は、そのインクジェットプリンタ1のドラフト印刷モードにて印刷される画像の構成について詳しく説明するための説明図である。図27は、印刷される画像を構成する画素について詳しく説明した説明図である。
このインクジェットプリンタ1は、図23に示すように、ヘッド21に設けられたすべてのノズル群211Y、211M、211C、211Kが、搬送方向に沿って同じ位置に設けられているわけではなく、ノズル群211Y、211M、211C、211Kが搬送方向に沿ってずれた位置に設けられている。
このような配列のノズル群211Y、211M、211C、211Kを有するヘッド21により、ドラフト印刷モードにて画像を印刷する場合について説明する。
このようにして印刷される画像Gの構成について説明する。印刷される画像Gを構成する1つの画素は、シアンノズル群211Cの各ノズル♯1〜♯180から吐出されたインクによって形成されるシアン(C)のドットと、マゼンダノズル群211Mの各ノズル♯1〜♯180から吐出されたインクによって形成されるマゼンダ(M)のドットと、イエロノズル群211Yの各ノズル♯1〜♯180から吐出されるインクによって形成されたイエロ(Y)のドットと、ブラックノズル群211Kの各ノズル♯1〜♯180から吐出されたインクによって形成されるブラック(K)のドットとにより構成される。
前述した実施の形態では、ブラックノズル群211Kが、全ノズル群211C、211M、211Y、211Kのうち一方の端に配置されていたが、このような配置に限らず、ブラックノズル群211Kが、全ノズル群211C、211M、211Y、211Kのうち搬送方向の中央に配置されていても良い。図28は、ブラックノズル群211Kが全ノズル群211C、211M、211Y、211Kのうち、搬送方向の中央に配置されたときの一例を示したものである。このようにブラックノズル群211Kが、全ノズル群211C、211M、211Y、211Kのうち、搬送方向の中央に配置されれば、ブラック(K)のインクにより形成されるドットが、他の色のインク、ここでは、シアン(C)およびマゼンダ(M)ののインクにより形成されるドットの間に挟まれて形成されることになり、これによって、ブラックをより濃く表現することができる。
前述した実施形態では、各ノズル群211C、211M、211Y、211Kのノズル間隔(ノズルピッチ)が「3・D」に設定されていたことから、全ノズル群のうち1つのノズル群が、どれか1つのノズル群と搬送方向に沿って同じ位置に設けられていたが、各ノズル群211C、211M、211Y、211Kのノズル間隔(ノズルピッチ)が、「3・D」以外に設定されていた場合には、この限りではない。
以上、一実施形態に基づき、本発明に係るプリンタ等の印刷装置について説明したが、上記の実施の形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更または改良され得るとともに、本発明には、その等価物が含まれることは言うまでもない。特に、以下に述べる実施形態であっても、本発明に係る印刷装置に含まれるものである。
前述した実施形態では、本発明のインク吐出部(第1インク吐出部および第2インク吐出部)について、図7や図23に示すような多数のノズル♯1〜♯180を備えたノズル群211C、211M、211Y、211Kを例にして説明していたが、本発明のインク吐出部にあっては、このような多数のノズル♯1〜♯180を有するノズル群211C、211M、211Y、211Kに限らず、インクを吐出するのであれば、どのようなタイプのインク吐出部であっても構わない。
前述の実施形態では、圧電素子としてピエゾ素子を用いてインクを吐出する機構が紹介されていたが、本発明のインクを吐出する機構にあっては、このような方式によりインクを吐出する機構に限られず、インクを吐出する機構であれば、例えば、熱等によりノズル内に泡を発生させることによってインクを吐出する方式や、その他各種方式、インクを吐出する機構であれば、どのような方式を採用していても構わない。
本発明のブラックのインクを吐出する第1インク吐出部とは、黒色のインクを吐出するインク吐出部のことである。ここで、第1インク吐出部が吐出する黒色のインクとしては、その色の濃度については、特に問わない。すなわち、本発明の第1インク吐出部が吐出する黒色のインクとしては、濃度の薄い、淡い黒色のインクや、濃度の濃い黒色のインクであっても良い。なお、インクジェットプリンタ1が、濃度の異なる2種類以上のブラックインク、例えば、濃度の薄い淡ブラックインクおよび、濃度の濃い濃ブラックインクとの双方を吐出可能な場合には、これら淡ブラックインクおよび濃ブラックインクの双方が、本発明の第1インク吐出部であっても良く、また、少なくともどれか一方が、本発明の第1インク吐出部であっても良い。
前述した実施の形態では、本発明の第2インク吐出部として、イエロノズル群211Yと、シアンノズル群211Cと、マゼンダノズル群211Mとを備えていたが、本発明の第2インク吐出部にあっては必ずしもこれらのノズル群211C、211Y、211M、211Kを備えている必要はない。すなわち、本発明の第2インク吐出部としては、第1インク吐出部(ブラックノズル群211K)の他に、イエロノズル群211Yのみを有していたり、またシアンノズル群211Cのみを有していたり、マゼンダノズル群211Mのみを有していても良い。
前述した実施の形態では、印刷データがコンピュータ装置1100に搭載されたプリンタドライバ1110により生成されていたが、本発明の印刷データにあっては、このような場合に限らず、印刷データを生成するのは、プリンタドライバ1110以外であっても構わない。
前述した実施の形態では、本発明のモノクロ印刷用の印刷データとして、ブラック色変換テーブル504を参照して色変換処理されて生成された印刷データや、コンポジットブラック色変換テーブル506を参照して色変換処理されて生成された印刷データを例にして説明したが、本発明のモノクロ印刷用の印刷データにあっては、このような印刷データに限らず、インクジェットプリンタ1がモノクロ印刷を実行するために用いられる印刷データであれば、どのような印刷データであっても、本発明のモノクロ印刷用の印刷データに該当する。
前述した実施の形態では、第1の解像度として、通常印刷モードに対応する解像度を例に、また、第2の解像度として、ドラフト印刷モードに対応する解像度を例にして説明したが、本発明の「第1の解像度」および「第2の解像度」にあっては、これらの解像度に限らない。すなわち、本発明の「第1の解像度」としては、前述した通常印刷モード以外の他の印刷モードに対応する解像度を適用してもよい。また、本発明の「第2の解像度」としては、前述した「ドラフト印刷モード」に対応する解像度以外の他の印刷モードに対応する解像度を適用しても良い。すなわち、「第2の解像度」が「第1の解像度」よりも低い解像度であれば、どのような解像度も適用することができる。
本発明の「印刷する画像」としては、シアン(C)やマゼンダ(M)、イエロ(Y)、ブラック(K)などの色により印刷される画像の他に、例えばライトシアン(LC)やライトマゼンダ(LM)、ダークイエロ(DY)などの他の色により印刷される画像であっても良い。
前述した実施の形態では、所定の高速印刷モードとして、ドラフト印刷モードを例にして説明したが、本発明の所定の高速印刷モードとしては、このようなドラフト印刷モードに限らず、前述した「第1の解像度」よりも低い「第2の解像度」にて印刷するのであれば、他の印刷モードも含む。
前述した実施の形態では、ドラフト印刷モードとして、1回のパスで印刷される領域PRと、次のパスで印刷される領域PRとが相互に重ならないように、各パス間の媒体Sの搬送量が設定されるモードに限らず、各パス間の媒体Sの搬送量が他の形態にて設定されるモードであっても良い。すなわち、本発明のドラフト印刷モードとは、印刷処理を高速で実行するために、印刷すべき画像の一部を省いて印刷処理を実行するようなモードであれば、どのようなモードも含む。
前述した実施の形態では、本発明に係る印刷装置として、インクジェットプリンタ1とコンピュータ装置1100とを備えた印刷システムを例にして説明したが、本発明に係る印刷装置にあっては、このような印刷システムに限らず、媒体Sに対してドットを形成して画像を印刷する印刷装置であれば、例えば、バブルジェット方式のプリンタなどのインクを吐出して印刷するのでは、どのような装置であっても構わない。
媒体Sについては、普通紙やマット紙、カット紙、光沢紙、ロール紙、用紙、写真用紙、ロールタイプ写真用紙等をはじめ、これらの他に、OHPフィルムや光沢フィルム等のフィルム材や布材、金属板材などであっても構わない。すなわち、インクの吐出対象となり得るものであれば、どのような媒体であっても構わない。
使用するインクについては、顔料インクであっても良く、また染料インクであっても良い。
インクの色については、前述したイエロ(Y)、マゼンダ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の他に、ライトシアン(LC)やライトマゼンダ(LM)、ダークイエロ(DY)をはじめ、例えば、レッドやバイオレット、ブルー、グリーンなど、その他の色のインクを使用しても良い。
前述した実施の形態では、本発明の搬送機構として、本発明の搬送機構として、紙搬送モータ15や搬送ローラ17A、排紙ローラ17Bなどを備えた構成が開示されていたが、本発明の搬送機構にあってはこのような機構に限らず、媒体Sを搬送可能な機構であれば、どのような機構であっても構わない。
前述した実施の形態では、本発明の「所定の方向」として、図4〜図24で示すような搬送方向が例示されていたが、本発明の「所定の方向」にあっては、このような方向に限らず、搬送機構により媒体Sが搬送される方向であれば、どのような方向であっても構わない。
前述した実施の形態では、本発明の「所定の方向と交差する方向」について、図4〜図24で示すように、所定の方向(搬送方向)と直交する、キャリッジ41の移動方向を例にして説明したが、本発明の「所定の方向と交差する方向」にあっては、このような方向に限らず、媒体Sに対して画像を印刷する印刷部(ヘッド21等)が移動する方向であれば、必ずしもこのように所定の方向(搬送方向)に対して直交している必要はない。
前述した実施形態では、形成されるドットとして、略円形状のドットが形成されていたが、楕円形状をなしていたり、またその他の形状をなしていても構わない。すなわち、印刷する画像の画素を構成するものであれば、どのような形状や形態のドットであっても構わない。
前述した実施の形態では、プリンタドライバ1110が、インクジェットプリンタ1と通信可能なコンピュータ装置1100に搭載されていたが、本発明にあってはこのような場合に限らず、プリンタドライバ1110がインクジェットプリンタ1に搭載されていても良い。
8 給紙トレー、11A 紙挿入口、11B ロール紙挿入口、13 給紙ローラ、
14 プラテン、15 紙搬送モータ、17A 搬送ローラ、17B 排紙ローラ、
18A フリーローラ、18B フリーローラ、21 ヘッド、
30 クリーニングユニット、31 ポンプ装置、35 キャッピング装置、
41 キャリッジ、42 キャリッジモータ、44 プーリ、45 タイミングベルト、
46 ガイドレール、48 インクカートリッジ、51 リニア式エンコーダ、
53 紙検知センサ、
122 バッファメモリ、124 イメージバッファ、126 コントローラ、
127 メインメモリ、128 キャリッジモータ制御部、129 EEPROM、
130 搬送制御部、132 ヘッド駆動部、134 ロータリ式エンコーダ、
211 ノズル群、211Y イエロノズル群、211M マゼンダノズル群、
211C シアンノズル群、211K ブラックノズル群、
220 ノズル駆動回路、222 原駆動信号発生部、224 駆動信号整形部、
502 カラー色変換テーブル、504 ブラック色変換テーブル、
506 コンポジットブラック色変換テーブル、
512C シアンドット列、512M マゼンダドット列、512Y イエロドット列、
512K ブラックドット列、
1000 印刷システム、1100 コンピュータ装置、1102 ビデオドライバ、
1104 アプリケーションプログラム、1110 プリンタドライバ、
1112 解像度変換処理部、1114 色変換処理部、
1116 ハーフトーン処理部、1118 ラスタライズ処理部、
1200 表示装置、1300 入力装置、1300A キーボード、
1300B マウス、1400 記録再生装置、
1400A フレキシブルディスクドライブ装置、
1400B CD−ROMドライブ装置、
S 媒体、ODRV 原信号、PRT 印刷信号、DRV 駆動信号
Claims (16)
- ブラックのインクを吐出する第1インク吐出部と、前記ブラック以外の他の色のインクを吐出する第2インク吐出部とを備え、
印刷データに基づき、前記第1インク吐出部および前記第2インク吐出部のうちの少なくともいずれか一方から媒体に向けてインクを吐出して、第1の解像度およびこの第1の解像度よりも低い第2の解像度にて前記媒体に画像を印刷可能な印刷装置において、
モノクロ印刷用の印刷データに基づき、前記第2の解像度にて画像を印刷するときに、
前記第2インク吐出部から前記他の色のインクを媒体に向けて吐出して前記画像を印刷することを特徴とする印刷装置。 - 前記第2の解像度にて画像を印刷するときには、所定の高速印刷モードにて前記画像を印刷するときが含まれることを特徴とする請求項1に記載の印刷装置。
- 前記所定の高速印刷モードは、ドラフト印刷モードであることを特徴とする請求項2に記載の印刷装置。
- 前記モノクロ印刷用の印刷データに基づき、前記第2の解像度にて画像を印刷するときに、前記他の色のインクの他に、前記第1インク吐出部から前記ブラックのインクを前記媒体に向けて吐出して前記画像を印刷することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の印刷装置。
- 前記第2インク吐出部として、2以上の異なる色のインクを吐出するインク吐出部を備えたことを特徴とすることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の印刷装置。
- 前記第2インク吐出部として、シアン、マゼンダまたはイエロのうちの少なくともいずれか1つの色のインクを吐出するインク吐出部を備えたことを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の印刷装置。
- 前記第2インク吐出部として、シアンのインクを吐出するシアンインク吐出部と、マゼンダのインクを吐出するマゼンダインク吐出部と、イエロのインクを吐出するイエロインク吐出部とを備えたことを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の印刷装置。
- モノクロ印刷用の印刷データに基づき、前記第2の解像度にて画像を印刷するときに、
前記シアンインク吐出部、前記マゼンダインク吐出部および前記イエロインク吐出部から各々インクが前記媒体に向けて吐出されることを特徴とする請求項7に記載の印刷装置。 - モノクロ印刷用の印刷データに基づき、前記第2の解像度にて画像を印刷するときに、
前記シアンインク吐出部、前記マゼンダインク吐出部および前記イエロインク吐出部から各々吐出された前記インクが前記媒体上にて相互に重なることを特徴とする請求項8に記載の印刷装置。 - 前記媒体を所定の方向に沿って搬送する搬送機構と、
前記第1インク吐出部および前記第2インク吐出部が設けられ、前記所定の方向と交差する方向に沿って移動可能なヘッドとを備え、
前記ヘッドが前記交差する方向に沿って移動したときに、前記第1インク吐出部および第2インク吐出部のうちの少なくともどちらか一方からインクを吐出する印刷動作と、
前記搬送機構による前記媒体の搬送動作とを交互に実行して前記画像を前記媒体に印刷することを特徴とする請求項1〜9のいずれか1項に記載の印刷装置。 - 前記第1インク吐出部および前記第2インク吐出部が、前記所定の方向に沿って相互にずれた位置に設けられていることを特徴とする請求項10に記載の印刷装置。
- 前記第1インク吐出部および前記第2インク吐出部のうちの少なくともどちらか一方が、インクを吐出するノズルを複数備えていることを特徴とする請求項1〜11のいずれか1項に記載の印刷装置。
- 前記ノズルが所定の方向に沿って相互に間隔をあけて配置され、
前記第2の解像度にて印刷する画像を構成する画素の間隔が、前記ノズルの前記間隔と等しいことを特徴とする請求項12に記載の印刷装置。 - ブラックのインクを吐出する第1インク吐出部と、前記ブラック以外の他の色のインクを吐出する第2インク吐出部とを備え、
印刷データに基づき、前記第1インク吐出部および前記第2インク吐出部のうちの少なくともいずれか一方から媒体に向けて前記インクを吐出して、第1の解像度およびこの第1の解像度よりも低い第2の解像度にて前記媒体に画像を印刷可能な印刷装置において、
モノクロ印刷用の印刷データに基づき、前記第2の解像度にて画像を印刷するときに、
前記第2インク吐出部から前記他の色のインクを媒体に向けて吐出して前記画像を印刷し、
前記第2の解像度にて画像を印刷するときには、ドラフト印刷モードにて前記画像を印刷するときが含まれ、
前記モノクロ印刷用の印刷データに基づき、前記第2の解像度にて画像を印刷するときに、前記他の色のインクの他に、前記第1インク吐出部から前記ブラックのインクを前記媒体に向けて吐出して前記画像を印刷し、
前記第2インク吐出部として、シアンのインクを吐出するシアンインク吐出部と、マゼンダのインクを吐出するマゼンダインク吐出部と、イエロのインクを吐出するイエロインク吐出部とを備え、
モノクロ印刷用の印刷データに基づき、前記第2の解像度にて画像を印刷するときに、
前記シアンインク吐出部、前記マゼンダインク吐出部および前記イエロインク吐出部からそれぞれインクが媒体に向けて吐出されて、前記媒体上にて相互に重なり、
前記媒体を所定の方向に沿って搬送する搬送機構と、
前記第1インク吐出部および前記第2インク吐出部が設けられ、前記所定の方向と交差する方向に沿って移動可能なヘッドとを備え、
前記ヘッドが前記交差する方向に沿って移動したときに、前記第1インク吐出部および第2インク吐出部のうちの少なくともどちらか一方からインクを吐出する印刷動作と、
前記搬送機構による前記媒体の搬送動作とを交互に実行して前記画像を前記媒体に印刷し、
前記第1インク吐出部および前記第2インク吐出部が、前記所定の方向に沿って相互にずれた位置に設けられ、
前記第1インク吐出部および前記第2インク吐出部のうちの少なくともどちらか一方が、インクを吐出するノズルを複数備え、
前記ノズルが所定の方向に沿って相互に間隔をあけて配置され、
前記第2の解像度にて印刷する画像を構成する画素の間隔が、前記ノズルの前記間隔と等しいことを特徴とする印刷装置。 - ブラックのインクを吐出する第1インク吐出部と、前記ブラック以外の他の色のインクを吐出する第2インク吐出部とを備え、印刷データに基づき、前記第1インク吐出部および前記第2インク吐出部のうちの少なくともいずれか一方から媒体に向けて前記インクを吐出して、第1の解像度およびこの第1の解像度よりも低い第2の解像度にて前記媒体に画像を印刷可能な印刷装置を用いた印刷方法であって、
モノクロ印刷用の印刷データに基づき、前記第2の解像度にて画像を印刷するときに、
前記第2インク吐出部から前記他の色のインクを媒体に向けて吐出して前記画像を印刷することを特徴とする印刷方法。 - ブラックのインクを吐出する第1インク吐出部と、前記ブラック以外の他の色のインクを吐出する第2インク吐出部とを備え、印刷データに基づき、前記第1インク吐出部および前記第2インク吐出部のうちの少なくともいずれか一方から媒体に向けて前記インクを吐出して、第1の解像度およびこの第1の解像度よりも低い第2の解像度にて前記媒体に画像を印刷可能な印刷装置において実行するプログラムであって、
モノクロ印刷用の印刷データに基づき、前記第2の解像度にて画像を印刷するときに、
前記第2インク吐出部から前記他の色のインクを媒体に向けて吐出して前記画像を印刷するステップを実行することを特徴とするプログラム。
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