JP2005330703A - 挟み込み検出方法および車両用可動体駆動装置 - Google Patents

挟み込み検出方法および車両用可動体駆動装置 Download PDF

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Abstract

【課題】 本発明の目的は、電源電圧に変動が生じる場合や、可動体の移動位置に応じて可動体の開閉速度が変動する場合等であっても、可動体における異物の挟み込み検出を高精度に行うことが可能な車両用可動体駆動装置を提供することにある。
【解決手段】 本発明は、可動フロア65を移動させるモータ11と、電流検出器21および回転検出器22と、マイコン31と、バッテリ41を備えた車両用可動体駆動装置Sに関する。
マイコン31は、基準閾値を設けると共に隣接する基準閾値間を直線又は近似曲線で結んだ補助基準線上に補助閾値を設定し、モータ駆動電流値が基準閾値又は補助閾値を超えた場合に挟み込みが発生したものと判定する。また、マイコン31は、電源電圧が変動した場合でも、モータ11に供給されるモータ駆動電圧が一定となるように該モータ駆動電圧を調節する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、挟み込み検出方法および車両用可動体駆動装置に係り、特に車両に備えられた可動体における異物の挟み込みを検出する挟み込み検出方法および車両に備えられた可動体における異物の挟み込みを検出する機能を備えた車両用可動体駆動装置に関する。
従来から、車両に設けられたウィンドウガラス、ドア、スライドルーフなどの可動体をモータ等の駆動力により移動させる車両用可動体駆動装置が知られている。さらに、最近では、車両フロアに移動自在に設けられた可動フロアをモータ等の駆動力により展開・格納させる車両用可動体駆動装置や、可動ステップをモータ等の駆動力によって乗降口から車両外側へ展開させたり車両内側へ格納させたりすることが可能な車両用可動体駆動装置が提案されている。ところで、この種の車両用可動体駆動装置においては、可動体を移動させることに伴って、可動体に何らかの異物が挟み込まれてしまう虞がある。そこで、可動体における異物の挟み込みを防止するために、可動体における異物の挟み込みを検出し、挟み込みを検出した場合には、可動体を停止させるか、あるいは反転動作させるようにした車両用可動体駆動装置が提案されている(例えば、特許文献1〜4参照)。
例えば、特許文献1に記載の例では、可動体を移動させる駆動源となるモータの回転を検出する回転検出センサを設け、この回転検出センサから出力される回転パルスの周期の変化に基づいてウィンドウガラスが異物を挟み込んだか否かを判別するようにしている。ところが、特許文献1に記載の例では、異物を挟み込んだと判別するための基準が一定であるため、例えば、温度変化によるウェザーストリップとウィンドウガラスとの摺動抵抗の増加や、経年変化によるモータトルクの変動等によって、ウィンドウガラスの開閉速度が低下した場合には、実際にはウィンドウガラスにおいて挟み込みが発生していないにもかかわらず、挟み込みが発生したものと誤検出されてしまうことがあった。
そこで、上述のような不具合を解消するために、特許文献2に記載の例では、ウィンドウガラスの開閉動作領域を複数の領域に分割すると共に各領域に挟み込み検出の基準を設定し、ウィンドウガラスが開閉しているときの検出値が各領域に設定された基準を上回ったときに、挟み込みが発生したものと判定するようにしている。この方式によれば、各領域でウィンドウガラスの開閉速度にばらつきが生じている場合でも対処することが可能である。ところが、一般に、ウィンドウガラスの開閉速度(モータの回転速度)は、モータに供給される電源電圧に依存する。すなわち、電源となるバッテリが充電不十分である場合や、同時に複数の電気的装置を稼動させた場合には、モータに供給される電源電圧が低下し、ウィンドウガラスの開閉速度が低下することとなる。
このように、電源電圧の変動に対しても誤作動することなく挟み込み検出を行うためには、電源電圧の変動分を考慮した余裕のある基準値を設定する必要がある。ところが、電源電圧の変動分を考慮した余裕のある基準値を設定すると、挟み込みが発生しても、挟み込みを検出するまでに時間を要し、挟み込み検出の感度が低下する共に、挟み込み時における挟み込み力が増大されるという不具合がある。そこで、特許文献3の記載の例では、電源電圧の変動に対処すべく、電源電圧を監視し、電源電圧値に応じて挟み込み検出の基準を補正する構成としている。
特開平5−95694号公報(第3−4頁、図3−図6) 実願平4−44077号(実開平5−96371号)の明細書及び図面(第7−12頁、図2、図3) 特開平7−145685号公報(第3−5頁、図3,図6−図8)
しかしながら、特許文献3に記載の例では、上述のように、異物を挟み込んだと判別するための基準が電源電圧に応じてのみ補正される構成である。このため、モータに電源電圧が十分に供給されている状況下で、例えば、温度変化によるウェザーストリップとウィンドウガラスとの摺動抵抗増加や、経年変化によるモータトルクの変動等によって、ウィンドウガラスの開閉速度が低下した場合には、実際にはウィンドウガラスにおいて挟み込みが発生していないにもかかわらず、挟み込みが発生したものと誤検出されてしまう虞がある。従って、電源電圧に変動が生じる場合や、ウィンドウガラスの開閉位置に応じてウィンドウガラスの開閉速度が変動する場合等であっても、挟み込み検出の感度を高く維持することが可能な車両用可動体駆動装置が望まれていた。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであって、その目的は、電源電圧に変動が生じる場合や、可動体の移動位置に応じて可動体の開閉速度が変動する場合等であっても、可動体における異物の挟み込み検出を高精度に行うことが可能な挟み込み検出方法および車両用可動体駆動装置を提供することにある。
前記課題は、請求項1に記載の挟み込み検出方法によれば、車両に対して可動する可動体の駆動状況を検出し、当該駆動状況に基づいて前記可動体における異物の挟み込みを検出する挟み込み検出方法において、前記可動体の可動範囲内における複数の可動位置のそれぞれに対して基準閾値を設定すると共に、隣接する基準閾値間を直線又は近似曲線で結んだ補助基準線上に補助閾値を設定する閾値設定ステップと、電源供給基の供給電源が変動した場合でも、前記可動体を駆動するモータに供給する駆動電源を一定に調節する電源調節ステップと、を備えたことにより解決される。
このように、本発明に係る挟み込み検出方法では、可動体の可動範囲内における複数の可動位置のそれぞれに対して基準閾値を設けると共に、隣接する基準閾値間を直線又は近似曲線で結んだ補助基準線上に補助閾値を設定するので、例えば、可動体の可動範囲において可動体の駆動状態にばらつきが生じる場合でも、可動体における駆動状態のばらつきに合わせて予め基準閾値を設けておくことが可能である。これにより、可動体における異物の挟み込み検出を高精度に行うことが可能となる。
また、本発明の挟み込み検出方法では、可動体の可動範囲内における複数の可動位置のそれぞれに対して基準閾値を設けると共に、隣接する基準閾値間を直線又は近似曲線で結んだ補助基準線上に補助閾値を設定しているので、可動体の可動範囲に対してより緻密な閾値を設定することが可能である。これにより、従来に比して、可動体における異物の挟み込み検出をより高精度に行うことが可能となる。さらに、実測定値もしくは理論値に基づいて基準閾値だけ設定しておけば、残る補助閾値については、隣接する基準閾値間を直線又は近似曲線で結んだ補助基準線に基づいて設定することができるので、電流閾値の設定作業を簡素化することが可能となる。
さらに、本発明の挟み込み検出方法では、電源供給基の供給電源が変動した場合でも、可動体を駆動するモータに供給する駆動電源を一定に調節するので、モータを安定して動作させることが可能である。これにより、実際には可動体において挟み込みが発生していないにもかかわらず、挟み込みが発生したものと誤検出されてしまうことを防止することが可能となる。
また、従来では、供給電源の変動分を考慮した余裕のある閾値を設定する必要があったが、本発明では、上述のように、モータを安定して動作させることが可能であるので、閾値を駆動状況値により近づけて設定することが可能である。これにより、可動体における異物の挟み込み検出の感度をより高めることが可能となると共に、挟み込み時における挟み込み力も軽減することが可能となる。
ここで、請求項2に記載のように、本発明の挟み込み検出方法では、より好適には、モータを一方向へ駆動する場合とモータを他方向へ駆動する場合とで異なる基準閾値及び補助閾値を設定する。ここで、一般に、モータを一方向へ駆動させる場合とモータを他方向へ駆動させる場合とでは、モータにおける駆動状況が異なるが、本発明のように、駆動手段を一方向へ駆動させる場合と駆動手段を他方向へ駆動させる場合とで、基準閾値及び前記補助閾値を異ならせて設定することにより、モータの駆動方向に応じた適切な挟み込み検出を行うことが可能となる。
なお、請求項3に記載のように、本発明の挟み込み検出方法では、より具体的には、モータに流れるモータ駆動電流又はモータの回転速度の少なくとも一方と基準閾値又は補助閾値とに基づいて、可動体における異物の挟み込みの検出を行う。
また、請求項4に記載のように、本発明の挟み込み検出方法では、さらに具体的には、モータのモータ駆動電流又はモータの回転速度の少なくとも一方を順次取得すると共に、当該取得した複数のモータ駆動電流又は回転速度を平均化して移動平均値を算出し、当該移動平均値が基準閾値又は補助閾値を超えた場合に、可動体において異物の挟み込みが発生したものと判定する。
そして、請求項5に記載のように、本発明の挟み込み検出方法では、順次取得した複数のモータ駆動電流又は回転速度の中から基準となる基準駆動状況値を設定し、順次取得した複数のモータ駆動電流又は回転速度の中に基準駆動状況値よりも所定値以上差を有する異常駆動状況値が存在する場合には、当該異常駆動状況値の代わりに該異常駆動状況値の前後に取得したモータ駆動電流又は回転速度の平均値を算出し、順次取得した複数のモータ駆動電流又は回転速度のうち前記異常駆動状況値を除いた残りのモータ駆動電流又は回転速度と前記平均値とを用いて移動平均値を算出する。このようにすると、ノイズや外乱等によりモータ駆動電流又は回転速度が乱れた場合でも、挟み込み検出の精度が低下することを確実に防止することが可能となる。
なお、請求項6に記載のように、本発明の挟み込み検出方法において、順次取得した複数のモータ駆動電流又は回転速度の中から基準となる基準駆動状況値を設定し、順次取得した複数のモータ駆動電流又は回転速度の中に基準駆動状況値よりも所定値以上差を有する異常駆動状況値が存在する場合には、当該異常駆動状況値を除いた残りのモータ駆動電流又は回転速度を用いて移動平均値を算出しても良い。このようにすると、ノイズや外乱等によりモータ駆動電流又は回転速度が乱れた場合でも、挟み込み検出の精度が低下することを確実に防止することが可能となる。
そして、請求項7に記載のように、本発明の挟み込み検出方法では、より好適には、電源供給基の供給電源が変動することによって該供給電源がモータにおける定格を超えた場合には、モータに供給する駆動電源をモータの定格となるように調節する。このようにすると、電源供給基の供給電源が上昇した場合でも、モータをより安定して動作させることが可能となるので、実際には可動体において挟み込みが発生していないにもかかわらず、挟み込みが発生したものと誤検出されてしまうことを確実に防止することが可能となる。
また、請求項8に記載のように、本発明の挟み込み検出方法では、さらに好適には、電源供給基の供給電源が変動することによって該供給電源がモータにおける定格を下回った場合には、モータに供給する駆動電源を電源供給基の供給電源の変動範囲における最高値となるように調節する。このようにすると、電源供給基の供給電源が低下した場合でも、モータをより安定して動作させることが可能となるので、実際には可動体において挟み込みが発生していないにもかかわらず、挟み込みが発生したものと誤検出されてしまうことを確実に防止することが可能となる。
また、前記課題は、請求項9に記載の車両用可動体駆動装置によれば、車両に対して可動する可動体を駆動する駆動手段と、該駆動手段の駆動状況を検出する駆動状況検出手段と、前記駆動手段を制御する制御手段と、前記駆動手段に電源を供給する電源供給手段と、を備え、前記駆動状況検出手段により検出された駆動状況に基づいて前記可動体における異物の挟み込みを検出する車両用可動体駆動装置において、前記制御手段は、前記可動体の可動範囲内における複数の可動位置のそれぞれに対して基準閾値を設定すると共に、隣接する基準閾値間を直線又は近似曲線で結んだ補助基準線上に補助閾値を設定し、前記電源供給手段から供給される供給電源が変動した場合でも、前記駆動手段に供給される駆動電源を一定に調節すること、により解決される。
このように、本発明に係る制御手段には、可動体の可動範囲内における複数の可動位置のそれぞれに対して基準閾値が設けられると共に、隣接する基準閾値間を直線又は近似曲線で結んだ補助基準線上に補助閾値が設定されるので、例えば、可動体の可動範囲において可動体の駆動状態にばらつきが生じる場合でも、可動体における駆動状態のばらつきに合わせて予め基準閾値を設けておくことが可能である。これにより、可動体における異物の挟み込み検出を高精度に行うことが可能となる。
また、本発明の車両用可動体駆動装置では、可動体の可動範囲内における複数の可動位置のそれぞれに対して基準閾値を設けると共に、隣接する基準閾値間を直線又は近似曲線で結んだ補助基準線上に補助閾値を設定しているので、可動体の可動範囲に対してより緻密な閾値を設定することが可能である。これにより、従来に比して、可動体における異物の挟み込み検出をより高精度に行うことが可能となる。さらに、実測定値もしくは理論値に基づいて基準閾値だけ設定しておけば、残る補助閾値については、隣接する基準閾値間を直線又は近似曲線で結んだ補助基準線に基づいて設定することができるので、電流閾値の設定作業を簡素化することが可能となる。
さらに、本発明に係る制御手段は、電源供給手段における供給電源の変動を検出し、該供給電源が変動した場合でも、駆動手段に供給される駆動電源が一定となるように該供給電源を調節するので、電源供給手段の供給電源に変動が生じた場合でも、駆動手段に供給される供給電源を一定に保つことができる。従って、駆動手段を安定して動作させることが可能である。これにより、実際には可動体において挟み込みが発生していないにもかかわらず、挟み込みが発生したものと誤検出されてしまうことを防止することが可能となる。
また、従来では、供給電源の変動分を考慮した余裕のある閾値を設定する必要があったが、本発明の車両用可動体駆動装置では、上述のように、駆動手段を安定して動作させることが可能であるので、閾値を駆動状況値により近づけて設定することが可能である。これにより、可動体における異物の挟み込み検出の感度をより高めることが可能となると共に、挟み込み時における挟み込み力も軽減することが可能となる。
ここで、請求項10に記載のように、本発明の車両用可動体駆動装置において、制御手段は、駆動手段を一方向へ駆動させる場合と駆動手段を他方向へ駆動させる場合とで異なる基準閾値及び補助閾値を設定する。ここで、一般に、駆動手段を一方向へ駆動させる場合と駆動手段を他方向へ駆動させる場合とでは、駆動手段における駆動状況が異なるが、本発明のように、駆動手段を一方向へ駆動させる場合と駆動手段を他方向へ駆動させる場合とで、基準閾値及び前記補助閾値を異ならせて設定することにより、駆動手段の駆動方向に応じた適切な挟み込み検出を行うことが可能となる。
なお、請求項11に記載のように、より具体的には、本発明の車両用可動体駆動装置において、駆動手段は、モータを有して構成され、駆動状況検出手段は、モータに流れるモータ駆動電流を検出する電流検出器又はモータの回転速度を検出する回転検出器により構成され、制御手段は、電流検出器によって検出されたモータのモータ駆動電流又は回転検出器によって検出されたモータの回転速度の少なくとも一方と基準閾値又は補助閾値とに基づいて、可動体における異物の挟み込みの検出を行う。
また、請求項12に記載のように、さらに具体的には、本発明の車両用可動体駆動装置において、制御手段は、電流検出器によって検出されたモータのモータ駆動電流又は回転検出器によって検出されたモータの回転速度の少なくとも一方を順次取得すると共に、当該取得した複数のモータ駆動電流又は回転速度を平均化して移動平均値を算出し、当該移動平均値が基準閾値又は補助閾値を超えた場合に、可動体において異物の挟み込みが発生したものと判定する。
そして、請求項13に記載のように、本発明の車両用可動体駆動装置において、制御手段は、順次取得した複数のモータ駆動電流又は回転速度の中から基準となる基準駆動状況値を設定し、順次取得した複数のモータ駆動電流又は回転速度の中に基準駆動状況値よりも所定値以上差を有する異常駆動状況値が存在する場合には、当該異常駆動状況値の代わりに該異常駆動状況値の前後に取得したモータ駆動電流又は回転速度の平均値を算出し、順次取得した複数のモータ駆動電流又は回転速度のうち異常駆動状況値を除いた残りのモータ駆動電流又は回転速度と平均値とを用いて移動平均値を算出する。このように構成されていると、ノイズや外乱等により駆動状況値が乱れた場合でも、当該異常駆動状況値の代わりに該異常駆動状況値の前後に取得した駆動状況値の平均値が適用されるので、挟み込み検出の精度が低下することを確実に防止することが可能となる。
なお、請求項14に記載のように、本発明の車両用可動体駆動装置において、制御手段は、順次取得した複数のモータ駆動電流又は回転速度の中から基準となる基準駆動状況値を設定し、順次取得した複数のモータ駆動電流又は回転速度の中に基準駆動状況値よりも所定値以上差を有する異常駆動状況値が存在する場合には、当該異常駆動状況値を除いた残りのモータ駆動電流又は回転速度を用いて移動平均値を算出しても良い。このように構成されていると、ノイズや外乱等により駆動状況値が乱れた場合でも、当該異常駆動状況値が除かれて移動平均値が算出されるので、挟み込み検出の精度が低下することを確実に防止することが可能となる。
そして、請求項15に記載のように、より好適には、本発明の車両用可動体駆動装置において、制御手段は、電源供給手段における供給電源が変動することによって該供給電源が駆動手段における定格を超えた場合には、駆動手段に供給される駆動電源を駆動手段の定格となるように調節する。このように構成されていると、電源供給手段における供給電源が変動することによって該供給電源が駆動手段における定格を超えた場合でも、駆動手段に供給される駆動電源が駆動手段の定格となるように調節されるので、駆動手段をより安定して動作させることが可能となる。これにより、実際には可動体において挟み込みが発生していないにもかかわらず、挟み込みが発生したものと誤検出されてしまうことを確実に防止することが可能となる。
また、請求項16に記載のように、さらに好適には、本発明の車両用可動体駆動装置において、制御手段は、電源供給手段における供給電源が変動することによって該供給電源が駆動手段における定格を下回った場合には、駆動手段に供給される駆動電源を電源供給手段の供給電源の変動範囲における最高値となるように調節する。このように構成されていると、電源供給手段における供給電源が変動することによって該供給電源が駆動手段における定格を下回った場合でも、駆動手段に供給される駆動電源が供給電源の変動範囲における最高値となるように調節されるので、駆動手段をより安定して動作させることが可能となる。これにより、実際には可動体において挟み込みが発生していないにもかかわらず、挟み込みが発生したものと誤検出されてしまうことを確実に防止することが可能となる。
本発明によれば、例えば、可動体の可動範囲において可動体の駆動状態にばらつきが生じる場合でも、可動体における駆動状態のばらつきに合わせて予め基準閾値を設けておくことが可能であるので、可動体における異物の挟み込み検出を高精度に行うことが可能となる。これにより、可動体の誤作動等を防止することが可能となる。また、本発明では、可動体の可動範囲内における複数の可動位置のそれぞれに対して基準閾値を設けると共に、隣接する基準閾値間を直線又は近似曲線で結んだ補助基準線上に補助閾値を設定しているので、可動体の可動範囲に対してより緻密な閾値を設定することが可能である。これにより、従来に比して、可動体における異物の挟み込み検出をより高精度に行うことが可能となる。さらに、実測定値もしくは理論値に基づいて基準閾値だけ設定しておけば、残る補助閾値については、隣接する基準閾値間を直線又は近似曲線で結んだ補助基準線に基づいて設定することができるので、電流閾値の設定作業を簡素化することが可能となる。これにより、装置のコストを低減することが可能となる。
また、本発明によれば、供給電源の変動が生じた場合でも、駆動電源を一定に保つことができるので、モータを安定して動作させることが可能である。これにより、実際には可動体において挟み込みが発生していないにもかかわらず、挟み込みが発生したものと誤検出されてしまうことを防止することが可能となる。また、従来では、供給電源の変動分を考慮した余裕のある閾値を設定する必要があったが、本発明では、上述のように、モータを安定して動作させることが可能であるので、閾値を駆動状況値により近づけて設定することが可能である。これにより、可動体における異物の挟み込み検出の感度をより高めることが可能となると共に、挟み込み時における挟み込み力も軽減することが可能となる。
以下、本発明の一実施形態について、図を参照して説明する。なお、以下に説明する部材、配置等は、本発明を限定するものではなく、本発明の趣旨に沿って各種改変することができることは勿論である。
図1乃至図7は本発明の一実施形態を示す図で、図1は車両用可動体駆動装置の構成を示すブロック図、図2は車両において可動フロアが展開された状態を示す説明図、図3は図2に示す可動フロアが格納された状態を示す説明図、図4はROMに記憶された電流閾値とモータ回転角度との関係を示すグラフ、図5はCPUの動作を示すフローチャート、図6はCPUにおいてモータ駆動電流が平均化処理される様子を示す説明図、図7はモータ駆動電流と電流閾値との関係を示す説明図である。
本実施形態に係る車両用可動体駆動装置Sは、例えば、乗用自動車等の車両60に好適に搭載されるものであり、図1に示すように、駆動手段の一部を構成するモータ11と、駆動状況検出手段としての電流検出器21および回転検出器22と、制御手段としてのマイクロコンピュータ31(以下、マイコン31という)と、電源供給手段としてのバッテリ41および電源供給回路42を有して構成されている。車両用可動体駆動装置Sは、あらゆる車両に対して好適に適用することができるものであるが、本実施形態では、車両用可動体駆動装置Sが適用される車両の一例として、ワンボックスカーやいわゆるミニバン等を用いて説明する。
本実施形態に係る車両60について簡単に説明すると、本例の車両60は、図2、図3に示すように、その側面にスライド式のドア61を備えている。車両60のドア61を開けると、乗降口62には、車両フロア63から一段下がったステップ64が形成されており、このステップ64の上方には、本発明に係る可動体としての可動フロア65が設けられている。可動フロア65は、車両前後方向に延出する平板より形成されており、車両フロア63の縁部に回動自在に取り付けられている。可動フロア65が展開されると、図2に示すように、可動フロア65によってステップ64上の凹部空間が塞がれた状態となる。一方、可動フロア65が格納されると、図3に示すように、乗降口62にステップ64が出現した状態となる。
なお、本実施形態では、本発明に係る可動体の一例として可動フロア65を用いて説明するが、その他にも、本発明に係る可動体は、車両に設けられたウィンドウガラス、ヒンジ式のドア、スライド式のドア、跳ね上げ式ドア、可動ステップ、サンルーフ、トランクリッド、スライド及び高さ調節式車両用シートの座面、リクライニング式車両用シートのシートバック、チルト&テレスコピックステアリング、展開格納式ドアミラー、可動式エアスポイラー、コンバーチブル車用の展開格納式ルーフ等であっても良い。
モータ11は、可動フロア65を展開及び格納させるための駆動源となるものであり、例えば、ブラシ付き直流モータやブラシレスモータ等により構成されている。モータ11の出力軸は、不図示の減速機構およびリンク機構等を介して可動フロア65に連結されている。本例では、モータ11の出力軸が回転すると、不図示の減速機構およびリンク機構等が作動し、可動フロア65が展開もしくは格納されるように構成されている。なお、本発明に係る駆動手段は、モータ11および不図示の減速機構およびリンク機構等により構成される。
電流検出器21は、電源供給回路42からモータ11へ供給されるモータ駆動電流を検出するためのものであり、例えば、電源供給回路42からモータ11へ接続される電源線に直列に接続された抵抗器により構成されている。電流検出器21から出力されたモータ駆動電流信号は、後述するマイコン31のA/D変換回路31dに入力される。なお、抵抗器の代わりに電流センサを電流検出器21として用いても良い。
回転検出器22は、モータ11の回転速度および回転方向を検出するためのものであり、例えば、ホール素子、ロータリーエンコーダ、レゾルバ等により構成されている。回転検出器22は、モータ11の回転速度に応じたパルス状の回転信号を2相出力することができるように構成されている。回転検出器22から出力された2相の回転信号は、後述するマイコン31の入力回路31eに入力される。
マイコン31は、外部から出力された指令信号と、電流検出器21から出力されたモータ駆動電流信号と、回転検出器22から出力された回転信号と、バッテリ41からの電源電圧信号とに基づいて所定の演算や処理を行い、電源供給回路42にPWM信号および回転方向検出信号を出力するものである。本例のマイコン31は、ROM31aと、CPU31bと、RAM31cと、A/D変換回路31dと、入力回路31eと、出力回路31fとを有して構成されている。
ROM31aには、CPU31bが演算処理するために必要なプログラム等が格納されると共に、挟み込みを判定するための電流閾値Is(x)等が予め記憶されている。図4において、横軸はモータ11の回転角度を表しており、縦軸はモータ駆動電流値を示している。電流閾値Is(x)は、基準閾値Ik(n)と補助閾値Ih(m)よりなる。モータ駆動電流値Id(x)は、電源供給回路42からモータ11へ供給されるモータ駆動電流の値である。
また、図4は、可動フロア65が格納状態から展開状態に移行する際のグラフを示しており、横軸に示すモータ回転角度は、可動フロア65の移動位置に対応している。基準閾値Ik(n)は、式1に示すように、実測定値もしくは理論値に基づいて設定されたモータ駆動電流値Id(n)に、予め算出された定数Ijを加算することにより算出される。また、基準閾値Ik(n)は、所定のモータ回転角度毎に設定されており、基準閾値Ik(n)のそれぞれは、可動フロア65の可動範囲内における複数の可動位置に対応している。
Figure 2005330703
さらに、本例では、図4に示すように、所定のモータ回転角度毎に設定された基準閾値Ik(n)とこれに隣接する基準閾値(n+1)とを直線又は近似曲線からなる補助基準線Lによって結ぶことにより複数の補助閾値Ih(m),Ih(m+1),Ih(m+2)・・・が設定されている。このように、所定のモータ回転角度毎に設定された基準閾値Ik(n)とこれに隣接する基準閾値(n+1)とを結んだ補助基準線L上に複数の補助閾値Ih(m),Ih(m+1),Ih(m+2)・・・を設定することにより、所定のモータ回転角度毎に設定された基準閾値Ik(n)とこれに隣接する基準閾値Ik(n+1)との間についても電流閾値が設定される。
このように、本例では、可動フロア65に作用する負荷等に合わせて予め基準閾値Ik(n)が設けられているので、例えば、可動フロア65の可動範囲において可動フロア65に作用する負荷等にばらつきが生じる場合でも、可動フロア65における異物の挟み込み検出を高精度に行うことが可能となる。また、本例では、隣接する基準閾値Ik(n),Ik(n+1)間を直線又は近似曲線からなる補助基準線Lで連結し、この補助基準線L上に複数の補助閾値Ih(m),Ih(m+1),Ih(m+2)・・・を設定しているので、可動フロア65の可動範囲に対してより緻密な閾値を設定することが可能である。これにより、従来に比して、可動フロア65における異物の挟み込み検出をより高精度に行うことが可能となる。
さらに、実測定値もしくは理論値に基づいて基準閾値Ik(n)だけ設定しておけば、残る補助閾値Ih(m),Ih(m+1),Ih(m+2)・・・については、隣接する基準閾値Ik(n),Ik(n+1)間に設けられた補助基準線Lに基づいて設定することができるので、電流閾値Is(x)の設定作業を簡素化することが可能となる。なお、基準閾値Ik(n)の設定方法は、上記のように、所定のモータ回転角度毎に実測もしくは理論に基づいて設定されたモータ駆動電流値Id(n)に予め定めた定数Ijを加算する方式に限らず、実測もしくは理論に基づいてモータ回転角度に対応する基準閾値Ik(n)を直接算出する方式であっても良い。
ところで、図4は、可動フロア65が格納状態から展開状態に移行する際のグラフを示しているが、可動フロア65が展開状態から格納状態に移行する場合についても、同様なグラフを得ることができる。ただし、一般に、可動フロア65が格納状態から展開状態に移行するときの可動フロア65に作用する負荷特性は、可動フロア65が展開状態から格納状態に移行するときの可動フロア65に作用する負荷特性と異なる。従って、本例においては、可動フロア65が展開状態から格納状態に移行する場合について、図4に示すような可動フロア65が格納状態から展開状態に移行する際のグラフとは異なる電流閾値Is(x)を設定することとする。なお、可動フロア65が展開状態から格納状態に移行する際のグラフについては省略する。
CPU31bは、入力回路31eを介して入力された指令信号に基づいて動作するように構成されている。この場合の指令信号とは、ドア61が完全に閉じたことを検出するドア61閉検出器から出力されたドア61閉信号や、ドア61が完全に開いたことを検出するドア61開検出器から出力されたドア61開信号や、不図示の中央制御装置から出力された動作信号である。
本例のCPU31bは、ROM31aに記憶されているプログラムを読み込んで動作し、指令信号に基づいてモータ11を駆動させるモータ駆動処理の他に、A/D変換回路31dを介して入力された電流信号データ(デジタル信号)に基づいてモータ駆動電流値を算出すると共に入力回路31eを介して入力された回転信号データ(デジタル信号)に基づいてモータ回転角度および回転方向を検出する駆動状況値算出処理と、モータ駆動電流の移動平均値を算出する移動平均化処理と、モータ11の回転角度(可動フロア65の移動位置)およびモータ11の回転方向(可動フロア65の移動方向)に基づいた所定の電流閾値を抽出する電流閾値抽出処理と、可動フロア65における挟み込みの有無を判定する挟み込み判定処理と、挟み込み判定処理における判定結果に基づいてモータ11を反転動作させる挟み込み防止処理と、電源電圧を監視してPWM信号のデューティ比を調節するモータ駆動電圧調節処理とを行う。RAM31cは、ROM31aにおいて演算処理されたデータを一時的に記憶しておくためのものである。なお、CPU31b、ROM31a、RAM31cを用いた具体的処理および動作については後述する。
A/D変換回路31dは、バッテリ41から出力された電源電圧信号および電流検出器21から出力されたモータ駆動電流信号を入力して、これらアナログ信号をデジタル信号に変換し、このデジタル信号をCPU31bに出力するように構成されている。入力回路31eには、回転検出器22から出力された位相の異なるパルス状の2相回転信号と、外部から出力された指令信号とが入力される。回転検出器22から出力された2相の回転信号と、外部から出力された指令信号とは、入力回路31eにて所定の信号データに変換され、これらの信号はCPU31bへ出力される。出力回路31fは、CPU31bから出力されたモータ制御信号(PWMデューティ比に関する情報およびモータ回転方向に関する情報を含む)に基づいて所定のPWM信号及び回転方向指令信号を生成し、これを電源供給回路42に出力するように構成されている。
バッテリ41は、車両60のエンジンルーム等に搭載されたものであり、例えば、12Vの電源電圧を電源供給回路42等に供給することができるように構成されている。バッテリ41から出力された電源電圧は、後述するマイコン31のA/D変換回路31dに電源電圧信号として入力される。なお、マイコン31の電源端子には、不図示の降圧回路等により降圧された電圧(例えば、3.3V)が供給され、この降圧電圧によりマイコン31が起動する。電源供給回路42は、マイコン31より出力されたPWM信号および回転方向指示信号に基づいてバッテリ41から供給された電圧を所定の電圧に変換し、これをモータ11に供給するように構成されている。
次に、図5乃至図7を適宜参照しながら、上記構成からなる車両用可動体駆動装置Sの動作について説明する。
外部から指令信号が出力されると、この指令信号が入力回路31eにおいて指令信号データに変換される。入力回路31eから出力された指令信号データはCPU31bに入力される。CPU31bは、入力回路31eから出力された指令信号データを入力すると起動し、ROM31aに記憶されているプログラムを読み込む。これにより、図5に示すフローチャートに示す各処理を開始する。
CPU31bは、プログラム処理を開始すると、始めに、RAM31cに記憶されるプログラムの処理回数をカウントするカウンタのカウント値を“0”に初期設定する(ステップS1)。そして、CPU31bは、上記指令信号データに基づき、出力回路31fにモータ制御信号を出力する(ステップS2)。CPU31bから出力されたモータ制御信号には、PWMデューティ比に関する情報およびモータ回転方向に関する情報が含まれている。出力回路31fは、CPU31bから出力されたモータ制御信号に基づいて所定のPWM信号及び回転方向指令信号を生成し、これを電源供給回路42に出力する。
電源供給回路42は、出力回路31fから出力されたPWM信号および回転方向指示信号に基づいてバッテリ41から供給された電圧を所定の電圧に変換し、これをモータ11に供給する。これにより、モータ11が所定の方向に回転し、可動フロア65が移動を開始する(例えば、格納状態から展開状態に移行する)。ここで、モータ11の起動時には、モータ11に起動電流が流れるため、タイマーを開始させ、一定時間経過した後に電流信号データを入力する(ステップS3〜S5)。そして、CPU31bは、上記ステップS5にて入力した電流信号データからモータ駆動電流値を算出し、これを現ルーチン処理R(0)におけるモータ駆動電流値Id(0)としてRAM31cに記憶させる(ステップS6)。
続いて、CPU31bは、挟み込み判定に用いるモータ駆動電流値Id(x)の平均化処理を行う(ステップS7〜ステップS10)。ここで、図4に示すグラフから明らかなように、一般に、モータ11へのモータ駆動電流値Id(x)は、可動フロア65に対する負荷変動等が生じることや、電源供給回路42とモータ11とを接続する電源線にノイズ等が重畳することにより、モータ11の回転角度(可動フロア65の移動位置)に対応して大きく変化する。従って、モータ駆動電流値Id(x)に基づいて挟み込み判定を行う際に、単に移動平均値Ia(x)を算出したのでは、異常な値が移動平均値Ia(x)に誤差を生じさせることとなる。そこで、本例では、以下の要領で、挟み込み判定に用いるモータ駆動電流値Id(x)の平均化処理を行う。
図6は、本実施形態に係るCPU31bにおいてモータ駆動電流値Id(x)が平均化処理される様子を説明する図である。図6において、横軸はモータ11の回転角度を表しており、縦軸はモータ駆動電流値を示している。モータ駆動電流値Id(0)は、現ルーチン処理R(0)における電流信号データに基づいて算出された値、モータ駆動電流値Id(−1)は、現ルーチン処理R(0)よりも1回前に処理されたルーチン処理R(−1)における電流信号データに基づいて算出された値、モータ駆動電流値Id(−2)は、現ルーチン処理R(0)よりも2回前に処理されたルーチン処理R(−2)における電流信号データに基づいて算出された値、モータ駆動電流値Id(−3)は、現ルーチン処理R(0)よりも3回前に処理されたルーチン処理R(−3)における電流信号データに基づいて算出された値である。
始めに、CPU31bは、モータ駆動電流値Id(x)を平均化処理するために、現ルーチン処理R(0)よりも2回前に処理されたルーチン処理R(−2)における電流信号データをRAM31cより読み込む。そして、上記ステップS6においてRAM31cに記憶させたモータ駆動電流値Id(0)と、現ルーチン処理R(0)よりも2回前に処理されたルーチン処理R(−2)におけるモータ駆動電流値Id(−2)とが略同一であるか、すなわち、モータ駆動電流値Id(−2)がモータ駆動電流値Id(0)に対してある一定の誤差範囲に収まるか判断する(ステップS7)。ここで、現ルーチン処理R(0)が第一回目の処理又は第二回目の処理の場合には、現ルーチン処理R(0)よりも2回前のルーチン処理が存在しないので、これらの場合(ステップS7:NO)には、後述するステップS10の処理に移行する。
一方、現ルーチン処理R(0)が第二回目以降の処理である場合には、現ルーチン処理R(0)よりも2回前に処理されたルーチン処理R(−2)における電流信号データがRAM31cに記憶されているので、この場合には、上述のように、モータ駆動電流値Id(−2)がモータ駆動電流値Id(0)に対してある一定の誤差範囲に収まるか判断する(ステップS7)。そして、モータ駆動電流値Id(0)とモータ駆動電流値Id(−2)とが略同一であると判断した場合、すなわち、モータ駆動電流値Id(−2)がモータ駆動電流値Id(0)に対してある一定の誤差範囲に収まると判断した場合(ステップS7:YES)には、現ルーチン処理R(0)よりも2回前に処理されたルーチン処理R(−2)から現ルーチン処理R(0)までのモータ駆動電流は比較的安定していたことになる。従って、この場合には、後述するステップS8の処理に移行する。
ところで、モータ駆動電流値Id(x)に基づいて挟み込み判定を行う際に、可動フロア65に対する負荷変動等が生じることや、電源供給回路42とモータ11とを接続する電源線にノイズ等が重畳することにより、正常状態におけるモータ駆動電流値よりも高いモータ駆動電流値が検出されることがある。そこで、本例では、ステップS8の処理において、現ルーチン処理R(0)よりも1回前に処理されたルーチン処理R(−1)におけるモータ駆動電流値Id(−1)をRAM31cより読み込み、上記ステップS6においてRAM31cに記憶させたモータ駆動電流値Id(0)から上記モータ駆動電流値Id(−1)を引いた値の絶対値が予め定められた所定の規定値以上であるか否か判断する(ステップS8)。すなわち、ノイズ等により、現ルーチン処理R(0)よりも1回前に処理されたルーチン処理R(−1)におけるモータ駆動電流値Id(−1)が異常な値となっていないか判断する。
そして、上記ステップS6においてRAM31cに記憶させたモータ駆動電流値Id(0)からモータ駆動電流値Id(−1)を引いた値の絶対値が予め定められた所定の規定値以上であると判断した場合(ステップS8:YES)には、ルーチン処理R(−1)におけるモータ駆動電流値Id(−1)が異常な値であるので、ステップS9の処理に移行し、後述するように、モータ駆動電流値Id(−1)の擬似的な値Id’(−1)を算出する。一方、モータ駆動電流値Id(0)からモータ駆動電流値Id(−1)を引いた値の絶対値が予め定められた所定の規定値より小さいと判断した場合(ステップS8:NO)には、後述するステップS10の処理に移行する。
上述のように、ルーチン処理R(−1)におけるモータ駆動電流値Id(−1)が異常な値である場合に、この値を用いて挟み込み判定を行うと、挟み込み検出の精度が低下する。そこで、本例では、モータ駆動電流値Id(−1)が異常な値である場合には、モータ駆動電流値Id(−1)の擬似的な値Id’(−1)を算出することとする(ステップS9)。本例では、モータ駆動電流値Id(−1)の代わりとなる擬似的なモータ駆動電流値Id’(−1)を、次式2に基づいて算出する。すなわち、モータ駆動電流値Id’(−1)を、現ルーチン処理R(0)におけるモータ駆動電流値Id(0)とルーチン処理R(−2)におけるモータ駆動電流値Id(−2)との平均電流値とする。
Figure 2005330703
そして、ステップS10において、モータ駆動電流値Id(x)の移動平均値Ia(x)を算出する(ステップS10)。本例では、一例として、現ルーチン処理R(0)におけるモータ駆動電流値Id(0)と、現ルーチン処理R(0)よりも1回前のルーチン処理R(−1)におけるモータ駆動電流値Id(−1)と、現ルーチン処理R(0)よりも2回前のルーチン処理R(−2)におけるモータ駆動電流値Id(−2)の平均値を移動平均値Ia(0)とする。
ところで、現ルーチン処理R(0)が第一回目の処理の場合には、現ルーチン処理R(0)よりも1回前のルーチン処理が存在しないので、この場合には、現ルーチン処理R(0)におけるモータ駆動電流値Id(0)をそのまま移動平均値Id(0)として適用する。また、現ルーチン処理R(0)が第二回目の処理の場合には、現ルーチン処理R(0)よりも2回前のルーチン処理が存在しないので、この場合には、現ルーチン処理R(0)におけるモータ駆動電流値Id(0)と現ルーチン処理R(0)よりも1回前のルーチン処理R(−1)におけるモータ駆動電流値Id(−1)との平均値を移動平均値Ia(0)として適用する。
一方、現ルーチン処理R(0)が第二回目以降の処理である場合には、現ルーチン処理R(0)よりも2回前に処理されたルーチン処理R(−2)における電流信号データがRAM31cに記憶されているので、この場合には、上述のように、現ルーチン処理R(0)におけるモータ駆動電流値Id(0)と、現ルーチン処理R(0)よりも1回前のルーチン処理R(−1)におけるモータ駆動電流値Id(−1)と、現ルーチン処理R(0)よりも2回前のルーチン処理R(−2)におけるモータ駆動電流値Id(−2)の平均値を移動平均値Ia(0)とする。
このとき、現ルーチン処理R(0)よりも1回前のルーチン処理R(−1)におけるモータ駆動電流値Id(−1)が正常な値である場合には、該モータ駆動電流値Id(−1)をそのまま移動平均値Ia(0)の算出に適用する。一方、現ルーチン処理R(0)よりも1回前のルーチン処理R(−1)におけるモータ駆動電流値Id(−1)が異常な値である場合には、上記式2より求まる擬似的なモータ駆動電流値Id’(−1)を移動平均値Ia(0)の算出に適用する。このように、現ルーチン処理R(0)よりも1回前のルーチン処理R(−1)におけるモータ駆動電流値Id(−1)が異常な値である場合には、擬似的なモータ駆動電流値Id’(−1)が移動平均値Ia(0)の算出に適用されるので、ノイズや外乱等によりモータ駆動電流値Id(x)が乱れた場合でも、挟み込み検出の精度が低下することを防止することが可能である。
なお、上記実施形態では、現ルーチン処理R(0)よりも1回前のルーチン処理R(−1)におけるモータ駆動電流値Id(−1)が異常な値である場合には、上記式2より求まる擬似的なモータ駆動電流値Id’(−1)を移動平均値Ia(0)の算出に適用していたが、本発明はこれに限定されるものではない。その他にも、現ルーチン処理R(0)よりも1回前のルーチン処理R(−1)におけるモータ駆動電流値Id(−1)が異常な値である場合には、このモータ駆動電流値Id(−1)を除外し、モータ駆動電流値I(0)とモータ駆動電流値I(−2)とに基づいて移動平均値Ia(0)を算出しても良い。また、移動平均値Ia(0)は、モータ駆動電流値Id(0)、モータ駆動電流値Id(−1)、モータ駆動電流値Id(−2)に基づいて算出されるものに限らず、任意に選択した複数のモータ駆動電流値に基づいて算出することが可能であることは勿論である。
そして、CPU31bは、上記要領にて挟み込み判定に用いるモータ駆動電流値Id(x)の平均化処理を行った後、挟み込み判定の基準となる電流閾値Is(x)を抽出する電流閾値抽出処理を行う(ステップS11〜ステップS12)。回転検出器22は、モータ11の回転に伴って、モータ11の回転速度に応じたパルス状の回転信号を2相出力する。回転検出器22から出力された2相回転信号は、入力回路31eにて回転信号データに変換され、この回転信号データはCPU31bへ出力される(ステップS11)。CPU31bは、入力回路31eから出力された回転信号データに基づき、モータ11の回転角度および回転方向を検知し、モータ回転角度に対応する電流閾値Is(x)をROM31aより抽出する(ステップS12)。
続いて、CPU31bは、ステップS7〜ステップS10において算出された移動平均値Ia(x)と、ステップS11〜ステップS12において抽出された電流閾値Is(x)とに基づいて可動フロア65における異物の挟み込み判定を行う(ステップS13)。すなわち、図7に示すように、ステップS7〜ステップS10において算出された移動平均値Ia(x)が、ステップS11〜ステップS12において抽出された電流閾値Is(x)以上であるか否か判断する。そして、移動平均値Ia(x)が電流閾値Is(x)よりも小さいと判断した場合(ステップS13:NO)には、後述するステップS15の処理に移行する。
一方、移動平均値Ia(x)が電流閾値Is(x)以上であると判断した場合(ステップS13:YES)には、モータ11を所定距離だけ反転動作させる挟み込み防止処理を行う(ステップS14)。CPU31bは、移動平均値Ia(x)が電流閾値Is(x)以上であると判断した場合には、可動フロア65における異物の挟み込みを即座に解除すべく、モータ11を反転動作させるためのモータ制御信号を出力回路31fに出力する。出力回路31fは、CPU31bから出力されたモータ制御信号に基づいて所定のPWM信号及び回転方向指令信号を生成し、これを電源供給回路42に出力する。
電源供給回路42は、出力回路31fから出力されたPWM信号および回転方向指示信号に基づいてバッテリ41から供給された電圧を所定の電圧に変換し、これをモータ11に供給する。これにより、モータ11が反転動作し、可動フロア65が反対方向へ移動する(例えば、格納状態から展開状態に移行していた場合には、格納方向へ移動する)。このように、可動フロア65を反対方向へ移動させることにより、可動フロア65における異物の挟み込みを防止することが可能となる。
なお、上記実施形態では、移動平均値Ia(x)が電流閾値Is(x)以上であると判断した場合に、可動フロア65を所定距離だけ反転動作させていたが、本発明はこれに限定されるものではない。その他にも、可動フロア65を素早く停止させても良い。また、挟み込み時の急激なモータ駆動電流の増加に制限をかけ、挟み込み後の駆動力を軽減するようにしても良い。
続いて、上述のように、挟み込み判定処理における判定結果に基づいてモータ11を反転動作させる挟み込み防止処理を行った後、電源電圧を監視してPWM信号のデューティ比を調節するモータ駆動電圧調節処理を行う(ステップS15〜ステップS17)。一般に、モータ11のトルクと回転速度は、モータ11に供給されるモータ駆動電圧に比例する。従って、挟みこみ時における挟み込み荷重を低く設定する為に、電流閾値Is(x)を実際のモータ駆動電流値Id(x)に近づけて設定すると、電源電圧の変動により誤判定が生じる虞がある。そこで、本例では、電源電圧を監視し、モータ11に供給されるモータ駆動電圧が一定となるように、モータ駆動電流におけるPWMデューティ比を調節する。
バッテリ41から出力された電源電圧は、マイコン31のA/D変換回路31dに電源電圧信号として入力され、A/D変換回路31dは、バッテリ41から出力された電源電圧信号を電源電圧信号データ(デジタル信号)に変換し、この電源電圧信号データをCPU31bに出力する。CPU31bは、A/D変換回路31dから出力された電源電圧信号データを入力し(ステップS15)、該電源電圧信号に基づいてバッテリ41の現在の出力電圧値を算出する。そして、電源電圧信号に基づいて算出したバッテリ41の出力電圧値に基づいて最適なPWMデューティ比を設定し(ステップS16)、このPWMデューティ比を有するモータ駆動電流をモータ11に出力させる(ステップS17)。
例えば、電源電圧が12Vで、モータ11に供給するモータ駆動電圧を定格の8Vにする場合には、PWMデューティ比を67%に設定する。また、電源電圧が何らかの原因により低下してモータ駆動電圧を下回った場合には、デューティ比を100%に設定し、電源電圧をそのままモータ11に供給するようにする。このように、モータ11に供給するモータ駆動電圧を一定に保つようにすることにより、モータ11を安定して動作させることが可能となる。これにより、実際には可動フロア65において挟み込みが発生していないにもかかわらず、挟み込みが発生したものと誤検出されてしまうことを防止することが可能となる。
また、従来では、電源電圧の変動分を考慮した余裕のある閾値を設定する必要があったが、本例では、モータ11に供給されるモータ駆動電圧を一定に保ることができる。従って、モータ11を安定して動作させることが可能であるので、電流閾値Is(x)をモータ駆動電流値Id(x)により近づけて設定することが可能となる。これにより、可動フロア65における異物の挟み込み検出の感度をより高めることが可能となると共に、挟み込み時における挟み込み力も軽減することが可能となる。
そして、CPU31bは、上述のようにしてモータ駆動電圧調節処理を行った後、ルーチン処理の回数をカウントするカウント値のカウントアップを行い、このカウント値をRAM31cに記憶させる(ステップS18)。続いて、ステップS3の処理に戻り、以後、ステップS3〜ステップS18の処理を繰り返し行う。なお、上記実施形態では、可動フロア65が格納状態から展開状態に移行する場合について説明したが、可動フロア65が展開状態から格納状態に移行する場合についても同様な動作処理を行うものである。従って、可動フロア65が展開状態から格納状態に移行する場合についての詳細な説明を省略する。
上記したように、本実施形態によれば、以下の効果を奏する。
(イ)本実施形態によれば、可動フロア65に作用する負荷等に合わせて予め基準閾値Ik(n)が設けられているので、例えば、可動フロア65の可動範囲において可動フロア65に作用する負荷等にばらつきが生じる場合でも、可動フロア65における異物の挟み込み検出を高精度に行うことが可能となる。
(ロ)本実施形態によれば、隣接する基準閾値Ik(n),Ik(n+1)間を直線又は近似曲線からなる補助基準線Lで連結し、この補助基準線L上に複数の補助閾値Ih(m),Ih(m+1),Ih(m+2)・・・を設定しているので、可動フロア65の可動範囲に対してより緻密な閾値を設定することが可能である。これにより、従来に比して、可動フロア65における異物の挟み込み検出をより高精度に行うことが可能となる。
(ハ)本実施形態によれば、実測定値もしくは理論値に基づいて基準閾値Ik(n)だけ設定しておけば、残る補助閾値Ih(m),Ih(m+1),Ih(m+2)・・・については、隣接する基準閾値Ik(n),Ik(n+1)間に設けられた補助基準線Lに基づいて設定することができる。従って、電流閾値Is(x)の設定作業を簡素化することが可能となる。
(ニ)本実施形態によれば、モータ11に供給するモータ駆動電圧を一定に保つことができるので、モータ11を安定して動作させることが可能となる。これにより、実際には可動フロア65において挟み込みが発生していないにもかかわらず、挟み込みが発生したものと誤検出されてしまうことを防止することが可能となる。
(ホ)本実施形態によれば、モータ11に供給されるモータ駆動電圧を一定に保つことにより、モータ11を安定して動作させることが可能であるので、電流閾値Is(x)をモータ駆動電流値Id(x)により近づけて設定することが可能となる。従って、従来のように、電源電圧の変動分を考慮した余裕のある閾値を設定すること必要が無いので、可動フロア65における異物の挟み込み検出の感度をより高めることが可能となると共に、挟み込み時における挟み込み力も軽減することが可能となる。
(ヘ)本実施形態によれば、モータ11を一方向へ駆動させる場合とモータ11を他方向へ駆動させる場合とで、電流閾値Is(x)を異ならせて設定しているので、モータ11を一方向へ駆動させる場合とモータ11を他方向へ駆動させる場合とでモータ11に作用する負荷等が異なる場合でも、モータ11の回転方向に応じた適切な挟み込み検出を行うことが可能となる。
(ト)本実施形態によれば、現ルーチン処理R(0)よりも1回前のルーチン処理R(−1)におけるモータ駆動電流値Id(−1)が異常な値である場合には、擬似的なモータ駆動電流値Id’(−1)が移動平均値Ia(0)の算出に適用されるので、ノイズや外乱等によりモータ駆動電流値Id(x)が乱れた場合でも、挟み込み検出の精度が低下することを防止することが可能である。
なお、本発明の実施の形態は、以下のように改変することができる。
(a)上記実施形態では、電流検出器21より出力されたモータ駆動電流信号に基づいて異物の挟み込み判定を行っていたが、本発明はこれに限定されるものではない。その他にも、回転検出器22より出力された回転速度信号に基づいてモータ11の回転速度を算出すると共に、回転速度が閾速度を超えた場合に、可動フロア65において異物の挟み込みが発生したものと判定しても良い。また、上記要領にて回転速度の移動平均値を求めても良い。さらに、回転速度に基づいて挟み込み検出する際に、モータ11の回転速度の変化量(例えば、差分値)が閾値を超えたときに挟み込みが発生したものと判定するいわゆる微分判定を適用しても良い。
(b)上記実施形態では、モータ駆動電流を検出した後にモータ回転速度を検出し、このモータ回転速度に対応する電流閾値を抽出するようにしていたが、本発明はこれに限定されるものではない。その他にも、モータ回転速度を検出した後に、モータ駆動電流を検出し、当該モータ駆動電流を検出した時点におけるモータ回転速度に対応する電流閾値を抽出するようにしても良い。
(c)上記実施形態では、移動平均値Iaを算出し、この移動平均値Iaが基準閾値Ik又は補助閾値Ihを超えた場合に、挟み込みが発生したものと判定していたが、本発明はこれに限定されるものではない。その他にも、電流検出器21によって検出されたモータ駆動電流値Id(x)が基準閾値Ik又は補助閾値Ihを超えた場合に、挟み込みが発生したものと判定しても良い。
上記各実施形態から把握できる請求項以外の技術的思想を以下に記載する。
(1)前記モータに流れるモータ駆動電流又は前記モータの回転速度の少なくとも一方が前記基準閾値又は補助閾値を超えた場合に、前記可動体において異物の挟み込みが発生したものと判定することを特徴とする請求項3に記載の挟み込み検出方法。
(2)前記制御手段は、前記電流検出器によって検出された前記モータのモータ駆動電流又は前記回転検出器によって検出された前記モータの回転速度の少なくとも一方が前記基準閾値又は補助閾値を超えた場合に、前記可動体において異物の挟み込みが発生したものと判定することを特徴とする請求項11に記載の車両用可動体駆動装置。
(3)前記可動体において異物の挟み込みが発生したものと判定した場合に、前記モータを停止又は反転動作させることを特徴とする請求項4に記載の挟み込み検出方法。
(4)前記制御手段は、前記可動体において異物の挟み込みが発生したものと判定した場合に、前記モータを停止又は反転動作させることを特徴とする請求項12に記載の車両用可動体駆動装置。
本実施形態に係る車両用可動体駆動装置の構成を示すブロック図である。 本実施形態に係る車両において可動フロアが展開された状態を示す説明図である。 図2に示す可動フロアが格納された状態を示す説明図である。 本実施形態に係るROMに記憶された電流閾値とモータ回転角度との関係を示すグラフである。 本実施形態に係るCPUの動作を示すフローチャートである。 本実施形態に係るCPUにおいてモータ駆動電流が平均化処理される様子を示す説明図である。 本実施形態に係るモータ駆動電流と電流閾値との関係を示す説明図である。
符号の説明
11 モータ、21 電流検出器、22 回転検出器、31 マイクロコンピュータ(マイコン)、31a ROM、31b CPU、31c RAM、31e 入力回路、31f 出力回路、31d A/D変換回路、41 バッテリ、42 電源供給回路、60 車両、61 ドア、62 乗降口、63 車両フロア、64 ステップ、65 可動フロア、Ia 移動平均値、Id モータ駆動電流値、Ih 補助閾値、Ik 基準閾値、Is 電流閾値、L 補助基準線、S 車両用可動体駆動装置

Claims (16)

  1. 車両に対して可動する可動体の駆動状況を検出し、当該駆動状況に基づいて前記可動体における異物の挟み込みを検出する挟み込み検出方法において、
    前記可動体の可動範囲内における複数の可動位置のそれぞれに対して基準閾値を設定すると共に、隣接する基準閾値間を直線又は近似曲線で結んだ補助基準線上に補助閾値を設定する閾値設定ステップと、
    電源供給基の供給電源が変動した場合でも、前記可動体を駆動するモータに供給する駆動電源を一定に調節する電源調節ステップと、を備えたことを特徴とする挟み込み検出方法。
  2. 前記モータを一方向へ駆動する場合と前記モータを他方向へ駆動する場合とで異なる基準閾値及び補助閾値を設定することを特徴とする請求項1に記載の挟み込み検出方法。
  3. 前記モータに流れるモータ駆動電流又は前記モータの回転速度の少なくとも一方と前記基準閾値又は前記補助閾値とに基づいて、前記可動体における異物の挟み込みの検出を行うことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の挟み込み検出方法。
  4. 前記モータのモータ駆動電流又は前記モータの回転速度の少なくとも一方を順次取得すると共に、当該取得した複数のモータ駆動電流又は回転速度を平均化して移動平均値を算出し、当該移動平均値が前記基準閾値又は前記補助閾値を超えた場合に、前記可動体において異物の挟み込みが発生したものと判定することを特徴とする請求項3に記載の挟み込み検出方法。
  5. 順次取得した複数のモータ駆動電流又は回転速度の中から基準となる基準駆動状況値を設定し、順次取得した複数のモータ駆動電流又は回転速度の中に前記基準駆動状況値よりも所定値以上差を有する異常駆動状況値が存在する場合には、当該異常駆動状況値の代わりに該異常駆動状況値の前後に取得したモータ駆動電流又は回転速度の平均値を算出し、順次取得した複数のモータ駆動電流又は回転速度のうち前記異常駆動状況値を除いた残りのモータ駆動電流又は回転速度と前記平均値とを用いて前記移動平均値を算出することを特徴とする請求項4に記載の挟み込み検出方法。
  6. 順次取得した複数のモータ駆動電流又は回転速度の中から基準となる基準駆動状況値を設定し、順次取得した複数のモータ駆動電流又は回転速度の中に前記基準駆動状況値よりも所定値以上差を有する異常駆動状況値が存在する場合には、当該異常駆動状況値を除いた残りのモータ駆動電流又は回転速度を用いて前記移動平均値を算出することを特徴とする請求項4に記載の挟み込み検出方法。
  7. 前記電源供給基の供給電源が変動することによって該供給電源が前記モータにおける定格を超えた場合には、前記モータに供給する駆動電源を前記モータの定格となるように調節することを特徴とする請求項1に記載の挟み込み検出方法。
  8. 前記電源供給基の供給電源が変動することによって該供給電源が前記モータにおける定格を下回った場合には、前記モータに供給する駆動電源を前記電源供給基の供給電源の変動範囲における最高値となるように調節することを特徴とする請求項1又は請求項7に記載の挟み込み検出方法。
  9. 車両に対して可動する可動体を駆動する駆動手段と、
    該駆動手段の駆動状況を検出する駆動状況検出手段と、
    前記駆動手段を制御する制御手段と、
    前記駆動手段に電源を供給する電源供給手段と、を備え、前記駆動状況検出手段により検出された駆動状況に基づいて前記可動体における異物の挟み込みを検出する車両用可動体駆動装置において、
    前記制御手段は、前記可動体の可動範囲内における複数の可動位置のそれぞれに対して基準閾値を設定すると共に、隣接する基準閾値間を直線又は近似曲線で結んだ補助基準線上に補助閾値を設定し、前記電源供給手段から供給される供給電源が変動した場合でも、前記駆動手段に供給される駆動電源を一定に調節することを特徴とする車両用可動体駆動装置。
  10. 前記制御手段は、前記駆動手段を一方向へ駆動させる場合と前記駆動手段を他方向へ駆動させる場合とで異なる基準閾値及び補助閾値を設定することを特徴とする請求項9に記載の車両用可動体駆動装置。
  11. 前記駆動手段は、モータを有して構成され、
    前記駆動状況検出手段は、前記モータに流れるモータ駆動電流を検出する電流検出器又は前記モータの回転速度を検出する回転検出器により構成され、
    前記制御手段は、前記電流検出器によって検出された前記モータのモータ駆動電流又は前記回転検出器によって検出された前記モータの回転速度の少なくとも一方と前記基準閾値又は前記補助閾値とに基づいて、前記可動体における異物の挟み込みの検出を行うことを特徴とする請求項9又は請求項10に記載の車両用可動体駆動装置。
  12. 前記制御手段は、前記電流検出器によって検出された前記モータのモータ駆動電流又は前記回転検出器によって検出された前記モータの回転速度の少なくとも一方を順次取得すると共に、当該取得した複数のモータ駆動電流又は回転速度を平均化して移動平均値を算出し、当該移動平均値が前記基準閾値又は前記補助閾値を超えた場合に、前記可動体において異物の挟み込みが発生したものと判定することを特徴とする請求項11に記載の車両用可動体駆動装置。
  13. 前記制御手段は、順次取得した複数のモータ駆動電流又は回転速度の中から基準となる基準駆動状況値を設定し、順次取得した複数のモータ駆動電流又は回転速度の中に前記基準駆動状況値よりも所定値以上差を有する異常駆動状況値が存在する場合には、当該異常駆動状況値の代わりに該異常駆動状況値の前後に取得したモータ駆動電流又は回転速度の平均値を算出し、順次取得した複数のモータ駆動電流又は回転速度のうち前記異常駆動状況値を除いた残りのモータ駆動電流又は回転速度と前記平均値とを用いて前記移動平均値を算出することを特徴とする請求項12に記載の車両用可動体駆動装置。
  14. 前記制御手段は、順次取得した複数のモータ駆動電流又は回転速度の中から基準となる基準駆動状況値を設定し、順次取得した複数のモータ駆動電流又は回転速度の中に前記基準駆動状況値よりも所定値以上差を有する異常駆動状況値が存在する場合には、当該異常駆動状況値を除いた残りのモータ駆動電流又は回転速度を用いて前記移動平均値を算出することを特徴とする請求項12に記載の車両用可動体駆動装置。
  15. 前記制御手段は、前記電源供給手段における供給電源が変動することによって該供給電源が前記駆動手段における定格を超えた場合には、前記駆動手段に供給される駆動電源を前記駆動手段の定格となるように調節することを特徴とする請求項9に記載の車両用可動体駆動装置。
  16. 前記制御手段は、前記電源供給手段における供給電源が変動することによって該供給電源が前記駆動手段における定格を下回った場合には、前記駆動手段に供給される駆動電源を前記電源供給手段の供給電源の変動範囲における最高値となるように調節することを特徴とする請求項9又は請求項15に記載の車両用可動体駆動装置。
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