JP2005330318A - 高耐衝撃性ポリ乳酸組成物 - Google Patents

高耐衝撃性ポリ乳酸組成物 Download PDF

Info

Publication number
JP2005330318A
JP2005330318A JP2004147629A JP2004147629A JP2005330318A JP 2005330318 A JP2005330318 A JP 2005330318A JP 2004147629 A JP2004147629 A JP 2004147629A JP 2004147629 A JP2004147629 A JP 2004147629A JP 2005330318 A JP2005330318 A JP 2005330318A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
polylactic acid
weight
filler
acid composition
polyester
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2004147629A
Other languages
English (en)
Inventor
Akiyuki Imamura
彰志 今村
Takashi Mihara
崇 三原
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
DIC Corp
Original Assignee
Dainippon Ink and Chemicals Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Dainippon Ink and Chemicals Co Ltd filed Critical Dainippon Ink and Chemicals Co Ltd
Priority to JP2004147629A priority Critical patent/JP2005330318A/ja
Publication of JP2005330318A publication Critical patent/JP2005330318A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
  • Biological Depolymerization Polymers (AREA)

Abstract

【課題】
本発明が解決しようとする課題は、耐衝撃性に優れるポリ乳酸組成物及びそれを用いて得られる成形物を提供することである。
【解決手段】
本発明は、ポリ乳酸(A)、ポリ乳酸構造単位(I)と、ジオールとダイマー酸を含むジカルボン酸とから誘導されるポリエステル構造単位(II)とを有するポリ乳酸共重合体(B)、及び、平均粒子径0.05〜3μmを有するフィラー(C)を3〜30重量%含有してなるポリ乳酸組成物であって、前記ポリ乳酸(A)が形成するマトリックス中に前記ポリ乳酸共重合体(B)がドメインを形成するミクロ相分離構造を有し、且つ、〔前記フィラー(C)100重量部に対する前記ドメイン中に存在する前記フィラーの重量割合−前記ポリ乳酸(A)と前記ポリ乳酸共重合体(B)との合計100重量部に対する前記ポリ乳酸共重合体(B)の重量割合〕が5〜70重量%であることを特徴とするポリ乳酸組成物に関するものである。
【選択図】 なし


Description

本発明は、耐衝撃性及び柔軟性に優れたポリ乳酸組成物に関するものである。
ポリ乳酸は、トウモロコシなどの天然原料から合成でき、優れた透明性、生分解性、成形性を有することから、環境調和型樹脂、とりわけ成形用樹脂として注目されている。しかし、ポリ乳酸は耐熱性や耐衝撃性、柔軟性が乏しい為非常に脆く、加工性にも問題があることから、工業的用途が限定されている。
かかる問題を解決する方法としては、例えば、重量平均分子量が10000以上で且つガラス転移温度が60℃以下である乳酸系ポリエステルからなる耐衝撃性付与剤をポリ乳酸に混合する方法が挙げられ、かかる方法によればポリ乳酸に耐衝撃性及び柔軟性等を付与できることが報告されている(例えば、特許文献1参照。)。
一方、ポリ乳酸、層状珪酸塩及び乳酸系ポリエステルを含有してなる乳酸系ポリマー組成物が耐熱性及び耐衝撃強度に優れることが報告されている(例えば、特許文献2参照。)。
産業界からはこれまで以上に優れた耐衝撃性を有するポリ乳酸組成物の開発が要求されており、特に、自動車外装部品として使用できる程度の耐衝撃性を有するポリ乳酸組成物を開発できれば、ポリ乳酸の工業的用途を更に拡大させることができる。しかし、前記特許文献1及び2に記載のポリ乳酸組成物は、いずれも自動車外装部品として適用するには耐衝撃性の点で未だ十分と言えるものではない。
特開2001−335623号公報(請求項1、請求項7) 特開2002−363393号公報(請求項1)
本発明が解決しようとする課題は、耐衝撃性に優れるポリ乳酸組成物及びそれを用いて得られる成形物を提供することである。
本発明者らはポリ乳酸からなるマトリックス中に耐衝撃性を付与できるポリ乳酸共重合体がドメインを形成したミクロ相分離構造を有するポリ乳酸組成物に各種フィラーを混合させることで耐衝撃性に優れたポリ乳酸組成物を得ることができると考え、鋭意検討を行った。
しかし、従来より一般的に使用されている平均粒子径10μm程度を有するフィラーを使用しても、自動車外装部品として使用できる程度の耐衝撃性を有するポリ乳酸組成物を得ることはできなかった。
そこで、従来より平均粒子径の小さいフィラーを使用することでフィラーとポリ乳酸との親和性を向上させたところ、飛躍的に耐衝撃性を向上させることができたが、自動車外装部品として使用できる程度の耐衝撃性を有するポリ乳酸組成物を得ることはできなかった。
そこで、前記フィラーをポリ乳酸組成物中に均一に分散させるのではなく、ポリ乳酸共重合体が形成するドメイン中に特定量分散させたところ、自動車外装部品として使用できる程優れた耐衝撃性を有するポリ乳酸組成物を得ることができた。
即ち本発明は、ポリ乳酸(A)、ポリ乳酸構造単位(I)とジオールとダイマー酸を含むジカルボン酸とから誘導されるポリエステル構造単位(II)とを有するポリ乳酸共重合体(B)、及び平均粒子径0.05〜3μmを有するフィラー(C)を3〜30重量%含有してなるポリ乳酸樹脂組成物であって、前記ポリ乳酸(A)が形成するマトリックス中に前記ポリ乳酸共重合体(B)がドメインを形成するミクロ相分離構造を有し、且つ、〔前記フィラー(C)100重量部に対する前記ドメイン中に存在する前記フィラーの重量割合−前記ポリ乳酸(A)と前記ポリ乳酸共重合体(B)との合計100重量部に対する前記ポリ乳酸共重合体(B)の重量割合〕が5〜70重量%であることを特徴とするポリ乳酸樹脂組成物に関するものである。
また、本発明は、更にポリエステル可塑剤を添加して得られるポリ乳酸組成物に関するものであり、これにより大幅な引張伸びの向上も発現することも見出した。
また、本発明は前記ポリ乳酸組成物用いて得られる成形物に関するものである。
本発明のポリ乳酸組成物は、耐衝撃性に優れ、且つブリードアウトを起こしにくく、優れた柔軟性を有するものであり、自動車外装部品、家電の筐体等として使用できるものである。
本発明は、ポリ乳酸(A)、ポリ乳酸構造単位(I)とジオールとダイマー酸を含むジカルボン酸とから誘導されるポリエステル構造単位(II)とを有するポリ乳酸共重合体(B)、及び平均粒子径0.05〜3μmを有するフィラー(C)を3〜30重量%含有してなるポリ乳酸樹脂組成物であって、前記ポリ乳酸(A)が形成するマトリックス中に前記ポリ乳酸共重合体(B)がドメインを形成するミクロ相分離構造を有し、且つ、〔前記フィラー(C)100重量部に対する前記ドメイン中に存在する前記フィラーの重量割合−前記ポリ乳酸(A)と前記ポリ乳酸共重合体(B)との合計100重量部に対する前記ポリ乳酸共重合体(B)の重量割合〕が5〜70重量%であることを特徴とするポリ乳酸樹脂組成物である。
本発明で使用するポリ乳酸(A)とは、構造単位がL−乳酸であるポリ(L−乳酸)、構造単位がD−乳酸であるポリ(D−乳酸)、構造単位がL−乳酸及びD−乳酸であるポリ(DL−乳酸)やこれらの混合物である。ポリ乳酸(A)の重量平均分子量は、成形加工特性や機械的特性を有するために100,000〜400,000の範囲内であることが好ましい。ポリ乳酸(A)は、必要に応じて無水マレイン酸、無水ピロメリット酸、無水トリメリット酸等の酸無水物で変性してもよい。
次に本発明で用いるポリ乳酸共重合体(B)について説明する。
本発明で使用するポリ乳酸共重合体(B)とは、ポリ乳酸構造単位(I)とジオールとダイマー酸を含むジカルボン酸とから誘導されるポリエステル構造単位(II)とを有するものであり、前記ポリ乳酸(A)と混合することで、耐衝撃性に優れ柔軟性及び曲げ弾性率等の機械的強度に優れたポリ乳酸組成物を得ることができる。
前記ポリ乳酸構造単位(I)は、ラクタイド(I’)又はポリ乳酸(I”)を用いて得られるものである。
ラクタイド(I’)とは、乳酸2分子が脱水縮合で環状2量化した化合物で、立体異性体を有するものであり、L−乳酸2分子からなるL−ラクタイド、D−乳酸2分子からなるD−ラクタイド、及びD−乳酸及びL−乳酸からなるmeso−ラクタイドが挙げられる。特にL−ラクタイド又はD−ラクタイドのみを含む共重合体は高融点を有するものであり、用途に応じてこれら3種類のラクタイドを種々の割合で組み合わせることにより好ましい樹脂特性を発現させることができる。
ポリ乳酸構造単位(I)中のL−ラクタイドとD−ラクタイドの構成割合と、前記ポリ乳酸(A)中のL−乳酸とD−乳酸の構成割合とが極端に異なる場合、例えばポリ乳酸構造単位(I)がD−ラクタイド由来で、前記ポリ乳酸(A)がポリ(L−乳酸)である場合、高融点で、耐熱性及び曲げ弾性率等機械的物性に優れるポリ乳酸組成物を得られることから好ましい。
ポリ乳酸(I”)とは、構造単位がL−乳酸であるポリ(L−乳酸)、構造単位がD−乳酸であるポリ(D−乳酸)、構造単位がL−乳酸及びD−乳酸であるポリ(DL−乳酸)やこれらの混合物をいう。ポリ乳酸構造単位(I)中のD−乳酸とL−乳酸の構成割合と、前記ポリ乳酸(A)のL−乳酸とD−乳酸の構成割合とが極端に異なる場合、例えばポリ乳酸構造単位(I)がポリ(D−乳酸)由来で、前記ポリ乳酸(A)がポリ(L−乳酸)である場合、本発明のポリ乳酸組成物がステレオコンプレックスを形成するため、高融点で、耐熱性、機械的物性等に優れるので好ましい。
前記ポリ乳酸構造単位(I)としては、重量平均分子量5万〜40万を有するものが好ましく、10万〜25万を有するものがより好ましい。かかる範囲の重量平均分子量を有するポリ乳酸構造単位(I)を有するポリ乳酸共重合体(B)を用いることで、機械物性や耐熱性等に優れ、成形加工性に優れたポリ乳酸組成物を得ることができる。
前記ポリ乳酸構造単位(I)は、その分子量増大を目的として少量の鎖伸長剤を使用することができ、かかる鎖伸長剤としては、例えば、ヘキサメチレンジイソシアネート、トルエンジイソシアネートなどのジイソシアネート化合物、エポキシ化合物などを使用することができる。
前記ポリ乳酸構造単位(I)は、ポリ乳酸共重合体(B)と後述するフィラー(C)との親和性を向上させることを目的として、無水マレイン酸、無水ピロメリット酸、無水トリメリット酸等の酸無水物で変性したものであっても良い。酸無水物による変性割合としては、前記ポリ乳酸構造単位(I)に対して0.01〜10重量%であることが好ましく、0.05〜5重量%であることがより好ましく、0.1〜3重量%であることが特に好ましい。かかる範囲だけ変性することにより、後述するフィラー(C)と親和性を有するカルボキシル基を前記ポリ乳酸共重合体(B)に付与することができ、これにより、後述するフィラー(C)を前記ポリ乳酸共重合体(B)が形成するドメイン中に分散させることができる。変性方法としては、種々の方法が挙げられるが、通常、押出機によるリアクティブプロセシングを用いる方法が挙げられる。
ポリエステル構造単位(II)とは、ダイマー酸を必須とするジカルボン酸とジオールとを反応させて得られるポリエステル(II’)からなるものである。
ポリエステル(II’)は、ダイマー酸を必須とするジカルボン酸とジオールとを反応させて得られるものである。かかるジオールとしては、炭素数2〜40のものを使用することができ、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、1.3−プロパンジオール、2−メチル1,3−プロパンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、3−メチル1,5−プロパンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、ネオペンチルグリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ダイマージオール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリエチレングリコールとポリプロピレングリコールのブロック共重合体、ポリテトラメチレングリコール等が挙げられ、これらを単独又は2種以上併用して使用できる。
前記ジオールとしては、使用するジオールの30重量%以上がプロピレングリコール、ネオペンチルグリコールように側鎖を有するジオールであることが好ましく、50重量%以上がより好ましく、70重量%以上が更に好ましい。側鎖を有するジオールをかかる範囲使用することで、ポリ乳酸共重合体(B)のガラス転移温度が−10℃以下となりやすく、ゴム弾性に優れたものとなるため、耐衝撃性に優れたポリ乳酸組成物を得ることができる。
ジカルボン酸としては、ダイマー酸を使用する必要がある。ダイマー酸を少量でも使用すれば、優れた耐衝撃性を付与できるポリ乳酸共重合体(B)を得ることができる。
前記ダイマー酸には、その他の炭素数2〜42を有するジカルボン酸を併用してもよく、例えばコハク酸、アジピン酸、スベリン酸、セバシン酸、アゼライン酸、デカン二酸、ドデカン二酸、ダイマー酸、テレフタル酸及びイソフタル酸等の単独又は2種以上を併用してもよい。
分岐鎖を有し且つ高分子量の前記ポリエステル構造単位(II)とするために、前記ポリエステル(II’)をグリセリン、ペンタエリスリトール、トリメリット酸等の3価以上の多価オール或いはカルボン酸、無水ピロメリット酸等の酸無水物やヘキサメチレンジイソシアネート等のイソシアネートを、本発明の効果を達成する範囲内で少量併用することができる。
前記ジカルボン酸中に於けるダイマー酸の使用量は、後述するポリエステル(II’)の有するガラス転移温度及び耐衝撃性の観点から、ダイマー酸の使用量は多いほど好ましく、10重量%以上であることが好ましく、30重量%以上であることがより好ましく、50重量%以上であることが更に好ましく、70重量%以上であることが特に好ましい。
前記ジカルボン酸としては、ダイマー酸を使用する必要があるが、これにより得られるポリエステル(II’)のガラス転移温度(以下、Tgと省略。)を0℃以下にすることができ、室温であっても耐衝撃性及び柔軟性に優れたポリ乳酸組成物を製造できる。なお、本発明で言うTgとは、示差走査熱量測定装置(DSC)を用い、昇温速度10℃/分で測定したものである。
本発明のポリ乳酸組成物に、低温下においても耐衝撃性を発現させる為には、前記ポリエステル構造単位(II)を構成する前記ポリエステル(II’)のTgが−10℃以下であることが好ましく、−20℃以下であることがより好ましく、−30℃以下であることが更に好ましく、−40℃以下であることが特に好ましい。かかるTgの下限値に関しては、特に限定されるものではないが、現行のポリエステルを考慮した場合、−70℃である。
前記ポリエステル(II’)からなるポリエステル構造単位(II)を有するポリ乳酸共重合体(B)は、本発明のポリ乳酸組成物の有する結晶化温度(以下Tcと省略。)をホモポリ乳酸のTcより低下させることができ、これにより成形時の金型の温度を従来よりも低く設定することができる。また、成形時の金型の温度が従来と同程度(120℃)であっても、従来よりも結晶化速度を促進でき短時間で結晶化させることができる。
前記ポリエステル(II’)としては、重量平均分子量20000〜250000を有するものが好ましく、30000〜250000がより好ましく、50000〜250000が更に好ましい。かかる範囲の重量平均分子量を有することで、本発明のポリ乳酸組成物からポリ乳酸共重合体(B)のブリードアウトを抑制でき、優れた耐衝撃性を発現できる。
前記ポリエステル(II’)は、σ/ρ値として8.54以上9.20未満であると乳酸共重合体(B)がマトリックスを形成しやすくなり、耐衝撃性を付与する効果も強くなり好ましく、8.60以上であるとより好ましく、8.70以上が更に好ましい。
なお、本発明で言うσ/ρ値とは、Hoyの計算式(ディー.アール.ポール、シーモール ニューマン編, 「ポリマーブレンド」1巻, アカデミックプレス, 46−47頁 (1978)(D.R.Paul and Seymour Newman, POLYMER BLENDS, vol 1, ACADEMIC PRESS, p.46−47 (1978))により得られる値のことである。これはHoyの求めた置換基定数をポリマーの繰り返し単位あたりの数値として算出し、これを繰り返し単位あたりの分子量で割った値であり、σ/ρ=ΣFi/M (但し、Fiが置換基定数、Mが繰り返し単位あたりのモル分子量)で示される。表1に置換基定数の例を示した。
例として、エチレングリコールとコハク酸とを重縮合して得られる脂肪族ポリエステルについて具体的にその計算方法を説明すると、該脂肪族ポリエステルは
−(CH−CH−COO−CH−CH−COO)−で表される繰り返し単位を有することから4つの置換基−(CH)−と、2つの置換基−COOを有することとなるため、
ΣFi=(131.5×4+326.58×2)=1179.16
となる。一方、繰り返し単位あたりのモル分子量(M)は144.13であるから、σ/ρ=1179.16/144.13=8.2という値が得られる。表1右欄にいくつかの例を示した。
Figure 2005330318
EG:エチレングリコールの略、SuA:コハク酸の略、DA:ダイマー酸の略
PLA:ポリ乳酸の略である。
したがって、本発明のポリ乳酸組成物においてマトリックスとなるポリ乳酸(A)と大きく離れたσ/ρ値を有するポリ乳酸共重合体(B)ほど、ポリ乳酸(A)との相溶性が低下するため、より少量でポリ乳酸共重合体(B)がドメインを形成し、耐衝撃性を向上させることができる。
前記ポリエステル(II’)は、例えば前記ジオールとジカルボン酸とをモル比で1:1〜1.5:1の割合になるだけ使用し、窒素雰囲気下で130℃〜240℃の範囲で1時間に5〜20℃の割合で徐々に昇温させながら撹拌し反応させ、生成した水を留去する。4〜12時間反応後、エステル交換触媒及び酸化防止剤を添加して徐々に減圧度を上げながら過剰のジオールを留去し、最終的には0.5kPa以下で減圧しながら200〜250℃で4〜24時間反応し、反応終了後触媒失活剤を投入する方法で製造できる。このとき後述するフィラー(C)を添加してポリエステル(II’)を製造しても良く、これにより、フィラー(C)を前記ポリ乳酸共重合体(B)からなるドメイン中へ特定量分散させることができる。
エステル交換反応触媒としては、例えば、Sn、Ti、Zr、Zn、Ge、Ni、Co、Fe、Al、Mn、Hf等のアルコキサイド、酢酸塩、酸化物、塩化物等が挙げられる。具体的には、チタンテトラプロポキシド、チタンテトラブトキシド、チタンビスアセチルアセトナート、アルミニウムアセチルアセトナート、4塩化ジルコニウム、4塩化ジルコニウム2THF錯体、4塩化ハフニウム、4塩化ハフニウム2THF錯体などである。また、これら触媒は反応終了後除去するか、触媒失活剤で不活性化することが望ましい。
触媒失活剤としては、特にキレート化剤及び/又は酸性リン酸エステルが好ましい。キレート化剤としては、特に限定されないが、例えば、エチレンジアミン四酢酸、エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム、しゅう酸、リン酸、ピロリン酸、アリザリン、アセチルアセトン、ジエチレントリアミン五酢酸、トリエチレンテトラミン六酢酸、カテコール、4−t−ブチルカテコール、L(+)−酒石酸、DL−酒石酸、グリシン、クロモトロープ酸、ベンゾイルアセトン、クエン酸、没食子酸、ジメルカプトプロパノール、トリエタノールアミン、シクロヘキサンジアミン四酢酸、ジトルオイル酒石酸、ジベンゾイル酒石酸が挙げられる。
前記酸性リン酸エステル類は、ヒドロキシカルボン酸系ポリエステル樹脂中に含有される触媒の金属イオンと錯体を形成し、触媒活性を失わせ、ポリマー鎖の切断抑制効果を示すものであり、例えば従来公知の酸性リン酸エステル、ホスホン酸エステル、アルキルホスホン酸等及びその混合物が挙げられ、例えば2−エチルヘキサンホスフェートが挙げられる。上記した酸性リン酸エステル類は、有機溶剤との溶解性がよいため作業性に優れ、乳酸系ポリエステル樹脂との反応性に優れ、重合触媒の失活に優れた効果を示す。
前記製造方法により得られたポリエステル(II’)は、これをさらに無水ピロメリット酸等の酸無水物やヘキサメチレンジイソシアネート等のイソシアネートと反応させて高分子量化することもできる。
ポリ乳酸共重合体(B)は、例えば(1)前記ラクタイド(I’)と前記ポリエステル(II’)とを、重合触媒の存在下で反応させる方法、(2)乳酸の直接重縮合或いはラクタイドの開環重合により得られたポリ乳酸(I”)と、前記ポリエステル(II’)とを溶融混合後、エステル化或いはエステル交換触媒の存在下、減圧で脱水、重縮合する方法、(3)前記ポリ乳酸(I”)と前記ポリエステル(II’)とを高沸点溶媒の存在下、エステル交換触媒を加え、減圧で共沸脱水重縮合即ち直接重縮合反応させる方法などが挙げられる。このとき後述するフィラー(C)の存在下でポリエステル(II’)を製造することが好ましく、これにより、フィラー(C)を前記ポリ乳酸共重合体(B)が形成するドメイン中へ特定量分散させることができる。
(1)ラクタイド(I’)とポリエステル(II’)とを共重合させる方法は、ラクタイド(I’)とポリエステル(II’)とを100℃〜220℃で混合することで液体のラクタイド(I’)にポリエステル(II’)を溶解し、次いで、窒素、アルゴン等の不活性ガス雰囲気下、140〜220℃で重合触媒(例えば、オクタン酸錫)をラクタイド(I’)とポリエステル(II’)との合計量に対して50〜1000ppmを添加し重合させることでポリ乳酸共重合体(B)を製造する方法である。このとき、必要に応じて前記ラクタイド(I’)とポリエステル(II’)との合計重量に対して1〜30重量部のトルエン等の非反応性の溶剤を用いてもよい。
重合触媒は、前記ポリエステル(II’)を製造する際に使用できるものと同様のものを使用できる。反応温度はラクタイド(I’)の着色及び分解を防ぐという点で220℃以下であることが好ましく、200℃以下がより好ましく、190℃以下が更に好ましい。反応系内に水分が存在することは好ましくない為、前記ポリエステル(II’)は十分に乾燥させておくことが好ましい。
(2)ポリ乳酸(I”)とポリエステル(II’)とを共重合させる方法は、ポリ乳酸(I”)とポリエステル(II’)とを溶融混合後、触媒存在下、減圧重縮合反応を行うことでポリ乳酸共重合体(B)を製造する方法である。ポリエステル(II’)は、前記ポリ乳酸(I”)と溶融混合する前にポリエステル(II’)を製造する際に使用した触媒を除去又は触媒失活剤で不活性させておくことが好ましい。これによりポリエステル(II’)中の残存活性触媒がポリ乳酸のエステル交換触媒として作用することでポリ乳酸分子鎖を過剰に切断し、ポリ乳酸(I’)の分子量を大きく低下させ、重縮合反応終了後に得られるポリ乳酸共重合体(B)の分子量を必要以上に低下させることを抑制できる。重合温度は、170〜220℃が好ましく、180〜210℃がより好ましい。減圧度は高真空であるほど重合が速く進行するので好ましく、2kPa以下が好ましく、1kPa以下がより好ましく、0.5kPa以下が更に好ましく、0.1kPa以下が特に好ましい。
前記重合触媒としては、前記ポリエステル(II’)を製造する際に使用できるものとして記載したものと同様のものを使用できる。なかでも、テトライソプロピルチタネート、テトラブトキシチタン、チタンオキシアセチルアセトナート、鉄(III)アセチルアセトナート、アルミニウムアセチルアセトナート、4塩化ジルコニウム、4塩化ジルコニウム・2THF錯体、塩化ハフニウム、4塩化ハフニウム・2THF錯体は、反応が早くなり好ましく、アルミニウムアセチルアセトナート、4塩化ジルコニウム、4塩化ジルコニウム・2THF錯体、塩化ハフニウム、4塩化ハフニウム・2THF錯体は得られるポリマーの着色が少ないのでより好ましい。前記重合触媒の使用量はポリ乳酸(I’)とポリエステル(II’)の合計量の50〜500ppmが好ましい。
(3)ポリ乳酸(I”)とポリエステル(II’)と高沸点溶媒との共存下、エステル交換触媒を加え、減圧で共沸脱水重縮合即ち直接重縮合反応させる方法について説明する。この方法は、キシレン、アニソール、ジフェニルエーテル等の高沸点溶媒を使用し、共沸脱水することでポリ乳酸共重合体(B)を製造する方法である。共沸した溶媒はモレキュラーシーブ等が充填された乾燥塔にて脱水乾燥し、再度反応系に戻すことができる。それ以外は(2)と同様な条件で行うことができる。しかし、(2)に比べ、最終的には溶媒を除去する必要があるため、製造方法としては(1)か(2)が好ましい。
前記ポリ乳酸共重合体(B)は重合終了後、溶媒により重合触媒を抽出除去するか、又は前述した触媒失活剤により重合触媒を失活させることにより、その保存安定性を更に向上させることができる。
かくして得られるポリ乳酸共重合体(B)は、ブロック共重合体であることが重要である。これがランダム共重合体である場合、前記ポリ乳酸(A)との相溶成分であるラクタイド(I’)又はポリ乳酸(I”)由来のポリ乳酸構造単位(I)が存在しないため、ポリ乳酸共重合体(B)とポリ乳酸(A)との界面の密着性を良好できず、ブリードアウトを起こし、更には耐衝撃性の向上にもマイナスに作用する。一方で、前記ポリエステル(II’)由来のポリエステルブロックも存在しないため耐衝撃性を十分付与することが出来ない。
前記ポリ乳酸共重合体(B)は、重量平均分子量20000〜250000を有するものが好ましく、30000〜250000の範囲であることがより好ましく、50000〜200000の範囲であることが更に好ましい。かかる範囲に調整することで、優れた耐衝撃性をポリ乳酸(A)に付与でき、ポリ乳酸(A)への分散性にも優れたポリ乳酸共重合体(B)を得ることができる。
前記ポリ乳酸共重合体(B)中に於けるポリ乳酸構造単位(I)の平均鎖長は、長いほど好ましいが、その製造方法から考えると実質は、乳酸の水酸基のHとカルボキシル基のOHを除いた乳酸残基を1ユニットとする場合、好ましくは5〜3000ユニットであり、より好ましくは10〜2000ユニットであり、更に好ましくは50〜1000ユニットであり、より更に好ましくは100〜1000ユニットである。かかる範囲になるよう製造することで、ポリ乳酸構造単位(I)が前記ポリ乳酸(A)とより相溶しやすくなり、ポリ乳酸共重合体(B)とポリ乳酸(A)との界面の密着性を良好にして界面剥離を抑制し、更にはブリードアウトも防ぐことが可能となり、さらに適度な粘度に維持できることから、乳酸共重合体(B)をポリ乳酸(A)中に均一分散させることができる。なお、前記したユニットを数平均分子量に換算する為には、乳酸残基1ユニットの分子量(72)×ユニット数となり、例えば10ユニットは数平均分子量で720となる。
前記ポリ乳酸共重合体(B)中に於ける前記ポリ乳酸構造単位(I)と前記ポリエステル構造単位(II)の重量割合は、ポリ乳酸共重合体(B)に耐衝撃性をどの程度付与したいかにより異なるが、少なくともポリ乳酸構造単位(I):ポリエステル構造単位(II)=10:90〜90:10の範囲内で共重合することが好ましく、25:75〜70:30であることがより好ましく、30:70〜60:40であることが更に好ましく、40:60〜60:40であることが特に好ましい。より優れた耐衝撃性を付与したい場合は、前記ポリエステル構造単位(II)の割合を増加させることが好ましい。
次に、本発明で使用するフィラー(C)について説明する。
フィラー(C)は、ポリ乳酸組成物の耐衝撃性、曲げ弾性率等の機械的強度を向上させる事を目的として使用するものであるが、従来より知られているフィラーよりも小さい特定の平均粒子径を有するものを前記ポリ乳酸共重合体(B)が形成するドメイン中へ特定量分散させる必要がある。
ポリ乳酸は通常結晶化が非常に遅いものであり、70〜130℃に加熱した金型で成形しても、十分に結晶化するまでに長時間を要す。金型の温度を室温以下に冷却した場合、得られる成形品は非結晶のものとなる。フィラー(C)を含有してなるポリ乳酸組成物を使用すると、前記フィラー(C)が結晶化核剤として作用するため結晶化速度が速くなり、結晶化温度(70〜130℃)で加熱した金型で成形する場合に前記ポリ乳酸組成物の結晶化を十分に進行でき、2分以内の短時間で成形品を製造することができる。その結果、得られる成形物の耐熱性、耐衝撃性、曲げ弾性率を向上させることができる。
フィラー(C)としては、例えば、シリカ、珪藻土、アルミナ、酸化チタン、酸化鉄、酸化亜鉛、酸化マグネシウム、酸化アンチモン、バリウムフェライト、ストロンチウムフェライト、酸化ベリリウム、軽石、軽石バルーン、アルミナ繊維、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、塩基性炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、ドロマイト、ドーソナイト、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、硫酸アンモニウム、亜硫酸カルシウム、タルク、クレー、マイカ、アスベスト、ガラス繊維、ガラスバルーン、ガラスビーズ、ケイ酸カルシウム、層状ケイ酸塩、カーボンブラック、グラファイト、炭素繊維、フラーレン、カーボンナノチューブ、リン酸カルシウム、窒化ホウ素、ホウ酸亜鉛、メタホウ酸バリウム、ホウ酸カルシウム、ホウ酸ナトリウム等の無機系充填材が挙げられ、これらを2種類以上混合して使用することができる。また、ポリ乳酸(A)及びポリ乳酸共重合体(B)中での凝集を防止し、特にポリ乳酸共重合体(B)からなるドメイン中に主に分散しやすいよう脂肪酸、アミノシラン、ビニルシラン等でフィラー表面を改質することが好ましい。
前記フィラー(C)の有する平均粒子径は均一であることが好ましく、本発明ではいずれも0.05〜3μmの範囲内である必要がある。かかる平均粒子径が0.05μm未満であるものは耐衝撃性が向上せず、3μmを超える場合、フィラーの種類により異なるが、フィラー(C)の表面エネルギーが低下し、前記ポリ乳酸(A)及び前記ポリ乳酸共重合体(B)との親和性、分散性が低下し、耐衝撃性、耐熱性、剛性等が低下する。フィラー(C)の平均粒子径は0.1〜2μmであることが好ましく、0.1〜1μmであることがより好ましい。なお、本発明でいうフィラー(C)の平均粒子径とは、レーザー回折/散乱式粒度分布測定装置を用いて測定して得られる粒度分布の平均値である。
前記フィラー(C)のなかでも、タルク、炭酸カルシウム、層状珪酸塩は耐衝撃性、耐熱性、曲げ弾性率等の機械的強度を特に向上させることができることから好ましい。
タルク(Talc)は、滑石という鉱石を微粉砕した無機粉末で、化学名は、含水珪酸マグネシウム[MgSi10(OH)]で、SiO約60重量%、MgO30重量%と結晶水4.8重量%を主成分とするものである。タルクの平均粒子径は、0.1〜2μmであることが好ましく、0.1〜1μmであることがより好ましい。かかる範囲のタルクを使用することで、本発明のポリ乳酸組成物の耐衝撃、耐熱性、曲げ弾性率、表面平滑性をより向上させることができる。タルクの使用量はポリ乳酸組成物に対して3〜30重量%が好ましく、5〜25重量%がより好ましく、10〜25重量%が更に好ましい。
炭酸カルシウムは、CaCO3を主成分とするものであり、その平均粒子径は0.1〜2μmが好ましく、0.1〜1μmがより好ましい。かかる範囲に調整することで、ポリ乳酸組成物の耐衝撃、耐熱性、曲げ弾性率、表面平滑性を向上させることができる。炭酸カルシウムの使用量はタルクと同様である。
層状珪酸塩は、例えばアルミニウム、マグネシウム、リチウム等の元素を含む8面体シートの上下に珪酸4面体シートが重なって1枚の板状結晶層を形成している2:1型の構造を持つものが挙げられ、その板状結晶層の層間にカチオン交換容量0.2〜3meq/gの交換性陽イオンを有しているものが好ましい。前記板状結晶層の大きさは、通常幅0.05〜0.5μm、厚さ6〜15オングストロームのものが好ましい。層状珪酸塩の使用量はポリ乳酸組成物の3〜30重量%が好ましく、その他のフィラーと比べ、少量の添加で同程度の耐熱性、耐衝撃性が発現し、透明性も良好になる点から3〜20重量%がより好ましく、5〜15重量%が更に好ましい。
前記層状珪酸塩としては、予め1級又は3級アミンおよびそれらの塩、4級アンモニウム塩、有機ホスホニウム塩等により有機カチオン処理を施したものが好ましい。有機カチオン処理は層状珪酸塩の有する交換性陽イオンを有機カチオンとイオン交換するもので、それにより層状珪酸塩の層間距離を大きくでき、層間剥離やポリマーの層間挿入によって層状珪酸塩の分散性を向上させることができるため、より少量で耐熱性、耐衝撃性、曲げ弾性率等を改善でき好ましい。
層状珪酸塩としては、例えば、モンモリロナイト、バイデライト、ノントロナイト、サポナイト、ヘクトライト、ソーコナイト等のスメクタイト系粘土鉱物、バーミキュライト、ハロイサイト、カネマイト、ケニヤイト、燐酸ジルコニウム、燐酸チタニウム等の各種粘土鉱物、Li型フッ素テニオライト、Na型フッ素テニオライト、Na型四珪素フッ素マイカ、Li型四珪素フッ素マイカ等の膨潤性マイカ等が挙げられ、天然のものでも合成されたものでもよい。これらの中でもモンモリロナイト、ヘクトライト等のスメクタイト系粘土鉱物やNa型四珪素フッ素マイカ、Li型フッ素テニオライト等の膨潤性合成マイカが好ましい。更に層状ケイ酸塩と樹脂との相溶化剤としてエポキシラン、アミノシラン系化合物等を使用してもよい。
層状珪酸塩の使用量が3〜10重量%程度であり、且つ、前記ポリエステル(II’)製造時に使用した場合、層状珪酸塩はポリエステル(II’)の重合時に微分散されることから、得られるポリ乳酸組成物は透明性を損ないにくくなる。得られるポリ乳酸組成物は、厚さ200μmプレスフィルムのヘイズ値が35%以下であることものが好ましく、1〜30%であることがより好ましく、1〜25%であることが更に好ましく、1〜20%であることが特に好ましい。
フィラー(C)は、本発明のポリ乳酸組成物にガスバリア性を付与することができる。ここで言うガスバリア性は、酸素、窒素、二酸化炭素、水蒸気等のガスバリア性であり、その透過度はフィラー(C)を使用しない場合の1/2〜1/5程度に減少できるものである。これは微分散した層状珪酸塩がガス分子の透過路を遮断し、ガス分子がそれを迂回して透過しようとすることで透過するまでの距離が長くなる「回り道理論」効果で発現する。
フィラー(C)の使用量は、フィラーの種類により多少異なるが、本発明のポリ乳酸組成物に対して3〜30重量%の範囲である必要がある。5〜25重量%がより好ましく、10〜25重量%が更に好ましい。3重量%未満では耐衝撃性、耐熱性、機械的強度の向上が殆どせず、反対に30重量%を越えても耐衝撃性、機械的強度が変わらない又は低下する。
前記フィラー(C)はポリ乳酸共重合体(B)が形成するドメイン中に特定量分散している必要がある。通常、前記フィラー(C)はポリ乳酸組成物中にほぼ均一に分散するため、ドメイン中に存在するフィラーの割合は、ポリ乳酸組成物中に存在するドメインの割合とほぼ同一になる。本発明では、前記フィラー(C)100重量部に対する前記ドメイン中に存在する前記フィラーの重量割合は、前記ポリ乳酸(A)と前記ポリ乳酸共重合体(B)との合計100重量部に対する前記ポリ乳酸共重合体(B)の重量割合より5〜70重量%多くする必要があり、これによりさらに耐衝撃性を向上させることができる。5重量%未満である場合、耐衝撃性の向上が殆どしない。反対に70重量%を越えるとフィラー(C)がポリ乳酸(A)マトリックス中に分散される量が少なくなるため、耐熱性が向上しない。これらを鑑みると10〜60重量%であると耐衝撃性が特に向上するためより好ましく、15〜50重量%が更により好ましく、15〜45重量%が特に好ましい。
次に、本発明のポリ乳酸組成物について説明する。
ポリ乳酸組成物は、前記ポリ乳酸(A)とポリ乳酸共重合体(B)とフィラー(C)とを含有してなり、ポリ乳酸(A)からなるマトリックス中にポリ乳酸共重合体(B)がドメインを形成したミクロ相分離構造であり、前記フィラー(C)が前記ドメイン中に存在している必要がある。ポリ乳酸共重合体(B)がドメインを形成することで、大きな耐衝撃性を発現させることができる。前記ミクロ相分離構造としては、例えばポリ乳酸(A)からなるマトリックス中にポリ乳酸共重合体(B)が球状又は棒状のドメインを形成するものや、前記マトリックスが運河状の連続相を形成し、その中を球状及び棒状の前記ドメインが分布したものや、前記ドメイン中にポリ乳酸(A)の一部が更に分散したサラミ構造状を示すものがある。これにより耐衝撃性、耐熱性、曲げ弾性率等機械的強度を向上させることができ、そのバランスに優れていることから好ましい。ポリ乳酸共重合体(B)の平均粒径は0.10〜5μmが好ましく、0.2〜3μmがより好ましく、0.3〜2μm粒径の時、耐衝撃性が最大になるため最も好ましい。なお、本発明で言う平均粒径とは島相の長軸及び短軸の長さの平均値を言う。
ポリ乳酸(A):ポリ乳酸共重合体(B)の重量比は95:5〜60:40が好ましく、90:10〜70:30がより好ましく、更に好ましくは90:10〜75:25であり、特に好ましいのは90:10〜75:25である。かかる重量比で混合することでポリ乳酸(A)からなるマトリックス中にポリ乳酸共重合体(B)からなるドメインを有するミクロ相分離構造を形成でき、耐衝撃性などに優れたポリ乳酸組成物を得ることができる。
前記フィラー(C)をポリ乳酸共重合体(B)からなるドメイン中に効率よく分散させるためには、(4)前記ポリエステル構造単位(II)を構成するポリエステル(II’)を製造する過程、(5)ポリエステル(II’)をラクタイド(I’)やポリ乳酸(I”)と反応させてポリ乳酸共重合体(B)を製造する際にフィラー(C)を使用することが好ましいが、(4)の製造過程でフィラー(C)を使用することが好ましい。これにより、ポリ乳酸(A)、乳酸共重合体(B)及びフィラー(C)を同時にブレンドする場合に比べ効率よくドメイン中に微分散でき、フィラー(C)の使用量が従来より少量で、同等の優れた耐熱性、耐衝撃性を付与することができる。
また、フィラー(C)は、ポリ乳酸共重合体(B)とポリ乳酸(A)とを溶融ブレンドする場合に再度使用しても良い。溶融ブレンドの場合、フィラー(C)をポリ乳酸組成物中に均一且つナノレベルで分散させるのが難しいため、混練能力が高いスクリューを使用したり、2軸押出機であれば回転数を上げる必要がある。
また、本発明のポリ乳酸組成物には、可塑剤を使用することができ、例えばアジピン酸ジオクチル(DOA)、アセチルトリブチルクエン酸アセチルトリブチル(ATBC)、セバシン酸ジオクチル(DOS)、トリメリット酸可塑剤、アジピン酸系ポリエステル等のエステル或いはポリエステル可塑剤が挙げられる。
かかる可塑剤を併用することで、ポリ乳酸(A)とポリ乳酸共重合体(B)との界面の親和性を向上させることができ、ポリ乳酸組成物の引張伸度を向上させることができる。
前記可塑剤の重量平均分子量は、低分子量を有するものの方が、より少量で引張伸度を向上させることができるため、30000以下であることが好ましく、10000以下がより好ましく、3000以下が特に好ましい。しかし低分子量の可塑剤を使用すると耐ブリードアウト又は耐熱性を大幅に低下させる場合があるため、その使用量はポリ乳酸組成物に対して、0.5〜20重量%であることが好ましく、1〜10重量%であることがより好ましく、2〜10重量%であることが更に好ましい。
本発明のポリ乳酸組成物には、木粉、ケナフ、竹繊維等有機系充填材を使用することが出来、耐熱性、耐衝撃性、機械的強度を向上させることが出来る。これら有機系充填材の使用量はポリ乳酸組成物に対して、1〜30重量%使用することが好ましい。
本発明のポリ乳酸組成物には、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール(BHT)、ブチル・ヒドロキシアニソール(BHA)の様な酸化防止剤、サリチル酸誘導体、ベンゾフェノン系、ベンゾトリアゾール系等の紫外線吸収剤、および、燐酸エステル、イソシアネート、カルボジイミド、カルボジライト等の安定剤を使用し、重合時或いは成形時の熱的安定性を向上させることができる。安定剤の添加量は、本発明の効果を損なわない範囲であれば、特に限定されるものではないが、ポリ乳酸組成物に対して、0.01〜10重量%使用することが好ましい。
本発明のポリ乳酸組成物には、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシュウム等の金属石鹸類、鉱油、流動パラフィン、シリコンオイル、エチレンビスステアリン酸アマイド、モンタン酸ワックス、モンタン酸カルシウム塩、酸化ポリエチレン等の滑剤(もしくは離型剤)を使用することができ、成形時の金型等からの離型性を向上させ、成形物の変形が防ぐことができる。
本発明のポリ乳酸組成物には、リン系、臭素系、シリコーン系、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウムのような難燃剤を使用することができ、ポリ乳酸組成物を家電等のハウジングの成形物として使用することができる。本発明のポリ乳酸組成物には、グリセリン脂肪酸エステル、しょ糖脂肪酸エステル等の非イオン系、アルキルスルホン酸塩等のイオン系等の界面活性剤、酸化チタン、カーボンブラックの様な着色剤を使用することができる。
本発明のポリ乳酸組成物には、重炭酸ナトリウム、重炭酸アンモニウム等の無機系発泡剤、アゾジカルボンアミド、アゾビスイソブチロニトリル、スルホニルヒドラジド等の有機系発泡剤等の使用することができ、又はペンタン、ブタン、フレオン等の発泡剤を本発明ポリマーに事前に含浸させるか、押出工程の途中で押出機内に直接供給することにより発泡体とすることもできる。また押出ラミ、ドライラミ或いは共押出により紙、アルミホイル或いは他の分解性ポリマーフィルムとの積層化も可能である。
次に本発明の成形物について説明する。
本発明の成形物は、前記ポリ乳酸組成物を成形して得られるものであり、例えば、包装用材料、農業資材、漁業資材、紙等へのラミネーション製品、発泡樹脂材料等として有用である。より具体的には、バンパー、車体、ダッシュボード、インスツルパネル等自動車内装品を含む自動車部品、テレビ、冷蔵庫、洗濯機、電話、携帯電話、パソコン等の電子電気機器の筐体、トレー、カップ、皿、ブリスター、ブロー成形品(シャンプー瓶、化粧品瓶、飲料瓶、オイル容器)、射出成形品(ゴルフティー、綿棒の芯、キャンディーの棒、ブラシ、歯ブラシ、ヘルメット、注射筒、皿、カップ、櫛、剃刀の柄、テープのカセットおよびケース、使い捨てのスプーンやフォーク、ボールペン等の文房具等)等が挙げられる。
包装材料としては、シート用材料、フィルム用材料等、より具体的には、シュリンクフィルム、蒸着フィルム、ラップフィルム、食品包装、その他一般包装、ゴミ袋、レジ袋、一般規格袋、重袋等の袋類等、農業用マルチフィルム、発芽フィルム、養生フィルム、苗木ポット等が挙げられる。
紙等へのラミネーション製品としては、トレー、カップ、皿、メガホン等に、その他に、結束テープ(結束バンド)、プリペイカード、風船、パンティーストッキング、ヘアーキャップ、スポンジ、セロハンテープ、傘、合羽、プラ手袋、ヘアーキャップ、ロープ、チューブ、発泡トレー、発泡緩衝材、緩衝材、梱包材、煙草のフィルター等が挙げられる。その他には医療用材料、繊維材料等が挙げられる。
本発明の成形物の成形方法としては、例えば、射出成形法、ブロー成形法、真空成形法、圧空成形法及び圧縮成形法等が挙げられる。
射出成形法は、金型にポリ乳酸組成物を注入し加熱することで成形物を製造する方法であり、通常の射出成形機を用いて容器等の型物を製造することができる。その際、金型はTg以上の温度に加熱出来るものが好ましい。
ブロー成形法は、チューブ状に成形したポリ乳酸組成物を金型内で膨張させ成形物を製造する方法であり、既存の成形機を使用することにより単層、多層ボトルを容易に成形を行うことができる。
前記成形法で成形する際、アニーリングすることで耐衝撃性及び耐熱性などをより向上させることができる。
アニーリングは、例えば金型の温度をDSCの降温時結晶化開始温度から終了温度の範囲に設定し、本発明のポリ乳酸組成物を金型内で結晶化をさせる方法であり、これにより耐熱性、耐衝撃強度に優れた成形物を製造することができる。金型温度は、70〜130℃で、80〜120℃が好ましく、80℃〜110℃がより好ましく、90〜110℃がより好ましい。かかる温度範囲であれば、ポリ乳酸組成物は容易に結晶化し、成形後、金型内から成形物を取出すとき固化して寸法精度の良い成形物を得ることができる。結晶化時間としては1秒から10分間であるが、生産性等の実用性を考えた場合、この時間は短い程良いため、好ましくは1秒〜3分間、より好ましくは1秒〜1分間である。
前記成形物のうちフィルムは、シュリンクフィルム、ラップフィルム等包装材の用途に使用できるほか、これを更に真空成形法等により二次加工することでトレー、カップ等を製造することができる。なお、通常厚みによりシート、フィルムを慣用的に使い分けているが、本発明では混乱を避けるために総称してフィルムとする。本発明のフィルムの厚みは特に制限されないが、一般的に用いられている5μm〜2mmを言うものとする。
フィルムの成形方法は、例えばTダイキャスト成形法やインフレーション成形法などの押出成形法が挙げられる。
Tダイキャスト成形法の際の溶融温度は、特に限定されないが、通常、ポリ乳酸(A)の融点より10〜60℃高い温度であることが好ましい。溶融押し出されたフィルムは、通常、所定の厚みになるようにキャスティングされ、必要により冷却される。その際、フィルム厚が厚い場合は、タッチロール、エアーナイフ、薄い場合には静電ピンニングを使い分けることにより均一なフィルムを製造できる。
インフレーション成形法の際の溶融温度はTダイキャスト成形法と同じであり、通常のサーキュラーダイ、エアーリングを備えた成形装置で容易にフィルムを製造できる。この際、偏肉を避けるため、ダイ、エアリング或いはワインダーの回転を行っても良い。
前記成形方法の際に使用する押出機の押出機スクリューは、通常、スクリューのニーディング部の長さ(L)とニーディングスクリューの径(D)との比であるL/D比が、20〜50程度のフルフライトタイプで良く、ベントを付設しても良い。適正な押出温度は使用するポリ乳酸組成物の分子量、組成、粘度によって異なるが、流動開始温度以上が望ましい。
得られたフィルムは、ガラス転移温度以上、融点以下の温度でテンター方式やインフレーション方式等で、一軸および二軸に延伸することができる。さらに延伸処理を施すことにより、分子配向を生じさせ、耐衝撃性、剛性、透明性等の物性を改良することが出来る。
一軸延伸の場合は、ロール法による縦延伸又はテンターによる横延伸により、縦方向又は横方向に1.3〜10倍延伸するのが好ましい。二軸延伸の場合は、ロール法による縦延伸及びテンターによる横延伸が挙げられ、その方法としては、一軸目の延伸と二軸目の延伸を逐次的に行っても、同時に行っても良い。延伸倍率は、縦方向及び横方向にそれぞれ1.3〜6倍延伸するのが好ましい。延伸倍率がこれ以上低いと十分に満足し得る強度を有するフィルムが得難く、また、高いと延伸時にフィルムが破れてしまい良くない。なお、シュリンクフィルム等の特に加熱時の収縮性を要求するような場合には、一軸或いは二軸方向への3〜6倍等の高倍率延伸が好ましい。
延伸温度は、ポリ乳酸組成物のガラス転移温度(以下、Tgという。)〜(Tg+50)℃の範囲が好ましく、Tg〜(Tg+30)℃の範囲が特に好ましい。かかる範囲の延伸温度にすることで、充分に延伸することができ、さらに延伸による強度も向上することができる。
前記フィルムは、延伸直後の緊張下で熱セット処理(結晶化処理)を行うことで歪の除去又は結晶化を促進することができ、その結果、フィルムの耐熱性を向上させることができる。かかる熱セット処理の温度は、70〜130℃であることが好ましく、70〜120℃がより好ましく、80℃〜110℃が更に好ましく、90〜110℃が特に好ましい。かかる範囲の温度で熱セット処理することで、耐熱性だけではなく、引張伸び等のフィルム物性も向上させることができる。熱セット処理時間は通常1秒〜3分間、好ましくは1秒〜1分間であり、1秒から30秒がより好ましい。
前記フィルムは、真空成形法、圧空成形法、真空圧空成形法等により二次加工することができる。
かかるフィルムの二次加工法のうち真空成形法、真空圧空成形法の場合には、プラグアシスト成形法であることが好ましい。フィルムが延伸フィルムである場合は圧空成形法を適用することが好ましい。なお、成形時の金型の加熱、冷却は任意に行うことができ、特に金型の温度が結晶化温度以上とし、結晶化を積極的に進めることにより耐熱性能を向上させることもできる。
前記フィルムは、横ピロー製袋機、縦ピロー製袋機、ツイストバック製袋機等通常の製袋機を使用して袋状物を製造することができる。
本発明のポリ乳酸組成物は、吸湿性が高いために加水分解しやすいことから、成形時に加水分解することを避けるために前もって真空乾燥器等により除湿乾燥を行い、原料中の水分を50ppm以下にとしておくことが好ましい。
以下、実施例及び比較例を用いて、本発明を更に具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に何ら限定されるものではない。
実施例で行った測定は以下の通りである。
(分子量測定)
ゲルパーミエーションクロマトグラフィー測定装置(以下、GPCと省略する。東ソー株式会社製HLC−8020、カラム温度40℃、テトラヒドロフラン溶媒)によりポリスチレン標準サンプルとの比較で測定した。
(熱的物性測定)
示差走査熱量測定装置(以下、DSCと省略する。セイコー電子工業株式会社製DSC220C)を用い、−100〜200℃の範囲を昇温速度10℃/分で測定した。
(ビカット軟化点温度)
東洋精機社製ヒートデスターテーションを用い、ASTM−D1525に従い、荷重1kgf、昇温速度50℃/時間の条件で成形後の試験片を測定。
(貯蔵弾性率(E’);以下、DMAと省略する。)
レオメトリックス社製RSAIIを用い、厚さ200μm×幅5mm×長さ35mmのフィルムをFILM TEXTUREジオメトリーにより、チャック間22.4mm、6.28rad、−50〜120℃の条件で測定した。
(透明性測定;以下、「ヘイズ」と省略する。)
縦10cm×横10cmのフィルムを縦5cm×横5cmに切り、濁度計(日本電色工業株式会社製ND−1001DP)にて測定した。
(アイゾット衝撃試験;以下、IZODと省略する。)
JIS K 7110に準拠したアイゾット衝撃試験法(ノッチ付き)により測定した。
(デュポン衝撃強度試験)
JIS K 5400のデュポン衝撃強度測定法を用いて、一定重さの重錘の高さを変えて落下させ、破壊の有無により、得られたフィルムの50%破壊エネルギーを求めた。フィルムとの打突部は鋼製であり、半径6.3mmの滑らかな半球状(ウエシマ製作所製)である。
(フィルムインパクト試験)
ASTMD−3420に準拠した方法で測定した。
(引張試験)
島津製作所社製テンシロンを用い、JIS−K7127に従い測定した。試験片はJIS2号ダンベル、引張速度5mm/minで行った。
(参考例1)(ポリエステル(PG−DA)合成:A−1)
フルゾーン翼、精留器、ガス導入管を付した50L反応釜に、プロピレングリコール(以下PGと省略。)を3.20kg、ダイマー酸(コグニス社製エンポール1061、以下DAと省略。)を20.00kg仕込み、窒素気流下で150℃から1時間に15℃ずつ昇温させながら加熱撹拌した。生成する水を留去しながら230℃まで昇温し、1時間後、エステル交換触媒チタンテトラブトキサイド60ppmを添加し、0.1KPaまで減圧後8時間撹拌、その後触媒失活剤として2−エチルヘキサン酸ホスフェート(大八化学社製AP−8、以下AP−8と省略。)を50ppm添加し、重量平均分子量(Mw)=45,000、数平均分子量(Mn)=24,000のポリエステル(A−1)を21.10kg得た。
(参考例2)(ポリエステル(16HD−DA/SeA)合成:A−2)
1,6ヘキサンジオール(以下16HDと省略。)を8.15kgと、層状珪酸塩(コープケミカル社製SAN、平均粒径50nm、以下層珪塩と省略。)を2.15kg仕込み、24時間放置後、DAを10.00kg、セバシン酸(以下SeAと省略。)を8.45kg仕込み、参考例1と同様な条件で重合し、Mw=36,000、Mn=19,000のポリエステル(A−2)を21.5kg得た。
(参考例3)(ポリエステル(NPG−DA/AA)の合成:A−3)
ネオペンチルグリコールを10.70kgと、DAを15.00kg、アクリル酸(以下、AAと省略。)を9.10kg仕込み、参考例1と同様の条件で重合し、Mw=74,000、Mn=37,000のポリエステル(A−3)を29.00kg得た。
(参考例4)(ポリエステル(PG−AA)の合成:A−4)
50L反応釜にPGを10.80kgと、AAを18.20kg仕込み、窒素気流下で150℃から1時間に15℃ずつ昇温させながら加熱撹拌した。生成する水を留去しながら230℃まで昇温し、1時間後、エステル交換触媒チタンテトラブトキサイド60ppmを添加し、0.1KPaまで減圧後1時間撹拌、その後触媒失活剤AP−8を50ppm添加し、重量平均分子量(Mw)=15,000、数平均分子量(Mn)=9,000のポリエステル(A−4)を25.00kg得た。
(製造例1)(ポリ乳酸共重合体B−1の合成)
ポリエステル(A−1)6.00kgと、L−ラクタイド(ピュラック社製、以下L−LDと省略。)6.00kgを25Lの反応釜に仕込み、200℃で攪拌溶融後触媒としてオクタン酸スズ150ppmを添加し、3時間重合した。その後、触媒失活剤としてエチレンジアミン4酢酸(以下EDTAと省略。)120ppmを添加、0.1kPa減圧下1時間残留ラクタイドを脱揮して重合を終了し、Mw=68,000、Mn=37,000、残留ラクタイド=n.d.のポリ乳酸共重合体(B−1)を得た。
(製造例2)(ポリ乳酸共重合体B−2の合成)
ポリエステル(A−1)を4.80kgと、L−LDを4.80kgと、タルク(日本タルク(株)製SG−2000、平均粒子径1μm、以下タルクSと省略。)を2.40kg仕込み、製造例1と同様な条件で重合し、Mw=62,000、Mn=33,000、残留ラクタイド=n.d.のポリ乳酸共重合体(B−2)を得た。
(製造例3)(ポリ乳酸共重合体B−3の合成)
ポリエステル(A−1)を6.00kgと、ポリ乳酸(三井化学社製レイシアH−400、以下PLAと省略。)を6.00kgとを仕込み、窒素雰囲気下、触媒にチタンテトラブトキサイドを150ppm添加後、200℃、0.1kPa減圧下5時間重合後、AP−8を120ppm添加し、0.1kPa減圧下1時間残留ラクタイドを脱揮して、Mw=121,000、Mn=59,000、残留ラクタイド=n.d.のポリ乳酸共重合体(B−3)を得た。
(製造例4)(ポリ乳酸共重合体B−4の合成)
ポリエステル(A−2)を8.40kgと、PLAを3.24kgと、層珪塩1.32kgとを仕込み、製造例3と同様な条件で重合し、Mw=78,000、Mn=36,000、残留ラクタイド=n.d.のポリ乳酸共重合体(B−4)を得た。
(製造例5)(ポリ乳酸共重合体B−5の合成)
ポリエステル(A−3)を7.00kgと、L−LDを3.00kgと、炭酸カルシウム(神島化学工業(株)製カルシーズP、平均粒子径0.15μm、以下炭カルと省略。)を4.50kg仕込み、製造例3と同様な条件で重合しMw=75,000、Mn=38,000、残留ラクタイド=n.d.の、ポリ乳酸共重合体(B−5)を得た。
(比較製造例1)(ポリ乳酸共重合体HB−1の合成)
ポリエステル(A−1)を4.80kgと、L−LDを4.80kgと、タルクL(日本タルク(株)製MS、平均粒子径13μm、以下タルクLと省略。)を2.40kg仕込み、製造例1と同様な条件で重合し、Mw=60,000、Mn=32,000、残留ラクタイド=n.d.のポリ乳酸共重合体(HB−1)を得た。
(実施例1)(ポリ乳酸組成物P−1の調製)
ポリ乳酸共重合体(B−1)を3.00kgと、タルクSを1.20kgとをドライブレンド後、2軸押出機にてシリンダー温度200℃で溶融混練し、予めマスターバッチペレットを得ておき、このマスターバッチペレットを2.10kgと、PLAを8.50kgと、タルクSを1.2kgとを2軸押出機を用い、シリンダー温度200℃でブレンドしたペレット状のポリ乳酸組成物(P−1)を得た。
(実施例2)(ポリ乳酸組成物P−2の調製)
PLAを8.50kgと、ポリ乳酸共重合体(B−2)を1.88kgと、タルクSを1.43kgとをドライブレンド後、2軸押出機にてシリンダー温度200℃でブレンドしたペレット状のポリ乳酸組成物(P−2)を得た。
(実施例3)(ポリ乳酸組成物P−3の調製)
PLAを8.50kgと、ポリ乳酸共重合体(B−2)を1.88kgと、タルクSを1.50kgと、セバシン酸ジオクチル(以下DOSと省略。)を0.5kgとをドライブレンド後、2軸押出機にてシリンダー温度200℃でブレンドしたペレット状のポリ乳酸組成物(P−3)を得た。
(実施例4)(ポリ乳酸組成物P−4の調製)
ポリ乳酸共重合体(B−3)を3.00kgと、タルクSを1.36kgとをドライブレンド後、2軸押出機にてシリンダー温度200℃で溶融混練し、予めマスターバッチペレットを得ておき、このマスターバッチペレットを2.18kgと、PLAを8.50kgと、タルクSを1.2kgと、ポリエステル(A−5)を0.50kgとを2軸押出機を用い、シリンダー温度200℃でブレンドしたペレット状のポリ乳酸組成物(P−4)を得た。
(実施例5)(ポリ乳酸組成物P−5の調製)
ポリ乳酸共重合体(B−4)を4.80kgと、層状ケイ酸塩を0.40kgと、アミノシラン0.03kgとをドライブレンド後、2軸押出機にてシリンダー温度200℃で溶融混練し、予めマスターバッチペレットを得ておき、このマスターバッチペレットを2.60kgと、PLAを8.00kgと、層状ケイ酸塩を0.30kgと、アミノシラン0.02kgとを2軸押出機を用い、シリンダー温度200℃でブレンドしたペレット状のポリ乳酸組成物(P−5)を得た。
(実施例6)(ポリ乳酸組成物P−6の調製)
PLAを8.00kgと、ポリ乳酸共重合体(B−5)を2.90kgと、炭カルを1.60kgとを、実施例1と同様な条件でブレンドしたペレット状のポリ乳酸組成物(P−6)を得た。
(比較例1)(ポリ乳酸組成物HP−1の調製)
PLAを17.00kgと、タルクSを3.60kgとをドライブレンド後、2軸押出機にてシリンダー温度220℃で溶融混練し、予めマスターバッチペレットを得ておき、このマスターバッチペレットを10.30kgと、ポリ乳酸共重合体(B−1)を1.50kgとをドライブレンド後、2軸押出機にてシリンダー温度200℃でブレンドしたペレット状のポリ乳酸組成物(HP−1)を得た。
(比較例2)(ポリ乳酸組成物HP−2の調製)
PLAを8.50kgと、ポリ乳酸共重合体(HB−1)を1.88kgと、タルクLを1.43kgとをドライブレンド後、2軸押出機にてシリンダー温度200℃でブレンドしたペレット状のポリ乳酸組成物(HP−2)を得た。
(比較例3)(ポリ乳酸組成物HP−3の調製)
PLAを8.50kgとポリ乳酸共重合体(B−1)を1.50kgとを、実施例1と同様な条件でブレンドしたペレット状のポリ乳酸組成物(HP−3)を得た。
前記(P−1)〜(P−4)、(P−6)及び(HP−1)〜(HP−3)は、図1に記載の(P−5)と同様のモルフォロジーを示した。
(ポリ乳酸組成物のフィラー量評価方法)
実施例1〜6及び比較例1〜3で得た各ポリ乳酸組成物ペレット(約3mmφ×4mm円柱)50.0gをアセトン500mlに入れて24時間静置後濾過し、残留物をメタノールに入れて遠心分離器にかけ、浮遊物を採取乾燥後、その固形物重量を測定した。この量をマトリックス中に含まれるフィラーの含有量とし、その結果を表5〜6に示した。この固形物に含まれるポリ乳酸は5%以下であった。遠心分離器により沈降した固形物はフィラーを含んだポリ乳酸であった。
(ポリ乳酸組成物の射出成形法及び評価方法)
実施例1〜6及び比較例1〜3で得た各ポリ乳酸組成物を、100℃で6時間減圧乾燥後、1オンスの射出成形機で射出成形後、100℃に温調した金型内で30秒結晶化させ、IZOD試験片を得た。これらのビカット軟化点温度、IZOD衝撃強度(ノッチ付き)を測定し、その結果を表5〜6に示した。
(200μmフィルムの成膜法及び評価方法)
実施例1〜6及び比較例1〜3で得た各ポリ乳酸組成物を、100℃で6時間減圧乾燥後、L/D=36の50mm単軸押出機(田辺プラスチック社製)、シリンダー温度220℃で溶融混練し、ダイスから幅30cm、厚さ200μmのシートに押出した。ダイス出口で熱溶融したシートの冷却は、実施例4〜7に関してはタッチロールを用い、それ以外はエアーナイフを用いた。フィルムは100℃で1分間熱セットを行い結晶化させた。得られた200μmフィルムは、デュポン衝撃値、ヘイズ、引張弾性率、引張伸度及びDMAでの20℃の貯蔵弾性率を測定し、その結果を表5〜6に示した。
(2軸延伸熱セットフィルムの成膜法及び評価方法)
実施例1〜6及び比較例1〜3で得た各ポリ乳酸組成物を、L/D=36の50mm単軸押出機(田辺プラスチック社製)、シリンダー温度220℃で溶融混練し、ダイスから幅30cm、厚さ100μmのシートに押出した。ダイス出口で熱溶融したシートの冷却はエアーナイフを用いた。更に延伸温度条件70℃、延伸速度10mm/秒で逐次延伸により、縦方向、横方向同倍率の2倍にそれぞれ延伸後、140℃で50秒熱セットを行い、厚さ25μmの2軸延伸熱セットフィルムを得た。これについて、フィルムインパクト、ヘイズ、、引張弾性率及び引張伸度を測定し、その結果を表5〜6に示した。
(フィルムのブリードアウト評価方法)
また、前記フィルムを35℃、湿度80%に保ったタバイエスペック社製恒温恒湿器PR−2F中に放置した。1ヶ月毎にフィルムの状態を観察し、ブリードアウトが始まる日数を評価したが、評価中はいずれもブリードアウトしなかった。
Figure 2005330318
Figure 2005330318
Figure 2005330318
Figure 2005330318
Figure 2005330318
実施例1に記載のポリ乳酸組成物は、ビカット軟化点温度115℃、アイゾット衝撃強度16といずれも高い値を有するものであるのに対し、比較例1に記載のポリ乳酸組成物は、ビカット軟化点温度118℃と高い値を有するのに対してアイゾット衝撃値は7と低い値を有するものであった。これは、ドメイン中にフィラーが特定量以上分散したモルフォロジーを有しているか否かによる効果の差であると言える。比較例2、3に記載のポリ乳酸組成物がビカット軟化点温度70℃未満、アイゾット衝撃強度6以下であるのに対し、実施例に記載のポリ乳酸組成物は何れもビカット軟化点温度が100℃以上と耐熱性に優れ、且つアイゾット衝撃強度が10kJ/mと高い値を有するものであった。これは、フィラーの粒径により現れる効果の差であるといえる。
P−5のTEM写真を示す。白い部分がポリ乳酸、黒い部分がポリ乳酸共重合体(B−4)を示し、ポリ乳酸が形成するマトリックス中にポリ乳酸共重合体(B−4)がドメインを形成した海島型のモルフォロジーを有している。

Claims (7)

  1. ポリ乳酸(A)、ポリ乳酸構造単位(I)と、ジオールとダイマー酸を含むジカルボン酸とから誘導されるポリエステル構造単位(II)とを有するポリ乳酸共重合体(B)、及び、平均粒子径0.05〜3μmを有するフィラー(C)を3〜30重量%含有してなるポリ乳酸組成物であって、前記ポリ乳酸(A)が形成するマトリックス中に前記ポリ乳酸共重合体(B)がドメインを形成するミクロ相分離構造を有し、且つ、〔前記フィラー(C)100重量部に対する前記ドメイン中に存在する前記フィラーの重量割合−前記ポリ乳酸(A)と前記ポリ乳酸共重合体(B)との合計100重量部に対する前記ポリ乳酸共重合体(B)の重量割合〕が5〜70重量%であることを特徴とするポリ乳酸組成物。
  2. 前記〔前記フィラー(C)100重量部に対する前記ドメイン中に存在する前記フィラーの重量割合−前記ポリ乳酸(A)と前記ポリ乳酸共重合体(B)との合計100重量部に対する前記ポリ乳酸共重合体(B)の重量割合〕が10〜60重量%である請求項1に記載のポリ乳酸組成物。
  3. 前記フィラー(C)が平均粒子径0.1〜3μmを有するタルクである請求項1又は2に記載のポリ乳酸組成物。
  4. 前記フィラー(C)が平均粒子径0.1〜2μmを有する炭酸カルシウムである請求項1又は2に記載のポリ乳酸組成物。
  5. 前記フィラー(C)が平均粒子径0.05〜0.5μmを有する層状珪酸塩である請求項1又は2に記載のポリ乳酸組成物。
  6. ポリエステル可塑剤を2〜10重量%含んでなる請求項1〜5のいずれかに記載のポリ乳酸組成物。
  7. 請求項1〜6のいずれかに記載のポリ乳酸組成物を用いて得られる成形物。
JP2004147629A 2004-05-18 2004-05-18 高耐衝撃性ポリ乳酸組成物 Pending JP2005330318A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004147629A JP2005330318A (ja) 2004-05-18 2004-05-18 高耐衝撃性ポリ乳酸組成物

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004147629A JP2005330318A (ja) 2004-05-18 2004-05-18 高耐衝撃性ポリ乳酸組成物

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2005330318A true JP2005330318A (ja) 2005-12-02

Family

ID=35485206

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2004147629A Pending JP2005330318A (ja) 2004-05-18 2004-05-18 高耐衝撃性ポリ乳酸組成物

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2005330318A (ja)

Cited By (20)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006348141A (ja) * 2005-06-15 2006-12-28 Dainippon Ink & Chem Inc ポリ乳酸樹脂組成物
JP2007191546A (ja) * 2006-01-18 2007-08-02 Teijin Chem Ltd 自動車部品
JP2007191548A (ja) * 2006-01-18 2007-08-02 Teijin Chem Ltd 電子機器外装部品
JP2007191547A (ja) * 2006-01-18 2007-08-02 Teijin Chem Ltd 電気・電子部品
JP2007191549A (ja) * 2006-01-18 2007-08-02 Teijin Chem Ltd Oa機器外装部品
JP2008050583A (ja) * 2006-07-28 2008-03-06 Teijin Ltd 樹脂組成物
JP2008050582A (ja) * 2006-07-28 2008-03-06 Teijin Ltd 樹脂組成物および成形品
JP2008050579A (ja) * 2006-07-28 2008-03-06 Teijin Ltd 樹脂組成物およびそれよりなる成形品
JP2008050580A (ja) * 2006-07-28 2008-03-06 Teijin Ltd 樹脂組成物およびその成形品
JP2008050584A (ja) * 2006-07-28 2008-03-06 Teijin Ltd 樹脂組成物および成形品
JP2008050578A (ja) * 2006-07-28 2008-03-06 Teijin Ltd 樹脂組成物およびその成形品
JP2008120894A (ja) * 2006-11-10 2008-05-29 Teijin Ltd ポリ乳酸組成物
JP2008120893A (ja) * 2006-11-10 2008-05-29 Teijin Ltd ステレオコンプレックスポリ乳酸組成物
JP2009013362A (ja) * 2007-07-09 2009-01-22 Mitsubishi Chemicals Corp 生分解性樹脂組成物及びその成型品
JP2010510375A (ja) * 2006-11-22 2010-04-02 イー・アイ・デュポン・ドウ・ヌムール・アンド・カンパニー ポリアミド樹脂組成物を含む携帯電話ハウジング
JP2012076462A (ja) * 2011-11-15 2012-04-19 Teijin Chem Ltd Oa機器外装部品の製造方法
JP2013129726A (ja) * 2011-12-21 2013-07-04 Fuji Xerox Co Ltd 樹脂組成物および樹脂成形体
US8791192B2 (en) 2006-01-18 2014-07-29 Teijin Limited Resin composition, molded article, and production methods thereof
JP2015535027A (ja) * 2012-11-15 2015-12-07 ビーエーエスエフ ソシエタス・ヨーロピアBasf Se 生分解性ポリエステル混合物
JP2017179234A (ja) * 2016-03-31 2017-10-05 株式会社カネカ 樹脂組成物および医療用管状体

Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH04261825A (ja) * 1991-02-15 1992-09-17 Teijin Ltd 易接着性ポリエステルフイルム及びその製造方法
JPH09208817A (ja) * 1995-11-30 1997-08-12 Mitsui Toatsu Chem Inc 乳酸系ポリマー延伸フィルム
JP2003040990A (ja) * 2001-07-31 2003-02-13 Dainippon Ink & Chem Inc ポリヒドロキシカルボン酸系共重合体の製造方法
JP2003160675A (ja) * 2001-11-28 2003-06-03 Asahi Kasei Corp 透明な耐衝撃性ポリ乳酸系延伸フィルム又はシート、及び、その製造方法
JP2003181919A (ja) * 2001-12-13 2003-07-03 Asahi Kasei Corp 生分解性熱収縮性フィルム及びそれを用いたシュリンク包装体
WO2004000939A1 (ja) * 2002-06-20 2003-12-31 Toray Industries, Inc. ポリ乳酸系重合体組成物、その成形品、および、フィルム

Patent Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH04261825A (ja) * 1991-02-15 1992-09-17 Teijin Ltd 易接着性ポリエステルフイルム及びその製造方法
JPH09208817A (ja) * 1995-11-30 1997-08-12 Mitsui Toatsu Chem Inc 乳酸系ポリマー延伸フィルム
JP2003040990A (ja) * 2001-07-31 2003-02-13 Dainippon Ink & Chem Inc ポリヒドロキシカルボン酸系共重合体の製造方法
JP2003160675A (ja) * 2001-11-28 2003-06-03 Asahi Kasei Corp 透明な耐衝撃性ポリ乳酸系延伸フィルム又はシート、及び、その製造方法
JP2003181919A (ja) * 2001-12-13 2003-07-03 Asahi Kasei Corp 生分解性熱収縮性フィルム及びそれを用いたシュリンク包装体
WO2004000939A1 (ja) * 2002-06-20 2003-12-31 Toray Industries, Inc. ポリ乳酸系重合体組成物、その成形品、および、フィルム

Cited By (20)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006348141A (ja) * 2005-06-15 2006-12-28 Dainippon Ink & Chem Inc ポリ乳酸樹脂組成物
JP2007191546A (ja) * 2006-01-18 2007-08-02 Teijin Chem Ltd 自動車部品
JP2007191548A (ja) * 2006-01-18 2007-08-02 Teijin Chem Ltd 電子機器外装部品
JP2007191547A (ja) * 2006-01-18 2007-08-02 Teijin Chem Ltd 電気・電子部品
JP2007191549A (ja) * 2006-01-18 2007-08-02 Teijin Chem Ltd Oa機器外装部品
US8791192B2 (en) 2006-01-18 2014-07-29 Teijin Limited Resin composition, molded article, and production methods thereof
JP2008050578A (ja) * 2006-07-28 2008-03-06 Teijin Ltd 樹脂組成物およびその成形品
JP2008050583A (ja) * 2006-07-28 2008-03-06 Teijin Ltd 樹脂組成物
JP2008050580A (ja) * 2006-07-28 2008-03-06 Teijin Ltd 樹脂組成物およびその成形品
JP2008050584A (ja) * 2006-07-28 2008-03-06 Teijin Ltd 樹脂組成物および成形品
JP2008050582A (ja) * 2006-07-28 2008-03-06 Teijin Ltd 樹脂組成物および成形品
JP2008050579A (ja) * 2006-07-28 2008-03-06 Teijin Ltd 樹脂組成物およびそれよりなる成形品
JP2008120894A (ja) * 2006-11-10 2008-05-29 Teijin Ltd ポリ乳酸組成物
JP2008120893A (ja) * 2006-11-10 2008-05-29 Teijin Ltd ステレオコンプレックスポリ乳酸組成物
JP2010510375A (ja) * 2006-11-22 2010-04-02 イー・アイ・デュポン・ドウ・ヌムール・アンド・カンパニー ポリアミド樹脂組成物を含む携帯電話ハウジング
JP2009013362A (ja) * 2007-07-09 2009-01-22 Mitsubishi Chemicals Corp 生分解性樹脂組成物及びその成型品
JP2012076462A (ja) * 2011-11-15 2012-04-19 Teijin Chem Ltd Oa機器外装部品の製造方法
JP2013129726A (ja) * 2011-12-21 2013-07-04 Fuji Xerox Co Ltd 樹脂組成物および樹脂成形体
JP2015535027A (ja) * 2012-11-15 2015-12-07 ビーエーエスエフ ソシエタス・ヨーロピアBasf Se 生分解性ポリエステル混合物
JP2017179234A (ja) * 2016-03-31 2017-10-05 株式会社カネカ 樹脂組成物および医療用管状体

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2005330318A (ja) 高耐衝撃性ポリ乳酸組成物
JP4411521B2 (ja) ポリ乳酸組成物
EP1188781B1 (en) Impact modifier and polyester composition containing the modifier
KR102244819B1 (ko) 생분해성 수지 성형품 및 그 제조 방법, 및 이에 이용되는 펠렛체
JP4807544B2 (ja) ポリエステル組成物
KR20130108277A (ko) 다공성 필름
KR20090008899A (ko) 폴리락트산계 중합체 조성물, 그를 이용한 발포시트, 그의제조방법 및 그로부터 제조된 발포시트 성형체의 용도
JP4358603B2 (ja) ポリ乳酸樹脂組成物、その製造方法及び成形体
JP2001335623A (ja) 耐衝撃性付与剤及び該剤を含むポリエステル組成物
JP2002327107A (ja) ポリ乳酸系フィルムおよびその製造方法
JP2018162428A (ja) 樹脂組成物及びそれを用いて成形された樹脂成形品
JP3862557B2 (ja) 透明な耐衝撃性ポリ乳酸系延伸フィルム又はシート、及び、その製造方法
JP4411522B2 (ja) ポリ乳酸組成物
JP5145695B2 (ja) ポリ乳酸系樹脂フィルムの製造方法
JP3945264B2 (ja) ポリ乳酸複合材料及び成形体
WO2012081532A1 (ja) ポリ乳酸樹脂組成物
JP2005325291A (ja) 高耐衝撃性ポリ乳酸組成物
JP3972615B2 (ja) 耐衝撃性付与剤及び該剤を含むポリ乳酸組成物
JPH09291165A (ja) 生分解性多孔質フィルム
JP2005200600A (ja) 乳酸系ポリマー組成物
JP2022104869A (ja) 生分解性に優れた3次元造形用材料およびその造形物
JP6152989B2 (ja) ポリエステルのペレットを含有する混合ペレット及び樹脂組成物
JP5058473B2 (ja) 熱収縮性ポリエステル系樹脂発泡フィルム
JP4583160B2 (ja) 生分解性積層発泡シート及びその成形体
JP2009256412A (ja) ポリ乳酸樹脂組成物及びポリ乳酸樹脂成形体

Legal Events

Date Code Title Description
RD01 Notification of change of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7421

Effective date: 20050909

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20070305

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20091007

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20100107

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20100506