JP2005317272A - 電子放出素子の製造方法および画像表示装置の製造方法 - Google Patents

電子放出素子の製造方法および画像表示装置の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 表面終端を有した電子放出素子を使用し、簡易な方法で素子を作製しながら、不容易な電子放出を防ぐ。
【解決手段】 電子放出素子の製造方法であって、第1導電膜と第2導電膜とが、その表面上に間隔を置いて配置された基板を用意する第1工程と、前記第1導電膜および第2導電膜に、炭素を介した水素による終端処理を行う第2工程と、前記第2の導電膜を終端する水素を除く第3工程と、を含むことを特徴とする。
【選択図】 図2

Description

本発明は、電子放出素子および画像表示装置の製造方法に関するものである。
電子放出素子には、電界放出型(FE型)や、MIM型、MIS型、表面伝導型等の電子放出素子がある。このような電子放出素子は、基本構造として、電子放出材料を有するカソード電極と、電子放出材料から電子を引き出すためのゲート電極とを備える。
これら電子放出素子の応用装置としては、例えば、同一基板上に上記電子放出素子を多数配列して構成したフラットパネルディスプレイが挙げられる。近年、フラットパネルディスプレイにおいては、より高精細の画像表示が求められている。そのため、放出される電子ビームのビーム径の小さな電子放出素子が望まれている。
ビーム径の縮小化には、駆動時に形成される電界強度を低く設定することが有利である。したがって、より低電界で電子放出可能な電子放出材料は、高精細な画像表示装置への適用が見込まれるため、その開発が望まれている。さらに、電子放出部の表面が平坦であれば、さらにビームの広がりを抑制することが期待される。
そのような、低電界で電子放出可能で電子放出材としてはダイヤモンドがある。ダイアモンドの表面を水素や酸素で終端した電子放出素子が、特許文献1および2に開示されている。
特開平9−199001号公報 特開平10−208620号公報
しかしながら、低電界で電子放出可能な電子放出素子は、電子放出されやすいため、その作製方法には注意が必要となる。
例えば、上述したような電子放出材料の表面を終端処理することにより低電界で電子放出可能な電子放出部を形成する場合には、終端処理が意図しない部材(例えば、ゲート電極や電子放出素子に電圧を供給するための配線などのカソード電極以外の導電性部材)からの電子放出が問題となる場合があった。また、例えば、低い仕事関数を有する電子放出層をカソード電極上にのみ選択的に形成しようとしても、上記電子放出層の材料が、意図しない部材(例えば、ゲート電極や電子放出素子に電圧を供給するための配線などのカソード電極以外の導電性部材)に付着したり、パターニング後に残渣として残ってしまったりする場合があった。このような場合、本来、電子放出部となるべきでない部分が、電子放出可能な領域になってしまうことになる。意図しない電子放出は、画像表示装置においては、意図しない発光を生じる原因ともなり、表示画像の質の低下や、均一性の低下を生じてしまう。
そこで、上記したようなカソード電極以外(電子放出部としたい部分以外)の導電性部材からの電子放出を起こさないようにするための作製方法としては、カソード電極以外の導電性部材に電子放出構造が形成されない(カソード電極以外の導電性部材上に電子放出材料が配置されない、あるいは、カソード電極以外の導電性部材の表面に上述した終端処理が行われない)工程を採用することが、通常行われる。
具体的には、例えば、上述した電子放出材料の堆積や電子放出材料の終端処理に先立って、カソード電極以外の導電性部材上にマスクを配置し、そして、電子放出材料の堆積や終端処理が終わった後にマスクを剥離する。しかし、そのような工程を採用することは、工数の増加に繋がってしまい、結果コストの上昇を招いてしまう。また、そのような工程は電子放出材の特性を変質させてしまう恐れがある。特に低電界で電子放出可能な電子放出材料は、その表面が化学的に活性であったり、その表面の形状や性質が重要であったりする場合が多いため、上記マスクの被覆や剥離工程によって電子放出特性の低化や電子放出に必要な電界の上昇などが生じる場合がある。特に、上記したようなマスクの剥離工程をウエット工程で行う場合、溶液中に電子放出材料を浸漬する必要があり、電子放出材料の劣化が懸念される。材料がカーボン系の材料である場合はこの問題が顕著である。したがって、低電界で電子放出可能な材料を使用する場合には、電子放出材料の表面の制御は重要であり、その作製工程は最適化が重要である。
本発明の課題は、駆動電圧が低く、ビーム径の小さい電子放出素子を、簡易に製造する製造方法を提供することである。さらに、そのような製造方法により形成した電子放出素子を多数配列することで、良好な画像表示特性を有する画像表示装置を形成することにある。
即ち本発明の第1は、電子放出素子の製造方法であって、第1導電膜と第2導電膜とがその表面上に間隔を置いて配置された基板を用意する第1工程と、前記第1導電膜および第2導電膜の表面に、炭素を介する水素による終端処理を行う第2工程と、前記第2工程の後に、前記第2導電膜を終端する水素を取り除く第3工程と、を含むことを特徴とする。
また、上記本発明は、さらに、「前記第2工程が、炭素および/あるいは水素を含む雰囲気中で、前記基板を加熱する工程を含むこと」、「前記第3工程が、選択的に前記第2の導電膜にエネルギーを照射する工程を含むこと」、「前記エネルギーが、紫外線であること」、「前記第3工程が酸素を含む雰囲気中で行われること」、「前記エネルギーが、電子ビームもしくはイオンビームであること」をもその特徴とする。
また、本発明の第2は、電子放出素子の製造方法であって、第1導電膜と第2導電膜とがその表面上に間隔を置いて配置された基板を用意する第1工程と、炭素および/または水素を含む雰囲気中で、前記基板を加熱する第2工程と、前記第2導電膜に選択的にエネルギーを付与する第3工程と、を含むことを特徴とする。
また、上記本発明の第2は、さらに、「前記第3工程が、選択的に前記第2導電膜にエネルギーを付与することにより、前記第2導電膜上の水素を除く工程であること」、「前記エネルギーが、紫外線、電子ビームもしくはイオンビームであること」をもその特徴とする。
また、本発明の第3は、電子放出素子の製造方法であって、導電膜が配置された基板を用意する第1工程と、炭素および/または水素を含む雰囲気中で、前記導電膜が配置された前記基板を加熱する第2工程と、前記第2工程の後に、前記導電膜が配置されていない前記基板表面に選択的にエネルギーを付与する第3工程と、を含むことを特徴とする。
また、上記本発明の第3は、さらに、「前記第3工程が、前記基板表面上であって、前記導電膜が配置されていない部分の水素を除く工程であること」をもその特徴とする。
また、本発明は、複数の電子放出素子と、該複数の電子放出素子から放出された電子により発光する発光体とを具備する画像表示装置の製造方法であって、前記複数の電子放出素子の各々が、上記本発明の第1〜第3により製造されることをも特徴とする。
本発明の製造方法によれば、低電界で電子放出可能な電子放出素子を簡易に作製することができる。それにより、駆動電圧が低く、ビーム径の制御性がよく、高効率な電子放出素子を作製することができる。さらにそのような製造方法により、良好な駆動特性を有する電子源を提供し、画像表示装置を形成することができる。
以下に図面を参照して、本発明について、実施形態を挙げて説明する。但し、下記の例における、各部材の寸法、材質、形状、その相対配置、及び駆動手法、駆動電圧などは、本発明の範囲をそれらにのみに限定する趣旨のものではない。
図1に本発明の電子放出素子の上方にアノード電極を配置した電子放出装置の形態例を示す。図1(a)は電子放出装置を駆動している際の様子を模式的に示した断面図、図1(b)は電子放出装置を駆動している際の様子を模式的に示した平面図である。図中、1は基板、2はカソード電極、3はゲート電極、4はアノード電極、5はカーボン膜、6は駆動電源、7はアノード電源、11はダイポール層である。
この装置においては、カソード電極2とゲート電極3の間に駆動電圧Vg[V]を印加すると同時に、アノード電極4にVgよりも高い電圧Va[V]を印加することにより、電子放出膜として機能する、カーボン膜5とダイポール層11との積層体から電子が放出され、放出電流Ie[A]がカソード電極2とアノード電極4との間に流れる。
ここで説明する電子放出素子は、対向する2つの電極(カソード電極2とゲート電極3)間に電界を印加して電子放出させるタイプの電子放出素子である。そして、図1で示した形態では、カソード電極2、およびゲート電極3の表面にカーボン層5を配し、さらに該カーボン層5のカソード電極2側の表面にダイポール層11を形成したものである。
図4と図5を用いて、図1に示した電子放出素子の電子放出構造を説明する。
図4は、電子放出部の断面を模式的に示した図である。図4において、2はカソード電極、5はカーボン層であり、例えばダイアモンドライクカーボン(DLC)膜を用いることができる。11はカーボン層5と真空との界面である。図中、カーボン層5の表面は水素により終端されている。一般に、水素原子は僅かながら正に分極(δ)している。これによりカーボン層5表面の炭素原子は僅かながら負に分極(δ)され、その結果、ダイポール層(電気二重層)11が形成される。
尚、ここでは、ダイポール層11として、カーボン層5の表面(真空との界面)が水素で終端された形態例を示した。しかし、本発明におけるダイポール層11を形成する材料は、水素に限定されるものではない。カーボン層5の表面を終端する材料は、カソード電極2と引き出し電極(ゲート電極及び/またはアノード電極)との間に電圧を印加していない状態下において、カーボン層5の表面準位を下げるものであればよいが、好ましくは水素が用いられる。
上記したダイポール層11を有する電子放出膜からの電子放出原理を図5(a)、(b)のバンド図を使用して説明する。図5(a)は、引き出し電極23とカソード電極2との間に電圧を印加していない場合を示している。図5(b)は、引出し電極23とカソード電極2との間に駆動電圧を印加した場合を示している。引き出し電極23は、ゲート電極やアノード電極、または、その両者を合わせたものである。図中、2はカソード電極、5はカーボン層、23は引き出し電極、24は真空障壁、25は電子、26はダイポール層がその表面に形成されたカーボン層5と真空との界面である。
前述のダイポール層11により、図5(a)のように、カソード電極2と引き出し電極23との間に駆動電圧が印加されていないにもかかわらず、前記カーボン層5の表面には、電気二重層の電位δ[V]が印加されているのと等価の状態が形成される。
図5(b)に示すように、カソード電極2と引き出し電極23との間に駆動電圧V[V]を印加すると、カーボン層5の電位降下は進行する。そして、カーボン層5の電位降下と連動して、真空障壁24も引き下げられる。従って、カソード電極2から供給された電子25の、前記カーボン層5を通りぬける空間的な距離を駆動電圧V[V]によって縮めることができる。予めカーボン層5の膜厚をトンネルできる膜厚(好ましくは10nm以下)に設定しておくことによって、駆動電圧V[V]をカソード電極2と引き出し電極23との間に印加した際に、電子25がカーボン層5をトンネル可能な状態が形成される。その結果、真空への電子25の放出が実現される。尚、本発明の電子放出素子における駆動電圧V[V]は好ましくは50[V]以下であり、さらに好ましくは5[V]以上50[V]以下である。
また、カーボン層5の表面を終端する材料は、カーボン層5の表面準位を、カソード電極2と引出し電極23との間に電圧を印加していない状態下において、0.5eV以上好ましくは1eV以上引き下げるものであることが好ましい。但し、本発明の電子放出素子においては、カソード電極2と引出し電極23との間に駆動電圧を印加している時及び駆動電圧を印加していない時の両方において、カーボン層5の表面の準位は正の電子親和力を示す必要がある。
また、アノード電極に印加される電圧は、一般に10kV以上30kV以下の範囲である。そのため、アノード電極と電子放出素子との間に形成される電界強度は、一般に、おおよそ1×10V/cm以下と考えられる。従って、この電界強度によって電子放出素子から電子が放出しないようにすることが好ましい。そのため、ダイポール層が形成された絶縁層2の表面の電子親和力は、後述する絶縁層の膜厚も考慮すると、2.5eV以上とすることが好ましい。
また、カーボン層5の膜厚は、駆動電圧によって決めることができるが、好ましくは20nm以下、さらに好ましくは10nm以下に設定される。また、カーボン層5の膜厚の下限としては、駆動時に、カソード電極2から供給された電子が、トンネルすべき障壁(カーボン層5と真空障壁24)を形成していれば良いが、成膜再現性などの観点から好ましくは1nm以上に設定される。
また、この形態の場合における、カーボン層5は、実質的に絶縁層として機能することが重要である。カーボン層5の主体が、例えばダイヤモンド−ライク−カーボン(DLC)等のアモルファスカーボンであると、1×10〜1×1014Ωcm程度の抵抗率を得ることができ、誘電体として機能することができるので好ましい。しかしながら、本発明においては、絶縁層5の材料はカーボンに限定されるものではない。しかし、電子放出特性や製造容易性の観点からは、絶縁層5の材料はカーボンであることが好ましい。
このように、本発明における電子放出素子においては、カーボン層5が常に正の電子親和力を示すことで、選択時(ON時)と非選択時(OFF時)での明確な電子放出量のオン・オフの比を確保することができる。選択時と非選択時で明確な電子放出量のオン・オフ比を確保できる電子放出素子は、多数の電子放出素子の中から任意の電子放出素子から電子を放出させる必要のある、電子源や画像表示装置に好ましく適用することができる。
尚、本発明が好ましく適用されるカーボン層5は、1×10V/cm未満の低い電界強度で電子が放出され得る層である。図4および図5を用いて説明したカーボン層5においては、1×10V/cm未満の電界が印加されることで、電子を放出させ始めることができる。つまり、引出し電極23とカーボン層5との間に、1×10V/cm未満の電界を印加することで電子を放出することができる。
このため、本発明の電子放出素子は、表面伝導型電子放出素子とは異なり、電子放出効率(Ie/If(ここで、Ifは、カソード電極と引き出し電極間に流れる電流(素子電流)を示し、Ieは、カソード電極とアノード電極間に流れる電流(放出電流)を示す)が非常に高い。本発明の電子放出素子では、ゲート電極とカソード電極との間隔を1μm以上離すことができ、その結果、電子放出効率が30%以上が実現でき、60%以上をも実現することができる。尚、「活性化」と呼ばれる製造工程を経た表面伝導型電子放出素子では、電子放出効率は数%であり、また、ゲート電極側のカーボン膜とカソード電極側のカーボン膜との間隔は数ナノメートルである。
図2、図3、図4を用いて、図1に示した電子放出素子の製造工程の一例を示す。
図2は本発明による電子放出素子の製造工程における3つのステップを示した模式図である。3つのステップは、[ステップ1]:第1導電膜と第2導電膜とを有する基板を用意する工程(図2(a))と、[ステップ2]:第1導電膜および/または第2導電膜の表面にダイポール層を形成する工程(図2(b))と、[ステップ3]:基板上に形成されたダイポール層のうち、不要な部分のダイポール層を取り除く工程(図2(c))と、からなる。そして、図2(a)に示す構造を得るための製造工程の一例が図3(a)〜(e)に示されている。図2(b)に示す構造を得るための製造工程の一例が図3(f)に示されている。図2(c)に示す構造を得るための製造工程の一例が図3(g)〜(h)に示されている。
さらに、各ステップについて具体的に説明する。
[ステップ1] 第1導電膜と第2導電膜とを有する基板を用意する工程
ステップ1は、基板上に第1導電膜と第2導電膜を作成するステップである(図2(a))。このステップ1は、例えば、以下の工程1〜工程5によって形成することができる。なお、以下で説明する例においては、第1導電膜が電極2とカーボン層5とを含み、第2導電膜が電極3とカーボン層5とを含む場合を説明する。
(工程1)
先ず予め、その表面を十分に洗浄した基板1上に導電性膜31(電極2及び電極3となるべき部材)を積層する(図3(a))。
基板1としては、例えば、石英ガラス、Na等の不純物含有量を減少させたガラス、青板ガラス、基板表面にSiOを積層した積層体からなる基板、セラミックスからなる絶縁性基板のうちの、いずれか一つを用いることができる。
導電性膜31は、蒸着法、スパッタ法等の一般的真空成膜技術により形成される。導電性膜31の材料は、例えば、Be,Mg,Ti,Zr,Hf,V,Nb,Ta,Mo,W,Al,Cu,Ni,Cr,Au,Pt,Pd等の金属または合金材料等から適宜選択される。導電性膜31の厚さとしては、数十nmから数mmの範囲で設定され、好ましくは数百nmから数μmの範囲で選択される。
(工程2)
次いで、図3(b)に示すように導電性膜31上にカーボン層5を堆積する。
カーボン層5は、平坦性のよいことが好ましい。具体的には、表面粗さが、rms(root−mean−square)で、カーボン層5の平均膜厚の1/10以下であることが好ましい。また、rmsの値では10nm以下、さらに望ましくは、1nm以下であることが好ましい。尚、rmsは、平均線から測定曲線までの偏差の二乗を平均した値の平方根で表す。JIS規格でも採用される規格である。
(工程3)
フォトリソグラフィー法により、導電性膜31を電極2と電極3とに分離するため、フォトレジストマスク32のパターンを導電性膜31上に形成する(図3(c))。
(工程4)
次いで、エッチング処理を行い導電性膜31を電極2と電極3とに分離する(図3(d))。導電性膜31及びカーボン層5のエッチング工程においては、エッチング面が平滑であることが望ましい。そのため、用いる材料に応じて、エッチング方法を選択すれば良い。ドライエッチングでもウエットエッチングでも構わない。
(工程5)
マスク32を除去することにより、図3(e)に示す、第1導電膜(2、5)と第2導電膜(3、5)とが基板1表面上に間隔を置いて配置した構造体を形成することができる。
通常、第1導電膜と第2導電膜との間の距離w(図1参照)は、電子放出素子を構成する材料や抵抗値、カーボン層5の電気的特性、必要とする電子放出ビームの形状などにより適宜設定される。通常、wは数十nm以上、100μm以下に好ましくは設定される。距離wを小さくすることは、電子放出素子の駆動電圧の低減に最も有効であり、数μm以下にすることが望まれる。しかしながら、距離wを小さくすると、後述するステップ3の工程における位置合わせ精度を確保できなくなる場合がある。したがって、好適なwは500nm以上、10μm以下である。
[ステップ2] ダイポール層を形成する工程
ステップ2は、ダイポール層11を、ステップ1で形成した第1導電膜(2、5)及びまたは第2導電膜(3、5)上に形成するステップである(図2(b))。このステップは、いわゆる表面処理工程の一種と見なすこともできる。特に、ここでは、上記工程1〜工程5で形成したカーボン層5の表面にダイポール層11を形成する例を説明する。
ここでは、ダイポール層11の形成が、第1導電膜(2、5)および第2導電膜(3、5)の表面終端によって行われる例を説明する。さらに、ここでは、第1導電膜(2、5)および第2導電膜(3、5)の表面を化学修飾することで、第1導電膜および第2導電膜の表面に対して水素による終端処理を行う方法を説明する。さらに、ここで説明する例では、上記表面終端方法として、熱処理によって行う方法の例を説明する。このような水素での終端処理によるダイポール層11を形成する手法としては、例えば、以下の工程6によって行うことができる。
(工程6)
前記ステップ1により第1導電膜および第2導電膜をその表面に形成した基板1を、熱処理炉33内に配置する。そして、熱処理炉33内にガス34を導入しながら、基板1の加熱を行う(図3(f))。
熱処理としては、各種の熱処理炉を使用することができる。例えば、ランプ加熱炉でもよいし、電気炉でもよい。熱処理温度は、終端したい構造、終端する材料、終端に必要とされる時間などによって適宜選択される。具体的には、熱処理温度としては400℃以上、おおむね500℃以上が必要とされ、上限は基板1の軟化点以下に設定される。熱処理におけるガス34としては、水素ガス、もしくは水素ガスと炭素を含むガスとの混合ガスを用いる。特には水素ガスと炭化水素ガスとの混合ガスが好適である。また、炭化水素ガスであれば、特に限定されないが、アセチレンガス、エチレンガス、メタンガス等、鎖状炭化水素が好ましい。
熱処理における圧力は、大気圧程度あるいは減圧下であれば良い。熱処理炉33内をいったん減圧し、炉内の水分、その他のガスをいったん排気してから、所望の圧力までガスを導入するのが好ましい。
また、熱処理に先だって、第1導電膜および第2導電膜の表面をクリーニングすることも好ましい。あるいは、炉33内に基板1を投入してから上記ガス中での熱処理を開始するまでの所望期間の熱処理を上記クリーニングに当てることも可能である。
この熱処理工程を終えて、熱処理炉33から基板1を取り出すと、第1導電膜および第2導電膜(カーボン膜5)の表面のうちの露出された部分に、前述したダイポール層11が形成される(図2(b))。
[ステップ3] 不要な領域のダイポール層を取り除く工程
ステップ3は、ステップ2で形成されたダイポール層11のうち、不要な部分のダイポール層を除去するステップである(図2(c)。このステップは、例えば、不要な領域のダイポール層に、選択的にエネルギーが付与することで、不要な領域のダイポール層を取り除く。より具体的には、例えば、以下の工程7によって行うことができる。
(工程7)
ステップ2で形成した構造体(図2(b))に対して、大気中で、マスク35を位置合わせして、紫外光36をマスク35の開口を通して不要なダイポール層11に照射して、水素終端構造を変質させることで、不要なダイポール層11を消滅させる。(図3(G))。
マスク35は、例えば、石英ガラスなど紫外光を透過する母材で構成され、ダイポール層11を除去したい領域に対応する部分のみに金属膜を設けないことで、紫外光が透過できる開口が用意された構造をもつものを採用することが出来る。マスク35としては、必ずしも上記金属マスクに限定されるものではない。不要なダイポール層11に照射するためのエネルギーが、ダイポール層11を残しておきたい領域に対応する部分(マスク部分)において、十分に遮ることができる構造を有するものであれば良い。また、マスク35は少なくともダイポール層11を除去したい領域に対応する領域に開口を有しているものがよい。さらに、図2(c)に示すように、一方の導電膜(図2(c)においては符号3、5で記される部材)の表面に対応する領域、第1導電膜および第2導電膜で覆われていない基板1の表面に対応する領域、および、他方の導電膜(図2(c)においては符号2、5で記される部材)の一部に対応する領域に、開口を有することによって、電子放出する領域をより高精度に位置決めすることができる。
ダイポール層11の消滅とは、終端構造の水素が、結合していた導電膜の表面から除かれ、ダングリングボンドが形成されることに相当すると考えられる。また、この工程7を大気中で行うこともできる。この場合には、実効的には、表面に酸素の量を増やすことができるので、導電膜の表面のうち、不要なダイポール層が形成されている導電膜の表面を酸素終端することに相当すると考えることができる。
工程7を行う際の雰囲気は、酸素雰囲気(大気でも可)が望ましく、さらに酸化性雰囲気(例えばオゾン雰囲気)であってもよい。処理時間を短くするためには、基板1を加熱しながら工程7を行うことが望ましい。
なお、工程7においては、不要なダイポール層を消滅させるだけでなく、不要なダイポール層の下に位置するカーボン層の一部あるいは全部をエッチングして除去しても良い。
したがって、工程7は、通常のエッチング工程で代用することも可能である。すなわち、電子やイオンを利用した物理的なエッチングでもよいし、化学的なエッチングでもよい。ただし、不要なダイポール層を選択的に除去することが可能な手法である必要がある。
また、工程7においては、必要なダイポール層における電子放出能力を劣化させないことが必要である。また、工程7においては、不要なダイポール層を選択的に除去した結果、導電膜の表面に微細な凹凸が形成されることによる、意図しない領域(電子を放出させたくない領域)から電子が放出されやすい構造にならないことが必要である。
したがって、不要なダイポール層(不要な終端構造)のみを取り除く方法が、周囲の必要なダイポール層の電子放出能力を低減したり、不要な電子放出部を新たに形成したりする可能性を少なくすることができるので有効である。不要なダイポール層11を除去、変質させるために照射するエネルギーとしては、紫外線が、本発明において最適な工程といえる。
尚、ステップ3は、ステップ2によって基板1上の意図しない領域に形成された終端構造(ダイポール構造)を除去するものである。従って、意図しない領域に形成された電子放出可能な構造(終端構造)を除去するのであるから、ステップ2の処理を行う領域(位置)に求められる精度を低減することができる。
また、本発明は、電子放出可能な構造を形成したくない領域にマスクを設けた上で、上記ステップ2を行い、その後リフトオフなどの公知の手法によってマスクを除去した後に、上記ステップ3を行うこともできる。このようにすれば、ステップ3を行う前のパターニング(上記リフトオフなどの工程)などで生じる残渣によって形成される可能性のある電子放出可能な構造(終端構造)や、ステップ3を行う前の他の種々のプロセスによって形成される可能性のある電子放出可能な構造(終端構造)を、ステップ3において確実に除去することができる。
以上のステップ1〜ステップ3に記載した製造方法により、本発明の電子放出素子を形成することができる。
尚、上記した例においては、同じ基板1上に、カソード電極に相当する第1導電膜(2、5)と、ゲート電極に相当する第2導電膜(3,5)とを配置した場合を示した。しかしながら、上記第1導電膜と第2導電膜に加え、それぞれの導電膜に接続する配線などの導電性部材が、同じ基板1上に配置される場合もある。配線は、上記ステップ1または2を行う前に形成することもできるし、ステップ2を行った後に形成することもできる。ステップ1または2を行う前に配線などの導電性部材を形成する場合においては、上記ステップ3における処理(不要な領域のダイポール層を取り除く工程)を上記配線などの導電性部材にも施すことが好ましい。
また、図1(a)に示した例においては、電子放出装置が、第1導電膜と第2導電膜とアノード電極とから構成される例(即ち3端子構造の例)を示した。しかしながら、電子放出装置としては、第1導電膜およびアノード電極とから構成される、いわゆる2端子構造の場合も本発明は除外するものではない。さらに、4端子以上の電子放出装置についても本発明は除外するものではない。
4端子構造の場合には、アノード電極とカソード電極以外の残る2つの電極の両方が、カソード電極とともに基板1上に配置される場合もある。また、アノード電極とカソード電極以外の残る2つの電極のうちの一方が、カソード電極とともに基板1上に配置される場合もある。
いずれの場合においても、カソード電極(第1導電膜(2、5)に相当する)に対する前記したステップ2の処理(ダイポール層を形成する工程)を施す前に、カソード電極と共に基板1上に配置された導電性部材に対しては、上記ステップ3における処理(不要な領域のダイポール層を取り除く工程)を施すことが好ましい。これにより、カソード電極以外の基板1上の導電性部材表面に形成されたダイポール層(或いは形成される可能性のあるダイポール層)を除去することができる。
また、本発明においては、ゲート電極(第2導電膜(3,5)に相当)は、カソード電極側から電子を引き出すための所謂引出し電極として用いられる場合だけではない。例えば、カソード電極側から電子を引き出すための電界はカソード電極に印加される電位とアノード電極に印加される電位とで形成し、ゲート電極はカソード電極側から放出された電子の量を制御する或いはカソード電極側からの電子の放出を停止させるために用いられる場合もある。あるいは、カソード電極側から電子を引き出すための電界はカソード電極に印加される電位とアノード電極に印加される電位とゲート電極に印加される電位とで形成し、ゲート電極はさらにカソード電極側から放出された電子の量を制御する或いはカソード電極側からの電子の放出を停止させるために用いられる場合もある。従って、本発明におけるゲート電極は、制御電極と呼ぶことができる。
次に本発明の製造方法を適用した電子放出素子の応用例について以下に述べる。本発明の製造方法は、複数の電子放出素子を基板上に配列した電子源や、電子源と発光体とを用いた画像表示装置などに適用できる。
電子源における電子放出素子の配列形態は、種々のものを採用することができる。一例として、以下では、各電子放出素子がカソード電極とゲート電極とからなる場合について説明する。例えば、電子源の配列形態においては、電子放出素子をX方向及びY方向に行列状に複数個配し、同じ行に配された複数の電子放出素子を構成するカソード電極(前述の第1導電膜(2、5))或いはゲート電極(前述の第2導電膜(3,5))の一方を、X方向の配線に共通に接続し、同じ列に配された複数の電子放出素子を構成するカソード電極或いはゲート電極の他方を、Y方向の配線に共通に接続する、いわゆるマトリクス配置がある。
以下、マトリクス配置の電子源について、図6を用いて説明する。図6において、41は基板、42はX方向配線、43はY方向配線である。44は本発明による電子放出素子である。2は前述の第1導電膜の電極であり、3は前述の第2導電膜の電極を指す。
m本のX方向配線42は、Dx,Dx,…Dxからなり、真空蒸着法、印刷法、スパッタ法等を用いて形成された導電性金属等で構成することができる。配線の材料、膜厚、幅は、適宜設計される。Y方向配線43は、Dy,Dy,…Dyのn本の配線よりなり、X方向配線42と同様に形成される。これらm本のX方向配線42とn本のY方向配線43との間には、不図示の層間絶縁層が設けられており、両者を電気的に分離している(m,nは、共に正の整数)。
不図示の層間絶縁層は、真空蒸着法、印刷法、スパッタ法等を用いて形成されたSiO等で構成される。例えば、X方向配線42を形成した基板41の全面或いは一部に所望の形状で形成され、特に、X方向配線42とY方向配線43の交差部の電位差に耐え得るように、膜厚、材料、製法が適宜設定される。X方向配線42とY方向配線43は、それぞれ外部端子として引き出される。
各電子放出素子44を構成する第1導電膜の電極2はm本のX方向配線42のうちの1本と、各電子放出素子44を構成する第2導電膜の電極3はn本のY方向配線73のうちの1本に電気的に接続される。
次に、上述したマトリクス配列した複数の電子放出素子を有する電子源の駆動方法の一例について説明する。
X方向配線42には、走査信号が印加される。具体的にはX方向に配列した電子放出素子44の行を選択するための走査信号を印加する不図示の走査信号印加手段がX方向配線42に接続される。一方、Y方向配線43には、上記走査信号に同期した変調信号が印加される。具体的には、Y方向に配列した電子放出素子44の各列を入力信号に応じて、変調するための不図示の変調信号発生手段が接続される。そして、X方向配線42の中から選択したX方向配線と、Y方向配線43の中から選択したY方向配線とに、夫々、信号(電圧)を供給することで所望の電子放出素子(選択した電子放出素子)を駆動することができる。選択された電子放出素子44に印加される駆動電圧は、当該選択された電子放出素子に印加される走査信号と変調信号の差電圧である。尚、ここでは、ゲート電極3に走査信号を印加し、カソード電極2に変調信号を印加した例を示したが、ゲート電極3に変調信号を、カソード電極2に走査信号を印加する形態であってもよい。
上記構成においては、単純なマトリクス配線を用いて、個別の素子を選択し、独立に駆動可能とすることができる。このような単純マトリクス配置の電子源を用いて構成した画像表示装置の一例について、図7を用いて説明する。図7では、画像表示装置内部がわかるように、フェースプレート56の一部と支持枠52の一部を取り除いて示した模式図である。
図7において、41は図6で示した、電子放出素子を複数配した基板である。51は基板41を固定したリアプレートである。56は、ガラスなどの透明な基板53の内面に蛍光体などの発光体からなる発光体膜54とメタルバック55等が形成されたフェースプレートである。52は支持枠であり、支持枠52には、リアプレート51、フェースプレート56がフリットガラス等の接着剤を用いて接続されている。57は外囲器であり、例えば真空中或いは窒素中で400〜500℃の温度範囲で10分以上、支持枠52とリアプレート51とフェースプレート56との接続部にフリットガラスなどの接着剤を配置した状態で、焼成することで、封着して得ることができる。尚、端子Dx〜DxおよびDy〜Dyは、図6で説明したDx〜DxおよびDy〜Dyに接続して、外囲器57の外部まで延長された端子である。
外囲器57は、上述の如く、フェースプレート56、支持枠52、リアプレート51で構成される。リアプレート51は主に基板41の強度を補強する目的で設けられる。そのため、基板41自体が十分な強度を持つ場合は、リアプレート51は不要とすることができる。即ち、基板41に直接支持枠52を封着し、フェースプレート56、支持枠52及び基板41で外囲器57を構成しても良い。一方、フェースプレート46、リアプレート51間に、スペーサーとよばれる不図示の支持体を設置することにより、大気圧に対して十分な強度をもつ外囲器57を構成することもできる。
尚、封着工程を施した外囲器(パネル)は封止工程を行う場合がある。
封止工程は、外囲器(パネル)57を加熱しながら、排気装置により排気管お5(不図示)を通じて排気し、外囲器内部を排気した後、排気管を封じきることによって行われる。外囲器57の封止後の圧力を維持するために、ゲッター処理を行うこともできる。ゲッターはBa等の蒸発型や、非蒸発型を用いることできる。また、真空チャンバー中で封着工程を行えば、上記封止工程を封着工程後に別途設ける必要がなくなる。つまり、封着工程によって、封止工程を必要とせずに、内部が真空状態に維持された外囲器57を形成することができる。
上記マトリクス配置の電子源を用いて構成した画像表示装置では、各電子放出素子に、端子Dx〜DxおよびDy〜Dyを介して電圧を印加することにより、所望の電子放出素子から電子を放出させることができる。また、高圧端子58を介してメタルバック55或いは透明電極(不図示)に10kV以上の電圧Vaを印加した状態で、上述の方法で所望の電子放出素子から電子を放出させることにより、放出された電子は、発光体54に衝突し、発光が生じて画像が形成される。
本発明による画像表示装置は、上記構成に加えて更に、テレビジョン放送などの放送信号を選択し受信する受信機(チューナー)を備えることで例えばテレビジョン放送用の画像表示装置を形成することができる。また、本発明による画像表示装置は、テレビ会議システムやコンピューター等の表示装置の他、感光性ドラム等を用いて構成された光プリンターとしての画像表示装置等としても用いることができる。
本発明による画像表示装置の製造方法は、前述したステップ1〜ステップ3によって複数の電子放出素子を基板上に形成し、その後、複数の電子放出素子が形成された基板と支持枠とフェースプレートとを用いて前述した外囲器57の組み立て工程を行うことで形成することができる。
以下、本発明の実施例を詳細に説明する。
[実施例1]
本実施例では、図6に示したダイポール層11を有するカーボン層5を有する電子放出素子を作製した。以下、本実施例で作成した電子放出素子の製造工程を順に説明する。
(工程1)
先ず、基板1に石英ガラスを用い、十分な洗浄を行った後、スパッタ法によりカソード導電性膜31として厚さ100nmのTiNを成膜した(図3(a))。
(工程2)
スパッタ法により、導電性膜31上にカーボン層5を膜厚4nm堆積した。ターゲットとしては、グラファイトを用い、アルゴン雰囲気中で成膜を行った。本カーボン層5は、抵抗率が1×1011Ω・cmであった。(図3(b))。
(工程3)
レジストマスク33をフォトリソグラフィー法を用いて膜厚1μmで作製した。(図3(c))wは5μmとした。
(工程4)
次に、カーボン層5とTiN膜31とを連続してドライエッチングした。尚、TiN膜31を完全にエッチングするために石英ガラス基板1も多少エッチングされる条件を選択した(図3(d))。
(工程5)
次に、レジストマスク33を剥離液を用いて除去した。(図3(e))。
(工程6)
さらに、工程1〜5により作製した第1導電膜2、第2導電膜3、カーボン膜5が配置された基板1を、熱処理炉33の中で、下記に示す条件により、メタンと水素の混合ガス雰囲気で熱処理した。図3(f)
熱処理温度:630℃
加熱方式:ランプ加熱
処理時間:60分
混合ガス比:メタン/水素=15/6
熱処理時圧力:6KPa
この工程により、カーボン層5表面に、ダイポール層11を形成した。この状態でのカーボン層5の表面は、非常に平坦であった。上記の手法と同様の手法にてSi基板上にカーボン層5およびダイポール層11を形成したところ、rms=0.2nmであった。従って、カーボン膜およびダイポール層11の積層体自体のrmsは、0.2nmである。
(工程7)
金属マスク35を、高圧水銀灯を紫外線光源とする装置に設置し、若干の空間をおいて対向して位置合わせした状態で、紫外光36を10分間連続して照射した。図3(g)
これにより、本実施例の電子放出素子を完成させた。また、工程7を行わない電子放出素子を比較例1として同様に作製した。
本実施例により形成した電子放出素子と、比較例1の電子放出素子とを真空チャンバ内で図1に示すような配置で駆動した。
アノード電極にはアノード電圧(Va)として5kVを印加した。カソード電極とアノード電極との間隔(H)は2mmとし、カソード電極とゲート電極との間には駆動電圧(Vg)として、パルス電圧(パルス幅1msec、周波数500Hz、デューティー20%、パルス波高値40V)を印加した。
上記条件で駆動したところ、本実施例の電子放出素子も、比較例1の電子放出素子も、良好な電子放出特性が得られた。
次に、上記パルス電圧と同様の波形で且つパルス波高値が−40Vのパルス電圧を、カソード電極側がゲート電極側よりも電圧が高くなるように印加した。その結果、本実施例で作成した電子放出素子は、逆方向に電圧(カソード電極側がゲート電極側よりも電位が高いような電圧)を印加しても電子放出しなかったが、比較例1の電子放出素子は、ゲート電極側から電子放出が確認された。
これにより、本実施例の電子放出素子においては、カーボン層5には、(工程6)でカソード電極側、ゲート電極側の両側にダイポール層が形成されており、(工程7)においてゲート電極側のダイポール層が除去されたことがわかった。
本実施例に示すように、簡易な構成、作製方法であるにもかかわらず、低電界で電子放出可能で、安定な駆動が可能な電子放出素子が作製可能であった。
[実施例2]
本実施例では、実施例1の工程2、3、6、7を変更した以外は実施例1と同様にして電子放出素子を作成した。以下に本実施例の製造工程を順に説明する。尚、実施例1と同様の工程については説明を省略する。
(工程1)実施例1と同じ。
(工程2)
ついでECRプラズマCVD法によりDLC膜を3nm程度堆積した。成長条件を以下に示す。
ガス:CH
マイクロ波パワー:400W
基板バイアス:−90V
ガス圧:25mmPa
基板温度:室温
カーボン層5は、抵抗率が1×10Ω・cmであった。
(工程3)
レジストマスク33をフォトリソグラフィー法を用いて膜厚0.6μmで作製した。wは3μmとした。
(工程4)および(工程5)は実施例1と同じ。
(工程6)
熱処理炉33の中で、下記に示す条件により、水素ガスで熱処理した。
熱処理温度:630℃
加熱方式:ランプ加熱
処理時間:120分
ガス:水素
熱処理時圧力:200Pa
この工程により、カーボン層5表面に、ダイポール層11を形成した。この状態でのカーボン層5の表面は、実施例1よりは、若干平坦度が異なっていた。上記の手法と同様の手法にてSi基板上にカーボン層5およびダイポール層11を形成したところ、rms=0.4nmであった。従って、カーボン膜およびダイポール層11の積層体自体のrmsは、0.4nmである。
(工程7)
金属マスク35を、超高圧水銀灯を光源とするプロキシミティーの半導体露光装置に設置し、アライメントした状態で、紫外光36を2分間露光した。
これにより、本実施例の電子放出素子を完成させた。
本実施例で作製した電子放出素子、実施例1と同様に真空チャンバ内で図1に示すように配置し、駆動した。
Vaは5kV、H=2mmとし、カソード電極とゲート電極間に印加するパルス電圧は、パルス幅1msec、周波数500Hz、デューティー20%とした。その結果、本実施例の電子放出素子は、パルス波高値30Vで駆動できた。
これは、工程7において半導体露光装置を使用することにより、より微細な加工が可能となり、電子放出素子のカソード電極とゲート電極間の距離Wを実施例1と比較し小さくできたためである。
[実施例3]
本実施例では、実施例1の工程7を図8に示す装置を用いて行った以外は実施例1と同様にして電子放出素子を作成した。以下に本実施例の製造工程を順に説明する。尚、実施例1と同様の工程については説明を省略する。
(工程1〜6)実施例1と同じ。
(工程7)
工程1〜6によって作成した第1導電膜2、第2導電膜3、カーボン膜5およびダイポール層11が配置された基板1を、電子線照射装置91内に配置した。そして、ゲート電極側の表面にのみ電子線92が照射されるように電磁レンズ93を用いて走査した。
以上の工程によって作成した電子放出素子においても、実施例1と同様に良好な電子放出素子が作製された。そして、カソード電極側の電位をゲート電極側の電位よりも高くなるようにカソード電極(第1導電膜(2,5))とゲート電極(第2導電膜(3,5))との間に電圧を印加したところ、ゲート電極側からの電子放出は確認されなかった。また、電子線照射部(第2導電膜(3,5)の表面)の平坦性は、電子線照射の前後でほとんど変化はなかった。
本実施例では、電子を照射したがイオンを照射する方法によっても行うことができる。
[実施例4]
本実施例では基本的に実施例1と同様の作成方法で作成した電子放出素子44を、行方向に1000個配置し、列方向に1000個配置することで、マトリクス状に配置した電子源を形成した(図6参照)。そしてこの電子源を用い、図7に示す画像表示装置を作製した。
基板41上には、配線(42、43)および層間絶縁層(SiO2)を作製した。X方向配線42をカソード電極(第1導電膜における電極2)に接続し、Y方向配線43をゲート電極(第2導電膜における電極3)に接続した。
各電子放出素子の製造方法は、実施例1と基本的に同様であるが、実施例1の工程7を実施例2の工程7に置き換えた。本実施例では、ゲート電極表面(第2導電膜の表面)および配線に対し紫外線を照射した。尚、各電子放出素子44は、横300μm、縦300μmのピッチで配置した。
また、比較例2として、紫外線を照射しない以外は本実施例と同様に作成した電子源を用意した。
上記のように作製した電子源を備える基板41(実施例4および比較例2)を、リアプレート51に固定した後、アノード電極4であるメタルバック55と蛍光体膜54とを有するフェースプレート56と対向し外枠52を介して封着して、図7に示す画像表示装置を形成した。尚、基板41とメタルバック55との間の距離Hは、2mmになるように設定した。
これらの画像表示装置に、駆動回路を接続し、所望の電子放出素子を駆動させることにより画像表示を行った。本実施例の画像表示装置では、均一性がよく、コントラストの良好な表示画像が得られた。一方、比較例2の電子源を用いた画像表示装置においては、実施例4の画像表示装置に比べ、均一性がよくなかった。これは、ゲート電極や、配線の端部から意図しない電子放出があるためとわかった。したがって、本実施例のように、電子放出部以外のダイポール層を必要としない領域に紫外線を照射して、不要なダイポール層を消滅させることで、表示特性のよい画像表示装置を製造することができる。
本発明による電子放出装置の一例の模式図である。 本発明による電子放出素子の製造方法の一例を模式的に示す工程図である。 本発明による電子放出素子の製造方法の他の一例を模式的に示す工程図である。 本発明に用いうる、ダイポール層を有するカーボン層の構成を模式的に示す図である。 図6のカーボン層における電子放出原理を示す模式図である。 本発明の電子放出素子を用いた電子源の一例を示す平面模式図である。 本発明の電子放出素子を用いた画像表示装置の一例を示す斜視図である。 本発明における電子放出素子の製造工程を示す模式図である。
符号の説明
1 基板
2 カソード電極
3 ゲート電極
4 アノード電極
5 カーボン層
6 駆動電源
7 アノード電源
8 導電性粒子
9 集合体
10 母材
11 ダイポール層
12 炭素
13 水素
23 引き出し電極
24 真空障壁
25 電子
31 導電性膜
32 マスク
33 熱処理炉
34 ガス
35 マスク
36 紫外線
41 電子源基板
42 X方向配線
43 Y方向配線
44 電子放出素子
51 リアプレート
52 支持枠
53 ガラス基板
54 蛍光膜
55 メタルバック
56 フェースプレート
57 外囲器
58 高圧端子
61 絶縁層

Claims (12)

  1. 電子放出素子の製造方法であって、
    第1導電膜と第2導電膜とが、その表面上に間隔を置いて配置された基板を用意する第1工程と、
    前記第1導電膜および第2導電膜の表面に、炭素を介した水素による終端処理を行う第2工程と、
    前記第2工程の後に、前記第2導電膜を終端する水素を取り除く第3工程と、
    を含むことを特徴とする電子放出素子の製造方法。
  2. 前記第2工程は、炭素および/あるいは水素を含む雰囲気中で、前記基板を加熱する工程を含むことを特徴とする請求項1に記載の電子放出素子の製造方法。
  3. 前記第3工程は、選択的に前記第2導電膜にエネルギーを照射する工程を含むことを特徴とする請求項1または2に記載の電子放出素子の製造方法。
  4. 前記エネルギーは、紫外線であることを特徴とする請求項3に記載の電子放出素子の製造方法。
  5. 前記第3工程は酸素を含む雰囲気中で行われることを特徴とする請求項4に記載の電子放出素子の製造方法。
  6. 前記エネルギーは、電子ビームもしくはイオンビームであることを特徴とする請求項3に記載の電子放出素子の製造方法。
  7. 電子放出素子の製造方法であって、
    第1導電膜と第2導電膜とが、その表面上に間隔を置いて配置された基板を用意する第1工程と、
    炭素および/または水素を含む雰囲気中で、前記第1導電膜と第2導電膜とが配置された前記基板を加熱する第2工程と、
    前記第2工程の後に、前記第2導電膜に選択的にエネルギーを付与する第3工程と、
    を含むことを特徴とする電子放出素子の製造方法。
  8. 前記第3工程は、選択的に前記第2の導電膜にエネルギーを付与することにより、前記第2導電膜上の水素を除く工程であることを特徴とする請求項7に記載の電子放出素子の製造方法。
  9. 前記エネルギーが、紫外線、電子ビームもしくはイオンビームであることを特徴とする請求項7または8に記載の電子放出素子の製造方法。
  10. 電子放出素子の製造方法であって、
    導電膜が配置された基板を用意する第1工程と、
    炭素および/または水素を含む雰囲気中で、前記導電膜が配置された前記基板を加熱する第2工程と、
    前記第2工程の後に、前記導電膜が配置されていない前記基板表面に選択的にエネルギーを付与する第3工程と、
    を含むことを特徴とする電子放出素子の製造方法。
  11. 前記第3工程は、前記基板表面上であって、前記導電膜が配置されていない部分の水素を除く工程であることを特徴とする請求項10に記載の電子放出素子の製造方法。
  12. 複数の電子放出素子と、該複数の電子放出素子から放出された電子により発光する発光体とを具備する画像表示装置の製造方法であって、
    前記複数の電子放出素子の各々が、請求項1乃至11のいずれかに記載の製造方法により製造されることを特徴とする画像表示装置の製造方法。
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