JP2005314590A - 重合方法 - Google Patents

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Taisuke Ishii
泰助 石井
Yoshiaki Mori
義昭 森
Shunichi Himori
俊一 檜森
Yasunari Sugiyou
保成 須堯
Kiichi Ito
喜一 伊藤
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Abstract

【課題】 重合開始時や重合停止時の流体切替に伴う噴霧障害やノズルの閉塞を解消した重合方法を提供する。
【解決手段】 第1ノズル吐出口24から重合性モノマーを重合開始前に噴射させ、重合開始時に重合性モノマーと重合開始剤成分の混合液に切替えて噴射させる。別の重合開始剤成分を含有する液を第2ノズル吐出口25から噴射させ、噴射させた2液を気相中で混合して液滴状で重合させる。
【選択図】 図3

Description

本発明は、2種類の液を気相中で混合し、液滴状で重合させる重合方法に関する。より詳しくは、重合開始後および終了後にノズルの噴霧障害や閉塞が生じないようにした重合方法に関する。
重合性モノマーを含有する液と重合開始剤成分を含有する液を気相中に噴射して混合することにより重合反応を進行させる液滴重合法が知られている。液滴重合法は、重合開始剤と接触することにより重合性モノマーが瞬時に重合する場合に特に有効な反応である。
例えば、吸水性ポリマーは、脂肪族不飽和カルボン酸を重合開始剤と接触させることによりラジカル重合させて製造するが、このとき重合開始剤の選択によってはラジカル重合反応が極めて速くなる。このため、従来は溶液重合法や逆相懸濁重合法を用いて吸水性ポリマーを製造するのが一般的であったが、重合熱を除去しにくいため重合速度を上げるのに限界があった。そこで近年になって、重合熱の除去が効率的に行われる液滴重合法を用いて吸水性ポリマーを製造することが提案されている。
液滴重合法によれば、溶液重合法で必要とされる粉砕工程や、逆相懸濁重合法で必要とされる吸水性ポリマーと有機溶媒の分離工程や、有機溶媒の蒸留回収工程が不要となる。また、条件次第では重合熱の一部を吸水性ポリマー中に含まれる水分の蒸発に利用することができるため、後に続く乾燥工程でのエネルギー負荷を低減することができ、エネルギー的に非常に有効であるという利点がある。さらに、液滴重合法によれば、気相中で混合した液滴を繊維質基材の上に直接落下させることにより粉末を扱うことなく吸水性複合体を短時間に製造できるという利点もある。このとき、落下のタイミングを調節したり、繊維質基材の搬入速度を調節したりすることにより、所望の吸水能を有する吸水性複合体を容易に製造することができる。このため、液滴重合法を利用することにより、吸水性および吸水速度が高く、高吸水性ポリマーが繊維質基材上に安定性よく固定化された吸水性複合体を提供することができる(特開平9−67403号公報[特許文献1])。
しかしながら、液滴重合法は第1液と第2液を気相中で衝突させて混合させるものであることから、溶液重合法や逆相懸濁法のように大量のポリマーを効率よく製造することは原理的に困難であると考えられている。図1は、従来から用いられている吸水性ポリマー製造用の液滴重合用ノズルを示したものである。ここでは、第1液(3)が導入管を経由して5本のノズル(1)に供給され、第2液(4)が導入管を経由して5本のノズル(2)に供給され、第1液と第2液がノズル先端から噴射された後に合流して落下しながら重合を進行させるようになっている。
ノズルの内径は通常0.1〜0.2mmに設定されているが、内径を太くすると混合にムラが生じて製造される吸水性ポリマーの品質にばらつきが生じてしまう。このため、大量生産するために過度に内径を太くすることはできない。したがって、吸水性ポリマーを大量生産するためには、ノズルの数を増やして対応せざるを得ないが、それでは製造設備のコストがかさむため現実的ではない。また、ノズルの先端から噴射される第1液と第2液が互いにずれることなく衝突するためには、ノズルの先端が精度良く固定されている必要があるが、長期間の使用による微妙なずれやノズルの部分的な閉塞により製造効率が低下する問題もあった。
このような問題に対処するものとして、図2に示すようなスリット型ノズルを利用する方法が提案されている(特開平11−49805号公報[特許文献2])。ここでは、第1液(13)が第1液用ノズル(11)の底部に開設されたスリット(15)を通して液膜状に噴射され、第2液(14)が第2液用ノズル(12)の底部に開設されたスリット(16)を通して液膜状に噴射され、2つの液膜が気相中で合流して落下しながら重合を進行させるようになっている。この方法によれば、確かに図1の対向ノズルを用いた場合よりも吸水性ポリマーの製造効率は上がるものと期待される。
しかしながら、実際にスリット型ノズルを利用すると、スリット(15,16)先端から噴射された液膜は、落下するにしたがって表面張力によりその幅が細くなる。また、液膜の幅が細くなるに伴って液膜の厚さにもムラが生じ、液膜は一様でなくなる。このため、衝突地点ではともに一様でない第1液と第2液が衝突する結果、重合反応にもムラが生じてしまう。さらに、衝突後の混合液も、落下するに伴って表面張力によりその液膜の幅が細くなる。このため、期待される液膜が生じにくくなるとともに、液滴が生じてもその粒径にばらつきが生じてしまう。
このような問題に対処するために、新しいタイプのノズルを用いた重合方法が提案されている(特開2003−113203号公報[特許文献3])。このノズルは、第1液噴射用の第1円形開口部(吐出口)と第2液噴射用の第2円形開口部(吐出口)が同心軸状に配置されている二重同芯渦巻噴射ノズルである。第1円形開口部には断面が円形の第1誘導部が連結されており、さらに、該第1誘導部内壁を第1液がらせん状の軌跡を辿りながら前記第1円形開口部に降下するように第1液を供給する第1液供給手段が設置されている。また、第2円形開口部には断面が円形の第2誘導部が連結されており、さらに、該第2誘導部内壁を第2液がらせん状の軌跡を辿りながら前記第2円形開口部に降下するように第2液を供給する第2液供給手段が設置されている。そのような構造を有するノズルを用いて特定の条件を満たすように第1液と第2液を供給すれば、スリット型ノズルの問題点である表面張力による液膜の幅の狭小化を防ぎ、より均質なポリマーを製造することができるとされている。
特開平9−67403号公報 特開平11−49805号公報 特開2003−113203号公報
このような二重同芯渦巻噴射ノズルなどを用いた従来の液滴重合法では、ノズルへ重合性モノマーを供給する前に重合性モノマーの代替流体を流すのが一般的である。そして、重合を開始するときに、代替流体から重合開始剤成分を含有する重合性モノマーへ切替を行っている。しかしながら、この切替時に液物性が変化し配管内へのエア噛み込みが生じるために、噴霧のゆらぎやポリマー粒子の撥ねが発生し、結果としてノズル噴射口にポリマーが付着してノズルが閉塞するという問題が生じていた。また、閉塞まで至らない場合であっても、ノズル表面に付着した重合開始剤成分を含む重合性モノマーが次第に重合を進行させ、噴霧の障害となることがあった。
一方、重合を終了する際には、従来の液滴重合法では、重合開始剤成分を含有する重合性モノマーの供給を停止させるか、ノズル洗浄用の代替流体に切替を行うのが一般的である。しかしながら、この切替時にも撥ねが生じたり、重合性モノマーを直接停止させる時の液切れが悪かったりするために、ノズル表面に溜まった重合性モノマーの反応によりノズルを閉塞させてしまうという問題があった。
これらの従来技術の問題点を考慮して、本発明は、重合開始時や重合停止時の流体切替に伴う噴霧障害やノズルの閉塞を解消した重合方法を提供することを課題とした。
本発明者らは鋭意検討を重ねた結果、重合開始前に重合性モノマーを一定時間噴射させて安定的に噴射するようになってから重合性モノマーと重合開始剤成分の混合液を噴射させれば従来技術の問題点を解消しうることを見出し、本発明を提供するに至った。
すなわち本発明は、重合性モノマーと重合開始剤成分を含有する液を第1ノズル吐出口から噴射させ、別の重合開始剤成分を含有する液を第2ノズル吐出口から噴射させ、噴射させた2液を気相中で混合して液滴状で重合させる重合方法であって、前記第1ノズル吐出口から前記重合性モノマーを重合開始前に噴射させ、続けて重合開始時に前記重合性モノマーと前記重合開始剤成分の混合液に切替えて噴射させることを特徴とする重合方法を提供する。本発明の重合方法では、前記第1ノズル吐出口から重合性モノマーの代替流体を重合開始前に噴射させた後に、代替流体から前記重合性モノマーに切替えて前記重合性モノマーを噴射させ、さらに続けて重合開始時に前記重合性モノマーと前記重合開始剤成分の混合液に切替えて噴射させることが好ましい。また、重合開始時の切替を、重合開始前からノズルに供給されている前記重合性モノマーに対して前記重合開始剤成分を導入することにより行うことが好ましい。
また本発明は、重合性モノマーと重合開始剤成分を含有する液を第1ノズル吐出口から噴射させ、別の重合開始剤成分を含有する液を第2ノズル吐出口から噴射させ、噴射させた2液を気相中で混合して液滴状で重合させる重合方法であって、重合停止時に前記重合性モノマーと前記重合開始剤成分を含有する液から前記重合性モノマーに切替えて前記第1ノズル吐出口から噴射させることを特徴とする重合方法も提供する。この重合方法では、前記重合性モノマーに切替えて前記第1ノズル吐出口から噴射させた後に、前記重合性モノマーから代替流体に切替えて代替流体を前記第1ノズル吐出口から噴射させることが好ましい。
さらに本発明は、重合性モノマーと重合開始剤成分を含有する液を第1ノズル吐出口から噴射させ、別の重合開始剤成分を含有する液を第2ノズル吐出口から噴射させ、噴射させた2液を気相中で混合して液滴状で重合させる重合方法であって、前記第1ノズル吐出口から重合性モノマーの代替流体を重合開始前に噴射させた後に、代替流体から前記重合性モノマーに切替えて前記重合性モノマーを噴射させ、さらに続けて重合開始時に前記重合性モノマーと前記重合開始剤成分の混合液に切替えて噴射させ、その後、重合停止時に前記重合性モノマーに切替えて噴射させ、さらに前記重合性モノマーから代替流体に切替えて代替流体を噴射させることを特徴とする重合方法も提供する。
本発明で用いる重合開始剤成分は、その一方がレドックス系開始剤を構成する酸化剤であり、他方がレドックス系開始剤を構成する還元剤であることが好ましい。
発明の実施の形態
以下において、本発明の重合方法について詳細に説明する。なお、本明細書において「〜」はその前後に記載される数値をそれぞれ最小値および最大値として含む範囲を意味する。
本発明の重合方法は、重合性モノマーと重合開始剤成分を含有する液(第1液という)を第1ノズル吐出口から噴射させ、別の重合開始剤成分を含有する液(第2液という)を第2ノズル吐出口から噴射させ、噴射させた2液を気相中で混合して液滴状で重合させる重合方法である。本発明は、重合性モノマーと重合開始剤成分を含有する液を噴射させる第1ノズル吐出口における液の噴射順に特徴がある。本発明では、第1ノズル吐出口のみならず第2ノズル吐出口からも、重合性モノマーと重合開始剤成分を含有する液を噴射させることが可能である。したがって、このような態様を選択する場合は、第2ノズル吐出口における液の噴射順についても本発明の噴射順を適用することが好ましい。
まず、本発明における好ましい噴射順として工程1〜5を以下に記載する。これらの工程は、噴射を継続させながら連続的に行う。本発明の重合方法の特徴は、下記の<工程3>および<工程4>にある。このいずれかの工程を実施する重合方法は、本発明の範囲内に属する。
<工程1> 重合性モノマーの代替流体を噴射させる。
<工程2> 代替流体から重合性モノマーに切替えて、重合性モノマーを噴射させる。
<工程3> 重合開始時に重合性モノマーから重合性モノマーと重合開始剤成分の混合液に切替えて、混合液を噴射させる。
<工程4> 重合停止時に混合液から重合性モノマーに切替えて、重合性モノマーを噴射させる。
<工程5> 重合性モノマーから代替流体に切替えて、代替流体を噴射させる。
次に<工程1>から順に説明する。
<工程1>は、代替流体を噴射させることで重合装置の運転を開始し、ポンプやそのほかの運転機器の状態を確認することなどを目的とするものである。これらの運転器機に異常がある場合は、以降の工程を行わずに点検や修理を行うことができる。重合装置の運転開始時から重合性モノマーを噴射させると、異常が見いだされたときに重合原料が無駄になるという欠点があるが、<工程1>を採用すればこのような問題は解消される。
重合装置の運転を開始すると、停止状態にあるノズルやポンプに急激な圧力変動が生じ、配管内にエアの噛み込みが生じることがある。それによって、ノズル吐出口からの噴霧が安定せずに飛沫がノズル表面に付着する場合がある。運転開始時に重合性モノマーを噴射させると、重合性モノマーの飛沫がノズルに付着して残存することになり、その後に重合開始剤成分が噴霧されたときに重合反応を進行させる恐れがある。<工程1>を採用し、重合開始剤成分に反応しない代替流体を使用して運転を開始しておけば、このような問題を回避することができる。
<工程1>で用いる代替流体は、重合性モノマーや重合開始剤成分と反応しない流体であって、重合装置内の流路をスムーズに流れることができるものであれば、その種類は特に制限されない。著しく粘度が高い液体、固形物を含む液体、懸濁液などは、後に続く工程において液を切替える際に液が置き換わるまでの時間がかかりすぎる場合があるので選定に注意が必要である。代替流体としては、一般に水などの不活性で安価な液体を使用することが好ましい。配管や機器の洗浄をする目的で洗浄液や、重合性モノマーと物理的性質が似通った液体を選定してもよい。
<工程1>において代替流体を噴射する時間は、安定化時間より長い時間に設定する。本明細書において「安定化時間」とは、液体の供給が停止している状態から液体の供給を開始する際や供給する液体の種類を変更する際に発生する現象、すなわち液供給の配管内へのエア噛み込みや供給される液の物性変化による噴射圧力の変動、液滴噴射状態のゆらぎ、またこれらの原因により生じる液滴の撥ねや飛散などが収まり、定常的な噴霧状態に落ち着くまでの時間を意味する。停止状態にあった液供給用のポンプを駆動させると、圧力変動のためにしばらく脈動しながら噴霧した後に定常的な噴霧になったり、運転開始時に配管内部に残留している気泡を噴いてから定常的な噴霧になることがある。<工程1>において安定化時間より長い時間噴霧を行うことにより、これらの問題を解消させることができる。
<工程1>における代替流体の流速は特に制限されないが、重合を行う<工程3>の混合液の流速に近い流速を採用することが好ましい。<工程3>の混合液の流速に近い流速を採用すれば、配管やノズル内の通液状況やノズル吐出口からの噴射状態などを確認することができるため便利である。
また、<工程1>における代替流体の温度も特に制限されない。<工程3>などの後の工程で採用する温度に一致させておけば、流路をあらかじめその温度に近づけておくことができるため、後の工程における温度管理が容易になる。
次に<工程2>について説明する。
<工程2>では、代替流体から重合性モノマーに切替えて、重合性モノマーを噴射させる。<工程2>を実施せずに、代替流体から重合性モノマーと重合開始剤成分の混合液に切替えて噴射させる場合や、いきなり重合性モノマーと重合開始剤成分の混合液を噴射させる場合は、配管内にて比較的大きな圧力変動が生じ、ノズル吐出口からの噴霧にゆらぎが生じることがある。重合性モノマーと重合開始剤成分の混合液の飛沫がノズルに付着すると、重合反応が進行して飛沫が固化し、吐出口からの噴霧障害や吐出口の閉塞といった問題が生じる。<工程2>により、重合性モノマーを噴射する操作を実施することにより、これらの問題を回避することができる。
代替流体から重合性モノマーに切替えを行う際には、流量変動や圧力変動を極力抑えるように、バルブの開閉方法等について工夫を行うことが好ましい。この際、電磁弁などの電気的な制御を用いることで、瞬間的に液を切替え、流量変動を防ぐこともできる。また、逆にバルブの切替えをゆっくり行うことで、圧力変動を抑えてもよい。
<工程2>で用いる重合性モノマーは、<工程3>で重合反応をさせる重合性モノマーと同じである。重合性モノマーと反応する成分や重合開始剤成分は含まれない。このような条件を満たすものであれば、その他の成分が液に含まれていても構わない。例えば、架橋剤などを含まれていてもよい。
重合性モノマーの噴霧時間は、安定化時間より長い時間に設定する。代替流体と重合性モノマーでは密度、粘度、表面張力といった液体の物理的性質に違いが見られる場合が多く、配管内の液体が完全に入れ替わるまでは圧力の変動により液体の噴霧にゆらぎが生じたり、液滴の撥ねが生じる場合がある。したがって、安定化時間より長い時間噴霧すれば、粒子の撥ねや液のゆらぎが収まってから次の<工程3>における重合反応に移行することができるため、より安定な重合反応を実施することができるようになる。
重合性モノマーの流量や温度については特に制限されない。<工程1>と同様の観点から、重合反応を行う<工程3>の条件に近づけておくことが好ましい。
次に<工程3>について説明する。
<工程3>では、重合開始時に重合性モノマーから重合性モノマーと重合開始剤成分の混合液に切替えて、混合液を噴射させる。この工程において、目的とする重合反応を実施する。切替前の重合性モノマーと切替後の重合性モノマーと重合開始剤成分の混合液は、密度、粘度、表面張力といった液体の物理的性質が極めて近い。このため、切替に伴う圧力の変動、噴霧のゆらぎ、液滴の撥ねが生じないという利点がある。したがって、重合反応中に噴霧障害が生じたり、ノズル吐出口が閉塞したりする問題を回避することができ、重合反応を安定に進行させることができる。
本明細書における「切替」という用語は、切替後の液を切替前の液とは別に調製しておき、切替時に切替前の液の供給を止めて切替後の液を導入する態様と、切替後の液をあらかじめ調製しておかずに、切替時から切替前の液に対して添加成分を連続的に供給・混合する態様の両方を含む概念である。<工程3>では、切替前も切替後も同じ重合性モノマーを通液することから、後者の態様を選択することが好ましい。すなわち、切替時に重合性モノマーを通液している配管に重合開始剤成分を継続的に供給することにより、容易に切替えを行うことができる。供給する液は、重合開始剤成分以外の成分を含んでいても構わない。例えば、架橋剤を含んでいてもよい。また、供給する液に重合性モノマーも含ませておいて、2液を混合したときに速やかに均一な液となるようにしてもよい。なお、切替前の液から切替後の液への切替にかける時間は、噴霧に影響がなければなるべく短い方が好ましい。
<工程3>における重合性モノマーと重合開始剤成分の混合液の噴霧時間は、必要とされるポリマーの量などに応じて任意に設定することができる。本発明の重合方法によれば、噴霧障害やノズル吐出口の閉塞が生じないため、従来の方法よりも長い時間にわたって重合を継続させることができる。重合中に、必要であれば重合性モノマーや重合開始剤成分の濃度を変更しても構わない。噴霧を中断することなく継続的に液の組成を変更すれば、噴霧障害やノズル吐出口の閉塞を回避することができる。
また、<工程3>における重合性モノマーと重合開始剤成分の混合液の流量や温度については、重合反応に適した条件に任意に設定することができる。これらの条件についても、噴霧を中断することなく継続的に変化させることが可能である。
次に<工程4>について説明する。
<工程4>では、重合停止時に混合液から重合性モノマーに切替えて、重合性モノマーを噴射させる。重合停止時に混合液の供給をいきなり停止させると、ノズル噴射口での液切れがされないまま、噴射口付近やノズル内部で重合が進行して、ノズルの閉塞の原因となる。また、重合停止時に混合液から代替流体に切替えると、混合液と代替流体では密度、粘度、表面張力といった液体の物理的性質に違いが見られる場合が多いため、配管内の液体が完全に入れ替わるまでは圧力の変動により液体の噴霧にゆらぎが生じたり、液滴の撥ねが生じる場合がある。撥ねた液滴は速やかに重合して固化する傾向があるため、再び重合を行うときに噴霧障害やノズル吐出口の閉塞を招く原因になる。混合液と重合性モノマーでは、密度、粘度、表面張力といった液体の物理的性質が極めて近いため、<工程4>によれば切替に伴う圧力の変動、噴霧のゆらぎ、液滴の撥ねが生じない。また、重合開始剤成分を停止させた後も重合性モノマーを噴射させることで、ノズルおよび配管内に残留する重合開始剤成分を完全に排出することができる。したがって、噴霧障害が生じたり、ノズル吐出口が閉塞したりする問題を回避することができる。
<工程4>で用いる重合性モノマーは、<工程3>で重合反応をさせる重合性モノマーと同じである。重合性モノマーと反応する成分や重合開始剤成分は含まれない。このような条件を満たすものであれば、その他の成分が液に含まれていても構わない。<工程2>で用いた液と同じ液を用いれば、重合装置を簡略化することができるため好ましい。
<工程4>における重合性モノマーの噴霧時間は、安定化時間より長い時間に設定する。配管やノズル内の重合開始剤成分をすべて排出することができる長さであることが好ましい。重合性モノマーの流量や温度については特に制限されない。
次に<工程5>について説明する。
<工程5>では、重合性モノマーから代替流体に切替えて、代替流体を噴射させる。代替流体に切り換えることで配管内から重合性モノマーを完全に排出することができる。このため、運転停止時間中に配管内やノズル内におけるポリマーの発生や溶解物質の析出を防止することができ、メンテナンスが容易になる。
<工程5>で用いる代替流体は、重合性モノマーや重合開始剤成分と反応しない流体であって、重合装置内の流路をスムーズに流れることができるものであれば、その種類は特に制限されない。著しく粘度が高い液体、固形物を含む液体、懸濁液などは、後に続く工程において液を切替える際に液が置き換わるまでの時間がかかりすぎる場合があるので選定に注意が必要である。代替流体としては、一般に水などの不活性で安価な液体を使用することが好ましい。また、<工程1>と同じ代替流体を用いれば、重合装置を簡略化することができるため好ましい。配管や機器の洗浄をする目的で洗浄液や、重合性モノマーと物理的物性が似通った液体を選定してもよい。
重合性モノマーから代替流体への切替時には、流量変動や圧力変動が発生しないようにバルブの開閉を行うことが好ましい。この際、電磁弁などを用いて電気的な制御を用いてもよい。噴霧のゆらぎや撥ねを緩和すれば、重合性モノマー飛沫のノズル表面への付着を防止することができる。ノズル表面のモノマー液がなくなるので、運転停止期間中のノズル表面やノズル噴射口における重合物の発生やモノマー溶解物質の析出が防止でき、ノズルのメンテナンスが容易になる。
<工程5>において代替流体を噴射する時間は、安定化時間より長い時間に設定する。代替流体の流速や温度は特に制限されない。
<工程5>の終了時には、代替流体の通液を停止させてもよいし、さらに継続して<工程1>から重合方法を繰り返してもよい。重合方法を繰り返す場合は、すでに<工程5>によって<工程1>の目的を達している場合があるため、その場合は<工程2>から繰り返すことになる。本発明によれば、再度重合を行う場合にも洗浄やメンテナンスを行う必要がない。
重合反応時に、第2ノズル吐出口からも重合性モノマーと重合開始剤成分の混合液を噴射させる場合は、第1ノズル吐出口のみならず第2ノズル吐出口についても、上記の<工程1>〜<工程5>を行うことが好ましい。この場合は、第1ノズル吐出口と第2ノズル吐出口で、同じタイミングで<工程1>〜<工程5>を進行させることが好ましい。また、<工程1>および<工程5>で用いる代替流体は、第1ノズル吐出口と第2ノズル吐出口で同じものを用いることが簡便で低コスト化を図る点で好ましい。
重合反応時に、第2ノズル吐出口から重合性モノマーを含み重合開始剤成分を含まない液を噴射させる場合は、<工程1>〜<工程5>を適用することはできない。その場合は、代替流体を噴霧した後に、重合性モノマーに切替えて噴射し、噴霧が安定化した後に重合反応を開始し、重合反応停止後に、再び代替流体に切替えて噴霧することが好ましい。代替流体から重合性モノマーに切替えるタイミングは、切替後に噴霧が速やかに安定化するのであれば重合開始の直前でも構わない。また、重合反応停止後に再び代替流体に切替えるタイミングは、重合反応停止直後でも構わない。
本明細書における第1ノズル吐出口と第2ノズル吐出口は、1つのノズルに設けられた2つの吐出口であってもよいし、別個のノズルにそれぞれ設けられた吐出口であってもよい。また、第1ノズル吐出口と第2ノズル吐出口は、それぞれ1つずつである必要はなく、複数存在していても構わない。
本発明の重合方法を実施するために用いる噴霧ノズルの構造の詳細は、本発明の重合方法を実施しうるものであれば特に制限されない。例えば、図1に示すような対向型ノズルや、渦巻噴射ノズルを用いることができる。ここにおいて、渦巻噴射ノズルとは、重合性モノマーが渦巻状の軌跡を辿りながらノズル内を誘導され、ノズルの開口部から放出されるタイプのノズルをいう。本発明では、気相中で2液を混合することにより重合反応を開始させる。このため、渦巻噴射ノズルの中でも特に二重同芯渦巻噴射ノズルを用いることが好ましい。
二重同芯渦巻噴射ノズルは、供給した液を回転運動をさせるための誘導部と液を噴射させるための円形開口部の組み合わせが、同芯軸状に2つ形成されているノズルである。このような二重同芯渦巻噴射ノズルの典型例を図3を参照しながら説明する。図3(a)は二重同芯渦巻噴射ノズルの誘導部上部の水平断面図であり、図3(b)は二重同芯渦巻噴射ノズルの垂直断面図である。図3(a)に示すように、第1誘導部(21)には第1液を導入するための2本の導入管(23a,23b)が設置されている。第1液は導入管(23a,23b)内を通って矢印の方向に送液され、第1誘導部(21)内に勢いよく導入される。第1液は、遠心力と重力によって第1誘導部(21)の内壁をらせん状の軌跡を辿りながら第1円形開口部(24)に到達する(図3(b))。同様に、第2誘導部(22)にも2本の導入管(23c,23d)が設置されており、この導入管(23c,23d)を通して第2液が第2誘導部(22)に勢いよく導入され、らせん状の軌跡を辿りながら第2円形開口部(25)に到達する。円形開口部に到達した第1液と第2液は、図3(c)に示すように開口部で接線方向の速度成分を持って噴射する。
図3に示すノズルは、第1誘導部(21)の断面積が下方に行くにしたがって小さくなる逆円錐形をとっている。第1誘導部上部の断面積A1と第1円形開口部の断面積B1の断面積比(A1/B1)は、本発明の方法を実施しうる限り特に制限されない。好ましいのは、断面積比(A1/B1)が9以下であるノズルであり、より好ましくは7以下であるノズルであり、さらに好ましくは5以下であるノズルである。
なお、本明細書における「第1誘導部上部の断面積」とは、第1液を供給する導入管が連結する位置での第1誘導部の断面積をいう。第1液を供給する導入管が連結する位置は、第1誘導部の上部であるが、必ずしも第1誘導部の最上端である必要はない。すなわち、導入管が連結する位置よりもさらに上側に第1誘導部が伸長していても構わない。ノズルの各部品の加工および組み立ての容易さから、通常は第1誘導部の上部は円柱形である。また、上述のように第1誘導部は下部に向かうにしたがって断面積が小さくなるいわゆる逆円錐形を有していることが好ましい。なお、本発明では、円柱形の領域と逆円錐形の領域の境界に第1液を供給する導入管が連結されているノズルを用いてもよい。この場合は、当該境界部分が本発明でいう第1誘導部の上部となる。
第1誘導部上部の断面が円形である場合は、第1誘導部上部の断面積は、第1液供給手段から供給される第1液が最初に接触する第1誘導部内壁の内径から求めることができる。例えば図3(b)のノズルでは、内径Dsを用いてπ(Ds/2)2で求められる。
また、本明細書における「第1円形開口部の断面積」も、断面が円形であるときは第1円形開口部の内径から求めることができる。例えば図3(b)のノズルでは、第1円形開口部の内径Doを用いてπ(Do/2)2で求められる。
第1誘導部の垂直方向の長さは比較的短くする方が、液がらせん状の軌跡を辿りながら降下する際の減衰を小さくすることができるため好ましい。第1誘導部の垂直方向の長さは、0.1〜5mmであることが好ましく、0.1〜3mmであることがより好ましく、0.1〜1mmであることがさらに好ましい。第1誘導部の垂直方向の長さが短すぎると、ノズル部品の加工が困難になる傾向がある。
第1円形開口部と第2円形開口部は、開口部の曲率に多少の変動があってもよい。最も好ましいのは、開口部が真円である場合である。真円の開口部から第1液および第2液を噴射させれば、噴射に等方性があるために液が部分的に偏ることがない。
第1液と第2液は、円形開口部から噴射し、気相中で初めて合流する必要がある。従って、ノズル内やノズル入口で2液の流れが短絡して混合することを防ぐ工夫を施されていることが好ましい。例えば図4(a)に示すように、第1液と第2液が混合しないようにノズル組立て部にO型リング(26)等を設けてシールする方法を採用することができる。ただし、第1液と第2液は高圧でノズルに導入されるため、長期使用中に液圧によってO型リングのシール部分が短絡して第1液と第2液が混合することがないように注意する必要がある。
そのような短絡を確実に防ぐために、第1液の導入部と第2液の導入部を隔離し、液漏れによる短絡が物理的に起こりえない構造を採用することが好ましい。例えば図4(b)に示すように、第1液の流路と第2液の流路を完全に分離することにより短絡を確実に防ぐことができる。このような構造を採用すれば、図4(a)のようにO型リングを寸法精度よく所定の位置に挿入してシールするという比較的困難な組み立て作業を省略することができるうえ、第1液用のノズル部分と第2液用のノズル部分を段階的に固定して組み立てて行くこともできるため、実際上のメリットが大きい。
図3や図4で表される二重同芯渦巻噴射ノズルの形状は、第1液と第2液の種類や重合目的等に応じて適宜変更することができる。例えば、導入管の数を増減したり、誘導部の径や長さや内壁角度を調整したりすることができる。
二重同芯渦巻噴射ノズルを用いれば、内側の第1液用開口部から第1液を中空円錐状に噴射させるとともに、外側の第2液用開口部から第2液を中空円錐状に噴射させることができる。第1液と第2液は、噴射後に互いに衝突するように噴射角度と噴射速度が調整される。例えば、第1液の噴射速度が第2液の噴射速度よりも大きくなるように調節して2液が衝突するようにしてもよいし、第1液または第2液のいずれかに空気圧を加えて噴射軌跡を調整することにより2液が効率よく衝突するようにしてもよい。本発明における第1液と第2液の噴射速度や流量は、同じであっても異なっていてもよい。
本発明の重合方法では、重合時の第1液に重合性モノマーを含有させる。第2液には、重合性モノマーを含有させてもよいし、させなくてもよい。
本発明に使用する重合性モノマーの種類は特に制限されない。例えば、ビニル化合物、ビニリデン化合物、ビニレン化合物、環状オレフィン化合物等を用途に応じて適宜選択して使用することができる。これらの重合モノマーは、置換基の種類によって水溶性重合モノマーと油溶性重合モノマーに大別される。水溶性重合モノマーとしては、オレフィン系不飽和カルボン酸またはその塩、オレフィン系不飽和スルホン酸またはその塩、オレフィン系不飽和アミン、オレフィン系不飽和アミド等を挙げることができる。また、油溶性重合モノマーとしては、スチレン、イソブテン、塩化ビニル、酢酸ビニル、アクリル酸エステル類、メタクリル酸エステル類等を挙げることができる。本発明で用いることができる重合性モノマーの具体例や反応例については、大津隆行著「高分子合成の化学」(化学同人)34〜43頁等を参照することができる。これらのモノマーは単独で用いてもよいし、2種以上を混合して用いてもよい。
本発明を種々のモノマーに適用することによって、従来、溶液重合法、乳化重合法、懸濁重合法で得られていた各種ポリマーを効率良く製造することができる。また、従来、乳化重合や懸濁重合に供していた重合性モノマーを本発明に適用することで、ソープフリーの重合が可能になる。また、本発明では、モノマー種を選択したり、2液の混合状態をコントロールしたりすることによって、ポリマー構造を制御(例えば、コアシェル構造の構築、マイクロカプセルの製造、ブロックポリマーの製造)することも可能である。
吸水性ポリマーを製造する場合には、重合性モノマーとして脂肪族不飽和カルボン酸またはその塩が好ましく選択される。具体的には、ビニル化合物であるアクリル酸またはその塩、ビニリデン化合物であるメタクリル酸またはその塩等の不飽和モノカルボン酸またはその塩、或いはマレイン酸またはその塩、フマル酸またはその塩、イタコン酸またはその塩等の不飽和ジカルボン酸またはその塩を例示することができる。これらは単独でも2種以上を混合して用いてもよい。この中で好ましいのはアクリル酸またはその塩、およびメタクリル酸またはその塩であり、特に好ましいのはアクリル酸またはその塩である。水溶性あるいは吸水性ポリマーを製造する場合には、これらの脂肪族不飽和カルボン酸またはその塩を、重合性モノマーの全量に対して50モル%以上用いることが好ましく、80モル%以上用いることがより好ましい。
脂肪族不飽和カルボン酸の塩としては、水溶性の塩、例えば、アルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、アンモニウム塩等が通常用いられる。また、その中和度は、目的に応じて適宜定められるが、アクリル酸の場合には、カルボキシル基の20〜90モル%がアルカリ金属塩またはアンモニウム塩に中和されたものが好ましい。アクリル酸モノマーの部分中和度が20モル%未満であると、生成する吸水性ポリマーの吸水能が著しく低下する傾向がある。
アクリル酸モノマーの中和には、アルカリ金属の水酸化物や重炭酸塩等または水酸化アンモニウム等を使用することができるが、好ましいのはアルカリ金属水酸化物であり、その具体例としては水酸化ナトリウムおよび水酸化カリウムが挙げられる。
また本発明では、前記の脂肪族不飽和カルボン酸以外にこれらと共重合可能な重合性モノマー、例えば、(メタ)アクリルアミド、(ポリ)エチレングリコール(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートを共重合させることができる。また、低水溶性モノマーではあるが、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル等のアクリル酸アルキルエステル類等も生成する吸水性ポリマーの性能を低下させない範囲の量で共重合させることができる。なお、本明細書中「(メタ)アクリル」という用語は、「アクリル」および「メタクリル」の何れをも意味するものとする。
本発明で用いる重合性モノマー含有液に含まれる重合性モノマーの濃度は、目的に応じて適宜決定することができる。例えば、脂肪族不飽和カルボン酸またはその塩を主成分として含む重合性モノマー含有液の場合は、重合性モノマーの濃度を20重量%以上にすることが好ましく、25重量%以上にすることがより好ましい。濃度が20重量%より少ないと重合速度が遅すぎ、ひいては重合後の吸水性ポリマーの吸水能が十分に得られなくなる傾向がある。上限は重合反応液の取り扱い上から80重量%程度とするのがよい。
本発明で用いる重合性モノマー含有液には、架橋剤を含有させておいてもよい。例えば、脂肪族不飽和カルボン酸またはその塩、特にアクリル酸またはその塩は、それ自身で自己架橋ポリマーを形成することがあるが、架橋剤を併用すれば架橋構造を積極的に形成させることができる。また、架橋剤を併用すると、一般に生成する吸水性ポリマーの吸水性能が向上する。架橋剤としては、前記重合性モノマーと共重合可能なジビニル化合物、例えば、N,N′−メチレンビス(メタ)アクリルアミド、(ポリ)エチレングリコール(メタ)アクリレート類等、ならびにカルボン酸と反応し得る2個以上の官能基を有する水溶性の化合物、例えばエチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル等のポリグリシジルエーテル等が好適に使用される。この中で特に好ましいのは、N,N′−メチレンビス(メタ)アクリルアミドである。架橋剤の使用量は、モノマーの仕込み量に対して0.001〜1重量%、好ましくは、0.01〜0.5重量%である。なお、これらの架橋剤は開始剤成分混合液に含有させてもよい。
本発明の方法では、この他に特開平9−255704号公報[0012]〜[0015]に記載されている材料を使用することもできる。
本発明において、第1液や第2液に用いられる重合開始剤成分の種類は、液滴重合法を実施することができるものであれば特に制限されない。本明細書において重合開始剤成分とは、その成分単独で重合開始剤として機能するものと、複数の重合開始剤成分を組み合わせたときに重合開始剤として機能するものの両方を含む概念である。例えば、過酸化ベンゾイル、過酸化アセチル、過酸化ラウロイル等の過酸化物や、アゾビスイソブチロニトリル等のアゾ系化合物のような熱分解型の重合開始剤成分を用いることができる。また、重合開始剤としてレドックス系開始剤を構成する酸化剤と還元剤を挙げることができる。例えば、第1液にレドックス系開始剤の一方の成分である酸化剤を含有させ、第2液にレドックス系開始剤の他方の成分である還元剤を含有させることができる。逆に、第1液に還元剤を含有させ、第2液に酸化剤を含有させてもよい。
水系レドックス系重合開始剤の酸化剤としては、過硫酸塩や過酸化水素等を挙げることができる。また、水系レドックス系重合開始剤の還元剤としては、第1鉄塩や亜硫酸ナトリウム等の無機系還元剤や、アルコール類、アミン類、アスコルビン酸等の有機系還元剤を挙げることができる。
非水系レドックス系重合開始剤の酸化剤としては、t−ブチルヒドロペルオキシドやクメンヒドロペルオキシド等のヒドロペルオキシド類、過酸化ジアルキル類、過酸化ジアシル類等を挙げることを挙げることができる。また、非水系レドックス系重合開始剤の還元剤としては、第3アミン類、ナフテン酸塩、メルカプタン類等を挙げることができる。
レドックス系重合開始剤の酸化剤は、重合性モノマーに対して0.01〜10重量%、特に0.1〜2重量%となるように用いるのが好ましい。また、レドックス系重合開始剤の還元剤は、重合性モノマーに対して0.01〜10重量%、特に0.1〜2重量%となるように用いるのが好ましい。
なお、重合開始剤や重合開始剤成分については、上記以外に大津隆行著「改定高分子合成の化学」(化学同人)59〜69頁に記載される材料や技術を利用することもできる。
本発明の重合方法により形成されるポリマーは、ポリマーそのものとして回収してもよいし、シート基材上に固定化された複合体シートとして回収してもよい。シート基材上に固定化された状態で回収する場合は、液滴が落下する位置にシート基材を設置しておいて液滴を受けるようにしておく。このとき、ポリマーがシート基材にほどよい状態で固定されるように条件を調節することが好ましい。例えば、重合進行中の液滴が気相中或いはシート基材上に接して凝集粒状体を形成する時点での重合率を、3〜97%、好ましくは20〜97%、さらに好ましくは50〜95%になるようにすれば好ましい複合体シートを形成することができる。この重合率が余り低い場合には、液滴同士が衝突しても凝集粒状体とはならず一体化して大粒子となったり、シート基材上に液滴が落下した時に液が基材上に広がったり或いは吸収ないし含浸されたりして凝集粒状体の形状でシート基材に付着させることが困難になる。また、余り高い場合には、基材との接着力が発現せず、シート基材とポリマーとの固定性が悪くなる。
例えば吸水性ポリマーであれば、最終的に得られる吸水性複合体シート中の担持量が50〜400g/m2となるようにシート基材に付着させることが好ましい。用途にもよるが一般に80〜300g/m2となるように付着させるのがより好ましい。吸水性複合体シートにおける吸水性ポリマーの担持量が少ないと、当然のことながら吸水能が小さくなる。また含有量が多過ぎることは一般に不経済であり、かつシート基材と結合する部分の割合が減少して、シート基材との結合力が弱くなる。
吸水性複合体シートを構成する吸水性ポリマーの粒子は、その少なくとも一部が重合途上のポリマー粒子(一次粒子)が相互に結着して凝集粒状体を構成しており、かつこの凝集粒状体を構成するポリマー粒子(一次粒子)の一部はシート基材に直接結合していないものであることが好ましい。このような凝集粒状体は比表面積が大きいので吸水速度が大きく、かつ凝集粒状体を構成する一次粒子の一部でしかシート基材に結合していないので、吸水して膨潤するに際しシート基材から受ける拘束が小さく、吸水能に優れている。また凝集粒状体を構成する一次粒子同士の接合面は一体化しているので、吸水前は勿論のこと吸水後においても、凝集粒状体が一次粒子に崩壊してシート基材から脱落することが少ない。ポリマー粒子の30重量%以上が凝集粒状体であるのが好ましく、50重量%以上、特に80重量%以上が凝集粒状体であれば更に好ましい。一般に凝集粒状体の比率が大きいほど吸水材料としての性能が優れている。凝集粒状体の粒径は実質的に100〜3000μmの範囲にあるのが好ましい。粒径が100μmより小さいと、吸水性能が十分に発現しない傾向がある。また粒径が3000μmより大きくなると、シート基材に対する接着力が弱くなる傾向がある。凝集粒状体の比率や粒径は、主として気相中における重合途上の粒子の密度や分布状態、流動状態などを適宜調整することにより制御することができる。例えば凝集粒状体の比率を大きくするには、重合途上の粒子が落下の途中において相互に接触する機会が増加するように、重合室の単位横断面積当たりの落下ポリマー量を大きくしたり、重合室内に上昇流を発生させてポリマー粒子の落下速度を遅くしたりすればよい。また重合室内に偏流を発生させて、落下するポリマー粒子の分布に片寄りを生じさせるのも一方法である。
シート基材にポリマーを適用した後は、含水率調整工程、乾燥工程、開繊工程、篩分け工程、成形工程、表面架橋工程、残存モノマー処理工程等を適宜行って複合体を得ることができる。
本発明の重合方法によって得られる製造物は様々な用途に用いることができる。例えば、吸水性複合体シートを製造した場合は、これまで吸水性ポリマーが利用されていた様々な用途に用いることができる。「吸水性ポリマー」81〜111頁(増田房義、共立出版、1987)、「高吸水性樹脂の開発動向とその用途展開」(大森英三、テクノフォーラム、1987)、田中健治、「工業材料」42巻4号18〜25頁、1994、原田信幸、下村忠生、同26〜30頁には吸水性ポリマーの様々な用途が紹介されており、そのような用途に吸水性複合体シートも適宜用いることができる。例えば紙おむつ、生理用品、鮮度保持材、保湿剤、保冷剤、結露防止剤、土壌改良材等が挙げられる。
また更に特開昭63−267370号公報、特開昭63−10667号公報、特開昭63−295251号公報、特開昭63−270801号公報、特開昭63−294716号公報、特開昭64−64602号公報、特開平1−231940号公報、特開平1−243927号公報、特開平2−30522号公報、特開平2−153731号公報、特開平3−21385号公報、特開平4−133728号公報、特開平11−156188号公報等に提案されている吸水性複合体シートの用途にも用いることができる。
以下に実施例と比較例を挙げて本発明の特徴をさらに具体的に説明する。以下の実施例に示す材料、使用量、割合、処理内容、処理手順等は、本発明の趣旨を逸脱しない限り適宜変更することができる。したがって、本発明の範囲は以下に示す具体例により限定的に解釈されるべきものではない。
(実施例1〜4)
80重量%のアクリル酸水溶液125重量部、48.5重量%の水酸化ナトリウム水溶液57.3重量部、水6.4重量部、架橋剤としてN,N−メチレンビスアクリルアミド0.15重量部を混合することにより重合性モノマー含有液を調製した。重合性モノマー含有液のモノマー濃度は60重量%、中和度は50モル%、粘度は7mPa・s、密度は1200kg/m3(1.2g/cm2)、表面張力は40mN/m(dyn/cm)であった。
これとは別に、酸化剤として使用する重合開始剤成分Aとして、30重量%の過酸化水素水溶液を準備した。また、還元剤として使用する重合開始剤成分Bとして、10重量%のL−アスコルビン酸水溶液を準備した。
表1に示すサイズを有する二重同芯渦巻噴射ノズル(図3)を用い、以下の順に該ノズルの吐出口(a)および吐出口(b)から液を噴射した。
<1> 吐出口(a)および吐出口(b)から純水を1分間にわたって噴射させた。
<2> ノズルへの供給液を、純水から重合性モノマー含有液に切替え、吐出口(a)および吐出口(b)から1分間にわたって噴射させた。
<3> 重合開始にあたり、重合性モノマー含有液の供給を継続したまま、表1に示すように重合開始剤成分Aまたは重合開始剤成分Bを重合性モノマー用配管途中より導入し、吐出口(a)および吐出口(b)から噴射させた。重合開始剤成分の濃度は、重合開始剤成分Aが5.0重量部、重合開始剤成分Bが1.5重量部となるように流量を調整した。重合開始剤成分Aまたは重合開始剤成分Bの導入に際しては、ティー型配管継ぎ手を用いて重合性モノマーとそれぞれの重合開始剤成分とを合流させ、重合性モノマーと重合開始剤成分が十分に混合されるようにティー方継ぎ手の直後にスタティック・ミキサーを設置した。重合開始剤成分を導入してから30秒ほどで吸水性ポリマー粒子が生成し始めた。重合開始から30分間にわたって噴射を継続した。
<4> 重合停止時に、重合性モノマー含有液とともに供給していた重合開始剤成分Aおよび重合開始剤成分Bの供給を停止し、重合性モノマー含有液のみを1分間にわたって噴射させた。
<5> 純水に切替えて、吐出口(a)および吐出口(b)から純水を2分間にわたって噴射させた。
上記の手順<1>〜<5>における液の切替は、ノズル吐出口から液の噴射がとぎれないように連続的に行った。液の噴射条件は表1に記載されるとおりとした。また、各液の温度は40℃とした。実施例1〜4では、手順<1>〜<5>の操作中にノズルの噴霧障害や吐出口の閉塞はまったく見られず、噴霧は極めて良好であった。
重合開始後、重合停止までの間、噴射された溶液A及び溶液Bはノズルの出口付近で衝突、微粒化し、液滴となって重合を進行させながら気相中(空気中、温度50℃)を落下した。液滴の一部は気相中で衝突し凝集粒状体を形成し、ノズルの吐出口の先端より下方3mに設置したポリエステル製不織布基材(目付量:30g/m2)上に落下し、該基材上で重合を完了させた。また同時に液滴の一部は該基材上に落下し、基材上で凝集粒状体を形成後、該基材上で重合を完了させた。このような複合化工程を経て、吸水性ポリマーは該基材上に担持された。基材に担持された吸水性ポリマーの含水率は20〜30重量%であった。さらに該複合体には、0.5重量%エチレングリコールジグリシジルエーテル(EGDGE)のエタノール溶液を、EGDGEが担持されたポリマーに対し(乾燥ポリマーベース)、3000重量ppmとなるように噴霧した。EGDGEのエタノール溶液を施した複合体は、さらに110℃温風乾燥機により担持されたポリマーの含水率が5%になるまで乾燥し、ポリマー担持量が200g/m2の吸収性複合体を得た。
(実施例5)
80重量%のアクリル酸水溶液125重量部、48.5重量%の水酸化ナトリウム水溶液57.3重量部、水6.4重量部、架橋剤としてN,N−メチレンビスアクリルアミド0.15重量部を混合することにより重合性モノマー含有液を調製した。
さらにこの重合性モノマー含有液に、酸化剤として30重量%の過酸化水素水溶液5.0重量部を加えて、これを重合開始剤成分Aを含む重合性モノマー含有液とした。またこれとは別に、上記の重合性モノマー含有液に、還元剤として10重量%のL−アスコルビン酸水溶液1.5重量部を加えて、これを重合開始剤成分Bを含む重合性モノマー含有液とした。
実施例5では図1に示す対向ノズルを用いて重合を実施した。重合開始剤成分Aを含む重合性モノマー含有液を流出させるノズルは1cm間隔に5対配置され、重合開始剤成分Bを含む重合性モノマー含有液を流出させるノズルも1cm間隔に5対配置されている。重合開始剤成分A側のノズルと重合開始剤成分B側のノズルは1本ずつ互いに対向して、合計5つの対向ノズル対を形成している。各ノズルの内径は0.13mm、対向するノズルから流出する重合開始剤成分Aを含む重合性モノマー含有液と重合開始剤成分Bを含む重合性モノマー含有液との交差角度は30度、対向するノズル先端の距離は4mmに調節した。
<1> 対向ノズルの吐出口(a)および吐出口(b)から純水を1分間にわたって噴射させた。
<2> ノズルへの供給液を、純水から重合性モノマー含有液に切替え、吐出口(a)および吐出口(b)から1分間にわたって噴射させた。
<3> 重合開始にあたり、吐出口(a)から重合開始剤成分Bを含む重合性モノマー含有液を噴射され、吐出口(b)から重合開始剤成分Aを含む重合性モノマー含有液を噴射されるように切替えた。液を切替えてから3分ほどで吸水性ポリマー粒子が生成し始めた。重合開始から30分間にわたって噴射を継続した。
<4> 重合停止時に、供給液を重合性モノマーに切替えて3分間にわたって噴射させた。
<5> 純水に切替えて、吐出口(a)および吐出口(b)から純水を5分間にわたって噴射させた。
上記の手順<1>〜<5>における液の切替は、ノズル吐出口から液の噴射がとぎれないように連続的に行った。各液の温度は40℃とし、流量20cm3/minとなるようにポンプで供給した。手順<1>〜<5>の操作中にノズルの噴霧障害や吐出口の閉塞はまったく見られず、噴霧は極めて良好であった。
重合開始後、重合停止までの間、噴射された溶液A及び溶液Bはそれぞれのノズル対のノズルから液柱状で噴射されたところで合流し、それぞれ約10mmほど液柱を形成した後、液滴となって重合を進行させながら気相中(空気中、温度50℃)を落下し、液滴の一部は気相中で衝突し凝集粒状体を形成し、ノズルの吐出口の先端より下方3mに設置したポリエステル製不織布基材(目付量:30g/m2)上に落下し、該基材上で重合を完了させた。また同時に液滴の一部は該基材上に落下し、基材上で凝集粒状体を形成後、該基材上で重合を完了させた。このような複合化工程を経て、吸水性ポリマーは該基材上に担持された。基材に担持された吸水性ポリマーの含水率は20重量%であった。その後、実施例1〜4と同様の処理を行い、ポリマーの含水率が5%、ポリマー担持量が200g/m2の吸収性複合体を得た。
Figure 2005314590
(比較例1〜5)
上記の手順<1>〜<5>のうち<2>と<4>を行わなかった点を変更して、実施例1〜5と同じ操作を実施した(比較例1〜5)。
その結果、手順<1>から手順<3>への切替を行ったときに、飛沫が発生しノズル吐出口付近に付着した。運転を継続していると、付着したモノマー液滴がポリマーへと変化してノズル表面に残留した。また、一部において手順<3>への切替えを行ってから30秒後に吐出口付近のノズル表面につらら状の塊状ポリマーが生成し、噴霧が困難になった。比較例1〜5のすべてにおいて噴霧障害が認められ、一部においては吐出口の閉塞も観測された。
(比較例6〜10)
上記の手順<1>〜<5>のうち手順<4>における重合停止時に、重合開始剤成分Aを含む重合性モノマー含有液や重合開始剤成分Bを含む重合性モノマー含有液の替わりに何も液を供給しなかった点と、手順<5>を行わなかった点を変更して、実施例1〜5と同じ操作を実施した(比較例6〜10)。
その結果、手順<4>において重合開始剤成分を含む重合性モノマー含有液溶液の供給を停止させたところ、比較例6〜10のすべてにおいて液切れができなかった。比較例6〜9では吐出口にて重合が進行し吐出口が閉塞した。比較例10の対向ノズルでも、数10分から1日程度放置すると、ノズル表面においてポリマー生成や吐出口の閉塞が観察された。結果として、比較例6〜10のすべての場合において、ノズルを取り外して洗浄しなければ、重合運転を再開することができなかった。
(比較例11〜14)
上記の手順<1>〜<5>のうち、手順<4>を行わなかった点を変更して、実施例1〜4と同じ操作を実施した(比較例11〜14)。
その結果、手順<5>において水への切替を行ったときに、重合開始剤成分を含む重合性モノマー含有液の飛沫がノズル表面に付着し、同時にポリマーへと変化してノズル表面に残留した。その結果、比較例11〜14のすべての場合において、ノズルを取り外して洗浄しなければ、次の重合反応に使用することができなかった。
本発明の重合方法によれば、重合開始時や重合停止時の流体切替に伴う噴霧障害やノズルの閉塞を回避することができる。このため本発明によれば、安定した重合を長時間にわたって継続させることができ、製造効率を向上させて重合装置に対するメンテナンスの手間を著しく軽減することができる。したがって、本発明の重合方法は工業的な利用価値が極めて高く、広範囲な重合体の製造に適用しうるものである。
対向ノズルの一例を示す図である。 スリット型ノズルの一例を示す図である。 二重同芯渦巻噴射ノズルの具体例を示す断面図および斜視図である。 二重同芯渦巻噴射ノズルの具体例を示す断面図である。
符号の説明
1,11 第1液用ノズル
2,12 第2液用ノズル
3,13 第1液
4,14 第2液
15,16 スリット
21 第1誘導部
22 第2誘導部
23a,23b 第1導入管
23c,23d 第2導入管
24 第1円形開口部(吐出口)
25 第2円形開口部(吐出口)
26 O型リング

Claims (7)

  1. 重合性モノマーと重合開始剤成分を含有する液を第1ノズル吐出口から噴射させ、別の重合開始剤成分を含有する液を第2ノズル吐出口から噴射させ、噴射させた2液を気相中で混合して液滴状で重合させる重合方法であって、
    前記第1ノズル吐出口から前記重合性モノマーを重合開始前に噴射させ、続けて重合開始時に前記重合性モノマーと前記重合開始剤成分の混合液に切替えて噴射させることを特徴とする重合方法。
  2. 前記第1ノズル吐出口から重合性モノマーの代替流体を重合開始前に噴射させた後に、代替流体から前記重合性モノマーへ切替えて前記重合性モノマーを噴射させ、さらに続けて重合開始時に前記重合性モノマーと前記重合開始剤成分の混合液に切替えて噴射させることを特徴とする請求項1に記載の重合方法。
  3. 重合開始時の切替を、重合開始前からノズルに供給されている前記重合性モノマーに対して前記重合開始剤成分を導入することにより行うことを特徴とする請求項1または2に記載の重合方法。
  4. 重合性モノマーと重合開始剤成分を含有する液を第1ノズル吐出口から噴射させ、別の重合開始剤成分を含有する液を第2ノズル吐出口から噴射させ、噴射させた2液を気相中で混合して液滴状で重合させる重合方法であって、
    重合停止時に前記重合性モノマーと前記重合開始剤成分を含有する液から前記重合性モノマーに切替えて前記第1ノズル吐出口から噴射させることを特徴とする重合方法。
  5. 前記重合性モノマーに切替えて前記第1ノズル吐出口から噴射させた後に、前記重合性モノマーから代替流体へ切替えて代替流体を前記第1ノズル吐出口から噴射させることを特徴とする請求項4に記載の重合方法。
  6. 重合性モノマーと重合開始剤成分を含有する液を第1ノズル吐出口から噴射させ、別の重合開始剤成分を含有する液を第2ノズル吐出口から噴射させ、噴射させた2液を気相中で混合して液滴状で重合させる重合方法であって、
    前記第1ノズル吐出口から重合性モノマーの代替流体を重合開始前に噴射させた後に、代替流体から前記重合性モノマーに切替えて前記重合性モノマーを噴射させ、さらに続けて重合開始時に前記重合性モノマーと前記重合開始剤成分の混合液に切替えて噴射させ、その後、重合停止時に前記重合性モノマーに切替えて噴射させ、さらに前記重合性モノマーから代替流体に切替えて代替流体を噴射させることを特徴とする重合方法。
  7. 前記重合開始剤成分の一方がレドックス系開始剤を構成する酸化剤であり、他方がレドックス系開始剤を構成する還元剤である請求項1〜7のいずれか1項に記載の重合方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2008127488A (ja) * 2006-11-22 2008-06-05 Mitsubishi Rayon Co Ltd ポリマー粒子の製造方法
JP2010515815A (ja) * 2007-01-16 2010-05-13 ビーエーエスエフ ソシエタス・ヨーロピア 気相中の液滴の重合によるポリマー粒子を製造する方法

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