JP2003040904A - 重合方法 - Google Patents

重合方法

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JP2003040904A
JP2003040904A JP2001230823A JP2001230823A JP2003040904A JP 2003040904 A JP2003040904 A JP 2003040904A JP 2001230823 A JP2001230823 A JP 2001230823A JP 2001230823 A JP2001230823 A JP 2001230823A JP 2003040904 A JP2003040904 A JP 2003040904A
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Taisuke Ishii
泰助 石井
Yoshiaki Mori
義昭 森
Shunichi Himori
俊一 檜森
Kiichi Ito
喜一 伊藤
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 反応速度が速い重合性モノマーを用いた場合
であっても、液滴重合法により高品質なポリマーを大量
に効率よく製造すること。 【解決手段】 第1液および第2液を気相中で混合し、
液滴状で重合させる重合方法であって、重合性モノマー
と重合開始剤が、それぞれ前記第1液または前記第2液
の少なくとも一方に含まれており、かつ、前記第1液お
よび前記第2液の少なくとも一方を、噴出断面が閉曲線
状の液膜になるように気相中に噴出することを特徴とす
る重合方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、気相中で2液を混
合することにより重合する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】重合性モノマーを含有する液と重合開始
剤を含有する液を気相中に噴出して混合することにより
重合反応を進行させる液滴重合法が知られている。液滴
重合法は、重合開始剤と接触することにより重合性モノ
マーが瞬時に重合する場合に特に有効な方法である。例
えば、吸水性ポリマーは、脂肪族不飽和カルボン酸を重
合開始剤と接触させることによりラジカル重合させて製
造するが、このとき重合開始剤の選択によってはラジカ
ル重合反応が極めて速くなる。このため、従来は溶液重
合法や逆相懸濁重合法を用いて吸水性ポリマーを製造す
るのが一般的であったが、重合熱を除去しにくいため重
合速度を上げるのに限界があった。そこで近年になっ
て、重合熱の除去が効率的に行われる液滴重合法を用い
て吸水性ポリマーを製造することが提案されている。
【0003】液滴重合法によれば、溶液重合法で必要と
される粉砕工程や、逆相懸濁重合法で必要とされる吸水
性ポリマーと有機溶媒の分離工程や、有機溶媒の蒸留回
収工程が不要となる。また、条件次第では重合熱の一部
を吸水性ポリマー中に含まれる水分の蒸発に利用するこ
とができるため、後に続く乾燥工程でのエネルギー負荷
を低減することができ、エネルギー的に非常に有利であ
るという利点がある。さらに、液滴重合法によれば、気
相中で混合した液滴を繊維質基材の上に直接落下させる
ことにより、粉末を扱うことなく吸水性複合体を短時間
に製造できるという利点もある。このとき、落下のタイ
ミングを調節したり、繊維質基材の搬入速度を調節した
りすることにより、所望の吸水能を有する吸水性複合体
を容易に製造することができる。このため、液滴重合法
を利用することにより、吸水性および吸水速度が高く、
高吸水性ポリマー粒子が繊維質基材上に安定性よく固定
化された吸水性複合体を提供することができる(特開平
9−67403号公報、特開平10−113556号公
報)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、液滴重
合法は第1液と第2液を気相中で衝突させて混合させる
ものであることから、溶液重合法や逆相懸濁法のように
大量のポリマーを効率よく製造することは原理的に困難
であると考えられている。図1は、従来から用いられて
いる吸水性ポリマー製造用の液滴重合用ノズルを示した
ものである。ここでは、第1液(3)が導入管を経由し
て5本のノズル(1)に供給され、第2液(4)が導入
管を経由して5本のノズル(2)に供給され、第1液と
第2液がノズル先端から噴出された後に合流して落下し
ながら重合を進行させるようになっている。
【0005】ノズルの内径は通常0.1〜0.2mmに
設定されるが、内径を太くすると混合にムラが生じて製
造される吸水性ポリマーの品質にばらつきが生じてしま
う。このため、大量生産するために過度に内径を太くす
ることはできない。したがって、吸水性ポリマーを大量
生産するためには、ノズルの数を増やして対応せざるを
得ないが、それでは製造設備のコストがかさむため現実
的ではない。また、ノズルの先端から噴出される第1液
と第2液が互いにずれることなく衝突するためには、ノ
ズルの先端が精度よく固定されている必要があるが、長
期間の使用による微妙なズレやノズルの部分的な閉塞に
より製造効率が低下する問題もあった。
【0006】このような問題に対処するものとして、図
2に示すようなスリット型ノズルを利用する方法が提案
されている(特開平11−49805号公報)。ここで
は、第1液(13)が第1液用ノズル(11)の底部に
開設されたスリット(15)を通して液膜状に噴出さ
れ、第2液(14)が第2液用ノズル(12)の底部に
開設されたスリット(16)を通して液膜状に噴出さ
れ、2つの液膜が気相中で合流して落下しながら重合を
進行させるようになっている。この方法によれば、確か
に図1の対向ノズルを用いた場合よりも吸水性ポリマー
の製造効率は上がるものと期待される。
【0007】しかしながら、実際にスリット型ノズルを
利用してみると、スリット(15,16)先端から噴出
される液膜の膜厚は一様にならないことが本発明者らの
検討により確認された。すなわち、スリット中央部に比
べてスリット端部からは多量の液が噴出されるため、液
膜は端部で厚くなり中央部で薄くなる。このため、衝突
地点ではともに厚みが一様でない第1液と第2液が衝突
する結果、重合反応にも衝突場所によってムラが生じて
しまう。さらに、衝突後の混合液から生じる液滴の径に
もばらつきが生じてしまい、粒径が揃った吸水性ポリマ
ーを製造することができない。
【0008】このように、従来の液滴重合法では、反応
速度が速い重合性モノマーを用いて高品質なポリマーを
大量に効率よく製造することはできなかった。そこで本
発明は、このような従来技術の問題点を解消することを
課題とした。すなわち本発明は、反応速度が速い重合性
モノマーを用いて液滴重合法により高品質なポリマーを
大量に効率よく製造する方法を提供することを課題とし
た。特に、スリット型ノズルの問題点である液膜の厚み
のムラを解消し、より均質なポリマーを製造することを
課題とした。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは鋭意検討を
重ねた結果、第1液または第2液の少なくとも一方を、
噴出断面が閉曲線状の液膜になるように気相中に噴出さ
せれば従来技術の問題点を解消しうることを見出し、本
発明を提供するに至った。
【0010】すなわち本発明は、第1液および第2液を
気相中で混合し、液滴状で重合させる重合方法であっ
て、重合性モノマーと重合開始剤が、それぞれ前記第1
液または前記第2液の少なくとも一方に含まれており、
かつ、前記第1液および前記第2液の少なくとも一方
を、噴出断面が閉曲線状の液膜になるように気相中に噴
出することを特徴とする重合方法を提供する。
【0011】本発明の重合方法は、前記第1液および前
記第2液の少なくとも一方を、噴出断面が曲線部、特に
曲率半径が一定の曲線部を含むように噴出することが好
ましい。また、前記第1液および前記第2液の両方を、
噴出断面が閉曲線状の液膜になるように噴出することが
好ましく、このとき、前記第1液の閉曲線が前記第2液
の閉曲線の内側に形成されるように噴出することが好ま
しい。また、前記第1液の閉曲線は、前記第2液の閉曲
線の相似形であることが好ましく、さらに、前記第1液
の閉曲線の重心と、前記第2液の閉曲線の重心が同一軸
線上にあることが好ましい。本発明の重合方法に使用す
る重合開始剤はレドックス系重合開始剤である酸化剤と
還元剤からなり、重合性モノマー、酸化剤、還元剤が、
それぞれ前記第1液または前記第2液の少なくとも一方
に含まれていることが好ましい。
【0012】
【発明の実施の形態】以下において、本発明の重合方法
について詳細に説明する。なお、本明細書において
「〜」はその前後に記載される数値をそれぞれ最小値お
よび最大値として含む範囲を意味する。
【0013】本発明の重合方法では、第1液および第2
液を気相中で混合し液滴状で重合させる際に、第1液お
よび第2液の少なくとも一方を、噴出断面が閉曲線状の
液膜になるように噴出することを特徴とする。
【0014】本明細書において「噴出断面が閉曲線状の
液膜になるように噴出する」とは、噴出時に中空の液膜
を形成するように噴出することを意味する。噴出断面は
閉曲線状であれば、その具体的な形状は特に制限されな
い。例えば、矩形状であってもよいし、楕円形状であっ
てもよいし、真円形状であってもよいし、曲率が段階的
または連続的に変化する曲線が閉曲線状につながったも
のであってもよい。また、これらの形状が部分的に混在
して全体として閉曲線状につながったものであってもよ
い。好ましいのは、閉曲線が曲線のみで形成されている
場合である。最も好ましいのは、真円形状を有する閉曲
線である。
【0015】本発明にしたがって噴出断面が閉曲線状の
液膜になるように噴出させることによって、噴出される
液膜の厚みのムラを大幅に減らすことができる。例え
ば、従来のスリット型ノズルを用いて噴出された液膜に
見られるようなスリット端部における液の偏りの問題
は、本発明によれは完全に解消することができる。この
ため、本発明にしたがって重合を行えば、噴出される液
膜の厚みのムラに起因するポリマー粒径のばらつきや重
合度のムラなどを抑制することができる。
【0016】本発明では、噴出断面が閉曲線状の液膜に
なるように噴出させるものであれば、噴出の方向につい
ては特に制限されない。したがって、閉曲線の内側に向
かう速度成分を持たせて噴出させてもよいし、閉曲線の
外側に向かう速度成分を持たせて噴出させてもよいし、
閉曲線の接線方向の速度成分を持たせて噴出させてもよ
いし、鉛直方向下向きに噴出させてもよい。また、これ
らの方向を組み合わせて噴出させてもよい。好ましいの
は、閉曲線の外側に向かう速度成分を持たせて噴出させ
る場合である。また、閉曲線の接線方向の速度成分を持
たせて噴出させる場合は、閉曲線と交わらない接線方向
を選択することが好ましい。
【0017】液が落下する際の軌跡形状は特に制限され
ないが、好ましいのはいわゆるチューリップ型またはオ
ニオン型の軌跡を辿りながら落下する場合である。図3
は、ノズル底面に形成された真円開口部から液が噴出さ
れたときの様子を示したものである。ノズル開口部から
の噴出時には、液圧が高くなるとともに接線方向の速度
成分が生じている。図3は、左側から右側に行くにした
がって噴出液量が多くなっている。噴出液量が少ないと
きには、最初から大きな液滴状になって落下するが(図
3(a))、噴出液量が少し増えると最初は液柱状で噴
出したものが、やがて液滴状になって落下する(図3
(b))。さらに噴出液量が多くなると中空液膜が形成
される。図3(c)の状態では、中空液膜の断面径は途
中で最大になりやがて表面張力の影響で収縮し、最後は
液滴状に***して落下する。この状態をオニオン型とい
う。さらに噴出液圧が高くなると、中空液膜は収縮する
前に***して液滴状になって落下する(図3(d))。
この状態をチューリップ型という。これよりさらに噴出
液量が大きくなると、噴出直後から微細液滴状(ミスト
状)になって広がりながら落下する(図3(e))。こ
れらの噴出後の落下挙動については、A.H.Lefebvere, "
Atomization and sprays", Taylor & Francisに詳細に
記載されている。
【0018】このような液の軌跡は、噴出面と同一平面
上の速度成分を調整して噴出することによって制御する
ことができる。噴出面と同一平面上であって閉曲線の外
側に向かう速度成分を大きくすれば、収縮に打ち勝つこ
とができるため、例えばオニオン型の軌跡をチューリッ
プ型の軌跡に制御することが可能である。このような噴
出面と同一平面上の速度成分は、閉曲線の径方向で外側
に向かう速度成分であっても接線方向の速度成分であっ
てもその組み合わせであってもよい。
【0019】本発明の重合方法では、第1液および第2
液の少なくとも一方を、噴出断面が閉曲線状の液膜にな
るように噴出させる。したがって、一方を噴出断面が閉
曲線状の液膜になるように噴出させれば、他方の噴出方
法は特に制限されない。また、第1液および第2液は両
方とも噴出断面が閉曲線状の液膜になるように噴出させ
てもよい。
【0020】本発明の好ましい実施態様では、第1液と
第2液はともに噴出断面が閉曲線状の液膜になるように
噴出させることが好ましい。このとき、第1液の噴出断
面である閉曲線が、第2液の噴出断面である閉曲線の内
側になるように噴出することが好ましい。2つの閉曲線
は相似形を有していることが好ましい。また、2つの閉
曲線の重心は、同一軸線上にあることが好ましい。この
とき、第1液と第2液は互いに衝突するように噴出すれ
ばよい。例えば、第1液を閉曲線が広がるように噴出し
ておけば、第2液は第1液に衝突する限り、閉曲線が狭
まるように噴出してもよいし、広がるように噴出しても
よいし、変化しないように噴出してもよい。
【0021】また、第1液および第2液は混合後にチュ
ーリップ型またはオニオン型の軌跡を辿るように、第1
液および第2液の噴出速度と噴出方向を組み合わせて選
択することが好ましい。例えば、第1液を単独でチュー
リップ型またはオニオン型の軌跡を辿るように噴出さ
せ、第1液の軌跡をあまり変化させない程度の速度で第
2液を衝突させる例を挙げることができる。また、第1
液と第2液の衝突後に内側から空気圧を加えることによ
り、混合液がチューリップ型またはオニオン型の軌跡を
辿るように設定してもよい。
【0022】第1液と第2液の混合後に形成される液滴
の大きさは、5〜3000μm、特に50〜1000μ
mが好ましい。両液が混合すると直ちに重合が開始さ
れ、液滴内でも重合が進行しつつ重合室内を落下する。
重合室の雰囲気は重合反応に支障を来さない限り任意に
設定することができる。通常は雰囲気ガスとして窒素、
ヘリウム、炭酸ガスなどを用いるが、空気や水蒸気を用
いることもできる。雰囲気中に水蒸気を送入する場合に
は、反応に供する重合性モノマー含有液の濃度や、生成
するポリマー粒子に求められる含水率などに基づき、重
合性モノマー含有液からの水分蒸発をどの程度にするか
という観点から設定すればよい。雰囲気の温度は通常は
室温〜150℃、好ましくは室温〜100℃である。
【0023】以下において、本発明の重合方法を実施す
るためのノズルについて説明する。ここでは、本発明の
重合方法を実施することができるノズルであれば、従来
から知られているノズル機構を適宜選択したり組み合わ
せたりして用いることが可能である。例えば、噴出断面
と同じ閉曲線の形状を有する開口部を底部に有するノズ
ルを用いることができる。このとき、開口部から液を噴
出させる方向は、ノズル底部の開口部に液を導く噴出誘
導部の形状を適宜選択することにより調節することがで
きる。例えば、噴出誘導部が開口部と同じ閉曲線の形状
の断面を有する筒状誘導路を噴出面に対して垂直に備え
たものであれば、液は開口部からまっすぐに噴出され
る。また、噴出誘導部が開口部と相似形の閉曲線状断面
を有する筒状誘導路を備えていて、閉曲線の断面が噴出
誘導部の上部から下部(開口部)に向かうにしたがって
大きくなるように形成されたノズルを用いれば、閉曲線
の外向きの速度成分を持たせた噴出ができる。さらに、
噴出誘導部が開口部と相似形の閉曲線状断面を有する筒
状誘導路を備えていて、閉曲線状断面が噴出誘導部の上
部から下部(開口部)に向かうにしたがって小さくなる
ように形成されたノズルを用いれば、閉曲線の内向きの
速度成分を持たせた噴出ができる。
【0024】また、ノズル開口部または開口部直前に流
路調整部を備えたノズルも利用することができる。例え
ば、円筒状の誘導路を通ってノズル開口部直上まで送液
された液を、円錐型をした偏向部に衝突させることによ
り流路を変更させ、円形開口部から閉曲線内側または外
側に広がるように液を噴出させることができるノズルを
使用することができる。偏向部の形状を適宜選択するこ
とにより、開口部からの噴出速度と方向を調節すること
ができる。また、液膜の厚みについても、ノズル形状や
サイズを変更したり、噴出時の流速を調節したりするこ
とにより制御することができる。
【0025】さらに本発明では、空気圧によって液の噴
出方向と速度を調節するノズルを利用することができ
る。例えば、開口部に所望の方向に空気圧をかけること
によって開口部に供給された液をその方向に噴出させる
ことが可能である。また、空気圧は開口部の内側で液に
作用させるものであってもよいし、第1液と第2液が衝
突した後に軌跡を変更するために作用させるものであっ
てもよい。
【0026】噴出断面が曲線部を含む場合や中空円であ
る場合に、曲線や円の接線方向の速度成分を持たせて液
を噴出するためには、ノズル内で液を回転運動させなが
ら開口部より液を噴出させる機構を備えたノズルを利用
することが好ましい。例えば、らせん状の誘導溝を有す
る噴出誘導部に圧力をかけながら送液することによって
開口部で接線方向の速度成分をもたせることができる。
あるいは、らせん状の誘導溝を用いずに、遠心力を利用
して円筒形の内壁を回転運動させながららせん状に降下
させてもよい。
【0027】本発明における特に好ましいノズルは、こ
のような回転運動をさせるための誘導部と円形開口部の
組み合わせが、同心軸状に2つ形成されている2重同芯
渦巻噴射ノズルである。本明細書において、2重同芯渦
巻噴射ノズルとは、第1液噴出用の第1円形開口部と第
2液噴出用の第2円形開口部を備えている、上記重合方
法に使用するためのノズルであって;前記第1円形開口
部には断面が円形の第1誘導部が連結されており、さら
に、該第1誘導部内壁を第1液がらせん状の軌跡を辿り
ながら前記第1円形開口部に降下するように第1液を供
給する第1液供給手段が設置されており;前記第2円形
開口部には断面が円形の第2誘導部が連結されており、
さらに、該第2誘導部内壁を第2液がらせん状の軌跡を
辿りながら前記第2円形開口部に降下するように第2液
を供給する第2液供給手段が設置されており;前記第1
円形開口部、前記第2円形開口部、前記第1誘導部、お
よび前記第2誘導部が同心軸状に配置されていることを
特徴とするノズルを意味する。
【0028】2重同芯渦巻噴射ノズルを用いれば、内側
の第1液用開口部から第1液を円錐状に噴出させ、外側
の第2液用開口部から第2液を円錐状に噴出させること
ができる。第1液と第2液は、噴出後に互いに衝突する
ように噴出角度と噴出速度が調整される。例えば、第1
液の噴出速度が第2液の噴出速度よりも大きくなるよう
に調節して2液が衝突するようにしてもよいし、第1液
または第2液のいずれかに空気圧を加えて噴出軌跡を調
整することにより2液が効率よく衝突するようにしても
よい。
【0029】2重同芯渦巻噴射ノズルの具体例を図4に
示す。図4(a)は2重同芯渦巻噴射ノズルの誘導部上
部の水平断面図であり、図4(b)は2重同芯渦巻噴射
ノズルの垂直断面図である。図4(a)に示すように、
第1誘導部(21)には第1液を導入するための2本の
導入管(23a,23b)が設置されている。第1液は
導入管(23a,23b)内を通って矢印の方向に送液
され、第1誘導部(21)内に勢いよく導入される。第
1液は、遠心力と重力によって第1誘導部(21)の内
壁をらせん状の軌跡を辿りながら第1円形開口部(2
4)に到達する(図4(b))。同様に、第2誘導部に
も2本の導入管が設置されており(図示せず)、この導
入管を通して第2液が第2誘導部(22)に勢いよく導
入され、らせん状の軌跡を辿りながら第2円形開口部
(25)に到達する。円形開口部に到達した第1液と第
2液は、図4(c)に示すように開口部で接線方向の速
度成分を持って噴出し、気相中で合流する。図4の2重
同芯渦巻噴射ノズルの形状は、第1液と第2液の種類や
重合目的等に応じて適宜変更することができる。例え
ば、導入管の数を増減したり、誘導部の径や長さや内壁
角度を調整したりすることができる。
【0030】本発明の重合方法では、重合性モノマーと
重合開始剤が、それぞれ前記第1液または前記第2液の
少なくとも一方に含まれている。重合性モノマーが含ま
ている液は、2液を混合する前に重合が進行しないよう
にしておく必要がある。例えば、重合開始剤として、酸
化剤と還元剤からなるレドックス系重合開始剤を使用す
るときには、第1液に酸化剤、第2液に還元剤を含有さ
せておくことができる。このとき、重合性モノマーは第
1液と第2液のいずれか一方または両方に含有させてお
くことができる。また、第1液に重合性モノマーを含有
させておき、第2液を使用直前に酸化剤と還元剤を混合
することにより調製してもよい。
【0031】本発明の重合方法に使用する重合性モノマ
ーの種類は特に制限されない。例えば、ビニル化合物、
ビニリデン化合物、ビニレン化合物、環状オレフィン化
合物等を用途に応じて適宜選択して使用することができ
る。これらの重合モノマーは、置換基の種類によって水
溶性重合モノマーと油溶性重合モノマーに大別される。
水溶性重合モノマーとしては、オレフィン系不飽和カル
ボン酸またはその塩、オレフィン系不飽和スルホン酸ま
たはその塩、オレフィン系不飽和アミン、オレフィン系
不飽和アミド等を挙げることができる。また、油溶性重
合モノマーとしては、スチレン、イソブテン、塩化ビニ
ル、酢酸ビニル、アクリル酸エステル類、メタクリル酸
エステル類等を挙げることができる。本発明で用いるこ
とができる重合性モノマーの具体例や反応例について
は、大津隆行著「高分子合成の化学」(化学同人)34
〜43頁等を参照することができる。これらのモノマー
は単独で用いてもよいし、2種以上を混合して用いても
よい。
【0032】以下に、本発明の重合方法によって吸水性
ポリマーを製造するときに好ましく用いられる重合性モ
ノマーを具体的に説明する。吸水性ポリマーを製造する
場合には、重合性モノマーとして脂肪族不飽和カルボン
酸またはその塩が好ましく選択される。具体的には、ビ
ニル化合物であるアクリル酸またはその塩、ビニリデン
化合物であるメタクリル酸またはその塩等の不飽和モノ
カルボン酸またはその塩、或いはマレイン酸またはその
塩、フマル酸またはその塩、イタコン酸またはその塩等
の不飽和ジカルボン酸またはその塩を例示することがで
きる。これらは単独でも2種以上を混合して用いてもよ
い。この中で好ましいのはアクリル酸またはその塩、お
よびメタクリル酸またはその塩であり、特に好ましいの
はアクリル酸またはその塩である。水溶性あるいは吸水
性ポリマーを製造する場合には、これらの脂肪族不飽和
カルボン酸またはその塩を、重合性モノマーの全量に対
して50モル%以上用いることが好ましく、80モル%
以上用いることがより好ましい。
【0033】脂肪族不飽和カルボン酸の塩としては、水
溶性の塩、例えば、アルカリ金属塩、アルカリ土類金属
塩、アンモニウム塩等が通常用いられる。また、その中
和度は、目的に応じて適宜定められるが、アクリル酸の
場合には、カルボキシル基の20〜90モル%がアルカ
リ金属塩またはアンモニウム塩に中和されたものが好ま
しい。アクリル酸モノマーの部分中和度が20モル%未
満であると、生成する吸水性ポリマーの吸水能が著しく
低下する傾向がある。
【0034】アクリル酸モノマーの中和には、アルカリ
金属の水酸化物や重炭酸塩等または水酸化アンモニウム
等を使用することができるが、好ましいのはアルカリ金
属水酸化物であり、その具体例としては水酸化ナトリウ
ムおよび水酸化カリウムが挙げられる。
【0035】また、本発明の重合方法により吸水性ポリ
マーを製造する場合には、前記の脂肪族不飽和カルボン
酸以外にこれらと共重合可能な重合性モノマー、例え
ば、(メタ)アクリルアミド、(ポリ)エチレングリコ
ール(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メ
タ)アクリレートを共重合させることができる。また、
低水溶性モノマーではあるが、アクリル酸メチル、アク
リル酸エチル等のアクリル酸アルキルエステル類等も生
成する吸水性ポリマーの性能を低下させない範囲の量で
共重合させることができる。なお、本明細書中「(メ
タ)アクリル」という用語は、「アクリル」および「メ
タクリル」の何れをも意味するものとする。
【0036】本発明で用いる重合性モノマー含有液に含
まれる重合性モノマーの濃度は、目的に応じて適宜決定
することができる。例えば、脂肪族不飽和カルボン酸ま
たはその塩を主成分として含む重合性モノマー含有液の
場合は、重合性モノマーの濃度を20重量%以上にする
ことが好ましく、25重量%以上にすることがより好ま
しい。濃度が20重量%より少ないと適度な粘度を有す
る液滴の生成が難しく、ひいては重合後の吸水性ポリマ
ーの吸水能が十分に得られなくなる傾向がある。上限は
重合反応液の取り扱い上から80重量%程度とするのが
よい。
【0037】本発明で用いる重合性モノマー含有液に
は、架橋剤を含有させておいてもよい。例えば、脂肪族
不飽和カルボン酸またはその塩、特にアクリル酸または
その塩は、それ自身で自己架橋ポリマーを形成すること
があるが、架橋剤を併用すれば架橋構造を積極的に形成
させることができる。また、架橋剤を併用すると、一般
に生成する吸水性ポリマーの吸水性能が向上する。架橋
剤としては、前記重合性モノマーと共重合可能なジビニ
ル化合物、例えば、N,N′−メチレンビス(メタ)ア
クリルアミド、(ポリ)エチレングリコール(メタ)ア
クリレート類等、ならびにカルボン酸と反応し得る2個
以上の官能基を有する水溶性の化合物、例えばエチレン
グリコールジグリシジルエーテル、ポリエチレングリコ
ールジグリシジルエーテル等のポリグリシジルエーテル
等が好適に使用される。この中で特に好ましいのは、
N,N′−メチレンビス(メタ)アクリルアミドであ
る。架橋剤の使用量は、モノマーの仕込み量に対して
0.001〜1重量%、好ましくは、0.01〜0.5
重量%である。なお、これらの架橋剤は開始剤混合液に
含有させてもよい。本発明の重合方法には、この他に特
開平9−255704号公報[0012]〜[001
5]に記載されている材料を使用することもできる。
【0038】本発明の重合方法に使用する重合開始剤の
種類は、重合性モノマーの重合を開始させることができ
るものであれば特にその種類は制限されない。例えば、
過酸化ベンゾイル、過酸化アセチル、過酸化ラウロイル
等の過酸化物や、アゾビスイソブチロニトリル等のアゾ
系化合物のような熱分解型の重合開始剤を用いることが
できる。また、上述のようなレドックス系重合開始剤を
好ましく用いることができる。レドックス系重合開始剤
としては、一般に、酸化性を示すラジカル発生剤と還元
剤との組合せからなるものを用いるのが好ましい。
【0039】水系レドックス系重合開始剤の酸化剤とし
ては、過硫酸塩や過酸化水素等を挙げることができる。
また、水系レドックス系重合開始剤の還元剤としては、
第1鉄塩や亜硫酸ナトリウム等の無機系還元剤や、アル
コール類、アミン類、アスコルビン酸等の有機系還元剤
を挙げることができる。非水系レドックス系重合開始剤
の酸化剤としては、t−ブチルヒドロペルオキシドやク
メンヒドロペルオキシド等のヒドロペルオキシド類、過
酸化ジアルキル類、過酸化ジアシル類等を挙げることを
挙げることができる。また、非水系レドックス系重合開
始剤の還元剤としては、第3アミン類、ナフテン酸塩、
メルカプタン類等を挙げることができる。
【0040】レドックス系重合開始剤の酸化剤は、重合
性モノマーに対して0.01〜10重量%、特に0.1
〜2重量%となるように用いるのが好ましい。また、レ
ドックス系重合開始剤の還元剤は、重合性モノマーに対
して0.01〜10重量%、特に0.1〜2重量%とな
るように用いるのが好ましい。なお、重合開始剤につい
ては、上記以外に大津隆行著「改定高分子合成の化学」
(化学同人)59〜69頁に記載される材料や技術を利
用することもできる。
【0041】本発明の重合方法を利用して、吸水性ポリ
マーが繊維質基材に固定された吸水性複合体を製造する
場合には、重合室にシート状の繊維質基材を送入し、こ
れを重合室の床面に平行に移動させつつ、その上に落下
してくる重合途上のポリマー粒子を付着させることが好
ましい。繊維質基材としては、一定の形状に形成されて
いて、かつ重合途上のポリマー粒子が付着し易いもので
あればよく、布、紙、パルプ、不織布などを用いること
ができる。なかでも、繊維質基材が粗に集積されていて
ポリマー粒子が内部にまで入り込み易く、かつポリマー
粒子が繊維質基材に強く付着することが可能な、フラッ
フパルプ又は不織布を用いるのが好ましい。特に好まし
いのは湿潤状態でも強度の大きい、ポリエステル、ポリ
オレフィン、ポリアミド、アセテートなどのような
(半)合成繊維からなる不織布である。不織布を構成す
る繊維質基材の繊維の太さは10〜50μmが好まし
く、また不織布の目付量は10〜100g/m2、特に
20〜50g/m2であるのが好ましい。
【0042】重合進行中の液滴が気相中或いは繊維質基
材上に接して凝集粒状体を形成する時点での重合率は、
3〜97%、好ましくは20〜97%、さらに好ましく
は50〜95%になるように諸条件を設定する。この重
合率が余り低い場合には、液滴同士が衝突しても凝集粒
状体とはならず一体化して大粒子となったり、繊維質基
材上に液滴が落下した時に液が基材上に広がったり或い
は吸収ないし含浸されたりして凝集粒状体の形状で繊維
質基材に付着させることが困難になる。また、余り高い
場合には、基材との接着力が発現せず、繊維質基材と吸
水性ポリマーとの固定性が悪くなる。
【0043】ポリマー粒子は、最終的に得られる吸水性
複合体中の含有量が50〜400g/m2となるように
繊維質基材に付着させることが好ましい。用途にもよる
が一般に80〜300g/m2となるように付着させる
のがより好ましい。吸水性複合体のポリマー粒子の含有
量が少ないと、当然のことながら吸水能が小さくなる。
また含有量が多過ぎることは一般に不経済であり、かつ
繊維質基材と結合する部分の割合が減少して、繊維質基
材との結合力が弱くなる。
【0044】本発明の製造方法で製造される吸水性複合
体を構成するポリマー粒子は、その少なくとも一部が重
合途上のポリマー粒子(一次粒子)が相互に結着して凝
集粒状体を構成しており、かつこの凝集粒状体を構成す
るポリマー粒子(一次粒子)の一部は繊維質基材に直接
結合していないものであることが好ましい。このような
凝集粒状体は比表面積が大きいので吸水速度が大きく、
かつ凝集粒状体を構成する一次粒子の一部でしか繊維質
基材に結合していないので、吸水して膨潤するに際し繊
維質基材から受ける拘束が小さく、吸水能に優れてい
る。また凝集粒状体を構成する一次粒子同士の接合面は
一体化しているので、吸水前は勿論のこと吸水後におい
ても、凝集粒状体が一次粒子に崩壊して繊維質基材から
脱落することが少ない。ポリマー粒子の30重量%以上
が凝集粒状体であるのが好ましく、50重量%以上、特
に80重量%以上が凝集粒状体であれば更に好ましい。
一般に凝集粒状体の比率が大きいほど吸水材料としての
性能が優れている。凝集粒状体の粒径は実質的に100
〜3000μmの範囲にあるのが好ましい。粒径が10
0μmより小さいと、吸水性能が十分に発現しない傾向
がある。また粒径が3000μmより大きくなると、シ
ート状の繊維質基材に対する接着力が弱くなる傾向があ
る。凝集粒状体の比率や粒径は、主として気相中におけ
る重合途上の粒子の密度や分布状態、流動状態などを適
宜調整することにより制御することができる。例えば凝
集粒状体の比率を大きくするには、重合途上の粒子が落
下の途中において相互に接触する機会が増加するよう
に、重合室の単位横断面積当たりの落下ポリマー量を大
きくしたり、重合室内に上昇流を発生させてポリマー粒
子の落下速度を遅くしたりすればよい。また重合室内に
偏流を発生させて、落下するポリマー粒子の分布に片寄
りを生じさせるのも一方法である。
【0045】繊維質基材に吸水性ポリマーを適用した後
は、含水率調整工程、表面架橋工程、残存モノマー処理
工程等を適宜行って吸水性複合体を得ることができる。
このようにして製造した吸水性複合体は、これまで吸水
性ポリマーが利用されていた様々な用途に用いることが
できる。「吸水性ポリマー」81〜111頁(増田房
義、共立出版、1987)、「高吸水性樹脂の開発動向
とその用途展開」(大森英三、テクノフォーラム、19
87)、田中健治、「工業材料」42巻4号18〜25
頁、1994、原田信幸、下村忠生、同26〜30頁に
は吸水性ポリマーの様々な用途が紹介されており、適宜
用いることができる。例えば紙おむつ、生理用品、鮮度
保持材、保湿剤、保冷剤、結露防止剤、土壌改良材等が
挙げられる。
【0046】また更に特開昭63−267370号公
報、特開昭63−10667号公報、特開昭63−29
5251号公報、特開昭270801号公報、特開昭6
3−294716号公報、特開昭64−64602号公
報、特開平1−231940号公報、特開平1−243
927号公報、特開平2−30522号公報、特開平2
−153731号公報、特開平3−21385号公報、
特開平4−133728号公報、特開平11−1561
18号公報等に提案されているシート状吸水性複合体の
用途にも用いることができる。
【0047】
【実施例】以下に実施例と比較例を挙げて本発明の特徴
をさらに具体的に説明する。以下の実施例に示す材料、
使用量、割合、処理内容、処理手順等は、本発明の趣旨
を逸脱しない限り適宜変更することができる。したがっ
て、本発明の範囲は以下に示す具体例により限定的に解
釈されるべきものではない。
【0048】(原料の調整)80重量%のアクリル酸水
溶液125重量部に、48.5重量%の水酸化ナトリウ
ム水溶液57.3重量部、水6.4重量部、架橋剤とし
てN,N−メチレンビスアクリルアミド0.15重量部
とさらに酸化剤として30重量%の過酸化水素水溶液
5.0重量部を加えて溶液Aを調製した。溶液Aのモノ
マー濃度は60重量%、中和度は50モル%であった。
これとは別に80重量%のアクリル酸水溶液125重量
部に、48.5重量%の水酸化ナトリウム水溶液57.
3重量部、水9.9重量部、架橋剤としてN,N−メチ
レンビスアクリルアミド0.15重量部とさらに還元剤
としてL−アスコルビン酸1.5重量部を加えて溶液B
を調製した。溶液Bのモノマー濃度、中和度は溶液Aと
同じであった。
【0049】(実施例1〜4)表1に示す吐出口の直径
を有する2重同芯渦巻噴射ノズル(図4)を用い、内側
吐出口と外側吐出口にそれぞれ表1に示す種類の溶液を
供給した。各溶液の液温は40℃とし、ポンプを用いて
表1に示す流量と吐出圧で噴出させた。溶液A及び溶液
Bはノズルの出口付近で衝突、微粒化し、液滴となって
重合を進行させながら気相中(空気中、温度50℃)を
落下した。液滴の一部は気相中で衝突し凝集粒状体を形
成し、ノズルの吐出口の先端より下方3mに設置したポ
リエステル製不織布基材(目付量:30g/m2)上に
落下し、該基材上で重合を完了させた。また同時に液滴
の一部は該基材上に落下し、基材上で凝集粒状体を形成
後、該基材上で重合を完了させた。このような複合化工
程を経て、吸水性ポリマーは該基材上に担持された。基
材に担持された吸水性ポリマーの含水率は20〜30重
量%であった。さらに該複合体には、0.5重量%エチ
レングリコールジグリシジルエーテル(EGDGE)の
エタノール溶液を、EGDGEが担持されたポリマーに
対し(乾燥ポリマーベース)、3000重量ppmとな
るように噴霧した。EGDGEのエタノール溶液を施し
た複合体は、さらに110℃温風乾燥機により担持され
たポリマーの含水率が5%になるまで乾燥し、ポリマー
担持量が200g/m2の吸収性複合体を得た。
【0050】(比較例1)実施例1〜4の2重同芯渦巻
噴射ノズルの代わりに図1に示す対向ノズルを用いて実
施した。溶液Aが流出するノズルは1cm間隔に5対配
置され、溶液Bが流出するノズルも1cm間隔に5対配
置されている。溶液Aが流出するノズルと溶液Bが流出
するノズルは1本ずつ互いに対向して、合計5つの対向
ノズル対を形成している。各ノズルの内径は0.13m
m、対向するノズルから流出する溶液Aと溶液Bの交差
角度は30度、対向するノズル先端の距離は4mmに調
節した。この対向ノズルを用いて、液温40℃の溶液A
と溶液Bを流量20ml/minとなるようにポンプで
供給した。
【0051】溶液A及び溶液Bはそれぞれのノズル対の
ノズルから液柱状で噴出されたところで合流し、それぞ
れ約10mmほど液柱を形成した後、液滴となって重合
を進行させながら気相中(空気中、温度50℃)を落下
し、液滴の一部は気相中で衝突し凝集粒状体を形成し、
ノズルの吐出口の先端より下方3mに設置したポリエス
テル製不織布基材(目付量:30g/m2)上に落下
し、該基材上で重合を完了させた。また同時に液滴の一
部は該基材上に落下し、基材上で凝集粒状体を形成後、
該基材上で重合を完了させた。このような複合化工程を
経て、吸水性ポリマーは該基材上に担持された。基材に
担持された吸水性ポリマーの含水率は20重量%であっ
た。その後、実施例1〜4と同様の処理を行い、ポリマ
ーの含水率が5%、ポリマー担持量が200g/m2
吸収性複合体を得た。
【0052】(比較例2)実施例1〜4の2重同芯渦巻
噴射ノズルの代わりに特開平11−49805号公報の
図1に示すスリット型ノズルを用いて実施した。溶液A
と溶液Bが流出する各スリットは、それぞれ幅0.05
mm、長さ10mmとし、対向する各スリットから流出
する溶液Aと溶液Bの交差角度は30度、対向するスリ
ット先端の距離は10mmに調節した。この対向ノズル
を用いて、液温40℃の溶液Aと溶液Bを流量150m
l/minとなるようにポンプで供給した。溶液Aと溶
液Bは各スリットから液膜状で吐出されるが、吐出口か
らの距離が離れるとともに液膜幅は短くなった。吐出口
から2cmの位置で両液膜が衝突、微粒化し、液滴とな
って重合を進行させながら気相中(空気中、温度50
℃)を落下し、液滴の一部は気相中で衝突し凝集粒状体
を形成し、ノズルの吐出口の先端より下方3mに設置し
たポリエステル製不織布基材(目付量:30g/m2
上に落下し、該基材上で重合を完了させた。また同時に
液滴の一部は該基材上に落下し、基材上で凝集粒状体を
形成後、該基材上で重合を完了させた。このような複合
化工程を経て、吸水性ポリマーは該基材上に担持され
た。基材に担持された吸水性ポリマーの含水率は30重
量%であった。その後、実施例1〜4と同様の処理を行
い、ポリマーの含水率が5%、ポリマー担持量が200
g/m2の吸収性複合体を得た。
【0053】(評価)実施例1〜4、比較例1〜2で得
た各吸水性複合体について、以下の測定を行った。 1)粒径の測定 光学顕微鏡を用いて吸水性複合体に担持された吸収性ポ
リマーの粒径を測定した。
【0054】2)生理食塩水保水能の測定 吸水性複合体に担持された吸水性ポリマーの重量W1が
1gとなるように吸水性複合体を切断し、250メッシ
ュのナイロン袋(20cm×10cm)に入れて、室温
の生理食塩水(濃度0.9重量%)500ml中に30
分間浸漬した。次いでナイロン袋を引き出し、15分間
懸垂して水切りしたのち、遠心分離器を用いて90Gで
90秒間脱水した。脱水後ナイロン袋の重量W2を測定
した。また吸水性ポリマーを担持していない不織布を吸
水性複合体と同じ大きさに切断し、同様の操作を行い脱
水後の重量W3を測定した。生理食塩水の保水能は以下
の式に従って算出した。ここでW1〜W3の単位はすべ
てgである。
【0055】
【数1】
【0056】3)製造速度の算出 吐出口に供給する溶液Aの供給速度Raと吐出口に供給
する溶液Bの供給速度Rbを計測し、その和にモノマー
濃度である0.6(60%)を掛け、吐出口の対の数n
で割ることにより製造速度を算出した。計算式は下記の
とおりである。計算される製造速度は、2重同芯渦巻噴
射ノズルを用いた実施例1〜4では内側吐出口と外側吐
出口を1つずつ備えた1本のノズルあたりの製造速度で
あり、対向ノズルを用いた比較例1とスリット型ノズル
を用いた比較例2では互いに対向する1対のノズルあた
りの製造速度である。
【0057】
【数2】
【0058】
【表1】
【0059】表1から明らかなように、2重同芯渦巻噴
射ノズルを用いて溶液を本発明の条件を満たすように噴
出した実施例では、望ましい粒径を有し、保水能が高い
吸水性複合体を効率よく製造することができた。これに
対して、対抗ノズルを用いた比較例1では製造効率が低
く、スリット型ノズルを用いた場合は粒径や保水能が悪
かった。
【0060】
【発明の効果】本発明によれば、反応速度が速い重合性
モノマーを用いた場合であっても、液滴重合法により高
品質なポリマーを大量に効率よく製造することができ
る。本発明によれば、特にスリット型ノズルの問題点で
ある液膜の厚みのムラを解消し、より均質なポリマーを
製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 従来から用いられている対向ノズルの一例を
示す図である。
【図2】 従来から用いられているスリット型ノズルの
一例を示す図である。
【図3】 異なる速度で真円開口部から液が噴出された
ときの様子を示した図である。
【図4】 2重同芯渦巻噴射ノズルの具体例を示す断面
図である。
【符号の説明】
1,11 第1液用ノズル 2,12 第2液用ノズル 3,13 第1液 4,14 第2液 15,16 スリット 21 第1誘導部 22 第2誘導部 23a,23b 導入管 24 第1円形開口部 25 第2円形開口部
フロントページの続き (72)発明者 檜森 俊一 三重県四日市市東邦町1番地 三菱化学株 式会社四日市事業所内 (72)発明者 伊藤 喜一 三重県四日市市東邦町1番地 三菱化学株 式会社四日市事業所内 Fターム(参考) 4J011 AC06 BB01 BB02 BB13 4J015 CA01

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 第1液および第2液を気相中で混合し、
    液滴状で重合させる重合方法であって、 重合性モノマーと重合開始剤が、それぞれ前記第1液ま
    たは前記第2液の少なくとも一方に含まれており、か
    つ、 前記第1液および前記第2液の少なくとも一方を、噴出
    断面が閉曲線状の液膜になるように気相中に噴出するこ
    とを特徴とする重合方法。
  2. 【請求項2】 前記第1液および前記第2液の少なくと
    も一方を、噴出断面が曲線部を含むように噴出すること
    を特徴とする請求項1に記載の重合方法。
  3. 【請求項3】 前記第1液および前記第2液の少なくと
    も一方を、噴出断面が曲率半径が一定の曲線部を含むよ
    うに噴出することを特徴とする請求項2に記載の重合方
    法。
  4. 【請求項4】 前記第1液および前記第2液の両方を、
    噴出断面が閉曲線状の液膜になるように噴出することを
    特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の重合方法。
  5. 【請求項5】 前記第1液の噴出断面である閉曲線が前
    記第2液の噴出断面である閉曲線の内側に形成されるよ
    うに、前記第1液および前記第2液を噴出することを特
    徴とする請求項4に記載の重合方法。
  6. 【請求項6】 前記第1液の噴出断面である閉曲線が、
    前記第2液の噴出断面である閉曲線の相似形であること
    を特徴とする請求項4または5に記載の重合方法。
  7. 【請求項7】 前記第1液の噴出断面である閉曲線の重
    心と、前記第2液の噴出断面である閉曲線の重心が同一
    軸線上にあることを特徴とする請求項6に記載の重合方
    法。
  8. 【請求項8】 前記重合開始剤がレドックス系重合開始
    剤である酸化剤と還元剤からなり、重合性モノマー、酸
    化剤、還元剤が、それぞれ前記第1液または前記第2液
    の少なくとも一方に含まれていることを特徴とする請求
    項1〜7のいずれかに記載の重合方法。
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