JP2005312831A - 遊技機 - Google Patents
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Abstract
【課題】 遊技盤面の設計を簡素化しつつ、遊技場管理者の負担増大を防止できる遊技機を提供することである。
【解決手段】 第1保留記憶数が上限値に達していないときには抽出された数値データを、第1特別図柄表示器での変動表示用の第1保留記憶バッファに記憶させるための処理(第1変動表示フラグセット)を行ない、第1保留記憶数が上限値に達しているときには抽出された数値データを第2特別図柄表示器での変動表示用の第2保留記憶バッファに記憶させるための処理(第2変動表示フラグセット)を行なう(S231〜S234)。
【選択図】 図7
【解決手段】 第1保留記憶数が上限値に達していないときには抽出された数値データを、第1特別図柄表示器での変動表示用の第1保留記憶バッファに記憶させるための処理(第1変動表示フラグセット)を行ない、第1保留記憶数が上限値に達しているときには抽出された数値データを第2特別図柄表示器での変動表示用の第2保留記憶バッファに記憶させるための処理(第2変動表示フラグセット)を行なう(S231〜S234)。
【選択図】 図7
Description
本発明は、パチンコ遊技機、コイン遊技機、または、スロットマシンなどで代表される遊技機に関する。詳しくは、所定の始動条件の成立に基づいて各々が識別可能な複数種類の識別情報の変動表示を行なって表示結果を導出表示する複数の変動表示部を備え、前記複数の変動表示部のうちのいずれかの変動表示部に予め定められた特定表示結果が導出表示されたときに遊技者にとって有利な特定遊技状態に制御する遊技機に関する。
この種の遊技機として、一般的に知られているものに、遊技球などの遊技媒体を発射装置によって遊技領域に発射し、遊技領域に設けられている入賞口などの入賞領域に遊技媒体が入賞すると、所定個の賞球が遊技者に払出されるものがある。さらに、識別情報を変動表示可能な変動表示部が複数設けられ、いずれかの変動表示部にて識別情報の変動表示の表示結果が特定表示結果となった場合に遊技者にとって有利な特定遊技状態に制御可能となるように構成されたものがある。
特定遊技状態とは、所定の遊技価値が付与された遊技者にとって有利な状態を意味する。具体的には、特定遊技状態は、たとえば特別可変入賞装置の状態を打球が入賞しやすい遊技者にとって有利な状態(大当り遊技状態)、遊技者にとって有利な状態となるための権利が発生した状態、景品遊技媒体払出の条件が成立しやすくなる状態などの所定の遊技価値が付与された状態である。
上記の遊技機では、特別図柄(識別情報)を表示する変動表示部の表示結果が予め定められた特定の表示態様の組合せ(特定表示結果)となることを、通常、「大当り」という。変動表示部の表示結果は、特定の数値データを更新する手段から抽出された数値データに対応して決定される。このように決定される表示結果に基づいて大当りが発生すると、たとえば、大入賞口が所定回数開放して打球が入賞しやすい大当り遊技状態に移行する。そして、各開放期間において、所定個(たとえば10個)の大入賞口への入賞があると大入賞口は閉成する。そして、大入賞口の開放回数は、所定回数(たとえば15ラウンド)に固定されている。なお、各開放について開放時間(たとえば29.5秒)が決められ、入賞数が所定個に達しなくても開放時間が経過すると大入賞口は閉成する。また、大入賞口が閉成した時点で所定の条件(たとえば、大入賞口内に設けられているVゾーンへの入賞)が成立していない場合には、大当り遊技状態は終了する。
このような遊技機には、釘部材を遊技領域中央の上下方向に配設することにより当該遊技領域を左右に分離し、遊技領域に打ち込まれた遊技球を振分部材によりいずれかの遊技領域に振り分ける。そして、振り分けられた遊技球が、分離した遊技領域各々に設けられた始動口を通過すると、当該始動口に対応して遊技領域各々に設けられた変動表示部にて識別情報の変動表示を開始するもの(たとえば、特許文献1)があった。
特開2001−120748号公報
ところが、特許文献1に記載された遊技機においては、変動表示部および始動口を分離された遊技領域ごとに設ける必要があり、さらに、遊技領域に打ち込まれた遊技球を、分離された遊技領域のうちいずれかの遊技領域に振り分けるために、振分部材を遊技領域の上方に設ける必要があった。このため、振分部材、および、始動口へ遊技球を導くための釘を遊技盤面においてどのように配列するかや、振分部材等へ遊技球を導くための流路を遊技盤面においてどのように形成するか等、遊技盤面の設計が複雑化する不都合が生じていた。
また、遊技場の管理者は、分離した遊技領域各々に設けられている始動口に遊技球が通過する率を所望する値に設定するために、分離した遊技領域ごとに釘調整を行なう必要がある。このため、釘調整に費やす時間・費用が増大し、遊技場管理者の負担を増加させてしまう不都合が生じていた。
本発明は、かかる実情に鑑み考え出されたものであり、遊技盤面の設計を簡素化しつつ、遊技場管理者の負担増大を防止できる遊技機を提供することを目的とする。
(1) 所定の始動条件の成立(たとえば、始動入賞口14に遊技球が入賞する)に基づいて各々が識別可能な複数種類の識別情報(たとえば、特別図柄、「1」〜「9」の全9種類の数字図柄)の変動表示を行なって表示結果を導出表示する複数の変動表示部(たとえば、第1特別図柄表示器81、第2特別図柄表示器91)を備え、前記複数の変動表示部のうちのいずれかの変動表示部に予め定められた特定表示結果(たとえば、「3」,「7」)が導出表示されたときに遊技者にとって有利な特定遊技状態(たとえば、大当り遊技状態)に制御する遊技機(たとえば、弾球遊技機1)であって、
遊技の進行を制御する遊技制御手段(CPU56)を備え、
前記遊技制御手段は、
所定の数値範囲内(たとえば、0〜599)で数値データ(大当り判定用ランダムカウンタのカウント値)を更新する結果判定用数値データ更新手段(ステップS25)と、
前記始動条件が成立したことを条件として、前記結果判定用数値データ更新手段から更新された数値データを抽出する数値データ抽出手段(第1特別図柄プロセス処理の第1始動口スイッチ通過処理におけるステップS114、第2特別図柄プロセス処理の第2始動口スイッチ通過処理においてステップS114に該当するステップ)と、
前記複数の変動表示部各々に導出表示する表示結果を前記特定表示結果とするか否かを判定する手段であって、前記数値データ抽出手段により数値データが抽出されるごとに、抽出された数値データを用いて、前記複数の変動表示部のうちいずれか1つの変動表示部に導出表示する表示結果を前記特定表示結果とするか否かを判定する事前判定手段(第1特別図柄プロセス処理の第1特別図柄通常処理におけるステップS56、第2特別図柄プロセス処理の第2特別図柄通常処理においてステップS56に該当するステップ)と、
前記数値データ抽出手段により抽出され、前記事前判定手段による判定が未だ行なわれていない数値データのうち、前記複数の変動表示部のうち予め定められた第1の変動表示部(第1特別図柄表示器81)での変動表示の表示結果の判定に用いられる数値データを、第1の個数を上限値として記憶する第1の数値データ記憶手段(RAM55の第1保留記憶バッファ)と、
前記数値データ抽出手段により抽出され、前記事前判定手段による判定が未だ行なわれていない数値データのうち、前記複数の変動表示部のうち前記第1の変動表示部とは異なる第2の変動表示部(第2特別図柄表示器91)での変動表示の表示結果の判定に用いられる数値データを、第2の個数を上限値として記憶する第2の数値データ記憶手段(RAM55の第2保留記憶バッファ)と、
前記始動条件が成立したときに、前記第1の数値データ記憶手段および前記第2の数値データ記憶手段のうちのいずれかを選択して、前記数値データ抽出手段により抽出された数値データを記憶させる選択記憶手段(S231〜S234、第1始動口スイッチ通過処理のS111〜S114、第2始動口スイッチ通過処理においてS111〜S114に該当するステップ)とを含み、
前記第1の数値データ記憶手段に記憶された数値データを用いた前記事前判定手段による判定に基づいて、前記第1の変動表示部において、前記複数種類の識別情報の変動表示を開始した後に表示結果を導出表示する表示制御を行なう第1の表示制御手段(第1特別図柄プロセス処理のステップS312、ステップS300〜S304)と、
前記第2の数値データ記憶手段に記憶された数値データを用いた前記事前判定手段による判定に基づいて、前記第2の変動表示部において、前記複数種類の識別情報の変動表示を開始した後に表示結果を導出表示する表示制御を行なう第2の表示制御手段(第2特別図柄プロセス処理においてステップS312、ステップS300〜S304に該当する処理)とをさらに備え、
前記選択記憶手段は、前記第1の数値データ記憶手段に記憶された数値データの個数が前記上限値に達していないときには前記数値データ抽出手段により抽出された数値データを前記第1の数値データ記憶手段に記憶させ(S233で第1変動表示選択フラグをセットし、第1保留記憶バッファに記憶させる)、前記第1の数値データ記憶手段に記憶された数値データの個数が前記上限値に達しているときには前記数値データ抽出手段により抽出された数値データを前記第2の数値データ記憶手段に記憶させる(S234で第2変動表示選択フラグをセットし、第2保留記憶バッファに記憶させる)。
遊技の進行を制御する遊技制御手段(CPU56)を備え、
前記遊技制御手段は、
所定の数値範囲内(たとえば、0〜599)で数値データ(大当り判定用ランダムカウンタのカウント値)を更新する結果判定用数値データ更新手段(ステップS25)と、
前記始動条件が成立したことを条件として、前記結果判定用数値データ更新手段から更新された数値データを抽出する数値データ抽出手段(第1特別図柄プロセス処理の第1始動口スイッチ通過処理におけるステップS114、第2特別図柄プロセス処理の第2始動口スイッチ通過処理においてステップS114に該当するステップ)と、
前記複数の変動表示部各々に導出表示する表示結果を前記特定表示結果とするか否かを判定する手段であって、前記数値データ抽出手段により数値データが抽出されるごとに、抽出された数値データを用いて、前記複数の変動表示部のうちいずれか1つの変動表示部に導出表示する表示結果を前記特定表示結果とするか否かを判定する事前判定手段(第1特別図柄プロセス処理の第1特別図柄通常処理におけるステップS56、第2特別図柄プロセス処理の第2特別図柄通常処理においてステップS56に該当するステップ)と、
前記数値データ抽出手段により抽出され、前記事前判定手段による判定が未だ行なわれていない数値データのうち、前記複数の変動表示部のうち予め定められた第1の変動表示部(第1特別図柄表示器81)での変動表示の表示結果の判定に用いられる数値データを、第1の個数を上限値として記憶する第1の数値データ記憶手段(RAM55の第1保留記憶バッファ)と、
前記数値データ抽出手段により抽出され、前記事前判定手段による判定が未だ行なわれていない数値データのうち、前記複数の変動表示部のうち前記第1の変動表示部とは異なる第2の変動表示部(第2特別図柄表示器91)での変動表示の表示結果の判定に用いられる数値データを、第2の個数を上限値として記憶する第2の数値データ記憶手段(RAM55の第2保留記憶バッファ)と、
前記始動条件が成立したときに、前記第1の数値データ記憶手段および前記第2の数値データ記憶手段のうちのいずれかを選択して、前記数値データ抽出手段により抽出された数値データを記憶させる選択記憶手段(S231〜S234、第1始動口スイッチ通過処理のS111〜S114、第2始動口スイッチ通過処理においてS111〜S114に該当するステップ)とを含み、
前記第1の数値データ記憶手段に記憶された数値データを用いた前記事前判定手段による判定に基づいて、前記第1の変動表示部において、前記複数種類の識別情報の変動表示を開始した後に表示結果を導出表示する表示制御を行なう第1の表示制御手段(第1特別図柄プロセス処理のステップS312、ステップS300〜S304)と、
前記第2の数値データ記憶手段に記憶された数値データを用いた前記事前判定手段による判定に基づいて、前記第2の変動表示部において、前記複数種類の識別情報の変動表示を開始した後に表示結果を導出表示する表示制御を行なう第2の表示制御手段(第2特別図柄プロセス処理においてステップS312、ステップS300〜S304に該当する処理)とをさらに備え、
前記選択記憶手段は、前記第1の数値データ記憶手段に記憶された数値データの個数が前記上限値に達していないときには前記数値データ抽出手段により抽出された数値データを前記第1の数値データ記憶手段に記憶させ(S233で第1変動表示選択フラグをセットし、第1保留記憶バッファに記憶させる)、前記第1の数値データ記憶手段に記憶された数値データの個数が前記上限値に達しているときには前記数値データ抽出手段により抽出された数値データを前記第2の数値データ記憶手段に記憶させる(S234で第2変動表示選択フラグをセットし、第2保留記憶バッファに記憶させる)。
このような構成によれば、始動条件が成立したときに抽出された数値データを第1または第2の数値データ記憶手段に記憶された数値データを用いた事前判定手段による判定に基づいて、第1または第2の変動表示部において変動表示を行なう場合において、第1の数値データ記憶手段に記憶された数値データの個数が上限値に達していないときには抽出された数値データを第1の数値データ記憶手段に記憶させ、第1の数値データ記憶手段に記憶された数値データの個数が上限値に達しているときには抽出された数値データを第2の数値データ記憶手段に記憶させる。このため、始動条件が成立したときに抽出された数値データを記憶する手段におけるデータの記憶状況に応じて、始動条件の成立に基づき変動表示を行なって表示結果を導出表示する変動表示部を選択することができる。これにより、複数の変動表示部を備え、いずれかの変動表示部において変動表示を行なわせる遊技機であっても、たとえば、表示結果を導出表示する変動表示部を選択するために用いる構造が不要となるので、遊技盤面の設計を簡素化することができる。また、遊技場管理者の負担増大を防止することができる。
また、第1の数値データ記憶手段に記憶された数値データの個数が上限値に達していないときには抽出された数値データを第1の数値データ記憶手段に記憶させ、その上限値に達しているときには抽出された数値データを第2の数値データ記憶手段に記憶させるので、数値データ記憶手段を効率よく利用することができる。そして、数値データ記憶手段が効率よく利用されることにより始動条件の成立が無駄になることが低減されるので、数値データ記憶手段の利用の仕方が遊技において遊技者にとって有利に働くため、遊技の興趣を向上させることができる。
(2) 前記遊技制御手段は、
前記事前判定手段による判定結果に基づいて前記複数の変動表示部それぞれにおける前記識別情報の変動表示を開始してから表示結果を導出表示するまでの変動表示時間を示す変動表示データ(たとえば、変動パターン)を予め定められた複数種類の変動表示データの中から選択する変動表示データ選択手段(たとえば、CPU56の機能であって第1変動パターン設定処理におけるステップS62,S64,S65、第2変動パターン設定処理においても同様)と、
該変動表示データ選択手段によって選択された変動表示データが示す前記変動表示時間を計測する変動表示時間計測手段(たとえば、CPU56の機能であって第1特別図柄変動処理(ステップS303)のステップS81で第1特別図柄プロセスタイマを減算する部分と、第2特別図柄変動処理で第2特別図柄プロセスタイマを減算する部分)と、
該変動表示時間計測手段により計測された前記変動表示時間が経過したか否かを判定する変動表示時間判定手段(たとえば、CPU56の機能であって第1特別図柄変動処理(ステップS303)のステップS82で第1特別図柄プロセスタイマがタイムアウトしたか否か判定する部分と、第2特別図柄変動処理で第2特別図柄プロセスタイマがタイムアウトしたか否か判定する部分)とをさらに含み、
前記第1および第2の表示制御手段は、前記第1および第2の変動表示部の表示制御を行なうとともに前記変動表示時間判定手段により前記変動表示時間が経過した旨の判定がなされたときに前記識別情報の表示結果を導出表示(たとえば、第1特別図柄プロセス処理において、CPU56によりS82で第1特別図柄プロセス処理タイマがタイムアウトしたと判断されたときに、第1特別図柄停止処理に進み、S91により飾り図柄停止コマンドをセットするとともに、S92により第1特別図柄を停止表示させる。第2特別図柄プロセス処理も同様。)し、
前記変動表示時間計測手段は、前記第1の変動表示部および前記第2の変動表示部のうちいずれか一方の変動表示部に前記特定表示結果が導出表示され(たとえば、図19(B)で第2特別図柄表示器91および第2変動表示部9に大当り図柄が導出表示され)、かつ、他方の変動表示部にて前記識別情報の変動表示が実行されているとき(たとえば、図19(B)で第1特別図柄表示器81および第1変動表示部8で変動表示が実行されているとき)に、前記一方の変動表示部にて特定表示結果が導出表示されたことに基づく特定遊技状態が開始された第1の時点(たとえば、第2特別図柄変動処理または第2特別図柄停止処理で第2大当り実行中フラグがセットされた時点)で前記他方の変動表示部における変動表示時間の計測を中断し、前記一方の変動表示部にて特定表示結果が導出表示されたことに基づく前記特定遊技状態が終了した第2の時点(たとえば、第2大当り終了処理にて第2大当り実行中フラグおよび中断フラグがリセットされた時点)で変動表示時間の計測を再開する計測中断再開手段(たとえば、CPU56の機能であって大当り遊技状態が終了するときに第2大当り終了処理にて第2大当り実行中フラグおよび中断フラグをリセットするとともに、再開フラグをセットし、第1特別図柄変動処理(ステップS303)のステップS80でNOとなり、かつ、ステップS81aでYESとなって第1特別図柄の変動表示を再開させた後、第1特別図柄プロセスタイマの減算を行なわせる部分)を含む。
前記事前判定手段による判定結果に基づいて前記複数の変動表示部それぞれにおける前記識別情報の変動表示を開始してから表示結果を導出表示するまでの変動表示時間を示す変動表示データ(たとえば、変動パターン)を予め定められた複数種類の変動表示データの中から選択する変動表示データ選択手段(たとえば、CPU56の機能であって第1変動パターン設定処理におけるステップS62,S64,S65、第2変動パターン設定処理においても同様)と、
該変動表示データ選択手段によって選択された変動表示データが示す前記変動表示時間を計測する変動表示時間計測手段(たとえば、CPU56の機能であって第1特別図柄変動処理(ステップS303)のステップS81で第1特別図柄プロセスタイマを減算する部分と、第2特別図柄変動処理で第2特別図柄プロセスタイマを減算する部分)と、
該変動表示時間計測手段により計測された前記変動表示時間が経過したか否かを判定する変動表示時間判定手段(たとえば、CPU56の機能であって第1特別図柄変動処理(ステップS303)のステップS82で第1特別図柄プロセスタイマがタイムアウトしたか否か判定する部分と、第2特別図柄変動処理で第2特別図柄プロセスタイマがタイムアウトしたか否か判定する部分)とをさらに含み、
前記第1および第2の表示制御手段は、前記第1および第2の変動表示部の表示制御を行なうとともに前記変動表示時間判定手段により前記変動表示時間が経過した旨の判定がなされたときに前記識別情報の表示結果を導出表示(たとえば、第1特別図柄プロセス処理において、CPU56によりS82で第1特別図柄プロセス処理タイマがタイムアウトしたと判断されたときに、第1特別図柄停止処理に進み、S91により飾り図柄停止コマンドをセットするとともに、S92により第1特別図柄を停止表示させる。第2特別図柄プロセス処理も同様。)し、
前記変動表示時間計測手段は、前記第1の変動表示部および前記第2の変動表示部のうちいずれか一方の変動表示部に前記特定表示結果が導出表示され(たとえば、図19(B)で第2特別図柄表示器91および第2変動表示部9に大当り図柄が導出表示され)、かつ、他方の変動表示部にて前記識別情報の変動表示が実行されているとき(たとえば、図19(B)で第1特別図柄表示器81および第1変動表示部8で変動表示が実行されているとき)に、前記一方の変動表示部にて特定表示結果が導出表示されたことに基づく特定遊技状態が開始された第1の時点(たとえば、第2特別図柄変動処理または第2特別図柄停止処理で第2大当り実行中フラグがセットされた時点)で前記他方の変動表示部における変動表示時間の計測を中断し、前記一方の変動表示部にて特定表示結果が導出表示されたことに基づく前記特定遊技状態が終了した第2の時点(たとえば、第2大当り終了処理にて第2大当り実行中フラグおよび中断フラグがリセットされた時点)で変動表示時間の計測を再開する計測中断再開手段(たとえば、CPU56の機能であって大当り遊技状態が終了するときに第2大当り終了処理にて第2大当り実行中フラグおよび中断フラグをリセットするとともに、再開フラグをセットし、第1特別図柄変動処理(ステップS303)のステップS80でNOとなり、かつ、ステップS81aでYESとなって第1特別図柄の変動表示を再開させた後、第1特別図柄プロセスタイマの減算を行なわせる部分)を含む。
このような構成によれば、一方の変動表示部にて特定表示結果が導出表示されたときに他方の変動表示部における変動表示時間の計測を中断することにより、複数の変動表示部にて同時に特定遊技状態が発生することを防ぐことができ、複数の変動表示部にて同時に特定遊技状態が発生することにより遊技者に有利な状態となり過ぎて射倖性が高くなり過ぎてしまわないようにすることができる。
(3) 前記事前判定手段により表示結果を前記特定表示結果とすると判定された(ステップS57で「YES」と判別された)始動条件の成立に基づく変動表示が前記第1の変動表示部および前記第2の変動表示部のうちいずれか一方の変動表示部で行なわれているとき(ステップS67で「YES」と判別されたとき)であって、他方の変動表示部において前記変動表示が開始されたとき(ステップS303で変動表示が開始されてから特定演出開始タイマがタイムアウトしたとき、また、ステップS303で変動表示が開始されたとき)に、特定の演出(図21(D)(E)(F))を実行する特定演出実行手段(ステップS68、表示制御用CPU、ステップS803)をさらに備える。
このような構成によれば、他方の変動表示部において変動表示が開始されるときに特定の演出が実行されると、一方の変動表示部において既に行なわれている変動表示の表示結果が特定表示結果となることを事前に遊技者が認識できるため、遊技者の期待感を向上させることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
(4) 前記遊技制御手段は、所定周期毎に遊技の進行を制御する遊技制御処理(図5の2msタイマ割込処理)を実行し、
前記遊技制御処理は、
前記選択記憶手段により前記第1の数値データ記憶手段が選択されたときに、前記結果判定用数値データ更新手段により更新された数値データを抽出する第1の数値データ抽出処理(たとえば、ステップS24、の第1特別図柄プロセス処理に含まれるステップS312,S114)と、
前記選択記憶手段により前記第2の数値データ記憶手段が選択されたときに、前記結果判定用数値データ更新手段により更新された数値データを抽出する第2の数値データ抽出処理(たとえば、ステップS27の第2特別図柄プロセス処理でステップS312,S114に該当するステップ)と、
を含み、
前記結果判定用数値データ更新手段は、前記遊技制御処理において、前記第1の数値データ抽出処理が実行された(ステップS24)後前記第2の数値データ抽出処理(ステップS27)が実行されるまでに、数値データを更新する(ステップS25)。
前記遊技制御処理は、
前記選択記憶手段により前記第1の数値データ記憶手段が選択されたときに、前記結果判定用数値データ更新手段により更新された数値データを抽出する第1の数値データ抽出処理(たとえば、ステップS24、の第1特別図柄プロセス処理に含まれるステップS312,S114)と、
前記選択記憶手段により前記第2の数値データ記憶手段が選択されたときに、前記結果判定用数値データ更新手段により更新された数値データを抽出する第2の数値データ抽出処理(たとえば、ステップS27の第2特別図柄プロセス処理でステップS312,S114に該当するステップ)と、
を含み、
前記結果判定用数値データ更新手段は、前記遊技制御処理において、前記第1の数値データ抽出処理が実行された(ステップS24)後前記第2の数値データ抽出処理(ステップS27)が実行されるまでに、数値データを更新する(ステップS25)。
このような構成によれば、複数の変動表示部各々における表示態様決定に共通の結果判定用数値データ更新手段を用いることにより、複数の変動表示部を制御するために必要となるデータ量を最小限度に抑えたときであって、所定周期毎に遊技の進行を制御する遊技制御処理の実行時において、第1の数値データ抽出処理が実行された後第2の数値データ抽出処理が実行されるまでに、数値データが更新される。これにより、たとえば、第1の数値データ抽出処理において数値データを抽出する条件と、第2の数値データ抽出処理において数値データを抽出する条件とが不正行為により同じ回の遊技制御処理の実行時に成立した場合であっても、第1の数値データ抽出手段および第2の数値データ抽出手段により同時に抽出された数値データが異なることとなり、複数の変動表示部において不正に同時に特定遊技状態に制御されることを防止できるため、射倖性を適正に保ちつつ不正行為の発生を極力防止することができる。
(5) 前記複数の変動表示部それぞれに対応して一つずつ設けられており、各々が識別可能な複数種類の装飾識別情報(たとえば、飾り図柄、「1」〜「9」の全9種類の数字図柄)の変動表示を行なって表示結果を導出表示する複数の装飾変動表示部(第1特別図柄表示器81に対応して第1変動表示部8が、第2特別図柄表示器91に対応して第2変動表示部9が対応して設けられている)をさらに備え、
該複数の装飾変動表示部は、
前記第1の変動表示部に対応して設けられた第1の装飾変動表示部(第1変動表示部8)と、
前記第2の変動表示部に対応して設けられた第2の装飾変動表示部(第2変動表示部9)とを含み、
前記遊技制御手段は、
前記第1の変動表示部に設けられた発光体(7セグメント表示器)へ駆動信号を出力する制御を行なう第1の変動表示制御手段(CPU56、第1特別図柄プロセス処理、第1変動パターン設定処理のステップS69、第1特別図柄変動処理S303、第1特別図柄停止処理S304、図2)と、
前記第2の変動表示部に設けられた発光体(7セグメント表示器)へ駆動信号を出力する制御を行なう第2の変動表示制御手段(CPU56、第2特別図柄プロセス処理、第2変動パターン設定処理においてステップS69に該当する処理、第2特別図柄プロセス処理においてS303に該当する第2特別図柄変動処理、第2特別図柄プロセス処理においてS304に該当する第2特別図柄停止処理、図2)と、
前記第1の変動表示部で変動表示を行なうときに、前記第1の装飾変動表示部で変動表示の実行を指示するための第1の変動表示指示信号(第1飾り図柄変動パターンコマンド)を送信する第1の制御信号送信手段(第1変動パターン設定処理のステップS66、飾り図柄コマンド制御処理S29)と、
前記第2の変動表示部で変動表示を行なうときに、前記第2の装飾変動表示部で変動表示の実行を指示するための第2の変動表示指示信号(第2飾り図柄変動パターンコマンド)を送信する第2の制御信号送信手段(第2変動パターン設定処理においてステップS66に該当するステップ、飾り図柄コマンド制御処理S29)と、をさらに含み、
前記第1の表示制御手段は、
前記遊技制御手段からの前記第1の変動表示指示信号に基づき、前記第1の装飾変動表示部に表示させる表示内容(第1飾り図柄の変動パターン、停止図柄)を決定する第1の表示内容決定手段(第1表示制御プロセス処理のステップS801)と、
前記第1の装飾変動表示部を制御し、前記第1の表示内容決定手段によって決定された表示内容に従って、装飾識別情報の変動表示を実行する第1の装飾変動表示制御手段(第1表示制御プロセス処理のステップS802、S803)と、を含み、
前記第2の表示制御手段は、
前記遊技制御手段からの前記第2の変動表示指示信号に基づき、前記第2の装飾変動表示部に表示させる表示内容(第1飾り図柄の変動パターン、停止図柄)を決定する第2の表示内容決定手段(第2表示制御プロセス処理においてステップS801に該当する処理ステップ)と、
前記第2の装飾変動表示部を制御し、前記第2の表示内容決定手段によって決定された表示内容に従って、装飾識別情報の変動表示を実行する第2の装飾変動表示制御手段(第2表示制御プロセス処理においてステップS802、S803に該当する処理ステップ)と、を含む。
該複数の装飾変動表示部は、
前記第1の変動表示部に対応して設けられた第1の装飾変動表示部(第1変動表示部8)と、
前記第2の変動表示部に対応して設けられた第2の装飾変動表示部(第2変動表示部9)とを含み、
前記遊技制御手段は、
前記第1の変動表示部に設けられた発光体(7セグメント表示器)へ駆動信号を出力する制御を行なう第1の変動表示制御手段(CPU56、第1特別図柄プロセス処理、第1変動パターン設定処理のステップS69、第1特別図柄変動処理S303、第1特別図柄停止処理S304、図2)と、
前記第2の変動表示部に設けられた発光体(7セグメント表示器)へ駆動信号を出力する制御を行なう第2の変動表示制御手段(CPU56、第2特別図柄プロセス処理、第2変動パターン設定処理においてステップS69に該当する処理、第2特別図柄プロセス処理においてS303に該当する第2特別図柄変動処理、第2特別図柄プロセス処理においてS304に該当する第2特別図柄停止処理、図2)と、
前記第1の変動表示部で変動表示を行なうときに、前記第1の装飾変動表示部で変動表示の実行を指示するための第1の変動表示指示信号(第1飾り図柄変動パターンコマンド)を送信する第1の制御信号送信手段(第1変動パターン設定処理のステップS66、飾り図柄コマンド制御処理S29)と、
前記第2の変動表示部で変動表示を行なうときに、前記第2の装飾変動表示部で変動表示の実行を指示するための第2の変動表示指示信号(第2飾り図柄変動パターンコマンド)を送信する第2の制御信号送信手段(第2変動パターン設定処理においてステップS66に該当するステップ、飾り図柄コマンド制御処理S29)と、をさらに含み、
前記第1の表示制御手段は、
前記遊技制御手段からの前記第1の変動表示指示信号に基づき、前記第1の装飾変動表示部に表示させる表示内容(第1飾り図柄の変動パターン、停止図柄)を決定する第1の表示内容決定手段(第1表示制御プロセス処理のステップS801)と、
前記第1の装飾変動表示部を制御し、前記第1の表示内容決定手段によって決定された表示内容に従って、装飾識別情報の変動表示を実行する第1の装飾変動表示制御手段(第1表示制御プロセス処理のステップS802、S803)と、を含み、
前記第2の表示制御手段は、
前記遊技制御手段からの前記第2の変動表示指示信号に基づき、前記第2の装飾変動表示部に表示させる表示内容(第1飾り図柄の変動パターン、停止図柄)を決定する第2の表示内容決定手段(第2表示制御プロセス処理においてステップS801に該当する処理ステップ)と、
前記第2の装飾変動表示部を制御し、前記第2の表示内容決定手段によって決定された表示内容に従って、装飾識別情報の変動表示を実行する第2の装飾変動表示制御手段(第2表示制御プロセス処理においてステップS802、S803に該当する処理ステップ)と、を含む。
このような構成によれば、遊技制御手段は、第1,第2変動表示部に設けられた発光体へ駆動信号を出力し、表示制御手段へ第1,第2変動表示指示信号を送信する。そして、表示制御手段は、第1,第2装飾変動表示部に表示させる表示内容を決定し、表示内容に従って第1,第2装飾変動表示部で装飾識別情報の変動表示を実行することができる。このため、遊技制御手段の制御負担を軽減させることができ、多くのバリエーションの演出を行なうことができる。
(6) 前記結果判定用数値データ更新手段は、前記数値データ(例えば大当り判定用のランダムカウンタR1の値)を所定時間(例えば2ms)毎に更新し(図5)、
前記遊技制御手段は、前記複数の変動表示部各々における変動表示の表示結果となる識別情報の決定に用いられる数値データ(例えば大当り図柄決定用のランダムカウンタR2の値、はずれ図柄決定用のランダムカウンタR3の値)を前記所定時間とは異なる時間であって、その時間が所定時間と互いに素(例えば、双方の期間が同一でなく、かつ、一方の期間が他方の期間の整数倍ではない関係。なお、「一方の期間が他方の期間の整数倍ではない」としているのは、双方の期間が示すそれぞれの数値が公約数を有していてもよいことを意味する。)となるように予め定められている特定時間(例えば3ms)毎に更新する識別情報決定用更新手段(例えばCPU56によるステップS43を実行する部分)をさらに含む。
前記遊技制御手段は、前記複数の変動表示部各々における変動表示の表示結果となる識別情報の決定に用いられる数値データ(例えば大当り図柄決定用のランダムカウンタR2の値、はずれ図柄決定用のランダムカウンタR3の値)を前記所定時間とは異なる時間であって、その時間が所定時間と互いに素(例えば、双方の期間が同一でなく、かつ、一方の期間が他方の期間の整数倍ではない関係。なお、「一方の期間が他方の期間の整数倍ではない」としているのは、双方の期間が示すそれぞれの数値が公約数を有していてもよいことを意味する。)となるように予め定められている特定時間(例えば3ms)毎に更新する識別情報決定用更新手段(例えばCPU56によるステップS43を実行する部分)をさらに含む。
このような構成によれば、結果判定用数値データ更新手段が更新する数値データと、複数の変動表示部各々における変動表示の表示結果となる識別情報の決定に用いられる数値データとを更新範囲に含まれる数値の個数の調整のみによらずに、これらの数値データが短い周期で同期してしまうことを回避することができるので、たとえば、不正に特典を受けるため等の不正な利益を取得するために、特定表示結果となったときの識別情報が、不正行為に基づいて特定の識別情報となるように狙われるのを防ぐことができる。
(7) 前記選択記憶手段により前記始動条件の成立に基づき変動表示を行なう前記変動表示部として前記第1の変動表示部と前記第2の変動表示部とのどちらが選択されるかを特定する報知を行なう報知手段(その他の実施形態に示す報知用ランプ)をさらに含む。
このような構成によれば、始動条件の成立に基づき変動表示を行なう変動表示部として第1の変動表示部と前記第2の変動表示部とのどちらが選択されるかを特定する報知が行なわれるので、始動条件の成立に基づきどの変動表示部が選択され変動表示が行なわれるかについて、遊技者がより一層容易に把握することができる。
以下、本発明の一実施形態について、図面を参照して説明する。なお、ここでは、遊技機の一例としてパチンコ遊技機としての弾球遊技機を示すが、本発明は弾球遊技機に限られず、たとえば、画像式の遊技機、コイン遊技機、および、スロット機等であってもよく、所定の始動条件の成立に基づいて各々が識別可能な複数種類の識別情報の変動表示を行なって表示結果を導出表示する複数の変動表示部を備え、前記複数の変動表示部のうちのいずれかの変動表示部に予め定められた特定表示結果が導出表示されたときに遊技者にとって有利な特定遊技状態に制御する遊技機であれば、どのような遊技機であってもよい。
まず、遊技機の一例である弾球遊技機1の全体の構成について説明する。図1は弾球遊技機1を正面からみた正面図である。
弾球遊技機1は、縦長の方形状に形成された外枠(図示せず)と、外枠の内側に開閉可能に取り付けられた遊技枠とで構成される。また、弾球遊技機1は、遊技枠に開閉可能に設けられている額縁状に形成されたガラス扉枠2を有する。遊技枠は、外枠に対して開閉自在に設置される前面枠(図示せず)と、機構部品等が取り付けられる機構板(図示せず)と、それらに取り付けられる種々の部品(後述する遊技盤6を除く)と、を含む構造体である。
図1に示すように、弾球遊技機1は、額縁状に形成されたガラス扉枠2を有する。ガラス扉枠2の下部表面には打球供給皿(上皿)3がある。打球供給皿3の下部には、打球供給皿3に収容しきれない遊技球を貯留する余剰球受皿4、打球を発射する打球操作ハンドル(操作ノブ)5が設けられている。また、ガラス扉枠2の背面には、遊技盤6が着脱可能に取り付けられている。なお、遊技盤6は、それを構成する板状体と、その板状体に取り付けられた種々の部品とを含む構造体である。また、遊技盤6の前面には打ち込まれた遊技球が流下可能な遊技領域7が形成されている。
遊技領域7の中央付近には、所定の間隔を有する仕切部106を挟んで離間するように第1変動表示部8と第2変動表示部9とが配置されている。第1変動表示部8および第2変動表示部9は、各々が識別可能な複数種類の識別情報(たとえば、「1」〜「9」の全9種類の数字図柄)としての飾り図柄の変動表示(可変表示、更新表示ともいう)を行なって表示結果を導出表示する変動表示部である。第1変動表示部8および第2変動表示部9は、それぞれ液晶表示装置(LCD)により構成され、左・中・右の3つの表示領域(たとえば、図19等で示される第1飾り図柄8a〜8c、第2飾り図柄9a〜9c)に識別情報が表示制御されるものである。これら左・中・右の3つの表示領域で変動表示される飾り図柄は、左図柄、中図柄、右図柄と呼ばれる。
第1変動表示部8で変動表示される飾り図柄とは、第1変動表示部8の左下方に設けられている第1特別図柄表示器81における特別図柄(たとえば、「1」〜「9」の全9種類の数字図柄)の変動表示の装飾効果を高めるために特別図柄の変動表示と所定の関係を有して変動表示される装飾的な意味合いがある図柄をいう。
第2変動表示部9で変動表示される飾り図柄とは、第2変動表示部9の右下方に設けられている第2特別図柄表示器91における特別図柄(たとえば、「1」〜「9」の全9種類の数字図柄)の変動表示の装飾効果を高めるために特別図柄の変動表示と所定の関係を有して変動表示される装飾的な意味合いがある図柄をいう。
所定の関係には、たとえば、特別図柄の変動表示が開始されたときに飾り図柄の変動表示が開始される関係や、特別図柄の変動表示が終了し表示結果が表示されたときに飾り図柄の変動表示が終了し表示結果が表示される関係等が含まれる。第1変動表示部8で変動表示される飾り図柄は第1飾り図柄と呼ばれ、第2変動表示部9で変動表示される飾り図柄は第2飾り図柄と呼ばれる。
第1特別図柄表示器81および第2特別図柄表示器91は、各々が識別可能な複数種類の識別情報(たとえば、「1」〜「9」の全9種類の数字図柄)の変動表示(可変表示、更新表示ともいう)を行なって表示結果を導出表示する表示制御が行なわれる変動表示部としての7セグメント表示器から構成されている。第1特別図柄表示器81で変動表示される特別図柄は第1特別図柄と呼ばれ、第2特別図柄表示器91で変動表示される特別図柄は第2特別図柄と呼ばれる。
また、第1特別図柄表示器81を左右から挟むように、第1保留記憶表示器83が設けられている。同様に、第2特別図柄表示器91を左右から挟むように、第2保留記憶表示器93が設けられている。第1特別図柄表示器81および第2特別図柄表示器91は、4個のLEDから構成されており、LEDの点灯数により保留記憶数を報知する。
なお、この実施の形態では、特別図柄が数字図柄である場合を例として示したが、これに限らず、特別図柄は、数字以外の文字、図形、模様等のその他の識別情報が示された図柄であってもよい。また、変動表示は、所定方向に図柄をスクロールさせることにより更新表示するものでもよく、図柄を切換えることにより更新表示するものでもよく、仮想軸を中心に図柄を回転させながら更新表示するものでもよい。また、本実施の形態においては、7セグメント表示器を用いた例について説明するが、これに限らず、液晶表示装置、CRT、プラズマ表示やエレクトロルミネセンスあるいはドットマトリックス表示を利用したもの等、画像表示式のものであってもよい。また、回転ドラム式の表示装置等、機械式のものであってもよい。また、第1特別図柄表示器81および第2特別図柄表示器91における変動表示は、図柄を点滅させながら前述した更新表示することをいい、また、表示結果を導出表示するとは、図柄を点灯させて停止表示することをいう。しかし、これに限らず、遊技者に対して、「変動表示」を行なっていることと、変動表示が終了し「表示結果が導出表示」されていることとを区別して認識させることのできる態様であればよい。
本実施形態では、所定の始動条件の成立(たとえば、打球が始動入賞口14へ入賞)に基づいて、第1変動表示部8および第1特別図柄表示器81(第1変動表示部8および第1特別図柄表示器81をまとめて以下、第1図柄表示部ともいう)または第2変動表示部9および第2特別図柄表示器91(第2変動表示部9および第2特別図柄表示器91をまとめて以下、第2図柄表示部ともいう)のうち選択された図柄表示部において、飾り図柄および特別図柄の変動表示が行なわれ、表示結果が導出表示される。飾り図柄および特別図柄の変動表示が行なわれ表示結果が導出表示される図柄表示部は、所定の始動条件の成立ごとに後述するようにランダムカウンタからの抽出値に基づき選択決定される。そして、始動条件の成立に基づく特別図柄および飾り図柄の変動表示は、そのように選択された図柄表示部において行なわれる。選択された図柄表示部は、変動表示選択フラグに基づき特定される。たとえば、変動表示選択フラグとして、第1変動表示選択フラグがセットされているときには第1図柄表示部において変動表示が行なわれる。また、変動表示選択フラグとして、第2変動表示選択フラグがセットされているときには第2図柄表示部において変動表示が行なわれる。なお、変動表示選択フラグをセットする処理の内容や、セットされた変動表示選択フラグに従った図柄表示部において変動表示を行なう処理の内容については、後述する。
本実施形態における弾球遊技機1では、定期的に実行されるタイマ割込み処理において次のような処理が行なわれることにより、第1特別図柄表示器81および第2特別図柄表示器91のそれぞれの変動表示の表示結果が決定される。第1特別図柄表示器81および第2特別図柄表示器91の表示結果を決定するために実行することが必要な処理としては、共通の処理である結果判定用数値データ更新処理と、第1特別図柄表示器81専用の処理である第1抽出条件判定処理、第1抽出処理、および、第1事前判定処理と、第2特別図柄表示器91専用の処理である第2抽出条件判定処理、第2抽出処理、および、第2事前判定処理とを含む処理が実行される。
たとえば、結果判定用数値データ更新処理は、CPU56の機能であって、大当り判定用のランダムカウンタの数値データを更新する処理(ステップS25)である。
また、第1抽出条件判定処理は、大当り判定用のランダムカウンタについて第1特別図柄表示器81における表示結果を決定するための第1の抽出条件(始動口スイッチ62がオン、第1変動表示選択フラグがセット、かつ、第1保留記憶数が上限値未満等)が成立しているか否か判定する処理(ステップS311,S312,S111,S112)である。第1抽出処理は、第1の抽出条件が成立していると判定されたことを条件として大当り判定用のランダムカウンタの数値データを抽出する処理(ステップS312,S114)である。第1事前判定処理は、抽出された数値データが大当り判定値と合致することを条件として第1特別図柄表示器81における表示結果を特定表示結果(大当り図柄)にすることを決定する処理(ステップS56〜S58)である。
また、第2抽出条件判定処理は、大当り判定用のランダムカウンタについて第2特別図柄表示器91における表示結果を決定するための第2の抽出条件(始動口スイッチ62がオン、第2変動表示選択フラグがセット、かつ、第2保留記憶数が上限値未満等)が成立しているか否か判定する処理(第2特別図柄プロセス処理でのステップS311,S312,S111,S112に該当するステップ)である。第2抽出処理は、第2の抽出条件が成立していると判定されたことを条件として大当り判定用のランダムカウンタの数値データを抽出する処理(第2特別図柄プロセス処理でのステップS312,S114に該当するステップ)である。第2事前判定処理は、抽出された数値データが大当り判定値と合致することを条件として第2特別図柄表示器91における表示結果を特定表示結果(大当り図柄)にすることを決定する処理(第2特別図柄プロセス処理でのS56〜S58に該当するステップ)である。
そして、弾球遊技機1は、第1事前判定処理により第1特別図柄表示器81における表示結果を大当りとすることが決定されたときに、第1特別図柄表示器81に特定表示結果(たとえば、「3」または「7」)を表示した後に遊技者にとって有利な特定遊技状態としての大当り遊技状態に制御する機能を有する。また、弾球遊技機1は、第2事前判定処理により第2特別図柄表示器91における表示結果を大当りとすることが決定されたときに、第2特別図柄表示器91に特定表示結果(たとえば、「3」または「7」)を表示した後に遊技者にとって有利な特定遊技状態としての大当り遊技状態に制御する機能を有する。なお、第1特別図柄表示器81に特定表示結果が導出表示されるときには、第1変動表示部8においてゾロ目(たとえば、「333」、「777」等の3つ揃い)が導出表示される。また、第2特別図柄表示器91に特定表示結果が導出表示されるときには、第2変動表示部9においてゾロ目(たとえば、「333」、「777」等の3つ揃い)が導出表示される。
なお、この実施の形態では、第1特別図柄表示器81に特定表示結果が導出表示されたことにより発生する特定遊技状態と、第2特別図柄表示器91に特定表示結果が導出表示されたことにより発生する特定遊技状態とを同一(たとえば、大当りラウンド数、入賞払出数、等)の特定遊技状態としているが、一方の特定遊技状態を他方の特定遊技状態と比べてさらに有利となるように構成してもよい。
また、この実施の形態では、第1特別図柄表示器81と第2特別図柄表示器91との2つの表示器により識別情報の変動表示を行なう構成となっているが、これに限らず複数の表示器を備え、複数(2〜∞のうちの任意の自然数)の表示器にて識別情報の変動表示を行なう構成としてもよい。
また、特定表示結果(大当り図柄)には、特別表示結果(確変図柄、たとえば、「7」)と特別表示結果以外の非特別表示結果(非確変図柄、たとえば、「3」)が含まれ、本実施形態における弾球遊技機1は、後述する第1特別図柄停止図柄設定処理(ステップS301)で表示結果を特別表示結果(確変図柄)とすることを決定したときに第1特別図柄表示器81に特別表示結果(確変図柄)を表示した後に特定遊技状態(大当り遊技状態であり、第1大当り遊技状態ともいう)に制御し、特定遊技状態(第1大当り遊技状態)終了後に、特定遊技状態とは異なる遊技状態であって、通常遊技状態より特定表示結果(大当り図柄)となり易い(大当り遊技状態となる確率が高い)第1特別遊技状態としての第1確変状態に制御することにより遊技者にとってさらに有利な状態に移行制御する。なお、第1特別図柄表示器81に特別表示結果が導出表示されるときには、第1変動表示部8において確変図柄(たとえば、奇数図柄)のゾロ目(3つ揃い)が導出表示される。また、第1特別図柄表示器81に特別表示結果以外の非特別表示結果が導出表示されるときには、第1変動表示部8において非確変図柄(たとえば、偶数図柄)のゾロ目(3つ揃い)が導出表示される。
また、第2特別図柄停止図柄設定処理(図示しない)で表示結果を特別表示結果(確変図柄)とすることを決定したときに第2特別図柄表示器91に特別表示結果(確変図柄)を表示した後に特定遊技状態(大当り遊技状態であり、第2大当り遊技状態ともいう)に制御し、特定遊技状態(第2大当り遊技状態)終了後に、特定遊技状態および第1特別遊技状態とは異なる遊技状態であって、通常遊技状態より特定表示結果(大当り図柄)となり易い(大当り遊技状態となる確率が高い)第2特別遊技状態としての第2確変状態に制御することにより遊技者にとってさらに有利な状態に移行制御する。なお、第2特別図柄表示器91に特別表示結果が導出表示されるときには、第2変動表示部9において確変図柄(たとえば、奇数図柄)のゾロ目(3つ揃い)が導出表示される。また、第2特別図柄表示器91に特別表示結果以外の非特別表示結果が導出表示されるときには、第2変動表示部9において非確変図柄(たとえば、偶数図柄)のゾロ目(3つ揃い)が導出表示される。
また、第2特別図柄停止図柄設定処理(図示しない)で表示結果を特別表示結果(確変図柄)とすることを決定したときに第2特別図柄表示器91に特別表示結果(確変図柄)を表示した後に特定遊技状態(大当り遊技状態であり、第2大当り遊技状態ともいう)に制御し、特定遊技状態(第2大当り遊技状態)終了後に、特定遊技状態および第1特別遊技状態とは異なる遊技状態であって、通常遊技状態より特定表示結果(大当り図柄)となり易い(大当り遊技状態となる確率が高い)第2特別遊技状態としての第2確変状態に制御することにより遊技者にとってさらに有利な状態に移行制御する。なお、第2特別図柄表示器91に特別表示結果が導出表示されるときには、第2変動表示部9において確変図柄(たとえば、奇数図柄)のゾロ目(3つ揃い)が導出表示される。また、第2特別図柄表示器91に特別表示結果以外の非特別表示結果が導出表示されるときには、第2変動表示部9において非確変図柄(たとえば、偶数図柄)のゾロ目(3つ揃い)が導出表示される。
なお、通常遊技状態とは、第1特別遊技状態(第1確変状態)、第2特別遊技状態(第2確変状態)、および特定遊技状態(大当り遊技状態)とは異なる遊技状態のことである。また、以下、第1特別遊技状態と第2特別遊技状態とを合わせて特別遊技状態ということがある。
第1特別図柄表示器81の第1保留記憶表示器83は、始動条件が成立(打球が始動入賞口14へ入賞)したときに、抽出手段により数値データ更新手段から抽出された数値データ(たとえば、大当り判定用乱数等)の抽出順番を特定可能に記憶する第1保留記憶バッファ(たとえば、表示制御基板80に搭載されるRAM)に記憶された数値データの記憶数(保留記憶数)を、LEDの点灯数により報知するものである。本実施形態における第1保留記憶バッファには、始動条件成立時に抽出された数値データを用いて決定される変動表示選択フラグが、第1変動表示選択フラグにセットされたとき、すなわち、始動条件成立時に抽出された数値データを用いた変動表示を第1図柄表示部で行なうことが選択されたときに、始動条件成立時に抽出された数値データが抽出順に記憶される。このように記憶されるデータは、第1保留記憶データとも呼ばれる。
この第1保留記憶表示器83は、4つのLEDから構成されており、有効始動入賞(この実施の形態では、第1保留記憶バッファに記憶される数値データの記憶数が4未満のときに打球が始動入賞口14に入賞)があり、第1保留記憶バッファに記憶される毎に点灯数を増加させ、第1特別図柄表示器81において特別図柄の変動表示が開始される毎にLEDの点灯数を1減らす。
また、第1変動表示部8の下部には、第1未処理変動回数表示領域10が設けられている。第1未処理変動回数表示領域10は、4つの表示領域に分かれており、第1保留記憶表示器の点灯数に併せて、第1保留記憶バッファに記憶される毎に表示色を変化させ、第1飾り図柄の変動表示が開始される毎に表示色が変化している表示領域を1減らす。
第2特別図柄表示器91の第2保留記憶表示器93は、始動条件が成立(打球が始動入賞口14へ入賞)したときに、抽出手段により数値データ更新手段から抽出された数値データ(たとえば、大当り判定用乱数等)の抽出順番を特定可能に記憶する第2保留記憶バッファ(たとえば、表示制御基板80に搭載されるRAM)に記憶された数値データの記憶数(保留記憶数)を、LEDの点灯数により報知するものである。本実施形態における第2保留記憶バッファには、始動条件成立時に抽出された数値データを用いて決定される変動表示選択フラグが、第2変動表示選択フラグにセットされたとき、すなわち、始動条件成立時に抽出された数値データを用いた変動表示を第2図柄表示部で行なうことが選択されたときに、始動条件成立時に抽出された数値データが抽出順に記憶される。このように記憶されるデータは、第2保留記憶データとも呼ばれる。
この第2保留記憶表示器93は、4つのLEDから構成されており、有効始動入賞(この実施の形態では、第2保留記憶バッファに記憶される数値データの記憶数が4未満のときに打球が始動入賞口14に入賞)があり、第2保留記憶バッファに記憶される毎に点灯数を増加させ、第2特別図柄表示器91において特別図柄の変動表示が開始される毎にLEDの点灯数を1減らす。
また、第2変動表示部9の下部には、第2未処理変動回数表示領域11が設けられている。第2未処理変動回数表示領域11は、4つの表示領域に分かれており、第2保留記憶表示器93の点灯数に併せて、第2保留記憶バッファに記憶される毎に表示色を変化させ、第2飾り図柄の変動表示が開始される毎に表示色が変化している表示領域を1減らす。
なお、第1変動表示部8においては、第1未処理変動回数表示領域10と第1飾り図柄を変動表示する表示領域とが区分けされて設けられ、第2変動表示部9においては、第2未処理変動回数表示領域11と第2飾り図柄を変動表示する表示領域とが区分けされて設けられている。そのため、第1飾り図柄および第2飾り図柄の変動表示中も保留記憶数が表示された状態とすることができる。また、第1未処理変動回数表示領域10を第1飾り図柄を変動表示する表示領域の一部に設け、第2未処理変動回数表示領域11を第2飾り図柄を変動表示する表示領域の一部に設けるように構成してもよく、この場合には、変動表示中は保留記憶数の表示を中断するようにすればよい。また、保留記憶数を表示する表示器(第1未処理変動回数表示器および第2未処理変動回数表示器)を第1変動表示部8および第2変動表示部9とは別個にそれぞれ設ける構成としてもよい。
なお、第1保留記憶バッファに記憶される数値データは、第1変動表示部8における第1飾り図柄の変動表示の開始条件が成立したときに第1変動表示部8にて第1飾り図柄の変動表示を開始するための始動条件であり、第2保留記憶バッファに記憶される数値データは、第2変動表示部9における第2飾り図柄の変動表示の開始条件が成立したときに第2変動表示部9にて第2飾り図柄の変動表示を開始するための始動条件であるため、保留変動表示とも呼ばれる。
また、この実施の形態では、第1保留記憶バッファおよび第2保留記憶バッファには、抽出手段(たとえば、ステップS312)によって抽出された数値データ(たとえば、大当り判定用乱数、等)のうち未だ開始条件(たとえば、大当り遊技状態および前回の変動表示の終了)が成立していない数値データが予め定められた上限数として4つ(本実施の形態の場合は、後述するように一度に複数種類のデータが記憶されるので、上限値が4つというのは、一度に記憶されるデータを1グループのデータとすれば4グループのデータという意味である)まで記憶される。なお、第1保留記憶バッファおよび第2保留記憶バッファに記憶可能となる数値データの上限数は上記のものに限らず、たとえば、上限数を20(または0〜∞のうち任意の整数)としてもよい。また、所定条件が成立した(たとえば、表示結果が特別表示結果となったことに基づいて特定遊技状態に移行する)ことに基づいて、上限値を変更する(たとえば、4個から20個に変更する)構成としてもよい。
第1変動表示部8と第2変動表示部9との下方には、遊技球が入賞可能な始動入賞口14を有する可変入賞装置15が設けられている。始動入賞口14に入った入賞球は、遊技盤6の背面に導かれ、始動口スイッチ62によって検出される。また、始動入賞口14の下部には開閉動作を行なう可変入賞装置15が設けられている。可変入賞装置15は、ソレノイド71によって開状態とされる。ソレノイド71により可変入賞装置15が開状態となることにより、遊技球が始動入賞口14に入賞し易くなり(始動入賞し易くなり)、遊技者にとって有利な状態となる。
可変入賞装置15の下方には、第1特別図柄表示器81または第2特別図柄表示器91に特定表示結果が導出表示され、第1変動表示部8または第2変動表示部9にゾロ目が導出表示されたことに基づく特定遊技状態(大当り遊技状態)においてソレノイド72によって開状態とされる特別可変入賞装置20が設けられている。特別可変入賞装置20は、内部に大入賞口21を備え、大入賞口21を開閉する手段である。特別可変入賞装置20から遊技盤6の背面に導かれた入賞球のうち、一方(V入賞領域)に入った入賞球はV入賞スイッチ64で検出され、もう一方(10カウント入賞領域)に入った入賞球はカウントスイッチ63で検出される。遊技盤6の背面には、大入賞口21内の経路を切り換えるためのソレノイド73も設けられている。
なお、この実施の形態では、特別可変入賞装置を1つだけ備える例について説明したが、第1特別図柄表示器81に特定表示結果が導出表示されたことに基づいて開閉する特別可変入賞装置20と第2特別図柄表示器91に特定表示結果が導出表示されたことに基づいて開閉する特別可変入賞装置22とを備える構成にしてもよい。また、この実施の形態では、可変入賞装置を1つだけ備える例について説明したが、特別図柄表示器の数だけ可変入賞装置を設ける構成にしてもよい。
第1変動表示部8の左下方には、「○」および「×」と付された一対のLEDからなる普通図柄表示器12が設けられている。この普通図柄表示器12は、普通図柄と呼ばれる複数種類の識別情報(たとえば、「○」および「×」)を変動表示可能なものである。
第1変動表示部8の左側に設けられたゲート28を遊技球が通過しゲートスイッチ61で検出されると、普通図柄当り判定用乱数が抽出されて主基板31に搭載されるRAM55の普通図柄バッファに格納される。この実施の形態では、RAM55の普通図柄バッファに記憶可能な普通図柄当り判定用乱数の記憶数の上限は、4個となっている。そして、普通図柄バッファに記憶される普通図柄当り判定用乱数の記憶数が上限に達していなければ、つまり、普通図柄バッファに記憶される普通図柄当り判定用のランダムカウンタから抽出した数値データの記憶数が4個に達していなければ、普通図柄当り判定用のランダムカウンタから数値データが抽出される。そして、普通図柄表示器12において普通図柄の表示状態が変化(「○」および「×」が交互に点灯)する変動表示を開始できる状態であれば、普通図柄表示器12において普通図柄の変動表示が開始される。普通図柄表示器12において表示状態が変化する変動表示を開始できる状態でなければ、普通図柄当り判定用乱数を普通図柄バッファに格納することで普通図柄当り判定用乱数の記憶数が1増加する。また、普通図柄表示器12の下方には、普通図柄当り判定用のランダムカウンタの数値データの記憶数を表示する所定数(この実施の形態では4つ)のLEDを有する普通図柄保留記憶表示器18が設けられている。この普通図柄保留記憶表示器18は、ゲート28を遊技球が通過し、ゲートスイッチ61で遊技球が検出される毎に点灯するLEDを1つ増やす。そして、普通図柄表示器12にて普通図柄(たとえば、「○」および「×」)の変動表示が開始される毎に点灯しているLEDを1減らす。なお、第1飾り図柄と普通図柄とを一つの第1変動表示部8または第2変動表示部9で変動表示するように構成することもできる。その場合には、第1飾り図柄を変動表示する飾り図柄表示エリアと、普通図柄を変動表示する普通図柄表示エリアと、は1つの第1変動表示部8または第2変動表示部9で実現される。
この実施の形態では、普通図柄表示器12にて、○と×の付された左右のランプ(点灯時に図柄が視認可能になる)が交互に点灯することによって普通図柄の変動表示が行なわれ、変動表示は所定時間(たとえば、29.2秒)継続する。そして、変動表示の終了時に○の付された左側のランプが点灯すれば当りとなる。当りとするか否かは、ゲート28を遊技球が通過し、ゲートスイッチ61で遊技球が検出されたときに抽出された数値データ(普通図柄当り判定用乱数)の値が所定の普通図柄当り判定値と合致したか否かによって決定される。普通図柄表示器12における変動表示の表示結果が当りである場合には、可変入賞装置15が所定回数、所定時間だけ開状態になって遊技球が始動入賞口14に入賞しやすい状態になる。すなわち、可変入賞装置15の状態は、普通図柄の停止図柄が当り図柄である場合に、遊技者にとって不利な状態から有利な状態に変化する。
さらに、第1特別遊技状態としての第1確変状態では、第1特別図柄表示器81にて特定表示結果が導出表示される確率が通常遊技状態より高められるとともに、第1特別図柄表示器81において特別図柄が変動表示される変動表示時間(変動時間)が通常遊技状態より短縮される。さらに、普通図柄表示器12において、停止図柄が当り図柄になる確率が通常遊技状態より高められるとともに、可変入賞装置15の開放時間と開放回数とのうちの一方または双方が通常遊技状態より高められる。これにより遊技者にとってさらに有利な状態となる。また、第1確変状態等の所定の状態では、普通図柄表示器12における普通図柄の変動表示時間(変動時間)が通常遊技状態より短縮されることによって、遊技者にとってさらに有利になるようにしてもよい。
また、第2特別遊技状態としての第2確変状態では、第2特別図柄表示器91にて特定表示結果が導出表示される確率が通常遊技状態より高められるとともに、第2特別図柄表示器91において特別図柄が変動表示される変動表示時間(変動時間)が通常遊技状態より短縮される。さらに、普通図柄表示器12において、停止図柄が当り図柄になる確率が通常遊技状態より高められるとともに、可変入賞装置15の開放時間と開放回数とのうちの一方または双方が通常遊技状態より高められる。これにより遊技者にとってさらに有利な状態となる。また、第2確変状態等の所定の状態では、普通図柄表示器12における普通図柄の変動表示時間(変動時間)が通常遊技状態より短縮されることによって、遊技者にとってさらに有利になるようにしてもよい。
なお、上記の第1特別遊技状態として第1時短状態、第2特別遊技状態として第2時短状態に制御することにより、遊技者にとって通常遊技状態よりも有利な状態とするようにしてもよい。第1時短状態では、第1特別図柄表示器81において特別図柄の変動表示(変動表示)が所定回数(たとえば、100回)実行されるまで、第1特別図柄表示器81の特別図柄、第1変動表示部8の第1飾り図柄および普通図柄表示器12の普通図柄の変動表示時間(変動時間)が通常遊技状態より短縮される。さらに、可変入賞装置15において、開放時間と開放回数とのうちの一方または双方が通常遊技状態より高められる。可変入賞装置15の開放時間または開放回数が通常遊技状態より高められることにより、始動入賞口14への始動入賞が起こりやすくなり、所定期間内での第1特別図柄表示器81における特別図柄および第1変動表示部8における第1飾り図柄の変動表示回数が増加して、大当りとなる確率が通常遊技状態より高まるため、遊技者にとってさらに有利な状態となる。
また、第2時短状態では、第2特別図柄表示器91において第2特別図柄の変動表示(変動表示)が所定回数(たとえば、100回)実行されるまで、第2特別図柄表示器91の第2特別図柄、第2変動表示部9の第2飾り図柄および普通図柄表示器12の普通図柄の変動表示時間(変動時間)が通常遊技状態より短縮される。さらに、可変入賞装置15において、開放時間と開放回数とのうちの一方または双方が通常遊技状態より高められる。可変入賞装置15の開放時間または開放回数が通常遊技状態より高められることにより、始動入賞口14への始動入賞が起こりやすくなり、所定期間内での第2特別図柄表示器91における第2特別図柄および第2変動表示部9における第2飾り図柄の変動表示回数が増加して、大当りとなる確率が通常遊技状態より高まるため、遊技者にとってさらに有利な状態となる。
なお、上述した第1確変状態、第2確変状態は、第1時短状態および第2時短状態よりもさらに遊技者にとって有利な状態となるため、一方(または複数のうちのいずれか1つまたは任意の自然数個)の特別遊技状態を確変状態とし、他方(または残りの複数のうちの1つまたは任意の自然数個)の特別遊技状態を時短状態とすることにより特別遊技状態に格差をつけるように構成してもよい。たとえば、第1特別遊技状態として第1確変状態に制御し、第2特別遊技状態として第2時短状態に制御することにより、第1特別遊技状態となったときに第2特別遊技状態よりもさらに有利な状態となるように構成してもよい。このように構成することにより遊技者の興趣を向上させることが可能となる。また、この場合には、特別遊技状態として時短状態に制御する(他の特別遊技状態に比べて遊技者にとって不利となる特別遊技状態に制御する)変動表示部の大当りとなる確率を特別遊技状態として確変状態に制御する(他の特別遊技状態に比べて遊技者にとって有利となる特別遊技状態に制御する)変動表示部の大当りとなる確率よりも高くなるように構成してもよい。このように構成することにより、遊技者の興趣をさらに向上させることができる。
また、第1特別遊技状態および第2特別遊技状態は上記のものに限らず、遊技者に有利となる遊技制御を第1特別遊技状態および第2特別遊技状態とすればよい。以下、この遊技制御を大当りに直接的には係わらないもの(特定遊技状態中以外)と大当りに直接的に係わるもの(特定遊技状態中)とに分けて説明する。すなわち、特定遊技状態に加える特別遊技状態とは、特定遊技状態とは別の特別遊技状態のことであってもよいし、また特定遊技状態を含む特別遊技状態のことであってもよい。
まず、第1特別遊技状態の当りに直接的には係わらない遊技制御としては、第1特別図柄,第1飾り図柄および普通図柄に対しての時間短縮(時短)制御または確率変動(確変)制御、電役(たとえば、可変入賞装置15)の開放期間の延長制御、第1特別図柄,第1飾り図柄および普通図柄に対しての始動通過領域の増設制御(たとえば、遊技盤6に設置される入賞口(図示しない)を始動入賞口として設定変更する制御)、賞球数の増加制御(たとえば、入賞に伴う賞球を通常遊技状態時の13個から15個に増加する制御)、または所定領域への通過率向上制御(たとえば、始動入賞口14の上流側に打玉規制装置を設け、該打玉規制装置の作動により始動入賞率を向上する制御)を第1特別遊技状態とすることができ、さらには始動入賞に基づいて変動表示される図柄の停止図柄が所定の図柄の組合せになると開放する所定の電動役物への入賞があると所定の権利が発生または継続する弾球遊技機に本発明を適用した場合には、特定領域への入賞率向上制御を第1特別遊技状態としてもよい。
また、第2特別遊技状態の当りに直接的には係わらない遊技制御としては、第2特別図柄,第2飾り図柄および普通図柄に対しての時間短縮(時短)制御または確率変動(確変)制御、電役(たとえば、可変入賞装置17)の開放期間の延長制御、第2特別図柄,第2飾り図柄および普通図柄に対しての始動通過領域の増設制御(たとえば、遊技盤6に設置される入賞口(図示しない)を始動入賞口として設定変更する制御)、賞球数の増加制御(たとえば、入賞に伴う賞球を通常遊技状態時の13個から15個に増加する制御)、または所定領域への通過率向上制御(たとえば、始動入賞口14の上流側に打玉規制装置を設け、該打玉規制装置の作動により始動入賞率を向上する制御)を第2特別遊技状態とすることができ、さらには始動入賞に基づいて変動表示される図柄の停止図柄が所定の図柄の組合せになると開放する所定の電動役物への入賞があると所定の権利が発生または継続する弾球遊技機に本発明を適用した場合には、特定領域への入賞率向上制御を第2特別遊技状態としてもよい。
一方、第1特別遊技状態の当りに直接的に係わる遊技制御としては、ラウンド上限数の向上制御、カウント上限数の向上制御、特別可変入賞装置20の開放延長制御、または特別可変入賞装置20によって開放された大入賞口21への入賞に伴う賞球数の増加制御を第1特別遊技状態とすることができる。なお、上記の遊技制御を組合せて第1特別遊技状態とすることもできる。さらには、第1特別遊技状態への突入条件(所定条件の成立)および第1特別遊技状態の終了条件については、本実施形態中に記載のものに限定せず、第1特別遊技状態を発生させるための判定用乱数(数値データ)、第1特別遊技状態を終了させるための判定用乱数(数値データ)、遊技履歴(たとえば、時間、リーチ回数、所定入賞口への入賞回数、通過回数等)、入賞、およびサブゲーム(たとえば、ジャンケンなどで遊技者自身が選択できるものを含む)の4つの要素のうちいずれか1つまたは任意の組合せを、第1特別遊技状態への突入条件または第1特別遊技状態の終了条件に設定するものであればよい。
また、第2特別遊技状態の当りに直接的に係わる遊技制御としては、ラウンド上限数の向上制御、カウント上限数の向上制御、特別可変入賞装置20の開放延長制御、または特別可変入賞装置20によって開放された大入賞口21への入賞に伴う賞球数の増加制御を第2特別遊技状態とすることができる。なお、上記の遊技制御を組合せて第2特別遊技状態とすることもできる。さらには、第2特別遊技状態への突入条件(所定条件の成立)および第2特別遊技状態の終了条件については、本実施形態中に記載のものに限定せず、第2特別遊技状態を発生させるための判定用乱数(数値データ)、第2特別遊技状態を終了させるための判定用乱数(数値データ)、遊技履歴(たとえば、時間、リーチ回数、所定入賞口への入賞回数、通過回数等)、入賞、およびサブゲーム(たとえば、ジャンケンなどで遊技者自身が選択できるものを含む)の4つの要素のうちいずれか1つまたは任意の組合せを、第2特別遊技状態への突入条件または第2特別遊技状態の終了条件に設定するものであればよい。
遊技盤6の遊技領域7の左右周辺には、遊技中に点滅表示される装飾ランプ25が設けられ、下部には、入賞しなかった打球が取り込まれるアウト口26がある。また、遊技領域7の外側の左右上部には、所定の音声出力として効果音や音声を発声する2つのスピーカ27が設けられている。遊技領域7の外周上部、外周左部および外周右部には、前面枠に設けられた天枠ランプ40、枠ランプ左41および枠ランプ右42が設けられている。また、枠ランプ左41の近傍には賞球残数があるときに点灯する賞球ランプ51が、枠ランプ右42の近傍には補給球が切れたときに点灯する球切れランプ52が、設けられている。
次に、リーチ表示態様(リーチ)について説明する。本実施形態におけるリーチ表示態様(リーチ)とは、停止した図柄が大当り図柄の一部を構成しているときに未だ停止していない図柄については変動表示(変動表示)が行なわれていること、および全てまたは一部の図柄が大当り図柄の全てまたは一部を構成しながら同期して変動表示している状態である。
たとえば、第1特別図柄表示器81および第2特別図柄表示器91におけるリーチ表示態様とは、特定表示結果である「3」または「7」が点滅表示している状態であってもよい。
また、第1変動表示部8におけるリーチ表示態様とは、予め定められた複数の表示領域に、予め定められた図柄が停止することでゾロ目となる有効ラインが定められ、その有効ライン上の一部の表示領域に予め定められた図柄が停止しているときに未だ停止していない有効ライン上の表示領域において変動表示が行なわれている状態(たとえば、第1変動表示部8における左、中、右の表示領域のうち左、右の表示領域には大当り図柄の一部となる(たとえば、「7」)が停止表示されている状態で右の表示領域は未だ変動表示が行なわれている状態)、および有効ライン上の表示領域の全てまたは一部の図柄が大当り図柄の全てまたは一部を構成しながら同期して変動表示している状態(たとえば、第1変動表示部8における左、中、右の表示領域の全てに変動表示が行なわれており、常に同一の図柄が揃っている状態で変動表示が行なわれている状態)をリーチ表示態様またはリーチという。なお、第2変動表示部9におけるリーチ表示態様についても、第1変動表示部8におけるリーチ表示態様と同様である。
また、リーチの際に、通常と異なる演出がランプや音で行なわれることがある。この演出をリーチ演出という。また、リーチの際に、キャラクタ(人物等を模した演出表示であり、図柄(特別図柄等)とは異なるもの)を表示させたり、第1変動表示部8および/または第2変動表示部9の背景の表示態様(たとえば、色等)を変化させたりすることがある。このキャラクタの表示や背景の表示態様の変化をリーチ演出表示という。
また、図示しないが弾球遊技機1には打球操作ハンドル5を操作することにより駆動モータを駆動し、駆動モータの回転力を利用して遊技球を遊技領域7に発射する打球発射装置45が設けられている。打球発射装置45から発射された遊技球は、遊技盤6に遊技領域7を囲むように円形状に載設された打球レールを通って遊技領域7に入り、その後、遊技領域7を下りてくる。打球が始動入賞口14に入り始動口スイッチ62で検出されると、変動表示選択フラグに従って選択された図柄表示部の保留記憶バッファに記憶される数値データ(たとえば、大当り判定用乱数等)の記憶数を1増やし、対応する保留記憶表示器の点灯数および未処理変動回数表示領域の表示色を変化させる。そして、変動表示を開始できる状態であれば(たとえば、大当り遊技終了または前回の変動表示の終了)、その保留記憶バッファに記憶される数値データに基づいて、始動入賞時において変動表示選択フラグに従って選択された図柄表示部にて変動表示を開始する。一方、変動表示を開始できる状態でなければ、変動表示を開始できる状態まで待って変動表示が行なわれる。
各図柄表示部における変動表示は、一定時間が経過したときに停止する。停止時の図柄が大当り図柄(特定表示結果)となると、大当り遊技状態に移行する。すなわち、一定時間経過するまで、または、所定個数(たとえば、10個)の打球が大入賞口21に入賞するまで特別可変入賞装置20によって大入賞口21が開放される。なお、特別可変入賞装置20によって大入賞口21が開閉されてから一定期間経過するまで、または、所定個数(たとえば、10個)の打球が大入賞口21に入賞するまでが大当り遊技状態における1ラウンドである。そして、特別可変入賞装置20による大入賞口21の開放中に打球が大入賞口21内のV入賞領域に入賞し、V入賞スイッチ64で検出されると、継続権が発生し特別可変入賞装置20により大入賞口21の開放が再度行なわれる。継続権の発生は、所定回数(たとえば、15ラウンド)許容される。
各図柄表示部の変動停止時の停止図柄が確率変動を伴う確変図柄である場合には、大当り遊技状態に制御され、大当り遊技状態終了後に、次に当りとなる確率が通常遊技状態よりも高い第1特別遊技状態または第2特別遊技状態に制御される。すなわち、第1確変状態または第2確変状態という遊技者にとってさらに有利な状態となる。
なお、本発明に係る特定遊技状態は、上記に限らず以下に示す1〜5の制御のうちいずれか1つの制御または組合せた制御を実行する状態であればよい。
1.打球の入賞を容易にする第1の状態と、打球が入賞できないまたは入賞し難い第2の状態と、に変化可能な可変入賞装置に対して所定時間連続的または間欠的に第1の状態にする制御
2.特定の入賞または通過領域での打球の検出を介在させ、打球の入賞を容易にする第1の状態と、打球が入賞できないまたは入賞し難い第2の状態と、に変化可能な可変入賞装置に対して所定時間連続的または間欠的に第1の状態にする制御
3.打球の入賞に関わらず所定数の景品球を直接排出する制御
4.有価価値を有する記憶媒体(カードやレシート等)に対して有価数を加算する制御
5.得点があることに基づいて遊技可能な弾球遊技機に対して得点を付与する制御
図2は、本実施形態に係る弾球遊技機1の回路構成の概要を表したブロック図である。
1.打球の入賞を容易にする第1の状態と、打球が入賞できないまたは入賞し難い第2の状態と、に変化可能な可変入賞装置に対して所定時間連続的または間欠的に第1の状態にする制御
2.特定の入賞または通過領域での打球の検出を介在させ、打球の入賞を容易にする第1の状態と、打球が入賞できないまたは入賞し難い第2の状態と、に変化可能な可変入賞装置に対して所定時間連続的または間欠的に第1の状態にする制御
3.打球の入賞に関わらず所定数の景品球を直接排出する制御
4.有価価値を有する記憶媒体(カードやレシート等)に対して有価数を加算する制御
5.得点があることに基づいて遊技可能な弾球遊技機に対して得点を付与する制御
図2は、本実施形態に係る弾球遊技機1の回路構成の概要を表したブロック図である。
主基板31には、プログラムに従って弾球遊技機1を制御する基本回路53が搭載されている。基本回路53は、ゲーム制御用のプログラム等を記憶するROM54、ワークメモリとして使用される記憶手段としてのRAM55、プログラムに従って遊技の信号を制御するCPU56、および表示制御基板80等に制御信号を送信するI/Oポート部57を含む。この実施の形態では、ROM54,RAM55はCPU56に内蔵されている。すなわち、CPU56は、1チップマイクロコンピュータである。なお、CPU56はROM54に格納されているプログラムに従って制御を実行するので、以下、CPU56が実行する(または、処理を行なう)ということは、具体的には、CPU56がプログラムに従って制御を実行することである。このことは、主基板31以外の他の基板に搭載されているCPUについても同様である。また、この実施の形態で用いられる遊技制御用マイクロコンピュータとは、主基板31に搭載されるCPU56、ROM54、RAM55、I/Oポート部57、等の周辺回路のことである。
また、ゲートスイッチ61、始動口スイッチ62、カウントスイッチ63、V入賞スイッチ64、クリアスイッチ65、余剰球受皿4がいっぱいになったときに検出する満タンスイッチ(図示しない)、カウントスイッチ短絡信号(図示しない)、からの信号を基本回路53に与えるスイッチ回路32、可変入賞装置15を開閉するソレノイド71、特別可変入賞装置20を開閉するソレノイド72、大入賞口21内に設けられたシーソーを可動するソレノイド73、等を基本回路53からの指令に従って駆動するソレノイド回路33、電源投入時に基本回路53をリセットするためのシステムリセット回路(図示しない)、基本回路53から与えられるデータに従って、大当り遊技状態の発生を示す大当り情報、等の情報出力信号をホールコンピュータ等の外部装置に対して出力する情報出力回路34、も主基板31に搭載されている。
また、主基板31は、第1特別図柄表示器81および第2特別図柄表示器91各々において、特別図柄の変動表示を開始した後に表示結果を導出表示する表示制御を行なうための回路が形成されている。遊技制御用マイクロコンピュータは、プログラムに従い、駆動信号を第1特別図柄表示器81および第2特別図柄表示器91各々に出力し表示制御を行なう。これにより、主基板31と第1特別図柄表示器81および第2特別図柄表示器91との間にドライバ回路やマイクロコンピュータを搭載した特別図柄表示器用の制御基板等を設け、主基板31からの指令信号に基づき制御基板等により第1特別図柄表示器81および第2特別図柄表示器91の表示制御を行なう場合と比較して、大当り判定の結果を確実に間違いなく表示させることができる。
また、主基板31は、第1保留記憶表示器83および第2保留記憶表示器93各々において、対応する保留記憶バッファに記憶されている数値データの記憶数を報知するための回路が形成されている。遊技制御用マイクロコンピュータは、プログラムに従い、保留記憶バッファの保留記憶数に応じた駆動信号を第1保留記憶表示器83および第2保留記憶表示器93各々に出力し制御を行なう。
主基板31に設けられた遊技制御用マイクロコンピュータ(CPU56およびROM54,RAM55等の周辺回路)は、プリペイドカード等が挿入されることによって球貸しを可能にするカードユニット50、遊技盤6に設けられた複数の入賞口にて遊技球の入賞を検出したことにより賞球払い出しを行なう球払出装置44、を制御する払出制御基板36に払出制御信号を送信する。また、遊技制御用マイクロコンピュータは、打球操作ハンドル5を操作することにより打球発射装置45を駆動制御して遊技球を遊技領域7に向けて発射制御する発射制御基板37に発射制御信号を送信する。
さらに、遊技制御用マイクロコンピュータは表示制御基板80に演出制御コマンド(演出制御信号)を送信する。演出制御コマンドを受信することにより表示制御基板80に設けられた表示制御用マイクロコンピュータ(表示制御用CPU(図示しない)、RAM(図示しない)、ROM(図示しない)、I/Oポート部(図示しない)、等の周辺回路)が第1変動表示部8および第2変動表示部9の表示制御を行なう。演出制御コマンドには、第1変動表示部8の表示を指定するコマンドと、第2変動表示部9の表示を指定するコマンドとが含まれ、表示制御用マイクロコンピュータは、受信したコマンドに応じた変動表示部(第1変動表示部8または第2変動表示部9)を表示制御する。
また、表示制御用マイクロコンピュータは、演出制御コマンドを受信することにより、第1未処理変動回数表示領域10および第2未処理変動回数表示領域11の表示制御を行なう。演出制御コマンドには、第1保留記憶バッファに記憶されている保留記憶数を指定するコマンドと、第2保留記憶バッファに記憶されている保留記憶数を指定するコマンドとが含まれ、表示制御用マイクロコンピュータは、受信したコマンドに応じて第1未処理変動回数表示領域10および第2未処理変動回数表示領域11を表示制御する。
また、表示制御用マイクロコンピュータは、演出制御コマンドを受信することにより、普通図柄表示器12の表示制御を行なう。演出制御コマンドには、普通図柄表示器12の表示を指定するコマンドが含まれ、表示制御用マイクロコンピュータは、受信したコマンドに応じた普通図柄表示器12を表示制御する。
表示制御用CPUは、ROMに格納されたプログラムに従って動作し、主基板31から演出制御コマンドを受信すると、受信した演出制御コマンドに従って受信したコマンドに応じた変動表示部および未処理変動回数表示領域の表示制御を行なう。具体的には、画像表示を行なう表示制御機能および高速描画機能を有するVDP(図示しない)により変動表示部の表示制御を行なう。表示制御用CPUは、受信した演出制御コマンドに従ってキャラクタROM(図示しない)から必要なデータを読み出す。キャラクタROMは、第1変動表示部8および第2変動表示部9に表示される画像の中でも使用頻度の高いキャラクタ画像データ、具体的には、人物、怪物、文字、図形または記号等を予め格納しておくためのものである。
そして、表示制御用CPUはキャラクタROMから読み出したデータをVDPに出力する。VDPは表示制御用CPUからデータが入力されたことに基づいて動作する。この実施の形態では、第1変動表示部8の表示制御を行なう第1VDP(図示しない)と、第2変動表示部9の表示制御を行なう第2VDP(図示しない)と、の2つのVDPが表示制御基板80に搭載されている。なお、変動表示部を3つとした場合にはVDPが3つ搭載される。すなわち、変動表示部の数に対応した数のVDPが表示制御基板80に搭載される。また、第1VDPおよび第2VDPは、それぞれ、表示制御用CPUとは独立した二次元のアドレス空間を持ち、そこに第1VRAM(図示しない)および第2VRAM(図示しない)をマッピングしている。なお、1つのVDPで複数の変動表示部の表示制御を行なう構成としてもよい。たとえば、第1変動表示部8と第2変動表示部9との両方の表示制御を行なうVDPを1つ備える構成としてもよい。
第1VDPまたは第2VDPはキャラクタ画像データに従って受信したコマンドに応じた変動表示部(第1変動表示部8または第2変動表示部9)に表示するための画像データを生成し、第1VDPは第1VRAMに、第2VDPは第2VRAMに展開する。RAMは第1VDPによって生成された画像データを展開するためのフレームバッファメモリであり、第2VRAMは第2VDPによって生成された画像データを展開するためのフレームバッファメモリである。そして、受信したコマンドに応じた変動表示部(第1変動表示部8または第2変動表示部9)に出力する。
また、この実施の形態では、表示制御基板80に設けられた表示制御用マイクロコンピュータが音声出力基板70にスピーカ27の駆動信号を出力し、スピーカ27の音声出力制御を行なうともに、ランプドライバ基板35にランプ・LEDの駆動信号を出力し、弾球遊技機1に設けられたランプ・LEDの発光制御を行なう。すなわち、表示制御基板80に搭載される表示制御用マイクロコンピュータは、主基板31から送信される第1変動表示部8および第2変動表示部9の表示制御、ランプ・LEDの点灯制御、遊技音発生等の演出の制御に関する指令情報としての演出制御コマンド(制御信号)に基づいて第1変動表示部8、第2変動表示部9、スピーカ27、弾球遊技機1に設けられるランプ・LED等の発光体の制御を行なう演出制御用マイクロコンピュータである。
次に、この実施の形態の弾球遊技機1での制御に用いられる乱数値を発生させるためのランダムカウンタについて説明する。図3は、遊技制御用マイクロコンピュータが遊技制御に用いる各種ランダムカウンタを説明するための図である。図3には、ランダムカウンタの一例として、ランダムカウンタR1〜R8のランダムカウンタが示されている。以下に示す各ランダムカウンタは、数値データを所定の数値範囲内で更新する数値データ更新手段としての機能を有する。
R1は、第1特別図柄表示器81(第1変動表示部8も含む)および第2特別図柄表示器91(第2変動表示部9も含む)のそれぞれの変動表示について大当り状態を発生させるか否かを事前にランダムに判定するために用いられる乱数値を発生させるための大当り判定用のランダムカウンタであり、「0」からカウントアップしてその上限である「599」までカウントアップし、再度「0」からカウントアップし直すように構成されている。このR1は、2msec毎に加算更新されることとなる。始動口スイッチ62により有効な始動入賞が検出されると、それに応じてこのR1のカウント値が抽出されて第1保留記憶データまたは第2保留記憶データとして、第1保留記憶バッファまたは第2保留記憶バッファに記憶される。そして、第1特別図柄表示器81および第2特別図柄表示器91のそれぞれについて、特別図柄の変動表示を開始する前の段階で、そのようにRAM55に記憶されたR1の数値データが読出され、読出されたR1の数値データが予め定められた大当り判定値と一致するか否かが判断される。この判断において、一致した場合には、変動表示の表示結果を大当り図柄の組合せとして大当りを発生させることが決定されて前述した大当り遊技状態の制御が行なわれ、一致しない場合には、変動表示の表示結果をはずれとすることが決定されて遊技状態が変化しない。確変状態以外の通常の確率状態においては、前述したように大当り判定値がたとえば2個の数値に設定される。確変状態においては、大当り判定値がたとえば、10個等の3以上の複数個の数値に設定されることにより、非確変状態の場合よりも大当りの発生確率が向上する。
図3の各ランダムカウンタについての範囲の欄に示されている数値範囲は、このようなランダムカウンタのカウント範囲であって、R1で説明したように初期値から上限値までカウントアップした後、再度初期値からカウントアップし直すものである。
図3の各ランダムカウンタについての範囲の欄に示されている数値範囲は、このようなランダムカウンタのカウント範囲であって、R1で説明したように初期値から上限値までカウントアップした後、再度初期値からカウントアップし直すものである。したがって、説明を簡略化するために、以下の各種カウンタの説明においては、カウント範囲およびカウント方法についての説明を省略する。
R2は、R1を用いた大当り判定により大当りとする判定がなされた場合に、大当り図柄の組合せをランダムに決定するため、および、確変状態に制御するか否かをランダムに判定するために用いられるカウンタであり、「0」からカウントアップしてその上限である「8」までカウントアップし、再度「0」からカウントアップし直すように構成されている。このR2は、R1と異なり、3msec毎に加算更新されることとなる。「1」〜「9」の複数の図柄よりなる特別図柄のうち、「3」と「7」とが大当り図柄であり、さらに「7」が確変大当り図柄である。R2のカウント値は、始動入賞時に抽出されて第1保留記憶データまたは第2保留記憶データとして第1保留記憶バッファまたは第2保留記憶バッファに記憶される。そして、その変動表示開始前において第1保留記憶バッファまたは第2保留記憶バッファから記憶されたR2の数値データが読出され、読出された数値データがたとえば、「0」〜「3」の範囲にあるときに、確変図柄(「7」)とすることが決定されるとともに、確変大当りとする判定がなされる。一方、変動表示開始前において読出されたR2の数値データがたとえば、「4」〜「8」の範囲にあるときに、非確変大当り図柄(「3」)とすることが決定されるとともに、非確変大当りとする判定がなされる。
R3は、第1特別図柄表示器81および第2特別図柄表示器91のそれぞれについて、はずれとなる表示結果における停止図柄を事前にランダムに決定するために用いられる乱数値を発生させるためのはずれ図柄決定用のランダムカウンタである。R3は、3msecごとおよび割込み処理余り時間にそれぞれ加算更新される。
ここで、R3等の所定のランダムカウンタにおいて行なわれる割込み処理余り時間におけるカウントアップ動作について説明する。遊技制御用マイクロコンピュータのCPU56は、定期的な割込み処理の実行により、各種制御を行なうが、ある割込み処理について、割込み処理が実行された後に、その割込み処理の次回の実行開始までの期間は割込み処理待ち状態となる。そのような割込み処理待ち状態である割込み処理の余り時間において、無限ループを利用してランダムカウンタの加算更新処理を繰返し実行することを割込み処理余り時間におけるカウントアップという。
特別図柄は、たとえば、「1」〜「9」の複数の図柄が予め定められた順序(数字の順番)であり、予め定められた図柄の配列順序に従って変動(更新)表示されていく。複数種類の特別図柄のそれぞれには図柄決定用の数値データ「0」〜「8」がそれぞれ対応付けられており、始動入賞時に抽出されて保留記憶データとして記憶されたカウンタの値と一致する数値データに対応する図柄が特別図柄の停止図柄として決定される。前述の大当り判定ではずれとする判定がされた場合においては、複数種類の特別図柄と図柄決定用の数値データとの関係に基づいて、始動入賞時にR3から抽出されて前述の第1保留記憶データまたは第2保留記憶データとして第1保留記憶バッファまたは第2保留記憶バッファに記憶された数値データの値が読出され、その読出された数値データに対応する図柄が特別図柄の停止図柄として決定される。なお、大当り判定ではずれとする判定がされた場合において、このようなカウンタの抽出値に対応する停止図柄が偶然大当りの図柄と一致する場合には、はずれの図柄となるように補正(たとえば、図柄を1図柄ずらす補正)して停止図柄が決定される。また、R3は、後述するリーチ判定においてリーチとすることが決定されたときに、リーチ図柄(「3」または「7」)を決定するためにも用いられる。具体的に、R3の読出された数値データが「0」〜「4」のいずれかであるときにリーチ図柄が「3」に決定され、R3の読出された数値データが「5」〜「8」のいずれかであるときにリーチ図柄が「7」に決定される。
R4は、第1図柄表示部(第1特別図柄表示器81および第1変動表示部8)の側と、第2図柄表示部(第2特別図柄表示器91および第2変動表示部9)の側とのそれぞれについて、特別図柄の変動パターン(変動時間の長さおよび変動の態様により規定される情報であり、以下、特図変動パターンともいう)をランダムに決定するために用いる乱数値を発生させるための変動パターン決定用のランダムカウンタである。R4のカウント値は、3msecごとおよび割込み処理余り時間に所定数ずつ加算されることとなる。始動入賞時においてR4から抽出されて前述の第1保留記憶データまたは第2保留記憶データとして第1保留記憶バッファまたは第2保留記憶バッファに記憶された数値データの値が変動開始前に読出され、読出された数値データの値が、複数種類予め定められた変動パターン(変動時間の長さが異なる)毎に割り当てられた振分率にしたがって一致するものに対応する変動パターンとすることが決定される。なお、飾り図柄の変動パターンは、変動時間が、R5により決定された特図変動パターンの変動時間と一致するように、表示制御用CPUによって決定されることとなる。
R5は、第1特別図柄表示器81および第1変動表示部8の側と、第1特別図柄表示器81および第2変動表示部9の側とのそれぞれの組合せについて、前述の大当り判定においてはずれとする判定がされたときに、飾り図柄についてリーチ状態を形成する(以下、リーチはずれという)かリーチ状態を形成しない(以下、非リーチはずれという)かをランダムに判定するために用いられる乱数値を発生させるためのリーチ判定用のランダムカウンタである。このR5のカウント値は、3msecごとおよび割込み処理余り時間に所定数ずつ加算されることとなる。始動入賞時においてR5から抽出されて前述の第1保留記憶データまたは第2保留記憶データとして第1保留記憶バッファまたは第2保留記憶バッファに記憶された数値データの値が変動開始前に読出される。そして、読出された数値データの値が予め定められたリーチ判定値と一致するか否かが判断される。これらの値が一致した場合には、リーチはずれとすることが判定され、表示結果がはずれとなる変動表示中にリーチ状態とする制御が行なわれる。一方、これらの値が一致した場合には、非リーチはずれとすることが判定され、表示結果がはずれとなる変動表示中にリーチ状態としない制御が行なわれる。
R6は、普通図柄表示器12の変動表示について当りを発生させるか否かを事前にランダムに判定するために用いられる乱数値を発生させるための普通図柄当り判定用のランダムカウンタである。ゲートスイッチ61により有効な始動通過が検出されると、それに応じて、このR6のカウント値が抽出されて通過記憶データとしてRAM55に記憶される。そして、普通図柄の変動表示を開始する前の段階で、その抽出値が予め定められた当り判定値と一致するか否かが判断され、一致した場合には普通図柄の当りを発生させることが決定されて前述のような制御が行なわれ、不一致の場合にははずれとすることが決定されて前述のような制御が行なわれる。
R7は、大当り判定用のR1の初期値を決定するための乱数である。R1は、所定の更新周期毎(例えば1周期毎:すなわち、更新範囲に含まれる数値を用いた更新が1周する毎)に初期値を更新(変更)するように定められている。その所定周期のタイミングとなるごとにR7の値が抽出され、その抽出値に基づいてR1の初期値がランダムに決定される。
R8は、普通図柄当り判定用のR6の初期値を決定するための乱数である。R6は、所定の更新周期毎(例えば1周期毎:すなわち、更新範囲に含まれる数値を用いた更新が1周する毎)に初期値を更新(変更)するように定められている。その所定周期のタイミングとなるごとにR8の値が抽出され、その抽出値に基づいてR6の初期値がランダムに決定される。
以上に説明したように、大当り判定に用いられるR1の値を2ms毎に更新するとともに、大当り図柄の決定に用いられるR2をR1の更新間隔とは異なる3ms毎に更新する構成とし、R1の更新間隔とR2の更新間隔とが互いに素(例えば、双方の間隔を示す期間が同一でなく、かつ、一方の期間が他方の期間の整数倍ではない関係)となるように予め定める構成(例えば、3msと2ms)としたので、各乱数の更新範囲に含まれる数値の個数の調整のみによらずに、大当り判定用のランダムカウンタR1と大当り図柄決定用および確変判定用のランダムカウンタR2とが短い周期で同期してしまうことを回避することができる。これにより、大当り図柄のランダム性を保つことができ、不正に始動入賞信号を送り込むような不正行為にもとづく確変大当りの発生を防止することができる。
すなわち、本実施形態のように、大当り図柄の種類によって確変大当りであるか非確変大当りであるかが決定される場合には、大当り図柄のランダム性が損なわれると、不正基板等の不正手段を遊技機に搭載し、確変大当りの大当り図柄が選択される大当りとなるタイミングで、不正手段によって、CPU56における遊技制御用マイクロコンピュータに対して不正に始動入賞信号を送り込むことにより、不正に確変大当りを生じさせることが可能になってしまう。これに対し、上述した実施の形態では、大当り判定用のランダムカウンタR1と大当り図柄決定用のランダムカウンタR2とが短い周期で同期してしまうことを回避することができ、大当り図柄のランダム性を保つことができるため、不正に始動入賞信号を送り込むような不正行為にもとづく確変大当りの発生を防止することができるのである。
また、所定の更新周期毎(例えば1周期毎:すなわち、更新範囲に含まれる数値を用いた更新が1周する毎)に、新たに設定される大当り判定用ランダムカウンタR1の初期値を更新(変更)するようにしているので、例えば、遊技制御用マイクロコンピュータに初期化処理を実行させ、大当り判定用乱数の1周期の更新を終えるまでの期間を狙って始動入賞させる不正行為が行われることを防止することができ、確変大当りに限らず、不正に始動入賞信号を送り込むような不正行為にもとづく大当りの発生を防止することができる。
上記の例では、大当り判定用ランダムカウンタR1の更新間隔と大当り図柄決定用ランダムカウンタR2の更新間隔とが、互いに素となる関係になっている。「更新間隔が互いに素」とは、比較される2つの値が同一でなく、かつ、その2つの値の一方が他方の整数倍でない関係をいうものとする。具体的には、「2ms」と「3ms」は、同一でも整数倍でもないため、互いに素である関係にあることになる。なお、「一方が他方の整数倍でない関係」としているのは、遊技制御用マイクロコンピュータの仕様によって動作タイミングの最短時間が定められていることから、複数の更新間隔を採用した場合には必ず公約数が存在することになるため、比較される2つの値に公約数が存在している場合を許容するためである。ただし、複数のマイクロコンピュータを使用するようにすれば、公約数を持たない複数の更新間隔を採用することも可能であるため、そのような場合には、比較される2つの値が公約数を持たないことを「更新間隔が互いに素」であるというようにしてもよい。
また、上記の例では、大当り判定用のランダムカウンタR1とはずれ図柄決定用のランダムカウンタR3とにおける更新範囲に含まれる数値の総数が、互いに素である関係になっている。「更新範囲に含まれる数値の総数が互いに素」とは、比較される2つの値が公約数を持たないことを意味する。
なお、上記のように、大当り図柄のランダム性を保つことができるため、非確変大当りが予定されている確率よりも高い確率で出現してしまうことを回避することができ、遊技者に不利益を及ぼしてしまうことを防止することもできる。
すなわち、大当り図柄の種類によって確変大当りであるか非確変大当りであるかが決定される場合には、大当り図柄のランダム性が損なわれると、非確変大当りが予定されている確率よりも高い確率で出現してしまうことが起こり得る。すると、確変大当りの当選確率が不当に低下してしまうことになり、遊技者に不利益を及ぼすこととなってしまう。これに対し、上述した実施の形態では、大当り判定用乱数と大当り図柄決定用乱数とが短い周期で同期してしまうことを回避することができ、大当り図柄のランダム性を保つことができるため、遊技者に不利益を及ぼしてしまうことを防止することができるのである。
なお、上述した実施の形態では、大当り判定用のランダムカウンタR1の値を2ms毎に更新するとともに、はずれ図柄決定用のランダムR3をR1の更新間隔とは異なる3ms毎に更新する構成とし、R1の更新間隔とR3の更新間隔とが互いに素(例えば、双方の間隔を示す期間が同一でなく、かつ、一方の期間が他方の期間の整数倍ではない関係)となるように予め定める構成(例えば、2msと3ms)としたので、各ランダムカウンタの更新範囲に含まれる数値の個数の調整のみによらずに、R1とR3とが短い周期で同期してしまうことを回避することができる。従って、はずれ図柄のランダム性を保つことができ、同一のはずれ図柄が頻繁に出現することによって遊技者の不信感を高めてしまうようなことを防止することができる。
また、上述した実施の形態では、大当り判定用のランダムカウンタR1の更新間隔と特別図柄決定用のランダムカウンタR3の更新間隔とが互いに素となる構成とするだけでなく、さらに、R1を予め定められた所定数値範囲(例えば0〜599)内で更新し、R3を予め定められた特定数値範囲(例えば0〜8)内で更新する構成とし、所定数値範囲に含まれる大当り判定用乱数の総数(例えば0〜599の600個)と、特定数値範囲に含まれる特別図柄決定用数値の総数(例えば0〜8の9個)とが互いに素(例えば、双方の個数が同一でなく、かつ、一方の個数が他方の個数の整数倍ではない関係)となるように設定する構成としたので、大当り判定用乱数と特別図柄決定用乱数とが同期する周期をさらに長期化させることができる。
また、上述した実施の形態では、ランダム1の更新間隔を3msとし、ランダム3の更新間隔を2msとしていたが、各更新間隔は一例であり、ランダム1とランダム3の更新間隔が互いに素である関係にあれば、例えば5msと3ms、7msと2msなどどのような値であってもよい。また、ランダム1の更新間隔とランダム3の更新間隔の長短が逆であってもよい。
また、上述した実施の形態では、R1の更新範囲に含まれる数値の総数を600個とし、R3の更新範囲に含まれる数値の総数を9個としていたが、各個数(総数)は一例であり、どのような値であってもよい。ただし、R1とR3とにおける更新範囲に含まれる数値の総数が互いに素である関係にあることが好ましい。
以上に示したような大当り判定機能、大当り図柄決定機能、はずれ停止図柄決定機能、リーチ判定機能、変動パターン選択機能、および、普通図柄当り判定機能等の機能は、遊技制御用マイクロコンピュータの制御機能により実現される。
次に、遊技制御用マイクロコンピュータにより実行される遊技制御メイン処理およびタイマ割込処理について説明する。本実施の形態においては、タイマ割込処理として、2msec毎に1回実行される2msタイマ割込処理と、3msec毎に1回実行される3msタイマ割込処理とが設けられている。
図4は、遊技制御用マイクロコンピュータにより実行される遊技制御メイン処理を説明するためのフローチャートである。遊技制御メイン処理では、まずS11において、RAM55の初期化が行なわれるとともに、例えば2msおよび3msのように所定時間ごとに定期的にタイマ割込(図5の2msタイマ割込処理、および、図6の3msタイマ割込処理)がかかるようにCPU56に内蔵されているレジスタの設定を行なう等、予め定められた各種の初期化をする初期化処理が行なわれる。
そして、表示用乱数更新処理(S13)、R1初期値決定用乱数更新処理(S14)、R6初期値決定用乱数更新処理(S15)を繰返し実行する。その繰返し実行時においては、S13〜S15の処理が実行されるときには割込禁止状態にして(S12)、S13〜S15の処理が終了すると割込許可状態にする(S16)。ここで、S13の表示用乱数更新処理とは、R3〜R5のランダムカウンタのカウント値を更新する処理である。また、S14のR1初期値決定用乱数更新処理とは、前述のR1初期値決定用のランダムカウンタR7のカウント値を更新する処理である。また、S15のR6初期値決定用乱数更新処理とは、前述のR6初期値決定用のランダムカウンタR8のカウント値を更新する処理である。
なお、S13〜S15が実行されるときに割込禁止状態にされるのは、これらの処理が後述するタイマ割込処理でも実行されることから、タイマ割込処理における処理と競合してしまうのを避けるためである。すなわち、S13〜S15の処理中にタイマ割込が発生してタイマ割込処理中で表示用乱数や初期値用乱数を発生するためのカウンタのカウント値を更新してしまったのでは、カウント値の連続性が損なわれる場合がある。しかし、S13〜S15の処理中では割込禁止状態にしておけば、そのような不都合が生ずることはない。
S13〜S15の処理は、後述する2msec毎の割込処理と、3msec毎の割込処理とのそれぞれが実行された後、次の割込処理が実行されるまでの割込待ち処理余り時間に、無限に繰返し行なわれることとなる。
次に、2msタイマ割込処理について説明する。図5は、遊技制御用マイクロコンピュータにより実行される2msタイマ割込処理を説明するためのフローチャートである。2ms周期のタイマ割込が発生すると、CPU56は、レジスタの退避処理(ステップS21)を行なった後、ステップS22〜S37の割込処理である遊技制御処理(遊技の進行を制御する処理)を実行する。遊技制御処理において、CPU56は、まず、スイッチ回路32を介して、ゲートスイッチ61、始動口スイッチ62、カウントスイッチ63、V入賞スイッチ64、クリアスイッチ65等のスイッチの検出信号を入力し、それらの状態判定を行なう(スイッチ処理:ステップS22)。
そして、CPU56は、変動表示選択処理を行なう(ステップS23)。変動表示選択処理は、始動入賞口14への始動入賞の発生に応じた変動表示を、第1図柄表示部(第1特別図柄表示器81および第1変動表示部8)の側と、第2図柄表示部(第2特別図柄表示器91および第2変動表示部9)の側とのどちら側で行なうかを選択するための処理である。変動表示選択処理の詳細については、図7を用いて後述する。
次に、CPU56は、第1特別図柄プロセス処理を行なう(ステップS24)。第1特別図柄プロセス制御では、遊技状態に応じて第1特別図柄表示器81、第1変動表示部8、および、特別可変入賞装置20等を所定の順序で制御するための第1特別図柄プロセスフラグに従って該当する処理が選び出されて実行される。そして、第1特別図柄プロセスフラグの値は、遊技状態に応じて各処理中に更新される。
次に、CPU56は、S25において、大当り判定用のランダムカウンタR1のカウント値を更新するための大当り判定用乱数更新処理を行なう。そして、CPU56は、S26において、前述のS14と同様のR1初期値決定用乱数更新処理を行なう。
次いで、CPU56は、第2特別図柄プロセス処理を行なう(ステップS27)。第2特別図柄プロセス制御では、遊技状態に応じて第2特別図柄表示器91、第2変動表示部9、および、第2特別可変入賞装置22等を所定の順序で制御するための第2特別図柄プロセスフラグに従って該当する処理が選び出されて実行される。そして、第2特別図柄プロセスフラグの値は、遊技状態に応じて各処理中に更新される。
また、CPU56は、普通図柄プロセス処理を行なう(ステップS28)。普通図柄プロセス処理では、ゲートスイッチ61による遊技球の検出に応じて、普通図柄表示器12の表示状態を所定の順序で制御するための普通図柄プロセスフラグに従って該当する処理が選び出されて実行される。普通図柄プロセスフラグの値は、遊技状態に応じて各処理中に更新される。普通図柄プロセス処理を実行することにより普通図柄表示器12の表示制御および可変入賞装置15の開閉制御が実行される。
次いで、CPU56は、第1飾り図柄および第2飾り図柄に関する演出制御コマンドをRAM55の所定の領域に設定して演出制御コマンドを送出する処理を行なう(飾り図柄コマンド制御処理:ステップS29)。また、普通図柄に関する演出制御コマンドをRAM55の所定の領域に設定して演出制御コマンドを送出する処理を行なう(普通図柄コマンド制御処理:ステップS30)。
さらに、CPU56は、たとえばホール管理用コンピュータに供給される大当り情報、始動情報、確率変動情報などのデータを出力する情報出力処理を行なう(ステップS31)。
また、CPU56は、始動口スイッチ62、カウントスイッチ63、V入賞スイッチ64等の検出信号に基づく賞球個数の設定などを行なう賞球処理を実行する(ステップS32)。具体的には、始動口スイッチ62、カウントスイッチ63、V入賞スイッチ64等のスイッチの何れかがオンしたことに基づく入賞検出に応じて、払出制御基板36に賞球個数を示す払出制御コマンドを出力する。払出制御基板36に搭載されている払出制御用CPUは、賞球個数を示す払出制御コマンドに応じて球払出装置44を駆動する。
そして、CPU56は、保留記憶数の増減をチェックする記憶処理を実行する(ステップS33)。また、遊技機の制御状態を遊技機外部で確認できるようにするための試験信号を出力する処理である試験端子処理を実行する(ステップS34)。さらに、所定の条件が成立したときにソレノイド回路33に駆動指令を行なうソレノイド出力処理を実行する(ステップS35)。ソレノイド出力処理において、可変入賞装置15、特別可変入賞装置20を開状態または閉状態としたり、大入賞口21内の遊技球通路を切り替えたりするために、ソレノイド回路33は、駆動指令に応じてソレノイド71〜73を駆動する。その後、レジスタの内容を復帰させ(ステップS36)、割込許可状態に設定する(ステップS37)。
以上のような2msタイマ割込み処理は、遊技制御メイン処理での設定に基づいて、2ms毎に起動される。
次に、3msタイマ割込処理について説明する。図6は、遊技制御用マイクロコンピュータにより実行される3msタイマ割込処理を説明するためのフローチャートである。
3ms周期のタイマ割込が発生すると、CPU56は、判定用乱数更新処理を行なう(ステップS41)。ここで、判定用乱数更新処理は、各種判定に用いられるランダムカウンタのうち、大当り判定用のランダムカウンタR1を除いた大当り図柄決定用のランダムカウンタR2(確変の判定に用いられる)、および、普通図柄当り判定用のランダムカウンタR6をそれぞれ更新する処理である。
そして、CPU56は、前述のS15と同様のR6初期値決定用乱数更新処理を行なう(ステップS42)。その後、CPU56は、前述のS13と同様の表示用乱数更新処理を行ない(ステップS43)、リターンする。以上のような2msタイマ割込み処理は、遊技制御メイン処理での設定に基づいて、2ms毎に起動される。
次に、図5の2msタイマ割込み処理のS23における変動表示選択処理の処理内容を説明する。図7は、変動表示選択処理の処理を説明するためのフローチャートである。
この実施の形態の場合には、第1図柄表示部(第1特別図柄表示器81および第1変動表示部8)側と、第2図柄表示部(第2特別図柄表示器91および第2変動表示部9)側とを用いる変動表示について、第1図柄表示部について保留記憶数(第1保留記憶数)が上限値に達するまで第1図柄表示部の方が選択され、その保留記憶数が上限値に達すると、第2図柄表示部の方が選択される。より具体的には、第1保留記憶バッファに記憶された大当り判定用のランダムカウンタの数値データの個数が上限値に達していないときには、始動入賞に応じて抽出された数値データが第1保留記憶バッファに記憶させられ、第1保留記憶バッファに記憶された大当り判定用のランダムカウンタの数値データの個数が上限値に達しているときには、始動入賞に応じて抽出された数値データが第2保留記憶バッファに記憶させられる。
変動表示選択処理において、CPU56は、まず、セット中の変動表示選択フラグをリセットする(ステップS231)。ここで、第1変動表示選択フラグとは、始動入賞に応じて第1図柄表示部の側で始動入賞の発生に応じた変動表示を行なうことを選択した旨を示すフラグである。一方、始動入賞に応じて第2図柄表示部の側で始動入賞の発生に応じた変動表示を行なうことを選択した旨を示すフラグとして、第2変動表示選択フラグが用いられる。
次に、第1保留記憶数が上限値である「4」に達しているか否かが判断される(ステップS232)。そして、ステップS232で第1保留記憶数が上限値に達していないと判断された場合は、第1変動表示選択フラグをセットし(ステップS233)、リターンする。つまり、この実施の形態では、第1保留記憶数が上限値に達するまでは、始動入賞の発生に応じて変動表示を行なう図柄表示部として、第1図柄表示部側が選択される。言い換えると、第1保留記憶数が上限値に達するまでは、始動入賞の発生に応じて抽出された数値データが第1保留記憶バッファに記憶させられるのである。これにより、第1保留記憶数が上限値に達するまでは、始動入賞の発生に応じて抽出された数値データが第1図柄表示部側での変動表示のために用いられるのである。
一方、ステップS232で第1保留記憶数が上限値に達していると判断された場合は、第2変動表示選択フラグをセットし(ステップS234)、リターンする。つまり、第1保留記憶数が上限値に達しているときには、始動入賞の発生に応じて変動表示を行なう図柄表示部として、第2図柄表示部側が選択されるのである。言い換えると、第2保留記憶数が上限値に達しているときには、始動入賞の発生に応じて抽出された数値データが第2保留記憶バッファに記憶させられるのである。これにより、第1保留記憶数が上限値に達しているときには、始動入賞の発生に応じて抽出された数値データが第2図柄表示部側での変動表示のために用いられるのである。
次に、第1図柄表示部(第1特別図柄表示器81および第1変動表示部8)の側と、第2図柄表示部(第2特別図柄表示器91および第2変動表示部9)の側との両方の側での表示結果に基づく大当り遊技状態が重複して発生しないようにする制御を説明する。上述したようにこの実施の形態では、第1図柄表示部の側と、第2図柄表示部の側との両方の側で、特別図柄および飾り図柄の変動表示が実行される。そして、第1,第2のいずれかの図柄表示部の側にて大当り図柄(特定表示結果)が導出表示されたときに大当り遊技状態に移行する制御が実行される。このような複数の図柄表示部を備えてそれぞれの側で特別図柄および飾り図柄の変動表示を行なう遊技機では、第1図柄表示部の側と、第2図柄表示部の側との両方で同時に大当り遊技状態が発生する虞がある。ゆえに、この実施の形態では、両方の図柄表示部の側で同時に大当り遊技状態が発生しないような制御を行なっている。以下、このような制御を含む各種の制御について説明する。なお、以下の説明においては第1図柄表示部としての第1特別図柄表示器81および第1変動表示部8を制御する処理について説明するが、第2図柄表示部としての第2特別図柄表示器91および第2変動表示部9を制御する処理も同様の制御が実行される。
まず、第1特別図柄プロセス処理(ステップS24)および第2特別図柄プロセス処理(ステップS27)の処理内容を説明する。第1特別図柄プロセス処理および第2特別図柄プロセス処理の処理内容は、第1特別図柄プロセス処理が第1特別図柄表示器81および第1変動表示部8を対象として処理を行ない、第2特別図柄プロセス処理が第2特別図柄表示器91および第2変動表示部9を対象として処理を行なう点で異なるが、処理の対象となる変動表示部を制御するための処理内容は同様である。このため、ここでは、第1特別図柄プロセス処理をこれらの特別図柄プロセス処理の代表例として説明し、第2特別図柄プロセス処理の処理内容についての重複した説明は繰り返さない。なお、以下に説明する第1特別図柄プロセス処理の処理内容は、第1特別図柄プロセス処理での第1特別図柄表示器81、第1変動表示部8およびそれに関連する装置という処理対象を第1特別図柄表示器81、第2変動表示部9およびそれに関連する装置という処理対象に置き換えることで、第2特別図柄プロセス処理の処理内容となる。
図8は、主基板31に搭載されるCPU56が実行する第1特別図柄プロセス処理(ステップS24)のプログラムの一例を示すフローチャートである。上述したように、第1特別図柄プロセス処理では第1特別図柄表示器81および第1変動表示部8を制御する処理が実行される。CPU56は、第1特別図柄プロセス処理を行なう際に、遊技盤6に設けられている始動入賞口14に遊技球が入賞したことを検出するための始動口スイッチ62がオンしていたら、すなわち遊技球が始動入賞口14に入賞する始動入賞が発生していたら(ステップS311)、第1始動口スイッチ通過処理(ステップS312)を行なった後に、内部状態に応じて、ステップS300〜S307のうちのいずれかの処理を行なう。
なお、第1始動口スイッチ通過処理では、CPU56は、RAM55の第1保留記憶バッファに記憶される数値データの記憶数(保留記憶数)が上限値に達しているかどうか確認し、第1保留記憶バッファに記憶される数値データの記憶数が最大値に達していなければ、保留記憶数を計数する第1保留記憶カウンタのカウント値を1増やす。そして、数値データ更新手段としての大当り判定用ランダムカウンタ(たとえば、CPU56の機能であって数値データ(大当り判定用ランダムカウンタR1のカウント値等)を更新(カウントアップ)する部分)から大当り判定用乱数等の各数値データ(乱数)の値を抽出し、それらを第1保留記憶バッファの抽出順番に対応する(第1保留記憶カウンタの値に対応する)保存領域に格納する処理が実行される。このように始動口スイッチ62がオンし、かつ、第1保留記憶バッファに記憶される数値データの記憶数(第1保留記憶数)が上限値に達していないときに、数値データを抽出する条件が成立する。なお、数値データ(乱数)を抽出するとは、数値データ(乱数)を生成させるためのランダムカウンタからカウント値を読み出して、読み出したカウント値を数値データの値(乱数値)とすることである。
第1特別図柄通常処理(ステップS300):第1特別図柄および第1飾り図柄の変動表示を開始できる状態になるのを待つ。CPU56は、第1特別図柄および第1飾り図柄の変動表示が開始できる状態になると、第1保留記憶バッファに記憶される数値データの記憶数(第1保留記憶数)を確認する。第1保留記憶バッファに記憶される数値データの記憶数は第1保留記憶カウンタのカウント値により確認できる。そして、第1保留記憶カウンタのカウント値が0でなければ、第1特別図柄および第1飾り図柄の変動表示の結果、大当りとするか否か(特定表示結果とするか否か)を第1保留記憶データに含まれる大当り判定用のランダムカウンタR1から抽出された数値データに基づいて決定する。大当りとする場合には第1大当りフラグをセットする。そして、内部状態(第1特別図柄プロセスフラグ)をステップS301に移行するように更新する。
第1特別図柄停止図柄設定処理(ステップS301):前述の大当り図柄決定用のランダムカウンタR2の抽出値と、前述のはずれ図柄決定用のランダムカウンタR3の抽出値とを用いて、変動表示後の第1特別図柄の停止図柄(大当り図柄またははずれ図柄)を決定する。さらに、前述のリーチ判定用のランダムカウンタR5の抽出値を用いてリーチ判定を行ない、リーチとするときには、R3の抽出値を用いてリーチ図柄を決定する。そして、内部状態(第1特別図柄プロセスフラグ)をS302に移行するように更新する。なお、第1特別図柄の停止図柄は、大当りとなるときには、大当り図柄として定められた「3」,「7」の識別情報のうちいずれの停止図柄にするかを決定する。また、上述したように大当りとなるときの第1特別図柄の停止図柄が「7」の図柄となるときには大当り遊技状態終了後に第1確変状態に制御され、「3」の図柄となるときには大当り遊技状態終了後に通常遊技状態に制御される。すなわち、第1特別図柄の大当り図柄を決定することにより大当り遊技状態終了後に第1確変状態(第1特別遊技状態)と通常遊技状態とのいずれの遊技状態に制御するかを判定(決定)している。
第1変動パターン設定処理(ステップS302):第1特別図柄および第1飾り図柄の変動表示の変動パターン(変動表示データ)を、始動入賞発生時に抽出した変動パターン決定用のランダムカウンタR4の値に応じて予め定められた複数種類の変動パターン(変動表示データ)の中から選択する。変動パターンには変動態様と、該変動態様を実行する時間(変動時間)とを特定する情報が含まれている。また、決定された変動パターンに基づいて、第1特別図柄および第1飾り図柄が変動表示を行なって導出表示されるまでの変動時間(変動開始時から表示結果の導出表示時までの時間)を第1特別図柄プロセスタイマにセットした後、第1特別図柄プロセスタイマをスタートさせる。このとき、表示制御基板80に対して、大当りの有無、確変の有無、リーチの有無、および、変動時間の長さを含む変動態様(変動パターン)を指令する情報(変動パターンコマンド)が送信される。そして、内部状態(第1特別図柄プロセスフラグ)をステップS303に移行するように更新する。
第1特別図柄変動処理(ステップS303):第1変動パターン設定処理で選択された変動パターンの変動時間が経過(ステップS302でセットされた第1特別図柄プロセスタイマがタイムアウト)すると、内部状態(第1特別図柄プロセスフラグ)をステップS304に移行するように更新する。
第1特別図柄停止処理(ステップS304):第1特別図柄表示器81および第1変動表示部8において変動表示される第1特別図柄および第1飾り図柄が停止するように制御する。具体的には、第1特別図柄を停止させるとともに、第1特別図柄の停止に同期させて第1飾り図柄を停止させるために、第1飾り図柄停止を示す演出制御コマンド(第1飾り図柄停止コマンド)が送信される状態に設定する。そして、第1大当りフラグがセットされている場合には、内部状態(第1特別図柄プロセスフラグ)をステップS305に移行するように更新する。そうでない場合には、内部状態をステップS300に移行するように更新する。
第1大入賞口開放前処理(ステップS305):大入賞口21を開放する制御を開始する。具体的には、カウンタやフラグを初期化するとともに、ソレノイド72を駆動して特別可変入賞装置20を開状態とすることで大入賞口21を開放する。また、プロセスタイマによって大入賞口開放中処理の実行時間を設定し、内部状態(第1特別図柄プロセスフラグ)をステップS306に移行するように更新する。
第1大入賞口開放中処理(ステップS306):大当り遊技状態中のラウンド表示の演出制御コマンドを表示制御基板80に送出する制御や大入賞口21の閉成条件の成立を確認する処理等を行なう。最後の大入賞口21の閉成条件が成立したら、大入賞口21内に設けられたV入賞スイッチ64の通過の有無を監視して、大当り遊技状態継続条件の成立を確認する処理を行なう。大当り遊技状態継続の条件が成立し、かつ、まだ残りラウンドがある場合には、内部状態をステップS305に移行するように更新する。また、所定の有効時間内に大当り遊技状態継続条件が成立しなかった場合、または、全てのラウンドを終えた場合には、内部状態をステップS307に移行するように更新する。
第1大当り終了処理(ステップS307):大当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を表示制御用マイクロコンピュータに行なわせるための制御を行なう。そして、内部状態をステップS300に移行するように更新する。
図9は、図8に示す第1特別図柄プロセス処理における第1始動口スイッチ通過処理(ステップS312)を示すフローチャートである。始動口スイッチ通過処理において、CPU56は、前述の第1変動表示選択フラグがセットされているか否かを判断する(ステップS111)。
一方、第1変動表示選択フラグがセットされていないと判断された場合は、リターンする。一方、第1変動表示選択フラグがセットされていると判断された場合は、CPU56は、第1保留記憶数が最大値である4に達しているかどうか確認する(ステップS112)。第1保留記憶数が4に達していなければ、前述のS311による始動口スイッチ62のオンに応じて第1保留記憶数を1増やし(ステップS113)する。そして、大当り判定用ランダムカウンタR1等の各ランダムカウンタ(R1〜R5)の値を抽出し、それらを第1保留記憶数の値に対応した保存領域(第1保留記憶バッファ)に1グループのデータとして格納する(ステップS114)。その後、リターンする。
以上のような第1始動口スイッチ通過処理によれば、第1変動表示選択フラグがセットされていると判断された場合は、R1〜R5の各ランダムカウンタから数値データが抽出されて第1特別図柄および第1飾り図柄の変動表示のために用いるデータとして、第1保留記憶バッファに格納されるが、第1変動表示選択フラグがセットされていないと判断された場合は、そのような数値データの抽出が行なわれない。一方、図示を省略した第2別図柄プロセス処理に含まれる第2始動口スイッチ通過処理では、第2変動表示選択フラグがセットされていると判断された場合は、R1〜R5の各ランダムカウンタから数値データが抽出されて第2特別図柄および第2飾り図柄の変動表示のために用いるデータとして、第2保留記憶バッファに格納されるが、第2変動表示選択フラグがセットされていないと判断された場合は、そのような数値データの抽出が行なわれない。
これにより、始動入賞が生じたときには、変動表示選択フラグの状態に応じて、第1別図柄プロセス処理に含まれる第1始動口スイッチ通過処理と、第2別図柄プロセス処理に含まれる第2始動口スイッチ通過処理とのどちらかにおいて、各ランダムカウンタから数値データが抽出されることとなる。
図10は、図8に示す第1特別図柄プロセス処理における第1特別図柄通常処理(ステップS300)を示すフローチャートである。第1特別図柄通常処理において、CPU56は、第1特別図柄および第1飾り図柄の変動を開始することができる状態となっている場合(たとえば第1特別図柄プロセスフラグの値がステップS300を示す値となっている場合)には第2大当り実行中フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS51)。第2大当り実行中フラグは、第2特別図柄表示器91および第2変動表示部9に大当り図柄(特定表示結果)が導出表示されて第2大当り遊技状態(特定遊技状態)が開始するときに第2特別図柄プロセス処理(ステップS27)における第2特別図柄変動処理(図示しない)にてセットされ、第2大当り遊技状態(特定遊技状態)が終了するときに第2大当り終了処理(図示しない)にてリセットされる。次いで、CPU56は、保留記憶数の値を確認する(ステップS52)。具体的には、第1保留記憶カウンタのカウント値を確認する。なお、第1特別図柄プロセスフラグの値がステップS300を示す値となっている場合とは、第1特別図柄表示器81および第1変動表示部8で第1特別図柄および第1飾り図柄の変動表示がなされていず、かつ、大当り遊技中でもない場合である。
保留記憶数が0でなければ、RAM55の第1保留記憶バッファにおける保留記憶数=1に対応する保存領域に格納されている各乱数値(始動入賞時に抽出されたR1〜R5のそれぞれの数値データ)を読み出してRAM55の乱数バッファ領域に格納するとともに(ステップS53)、保留記憶数の値を1減らし(第1保留記憶カウンタのカウント値を1減算し)、かつ、各保存領域の内容をシフトする(ステップS54)。すなわち、RAM55の第1保留記憶バッファにおいて保留記憶数=n(n=2,3,4)に対応する保存領域に格納されている各乱数値(始動入賞時に抽出されたR1〜R5の数値データのグループ)を、保留記憶数=n−1に対応する保存領域に格納する。よって、各保留記憶数に対応するそれぞれの保存領域に格納されている各数値データが抽出された順番は、常に、保留記憶数=1,2,3,4の順番と一致するようになっている。すなわち、この例では、変動表示の開始条件が成立する毎に、各保存領域の内容をシフトする構成としているので、各数値データが抽出された順番を特定することができる。
次いで、CPU56は、乱数格納バッファから大当り判定用のランダムカウンタR1の抽出値の数値データを読み出し(ステップS55)、R1と大当り判定値とが一致するか否かに基づいて前述の大当り判定を行なう大当り判定モジュールを実行する(ステップS56)。CPU56は、大当りとすることに決定した場合には(ステップS57)第1大当りフラグをセットする(ステップS58)。そして、第1特別図柄プロセスフラグの値を第1特別図柄停止図柄設定処理(ステップS301)に対応した値に更新する(ステップS59)。
以上の処理により、第2特別図柄表示器91および第2変動表示部9に大当り図柄が導出表示されて大当り遊技状態が発生したときには、第1特別図柄表示器81および第1変動表示部8にて第1特別図柄および第1飾り図柄の変動表示を開始させない制御がなされる。すなわち、第2特別図柄表示器91および第2変動表示部9に大当り図柄が導出表示されて大当り遊技状態が発生したときに第2大当り実行中フラグがセットされて、大当り遊技状態が終了するまで第2大当り実行中フラグがリセットされないため、第2特別図柄表示器91および第2変動表示部9に大当り図柄が導出表示されたことに基づく大当り遊技状態が終了するまでは第1特別図柄通常処理(ステップS300)におけるステップS51でYESが選択され、ステップS52〜ステップS59の処理が実行されない。
次に、図8に示す第1特別図柄プロセス処理における第1変動パターン設定処理を説明する。図11は、第1変動パターン設定処理を示すフローチャートである。変動パターン設定処理では、まず、S61において、第1大当りフラグがセットされているか否かが判断される。第1大当りフラグがセットされていると判断されたときは、S62により、大当りとなるときの変動パターンが選択された後、S66に進む。具体的に、S62では、変動パターン決定用のランダムカウンタR4についての抽出値を第1保留記憶バッファから読出し、大当り用の変動パターンテーブルを用いて、その抽出値に対応する第1特図変動パターンが選択される。
S61において、第1大当りフラグがセットされていないと判断されたときは、S63に進み、リーチフラグがセットされているか否かが判断される。ここで、リーチフラグとは、リーチとする判定がされたことを示すフラグであり、前述の第1特別図柄停止図柄設定処理におけるリーチ判定においてリーチとする判定がされたときにセットされる。S63によりリーチフラグがセットされていると判断されたときは、S64により、リーチはずれとなるときの変動パターンが第1特図変動パターンとして選択された後、S66に進む。具体的に、S64では、変動パターン決定用のランダムカウンタR4についての抽出値を第1保留記憶バッファから読出し、リーチはずれ用の変動パターンテーブルを用いて、その抽出値に対応する第1特図変動パターンが選択される。
一方、S63によりリーチフラグがセットされていないと判断されたときは、S65により、非リーチはずれとなるときの変動パターンが第1特図変動パターンとして選択された後、S66に進む。具体的に、S65では、変動パターン決定用のランダムカウンタR4についての抽出値を第1保留記憶バッファから読出し、非リーチはずれ用の変動パターンテーブルを用いて、その抽出値に対応する第1特図変動パターンが選択される。なお、本実施の形態における第1特図変動パターンからは、当該第1特図変動パターンが用いられたときの特別図柄の変動時間と、当該第1特図変動パターンが用いられたときに特定表示結果を変動表示の表示結果として導出表示するか否かと、特定表示結果を導出表示するときには確変図柄による特定表示結果を変動表示の表示結果として導出表示するか否かとを少なくとも特定できるように構成されている。
S66では、S62、S64またはS65により選択された第1特図変動パターンに応じた第1飾り図柄変動パターンを選択し、選択した第1飾り図柄変動パターンを特定するための第1飾り図柄変動パターンコマンドのアドレスをポインタにセットする処理が行なわれる。ここで、S66で選択される第1飾り図柄変動パターンとは、表示制御用CPUに決定される第1飾り図柄の変動パターンのうち、変動表示の変動時間、変動表示結果を大当り図柄とするか否か、および、大当り図柄を確変図柄とするか否かを指定した変動パターン情報である。具体的な第1飾り図柄の変動パターンは、後述するように、この第1飾り図柄変動パターンコマンドに基づいて、表示制御用CPUが選択決定することとなる。これにより、第1特別図柄表示器81における特別図柄の変動表示の変動時間と、第1変動表示部8における飾り図柄の変動表示の変動時間とを同期させることができる。また、第1特別図柄表示器81における特別図柄の変動表示の表示結果内容と、第1変動表示部8における飾り図柄の変動表示の表示結果内容とを整合させることができる。
S67では、第2図柄表示部で大当りとなる表示結果が導出表示される変動表示が実行中であるか否かを判別する処理が行なわれる。ここで、第2図柄表示部で大当りとなる表示結果が導出表示される変動表示が実行中であるか否かは、第2特別図柄プロセス処理の第2特別図柄通常処理において大当りと判定されたときにセットされる第2大当りフラグがセットされており、かつ、前述の第2大当りフラグがセットされていないときに、第2図柄表示部で大当りとなる表示結果が導出表示される変動表示が実行中であると判別される。
S67において第2図柄表示部で大当りとなる変動表示が実行中であると判断されたときには、S68にて第1特別図柄表示器81および第1変動表示部8において変動表示が開始されるときに、第2特別図柄表示器91および第2変動表示部9において現在行なわれている変動表示により大当り遊技状態が発生する旨を、第1変動表示部8において報知するための特定演出の実行を指示するコマンドである第1変動開始時特定演出コマンドのアドレスをポインタにセットする処理が行なわれる。これにより、第1変動表示部9において飾り図柄の変動表示が開始されるときに、特定演出を実行することができる。一方、S67において第2図柄表示部で大当りとなる変動表示が実行中でないと判断されたときには、S69に移行される。
S69においては、S62、S64またはS65により選択された第1特図変動パターンから特定される時間(変動時間)が第1変動表示タイマにセットされ、その第1変動表示タイマの計時をスタートする処理が行なわれる。ここで、第1変動表示タイマとは、変動表示の開始時からの経過時間を計時するためのタイマである。そして、S70により、第1特別図柄プロセスフラグの値が第1特別図柄変動処理に対応する(移行する)値に更新された後、リターンする。
なお、図示を省略するが、第2変動パターン設定処理についても同様に、第2特図変動パターンを選択し、対応する第2飾り図柄変動パターンコマンドをセットする処理が行なわれ、第2変動表示タイマをスタートさせる処理が行なわれる。さらに、第1変動表示部で大当りとなる変動表示が実行されているときには、第1特別図柄表示器81および第1変動表示部8において現在行なわれている変動表示により大当り遊技状態が発生する旨を、第2変動表示部9において報知するための特定演出の実行を指示するコマンドである特定演出の実行を指示する第2変動開始時特定演出コマンドをセットする処理が行なわれる。
図12は、第1特別図柄プロセス処理における第1特別図柄変動処理(ステップS303)を示すフローチャートである。第1特別図柄変動処理において、CPU56は、まず第2大当りフラグがセットされているか否かを確認する(ステップS80)。第2大当りフラグがセットされていない場合には、後述するように一旦中断された変動表示を再開させるときにセットされるフラグである再開フラグがセットされているか否か確認する(ステップS80a)。再開フラグがセットされている場合については、後述する。
再開フラグがセットされていない場合は、ステップ81に進み、第1特別図柄プロセスタイマを1減算し(ステップS81)、第1特別図柄プロセスタイマがタイムアウトしたら(ステップS82)、第1大当りフラグがセットされているか否か確認する(ステップS83)。第1大当りフラグがセットされていれば(ステップS83)、第1大当り実行中フラグをセットし(ステップS84)、第1特別図柄プロセスフラグの値を第1特別図柄停止処理(ステップS304)に対応した値に更新する(ステップS85)。ステップS82で第1特別図柄プロセスタイマがタイムアウトしていなければ第1特別図柄プロセスフラグの値を更新しない。すなわち、再び第1特別図柄プロセス処理が実行されると第1特別図柄通常処理が再び行なわれる。また、ステップS84で第1大当り実行中フラグがセットされることにより、後述する第1特別図柄および第1飾り図柄の変動表示を中断させる処理と同様に、第2特別図柄プロセス処理(ステップS27)で第2特別図柄および第2飾り図柄の変動表示を中断させる処理が実行される。
ステップS80で第2大当りフラグがセットされていれば、中断フラグがセットされているか否か確認する(ステップS86)。中断フラグがセットされていなければ(ステップS86)、第2大当り実行中フラグがセットされているか否かを確認し(ステップS87)、第2大当り実行中フラグがセットされていれば(ステップS87)、中断フラグをセットし(ステップS88)、中断コマンドに応じたコマンド送信テーブルのアドレスをポインタにセットする(ステップS89)。中断コマンドは、第1変動表示部8で変動表示を行なっている第1飾り図柄の変動表示を中断させる旨を指示するコマンドである。また、ステップS89でセットされた中断コマンドは2msタイマ割込処理における飾り図柄コマンド制御処理(ステップS29)で表示制御基板80に送信される。すなわち、ステップS87で大当り実行中フラグがセットされていると判定すると、ステップS81の処理を実行しないため特別図柄プロセスタイマを減算しないとともに、中断コマンドを表示制御基板80に送信する。表示制御基板80に搭載される表示制御用CPUは中断コマンドを受信すると、第1変動表示部8における第1飾り図柄の変動表示を中断させる制御を実行する。
次に、第1特別図柄表示器81で変動表示中の第1特別図柄の変動表示を中断させる制御を実行(ステップS89a)し、リターンする。これにより、第1特別図柄表示器81での第1特別図柄の変動表示が中断される。このように、第2特別図柄表示器91および第2変動表示部9側で表示結果に基づいて大当り遊技状態に制御されているときには、第1特別図柄表示器81および第1変動表示部8側での変動表示が中断されることとなる。
また、前述のステップS80aにより再開フラグがセットされていると判断されると、S80bにより、ステップS89aにより中断されていた第1特別図柄表示器81での第1特別図柄の変動表示を再開させる制御を実行する。そして、再開フラグをリセットして前述のS81に進む。ここで、再開フラグは、たとえば、第1特別図柄表示器81での第1特別図柄の変動表示の中断の原因となった第2特別図柄表示器91および第2変動表示部9側での表示結果に基づく大当り遊技状態が終了したときにセットされるフラグである(図14のS107a参照、図14には、第2大当り終了処理で第1特別図柄表示器81および第1変動表示部8側での表示結果に基づく大当り遊技状態が終了したときに再開フラグがセットされるステップが一例として示されており、これと同様に、第2大当り終了処理においても再開フラグがセットされる)。これにより、第2特別図柄表示器91および第2変動表示部9側での表示結果に基づく大当り遊技状態が終了したときには、中断されていた、第1特別図柄表示器81および第1変動表示部8側での変動表示が再開されることとなる。
このように、この実施の形態では、第1特別図柄表示器81および第1変動表示部8にて変動表示を実行しているとき(第1特別図柄プロセスタイマがタイムアウトしていないとき)に第2大当り実行中フラグがセットされると、変動時間を計測する特別図柄プロセスタイマの減算を中断する。そして、その中断時には、第1特別図柄表示器81への制御信号に基づいて第1特別図柄の変動表示を中断させる制御を行なうとともに、表示制御基板80に第1飾り図柄の変動表示の中断を指示するコマンドを送信して第1変動表示部8における第1飾り図柄の変動表示を中断させることにより、第2特別図柄表示器91および第2変動表示部9で大当り図柄(特定表示結果)が導出表示されたことに基づく大当り遊技状態(特定遊技状態)が発生してから、その大当り遊技状態が終了するまでは、第1特別図柄表示器81における第1特別図柄の変動表示、および、第1変動表示部8における第1飾り図柄の変動表示を中断させる処理を行なっている。
次に、図8に示す第1特別図柄プロセス処理における第1特別図柄停止処理を説明する。図13は、第1特別図柄停止処理を示すフローチャートである。第1特別図柄停止処理では、まず、S91において、第1飾り図柄停止コマンドをセットする処理が行なわれる。第1飾り図柄停止コマンドとは、図11のS69でセットされた第1変動表示タイマによりセットされた変動時間が計時されたとき(計時が終了したとき)にセットされるコマンドであって、第1変動表示部8において飾り図柄を停止表示させるためのコマンドである。S92においては、第1特別図柄表示器81において特別図柄を停止表示させる処理が行なわれる。このような処理により、これにより、選択された変動パターンにより定められた変動時間が経過すると、第1特別図柄表示器81および第1変動表示部8において同期する態様で変動表示が停止され、表示結果が導出表示されることとなる。
S93においては、第1大当りフラグがセットされているか否かを判別する処理が行なわれる。S93で第1大当りフラグがセットされていないと判別されたときに、S96において第1特別図柄プロセスフラグの値が第1特別図柄通常処理(S300)に対応した値に設定される。一方、S93で第1大当りフラグがセットされていると判別されたときには、S94において第1大当り開始コマンドをセットし、S95において第1特別図柄プロセスフラグの値を第1大入賞口開放前処理(S305)に対応した値に設定される。
なお、図示を省略するが、第2特別図柄停止処理についても同様に、第2飾り図柄停止コマンドをセットし、第2特別図柄表示器91において特別図柄を停止表示させる第2特別図柄停止処理が行なわれる。また、第2大当りフラグがセットされていないときに、第2特別図柄プロセスフラグの値を第2特別図柄通常処理に対応した値に設定される。一方、第2大当りフラグがセットされているときには、第2大当り開始コマンドをセットし、第2特別図柄プロセスフラグの値を第2大入賞口開放前処理に対応した値に設定される。
図14は、第1特別図柄プロセス処理における第1大当り終了処理(ステップS307)を示すフローチャートである。第1大当り終了処理において、CPU56は、第1確変フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS101)。第1確変フラグは第1特別図柄プロセス処理における第1特別図柄停止図柄設定処理(ステップS301)で停止図柄を特別表示結果(「7」の大当り図柄)とすると決定されたときにセットされ、第1確変フラグがセットされることによりステップS56で実行される大当り判定処理にて高確率大当り判定テーブルが使用される。高確率大当り判定テーブルは、通常遊技状態で使用される低確率大当り判定テーブルよりも多くの大当り判定値を含む。すなわち、第1確変フラグがセットされることにより第1確変状態に制御され、通常遊技状態よりも大当りとなる確率が高くなる。そして、第1特別図柄停止図柄設定処理(ステップS301)で停止図柄を非特別表示結果(「3」の大当り図柄)とすると決定されたときに第1確変フラグがリセットされる。
この実施の形態では、第1確変状態に制御されると第1特別図柄表示器81における第1特別図柄の表示結果が当りとなる確率および普通図柄表示器12における普通図柄の表示結果が当りとなる確率が高められる。一方、第2特別図柄表示器91における第2特別図柄の表示結果が当りとなる確率は高められない。そして、第1変動表示器における特別図柄の表示結果が非特別表示結果(「3」の大当り図柄)となったときに第1確変状態が終了する。すなわち、第1確変状態と第2確変状態とは別々の制御状態のことであり、個々に開始条件、終了条件が設定されている。
なお、第1特別図柄表示器81における第1特別図柄の表示結果または第2特別図柄表示器91における第2特別図柄の表示結果が特別表示結果となったことに基づいて確変状態に制御することにより第1特別図柄表示器81における第1特別図柄の表示結果および第2特別図柄表示器91における表示結果が当りとなる確率を高めるとともに、普通図柄表示器12における普通図柄の表示結果が当りとなる確率を高める構成としてもよい。この場合には、第1特別図柄表示器81または第2特別図柄表示器91のいずれかに非特別表示結果が導出表示されたことに基づいて確変状態を終了させる構成としてもよい。
ステップS101で第1確変フラグがセットされていれば、第1確変大当り終了コマンドに応じたコマンド送信テーブルのアドレスをポインタにセットし(ステップS102)、ステップS101で第1確変フラグがセットされていなければ第1非確変大当り終了コマンドに応じたコマンド送信テーブルのアドレスをポインタにセットする(ステップS103)。ステップS102およびステップS103でセットされた第1確変大当り終了コマンドおよび第1非確変大当り終了コマンドは、2msタイマ割込処理における飾り図柄コマンド制御処理(ステップS29)で表示制御基板80に送信される。表示制御基板80に搭載される表示制御用CPUは第1確変大当り終了コマンドを受信すると第1変動表示部8に第1確変大当りを終了する旨の表示制御を行ない、第1非確変大当り終了コマンドを受信すると第1変動表示部8に第1非確変大当りを終了する旨の表示制御を行なう。
次いで、CPU56は、第1大当り実行中フラグをリセットした後(ステップS104)、第2特別図柄プロセス処理(ステップS27)における第2特別図柄変動処理でセットされた中断フラグをリセットするとともに(ステップS105)、第1大当りフラグをリセットし(ステップS106)、再開コマンドに応じたコマンド送信テーブルのアドレスをポインタにセットする(ステップS107)。次に、前述の再開フラグをセットする(ステップS107a)。そして、第1特別図柄プロセスフラグの値を第1特別図柄通常処理(ステップS300)に対応した値に更新する(ステップS108)。
ステップS104で第1大当り実行中フラグをリセットすることにより第2特別図柄プロセス処理(ステップS27)における第2特別図柄通常処理が実行されて第2特別図柄表示器91における第2特別図柄および第2変動表示部9における第2飾り図柄の変動を開始させる処理と、第2特別図柄変動処理が実行されて特別図柄の変動時間を計測する特別図柄プロセスタイマの減算処理とが実行可能な状態になる。また、ステップS107でセットされた再開コマンドは、第2変動表示部9にて中断している特別図柄9a〜9cの変動表示の再開を指示するコマンドであり、2msタイマ割込処理における飾り図柄コマンド制御処理(ステップS29)で表示制御基板80に送信される。表示制御基板80に搭載される表示制御用CPUは、再開コマンドを受信すると、第2変動表示部9における第2飾り図柄の変動表示を再開する制御を行なう。さらに、ステップS107aで再開フラグがセットされることにより、第2特別図柄および第2飾り図柄を対象として図12に示す第1特別図柄変動処理と同様の処理が実行される第2特別図柄変動処理において、前述した第1特別図柄の変動表示を再開させるための処理と同様の処理が行なわれることにより、第2特別図柄表示器91で中断されていた第2特別図柄の変動表示が再開される。
図15は、表示制御用CPUが実行するメイン処理を示すフローチャートである。メイン処理では、まず、RAM領域のクリアや各種初期値の設定、また演出制御の起動間隔を決めるための2msタイマの初期設定等を行うための初期化処理が行なわれる(ステップS701)。その後、表示制御用CPUは、タイマ割込フラグの監視(ステップS702)の確認を行なうループ処理に移行する。タイマ割込が発生すると、表示制御用CPUは、タイマ割込処理においてタイマ割込フラグをセットする。メイン処理において、タイマ割込フラグがセットされていたら、表示制御用CPUは、そのフラグをクリアし(ステップS703)、以下の演出制御処理を実行する。
この実施の形態では、タイマ割込は2ms毎にかかる。すなわち、表示制御メイン処理は、2ms毎に起動される。また、この実施の形態では、タイマ割込処理ではフラグセットのみがなされ、具体的な表示制御は、表示制御メイン処理において実行されるが、タイマ割込処理で表示制御メイン処理を実行してもよい。
表示制御メイン処理において、表示制御用CPUは、まず、受信した演出制御コマンドを解析する(コマンド解析処理:ステップS704)。次いで、表示制御用CPUは、第1変動表示部8の表示制御を行なう第1表示制御プロセス処理を行なう(ステップS705)。第1表示制御プロセス処理では、制御状態に応じた各プロセスのうち、現在の制御状態に対応したプロセスを選択して実行する。また、表示制御用CPUは、第2変動表示部9の表示制御を行なう第2表示制御プロセス処理を行なう(ステップS706)。第2表示制御プロセス処理では、第1表示制御プロセス処理と同様に、制御状態に応じた各プロセスのうち、現在の制御状態に対応したプロセスを選択して実行する。そして、主基板31側から送信される飾り図柄変動パターンコマンドに基づき、飾り図柄の変動表示内容を決定するために用いる乱数(ランダムカウンタ)や、変動表示の表示結果として導出表示する飾り図柄の組合せを決定するために用いる乱数(ランダムカウンタ)を更新する処理を実行する(ステップS706)。その後、ステップS702のタイマ割込フラグの確認を行なう処理に戻る。
次に、表示制御基板80に搭載されている表示制御用CPUが実行する表示制御プロセス処理について説明する。表示制御プロセス処理としては、第1変動表示部8を対象として処理を行なう第1表示制御プロセスと、第2変動表示部9を対象として処理を行なう第2表示制御プロセスとが実行される。第1表示制御プロセス処理および第2表示制御プロセス処理の処理内容は、第1表示制御プロセス処理が第1変動表示部8を対象として処理を行ない、第2表示制御プロセス処理が第2変動表示部9を対象として処理を行なう点で異なるが、処理の対象となる変動表示部を制御するための処理内容は同様である。このため、ここでは、第1表示制御プロセス処理をこれらの表示制御プロセス処理の代表例として説明し、第2表示制御プロセス処理についての処理内容の重複した説明は繰り返さない。なお、以下に説明する第1表示制御プロセス処理の処理内容は、第1表示制御プロセス処理での第1変動表示部8およびそれに関連する装置という処理対象を第2変動表示部9およびそれに関連する装置という処理対象に置き換えることで、第2表示制御プロセス処理の処理内容となる。
図16は、表示制御基板80に搭載されている表示制御用CPUが実行する表示制御プロセス処理のプログラムの一例を示すフローチャートである。第1表示制御プロセス処理では、第1表示制御プロセスフラグの値に応じてステップS800〜S806のうちのいずれかの処理が行なわれる。各処理において、以下のような処理が実行される。なお、図示を省略するが、第2表示制御プロセス処理についても同様に、第2表示制御プロセスフラグの値に応じて第2変動表示部9に対するステップS800〜S806と同様の処理のうちのいずれかが行なわれる。
第1飾り図柄変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800):コマンド解析処理によって、第1飾り図柄変動パターンコマンド(変動表示コマンド)を含む演出制御コマンドを受信したか否か確認する。具体的には、第1飾り図柄変動パターンコマンドが受信されたことを示すフラグ(第1飾り図柄変動パターン受信フラグ)がセットされたか否か確認する。第1飾り図柄変動パターン受信フラグは、表示制御用CPUが実行するコマンド解析処理にて第1変動表示部8における第1飾り図柄の変動パターン指定の演出制御コマンドが受信されたことが確認された場合にセットされる。
第1飾り図柄変動パターン決定処理(ステップS801):主基板31から受信した第1飾り図柄変動パターンコマンドから特定される変動時間に基づき第1飾り図柄の変動パターンを決定する。また、第1飾り図柄変動パターンコマンドから特定される表示結果に基づき表示結果として導出表示する飾り図柄の組合せを決定する。なお、変動パターンおよび飾り図柄の組合せは、S707で更新された乱数を用いて、それぞれ表示制御用CPUにより決定される。
第1飾り図柄変動開始処理(ステップS802):第1飾り図柄(左・中・右・図柄)の変動が開始されるように制御する。なお、変動表示を開始するときに、S801で決定された第1飾り図柄の変動パターンから特定される第1変動時間タイマがセットされる。また、図11のS68でセットされた第1変動開始時特定演出コマンドを受信しているときには、第1変動表示部8において飾り図柄の変動表示が開始されるときに、図21を用いて後述する特定演出を行なうための特定演出開始タイマと特定演出終了タイマとがセットされる。
第1飾り図柄変動中処理(ステップS803):前述のように決定された第1飾り図柄の変動パターンに応じて選択されたプロセスデータを参照してプロセスタイマに設定されている時間だけ表示制御実行データに設定されている変動態様で第1飾り図柄を変動表示させる制御を行なう。その制御においては、変動パターンを構成する各変動状態(変動速度)の切替タイミングの制御、および、左右図柄の停止制御等を行なう。また、第1変動時間タイマを減算していき、第1飾り図柄の変動時間の終了を監視する。そして、第1変動時間タイマがタイムアウトしたことに応じて、第1飾り図柄停止待ち処理に移行する。
さらに、前述した特定演出開始タイマと特定演出終了タイマとがセットされているときにも、同様にセットされているタイマを減算する処理が行なわれる。そして、特定演出開始タイマがタイムアウトしてから、特定演出終了タイマがタイムアウトするまで、第1変動表示部8において特定演出が実行される。
第1飾り図柄停止待ち処理(ステップS804):第1飾り図柄停止コマンドを受信したことに応じて、第1飾り図柄の変動表示を終了し、S801で決定されている第1飾り図柄の組合せを表示結果として導出表示する。
第1大当り表示処理(ステップS805):変動表示終了後、確変大当り表示または通常大当り表示の制御を行なう。
第1大当り遊技中処理(ステップS806):大当り遊技中の制御を行なう。たとえば、ソレノイド72により特別可変入賞装置20を駆動して大入賞口21を開放させることを示す大入賞口開放前表示や大入賞口21が開放中であることを示す大入賞口開放時表示の演出制御コマンドを受信したら、ラウンド数の表示制御等を行なう。
図17は、第1表示制御プロセス処理における第1飾り図柄変動中処理(ステップS802)を示すフローチャートである。第1飾り図柄変動中処理において表示制御用CPUは、変動中断フラグがセットされているか否か確認し(ステップS820)、変動中断フラグがセットされていなければ中断コマンドを受信したか否か確認する(ステップS824)。そして、ステップS824で中断コマンドを受信していれば変動中断フラグをセットし(ステップS825)、第1変動表示部8に第1特別図柄および第1飾り図柄の変動表示を中断する旨を示す変動中断表示を行なう(ステップS826)。この変動中断表示は、変動中断表示が行なわれている方の図柄表示部での変動時間を計測する特別図柄プロセスタイマの減算が中断されている旨を意味する表示でもある。
また、ステップS820で変動中断フラグがセットされていれば、表示制御用CPUは再開コマンドを受信したか否か確認する(ステップS821)。ステップS821で再開コマンドを受信していれば、変動中断フラグをリセットするとともに(ステップS822)、第1変動表示部8に第1特別図柄および第1飾り図柄の変動表示を再開する旨を示す変動再開表示を行なう(ステップS823)。ステップS821で再開コマンドを受信していなければ第1飾り図柄変動中処理を終了する。
ステップS824で中断コマンドを受信していなければ、プロセスタイマがタイムアウトしたか否か確認し(ステップS827)、タイムアウトしていれば表示制御実行データの切替を行なう(ステップS828)。この実施の形態では、飾り図柄の変動態様を示すプロセスデータが変動パターン毎に設けられている。プロセスデータは、プロセスタイマと表示制御実行データの組合せが複数集まったデータで構成され、表示制御用CPUは選択決定した変動パターンコマンドに応じたプロセスデータを選択するとともに該プロセスデータを参照してプロセスタイマに設定されている時間だけ表示制御実行データに設定されている変動態様で第1飾り図柄(第2飾り図柄も同様)を変動表示させる制御を行なう。
また、第1変動時間タイマがタイムアウトしていれば(ステップS829)、監視タイマをスタートさせ(ステップS830)、第1プロセスフラグを第1図柄停止待ち処理(ステップS803)に対応した値に更新する(ステップS831)。
以上の処理によって、第2特別図柄表示器91および第2変動表示部9に大当り図柄が導出表示されて大当り遊技状態となったときには、中断コマンドを受信したことに基づいて変動中断フラグをセットするとともに第1変動表示部8で変動中断表示を行なう。そして、再開コマンドを受信するまでステップS827以降の処理を実行しないように制御する。すなわち、第2特別図柄表示器91および第2変動表示部9に大当り図柄が導出表示されて大当り遊技状態となったときには、第1飾り図柄の変動表示を行なわない制御がなされる。同様に、第1飾り図柄変動中処理に対応する第2表示制御プロセス処理中の第2飾り図柄変動中処理では、第1特別図柄表示器81および第1変動表示部8に大当り図柄が導出表示されて大当り遊技状態となったときには、中断コマンドを受信したことに基づいて変動中断フラグをセットするとともに第2変動表示部9で変動中断表示を行なう。
このように上述した実施の形態では、一方の変動表示部に大当り図柄が導出表示されたときに、主基板31から中断コマンドが表示制御基板80に送信され、中断コマンドを受信したことに基づいて表示制御用CPUは他方の変動表示部での変動表示を中断させる制御を行なっている。また、大当り遊技状態が終了するときに主基板31から再開コマンドが表示制御基板80に送信され、再開コマンドを受信したことに基づいて、表示制御用CPUは、中断していた変動表示を再開させる制御を行なっている。
なお、前述した実施の形態では、主基板31から中断コマンドおよび再開コマンドを送信することにより飾り図柄の変動の中断および再開を行なう例を示したが、これに限らず、主基板31から中断コマンドおよび再開コマンドを送信することなく、表示制御基板80に搭載される表示制御用CPUに飾り図柄の変動の中断および再開を行なわせるように構成してもよい。
たとえば、一方の変動表示部に大当り図柄が導出表示されて大当り遊技状態となったときに、主基板31からその変動表示部についての大当り開始コマンドを表示制御基板80に送信する。そして、その大当り開始コマンドを受信したことに基づいて表示制御用CPUが、他方の変動表示部での飾り図柄の変動表示を中断させる制御を行なう。また、そのような一方の変動表示部での大当り図柄の導出表示に基づく大当り遊技状態が終了するときに、主基板31からその一方の変動表示部についての確変大当り終了コマンドまたは非確変大当り終了コマンドを表示制御基板80に送信する。その確変大当り終了コマンドまたは非確変大当り終了コマンドを受信したことに基づいて、表示制御用CPUが、中断していた他方の変動表示部での飾り図柄の変動表示を再開させる制御を行なう。
図18は、第1表示制御プロセス処理における第1飾り図柄停止待ち処理(ステップS804)を示すフローチャートである。
まず、S840においては、第1飾り図柄停止コマンドを受信したか否かを判別する処理が行なわれる。第1飾り図柄停止コマンドは、図8のS304で第1特別図柄表示器81において第1特別図柄の表示結果を停止表示するタイミングに到達したときに、主基板31から表示制御基板80に送信されるコマンドである(図13のS91)。
S840において第1飾り図柄停止コマンドを受信していないと判別されたときには、第1飾り図柄停止待ち処理を終了し、リターンする。一方、S840において第1飾り図柄停止コマンドを受信していると判別されたときには、S841において、S801で既に決定されている飾り図柄(全図柄)を停止表示させる制御が行なわれる。
S842では、飾り図柄の組合せがゾロ目となる大当り図柄が停止表示されているか否かを判別する処理が行なわれる。S842で大当り図柄が停止表示されていると判別されたときには、S844において第1プロセスフラグの値を第1大当り表示処理(S805)に対応した値に設定される。一方、S842で大当り図柄が停止表示されていないと判別されたときには、S843において第1プロセスフラグの値を第1飾り図柄変動パターンコマンド受信待ち処理(S800)に対応した値に設定される。
なお、図示を省略するが、第2表示制御プロセス処理に含まれる第2飾り図柄停止待ち処理についても同様に、第2飾り図柄停止コマンドを受信したときに、第2変動表示部9において飾り図柄を停止表示させる制御が行なわれる。また、飾り図柄の組合せがゾロ目となる大当り図柄が停止表示されているときには、第2プロセスフラグの値を第2大当り表示処理に対応した値に設定される。一方、大当り図柄が停止表示されていないときには、第2プロセスフラグの値を第2飾り図柄変動パターンコマンド受信待ち処理に対応した値に設定される。
以上説明した実施の形態での制御を行なったときの第1図柄表示部および第2図柄表示部での表示態様について説明する。図19は、第1変動表示部8および第2変動表示部9の演出表示の一例を示す説明図である。図19(A)において第1特別図柄表示器での第1特別図柄(図示省略)の変動表示に伴って第1変動表示部8において第1飾り図柄8a〜8cの変動表示が実行されているときにも、第2特別図柄表示器での第2特別図柄(図示省略)の変動表示に伴って第2変動表示部9において第2飾り図柄9a〜9cの変動表示が並行して実行される。
なお、飾り図柄の変動表示を実行させるために、主基板31からは表示制御基板80に第1変動表示部8における第1飾り図柄8a〜8cの変動表示を指示する第1飾り図柄変動パターンコマンドと、第2変動表示部9における第2飾り図柄9a〜9cの変動表示を指示する第2飾り図柄変動パターンコマンドとが送信される。表示制御用CPUは、受信した飾り図柄変動パターンコマンドに応じた変動表示部にて飾り図柄柄の変動表示が行なわれるように制御する。
また、この実施の形態で主基板31から送信される演出制御コマンドは2バイト構成であり、1バイト目はMODE(コマンドの分類)を表し、2バイト目はEXT(コマンドの種類)を表す。第1飾り図柄変動パターンコマンドと、第2飾り図柄変動パターンコマンドとのMODEまたはEXTを異ならせることにより主基板31から送信される変動パターンコマンドがいずれの変動表示部における飾り図柄の変動表示を指示するコマンドであるかを特定することが可能となる。なお、そのようなコマンド形態は一例であって他のコマンド形態を用いてもよい。たとえば、1バイトや3バイト以上で構成される制御コマンドを用いてもよい。
図19(B)に示すように、第1特別図柄の変動表示に伴って第1飾り図柄8a〜8cの変動表示が実行されている間に、すなわち、図12に示す第1特別図柄変動処理におけるステップS82で第1特別図柄プロセスタイマがタイムアウトしていないときに、第2特別図柄プロセス処理(ステップS27)における第2特別図柄変動処理(または第2特別図柄停止処理)で大当り図柄(特定表示結果)が導出表示されたことに基づいて第2大当り実行中フラグがセットされるとともに第2特別図柄停止処理で第2大当り開始コマンドを表示制御基板80に送信するための処理が行なわれる。
また、上述した実施の形態では、第1特別図柄変動処理(ステップS303)が実行されたときにステップS87で第2大当り実行中フラグがセットされていると判定され、ステップS88で中断フラグがセットされるとともに、ステップS89で中断コマンドを表示制御基板80に送信するための処理が行なわれる。表示制御基板80に搭載される表示制御用CPUは、ステップS824で中断コマンドを受信したときにステップS825で変動中断フラグをセットするとともに、ステップS826で変動中断表示を行なう。
図19(C)に示すように、中断コマンドを受信すると、表示制御用CPUは、第1変動表示部8に、変動中断表示100とともに第1飾り図柄のはずれ図柄を停止表示させることにより変動表示を中断させる。このとき、CPU56は、前述のように第1特別図柄表示器に、第1特別図柄をはずれ図柄で停止表示させることにより変動表示を中断させる。つまり、変動表示を中断する第1図柄表示部の側において、第1特別図柄および第1変動表示部8に非特定表示結果を停止表示させる。これにより、一方の特別図柄表示器および変動表示部にて非特定表示結果を停止表示することにより遊技者に不信感を与えることなく特別図柄および飾り図柄の変動表示を中断させることができる。なお、このとき、第2特別図柄表示器および第2変動表示部9のそれぞれには、大当り図柄(特定表示結果)が導出表示されている。
また、この実施の形態では大当り遊技状態が終了するまで(図19(D)および(E)参照)変動中断表示100を表示する構成となっているため、大当り遊技状態が終了するまで遊技者に不信感を与えることなく特別図柄および飾り図柄の変動表示を中断させることができる。なお、図19(D)には、大当り遊技状態における第1ラウンドの例が示されている。
また、大当り遊技状態が終了するときに主基板31から第2大当り終了コマンド(確変大当り終了コマンドまたは非確変大当り終了コマンド)が表示制御基板80に送信される。図19(E)には、第2大当り終了コマンドとしての確変大当り終了コマンドの受信に応じて、表示制御用CPUが、第2変動表示部9に、大当り遊技状態が終了したとともに確変状態になったことを報知する表示を行なったことが例示されている。上述した第1実施形態では主基板31から表示制御基板80にさらに再開コマンドが送信され、表示制御用CPUは再開コマンドを受信したことに基づいて第1飾り図柄変動中処理において、ステップS823で変動再開表示103として「変動再開」と表示させるとともにステップS827以降の処理が実行されて第1飾り図柄の変動表示を再開させる制御が実行される(図19(F)参照)。そのとき、CPU56では、前述のように第1特別図柄表示器で第1特別図柄の変動表示を再開させる制御が実行される。なお、図19に示された例では、第1特別図柄表示器および第1変動表示部8における変動再開後、最後に導出される表示結果は大当り図柄である(図19(H)参照)。その場合、図19(E)に示す第1変動表示部8における表示状態を、その旨を示すような表示(たとえば、「もう1回当たる」)に変えるようにしてもよい。その場合には、大当り遊技状態についての演出表示を第1変動表示部8と第2変動表示部9との両方を用いて行なうことになり(第2変動表示部9で当該大当り遊技の終了報知を行なうと同時に、第1変動表示部8で次の大当り発生の報知が予告的に行なわれるので)、視覚効果が高まり遊技者の興趣を向上させることができる。
このように、一方の特別図柄表示器および変動表示部における特別図柄および飾り図柄の変動表示中に他方の特別図柄表示器および変動表示部で特別図柄および飾り図柄の大当り図柄が導出表示されて大当り遊技状態となった場合には一方の変動表示部に変動表示を中断する旨を示す変動中断表示100を行なうとともに当該一方の特別図柄表示器および変動表示部にはずれ図柄を停止表示させ、大当り遊技状態が終了したときに一方の特別図柄表示器および変動表示部における特別図柄および飾り図柄の変動表示を再開させる旨を示す変動再開表示103を行なうため、遊技者に不信感を与えることなく特別図柄および飾り図柄の変動表示を中断させることができる。
図19には、さらに、第2変動表示部9において新たな第2飾り図柄の変動が実行される様子が示されている(図19(F)〜(H)参照)。すなわち、大当り遊技状態が終了した後、再び第2変動表示部9において特別図柄の変動表示が開始され(図19(F))、主基板31から第1大当り開始コマンドが送信されたことに応じて、表示制御用CPUが、第2変動表示部9に、変動中断表示100とともに、第2特別図柄表示器および第2変動表示部9にはずれ図柄を停止表示させたことが示されている(図19(H))。
なお、図20には、再び第2変動表示部9において第2飾り図柄の変動表示が開始された後、第1特別図柄プロセスタイマがタイムアウトしたことに基づいて第1変動表示部8についての第1飾り図柄停止を示す演出制御コマンド(第1飾り図柄停止コマンド)は主基板31から送信されたが、第1大当り開始コマンド(または、第2変動表示部9についての中断コマンド)が送信されなかったときに、表示制御用CPUが、第1変動表示部8にはずれ図柄を導出表示させたことが示されている(図20(H))。この場合には、第2変動表示部9において、はずれ図柄が停止表示されることなく、第2飾り図柄の変動表示は継続する。
また、表示制御用CPUは、第1変動表示部8または第2変動表示部9に変動中断表示100とともにはずれ図柄を停止表示させる際に、停止表示させる時点において可視表示(たとえば変動表示部の中央に表示されていること)させていた飾り図柄をそのまま停止表示させてもよいが(停止図柄が大当り図柄となる場合には左中右のうちの任意の図柄をずらす)、乱数を発生させて乱数に応じて停止図柄を決定したり、予め決められている順序で停止図柄を選択したりしてよく、停止図柄の選定の方法は任意である。
なお、ここでは、一方の特別図柄表示器および変動表示部における特別図柄および飾り図柄の変動表示中に他方の特別図柄表示器および変動表示部で特別図柄および飾り図柄の大当り図柄が導出表示されて大当り遊技状態となった場合において、一方の特別図柄表示器および変動表示部についての変動時間を計測するプロセスタイマによる計測を中断したときに、一方の変動表示部に変動表示を中断する旨を示す変動中断表示100を行なうとともに当該一方の特別図柄表示器および変動表示部にはずれ図柄を停止表示させる例を示した。しかし、このようにプロセスタイマによる変動時間の計測を中断したときには、次のような制御を行なうようにしてもよい。
第1例としては、前記一方の特別図柄表示器および前記一方の変動表示部のそれぞれの変動表示をそのまま継続させてもよい。第2例としては、前記一方の変動表示部にはずれ図柄を停止表示させるが、前記一方の特別図柄表示器の変動表示をそのまま継続させてもよい(この場合、特別図柄表示器で変動表示が継続されていることを示す表示を対応する変動表示部で行なうようにしてもよい)。第3例としては、前記一方の特別図柄表示器のはずれ図柄を停止表示させるが、前記一方の飾り図柄の変動表示をそのまま継続させてもよい。この第1例〜第2例の場合には、何らかの形で変動表示が継続しているがプロセスタイマによる変動時間の計測は中断しているので、その旨を示すために、変動中断表示100を行なえばよい。つまり、一方の特別図柄表示器および変動表示部における特別図柄および飾り図柄の変動表示中に他方の特別図柄表示器および変動表示部で特別図柄および飾り図柄の大当り図柄が導出表示されて大当り遊技状態となった場合においては、少なくとも、一方の特別図柄表示器および変動表示部についての変動時間を計測するプロセスタイマによる計測を中断すればよく、特別図柄および飾り図柄の変動表示のさせ方は、図20に示される表示態様に限られるものではない。
図21は、第1変動表示部8および第2変動表示部9の演出表示の一例を示す説明図である。
図21(A)の第1変動表示部8においては、図16のS801で決定された飾り図柄の組合せが、図18のS841により停止表示されている。ここでは、飾り図柄の組合せとして「123」が停止表示されている。第2変動表示部9においては、第2表示制御プロセス処理の第2飾り図柄変動中処理(図16のS803参照)により飾り図柄の変動表示が実行されている。
図21(B)の第1変動表示部8においては、図16のS800で第1飾り図柄変動パターンコマンドを含む演出制御コマンドを受信し、S801で決定された飾り図柄の変動パターンに基づき、S802で第1変動時間タイマがセットされ新たな変動表示が開始されている。なお、受信した第1飾り図柄変動パターンコマンドは、図11のS62により確変図柄による特定表示結果を変動表示の表示結果として導出表示する第1特図変動パターンが選択されたことに応じて、S66によりセットされたコマンドである場合について以下説明する。よって、図21(B)の第1変動表示部8において開始された変動表示の表示結果として、図21(H)のような奇数の飾り図柄のゾロ目が停止表示される。
第2変動表示部9においては、第2飾り図柄変動パターン決定処理で決定された飾り図柄の組合せが、第2飾り図柄停止待ち処理により停止表示されている。ここでは、飾り図柄の組合せとして「586」が停止表示されている。
図21(C)の第1変動表示部8においては、図21(B)で開始された変動表示が継続して行なわれている。第2変動表示部9においては、第2飾り図柄変動パターンコマンド受信待ち処理(図16のS800参照)で第2飾り図柄変動パターンコマンドを含む演出制御コマンドを受信し、第2飾り図柄変動パターン決定処理(図16のS801参照)で決定された飾り図柄の変動パターンに基づき、第2飾り図柄変動開始処理(図16のS802参照)で第2変動時間タイマがセットされ新たな変動表示が開始されている。
なお、受信した第2飾り図柄変動パターンコマンドが第2変動パターン設定処理によりセットされ(図11のS66参照)たときにおいては、図21(B)で説明したように第1変動表示部8で大当りとなる変動表示が実行中であるため(図11のS67参照)、第2変動開始時特定演出コマンドがセットされる(図11のS68参照)。そして、第2変動開始時特定演出コマンドを受信しているときには、第2変動表示部9において第2飾り図柄の変動表示が開始されるときに、特定演出を行なうための特定演出開始タイマと特定演出終了タイマとがセットされる。
図21(D)の第2変動表示部9においては、特定演出開始タイマが第2飾り図柄変動中処理により減算され、特定演出開始タイマがタイムアウトしたため、特定演出が開始されている(図16のS803参照)。第1変動表示部8においても、同様に、第2変動表示部9において特定演出が開始されたことに関連して、同様の特定演出が開始されている。本実施形態における特定演出としては、図21(D)〜(F)に示すように、ヒーローが恐竜を退治することができるか否かに関わる演出が行なわれる。図21(F)は、特定演出終了タイマが第2飾り図柄変動中処理により減算され、特定演出終了タイマがタイムアウトし、特定演出が終了したときの表示画面である(図16のS803参照)。
なお、本実施形態において、第1変動表示部8と第2変動表示部9とで同様の特定演出を行なう例について説明したが、これに限らず、第1変動表示部8と第2変動表示部9との双方で表示されている画像を組合せることにより、一つの演出画像が形成されるように特定演出を行なうようにしてもよい。たとえば、第1変動表示部8に恐竜を表示し、第2変動表示部9にヒーローを表示するようにしてもよい。また、第1変動表示部8と第2変動表示部9とで特定演出を行なう例について説明したが、これに限らず、大当りとなる変動表示が行なわれている変動表示部では特定演出を行なうことなく飾り図柄の変動表示を継続し、変動開始時特定演出コマンドに対応する変動表示部においてのみ特定演出を実行するようにしてもよい。
図21(G)の第1変動表示部8においては、特定演出が終了した後に、図21(B)で開始された飾り図柄の変動表示に表示状態が戻され、当該変動表示において左図柄および右図柄として「7」が停止表示され、リーチが発生している。第2変動表示部9においては、特定演出が終了した後に、図21(C)で開始された飾り図柄の変動表示の表示画面に戻され、第2変動時間タイマがタイムアウトするまで継続して行なわれる。
図21(H)の第1変動表示部8においては、図16のS802でセットされた第1変動時間タイマが、図16のS803により減算され、第1変動時間タイマがタイムアウトしたため、変動表示を終了し、飾り図柄「7」のゾロ目となる大当り図柄の組合せを表示結果として停止表示している。
〔その他の実施の形態〕
次にその他の実施の形態について説明する。ここでは、次回に始動入賞口14への始動入賞が生じたときに第1特別図柄表示器81および第1変動表示部8側と、第2特別図柄表示器91および第2変動表示部9側とのうち、始動入賞口14への始動入賞に基づき変動を行なう特別図柄表示器および変動表示部としてどちらの側が選択されるかを特定する報知が行なわれる例を説明する。
次にその他の実施の形態について説明する。ここでは、次回に始動入賞口14への始動入賞が生じたときに第1特別図柄表示器81および第1変動表示部8側と、第2特別図柄表示器91および第2変動表示部9側とのうち、始動入賞口14への始動入賞に基づき変動を行なう特別図柄表示器および変動表示部としてどちらの側が選択されるかを特定する報知が行なわれる例を説明する。
この場合には、たとえば、可変入賞装置15に報知手段としての報知用ランプを設ける。報知用ランプとしては、たとえば、第1特別図柄表示器81および第1変動表示部8側が選択されている旨を赤色の発光により報知する第1選択報知ランプと、第2特別図柄表示器91および第2変動表示部9側が選択されている旨を青色の発光により報知する第2選択報知ランプとを設ける。そして、遊技制御用マイクロコンピュータにより、前述の図7の変動表示選択処理において第1変動表示選択フラグがセットされているときに第2選択報知ランプを発光させ、一方、第2変動表示選択フラグがセットされているときに第1選択報知ランプを発光させる制御を行なう。ここで、第1変動表示選択フラグがセットされているときには、次回の始動入賞が生じると第2変動表示選択フラグがセットされて、その始動入賞発生に応じた変動表示が、第2特別図柄表示器91および第2変動表示部9側で行なわれることとなるため、第2選択報知ランプを発光させる制御が行なわれる。また、逆に、第2変動表示選択フラグがセットされているときには、次の始動入賞が生じると第1変動表示選択フラグがセットされて、その始動入賞発生に応じた変動表示が、第1特別図柄表示器81および第1変動表示部8側で行なわれることとなるため、第1選択報知ランプを発光させる制御が行なわれる。
このような構成を採用すると、次回の始動入賞が生じるとどちらの側の特別図柄表示器および変動表示部が選択されて変動表示が行なわれることになるかを特定する報知が行なわれるので、遊技者がどちら側の特別図柄表示器および変動表示部における変動表示が行なわれるのかを容易に把握することができる。これにより、遊技の興趣を向上させることができる。
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なお、この例では、報知用ランプとして2つのランプを設ける例を示したが、これに限らず、1つの発光体で選択的に複数色の発光を行なうことが可能なフルカラーLED等の多色発光体を設け、発光色を選択するようにしてもよい。また、次の始動入賞が生じるとどちらの側の特別図柄表示器および変動表示部における変動表示が行なわれることになるかを特定する報知手段としては、前述のような発光体で報知を行なう代わりに、第1変動表示部8または第2変動表示部9での画像表示によりそのような報知を行なうようにしてもよく、また、スピーカから出力する音声により報知を行なうようにしてもよい。また、発光体、画像表示、および、音声のいずれか2つの組合せにより報知を行なうようにしてもよく、これらのすべてを組合せて報知を行なうようにしてもよい。
次に、前述した実施の形態により得られる主な効果を説明する。
(1) 図7のS231〜S234に示されるように、第1保留記数が上限値に達していないときには、始動入賞に応じて抽出された数値データを第1保留記憶バッファに記憶させるために、第1変動表示選択フラグをセットし、一方、第1保留記数が上限値に達しているときには、始動入賞に応じて抽出された数値データを第2保留記憶バッファに記憶させるために、第2変動表示選択フラグをセットする。そして、始動入賞が生じれば、第1変動表示選択フラグがセットされているときには、図8に示される第1特別図柄プロセス処理により、第1変動表示選択フラグがセットされているときには第1特別図柄表示器81において特別図柄の変動表示を行なうための処理をする。これにより、抽出された数値データが第1保留記憶バッファに記憶される。一方、第2変動表示選択フラグがセットされているときには、始動入賞が生じれば、第2特別図柄プロセス処理により、第2特別図柄表示器91において特別図柄の変動表示を行なうための処理をする。これにより、抽出された数値データが第2保留記憶バッファに記憶される。このため、始動条件が成立したときに抽出された数値データを記憶する保留記憶バッファにおけるデータの記憶状況に応じて、始動条件の成立に基づき変動表示を行なって表示結果を導出表示する特別図柄表示器を選択することができる。これにより、複数の特別図柄表示器を備え、いずれかの特別図柄表示器において特別図柄の変動表示を行なわせるものであっても、たとえば、特別図柄の表示結果を導出表示する特別図柄表示器を選択するために用いる構造を遊技領域7内に設ける必要がないので、遊技領域7を有効利用できるため、遊技盤6の設計を簡素化することができる。また、遊技領域7へ打ち込まれた遊技球を始動入賞口14へ誘導する経路上の釘等を調整することで、遊技領域7へ打ち込まれた遊技球が始動入賞口14へ入賞する入賞率を設定することができ、遊技場管理者の負担増大を防止することができる。
また、第1保留記憶数が上限値に達していないときには抽出された数値データを第1保留記憶バッファに記憶させ、その上限値に達しているときには抽出された数値データを第2保留記憶バッファに記憶させるので、数値データ記憶手段としての保留記憶バッファを効率よく利用することができる。そして、保留記憶バッファが効率よく利用されることにより始動条件の成立が無駄になることが低減されるので、保留記憶バッファの利用の仕方が遊技において遊技者にとって有利に働くため、遊技の興趣を向上させることができる。
(2) たとえば、第1特別図柄中処理(ステップS802)のステップS824でYESとなりステップS827以降の処理を実行しない制御を行なうことにより、第1および第2図柄表示部のうちの一方の側の特別図柄表示器および変動表示部にて特定表示結果が導出表示されたときに、他方の側の特別図柄表示器および変動表示部における変動表示時間の計測を中断するので、第1および第2図柄表示部の両方の特別図柄表示器および変動表示部にて同時に特定遊技状態となる表示結果が発生することを防ぐことができ、第1および第2図柄表示部の両方で同時に特定遊技状態が発生することにより遊技者に有利な状態となり過ぎて射倖性が高くなり過ぎてしまわないようにすることができる。
(3) いずれか一方の特別図柄表示器に対応する大当りフラグがセットされ、未だ当該特別図柄表示器に対応する大当り実行中フラグがセットされていないときであって、他の特別図柄表示器において特別図柄の変動表示が開始されたときに、表示制御用CPUが、図21(D)(E)(F)で説明した特定演出を、第1変動表示部8および第2変動表示部9において実行する。これにより、特別図柄表示器において変動表示が開始されるときに、第1変動表示部8および第2変動表示部9において特定演出が実行されると、既に変動表示が行なわれている特別図柄表示器において大当り図柄が導出表示されることを事前に遊技者が認識できるため、遊技者の期待感を向上させることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
(4) 図5のステップS24〜S27に示されるように、2msタイマ割込処理を一回実行する間に、大当り判定用のランダムカウンタによる数値データの更新(ステップS25)が実行される前に、第1特別図柄プロセス処理の第1始動口スイッチ通過処理(図9)により第1特別図柄表示器81の変動表示の大当り判定に関する大当り判定用ランダムカウンタの値の抽出が実行され(ステップS24,S114)、大当り判定用ランダムカウンタR1による数値データの更新が実行された後に、第2特別図柄プロセス処理の第2始動口スイッチ通過処理(図9と同様)により第2特別図柄表示器91の変動表示の大当り判定に関する大当り判定用ランダムカウンタの値の抽出が実行される(ステップS27,S114と同様)。これにより、大当り判定値が共通である遊技機において、複数の特別図柄表示器各々における表示態様決定に共通の大当り判定用のランダムカウンタを用いることにより、複数の特別図柄表示器を制御するために必要となるデータ量を最小限度に抑えたときであって、第1特別図柄プロセス処理における数値データの抽出条件と第2特別図柄プロセス処理における数値データの抽出条件とが不正行為により同時に成立した場合であっても、2ms割込処理を一回実行する間に、大当り判定用ランダムカウンタR1による数値データの更新が実行される前に第1特別図柄プロセス処理で数値データが抽出され、大当り判定用ランダムカウンタR1による数値データの更新が実行された後に第2特別図柄プロセス処理で数値データが抽出される。これにより、第1特別図柄プロセス処理における数値データの抽出条件と第2特別図柄プロセス処理における数値データの抽出条件とが不正行為により同時に成立した場合であっても、これらの特別図柄プロセス処理において抽出された数値データが異なることとなり、第1図柄表示部(第1特別図柄表示器81および第1変動表示部8)と第2図柄表示部(第2特別図柄表示器91および第2変動表示部9)において不正に同時に特定遊技状態に制御されることを防止できるため、射倖性を適正に保ちつつ不正行為の発生を極力防止することができる。
(5) CPU56が、特別図柄表示器を構成する7セグメント表示器へ駆動信号を出力する制御を行なうとともに、選択した特図変動パターンに応じた飾り図柄変動パターンコマンドを表示制御基板80に送信する。そして、表示制御用CPUが、受信した飾り図柄変動パターンコマンドに基づき、第1または第2特別図柄表示器各々に対応して設けられている第1または第2変動表示部における飾り図柄の変動表示に用いる変動パターンや、停止図柄を決定するとともに、該決定した変動パターンおよび停止図柄に従って、第1または第2変動表示部において飾り図柄の変動表示を実行する。これにより、CPU56による制御負担を軽減させることができ、多くのバリエーションの演出を行なうことができる。
(6) 図5のステップS24に示されるように、大当り判定用のランダムカウンタR1の値を2ms毎に更新するとともに、図6のステップS41に示されるように、大当り図柄決定用のランダムカウンタR2の値を、大当り判定用のランダムカウンタR1の更新間隔とは異なる3ms毎に更新する構成とし、R1の更新間隔とR2の更新間隔とが互いに素(例えば、双方の間隔を示す期間が同一でなく、かつ、一方の期間が他方の期間の整数倍ではない関係)となるようにしたので、各ランダムカウンタの更新範囲に含まれる数値の個数の調整のみによらずに、大当り判定用のランダムカウンタR1と大当り図柄決定用および確変判定用のランダムカウンタR2とが短い周期で同期してしまうことを回避することができる。これにより、大当り図柄のランダム性を保つことができ、不正に始動入賞信号を送り込むような不正行為にもとづく確変大当りの発生を防止することができる等、不正な利益を取得するために、大当り図柄となったときの図柄が、確変図柄となるように狙われるのを防ぐことができる。
(7) その他の実施の形態として示したように、第1特別図柄表示器81および第1変動表示部8側と、第2特別図柄表示器91および第2変動表示部9側とのうち、始動入賞口14への始動入賞に基づき変動を行なう特別図柄表示器および変動表示部としてどちらの側が選択されるかを特定する報知が行なわれるので、始動条件の成立に基づきどの特別図柄表示器が選択され変動表示が行なわれるかについて、遊技者がより一層容易に把握することができる。
次に、以上に説明した実施の形態の変形例や特徴点を以下に列挙する。
(1) 前述した実施の形態では、保留記憶できる上限数を、第1保留記憶バッファと第2保留記憶バッファとで同じとなるように設定した例について説明したが、これに限らず、いずれか一方の保留記憶バッファに保留記憶できる上限数を他の保留記憶バッファに保留記憶できる上限数よりも多くなるように設定してもよい。たとえば、図9のS112において判断の対象となる上限数を、第1始動口スイッチ通過処理においては「10」に、第2始動口スイッチ通過処理においては「5」に、それぞれの上限数を異ならせるようにしてもよい。
(2) 前述した実施の形態では、始動入賞が発生したときに、大当り判定用ランダムカウンタR1等の各ランダムカウンタの値を抽出し、変動表示選択フラグに対応する保留記憶バッファに格納し(図9のS114参照)、変動表示選択フラグに対応する特別図柄表示器において変動表示が行なわれていないときに、格納された順に値を読出し(ステップS53)、各種判定(ステップS56等)を行ない、変動表示させる例について説明した。しかし、これに限るものではない。たとえば、大当り判定用ランダムカウンタR1等の各ランダムカウンタから抽出した値を、変動表示選択フラグに対応する特別図柄表示器において変動表示が行なわれていないときにだけ保留記憶バッファに一時的に格納し、変動表示選択フラグに対応する特別図柄表示器において変動表示が行なわれているときに格納しないものであってもよい。そして、格納された値をすぐに読出し、各種判定を行ない、変動表示させるものであってもよい。すなわち、各ランダムカウンタから抽出した値を保留記憶する機能を備えていないものであってもよい。
(3) 前述した実施の形態では、図1に示す弾球遊技機1において、遊技領域7の中央部の向かって左側に第1変動表示部8を、右側に第2変動表示部9を設け、遊技領域7の下方の向かって左側に第1特別図柄表示器81を、右側に第2特別図柄表示器81を設けた例について説明した。しかしながら、これに限らず、第1および第2変動表示部、第1および第2特別図柄表示器の配置は、弾球遊技機1の構成や仕様などに応じて任意に変更可能である。また、第1および第2変動表示部、第1および第2特別図柄表示器は、各々、独立した表示装置として構成される必要はなく、例えば1つの表示装置が有する表示領域を分割して複数の表示領域が形成されるように構成してもよい。
(4) 前述した実施の形態では、基本回路53のCPU56が、特別図柄表示器において特別図柄の変動表示を開始するときに、特図変動パターンを決定し、さらに、特図変動パターンに応じた飾り図柄変動パターンコマンドを表示制御基板80に送信する。そして、表示制御用CPUが、変動表示部において飾り図柄の変動表示を開始するときに受信した飾り図柄変動パターンコマンドから変動パターンを決定し、飾り図柄を表示制御する例について説明した。しかし、これに限らず、始動入賞口14への始動入賞が生じたときに、基本回路53のCPU56が飾り図柄変動パターンコマンドを表示制御基板80に送信するように構成してもよい。
(5) 前述した実施の形態では、保留記憶バッファに記憶されている保留記憶数に関係なく特図変動パターンが決定される例について説明したが、これに限らず、保留記憶バッファに記憶されている保留記憶数が所定数(例えば4個)となっているときに、保留記憶バッファに対応する特別図柄表示器側の変動表示時間を短縮する変動時間短縮状態に制御するように構成してもよい。たとえば、図11のステップS62,S64,S65において、通常時変動パターンテーブルを用いて選択される特図変動パターンの変動表示時間よりも短くなる特図変動パターンが選択される短縮時変動パターンテーブルをROM54に記憶させる。そして、ステップS62,S64,S65において、特図変動パターンを選択する側の保留記憶バッファに記憶されている保留記憶数が所定数となっているときに、短縮時変動パターンテーブルを用いて特図変動パターンを選択し、所定数となっていないときには通常時変動パターンテーブルを用いて特図変動パターンを選択するように構成してもよい。これにより、CPU56の制御負担を増加させることなく、変動表示を円滑に行なうことができ、実行頻度を向上させることができる。なお、変動表示時間を短縮させるときの所定数として上限数を例に説明したが、これに限るものではない。
(6) 前述した実施の形態では、一方の特別図柄表示器において大当り図柄が導出表示される変動表示が行なわれているときであって、他方の特別図柄表示器において新たな変動表示が開始されるときに、第1変動表示部8および第2変動表示部9において特定演出を実行する例について説明したが、これに限らず、たとえば、音声制御基板70の制御によりスピーカ27から出力される音声や、ランプドライバ基板35の制御により各種ランプ(装飾ランプ25等)の点灯または点滅や、さらには可動部材からなる役物の動作等、により特定演出を実行するものであってもよい。また、上記内容を任意に組み合わせて、互いに関連性を有する特定演出を実行するようにしてもよい。
(7) 前述した実施の形態では、所定の始動条件の成立に基づいて各々が識別可能な複数種類の識別情報の変動表示を行なって表示結果を導出表示する複数の変動表示部を備え、前記複数の変動表示部のうちのいずれかの変動表示部に予め定められた特定表示結果が導出表示されたことに基づいて遊技者にとって有利な特定遊技状態に制御する遊技機について説明したが、これに限らず、例えば、1ゲームに対して賭け数を設定することによりゲームを開始させることが可能となり、変動表示部の表示結果が導出表示されることにより1ゲームが終了し、該変動表示部の表示結果に応じて所定の入賞が発生可能であるスロットマシンなどであってもよい。
また、弾球遊技機において表示装置を有するものであれば、例えば、一般電役機、又はパチコンと呼ばれる確率設定機能付き弾球遊技機等であっても構わない。さらには、プリペイドカードによって球貸しを行うCR式弾球遊技機だけではなく、現金によって球貸しを行なう弾球遊技機にも適用可能である。すなわち、LCD等からなる表示装置を有し、識別情報としての図柄を変動表示することが可能な遊技機であれば、どのような形態のものであっても構わない。また、入賞球の検出に応答して所定数の賞球を払い出す払出式遊技機に限定されるものではなく、遊技球を封入し入賞球の検出に応答して得点を付与する封入式遊技機にも適用することができる。
また、弾球遊技機1の動作をシミュレーションするゲーム機などにも適用することができる。前述した実施の形態を実現するためのプログラム及びデータは、コンピュータ装置等に対して、着脱自在の記録媒体により配布・提供される形態に限定されるものではなく、予めコンピュータ装置等の有する記憶装置にプリインストールしておくことで配布される形態を採っても構わない。さらに、本発明を実現するためのプログラム及びデータは、通信処理部を設けておくことにより、通信回線等を介して接続されたネットワーク上の、他の機器からダウンロードすることによって配布する形態を採っても構わない。
そして、ゲームの実行形態も、着脱自在の記録媒体を装着することにより実行するものだけではなく、通信回線等を介してダウンロードしたプログラム及びデータを、内部メモリ等に一旦格納することにより実行可能とする形態、通信回線等を介して接続されたネットワーク上における、他の機器側のハードウェア資源を用いて直接実行する形態としてもよい。さらには、他のコンピュータ装置等とネットワークを介してデータの交換を行なうことによりゲームを実行するような形態とすることもできる。
(8) 前述の実施の形態においては、第1保留記憶数の上限値と、第2保留記憶数の上限値とが同じである例を説明したが、これらの上限値は、同じであっても、異なっていてもよい。また、第1保留記憶数の上限値を、たとえば、第1確変状態のときには、第1確変状態以外のときよりも増加させる等、遊技状態に応じて変化させるように制御してもよい。さらに、第2保留記憶数の上限値を、たとえば、第2確変状態のときには、第2確変状態以外のときよりも増加させる等、第2保留記憶数の上限値を遊技状態に応じて変化させるように制御してもよい。
(9) なお、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなく特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
8 第1変動表示部、9 第2変動表示部、10 第1未処理変動回数表示領域、11 第2未処理変動回数表示領域、31 主基板、53 基本回路、56 CPU、80 表示制御基板、81 第1特別図柄表示器、83 第1保留記憶表示器、91 第2特別図柄表示器、93 第2保留記憶表示器。
Claims (7)
- 所定の始動条件の成立に基づいて各々が識別可能な複数種類の識別情報の変動表示を行なって表示結果を導出表示する複数の変動表示部を備え、前記複数の変動表示部のうちのいずれかの変動表示部に予め定められた特定表示結果が導出表示されたときに遊技者にとって有利な特定遊技状態に制御する遊技機であって、
遊技の進行を制御する遊技制御手段を備え、
該遊技制御手段は、
所定の数値範囲内で数値データを更新する結果判定用数値データ更新手段と、
前記始動条件が成立したことを条件として、前記結果判定用数値データ更新手段から数値データを抽出する数値データ抽出手段と、
前記複数の変動表示部各々に導出表示する表示結果を前記特定表示結果とするか否かを判定する手段であって、前記数値データ抽出手段により数値データが抽出されるごとに、抽出された数値データを用いて、前記複数の変動表示部のうちいずれか1つの変動表示部に導出表示する表示結果を前記特定表示結果とするか否かを判定する事前判定手段と、
前記数値データ抽出手段により抽出され、前記事前判定手段による判定が未だ行なわれていない数値データのうち、前記複数の変動表示部のうち予め定められた第1の変動表示部での変動表示の表示結果の判定に用いられる数値データを、第1の個数を上限値として記憶する第1の数値データ記憶手段と、
前記数値データ抽出手段により抽出され、前記事前判定手段による判定が未だ行なわれていない数値データのうち、前記複数の変動表示部のうち前記第1の変動表示部とは異なる第2の変動表示部での変動表示の表示結果の判定に用いられる数値データを、第2の個数を上限値として記憶する第2の数値データ記憶手段と、
前記始動条件が成立したときに、前記第1の数値データ記憶手段および前記第2の数値データ記憶手段のうちのいずれかを選択して、前記数値データ抽出手段により抽出された数値データを記憶させる選択記憶手段とを含み、
前記第1の数値データ記憶手段に記憶された数値データを用いた前記事前判定手段による判定に基づいて、前記第1の変動表示部において、前記複数種類の識別情報の変動表示を開始した後に表示結果を導出表示する表示制御を行なう第1の表示制御手段と、
前記第2の数値データ記憶手段に記憶された数値データを用いた前記事前判定手段による判定に基づいて、前記第2の変動表示部において、前記複数種類の識別情報の変動表示を開始した後に表示結果を導出表示する表示制御を行なう第2の表示制御手段とをさらに備え、
前記選択記憶手段は、前記第1の数値データ記憶手段に記憶された数値データの個数が前記上限値に達していないときには前記数値データ抽出手段により抽出された数値データを前記第1の数値データ記憶手段に記憶させ、前記第1の数値データ記憶手段に記憶された数値データの個数が前記上限値に達しているときには前記数値データ抽出手段により抽出された数値データを前記第2の数値データ記憶手段に記憶させることを特徴とする、遊技機。 - 前記遊技制御手段は、
前記事前判定手段による判定結果に基づいて前記複数の変動表示部それぞれにおける前記識別情報の変動表示を開始してから表示結果を導出表示するまでの変動表示時間を示す変動表示データを予め定められた複数種類の変動表示データの中から選択する変動表示データ選択手段と、
該変動表示データ選択手段によって選択された変動表示データが示す前記変動表示時間を計測する変動表示時間計測手段と、
該変動表示時間計測手段により計測された前記変動表示時間が経過したか否かを判定する変動表示時間判定手段とをさらに含み、
前記第1および第2の表示制御手段は、前記第1および第2の変動表示部の表示制御を行なうとともに前記変動表示時間判定手段により前記変動表示時間が経過した旨の判定がなされたときに前記識別情報の表示結果を導出表示し、
前記変動表示時間計測手段は、前記第1の変動表示部および前記第2の変動表示部のうちいずれか一方の変動表示部に前記特定表示結果が導出表示され、かつ、他方の変動表示部にて前記識別情報の変動表示が実行されているときに、前記一方の変動表示部にて特定表示結果が導出表示されたことに基づく特定遊技状態が開始された第1の時点で前記他方の変動表示部における変動表示時間の計測を中断し、前記一方の変動表示部にて特定表示結果が導出表示されたことに基づく前記特定遊技状態が終了した第2の時点で変動表示時間の計測を再開する計測中断再開手段を含むことを特徴とする、請求項1に記載の遊技機。 - 前記事前判定手段により表示結果を前記特定表示結果とすると判定された始動条件の成立に基づく変動表示が前記第1の変動表示部および前記第2の変動表示部のうちいずれか一方の変動表示部で行なわれているときであって、他方の変動表示部において前記変動表示が開始されたときに、特定の演出を実行する特定演出実行手段をさらに備えることを特徴とする、請求項1または請求項2に記載の遊技機。
- 前記遊技制御手段は、所定周期毎に遊技の進行を制御する遊技制御処理を実行し、
前記遊技制御処理は、
前記選択記憶手段により前記第1の数値データ記憶手段が選択されたときに、前記結果判定用数値データ更新手段により更新された数値データを抽出する第1の数値データ抽出処理と、
前記選択記憶手段により前記第2の数値データ記憶手段が前記変動表示部選択手段により前記第2の変動表示部が選択されたときに、前記結果判定用数値データ更新手段により更新された数値データを抽出する第2の数値データ抽出処理と、
を含み、
前記結果判定用数値データ更新手段は、前記遊技制御処理において、前記第1の数値データ抽出処理が実行された後前記第2の数値データ抽出処理が実行されるまでに、数値データを更新することを特徴とする、請求項1〜請求項3のいずれかに記載の遊技機。 - 前記複数の変動表示部それぞれに対応して一つずつ設けられており、各々が識別可能な複数種類の装飾識別情報の変動表示を行なって表示結果を導出表示する複数の装飾変動表示部をさらに備え、
該複数の装飾変動表示部は、
前記第1の変動表示部に対応して設けられた第1の装飾変動表示部と、
前記第2の変動表示部に対応して設けられた第2の装飾変動表示部とを含み、
前記遊技制御手段は、
前記第1の変動表示部に設けられた発光体へ駆動信号を出力する制御を行なう第1の変動表示制御手段と、
前記第2の変動表示部に設けられた発光体へ駆動信号を出力する制御を行なう第2の変動表示制御手段と、
前記第1の変動表示部で変動表示を行なうときに、前記第1の装飾変動表示部で変動表示の実行を指示するための第1の変動表示指示信号を送信する第1の制御信号送信手段と、
前記第2の変動表示部で変動表示を行なうときに、前記第2の装飾変動表示部で変動表示の実行を指示するための第2の変動表示指示信号を送信する第2の制御信号送信手段と、をさらに含み、
前記第1の表示制御手段は、
前記遊技制御手段からの前記第1の変動表示指示信号に基づき、前記第1の装飾変動表示部に表示させる表示内容を決定する第1の表示内容決定手段と、
前記第1の装飾変動表示部を制御し、前記第1の表示内容決定手段によって決定された表示内容に従って、装飾識別情報の変動表示を実行する第1の装飾変動表示制御手段と、を含み、
前記第2の表示制御手段は、
前記遊技制御手段からの前記第2の変動表示指示信号に基づき、前記第2の装飾変動表示部に表示させる表示内容を決定する第2の表示内容決定手段と、
前記第2の装飾変動表示部を制御し、前記第2の表示内容決定手段によって決定された表示内容に従って、装飾識別情報の変動表示を実行する第2の装飾変動表示制御手段と、を含むことを特徴とする、請求項1〜請求項4のいずれかに記載の遊技機。 - 前記結果判定用数値データ更新手段は、前記数値データを所定時間毎に更新し、
前記遊技制御手段は、前記複数の変動表示部各々における変動表示の表示結果となる識別情報の決定に用いられる数値データを前記所定時間とは異なる時間であって、その時間が所定時間と互いに素となるように予め定められている特定時間毎に更新する識別情報決定用更新手段をさらに含むことを特徴とする、請求項1〜請求項5のいずれかに記載の遊技機。 - 前記選択記憶手段により前記始動条件の成立に基づき変動表示を行なう前記変動表示部として前記第1の変動表示部と前記第2の変動表示部とのどちらが選択されるかを特定する報知を行なう報知手段をさらに含むことを特徴とする、請求項1〜請求項6のいずれかに記載の遊技機。
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