JP2005298638A - 部品接合方法及び部品接合装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】エネルギー線硬化性接着剤によって部品接合する場合、接着物の硬化収縮による初期ずれ、及び内部応力を低減し、接着物の経時変化(経時ずれ)を少なくする接着方法を提供する。
【解決手段】エネルギー線硬化特性をもつ接着剤にエネルギー線を一部に照射し、当該照射部を走査して接着層全体を硬化させる。接着層全体を硬化させることで、照射部周囲に未硬化部が存在する状態を維持しながら部分的に順次硬化させ、接着剤の硬化収縮分(硬化収縮による体積減少分)が、照射部周囲の流動性のある未硬化接着剤から補充されるので、硬化収縮によって接着剤内部に応力(引っ張り応力)が生じることが抑制される。したがって、接着剤の硬化収縮による接着物の初期ずれが低減されるとともに、接着層内残留応力が自然に徐々に解放されるにつれて生じる接着物の位置ずれ(経時ずれ)が著しく低減される。
【選択図】 図2

Description

この発明は、接着剤による部品の接合方法及び接合装置に関するものであり、接着層の収縮に伴う残留応力を低減して接着される部品(被接着物と接着物)間の接着時の初期ずれ(初期位置ずれ)を防止して初期位置精度を高め、その後の時間の経過にともなって、残留応力の変化によって生じる上記部品間の位置ずれを防止できるものであり、この位置ずれが性能に影響する精密部品、例えば、情報記録装置の光ピックアップの光学部品接着や、液晶プロジェクターの液晶パネル接着などに極めて有効なものである。
一般に部品を接着する接着剤としては、加熱硬化型、嫌気硬化型、光(紫外線、可視光等)硬化型などが代表的なものであり、幾つかの性質を兼ね備えたものもある。その中でも紫外線硬化型樹脂に代表されるエネルギー線硬化型樹脂は、反応速度が速く硬化時間が大幅に短縮されることから、様々な分野で利用されている。
加熱硬化型の場合は、オーブン等で熱を加える工程が必要であるため、工程の高速化の妨げになることや、部品によっては熱を許容できないものも存在するために、光学部品の接着には利用性が悪く、また、嫌気硬化型は硬化プロセスの特徴から制限された接着構造にする必要があるために光学部品の接着には利用性が悪い。
また、エネルギー線硬化型接着剤による場合は、熱的影響がほとんど無く、接着構造についての特別な制限がないことなどから光硬化型が用いられるが、光学部品をはじめとした接着の高速化が必要な部品接合においては殊に紫外線(UV)硬化型が多用されている。
他方、加熱硬化型、嫌気硬化型、光硬化型のいずれであっても、接着剤が硬化するとき、硬化収縮(体積収縮)し、この収縮により内部応力(硬化収縮力)を生じるという問題がある。この硬化収縮は、一般に、アクリル系紫外線硬化性樹脂で5〜10%、エポキシ系紫外線硬化性樹脂で2〜5%程度であり、収縮量が大きいほど硬化収縮力が大きい。この硬化収縮力は接着強度には余り影響しないが、精密組立においては、接着される部品間の高い位置精度が要求されるために、例え微小であっても接着されたものの位置ずれはその組み立て品の性能、品質に大きな影響を与える。すなわち、高精度に位置決めされた状態で接着されても、接着剤の硬化収縮の影響で、調整した部品間位置にずれを生じたり(初期ずれ)、硬化収縮により蓄積された接着剤内部応力が硬化後の温度変化等により開放され、部品の接着位置が経時的に変化を起して、精密組立品の機能を阻害する可能性がある。
従来の技術においては、この初期ずれと経時変化(経時ずれ)の課題に対して、大別して次の4つの方法で対処している。
1つ目の方法は、特開2000−090481号公報や特開平10−309801号公報に記載されているものであり、これは、使用する接着剤を薄く少量とし、硬化収縮量を低減する方法である。しかし、上記特開2000−090481号公報のものは基本的に面接着であり、特殊な接着剤を使用する必要がある。また、上記特開平10−309801号公報のものは接着構造が限定される上、間接接着であるため別部品を必要とし、接着箇所が増えるという不具合がある。
2つ目の方法は、特開2001−350072号公報に記載されているものであり、これは、照射するUV光を制御してばらつきを無くし、硬化収縮の均一性を向上させる方法である。この方法では、接着構造が基本的に面接着に限定されてしまうという問題と、接着剤の塗布むらがある場合には、硬化収縮による位置ずれを回避できない不具合がある。また、ほぼ同時に接着層全体が硬化してしまうため、硬化収縮による内部応力が高く、経時変化(経時ずれ)が起こりやすいという不具合がある。
3つ目の方法は、特開平10−121013号公報、特開平07−201028号公報、特開平05−041408号公報に記載されているものであり、これは、接着剤自体に手を加える方法で、例えば、セラミックス微粒子の添加や充填材添加で接着剤の硬化収縮を小さくする技術や熱収縮樹脂の添加で硬化と収縮の発生タイミングを分離するものである。そして、これらの接着剤の開発が上記課題解決のために盛んに行われている。しかし、この場合は、特殊な接着剤を使用する必要があり、また接着剤量が増えれば比例的に硬化収縮量が増え、内部応力が増え、経時変化が起こりやすいという不具合がある。
4つ目の方法は、特開平09−197105号公報に記載されているものであり、これは、接着剤の硬化収縮に伴う接合層の収縮に追従して接合層の厚みを調整しながら接合し、収縮に起因する応力を低減するものである。しかし、この技術は、硬化収縮する接着剤と収縮しない部品の界面に起きる応力のみを低減できるもので、硬化後の接着剤内部の残留応力を十分低減することができないので、経時変化を防止して高い位置精度を保つことはできない。
特開2000−090481号公報 特開平10−309801号公報 特開2001−350072号公報 特開平10−121013号公報 特開平07−201028号公報 特開平05−041408号公報 特開平09−197105号公報
そこで、本発明は接着物の硬化収縮による初期ずれを低減しつつ、硬化時に蓄積される内部応力を低減し、接着物の経時変化(経時ずれ)を少なくすることができる接着方法、接着装置を工夫することをその課題とするものである。
〔解決手段1〕(請求項1に対応)
上記課題を解決するために講じた手段1は、エネルギー線硬化特性をもつ接着剤によって被接着物に接着物を接着する部品接合方法を前提として、
上記エネルギー線を接着層の一部に照射し、当該照射部を走査して接着層全体を硬化させることである。
〔作用〕
紫外線等のエネルギー線を接着層の一部に照射し、当該照射部を走査して接着層全体を硬化させることで、照射部周囲に未硬化部が存在する状態を維持しながら部分的に順次硬化させ、接着剤の硬化収縮分(硬化収縮による体積減少分)が、照射部周囲の流動性のある未硬化接着剤から補充されるので、硬化収縮によって接着剤内部に応力(引っ張り応力)が生じることが抑制される。したがって、接着剤の硬化収縮による接着物の初期ずれが低減されるとともに、接着層内残留応力が自然に徐々に解放されるにつれて生じる接着物の位置ずれ(経時ずれ)が著しく低減される。
〔実施態様1〕(請求項2に対応)
実施態様1は、上記解決手段1の部品接合方法について、上記接着層中央部に最初にエネルギー線を照射し、その接着層硬化部の外周近傍から順次硬化するように照射部を平面走査することで接着層全体を硬化させることである。
〔作用〕
接着層中央部に最初にエネルギー線を照射し、その接着層硬化部の外周近傍から順次連続硬化するように照射部を平面走査することで、硬化が接着層中央部から外周部に向かって順次進むので、硬化収縮分がその硬化部周囲の未硬化接着剤から補充される。
なお、上記平面走査による硬化部周囲の未硬化部分については、上記硬化分の収縮分をその流動性によって補充できる程度のものであればよいから、これは極めて微小でよい。したがって、この未硬化部分のその後の硬化に伴う応力、残留応力は極めて微小であり、これによる位置ずれ(初期ずれ、経時ずれ)は極めて微小である。
〔実施態様2〕(請求項3に対応)
実施態様2は、上記解決手段1の部品接合方法について、上記エネルギー線を集光してその焦点を接着層内部に最初に合わせて照射し、その接着層硬化部の外周近傍から順次硬化させるように照射部を三次元走査することで接着層全体を硬化させることである。
〔作用〕
エネルギー線を集光し、その焦点を接着層内部に最初に合わせて照射し、その接着層硬化部の外周近傍から順次連続硬化するように照射部を三次元走査することにより、接着層が厚い場合でも、硬化部周囲の未硬化接着剤から硬化収縮分が順次補充され、また、接着層内部から外面側に向かって硬化が順次進むので、硬化収縮分の周囲の未硬化接着剤からの補充作用が、接着剤全体への照射完了まで持続される。
〔実施態様3〕(請求項4に対応)
実施態様3は、上記エネルギー線を複数の方向から照射してその照射部を重ね合わせ、照射の重なり部を三次元で走査することで接着層全体を硬化させることである。
〔作用〕
エネルギー線を複数の方向から照射してその照射部を重ね合わせ、照射の重なり部を三次元で走査することで、エネルギー密度の高い部分を接着層内部に容易に形成することができ、このエネルギー密度の高い部分でエネルギー線照射による硬化が促進される。そして、照射の重なり部を三次元で走査することで、硬化部が三次元で走査されるから、その硬化収縮分の周囲の未硬化接着剤からの補充作用が、接着剤全体への照射が完了するまで持続される。
〔実施態様4〕(請求項5に対応)
実施態様4は、上記解決手段1乃至実施態様3の部品接合方法について、そのエネルギー線の照射部を接着層外周に向かって走査するとき、その走査間隔を開けて間欠照射して未硬化部が接着層外周までつながるように残し、その後、未硬化部分にエネルギー線を照射して接着層全体を硬化させることである。
〔作用〕
接着層外周に向かって照射部を走査するとき、走査間隔を開けて間欠照射して未硬化部が接着層外周までつながるように残し、その後未硬化部分にエネルギー線を照射して接着層全体を硬化させることで、接着剤の硬化収縮に遅れがある場合でも照射部の近くに流動可能な未硬化部分が残るから、硬化収縮分が周囲の未硬化接着剤から補充される。
未硬化部が接着層外周まで繋がっているので、未硬化部が硬化収縮するときその内部に応力が生じることが可及的に抑制される。
〔実施態様5〕(請求項6に対応)
実施態様5は、上記解決手段1乃至実施態様4の部品接合方法について、照射部を接着層外周に向かって走査するとき、その走査間隔を開けて放射状に走査することで、未硬化部が接着層外周までつながるように残し、その後、未硬化部分にエネルギー線を照射して接着層全体を硬化させることである。
〔作用〕
接着層外周に向かって照射部を走査するとき、走査間隔を開けて放射状に走査することで未硬化部が接着層外周までつながるように残し、その後、未硬化部分にエネルギー線を照射して接着層全体を硬化させることで、接着剤の硬化収縮に反応の遅れがある場合でも照射部の周囲に未硬化部分が残るから、硬化収縮分が周囲の未硬化接着剤から補充される。
〔実施態様6〕(請求項7に対応)
実施態様6は、上記解決手段1乃至実施態様5の部品接合方法について、その光エネルギー線の照射部を接着層中央部から外周に向かって走査するとき、高速で間欠照射して未硬化部を分散させ、その後、未硬化部分にエネルギー線を照射して接着層全体を硬化させることである。
〔作用〕
接着層中央部から外周に向かって照射部を走査するとき、高速で間欠照射して未硬化部を分散させ、その後、未硬化部分にエネルギー線を照射して接着層全体を硬化することにより、接着剤の硬化収縮に反応の遅れがある場合でも照射部の周囲に未硬化部分が分散しているので、硬化収縮分が周囲の未硬化接着剤から補充される。
〔実施態様7〕(請求項8に対応)
実施態様7は、上記解決手段1乃至実施態様6の部品接合方法について、複数の照射部を走査して接着層を硬化させるとき、接着物中心に対して対称となる位置を同時に照射走査することによって、接着層全体を硬化させることである。
〔作用〕
複数の照射部を走査して接着層を硬化する場合、接着物中心に対して対称となる位置を同時に照射走査して接着層全体を硬化させることで、硬化収縮による内部応力が抑制される他、硬化収縮力が相殺され、接着物中心にして全体としてバランス(均衡)するので、硬化収縮力による接着物のずれが著しく低減される。
〔実施態様8〕(請求項9に対応)
実施態様8は、上記解決手段1乃至実施態様7の部品接合方法について、その接着剤と接着物及び/又被接着物が接する部分以外の接着剤にエネルギー線を最初に照射し、接着剤と接着物及び/又被接着物が接する部分の接着剤を硬化させることである。
〔作用〕
接着剤と接着物及び/又被接着物が接する部分以外の接着剤にエネルギー線を最初に照射し、接着剤と接着物及び/又被接着物が接する部分の接着剤を硬化させることで、硬化収縮による内部応力が抑制される他、接着剤の硬化収縮力が未硬化層で吸収されて接着物と被接着物間に作用することなしに接着層の大部分が硬化させられるので、接着物の初期ずれが低減される。
〔実施態様9〕(請求項10に対応)
実施態様9は、解決手段1乃至実施態様8の部品接合方法について、接着物と被接着物が直接接している場合、接着剤と被接着物と接着剤との交線から先にエネルギー線を照射して硬化させ、その後、接着層中央部から外周に向かって照射部を走査することである。
〔作用〕
接着物と被接着物が直接接している場合、接着剤と被接着物と接着剤の交線部分から先にエネルギー線を照射して硬化させ、その後、接着層中央部から外周に向かって照射部を走査することにより、接着剤と被接着物と接着剤の交線部分で接着物が仮固定され、このように仮固定された状態で他の部分の硬化が進む。そしてまた、硬化収縮分がその周囲の未硬化接着剤から補充されながら順次硬化される。
したがって、硬化当初の部品の位置ずれが回避され、また、硬化後の接着物の経時ずれも低減される。
〔実施態様10〕(請求項11に対応)
実施態様10は、解決手段1乃至実施態様9の部品接合方法について、エネルギー線の走査の後に接着層全体にエネルギー線を均一照射して、接着剤を完全硬化させることである。
〔作用〕
エネルギー線の走査の後に接着層全体にエネルギー線を均一照射して、接着剤を完全硬化させることで、エネルギー線の走査漏れによる未硬化部分が残存することはなく、したがって、残存した未硬化接着剤の接着後の硬化反応による接着物の経時ずれが著しく抑制される。
なお、上記の接着層全体に対するエネルギー線の均一照射は、走査による一次的照射がなされた後残された未硬化部分を硬化させるために行う二次的照射であり、この二次的照射により硬化される接着層の体積は一次的照射による硬化体積に比べ少ないので、それに伴う内部応力、残留応力は小さく、したがって、これによる初期ずれ、経時ずれは極めて微小である。
〔解決手段2〕(請求項12に対応)
上記課題解決のために講じた手段2は、エネルギー線硬化特性をもつ接着剤によって被接着物に接着物を接着する部品接合装置を前提として、
上記接着層の一部にエネルギー線を照射する照射手段と、その照射部を走査する走査手段を備えていることである。
〔作用〕
接着層の一部にエネルギー線を照射する照射手段と、照射部を走査する走査手段を備え、照射手段によるエネルギー線を接着層に局部的に照射して接着硬化させ、この照射部を上記走査手段で走査する。これにより局部的に接着硬化が促進され、この接着硬化範囲が順次に拡大されて接着層全体に及ぼされる。このようにして、解決手段1の部品接合方法を実行することができる。
〔実施態様1〕(請求項13に対応)
この実施態様1は、解決手段2の部品接合装置について、そのエネルギー線を接着層内部に集光して照射する集光照射手段と、照射部を三次元走査する三次元走査手段を備えていることである。
〔作用〕
エネルギー線を接着層内部に集光して照射する集光照射手段と、照射部を三次元走査する三次元走査手段を備えていることにより、集光照射手段によって集光照射された位置において接着層の接着硬化作用を進行させ、三次元走査手段によって、集光照射される位置を接着層内において三次元的に走査する。これにより、接着硬化範囲が接着層の内部において順次三次元方向に拡大されて接着層全体に及ぼされる。このようにして、解決手段1の実施態様2の部品接合方法を容易に実行することができる。
〔実施態様2〕(請求項14に対応)
この実施態様2は、上記実施態様1の部品接合装置について、そのエネルギー線を複数の方向から交差させるように照射する照射手段と、各エネルギー線を走査する複数の走査手段を備え、照射の重なり部を三次元走査する操作手段を備えていることである。
〔作用〕
エネルギー線を複数の方向から照射する複数の照射手段と、各照射手段を三次元走査する複数の走査手段を備え、複数のエネルギー線を重ね合わせるように走査することで、解決手段1の実施態様3の部品接合方法を容易に実行することができる。
〔実施態様3〕(請求項15に対応)
この実施態様3は、解決手段2乃至上記実施態様2の部品接合装置について、エネルギー線の照射を高速でON、OFFする遮光手段及びその制御手段を備えていることである。
〔作用〕
エネルギー線の照射をON、OFFする遮光手段を備えることで、走査途中で接着層外周までつながるように未硬化部を残し、接着剤の硬化収縮に遅れが有る場合でも、照射部の近くに流動可能な未硬化部分を残すことができる。これにより、解決手段1の実施態様4の部品接合方法を実行することができる。
〔実施態様4〕(請求項16に対応)
この実施態様4は、解決手段1乃至上記実施態様3の部品接合装置について、その接着層位置、被接着物位置、接着物位置を認識する認識手段を備え、接着層位置、被接着物位置、接着物位置に応じた最適走査パターンを選択する選択手段を備えていることである。
〔作用〕
接着層位置、被接着物位置、接着物位置を認識する認識手段を備え、接着剤の塗布範囲、塗布形状のばらつきに関わらず、最適な走査パターンを設定できる。
〔実施態様5〕(請求項17に対応)
実施態様5は、解決手段5乃至上記実施態様4の部品接合装置について、そのエネルギー線照射部を走査して後、接着層全体にエネルギー線を照射する照射手段を備えていることである。
〔作用〕
エネルギー線照射部を接着層に走査して後、接着層全体にエネルギー線を照射する照射手段を備えているので、エネルギー線の走査漏れによる未硬化部分の残留がなくなり、未硬化接着剤の接着後の反応による接着物の経時ずれの発生をより一層防止することができる。
本発明の効果を各請求項毎に整理すれば次のとおりである。
(1)請求項1に係る発明
エネルギー線を接着層の一部に照射し当該照射部を走査して、接着層全体を硬化させることで、接着剤の硬化収縮による体積不足分が照射部周囲の未硬化接着剤から補充されるので、硬化時の接着層内応力を緩和して硬化収縮による接着物の当初の位置ずれを低減することができる。また、硬化時の接着層内応力の緩和により接着層内残留応力が低減され、残留応力の経時変化に伴う接着物のその後の経時ずれを防止することができる。
(2)請求項2に係る発明
接着層中央部に最初にエネルギー線を照射しその接着層硬化部の外周近傍から順次硬化させるように照射部を平面走査することで、接着層中央部から外方に向かって硬化が順次進み、硬化収縮による体積不足分がその周囲(平面視における周囲)の未硬化接着剤から補充される。エネルギー線の照射部の走査が平面走査であるから、その走査制御が極めて単純であり、接着層が薄くて平面的な部品接合に特に適している。
(3)請求項3に係る発明
エネルギー線を集光した焦点を接着層内部に最初に合わせて照射し、その接着層硬化部の外周近傍から順次硬化させるように照射部を三次元走査することで、接着層内部から硬化が三次元的に順次進められ、硬化収縮分がその硬化部周囲(空間的な周囲)の未硬化接着剤から補充されるので、接着層が厚い充填接着(図5の接着形態)や肉盛り接着(図6の接着形態)の場合でも、深さ方向の接着剤内の応力発生が緩和され、接着層内残留応力が低減される。
(4)請求項4に係る発明
エネルギー線を複数の方向から照射し、その照射部を重ね合わせ、照射の重なり部を三次元で走査することで容易にエネルギー密度の高い部分を接着層内部に作ることができる。したがって、接着層内部が部分的、集中的に硬化され、この集中照射部分が三次元的に走査されるので、請求項1に係る発明の効果を一層顕著に実現することができる。
(5)請求項5に係る発明
接着層外周に向かって照射部を走査する際に、走査間隔を開けて間欠照射して未硬化部が接着層外周までつながるように残し、その後未硬化部分にエネルギー線を照射して接着層全体を硬化させることで、接着剤の硬化収縮に遅れが有る場合でも照射部の近くに流動可能な未硬化部分を必ず残しながら順次硬化させることができ、これにより、請求項1乃至請求項4に係る発明の効果を一層顕著に実現することができる。
(6)請求項6に係る発明
接着層外周に向かって照射部を走査する際に、走査間隔を開けて放射状に走査することで、未硬化部が接着層外周までつながるように残し、その後未硬化部分にエネルギー線を照射して接着層全体を硬化させることにより、接着剤の硬化収縮に反応の遅れが有る場合でも照射部の周囲に未硬化部分を必ず残しながら順次硬化させることができ、これにより、請求項1乃至請求項5に係る発明の効果を一層顕著に実現することができる。
(7)請求項7に係る発明
接着層中央部から外周に向かって照射部を走査するとき、高速で間欠照射して未硬化部を分散させ、その後未硬化部分にもエネルギー線を照射して接着層全体を硬化させることにより、接着剤の硬化収縮に反応の遅れが有る場合についても、上記間欠照射部の周囲に未硬化部分を残しながら順次硬化させることができ、これにより、請求項1乃至請求項6に係る発明の効果を一層顕著に実現することができる。
(8)請求項8に係る発明
複数の照射部を走査して接着層を硬化させる場合、接着物中心に対して対称となる位置を同時に照射走査することで、中心対称の位置で同時に硬化が進行し、収縮力が互いに反対方向に作用して、硬化収縮が中心対称で均衡する。したがって、請求項1乃至請求項7に係る発明の効果を一層顕著に実現することができ、硬化収縮による接着物の位置ずれが一層顕著に低減される。
(9)請求項9に係る発明
接着剤と接着物及び/又被接着物が接する部分以外の接着剤にエネルギー線を最初に照射し、接着剤と接着物及び/又被接着物が接する部分の接着剤を硬化させることで、接着剤と接着物及び/又被接着物が接する部分が最後まで未硬化層として残るので、接着剤の硬化収縮力がこの未硬化層で接着物及び/又被接着物に対して遮断されて接着物と被接着物間に作用しないままで接着層の大部分が硬化することになる。したがって、請求項1乃至請求項8に係る発明の効果を一層顕著に実現することができ、硬化収縮による接着物のずれが一層顕著に低減される。
(10)請求項10に係る発明
接着物と被接着物が直接接している場合、接着剤と被接着物と接着剤の交線から先にエネルギー線を走査して硬化させ、その後接着層中央部から外周に向かって照射部を走査することにより、照射工程の初期において接着剤と被接着物と接着剤の交線部分の少ない硬化量により接着物が仮固定される。このように仮固定された状態で接着層全体についての硬化が順次進行するので、請求項1乃至請求項9に係る発明の効果を一層顕著に実現することができ、接着当初の上記位置ずれが一層確実に低減される。
(11)請求項11に係る発明
エネルギー線の走査の後に接着層全体にエネルギー線を均一照射して、接着剤を完全硬化させることで、エネルギー線の走査漏れによる未硬化部分の残留がなくなる。したがって、請求項1乃至請求項10に係る発明の効果を一層顕著に実現することができ、未硬化接着剤の接着後の硬化反応の進行に伴う接着物の経時ずれの発生を一層顕著に低減することができる。
(12)請求項12に係る発明
接着層の一部にエネルギー線を照射する照射手段と、照射部を走査する走査手段を部品接合装置に備えることによって、請求項1に係る発明の部品接合方法を容易に実施することができる。
(13)請求項13に係る発明
エネルギー線を接着層内部に集光して照射する集光照射手段と、照射部を三次元走査する三次元走査手段を部品接合装置に備えることによって、請求項3に係る発明の部品接合方法を容易に実施することができ、これにより、接着層の厚さが厚い場合でも、接着剤の硬化収縮による接着物の位置ずれを効果的に低減し、硬化時の接着層内部の応力を緩和し、硬化後の接着物の経時ずれを著しく低減することができる。
(14)請求項14に係る発明
エネルギー線を複数の方向から交差させるように照射する複数の照射手段と、各照射手段を三次元走査する複数の走査手段を部品接合装置に備えることによって、請求項4に係る発明の部品接合方法を容易に実施することができる。
(15)請求項15に係る発明
エネルギー線の照射を高速でON・OFFする遮光手段を部品接合装置に備えることによって、簡単容易に請求項5に係る発明の部品接合方法を容易に実施することができる。
(16)請求項16に係る発明
接着層位置、被接着物位置、接着物位置を認識する認識手段を備えることにより、接着剤の塗布範囲、塗布形状がばらついても、請求項1乃至請求項11に係る発明の部品接合方法を実施するのに適切な走査パターンを設定して、その部品接合方法を適切に実施することができる。
(17)請求項17に係る発明
エネルギー線を接着層全体に一斉に照射する照射手段を部品接合装置に備えることによって、エネルギー線照射部を接着層に走査して後、引き続いてエネルギー線を接着層全体に一斉に照射することができるから、請求項11に係る発明の接合方法を簡単容易に実施することができる。
(18)請求項18、請求項19に係る発明
エネルギー線が接着層の一部に照射され、当該照射部が走査されて接着層全体が順次硬化され、硬化収縮分が回りの未硬化接着剤から補充されつつ順次硬化して接着層全体で接着された接合部品であるから、接着当初の位置ずれが極めて小さく、残留応力の経時変化にともなう経時ずれがほとんどなくて、極めて高い位置精度が長期間変わらない。したがって、接合位置精度の狂いによって部品品質が低下することがない。
(19)請求項20に係る発明
接着層外周に向かって照射部を走査する際に、走査間隔を開けて間欠照射して未硬化部が接着層外周までつながるように残し、その後、未硬化部分にエネルギー線を照射して接着層全体が硬化され、硬化収縮分が回りの未硬化接着剤から補充されつつ順次硬化して接着層全体で接着された接合部品であるから、硬化収縮に遅れが有る接着剤によるものであっても、接着当初の位置ずれが極めて小さく、残留応力の経時変化にともなう経時ずれがほとんどなくて、極めて高い位置精度が長期間変わらず、したがって、接合位置精度の狂いによる部品品質の低下はない。
例えば、情報記録装置の光ピックアップを構成する部品であるハウジング(材質:アルミ)とサイズ10mm×10mm×10mm程度の光学プリズムを重ね合わせてUV硬化型接着剤で接合する場合、接着剤を2部材の界面に厚さ20〜30μmで塗布し、これにUV(紫外線)光を照射して接着するとき、接着剤の厚さが厳格に均一で、照射も厳格に全面均一であっても、ハウジングと光学プリズムとが接着当初において最悪でも5μm程度の位置ずれ(初期位置ずれ)が見られ、また、その後、最悪でも2〜3μm程度の経時位置ずれが見られる。
UV硬化型接着剤で接着して上記情報記録装置の光ピックアップを製作する場合にこの発明を適用した例等の実施例を説明する。
本発明の実施例の接合装置を図1を参照しながら説明する。
実施例の接合装置は、被接着物把持手段12で把持された被接着物(実施例1では上記ハウジング)1と、接着物把持手段13で把持された接着物(実施例1では上記光学プリズム)2と、それの被接着物に対する位置を、接着物位置認識手段9で光学的に認識し、被接着物上の接着目標位置に位置調整する接着物調整手段11と、位置調整前または後に被接着物と接着物の接合面にエネルギー線硬化型接着剤を塗布する塗布手段(図示略)を有している。なお、図1は接着物、被接着物の位置調整、エネルギー線硬化型接着剤の塗布(接着層3の厚さは、上記と同様の20〜30μm)が終わった状態を示している。
この状態で、UV硬化型接着剤に紫外線(UV)を照射して接着剤を硬化させて被接着物1と接着物2を接合する。
紫外線照射装置は、紫外線(エネルギー線)を接着層に照射する照射手段6と、照射される紫外線をXY方向(水平二次元方向)に走査する走査手段7を備えており、照射手段6からの紫外線が遮光手段10を経て接着物(光学プリズム)2の一部に照射され、これが接着物(光学プリズム)2を透過して接着層3に照射される。接着層3への上記紫外線の照射位置は、接着層3の中心部から外側に広がるように走査手段7によって走査される。この例における走査経路は図2(a)に示すとおりであり、この渦巻き経路上の(1)〜(8)(図2(b))に示すように多数部分で紫外線が照射される(上記(1)〜(8)の各部分は模式的な表示であり、実際には照射範囲は直径0.2〜0.3mmの円形であり、各部分の中心間間隔を0.2〜0.3mmにして走査する)。
走査中における照射は通常の連続照射であるが、コンピュータで遮光手段10をON・OFF制御して走査線上に未硬化層を残しながら走査してもよい。
なお、上記遮光手段10は電磁駆動によるシャッターであるが、回転式シャッターや液晶シャッター等の遮光手段を用いることができる。制御が容易、遮光時間の変更が容易等の利点があることから、実施例1は電磁駆動によるシャッターを用いている。
各照射位置では、紫外線を照射された部分のみで硬化反応が起こり、その周囲の接着剤は未硬化の状態で流動性が保たれているので、図2(b)に模式的に示すように、硬化収縮をしている接着剤へ向かってその周囲の未硬化部分から、未硬化接着剤が引き込まれ、これによって硬化収縮分が補充される。このような補充作用は全ての各照射部分においてなされ、照射部は最終的に接着層の外周部に達し、この外周部における硬化では、収縮分を補充する未硬化部分は隣接していないが、収縮に対する抵抗はないので、内部応力は発生しない。したがって、接着層全域において、硬化収縮に伴って強い応力が生じることはなく、また強い内部応力が残留することもない。
上記の平面走査する紫外線走査手段7は、遮光手段10が装着されている照射ヘッド71をXYステージ72でXY方向に移動させて照射位置5をXY方向に走査するものである(図3)。他にモータmで駆動されるガルバノミラー7a,7bで光軸をXY方向に偏向させて走査するもの(図4)を用いることもできる。
接着層が厚い場合についての実施例2を説明する(図5)。
照射ヘッド71aに集光レンズ、集光ミラー等で構成した集光手段を設け、これをXYステージ72に支持させている。また、照射ヘッド71aはZ軸(縦軸)方向に移動するものであり、接着層に対する焦点位置(照射位置)5を上下方向に走査させることができる。これにより、XYZ方向に走査させることができる。
最初に紫外線の焦点位置5を接着層内部位置に合わせて当該内部位置を照射し、接着層硬化部の外周近傍から順次硬化させるように照射部を三次元走査する。これにより、硬化部の外周近傍に常に未硬化部が存在する状態を保ちながら、順次硬化させる。
三次元走査する方法としては、集光手段を備えた照射ヘッド71aで紫外線を接着層に照射し、焦点をXYZαβステージでXYZαβ方向(4aは主走査方向、4bは副走査方向)に走査するようにすることもできる(図5)。これによれば、XYZ方向での走査に加えてαβ方向にも走査する(αβ方向への光軸の回転)ことによって、XYZ方向への走査では当てられない部分(例えば隅)がある場合でも、この部分にも確実に照射光を当てることができる。
次に、肉盛り接着を行う実施例3を説明する(図6)。
盛り肉接着(角部に盛られた接着剤による接着)など、不均一な接着層による場合は、例えば、照射手段6−1〜6−8によってX方向とZ方向との複数の方向から紫外線を照射してその照射部を重ね合わせ、照射の重なり部を三次元で走査する。すなわち、縦方向の照射手段によって接着剤3aを局部的に照射しつつ走査手段によって水平面内においてXY方向に走査し、横方向の照射手段によって微小厚さの水平平面光で接着剤3aの全幅に照射しつつ走査手段によってこれをZ方向(垂直方向)に走査することで、両照射光が交差する部分が、接着剤内部で三次元的に走査されるようにしている。
次に、実施例4について説明する(図7)。
ところで、紫外線が照射されてからの粘度上昇に対して硬化収縮が発生するまでの遅れが大きい接着剤の場合、照射部の周囲にエネルギー線が照射されるまでに充分硬化収縮が発生しておらず、周りの接着層の流動性が低下してから硬化収縮が発生し内部応力が蓄積してしまうという問題がある。このような場合には、紫外線の照射をON・OFFする遮光手段10を設け(図1参照)、接着層外周に向かって照射部を走査する際に、走査間隔を開けて間欠照射して未硬化部が接着層外周までつながるように残す(図7(a))ことによって、接着剤の反応に遅れがあり硬化収縮の発生が遅い場合でも走査速度を遅くせずに、エネルギー線照射部の近くに未硬化部分を介在させることができる。そして、未硬化部が接着層外周までつながるように配置することで、未硬化部分が隔離されず、硬化収縮分への未硬化部分からの補充がスムーズに行われる。走査間隔を開けて放射状に走査することで、未硬化部が接着層外周までつながるように残すことにより同じ効果が得られる(図7(b))。また、遮光手段を高速でON、OFFさせて間欠照射して未硬化部を分散させる(図7(c))ようにすることで、同様の結果が得られる。
次いで、接着時の位置ずれ(初期ずれ)防止に特に有効な実施例を説明する(図8)。
複数の照射部を走査して接着層を硬化させる場合、接着物中心に対して対称となる位置を同時に照射走査する。このようにすると、接着物に矢印方向の硬化収縮力が働いても、その硬化収縮力はその方向が反対方向で、互いに相殺されてバランスするので、硬化収縮による接着物の初期ずれが低減される。
なお、接着物中心に対して対称で、同時に照射される照射部分の対は、一つでなければならない理由はなく、2組、3組を同時に照射するようにすることもできる。
更に、接着剤の充填、肉盛りによる接着物の初期ずれを防止する接着法の例を図9−1、図9−2に示している。
図9−1の例は被接着物1と一辺が20mm×厚さ5mm程度の四角な接着物2との間の幅2〜3mmの隙間に接着剤3aを厚さ3〜5mmで充填する充填接着である。接着剤3aと接着物2及び/又被接着物1が接する部分以外の接着剤3aにエネルギー線を最初に走査して照射し、これによって接着剤3aと接着物2及び/又被接着物1が接する部分の接着剤を最後に硬化させる(硬化部分4c参照)ことで、接着剤の硬化収縮による収縮力が、接着剤硬化の最終段階まで未硬化部分(流動層)によって吸収されて、接着物2あるいは被接着物1に作用することが回避されるので、初期ずれが低減される。
また、図9−2の例は、被接着物1と一辺が20mm×厚さ5mmの四角な接着物2との間の角部に高さ3〜5mmに肉盛りされた接着剤3aによる肉盛り接着である。このように、接着物2と被接着物1が直接接している接着形態では、接着物2、被接着物1と接着剤3aの交線から先に紫外線線を走査し、その部分を硬化させる(硬化部分4c参照)ことで、この交線における当初接着で接着物が被接着物に仮止めされるから、この仮止め固定作用により初期ずれが一層低減される。
また、例えば、CCDカメラで撮影した画像から接合装置に接着層位置、被接着物位置、接着物位置を認識する認識手段(図1における接着剤位置、接着物位置認識手段9)を備え、これによって、接着物位置とともに接着剤のエッジを検出して塗布形状を自動的に認識することで、接着剤の塗布状態(塗布位置、塗布形状)がばらつく場合でも、走査開始位置、走査範囲、走査パターンを最適な状態に決定し、最適走査パターンで走査することができる。
例えば、図1の接着形態では、接着剤のエッジを検出し、その囲まれる領域の重心位置を求め、その重心位置に紫外線の照射、予め決めておいた走査ピッチに基づき順次走査を行い、走査が接着剤のエッジで囲まれた領域を完全に越えたときに照射及び走査を終了するようにすればよい。
さらに、紫外線照射部を接着層全体に走査して後、接着層全体にエネルギー線を均一照射する照射手段、例えば照射光の拡散手段によって、紫外線の接着層全面に均一照射することで、走査による照射もれのために未硬化部分が残存していても、最終的に全ての接着剤を硬化させることができるので、未硬化接着剤の残存による接着後の接着硬化反応による経時ずれの発生を防止することができる。
なお、この均一照射は、走査による一次的照射がなされた後残された未硬化部分を硬化させるために行う二次的照射であり、この二次的照射により硬化される接着層の体積は一次的照射による硬化体積に比べて少ないので、これに伴う内部応力、残留応力は小さく、その位置ずれ、経時ずれへの影響は微小である。
は、実施例の全体図である。 (a)は、実施例1による照射部の走査経路の一例を模式的に示す斜視図であり、(b)は、接着層内の接着剤の動きを模式的に示す平面図である。 は、実施例1における走査手段の一例を示す斜視図である。 は、実施例1における走査手段の他の一例を示す斜視図である。 (a)は、実施例2の主要部を示す斜視図であり、(b)は実施例2における副走査方向を示す一部拡大断面図である。 (a)は、実施例3の主要部を示す斜視図であり、(b)は実施例3における照射位置を示す一部拡大断面図である。 (a)は、走査間隔を開けて間欠照射する照射パターンの1例を模式的に示す平面図であり、(b)は他の照射パターンの例を示す模式図であり、(c)はさらに他の照射パターンの例を示す模式図である。 (a)は、硬化収縮力を相殺させて均衡させるものの平面接着における照射パターンの一例を示す模式図であり、(b)は盛り肉接着における照射パターンの一例を示す模式図である。 は、充填接着についての実施例6を模式的に示す断面図である。 は、盛り肉接着についての実施例6を模式的に示す断面図である。
符号の説明
1:被接着物
2:接着物
3:接着層
3a:接着剤
4:走査パターン
4a:主走査方向
4b:副走査方向
4c:硬化部分
4d:未硬化部分
5:紫外線(エネルギー線)照射位置
6:紫外線照射手段
7:紫外線走査手段
9:接着剤位置,接着物位置認識手段
10:紫外線遮光手段
11:接着物調整手段
12:被接着物把持手段
13:接着物把持手段
71,71a:照射ヘッド
72:XYステージ

Claims (20)

  1. エネルギー線を接着層の一部に照射し、当該照射部を走査して接着層全体を順次硬化させることを特徴とする部品接合方法。
  2. 請求項1の部品接合方法において、接着層中央部に最初にエネルギー線を照射し、その接着層硬化部の外周近傍から順次硬化するように照射部を平面走査することを特徴とする部品接合方法。
  3. 請求項1の部品接合方法において、エネルギー線を集光してその焦点を接着層内部に最初に合わせて照射し、その接着層硬化部の外周近傍から順次硬化するように照射部を三次元走査することで接着層全体を硬化させることを特徴とする部品接合方法。
  4. 請求項1の部品接合方法において、エネルギー線を複数の方向から照射してその照射部を重ね合わせ、照射の重なり部を三次元で走査することで接着層全体を硬化させることを特徴とする部品接合方法。
  5. 請求項1乃至請求項4の部品接合方法において、接着層外周に向かって照射部を走査するとき、走査間隔を開けて間欠照射して未硬化部が接着層外周までつながるように残し、その後、未硬化部分にエネルギー線を照射して接着層全体を硬化させることを特徴とする部品接合方法。
  6. 請求項1乃至請求項5の部品接合方法において、接着層外周に向かって照射部を走査するとき、走査間隔を開けて放射状に走査することで、未硬化部が接着層外周までつながるように残し、その後、未硬化部分にエネルギー線を照射して接着層全体を硬化させることを特徴とする部品接合方法。
  7. 請求項1乃至請求項6の部品接合方法において、接着層中央部から外周に向かって照射部を走査するとき、照射を高速で間欠照射して未硬化部を分散させ、その後、未硬化部分にエネルギー線を照射して接着層全体を硬化させることを特徴とする部品接合方法。
  8. 請求項1乃至請求項7の部品接合方法において、複数の照射部を走査して接着層を硬化させるとき、接着物中心に対して対称となる位置を同時に照射走査することによって、接着層全体を硬化させることを特徴とする部品接合方法。
  9. 請求項1乃至請求項8の部品接合方法において、接着剤と接着物及び/又被接着物が接する部分以外の接着剤にエネルギー線を最初に照射し、接着剤と接着物及び/又被接着物が接する部分の接着剤を硬化させることを特徴とする部品接合方法。
  10. 請求項1乃至請求項9の部品接合方法において、接着物と被接着物が直接接している場合、接着剤と被接着物と接着剤の交線から先にエネルギー線を照射して硬化させ、その後、接着層中央部から外周に向かって照射部を走査することを特徴とする部品接合方法。
  11. 請求項1乃至請求項10の部品接合方法において、エネルギー線の走査の後に接着層全体にエネルギー線を均一照射して、接着剤を完全硬化させることを特徴とする部品接合方法。
  12. 接着層の一部にエネルギー線を照射する照射手段と、照射部を走査する走査手段を備えていることを特徴とする部品接合装置。
  13. 請求項12の部品接合装置において、エネルギー線を接着層内部に集光して照射する集光照射手段と、照射部を三次元走査する三次元走査手段を備えていることを特徴とする部品接合装置。
  14. 請求項13の部品接合装置において、エネルギー線を複数の方向から交差させるように照射する照射手段と、各エネルギー線を走査する複数の走査手段を備え、当該走査手段によって上記照射の重なり部を三次元走査することを特徴とする部品接合装置。
  15. 請求項12乃至請求項14の部品接合装置において、エネルギー線の照射を高速でON・OFFする遮光手段を備えていることを特徴とする部品接合装置。
  16. 請求項12乃至請求項15の部品接合装置において、接着層位置、被接着物位置、接着物位置を認識する認識手段を備え、接着層位置、被接着物位置、接着物位置に応じた最適走査パターンを選択する選択手段を備えていることを特徴とする部品接合装置。
  17. 請求項12乃至請求項16の部品接合装置において、エネルギー線照射部を走査して後、接着層全体にエネルギー線を照射する照射手段を備えていることを特徴とする部品接合装置。
  18. エネルギー線硬化特性をもつ接着剤を用いて、被接着物に接着物を接着した接合部品において、
    エネルギー線を接着層の一部に照射し、その照射部を走査して順次接着層を硬化させる走査パターンによって硬化させた接着層を有することを特徴とする接合部品。
  19. 請求項18の接合部品において、上記接着層内部から外周に向かって順次エネルギー線が走査されている走査パターンによって硬化させた接着層を有することを特徴とする接合部品。
  20. 請求項18又は請求項19の接合部品において、走査間隔を開けて間欠照射して未硬化部が接着層外周までつながるように残し、その後未硬化部分にエネルギー線を照射して接着層全体を硬化させた接着層を有することを特徴とする接合部品。
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