JP2010013582A - 接合組立品の製造方法および接合組立品の製造装置 - Google Patents

接合組立品の製造方法および接合組立品の製造装置 Download PDF

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Abstract

【課題】接着部材および被接着部材の歪を抑制し、接合強度を確保することのできる接合組立品の製造方法を提供する。
【解決手段】接着材10と被接着部材20との間に連鎖反応型の接着剤4を配置する接着剤配置工程と、接着材10の第1接合部A1と被接着部材20の第1被接合部B1との両端部同士を固定する第1固定工程と、この第1接合部A1と第1被接合部B1とに配置された接着剤4を硬化させる第1硬化工程と、接着材10の第2接合部A2と被接着部材20の第2被接合部B2との略中央部同士を第2固定手段32で固定する第2固定工程と、第2固定手段32により第2接合部A2と第2被接合部B2とに配置された接着剤4にエネルギーを付与してこの接着剤4を硬化させる第2硬化工程とを実施する。
【選択図】図14

Description

本発明は、車体を構成する板金部材どうし等が接合された接合組立品の製造方法および接合組立品の製造装置に関する。
従来、車体を構成する板金部材どうしを接合する手段等として、スポット溶接やレーザ溶接等の溶接技術、あるいは接着剤による接着方法が採用されている。
特に、近年では、特許文献1に開示されているように、外部から一部に付与されたエネルギーによって内部エネルギーを自己発生させつつ硬化する接着剤であって、この内部エネルギーが発生した部位に隣接する部分がこの内部エネルギーを受けてさらに内部エネルギーを自己発生させつつ硬化反応を起こすことにより連鎖的に硬化していく連鎖反応型の接着剤を用いる接着方法が注目されている。この接着剤を用いる方法では、接着部材とこの接着部材に接合される被接着部材との間に接着剤を介在させて、この接着剤の所定箇所にエネルギーを付与することで、接着剤を順次硬化させていく。
特開平11−193322号公報
前記連鎖反応型の接着剤を用いる方法では、接着剤を順次硬化させており接着場所によって接着剤の硬化時期が異なることで、接着剤の硬化収縮に伴い接着部材および被接着部材が歪む場合がある。そして、この歪が大きいと、接合強度および接合精度が十分に得られなくなるという問題がある。
本発明は、前記のような事情に鑑みてなされたものであり、接着部材および被接着部材の歪を抑制し、接合強度を確保することのできる接合組立品の製造方法および接合組立品の製造装置を提供する。
前記課題を解決するために本発明は、接着部材の接合部と被接着部材の接合部との間に接着剤を介在させ、前記接着剤の硬化によって前記接着部材と前記被接着部材とを接合する接合組立品の製造方法であって、前記接着部材の接合部は、特定の方向に沿って互いに離間する複数の第1接合部と、当該第1接合部間に位置する第2接合部とを有し、前記被接着部材の接合部は、前記各第1接合部にそれぞれ接合される第1被接合部と、前記第2接合部に接合される第2被接合部とを有し、前記接着剤として、外部から一部に付与されたエネルギーによって内部エネルギーを自己発生させつつ硬化するとともに、当該内部エネルギーが自己発生した部位に隣接する部分がこの内部エネルギーを受けてさらに内部エネルギーを自己発生させつつ硬化反応を起こすことにより連鎖的に硬化していく連鎖反応型の接着剤を用い、前記接着部材の接合部と被接着部材の接合部との間に前記接着剤を配置する接着剤配置工程と、前記接着剤配置工程の後に実施されて、前記接着部材と前記被接着部材とを互いに固定可能な第1固定手段を用い、前記各第1接合部と当該各第1接合部に対応する前記各第1被接合部の前記特定方向の両端部同士をそれぞれ固定する第1固定工程と、前記第1固定工程の後に実施されて、前記各第1接合部と前記各第1被接合部との間に配置された接着剤にそれぞれエネルギーを付与し、当該各第1接合部と各第1被接合部との間に配置された接着剤をそれぞれ硬化させる第1硬化工程と、前記接着剤配置工程の後に実施されて、前記接着部材と前記被接着部材とを互いに固定可能であるとともに、この固定した接着部材と被接着部材との間にエネルギーを付与可能な第2固定手段を用い、前記第2接合部と前記第2被接合部の前記特定方向の略中央部同士を固定する第2固定工程と、前記第1硬化工程の後に実施されて、前記第2接合部と前記第2被接合部との間に配置された接着剤に前記第2固定手段によりエネルギーを付与し、前記第2接合部と前記第2被接合部との間に配置された接着剤を硬化させる第2硬化工程とを備えることを特徴とする接合組立品の製造方法を提供する(請求項1)。
本方法では、前記第1接合部と前記第1被接合部の両端部同士が固定され、互いに拘束された状態で、これら第1接合部と第1被接合部の間の接着剤が硬化していくため、接着剤の硬化収縮に伴う第1接合部と第1被接合部の変形量を小さくすることができる。また、前記第1接合部と前記第1被接合部の両端部同士が固定されることによって、あるいは、前記第1接合部と前記第1被接合部とが前記接着剤により接合されることによって、前記第2接合部と前記第2被接合部の両端部同士は固定される。そのため、本方法では、この第2接合部と第2被接合部についても、接着剤の硬化収縮に伴う変形を抑制することができる。しかも、前記第2接合部と前記第2被接合部とについては、これらの略中央部同士が固定され互いに拘束された状態で接着剤が硬化していくため、より一層その変形量は小さく抑えられる。このことは、前記接着部材と被接着部材の全体の変形を抑制し、これらの接合強度を確保する。
さらに、本方法では、前記第2接合部と前記第2被接合部の間の接着剤に対してこれらの略中央部からエネルギーが付与されており、接着剤の硬化反応の連鎖の終端までの距離を短く抑えることができ、硬化反応をより確実に連鎖させて第2接合部と第2被接合部間の接合強度を確保することができる。特に、前記第2固定手段によりエネルギーを付与しており、エネルギーを付与する部材とは別に前記固定するための部材を設ける場合に比べて、この固定するための部材により付与したエネルギーが奪われるのを抑制することができる。
また、本発明において、前記第1硬化工程では、前記各第1接合部と前記各第1被接合部との間に配置された接着剤の前記特定方向の略中央部に前記エネルギーを付与するのが好ましい(請求項2)。
このようにすれば、前記第1接合部と前記第1被接合部の間において、接着剤の硬化反応の連鎖の終端までの距離を短く抑えることができ、硬化反応をより確実に連鎖させて第1接合部と第1被接合部間の接合強度を確保することができる。
ここで、本発明は、前記接着部材の接合部に、前記第2接合部が複数形成されているとともに、前記被接着部材の接合部に、前記第2被接合部が複数形成されている場合を含む(請求項3)。
また、本発明において、前記接着部材は、前記第2接合部の前記特定方向の略中央部に当該第2接合部の表面から突出する凸部を有し、前記第1固定工程では、前記凸部の突出端部と前記第2被接合部とが互いに当接するように、前記各第1接合部と前記各第1被接合部とをそれぞれ固定し、前記第2固定工程では、前記凸部の突出端部と前記第2被接合部とが互いに当接するように、当該凸部と前記第2被接合部とを固定し、前記第2硬化工程では、前記第2固定手段により前記凸部を加熱することで、前記第2接合部と前記第2被接合部との間に配置された接着剤を、当該接着剤の連鎖的な硬化が開始する温度に加熱するのが好ましい(請求項4)。
このように前記凸部の突出端部と前記第2被接合部とが当接するように前記各第1接合部と前記各第1被接合部とを固定すれば、前記凸部の突出量によって、前記接着部材と被接着部材との間隔を容易に好適な値とすることができる。すなわち、この方法によれば、これら接着部材と被接着部材との間の接着剤の特に厚さの管理が容易になり、接着部材と被接着部材との接着強度を容易に適切に維持することが可能となる。さらに、この方法では、前記凸部を利用し、この凸部を加熱することで前記接着剤にエネルギーを付与しており、接着剤の厚さを適正に維持しつつエネルギーを付与するための手段を別途設けることなく簡単な方法で前記接着剤にエネルギーを付与することができる。
また、前記凸部は、その突出端部に設けられた突出壁と、当該突出壁の外周に連続して前記第2接合部の表面に向かって延びる外周壁とを有し、前記第2固定手段は、前記突出壁に面接触する先端面を有し、前記第2固定工程は、前記第2固定手段を、その前記先端面が前記突出壁と面接触するように前記凸部に嵌合させる工程を含むのが好ましい(請求項5)。
このように前記第2固定手段の前記先端面を前記凸部の前記突出壁に面接触状態として、前記第2固定手段を前記凸部に嵌合させれば、前記第2固定手段を前記凸部に容易に位置決めすることができる。このことは、この第2固定手段による前記接着部材と被接着部材との固定を容易にする。また、前記面接触により、第2固定手段から前記凸部へのエネルギー付与面積がより広く確保されるので、前記接着剤に効率よくエネルギーを付与することができる。
また、前記第1硬化工程および第2硬化工程を実施する具体的な方法は特に限定されるものではないが、前記接着部材と前記被接着部材とを搬送する搬送ラインを用い、この搬送ラインに沿って設けられた第1作業ステーションにて前記第1硬化工程を実施し、前記搬送ラインに沿って前記第1作業ステーションより下流に設けられた第2作業ステーションにて前記第2硬化工程を実施する方法が挙げられる(請求項6)。
また、本発明は、接着部材の接合部と被接着部材の接合部との間に接着剤を介在させ、前記接着剤の硬化によって前記接着部材と被接着部材とを接合する接合組立品の製造装置であって、前記接着部材の接合部は、特定の方向に沿って互いに離間する複数の第1接合部と、当該第1接合部間に位置する第2接合部とを有し、前記被接着部材の接合部は、前記各第1接合部にそれぞれ接合される第1被接合部と、前記第2接合部に接合される第2被接合部とを有し、外部から一部に付与されたエネルギーによって内部エネルギーを自己発生させつつ硬化するとともに、当該内部エネルギーが自己発生した部位に隣接する部分がこの内部エネルギーを受けてさらに内部エネルギーを自己発生させつつ硬化反応を起こすことにより連鎖的に硬化していく連鎖反応型の接着剤を、前記接着部材の接合部と被接着部材の接合部との間に配置する接着剤配置手段と、前記接着剤配置手段による前記接着剤の配置後において、前記各第1接合部と当該各第1接合部に対応する前記各第1被接合部の前記特定方向の両端部同士をそれぞれ固定する第1固定手段と、前記第1固定手段による前記固定後において、前記各第1接合部と前記各第1被接合部との間に配置された接着剤にそれぞれエネルギーを付与し、当該各第1接合部と各第1被接合部との間に配置された接着剤をそれぞれ硬化させる第1硬化手段と、前記接着剤配置手段による前記接着剤の配置後において、前記第2接合部と前記第2被接合部の前記特定方向の略中央部同士を固定する第2固定手段とを備え、前記第2固定手段は、前記第1硬化手段による前記接着剤の硬化後において、前記第2接合部と前記第2被接合部との間に配置された接着剤にエネルギーを付与し、当該第2接合部と第2被接合部との間に配置された接着剤を硬化させることを特徴とする接合組立品の製造装置を提供する(請求項7)。
本装置によれば、前記第1接合部と前記第1被接合部の両端部同士の前記第1固定手段による固定、あるいは、前記第1接合部と前記第1被接合部の接合によって、前記接着部材と被接着部材とが互いに拘束されるため、前記接着剤の硬化収縮に伴う前記接着部材と被接着部材の変形量を抑制した状態で前記接着剤を硬化させることができる。しかも、前記第2接合部と前記第2被接合部とについては、これらの略中央部同士が前記第2固定手段により固定された状態で接着剤が硬化していくため、より一層その変形量は小さく抑えられる。このことは、前記接着部材と被接着部材の変形を抑制し、これらの接合強度を確保する。
さらに、本装置では、前記第2接合部と前記第2被接合部の間の接着剤に対してこれらの略中央部からエネルギーが付与されており、接着剤の硬化反応の連鎖の終端までの距離を短く抑えることができ、硬化反応をより確実に連鎖させて第2接合部と第2被接合部間の接合強度を確保することができる。特に、前記第2固定手段によりエネルギーを付与しており、エネルギーを付与する部材とは別に前記固定するための部材を設ける場合に比べて、この固定するための部材により付与したエネルギーが奪われるのを抑制することができる。
また、前記装置において、前記第1硬化手段は、前記各第1接合部と前記各第1被接合部との間に配置された接着剤の前記特定方向の略中央部にそれぞれ前記エネルギーを付与するのが好ましい(請求項8)。
この構成によれば、前記第1接合部と前記第1被接合部の間において、接着剤の硬化反応の連鎖の終端までの距離を短く抑えることができ、硬化反応をより確実に連鎖させて第1接合部と第1被接合部の接合強度を確保することができる。
また、前記装置において、前記接着部材は、前記第2接合部の前記特定方向の略中央部に当該第2接合部の表面から突出する凸部を有し、前記第1固定手段は、前記凸部の突出端部と前記第2被接合部とが互いに当接する状態で前記各第1接合部と前記各第1被接合部とをそれぞれ固定し、前記第2固定手段は、前記凸部の突出端部と前記第2被接合部とが互いに当接する状態で前記凸部と前記第2被接合部とを固定するとともに、前記第2接合部と前記第2被接合部との間に配置された接着剤の温度が当該接着剤の連鎖的な硬化が開始する温度となるように前記凸部を加熱するのが好ましい(請求項9)。
この構成によれば、前記凸部の突出量によってこれら接着部材と被接着部材との間隔を容易に好適な値とすることができ、これら接着部材と被接着部材との間の接着剤の特に厚さの管理ひいては接着部材と被接着部材との接着強度をより適切に維持することが可能となる。
また、前記装置において、前記凸部は、その突出端部に設けられた突出壁と、当該突出壁の外周に連続して前記第2接合部の表面に向かって延びる外周壁とを有し、前記第2固定手段は、前記凸部と嵌合可能な形状を有するとともに、当該凸部と嵌合した状態で前記凸部の突出壁に面接触する先端面を有するのが好ましい(請求項10)。
この構成によれば、前記第2固定手段を前記凸部に容易に位置決めすることができ、第2固定手段による前記接着部材と被接着部材との固定が容易になる。また、前記第2固定手段から前記凸部へのエネルギー付与面積をより広く確保することができ、前記接着剤に効率よくエネルギーを付与することができる。
また、本発明は、前記接着部材と前記被接着部材とを搬送する搬送ラインと、前記搬送ラインに沿って設けられるとともに、前記第1固定手段および前記第1硬化手段が設置されて、前記第1固定手段により前記各第1接合部と当該各第1接合部に対応する前記各第1被接合部の前記特定方向の両端部同士がそれぞれ固定されるとともに、前記第1硬化手段により前記各第1接合部と前記各第1被接合部との間に配置された接着剤へのエネルギー付与が実施される第1作業ステーションと、前記搬送ラインに沿って設けられるとともに、前記第2固定手段が設置されて、当該第2固定手段により前記第2接合部と前記第2被接合部との間に配置された接着剤へのエネルギー付与が実施される第2作業ステーションとを備え、前記第2作業ステーションが前記第1作業ステーションより下流に設けられているものも含む(請求項11)。
以上のように、本発明によれば、接着部材および被接着部材の変形を抑制し、これら部材間における接合強度を確保することができる。
以下、図面を参照しつつ、本発明に係る接合組立品の製造方法の好ましい実施の形態について説明する。ここでは、自動車のサイドフレームアウタパネル(接着部材)10にセンタピラーインナパネル(被接着部材)20等を接合し、接合組立品としてサイドフレームアッセンブリを製造する場合について説明する。前記サイドフレームアッセンブリは、前記サイドフレームアウタパネル10に対して前記センタピラーインナパネル20に加えて種々のレインフォースメントやインナパネルが接合されて構成されるものであるが、ここでは説明を簡単にすべく、前記サイドフレームアウタパネル10にセンタピラーインナパネル20を接合する場合について説明する。
図1は前記サイドフレームアウタパネル10の概略平面図であり、図2は図1の領域IIを拡大した斜視図であり、図3は図2のIII−III線断面図である。このサイドフレームアウタパネル10には、フロントドアが取り付けられるフロント開口部11と、リアドアが取り付けられるリア開口部12とが形成されている。そして、前記フロント開口部11の周囲およびリア開口部12の周囲には、図2に示すようにフランジ14(以下、アウタフランジ14と言う)が形成されている。
前記アウタフランジ14の車体内側表面14a(接合部)は、後述する第1硬化工程にて前記センタピラーインナパネル20と最初に接合される複数の第1接合部A1と、後述する第2硬化工程にて前記センタピラーインナパネル20と2番目に接合される複数の第2接合部A2とからなる。前記第1接合部A1と前記第2接合部A2とは、前記開口部11,12の周囲に沿って交互に設定されている。本実施形態では、各開口部11の周囲に沿って,それぞれ6つの第1接合部A1と6つの第2接合部A2とが設定されている。
前記アウタフランジ14のうち前記各第2接合部A2の中央には、それぞれその表面14aから車体内側方向に突出する突出部(凸部)16が形成されている。この突出部16は、図2および図3に示すように、アウタフランジ14の車体内側表面14aとほぼ平行に延びる円形の突出壁16aと、この突出壁16aに連続してアウタフランジ14の車体内側表面14aに向かって広がるテーパ状の円周壁(外周壁)16bとを有している。
図4は前記センタピラーインナパネル20の概略平面図である。このセンタピラーインナパネル20は、前記サイドフレームアウタパネル10のうち前記フロント開口部11とリア開口部12との間の部分に取り付けられて、センタピラー(いわゆるBピラー)を構成するものである。このセンタピラーインナパネル20には、前記アウタフランジ14と対応する位置に、フランジ24(以下、インナフランジ24と言う)が形成されている。
前記インナフランジ24の車体外側表面(被接合部)24aは、前記アウタフランジ14の第1接合部A1と対応する位置に設定された第1被接合部B1と、前記アウタフランジ14の第2接合部A2と対応する位置に設定された第2被接合部B2とからなる。
前記インナフランジ24のうち前記各第1被接合部B1には、図4のV−V線断面図である図5に示すように、その車体外側表面24aと車体内側表面24bとを貫通する貫通孔26がそれぞれ形成されている。この貫通孔26は、各第1被接合部B1の中央に設けられている。
前記サイドフレームアウタパネル10と前記センタピラーインナパネル20とは、図17等に示すように、前記アウタフランジ14の第1接合部A1と前記インナフランジ24の第1被接合部B1とが接着剤4で接着され、前記アウタフランジ14の第2接合部A2と前記インナフランジ24の第2被接合部B2とが接着剤4で接着されることで互いに接合される。
本接合組立品の製造方法では、前記接着剤4に連鎖型の接着剤を用いて前記サイドフレームアウタパネル10とセンタピラーインナパネル20との接合を実施する。具体的には、この接着剤4として、光重合性樹脂(主としてエポキシ樹脂、特に好ましくは脂環式エポキシ樹脂)、光・熱重合開始剤(芳香族スルホニウム塩等)、および光重合開始剤(スルホニウム塩等)を主成分とする樹脂組成物であって、紫外線、電子線、X線、赤外線、太陽光線、可視光線、レーザビーム(エキシマレーザ、CO、レーザ等)、熱線(放射や輻射熱等)等のエネルギー線、或いは熱等の所定量のエネルギーが付与されることによって、その内部にカチオンと硬化反応熱とを積極的に発生させ、これらカチオンと硬化反応熱とによって、連鎖的に硬化反応するものを用いる。
また、本実施形態では、図6に示すような製造装置100を用いて前記接合を実施する。この製造装置100は、前記サイドフレームアウタパネル10と前記センタピラーインナパネル20とを搬送する搬送ラインLと、前記搬送ラインLに沿って設けられる2つの作業ステーション(第1作業ステーションS1、第2作業ステーションS2)とを有している。前記搬送ラインLは、前記サイドフレームアウタパネル10を搬送するための第1搬送ラインL1と前記センタピラーインナパネル20を搬送するための第2搬送ラインL2とからなる。前記第1作業ステーションS1には、接着剤塗布装置(接着剤配置手段)110と、第1固定装置(第1固定手段)40と、UV照射装置130(第1硬化手段)が設けられている。前記第2作業ステーションS2には、第2固定装置140と、高周波供給装置34とが設けられている。
前記接着剤塗布装置110は、前記接着剤4を前記サイドフレームアウタパネル10に塗布するためのものである。この接着剤塗布装置110は、図7に示すように、図略のタンクに貯留されている接着剤4を吐出するノズル112と、前記接着剤4を前記ノズル112に導くホース114と、前記ノズル112を駆動する駆動ロボット115とを有している。
前記第1固定装置40は、後述する第1固定工程において前記サイドフレームアウタパネル10と前記センタピラーインナパネル20とを互いに固定するためのものである。この第1固定装置40は、図8に示すように、載置台41と、複数のクランプ装置43とを備えている。前記載置台41は、前記サイドフレームアウタパネル10等を載置するためのものであり、前記各クランプ装置43と対応する位置にそれぞれ上方に突出する載置部42を有している。前記クランプ装置43は、前記各載置部42との間で前記サイドフレームアウタパネル10と前記センタピラーインナパネル20とを重ね合わせたものを狭圧するものであり、押圧部材43aを備えている。この押圧部材43aは、図略のトグル機構により図8に示す開放姿勢と図10に示すクランプ姿勢との間で回動可能に構成されており、前記クランプ姿勢をとることで、前記載置部42との間で前記サイドフレームアウタパネル10と前記センタピラーインナパネル20とを狭圧する。本実施形態では、前記押圧部材43aは熱伝導性を有する金属からなる。
前記UV照射装置130は前記接着剤4に紫外線を照射するためのものである。このUV照射装置130としては、紫外線を照射可能な周知の装置を用いればよく、その詳細については省略する。
前記第2固定装置140は、後述する第2固定工程において前記サイドフレームアウタパネル10と前記センタピラーインナパネル20とを互いに固定するためのものである。この第2固定装置140は、図13に示すように、前記第1固定装置40と同様に、複数の載置部142を有する載置台141と、押圧部材143aをそれぞれに有する複数のクランプ装置143とを備えている。そして、この第2固定装置140は、前記押圧部材143aが図14に示すクランプ姿勢をとることで、この押圧部材143aと前記載置部142との間で前記サイドフレームアウタパネル10と前記センタピラーインナパネル20とを狭圧する。
ただし、前記第2固定装置140には、前記第1固定装置40と異なり、一部の載置部142上に位置決め加熱ピン32が設けられている。この位置決め加熱ピン32は、前記アウタフランジ14の突出部16と嵌合して、前記押圧部材143aとの間で前記サイドフレームアウタパネル10と前記センタピラーインナパネル20とを狭圧するとともに、前記突出部16を加熱するためのものである。
前記位置決め加熱ピン32は、図13および図16に示すように、前記突出部16と嵌合可能な略円柱形を有しており、円形の先端面32aと、この先端面32aに連続するテーパ面32bとを備えている。前記先端面32aは、水平方向に延びており、前記突出部16と嵌合した状態で前記突出部16の突出壁16aに面接触する。この位置決め加熱ピン32は、銅等の熱伝導率の高い導電性部材からなり、前記突出部16と嵌合した状態で後述する高周波供給装置34により加熱されることで、前記突出部16にエネルギーを付与する。
前記高周波供給装置34は、前記位置決め加熱ピン32を加熱するためのものである。この高周波供給装置34は、高周波発生装置34aとコイル34bとからなる。前記コイル34bは前記位置決め加熱ピン32の周囲に巻回している。前記高周波発生装置34aは、高周波電流を発生させる既知の装置であり、前記位置決め加熱ピン32は、この高周波発生装置34aにより前記コイル34bに高周波電流が付与されることで所定の温度に加熱される。
ここで、前記高周波供給装置34と前記第2固定装置140のうち、前記位置決め加熱ピン32とこの位置決め加熱ピン32と対応する前記押圧部材143とが、請求項における第2固定手段として機能する。
前記のように構成された製造装置100を用いた本接合組立品の製造方法は、次の各工程を含む。
1)載置工程
この工程は、前記サイドフレームアウタパネル10を前記第1固定装置40の載置部41上に載置する工程である。
この工程では、まず、前記搬送ラインL1により上流から搬送されてきた前記サイドフレームアウタパネル10を前記第1作業ステーションS1に搬送する。そして、前記サイドフレームアウタパネル10を前記第1固定装置40の載置部42上に載置する。具体的には、図17に示すように、各載置部42が前記アウタフランジ14の第1接合部A1の両端に位置するように載置する。
2)接着剤配置工程
この工程は、前記サイドフレームアウタパネル10と前記センタピラーインナパネル20との間に前記接着剤4を配置する工程である。
この工程では、前記サイドフレームアウタパネル10に接着剤4を塗布する。具体的には、図7および図9に示すように、前記接着剤塗布装置110の駆動ロボット115を駆動させて、前記ノズル112から、前記接着剤4を、前記アウタフランジ14の車体内側表面14a上に吐出していく。
次に、前記搬送ラインL1により上流から搬送されてきた前記センタピラーインナパネル20を、前記第1作業ステーションS1へ取り出す。そして、図10に示すように、このセンタピラーインナパネル20を、前記インナフランジ24の車体外側表面24aと前記アウタフランジ14の車体内側表面14aとの間で前記接着剤4を挟み込むようにして、前記サイドフレームアウタパネル10の上に載置する。
このようにして、本工程では、前記アウタフランジ14とインナフランジ24との間に接着剤4が配置される。
3)第1固定工程
この工程は、前記第1固定装置40により前記サイドフレームアウタパネル10と前記センタピラーインナパネル20とを互いに固定する工程である。
この工程では、前記第1固定装置40の押圧部材43aをクランプ姿勢に回動させる。そして、この押圧部材43aと前記載置部42との間で前記サイドフレームアウタパネル10のアウタフランジ14と前記センタピラーインナパネル20のインナフランジ24とを挟圧する。これにより、図12および図17に示すように、前記アウタフランジ14の第1接合部A1の両端部と前記インナフランジ24の第1被接合部B1の両端部とは互いに固定される。
本実施形態では、図17等に示すように、前記アウタフランジ14の突出部16の突出壁16aと前記インナフランジ24の車体外側表面24aとが互いに面接触するまで、前記アウタフランジ14と前記インナフランジ24とを近接する方向に挟圧し、前記アウタフランジ14と前記インナフランジ24との距離、ひいては、これらの間に挟みこまれた前記接着剤4の厚さを、この突出部16の高さ(図17のd)とする。
ここで、前記のような連鎖反応型の接着剤4を用いる場合には、この接着剤4の厚みの管理が重要となる。すなわち、接着する部材間に配置された接着剤4の厚みが厚過ぎる場合には、接着強度(せん断強度)が低下するおそれがあり、前記厚みが薄すぎる場合には、接着剤4の連鎖反応を維持するための熱量を確保できなくなるおそれがある。これに対して、本実施形態では、前述のように、前記突出壁16aと前記インナフランジ24の車体外側表面24aとの当接させており、前記アウタフランジ14と前記インナフランジ24との間の接着剤4の厚みを均一にすることができるとともに、この接着剤4の厚みを前記突出部16の高さで容易に管理することができ、前記接着強度の低下等を回避することができる。例えば、本実施形態では、前記アウタフランジ14とインナフランジ24の各厚みを0.8mmに設定し、前記突出部16の高さdを0.5mmに設定して、前記接着剤4の厚みをこの0.5mmとしている。
4)第1硬化工程
この工程は、前記接着剤4のうち前記アウタフランジ14の第1接合部A1と前記インナフラン時24の第1被接合部B1との間に配置された接着剤4を硬化させて、この第1接合部A1と第1被接合部B1とを接合する工程である。
この工程では、図11に示すように、前記車体前記UV照射装置130により、前記サイドフレームアウタパネル10と前記センタピラーインナパネル20とが前記クランプ120で挟持されたものに紫外線を照射する。具体的には、前記紫外線を前記インナフランジ24の第1被接合部B1に形成された貫通孔26の内側に照射して、この貫通孔26にて露出している前記接着剤4に紫外線を照射する。紫外線が照射された接着剤4はその内部にカチオンと硬化反応熱とを発生させつつ硬化を開始する。そして、前記硬化反応熱の伝播に伴い、接着剤4は前記貫通孔26付近を中心として連鎖的に硬化していく。
ただし、前記貫通孔26が形成された第1被接合部B1と前記第1接合部A1との両端には、熱伝導性を有する前記押圧部材43が圧接されている。そのため、この押圧部材43によって前記硬化反応熱が奪われる結果、図17に示すように、前記貫通孔26付近において開始した接着剤4の連鎖的な硬化反応は押圧部材43の圧接位置すなわち前記第1被接合部B1と第1接合部A1の両端部にて停止する。
このようにして、本工程において、前記アウタフランジ14と前記インナフランジ24のうち、前記第1接合部A1と前記第1被接合部B1とが接合される。特に、本実施形態では、前記第1被接合部B1の中央に設けられた前記貫通孔26付近から接着剤4の硬化を開始させており、この第1接合部A1と第1被接合部B1との間において前記接着剤4の硬化反応の終端までの距離を短く抑えることができ、硬化反応をより確実に連鎖させてこれら第1接合部A1と第1被接合部B1の接合強度を確保することができる。
ここで、前述のように、前記接着剤4は順次硬化していっており硬化場所によってその硬化時期が異なる。そのため、接着剤4の硬化収縮に伴う歪によって前記サイドフレームアウタパネル10と前記センタピラーインナパネル20とがずれを起こす場合がある。しかしながら、本工程では、前記第1接合部A1と第1被接合部B1との両端が互いに固定された状態で前記硬化が実施されるので、前記サイドフレームアウタパネル10と前記センタピラーインナパネル20との変形は抑制され、前記ずれ量を小さく抑えることができる。
本工程の終了後は、前記第1接合部A1と第1被接合部B1とが互いに接合された前記サイドフレームアウタパネル10と前記センタピラーインナパネル20とを前記搬送ラインL2に戻す。
5)第2固定工程
この工程は、前記第2固定装置140により前記サイドフレームアウタパネル10と前記センタピラーインナパネル20とを互いに固定する工程である。
この工程では、まず、前記サイドフレームアウタパネル10と前記センタピラーインナパネル20とが接合されたものを、前記搬送ラインL2から、前記第1作業ステーションS1の下流に設けられた第2作業ステーションS2に搬送する。そして、前記サイドフレームアウタパネル10と前記センタピラーインナパネル20とが接合されたものを前記アウタフランジ14が下側になるようにして前記第2固定装置140の載置部141上に載置する。具体的には、図18等に示すように、前記アウタフランジ14の突出部16に前記位置決め加熱ピン32が嵌合するように、かつ、この位置決め加熱ピン32が設けられた載置部142に隣接する載置部142上に、前記インナフランジ24の前記貫通孔26が形成された部分が位置するように載置する。この状態において、前記位置決め加熱ピン32の先端面32aは、前記突出部16の突出壁16aと面接触する。
次に、前記第2固定装置140の押圧部材143aをクランプ姿勢に回動させる。そして、この押圧部材143aと前記載置部142との間で前記アウタフランジ14と前記インナフランジ24とを挟圧する。これにより、前記アウタフランジ14と前記インナフランジ24とは、前記第2接合部A2の中央と前記第2被接合部B2の中央とにおいて互いに固定されるとともに、前記第1接合部A1の中央と前記第1被接合部B1の中央とにおいて互いに固定される。
6)第2硬化工程
この工程は、前記アウタフランジ14の第2接合部A2と前記インナフランジ24の第2被接合部B2との間に配置された接着剤4を硬化させて、この第2接合部A2と第2被接合部B2とを接合する工程である。
この工程では、前記高周波発生装置34aを作動させて前記コイル34bに高周波電流を発生させ、前記位置決め加熱ピン32を加熱する。前述のように、この位置決め加熱ピン32はその先端面32aにおいて前記突出部16の突出壁16aと面接触しており、位置決め加熱ピン32が加熱されると前記突出部16は加熱される。そして、この突出部16を介してこの突出部16周りの接着剤4に熱が入力される。熱が入力された接着剤4は、前記第1硬化工程と同様に、その内部にカチオンと硬化反応熱とを発生させつつ硬化を開始し、この硬化反応熱の伝播に伴い前記突出部1626付近を中心として連鎖的に硬化していく。ここで、前記高周波発生装置34aは、前記接着剤4の硬化が開始するような温度に前記突出部16が加熱されるよう、前記位置決め加熱ピン32に電流を加える。
このようにして、本工程では、前記第1接合部A1の中央と前記第1被接合部B1の中央とに圧接された押圧部材143aによって熱が奪われるまで前記硬化反応熱が伝播していき、この前記第1接合部A1の中央と前記第1被接合部B1の中央とで挟まれた領域に配置されている接着剤4が硬化する。より詳細には、前記第1工程において、前記第1接合部A1と前記第1被接合部B1とに配置された接着剤4は既に硬化しているため、本工程では、前記サイドフレームアウタパネル10と前記センタピラーインナパネル20のうち、前記第2接合部A2と前記第2被接合部B2とに配置された接着剤4が硬化し、これら第2接合部A2と前記第2被接合部B2とが接合される。特に、前記接着剤4の硬化反応は、前記第2接合部A2と第2被接合部B2の中央部分から開始しており、この前記第2接合部A2と第2被接合部B2との間の領域において、前記接着剤4の前記接着剤4の硬化反応の終端までの距離は短く抑えられている。そのため、接着剤4の硬化反応はより確実に連鎖していき、これら第2接合部A2と第2被接合部B2の接合強度は確保される。
ここで、前記第2接合部A2と第2被接合部B2との両端は、既に前記第1硬化工程における前記第1接合部A1と第1被接合部B1との接合により固定されている。そのため、本工程では、前記第2接合部A2と第2被接合部B2とに配置された接着剤4の硬化が、その両端が固定された状態で実施される結果、前記接着剤4の硬化に伴う前記サイドフレームアウタパネル10と前記センタピラーインナパネル20とのずれ量は小さく抑えられることになる。特に、本方法では、前記第2接合部A2と前記第2被接合部B2との中央部を互いに固定した状態で接着剤4の硬化を行なっており、より確実に前記ずれ量を小さくすることができる。また、前記位置決め加熱ピン32によって前記第2接合部A2と前記第2被接合部B2とを固定しつつこれらの間の接着剤4を加熱しており、別途これら第2接合部A2と第2被接合部B2とを固定するための部材を取り付ける場合に比べて、この固定するための部材により付与した熱または反応熱が奪われるのを抑制することができ効率よく接着剤4を加熱することができる。
以上のように、本接合組立品の製造方法では、前記接着剤4の硬化収縮に伴う前記サイドフレームアウタパネル10および前記センタピラーインナパネル20の局所的な変形やずれを抑制しつつ、これらサイドフレームアウタパネル10とセンタピラーインナパネル20とをより確実に接合することができる。
ここで、前記接着剤4の具体的構成は前記に限らない。例えば、固形の接着剤や、液状の接着剤を用い、これらを前記サイドフレームアウタパネル10とセンタピラーインナパネル20との間に塗布あるいは充填等してもよい。
また、前記サイドフレームアウタパネル10と前記センタピラーインナパネル20同士を固定するための具体的方法は前記のような押圧部材43等を用いる方法に限らない。
また、前記突出部16の具体的構造は前記に限らない。
また、前記位置決め加工ピン32の具体的構造は前記に限らない、ただし、この位置決め加工ピン32に、前記アウタフランジ14の突出部16の突出壁16aに面接触する先端面32aを設けておけば、この面接触により位置決め加工ピン32を前記突出部16に容易に位置決めすることができる。また、この先端面32aから前記突出部16に効率よく熱を伝達させることができる。
また、前記第1硬化工程の具体的方法は前記に限らない。例えば、前記第1硬化工程において、前記インナフランジ24の貫通孔26に前記位置決め加工ピン32を接触させ、この位置決め加工ピン32により前記貫通孔26付近の接着剤4を加熱するようにしてもよい。さらに、前記貫通孔26の代わりに、前記インナフランジ24に前記突出部26と同様のものを形成し、この突出部26に対して前記位置決め加工ピン32により前記接着剤4を加熱してもよい。
また、本発明は、前記のように2つの部材(サイドフレームアウタパネル10とセンタピラーインナパネル20)を接合する場合だけでなく、例えば、3つ若しくはそれ以上の部材を接合する場合にも適用可能である。
本発明に係る接合組立品の製造方法を適用するサイドフレームアウタパネルの概略平面図である。 図1の領域IIの拡大斜視図である。 図1のIII−III線断面図である。 本発明に係る接合組立品の製造方法を適用するセンタピラーインナパネルの概略平面図である。 図4のV−V線断面図である。 本発明に係る接合組立品の製造装置の概要を示す図である。 本発明に係る接合組立品の製造装置における接着剤塗布装置の概要を示す図である。 本発明に係る接合組立品の製造装置における第1固定装置の概要を示す図である。 本発明に係る接合組立品の製造方法における接着剤塗布工程の様態を示す説明図である。 本発明に係る接合組立品の製造方法における第1固定工程の様態を示す説明図である。 本発明に係る接合組立品の製造方法における第1硬化工程の様態を示す説明図である。 本発明に係る接合組立品の製造方法における第1固定工程の様態を示す説明図である。 本発明に係る接合組立品の製造装置における第2固定装置の概要を示す図である。 本発明に係る接合組立品の製造方法における第2硬化工程の様態を示す説明図である。 本発明に係る接合組立品の製造方法における第2固定工程の様態を示す説明図である。 本発明に係る接合組立品の製造装置における高周波供給装置の概要を示す図である。 図10のX−X線断面図である。 図11のXI−XI線断面図である。
符号の説明
4 接着剤
10 センタピラーインナパネル(接着部材)
14 アウタフランジ
14a アウタフランジの車体内側表面(接合部)
16 突出部(凸部)
16a 突出壁
16b 円周壁(外周壁)
20 サイドフレームアウタパネル(被接着部材)
24 インナフランジ
24a インナフランジの車体外側表面(接合部)
40 第1固定装置(第1固定手段)
100 製造装置
110 接着剤塗布装置(接着剤配置手段)
130 UV照射装置(第1硬化手段)

Claims (11)

  1. 接着部材の接合部と被接着部材の接合部との間に接着剤を介在させ、前記接着剤の硬化によって前記接着部材と前記被接着部材とを接合する接合組立品の製造方法であって、
    前記接着部材の接合部は、特定の方向に沿って互いに離間する複数の第1接合部と、当該第1接合部間に位置する第2接合部とを有し、
    前記被接着部材の接合部は、前記各第1接合部にそれぞれ接合される第1被接合部と、前記第2接合部に接合される第2被接合部とを有し、
    前記接着剤として、外部から一部に付与されたエネルギーによって内部エネルギーを自己発生させつつ硬化するとともに、当該内部エネルギーが自己発生した部位に隣接する部分がこの内部エネルギーを受けてさらに内部エネルギーを自己発生させつつ硬化反応を起こすことにより連鎖的に硬化していく連鎖反応型の接着剤を用い、前記接着部材の接合部と被接着部材の接合部との間に前記接着剤を配置する接着剤配置工程と、
    前記接着剤配置工程の後に実施されて、前記接着部材と前記被接着部材とを互いに固定可能な第1固定手段を用い、前記各第1接合部と当該各第1接合部に対応する前記各第1被接合部の前記特定方向の両端部同士をそれぞれ固定する第1固定工程と、
    前記第1固定工程の後に実施されて、前記各第1接合部と前記各第1被接合部との間に配置された接着剤にそれぞれエネルギーを付与し、当該各第1接合部と各第1被接合部との間に配置された接着剤をそれぞれ硬化させる第1硬化工程と、
    前記接着剤配置工程の後に実施されて、前記接着部材と前記被接着部材とを互いに固定可能であるとともに、この固定した接着部材と被接着部材との間にエネルギーを付与可能な第2固定手段を用い、前記第2接合部と前記第2被接合部の前記特定方向の略中央部同士を固定する第2固定工程と、
    前記第1硬化工程の後に実施されて、前記第2接合部と前記第2被接合部との間に配置された接着剤に前記第2固定手段によりエネルギーを付与し、前記第2接合部と前記第2被接合部との間に配置された接着剤を硬化させる第2硬化工程とを備えることを特徴とする接合組立品の製造方法。
  2. 請求項1に記載の接合組立品の製造方法であって、
    前記第1硬化工程では、前記各第1接合部と前記各第1被接合部との間に配置された接着剤の前記特定方向の略中央部に前記エネルギーを付与することを特徴とする接合組立品の製造方法。
  3. 請求項1または2に記載の接合組立品の製造方法であって、
    前記接着部材の接合部に、前記第2接合部が複数形成されているとともに、前記被接着部材の接合部に、前記第2被接合部が複数形成されていることを特徴とする接合組立品の製造方法。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載の接合組立品の製造方法であって、
    前記接着部材は、前記第2接合部の前記特定方向の略中央部に当該第2接合部の表面から突出する凸部を有し、
    前記第1固定工程では、前記凸部の突出端部と前記第2被接合部とが互いに当接するように、前記各第1接合部と前記各第1被接合部とをそれぞれ固定し、
    前記第2固定工程では、前記凸部の突出端部と前記第2被接合部とが互いに当接するように、当該凸部と前記第2被接合部とを固定し、
    前記第2硬化工程では、前記第2固定手段により前記凸部を加熱することで、前記第2接合部と前記第2被接合部との間に配置された接着剤を、当該接着剤の連鎖的な硬化が開始する温度に加熱することを特徴とする接合組立品の製造方法。
  5. 請求項4に記載の接合組立品の製造方法であって、
    前記凸部は、その突出端部に設けられた突出壁と、当該突出壁の外周に連続して前記第2接合部の表面に向かって延びる外周壁とを有し、
    前記第2固定手段は、前記突出壁に面接触する先端面を有し、
    前記第2固定工程は、前記第2固定手段を、その前記先端面が前記突出壁と面接触するように前記凸部に嵌合させる工程を含むことを特徴とする接合組立品の製造方法。
  6. 請求項1〜5のいずれかに記載の接合組立品の製造方法であって、
    前記接着部材と前記被接着部材とを搬送する搬送ラインを用い、この搬送ラインに沿って設けられた第1作業ステーションにて前記第1硬化工程を実施し、前記搬送ラインに沿って前記第1作業ステーションより下流に設けられた第2作業ステーションにて前記第2硬化工程を実施することを特徴とする接合組立品の製造方法。
  7. 接着部材の接合部と被接着部材の接合部との間に接着剤を介在させ、前記接着剤の硬化によって前記接着部材と被接着部材とを接合する接合組立品の製造装置であって、
    前記接着部材の接合部は、特定の方向に沿って互いに離間する複数の第1接合部と、当該第1接合部間に位置する第2接合部とを有し、
    前記被接着部材の接合部は、前記各第1接合部にそれぞれ接合される第1被接合部と、前記第2接合部に接合される第2被接合部とを有し、
    外部から一部に付与されたエネルギーによって内部エネルギーを自己発生させつつ硬化するとともに、当該内部エネルギーが自己発生した部位に隣接する部分がこの内部エネルギーを受けてさらに内部エネルギーを自己発生させつつ硬化反応を起こすことにより連鎖的に硬化していく連鎖反応型の接着剤を、前記接着部材の接合部と被接着部材の接合部との間に配置する接着剤配置手段と、
    前記接着剤配置手段による前記接着剤の配置後において、前記各第1接合部と当該各第1接合部に対応する前記各第1被接合部の前記特定方向の両端部同士をそれぞれ固定する第1固定手段と、
    前記第1固定手段による前記固定後において、前記各第1接合部と前記各第1被接合部との間に配置された接着剤にそれぞれエネルギーを付与し、当該各第1接合部と各第1被接合部との間に配置された接着剤をそれぞれ硬化させる第1硬化手段と、
    前記接着剤配置手段による前記接着剤の配置後において、前記第2接合部と前記第2被接合部の前記特定方向の略中央部同士を固定する第2固定手段とを備え、
    前記第2固定手段は、前記第1硬化手段による前記接着剤の硬化後において、前記第2接合部と前記第2被接合部との間に配置された接着剤にエネルギーを付与し、当該第2接合部と第2被接合部との間に配置された接着剤を硬化させることを特徴とする接合組立品の製造装置。
  8. 請求項7に記載の接合組立品の製造装置であって、
    前記第1硬化手段は、前記各第1接合部と前記各第1被接合部との間に配置された接着剤の前記特定方向の略中央部にそれぞれ前記エネルギーを付与することを特徴とする接合組立品の製造装置。
  9. 請求項7または8に記載の接合組立品の製造装置であって、
    前記接着部材は、前記第2接合部の前記特定方向の略中央部に当該第2接合部の表面から突出する凸部を有し、
    前記第1固定手段は、前記凸部の突出端部と前記第2被接合部とが互いに当接する状態で前記各第1接合部と前記各第1被接合部とをそれぞれ固定し、
    前記第2固定手段は、前記凸部の突出端部と前記第2被接合部とが互いに当接する状態で前記凸部と前記第2被接合部とを固定するとともに、前記第2接合部と前記第2被接合部との間に配置された接着剤の温度が当該接着剤の連鎖的な硬化が開始する温度となるように前記凸部を加熱することを特徴とする接合組立品の製造装置。
  10. 請求項9に記載の接合組立品の製造装置であって、
    前記凸部は、その突出端部に設けられた突出壁と、当該突出壁の外周に連続して前記第2接合部の表面に向かって延びる外周壁とを有し、
    前記第2固定手段は、前記凸部と嵌合可能な形状を有するとともに、当該凸部と嵌合した状態で前記凸部の突出壁に面接触する先端面を有することを特徴とする接合組立品の製造装置。
  11. 請求項7〜10のいずれかに記載の接合組立品の製造装置であって、
    前記接着部材と前記被接着部材とを搬送する搬送ラインと、
    前記搬送ラインに沿って設けられるとともに、前記第1固定手段および前記第1硬化手段が設置されて、前記第1固定手段により前記各第1接合部と当該各第1接合部に対応する前記各第1被接合部の前記特定方向の両端部同士がそれぞれ固定されるとともに、前記第1硬化手段により前記各第1接合部と前記各第1被接合部との間に配置された接着剤へのエネルギー付与が実施される第1作業ステーションと、
    前記搬送ラインに沿って設けられるとともに、前記第2固定手段が設置されて、当該第2固定手段により前記第2接合部と前記第2被接合部との間に配置された接着剤へのエネルギー付与が実施される第2作業ステーションとを備え、
    前記第2作業ステーションが前記第1作業ステーションより下流に設けられていることを特徴とする接合組立品の製造装置。
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