JP2005294412A - 研磨パッド - Google Patents

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公浩 渡邉
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良之 中井
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雅彦 中森
Tetsuo Shimomura
哲生 下村
Takatoshi Yamada
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Abstract

【課題】 材料収率(歩留まり)がよく、良好なスラリー保持率を有する研磨パッドおよびその製造方法を提供すること。
【解決手段】 研磨層を有する研磨パッドであって、この研磨層が、互いに隣接する3片以上の研磨層片から構成される研磨パッド。
【選択図】 図1

Description

本発明は、被研磨体の研磨に使用する研磨パッドに関し、特に半導体デバイスの製造工程においてCMPにより層間絶縁膜等の平坦化処理などを行う時に用いる研磨パッド、およびこの研磨パッドを用いて研磨する工程を含む半導体デバイスの製造方法に関する。
半導体被研磨体(以下、ウエハと称することもある。)等の表面を研磨する方法として、化学的機械研磨法(CMP:Chemical Mechanical Polishing)が知られている。この研磨方法は、ウエハ等の被研磨体の被研磨面を、ポリウレタン発泡体などからなる円盤状の研磨パッドに押圧しながら摺動させるとともに、この研磨パッド上に砥粒等を含む研磨スラリーを供給することにより行う方法である。
近年の情報産業の発展に伴い、半導体集積回路の高集積化が必要とされている。そうした中で、半導体集積回路の生産性を向上させ、かつコストを下げるために、1ウエハあたりのチップ数を増加させることを目的として、より表面積が大きいウエハが必要とされており、またこのようなウエハの研磨に使用される研磨パッドも必要とされている。一方で、研磨パッドの製造において、研磨パッドの一部で微細な異物混入(コンタミ)や空隙(ボイド)が発生し、それによって研磨パッド全体が使用に適さないものとなることがある。より表面積が大きい研磨パッドを作製する場合は、これは材料収率(歩留まり)を悪くするより大きな要因となる。
特開2002−100592号公報(特許文献1)には、上層および下層を備え、この上層を下層上に配置することによって1つ以上の凹部が形成されている研磨パッドが記載されている。これによって、研磨のグレードを、安定した溝形状の形成により設計どおりにさまざまに変更することができ、交換作業を容易に実施できる研磨パッドが提供できると記載されている。しかし、このような研磨パッドでは、下層への上層の配置によって凹部が形成される以上、粘着層または接着層などの、下層表面上に設けられた上層を保持する手段が、研磨層表面に曝されることとなる。粘着層または接着層中には硬化触媒などの金属成分が含まれることがあり、粘着層または接着層が研磨層表面に曝されるこのような研磨パッドではこれらの金属成分が研磨面に混入し被研磨体を汚染する恐れがある。また、研磨層表面に曝された部分から研磨スラリーが、研磨層を保持する粘着層または接着層に入り込んで、研磨層が剥がれる恐れがある。さらにこのようなパッドは下層上に上層を配置することによって凹部が形成されるため、上層の配置操作を精度よく行なう必要があり、操作の習熟が必要とされ得る。
特開2002−100592号公報
本発明は上記従来技術の問題点解決することを課題とする。より特定すれば、本発明は、材料収率(歩留まり)がよく、良好なスラリー保持率を有する研磨パッドおよびその製造方法を提供することを課題とする。
本発明は、研磨層を有する研磨パッドであって、この研磨層が互いに隣接する3片以上の研磨層片から構成される研磨パッド、を提供するものであり、これにより上記課題が達成される。
また本発明は、研磨層および支持層を有する研磨パッドであって、この研磨層が互いに隣接する3片以上の研磨層片から構成されそしてこの支持体上に形成されている研磨パッドを提供するものであり、これにより上記課題が達成される。
これらの研磨パッドの研磨層は、互いに隣接する3〜16片の研磨層片から構成されるのが好ましい。そして、互いに隣接する研磨層片間の間隔は0〜0.1mmであるのが好ましい。
本発明の研磨パッドを構成する研磨層片が、その研磨層表面上に溝または孔の少なくとも1種を有するのが好ましい。
また、本発明の研磨パッドの研磨層が、2種以上の研磨層片によって構成されるのが好ましい。この2種以上の研磨層片とは、その研磨層表面上にそれぞれ互いに形状が異なる溝または孔の少なくとも1種を有する研磨層片であってもよく、またそれぞれ互いに異なる構造または物性を有する研磨層片であってもよい。また、2種以上の研磨層片の一方が、研磨層表面上に溝または孔の少なくとも1種を有するものであって、他方が研磨層表面上に溝および孔のいずれも有さない未加工のものであってもよい。本発明の研磨パッドは、異なる種類の研磨層片が互いに隣接するように配置されていてもよい。
本発明の研磨パッドの研磨層片は、両面テープを介してプラテン上または支持層上に貼着されていてもよい。
また、本発明は、研磨シート上に溝または孔の少なくとも1種を設ける加工工程、および該研磨シートを研磨層片に切断する研磨層片切断工程、を包含する、研磨パッドの研磨層を構成する研磨層片の製造方法も提供し、これにより上記課題がされ得る。
上記の研磨層片切断工程が、二等辺三角形の形状の研磨層表面を有する3つ以上の研磨層片に切断する工程であって、この工程おいて、1つの二等辺三角形の頂角と他の2つの二等辺三角形の底角とが隣接し、該他の2つの二等辺三角形の底辺同士が点接触し1の直線を形成する形状で研磨層片が切断されてもよい。
また、上記研磨層片切断工程が、扇型の形状の研磨層表面を有する3つ以上の研磨層片に切断する工程であって、この工程において、1つの扇型の中心角と他の2つの扇型の弧とが隣接する形状で研磨層片が切断されてもよい。
また、本発明は、上記の方法により得られた研磨層片を3片以上組合せて研磨層を作成する工程を包含する、研磨パッドの研磨層の製造方法も提供する。
なお、本明細書において「研磨層表面」とは、研磨操作により研磨が行なわれる面を意味する。
本発明の研磨パッドは、3片以上の研磨層片から構成される研磨層を有する。そしてこの研磨層片は、研磨シートから切断されたものである。研磨層を構成する研磨層片の数の調節、および配置の調節によって、研磨シートからより多くの研磨層片をとることができる。つまり、研磨層を切断した後の余剰となる研磨シート部分を低減させることができる。また、研磨シートの一部に異物混入(コンタミ)や空隙(ボイド)が存在していても、その不具合を含む研磨層片のみが使用できなくなるにとどまり、研磨層全体が使用できなくなることはない。そのため、研磨シートからの研磨層の材料収率(歩留まり)を大幅に改善することができる。また、本発明の研磨パッドの研磨層は、2種以上の研磨層片を組合せて構成することができる。これらの組合せを変えることによって、研磨スラリーの保持力、すなわち研磨特性、を所望の範囲に調整することができる。例えば、研磨スラリーの保持力を上げて研磨レートを上げることができる。また例えば、研磨スラリーの保持力を下げて排水性を高めることによって、ハイドロプレーニング現象の発生を防ぐことができる。さらに、本発明の研磨パッドは、粘着層または接着層が研磨層表面に曝されないため、被研磨体の汚染の可能性が低減されている。
本発明の研磨パッドは、互いに隣接する3片以上の研磨層片から構成される研磨層を有する。これらの研磨層片として、溝または孔の少なくとも1種を有するものを使用することができる。研磨層を構成する、互いに隣接する研磨層片は、可能な限り近接させて配置されている。例えばこれらの互いに隣接する研磨層片の間の間隔は0〜0.1mm程、より好ましくは0〜0.02mm程である。本発明の研磨パッドでは、このように各研磨層片が近接しているため、研磨層片を保持する粘着層または接着層は研磨層表面に曝されない。したがって、粘着層等による被研磨体の汚染の可能性が低減されており、加えて、研磨層を保持する粘着層等への研磨スラリーの侵入の可能性が低減されるため、粘着層と研磨層との間の剥がれ(剥離)の防止につながる。本発明研磨パッドにおける研磨層片は、可能な限り近接させて配置され、隣接している。これは、一定の間隔を設けて研磨層片を配置することと比較して、研磨層片の配置時の煩雑さが低減されている。
本発明の研磨パッドを、図を用いて具体的に説明する。図1は、本発明の研磨パッドの1つの実施態様の概略平面図である。この実施態様では、研磨層は、二等辺三角形の形状の研磨層表面を有する研磨層片を8つ用いて構成されている。各研磨層片は、可能な限り近接させて配置され、隣接している。各研磨層片は溝を有している。この溝は各研磨層片に切断する前に設けてもよく、また各研磨層片を配置して研磨パッドの研磨層を作成した後に溝を設けてもよい。また、この溝の溝幅および溝の深さ、隣接する溝間の最短部分の距離である溝ピッチ、および溝の本数は、必要に応じて任意に変更することができる。
図2は、本発明の研磨パッドの他の実施態様の概略平面図である。この実施態様では、研磨層は、その研磨層表面上にそれぞれ互いに形状が異なる溝または孔の少なくとも1種を有する2種類の研磨層片を、それぞれ4つずつ用いて構成されている。2種類の研磨層片を交互に配置する、つまり異なる種類の研磨層片を隣接させて配置することによって、研磨層表面の溝が分断された、不連続な形態となっている。研磨層表面の溝を不連続なものとすることによって、研磨スラリーの保持率を高めることができる。
図3は、本発明の研磨パッドの他の実施態様の概略平面図である。この実施態様では、研磨層は、研磨層表面に溝を有する研磨層片と、溝を有しない未加工の研磨層片とを、それぞれ4つずつ用いて構成されている。このように配置することによって、研磨層表面上の溝は、分断された不連続な形態となっている。
図4は、本発明の研磨パッドの他の実施態様の概略平面図である。この実施態様では、研磨層は、その研磨層表面上にそれぞれ互いに形状が異なる溝または孔の少なくとも1種を有する2種類の研磨層片を、それぞれ4つずつ用いて構成されている。本発明によれば、研磨層を構成する研磨層片の製造段階で溝を設けることができるため、このように研磨層表面上の溝の方向を自在に変えることができるため、選択可能な研磨表面が大幅に広がりうる。
図5は、本発明の研磨パッドの他の実施態様の概略平面図である。この実施態様では、研磨層は、その研磨層表面上にそれぞれ互いに形状が異なる溝または孔の少なくとも1種を有する2種類の研磨層片を、それぞれ4つずつ用いて構成されている。一方は研磨層表面に溝を有する研磨層片であり、他方は研磨層表面に孔を有する研磨層片である。
なお、図2〜6に例示される研磨パッドは、2種類の研磨層片によって構成されているが、これらの例示と同様に、3種、4種またはそれ以上の研磨層片によって構成されていてもよい。また、図2〜5に例示される研磨パッドの研磨層は、同じ大きさを有する8つの研磨層片によって構成されているが、大きさが異なる研磨層片を用いてもよい。
図6は、本発明の研磨パッドの他の実施態様の概略平面図である。この実施態様では、研磨層は、扇型の形状の研磨層表面を有する6つの研磨層片により構成されている。これらの研磨層表面には溝が設けられている。
図7は、本発明の研磨パッドの他の実施態様の概略平面図である。この実施態様では、研磨層は、扇型の形状の研磨層表面を有する8つの研磨層片により構成されている。これらの研磨層表面には孔が設けられている。
図8は、本発明の研磨パッドの他の実施態様の概略平面図である。この実施態様では、研磨層は、異なる物性を有する材料から作成された2種類の研磨層片をそれぞれ4つ用いて構成されている。図中の「Hs」は硬度を示し、ここに例示される硬度数値はアスカーD型硬度計によって測定される値である。この実施態様では、硬度がより高い(Hs=60)研磨層片が、研磨層表面に溝を有している。この場合には、より高い硬度を有する研磨層片に溝を設けることによって、溝を設けることによって生じ得る研磨層片の強度低下を補うことができる。また、両研磨層片共に、その研磨層表面上に、任意の深さの溝を有していてもよい。
図8では、異なる構造または物性を有する2種類の研磨層片の例として、異なる硬度を有するものを例示している。このような態様の類型として、弾性率、比重等の材料の物性が互いに異なる2種以上の研磨層片を用いる場合、および気泡数、気泡の径など材料の構造が互いに異なる2種以上の研磨層片を用いる場合、が挙げられる。
図9は、本発明の研磨パッドの他の実施態様の概略平面図である。この実施態様では、研磨層は、同心円状の円またはリングの形状の研磨層表面を有する研磨層片によって構成されている。
図10は、本発明の研磨パッドの他の実施態様の概略平面図である。この実施態様では、研磨層は、長方形の形状の研磨層表面を有する9つの研磨層片によって構成されている。これらの研磨層表面上には、溝が設けられている。
図11は、本発明の研磨パッドの1の実施態様の概略平面図および部分断面図である。この部分断面図は、A−A’ラインで研磨層表面に対して垂直方向に切断した断面図である。この研磨パッドは、研磨層17と支持層19とを有する。
次に、研磨パッドの一般的構成について説明する。本発明における研磨パッドとして、研磨層のみを有する単層型の研磨パッドであってもよく、またはウエハ等の被研磨体に接する研磨層表面を有する研磨層とプラテン(定盤)との間に位置する支持層とを有する積層型の研磨パッドであってもよい。積層型の研磨パッドである場合、支持層上に研磨層が形成されていることになる。この支持層として、例えばクッション層を用いることができる。本発明の研磨パッドは、単層型の研磨パッド、積層型の研磨パッドの何れにも限定されるものではないが、研磨性能などについて考慮すると、研磨パッドとして、研磨層とプラテン(定盤)との間に位置する支持層を有するものが好ましい。
本発明の研磨パッドの研磨層の形成材料としては、例えば、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ハロゲン系樹脂(ポリ塩化ビニル、ポリテトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデンなど)、ポリスチレン、オレフィン系樹脂(ポリエチレン、ポリプロピレンなど)、エポキシ樹脂、及び感光性樹脂などが挙げられる。これらは単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
研磨層の形成材料としてポリウレタン樹脂を用いるのが特に好ましい。ポリウレタン樹脂は耐摩耗性に優れ、また、原料組成を種々変えることにより所望の物性を有するポリマーを容易に得ることができるためである。
ポリウレタン樹脂は、イソシアネート末端ウレタンプレポリマーと有機ジアミン化合物とからなる。イソシアネート末端ウレタンプレポリマーは、ポリイソシアネートと高分子ポリオールと低分子ポリオールからなる。
ポリイソシアネートは、注型成形時に必要とされるポットライフに応じて適宜に選定されると共に、生成する末端NCOプレポリマーを低溶融粘度とすることが必要である為、単独または2種以上の混合物で適用される。それらの具体例として、限定されるものではないが、例えば2,4−および/または2,6−ジイソシアナトトルエン、2,2’−、2,4’−および/または4,4’−ジイソシアナトジフェニルメタン、1,5−ナフタレンジイソシアネート、p−およびm−フェニレンジイソシアネート、ダイメリルジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、ジフェニル−4,4’−ジイソシネート、1,3−および1,4−テトラメチルキシリデンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート、ドデカメチレンジイソシアネート、シクロヘキサン−1,3−および1,4−ジイソシアネート、1−イソシアナト−3−イソシアナトメチル−3,5,5−トリメチルシクロヘキサン(=イソホロンジイソシアネート)、ビス−(4−イソシアナトシクロヘキシル)メタン(=水添MDI)、2−および4−イソシアナトシクロヘキシル−2’−イソシアナトシクロヘキシルメタン、1,3−および1,4−ビス−(イソシアナトメチル)−シクロヘキサン、ビス−(4−イソシアナト−3−メチルシクロヘキシル)メタン、等が挙げられる。
また、高分子ポリオールとして、例えばヒドロキシ末端ポリエステル、ポリカーボネート、ポリエステルカーボネート、ポリエーテル、ポリエーテルカーボネート、ポリエステルアミド等が挙げられる。これらのうち耐加水分解性の良好なポリエーテルおよびポリカーボネートが好ましく、価格面と溶融粘度面からはポリエーテルが特に好ましい。ポリエーテルポリオールとしては、反応性水素原子を有する出発化合物と、例えば酸化エチレン、酸化プロピレン、酸化ブチレン、酸化スチレン、テトラヒドロフラン、エピクロルヒドリンのような酸化アルキレンまたはこれら酸化アルキレンの混合物との反応生成物が挙げられる。反応性水素原子を有する出発化合物としては、水、ビスフェノールA並びに後述のようなポリエステルポリオールを製造するための二価アルコールが挙げられる。
更に、ヒドロキシ基を有するポリカーボネートとしては、例えば、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ジエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコールおよび/またはポリテトラメチレングリコールの様なジオールとホスゲン、ジアリルカーボネート(例えばジフェニルカーボネート)もしくは環式カーボネート(例えばプロピレンカーボネート)との反応生成物が挙げられる。ポリエステルポリオールとしては、二価アルコールと二塩基性カルボン酸との反応生成物が挙げられるが、耐加水分解性向上の為には、エステル結合間距離が長い方が好ましく、いずれも長鎖成分の組み合わせが望ましい。
二価アルコールとしては、特に限定はしないが、例えばエチレングリコール、1,3−および1,2−プロピレングリコール、1,4−および1,3−および2,3−ブチレングリコール、1,6−ヘキサングリコール、1,8−オクタンジオール、ネオペンチルグリコール、シクロヘキサンジメタノール、1,4−ビス−(ヒドロキシメチル)−シクロヘキサン、2−メチル−1,3−プロパンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリエチレングリコール、トリプロピレングリコール、ジブチレングリコール等が挙げられる。
二塩基性カルボン酸としては、脂肪族、脂環族、芳香族および/または複素環式のものがあるが、生成する末端NCOプレポリマーを液状または低溶融粘度とする必要上から、脂肪族や脂環族のものが好ましく、芳香族系を適用する場合は脂肪族や脂環族のものとの併用が好ましい。これらカルボン酸としては、限定はしないが、例えばコハク酸、アジピン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、ナフタレンジカルボン酸、シクロヘキサンジカルボン酸(o−、m−、p−)、ダイマー脂肪酸、例えばオレイン酸、等が挙げられる。これらポリエステルポリオールとしては、カルボキシル末端基の一部を有することもできる。例えば、ε−カプロラクトンの様なラクトン、またはε−ヒドロキシカプロン酸の様なヒドロキシカルボン酸のポリエステルも使用することができる。
低分子ポリオールとしては、前述のポリエステルポリオールを製造するのに用いられる二価アルコールが挙げられるが、本発明の低分子ポリオールとは、ジエチレングリコール、1,3−ブチレングリコール、3−メチル−1,5−ペンタンジオールおよび1,6−ヘキサメチレングリコールのいずれか1種またはそれらの混合物を用いることが好ましい。本発明以外の低分子ポリオールであるエチレングリコールや1,4−ブチレングリコールを用いると、注型成形時の反応性が速くなり過ぎたり、最終的に得られるポリウレタン研磨材成形物の硬度が高くなり過ぎるため、本発明の研磨材としては、脆くなったり又IC表面に傷がつき易くなる。他方、1,6−ヘキサメチレングリコールよりも長鎖の二価アルコールを用いると、注型成形時の反応性や、最終的に得られるポリウレタン研磨材成形物の硬度が適切なものが得られる場合もあるが、価格的に高くなり過ぎ、実用的ではない。
本発明で使用される有機ジアミン化合物としては、特に限定されないが、例えば、3,3’−ジクロロ−4,4’−ジアミノジフェニルメタン、クロロアニリン変性ジクロロジアミノジフェニルメタン、1,2−ビス(2−アミノフェニルチオ)エタン、トリメチレングリコール−ジ−p−アミノベンゾエート、3,5−ビス(メチルチオ)−2,6−トルエンジアミン等が挙げられる。
ポリウレタン樹脂を発泡させる場合、その発泡方法として、化学的な発泡剤による発泡、機械的な泡を混入させる発泡および微小中空体の混入または熱によって微小中空体となる前駆体を混入させる発泡などを使用することができる。また、これらの方法のうち2以上の方法を併用してもよい。これらの発泡方法を用いて、研磨パッドの研磨層を微細発泡体とすることができる。微細発泡体の平均気泡径は、70μm以下であることが好ましく、更に好ましくは50μm以下である。平均気泡径が70μm以下であれば、プラナリティ(平坦性:半導体ウエハのそれぞれの微小領域の凹凸の少なさ)が良好となる。
本発明における研磨層の比重は、0.5〜1.0g/cmであることが好ましい。比重が0.5g/cm未満の場合、研磨層の表面の強度が低下し、被研磨物のプラナリティ(平坦性)が悪化する恐れがある。また、1.0g/cmより大きい場合は、研磨層表面での微細気泡の数が少なくなり易く、プラナリティは良好であるが、研磨速度が小さなくなる傾向にある。
本発明における研磨層の硬度は、アスカーD硬度計にて、45〜80であることが好ましい。上記硬度が45度未満の場合、被研磨物のプラナリティ(平坦性)が悪化し、また、80度より大きい場合は、プラナリティは良好であるが、被研磨物のユニフォーミティ(均一性:半導体ウエハ全面における研磨量のばらつきの少なさ)が低下する傾向にある。
本発明における研磨層の圧縮率は、0.5〜5.0%であることが好ましい。上記範囲に圧縮率があることにより、プラナリティとユニフォーミティを両立させることが可能となる。
本発明における研磨層の圧縮回復率が、50〜100%であることが好ましい。圧縮回復率がこの範囲を逸脱する場合、被研磨物による繰り返しの荷重が研磨中に研磨層にかかるにつれて、研磨層厚みに大きな変化が現れ、研磨特性の安定性が悪化してしまうため好ましくない。
本発明の研磨パッドを形成する研磨層片は、上記の研磨層の形成材料を研磨シートの形態で作製し、この研磨シートを各研磨層片に切断することによって製造される。
図12〜14は、研磨シートから本発明の研磨層片を切断する際の切断図を示した研磨シートを示す。図12は、二等辺三角形の形状の研磨層表面を有する研磨層片に切断する場合の切断図である。図12に示すように、1つの二等辺三角形の頂角と他の2つの二等辺三角形の底角とを隣接させて、そしてこの他の2つの二等辺三角形の底辺同士が点接触し1の直線を形成する形状で、研磨層片に切断することができる。このように研磨層片を切断することによって、研磨シートの歩留まりを向上させることができる。
図13は、扇型の形状の研磨層表面を有する研磨層片に切断する場合の切断図である。図13に示すように、1つの扇型の中心角と他の2つの扇型の弧とが隣接する形状で研磨層片に切断することができる。このように研磨層片を切断することによって、研磨シートの歩留まりを向上させることができる。
図14は、長方形の形状の研磨層表面を有する研磨層片に切断する場合の切断図である。研磨層片をこのように切断し、図10のように配置して、研磨層を形成することもできる。
研磨層片の切断は、例えば、任意の打ち抜き型を用いる打ち抜き、ダイヤモンドカッター等を用いる切断など、通常使用される任意の方法で行なうことができる。例えば打ち抜きによって切断する場合は、トムソン刃を用いた打ち抜き型とプレス機を用いて行なうことができる。
本発明の研磨パッドの研磨層は、3片以上の研磨層片によって形成され、好ましくは3〜16片の研磨層片によって形成される。3片以上の研磨層片を用いて研磨層を形成することによって、研磨シートの歩留まりを改善することができる。一方、16片を超える研磨層片を用いることとすると、研磨層切断工程および研磨層片を組合せて研磨層を作成する工程において、作業が煩雑となってしまう。
図15は、本発明の研磨層の製造方法と従来の製造方法とを概略説明する図である。図15中の上図は、研磨シートから研磨層をそのまま切断する場合の切断図であり、図15中の下図は本発明の切断層片を切断する場合の切断図である。下図において、8つの切断層片をそれぞれ隣接させて並べると、図1〜5に示すような研磨パッドの研磨層が形成される。上図の研磨層の直径、および下図の研磨層片から形成される研磨層(正八角形の形状)の外接円の直径は、共に2Rである。上図において、幅2.8R、長さ5.5R、面積15.4Rの研磨シートから、2パッドの研磨層を得ることができる。そして下図において、幅2.4R、長さ6.0R、面積14.4Rの研磨シートから、3.5パッドの研磨層、つまり1.75倍ものパッド分を得ることができる。この説明図からも分かるように、本発明における研磨層は、従来の方法による研磨層を切断する場合と比べて、より少ない面積の研磨シートからより多いパッド分の研磨層を得ることができるという、優れた利点を有する。
研磨シートは、上記した研磨層の形成材料から、通常の方法によって作製される。本発明の研磨パッドにおいて、研磨層表面上の溝または孔は、研磨層片を切断する前に設けてもよく、研磨層片の状態で設けてもよく、また研磨層片から研磨パッドに形成した後に設けてもよい。さらに、シート作製時において、所定の表面形状を有する金型に樹脂を流し込み硬化させることによって、研磨シート表面上に溝や孔を設けることもできる。
これらの溝または孔は、研磨層片から研磨パッドを構成する前の、研磨層片の状態で設けるのが好ましい。例えば、図12のように、研磨層片を切断する前に、研磨シートの研磨表面上に数本の溝を平行線状に加工するようにことによって、1の操作で複数の研磨層表面上に溝を設けることができ、研磨層表面の加工の効率を著しく高めることができるからである。また、研磨シートの研磨層表面上の1部に溝または孔を設けて、そして研磨層片を切断することによって、研磨層表面上に溝または孔の少なくとも1種を有する研磨層片と、溝および孔いずれも有しない研磨層片とを製造することもできる。
研磨層片の状態で孔および/または溝を設ける方法として、特に限定されるものではないが、例えば、所定サイズのバイトのような治具を用いて機械切削する方法、所定の表面形状を有するプレス板で樹脂をプレスして形成する方法、フォトリソグラフィーを用いて形成する方法、印刷手法を用いて形成する方法、および炭酸ガスレザーなどを用いたレーザー光により形成する方法などが挙げられる。これらの方法はいずれも、研磨シートから研磨層片を切断する前および切断後の両方において、用いることができる。また、研磨層片から構成された研磨パッドとしてから孔および/または溝を設ける方法として、所定サイズのバイトのような治具を用いて機械切削する方法などが挙げられる。
本発明の研磨パッドが単層型の研磨パッドである場合は、研磨層の厚さは1.0〜5.0mm、好ましくは1.2〜2.1mmであるのが好ましい。
本発明の研磨パッドが積層型の研磨パッドであって、研磨層と支持層とを有する場合は、研磨層の厚さは1.0〜5.0mmであるのが好ましく、より好ましくは1.2〜2.1mmである。そして、積層型の研磨パッドを構成する支持層の厚さは0.5〜2.0mmであるのが好ましく、より好ましくは0.7〜1.3mmである。
前記支持層は、研磨層の特性を補い、被研磨体と研磨層表面との密着性などを向上させるものである。支持層は、CMPにおいて、トレードオフの関係にあるプラナリティとユニフォーミティの両者を両立させるために好ましく用いられるものである。研磨層の特性によって、プラナリティを改善し、支持層の特性によってユニフォーミティを改善することを行う。本発明の研磨パッドにおいては、支持層として研磨層より柔らかいクッション層を用いることが好ましい。
前記支持層の形成材料は特に制限されないが、例えば、ポリエステル不織布、ナイロン不織布、アクリル不織布などの繊維不織布、ポリウレタンを含浸したポリエステル不織布のような樹脂含浸不織布、ポリウレタンフォーム、ポリエチレンフォームなどの高分子樹脂発泡体、ブタジエンゴム、イソプレンゴムなどのゴム性樹脂、及び感光性樹脂などが挙げられる。
研磨層と支持層とを貼り合わせる手段としては、例えば、研磨層と支持層とを両面テープで挟み、プレスする方法が挙げられる。研磨層片を用いて研磨パッドを作成する方法として、例えば型枠を用いて作成することができる。研磨層の作成工程の1態様である、型枠を用いて作成する方法を、図16を用いて概略説明する。図16における方法では、研磨層片37の厚みを超えない高さを有する型枠33を使用して、研磨層を作成している。この方法では、型枠の中に、研磨層片が互いに隣接するように配置する。このとき、研磨層片は、研磨層表面と型枠台表面とが対向する方向で並べる。次いで、配置された研磨層片の裏面上に両面テープを貼りつけ、余剰のテープ部分を切り取る。これに支持体を貼りつけて、研磨パッドを得ることができる。
両面テープは、不織布やフィルム等の基材の両面に接着層を設けた一般的な構成を有するものである。支持層へのスラリーの浸透等を防ぐことを考慮すると、基材にフィルムを用いることが好ましい。また、接着層の組成としては、例えば、ゴム系接着剤やアクリル系接着剤等が挙げられる。金属イオンの含有量を考慮すると、アクリル系接着剤は金属イオン含有量が少ないため好ましい。また、研磨層と支持層は組成が異なることもあるため、両面テープの各接着層の組成を異なるものとし、各層の接着力を適正化することも可能である。
この両面テープとして、曲げ剛性の高い樹脂からなる基材を有する両面テープを使用することによって、研磨パッドの剛性を高めることができる。曲げ剛性の高い樹脂として、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)などの樹脂を挙げることができる。通常用いられる両面テープの基材の厚さは、25μmほどである。本発明においては、両面テープの基材の厚さを、25μm以上、例えば50〜200μm程として、研磨パッドの剛性を高めてもよい。
積層型の研磨パッドをプラテンに貼り合わせる手段として、例えばプラテンと支持層との間に両面テープを介在させてプレスして接着する方法が挙げられる。
この両面テープは、上述と同様に不織布やフィルム等の基材の両面に接着層を設けた一般的な構成を有するものである。研磨パッドの使用後に、プラテンから剥がすことを考慮すると、基材としてフィルムを有するものを用いるとテープ残り等を解消することができるため好ましい。また、接着層の組成は上述と同様である。
研磨パッドが研磨層からなる単層型の研磨パッドである場合は、上記のような両面テープを用いて、プラテンと研磨層片とを貼り合わせることができる。この場合、上記の図16を用いて概略説明した方法を用いて研磨層片と両面テープの一面とを貼り合わせ、そしてその両面テープの残りの他面を直接プラテンに貼りつけることができる。
本発明における研磨パッドは、研磨の際に必要であれば研磨層表面の目立てであるドレッシングを施してもよいが、ドレッサー屑によるスクラッチを防止したり、研磨パッドの寿命が長くなるため、ドレスを行わないドレスレスでの研磨が望ましい。
また、本発明における研磨層の加工方法により、研磨層の厚みバラツキは100μm以下であることが好ましい。厚みバラツキが100μmを越えるものは、研磨層に大きなうねりを持ったものとなり、被研磨物に対する接触状態が異なる部分ができ、研磨特性に影響を与える。また、研磨層の厚みバラツキを解消するため、一般的には、研磨初期に研磨層表面をダイヤモンド砥粒が電着又は、融着させたドレッサーを用いてドレッシングするが、上記範囲を超えたものは、ドレッシング時間が長くなり、生産効率を低下させるものとなる。
本発明の研磨パッドは、半導体デバイスの製造における半導体ウエハの表面を研磨する工程に用いることができる。半導体ウエハとは、一般にシリコンウエハ上に配線金属及び酸化膜を積層したものである。半導体ウエハの研磨方法、研磨装置は特に制限されず、たとえば研磨パッドを支持する研磨定盤と、半導体ウエハなどの被研磨体を支持する支持台(ポリシングヘッド)とウエハへの均一加圧を行うためのバッキング材と、研磨剤の供給機構を備えた研磨装置などを用いて行われる。研磨パッドは、例えば、両面テープで貼り付けることにより、研磨定盤に装着される。研磨定盤と支持台とは、それぞれに支持された研磨パッドと半導体ウエハが対向するように配置され、それぞれに回転軸を備えている。また、支持台側には、半導体ウエハを研磨パッドに押し付けるための加圧機構が設けてある。研磨に際しては、研磨定盤と支持台とを回転させつつ半導体ウエハを研磨パッドに押し付け、スラリーを供給しながら研磨を行う。スラリーの流量、研磨荷重、研磨定盤回転数、及びウエハ回転数は特に制限されず、適宜調整して行う。
これにより半導体ウエハなど被研磨体の表面の突出した部分が除去されて平坦状に研磨される。その後、ダイシング、ボンディング、パッケージング等することにより半導体デバイスが製造される。半導体デバイスは、演算処理装置やメモリー等に用いられる。
以下の実施例により本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されない。尚、特に断らない限り、「部」は重量部を表わす。
実施例等における評価項目は下記のようにして測定した。
(平均気泡径測定)
厚み1mm程度になるべく薄くミクロトームカッターで平行に切り出した研磨層を平均気泡径測定用試料とした。試料をスライドガラス上に固定し、画像処理装置(東洋紡社製、Image Analyzer V10)を用いて、任意の0.2mm×0.2mm範囲の全気泡径を測定し、平均気泡径を算出した。
(比重測定)
JIS Z8807−1976に準拠して行った。4cm×8.5cmの短冊状(厚み:任意)に切り出した研磨層を比重測定用試料とし、温度23℃±2℃、湿度50%±5%の環境で16時間静置した。測定には比重計(ザルトリウス社製)を用い、比重を測定した。
(アスカーD硬度測定)
JIS K6253−1997に準拠して行った。2cm×2cm(厚み:任意)の大きさに切り出した研磨層を硬度測定用試料とし、温度23℃±2℃、湿度50%±5%の環境で16時間静置した。測定時には、試料を重ね合わせ、厚み6mm以上とした。硬度計(高分子計器社製、アスカーD型硬度計)を用い、硬度を測定した。
(圧縮率および圧縮回復率測定)
直径7mmの円(厚み:任意)に切り出した研磨層(研磨層)を圧縮率および圧縮回復率測定用試料とし、温度23℃±2℃、湿度50%±5%の環境で40時間静置した。測定には熱分析測定器 TMA(SEIKO INSTRUMENTS製、SS6000)を用い、圧縮率と圧縮回復率を測定した。また、圧縮率と圧縮回復率の計算式を下記に示す。
Figure 2005294412
Figure 2005294412
[T1は研磨層に無負荷状態から30KPa(300g/cm)の応力の負荷を60秒間保持した時の研磨層厚みであり、
T2はT1の状態から180KPa(1800g/cm)の応力の負荷を60秒間保持した時の研磨層厚みであり、
T3はT2の状態から無負荷状態で60秒間保持し、その後30kPa(300g/cm)の応力負荷を60秒間保持した場合の研磨層の厚みである。]
実施例1
支持層の作製
支持層として、ポリエチレンフォーム(東レ社製)をバフ加工により厚み0.8mmに加工したものをコロナ処理し、両面テープとの接着力を向上させたものを使用した。
研磨層の作製
フッ素コーティングした反応容器内に、ポリエーテル系プレポリマー(ユニロイヤル社製、アジプレンL−325、NCO濃度:2.22meq/g)3000重量部、シリコーン系ノニオン界面活性剤(東レ・ダウシリコーン社製SH192、ポリジメチルシロキサン・ポリオキシアルキレングリコール共重合体)120重量部を混合し、温度を80℃に調整した。フッ素コーティングした撹拌翼を用いて、回転数900rpmで反応系内に気泡を取り込むように約4分間激しく撹拌を行った。その後、撹拌機を交換し、予め溶融させた4,4’−メチレンビス(2−クロロアニリン)(イハラケミカル社製、イハラキュアミンMT)770重量部を添加した。その後、約1分間撹拌を続けてフッ素コーティングしたパン型のオープンモールドへ反応溶液を流し込んだ。この反応溶液の流動性がなくなった時点でオーブン内に入れ、110℃で6時間ポストキュアを行い発泡ポリウレタンを得た。得られた発泡ポリウレタンは、気泡数が350個/mmであり、アスカーD硬度にて52であり、圧縮率は2.0%、比重は0.8で、平均気泡径40μmであった。また、界面活性剤の含有量を分析したところ約3wt%含有していることを確認した。次にこの発泡ポリウレタンブロックを、約50℃に加熱しながらスライサーVGW−125(アミテック社製)にて厚さ1.27mmにスライスし研磨シートを得た。
次にこのシートをバフ機(アミテック社製)を使用して、所定の厚さに表面バフをし、厚み精度を整えたシートとした(シート厚み:1.27mm)。このバフ処理をしたシートの研磨表面に、溝加工機(東邦鋼機社製)を用いて研磨表面に溝幅0.50mm、溝ピッチ6.00mm、溝深さ1.00mmの平行線状の溝加工を行なった。トムソン刃を備えた抜き型とプレス機とを用いて、図12の切断図に示されるような形態で打ち抜いた(図12におけるR=600mm)。そして、型枠台に高さ1.0mmの型枠を置き、研磨層片の研磨層表面と型枠台表面とが対向する方向で、研磨層片を型枠内に並べた。配置された研磨層片の裏面上に両面テープ(積水化学工業社製ダブルタックテープ)を貼り合わせ、余剰部分を切り取った。次いで、この両面テープを介して、研磨層片で構成される研磨層と支持層とを貼り合わせて、研磨パッドを得た。
比較例1
実施例1の研磨層の作製により得られた研磨シートから、直径600mmの研磨層を打ち抜いた。両面テープ(積水化学工業社製ダブルタックテープ)を介して研磨層と実施例1の支持層とを貼り合わせて、研磨パッドを得た。
評価
実施例および比較例により得られた研磨パッドを用いて、研磨操作を行なった。どちらも良好に被研磨体を研磨することができた。
本発明の研磨パッドは、研磨シートから切断された研磨層片から構成される研磨層を有する。そのため、研磨シートの一部に異物混入(コンタミ)や空隙(ボイド)が存在していても、その研磨層片1片が使用できなくなるにとどまり、研磨層全体が使用できなくなることはない。そのため、研磨シートからの研磨層の材料収率(歩留まり)を大幅に改善することができる。また、本発明の研磨パッドの研磨層は、2種以上の研磨層片を組合せて構成することができる。これらの組合せを変えることによって、研磨スラリーの保持力、すなわち研磨特性、を所望の範囲に調整することができる。例えば、研磨スラリーの保持力を上げて研磨レートを上げることができる。また例えば、研磨スラリーの保持力を下げて排水性を高めることによって、ハイドロプレーニング現象の発生を防ぐことができる。さらに、本発明の研磨パッドは、粘着層または接着層が研磨層表面に曝されないため、被研磨体の汚染の可能性が低減されている。本発明により、汚染の可能性が低減され、製造時に種々の設計変更が可能であり、そして部分的に交換可能である、歩留まりの高い研磨パッドを提供することができる。
本発明の研磨パッドのある実施態様の概略平面図である。 本発明の研磨パッドのある実施態様の概略平面図である。 本発明の研磨パッドのある実施態様の概略平面図である。 本発明の研磨パッドのある実施態様の概略平面図である。 本発明の研磨パッドのある実施態様の概略平面図である。 本発明の研磨パッドのある実施態様の概略平面図である。 本発明の研磨パッドのある実施態様の概略平面図である。 本発明の研磨パッドのある実施態様の概略平面図である。 本発明の研磨パッドのある実施態様の概略平面図である。 本発明の研磨パッドのある実施態様の概略平面図である。 本発明の研磨パッドのある実施態様の概略平面図および部分断面図である。 研磨シートから本発明の研磨層片を切断する際の切断図を示した研磨シートを示す。 研磨シートから本発明の研磨層片を切断する際の切断図を示した研磨シートを示す。 研磨シートから本発明の研磨層片を切断する際の切断図を示した研磨シートを示す。 本発明の研磨層の製造方法と従来の製造方法とを概略説明する図である。 研磨層の作成工程の1態様の概略説明図である。
符号の説明
1…研磨パッド、3…研磨層片、5…溝、7…研磨シート、9…研磨層片、11…溝、13…孔、15…研磨層、17…研磨層、19…支持層、31…型枠台、33…型枠、35…両面テープ、37…研磨層片。

Claims (18)

  1. 研磨層を有する研磨パッドであって、該研磨層が、互いに隣接する3片以上の研磨層片から構成される、研磨パッド。
  2. 研磨層および支持層を有する研磨パッドであって、該研磨層が、互いに隣接する3片以上の研磨層片から構成されおよび該支持体上に形成されている、研磨パッド。
  3. 前記研磨層が、互いに隣接する3〜16片の研磨層片から構成される、請求項1または2記載の研磨パッド。
  4. 互いに隣接する研磨層片間の間隔が0〜0.1mmである、請求項1〜3いずれかに記載の研磨パッド。
  5. 前記研磨層片が、その研磨層表面上に溝または孔の少なくとも1種を有する、請求項1〜4いずれかに記載の研磨パッド。
  6. 研磨層が2種以上の研磨層片によって構成される、請求項5記載の研磨パッド。
  7. 前記2種以上の研磨層片が、その研磨層表面上にそれぞれ互いに形状が異なる溝または孔の少なくとも1種を有する研磨層片である、請求項6記載の研磨パッド。
  8. 前記2種以上の研磨層片のうち、1種の研磨層片は研磨層表面上に溝または孔の少なくとも1種を有するものであって、他の1種は研磨層表面上に溝および孔のいずれも有さない未加工のものである、請求項6記載の研磨パッド。
  9. 異なる種類の研磨層片が互いに隣接する、請求項6〜8いずれかに記載の研磨パッド。
  10. 前記2種以上の研磨層片が、それぞれ互いに異なる構造または物性を有する研磨層片である、請求項6〜9記載の研磨パッド。
  11. 前記研磨層片が、両面テープを介してプラテン上または支持層上に貼着されている、請求項1〜10いずれかに記載の研磨パッド。
  12. 前記両面テープが、厚さ25μm以上であるポリエチレンテレフタレートからなる基材を有する両面テープである、請求項11記載の研磨パッド。
  13. 研磨シート上に溝または孔の少なくとも1種を設ける加工工程、および
    該研磨シートを研磨層片に切断する研磨層片切断工程、
    を包含する、研磨パッドの研磨層を構成する研磨層片の製造方法。
  14. 前記研磨層片切断工程が、二等辺三角形の形状の研磨層表面を有する3つ以上の研磨層片に切断する工程であって、この工程おいて、1つの二等辺三角形の頂角と他の2つの二等辺三角形の底角とが隣接し、該他の2つの二等辺三角形の底辺同士が点接触し1の直線を形成する形状で研磨層片が切断される、請求項13記載の研磨層片の製造方法。
  15. 前記研磨層片切断工程が、扇型の形状の研磨層表面を有する3つ以上の研磨層片に切断する工程であって、この工程において、1つの扇型の中心角と他の2つの扇型の弧とが隣接する形状で研磨層片が切断される、請求項13記載の研磨層片の製造方法。
  16. 請求項13〜15いずれかに記載の方法により得られた研磨層片を3片以上組合せて研磨層を作成する工程を包含する、研磨パッドの研磨層の製造方法。
  17. 請求項13〜15いずれかに記載の方法により得られた研磨層片。
  18. 請求項1〜12いずれかに記載の研磨パッドを用いて半導体ウエハの表面を研磨する工程を含む、半導体デバイスの製造方法。
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