JP2005276249A - 光ピックアップ装置 - Google Patents
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Abstract
【構成】 信号記録層の上にカバー層が形成されている光ディスク28に対して記録/再生を行う光ピックアップ装置10は、半導体レーザ12と対物レンズ26との間に補正レンズ20とコリメータレンズ24が配置されている。カバー層の厚さが基準値からずれたために球面収差が生じたときは、補正レンズ20を光軸方向に前後に移動させて補正レンズ20とコリメータレンズ24との位置関係を変える。この結果、対物レンズ26から射出されるレーザ光は、平行光から拡散光または収束光に変換されて、カバー層の厚さが基準値からずれたことによる球面収差を相殺する球面収差を発生させる。
【効果】 補正レンズのみを移動させることにより、信号記録層上の球面収差を抑制することができるので、光ピックアップ装置を小型化できる。
【選択図】 図1
【効果】 補正レンズのみを移動させることにより、信号記録層上の球面収差を抑制することができるので、光ピックアップ装置を小型化できる。
【選択図】 図1
Description
この発明は、光ピックアップ装置に関し、特に光ディスクの信号記録層上に形成されたカバー層の厚さが基準値からずれることによって生じる球面収差を補正することができる、光ピックアップ装置に関する。
近年、光ディスクは、映像データ、音声データ、コンピュータデータなどのデータを記録する媒体として広く使用されており、光ディスクに対する高記録密度化および大容量化の要求は、ますます強くなっている。
このような光ディスクは、信号記録層上に光を透過するカバー層を有しており、カバー層を介して信号記録層に光を集光することによりデータの記録/再生が行なわれる。信号記録層に光を集光する対物レンズは、カバー層の厚さが基準値(光ディスクの規格値の標準値)のときに、信号記録層上で球面収差が最小となるように設計されている。このため、片面に複数の信号記録層がある場合、またはカバー層の厚さに製造上のばらつきがある場合など、カバー層の厚さが基準値からずれていると球面収差が発生する。
特許文献1の従来技術では、カバー層の厚さが基準値からずれることによって発生する球面収差を補正するため、2枚の凸レンズ、または1枚の凸レンズと1枚の凹レンズからなるビームエキスパンダをコリメータレンズと対物レンズの間の平行光中に配置し、これら2枚のレンズ間の距離を調整して、光の平行度を調整する光ピックアップ装置が開示されている。
この光ピックアップ装置は、カバー層の厚さが基準値からずれているとき、ビームエキスパンダによって対物レンズへの入射光を平行光から拡散光または収束光に変換する。そして、カバー層の厚さが基準値からずれることによって発生する球面収差を、対物レンズで発生する球面収差によって相殺し、信号記録層上での球面収差を記録/再生にほぼ影響しない程度まで軽減することができる。
特開2002−170276号公報[G11B 7/24,B41M 5/26]
しかし、ビームエキスパンダは2枚のレンズによって構成されているので、光ピックアップ装置を小型化できないという問題がある。
それゆえに、この発明の主たる目的は、小型化できる、光ピックアップ装置を提供することである。
請求項1の発明は、信号記録層の上にカバー層が形成されている光ディスクの記録/再生を行なう光ピックアップ装置であって、光源、光源からの光をカバー層を透過して信号記録層に集光させる対物レンズに入射させるコリメータレンズ、光源とコリメータレンズとの間に配置されたかつコリメータレンズとの距離を変えることによって光源からの光を平行光、拡散光および収束光のいずれかに変換して対物レンズに入射させる補正レンズ、および補正レンズとコリメータレンズとの距離を変えるために補正レンズを光軸に沿って移動させる移動手段を備える、光ピックアップ装置である。
請求項1の発明では、光源から補正レンズに入射した光は、補正レンズとコリメータレンズとの距離によって平行光、拡散光、収束光のいずれかの光になってコリメータレンズから射出される。コリメータレンズから射出された光は、対物レンズによって光ディスクのカバー層を通して信号記録層に集光される。このとき、補正レンズとコリメータレンズとの距離を変えるため、移動手段により補正レンズを光軸方向に沿って移動させる。
したがって、カバー層の厚さが基準値からずれた場合、補正レンズを光軸方向に移動させて、対物レンズへの入射光を平行光から拡散光または収束光にする。この結果、カバー層の厚さが基準値からずれたことによって生じた球面収差は、対物レンズからの射出光に発生する逆方向の球面収差によって相殺される。このため、信号記録層上の球面収差を抑制することができる。
請求項2の発明は、請求項1記載の光ピックアップ装置において、補正レンズは1枚の凹レンズである。このため、光ピックアップ装置をさらに小型化できる。
請求項3の発明は、請求項1または2記載の光ピックアップ装置において、移動手段は、補正レンズの周囲に光軸に直交する方向に巻かれた駆動コイルと、駆動コイルに磁界が作用するように配置されたマグネットとを含み、駆動コイルに電流を流すことによって補正レンズを光軸に沿って移動させる。駆動コイルに電流を流すと、磁界から光軸方向の力を受ける。このため、移動手段にはめ込まれた補正レンズも光軸に沿って移動前後に移動することができる。
請求項4の発明は、請求項1または2記載の光ピックアップ装置において、移動手段は、ステッピングモータを含む。このため、ステッピングモータへの通電をオフしても、補正レンズは初期位置に戻らず通電していたときの位置に止まっている。
請求項5の発明は、請求項1ないし4のいずれかに記載の光ピックアップ装置において、波長の異なる光を射出する複数の光源と、複数の光のうち特定光源からの光を補正レンズに入射させる波長選択性プリズムとをさらに含む。このため、波長の異なる光を射出する複数の光源を有する光ピックアップ装置では、光源を選択することにより、記録密度の異なる光ディスクの記録/再生を行うことができる。
請求項6の発明は、請求項1ないし5のいずれかに記載の光ピックアップ装置を含み、光源の周囲温度を測定する温度センサ、および温度センサの測定結果に基づいて移動手段を制御する第1制御手段をさらに備える、光ディスク記録/再生装置である。
請求項6の発明では、光源の周囲温度を測定する温度センサをさらに備え、移動手段はこの温度センサが測定した温度に応じて補正レンズを移動させる。光源の周囲温度により、光源からの光の波長が変動する。さらに、光の波長の変動に応じて、カバー層の屈折率も変わるので、球面収差が発生する。このため、第1制御手段は、温度センサによって得られた光源の周囲温度に基づいて、補正レンズを光軸に沿って移動させるように移動手段を制御し、球面収差を抑制する。
請求項7の発明は、請求項6記載の光ディスク記録/再生装置において、光源の出力を測定する出力センサ、および出力センサの測定結果に基づいて移動手段を制御する第2制御手段をさらに備える。
請求項7の発明では、光源の出力を測定する出力センサを備えている。光源の出力が変われば、光源から射出される光の波長が変動する。さらに、光の波長の変動に応じてカバー層の屈折率も変わるので、球面収差が発生する。このため、第2制御手段は、出力センサによって得られた光源の出力に基づいて、補正レンズを光軸に沿って移動させるように移動手段を制御し、球面収差を抑制する。
請求項8の発明は、請求項6または7記載の光ディスク記録/再生装置において、対物レンズの光軸方向の位置情報を検出する検出手段、および検出手段の検出結果に基づいて移動手段を制御する第3制御手段をさらに備える。
請求項8の発明では、対物レンズの光軸方向の位置情報を検出し、検出した位置情報に基づいて移動手段を制御し、補正レンズを移動させる。光ディスクの信号層に合焦させるために対物レンズを移動させれば、対物レンズと補正レンズとの距離が変わり、球面収差が発生する。このため、第3制御手段は、対物レンズの光軸方向の位置情報を検出手段によって求めた後、補正レンズを移動させるために移動手段を制御して、球面収差を抑制する。
この発明によれば、光源とコリメータレンズとの間に設けた補正レンズを光軸に沿って移動させることにより、光ディスクのカバー層が基準値からずれたことによる球面収差を相殺するので、光ピックアップ装置を小型化することができる。
この発明の上述の目的,その他の目的,特徴および利点は、図面を参照して行う以下の実施例の詳細な説明から一層明らかとなろう。
図1(A)〜図1(C)を参照して、この実施例の高密度光ディスク(以下この実施例では「光ディスク」という)28の記録/再生を行うことができる光ピックアップ装置10について説明する。図1(A)〜図1(C)には、光ピックアップ装置10の斜視図、平面図および側面図がそれぞれ示されている。
光ピックアップ装置10は、光源である半導体レーザ12を含む。半導体レーザ12から射出された直線偏向のレーザ光(波長405nm)は、ダイバージェントレンズ14に入射する。このとき、レーザ光の効率および光ディスク28に集光されるレーザ光のスポットサイズを考慮し、ダイバージェントレンズ14には広がり角(光軸となす角度)が±5.4度程度の範囲のレーザ光を入射させる。入射したレーザ光は、ダイバージェントレンズ14によって広がり角が2度〜3度程度と狭くなる。ここで、ダイバージェントレンズ14によりレーザ光の広がり角を狭くしたのは、後で説明する偏向ビームスプリッタ10の分光特性が広がり角に大きく影響されるので、分光特性を良くするためである。
ダイバージェントレンズ14から射出された直線偏向のレーザ光は、偏光ビームスプリッタ16を透過した後、1/4波長板18に入射し、直線偏向から円偏光に変換される。円偏向に変換されたレーザ光は、補正レンズ20によってその広がり角が6度前後まで大きくされる。補正レンズ20は、後述するように光軸方向(X方向)に沿って前後に移動させることができる。補正レンズ20の移動によって、次に説明する対物レンズ26に球面収差を発生させることができる。この球面収差と補正レンズ20との位置との関係については後述する。
次に、レーザ光は、45度反射ミラー22によって対物レンズ26が配置されている方向(+Z方向)に反射された後、コリメータレンズ24により平行光にされる。平行光にされたレーザ光は、対物レンズ26によって光ディスク28の信号記録層に集光される。
光ディスク28によって反射されたレーザ光は、再びコリメータレンズ24を透過後、45度反射ミラー22によって補正レンズ20が配置された方向(−X方向)に反射される。反射された円偏向のレーザ光は、補正レンズ20を透過した後、1/4波長板18によって、円偏向から直線偏向に変換される。この直線偏向に変換されたレーザ光の偏向方向は、半導体レーザ12から射出された直線偏向の偏光方向に対して90度回転した方向である。直線偏向に変換されたレーザ光は、偏光ビームスプリッタ16によって、入射方向と90度の角度をなす方向(プラスY方向)に反射される。
偏光ビームスプリッタ16によって反射された光は、集光レンズ30、およびフォーカスサーボができるように非点収差を引き起こす円筒レンズ32を透過した後、光検出器34に入射する。光検出器34はフォトダイオードからなり、入射した光の強度に応じた信号を出力する。
図2(A)〜図4(C)を参照して、光ディスク28のカバー層の厚さが基準値からずれることによって発生する球面収差と、この球面収差を補正するため、対物レンズ26に入射させるレーザ光との関係について説明する。
まず、図2(A)を参照して、対物レンズ26にレーザ光を平行光として入射させたとき、レーザ光がディスク表面28aから第1カバー層36aを透過して、ディスク表面28aに近い第1信号記録層28bに集光するように対物レンズ26が設計されている場合、第1信号記録層28bに集光されるレーザ光の球面収差は最小となる。
この対物レンズ26を使用して、第1信号記録層28bよりも深い位置にある第2信号記録層28cにレーザ光を集光させると、レーザ光は第1カバー層36aおよび第2カバー層36bを透過しなければならないので、第2信号記録層28cで球面収差が発生する。そこで、図2(B)に示すように、対物レンズ26に入射するレーザ光を拡散光にすると、カバー層の厚さが厚くなったことによる球面収差をほぼ相殺するような球面収差がレーザ光に生じ、第2信号記録層28cに集光するレーザ光の球面収差を抑制することができる。
次に、図3(A)を参照して、対物レンズ26にレーザ光を平行光として入射させたとき、レーザ光がディスク表面28aから第1カバー層36aおよび第2カバー層36bを透過して第2信号記録層28cに集光するように対物レンズ26が設計されている場合、第2信号記録層28cに集光されるレーザ光の球面収差は最小となる。
この対物レンズ26を使用して、第1信号記録層28bに集光させると、レーザ光が透過するカバー層は第1カバー層36aだけであるため、第1信号記録層28bで球面収差が生じる。そこで、図3(B)に示すように、対物レンズ26に入射するレーザ光を収束光にすると、カバー層の厚さが薄くなったことによる球面収差をほぼ相殺するような球面収差がレーザ光に生じ、第1信号記録層28bに集光するレーザ光の球面収差を抑制することができる。
さらに、図4(A)を参照して、対物レンズ26にレーザ光を平行光として入射させると、このレーザ光が第1信号記録層28bと第2信号記録層28cに挟まれたカバー層36bの中央の位置28dに集光するように対物レンズ26が設計されている場合、その中央の位置28dに集光されるレーザ光の球面収差は最小となる。
この対物レンズ26を使用して、第1信号記録層28bに集光する場合には、レーザ光は第1カバー層36aのみを透過するので、第1信号記録層28bで球面収差が発生する。このとき、図4(B)に示すように、対物レンズ26に入射するレーザ光を収束光にすると、カバー層の厚さが薄くなったことによる球面収差をほぼ相殺するような球面収差がレーザ光に生じるので、第1信号記録層28bに集光するスポット光の球面収差を抑制することができる。
また、第2信号記録層28cに集光する場合は、レーザ光は第1カバー層36aおよび第2カバー層36bを透過することになるので、第2信号記録層28cで球面収差が発生する。このとき、図4(C)に示すように、対物レンズ26に入射するレーザ光を拡散光にすると、カバー層の厚さが厚くなったことによる球面収差をほぼ相殺するような球面収差がレーザ光に生じるので、第2信号記録層28cに集光するレーザ光の球面収差を抑制することができる。
このように対物レンズ26に入射するレーザ光を収束光または拡散光として、対物レンズ26から射出されるレーザ光の球面収差を抑制することにより、記録/再生特性の劣化を低減することができる。
なお、第1カバー層36aおよび第2カバー層36bの厚さは、光ディスク28を製造するときの膜厚のばらつきにより、基準値からずれることもあるが、この場合も同様にして球面収差を抑制することができる。
また、光源である半導体レーザ12の温度、出力などが変動すると、それに伴い波長がわずかながら変動する。このとき、レーザ光の波長に対応する光ディスク28のカバー層の屈折率が変わることによって球面収差が発生する。この場合も同様にして球面収差を抑制することができる。
次に、図5を参照して、補正レンズ20の位置を変えることによって、対物レンズ26に入射するレーザ光が平行光、拡散光および収束光のいずれかとなることを説明する。ここで、光源である半導体レーザ12、ダイバージェントレンズ14、コリメータレンズ24、対物レンズ26の位置は固定されている。また、補正レンズ20は、1枚の凹レンズであり、光軸に沿って前後に移動することができる。ここで、補正レンズとしては凸レンズを使用することもできるが、凹レンズの方が光ピックアップ装置10を小型化することができるため好ましい。
図5の中央の図は、カバー層の厚さが基準値の場合を示している。このとき補正レンズ20の位置は、コリメータレンズ24から射出されるレーザ光が平行光となるような位置にある。したがって、対物レンズ26への入射光は平行光となる。
図5の上側の図は、カバー層の厚さが基準値よりも厚い場合を示している。このとき補正レンズ20の位置は、図5の中央の図の場合に比べて、コリメータレンズ24側に移動しているので、コリメータレンズ24から射出されるレーザ光は拡散光となる。したがって、対物レンズ26への入射光は拡散光となる。
図5の下側の図は、光ディスク28のカバー層の厚さが基準値よりも薄い場合を示している。このとき補正レンズ20の位置は、図5の中央の図の場合に比べて、ダイバージェントレンズ14側に移動しているので、コリメータレンズ24から射出されるレーザ光は収束光となる。したがって、対物レンズ26への入射光は収束光となる。
ここで、補正レンズ20を使用するのではなく、コリメータレンズ24を光軸方向に移動させることによって球面収差の補正をしなかったのは、次に述べる理由のためである。すなわち、ダイバージェントレンズ14によって広がり角が狭くされたレーザ光を、コリメータレンズ24によって平行光に変換しようとすると、コリメータレンズ24の焦点距離を長くしなければならない。このようなコリメータレンズ24を移動させて球面収差を補正しようとすると、コリメータレンズ24の移動距離を長くなり、光ピックアップ装置10が大型化してしまうという問題があるからである。
次に、図6を参照して、光ディスク28のカバー層の厚さが70μmから130μmの範囲で発生する球面収差と、この球面収差に対して上述の補正を行なった場合のシミュレーション結果について説明する。ここで、カバー層の厚さの基準値を100μm、対物レンズの開口数NAを0.85とした。
例えば、カバー層の厚さが基準値100μmから±30μmはずれた場合、すなわちカバー層の厚さが130μmまたは70μmの場合には、図6からわかるように、球面収差の発生量は約0.3λ(「λ」は光の波長)にまで増加する。一般に、良好な記録/再生特性を得るためには,球面収差の発生量は光ピックアップ装置10全体で0.07λ以下に抑えなければならないとされている。このため、球面収差の発生量が0.3λの場合、良好な記録/再生特性は得られない。
そこで、ダイバージェントレンズ14とコリメータレンズ24との間に補正レンズ20を設け、補正レンズ20を光軸に沿って前後に動かして、対物レンズ26に入射するレーザ光を拡散光または収束光に変換した場合についてシミュレーションを行う。その結果、図6からわかるように、球面収差の発生量は0.01λ以下と、補正を行なわない場合に比べて大幅に抑制できることがわかる。このように、球面収差の発生量を0.01λ以下に抑制することができれば、記録/再生特性への影響はほとんどないと考えられる。
次に、図7を参照して、補正レンズ20を含む補正レンズユニット40の構造について説明する。補正レンズユニット40は可動部50を含み、可動部50は、補正レンズ20が嵌め込まれている補正レンズホルダ42と、この補正レンズホルダ42の周囲に配置された第1駆動コイル44、第2駆動コイル46および第3駆動コイル48からなる。
第1駆動コイル44は、第2駆動コイル46および第3駆動コイル48から離れた位置で、補正レンズホルダ42の外周部を、光軸と直交するように巻かれている。第2駆動コイル46は、2つのコイルが光軸を挟んで対向して配置されており、互いに逆向きに巻かれて結線されている。また、第3駆動コイル48は、2つのコイルが光軸を挟んで対向して配置されており、互いに逆向きに巻かれて結線されている。そして、第2駆動コイル46および第3駆動コイル48によって、補正レンズホルダ42の外周部を囲んでいる。
さらに、可動部50の外周部全体を囲むように、マグネット52が配置され、このマグネット52は、第2駆動コイル46および第3駆動コイル48に対応して4分割されている。例えば、マグネット52の内周面がS極であるとき、外周面はN極であるため、このときマグネット52による磁界の方向は、光軸と直行し、内周側から外周側に向かって放射状に出ていく方向である。
ヨーク54は円筒状の外壁とその内部に、外壁と同心円をなす円筒状の内壁からなり、この外壁と内壁に挟まれた空間に、マグネット52とマグネット52によってその外周を取り囲まれた可動部50が配置されている。ヨーク54は、マグネット52とともに磁気回路を構成し、マグネット52により発生する磁界の強度を強める働きをしている。
さらに、第2駆動コイル46と第3駆動コイル48の端面が互いに向かい合う4箇所の位置に対応するヨーク54の外周部に、それぞれ接続基板56が取付けられおり、各接続基板56には可動部50を支えるサスペンションワイヤ58が2本ずつ固定されて、可動部50を支えている
次に、図8を参照して、補正レンズユニット40の第1駆動コイル44、第2駆動コイル46、第3駆動コイル48の役割を説明する。まず、第1駆動コイル44は、すでに説明したように、光軸の周りを光軸に直行する方向にコイルが巻かれている。この第1駆動コイル44に電流を流すと、その外周部を囲んでいるマグネット52によって発生する、光軸と直交する放射線状の磁界によって、フレミング左手の法則により第1駆動コイル44に電流の向きおよび磁界の方向のいずれにも垂直な方向である光軸方向に力が働く。
さらに、第2駆動コイル46と第3駆動コイル48の端面が互いに向かい合う4箇所の位置に対応するヨーク54の外周部に、それぞれ接続基板56が取付けられおり、各接続基板56には可動部50を支えるサスペンションワイヤ58が2本ずつ固定されて、可動部50を支えている
次に、図8を参照して、補正レンズユニット40の第1駆動コイル44、第2駆動コイル46、第3駆動コイル48の役割を説明する。まず、第1駆動コイル44は、すでに説明したように、光軸の周りを光軸に直行する方向にコイルが巻かれている。この第1駆動コイル44に電流を流すと、その外周部を囲んでいるマグネット52によって発生する、光軸と直交する放射線状の磁界によって、フレミング左手の法則により第1駆動コイル44に電流の向きおよび磁界の方向のいずれにも垂直な方向である光軸方向に力が働く。
例えば、図8に示すように、第1駆動コイル44に流れる電流を矢印の向きである右回りに流し、磁界の方向をマグネット52の内周側から外周側に向かう方向とすると、第1駆動コイル44には、光軸方向をコリメータレンズ22から遠ざかる方向(−X方向)に力が作用する。補正レンズ20は第1駆動コイル44が巻かれている補正レンズホルダ42に嵌め込まれているので、補正レンズ20もコリメータレンズ22から遠ざかる方向(−X方向)に移動する。その結果、対物レンズ26に入射する光は収束光となる。このように、光ディスク28の信号記録層上に生じる球面収差の補正は、第1駆動コイル44に電流を流して補正レンズ20を光軸方向に前後に移動させることにより行なう。
なお、第2駆動コイル46によって、補正レンズ20を光ディスク28のラジアル方向に傾けることができるので、この方向の傾きを補正することもできる。また、第3駆動コイル48によって、補正レンズ20を光ディスク28のタンジェンシャル方向に傾けることができるので、この方向の傾きを補正することもできる。これらの方向の傾き補正は、コマ収差が発生する場合に行なう。
上述の補正レンズユニット40は小型化に適しているが、通電をオフすると、補正レンズ20は初期位置に戻ってしまうという問題がある。一方、ステッピングモータを利用して補正レンズ20を移動させることもできる。この場合、駆動装置は補正レンズユニット40よりも大型になるが、通電をオフしても補正レンズ20は初期位置に戻らず、通電がオンのときと同じ位置に止まっている。
次に、図9を参照して、光ディスク記録/再生装置60について説明する。この光ディスク記録/再生装置60は、光ピックアップ装置10、信号生成回路62およびCPU72を含む。
光ピックアップ装置10は、半導体レーザ12、補正レンズユニット40、光検出器34、フロントモニタダイオード68、レーザ駆動回路64、対物レンズ26、対物レンズアクチュエータ70を含む。温度センサ66は半導体レーザ12の周囲温度を、フロントモニタダイオード68は半導体レーザ12の出力をそれぞれ測定し、測定した半導体レーザ12の周囲温度および出力をCPU72に与える。
信号生成回路62は、光検出器34の出力信号に基づいてフォーカスエラー信号、トラッキングエラー信号、RF信号などの信号を生成し、生成した信号をCPU72に与える。
CPU72は、与えられたフォーカス信号に基づいて、レーザ光が光ディスク28の信号記録層に合焦していないことを検知すると、対物レンズアクチュエータ70を駆動して、対物レンズ26をフォーカス方向に移動させて合焦させる。次に、CPU72は、合焦させたときの対物レンズ26のフォーカス方向の位置を、対物レンズアクチュエータ70のフォーカス駆動電圧とフォーカス電圧感度に基づいて計算する。
同様に、CPU72は、トラッキングエラー信号によって、レーザ光が光ディスク28のトラック上からはずれていることを検知すると、対物レンズアクチュエータ70を駆動して、対物レンズ26を光ディスク28の主面に平行に移動させて、レーザ光が常に光ディスク28のトラック上に照射されるように制御する。
さらに、CPU72は、RF信号、温度センサによって測定された半導体レーザ12の周囲温度、フロントエンドモニタダイオード68によって測定された半導体レーザ12の出力および計算により求めた対物レンズ26の位置に基づいて、補正レンズユニット40を制御して、レーザ光の球面収差を抑制する。ここで、半導体レーザ12の周囲温度および出力が必要な理由は、レーザ光の波長が半導体レーザ12の周囲温度および出力の変動に伴って変化すると、その波長に対応する光ディスク28のカバー層の屈折率も変化して、球面収差が生じるからである。また、対物レンズ26の位置は、例えば光ディスク28が反っているとき、対物レンズ26をフォーカス方向に移動させて合焦させると、対物レンズ26と補正レンズ20との距離が変わり、球面収差の発生に影響を与えるからである。
また、CPU72は、フロントエンドモニタダイオード68から出力された半導体レーザ12の出力をレーザ駆動回路64にフィードバックして半導体レーザ12の出力を安定させたり、光ディスク28にデータを記録させるために強いパルスレーザを発生させたりするとき、レーザ駆動回路に半導体レーザ12を駆動する信号を与える。
次に、図10を参照して、補正レンズ20の位置を調整するCPU72の処理フローについて説明する。なお、光ディスク28は第1信号記録層28bと第2信号記録層28cという2層の信号記録層を有するものとする。
まず、ステップS1では、これから記録/再生を行なう光ディスク28の信号記録層は第1信号記録層28bであるレイヤ0として、レーザ光がレイヤ0に合焦するように補正レンズ20の位置を粗調整する。ステップS3では、光ディスク28の信号記録層がレイヤ0であるか否かを判断する。この判断は、信号生成回路62から取得したフォーカスエラー信号と、あらかじめ設定しておいた閾値(レイヤ0のフォーカスエラー信号よりも少し小さい値)とを比較することによって行う。すなわち、フォーカスエラー信号が閾値よりも大きい場合、信号記録層はレイヤ0なので、YESと判断してステップS7に進む。
一方、フォーカスエラー信号が閾値よりも小さい場合、信号記録層は第2信号記録層28cであるレイヤ1なので、NOと判断してステップS5に進む。ステップ5では、レーザ光がレイヤ1に合焦するように補正レンズ20の位置を粗調整する。
次に、ステップS7で、温度センサ66によって取得した半導体レーザ12の周辺温度情報、フロントモニタダイオード68によって取得した半導体レーザ12の出力情報、および対物レンズ26のフォーカス方向の位置情報に基づいて球面収差を計算する。ステップS9では、ステップS7で求めた球面収差を抑制するために、補正レンズ20の位置をステップS1またはステップS5で粗調整により移動させた位置から、ステップS9でさらに微調整した位置に移動させる。
ステップS11では、光ディスク28の記録/再生の試行を行なう。試行の結果、フォーカスオフセット量、トラッキングオフセット量、半導体レーザ12の出力など補正レンズ20の位置以外の条件が決められる。ステップS13では、ステップS11で行なった記録/再生が最適条件か否かの判断を行なう。この判断は、ステップS11の試行によって得られたエラーレートとあらかじめ設定しておいた閾値とを比較することによって行う。すなわち、エラーレートが、閾値よりも小さい場合は最適条件なので、YESと判断してステップS17に進む。
一方、エラーレートが閾値よりも大きい場合は最適条件ではないので、NOと判断してステップS15に進む。ステップS15では、補正レンズ20の位置をステップS9で微調整された位置から少し移動させた後、ステップS11に戻る。
一方、エラーレートが閾値よりも大きい場合は最適条件ではないので、NOと判断してステップS15に進む。ステップS15では、補正レンズ20の位置をステップS9で微調整された位置から少し移動させた後、ステップS11に戻る。
ステップS17では、カバー層の厚さが基準値からずれることにより生じる球面収差を抑制した状態で、レイヤ0またはレイヤ1への記録/再生を行った後、処理を終了する。
なお、上述の処理フローは、信号記録層が2層の場合であるが、信号記録層が3層以上の場合、あるいは光ディスク28のカバー層の膜厚にばらつきがある場合も同様である。
次に、他の実施例である高密度光ディスクおよびDVDディスクを記録/再生することができる光ピックアップ装置について説明する。DVDディスクにも2層の信号記録層を有するものがある。このようなDVDディスクでは、高密度ディスクほどではないが、カバー層の厚さが基準値からずれることによって球面収差が発生し、記録/再生特性が劣化する。そこで、高密度光ディスクだけでなく、DVDディスクの球面収差も補正することができる光ピックアップ装置について説明する。
図11(A)〜図11(C)を参照して、この実施例の光ピックアップ装置80は、例えば高密度光ディスクだけでなくDVDディスク82も記録/再生することができる。光ピックアップ装置80のうち、高密度光ディスク10の記録/再生に関する部分については、図1(A)〜図1(C)の対応する部分に付された番号と同じ番号を付してその説明を省略し、DVDディスク82の記録/再生のために新たに追加された部分についてのみ説明する。
光ピックアップ装置80は、DVDディスクの記録/再生に必要なレーザ光の光源となる半導体レーザ74を含む。半導体レーザ74から射出された直線偏向のレーザ光(波長655nm)は、ダイバージェントレンズ76に入射する。ダイバージェントレンズ76は、ダイバージェントレンズ14と同じ理由で設けられている。
ダイバージェントレンズ76から射出された直線偏向のレーザ光は、ダイクロイックプリズム(波長選択性プリズム)78によって入射方向(プラスY方向)と90度の角度をなす方向(プラスX方向)に反射された後、偏向ビームスプリッタ16に入射する。その後のレーザ光の経路は、図1(A)〜図1(C)を参照して説明した場合と同一であるため、説明を省略する。一方、高密度光ディスク28の記録/再生に必要なレーザ光の光源となる半導体レーザ12から射出されたレーザ光は、ダイバージェントレンズ14を透過した後、ダイクロイックプリズム78中を直進して偏向ビームスプリッタ16に入射する。
なお、光ピックアップ装置10に関する説明で使用した図2(A)〜図10は、光ピックアップ装置80の説明にも使用することができるので、図2(A)〜図10に対応する図およびその説明を省略する。
10…光ピックアップ装置
12、74…半導体レーザ
20…補正レンズ
24…コリメータレンズ
26…対物レンズ
28…光ディスク
34…光検出器
40…補正レンズユニット
44…第1駆動コイル
50…可動部
60…光ディスク記録/再生装置
62…信号生成回路
66…温度センサ
68…フロントモニタダイオード
70…対物レンズアクチュエータ
72…CPU
78…ダイクロイックプリズム
82…DVDディスク
12、74…半導体レーザ
20…補正レンズ
24…コリメータレンズ
26…対物レンズ
28…光ディスク
34…光検出器
40…補正レンズユニット
44…第1駆動コイル
50…可動部
60…光ディスク記録/再生装置
62…信号生成回路
66…温度センサ
68…フロントモニタダイオード
70…対物レンズアクチュエータ
72…CPU
78…ダイクロイックプリズム
82…DVDディスク
Claims (8)
- 信号記録層の上にカバー層が形成されている光ディスクの記録/再生を行なう光ピックアップ装置であって、
光源、
前記光源からの光を前記カバー層を透過して前記信号記録層に集光させる対物レンズに入射させるコリメータレンズ、
前記光源と前記コリメータレンズとの間に配置されたかつ前記コリメータレンズとの距離を変えることによって前記光源からの光を平行光、拡散光および収束光のいずれかに変換して前記対物レンズに入射させる補正レンズ、および
前記補正レンズと前記コリメータレンズとの距離を変えるために前記補正レンズを光軸に沿って移動させる移動手段を備える、光ピックアップ装置。 - 前記補正レンズは1枚の凹レンズである、請求項1記載の光ピックアップ装置。
- 前記移動手段は、前記補正レンズの周囲に前記光軸に直交する方向に巻かれた駆動コイルと、前記駆動コイルに磁界が作用するように配置されたマグネットとを含み、前記駆動コイルに電流を流すことによって前記補正レンズを前記光軸に沿って移動させる、請求項1または2記載の光ピックアップ装置。
- 前記移動手段は、ステッピングモータを含む、請求項1または2記載の光ピックアップ装置。
- 波長の異なる光を射出する複数の光源と、前記複数の光源のうち特定の光源からの光を前記補正レンズに入射させる波長選択性プリズムとをさらに含む、請求項1ないし4のいずれかに記載の光ピックアップ装置。
- 請求項1ないし5のいずれかに記載の光ピックアップ装置を含み、
前記光源の周囲温度を測定する温度センサ、および
前記温度センサの測定結果に基づいて前記移動手段を制御する第1制御手段をさらに備える、光ディスク記録/再生装置。 - 前記光源の出力を測定する出力センサ、および
前記出力センサの測定結果に基づいて前記移動手段を制御する第2制御手段をさらに備える、請求項6記載の光ディスク記録/再生装置。 - 前記対物レンズの前記光軸方向の位置情報を検出する検出手段、および
前記検出手段の検出結果に基づいて前記移動手段を制御する第3制御手段をさらに備える、請求項6または7記載の光ディスク記録/再生装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2004083953A JP2005276249A (ja) | 2004-03-23 | 2004-03-23 | 光ピックアップ装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2004083953A JP2005276249A (ja) | 2004-03-23 | 2004-03-23 | 光ピックアップ装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2005276249A true JP2005276249A (ja) | 2005-10-06 |
Family
ID=35175767
Family Applications (1)
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---|---|---|---|
JP2004083953A Withdrawn JP2005276249A (ja) | 2004-03-23 | 2004-03-23 | 光ピックアップ装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2005276249A (ja) |
-
2004
- 2004-03-23 JP JP2004083953A patent/JP2005276249A/ja not_active Withdrawn
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