JP2005272677A - キッチン部材 - Google Patents

キッチン部材 Download PDF

Info

Publication number
JP2005272677A
JP2005272677A JP2004088827A JP2004088827A JP2005272677A JP 2005272677 A JP2005272677 A JP 2005272677A JP 2004088827 A JP2004088827 A JP 2004088827A JP 2004088827 A JP2004088827 A JP 2004088827A JP 2005272677 A JP2005272677 A JP 2005272677A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
coating film
silicone
coating
oil
acrylic resin
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2004088827A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2005272677A5 (ja
Inventor
Kazumi Matsubara
和美 松原
Shuichi Sugita
修一 杉田
Kenichi Okubo
謙一 大久保
Koji Mori
浩治 森
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Steel Nisshin Co Ltd
Original Assignee
Nisshin Steel Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nisshin Steel Co Ltd filed Critical Nisshin Steel Co Ltd
Priority to JP2004088827A priority Critical patent/JP2005272677A/ja
Publication of JP2005272677A publication Critical patent/JP2005272677A/ja
Publication of JP2005272677A5 publication Critical patent/JP2005272677A5/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Application Of Or Painting With Fluid Materials (AREA)
  • Laminated Bodies (AREA)
  • Paints Or Removers (AREA)

Abstract

【課題】 油汚れが固着することなく、洗浄回数を減らしても美麗な表面が維持されるキッチン部材を提供する。
【解決手段】 グラフト型シリコーン変性アクリル樹脂をベースとする塗料から成膜された塗膜をステンレス鋼の基材表面に設けたキッチン部材であり、塗膜表面をシロキサン構造で覆っている。シロキサン骨格で塗膜が形成されるが、シロキサン骨格の端末にはメチル基,エチル基,フェニル基の一種又は二種以上が付加されている。塗膜中のシリコーン濃度は、好ましくは1〜50質量%の範囲に調整される。
【選択図】 なし

Description

本発明は、付着した油を容易に除去できるキッチンパネル,レンジフード,ガステーブル,厨房用加熱機器等のキッチン部材に関する。
清潔志向,高級志向が強まるにつれ、キッチンパネル,レンジフード,ガステーブル,食洗機外板,厨房用加熱機器等のキッチン部材にステンレス鋼板,クリア塗装ステンレス鋼板が使用されはじめている。清潔感が重視される厨房環境では、種々の表面処理や塗装によって各種汚れを抑制する方策が採られている。たとえば、熱硬化性重合型不飽和エステルとシリコーン樹脂とのグラフト重合体から成膜した皮膜は、水性汚れが付着しがたい表面を呈する(特許文献1)。
特開2000-342359号公報
汚れの中でも、キッチン部材の表面にこびりついた油汚れが最も嫌われる。キッチン部材を頻繁に清掃することにより油汚れを除去できるが、清掃を怠ると油汚れが鋼板表面に強固に固着して除去しがたくなる。なかでも、エポキシ系塗膜で被覆したキッチン部材では、表面に堆積している油が塗膜に溶け込み永久的な汚れとなって残る虞がある。
本発明は、キッチン部材の表面に設けられる塗膜を改良することにより、耐油汚れ付着性が改善された表面に改質し、仮に油が付着残留しても容易に洗浄除去可能なキッチン部材を提供することを目的とする。
本発明のキッチン部材は、ステンレス鋼板を基材とし、グラフト型シリコーン変性アクリル樹脂をベースとする塗料から成膜された塗膜が基材表面に設けられている。塗膜表層には、末端にメチル基、エチル基、フェニル基の何れか一種又は二種以上が付加されたシロキサン構造が濃化している。塗膜中のシリコーン濃度は、好ましくは1〜50質量%の範囲に調整される。
キッチン部材でみられる油汚れは、付着した油が過酸化反応し、油分子内で極性成分が多くなって凝集力,粘度が増加し固化することに原因がある。不飽和二重結合の付加重合に起因する分子量増加も一因である。具体的には、食用油に含まれるリノール酸等の不飽和脂肪酸は、次の反応に従って酸化され過酸化脂質(脂質ヒドロペルオキシド)となる。
-CH2-CH=CH- +O2→-CH=CH(OOH)-
ROOH(ハイドロパーオキサイド)→H・ + ROO・(パーオキサイドラジカル)
ROO・ RH→ROOH + R・
過酸化脂質は、臭いの原因であるアルデヒド,ケトン,アルコール等に分解され、更に酸化,分解,切断が繰り返されると酸腐食の原因物質になりやすい。重合による粘度上昇によって、一層複雑な反応生成物に変わることもある。
他方、ステンレス鋼板等のキッチン部材は、油の過酸化部(-O-O-H)との親和性が高い水酸化物が存在する表面状態になっている。そのため、過酸化した油が部材表面と結合し、頑固な油汚れとなって残る。エポキシ塗膜のように表面近傍に水酸基が配向している塗膜では、付着している油との間で脱水縮合反応も進行して油が塗膜に溶け込むと油汚れを除去できなくなる。
本発明者等は、油汚れの固着性が塗膜の表面状態に影響されることを前提とし、油汚れが付着しがたく付着しても容易に除去できる塗膜を種々調査・検討した結果、アクリルシリコーン樹脂塗膜が好適であることを見出した。シリコーン変性アクリル樹脂は共重合の形態に応じてブロック型,ラダー型,グラフト型に大別されるが、中でもグラフト型シリコーン変性アクリル樹脂をベースとする塗膜が耐油汚れ付着性に優れた特性を示す。
シリコーン変性アクリル樹脂の構成成分のうち、アクリル樹脂よりもシリコーン成分の方が表面自由エネルギーが低く、グラフト型ではシリコーン成分が比較的自由に移動可能なため、造膜時にシリコーン成分が塗膜表面に配向する。他方、ブロック型又はラダー型のシリコーン変性アクリル樹脂では、シリコーン成分がアクリル樹脂に組み込まれ拘束されているので、塗膜表面へのシリコーン成分の配向が期待できない。また、アクリルシリコーン樹脂は、油の過酸化物に対する親和性の高い水酸基を含まず、また加水分解して-OHとなるアルコキシル基:-ORも塗膜表面に配向させていない。そのため、塗膜表面に残存している油分は、塗膜成分と化学反応せず、乾拭き,洗浄等によって塗膜表面から容易に除去される。
酸化した油の付着残留は塗膜のシリコーン濃度にも影響され、シリコーン濃度が高くなるほど塗膜の表面張力が低下し油が付着しがたくなる。しかし、シリコーン濃度の上昇に伴い塗膜の密着性,加工性が低下するので、シリコーン濃度を適正管理することにより油分の付着抑制と塗膜の密着性,加工性とを両立させている。
塗装原板には、鋼種や表面仕上げが制約されることなく種々のステンレス鋼板を使用できる。塗装原板は、塗膜の密着性を改善するため塗装前処理が施される。具体的には、アルカリ脱脂,酸洗で鋼板表面を清浄化した後、必要に応じてリン酸塩処理で鋼板表面の濡れ性を高め、次いでクロメート処理,クロムフリー等の化成処理を施す。リン酸塩処理には、たとえばリン酸亜鉛系の処理液が使用される。クロメート処理には、全クロム量:40mg/m2のクロメート皮膜を形成しても着色の少ないリン酸クロム酸系処理液,或いは更にシリカを配合した処理液が好ましい。ロールコータ,カーテンフローコータ,浸漬法等で化成処理液を塗装原板に塗布し、ロール等で絞った後、水洗することなく50〜200℃で乾燥することによって塗装下地として好適な化成皮膜が形成される。
塗装鋼板の用途によってはプライマ塗膜を省略できるが、耐薬品性や耐湿性,耐水蒸気性を付与し、或いは着色層を設ける場合、プライマ塗膜を設けることが好ましい。プライマ塗膜は、アクリル系,ポリエステル系,ウレタン系,ポリオレフィン系,フッ素系,エポキシ系,シリコーン系、酢酸ビニル系,クロロプレン系等の有機樹脂をベースとする塗料から成膜される。プライマ塗膜には、着色顔料,体質顔料,染料,パール顔料,メタリック顔料,艶消し剤,骨剤,消泡剤,顔料分散剤,たれ防止剤等の各種添加剤を配合しても良い。添加剤の粒度,配合量は、別段制約されることなく、塗装鋼板の諸物性に悪影響を及ぼさない範囲で適宜選択される。
ロールコータ,カーテンフローコータ,浸漬法等でプライマ塗料を塗装原板に塗布し、到達板温:200〜280℃×30〜180秒の加熱処理によりプライマ塗料が塗装原板に焼き付けられる。プライマ塗料の塗布量は、焼付け後の乾燥膜厚が0.5〜30μmとなるように調整される。乾燥膜厚:0.5μm以上でプライマ塗膜形成による酎薬品性や耐湿性,耐水蒸気性等の効果が発現する。着色塗膜の場合、下地金層板を隠蔽するために乾燥膜厚:3μm以上が好ましい。何れの場合も、乾燥膜厚が30μmを超える厚膜のプライマ塗膜では、塗膜表面が柚子肌状になって外観が劣化するだけでなく、焼付け時にワキが発生し易くなる。
表層塗膜は、グラフト型シリコーン変性アクリル樹脂をベースとする塗料から成膜される。グラフト型シリコーン変性アクリル樹脂は、幹となるアクリル樹脂部分にシロキサンから誘導される構造部分(シリコーン成分)がグラフト化している樹脂であり、メチル基,エチル基,フェニル基の何れか一種又は二種以上が付加されたポリシロキサン含有(メタ)アクリル酸エステルでシリコーン成分が形成されている。メチル基,エチル基,フェニル基等の付加により、(メタ)アクリル酸エステル側が反応サイトになった片末端反応性を呈する。
片末端反応性ポリシロキサンは、種々の方法で製造できるが、具体的には次の製法が挙げられる。
最初に、n-ブチルリチウム,リチウムトリメチルシリケート等のアルキルリチウム試薬とヘキサメチルシクロトリシロキサン,オクタメチルシクロテトラシロキサン等の環状ジメチルシロキサンとを有機溶媒中で反応させ、一端をジメチルアルキルシロキサン単位で封止し、他端をジメチルリチウムシロキサン単位でリビング末端とする。次いで、ジメチルクロロシラン,ジメチルブロモシラン等のジアルキルハロゲン化ケイ素と反応させ、片末端水素のポリジメチルシロキサンを得る。該ポリジメチルシロキサンにアクリル酸又はメタクリル酸を反応させると、片末端反応性ポリシロキサンが合成される。使用可能な他の環状シロキサンには、環状ジメチルシロキサン構造のメチル基の少なくとも一つがエチル基又はフェニル基の何れか一種又は二種で置換された環状シロキサン、或いは複数種の環状シロキサンの混合物がある。
水素,ヒドロキシ基,アルコキシ基に置換され、或いは一部含有する環状シロキサンから製造されたシリコーン成分よりなるグラフト型シリコーン変性アクリル樹脂は、塗膜表面に濃化したシリコーン成分と油汚れの親和性が高く、反応によって耐油汚れ付着性が著しく低下するため使用できない。また、塗料焼付け時に、硬化剤と反応したシリコーン成分が塗膜バルク中に組み込まれることによっても、耐油汚れ付着性が著しく低下する。
シリコーン成分は、物性に別段の制約が加わるものではないが、たとえば、平均分子量が200〜20,000(好ましくは、500〜10,000)の範囲にある。分子量が小さいと耐油汚れ付着性が低下する嫌いがあり、分子量が大きくなるにつれグラフト型シリコーン変性アクリル樹脂の製造中に重合溶液が白濁化、ゲル化しやすくなる。
グラフト型シリコーン変性アクリル樹脂の合成に使用されるアクリル単量体としては、アクリル酸,アクリル酸誘導体,メタクリル酸,メタクリル酸誘導体がある。たとえば、(メタ)アクリル酸,(メタ)アクリル酸メチル,(メタ)アクリル酸エチル,(メタ)アクリル酸オクチル,(メタ)アクリル酸2-エチルヘキシル,(メタ)アクリル酸プロピル,(メタ)アクリル酸n-ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル,(メタ)アクリル酸シクロヘキシル,(メタ)アクリル酸フェニル,(メタ)アクリル酸ベンジル,(メタ)アクリル酸イソノニル,(メタ)アクリルアミド,ブチル(メタ)アクリルアミド,N,N-ジメチル(メタ)アクリルアミド,メチルクロロラクリレート,イソボニル(メタ)アクリレート等のラジカル重合性単量体が挙げられる。これらアクリル単量体の一種又は二種以上が共重合することにより、アクリル樹脂部分が構成される。
アクリル樹脂部分の物性は、特に本発明を制約するものではないが、数平均分子量が500〜50,000(好ましくは、2,000〜20,000)の範囲にある。分子量が小さいと、脱水縮重合による分子間橋架け密度が大きくなり、塗膜の加工性,塗膜密着性が低下する傾向を示す。逆に、分子量が大きくなるにつれ溶剤に対する溶解度の低下や粘度の上昇がみられ、塗料化が困難になる。
グラフト型シリコーン変性アクリル樹脂は、前掲したシリコーン含有アクリル単量体と他のアクリル単量体とを共重合させる方法,シリコーン含有アクリル単量体と反応して共有結合を生成し得る反応基を有するアクリル樹脂とシリコーン含有アクリル単量体とを反応させる方法等により合成される。たとえば、アゾ系重合開始剤の存在下、溶液中でラジカル重合することにより塗料の調製に使用可能な樹脂が得られる。
グラフト型シリコーン変性アクリル樹脂を構成するシリコーン成分とアクリル単量体との割合は、得られるグラフト型シリコーン変性アクリル樹脂の耐油汚れ付着性.塗膜密着性等とのバランスを考慮して決定されるが、ベース塗膜に含まれるシリコーン成分の割合が1〜50質量%となるように調整することが好ましい。シリコーン濃度が1質量%未満では塗膜の耐油汚れ付着性が劣り、逆に50質量%を超えるシリコーン濃度では塗料の増粘、ゲル化を促進させ貯蔵安定性に支障をきたす。
トルエン,キシレン,酢酸エチル,酢酸ブチル,シクロヘキサン,ブチルセロソルブ,プロピレングリコールモノメチルエーテル,イソホロン等の溶剤にグラフト型シリコーン変性アクリル樹脂を溶解又は分散させることによりトップ塗料が調製される。アクリル系,ポリエステル系,ウレタン系,ポリオレフィン系,フッ素系,エポキシ系,シリコーン系,酢酸ビニル系,クロロプレン系等の有機樹脂との混合樹脂としても使用可能である。
硬化剤にはメラミン,イソシアネート等が用いられるが、メタノール,エタノール,プロパノール,ブタノール等の一価アルコールで少なくとも部分的にエーテル化,アルコキシ化したメチロールメラミンが好ましい。硬化剤の使用量は、グラフト型シリコーン変性アクリル樹脂に対し20〜60質量%の範囲が好適である。メラミンの使用量が20質量%未満では塗膜が十分に架橋反応せず、塗膜硬度,耐油汚れ付着性が低下しやすい。逆に60質量%を超えると、架橋過剰により塗膜が脆弱化して加工性が低下し、塗料の貯蔵安定性も悪くなり、グラフト型シリコーン変性アクリル樹脂が十分な作用を発現しがたくなる。
トップ塗膜には、着色顔料,体質顔料,染料,パール顔料,メタリック顔料,艶消し剤,骨剤,消泡剤,顔料分散剤,たれ防止剤等の各種添加剤を配合しても良い。添加剤の粒度,配合量は、塗膜の諸物性に悪影響を及ぼさない範囲で適宜選択される。
所定組成に調整されたトップ塗料は、プレコート鋼板の製造に通常使用されているロールコート,フローコート,カーテンフロー,スプレー等の方法で塗装原板に塗布され、到達板温:200〜280℃×30〜180秒で焼付けされる。塗布量は、焼付け後に乾燥膜厚:0.5〜30μmのトップ塗膜が形成されるように調整される。乾燥膜厚:0.5μm以上で耐油汚れ付着性,塗膜密着性等の効果が発現するが、30μmを超える厚膜では塗膜表面が柚子肌状になって外観が劣化するだけでなく、焼付け時にワキが発生し易くなる。
形成されたトップ塗膜には、アクリル樹脂よリ表面自由エネルギの低いシリコーン成分が濃化している。シリコーン成分の表面濃化は、以下の分析法で確認される。
トップ塗膜の最表層をESCA(光電子分光分析)等で観察すると、主としてメチル基,エチル基,フェニル基を末端基とするシロキサン構造が形成されていることが容易に確認される。当該シロキサン構造が塗膜表面にあることは、アクリル樹脂-メラミン間で塗膜の架橋が起こることから、塗膜のネットワーク構築に直接関与せず、表面自由エネルギの低いシリコーン成分が塗膜表層を覆っていることを示唆する。
板厚:0.5mmのSUS430ステンレス鋼No.4仕上げ材を塗装原板に用い、脱脂,水洗,表面調整,水洗,乾燥の工程を経て表面を清浄化した。該塗装原板にクロム系化成処理液をバーコータで塗布し、100℃の加熱・乾燥により全クロム換算付着量:40mg/m2のクロメート皮膜を形成した。
次いで、表1の末端基を持つシリコーン成分とポリアクリル酸メチルとを共重合させた数平均分子量:10,000のグラフト型シリコーン変性アクリル樹脂をベースとするトップ塗料を塗布し、250℃×60秒の焼付けにより乾燥膜厚:5μmのアクリルシリコーン塗膜を形成した。なお、塗膜中のシリコーン濃度は25質量%,硬化剤添加量はべ一ス樹脂に対し40質量%に調整した。
Figure 2005272677
得られたアクリルシリコーン塗装ステンレス鋼板から試験片を切り出し、塗膜硬度,加工性,塗膜密着性,耐油汚れ付着性を調査した。
〔塗膜硬度試験〕
「JlS K5400 6.14 鉛筆引っかき試験」に準拠して塗膜硬度を測定した。
〔加工試験〕
「J1S K5400 8.1耐屈曲性」試験に準拠して、塗装鋼板を180度密着折曲げ試験した後、折曲げ部の塗膜を観察した。塗膜に割れが検出されなかった試験片を○,割れが発生した試験片を×として塗膜の加工性を評価した。
〔塗膜密着試験〕
加工試験と同様に試験片を180度密着折曲げ試験した後、塗膜上に粘着テープを貼り付け、瞬間的に引き剥がした。粘着テープ剥離後に塗膜の付着状態を観察し、塗膜剥離が生じていない試験片を○,塗膜が剥離した試験片を×として塗膜密着性を評価した。
〔油汚れ試験〕
塗膜面にサラダ油を塗布し、120℃×48時間の加熱により擬似油酸化物を生成させた。次いで、乾いた綿布で塗膜面を擦り、擬似油酸化物の残存状況を目視観察した。擬似油酸化物が完全に除去された試験片を○,擬似油酸化物が僅かに残った試験片を△,擬似油酸化物をほとんど除去できなかった試験片を×として耐油汚れ付着性を評価した。
表2の調査結果にみられるように、本発明例(試験番号1〜4)と比較例(試験番号5〜7)では、塗膜硬度,加工性,塗膜密着性等の物性に実質的な差異がなかった。実質的に同じ物性は、アクリルシリコーン樹脂骨格、塗膜の架橋密度等が同等であることが原因と考えられる。
しかし、耐油汚れ付着性に関しては、試験番号1〜4の塗装鋼板が優れた擬似油酸化物除去性を示したのに対し、試験番号5〜7の塗装鋼板では著しく劣っていた。特に、試験番号7では、塗膜が膨潤したため擬似油酸化物の除去自体が不可能であった。擬似油酸化物が除去不可能なことは、ポリシロキサン構造の末端に官能基として導入されたヒドロキシ基,メトキシ基が油汚れに対して高い親和性を示し、油汚れの固着を促進させることを示している。
Figure 2005272677
以上に説明したように、-OHや-ORに代えメチル基,エチル基,フェニル基等を末端に付加したポリシロキサン構造が表面に濃化した塗膜をステンレス鋼表面に設けることにより、耐油汚れ付着性に優れ塗膜密着性,加工性も良好なキッチン部材用プレコートステンレス鋼板が得られ、塗膜が硬質化するため耐疵付き性も付与される。該プレコートステンレス鋼板は、ステンレス鋼本来の優れた表面光沢を活かし、清潔感が要求されるキッチン部材として重宝される。

Claims (2)

  1. グラフト型シリコーン変性アクリル樹脂をベースとする塗料から成膜された塗膜がステンレス鋼表面に設けられ、末端にメチル基、エチル基、フェニル基の何れか一種又は二種以上が付加されたポリシロキサン構造が塗膜表層に濃化していることを特徴とするキッチン部材。
  2. 塗膜中のシリコーン濃度が1〜50質量%に調整されている請求項1記載のキッチン部材。
JP2004088827A 2004-03-25 2004-03-25 キッチン部材 Pending JP2005272677A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004088827A JP2005272677A (ja) 2004-03-25 2004-03-25 キッチン部材

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004088827A JP2005272677A (ja) 2004-03-25 2004-03-25 キッチン部材

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2005272677A true JP2005272677A (ja) 2005-10-06
JP2005272677A5 JP2005272677A5 (ja) 2006-07-20

Family

ID=35172688

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2004088827A Pending JP2005272677A (ja) 2004-03-25 2004-03-25 キッチン部材

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2005272677A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2014131838A (ja) * 2013-01-04 2014-07-17 Nippon Steel & Sumitomo Metal 投影性に優れるとともにマーカー描き性及び拭き取り性に優れるプレコート金属板及びその製造方法

Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0781113B2 (ja) * 1990-04-13 1995-08-30 東亞合成株式会社 シリコーン系グラフト共重合体からなるコーティング剤
JPH1067836A (ja) * 1996-05-24 1998-03-10 Osaka City 機能性ブロック共重合体とその製造方法
JP2001011376A (ja) * 1999-07-02 2001-01-16 Natoko Kk 表面機能材料
JP2001149855A (ja) * 1999-09-14 2001-06-05 Toto Ltd 光触媒性被覆着色物品及びその製造方法
JP2002309054A (ja) * 2001-04-10 2002-10-23 Chugoku Marine Paints Ltd 硬化性組成物、塗料組成物、その塗膜およびその用途

Patent Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0781113B2 (ja) * 1990-04-13 1995-08-30 東亞合成株式会社 シリコーン系グラフト共重合体からなるコーティング剤
JPH1067836A (ja) * 1996-05-24 1998-03-10 Osaka City 機能性ブロック共重合体とその製造方法
JP2001011376A (ja) * 1999-07-02 2001-01-16 Natoko Kk 表面機能材料
JP2001149855A (ja) * 1999-09-14 2001-06-05 Toto Ltd 光触媒性被覆着色物品及びその製造方法
JP2002309054A (ja) * 2001-04-10 2002-10-23 Chugoku Marine Paints Ltd 硬化性組成物、塗料組成物、その塗膜およびその用途

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2014131838A (ja) * 2013-01-04 2014-07-17 Nippon Steel & Sumitomo Metal 投影性に優れるとともにマーカー描き性及び拭き取り性に優れるプレコート金属板及びその製造方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US5580614A (en) Process and coating compound for producing UV or UV/IR or IR/UV hardened coatings
JP4034579B2 (ja) 高耐久複層塗膜及びその形成方法並びに外装用建材
JP2543925B2 (ja) 金属基材のコ―ティング法
EP3543265A1 (en) (meth)acrylic copolymer, coating material composition, coated article and method for forming multilayer coating film
JP4767317B2 (ja) コーティング液およびコーティング方法
JPH0446306B2 (ja)
JP2005272677A (ja) キッチン部材
JP3713573B2 (ja) 生活汚染物質易除去性プラスチック部材
JPS6216147B2 (ja)
JP4846338B2 (ja) クロムめっき用塗料組成物およびこれからなる塗膜を有する物品
JP2009108124A (ja) 水系塗料
JP2019006873A (ja) 硬化性樹脂組成物、コーティング剤、及び物品。
JPH10147743A (ja) 上塗り塗料組成物
JP2003183016A (ja) シリカ膜被覆成形体の製造法及びシリカ膜被覆成形体
JP2001316603A5 (ja)
JP4638072B2 (ja) 水性塗料の塗装方法
JPS6150510B2 (ja)
JPH04106172A (ja) 塗料組成物
JPH07136584A (ja) 建築外装用汚れ防止上塗り塗膜の形成方法
JPH11315254A (ja) 水性つや消し塗料組成物
JPH08253542A (ja) ビニル共重合体樹脂組成物、コーティング剤および該コーティング剤から塗布形成された被膜
JPH09194789A (ja) 高撥水性塗料用樹脂組成物
JP2001072916A (ja) 塗料組成物
JP7003548B2 (ja) 金属用コーティング剤、及び物品
JP2009298944A (ja) 樹脂組成物およびその製造方法、塗料組成物、積層体

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Written amendment

Effective date: 20060605

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

A621 Written request for application examination

Effective date: 20060605

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

RD03 Notification of appointment of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7423

Effective date: 20070411

A521 Written amendment

Effective date: 20070417

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

RD04 Notification of resignation of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424

Effective date: 20070417

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20091222

A02 Decision of refusal

Effective date: 20100413

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02