JPH1067836A - 機能性ブロック共重合体とその製造方法 - Google Patents

機能性ブロック共重合体とその製造方法

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JPH1067836A
JPH1067836A JP13206197A JP13206197A JPH1067836A JP H1067836 A JPH1067836 A JP H1067836A JP 13206197 A JP13206197 A JP 13206197A JP 13206197 A JP13206197 A JP 13206197A JP H1067836 A JPH1067836 A JP H1067836A
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洋一郎 牧村
Hitoshi Masago
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Abstract

(57)【要約】 【課題】縮合系、特に芳香族エステル系のポリマーや、
ビニル系のポリマーを含む合成樹脂に対して、紫外線吸
収性や難燃性などの機能を付与するためのポリマーとそ
の製造方法を提供すること、これにより、このような機
能性ポリマーを利用した改質剤を提供する。 【解決手段】 繰り返し単位に縮合系若しくはビニル系
ポリマーのセグメントとアゾ基とを有するポリアゾ化合
物に、該アゾ基をラジカル重合開始剤として、ラジカル
重合性の機能性付与モノマーをブロック共重合させて機
能を付与した共重合体とし、さらに、この共重合体を、
他の合成樹脂に対する改質剤として利用する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、紫外線吸収性や難
燃性などの機能を付与するための機能性ブロック共重合
体とその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】合成樹脂は、その用途や使用態様に従っ
て各種の機能が要求されるが、そのために機能性のモノ
マー又はポリマーを合成樹脂中に添加して、従来の樹脂
に新たな機能を付与したり、改質することがなされる。
一例を挙げれば、合成樹脂に対する紫外線障害の防護に
ついては、従来、ベンゾフェノン誘導体若しくはベンゾ
トリアゾール誘導体などの紫外線吸収剤を添加すること
がなされ、合成樹脂自体の紫外線劣化を防止して、耐候
性を付与することがされている。また、合成樹脂を難燃
化するために、従来から、酸化アンチモン、リン化合物
あるいはハロゲン化合物が利用されている。
【0003】樹脂の機能は、樹脂全体に具備すればよい
場合と、樹脂成形品の表面ないしは表層部だけに具備す
ればよい場合とがある。前者の場合として、ブレンドポ
リマー相互の溶解ないしはミクロ組織の微細化・分散化
のための相溶性が要求され、非相溶性ポリマー間におけ
る溶融ブレンドの際には、相溶化剤が利用される。後者
の場合には、表面帯電防止剤があり、表面電気抵抗を下
げて、導電性を付与するものである。これに関連して、
ポリアゾ化合物を重合開始剤として、親水性のビニル系
セグメントと疎水性のビニル系セグメントを導入したブ
ロック共重合体とし、親水性セグメントにより表面導電
性を付与して、樹脂の帯電を防止するようにした帯電防
止剤が提案されている(特公平5−41668号公報明
細書)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記の紫外線吸収性に
ついては、従来は上記の低分子量の紫外線吸収剤が少量
(例えば、0.02〜0.1%(重量))添加されてい
たが、合成樹脂成形過程で多量に配合しても、加熱溶融
の段階で揮散してしまい、その歩留りが低く、高価にな
って好ましくなかった。また、高分子型の紫外線吸収剤
も、例えば、スチレンとビニル系紫外線吸収性化合物と
のランダム共重合体などが知られており、加熱溶融時の
揮散の防止には有効であるが、高分子型の紫外線吸収剤
は、添加すべき樹脂との相溶性が問題となり、例えば、
上記のスチレンとの紫外線吸収性重合体は、ポリカーボ
ネートとの相溶性が悪く、均質な分散が得られないな
ど、利用できる合成樹脂に制限があった。
【0005】樹脂の難燃化についても、透明な合成樹脂
に対しては、安定性と透明性との観点からは、リン化合
物が利用されるが、この場合にも、樹脂中に均一に分散
できるような相溶性が必要であった。
【0006】一般に、樹脂内部において均質に発現すべ
き機能としては、難燃性、耐衝撃性、耐放射線性、など
がある。これら機能の発現のためには、合成樹脂に対し
て機能性成分が溶融後に相溶性を示して均質に樹脂中に
分散する必要がある。
【0007】また、特に合成樹脂の表面性状の機能化と
いう点では、帯電防止性・導電性のほかに、紫外線吸収
性、防汚染性、抗菌性、などがある。この場合には、樹
脂中には必ずしも均一な分散が要求されず、むしろこの
ような機能性付与成分が成型時の溶融後冷却過程で表面
に集合するような性質が要求される。従って、これらの
機能によって、機能性成分の樹脂中の分配を調整する必
要が生じる。
【0008】他方、合成樹脂側のポリマー成分について
も、ビニル系ポリマーだけでなく、縮合系のポリマー、
特に、芳香族エステル系ポリマーに対して、これらの性
能付与が要求されたり、さらに、特定の樹脂に対して上
記特定の機能を付与した材料が要求される場合がある。
このために機能性改質剤を利用するには、特定の樹脂と
改質剤との相溶性ないしは均一分散性が問題になる。
【0009】本発明は、縮合系、特に、芳香族エステル
系のポリマーや、ビニル系のポリマーを含む合成樹脂に
対して上記機能を付与するためのポリマーとその製造方
法を提供しようとするものであり、これにより、このよ
うな機能性ポリマーとこれを利用した改質剤を提供する
ものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は、縮合系ポリマ
ー若しくはビニル系ポリマーのセグメントとビニル系機
能性付与ポリマーセグメントとを有するブロック共重合
体とし、このブロック共重合体を合成樹脂の主体ないし
一部に利用して、機能付与セグメントによる機能を合成
樹脂に発現させるのである。そして、ブロック共重合体
の有する縮合系若しくはビニル系セグメントには、添加
すべき樹脂側のポリマーに対して相溶性を有するものを
選ぶことができ、これにより、樹脂中にブロック共重合
体を均一に分散させ得るので、ブロック共重合体を樹脂
に対する添加剤として利用することもできる。
【0011】このようなブロック共重合体は、繰り返し
単位に縮合系若しくはビニル系のポリマーのセグメント
とアゾ基とを含むポリアゾ化合物に、機能付与のための
ラジカル重合可能なモノマーをブロック共重合させるこ
とにより形成される。また、他の方法に、繰り返し単位
に縮合系若しくはビニル系のポリマーのセグメントとパ
ーオキサイド基とを有するポリメリックペルオキシドを
使用して、該パーオキサイド基を重合開始剤として、機
能付与のためのラジカル重合可能なモノマーをブロック
共重合させることによっても形成される。
【0012】機能付与のためのモノマーは、ブロック共
重合によって機能付与セグメントとなり、共重合体は、
そのモノマーの有する本来の性質に対応する機能を発現
するのである。このような機能には、樹脂に対する難燃
性、耐熱性、耐放射線性、紫外線吸収性、帯電防止性、
表面導電性ないし帯電防止性、抗酸化性、防汚染性、抗
菌性などがある。
【0013】本発明のブロック共重合体は、縮合系若し
くはビニル系ポリマーのセグメントと機能性付与ポリマ
ーセグメントと共に、第3のブロックセグメントに低凝
集エネルギー性のモノマーを重合させたセグメントも利
用される。この低凝集エネルギー性のセグメントは、縮
合系若しくはビニル系ポリマーセグメント、ないしは、
合成樹脂の主要な構成成分ポリマーよりも凝集エネルギ
ーが低いポリマーである。このブロック共重合体は、低
凝集エネルギー性のセグメントがその表面に移行してい
るので、これに化学結合しているブロック共重合体の主
鎖の機能性付与セグメントも、表層に移行して濃化して
おり、特に樹脂表層でその機能が集中して働くようにな
る。このような表層に要求される機能としては、紫外線
吸収性、帯電防止性・表面導電性、抗酸化性、防汚染
性、抗菌性などが重要である。
【0014】
【発明の実施の形態】本発明のブロック共重合体は、基
本的には、直鎖上に第1のポリマーセグメントを有する
マクロアゾ重合開始剤と、機能を付与するためのビニル
系モノマーを重合させて形成されるものであり、ビニル
系モノマーの重合により導入された第2のビニル系ポリ
マーと上記第1のポリマーセグメントとを連鎖的に接合
して得られるものである。
【0015】マクロアゾ重合開始剤は、繰り返し単位に
縮合系若しくはビニル系のポリマーのセグメントとアゾ
基とを含むポリアゾ化合物を利用するが、このようなポ
リアゾ化合物は、アゾビスカルボン酸クロリド又はアゾ
ビスカルボン酸と、両末端に水酸基を有する縮合系又は
ビニル系のポリマーとの重縮合反応により形成されたも
のが利用される。アゾビスカルボン酸クロリドには、”
化1”に示すようなアゾビスシアノカルボン酸クロリド
が良く、”化1”中nは1〜3の整数が選ばれ、例え
ば、2,2’−アゾビス(2−シアノプロピオン酸クロ
リド)、又は、4,4’−アゾビス(4−シアノペンタ
ン酸クロリド)が好適に使用される。
【0016】
【化1】
【0017】他方、両末端に水酸基を有する縮合系ポリ
マーには、芳香族ポリカーボネートのジオール、芳香族
ポリエステルのジオール、例えば、ポリエチレンテレフ
タレート、ポリブチレンテレフタレート又はポリジメチ
レンシクロヘキサンテレフタレートのジオールなどがあ
り、さらに、ポリアリレートのジオール、ポリ乳酸のジ
オールが利用でき、カプロラクトンの開環重合によるジ
オールも利用される。また、これらのそれぞれの共重合
体のジオールからなるものについても好適に利用され
る。このような縮合系ポリマーは、このブロック共重合
体を添加剤として利用する場合には、添加されるべき樹
脂のポリマーに対して相溶性を示す縮合系ポリマーの中
から、そのジオールとして選ばれる。縮合系ポリマーの
ジオールは、縮合系ポリマーを原料とし、2価アルコー
ルにより触媒存在下で主鎖を分断して両末端に水酸基を
有するオリゴマーとして得られる。この2価アルコール
には、通常はポリマー形成成分の2価アルコールを使用
する。縮合系ポリマーがポリカーボネートである例で
は、ポリカーボネートと2価のアルコールとしてビスフ
ェノールAとを、トリクロロベンゼン中で、酢酸亜鉛を
触媒として、加熱溶解させて、後に冷却すると、両末端
にフェノール性水酸基を有するカーボネートオリゴマー
が形成される。縮合系ポリマーが、ポリエチレンテレフ
タレート、ポリブチレンテレフタレート又はポリジメチ
レンシクロヘキサンテレフタレートの場合には、2価ア
ルコールにそれぞれ、エチレングリコール、1,4−ブ
タンジオール又は1,4−シクロヘキサンジメタノール
が使用される。
【0018】また、両末端に水酸基を有するビニル系ポ
リマーには、ポリオレフィンのジオールが利用され、例
えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブチレンの
ジオールがある。ポリオレフィンセグメントを有するポ
リアゾ化合物の利用は、形成したブロック共重合体のポ
リオレフィン系樹脂に対する相溶性を高めることができ
る利点があり、ポリオレフィン系樹脂への機能性付与に
有効となる。
【0019】特に、両末端に水酸基を有するポリオレフ
ィンには、”化2”に示すように、ブタジエンを重合さ
せ、水素添加により両末端を反応性のOH基で置換した
ポリオレフィンポリオールも使用可能であり、三菱化学
(株)製に係る「ポリテールH」や「ポリテールHA」
として入手可能である。「ポリテールH」や「ポリテー
ルHA」の使用は、ブロック共重合体をポリエチレン樹
脂やポリプロピレン樹脂への機能性付与添加剤として利
用するのに適している。
【0020】
【化2】
【0021】ポリアゾ化合物は、両末端に水酸基を有す
る縮合系またはオレフィンのオリゴマーに、上記のアゾ
ビスカルボン酸クロリドとを溶液中で縮合反応させて、
重合化し、大過剰のメタノールに投入するなどして、沈
澱させて、分離する。両末端に水酸基を有するカーボネ
ートオリゴマーの例では、ポリカーボネートセグメント
とアゾ基とが交互に挿入されたポリアゾ化合物が得られ
る。このようにして形成されたポリアゾ化合物は、繰り
返し単位に縮合系ポリマー又はビニル系ポリマーのセグ
メントと、アゾ基とが含まれており、これを、他の機能
性付与ビニル系モノマーとの重合の際にマクロアゾ重合
開始剤として利用するのである。
【0022】機能性付与ビニル系モノマーは、ビニル基
を有する紫外線吸収性化合物、例えば、ベンゾトリアゾ
ール誘導体又はベンゾフェノン誘導体の(メタ)アクリ
レートエステル類があり、これにより共重合体に紫外線
吸収機能を付与することができる。一例として、 ”化
3”に示すように、2−ヒドロキシ−4−(2−メタク
リロイルオキシエトキシ)ベンゾフェノンが使用でき
る。
【0023】
【化3】
【0024】また、機能性付与ビニル系モノマーには、
ビニル基を有する有機リン化合物を利用して、共重合体
に難燃性を付与することができる。このような難燃性付
与モノマーには、ジエチル(ビニルフェニル)ホスフェ
ート、4−ビニルベンゼンホスフィン酸ジエチルエステ
ルなどの有機リン酸エステル化合物等がある。他の例と
して、”化4”に示すように、ジフェニル−2−メタク
リロイルオキシエチルホスフェート(大八化学工業
(株)製造「MR−260」として入手可能)が好まし
く使用される。
【0025】
【化4】
【0026】さらに、防汚性付与ビニル系モノマーに
は、低凝集エネルギー性のモノマー若しくはオリゴマー
が使用され、これには、溶解度パラメータδ [cal/cm3]
1/2 又は臨界表面張力γc dyn/cmで評価して、共重合体
セグメントをなす上記のビニル系ポリマーや縮合系ポリ
マーに比して凝集エネルギーの概して小さいものが利用
され、特に、末端にビニル基を有する有機シロキサン又
はフルオロアルキルのモノマーが利用できる。有機シロ
キサン又はフルオロアルキルのモノマーは、共重合化に
より低凝集エネルギー性のセグメントとなり、このセグ
メントは共重合体の表面層に移行して且つ疎水性で表面
滑り性・非粘着性となり、共重合体の表面の汚れの付着
を防止する。これにより形成したブロック共重合体を他
の樹脂に添加した場合には、樹脂表面に防汚性を付与す
る。
【0027】さらにまた、ビニル系モノマーに、N置換
−マレイミド化合物を使用することにより、耐熱性を向
上させることができる。N−置換マレイミド化合物は、
N−メチルマレイミド、N−ブチルマレイミド、N−シ
クロヘキシルマレイミド、N−フェニルマレイミドなど
が使用できる。
【0028】その他、ビニル基を有してラジカル重合可
能な抗酸化性化合物、防汚染性化合物、抗菌性化合物、
表面導電性化合物のモノマーの導入も行うことができ、
これにより、対応する機能性をブロック共重合体に付与
することができる。
【0029】ブロック共重合体の製造方法について、ポ
リアゾ化合物と、上記機能性のビニル系モノマーとの重
合操作においては、塊状重合法、溶液重合法、懸濁重合
法、乳化重合法など従来の重合法により、反応温度60
〜140℃の範囲で行われ、ポリアゾ化合物中のアゾ基
が消費し尽くされるまで行う。
【0030】ブロック共重合体は、さらに、機能性付与
のためのビニル系モノマーとともに、添加されるべき樹
脂に対するこのブロック共重合体自体の相溶性を改善す
るために、相溶性付与のビニル系モノマーを配合するこ
ともなされる。このようなビニル系モノマーには、塩化
ビニル、塩化ビニリデン、酢酸ビニル、(メタ)アクリ
ル酸、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)ア
クリレート、プロピル(メタ)アクリレート、ブチル
(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)
アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリ
レート、2−エチルヘキシルアクリレート、グリシジル
(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレー
ト、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、テトラヒ
ドロフルフリル(メタ)アクリレートなどを、単独で又
は2種以上採用可能である。これらのビニル系モノマー
は、この共重合体が添加されるべき樹脂に対応して相溶
性の高いものから選ばれる。
【0031】ブロック共重合体に相溶性付与ビニル系セ
グメントを導入するには、上記ポリアゾ化合物に対し
て、上記機能性のビニル系モノマーと、相溶化のための
ビニル系モノマーとが、順次ブロック共重合される。こ
の重合法は、上記ポリアゾ化合物に、上記機能性のビニ
ル系モノマーまたは相溶化のためのビニル系モノマーと
のいずれか一方を、アゾ基を開始剤として、重合させ、
生成した共重合体にアゾ基を残した状態で重合停止す
る。次に、この生成した共重合体に他方のビニル系モノ
マーを該アゾ基が消費されるまで長時間重合させるので
ある。この2段階の操作で、縮合系セグメント−機能性
付与ビニル系セグメント−相溶化ビニル系セグメントの
3元ブロック共重合体が形成できる。
【0032】ブロック共重合体は、さらに、機能性付与
のためのビニル系モノマーとともに、添加されるべき樹
脂に対してブロック共重合体の表面移行性を改善するた
めの、ビニル系の低凝集エネルギー性のポリマーを配合
することもなされる。このような低凝集エネルギー性の
ポリマーは、末端にビニル基を有するポリ有機シロキサ
ン又はポリフルオロアルキルがあり、上述した防汚性ビ
ニル系モノマーに使用できる化合物がそのまま利用可能
である。
【0033】ポリ有機シロキサンとしては、一般式を”
化5”に示すが、具体的には、ポリジメチルシロキサ
ン、ポリジエチルシロキサンやポリジフェニルシロキサ
ンの末端をビニル基で置換したオリゴマーが利用でき
る。
【0034】
【化5】
【0035】”化5”において、R1 〜R4 は水素、炭
素数1〜6の低級アルキル基、ハロゲン化アルキル基又
はアリール基を示す。R1 〜R4 は同一でも良いし、異
なってもよい。lは1〜10の整数、mは0、1、2何
れかの数、nは、0又は、1〜100の整数を、それぞ
れ示す。
【0036】また、ポリフルオロアルキルモノマーに
は、(メタ)アクリル酸ポリフルオロアルキルが使用で
き、その例として、2,2,2−トリフルオロメチルア
クリレート、2,2,2−トリフルオロエチルメタクリ
レート、1H,1H,2H,2H−ヘプタデカフルオロ
デシルアクリレートなどが使用可能である。
【0037】ポリ有機シロキサン又はポリフルオロアル
キルのモノマーは、共重合化により低凝集エネルギー性
のセグメントとなり、このセグメントは樹脂表面層に移
行しやすいので、機能性付与のためのビニル系セグメン
トも樹脂表面層に移行濃化して表層部にその機能を集中
することができる。このようなビニル系の低凝集エネル
ギー性のポリマーは、他のビニル系樹脂と比較して低凝
集エネルギー密度が小さいので、樹脂を構成する通常の
ビニル系ないしはエステル系ポリマーに対して一般に相
溶性が低く、且つ疎水性であって、表面に移行し易く、
これにより、樹脂の表層部に濃化されることになる。
【0038】低凝集エネルギー性のセグメントは、紫外
線吸収性の共重合体とする場合に好ましく利用され、こ
れにより、表面層における紫外線吸収性を向上させて、
特に、その紫外線による表層劣化を有効に改善すること
ができる。即ち、紫外線吸収成分が樹脂に均一に分散し
ているような場合には極く表層部が紫外線劣化を受けや
すいが、本発明では、表層部に紫外線吸収成分を濃化さ
せることにより、これが防止できる。さらに、上述の如
く、表面滑り性・非粘着性となるので、共重合体の表面
の防汚性にも寄与することができるのである。
【0039】ブロック共重合体に上記の低凝集エネルギ
ー性のビニル系モノマーを導入するには、上記ポリアゾ
化合物に、上記機能性のビニル系モノマーと、低凝集エ
ネルギー性のビニル系モノマーとを、順次ブロック共重
合させる。この重合法では、上記ポリアゾ化合物に、上
記機能性のビニル系モノマーまたは低凝集エネルギー性
のビニル系モノマーのいずれか一方を、アゾ基を開始剤
として、重合させた後、アゾ基を残した状態で重合停止
する。次に、この生成した共重合体に他方のビニル系モ
ノマーを該アゾ基が消費されるまで長時間重合させるの
である。この2段階の操作で、縮合系セグメント−機能
性ビニル系セグメント−低凝集エネルギー性セグメント
の3元ブロック共重合体が形成できる。
【0040】ブロック共重合体に上記の低凝集エネルギ
ー性のビニル系モノマーを導入する他の方法には、ポリ
アゾ化合物に、上記の縮合系セグメントに代えて、予め
低凝集エネルギー性のビニル系セグメントを組み込ん
で、このポリアゾ化合物に、そのアゾ基を重合開始剤に
して、上記機能性付与のビニル系モノマーを重合させ
て、ブロック共重合体とすることも可能である。この際
には、機能性付与のビニル系モノマーの重合の前後に、
ビニル系モノマーを重合させて相溶性セグメントを導入
することがなされる。
【0041】即ち、繰り返し単位に低凝集エネルギー性
ポリマーのセグメントとアゾ基とを有するポリアゾ化合
物に、該アゾ基をラジカル重合開始剤として、相溶性の
ビニル系モノマーとラジカル重合性の機能性付与モノマ
ーとを順次ブロック共重合させるのである。
【0042】このようなポリアゾ化合物は、上記のアゾ
ビスシアノカルボン酸クロリドと、ポリ有機シロキサン
またはポリフルオロアルキルのジオール又はジアミンと
の重縮合によって得られる。このようなポリアゾ化合物
として、ポリ有機シロキサンセグメントを導入した例
を”化6”と”化7”に、また、ポリフルオロアルキル
セグメントを導入した例を”化8”にそれぞれ示す。
【0043】
【化6】
【0044】
【化7】
【0045】
【化8】
【0046】本発明の共重合体には、上記ポリアゾ化合
物に代えて、ポリメリック過酸化物を利用することもで
き、利用可能なポリメリック過酸化物の一般式を”化
9”に示す。この場合に、ポリメリック過酸化物には、
上記の縮合系又はビニル系ポリマーのセグメントとパー
オキサイド基を有し、パーオキサイド基を重合開始剤と
して、上述した機能性付与ビニル系モノマーがブロック
共重合される。機能性付与ビニル系モノマーを共重合し
た共重合体は、上記のポリアゾ化合物を利用したブロッ
ク共重合体と同様に形成される。
【0047】
【化9】
【0048】式中R1 は芳香族ポリカーボネート、芳香
族ポリエステル、ポリアリレートなどの縮合系ポリマー
セグメント又はポリオレフィンなどのビニル系ポリマー
セグメントを示し、R2 は、エチレン基又はアセチレン
基を示し、nは3〜50の整数である。
【0049】以上のようにして形成した本発明の機能性
ブロック共重合体は、そのまま樹脂に成形されて使用す
ることができる。さらにこの機能性ブロック共重合体
は、他の合成樹脂中に添加されて、樹脂成形品に機能を
付与することもなされる。特に、この共重合体のセグメ
ントである縮合系またはビニル系のポリマーを主要構成
成分とする樹脂に対して良好な相溶性が期待できるの
で、縮合系またはビニル系樹脂中に一様均質に機能成分
を配合するのに適している。これは、耐熱性、耐衝撃
性、難燃性などの機能を付与するブロック共重合体に適
用される。
【0050】他方、表層部に機能を特に発現させる場
合、例えば、紫外線吸収性、表面防汚性などの付与の場
合には、上述のように、低凝集エネルギー性ポリマーの
セグメントを含む共重合体を樹脂中に添加配合して成形
する方法がある。これとは別に、このブロック共重合体
を薄層化して成形樹脂の表面に積層被着する方法があ
り、この場合には、ブロック共重合体から形成したフイ
ルムを樹脂表面に接着又は熱圧着して、樹脂成形品とす
る方法、このブロック共重合体を含む塗料をフィルム上
に塗着し、このフイルムを樹脂表面にプレス又はラミネ
ートする方法、このブロック共重合体を溶剤に溶解して
樹脂表面に吹きつけ塗着して、乾燥硬化させて皮膜形成
する方法、このブロック共重合体を含む塗料を樹脂表面
に塗着乾燥して硬化させる方法、さらに、共押出により
薄層のブロック共重合体を一体化する方法などがあり、
いずれもブロック共重合体を皮膜状にして利用するの
で、相対的に安価になり、相溶性の小さい樹脂に対して
も適用できる利点がある。
【0051】
【実施例】
〔実施例1〕 (1)ポリカーボネート(PC)セグメント含有ポリア
ゾ化合物 ポリカーボネート(三菱ガス化学(株)製 PCの品名
「E−2000F」数平均分子量Mn20320、重量
平均分子量Mw30320)20.3g、ビスフェノー
ルA 2.28g、触媒として酢酸亜鉛 0.22g
を、1,2,4−トリクロルベンゼン200ml中に懸
濁させて、180℃3hの加熱攪拌を行い、放冷後大過
剰のメタノール中に投入して、沈澱瀘別して、ポリカー
ボネートのジオールを得た。収率86%、GPC分析に
より、Mn2170、Mw2730であった。
【0052】合成したポリカーボネートジオール17.
2gとトリエチルアミン1.60gをクロロホルム50
mlに溶解し、この液中にクロロホルム50mlに溶か
した4,4’−アゾビス(4−シアノペンタン酸クロリ
ド)2.5gを氷冷下滴下した。35℃で1h加温した
後、大過剰のメタノール中で回収して、PC含有ポリア
ゾ化合物を得た。収率96%、Mn21700、Mw5
2000で、繰り返し単位数9.0であった。
【0053】(2)PC−紫外線吸収化合物の共重合体 上記(1)で合成したPC含有ポリアゾ化合物1.0g
と、末端ビニル基を有するベンゾフェノン型紫外線吸収
化合物(旭電化工業(株)製、「ADK:STAB L
A−22」) 3.26gをクロロホルム20mlに溶
かし、80℃6h加熱して、冷却後、大過剰のメタノー
ル中に投入し、沈澱物を瀘別回収した。収率87%、M
n60000、Mw123400で、 1H−NMR測定
の結果、ブロック共重合体中のPCセグメントと紫外線
吸収化合物のポリベンゾフェノンセグメントとの重量%
比は、26%:74%で、アゾ基は完全に消費されてい
た。
【0054】〔実施例2〕 (1)アゾ基残留PC−紫外線吸収化合物の共重合体 上記実施例1の(1)で合成したPC含有ポリアゾ化合
物5.0gと、末端ビニル基を有するベンゾフェノン型
紫外線吸収化合物(旭電化工業(株)製、「ADK:S
TAB LA−22」)8.16gをクロロホルム10
0mlに溶かし、80℃1h加熱して、冷却後、大過剰
のメタノール中に投入して、沈澱物を回収した。収率5
0%、Mn67800、Mw101300で、 1H−N
MR測定の結果、ブロック共重合体中のPCセグメント
と紫外線吸収化合物のポリベンゾフエノンセグメントと
の重量%比は、64%:36%であった。
【0055】(2)PC−紫外線吸収化合物−低凝集エ
ネルギーセグメントの共重合体 上記(1)で得たPC−紫外線吸収化合物の共重合体中
には、アゾ基がまだ含まれるので、この共重合体2.0
gとビニル基を有するシリコーン(信越シリコーン
(株)製、「X−22−174DX」)2.0gとをク
ロロホルム50mlに溶かして、80℃で6hの長時間
加熱して重合させ、且つアゾ基を完全に消費分解させ、
冷却後、大過剰のメタノール中に投入した。沈澱物を回
収した。収率56%、Mn41300、Mw71500
で、 1H−NMR測定の結果、ブロック共重合体中のP
Cセグメントと紫外線吸収化合物のポリベンゾフェノン
セグメントとシリコーンセグメントとの重量%比は、3
2%:58%:10%であった。
【0056】〔比較例1〕 (1)紫外線吸収性化合物のホモポリマーの合成 末端ビニル基を有するベンゾフェノン型紫外線吸収性化
合物(旭電化工業(株)製、「ADK:STAB LA
−22)1.63gとアゾビスイソブチロニトリル0.
0164gとをトルエン5mlに溶解して、80℃6h
加熱した。冷却後、大過剰のメタノール中に投入後、瀘
別して沈澱物を回収した。収率81%、Mn1710
0、Mw61300であった。
【0057】(紫外線吸収試験)上記実施例1及び2の
共重合体と、比較例1の重合体をそれぞれ、ポリカーボ
ネート(三菱ガス化学(株)製、「ユーピロンS−30
00」)に添加して、キャスト法によりフイルムを作製
した。紫外線吸収化合物の添加量は、0.01%に統一
し、フイルム厚みは100μmとした。また、比較例2
として、紫外線吸収化合物モノマーとして1,4−ジヒ
ドロキシベンゾフェノンを同様に0.01%添加して形
成したポリカーボネートフイルムと、比較例3として、
紫外線吸収化合物無添加のポリカーボネートフイルムも
準備した。これらのフイルムについて耐候性試験をJI
S A1415に準拠して1200hの紫外線露光試験
を行った後、それら試料の黄変度を目視により判定し
て、その結果を表1にまとめた。
【0058】
【表1】
【0059】表1から、実施例2のシリコーンを含むブ
ロック共重合体が変色なくて最も良好であり、次いで、
実施例1のブロック共重合体がよく、これに対して、紫
外線吸収化合物モノマーだけを添加した比較例は、黄変
していた。
【0060】〔実施例3〕上記実施例1で得たPC−紫
外線吸収化合物共重合体PC−P(UVA)をポリカー
ボネート(三菱ガス化学(株)製「ユーピロンE−20
00F」)に添加して溶液を調整し、離型性ポリエチレ
ンテレフタレートフィルム(帝人(株)製「A−1
1」)にコーティングした。上記共重合体の添加量は、
その塗膜中に5重量%の紫外線吸収化合物が含有される
ように調整した。また、その塗膜厚みは40〜50μm
となした。この塗膜形成したフィルムをポリカーボネー
ト板(タキロン(株)製「PC−1600」)にプレス
し、フィルムを剥離することにより、表層に紫外線吸収
層の塗膜が形成されたポリカーボネート板を得た。これ
を実施例3とした。
【0061】比較例4として、上記共重合体に代えてベ
ンゾフェノン型紫外線吸収化合物(旭電化工業(株)
製、品名「ADK:STAB LA−22」)を用い、
上記ポリカーボネートに添加して溶液を調整し、実施例
3と同様にして、表層に紫外線吸収化合物を5重量%分
散させた塗膜を有するポリカーボネート板を得た。比較
例5として、塗膜を有さないタキロン(株)の上記ポリ
カーボネート板を使用した。
【0062】これらの各試験片を耐候性試験機(ダイプ
ラウィンテス(株)製、「メタルウエザーKU−R3
型」)を用いて、240時間と480時間の促進曝露試
験を行い、それぞれの曝露後の試験片の黄変度を調べ
た。結果を表2に示す。黄変度は島津製作所製「島津自
記分光光度計(UV−3100PC)内蔵カメラ測定ソ
フトウエア」を用いて、JIS K7103に準拠し
て、露光面を光源に向けて測定した。
【0063】
【表2】
【0064】表2より、実施例3のポリカーボネート板
は、比較例4のポリカーボネート板と比較して優れた紫
外線に対する抵抗性を有していることがわかる。また、
比較例4のポリカーボネート板と比較しても、黄変度は
およそ1/2である。このことより、紫外線吸収化合物
を化学的に結合させることにより、耐候性が著しく向上
し、長期間使用可能なことがわかる。
【0065】〔実施例4〕 (1)ポリオレフィン含有ポリアゾ化合物の合成 ポリアゾ化合物に導入するセグメントにポリオレフイン
を利用するために、低分子量のポリオレフィンジオール
(三菱化学(株)製、ポリテールHA)4.24gとト
リエチルアミン0.40gをクロロホルム50mlに溶
解し、この溶液に、クロロホルム50mlに溶かしたア
ゾビスシアノペンタン酸クロリド0.63gを氷冷下滴
下した。35℃で1h加温した後、大過剰のメタノール
中で回収して、ポリオレフイン含有ポリアゾ化合物を得
た。収率90%、Mn12100、Mw16700で、
繰り返し単位数5.2であった。
【0066】(2)ポリオレフイン−リン含有ブロック
共重合体の合成 上記(1)で合成したポリオレフィン含有ポリアゾ化合
物2.04gと、リン化合物としてジフェニル−2−メ
タクロイルオキシエチルホスフェート(大八化学工業
(株)製、「MR−260」)2.05gとをクロロホ
ルム10mlに溶かし、80℃6hの長時間加熱して、
冷却後、大過剰のメタノール中に投入した。沈澱物を回
収し、真空乾燥を行い、透明な粘着性の固体を得た。重
合率25%、Mn53500、Mw100400で、 1
H−NMR測定の結果、ブロック共重合体中のポリテー
ルとリン化合物との重量%比は、53%と47%であっ
た。
【0067】
【発明の効果】本発明の機能性ブロック共重合体は、縮
合系ポリマーセグメントと機能性付与のビニル系ポリマ
ーセグメントとの機能性ブロック共重合体であるので、
紫外線吸収性、難燃性、耐衝撃性等の機能性を付与した
縮合系ポリマーとして利用できる。また、この機能性ブ
ロック共重合体は、縮合系ポリマーセグメントが相溶性
を発揮しうる樹脂に対して添加剤として利用でき、機能
性付与のビニル系セグメントの選択により、樹脂に紫外
線吸収性、難燃性、耐衝撃性を安定に且つ均質に付与す
ることができる。
【0068】また、縮合系ポリマーセグメントと機能性
付与のビニル系ポリマーセグメントと共に、低凝集エネ
ルギー性セグメントを有する機能性ブロック共重合体と
することにより、この共重合体が添加された樹脂の表面
に特に機能性のセグメントを濃化させて、樹脂表面に紫
外線吸収性や防汚染性などを効率的に付与することがで
きる。
【0069】本発明の機能性ブロック共重合体は、縮合
系ポリマーセグメントと他のビニル系セグメントとを組
合せることより、添加すべき樹脂に対する相溶性を調整
することが可能となり、縮合系樹脂だけでなくポリオレ
フィン系樹脂などに対しても機能性付与のビニル系ポリ
マーセグメントの樹脂中へ均一分散が容易となり、紫外
線吸収性、難燃性、耐衝撃性等の機能性付与が容易とな
る。
【0070】本発明の機能性ブロック共重合体の製造方
法は、ポリアゾ化合物やポリメリックペルオキシド化合
物を重合開始剤とするので、縮合系ポリマーとビニル系
セグメントの組合せを自由に選択して、所要の機能性を
具備したブロック共重合体を創製することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 牧村 洋一郎 大阪府大阪市中央区安土町2丁目3番13号 タキロン株式会社内 (72)発明者 真砂 均 大阪府大阪市中央区安土町2丁目3番13号 タキロン株式会社内

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 縮合系若しくはビニル系ポリマーのセグ
    メントとビニル系機能性付与ポリマーセグメントとを有
    する機能性ブロック共重合体。
  2. 【請求項2】 縮合系若しくはビニル系ポリマーセグメ
    ントと、ビニル系機能性付与ポリマーセグメントと、低
    凝集エネルギー性のポリマーセグメントとを有する機能
    性ブロック共重合体。
  3. 【請求項3】上記ビニル系機能性付与セグメントがベン
    ゾフェノン誘導体若しくはベンゾトリアゾール誘導体の
    ポリマーであって、紫外線吸収性のブロック共重合体と
    した請求項1又は2記載のブロック共重合体。
  4. 【請求項4】上記ビニル系機能性付与ポリマーセグメン
    トが有機リン化合物のポリマーであって、難燃性のブロ
    ック共重合体とした請求項1又は2記載のブロック共重
    合体。
  5. 【請求項5】 繰り返し単位に縮合系若しくはビニル系
    ポリマーのセグメントとアゾ基とを有するポリアゾ化合
    物に、該アゾ基をラジカル重合開始剤として、ラジカル
    重合性の機能性付与モノマーをブロック共重合させたこ
    とを特徴とする機能性ブロック共重合体。
  6. 【請求項6】 上記の縮合系若しくはビニル系ポリマー
    のセグメントとアゾ基とを有するポリアゾ化合物に代え
    て、縮合系若しくはビニル系ポリマーのセグメントとパ
    ーオキサイド基とを有するポリメリック過酸化物を使用
    して、該アゾ基に代えてパーオキサイド基を重合開始剤
    として成る請求項5記載の機能性ブロック共重合体。
  7. 【請求項7】 繰り返し単位に縮合系若しくはビニル系
    ポリマーのセグメントとアゾ基とを有するポリアゾ化合
    物に、該アゾ基をラジカル重合開始剤として、ラジカル
    重合性の機能性付与モノマーをブロック共重合させるこ
    とを特徴とする機能性ブロック共重合体の製造方法。
  8. 【請求項8】 繰り返し単位に縮合系若しくはビニル系
    ポリマーのセグメントとアゾ基とを有するポリアゾ化合
    物に、該アゾ基をラジカル重合開始剤として、ラジカル
    重合性の機能性付与モノマーと末端にビニル基を有する
    低凝集エネルギー性のポリマーとを順次ブロック共重合
    させることを特徴とする機能性ブロック共重合体の製造
    方法。
  9. 【請求項9】 繰り返し単位に低凝集エネルギー性ポリ
    マーのセグメントとアゾ基とを有するポリアゾ化合物
    に、該アゾ基をラジカル重合開始剤として、ビニル系モ
    ノマーとラジカル重合性の機能性付与モノマーとを順次
    ブロック共重合させることを特徴とする機能性ブロック
    共重合体の製造方法。
  10. 【請求項10】 機能性付与モノマーが、反応性ビニル
    基を有する紫外線吸収性化合物である請求項7又は9記
    載の紫外線吸収性のブロック共重合体の製造方法。
  11. 【請求項11】 上記紫外線吸収性化合物が、ベンゾフ
    ェノン誘導体若しくはベンゾトリアゾール誘導体である
    請求項10記載の紫外線吸収性のブロック共重合体の製
    造方法。
  12. 【請求項12】 上記ラジカル重合性機能性付与モノマ
    ーが反応性ビニル基を有する有機リン酸エステル化合物
    である請求項7又は9記載の難燃性のブロック共重合体
    の製造方法。
  13. 【請求項13】 低凝集エネルギー性のポリマーが、ポ
    リ有機シロキサン又はポリフルオロアルキルのポリマー
    である請求項8又は9記載のブロック共重合体の製造方
    法。
  14. 【請求項14】 上記縮合系若しくはビニル系ポリマー
    のセグメントとアゾ基とを有するポリアゾ化合物に代え
    て、縮合系若しくはビニル系ポリマーのセグメントとパ
    ーオキサイド基とを有するポリメリック過酸化物を使用
    して、該アゾ基に代えてパーオキサイド基を重合開始剤
    とする請求項7ないし13に何れか記載の機能性ブロッ
    ク共重合体の製造方法。
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