JP2005266049A - ポジ型感放射線性組成物 - Google Patents
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Abstract
【課題】高感度と高解像度の特性を併せ持つポジ型感放射線性組成物を提供すること。
【解決手段】(a)フェノール性水酸基を2〜7個有する多価フェノール化合物と、ビニルエーテル化合物とを重付加して得られる重合体、および(b)放射線の照射によって酸を発生する酸発生剤を含有するポジ型感放射線性組成物において、前記ビニルエーテル化合物が、ビニルエーテル基を2〜4個有する多価ビニルエーテル化合物と、ビニルエーテル基を1個有する1価ビニルエーテル化合物との混合物であることを特徴とするポジ型感放射線性組成物。
【選択図】 なし
【解決手段】(a)フェノール性水酸基を2〜7個有する多価フェノール化合物と、ビニルエーテル化合物とを重付加して得られる重合体、および(b)放射線の照射によって酸を発生する酸発生剤を含有するポジ型感放射線性組成物において、前記ビニルエーテル化合物が、ビニルエーテル基を2〜4個有する多価ビニルエーテル化合物と、ビニルエーテル基を1個有する1価ビニルエーテル化合物との混合物であることを特徴とするポジ型感放射線性組成物。
【選択図】 なし
Description
本発明は半導体集積回路、リソグラフィー用マスクなどの製造に用いられるポジ型感放射線性組成物に関する。
近年、半導体集積回路、リソグラフィー用マスクなどを製造する分野では、集積度の向上に伴ってパターンの微細化が進んでいる。この微細化を実現するためには、高感度と高解像度の特性を併せ持つレジスト材料が不可欠である。さらに、従来のような比較的長波長の光源を用いるリソグラフィーでは、このような微細化の実現は困難であり、より波長の短い遠紫外線、真空紫外線、X線、および電子線を用いたリソグラフィーが検討されており、このような光源に対応したレジスト材料が求められている。
近年、このような光源に対応し、高感度と高解像度の特性を併せ持つ公知のレジスト材料として、化学増幅型レジストが盛んに検討されている。化学増幅型レジストとは、酸発生剤の作用によって露光部に酸が発生し、この酸の触媒作用によって露光部の溶解性が変化する機構を持つレジストである。このような化学増幅型レジストとして、t−ブチル基(例えば、特許文献1参照)、t−ブトキシカルボニル基(例えば、特許文献2参照)、アセタール基(例えば、特許文献3参照)などで、アルカリ可溶性ポリマーのアルカリ親和性基を保護したポリマーから成るレジストが知られている。また、フェノール性水酸基を2〜7個有する多価フェノール化合物と、ビニルエーテル基を2個有する化合物とを重付加して得られる重合体から成るレジストが知られている(例えば、特許文献4参照)。
特開平4−226461号公報(請求項2)
特開平2−209977号公報(実施例1)
特開平4−219757号公報(請求項1)
特開2003−84437号公報(請求項1)
しかし、いずれのレジスト材料においても、感度と解像度は相反する関係にあり、微細なパターン加工を行うための解像度が得られても、感度が十分ではないなどの欠点があった。また、特許文献4に記載されたレジストは、多価フェノール化合物と多価ビニルエーテル化合物との重付加によって高感度の重合体を製造しているが、パターンラフネスの低減に寄与するポリマー分子量の低下と、現像液に対する露光部と未露光部との溶解コントラストの向上に寄与するポリマー中の未反応フェノール性水酸基の低減との両立が困難で、解像度は不十分であった。
本発明は、パターンラフネスが低減し、かつ現像液に対する露光部と未露光部との溶解コントラストが向上し、高感度と高解像度の特性を併せ持つ組成物を得ることを目的とするものである。
すなわち本発明は、(a)フェノール性水酸基を2〜7個有する多価フェノール化合物と、ビニルエーテル化合物とを重付加して得られる重合体、および(b)放射線の照射によって酸を発生する酸発生剤を含有するポジ型感放射線性組成物であって、前記ビニルエーテル化合物が、ビニルエーテル基を2〜4個有する多価ビニルエーテル化合物と、ビニルエーテル基を1個有する1価ビニルエーテル化合物との混合物であることを特徴とするポジ型感放射線性組成物である。
本発明のポジ型感放射線性組成物によれば、現像液に対する露光部と未露光部との溶解コントラストが向上し、高感度と高解像度の特性を併せ持つ組成物が得られる。
本発明のポジ型感放射線性組成物は、(a)フェノール性水酸基を2〜7個有する多価フェノール化合物とビニルエーテル化合物とを重付加して得られる重合体を含有し、前記ビニルエーテル化合物が、ビニルエーテル基を2〜4個有する多価ビニルエーテル化合物と、ビニルエーテル基を1個有する1価ビニルエーテル化合物との混合物である。この重合体は、主鎖がアセタール結合で繋がった構造になっているため、(b)酸発生剤から発生する酸によって重合体がアルカリ可溶性になると同時に、重合体の分子量が低下する。これによって、高感度、高解像度のパターン形成が可能となる。
多価フェノール化合物と多価ビニルエーテル化合物のみとの重付加においては、パターンラフネスの低減を目的として、ポリマー分子量を低下させるために多価ビニルエーテル化合物の仕込量を減らすと、ポリマー中に残存する未反応フェノール性水酸基が多くなり、現像液に対する露光部と未露光部との溶解コントラストが低下し、ひどい場合には未露光部まで現像液に溶解してしまう。
本発明は、多価フェノール化合物に反応させるビニルエーテル化合物を、多価フェノール化合物と重付加する多価ビニルエーテル化合物と、ポリマー中の未反応フェノール性水酸基を低減させる1価ビニルエーテル化合物との混合物にしたものであり、この混合物を用いれば、分子量が低く、かつ未反応フェノール性水酸基の少ない重合体が合成できる。これによってパターンラフネスが低減し、かつ現像液に対する露光部と未露光部との溶解コントラストが向上し、さらなる高感度、高解像度のパターン形成が可能となる。
本発明の多価フェノール化合物は、フェノール性水酸基を2〜7個有する化合物である。フェノール性水酸基が2個未満であると、重付加によって重合体を得ることができない。また、フェノール性水酸基が7個を越えると、重合体に残存する未反応のフェノール性水酸基が多くなり、未露光部まで現像液に溶解してしまう。
本発明の多価フェノール化合物は、フェノール性水酸基を2〜7個有する化合物であれば特に制限はなく、例としては一般式(1)〜(9)で示される化合物が挙げられる。
式中、R11、R12、R13、R14は同じでも異なっていても良く、水素原子、アルキル基、アルコキシ基、アシル基、アシロキシ基、アリール基、アリールオキシ基、アラルキル基、アラルキルオキシ基、ハロゲン原子、ニトロ基、カルボキシ基、シアノ基、または−N(Ra)(Rb)のいずれかを表し、Ra、Rbは同じでも異なっていても良く、水素原子、アルキル基、またはアリール基のいずれかを表す。X1、Y1、Z1は同じでも異なっていても良く、単結合、酸素原子、硫黄原子、−CO−、−COO−、−NHCO−、−NHCOO−、−SO−、−SO2−、−SO3−、または炭素数1〜10の置換されていても良いアルキレン基のいずれかを表す。a1、b1、c1、e1、f1、g1は0〜5、d1、h1は0〜3を表す。ただし、2≦(a1+b1+c1+d1)≦7、0≦(a1+e1)≦5、0≦(b1+f1)≦5、0≦(c1+g1)≦5、0≦(d1+h1)≦3である。
一般式(1)で示される化合物の具体例としては、次のような化合物が挙げられる。
また、一般式(2)で表される化合物は以下のとおりである。
式中、R21、R22、R23、R24は同じでも異なっていても良く、水素原子、アルキル基、アルコキシ基、アシル基、アシロキシ基、アリール基、アリールオキシ基、アラルキル基、アラルキルオキシ基、ハロゲン原子、ニトロ基、カルボキシ基、シアノ基、または−N(Ra)(Rb)のいずれかを表し、Ra、Rbは同じでも異なっていても良く、水素原子、アルキル基、またはアリール基のいずれかを表す。X2は単結合、酸素原子、硫黄原子、−CO−、−COO−、−NHCO−、−NHCOO−、−SO−、−SO2−、−SO3−、炭素数1〜10の置換されていても良いアルキレン基、または
のいずれかを表し、R25は水素原子、アルキル基、アルコキシ基、アシル基、アシロキシ基、アリール基、アリールオキシ基、アラルキル基、アラルキルオキシ基、ハロゲン原子、ニトロ基、カルボキシ基、またはシアノ基のいずれかを表し、Y2、Z2は同じでも異なっていても良く、単結合、酸素原子、硫黄原子、−CO−、−COO−、または炭素数1〜10の置換されていても良いアルキレン基のいずれかを表す。a2、b2、c2、d2、e2、f2は0〜5を表す。ただし、2≦(a2+b2+c2)≦7、0≦(a2+d2)≦5、0≦(b2+e2)≦5、0≦(c2+f2)≦5である。
一般式(2)で示される化合物の具体例としては、次のような化合物が挙げられる。
また、一般式(3)で表される化合物は以下のとおりである。
式中、R31、R32は同じでも異なっていても良く、水素原子、アルキル基、アルコキシ基、アシル基、アシロキシ基、アリール基、アリールオキシ基、アラルキル基、アラルキルオキシ基、ハロゲン原子、ニトロ基、カルボキシ基、シアノ基、または−N(Ra)(Rb)のいずれかを表し、Ra、Rbは同じでも異なっていても良く、水素原子、アルキル基、またはアリール基のいずれかを表す。X3は単結合、酸素原子、硫黄原子、−CO−、−COO−、−NHCO−、−NHCOO−、−SO−、−SO2−、−SO3−、または炭素数1〜10の置換されていても良いアルキレン基のいずれかを表す。a3、b3、c3、d3は0〜5を表す。ただし、2≦(a3+b3)≦7、0≦(a3+c3)≦5、0≦(b3+d3)≦5である。
一般式(3)で示される化合物の具体例としては、次のような化合物が挙げられる。
また、一般式(4)で表される化合物は以下のとおりである。
式中、R41、R42、R43は同じでも異なっていても良く、水素原子、アルキル基、アルコキシ基、アシル基、アシロキシ基、アリール基、アリールオキシ基、アラルキル基、アラルキルオキシ基、ハロゲン原子、ニトロ基、カルボキシ基、シアノ基、または−N(Ra)(Rb)のいずれかを表し、Ra、Rbは同じでも異なっていても良く、水素原子、アルキル基、またはアリール基のいずれかを表す。X4、Y4は同じでも異なっていても良く、単結合、酸素原子、硫黄原子、−CO−、−COO−、−NHCO−、−NHCOO−、−SO−、−SO2−、−SO3−、または炭素数1〜10の置換されていても良いアルキレン基のいずれかを表す。a4、c4、d4、f4は0〜5、b4、e4は0〜4を表す。ただし、2≦(a4+b4+c4)≦7、0≦(a4+d4)≦5、0≦(b4+e4)≦4、0≦(c4+f4)≦5である。
一般式(4)で示される化合物の具体例としては、次のような化合物が挙げられる。
また、一般式(5)、および一般式(6)で表される化合物は以下のとおりである。
式中、R51、R52、R53は同じでも異なっていても良く、水素原子、アルキル基、アルコキシ基、アシル基、アシロキシ基、アリール基、アリールオキシ基、アラルキル基、アラルキルオキシ基、ハロゲン原子、ニトロ基、カルボキシ基、シアノ基、または−N(Ra)(Rb)のいずれかを表し、Ra、Rbは同じでも異なっていても良く、水素原子、アルキル基、またはアリール基のいずれかを表す。X5は−CO−、または−SO2−のいずれかを表す。a5、b5、c5、d5、e5、f5は0〜4を表す。ただし、2≦(a5+b5+c5)≦7、0≦(a5+d5)≦4、0≦(b5+e5)≦4、0≦(c5+f5)≦4である。
一般式(5)、および一般式(6)で示される化合物の具体例としては、次のような化合物が挙げられる。
また、一般式(7)で表される化合物は以下のとおりである。
式中、R71、R72は同じでも異なっていても良く、水素原子、アルキル基、アルコキシ基、アシル基、アシロキシ基、アリール基、アリールオキシ基、アラルキル基、アラルキルオキシ基、ハロゲン原子、ニトロ基、カルボキシ基、シアノ基、または−N(Ra)(Rb)のいずれかを表し、Ra、Rbは同じでも異なっていても良く、水素原子、アルキル基、またはアリール基のいずれかを表す。R73、R74、R75、R76は同じでも異なっていても良く、水素原子、またはアルキル基のいずれかを表す。X7、Y7は同じでも異なっていても良く、単結合、または酸素原子のいずれかを表す。a7、b7、c7、d7は0〜4を表す。ただし、2≦(a7+b7)≦7、0≦(a7+c7)≦4、0≦(b7+d7)≦4である。
一般式(7)で示される化合物の具体例としては、次のような化合物が挙げられる。
また、一般式(8)で表される化合物は以下のとおりである。
式中、R81、R82は同じでも異なっていても良く、水素原子、アルキル基、アルコキシ基、アシル基、アシロキシ基、アリール基、アリールオキシ基、アラルキル基、アラルキルオキシ基、ハロゲン原子、ニトロ基、カルボキシ基、シアノ基、または−N(Ra)(Rb)のいずれかを表し、Ra、Rbは同じでも異なっていても良く、水素原子、アルキル基、またはアリール基のいずれかを表す。R83、R84、R85は同じでも異なっていても良く、水素原子、アルキル基、アルコキシ基、アシル基、またはアシロキシ基のいずれかを表す。X8は単結合、または酸素原子のいずれかを表す。a8、c8は0〜4、b8、d8は0〜5を表す。ただし、2≦(a8+b8)≦7、0≦(a8+c8)≦4、0≦(b8+d8)≦5である。
一般式(8)で示される化合物の具体例としては、次のような化合物が挙げられる。
また、一般式(9)で表される化合物は以下のとおりである。
式中、R91、R92は同じでも異なっていても良く、水素原子、アルキル基、アルコキシ基、アシル基、アシロキシ基、アリール基、アリールオキシ基、アラルキル基、アラルキルオキシ基、ハロゲン原子、ニトロ基、カルボキシ基、シアノ基、または−N(Ra)(Rb)のいずれかを表し、Ra、Rbは同じでも異なっていても良く、水素原子、アルキル基、またはアリール基のいずれかを表す。R93、R94は同じでも異なっていても良く、水素原子、またはアルキル基のいずれかを表す。X9は単結合、酸素原子、または硫黄原子のいずれかを表す。a9、b9、c9、d9は0〜4を表す。ただし、2≦(a9+b9)≦7、0≦(a9+c9)≦4、0≦(b9+d9)≦4である。
一般式(9)で示される化合物の具体例としては、次のような化合物が挙げられる。
これらの多価フェノール化合物の中でも、好ましくはベンゼン核を3または4個有する化合物が用いられ、さらに好ましくは一般式(1)または(2)で示される化合物が用いられる。ベンゼン核が多すぎると重合体の疎水性が増し、現像液との親和性が低下して、高解像度のパターンが得られにくくなる傾向がある。また少なすぎると、ドライエッチ耐性が低下し、実用的な組成物を得られにくくなる傾向がある。これらの多価フェノール化合物は単独あるいは2種以上を混合して用いることができる。
本発明のビニルエーテル化合物は、ビニルエーテル基を2〜4個有する多価ビニルエーテル化合物と、ビニルエーテル基を1個有する1価ビニルエーテル化合物との混合物である。
本発明の多価ビニルエーテル化合物は、ビニルエーテル基を2〜4個有する化合物であれば特に制限はない。ビニルエーテル基が2個未満であると、重付加によって重合体を得ることができない。また、ビニルエーテル基が4個を越えると、重付加時にゲル化が起こりやすく、重合体が有機溶媒に不溶となりやすい。多価ビニルエーテル化合物の具体的な構造は、次のようなものが挙げられる。
これらの多価ビニルエーテル化合物は単独あるいは2種以上を混合して用いることができる。
本発明の1価ビニルエーテル化合物は、ビニルエーテル基を1個有する化合物であれば特に制限はない。1価ビニルエーテル化合物の具体的な構造は、次のようなものが挙げられる。
これらの1価ビニルエーテル化合物は単独あるいは2種以上を混合して用いることができる。
本発明において、多価ビニルエーテル化合物と1価ビニルエーテル化合物との好ましい混合比は、モル比で多価ビニルエーテル化合物:1価ビニルエーテル化合物=95:5〜40:60、より好ましくは90:10〜50:50である。
本発明の重合体は、上述の多価フェノール化合物とビニルエーテル化合物(多価ビニルエーテル化合物と1価ビニルエーテル化合物との混合物を指す)を重付加させることによって得ることができる。重付加には一般的な方法を用いることができ、例えばp−トルエンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸ピリジニウム、三フッ化ホウ素ジエチルエーテル錯体、ヨウ化トリメチルシリル、ビストリメチルシリル硫酸などを触媒として、多価フェノール化合物とビニルエーテル化合物を溶媒中で撹拌するなどの方法を挙げることができる。
多価フェノール化合物とビニルエーテル化合物(多価ビニルエーテル化合物と1価ビニルエーテル化合物との混合物)との好ましい仕込み比は、モル比で多価フェノール化合物:ビニルエーテル化合物=100:30〜700、より好ましくは100:50〜300、さらに好ましくは100:50〜200である。
本発明の重合体の重量平均分子量(Mw)は、GPCで測定されるポリスチレン換算で2000〜100000、好ましくは3000〜50000である。Mwが2000より小さいと被膜性が悪くなり、100000より大きいと現像液への溶解性が悪くなる。
また、本発明のポジ型感放射線性組成物は、放射線の照射によって酸を発生する酸発生剤を含有する。酸発生剤としては、オニウム塩、ハロゲン含有化合物、ジアゾケトン化合物、ジアゾメタン化合物、スルホン化合物、スルホン酸エステル化合物、スルホンイミド化合物等を用いることができる。
オニウム塩の具体例としては、ジアゾニウム塩、アンモニウム塩、ヨードニウム塩、スルホニウム塩、ホスホニウム塩、オキソニウム塩等が挙げられる。好ましいオニウム塩としては、ジフェニルヨードニウムトリフレート、ジフェニルヨードニウムピレンスルホネート、ジフェニルヨードニウムドデシルベンゼンスルホネート、トリフェニルスルホニウムトリフレート、トリフェニルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート、トリフェニルスルホニウムナフタレンスルホネート、(ヒドロキシフェニル)ベンジルメチルスルホニウムトルエンスルホネート等が挙げられる。
ハロゲン含有化合物の具体例としては、ハロアルキル基含有炭化水素化合物、ハロアルキル基含有ヘテロ環状化合物等が挙げられる。好ましいハロゲン含有化合物としては、1,1−ビス(4−クロロフェニル)−2,2,2−トリクロロエタン、2−フェニル−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−ナフチル−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン等が挙げられる。
ジアゾケトン化合物の具体例としては、1,3−ジケト−2−ジアゾ化合物、ジアゾベンゾキノン化合物、ジアゾナフトキノン化合物等が挙げられる。好ましいジアゾケトン化合物は、1,2−ナフトキノンジアジド−4−スルホン酸と2,2,3,4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノンとのエステル、1,2−ナフトキノンジアジド−4−スルホン酸と1,1,1−トリス(4−ヒドロキシフェニル)エタンとのエステル等が挙げられる。
ジアゾメタン化合物の具体例としては、ビス(トリフルオロメチルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(シクロヘキシルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(フェニルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(p−トリルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(2,4−キシリルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(p−クロロフェニルスルホニル)ジアゾメタン、メチルスルホニル−p−トルエンスルホニルジアゾメタン、シクロヘキシルスルホニル(1,1−ジメチルエチルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(1,1−ジメチルエチルスルホニル)ジアゾメタン、フェニルスルホニル(ベンゾイル)ジアゾメタン等が挙げられる。
スルホン化合物の具体例としては、β−ケトスルホン化合物、β−スルホニルスルホン化合物等が挙げられる。好ましいスルホン化合物としては、4−トリスフェナシルスルホン、メシチルフェナシルスルホン、ビス(フェニルスルホニル)メタン等が挙げられる。
スルホン酸エステル化合物の具体例としては、アルキルスルホン酸エステル、ハロアルキルスルホン酸エステル、アリールスルホン酸エステル、イミノスルホネート等が挙げられる。好ましいスルホン酸エステル化合物としては、ベンゾイントシレート、ピロガロールトリメシレート、ニトロベンジル−9,10−ジエトキシアントラセン−2−スルホネート等が挙げられる。
スルホンイミド化合物の具体例としては、N−(トリフルオロメチルスルホニルオキシ)スクシンイミド、N−(トリフルオロメチルスルホニルオキシ)フタルイミド、N−(トリフルオロメチルスルホニルオキシ)ジフェニルマレイミド、N−(トリフルオロメチルスルホニルオキシ)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシルイミド、N−(トリフルオロメチルスルホニルオキシ)−7−オキサビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシルイミド、N−(トリフルオロメチルスルホニルオキシ)ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−5,6−オキシ−2,3−ジカルボキシルイミド、N−(トリフルオロメチルスルホニルオキシ)ナフチルジカルボキシルイミド、N−(カンファスルホニルオキシ)スクシンイミド、N−(カンファスルホニルオキシ)フタルイミド、N−(カンファスルホニルオキシ)ジフェニルマレイミド、N−(カンファスルホニルオキシ)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシルイミド、N−(カンファスルホニルオキシ)−7−オキサビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシルイミド、N−(カンファスルホニルオキシ)ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−5,6−オキシ−2,3−ジカルボキシルイミド、N−(カンファスルホニルオキシ)ナフチルジカルボキシルイミド、N−(4−メチルフェニルスルホニルオキシ)スクシンイミド、N−(4−メチルフェニルスルホニルオキシ)フタルイミド、N−(4−メチルフェニルスルホニルオキシ)ジフェニルマレイミド、N−(4−メチルフェニルスルホニルオキシ)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシルイミド、N−(4−メチルフェニルスルホニルオキシ)−7−オキサビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシルイミド、N−(4−メチルフェニルスルホニルオキシ)ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−5,6−オキシ−2,3−ジカルボキシルイミド、N−(4−メチルフェニルスルホニルオキシ)ナフチルジカルボキシルイミド、N−(2−トリフルオロメチルフェニルスルホニルオキシ)スクシンイミド、N−(2−トリフルオロメチルフェニルスルホニルオキシ)フタルイミド、N−(2−トリフルオロメチルフェニルスルホニルオキシ)ジフェニルマレイミド、N−(2−トリフルオロメチルフェニルスルホニルオキシ)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシルイミド、N−(2−トリフルオロメチルフェニルスルホニルオキシ)−7−オキサビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシルイミド、N−(2−トリフルオロメチルフェニルスルホニルオキシ)ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−5,6−オキシ−2,3−ジカルボキシミド、N−(2−トリフルオロメチルフェニルスルホニルオキシ)ナフチルジカルボキシルイミド、N−(4−フルオロフェニルスルホニルオキシ)スクシンイミド、N−(2−フルオロフェニルスルホニルオキシ)フタルイミド、N−(4−フルオロフェニルスルホニルオキシ)ジフェニルマレイミド、N−(4−フルオロフェニルスルホニルオキシ)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシルイミド、N−(4−フルオロフェニルスルホニルオキシ)−7−オキサビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシルイミド、N−(4−フルオロフェニルスルホニルオキシ)ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−5,6−オキシ−2,3−ジカルボキシルイミド、N−(4−フルオロフェニルスルホニルオキシ)ナフチルジカルボキシルイミド等が挙げられる。
これらの酸発生剤は単独あるいは2種以上を混合して用いることができる。酸発生剤の添加量は、重合体に対して0.01〜50wt%が好ましく、より好ましくは0.5〜30wt量%である。0.01wt%より少ないとパターン形成が不可能となり、50wt%より多いと現像液との親和性が低下し、現像不良などが発生する。
本発明のポジ型感放射線性組成物は必要に応じて、アミン化合物などの酸拡散抑止剤、アルカリ可溶性樹脂やフェノール性化合物などの溶解促進剤、溶解抑止剤、界面活性剤、増感剤、安定剤、消泡剤などの添加剤を含有することもできる。
特に、酸拡散抑止剤は良く用いられ、露光部で発生した酸の未露光部への拡散を抑える。酸拡散抑止剤としては、アミン化合物が好ましく用いられ、具体例としては、n−ヘキシルアミン、n−ヘプチルアミン、n−オクチルアミン、アニリン、ジ−n−ブチルアミン、ジ−i−ブチルアミン、ジ−s−ブチルアミン、ジ−n−ペンチルアミン、ジ−n−ヘキシルアミン、ジ−n−ヘプチルアミン、ジ−n−オクチルアミン、N−メチルアニリン、N−ベンジルイソプロピルアミン、ピロリジン、ピペリジン、モルホリン、トリエチルアミン、トリ−n−プロピルアミン、トリ−i−プロピルアミン、トリ−n−ブチルアミン、トリ−i−ブチルアミン、トリ−s−ブチルアミン、トリ−n−ペンチルアミン、トリ−n−ヘキシルアミン、トリ−n−ヘプチルアミン、トリ−n−オクチルアミン、メチルジ−n−ブチルアミン、ジメチル−n−ブチルアミン、ジメチル−n−ヘキサデシルアミン、トリエタノールアミン、N−エチルジエタノールアミン、トリイソプロパノールアミン、トリス[2−(2−メトキシエトキシ)エチル]アミン、N,N−ジメチルアニリン、N,N−ジエチルアニリン、N,N−ジ−n−プロピルアニリン、N,N−ジ−i−プロピルアニリン、N,N−ジブチルアニリン等が挙げられる。
これらの酸拡散抑止剤は単独あるいは2種以上を混合して用いることができる。酸拡散抑止剤の添加量は、重合体に対して0.01〜10wt%が好ましく、より好ましくは0.03〜5wt%である。0.01wt%より少ないと効果が小さく、10wt%より多いとレジスト感度が大きく低下してしまう。
本発明のポジ型感放射線性組成物は上述の成分を溶媒に溶解することにより得られる。溶媒の使用量としては特に限定されないが、固形分が5〜30wt%となるように調整される。好ましく用いられる溶媒としては酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸アミル、プロピオン酸エチル、酪酸メチル、安息香酸メチル、乳酸メチル、乳酸エチル、ピルビン酸エチル、β−イソブチル酸メチル、3−メトキシプロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオン酸エチル、γ−ブチロラクトン等のエステル類、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ等のセロソルブ類、メチルセロソルブアセテート、エチルセロソルブアセテート、ブチルセロソルブアセテート等のセロソルブエステル類、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート等のプロピレングリコールエステル類、1,2−ジメトキシエタン、1,2−ジエトキシエタン、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、アニソールなどのエーテル類、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、2−ヘプタノン、5−メチル−3−ヘプタノン、メチル−n−アミルケトン、シクロヘキサノン、イソホロンなどのケトン類、N−メチルピロリドン、ジメチルスルホキシド、スルホランなどの非プロトン性極性溶媒から選ばれる溶媒、またはこれらの複合溶媒等が挙げられる。
本発明のポジ型感放射線性組成物は被加工基板上に塗布後、プリベークを行い、通例、0.1〜2μmの膜厚の薄膜にして使用される。この薄膜に、紫外線、KrFエキシマレーザーなどの遠紫外線、真空紫外線、電子線、X線等の放射線を用いてパターン露光し、露光後ベーク、現像を行うことによって微細パターンを得ることができる。好ましい露光源はKrFエキシマレーザーなどの遠紫外線、真空紫外線、電子線等である。特に電子線、X線を用いたパターン露光の場合に効果が大きく、さらに電子線を用いた場合がより効果が顕著となる。
本発明のポジ型感放射線性組成物の現像は、公知のアルカリ現像液を用いて行うことができる。具体例としては、アルカリ金属の水酸化物、炭酸塩、リン酸塩、ケイ酸塩、ホウ酸塩などの無機アルカリ、2−ジエチルアミノエタノール、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン等のアミン類、水酸化テトラメチルアンモニウム、コリン等の4級アンモニウムを1種あるいは2種以上含む水溶液等が挙げられる。
以下、実施例を挙げて、本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されない。なお、得られたポリマーの重量平均分子量(Mw)は、GPCを用いてポリスチレン換算で求めたものである。
合成例1
下記方法で多価フェノール化合物であるフェノールAを合成した。
下記方法で多価フェノール化合物であるフェノールAを合成した。
合成したフェノールA(28mmol)と、Aldrich社製エチレングリコールジビニルエーテル(23mmol)と、東京化成工業(株)製イソブチルビニルエーテル(10mmol)とをフラスコに仕込み、触媒としてp−トルエンスルホン酸ピリジニウム(0.4mmol)、溶媒としてテトラヒドロフラン(100ml)を添加し、60℃で8時間加熱攪拌して重付加を行った。得られた重合溶液を多量の水に攪拌しながら滴下し、ポリマーを沈殿させた。得られた沈殿物を単離し、減圧下で40℃に加熱しながら10時間乾燥し、ポリマーA(Mw=7000)を得た。
合成例2
モノマーの仕込みを、下記構造の本州化学(株)製TrisP−HAP(28mmol)と、Aldrich社製エチレングリコールジビニルエーテル(23mmol)と、Aldrich社製t−ブチルビニルエーテル(10mmol)とに変更した以外は合成例1と同様に行い、ポリマーB(Mw=6000)を得た。
モノマーの仕込みを、下記構造の本州化学(株)製TrisP−HAP(28mmol)と、Aldrich社製エチレングリコールジビニルエーテル(23mmol)と、Aldrich社製t−ブチルビニルエーテル(10mmol)とに変更した以外は合成例1と同様に行い、ポリマーB(Mw=6000)を得た。
合成例3
モノマーの仕込みを、下記構造の本州化学(株)製BisCT−P(28mmol)と、丸善石油化学(株)製CHDM−DVE(23mmol)と、丸善石油化学(株)製ビニロキシメチルシクロヘキサン(15mmol)に変更した以外は合成例1と同様に行い、ポリマーC(Mw=6500)を得た。
モノマーの仕込みを、下記構造の本州化学(株)製BisCT−P(28mmol)と、丸善石油化学(株)製CHDM−DVE(23mmol)と、丸善石油化学(株)製ビニロキシメチルシクロヘキサン(15mmol)に変更した以外は合成例1と同様に行い、ポリマーC(Mw=6500)を得た。
合成例4
下記方法で多価ビニルエーテル化合物であるビニルエーテルAを合成した。
下記方法で多価ビニルエーテル化合物であるビニルエーテルAを合成した。
モノマーの仕込みを、下記構造の本州化学(株)製HBP−2344(28mmol)と、合成したビニルエーテルA(18mmol)と、東京化成工業(株)製イソブチルビニルエーテル(15mmol)とに変更した以外は合成例1と同様に行い、ポリマーD(Mw=10000)を得た。
合成例5
モノマーの仕込みを、合成例1で合成したフェノールA(28mmol)と、Aldrich社製エチレングリコールジビニルエーテル(28mmol)とに変更した以外は合成例1と同様に行い、ポリマーE(Mw=15000)を得た。
モノマーの仕込みを、合成例1で合成したフェノールA(28mmol)と、Aldrich社製エチレングリコールジビニルエーテル(28mmol)とに変更した以外は合成例1と同様に行い、ポリマーE(Mw=15000)を得た。
合成例6
モノマーの仕込みを、合成例1で合成したフェノールA(28mmol)と、Aldrich社製エチレングリコールジビニルエーテル(23mmol)とに変更した以外は合成例1と同様に行い、ポリマーF(Mw=6000)を得た。
モノマーの仕込みを、合成例1で合成したフェノールA(28mmol)と、Aldrich社製エチレングリコールジビニルエーテル(23mmol)とに変更した以外は合成例1と同様に行い、ポリマーF(Mw=6000)を得た。
実施例1〜5、および比較例1〜3
合成例1〜6で得られたポリマーA〜Fを用いて、表1に示した組成のとおりに黄色灯下で調製を行い、攪拌して均一溶液とした後、0.1μmのフィルターで濾過し、レジスト組成物1〜6を得た。なお、酸発生剤における「TPSTf」はトリフェニルスルホニウムトリフレート、溶媒における「PGMEA」はプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートである。
合成例1〜6で得られたポリマーA〜Fを用いて、表1に示した組成のとおりに黄色灯下で調製を行い、攪拌して均一溶液とした後、0.1μmのフィルターで濾過し、レジスト組成物1〜6を得た。なお、酸発生剤における「TPSTf」はトリフェニルスルホニウムトリフレート、溶媒における「PGMEA」はプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートである。
レジスト組成物1〜6をそれぞれHMDS処理したシリコンウエハ上にスピンコートした後、ホットプレートを用いて130℃で1分間プリベークし、膜厚400nmのレジスト膜を形成した。これら各レジスト膜を電子線露光装置(加速電圧50kV)、もしくはKrFエキシマレーザーステッパーを用いてパターン状に露光を行った後、ホットプレートを用いて90℃で2分間露光後ベークし、2.38wt%水酸化テトラメチルアンモニウム水溶液で1分間現像を行った。
得られたレジストパターンの評価結果を表2に示す。実施例5と比較例3はKrFエキシマレーザーステッパーで露光した。それ以外は電子線露光装置(加速電圧50kV)で露光した。なお、表中の露光量と解像度は、解像したレジストパターンの最小寸法(nm)を解像度とし、その時の放射線露光量を露光量として記載した。
Claims (4)
- (a)フェノール性水酸基を2〜7個有する多価フェノール化合物と、ビニルエーテル化合物とを重付加して得られる重合体、および(b)放射線の照射によって酸を発生する酸発生剤を含有するポジ型感放射線性組成物であって、前記ビニルエーテル化合物が、ビニルエーテル基を2〜4個有する多価ビニルエーテル化合物と、ビニルエーテル基を1個有する1価ビニルエーテル化合物との混合物であることを特徴とするポジ型感放射線性組成物。
- 多価フェノール化合物が、ベンゼン核を3または4個有する化合物である請求項1記載のポジ型感放射線性組成物。
- 多価フェノール化合物が、一般式(1)または(2)で示される化合物である請求項1記載のポジ型感放射線性組成物。
- 照射する放射線が電子線、またはX線である請求項1〜3のいずれか1項に記載のポジ型感放射線性組成物。
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