JP2005254518A - インクジェット記録装置およびインクジェット記録方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 ブラックインクによって記録される網掛け部分(均一ハーフトーン領域)のような記録デューティの変化率が比較的小さい記録領域の濃度ムラの発生を低減しつつ、境界ブリーディングの発生を抑制し、かつ高品位な黒文字等の記録が可能なインクジェット記録装置およびインクジェット記録方法を提供すること。
【解決手段】 カラー隣接マトリクスの検出処理E1013によって、カラードットが形成される領域およびそれに隣接する記録領域を検出し、ブラック均一ハーフトーンマトリクスの検出処理E1001によって、ブラックドットの記録デューティの変化率が比較的少ない記録領域を検出し、それらの検出情報D1018,D1009に基づいて、カラードットを付与するためのデータを生成する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、ブラックインクと少なくとも1つのカラーインクを吐出可能な記録ヘッドを用いて記録を行うインクジェット記録装置およびインクジェット記録方法に関するものである。
従来、各種の被記録媒体に対して記録を行うインクジェット記録装置は、高密度かつ高速な記録動作が可能であることから、各種装置の出力媒体としてのプリンタ、あるいはポータブルプリンタ等として広く応用され、かつ商品化されている。
一般のシリアルスキャンタイプのインクジェット記録装置は、記録手段としての記録ヘッドおよびインクタンクを搭載するキャリッジと、被記録媒体を搬送する搬送手段と、これらを制御するための制御手段と、を備えている。そして、複数の吐出口からインク滴を吐出可能な記録ヘッドを被記録媒体の搬送方向(副走査方向)と直交する方向(主走査方向)にシリアルスキャンさせる動作と、被記録媒体を記録幅に等しい量搬送する動作と、を繰り返すことにより、被記録媒体の記録領域に画像を記録する。このような記録方法は、記録信号に基づいて被記録媒体上にインクを吐出して記録を行うものであり、ランニングコストが安く、静かな記録方式として広く用いられている。また近年では、複数色のインクを用い、カラー画像の記録装置に応用した製品も数多く実用化されている。
このようなカラーインクジェット記録装置において用いられるブラックインクは、文字等の記録に多用されることから、記録画像のシャープさ鮮明さおよび高い記録濃度を実現することが要求される。そこで、被記録媒体に対するブラックインクの浸透性を下げて、ブラックインク中の色材が被記録媒体内へ浸透することを抑制する技術が知られている。
一方、ブラックインク以外のカラーインクは、異なる色の2種のインクが隣接して被記録媒体上に付与されたときに、それらのインクの付与部分の境界部にてインク同士が混ざり合って、カラー画像の記録品位を低下させる現象(境界ブリーディング)が発生するおそれがある。これを防ぐために、被記録媒体に対するカラーインクの浸透性を上げて、カラーインク同士が被記録媒体の表面上で混ざり合うことを防止する技術が知られている(例えば、特許文献1参照)。
しかしながら、このような低浸透性のブラックインクと高浸透性のカラーインクを用いた場合には、以下のような2つの問題が発生する。
第1に、カラーインクは浸透性が高いため定着時間が早いものの、ブラックインクは浸透性が低いため乾燥定着時間が長くかかる。そのため、被記録媒体としての複数ページの記録用紙に連続的に記録をする場合に、先に記録されたページが排紙された後、そのページの上に、次に記録されたページを重ねて排紙したときに、前のページに付与されたブラックインクが完全に乾いていないため、前のページの記録面と次のページの記録用紙の裏面がすれて汚れてしまうおそれがある。このような記録用紙の記録面と裏面の汚れは、「スミア」と称される。このような問題は、記録速度の向上に伴って顕著に現れる。
第2に、ブラックインクは浸透性が低いため、被記録媒体上のブラックインクとカラーインクの付与部分の境界領域において、にじみ(境界ブリーディング)が発生するおそれがある。これはカラー画像の記録品位を著しく低下させることになる。
これら2つの問題の解決策として、従来から以下のような第1〜第3の対策がとられている。
まず、第1の対策は、加熱定着器等のインクの定着手段を用いる方法である。この方法より、被記録媒体にインクを高速に定着させて、スミアおよび境界ブリーディングを抑制することが可能となる(例えば、特許文献1参照)。しかしながら、この第1の対策では、定着手段を設けるために、装置の大型化およびコストの増大が避けられない。また、シリアルプリンタにおいては、被記録媒体の送り動作が間欠的であるため、それを定着器内に通す際に送りムラが生じてしまうおそれがある。
次に、第2の対策は、被記録媒体としての記録用紙の排紙待ち制御を行う方法である。この方法は、1枚目の記録用紙に画像が記録されてインクが十分に乾燥するまでの間、2枚目の記録用紙に対する記録開始を一時停止、または2枚目の記録用紙に画像を記録した後に、その記録用紙の排紙動作を一時停止するものである。この方法により、スミアの発生を抑えることができる。しかしながら、この第2の対策では、被記録媒体の排紙待ちをするため、スループットの低下を招く。
第3の対策は、浸透性の高いカラーインクをブラックインクの付与領域に重ねて付与する方法である。カラーインクが付与された紙面上にブラックインクを付与することにより、ブラックインクが紙面に定着しやすくなり、スミアを抑えることができる。さらに、ブラックインクとカラーインクとが反応して凝集するタイプのインクセットを用いることにより、境界ブリーディングを抑えることができる(例えば、特許文献2参照)。この特許文献2に記載の対策によれば、装置の大型化やスループットの低下を招かずに、スミアや境界ブリーディングを抑制できる。
特開平7−47762号公報 特開2003−159827号公報
しかしながら、上述した特許文献2に記載の方法においては、図28のような不具合が生じるおそれがあった。
すなわち、特許文献2では、図28に示されるように被記録媒体上の領域を所定の小検出領域に分け、その小検出領域毎におけるブラックインクのドット密度を検出し、そのドット密度が所定の閾値を超えた小検出領域に対してカラーインクを付与するようにしている。より詳しく述べると、図28のように、被記録媒体に対して、ブラックインクによって記録される文字部分、網掛け部分、およびべた部分を含む画像を記録する場合には、小検出領域の大きさに対応する検出マトリクス1000がマトリクスM1〜M5のように設定され、それらのマトリクス毎におけるブラックインクのドット密度が検出されることになる。文字部分は、文字データ1001に基づいてブラックドットが形成される領域、網掛け部分は、網掛けデータ1002に基づいてブラックドットが形成される均一ハーフトーン領域、べた部分は、Bkインクのべたデータ(Bkべたデータ)1003に基づいてブラックドットが高デューティに形成される領域である。マトリクスM1〜M3を含む領域は、ブラックインクのドット密度が比較的低いために、カラードットを付与しない領域、つまりカラードットの非重ね打ち領域1004となる。また、マトリクスM4,M5を含む領域は、ブラックインクのドット密度が比較的高いために、カラードットを付与する領域、つまりカラードットの重ね打ち領域1005となる。
網掛け部分に関しては、カラードットが重ね打ちされない領域A1(マトリクスM3を含む領域)と、カラードットが重ね打ちされる領域A2(マトリクスM4を含む領域)と、が混在することになる。そのため、網掛け部分に濃度ムラが発生するおそれがある。特に、網掛け部分は、それを記録するブラックインクのドット密度が比較的低いため、カラードットの重ね打ちの有無によって濃度や色味が変化しやすく、濃度ムラが発生しやすい。
このようなカラードットの重ね打ちの有無によって生じる濃度ムラは、上述したブラックの高デューティ領域にカラードットを重ね打ちする構成を採用した場合おいてのみ生じる問題でない。例えば、ブラックとカラーの境界ブリーディングを抑制するために、カラーの高デューティ領域内におけるブラックドットに対しカラードットを重ね打ちする構成についても同様に生じる問題である。
本発明は、以上の状況について鑑みてなされたものであって、ブラックインクによって記録される網掛け部分(均一ハーフトーン領域)のような記録デューティの変化度合いが比較的小さい記録領域の濃度ムラの発生を低減しつつ、ブラックとカラーの境界ブリーディングの発生を抑制できるインクジェット記録装置およびインクジェット記録方法を提供することにある。
本発明のインクジェット記録装置は、ブラックインクと少なくとも1つのカラーインクを吐出可能な記録ヘッドを用い、前記ブラックインクを吐出させるためのブラックデータと前記カラーインクを吐出させるためのカラーデータに基づいて、被記録媒体上に前記ブラックインクによるブラックドットと前記カラーインクによるカラードットを形成して画像を記録するインクジェット記録装置において、前記カラーデータに基づいて、前記被記録媒体上の単位記録領域におけるカラードットの形成数が第1の閾値以上である記録領域およびそれに隣接する記録領域を第1記録領域として検出する第1検出手段と、前記ブラックデータに基づいて、近接する前記単位記録領域間でのブラックドットの形成数の差が第2の閾値未満である第2記録領域を検出する第2検出手段と、前記第1記録領域に対応する前記ブラックデータと前記第2記録領域に対応する前記ブラックデータに基づいて、前記第1記録領域内と前記第2記録領域内に前記カラードットを付与するための付与データを生成する付与データ生成手段と、前記カラーデータに、前記付与データを反映させて記録用カラーデータを生成する記録用カラーデータ生成手段と、前記ブラックデータおよび前記記録用カラーデータに基づいて前記記録ヘッドを制御することにより記録を行う制御手段と、を備えることを特徴とする。
本発明のインクジェット記録装置は、ブラックインクと少なくとも1つのカラーインクを吐出可能な記録ヘッドを用い、前記ブラックインクを吐出させるためのブラックデータと前記カラーインクを吐出させるためのカラーデータに基づいて、被記録媒体上に前記ブラックインクによるブラックドットと前記カラーインクによるカラードットを形成して画像を記録するインクジェット記録装置において、前記カラーデータに基づいて、単位記録領域におけるカラードットの形成量に関する情報を取得し、当該形成量に関する情報に基づいて第1記録領域を検出する第1検出手段と、前記ブラックデータに基づき、近接する単位記録領域同士におけるブラックドットの形成量の相対差に関する情報を取得し、当該形成量の相対差に関する情報に基づいて第2記録領域を検出する第2検出手段と、前記第1記録領域に対応する前記ブラックデータと前記第2記録領域に対応する前記ブラックデータに基づいて、前記第1記録領域内と前記第2記録領域内に前記カラードットを付与するための付与データを生成する付与データ生成手段と、前記カラーデータに、前記付与データを反映させて記録用カラーデータを生成する記録用カラーデータ生成手段と、前記ブラックデータおよび前記記録用カラーデータに基づいて前記記録ヘッドを制御することにより記録を行う制御手段と、を備えることを特徴とする。
本発明のインクジェット記録方法は、ブラックインクと少なくとも1つのカラーインクを吐出可能な記録ヘッドを用い、前記ブラックインクを吐出させるためのブラックデータと前記カラーインクを吐出させるためのカラーデータに基づいて、被記録媒体上に前記ブラックインクによるブラックドットと前記カラーインクによるカラードットを形成して画像を記録するインクジェット記録方法において、前記カラーデータに基づいて、前記カラードットが形成される記録領域およびそれに隣接する記録領域を第1記録領域として検出し、前記ブラックデータに基づいて、前記ブラックドットの記録デューティの変化率が比較的小さい第2記録領域を検出し、前記第1記録領域に対応する前記ブラックデータと前記第2記録領域に対応する前記ブラックデータに基づいて、前記第1記録領域内と前記第2記録領域内に前記カラードットを付与するための付与データを生成し、前記カラーデータに、前記付与データを反映させて記録用カラーデータを生成し、前記ブラックデータおよび前記記録用カラーデータに基づいて前記記録ヘッドを制御することにより記録を行うことを特徴とする。
本発明によれば、カラードットが形成される領域およびそれに隣接する記録領域と、ブラックドットの記録デューティの変化度合いが比較的少ない領域と、に対して、カラードットを付与することにより、境界ブリーディングの発生を防止もしくは低減すると共に、カラードットを付与した部分と付与しない部分との間において比較的大きな濃度ムラが発生しやすい画像(例えば、網掛けパターン)の濃度ムラを防止もしくは低減して、記録品位を向上させることができる。また、黒文字等の記録領域に対しては、カラードットを付与しないようにして、シャープな黒画像を記録することができる。
以下、図面を参照して本発明の実施形態を説明する。以下の実施形態は、インクジェット記録方式の記録装置に対する適用例である。
[第1の実施形態]
図25から図27は、本発明を適用可能なインクジェット記録装置の構成例を説明するための図、図1から図9は、本発明の第1の実施形態を説明するための図である。
(記録装置の構成例)
図25は、本発明を適用可能なカラーインクジェット記録装置の構成例を示す概略斜視図である。
この図において、202は4つのインクカートリッジである。これらは、4色のインク(ブラック(Bk)、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y))がそれぞれ入れられたインクタンクと、それらのインクを吐出可能な記録ヘッド201と、から構成されている。記録ヘッド201の構成については後述する。103は紙送りローラであり、補助ローラ104と共に被記録媒体としての記録用紙107を抑えながら図中の矢印方向に回転して、記録用紙107の矢印B方向(副走査方向)への給紙を行う。これらのローラ103および104と同様に、ローラ105も記録用紙107を抑える役割を果たしている。106はキャリッジであり、4つのインクカートリッジ202を搭載して、それらのインクカートリッジ202と共に矢印Aの主走査方向に移動させる。キャリッジ106は、記録装置が記録を行っていないとき、あるいは記録ヘッドの回復動作を行うときは、図中点線の位置(ホームポジション)hに待機するように制御される。
記録開始前、キャリッジ106はホームポジションhに位置する。そして記録開始命令により、キャリッジ106を矢印Aの主走査方向に移動させながら、記録ヘッド201に設けられた記録素子を駆動してインクを吐出させることにより、記録ヘッド201の記録幅に対応した記録用紙107上の領域に記録を行う。キャリッジ106の主走査方向に沿って、記録用紙107上の記録領域の端部までの記録走査が終了すると、キャリッジ106は元のホームポジションhに戻り、再び主走査方向への記録走査を行う。前回の記録走査が終了してから、次の記録走査が始まる前に、紙送りローラ103が矢印方向へ回転して、必要な幅だけ記録用紙107を復走査方向へ紙送りする。このような記録走査と紙送りとを繰り返すことにより、記録用紙107上への記録が完成する。記録ヘッド201からインクを吐出する記録動作は、記録制御手段(不図示)からの制御に基づいて行われる。
また、記録速度を高めるため、キャリッジ106の往方向の走査時のみに記録を行うのではなく、キャリッジ106がホームポジションh側へ戻る復方向の移動時においても記録を行う構成、つまり双方向記録が可能な構成であってもよい。
また、インクカートリッジ202は、記録用のインクを収容するインクタンクと、記録用紙107に向けてインクを吐出する記録ヘッド201と、が一体になったインクジェットカートリッジを構成するものであってもよい。また、インクタンクと記録ヘッド201は、分離可能にキャリッジ106に保持されるものであってもよい。さらに、1つの記録ヘッドから複数色のインクの吐出が可能に構成された記録ヘッド201を用いてもよい。
また、前述の回復動作を行う位置には、記録ヘッド201の前面(インク吐出口の形成面)をキャップするキャッピング手段(不図示)、およびキャッピング手段によるキャップ状態において、記録ヘッド201内の増粘インクや気泡を除去する等のヘッド回復動作を行う回復ユニット(不図示)が設けられている。また、キャッピング手段の側方には、クリーニングブレード(不図示)等が記録ヘッド201に向けて突出可能に支持されており、そのクリーニングブレードと記録ヘッドの前面との摺接が可能となっている。回復動作後に、クリーニングブレードを記録ヘッドの移動経路中に突出させて、そして記録ヘッドを移動させることにより、その記録ヘッドの移動に伴って、記録ヘッドの前面に付着した不要なインク滴や汚れ等を払拭する。
(記録ヘッドの構成例)
図26は、記録ヘッド201の構成例を説明するための要部斜視図である。
本例の記録ヘッド201には、複数の吐出口300が所定のピッチで形成されており、共通液室301と各吐出口300との間は各液路302によって連結されている。各液路302の壁面に沿って、インク吐出用のエネルギーを発生するための記録素子303が配設されている。本例の記録素子は、熱エネルギーを発生するためのヒータ(電気熱変換体)である。記録素子303とその駆動回路は、シリコン上に半導体製造技術を利用して作られている。また、温度センサ(不図示)およびサブヒータ(不図示)も、同一シリコン上に半導体製造プロセスと同様のプロセスによって一括形成される。これらの電気配線が作られたシリコンプレート308は、放熱用のアルミベースプレート307に接着されている。また、シリコンプレート308上の回路接続部311とプリント板309は超極細ワイヤー310によって接続されており、記録装置本体からの信号は信号回路312を通して入力する。
液路302および共通液室301は、射出成形されたプラスチックカバー306によって形成されている。共通液室301は、ジョイントパイプ304とインクフィルター305を介して、前述したインクタンク(図25参照)と連結しており、インクタンクからインクが共通液室301に供給される。インクタンクから共通液室301に供給されて一時的に貯えられたインクは、毛管現象により液路302に浸入し、吐出口300にてメニスカスを形成して、液路302内を満たされる。そして、電極(不図示)を介して記録素子303としてのヒータが通電されて、それが発熱することにより、その記録素子303上のインクが急激に加熱されて液路302内に気泡が発生する。この気泡の膨張により、吐出口300からインク滴313が吐出される。
(インクの特性)
本実施形態で適用するブラック(K)インクは所定の浸透性を有し、シアン(C)、マゼンタ(M)およびイエロー(Y)のカラーインクは所定の浸透性よりも高い浸透性を有している。このインク特性によれば、高浸透性のカラーインクと同じ領域に付与される低浸透性のブラックインクは、その浸透速度が向上し、ブラックインクが記録媒体内部へ速やかに浸透していくため、スミアが抑制される。
但し、ブラックインクの浸透性が向上すると、ブラックインクの溶媒成分のみならず色材成分までが記録媒体内部へ高速且つ多量に浸透し、ブラック画像の濃度低下を招く傾向にある。そこで、本実施形態では、ブラック画像の濃度低下を軽減するべく、ブラックインクの色材を凝集させる成分をシアン(C)インクに含ませるようにしている。このインク構成によれば、ブラックインクの色材を瞬時に凝集させ、その凝集物を記録媒体の表面に多く残せるので、ブラック画像の濃度を低下させずに済む。
以上述べたように本実施形態では、低浸透性のブラックインクと、高浸透性のシアン、マゼンタ、イエローのカラーインクを用い、更にシアンインクにはブラックインクの色材を凝集させる成分を含ませているので、ブラック画像の濃度低下を招かずにしてブラック画像を高速に定着させることができ、その結果、スミアを効果的に抑制できる。
なお、浸透性の高低は、アセチレノール(アセチレノールは川研ファインケミカル社の商品名;アセチレングリコールにエチレンオキサイドを付加したものであり、エチレンオキサイド−2,4,7,9−テトラメチル−5−デシン−4,7−ジオール(ethylene oxide-2,4,7,9-tetramethyl-5-decyne-4,7-diol)で表される)等に代表される界面活性剤の含有量を変えることで調整可能である。界面活性剤の含有量を多くすることにより浸透性を高めることができる。従って、本例では、界面活性剤の含有率を、ブラックインクよりもカラーインクの方で高くしている。
また、ブラックインクの色材を凝集させる成分としては多価金属塩が好適に用いられる。多価金属塩は、二価以上の多価金属イオンとこれら多価金属イオンに結合する陰イオンとから構成される。多価金属イオンの具体例としては、Ca2+、Cu2+、Ni2+、Mg2+、Zn2+等の二価金属イオン、そしてFe3+、Al3+等の三価金属イオンが挙げられる。又、陰イオンとしては、Cl−、NO3−、SO42−等が挙げられる。
(記録装置における制御系の構成例)
図27は、記録装置における制御系の構成例を説明するためのブロック図である。
400は記録信号を入力するインターフェ−ス、401はMPU、402はMPU401が実行する制御プログラムを格納するプログラムROMである。MPU401は、後述するようなデータの処理を実行する。403は、各種データ(記録信号や記録ヘッド201に供給される記録データ等)を保存しておくダイナミック型のRAM(DRAM)であり、記録ドット数や、インクタンクや記録ヘッド201の交換回数等も記憶することができる。404は、記録ヘッド201に対する記録データの供給制御を行うゲートアレイであり、インターフェース400、MPU401、およびDRAM403間のデータの転送制御も行う。400は、不図示のホストコンピュータ(ホスト装置)に接続される。このホストコンピュータから、記録装置によって記録するための画像データを入力することができる。405は、記録ヘッド201を搬送するためのキャリアモータ(CRモータ)、406は、記録用紙107の搬送用駆動源としての搬送モータ(LFモータ)である。407および408は、それぞれ搬送モータ405およびキャリアモータ406を駆動するためのモータドライバである。409は、記録ヘッド201を駆動するためのヘッドドライバである。
(データ処理系の構成例)
図1は、後述するカラー隣接マトリクスリクスの検出処理E1013、ブラック均一ハーフトーンマトリクスの検出処理E1001、カラードット付与データの生成処理E1、および記録用カラーデータの生成処理E2を説明するためのブロック図である。
この図1において、オリジナルのBkデータD1000は、ホストコンピュータから入力された多値データに対して2値化処理を施し得られた2値データあるいはホストコンピュータから直接入力された2値データであり、対応する記録ヘッド201からブラック(Bk)のインクを吐出するか否か、つまりブラックインクのドットを形成するか否かに対応する”1”,”0”のデータである。本例の場合、オリジナルBkデータD1000は、そのまま実際の記録に用いられるBkデータD1004となる。以下においては、これらのBkデータD1000,D1004をブラックドットデータともいう。また、オリジナルのC,M,およびYデータD1001,D1002およびD1003は、後述するような2ビットのインデックス形式の多値データであり、記録時に、記録ヘッド201の解像度に合わせて展開される。以下においては、これらのC,M,およびYデータD1001〜D1003,D1005〜D1007をカラードットデータともいう。
(カラー隣接マトリクスの検出処理E1013)
図2は、境界ブリーディング防止用のカラー隣接マトリクス検出処理E1013(図1参照)を説明するためのフローチャートである。ここでは、カラーデータに基づき、単位記録領域におけるカラードットの形成量に関する情報(ドット数やデューティ等の情報)を取得し、その情報に基づいて第1記録領域であるカラー隣接領域を検出する。
まず、64×32の着目マトリクス内に形成されるべきカラードット数をカウントする(ステップS401)。すなわち、図1のように、オリジナルCデータD1001,オリジナルMデータD1002,およびオリジナルYデータD1003に基づいて、着目マトリクス内に形成されるC,M,Yインクのドット数を合算する。そして、その着目マトリクス内におけるカラードットの総数が410ドット以上であるか否かを判定する(ステップS402)。着目マトリクスにおけるカラードット数が410以上の場合には、その着目マトリクスと、それに隣接する64×32の隣接マトリクス(図3(a)中の隣接マトリクス1,2,3,4)に対応するカラー隣接マトリクス情報D1018(図1参照)のビットを”1”にする(ステップS403)。着目マトリクスにおけるカラードット数が410未満の場合には、その着目マトリクスに対応するカラー隣接マトリクス情報D1018のビットを”0”にする(ステップS404)。続いて、着目マトリクスの位置をシフトさせる(ステップS405)。そして、全てのマトリクスに対するカラー隣接マトリクス検出処理E1013が終了したか否かを判定し(ステップS406)、それが終了すれば処理を終え(ステップS407)、それが終了しなければステップS402に戻って、カラー隣接マトリクス検出処理E1013を繰り返す。
カラードット数の閾値は410のみに特定されず、インクの特性や記録装置の特性に合わせて最適な値に設定することができる。また、オリジナルCデータD1001、MデータD1002、およびYデータD1003は、必ずしも2値化されたデータでなくてもよく、結果的に、インクのドットを形成するか否かに対応付けられるデータであればよい。また、着目マトリクス内に形成されるC,M,Yインクのドット数を合算する際に、インクの種類毎に、インクの特性などに応じた重み付けをしてもよい。
図3(a),(b),(c)は、カラー隣接マトリクス検出処理E1013の具体的な説明図である。
図3(a)は、64×32の着目マトリクスと、それに隣接する4つの隣接マトリクスを表している。本実施形態では、着目マトリクスに隣接する上下左右のマトリクスを隣接マトリクスとしている。これは、着目マトリクスと隣接マトリクスの境界領域においてブラックドットとカラードットが隣接する場合に、境界ブリーディングが生じることを防止するためである。着目マトリクスの対角に位置する4つのマトリクス、つまり着目マトリクスの右上、右下、左上、左下に位置するマトリクスについては、着目マトリクスとの境界領域が点としか存在しないため、それらのマトリクスは、隣接マトリクスとしては扱わない。マトリクスのサイズ、および着目マトリクスに隣接する計8つのマトリクスの内のどれを着目マトリクスとして扱うかは、インクシステムや記録装置の特性に応じて適切に設定する。
図3(b)は、各マトリクス内におけるカラーインク(シアン,マゼンタ,およびイエローインク)のドットの総数の説明図である。その総数が410以上のマトリクス部分には斜線を付している。図3(c)は、カラー隣接マトリクス検出処理E1013を行った結果として得られたカラー隣接マトリクス情報D1018の説明図である。前述したように、着目マトリクスの位置を横方向および縦方向にシフトさせながら、カラードット数のカウント値が410以上の着目マトリクスと、その着目マトリクスに隣接する隣接マトリクスに対応するビットに”1”をセットし、410未満の着目マトリクスに対応するビットには”0”をセットする。したがって、カラー隣接マトリクス情報D1018は、図3(c)のようなビットマップ情報となる。
(ブラック均一ハーフトーンマトリクスの検出処理E1001)
図4は、ブラック均一ハーフトーントリクスの検出処理E1001を説明するためのフローチャートである。この検出処理E1001は、ブラックインクによって記録される網掛け(均一ハーフトーン)のように、ブラックドットの記録デューティの変化度合いが比較的小さい領域(均一ハーフトーン領域)を検出する処理である。詳しくは、ブラックデータに基づき、近接する単位記録領域同士におけるブラックドットの形成量の相対差に関する情報(ドット数やデューティの差に関する情報)を取得し、その情報に基づいて第2記録領域である均一ハーフトーン領域を検出する。そして、後述するように、この検出処理E1001よって検出した均一ハーフトーン領域にカラードットを付与することにより、その均一ハーフトーン領域における色むらの発生を低減することができる。
図5(a),(b)は、着目マトリクスAと、その着目マトリクスAの上下左右に位置する4つの近接マトリクスB,C,D,Eを表した図である。
まず、着目マトリクスA内に形成すべきブラックドットのカウント値DAと、近接マトリクスB,C,D,E内に形成すべきブラックドットのカウント値DB,DC,DD,DEとの差分の絶対値、つまり|DA−DB|、|DA−DC|、|DA−DD|、|DA−DE|を算出する(ステップS201)。次に、それらの差分の絶対値の内、最も小さい値を最小差分ドット数として取得する(ステップS202)。
例えば、DA=100ドット、DB=0ドット、DC=50ドット、DD=70ドット、DE=100ドットの場合、最小差分ドット数は下式によって表わされる。
最小差分ドット数
=MIN{ABS(DA−DB),ABS(DA−DC),ABS(DA−DD),ABS(DA−DE)}
=MIN{ABS(100−0),ABS(100−50),ABS(100−70),ABS(100−100)}
=MIN{100,50,30,0}
=0
ここで、ABSは絶対値、MINは最小値を算出する関数と定義する。
次に、最小差分ドット数と閾値Aとを比較し、それが閾値Aよりも小さいか否かを判定する(ステップS203)。例えば、閾値A=1とした場合、上記のように最小差分ドット数が0であるときは、着目マトリクスAに対応するブラック均一ハーフトーン情報のビットを”1”にセットする(ステップS204)。一方、最小差分ドット数が閾値A以上であるときは、着目マトリクスAに対応するブラック均一ハーフトーン情報のビットを”0”にセットする(ステップS205)。続いて、オリジナルBkデータD1000における着目マトリクスの位置をシフトさせる(ステップS206)。そして、全ての着目マトリクスについての検出処理E1001が終了していなければ先のステップS201に戻り、それが終了すれば検出処理E1001を終了する(S207)。
図6(a),(b),(c)は、ブラック均一ハーフトーンマトリクスの検出処理E1001の具体的な説明図である。
図6(a)は、64画素×32画素で構成される着目マトリクスを表している。図6(b)は、BkデータD1000の各マトリクス(64×32画素)内のおけるブラックドットのカウント数を表している。着目マトリクスを図中の左方向にずらしながら、ブラック均一ハーフトーンマトリクスの検出処理E1001を実行する。1ライン分のマトリクスに対する処理を終了したら、次のラインのマトリクスに対して処理を行う。全てのマトリクス対する処理を終了した結果として、図6(c)のようなブラック均一ハーフトーンマトリクス情報(D1009)を得ることができる。この図6(c)においては閾値Aを1とした。
(カラードット付与データの生成処理E1)
図7(a)〜(d)は、カラードット付与データの生成処理E1の説明図である。
本生成処理E1においては、まず図1のように、演算処理部E1003にて、カラー隣接マトリクス情報D1018とブラック均一ハーフトーンマトリクス情報D1009との論理和をとって、第1のカラー付与マトリクス情報D1010を生成する。そして演算処理部E1020において、そのカラー付与マトリクス情報D1010とオリジナルBkデータD1000との論理積をとって、第2のカラー付与マトリクス情報D1020を生成する。その第2のカラー付与マトリクス情報D1020は、第1のカラー付与マトリクス情報D1010が”1”にセットされた64×32のマトリクス内のBkデータD1000に相当する。
本生成処理E1においては、このような第2のカラー付与マトリクス情報D1020に基づいて、シアンインクドットの付与データ(C付与データ)D1011、マゼンタインクドットの付与データ(M付与データ)D1012、およびイエローインクドットの付与データ(Y付与データ)D1013を生成する。C付与データ(D1011)、M付与データ(D1012)、およびY付与データ(D1013)をまとめてカラードット付与データという。
C付与データ(D1011)は、第2のカラー付与マトリクス情報D1020(第1のカラー付与マトリクス情報D1010が”1”にセットされたマトリクス内のBkデータD1000)と、図7(b)のような10(画素)×10(画素)のサイズのシアン用マスク(Cマスク)との論理積をとることによって生成される(図7(a)中のCマスクとのAND処理E1007)。同様に、M付与データ(D1012)は、第2のカラー付与マトリクス情報D1020と、図7(c)のような10(画素)×10(画素)のサイズのマゼンタ用マスク(Mマスク)との論理積をとることによって生成される(図7(a)中のMマスクとのAND処理E1008)。同様に、Y付与データ(D1013)は、第2のカラー付与マトリクス情報D1020と、図7(d)のような10(画素)×10(画素)のサイズのイエロー用マスク(Yマスク)との論理積をとることによって生成される(図7(a)中のYマスクとのAND処理E1009)。それらのC,M,Yのマスクが10×10のサイズであるため、それらを64×32サイズのマトリクス内において縦方向と横方向に繰り返し用いるようにして、第2のカラー付与マトリクスD1020との論理積をとる。
本例においては、図7(b),(c),(d)のように、C,M,Yのマスクのデューティをそれぞれ18%、6%、5%としている。これらのデューティは、第1のカラー付与マトリクス情報D1010が”1”にセットされたマトリクス(64×32)内に対して、画像品位を向上させるためのシアンインクドット、マゼンタインクドット、およびイエローインクドットを付与するときの付与量に相当する。それぞれのカラーインクドットの付与量およびマスクのサイズは、インクの特性や記録装置の構成に応じて設定する。また、マスク内のドットは、規則性を持たせて配置してもよく、また疑似的にランダムに配置してもよい。
(記録用C,M,Yデータ(カラーデータ)の生成処理E2)
本生成処理E2においては、図1のように、演算処理部E1010,E1011,E1012のそれぞれにおいて、C,M,YのオリジナルデータD1001、D1002,D1003と、C,M,Y付与データD1011,D1012,D1013との論理和をとって、記録用のC,M,YデータD1005,D1006,D1007を生成する。
本例におけるカラーデータ(C,M,Yデータ)D1001,D1002,D1003,D1005,D1006,D1007は、2ビットのインデックス形式の多値データとされており、記録時に、記録ヘッドの解像度に合わせて展開される。図8(a)のように、2ビットのインデックスデータ(00,01,10,11)には、対応する展開パターンが設定されている。
図8(b)は、演算処理部E1010,E1011,E1012における論理処理、つまり2ビットのオリジナルカラーデータD1001,D1002,D1003と、1ビットのカラー付与データ(C,M,Y付与データ)D1011,D1012,D1013との演算処理の説明図である。1ビットのカラー付与データが「1」の場合には、オリジナルカラーデータが「00」のときにのみ、演算後の記録用カラーデータを「01」に変換する。それ以外のオリジナルカラーデータの場合には、オリジナルカラーデータをそのまま記録用カラーデータとする。
(記録用C,M,Y,Bkデータに基づく記録動作)
記録用C,M,Y,BkデータD1004〜D1007に基づいて、対応する記録ヘッド201からC,M,Y,Bkインクを吐出することにより、記録用紙107にカラー画像を記録する。その際、記録用カラーデータD1005,D1006,D1007は記録ヘッド201の解像度に合わせて展開される。
図9は、記録用紙に対して、Bkインクによって記録される文字部分および網掛け部分と、カラーインクによって記録されるべた部分と、を含む画像を記録する際に、本実施形態を適応した場合の処理結果を模式的に表した図である。
Bkインクによって記録される文字部分は、文字データ2001に基づいてブラックドットが形成される領域である。Bkインクによって記録される網掛け部分は、網掛けデータ2002に基づいてブラックドットが形成される均一ハーフトーン領域である。カラーインクによって記録されるべた部分は、カラーインクのべたデータ(カラーべたデータ)2003に基づいてカラードットが高デューティに形成される領域である。検出マトリクス2000を着目マトリクスとして、その着目マトリクスをマトリクスM1〜M5のようにずらしながら、カラー隣接マトリクスの検出処理E1013とブラック均一ハーフトーントリクス検出処理E1001を実施した。
その結果、文字部分は、検出処理E1000によってブラック高デューティ領域として検出されず、また検出処理E1013によってカラー隣接領域としても検出されない。そのため、文字部分はカラードットが付与されない領域、つまりカラードットの非重ね打ち領域2004となる。一方、網掛け部分を含む領域は検出処理E1001によって均一ハーフトーン領域として検出され、べた部分を含む領域は検出処理E1013によってカラー隣接領域として検出される。そのため、網掛け部分とべた分を含むマトリクスM3〜M5の領域は、カラードットを付与する領域、つまりカラードットの重ね打ち領域2005となる。したがって、網掛け部分には、カラードットの非重ね打ち領域2004と重ね打ち領域2005とが混在せず、それらが混在した場合に生じる画像の濃度むらを防止することができる。
一般に、文字部分においては、マトリクス単位の形成ドット数にばらつきが生じ、また網掛け部分のように所定のパターンを繰り返して記録する場合には、マトリクス単位の形成ドット数はほぼ一定となる。したがって上述したように、隣接するマトリクスとの形成ドット数の差分の少ない領域を検出することにより、文字データと網掛けデータを判別し、網掛けデータに対してのみカラードットの付与データを生成することが可能となる。
このように、カラーインクの付与領域に隣接するブラックインクの付与領域にカラードットを重ね打ちすることにより、ブラックインクとカラーインクの付与部分の境界領域におけるにじみ(境界ブリーディング)の発生を防止することができる。その場合、網掛け部などのブラック均一ハーフトーン領域に対してカラードットが重ね打ちされるように、カラードットの付与データを生成することによりにじみを防止することができる。また文字部分に対してはカラードットが重ね打ちされないように、カラードットの付与データを生成しないことにより品位を保つことができる。特に、網掛け部分のようなブラック均一ハーフトーン領域に関しては、カラードットの重ね打ち領域と非重ね打ち領域とが混在することによる濃度むら及び色むらの発生を防止することができる。
[変形例]
前述したブラック均一ハーフトーントリクス検出処理E1001では、カラー隣接マトリクスの検出処理E1013で使用されるマトリクスと同じサイズのマトリクスを使用しているが、マトリクスサイズは互いに異ならせてもよい。
[第2の実施形態]
本実施形態においては、画像の文字部分と網掛け部分との判定精度をさらに向上させて、カラードットの重ね打ちによる文字品位の劣化や色むらの発生を防止する。
図10は、本実施形態のデータ処理系の構成例を説明するためのブロック図である。本例においては、前述した第1の実施形態におけるデータ処理系(図1参照)に対して、孤立領域除去処理E1002とボールド処理E1004を加えた構成である。その他の処理は、第1の実施形態と同様である。図11は、孤立領域除去処理E1002を説明するためのフローチャート、図12は孤立領域除去処理E1002を説明するためのマトリクス構成図である。
まず、着目マトリクスAと8つの近接マトリクスB,C,D,E,F,G,H,Iに関して、ブラック均一ハーフトーンマトリクス情報(ビット情報)D1009が”1”であるマトリクスの数を取得する(ステップS301)。それらの9つのマトリクスおいて、マトリクス情報D1009が”1”であるマトリクス数が所定の閾値Bを越えているか否かを判定する(ステップS302)。ここでは、閾値B=6とする。マトリクス情報D1009が”1”であるマトリクス数が閾値Bを越えている場合には、着目マトリクスAに対応するマトリクス情報D1009を”1”とし(ステップS303)、それが閾値Bを越えていない場合には、着目マトリクスAに対応するマトリクス情報D1009を”0”とする(ステップS304)。次に、着目マトリクスAをシフトし(ステップS305)、全てのマトリクスの処理が終了したか否かを判定する(ステップS306)。全てのマトリクスの処理が終了していなければ先のステップS301に戻る。
このように孤立領域除去処理E1002は、8つの近接マトリクスB,C,D,E,F,G,H,Iとの関係から、着目マトリクスAのブラック均一ハーフトーンマトリクス情報D1009を変更する。変更後のマトリクス情報は、孤立領域除去マトリクス情報D1014としてボールド処理E1004の処理対象情報となる。
図13は、ボールド処理E1004の説明図である。着目マトリクスのカラー付与マトリクス情報D1010が”1”のときは、その上下左右の4つの近接マトリクスのカラー付与マトリクス上方D1010も”1”に設定する。このようなボールド処理後のマトリクス情報は、ボールド後のカラー付与マトリクス情報D1030として演算処理部E1003に入力される。演算処置部E1003は、そのマトリクス情報D1030とカラー隣接マトリクス情報D1018との論理和をとって、第1のカラー付与マトリクス情報D1010を生成する。
図14は、本実施形態における孤立領域除去処理E1002とボールド処理E1004の処理内容の具体的な説明図である。
図14(a),(b),(c)は、図6(a),(b),(c)と同様である。すなわち、図14(a)は、64×32画素の着目マトリクスを表している。また図14(b)は、BkデータD1000の各マトリクス(64×32画素)内のおけるブラックドットのカウント数を表している。着目マトリクスを図中の左方向にずらしながら、ブラック均一ハーフトーンマトリクスの検出処理E1001を実行する。1ライン分のマトリクスに対する処理を終了したら、次のラインのマトリクスに対して処理を行う。全てのマトリクスに対する処理を終了した結果として、図14(c)のようなブラック均一ハーフトーンマトリクス情報D1009を得ることができる。この図14(c)においては、前述した図6(c)と同様に閾値Aを1とした。
図14(d)は、図14(c)のブラック均一ハーフトーンマトリクス情報D1009に対して、孤立領域除去処理E1002を行った結果を表わしている。その孤立領域除去処理E1002は、前述したように、着目マトリクスと8つの近接マトリクスとを含む9つのマトリクスにおいて、マトリクス情報D1009が”1”であるマトリクスの数が閾値B(=6)を越えているときは、その着目マトリクスのマトリクス情報D1014を”1”とし、それが閾値B(=6)を越えていないときは、その着目マトリクスのマトリクス情報D1014を”0”とする。例えば、マトリクスM11と、その近傍の8つのマトリクスを含む9つのマトリクスにおいては、マトリクス情報D1009が”1”であるマトリクスの数が閾値B(=6)以下の4つであるため、マトリクスM11のマトリクス情報D1014が”0”とされる。マトリクスM15,M41,M45も同様である。また、マトリクスM27と、その近傍の8つのマトリクスを含む9つのマトリクスにおいては、マトリクス情報D1009が”1”であるマトリクスの数が閾値B(=6)以下の2つであるため、マトリクスM27のマトリクス情報D1014が”0”とされる。マトリクスM37も同様である。他のマトリクスのマトリクス情報は、”0”または”1”のままとする。
マトリクス情報D1009が”1”であるマトリクスにおいて、マトリクスM27,M37は孤立する領域(孤立領域)であり、またマトリクスM11,M15,M41,M45はハーフトーン領域の隅に位置する領域である。この段階において、これら両者の領域は、カラードットの重ね打ちの対象領域から外されることになる。後者の領域に関しては、後のボールド処理E1004によって、カラードットの重ね打ちの対象領域に含ませる。このように、孤立領域除去処理E1002においては、孤立領域のマトリクス情報D1014を”0”とする。この結果、ブラックインクによって記録されるハーフトーン領域と、それから外れた文字などの記録領域とを判別して、文字などの記録領域に対するカラードットの重ね打ちを回避することができる。
図14(e)は、ボールド処理E1004の処理結果としてのボールド後のカラー付与マトリクス情報D1030を表している。ここでは、ブラック高デューティマトリクス情報D1008が全て”0”であると仮定し、そのマトリクス情報D1008と図14(d)の孤立領域除去マトリクス情報D1014との論理和として生成された第1のカラー付与マトリクス情報D1010に対して、ボールド処理を行った。このボールド処理は、上述したように、マトリクス情報が”1”であるマトリクスの上下左右に位置するマトリクスのマトリクス情報を”1”とする処理である。この結果、先の孤立領域除去処理E1002によってカラードットの重ね打ちの対象領域から外されたマトリクスM11,M15,M41,M45は、カラードットの重ね打ちの対象領域として含まれることになって、カラードットの付与が保証される。
このように、本実施形態においては、孤立領域除去処理E1002とボールド処理E1004を含むことにより、カラードットの付与を必要とする領域(例えば、図9中のべた部分と網掛け部分)と、カラードットの付与を必要としない領域(例えば、図9中の文字部分)とを正確に判別して対処することができる。
[第3の実施形態]
本実施形態においては、表やグラフ等の中の文字に網掛けを行った場合にも、カラードットの重ね打ちによる文字品位の劣化や色むらの発生を防止する。
図15は、Bkインクによって記録される文字部分および網掛け文字部分と、カラーインクによって記録されるべた部分と、を含む画像の記録例の説明図である。網掛け文字部分においては、文字が網掛けされている。
図15において、文字部分は、文字データ2001に基づいてブラックドットが形成される領域、網掛け文字部分は、網掛け文字データ2002に基づいてブラックドットが形成される領域、べた部分は、カラーインクのべたデータ(カラーべたデータ)2003に基づいてカラードットが高デューティに形成される領域である。検出マトリクス2000を着目マトリクスとし、その着目マトリクスをマトリクスM1〜M5のようにずらしながら、カラードットを付与しない領域(非重ね打ち領域)2004とカラードットを付与する領域(重ね打ち領域)2005とを設定する。網掛け文字部分に対応するマトリクスM3,M4において、マトリクスM3内には文字が存在し、マトリクスM4には文字が存在しない。仮に、文字にカラードットを付与しないように非重ね打ち領域2004を設定した場合には、図15のように、網掛け文字部分に、カラードットが重ね打ちされない領域A1と、それが重ね打ちされる領域A2と、が混在して、色むらが発生するおそれがある。本実施形態では、このような色むらの発生を防止するべく、網掛け部分に文字がある場合であっても、網掛け部分の全域がカラードット重ね打ち領域となるよう構成している。
図16は、本実施形態のデータ処理系の構成例を説明するためのブロック図である。本例の場合は、前述した第2の実施形態における図10のボールド処理E1004の後段に、垂直方向への伝播処理E1005と水平方向への伝播処理E1006を加えた構成となっている。
図17は、垂直(下)方向への伝播処理E1005の説明図である。Ma〜Meは、垂直方向(画像の上下方向に相当)に並ぶマトリクスである。
図17(a)は、ボールド処理E1004の後におけるマトリクスMa〜Meのカラー付与マトリクス情報(ビットマップ情報)D1030であり、本例の場合は、上側のマトリクスMaが”1”、それよりも下側のマトリクスMb〜Meが”0”となっている。図17(b)は、マトリクスMa〜Me内におけるブラックドット数のカウント値Cであり、本例の場合は、それらのカウント値Cが100ドット、50ドット、30ドット、10ドット、0ドットとなっている。伝播処理E1005においては、マトリクス情報D1030が”1”のマトリクスを基準にして、それよりも下側のマトリクスのマトリクス情報D1030を所定の条件下において順次”1”設定することによって、図17(c)のような第1伝播処理後のカラー付与マトリクス情報D1040を生成する。すなわち、マトリクスMaよりも下側のマトリクスのカウント値Cを順次調べ、そのカウント値Cが”0”となる手前までのマトリクスのマトリクス情報を”1”に設定する。本例の場合は、マトリクスMeのカウント値Cが”0”であるため、その手前までのマトリクスMb〜Mdのマトリクス情報が”1”に設定される。
図18は、水平(左右)方向への伝播処理E1006の説明図である。Ma−1〜Ma−5は、水平方向(画像の左右方向に相当)に並ぶマトリクスである。
図18(a)は、上記のような伝播処理E1005の後のマトリクス情報D1040であり、本例の場合は、中央のマトリクスMa−3が”1”、他のマトリクスが”0”となっている。図18(b)は、マトリクスMa−1〜Ma−5内におけるブラックドット数のカウント値Cであり、本例の場合は、それらのカウント値Cが0ドット、10ドット、100ドット、50ドット、0ドットとなっている。伝播処理E1006においては、マトリクス情報D1040が”1”のマトリクスを基準にして、それよりも左側および右側のマトリクスのマトリクス情報D1040を所定の条件下において順次”1”設定することによって、図18(c)のような第2伝播処理後のカラー付与マトリクス情報D1050を生成する。すなわち、マトリクスMa−3よりも左側および右側のマトリクスのカウント値Cを順次調べ、そのカウント値Cが”0”となる手前までのマトリクスのマトリクス情報を”1”に設定する。本例の場合は、マトリクスMa−1,Ma−5のカウント値Cが”0”であるため、その手前までのマトリクスMa−2〜Ma−4のマトリクス情報が”1”に設定される。
図19は、本実施形態の構成によって図15の画像データを処理した場合の説明図である。図に示すように、本実施形態の処理を適応することにより、網掛け部分の全域がカラードットの重ね打ち領域2005となる。したがって、その網掛け部分に関して、非重ね打ち領域と重ね打ち領域との混在による濃度ムラを解消することができる。
[第4の実施形態]
図20は、Bkインクによって記録される文字部分、網掛け部分、およびべた部分を含む画像の記録例の説明図である。網掛け部分とべた部分は隣接している。
図20において、文字部分は、文字データ1001に基づいてブラックドットが形成される領域、網掛け部分は、網掛けデータ1002に基づいてブラックドットが形成される領域、べた部分は、ブラックインクのべたデータ(Bkべたデータ)1003に基づいてブラックドットが高デューティに形成される領域である。検出マトリクス1000を着目マトリクスとし、その着目マトリクスをマトリクスM1〜M5のようにずらしながら、カラードットを付与しない領域(非重ね打ち領域)1004とカラードットを付与する領域(重ね打ち領域)1005とを設定する。仮に図20のように、網掛け部分に、カラードットが重ね打ちされない領域A1と、それが重ね打ちされる領域A2と、が混在した場合には、色むらが発生するおそれがある。そこで、本実施形態では、このような色むらを防止するべく、以下のような構成を採用している。
図21は、本実施形態におけるデータ処理系の構成例を説明するためのブロック図である。本例においては、前述した第3の実施形態のデータ処理系(図16参照)に対して、ブラック高デューティマトリクスの検出処理E1000を加えられている。ブラック高デューティマトリクスは、スミアを防止するためにカラードットを付与する領域として検出される。検出処理E1000によって検出されたブラック高デューティマトリクス情報D1008は、孤立領域除去処理E1002の後の孤立領域除去マトリクス情報D1014と論理和演算E1014され、その演算後の情報がボールド処理E1004、垂直方向への伝播処理E1005、および水平方向への伝播処理E1006されることによって、第2伝播処理後のカラー付与マトリクス情報D1050が生成される。そのマトリクス情報D1050とカラー隣接マトリクス情報D1018とを論理和演算E1003することによって、第1のカラー付与マトリクス情報D1010が生成される。
(ブラック高デューティマトリクスの検出処理E1000)
図22は、スミアを防止あるいは軽減するためにカラードットを付与する領域として、ブラック高デューティマトリクスを検出するブラック高デューティマトリクス検出処理E1000を説明するためのフローチャートである。ここでは、ブラックデータに基づき、単位記録領域におけるブラックドットの形成量に関する情報(ドット数やデューティ等の情報)を取得し、その情報に基づいてブラック高デューティ領域を検出する。
まず、64(画素)×32(画素)のマトリクスに着目し、その着目マトリクス内に形成すべきブラックインクのドット(以下、「ブラックドット」ともいう)の数をカウントする(ステップS101)。すなわち、オリジナルBkデータD1000(図21参照)に基づいて、着目マトリクス内に形成されるブラックドットの数をカウントする。
続いて、ブラックドットのカウント値が758以上であるか否か、つまり記録デューティが約37%(=758/(64×32))以上であるか否かを判定する(ステップS102)。ブラックドット数が758以上の場合には、その着目マトリクスに対応するブラック高デューティマトリクス情報(ビット情報)D1008(図21参照)を”1”にする(ステップS103)。ブラックドット数のカウント値が758未満の場合には、その着目マトリクスに対応するブラック高デューティマトリクス情報D1008を”0”にする(ステップS104)。続いて、オリジナルBkデータD1000(図21参照)における着目マトリクスの位置をシフトさせ(ステップS105)、全ての着目マトリクスについての処理が終了したか否かを判定する(ステップS106)。オリジナルBkデータD1000における全ての着目マトリクスについての検出処理E1000が終了していなければ先のステップS102に戻り、それが終了すれば検出処理E1000を終了する(ステップS107)。
ブラックドット数の閾値は758のみに特定されず、インクの特性や記録装置の特性に合わせて最適な値に設定することができる。
図23(a),(b),(c)は、ブラック高デューティマトリクス検出処理E1000の具体的な説明図である。
図23(a)は、64画素×32画素で構成されるの着目マトリクスを表している。黒文字のように、インクが付与されるべた部と、インクが付与されない空白部とがはっきりとした画像においては、マトリクスサイズを小さくし過ぎると、ブラック高デューティマトリクス情報D1008の”1”,”0”に応じてカラードットを付与するか否かの応答性が良くなり過ぎる。そのため、小さな文字であってもカラードットが付与されてしまい、文字のシャープさを保つことができなくなるおそれがある。逆に、マトリクスサイズを大きくし過ぎると、カラードットを付与するか否かの応答性が悪くなり、所望のカラードットが付与されなくなって、スミアの発生を招くおそれがある。したがって着目マトリクスは、インクシステムや記録装置の特性に応じて適切なサイズに設定する。
図23(b)は、BkデータD1000(図21参照)の各着目マトリクス内におけるブラックドット数のカウント値の説明図であり、そのカウント値が758以上のマトリクス部分には斜線を付している。図23(c)は、ブラック高デューティマトリクス検出処理E1000の結果として得られたブラック高デューティマトリクス情報D1008の説明図である。前述したように、着目マトリクスの位置を横方向および縦方向にシフトさせながら、ブラックドット数のカウント値が758以上の着目マトリクスに対応するビットに”1”をセットし、758未満のマトリクスに対応するビットには”0”をセットする。したがって、ブラック高デューティマトリクス情報D1008は、図23(c)のようなビットマップ情報となる。
図24は、本実施形態の構成によって図20の画像データを処理した場合の説明図である。図に示すように、本実施形態の処理を適応することにより、ブラックの画像と隣接する網掛け部分の全域がカラードットの重ね打ち領域2001となる。したがって、その網掛け部分に関して、非重ね打ち領域と重ね打ち領域との混在による濃度ムラを解消することができる。
[その他の実施形態]
本発明は、上述したようにシリアルスキャンタイプの記録装置のみならず、被記録媒体上における記録領域の幅方向の全域に渡って延在する記録ヘッドを用いたフルラインタイプの記録ヘッドなどに対しても適用することができる。
また、上述した各実施形態においては、境界ブリーディング抑制のためにブラックインクに重ねて付与するカラーインクとして、記録に用いる全てのカラーインク(シアン、マゼンタ、イエロー)を適用する形態について説明しているが、本発明はこれに限定されるものではない。ブラックインクに重ねて付与するインクは、記録に用いる全カラーインクのうちの少なくとも1種類でよい。
また、上述した実施形態においてはカラーインクの種類として、シアン、マゼンタ、イエローのインクを用いているが、本発明はこれに限定されるものではなく、シアンインクよりも色材濃度の低い淡シアンインク、マゼンタインクよりも色材濃度の低い淡マゼンタインク、イエローインクよりも明度の低いダークイエロー、レッドインク、グリーンインク、ブルーインクの群から選ばれる少なくとも1種のインクを更に併用する形態であってもよい。なお、淡シアンインクおよび淡マゼンタインクを用いる形態にあっては、ブラックインクに重ねて付与するインクとして、シアンインクおよびマゼンタインクは適用せず、淡シアンインクおよび淡マゼンタインクを適用するのがよい。淡シアンインクおよび淡マゼンタインクは濃度が低いため、ブラックに重ね合わせてもブラックの色味を変化させることが殆どないからである。
更に、上述した各実施形態においては、カラーインクのうちシアンインクについてだけ、ブラックインクの色材を凝集させる成分を含ませているが、本発明はこれに限られるものではない。例えば、シアンインクに加え、マゼンタインクおよび/またはイエローインクにも上記成分を含ませてもよいし、また、シアンインクの代わりに、マゼンタインクあるいはイエローインクについてだけ上記成分を含ませてもよい。いずれにせよ、上記成分を含ませたカラーインクを、ブラックが形成される領域に付与することが好ましい。
また、上述した実施形態では、ブラックインクの色材を凝集させる成分を含むカラーインクを使用しているが、本発明はこれに限られるものではない。スミア抑制の観点からすれば、ブラックインクの色材を凝集させることは必須ではない。従って、上記成分を含むカラーインクは使用しなくともよい。
本発明の第1の実施形態におけるデータ処理の流れを説明するためのブロック図である。 図1におけるカラー隣接マトリクス処理を説明するためのフローチャートである。 (a)は、図1のカラー隣接マトリクス検出処理における着目マトリクスと隣接マトリクスとの関係の説明図、(b)は、マトリクス内におけるカラードット数のカウント値の説明図、(c)は、カラー隣接マトリクス情報の説明図である。 図1におけるブラック均一ハーフトーンマトリクスの検出処理を説明するためのフローチャートである。 (a)は、図1のブラック均一ハーフトーンマトリクスの検出処理における着目マトリクスの説明図、(b)は、その着目マトリクスと近接マトリクスとの関係の説明図である。 (a)は、図1のブラック均一ハーフトーンマトリクスの検出処理における着目マトリクスの説明図、(b)は、マトリクス内におけるブラックドット数のカウント値の説明図、(c)は、ブラック均一ハーフトーンマトリクス検出情報の説明図である。 (a)は、図1におけるカラードット付与データの生成処理の説明図であり、(b),(c)および(d)は、(a)におけるCマスク,Mマスク,およびYマスクの説明図である。 (a)は、図1におけるカラーオリジナルデータとその展開パターンの説明図、(b)は、カラーオリジナルデータに対する演算処理の説明図である。 本発明の第1の実施形態による記録例の説明図である。 本発明の第2の実施形態におけるデータ処理の流れを説明するためのブロック図である。 図10における孤立領域除去処理を説明するためのフローチャートである。 (a)は、図10のブラック均一ハーフトーンマトリクスの検出処理における着目マトリクスの説明図、(b)は、その着目マトリクスと近接マトリクスとの関係の説明図である。 図10の孤立領域除去処理における着目マトリクスと近接マトリクスとの関係の説明図である。 (a)は、図10のデータ処理における着目マトリクスの説明図、(b)は、Bkデータの各マトリクス内におけるブラックドット数のカウント値の説明図、(c)は、図10におけるブラック均一ハーフトーンマトリクス情報の説明図、(d)は、図10における孤立領域除去マトリクス情報の説明図、(e)は、図10におけるホールド後のカラー付与マトリクス情報の説明図である。 文字、網掛け文字、カラーべたを含む画像の記録例の説明図である。 本発明の第3の実施形態におけるデータ処理の流れを説明するためのブロック図である。 (a),(b),(c)は、図16における垂直方向への伝播処理の説明図である。 (a),(b),(c)は、図16における水平方向への伝播処理の説明図である。 本発明の第3の実施形態による記録例の説明図である。 文字、網掛け文字、Bkべたを含む画像の記録例の説明図である。 本発明の第4の実施形態におけるデータ処理の流れを説明するためのブロック図である。 図21におけるブラック高デューティマトリクスの検出処理を説明するためのフローチャートである。 (a)は、図22のブラック高デューティマトリクスの検出処理における着目マトリクスの説明図、(b)は、マトリクス内におけるブラックドット数のカウント値の説明図、(c)は、ブラック高デューティマトリクス検出情報の説明図である。 本発明の第4の実施形態による記録例の説明図である。 本発明の第1の実施形態における記録装置の概略斜視図である。 図25における記録ヘッドの要部の斜視図である。 図25の記録装置における制御系のブロック構成図である。 従来技術による記録例の説明図である。
符号の説明
106 キャリッジ
107 記録用紙(被記録媒体)
201 記録ヘッド
500 記録制御部
D1000 オリジナルBkデータ
D1001 オリジナルCデータ
D1002 オリジナルMデータ
D1003 オリジナルYデータ
D1004 記録用Bkデータ
D1005 記録用Cデータ
D1006 記録用Mデータ
D1007 記録用Yデータ
D1008 ブラック高デューティマトリクス情報
D1009 ブラック均一ハーフトーンマトリクス情報
D1018 カラー隣接マトリクス情報
E1000 ブラック高デューティマトリクスの検出処理
E1001 ブラック均一ハーフトーンマトリクスの検出処理
E1013 カラー隣接マトリクスの検出処理
E1 カラードット付与データの生成処理

Claims (19)

  1. ブラックインクと少なくとも1つのカラーインクを吐出可能な記録ヘッドを用い、前記ブラックインクを吐出させるためのブラックデータと前記カラーインクを吐出させるためのカラーデータに基づいて、被記録媒体上に前記ブラックインクによるブラックドットと前記カラーインクによるカラードットを形成して画像を記録するインクジェット記録装置において、
    前記カラーデータに基づいて、前記被記録媒体上の単位記録領域におけるカラードットの形成数が第1の閾値以上である記録領域およびそれに隣接する記録領域を第1記録領域として検出する第1検出手段と、
    前記ブラックデータに基づいて、近接する前記単位記録領域間におけるブラックドットの形成数が第2の閾値未満である第2記録領域を検出する第2検出手段と、
    前記第1記録領域に対応する前記ブラックデータと前記第2記録領域に対応する前記ブラックデータに基づいて、前記第1記録領域内と前記第2記録領域内に前記カラードットを付与するための付与データを生成する付与データ生成手段と、
    前記カラーデータに、前記付与データを反映させて記録用カラーデータを生成する記録用カラーデータ生成手段と、
    前記ブラックデータおよび前記記録用カラーデータに基づいて前記記録ヘッドを制御することにより記録を行う制御手段と、
    を備えることを特徴とするインクジェット記録装置。
  2. 前記第1検出手段は、前記カラーデータに基づいて、L画素×M画素(L,Mは1以上の自然数)の単位記録領域内に形成される前記ブラックドットの数をカウントし、そのカウント数が前記第1の閾値以上の前記単位記録領域およびそれに隣接する前記単位記録領域を前記第1記録領域として検出することを特徴とする請求項1に記載のインクジェット記録装置。
  3. 前記第2検出手段は、前記ブラックデータに基づいて、L画素×M画素(L,Mは1以上の自然数)の単位記録領域内に形成される前記ブラックドットの数をカウントし、少なくとも1つの隣接する単位記録領域との前記ドット数の差分が前記第2の閾値未満の単位記録領域を前記第2記録領域とすることを特徴とする請求項1または2に記載のインクジェット記録装置。
  4. 前記第2検出手段によって単位記録領域毎に検出される複数の前記第2記録領域それぞれについて、その周辺の領域内に存在する前記第2記録領域の数が第3の閾値よりも少ないかどうかを判断し、当該第3の閾値よりも少ないと判断された第2記録領域を前記複数の第2記録領域の中から除去する領域除去手段と、
    前記領域除去手段により領域が除去されることで得られる第3記録領域を第4記録領域まで拡張する領域拡張手段と、
    を備え、
    前記付与データ生成手段は、前記第4記録領域に対応する前記ブラックデータに基づいて、前記第4領域内に前記カラードットを付与するための付与データを生成する
    ことを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載のインクジェット記録装置。
  5. 前記第2検出手段は、所定の単位記録領域毎に前記第2記録領域であるか否かを検出し、
    前記領域除去手段は、着目する前記第2記録領域を含む前記単位記録領域のA×B(A,Bは1以上の自然数)の範囲内における前記第2記録領域の数が前記第3の閾値未満であるときに、前記第2検出手段によって検出される前記第2記録領域の中から、前記着目の第2記録領域を除去する
    ことを特徴とする請求項4に記載のインクジェット記録装置。
  6. 前記第2検出手段は、所定の単位記録領域毎に前記第2記録領域であるか否かを検出し、
    前記領域拡張手段は、前記第3記録領域を少なくとも上下左右の内の1方向に前記単位記録領域の1つ分以上拡張して前記第4記録領域とする
    ことを特徴とする請求項4または5に記載のインクジェット記録装置。
  7. 前記第4記録領域の外側の記録領域における前記ブラックドットの形成数に応じて、前記第4記録領域を上下方向または左右方向の内の少なくとも1方向に広げて第5記録領域とする伝播処理手段を備える
    ことを特徴とする請求項6に記載のインクジェット記録装置。
  8. 前記ブラックデータに基づいて、前記ブラックドットが比較的高デューティに形成される第6記録領域を検出する第3検出手段と、
    前記付与データ生成手段は、前記第1記録領域、前記第2記録領域、および前記第6の記録領域のそれぞれに対応する前記ブラックデータに基づいて、前記付与データを生成する
    ことを特徴とする請求項1から7のいずれかに記載のインクジェット記録装置。
  9. 前記第3検出手段は、前記カラーデータに基づいて、L画素×M画素(L,Mは1以上の自然数)の単位記録領域内に形成される前記ブラックドットの数をカウントし、そのカウント数が第4の閾値以上の前記単位記録領域を前記第6記録領域として検出することを特徴とする請求項8に記載のインクジェット記録装置。
  10. 前記付与データ生成手段は、前記第1記録領域および前記第2記録領域に対応する前記ブラックデータと、カラードット付与用のマスクとの論理積をとることによって前記付与データを生成することを特徴とする請求項1から9のいずれかに記載のインクジェット記録装置。
  11. 前記カラーインクは異なる色の複数のインクであり、前記マスクは、前記複数のカラーインクのインク色毎に対応して備えることを特徴とする請求項10に記載のインクジェット記録装置。
  12. 前記記録用カラーデータ生成手段は、前記カラーデータと前記付与データとの論理和をとることによって前記記録用カラーデータを生成することを特徴とする請求項1から11のいずれかに記載のインクジェット記録装置。
  13. 前記カラーインクは、イエロー、マゼンタ、シアンのインクを含むことを特徴とする請求項1から12のいずれかに記載のインクジェット記録装置。
  14. 前記第1検出手段は、前記イエローインクを吐出させるためのイエローデータ、前記マゼンタインクを吐出させるためのマゼンタデータ、および前記シアンインクを吐出させるためのシアンデータに基づいて、前記イエローインク、前記マゼンタインク、および前記シアンインクによってドットが形成される記録領域およびそれに隣接する記録領域を第1記録領域として検出することを特徴とする請求項1から13のいずれかに記載のインクジェット記録装置。
  15. 前記ブラックインクは浸透性が比較的低いインクであり、前記カラーインクは浸透性が比較的高いインクであることを特徴とする請求項1から14のいずれかに記載のインクジェット記録装置。
  16. 前記カラーインクの少なくとも1つは、前記ブラックインクの色材を凝集させる成分を含むことを特徴とする請求項1から15のいずれかに記載のインクジェット記録装置。
  17. 前記成分を含むカラーインクはシアンインクであることを特徴とする請求項16に記載のインクジェット記録装置。
  18. ブラックインクと少なくとも1つのカラーインクを吐出可能な記録ヘッドを用い、前記ブラックインクを吐出させるためのブラックデータと前記カラーインクを吐出させるためのカラーデータに基づいて、被記録媒体上に前記ブラックインクによるブラックドットと前記カラーインクによるカラードットを形成して画像を記録するインクジェット記録装置において、
    前記カラーデータに基づいて、単位記録領域におけるカラードットの形成量に関する情報を取得し、当該形成量に関する情報に基づいて第1記録領域を検出する第1検出手段と、
    前記ブラックデータに基づき、近接する単位記録領域同士におけるブラックドットの形成量の相対差に関する情報を取得し、当該形成量の相対差に関する情報に基づいて第2記録領域を検出する第2検出手段と、
    前記第1記録領域に対応する前記ブラックデータと前記第2記録領域に対応する前記ブラックデータに基づいて、前記第1記録領域内と前記第2記録領域内に前記カラードットを付与するための付与データを生成する付与データ生成手段と、
    前記カラーデータに、前記付与データを反映させて記録用カラーデータを生成する記録用カラーデータ生成手段と、
    前記ブラックデータおよび前記記録用カラーデータに基づいて前記記録ヘッドを制御することにより記録を行う制御手段と、
    を備えることを特徴とするインクジェット記録装置。
  19. ブラックインクと少なくとも1つのカラーインクを吐出可能な記録ヘッドを用い、前記ブラックインクを吐出させるためのブラックデータと前記カラーインクを吐出させるためのカラーデータに基づいて、被記録媒体上に前記ブラックインクによるブラックドットと前記カラーインクによるカラードットを形成して画像を記録するインクジェット記録方法において、
    前記カラーデータに基づいて、前記カラードットが形成される記録領域およびそれに隣接する記録領域を第1記録領域として検出し、
    前記ブラックデータに基づいて、前記ブラックドットの記録デューティの変化率が比較的小さい第2記録領域を検出し、
    前記第1記録領域に対応する前記ブラックデータと前記第2記録領域に対応する前記ブラックデータに基づいて、前記第1記録領域内と前記第2記録領域内に前記カラードットを付与するための付与データを生成し、
    前記カラーデータに、前記付与データを反映させて記録用カラーデータを生成し、
    前記ブラックデータおよび前記記録用カラーデータに基づいて前記記録ヘッドを制御することにより記録を行う
    ことを特徴とするインクジェット記録方法。
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