以下に図面を参照して本発明における実施形態を詳細に説明する。
(第1の実施形態)
1.基本構成
図1は、第1の実施形態で適用するインクジェット記録装置の構成を示す斜視図である。
102はインクカートリッジを示し、4色のカラーインク(ブラック(K)、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y))をそれぞれ収納したインクタンクと、記録ヘッド101を具える。103は紙送りローラを、104は補助ローラを、107は記録媒体を示す。紙送りローラ103は補助ローラ104とともに記録媒体107を抑えながら図中に示す矢印方向に回転し、記録媒体107の給紙を行う。また、これらのローラ103,104は記録媒体107を抑える役割も果たしている。106はキャリッジを示し、インクカートリッジ102を支持する。記録ヘッド101により記録を行ないながらキャリッジ106が列方向に走査する記録主走査と、搬送ローラ103により記録媒体が行方向に搬送される副走査とを交互に繰り返すことにより、記録媒体107に画像を形成する。また、キャリッジ106は、記録装置が記録を行っていないとき、あるいは記録ヘッドの回復動作を行うときには図中に点線で示すホームポジション位置に待機するように制御される。
すなわち、記録開始前、ホームポジションに位置するキャリッジ106は、記録開始命令を受信すると、主走査方向に移動しながら記録ヘッド101に設けられた記録素子を駆動して記録媒体107に記録ヘッドの記録幅に対応した領域の記録を行う。キャリッジの走査方向に沿って、記録媒体端部まで記録が終了すると、キャリッジは元のホームポジションに戻り、再び主走査方向への記録を行う。前回の記録走査が終了してから、続く記録走査が始まる前に紙送りローラ103は副走査方向へ回転して必要な幅だけ紙送りを行う。このような動作を繰り返すことにより記録媒体上への記録が完成する。記録ヘッド101からインクを吐出する記録動作は、記録制御手段(不図示)からの制御に基づいて行われる。
なお、記録速度を高めるため、一方向(往路)への主走査時のみ記録を行うのではなく、1走査の記録が終わりキャリッジ102をホームポジションへ戻す際の復路においても記録を行う構成であってもよい。
また、以上説明した記録装置は、インクタンクと記録ヘッド101とが分離可能にキャリッジ106に保持しているものであるが、インクタンクと記録ヘッド101とが一体になったインクジェットカートリッジであってもよい。さらに、一つの記録ヘッドから複数色のインクを吐出可能な複数色一体型記録ヘッドを用いてもよい。
さらに、上述の回復動作を行う位置には、ヘッドの前面(吐出口面)をキャップするキャッピング手段(不図示)が設けられている。キャッピング手段は、キャップ状態で記録ヘッド内の増粘インクや気泡を除去する等のヘッド回復動作を行う回復ユニット(不図示)により実施される。また、キャッピング手段の側方には、クリーニングブレード(不図示)等が設けられ記録ヘッド101に向けて突出可能に支持され、記録ヘッドの前面との当接が可能となっている。これにより、回復動作後に、クリーニングブレードを記録ヘッドの移動経路中に突出させ、記録ヘッドの移動にともなって記録ヘッド前面の不要なインク滴や汚れ等の払拭が行われる。
図2は、記録ヘッド101を示す斜視図である。
記録ヘッド101は、所定のピッチで複数の吐出口200が形成されており、共通液室201と各吐出口200とを連結する各液路202の壁面に沿って、インク吐出用のエネルギーを発生するための記録素子203が配設されている。記録素子203とその回路はシリコン上に半導体製造技術を利用して作られている。また、温度センサ(不図示)、サブヒータ(不図示)も同一シリコン上に半導体製造プロセスと同様のプロセスで一括形成される。これらの電気配線が作られたシリコンプレート208を放熱用のアルミベースプレート207に接着している。また、シリコンプレート上の回路接続部211とプリント板209とは超極細ワイヤー210により接続され記録装置本体からの信号は信号回路212を通して受け取られる。液路202および共通液室201は射出成形により作られたプラスチックカバー206で形成されている。共通液室201は、インクタンクとジョイントパイプ204とインクフィルター205を介して連結しており、共通液室201にはインクタンクからインクが供給される構成となっている。インクタンクから共通液室201に供給されて一時的に貯えられたインクは、毛管現象により液路202に侵入し、吐出口200でメニスカスを形成して液路202を満たした状態を保つ。このとき、電極(不図示)を介して記録素子203が通電されて発熱すると、記録素子203上のインクが急激に加熱されて液路202内に気泡が発生し、この気泡の膨張により吐出口200からインク滴213が吐出される。
図3は、装置構成の各部の記録制御を実行するための制御構成について示すブロック図である。
制御回路を示す同図において、300は記録信号を入力するインターフェ−ス、301はMPU、302はMPU301が実行する制御プログラムを格納するプログラムROM、303はダイナミック型のRAM(DRAM)を示す。DRAM303は、各種データ(記録信号やヘッドに供給される記録データ等)を保存することができ、記録ドット数や、インク記録ヘッドの交換回数等も記憶できる。304は記録ヘッドに対する記録データの供給制御を行うゲートアレイを示し、インターフェース300、MPU301、DRAM303間のデータの転送制御も行う。305は記録用紙搬送のための搬送モータ(LFモータ)、306は記録ヘッドを搬送するためのキャリアモータ(CRモータ)を示す。307、308は夫々搬送モータ305、キャリアモータ306を駆動するモータドライバを示す。309は記録ヘッド101を駆動するヘッドドライバーを示す。
2.特徴構成
図4は、記録用データの生成の流れを示すブロック図である。
図5は、記録用カラーデータの生成処理を示すフローチャートである。
記録用データの生成は、主に文字等を記録するオリジナルブラック画像データ(D1000)から、ブラック1ドット近傍画素データ(D1001)の検出(E1000)を行なう(S501)。同様に、ブラック2ドット近傍画素データ(D1002)の検出(E1001)を行い(S501)、ブラック3ドット近傍画素データ(D1003)の検出(E1002)を行なう(S501)。
また、カラーデータを間引く前のオリジナルシアン(C)データ(D1005)、オリジナルマゼンタ(M)データ(D1006)、オリジナルイエロー(Y)データ(D1007)を基に、間引き対象カラーの選択(E1006)を行なう(S502)。そして、これらを基に間引き対象カラーデータ(D1004)を作成する。
次に、間引き対象カラーデータ(D1004)と、ブラック1ドット近傍画素データ(D1001)と、Cマスク1(D1008)とを用い、C間引きデータ1(D1017)を作成する(S503)。また、間引き対象カラーデータ(D1004)と、ブラック1ドット近傍画素データ(D1001)と、Mマスク1(D1009)とを用い、M間引きデータ1(D1018)を作成する。さらに、間引き対象カラーデータ(D1004)と、ブラック1ドット近傍画素データ(D1001)と、Yマスク1(D1010)とを用い、Y間引きデータ1(D1019)を作成する。
同様に、間引き対象カラーデータ(D1004)と、ブラック2ドット近傍画素データ(D1002)と、Cマスク2(D1011)とを用い、C間引きデータ2(D1020)を作成する(S504)。また、間引き対象カラーデータ(D1004)と、ブラック2ドット近傍画素データ(D1002)と、Mマスク2(D1012)とを用い、M間引きデータ2(D1020)を作成する。さらに、間引き対象カラーデータ(D1004)と、ブラック2ドット近傍画素データ(D1002)と、マスク2(D1013)とを用い、Y間引きデータ2(D1021)を作成する。
さらに、間引き対象カラーデータ(D1004)と、ブラック3ドット近傍画素データ(D1003)と、Cマスク3(D1014)とを用い、C間引きデータ3(D1023)を作成する(S505)。また、間引き対象カラーデータ(D1004)と、ブラック3ドット近傍画素データ(D1003)と、Mマスク3(D1015)とを用い、M間引きデータ3(D1024)を作成する。さらに、間引き対象カラーデータ(D1004)と、ブラック3ドット近傍画素データ(D1003)と、Yマスク3(D1016)とを用い、Y間引きデータ3(D1025)を作成する。
これらのC間引きデータ1、2、3(D1017、D1020、D1023)と、オリジナルCデータ(D1005)を用いて、記録用Cデータ(D1029)を生成する(S506)。同様に、M間引きデータ1、2、3(D1018、D1021、D1024)と、オリジナルMデータ(D1006)を用いて、記録用Mデータ(D1030)を生成する(S506)。また、Y間引きデータ1、2、3(D1019、D1022、D1025)と、オリジナルYデータ(D1007)を用いて、記録用Yデータ(D1031)を生成する(S506)。
以下、記録用データの生成方法について具体的に説明する。
まず、オリジナルブラック画像データ(D1000)から、ブラック1ドット近傍画素データ(D1001)、ブラック2ドット近傍画素データ(D1002)、ブラック3ドット近傍画素データ(D1003)を作成する方法を詳細する。なお、本実施形態では、オリジナルブラック画像データの1ドットから3ドット近傍画像についてブラックドット近傍画像データを生成する。しかしながら本発明は、1ドットから3ドット近傍画像に限定されず、1ドット近傍画像のみであっても、1ドットから4ドット以上の近傍画像であってもよく、インクの性質等により、適宜変更することができる。
図6は、ブラック1ドット近傍画像データ(D1001)の作成手続を示すフローチャートである。ブラック1ドット近傍画像データを作成するためには、3×3マトリクスを使用する。
まず、オリジナルブラック画像(D1000)における着目画素を3×3のマトリクスの中心とし、3×3マトリクス内に存在するブラックドットの総数が1以上であるか否かを判定する(S601)。ブラックドットの総数が1以上の場合は着目画素のビットをオンにする(S602)。一方、ブラックドットの総数が1未満の場合には着目画素のビットをオフにする(S603)。次に、着目画素をシフトさせる(S604)。これらS601からS604の処理をオリジナルブラック画像(D1000)の画素データについて全て行なう。全てのデータの処理が終了(S605)すると終了(S606)する。これらの処理により作成されたデータが、ブラック1ドット近傍画像データ(D1001)となる。
図7は、ブラック1ドット近接画素画像データ(D1001)の検出例を示す図である。
図7(a)は、着目画素を中心とした3×3マトリクスを示す。図7(b)はオリジナルブラック画像を示す。オリジナルブラックデータ(D1000)に対して3×3マトリクスを順次1画素ずつシフトさせながら処理を行う。マトリクス内のブラックドットの総数が1以上の場合に着目画素のビットをオンにする。その結果、オリジナルブラックデータ(D1000)の全ての画素について処理を行うと、図7(c)に表すようなブラック1ドット近接画素(D1001)が検出される。図7(c)に示されるように、この処理により、オリジナルブラックデータ(D1000)に対して1ドット拡張したデータが得られることとなる。
図8は、ブラック2ドット近傍画像データ(D1002)の作成手続を示すフローチャートである。ブラック2ドット近傍画像データを作成するためには、5×5マトリクスを使用する。
まず、オリジナルブラック画像(D1000)における着目画素を5×5のマトリクスの中心とし、5×5マトリクス内に存在するブラックドットの総数が1以上であるか否かを判定する(S801)。ブラックドットの総数が1以上の場合は着目画素のビットをオンにする(S802)。一方、ブラックドットの総数が1未満の場合には着目画素のビットをオフにする(S803)。次に、着目画素をシフトさせる(S804)。これらS801からS804の処理をオリジナルブラック画像(D1000)の画素データについて全て行なう。全てのデータの処理が終了(S805)すると終了(S806)する。これらの処理により作成されたデータが、ブラック2ドット近傍画像データ(D1002)となる。
図9は、ブラック2ドット近接画素画像データ(D1002)の検出例を示す図である。
図9(a)は、着目画素を中心とした5×5マトリクスを示す。図9(b)はオリジナルブラック画像を示す。オリジナルブラックデータ(D1000)に対して5×5マトリクスを順次1画素ずつシフトさせながら処理を行う。マトリクス内のブラックドットの総数が1以上の場合に着目画素のビットをオンにする。その結果、オリジナルブラックデータ(D1000)の全ての画素について処理を行うと、図9(c)に表すようなブラック2ドット近接画素(D1002)が検出される。図9(c)に示されるように、この処理により、オリジナルブラックデータ(D1000)に対して2ドット拡張したデータが得られることとなる。
図10は、ブラック3ドット近傍画像データ(D1003)の作成手続を示すフローチャートである。ブラック3ドット近傍画像データを作成するためには、7×7マトリクスを使用する。
まず、オリジナルブラック画像(D1000)における着目画素を7×7のマトリクスの中心とし、7×7マトリクス内に存在するブラックドットの総数が1以上であるか否かを判定する(S1001)。ブラックドットの総数が1以上の場合は着目画素のビットをオンにする(S1002)。一方、ブラックドットの総数が1未満の場合には着目画素のビットをオフにする(S1003)。次に、着目画素をシフトさせる(S1004)。これらS1001からS1004の処理をオリジナルブラック画像(D1000)の画素データについて全て行なう。全てのデータの処理が終了(S1005)すると終了(S1006)する。これらの処理により作成されたデータが、ブラック3ドット近傍画像データ(D1003)となる。
図11は、ブラック3ドット近接画素画像データ(D1003)の検出例を示す図である。
図11(a)は、着目画素を中心とした7×7マトリクスを示す。図11(b)はオリジナルブラック画像を示す。オリジナルブラックデータ(D1000)に対して7×7マトリクスを順次1画素ずつシフトさせながら処理を行う。マトリクス内のブラックドットの総数が1以上の場合に着目画素のビットをオンにする。その結果、オリジナルブラックデータ(D1000)の全ての画素について処理を行うと、図11(c)に表すようなブラック3ドット近接画素(D1003)が検出される。図11(c)に示されるように、この処理により、オリジナルブラックデータ(D1000)に対して3ドット拡張したデータが得られることとなる。
なお、本実施形態では、ブラックドットの総数の閾値を1以上としたがインクの特性や記録装置の特性に合わせて最適な値を用いてもよい。
次に、ブラックドット近傍間引き対象データを作成する方法を詳細する。
図12は、ブラックドット近傍間引き対象画像を示す図である。
図12(a)に示すブラック1ドット近傍間引き対象画像データ(D2001)は、オリジナルブラックデータ(D1000)を反転したデータと、ブラック1ドット近傍画素データ(D1001)の論理積を採ったデータである(図4Eの1003参照。)。
図12(b)に示すブラック2ドット近傍間引き対象画像データ(D2002)は、ブラック1ドット近傍画素データ(D1001)を反転したデータと、ブラック2ドット近傍画素データ(D1002)の論理積を採ったデータである(図4のE1004参照)。
図12(c)に示すブラック3ドット近傍間引き対象画像データ(D2003)は、ブラック2ドット近傍画素データ(D1002)を反転したデータと、ブラック3ドット近傍画素データ(D1003)の論理積を採ったデータである(図4Eの1005参照)。
次に、間引き対象カラーデータ(D1004)を作成する方法を詳細する。
図13は、オリジナルカラーデータ(D1005、D1006、D1007)から間引き対象カラーデータ(D1004)を作成する際の流れを示したブロック図である。
オリジナルCデータ(D1005)と、オリジナルMデータ(D1006)を反転したものと、オリジナルYデータ(D1007)を反転したものと、の論理積をとり単色Cデータ(D1033)を生成する。オリジナルCデータ(D1005)を反転したものと、オリジナルMデータ(D1006)と、オリジナルYデータ(D1007)を反転したものと、の論理積をとり単色Mデータ(D1034)を生成する。オリジナルCデータ(D1005)を反転したものと、オリジナルMデータ(D1006)を反転したものと、オリジナルYデータ(D1007)と、の論理積をとり単色Yデータ(D1035)を生成する。この結果、例えば単色Cデータ(D1033)は、各画素内にオリジナルCデータのデータのみが存在する画素にデータが入るものとなる。
また、オリジナルCデータ(D1005)と、オリジナルMデータ(D1006)と、オリジナルYデータ(D1007)を反転したものと、の論理積をとりCM二次色データ(D1036)を生成する。オリジナルCデータ(D1005)を反転したものと、オリジナルMデータ(D1006)と、オリジナルYデータ(D1007)と、の論理積をとりMY二次色データ(D1037)を生成する。オリジナルCデータ(D1005)と、オリジナルMデータ(D1006)を反転したものと、オリジナルYデータ(D1007)と、の論理積をとりYC二次色データ(D1038)を生成する。この結果、例えばCM二次色データ(D1036)は、各画素内にオリジナルCデータとオリジナルMデータが存在する画素にデータが入るものとなる。
さらに、オリジナルCデータ(D1005)とオリジナルMデータ(D1006)とオリジナルYデータ(D1007)と、の論理積をとりCMY三次色データ(D1039)を生成する。この結果、CMY三次色データ(D1039)は、各画素内にオリジナルCデータとオリジナルMデータとオリジナルYデータの全てが存在する画素にデータが入るものとなる。
そして、これらのデータ(D1033からD1039)から間引きカラー選択(E1006)を行なう。ここでは、それぞれのセレクタで選ばれたデータを選択し、選ばれないデータについてはヌルデータ(D1040)、すなわち、すべてゼロのデータを選択する。これらの選択されたデータの全ての論理和をとり、間引き対象カラーデータ(D1004)を作成する。
図14(a)はオリジナルカラー画像を示し、図14(b)は間引き対象カラーデータ(D1004)の例を示す図である。例えば、Yインクとブラックインクとの境界に滲み等が目立つインクを使用する場合、間引きカラー選択(E1006)において単色Yデータ(D1040)、MY二次色データ(D1037)およびYC二次色データ(D0138)を選択する。そして、単色Yデータ(D1040)、MY二次色データ(D1037)およびYC二次色データ(D0138)の論理和をとると、間引き対象カラー画像は図14(b)に示す画像となる。この処理により作成された間引き対象カラーデータ(D1004)が以下の処理の対象となる。
なお、本実施形態では、Yインクとブラックインクとの境界に滲み等が目立つインクを使用する場合についてイエローインクを使用した1次色、2次色について間引く場合について説明するが、間引く色の選択はこれに限定されない。すなわち、間引きカラー選択は記録媒体やインクの種類等、また、記録装置の性質等のさまざまな要素に基づき選択することができる。
次に、ブラック近傍間引き対象カラーデータ(D2004、D2005、D2006)を作成する方法を詳細する。
ブラック1ドット近傍間引き対象カラーデータ(D2004)は、図4のE1007に示すように、ブラック1ドット近傍間引きデータ(D2001)と間引き対象カラーデータ(D1004)との論理積をとったデータである。ブラック2ドット近傍間引き対象カラーデータ(D2005)は、図4のE1008に示すように、ブラック2ドット近傍間引きデータ(D2002)と間引き対象カラーデータ(D1004)との論理積をとったデータである。ブラック3ドット近傍間引き対象カラーデータ(D2006)は、図4のE1008に示すように、ブラック3ドット近傍間引きデータ(D2003)と間引き対象カラーデータ(D1004)との論理積をとったデータである。
図14は、CMYにより記録されたオリジナルカラー画像、間引き対象カラー画像(D1004)、ブラック近傍間引き対象画像(D2001〜D2003)、およびブラック近傍間引き対象カラー画像(D2004〜D2006)との関係を示した図である。
図14(a)は、CMYにより記録されたオリジナルカラー画像を示し、図14(b)は、オリジナルカラー画像からE1006で選ばれた間引くカラーを除いた画像である間引き対象カラー画像(D1004)を示す。本実施形態では、イエロー、グリーン(G)、レッド(R)を間引き対象カラーに選択した場合について説明する。
図14(f)は、ブラック1ドット近傍間引き対象カラー画像(D2004)を示し、図14(b)に示す間引き対象カラーデータ(D1004)と図14(c)に示すブラック1ドット近傍間引き画像(D2001)と論理積をとったものである。図14(g)は、ブラック2ドット近傍間引き対象カラー画像(D2005)を示し、図14(b)に示す間引き対象カラーデータ(D1004)と図14(d)に示すブラック2ドット近傍間引き画像(D2002)と論理積をとったものである。図14(h)は、ブラック3ドット近傍間引き対象カラー画像(D2006)を示し、図14(b)に示す間引き対象カラーデータ(D1004)と図14(e)に示すブラック3ドット近傍間引き画像(D2004)と論理積をとったものである。
図14(f)(g)(h)からわかるように、この処理により、ブラックと間引き対象カラーの境界領域のみが検出される。すなわち、境界領域のカラードットを間引くことで境界ブリーディングを防止することが可能となる。
次に、ブラック1ドット近傍を間引くカラー間引きデータ1(D1017、D1018、D1019)を作成する方法を詳細する。ここで、Cマスク1、Mマスク1、Yマスク1はそれぞれのカラーインクの間引き量の割合に基づき定められたマスクである。なお、Cマスク2、Mマスク2、Yマスク2およびCマスク3、Mマスク3、Yマスク3も同様である。
図4のE1010に示すように、C間引きデータ1(D1017)は、ブラック1ドット近傍間引き対象カラー画像(D2004)と、Cマスク1(D1008)との論理積をとったものである。図4のE1011に示すように、M間引きデータ1(D1018)は、ブラック1ドット近傍間引き対象カラー画像(D2004)と、Mマスク1(D1009)との論理積をとったものである。図4のE1012に示すように、Y間引きデータ1(D1019)は、ブラック1ドット近傍間引き対象カラー画像(D2004)と、Yマスク1(D1009)との論理積をとったものである。
図15は、ブラックと間引き対象カラーとの1ドット目の境界部を間引くカラー間引きマスク1の例を示す図である。図15(a)はブラック1ドット近接間引き対象カラー画素データ(D2004)を示す。図15(b)(c)(d)は、所定量の間引きデータを生成するためのCマスク1(D1008)、Mマスク1(D1009)、Yマスク1(D1010)をそれぞれ示している。図15(e)(f)(g)は、C間引きデータ1(D1017)、M間引きデータ1(D1018)、Y引きデータ1(D1019)をそれぞれ示す。これらは、ブラック1ドット近傍間引き対象カラー画像(D2004)とC、M、Yマスク1(D1008、D1009、D1010)との論理積をそれぞれとったものである。
ここで、本実施形態では、各色の間引き量の割合はシアンを0%、マゼンタを0%、イエローを100%としているが、各色の間引き量の割合はインクの特性や記録装置の構成に応じて、適切な値とすることができる。
次に、ブラック2ドット近傍を間引くカラー間引きデータ2(D1020、D1021、D1022)を作成する方法を詳細する。
図4のE1013示すように、C間引きデータ2(D1020)は、ブラック2ドット近傍間引き対象カラー画像(D2005)と、Cマスク2(D1011)との論理積をとったものである。図4のE1014に示すように、M間引きデータ2(D1021)は、ブラック2ドット近傍間引き対象カラー画像(D2005)と、Mマスク2(D1012)との論理積をとったものである。図4のE1015に示すように、Y間引きデータ2(D1022)は、ブラック2ドット近傍間引き対象カラー画像(D2005)と、Yマスク2(D1013)との論理積をとったものである。
図16は、ブラックと間引き対象カラーとの2ドット目の境界部を間引くカラー間引きマスク2の例を示す図である。図16(a)はブラック2ドット近接間引き対象カラー画素データ(D2005)を示す。図16(b)(c)(d)は、所定量の間引きデータを生成するためのCマスク2(D1011)、Mマスク2(D1012)、Yマスク2(D1013)をそれぞれ示している。図16(e)(f)(g)は、C間引きデータ2(D1020)、M間引きデータ2(D1021)、Y引きデータ2(D1022)をそれぞれ示す。これらは、ブラック2ドット近傍間引き対象カラー画像(D2005)とC、M、Yマスク2(D1011、D1012、D1013)との論理積をそれぞれとったものである。
ここで、本実施形態では、各色の間引き量の割合はシアンを0%、マゼンタを0%、イエローを50%としているが、各色の間引き量の割合はインクの特性や記録装置の構成に応じて、適切な値とすることができる。
次に、ブラック3ドット近傍を間引くカラー間引きデータ3(D1023、D1024、D1025)を作成する方法を詳細する。図4のE1016に示すように、C間引きデータ3(D1023)は、ブラック3ドット近傍間引き対象カラー画像(D2006)と、Cマスク3(D1014)との論理積をとったものである。図4のE1017に示すように、M間引きデータ3(D1024)は、ブラック3ドット近傍間引き対象カラー画像(D2006)と、Mマスク3(D1015)との論理積をとったものである。図4のE1018に示すように、Y間引きデータ3(D1025)は、ブラック3ドット近傍間引き対象カラー画像(D2006)と、Yマスク3(D1016)との論理積をとったものである。
図17は、ブラックと間引き対象カラーとの3ドット目の境界部を間引くカラー間引きマスク3の例を示す図である。図17(a)はブラック3ドット近接間引き対象カラー画素データ(D2006)を示す。図17(b)(c)(d)は、所定量の間引きデータを生成するためのCマスク3(D1014)、Mマスク3(D1015)、Yマスク3(D1016)をそれぞれ示している。図17(e)(f)(g)は、C間引きデータ3(D1023)、M間引きデータ3(D1024)、Y引きデータ3(D1025)をそれぞれ示す。これらは、ブラック3ドット近傍間引き対象カラー画像(D2006)とC、M、Yマスク3(D1014、D1015、D1016)との論理積をそれぞれとったものである。
ここで、本実施形態では、各色の間引き量の割合はシアンを0%、マゼンタを0%、イエローを25%としているが、各色の間引き量の割合はインクの特性や記録装置の構成に応じて、適切な値とすることができる。
なお、上述したC、M、Yマスク1、2、3(D1008〜D1016)内のドットの配置方法は、規則性を持たせても良く擬似的にランダムであってもよい。
次に、記録用カラー(C、M、Y)データ(D1029、D1030、D1031)を作成する方法を詳細する。
まず、C間引きデータ1(D1017)とC間引きデータ2(D1020)とC間引きデータ3(D1023)との論理和をとり、C間引きマスク(D2007)を作成する。作成されたC間引きマスクを反転して反転C間引きマスク(D0126)を作成する。そして、反転C間引きマスク(D0126)とオリジナルCデータ(D1005)との論理積をとり、記録用Cデータ(D0129)を作成する。
同様に、M間引きデータ1(D1018)とM間引きデータ2(D1021)とM間引きデータ3(D1024)との論理和をとり、M間引きマスク(D2008)を作成する。作成されたM間引きマスクを反転して反転M間引きマスク(D0127)を作成する。そして、反転C間引きマスク(D0127)とオリジナルCデータ(D1006)との論理積をとり、記録用Mデータ(D0130)を作成する。また、Y間引きデータ1(D1019)とY間引きデータ2(D1022)とY間引きデータ3(D1025)との論理和をとり、Y間引きマスク(D2008)を作成する。作成されたY間引きマスクを反転して反転Y間引きマスク(D0128)を作成する。そして、反転Y間引きマスク(D0128)とオリジナルYデータ(D1007)との論理積をとり、記録用Yデータ(D0131)を作成する。
なお、オリジナルブラックデータ(D1000)は加工されることなく記録用のブラックデータ(D1032)となる。
図18は、カラー間引きマスク、反転カラー間引きマスクおよび記録用カラーデータの例を示す図である。
図18(a)は、C間引きデータ1(D1017)とC間引きデータ2(D1020)とC間引きデータ3(D1023)との論理和をとり、作成されたC間引きマスク(D2007)を示す図である。図18(b)は、M間引きデータ1(D1018)とM間引きデータ2(D1021)とM間引きデータ3(D1024)との論理和をとり、作成されたM間引きマスク(D2008)を示す図である。図18(c)は、Y間引きデータ1(D1019)とY間引きデータ3(D1022)とY間引きデータ3(D1025)との論理和をとり、作成されたY間引きマスク(D2009)を示す図である。
また、図18(d)(e)(f)は、カラー間引きマスク(D2007、D2008、D2009)をそれぞれ反転させた反転カラー間引きマスク(D0126、D0127、D0128)を示す。
さらに、図18(g)(h)(i)は、記録用カラーデータ(D0129、D0130、D0131)を示す。これらは、反転カラー間引きマスク(D0126、D0127、D0128)とオリジナルカラーデータ(D1005、D1006、D1007)との論理積をそれぞれとって作成されたものである。
以上の処理により記録された記録用画像を図18(j)に示す。同図に表すように間引きカラーで選択した色に対し、段階的に間引きマスクの間引き量を変えることにより徐々に間引きが変化し自然に間引かれる。すなわち、ブラック−カラー間の境界領域のカラーデータを画素ごとに段階的に間引くことが可能となり、ブラックインク領域との境界から距離が遠い程、カラーインク領域の間引き率を低くすることができる。したがって、ブリーディングを抑制するのに必要最小限の間引きを行なうことができる。
なお、本実施形態ではカラーを間引く領域を3段階までとしたが、インクの特性や記録装置の構成に応じて、適切な段階をとることが好ましい。