JP2005250161A - ネガ型感光性樹脂組成物及びその硬化物 - Google Patents
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Abstract
【課題】高解像度、高感度で、かつ、優れたパターン寸法制御性を有し、さらには、高耐熱性、低吸湿性である感光性樹脂組成物及びその硬化物を提供する。
【解決手段】(A)アルカリ可溶なフェノール樹脂と、(B)ポリアミド樹脂と、(C)光酸発生剤と、(D)多官能メチロール化合物と、(E)溶剤とを含有し、高温硬化、低温硬化の両方に対応可能であり、得られる塗膜の耐薬品性、基板との密着性が良好であるネガ型感光性樹脂組成物。
【選択図】なし
【解決手段】(A)アルカリ可溶なフェノール樹脂と、(B)ポリアミド樹脂と、(C)光酸発生剤と、(D)多官能メチロール化合物と、(E)溶剤とを含有し、高温硬化、低温硬化の両方に対応可能であり、得られる塗膜の耐薬品性、基板との密着性が良好であるネガ型感光性樹脂組成物。
【選択図】なし
Description
本発明は、ICやLSI等の半導体素子表面上に成膜される絶縁保護膜を形成することができる耐熱性の感光性樹脂組成物及びその硬化物に関する。
半導体デバイスの分野において、IC、LSI、超LSIのチップの層間絶縁膜や表面保護膜として、高い耐熱性、耐薬品性、電気絶縁性、低誘電率等に優れたポリイミド樹脂、ポリベンゾオキサゾール樹脂が使用されている。近年、これらの樹脂に感光性を付与し、パターン形成を可能にした樹脂が主流になってきており、このような感光基を有する耐熱性樹脂としては、感光基をポリイミド前駆体であるポリアミド酸にイオン結合にて導入したタイプと、エステル結合にて導入したタイプが知られていた。
これらはいずれもパターン形成時に極性の高い有機溶剤を用いて現像しなくてはならないため、産業廃棄物等の環境問題の点で好ましくなかった。近年では、有機溶剤を使用せずにアルカリ水溶液でパターン形成をすることが可能なポジ型感光性樹脂が提案されており、これらの感光性樹脂はアルカリ水溶液に対する膨潤性が低く、ネガ型感光性樹脂組成物に比べ微細なパターンを得ることができることから、材料メーカー各社において種々の検討がなされている。
このようなポジ型感光性樹脂として、ポリベンゾオキサゾール前駆体に感光剤としてジアゾナフトキノン化合物を添加したポジ型感光性樹脂が知られている(例えば、特許文献1参照。)。
このように、ポリイミドやポリベンゾオキサゾールに感光性を付与した感光性樹脂は、その前駆体を溶剤に溶解させた形でシリコンウェハー上にコーティングされ、露光、現像過程によりパターニングを可能にしている。そのパターンについて、加熱処理を施して閉環反応させることで、最終的にポリイミド、ポリベンゾオキサゾール膜としている。
一方、ポリイミドやポリベンゾオキサゾールは高価であるため、層間絶縁膜や表面保護膜として他の安価な樹脂の検討もなされている。半導体素子の回路形成等で用いられる感光性レジストは、パターン形成後、そのパターンをマスクとして金属膜やシリコン膜をエッチングした後に除去されるため、レジスト膜自体に耐熱性は必要とされない。そこで、永久膜として使用するために耐熱性を向上させたレジストが報告されている。これらは、いずれもアルカリ可溶性のフェノール樹脂に感光剤と架橋剤を添加し、3次元架橋させることで耐熱性の向上を可能にしたものである(例えば、特許文献2〜6参照。)。
特開2001−220443号公報
特開2000−39709号公報
特開2001−312059号公報
特開2001−312060号公報
特開2003−114531号公報
特開2003−43688号公報
しかし、ポリイミド、ポリベンゾオキサゾール膜とするための閉環反応を行うためには300℃以上の高温処理が必要であるため、高温処理を嫌う半導体素子等への利用が難しく、アルカリ可溶性のフェノール樹脂を用いた樹脂は、200℃以上の高温では樹脂の劣化が激しく実用に耐えないものであった。
そこで、本発明は、前記した従来の問題点を解消し、300℃の高温環境下でも300℃以下の低温環境下でも硬化が可能で、紫外線露光により加工が可能であり、基盤となるシリコンウェハー等への密着力が高く、樹脂コストが安価な新規な感光性樹脂組成物を提供することを目的とする。
本発明者は、鋭意検討した結果、新規な組成を有するネガ型感光性樹脂組成物が上記目的を達成することを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明のネガ型感光性樹脂組成物は、(A)アルカリ可溶なフェノール樹脂と、(B)次の一般式(I)、(II)、(III)又は(IV)で表されるポリアミド樹脂
(但し、式中R1は2価の脂肪族基、芳香族基又は複数の芳香族基が単結合、−O−、−CO−、−SO2−、−CH2−、−C(CH3)2−若しくは−C(CF3)2−で結合した2価の有機基であり、R2は2価の芳香族基又は複数の芳香族基が単結合、−O−、−CO−、−SO2−、−CH2−、−C(CH3)2−若しくは−C(CF3)2−で結合した2価の有機基であり、R3は次の一般式(V)で表される2価の有機基
(但し、R6、R7は2価の有機基、R8、R9は1価の有機基である。)であり、R4は4価の脂肪族基、芳香族基又は複数の芳香族基が単結合、−O−、−CO−、−SO2−、−CH2−、−C(CH3)2−若しくは−C(CF3)2−で結合した4価の有機基であり、R5は4価の芳香族基又は複数の芳香族基が単結合、−O−、−CO−、−SO2−、−CH2−、−C(CH3)2−若しくは−C(CF3)2−で結合した4価の有機基であって、a及びbは正の整数、nは1以上の整数である。)と、(C)活性光線によって酸性を有する官能基を発生する光酸発生剤と、(D)メチロール基を2以上有する多官能メチロール化合物と、(E)溶剤とを含有することを特徴とするものである。
また、本発明のネガ型感光性樹脂組成物の硬化物は、本発明のネガ型感光性樹脂組成物を塗布後、プリベークし、所望のマスクパターンを介して露光し、露光した部分を溶剤の使用により現像し、現像して得られたパターンを加熱により硬化させたことを特徴とするものである。
本発明のネガ型感光性樹脂組成物は、ネガ型のパターン形成能を持ち、高いコントラスト性を有しているため、高感度でかつ寸法制御性が良好なシャープなネガ型パターンを得ることができる。また、高温硬化、低温硬化の両方に対応可能であり、最終的に得られる塗膜は、耐薬品性、基板との密着性が良好であり、現在使用されている半導体デバイス保護膜として同様に使用することができる。さらに、本発明により、コストが安価な樹脂組成物を提供することができる。
以下、本発明を詳細に説明する。
まず、本発明のネガ型感光性樹脂組成物について説明するが、本発明に用いる(A)アルカリ可溶なフェノール樹脂としては、次の一般式(VIII)又は(IX)で表される樹脂
(但し、式中Zは−CH2−、−CH2OCH2−又は単結合であり、R16〜R25はそれぞれ水素原子、脂肪族基又はメチロール基であり、nは1以上の整数である。)が挙げられる。ここで置換基R16〜R25における脂肪族基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基等の直鎖の脂肪族基であることが好ましい。
このアルカリ可溶なフェノール樹脂としては、アルカリに可溶であれば、特に限定されずに用いることができるが、例えば、ノボラック樹脂、レゾール樹脂、クレゾールノボラック樹脂であることが好ましい。
アルカリ可溶なノボラック樹脂としては、例えば、次の一般式(X)又は(XI)で表される樹脂
(但し、式中Zは−CH2−、−CH2OCH2−又は単結合であり、nは1以上の整数である。)が挙げられ、特に、次の一般式(XII)で表される樹脂
(但し、式中nは1以上の整数である。)であることが好ましい。
ここで用いられるノボラック樹脂としては、質量平均分子量が1000〜20000のものを用いることができ、質量平均分子量が2000〜10000であることが好ましい。
また、アルカリ可溶なレゾール樹脂としては、例えば、次の一般式(XIII)又は(XIV)で表される樹脂
(但し、式中Zは−CH2−、−CH2OCH2−又は単結合によって結合された芳香族基であり、mは0〜2の整数、nは1以上の整数である。)が挙げられ、特に、次の一般式(XV)で表される樹脂
(但し、式中mは0〜2の整数、nは1以上の整数である。)であることが好ましい。
ここで用いられるレゾール樹脂としては、質量平均分子量が500〜10000のものを用いることができ、質量平均分子量が800〜5000であることが好ましい。
また、アルカリ可溶なクレゾールノボラック樹脂としては、o−クレゾールノボラック樹脂、p−クレゾールノボラック樹脂、m−クレゾールノボラック樹脂のいずれも用いることができ、o−クレゾールノボラック樹脂としては、例えば、次の一般式(XVI)で表される樹脂
(但し、式中nは1以上の整数である。)等、p−クレゾールノボラック樹脂としては、例えば、次の一般式(XVII)で表される樹脂
(但し、式中nは1以上の整数である。)等、m−クレゾールノボラック樹脂としては、例えば、次の一般式(XVIII)、(XIX)で表される樹脂
(但し、式中nは1以上の整数である。)等が挙げられる。
これらは単独で使用することもできるし、それぞれを任意に混合して用いることもでき、また、これらのクレゾールノボラック樹脂の構成単位を組合わせた共重合体を用いることもできる。このとき、共重合体としては、p−クレゾールノボラック樹脂とm−クレゾールノボラック樹脂の共重合体、例えば、次の一般式(XX)で表される樹脂
(但し、式中k、l、p及びqは1以上の整数である。)等が挙げられ、このとき、q/((k+l)p+q)が0.1〜0.9の範囲で用いることができるが、0.4〜0.6の範囲であることが好ましく、p−クレゾールノボラック樹脂に比べて、m−クレゾールノボラック樹脂の含有割合が多いことが特に好ましい。
また、ここで用いられるクレゾールノボラック樹脂としては、質量平均分子量1000〜30000のものを用いることができ、質量平均分子量3000〜15000であることが好ましい。
本発明で用いられる(B)一般式(I)、(II)、(III)又は(IV)で表されるポリアミド樹脂は、R1骨格を有するジカルボン酸化合物、R4骨格を有するテトラカルボン酸化合物又はそれらの酸無水物と、R2骨格又はR5骨格を有するジアミン化合物及びR3骨格を有するジアミン化合物との重縮合反応により得ることができる。
このR1骨格となる酸成分としては、例えば、o−フタル酸、テレフタル酸、ベンゾフェノン−4、4´−ジカルボン酸、4,4´−ジカルボキシジフェニルエーテル、4,4´−ビフェニルジカルボン酸、2,2´−ビフェニルジカルボン酸、2,2−ビス(4−カルボキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン、4,4´−ジカルボキシジフェニルスルホン、1,4−フェニレンジアクリル酸、5,5´−ジチオビス(2−ニトロ安息香酸)、1,10−ビス(4−カルボキシフェノキシ)デカン、エチレングリコール(4−カルボキシフェニル)エーテル等のジカルボン酸やそれらの酸無水物が挙げられ、これらは単独で又は2種類以上を混合して使用することができる。
また、R4骨格の酸成分としては、例えば、ピロメリット酸、3,3´,4,4´−ビフェニルテトラカルボン酸、2,3,3´,4´−ビフェニルテトラカルボン酸、3,3´,4,4´−ベンゾフェノンテトラカルボン酸、4,4´−オキシジフタル酸、3,3´,4,4´−ジフェニルスルフォンテトラカルボン酸、2,2´−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン、2,3,6,7−ナフタレンテトラカルボン酸、1,2,5,6−ナフタレンテトラカルボン酸、1,4,5,8−ナフタレンテトラカルボン酸、1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸、1,2,4,5−シクロペンタンテトラカルボン酸、1,2,4,5−シクロヘキサンテトラカルボン酸、3,3´,4,4´−ビシクロヘキシルテトラカルボン酸、2,3,5−トリカルボキシシクロペンチル酢酸、3,4−ジカルボキシ−1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−1−コハク酸等やそれらの酸無水物が挙げられ、これらは単独又は2種類以上混合して使用することができる。
次に、R2骨格となるジアミン成分としては、メタフェニレンジアミン、パラフェニレンジアミン、2,4−ジアミノトルエン、2,5−ジアミノトルエン、2,6−ジアミノトルエン、3,5−ジアミノトルエン、1−メトキシ−2,4−ジアミノベンゼン、1,4−ジアミノ−2−メトキシ−5−メチルベンゼン、1,3−ジアミノ−4,6−ジメチルベンゼン、3,5−ジアミノ安息香酸、2,5−ジアミノ安息香酸、1,2−ジアミノナフタレン、1,4−ジアミノナフタレン、1,5−ジアミノナフタレン、1,6−ジアミノナフタレン、1,7−ジアミノナフタレン、1,8−ジアミノナフタレン、2,3−ジアミノナフタレン、2,6−ジアミノナフタレン、1,4−ジアミノ−2−メチルナフタレン、1,5−ジアミノ−2−メチルナフタレン、1,3−ジアミノ−2−フェニルナフタレン、2,2−ビス(4−アミノフェニル)プロパン、1,1−ビス(4−アミノフェニル)エタン、4,4´−ジアミノジフェニルメタン、3,3´−ジメチル−4,4´−ジアミノジフェニルメタン、3,3´,5,5´−テトラメチル−4,4´−ジアミノジフェニルメタン、3,3´−ジメチル−5,5´−ジエチル−4,4´−ジフェニルメタン、3,3´,5,5´−テトラエチル−4,4´−ジフェニルメタン、4,4´−メチレンビス(シクロヘキシルアミン)、4,4´−メチレンビス(3,3´−ジメチルシクロヘキシルアミン)、2,4´−ジアミノジフェニルスルフィド、4,4´−ジアミノジフェニルスルフィド、3,3´−ジアミノジフェニルスルフォン、4,4´−ジアミノジフェニルスルフォン、4,4´−ジアミノベンズアニリド、3,3´−ジアミノジフェニルエーテル、3,4´−ジアミノジフェニルエーテル、4,4´−ジアミノジフェニルエーテル、ビス(4−アミノフェニル)ジエチルシラン、ビス(4−アミノフェニル)ジフェニルシラン、ビス(4−アミノフェニル)−N−メチルアミン、ビス(4−アミノフェニル)−N−フェニルアミン、3,3´−ジアミノベンゾフェノン、4,4´−ジアミノベンゾフェノン、2,6−ジアミノピリジン、3,5−ジアミノピリジン、4,4´−ジアミノビフェニル、3,3´−ジアミノビフェニル、3,3´−ジメチル−4,4´−ジアミノビフェニル、3,3´−ジメトキシ−4,4´−ジアミノビフェニル、3,3´−ジヒドロキシ−4,4´−ジアミノビフェニル、o−トルイジンスルフォン、4,4´−ビス(4−アミノフェノキシ)ビフェニル、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]エーテル、ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]スルフォン、ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]スルフォン、1,4−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3、−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、9,10−ビス(4−アミノフェニル)アントラセン、2,2−ビス(4−アミノフェニル)ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス(3−アミノフェニル)ヘキサフルオロプロパン、1,1−ビス(4−アミノフェニル)−1−フェニルー2,2,2−トリフルオロエタン、2,2−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス(3−アミノ−4−メチルフェニル)ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]ヘキサフルオロプロパン、2,7−ジアミノフルオレン等が挙げられ、これらは単独又は2種類以上を混合して使用することができる。
R5骨格となるジアミン成分としては、フェノール性水酸基を有するジアミン、例えば、3,5−ジアミノ−1−ヒドロキシベンゼン、3,3´−ジヒドロキシ−4,4´−ジアミノビフェニル、4,4´−ジヒドロキシ−3,3´−ジアミノビフェニル、2,2−ビス(4−アミノ−3−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)スルフィド、ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)スルホン、ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)メタン、ビス(4−アミノ−3−ヒドロキシフェニル)メタン、2,2−ビス(4−アミノ−3−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン等が挙げられ、これらは単独又は2種類以上混合して使用することができる。
このジアミンにおけるR6、R7の2価の有機基としては、例えば、−(CH2)j−(jは1〜6である。)、
(R26は、水素原子又は脂肪族基である。)で表される基等が挙げられ、それぞれ同一の基であることが好ましく、また、R8、R9の1価の有機基としては、例えば、メチル基、フェニル基、ベンジル基等が挙げられる。
このR3骨格となるジアミン成分の使用により、例えば、シリコンウェハのような基板に対して、特に優れた密着性を付与することができる。
この一般式(I)、(II)、(III)又は(IV)で表される(B)ポリアミド樹脂のa及びbは、少なくとも1以上の正の整数であり、0.6≦a/(a+b)<1.0を満たす整数であることが好ましく、0.8≦a/(a+b)≦0.95を満たす整数であることがより好ましい。aの使用割合が0.6未満、すなわちbの使用割合が多く、R3骨格となるジアミン成分の割合が多くなると、樹脂の溶解性が著しく低下してしまう。
また、(B)ポリアミド樹脂の重合度nは5〜40の整数であることが好ましく、有用なパターンを得るためには15〜30の整数であることが特に好ましい。
この(B)ポリアミド樹脂としては、一般式(II)で表されるポリアミド酸が、一般式(VI)で表されるポリアミド酸
(但し、式中R2、R3、R4、a、b及びnは前記と同一であり、R10は2価の脂肪族基、芳香族基又は複数の芳香族基が単結合、−O−、−CO−、−SO2−、−CH2−、−C(CH3)2−若しくは−C(CF3)2−で結合した2価の有機基であり、R11は2価の脂肪族基、芳香族基又は複数の芳香族基が単結合、−O−、−CO−、−SO2−、−CH2−、−C(CH3)2−若しくは−C(CF3)2−で結合した2価の有機基である。)であることが好ましい。
この化合物のR10骨格となる酸成分としては、コハク酸、マレイン酸、フタル酸、メチルナジック酸、4−ペンテン−1,2−ジカルボン酸、4−ヘキセン−1,2−ジカルボン酸、シス−4−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸、1−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸、3−メチル−4−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸、4−メチル−4−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸、メチル−5−ノルボルネン−2,3−ジカルボン酸、4−メチル−4−ペンテン−1,2−ジカルボン酸、4,9−デカジエン−1,2−ジカルボン酸やそれらの酸無水物等が挙げられ、これらは単独又は2種類以上を混合して使用することができる。
また、R11は、R2又はR3と同一の骨格となるものであり、この酸成分としては、R2骨格又はR3骨格となる酸成分が挙げられる。
次に、一般式(I)、(II)、(III)及び(IV)で表されるポリアミド樹脂のそれぞれについての合成方法を説明する。
一般式(I)で表されるポリアミド樹脂の合成は、通常のポリアミド樹脂の合成により行うことができ、R1骨格となるジカルボン酸又はその酸無水物とR2骨格及びR3骨格となるジアミン成分をN−メチルピロリドン、γ−ブチロラクトン等の反応溶媒を用いて常温で反応させればよい。
一般式(II)で表されるポリアミド酸の合成も同様に、R4骨格となるテトラカルボン酸又はその二無水物とR2骨格及びR3骨格となるジアミン成分をN−メチルピロリドン、γ−ブチロラクトン等の反応溶媒を用いて常温で反応させればよい。このとき、例えば、一般式(VI)で表されるポリアミド酸を合成する場合に、R4骨格となる酸成分とR2骨格及びR3骨格となるジアミン成分のモル比率をコントロールすることで、分子量(n数)をコントロールすることができる。すなわち、モル比率が、R1>(R2+R3)となるようにR1骨格となる酸成分を過剰にしてR2及びR3骨格となるジアミン成分と充分に反応させた後、R10骨格となる酸成分を添加し反応させることで一般式(VI)で表されるポリアミド酸を合成することができる。
一般式(III)で表されるポリベンゾオキサゾール前駆体の合成は、R1骨格となるジカルボン酸化合物又はその酸無水物とR3骨格及びR5骨格となるジアミン成分との重縮合反応により行うことができ、その重縮合反応は、通常、酸クロライドを用いて行われるが、半導体デバイスを含む電気、電子分野においては遊離したクロロイオンが製品信頼性不良の原因となるため、酸クロライド法による重合を行う場合には重縮合後に純水にて十分洗浄する必要がある。
また、他の重縮合法として脱水縮合剤であるジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)等のカルボジイミド誘導体を用いて反応を行うことも可能であるが、DCCは副反応の併発、ポリベンゾオキサゾール前駆体のゲル化、毒性等の問題があり、さらには副生成物として発生するウレアの完全な除去が困難であるといった問題がある。そのため反応系を冷却したり、脱水縮合剤を数回に分けて添加したり、酸成分とアミン成分のモルバランスを崩す等して使用しなくてはならないため、製造における厳しい工程管理が必要とされるばかりでなく、合成されたポリベンゾオキサゾール前駆体の分子量が低くなり、解像度が低くなったり、膜特性が悪くなったりする等の問題がある。
このような問題を起こさない重縮合法としては、脱水縮合剤としてジフェニル(2,3−ジヒドロ−2−チオキソ−3−ベンゾオキサゾール)ホスホナート、ジフェニル(2,3−ジヒドロ−2−チオキソ−3−ベンゾチアゾール)ホスホナート及びそれらの誘導体を用いる方法を挙げることができ、この合成においては、穏和な条件で安定した条件で合成が可能であるため高い解像度を有し、かつ高膜特性を有するポリアミド樹脂を得ることが可能である。この方法では脱水縮合剤を単独又は2種類以上を混合して使用することもできる。
この方法における縮合剤の添加量は、原料となる酸成分又はアミン成分に対して1〜3倍モルの範囲で使用することができ、2〜2.5倍モルの範囲で使用することが好ましい。
また、一般式(IV)で表されるポリヒドロキシイミド前駆体の合成は、R4骨格となるテトラカルボン酸又はその二無水物とR5骨格及びR3骨格となるジアミン化合物とを反応溶媒中、常温で反応させて行うことができる。
本発明のポリアミド樹脂を合成する際に用いる反応溶媒としては、N−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、テトラヒドロフラン、γ−ブチロラクトン等が用いられ、これらは単独又は2種類以上を混合して用いることができる。
これら一般式(I)、(II)、(III)又は(IV)で表される(B)ポリアミド樹脂は、アルカリ可溶なフェノール樹脂 100質量部に対して、3〜100質量部添加することが好ましい。添加量が3質量部未満であると硬化後の膜表面だけでなく、シリコンウェハ上等への成膜時においても膜表面に無数の凹凸ができてしまい、逆に100質量部を超えると樹脂組成物のコストが高価となってしまう。
次に、本発明に用いる(C)活性光線によって酸性を有する官能基を発生する光酸発生剤としては、紫外線等の活性光線によってルイス酸やカチオン種を生成する物質で、近年では半導体集積回路の微細パターン形成用レジスト(化学増幅レジスト)によく用いられている。光酸発生剤として、例えば、下記の化合物が挙げられる。
この光酸発生剤の添加量は、アルカリ可溶なフェノール樹脂 100質量部に対して3〜20質量部であることが好ましい。添加量が3質量部未満であると紫外線等の活性光線による感度が低く、20質量部を超えると塗膜の特性が低下させてしまう。
本発明に用いる(D)多官能メチロール化合物としては、2以上のメチロール基を有する化合物であればよく、例えば、一般式(VII)で表される化合物
(但し、R12〜R14は水素原子、メチロール基又は脂肪族基であり、R15はハロゲン原子、水酸基、脂肪族基又は芳香族基であって、R12〜R14が全てメチロール基でないときは、少なくとも一つのメチロール基を有する基である。)が挙げられる。ここでR15がメチロール基を有する脂肪族基である場合には、メチロール基を有する芳香族基で置換された脂肪族基、例えば、メチル基であることが好ましい。
ここで、より具体的には、例えば、次の化合物が挙げられ、これらは2種類以上混合して使用することができる。
これらの化合物は、アルカリ可溶なフェノール樹脂 100質量部に対し、1〜30質量部添加することができ、好ましくは3〜15質量部添加することができる。添加量が、1質量部未満であると、アルカリ可溶なフェノール樹脂との十分な架橋反応が行われず、パターン形状が崩れるとともに、耐熱性も低下してしまう。逆に30質量部を超えると、アルカリ水溶液による現像の際に膜が膨潤して崩れてしまう。
本発明においては、これらの成分を溶剤に溶解し、ワニス状にして使用する。溶剤としては、N−メチル−2−ピロリドン、γ−ブチロラクトン、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、テトラヒドロフラン、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、乳酸メチル、乳酸エチル、乳酸ブチル等が挙げられ、これらは単独又は2種類以上混合して使用することができる。
これらの溶剤の添加量は、本発明の樹脂組成物における他の構成成分をシリコンウェハに塗布するのに適した粘度に溶解することができるものであればよく、その配合量も適宜決定すればよい。
本発明の感光性樹脂組成物は、これらの成分の他、必要に応じてレベリング剤、シランカップリング剤、充填剤、着色剤、粘度調整剤等の各種添加剤を配合することができる。
次に、本発明によって得られた感光性樹脂組成物によるネガ型パターン形成方法について説明する。
半導体デバイスへの適用を考えた場合、まずこの樹脂組成物を対象とするウェハ上にスピンコーターを用いてコーティングし、次にその塗膜を90〜130℃で加熱し、得られた塗膜上にパターンが描画されているマスクを透過させて365nm、436nmといった波長の活性紫外線を照射する。次いで、この露光によって発生する酸の触媒反応により、メチロール化合物のメチロール基とフェノール樹脂またはフェノール性水酸基を有するポリアミド樹脂との架橋反応を促進させるために、100℃前後の加熱処理を行う。
次に、この塗膜を、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、アンモニア等の無機アルカリ水溶液、エチルアミン、n−プロピルアミン等の一級アミン、ジエチルアミン、ジ−n−プロピルアミン等の二級アミン、トリエチルアミン、メチルジメチルアミン等の三級アミン、ジメチルエタノールアミン、トリエタノールアミン等のアルコールアミン、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド等の四級アミン等を溶解したアルカリ水溶液を使用して活性光線照射部のみを溶解現像し、純水によってリンス洗浄する。現像方式としてはスプレー、パドル、浸漬、超音波等の方式を用いることができる。
この操作によって対象ウェハ上には所望とするネガ型パターンを得ることができる。さらに、この塗膜を熱処理することによって、未反応の多官能メチロール化合物のメチロール基がフェノール樹脂、フェノール性水酸基を有するポリアミド樹脂との架橋反応、さらに、ポリアミド樹脂の環化反応を進行させ、耐熱性、耐薬品性等の膜特性に優れた膜を形成することができる。
次に、実施例により本発明について説明する。なお、実施例及び比較例における樹脂、化合物は以下に挙げるものを用いた。
アルカリ可溶なクレゾールノボラック樹脂(1)としては、m−クレゾール/p−クレゾールの比が60/40である質量平均分子量 7000のクレゾールノボラック樹脂を用いた。
アルカリ可溶なクレゾールノボラック樹脂(2)としては、m−クレゾール/p−クレゾールの比が40/60である質量平均分子量 7000のクレゾールノボラック樹脂を用いた。
(ポリアミド樹脂)
ポリアミド酸(1)としては、次の操作により合成した化合物を用いた。
窒素導入管を備えた反応フラスコに、N−メチル−2−ピロリドン(三菱化学株式会社製) 400gを入れ、4,4´−ジアミノジフェニルエーテル(和歌山精化工業株式会社製、商品名:ODA) 35.0g、1,3−ビス(γ−アミノプロピル)−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン(信越化学工業株式会社製、商品名:H−PAM) 4.82gを加えて撹拌し溶解させ、次いで4,4´−オキシジフタル酸二無水物(東京化成工業株式会社製) 60.2gを加えて撹拌し、室温で5時間縮合反応させた。
ポリアミド酸(1)としては、次の操作により合成した化合物を用いた。
窒素導入管を備えた反応フラスコに、N−メチル−2−ピロリドン(三菱化学株式会社製) 400gを入れ、4,4´−ジアミノジフェニルエーテル(和歌山精化工業株式会社製、商品名:ODA) 35.0g、1,3−ビス(γ−アミノプロピル)−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン(信越化学工業株式会社製、商品名:H−PAM) 4.82gを加えて撹拌し溶解させ、次いで4,4´−オキシジフタル酸二無水物(東京化成工業株式会社製) 60.2gを加えて撹拌し、室温で5時間縮合反応させた。
ポリアミド酸(2)としては、次の操作により合成した化合物を用いた。
窒素導入管を備えた反応フラスコに、N−メチル−2−ピロリドン(三菱化学株式会社製) 300gを入れ、4,4´−ジアミノジフェニルエーテル(和歌山精化工業株式会社製、商品名:ODA) 26.5g、1,3−ビス(γ−アミノプロピル)−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン(信越化学工業株式会社製、商品名:H−PAM) 65.7gを加えて撹拌し溶解させ、次いでマレイン酸無水物(東京化成工業株式会社製) 25.9gを加えてかくはnン紙、室温で3時間反応させた。反応が充分に進行したことを確認した後、4,4´−オキシジフタル酸二無水物(東京化成工業株式会社製) 82.0gを加えて撹拌し、室温で5時間縮合反応させた。
窒素導入管を備えた反応フラスコに、N−メチル−2−ピロリドン(三菱化学株式会社製) 300gを入れ、4,4´−ジアミノジフェニルエーテル(和歌山精化工業株式会社製、商品名:ODA) 26.5g、1,3−ビス(γ−アミノプロピル)−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン(信越化学工業株式会社製、商品名:H−PAM) 65.7gを加えて撹拌し溶解させ、次いでマレイン酸無水物(東京化成工業株式会社製) 25.9gを加えてかくはnン紙、室温で3時間反応させた。反応が充分に進行したことを確認した後、4,4´−オキシジフタル酸二無水物(東京化成工業株式会社製) 82.0gを加えて撹拌し、室温で5時間縮合反応させた。
ポリベンゾオキサゾール前駆体としては、次の操作により合成した化合物を用いた。
窒素導入管を備えた反応フラスコに、N−メチル−2−ピロリドン(三菱化学株式会社製) 220gを入れ、4,4−ジカルボキシジフェニルスルホン(東京化成工業株式会社製) 52.6g、トリエチルアミン(関東化学株式会社製) 35.0gを加えて溶解し、室温で30分間撹拌した。そこへ、ジフェニル(2,3−ジヒドロ−2−チオキソ−3−ベンゾオキサゾール)ホスホナート 132gを加え、室温で3時間撹拌した。次いで、2,2−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン(セントラル硝子株式会社製、商品名:BIS−AP−AF) 56.6g、1,3−ビス(γ−アミノプロピル)−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン(信越化学工業株式会社製、商品名:H−PAM) 4.27gを加え、撹拌して溶解させ、室温で5時間縮合反応させた。
窒素導入管を備えた反応フラスコに、N−メチル−2−ピロリドン(三菱化学株式会社製) 220gを入れ、4,4−ジカルボキシジフェニルスルホン(東京化成工業株式会社製) 52.6g、トリエチルアミン(関東化学株式会社製) 35.0gを加えて溶解し、室温で30分間撹拌した。そこへ、ジフェニル(2,3−ジヒドロ−2−チオキソ−3−ベンゾオキサゾール)ホスホナート 132gを加え、室温で3時間撹拌した。次いで、2,2−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン(セントラル硝子株式会社製、商品名:BIS−AP−AF) 56.6g、1,3−ビス(γ−アミノプロピル)−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン(信越化学工業株式会社製、商品名:H−PAM) 4.27gを加え、撹拌して溶解させ、室温で5時間縮合反応させた。
得られたスラリー状の樹脂を高速に撹拌した5Lの水/メタノールの1:1混合溶液中で撹拌洗浄した後、減圧乾燥によって乾燥し、ポリベンゾオキサゾール前駆体95.0gを得た。
ポリヒドロキシイミド前駆体としては、次の操作により合成した化合物を用いた。
窒素導入管を備えた反応フラスコに、N−メチル−2−ピロリドン(三菱化学株式会社製) 400gを入れ、2,2−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン(セントラル硝子株式会社製、商品名:BIS−AP−AF) 49.6g、1,3−ビス(γ−アミノプロピル)−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン(信越化学工業株式会社製、商品名:H−PAM) 3.74gを加えて撹拌し溶解させた。次いで、4,4´−オキシジフタル酸二無水物(東京化成工業株式会社製) 46.7gを加えて撹拌し、室温で5時間縮合反応させ、ワニス状のポリヒドロキシイミド前駆体500gを得た。
窒素導入管を備えた反応フラスコに、N−メチル−2−ピロリドン(三菱化学株式会社製) 400gを入れ、2,2−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン(セントラル硝子株式会社製、商品名:BIS−AP−AF) 49.6g、1,3−ビス(γ−アミノプロピル)−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン(信越化学工業株式会社製、商品名:H−PAM) 3.74gを加えて撹拌し溶解させた。次いで、4,4´−オキシジフタル酸二無水物(東京化成工業株式会社製) 46.7gを加えて撹拌し、室温で5時間縮合反応させ、ワニス状のポリヒドロキシイミド前駆体500gを得た。
(多官能メチロール化合物)
多官能メチロール化合物(1)としては、2,6−ジメチロール−p−クレゾール、多官能メチロール化合物(2)としては、3,3´−メチレンビス(2−ヒドロキシ−5−メチルベンゼンメタノール)、多官能メチロール化合物(3)としては、2,2´−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジヒドロキシメチルフェニル)プロパンを用い、多官能メチロールを用いない比較例9〜12においては、相当する化合物としてp−キシレノールを用いた。
多官能メチロール化合物(1)としては、2,6−ジメチロール−p−クレゾール、多官能メチロール化合物(2)としては、3,3´−メチレンビス(2−ヒドロキシ−5−メチルベンゼンメタノール)、多官能メチロール化合物(3)としては、2,2´−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジヒドロキシメチルフェニル)プロパンを用い、多官能メチロールを用いない比較例9〜12においては、相当する化合物としてp−キシレノールを用いた。
(実施例1)
窒素導入管を備えた反応フラスコに、アルカリ可溶なフェノール樹脂としてノボラック樹脂 100質量部、溶剤としてN−メチル−2−ピロリドン(三菱化学株式会社製) 150質量部を投入し、70℃で3時間撹拌して溶解させた。次に、反応液を室温まで冷却し、ポリアミド樹脂としてポリアミド酸(1)を50質量部、多官能メチロール化合物として2,6−ジメチロール−p−クレゾール(多官能メチロール化合物(1))を3質量部、光酸発生剤(1)を10質量部添加し、室温で撹拌して溶解させた。この溶液を1μmフィルターでろ過し、ネガ型感光性樹脂組成物を製造した。
窒素導入管を備えた反応フラスコに、アルカリ可溶なフェノール樹脂としてノボラック樹脂 100質量部、溶剤としてN−メチル−2−ピロリドン(三菱化学株式会社製) 150質量部を投入し、70℃で3時間撹拌して溶解させた。次に、反応液を室温まで冷却し、ポリアミド樹脂としてポリアミド酸(1)を50質量部、多官能メチロール化合物として2,6−ジメチロール−p−クレゾール(多官能メチロール化合物(1))を3質量部、光酸発生剤(1)を10質量部添加し、室温で撹拌して溶解させた。この溶液を1μmフィルターでろ過し、ネガ型感光性樹脂組成物を製造した。
(実施例2〜22、比較例1〜12)
表1〜3に示した組成により、実施例1と同様にしてネガ型感光性樹脂組成物を製造した。
表1〜3に示した組成により、実施例1と同様にしてネガ型感光性樹脂組成物を製造した。
次に、実施例及び比較例で製造したネガ型感光性樹脂組成物のそれぞれをサンプルとし、下記に示す特性評価を行い、その結果を表4に示した。
[塗膜性]
サンプルをスピンコーターを用いて4インチシリコンウェハ上にコートし、120℃のベーク板上で3分間加熱して6μmの塗膜を作成した。この塗膜を温風循環式乾燥機にセットし、100℃から0.5℃/分の速度で300℃まで昇温し、300℃で30分間保持した後、5℃/分の速度で室温まで冷却し、膜厚5μmの塗膜を得た。この塗膜を目視と光学顕微鏡(対物5倍×接眼10倍)による表面状態の観察を行い、次の基準により評価した。
○:表面が平滑、×:表面が平滑でなく不均一な格子状の模様や波状の模様がある
サンプルをスピンコーターを用いて4インチシリコンウェハ上にコートし、120℃のベーク板上で3分間加熱して6μmの塗膜を作成した。この塗膜を温風循環式乾燥機にセットし、100℃から0.5℃/分の速度で300℃まで昇温し、300℃で30分間保持した後、5℃/分の速度で室温まで冷却し、膜厚5μmの塗膜を得た。この塗膜を目視と光学顕微鏡(対物5倍×接眼10倍)による表面状態の観察を行い、次の基準により評価した。
○:表面が平滑、×:表面が平滑でなく不均一な格子状の模様や波状の模様がある
[対ウェハ密着性]
塗膜性の評価で得られた塗膜表面をJIS−K−5400に基づき1mm角×100個の碁盤目にカットし、セロハンテープを貼って後に引き剥がし、塗膜の接着性を確認した。
○:剥離無し(0/100)、×:剥離有り(剥離数/100)
塗膜性の評価で得られた塗膜表面をJIS−K−5400に基づき1mm角×100個の碁盤目にカットし、セロハンテープを貼って後に引き剥がし、塗膜の接着性を確認した。
○:剥離無し(0/100)、×:剥離有り(剥離数/100)
[硬化後の解像性]
サンプルをスピンコーターを用いて4インチシリコンウェハ上へコートし、120℃のベーク板上で3分間加熱して6μmの塗膜を作成した。この塗膜に対してテストパターン(i線(365nm)のみを透過させるフィルター)を用いて、それぞれ100、200、300、500mJ/cm2の露光量により露光した。次に、120℃のベーク板上で1分間加熱し、続いて、テトラメチルアンモニウムハイドロオキサイド 2.38%水溶液によってパドル現象を行い、純水にてリンスし、最後にスピン乾燥を行った。得られたネガ型パターンを温風循環乾燥機にセットし、100℃から0.5℃/分の速度で300℃まで昇温し、300℃で30分間保持した後、5℃/分の速度で室温まで冷却した。得られたパターンを光学顕微鏡にて観察した。
○:10μmのスペースが開口、△:10〜100μmまでのスペースが開口、×:パターンの溶融、崩れ、剥離がある
サンプルをスピンコーターを用いて4インチシリコンウェハ上へコートし、120℃のベーク板上で3分間加熱して6μmの塗膜を作成した。この塗膜に対してテストパターン(i線(365nm)のみを透過させるフィルター)を用いて、それぞれ100、200、300、500mJ/cm2の露光量により露光した。次に、120℃のベーク板上で1分間加熱し、続いて、テトラメチルアンモニウムハイドロオキサイド 2.38%水溶液によってパドル現象を行い、純水にてリンスし、最後にスピン乾燥を行った。得られたネガ型パターンを温風循環乾燥機にセットし、100℃から0.5℃/分の速度で300℃まで昇温し、300℃で30分間保持した後、5℃/分の速度で室温まで冷却した。得られたパターンを光学顕微鏡にて観察した。
○:10μmのスペースが開口、△:10〜100μmまでのスペースが開口、×:パターンの溶融、崩れ、剥離がある
[耐薬品性]
硬化後の解像性試験において形成されたパターンについて、N−メチル−2−ピロリドン(薬品A)に常温で30分、剥離液105(東京応化工業株式会社製、商品名)(薬品B)に常温で30分、フッ化アンモニウム水溶液(フッ酸 6%、フッ化アンモニウム 30%)(薬品C)に常温で15分間それぞれ浸漬させ、パターンの膨潤、剥離等の外観上の観察を行った。
○:外観上の変化無し、×:外観上の変化有り
硬化後の解像性試験において形成されたパターンについて、N−メチル−2−ピロリドン(薬品A)に常温で30分、剥離液105(東京応化工業株式会社製、商品名)(薬品B)に常温で30分、フッ化アンモニウム水溶液(フッ酸 6%、フッ化アンモニウム 30%)(薬品C)に常温で15分間それぞれ浸漬させ、パターンの膨潤、剥離等の外観上の観察を行った。
○:外観上の変化無し、×:外観上の変化有り
また、浸漬後のパターンについて、テープ剥離試験を行い、ウェハとパターンの接着性を確認した。
○:剥離無し、×:剥離有り
○:剥離無し、×:剥離有り
Claims (11)
- (A)アルカリ可溶なフェノール樹脂と、
(B)次の一般式(I)、(II)、(III)又は(IV)で表されるポリアミド樹脂
(C)活性光線によって酸性を有する官能基を発生する光酸発生剤と、
(D)メチロール基を2以上有する多官能メチロール化合物と、
(E)溶剤と
を含有することを特徴とするネガ型感光性樹脂組成物。 - 前記(A)アルカリ可溶なフェノール樹脂が、ノボラック樹脂であることを特徴とする請求項1記載のネガ型感光性樹脂組成物。
- 前記(A)アルカリ可溶なフェノール樹脂が、レゾール樹脂であることを特徴とする請求項1記載のネガ型感光性樹脂組成物。
- 前記(A)アルカリ可溶なフェノール樹脂が、クレゾールノボラック樹脂であることを特徴とする請求項1記載のネガ型感光性樹脂組成物。
- 前記(A)アルカリ可溶なフェノール樹脂 100質量部に対して、前記(B)ポリアミド樹脂 3〜100質量部、前記(C)光酸発生剤 3〜20質量部、前記(D)多官能メチロール化合物 1〜30質量部の割合で配合してなることを特徴とする請求項1乃至9のいずれか1項記載のネガ型感光性樹脂組成物。
- 請求項1乃至10のいずれか1項記載のネガ型感光性樹脂組成物を塗布後、プリベークし、所望のマスクパターンを介して露光し、露光した部分を溶剤の使用により現像し、現像して得られたパターンを加熱により硬化させたことを特徴とするネガ型感光性樹脂組成物の硬化物。
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