JP2005249859A - 偏心光学系、送光装置、受光装置および光学システム - Google Patents

偏心光学系、送光装置、受光装置および光学システム Download PDF

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Abstract

【課題】 偏心光学系、送光装置、受光装置および光学システムにおいて、組立精度を比較的緩めることができ比較的長い焦点距離を持ちながらも小型化することができるようにし、高精度かつ高効率な空間光通信ができるようにする。
【解決手段】 透過面3、反射面4、反射面5、分岐面6、透過面7の5つの光学作用面を偏心または傾斜させて設けたプリズム1を用い、入射光束51を3回内部反射させて光路を折り畳み透過面7から略平行光束を射出する反射光路と、入射光束51を2回内部反射させて光路を折り畳み分岐面6から出射させて像面12に結像する透過光路を形成する。そして分岐面6と透過面7との間に1次像面8を形成し、プリズム1外部に射出瞳9を形成する。またこれら光学作用面は少なくとも2面を回転非対称面とする。
【選択図】 図1

Description

本発明は、偏心光学系、送光装置、受光装置および光学システムに関する。特に、空間光通信に用いられる略平行な入射光束を分岐し複数の分解能の異なる光検出器により入射方向を検出することができる偏心光学系、送光装置、受光装置および光学システムに関する。
従来、空間光通信等に用いられる光アンテナとして、望遠光学系、特に反射光学系からなる望遠光学系が知られている。このような反射光学系としては、例えば天文学分野などでは、主鏡と副鏡の組合せを用いたカセグレン型、グレゴリ型などの反射光学系が知られている。
しかし、これら反射光学系に用いるミラーは共軸上に配置されているため、副鏡部分が遮蔽されてしまい、光量のロスが発生する。この点を改良するために、複数の反射面を互いに偏心、傾斜させて組み合わせたミラータイプやプリズムタイプの偏心光学系である反射光学系が種々考案されている。
例えば、特許文献1には、3面の反射面を有する反射型光学素子で、その反射型光学素子の反射面に囲まれる領域で、中間結像した後反射型光学素子の外側で結像する構成が記載されている。
この構成によれば、反射面に囲まれる領域において、物体面の中心から各反射面で反射して瞳の中心を通る光線の経路である基準軸が少なくとも2回交差することにより、光路が折り畳まれるようになっている。
特開2003−5074号公報(第3−8頁、図1、3)
しかしながら、上記のような従来の偏心光学系は、以下のような問題がある。
特許文献1に記載の技術では、最終像面までの合成焦点距離が短い構成であり、広い画角の観察に対応しているものの、空間光通信等に用いられる光アンテナには適用することができないという問題があった。
空間光通信用の光アンテナでは、粗追尾用、精追尾用などの複数の光検出器を備えたり、空間光通信の送受信の両方行ったりすることが強く望まれているが、特許文献1に記載の反射型光学素子では、素子の外側で結像した後に複数の光路に分岐しなければならない。すなわちそのような光学系を付加しなければならないので、装置が大型化してしまうという問題がある。
また、光アンテナに用いるには、入射瞳が大きく焦点距離が長い光学系を構成する必要があるが、上記の反射型光学素子では、瞳から中間像までの焦点距離を長くする必要があるため、反射型光学素子が大型化してしまうという問題がある。
本発明は、このような問題に鑑みてなされたものであって、略平行な光束を入力光とする偏心光学系において、比較的長い焦点距離を持ちながらも小型化することができる偏心光学系を提供することを目的とする。
また、それを用いて空間光通信に対応した、スペース効率のよい送光装置、受光装置および光学システムを提供することを目的とする。
上記の課題を解決するために、請求項1に記載の発明では、略平行な光束を入力光とする偏心光学系であって、屈折率が1以上の媒質を有し、該媒質の境界面に互いに偏心または傾いて配置された少なくとも5つの光学作用面が、前記入力光が進む一つの光路に沿う順に第1面、第2面、第3面、第4面、第5面として設けられ、これら5つの光学作用面のうち少なくとも2面が回転非対称面で構成されたプリズムを備え、前記入力光が前記第1面〜第5面を順に進んで前記プリズム外部に射出される光路において、前記プリズム内部に少なくとも一つの実像が形成されるとともに、前記プリズム外部に射出瞳が形成される構成とする。
この発明によれば、互いに偏心または傾いて配置された少なくとも5つの光学作用面が、外周に形成された屈折率1以上の媒質からなるプリズムにより、略平行な入力光が、少なくとも2面が回転非対称面である第1面〜第5面を順に進む光路に沿って進む。そして、各光学作用面の光学作用を受けることによりプリズム内部で少なくとも1回結像して1次像を形成してから、プリズム外部に射出され、射出瞳が形成される。
プリズム外部に、他の光学部材を介さず直接、射出瞳が形成されるので、瞳近傍に様々な光学素子などを配置することにより、高機能な小型の光学系を構成することができる。特に、光通信のアンテナ用として、射出瞳位置に光偏向手段を設けて、位置検出センサに光束を導くことにより、光追尾を行うための入力光の画角変化に追従する位置検出機構を、プリズム以外のレンズ構成枚数を少なく、より小型に構成できる。光学素子に到達する光束は射出瞳と略同じ領域を通るので、入力光の画角変化があっても、光学素子を小型のものとすることができる。
さらに、射出瞳出射後の光束を平行光束とすれば、光路分岐後の集光レンズ等の大きさを統一することができるので好ましい。また、より小型化するためには、射出瞳はプリズムの射出面に近接させることが好ましい。
また、5つの光学作用面のうち少なくとも2面は回転非対称面を用いて構成するので、特に偏心光学系の入射瞳中心を通過し結像面中心に到達する軸上主光線が偏心光学系に対し偏心して入射する場合、偏心によって発生する像の台形歪みや像面の傾きなどの偏心収差を補正することが可能となる。特に回転非対称面が2面の場合は、製造コストを抑えることができる。
なお、本明細書では、光学作用面は、物体表面や媒質の境界面などの面に適宜の処理を施し、マクロに見て、光束に対して反射、屈折、干渉、偏光などの光学作用をなさしめるようにした面を意味する。すなわち、当業者が、例えば反射面、透過面、屈折面、レンズ面、フレネルレンズ面、プリズム面、フィルタ面、偏光面、光学面などと称している面状の光学要素の総称である。したがって、光学作用面を数える場合、例えばコーティングにおける多層膜界面などミクロに光学作用をなす個々の界面を数えるものではない。
請求項2に記載の発明では、略平行な光束を入力光とする偏心光学系であって、屈折率が1以上の媒質を有し、該媒質の境界面に互いに偏心または傾いて配置された少なくとも5つの光学作用面が、前記入力光が進む一つの光路に沿う順に第1面、第2面、第3面、第4面、第5面として設けられ、これら5つの光学作用面のうち少なくとも1面が前記入力光の光路を透過光路と反射光路とに分岐する分岐面とされたプリズムを備え、前記反射光路が、前記入力光が前記第1面〜第5面を順に進んで前記プリズム外部に射出される光路であり、該反射光路または前記透過光路において、前記プリズム内部に少なくとも一つの実像が形成される構成とする。
この発明によれば、少なくとも一つの分岐面により別に光学部材を用いることなく透過光路と反射光路とに分岐できる。そのため小型化と部品点数の削減ができる。
さらに、少なくとも一つの実像(1次像)が前記プリズムの内部に形成されるため、射出面のパワーを選択することによって、プリズムの射出面から射出する光束の広がりを制御することができる。例えば、射出面に正のパワーを有する面としてそのパワーを適宜選択することで射出面から射出する光束を略平行にすることができる。また、射出面に正のパワーを有する面としてそのパワーを適宜選択することで射出面から射出する光線を収斂光とし、プリズム外部に結像することができる。
すなわち、そのような射出面がプリズムに一体化されることにより、小型でありながら、適宜の広がりを有する発散光、平行光、収斂光をプリズム外部に射出することができる高機能な光学系を構成することができる。
さらに、プリズム外部に射出される複数の光束をそれぞれ、例えばCCD、位置検出センサ等の受光素子で受光することにより、入力光の情報を複数の入手することができる。ここで入力光の情報とは、入力光の像、入力光の傾き、入力光の搬送する光信号等を意味する。例えば、受光素子を入力光の位置検出手段として用い、空間光通信などの光学システムの光追尾センサとして機能させることも可能である。その場合、入力光を2つの光路に分岐してそれぞれの合成焦点距離を変えることにより、一方の光束を粗追尾用、他方の光束を精追尾用に使い分けることが可能となる。
請求項3に記載の発明では、請求項2に記載の偏心光学系において、前記プリズム外部に射出された光束により射出瞳が形成される構成とする。
この発明によれば、分岐した一方の光束は、プリズム外部に他の光学素子を介さず直接、射出瞳が形成されるので、瞳近傍に様々な光学素子などを配置することにより、高機能な小型の光学系を構成することができる。特に空間光通信用の光学系として射出瞳位置に光学素子として光偏向手段を設けて、位置検出センサに光束を導くことにより、光追尾を行うための入力光の画角変化に追従する位置検出機構を構成できる。光学素子に到達する光束は射出瞳と略同じ領域を通るので、入力光の画角変化があっても、光学素子を小型のものとすることができる。
さらに、射出瞳を形成する光束を平行光束とすれば、光路の分岐や集光、結像が容易となるので好ましい。また、より小型化するためには、射出瞳はプリズムの射出面に近接させることが好ましい。
請求項4に記載の発明では、請求項3に記載の偏心光学系において、前記反射光路の前記プリズム内部に、前記少なくとも一つの実像が形成され、前記反射光路の前記プリズム外部に、前記射出瞳が形成され、前記透過光路の前記プリズム外部に、他の実像が形成される構成とする。
この発明によれば、入力光を反射光路と透過光路とに分岐して、それぞれの光路において、少なくとも5つ、または少なくとも2〜4つの光学作用面により、適宜の合成焦点距離を有する光学系を構成することができるので、入射画角の変化に応じて、射出瞳から射出される光束と他の実像とが適宜の受光面または結像面で異なる移動速度、移動範囲を有する光学系とすることができる。
したがって、例えば、反射光路中に光偏向素子などを配備し、透過光路側で入力光から収集した情報を光偏向素子などに、フィードバックして反射光をコントロールするといった高機能な光学系を構成することができる。
また、反射光路においては射出瞳が形成されるので、例えば光偏向手段などの光学素子を配置するのに好都合であり、射出面のパワーを適宜選択することにより、射出される光束の広がりを制御することができる。
請求項5に記載の発明では、請求項2〜4のいずれかに記載の偏心光学系において、前記分岐面で反射した光束の軸上主光線が、前記プリズム内部の少なくとも2つの軸上主光線と交差する光路と形成する構成とする。
この発明によれば、5つの光学作用面が、一つの光路において第1面を透過し第2面に向かう軸上主光線に対して、第3面で反射して第4面に向かう軸上主光線と、第4面で反射して第5面に向かう軸上主光線とがそれぞれ交差するような位置関係に配置される。そのためこの光路では、第2面から第3面に向かう軸上主光線が第4面から第5面へ向かう軸上主光線と交差することになる。
このような光路を実現するためには、各光学作用面は、プリズムの外周方向に、例えば第1面、第4面、第2面、第5面、第3面の順に配置される必要がある。そして、少なくとも隣り合う光学作用面が偏心もしくは傾いて配置されて偏心光学系をなすプリズムとなっているものである。
このような光路は、プリズム内の光束が3角形状に交差する光路の一部をさらにもう一度折り返した光路となっているのでコンパクトな構成となっている。
請求項6に記載の発明では、請求項2〜5に記載の偏心光学系において、前記第1面が、前記入力光を前記プリズム内部に透過する透過面とされ、前記第2面が、前記第1面で透過された光束を反射する内部反射面とされ、前記第3面が、前記第2面で反射された光束を反射する内部反射面とされ、前記第4面が、前記第3面で反射された光束の光路を前記透過光路と前記反射光路とに分岐する前記分岐面とされ、前記第5面が、前記反射光路を進む光束を透過する透過面とされ、これら5つの光学作用面のうち少なくとも2面が回転非対称面からなり、前記プリズム内部の前記少なくとも一つの実像が前記反射光路に形成されるとともに、前記透過光路において前記プリズム外部に他の実像が形成される構成とする。
この発明によれば、光路の構成については、請求項5に記載の発明と同様の作用効果を有し、分岐面により反射光路と透過光路とが形成される点については、射出瞳についての作用効果を除いて、請求項4に記載の発明と同様の作用効果を有する。
請求項7に記載の発明では、請求項1〜6のいずれかに記載の偏心光学系において、前記第1面を透過し前記第2面に向かう軸上主光線に対して、前記第3面で反射して前記第4面に向かう軸上主光線と、前記第4面で反射して前記第5面に向かう軸上主光線とがそれぞれ交差するような位置関係に配置される構成とする。
この発明によれば、光路の構成については、第4面が分岐面であるとないとによらず、請求項5に記載の発明と同様の作用効果を有する。
請求項8に記載の発明では、請求項1〜7のいずれかに記載の偏心光学系において、前記第2面が、少なくとも前記プリズム内部のすべての軸上主光線を含む平面において正のパワーを有する回転非対称面からなる構成とする。
この発明によれば、略平行光として第1面に入射する入力光が比較的大径の光束径である第2面において、偏心して設けられた正のパワーを有する回転非対称面により反射される。したがって、収差補正能力に優れた回転非対称面とすることにより、後段における収差補正負荷を軽減して、結像性能の良好な光学系を構成することができる。
請求項9に記載の発明では、請求項1〜8のいずれかに記載の偏心光学系において、前記第3面が、少なくとも前記プリズム内部のすべての軸上主光線を含む平面において負のパワーを有する回転非対称面からなる構成とする。
この発明によれば、第3面が負のパワーを有するので、第1面で発生する球面収差およびコマ収差を補正することができる。さらに軸外光線に対してはペッツバール和を改善することができるので、特に入射光の画角が大きい場合には有効に作用し、結像性能を向上することができる。また、回転非対称面からなるので、偏心収差を良好に補正することができる。
また、請求項8に記載の偏心光学系との組み合わせる場合、第2面を正パワー、第3面を負パワーとすることにより、望遠レンズタイプの光学系を構成し、焦点距離に対して結像位置までの距離を短くできるので、プリズムの小型化を実現できる。
請求項10に記載の発明では、請求項1〜9のいずれかに記載の偏心光学系において、前記プリズム内部の前記少なくとも一つの実像が、第4面と第5面との間に形成される構成とする。
この発明によれば、第4面と第5面の間に少なくとも一つの実像(1次像)を形成するから、この実像から第5面(射出面)までの距離を適宜に設定することにより、射出面での光束径を制御することができる。その結果、瞳径および瞳位置のコントロールが容易になる。
特に、射出瞳を形成して望遠鏡の対物レンズなどとして用いる場合には、射出面から射出する光束を略平行光束として射出瞳までの角倍率を大きくすることができるので好都合な構成となる。
さらに第5面のパワーを制御することにより、射出面の像側の所望位置に射出瞳を形成することが可能となる。
請求項11に記載の発明では、請求項1〜10のいずれかに記載の偏心光学系において、前記プリズム内部の前記少なくとも一つの実像までの近軸焦点距離をF、該実像の結像位置から前記プリズム外部に射出される射出面までの空気換算長をLとするとき、次式を満足する構成とする。
0.01≦L/F≦0.3 ・・・(1)
この発明によれば、比L/Fが式(1)の範囲とされる。したがって、請求項8の作用効果を有する構成とすることができる。
比L/Fが、下限値0.01よりも小さい場合は、1次像から第5面までの距離が短くなり、それにより第5面での光束径が小さくなりすぎるので、射出面近傍に射出瞳を形成することが困難となる。
比L/Fが、上限値0.3よりも大きい場合は、1次像から第5面までの距離が長くなりすぎるので、偏心光学系の合成焦点距離が比較的短くなってしまう。この場合、合成焦点距離を長くしようとすれば、プリズムを大型化しなくてはならなくなる。
なお、比L/Fの範囲は、より好適な位置に射出瞳を形成するとともにより好適な大きさのプリズムとするためには、より狭い範囲とすることが好ましい。上限は0.02または0.04、下限は0.15または0.1としてもよい。例えば、
0.02≦L/F≦0.15 ・・・(1a)
とすることが好ましい。
さらに、
0.04≦L/F≦0.1 ・・・(1b)
とすることが一層好ましい。
請求項12に記載の発明では、請求項1〜11に記載の偏心光学系において、前記プリズム内部の前記少なくとも一つの実像までの近軸焦点距離Fとするとき、次式を満足する構成とする。
60(mm)≦F≦500(mm) ・・・(2)
この発明によれば、近軸焦点距離Fの範囲を制限するので、偏心光学系を合理的な範囲で製作でき、小型化、低コスト化することができる。
すなわち、近軸焦点距離Fが上限値500mmを超えて長いと、屈折率1以上の媒質を用い、光路を折り畳んでいても、加工が困難なほどプリズムが大きくなってしまう。また下限値60mmをよりも短いと、光路を折り畳む効果が十分に発揮できなくなる。そこでその間の値をとることによりそのような問題を確実に回避して、合理的な範囲で小型化、低コスト化を図るものである。
なお、近軸焦点距離Fの長さは、光路長に比してよりバランスよく小型化、低コスト化を図るには上記より狭い範囲とすることが好ましい。例えば、
80(mm)≦F≦400(mm) ・・・(2a)
とすることがより好ましい。
さらに、
100(mm)≦F≦300(mm) ・・・(2b)
とすることが一層好ましい。
請求項13に記載の発明では、請求項1〜12のいずれかに記載の偏心光学系において、前記プリズム内部の前記少なくとも一つの実像までの近軸焦点距離をF、入射瞳径をDとするとき、比F/Dが次式を満足する構成とする。
2≦F/D≦15 ・・・(3)
この発明によれば、近軸焦点距離Fと入射瞳径Dとの比F/Dの範囲を条件式の範囲とするので、偏心光学系の形態をバランスのとれたものとすることができる。
すなわち、比F/Dが上限値15を超えて大きいと、入射瞳径に対して光路長が長くなりすぎるため、プリズムが大きくなるか、バックフォーカスが大きい光学系となり、コンパクトな光学系とすることができない。また下限値2より小さいと、焦点距離に対して入射光の光束径が大きくなりNAが大きくなる結果、球面収差、コマ収差などが大きくなり収差補正することが困難になってしまう。そこでその間の値をとることにより、それらの問題を回避して偏心光学系の形態をバランスのとれるようにするものである。
なお、比F/Dは、よりバランスのよい偏心光学系とするためには、上記より狭い範囲とすることが好ましい。例えば、
3≦F/D≦10 ・・・(3a)
とすることがより好ましい。
さらに、
4≦F/D≦8 ・・・(3b)
とすることが一層好ましい。
請求項14に記載の発明では、請求項1〜13のいずれかに記載の偏心光学系において、前記プリズムから射出された光束を受光面に集光する集光手段を少なくとも一つ備えた構成とする。
この発明によれば、プリズムから射出された光束を受光面に集光する集光手段を備えることにより、受光面の位置、大きさを適宜に設定することができる。
請求項15に記載の発明では、請求項2〜14のいずれかに記載の偏心光学系において、前記反射光路の射出面の近傍に、前記射出面から射出された光束を集光または発散させるレンズが配置された構成とする。
この発明によれば、反射光路の射出面近傍に射出された光束を集光または発散させるレンズを配置することにより、プリズムから射出光束の広がりを制御することが可能となる。例えば、プリズムから射出する光束が、略平行光で射出する設計であったにも関わらず、加工誤差等によって広がる光となった場合には、射出面の近傍に正レンズを配備することにより、平行光束にすることができる。また、必要に応じて光束の広がり角を適切な値に補正することができる。また、射出光が収斂光となる場合には、負レンズを配備することによって、同様に平行光束を得ることができる。
また、射出瞳位置をコントロールすることができる。
したがって、必要に応じて配置するレンズ特性を変えることにより、プリズムを汎用的に用いることが可能となる。
請求項16に記載の発明では、請求項15に記載の偏心光学系において、前記反射光路の射出面および該射出面の近傍に配置されるレンズのレンズ面の一つが平面とされ、前記射出面と前記レンズとがそれぞれの平面同士を対向させて配置された構成とする。
この発明によれば、プリズムの射出面と射出面の近傍に配置されるレンズとを、互いに平面を対向させて配置するので、レンズの配置・取付を容易かつ高精度に行うことができ、安価で柔軟性に富んだ偏心光学系を形成することができる。
なお、これらの配置面におけるゴミなどによるケラレの影響を低減するには、対向する平面の位置は、1次像の結像位置からずらすことが好ましい。
請求項17に記載の発明では、請求項15または16に記載の偏心光学系において、前記反射光路の射出面と前記レンズとが互いに接合された構成とする。
この発明によれば、射出面とレンズの平面とが接合されているので、1つのプリズムでパワー選択の自由度が上がる。なお、接合の手段は、レンズ貼合せに用いられる周知のいかなる技術によってもよい。例えば光学用接着剤などを採用することができる。その際、接合面には、適宜のコーティングを施して光束の透過率、波長選択性などの透過性能を制御できるようにしてもよい。
請求項18に記載の発明では、送光装置において、請求項1、3〜17のいずれかに記載の偏心光学系と、略平行光束を放射する光源部とを含む構成とする。
この発明によれば、請求項1、3〜17のいずれかに記載の発明と同様な作用効果を有する送光装置とすることができる。
請求項19に記載の発明では、請求項18に記載の送光装置において、前記光源部から射出される前記略平行光束を前記射出瞳に入射するための光路合成手段を備える。
この発明によれば、光路合成手段を設けるので、光源部から出射される略平行光束を射出瞳に容易に入射することができ、偏心光学系の第1面から略平行光束を出射できる。
請求項20に記載の発明では、送光装置において、請求項2に記載の偏心光学系と、略平行光束を放射する光源部とを含む構成とする。
この発明によれば、請求項2に記載の発明と同様な作用効果を有する送光装置とすることができる。
請求項21に記載の発明では、受光装置において、請求項1〜17のいずれかに記載の偏心光学系と、該偏心光学系の前記プリズム外部に射出された光束を受光して受光位置を検出する少なくとも一つの位置検出センサとを備える構成とする。
この発明によれば、請求項1〜17のいずれかに記載の発明と同様の作用効果を有するとともに、位置検出センサにより受光面における受光位置を検出し、入力光の画角を検出できる受光装置とすることができる。
請求項22に記載の発明では、受光装置において、請求項1〜17のいずれかに記載の偏心光学系と、該偏心光学系の前記プリズム外部に射出された光束を受光する少なくとも一つの受光器と、該受光器に接続された入力信号制御手段とを備える構成とする。
この発明によれば、請求項1〜17のいずれかに記載の発明と同様の作用効果を有するとともに、それらの偏心光学系から射出された光束を受光器で受光して、入力信号制御手段により入力光の情報を得ることができる受光装置とすることができる。
請求項23に記載の発明では、略平行光を射出する送光装置と、該送光装置と離れて対向して配置された前記略平行光を入力光として受光する受光装置とを含む光学システムであって、前記受光装置が請求項1〜17のいずれかに記載の偏心光学系を備える構成とする。
この発明によれば、請求項1〜17のいずれかに記載の発明と同様な作用効果を有する光学システムとすることができる。
請求項24に記載の発明では、請求項23に記載の光学システムにおいて、前記受光装置の受光面の少なくとも一つが位置検出センサにより構成され、前記位置検出センサからの位置信号に基づき、光捕捉追尾する構成とする。
この発明によれば、受光面に位置検出センサを設けるので、高精度な光捕捉追尾を行うことができる。
請求項25に記載の発明では、請求項23または24に記載の光学システムにおいて、前記送光装置には出力信号制御手段を有し、前記受光装置には入力信号制御手段を有しており、通信信号を変調して送受信することにより空間光通信が行える構成とする。
この発明によれば、高精度かつ高効率な空間光通信が行える。特に光捕捉追尾するようにすれば、より安定した高信頼性の空間光通信を行うことができる。
本発明に係る偏心光学系によれば、少なくとも2面が回転非対称面である5つの光学作用面を有するプリズムを備え、プリズム外部に射出瞳を形成するので、組立精度を比較的緩めることができ比較的長い焦点距離を持ちながらも小型化することができるという効果を奏する。
また、本発明に係る他の偏心光学系によれば、少なくとも1面が分岐面とされた5つの光学作用面を有するプリズムを備え、5つの光学作用面を順に進んでプリズム外部に射出される光路において、プリズム内部に少なくとも一つの実像を形成するようにするので、組立精度を比較的緩めることができ比較的長い焦点距離を持ちながらも小型化することができるという効果を奏する。
また、本発明に係る送光装置、受光装置および光学システムによれば、そのような偏心光学系を備えるので、高精度かつ高効率な空間光通信が可能となるという効果を奏する。
以下では、本発明の実施の形態を、添付図面を参照して説明する。なお、すべての図面において、実施形態が異なる場合でも、同一または相当する部材には同一符号を付し、共通する説明は省略する。
[第1の実施形態]
本発明の第1の実施形態に係る偏心光学系について説明する。
図1は、本発明の第1の実施形態に係る偏心光学系の一例について説明するための軸上主光線の光路を含む断面における光路図である。なお、図1では、2つの光路を重ね合わせて描いている。図2(a)、(b)はそれぞれの光路を分けて示したものである。座標軸は、後述する数値実施例の計算に用いる座標系を示し、光束の進行方向がZ軸方向と一致し、紙面手前から奥側がX軸方向と一致される。図2(a)は、入射画角が0°および±0.4°(紙面垂直軸回り)、図2(b)は、入射画角が0°および±1°(紙面垂直軸回り)、の光線をそれぞれ主光線と2本の従属光線とにより描いている。
本発明の第1の実施形態に係るプリズム1について説明する。
プリズム1は、図1に示したように、図示左方向から、略平行光束である入射光束51(入力光)を入射することにより、一つの光路においては、略平行光束を射出する実質的なアフォーカル光学系を構成し、もう一つの光路においては、プリズム外部の像面12に実像を形成する結像光学系を構成するものである。ここで、符号2は、入射瞳を形成する開口絞りを示す。また、符号10は、実質的なアフォーカル光学系の収差を評価するために配置した理想レンズの位置を示す。軸上主光線50は、開口絞り2の中心を通る入射角0°の光線であり、各光学作用面に到達して方向を屈曲され光学系の基準軸をなす。
プリズム1の材質は、屈折率1以上の媒質から構成される。そのような媒質としては、例えばガラス、合成樹脂などが採用できる。
プリズム1の媒質と空気との境界面には、少なくとも透過面3、反射面4(内部反射面)、反射面5(内部反射面)、分岐面6、透過面7の5つの光学作用面が形成される。各光学作用面はそれぞれ適宜の曲率を有しており、紙面垂直方向に略同じ断面を有する略柱状の立体として形成される。
5つの光学作用面は、プリズム1の外周方向の図示反時計回りに、透過面3、分岐面6、反射面4、透過面7、反射面5、の順に配列される。透過面7と反射面5との間には、光学作用面とされない境界面が形成される。
そして、入射光束51が、透過面3、反射面4、反射面5、分岐面6、透過面7にこの順に到達した後、プリズム1外部に略平行光束を射出する一つの光路が形成されている。以下では、この光路に沿う順番に従い、透過面3、反射面4、反射面5、分岐面6、透過面7をそれぞれ、第1面、第2面、第3面、第4面、第5面とも称する。
このような構成によれば、各光学作用面間では、第1面と第2面とが外周方向に隣り合うことはなく、それらに挟まれた領域には第3面および第5面ならびに第4面が存在する。また、第3面と第4面とが外周方向に隣り合うことがなく、それらに挟まれた領域には第1面および第4面ならびに第5面が存在する。また、第4面と第5面とが外周方向に隣り合うことがなく、それらに挟まれた領域には第1面および第3面ならびに第2面が存在する。
その結果、第1面と第2面の間のプリズム1内には、第3面から第4面に向かう光路と、第4面から第5面に向かう光路とが存在するため、第1面から第2面に向かう光路の軸上主光線は、それら2つの光路の軸上主光線と交差する位置関係にある。同様に、第4面と第5面の間のプリズム1内には、第1面から第2面に向かう光路と、第2面から第3面に向かう光路とが存在するため、第4面から第5面に向かう光路の軸上主光線は、それら2つの光路の軸上主光線と交差する位置関係にある。
すなわち、これらの光路においては、第1面から第4面までの光路がプリズム1内で3角形状に折り畳まれ、さらに、第4面から第5面に向かう光路が、第1面から第2面へ向かう光路と第2面から第3面に向かう光路と交差して、プリズム1外部に出射される。つまり、第1〜4面の光路で形成される第1の3角形状の折り畳みと、第2〜5面の光路で形成される第2の3角形状の折り畳みを有している。
したがって、第4面から第5面に向かう光路をプリズム1内に納めることにより、焦点距離が長く光路長が長くなる光学系であっても、光路が一つの3角形状に折り畳まれた従来のプリズムに比して、よりコンパクトで小型化可能な偏心光学系となっているものである。
なお、本実施形態では、軸上主光線50が同一平面内(図示の紙面内、後述するY−Z平面内)にあるので、その平面内で入射画角が変化しても光路は、上記のように交差する。一方、入射光束51が紙面と直交する面内(後述するX−Z平面内)で入射画角を有する場合には3次元の光路を進むことになる。その場合、上記で交差するとして説明した部分を、光路を紙面方向に投影したときに交差するようなねじれの位置関係にある、として読み替えれば、紙面垂直方向のプリズム1の厚みの範囲内で上記と同様に光路がコンパクトに折り畳まれていることが分かる。
以下では、説明を簡単にするために、2次元光路を中心に説明し、必要に応じて3次元光路について説明する。特に断らなければ、2次元光路について述べることは3次元光路にも容易に拡張できる。
本実施形態では、5つの光学作用面のうち、少なくとも2面に回転非対称の曲面である自由曲面を採用する。
そこで、まず偏心光学系においてそのような回転非対称面を表現するための座標系と自由曲面式について説明する。
座標系は、図1、図2(a)、(b)に示したように、物体側から開口絞り2、プリズム1に向う光線追跡で、入射側光軸を、軸上主光線50のうち絞り面を形成する開口絞り2の中心に直交しプリズム1の透過面3の中心に至る光線として定義する。そして光線追跡において、開口絞り2の中心を偏心光学系の偏心光学面の原点Oとして(ただし、図示の座標軸は光路との重なりを避けるために原点位置をずらしている)、入射側光軸に沿う方向をZ軸方向とし、物体側から偏心光学系の開口絞り2に面した面に向かう方向をZ軸正方向とし、紙面をY−Z平面とし、紙面の表から裏へ向かう方向をX軸正方向とし、X軸、Z軸と右手直交座標系を構成する軸をY軸とする。
傾き角は、X軸、Y軸、Z軸を中心とする傾き角をそれぞれα、β、γとしたとき、傾き角αとβの正はそれぞれX軸、Y軸の正方向に対して反時計回りを、傾き角γの正はZ軸の正方向に対して時計回りの角度と定義する。
そして、各光学作用面を座標系で表す場合、軸上主光線50を物体から像面に向かう方向で順光線追跡し、光学作用面と軸上主光線50が交差する点を原点として、X軸を紙面垂直方向に保って、Z軸が軸上主光線50に一致するように、Y、Z軸を回転させたローカル座標系で表す。
なお、面の中心軸のα,β,γの回転のさせ方は、面の中心軸とそのXYZ直交座標系を、まずX軸の回りで反時計回りにα回転させ、次に、その回転した面の中心軸を新たな座標系のY軸の回りで反時計回りにβ回転させると共に1度回転した座標系もY軸の回りで反時計回りにβ回転させ、次いで、その2度回転した面の中心軸を新たな座標系の新たな座標系のZ軸の回りで時計回りにγ回転させるものである。
本実施形態で用いられる回転非対称の曲面の形状は、例えば、下記の式(a)により定義される自由曲面式で表現される。式(a)のZ軸が自由曲面の軸となる。
Figure 2005249859
ここで、(a)式の第1項は球面項、第2項は自由曲面項である。球面項中、Rは頂点の近軸曲率半径、kはコーニック定数(円錐定数)であり、r=√(X2 +Y2 )である。
自由曲面項は、
Figure 2005249859
ただし、C(jは1以上の整数)は係数である。
上記自由曲面は、一般的には、X−Z面、Y−Z面共に対称面を持つことはないが、本実施形態ではXの奇数次項を全て0にすることによって、Y−Z面と平行な対称面が1つだけ存在する自由曲面となる。例えば、上記定義式(a)においては、C2 、C5 、C7 、C9 、C12、C14、C16、C18、C20、C23、C25、C27、C29、C31、C33、C35・・・の各項の係数を0にすることによって可能である。
また、本実施形態に用いられる非球面は、以下の定義式(b)で与えられる回転対称非球面である。
Figure 2005249859
ここで、h=√(X2 +Y2 )であり、cは頂点の近軸曲率半径、kはコーニック定数(円錐定数)、A、B、C、D、…はそれぞれ4次、6次、8次、10次、…の非球面係数である。この定義式のZ軸が回転対称非球面の軸となる。
以下、各光学作用面についてより詳しく説明する。
透過面3(第1面)は、軸上主光線50に対して、X軸回りに偏心または傾いて配置することにより、入射光束51を屈折させて軸上主光線50をX軸回り方向に屈曲させるための光学作用面である。なお、この偏心量を、軸上主光線50と第2面との交点における接平面と開口絞り2を含む平面とのなす傾き角θ1で表すことにする(図1参照。他例、他実施形態でも同様に定義する)。
透過面3は、例えば製作の容易な平面であってもよいが、入射光束51を収斂光束とし他の光学作用面のパワーを小さくして収差補正を容易にするためには、正のパワーを持たせることが好ましい。
正のパワーを持たせる場合、偏心収差を低減するためには、傾斜方向に非対称でY−Z面に関して対称な回転非対称な曲面である自由曲面とすることがより好ましい。
反射面4(第2面)は、本偏心光学系の主な正のパワーを有する面とし、光路を第3面側に折り畳むことができるように、透過面3により屈曲された軸上主光線50に対して偏心して配置される。
反射面4は、所定の曲面に加工された媒質の境界面に適宜の反射膜コーティングを施すことにより製作できる。可能であれば第1面から反射面4に入射する光束が全反射するようにして、反射膜コーティングを省略してもよい。
なお反射面4は、光束を屈折率が1以上の媒質内部に反射する内部反射面とされているので、比較的小さな曲率でも大きなパワーを持たせることができる。
一方、反射面4は正パワーを有する屈曲反射面であるため、偏心による収差、すなわち偏心収差が発生する。この偏心収差を補正するためには、反射面4を回転非対称面とすることが好ましい。
反射面5(第3面)は、反射面4で反射された収斂光を反射して第4面側に折り畳むことができるように、収斂光の軸上主光線50に対して偏心または傾いて配置される。反射面5の加工は、反射面4と同様に行うことができる。
なお、反射面5の偏心量または傾きを、軸上主光線50と反射面5の交点における接平面と開口絞り2を含む平面とのなす傾き角θ2で表したとき(図1参照。他例、他実施形態でも同様に定義する)、傾き角θ1とθ2との関係が、次式を満足するようにする。
30°≦|θ2−θ1|≦80° ・・・(4)
反射面5の面形状は、透過面3および反射面4で発生する球面収差およびコマ収差を補正するために、負のパワーを持たせる。そのため軸外光束に対してペッツバール和を改善することができる。したがって、入力光の画角が大きい場合にも、良好な結像性能を得ることができる。
また反射面5は、他の光学作用面のパワーを小さくするためには正のパワーを持たせてもよい。例えば、反射面4との間でパワーを分配することができ、それぞれの面で発生する収差を低減しつつ入力光を集光することが可能となる。さらに、製作が容易な平面反射面としてもよい。
なお、パワーを持たせる場合には、偏心収差をより良好に補正するために回転非対称面とすることが好ましい。
分岐面6(第4面)は、反射面5で反射された光束を、内部反射して透過面7に向う反射光と、プリズム1外部に透過して、像面12に結像する透過光とに分岐する光学作用面であり、入射する光束の軸上主光線50に対して偏心または傾いて配置される。この偏心量または傾きを、軸上主光線50と分岐面6との交点における接平面と開口絞り2を含む平面とのなす傾き角θ3で表すことにする(図1参照。他例、他実施形態でも同様に定義する)。以下、この反射光、透過光の光路を、それぞれ反射光路、透過光路と称する。
反射光路においては、第1〜3面および第4面の反射側のパワーにより、透過面7の手前側のプリズム1内部に1次像面8(少なくとも一つの実像)を形成する構成とされる。すなわち、1次像面8から透過面7までの空気換算長をLとするとき、L≧0である。
さらに、透過面3から1次像面8に至るまでのプリズム1内部の近軸焦点距離をFとして、
0.01≦L/F≦0.3 ・・・(1)
の関係を満足させる。
ここで、近軸焦点距離Fは、
60(mm)≦F≦500(mm) ・・・(2)
であることが好ましい。
さらに、入射瞳径をDとするとき、
2≦F/D≦15 ・・・(3)
であることが好ましい。
一方、透過光路においては、透過面7を透過した光束が像面12に実像(他の実像)を形成する構成とされる。
分岐面6は、媒質の境界面に、内部入射光に対する反射率を制御する反射コーティング、ハーフミラーコーティングなどの表面処理を行うことにより製作することができる。
また、例えば反射率をあまり高くする必要がない場合などには、媒質の屈折率と空気の屈折率の差によって生じる反射によって、光路を分岐するようにして、反射コーティング、ハーフミラーコーティングなどの表面処理を省略してもよい。その場合には、手間のかかる表面処理が不要となるので安価に製作できるという利点がある。
分岐面6の面形状は、必要に応じて、プリズム1の外側に向かって凸面または凹面を含む面、平面、または回転非対称な面等にすることができる。
プリズム1の外側に向かって凸面にした場合には、通常1つの面で得られるパワーは反射側の方が大きいため、反射光の光路が透過光の光路に比べて短い焦点距離を持たせることができる。その場合、例えば、分岐面6の反射光を媒質内で結像させたり、透過面7の近傍に結像させたりすることが容易となる。
プリズム1の外側に向かって凹面にした場合には、反射光の光路が透過光の光路に比べて長い焦点距離を持たせることができる。その場合、反射光を比較的遠くに結像させることができる。
なお、このように分岐面6を凸面または凹面としてパワーを持たせる場合には、偏心収差を補正するために回転非対称面とすることが好ましい。
分岐面6を平面にした場合には、反射光、透過光の結像性能を略同等にすることができる。また平面にすれば、分岐面6を削り加工する場合にはその加工自体が、成形により製造する場合はその金型加工が平面加工となるので、製作が容易であり、コストダウンを図ることができる。
透過面7(第5面)は、分岐面6の反射光を透過させてプリズム1の外部に射出して、射出瞳9を形成するための光学作用面である。そして、分岐面6と略平行または浅い角度で偏心または傾いて配置される。具体的には、この偏心量または傾きを、軸上主光線50と透過面7との交点における接平面と開口絞り2を含む平面とのなす傾き角θ4で表したとき(図1参照。他例、他実施形態でも同様に定義する)、傾き角θ3とθ4との関係が、次式を満足するようにする。
|θ4−θ3|≦30° ・・・(5)
透過面7を射出された光束は、射出瞳9を形成できれば、平行光束である必要はないが、本実施形態では略平行光束としている。そのため射出後の光束を分岐、偏向、集光などする光学素子を光路中に配置する場合、光軸方向の配置精度を緩めることができ、配置・組立が容易となるという利点がある。
透過面7の面形状は、分岐面6による反射光を1次像面8で結像後、略平行光束にするため、正のパワーを持たせた面とする。そして、偏心収差を補正するためには、反射面4を回転非対称面とすることが好ましい。
射出瞳9は、適宜の位置に形成してよいが、光学系を小型化するためには、透過面7の近傍に配置することが好ましい。
本実施形態のプリズム1の作用について偏心光学系の光路に沿って説明する。
入射光束51は、開口絞り2により光束径を入射瞳径Dの大きさに規制され、透過面3に入射する。
透過面3が軸上主光線50に対してX軸回りに偏心または傾いて配置されているので、入射光束51が屈曲されて入射光軸外に向かって進む。
そして、媒質内を進んで、反射面4に到達して内部反射される。反射面4が正のパワーを有し、X軸回りに偏心しているので、光束は集光されつつ、透過面3の図示時計回り方向(X軸回り正方向)の隣側に配列された反射面5に向かって進む。反射面5は透過面3に隣接しているので、透過面3を透過する光束が反射面5によりけられることはない。
このような光路において反射面4と反射面5との間の傾きを表す傾き角|θ2−θ1|が、式(4)のような範囲に設定されることにより結像性能が良好となる。
上記範囲は、凹面鏡である反射面4へ軸上主光線50が斜め入射することにより発生するコマ収差を反射面4に非対称なパワーを持たせることにより補正する場合、軸外光線のコマ収差も良好に補正できる範囲を示す。傾き角|θ2−θ1|が80°を超えて大きくなると、反射面4に持たせるパワーの非対称性が大きくなりすぎ、軸外光線のコマ収差が補正困難になる。
また下限値を越えると、すなわち、傾き角|θ2−θ1|が30°よりも小さくなると反射面4と反射面5との面の対称性が著しく崩れ、補正しきれないほどの収差が発生してしまう。
傾き角|θ2−θ1|の範囲は、より収差を低減し、良好な結像性能を得るためには、式(4)の範囲内でより狭くすることが好ましい。例えば、
35°≦|θ2−θ1|≦70° ・・・(4a)
とすれば、より好ましい。また例えば、
40°≦|θ2−θ1|≦60° ・・・(4b)
とすれば、一層好ましい。
そして、反射面4で反射された光束は、反射面5で内部反射されて、反射面5の曲率に応じた光学作用を受けつつ、透過面3の図示反時計回り方向(X軸回り正方向)の隣側に配列された分岐面6に向かって進む。この光束は、その軸上主光線が透過面3から反射面4に向かう光束の軸上主光線と交差して進むので、プリズム1内で3角形状に折り畳まれている。なお、分岐面6は透過面3に隣接しているので、透過面3を透過する光束が分岐面6によりけられることはない。
反射面5は、負のパワーを有する場合、良好な収差補正を行うことができる。
分岐面6により内部反射される光束は、図2(a)に示したように、分岐面6の曲率に応じた光学作用を受けつつ、反射面5と反射面4とに挟まれた透過面7に向かって、透過面3から反射面4に向かう光束の軸上主光線および反射面4から反射面5に向かう光束の軸上主光線と交差して進む。すなわち、反射面4、反射面5、分岐面6により3角形状に折り畳まれて媒質内部を進むものである。
そして、第1〜3面と第4面の反射側のパワーにより、透過面7に到達する前の媒質中に1次像面8が形成される。
このとき、1次像面8から透過面7までの空気換算長Lと1次像面8までの近軸焦点距離Fとの比L/Fが、式(1)を満足するので、1次像面8から透過面7までの距離が適切な範囲となり、透過面7での光束径が小さくなりすぎることがなく、比較的射出面近傍に射出瞳9を形成できる。その結果、射出瞳9近傍に光学素子を配置する光学系を小型化することができるという利点がある。
また、1次像面8から透過面7までの距離が適切な範囲となるので、プリズム1の反射光路の合成焦点距離が短くなりすぎることがなく、プリズム1を小型化することができる。
1次像面8からプリズム1外部に向かう光束は光束径を拡径しながら、透過面7に向かう。そして、透過面7の正のパワーにより、略平行光束とされて、プリズム1外部に射出される。そして、射出瞳9を形成する。
したがって、射出瞳9の近傍に光学素子を配置すれば、入射光束51の入射画角が変わっても、すべての光束が射出瞳9の範囲を透過するから、光学素子を小型化することができるという利点がある。例えば、光学素子として、ガルバノミラーなどの光偏向素子、ビームスプリッタなどの光分岐素子、集光レンズなどを配置することにより、小型で高機能の光学系を構築することが可能となる。
また、射出瞳9の後段に、集光素子として、例えば、レンズ10のような正のパワーを有するレンズを配置すれば、射出瞳9を射出した光束を像面11に結像することができる。そして、入射光束51の入射画角の変化に応じて像面11上の所定位置に実像を形成することができる。
そして、像面11に、PDなどの受光器、PSDなどの位置検出センサ、CCD、CMOSなどの撮像素子などを配置することにより、入射光束51の情報を得ることが可能となる。
このような光路において分岐面6と透過面7との間の平行度を表す傾き角|θ4−θ3|が、式(5)のような範囲に設定され、略平行か浅い傾きに持つようにすることにより、焦点面における像面の倒れを小さくすることができ、結像性能が良好とすることができるとともに、偏心光学系を小型化することができる。
すなわち、傾き角|θ4−θ3|が30°を超えて大きくなると、分岐面6から透過面7に向かう光束が透過面7で大きく屈折され、大きな軸外収差が発生し、像面の倒れが生じる。その結果、結像性能が劣化し、特に、像面8に受光器などを配置する場合、受光器をプリズム1から離れる方向に傾斜して配置しなければならないので、コンパクトな装置とすることができなくなるが、式(5)の条件の下では、それを回避できるものである。
傾き角|θ4−θ3|の範囲は、より収差を低減し、像面の倒れを低減するためには、式(5)の上限値をより小さくすることが好ましい。例えば、
|θ4−θ3|≦20° ・・・(5a)
とすれば、より好ましい。
このようなプリズム1によれば、像面8に結像する光路が、屈折率1以上の媒質内で3回反射されて、コンパクトに折り畳まれているので、光路長の長い場合でもコンパクトな偏心光学系とすることができる。
その際、5つの光学作用面による偏心光学系の1次像面8までの近軸焦点距離Fを式(2)の範囲とすれば、近軸焦点距離Fを500mm以下とするので、プリズム1自体の大きさを、高精度な回転非対称面を十分に加工できる程度の大きさにすることができる。また近軸焦点距離Fを60mm以上とするので、光路長が短くなりすぎて光路を折り畳む効果が十分に発揮できないということがない。その結果、十分折り畳み効果を発揮して、比較的長い光路長まで小型化できる偏心光学系を合理的な範囲で製作することができる。
したがって、例えば望遠鏡や空間光通信用の光学系など、比較的長い光路長を必要とする光学系に用いることにより、小型軽量化、低コスト化を図ることができるという利点がある。
また、1次像面8までの近軸焦点距離Fと入射瞳径Dとの比F/Dを式(3)の範囲とすれば、比F/Dを15以下とするので、光路長が長すぎてプリズム1が大型化したり、あるいはバックフォーカスが長くなりすぎたりしないような偏心光学系とすることができる。また比F/Dを2以上とするので、焦点距離に比して光束径が大きくなり高いNAとなるために補正しきれないほどの球面収差やコマ収差が発生することがない偏心光学系とすることができる。その結果、プリズム1を光路長に比してバランスがよい形態としつつ、結像性能の優れたものとすることができる。
また、5つの光学作用面のうち少なくとも2面は回転非対称面とするので、それらを軸上主光線50に対して従属光線の側に非対称な曲面として、組み合わせることにより高精度に偏心収差を補正することができるから、偏心収差の少ない偏心光学系とすることができる。
その際、5面全部を回転非対称面としてもよい。そのように回転非対称面の数を増やしていけば、それに応じてより高精度な収差補正が可能となる。また補正量が各光学作用面に分担される結果、個々の曲面が製作容易な形状となるという利点がある。
なお回転非対称面が2面で必要な偏心収差の補正が可能であれば、残りは製作の容易な回転対称面や平面を採用してもよい。そうすれば、製作費を低減することができる。特に平面を1〜2面設けることにより、格段に製作費を低減できる。
次に、本実施形態の第1変形例について説明する。
図3は、本発明の第1の実施形態に係る偏心光学系の第1変形例について説明するための軸上主光線の光路を含む断面における光路図である。なお、光路は、上記の反射光路のみを示し、入射画角0°、±0.4°の場合について、それぞれの光束を主光線と2本の従属光線により表現している。
本変形例のプリズム15は、プリズム1の透過面7に代えて平面からなる接合面16を設け、平凸レンズであるレンズ17の平面を接合面16と対向させて接合したものである。したがって、分岐面6を有し、反射光路および透過光路が形成され、プリズムの媒質中に1次像面8が形成されることは、上記実施形態と同様である。以下、上記実施形態と異なる点について簡単に説明する。
レンズ17の凸面18(第5面)は、透過面7と同様に1次像面8からの光束を集光して、略平行光束としてレンズ17の外部に射出し、射出瞳19を形成するための正のパワーを有する光学作用面である。
そして、上記実施形態と同様に、式(1)〜(3)を満足することが好ましい。
したがって、プリズム15およびレンズ17の媒質をプリズム1の媒質と同様のものとすれば、凸面18と透過面7とを同一形状にすることにより、プリズム15とレンズ17とで、プリズム1と同じ光学系を構成できる。
また、レンズ17の材質を、屈折率1以上でプリズム15の媒質の屈折率と異なる媒質を採用したり、凸面18の形状を透過面7と変えたりすることにより、パワーを変え、射出瞳19を射出瞳9と異なる位置に形成することもできる。
このように本変形例によれば、レンズ17の形状を変えることにより射出瞳19の位置や、射出後の光束の広がりを適宜変更することができるという利点がある。
なお、接合面16での接合は、例えば、光学用接着剤を用いて貼り合せるなどの手段を用いることができる。その際、接合面16やレンズ17の平面に適宜コーティングを施すようにすれば、例えば、k接合面16の透過率を増減して、接合面16での光量損失を制御することができる。また、接合面16にフィルタ特性などを付与して、高機能な光学系を構成できる。
また、接合面16とレンズ17の平面とを対向させて密着させたり、空気間隔を空けて配置するようにしてもよい。このようにすれば、必要に応じてレンズ17に代えて適宜の平凸レンズに交換することにより、光学特性の異なる偏心光学系を容易に構成することができるという利点がある。
[第2の実施形態]
本発明の第2の実施形態に係る偏心光学系について説明する。
図4(a)、(b)は、本発明の第2の実施形態に係る偏心光学系の一例およびその変形例について説明するための軸上主光線の光路を含む断面における光路図である。なお、図1と同様に図4でも2つの光路を重ね合わせて描いている。そして、図4(a)では、入射画角が0°および±0.5°(紙面垂直軸回り)ならびに入射画角が0°および±1°(紙面垂直軸回り)の光線を、図4(b)では、入射画角が0°および±0.5°(紙面垂直軸回り)ならびに入射画角が0°および±1.6°(紙面垂直軸回り)の光線をそれぞれ主光線と2本の従属光線とにより描いている。
本発明の第2の実施形態に係る偏心光学系の一例について説明する。
本実施形態の偏心光学系は、第1の実施形態のプリズム1に代えてプリズム20を設け、プリズム20の反射光路から射出される略平行光束を像面11に結像するレンズ28(集光手段)を設け、入射光束51を反射光路と透過光路とに分岐して、それぞれプリズム20の外部の像面11、12に結像する光学系である。以下、第1の実施形態と異なる点について簡単に説明する。
プリズム20は、図4(a)に示したように、プリズム1の透過面3、反射面4、反射面5、分岐面6、透過面7に代えて、それぞれ透過面21(第1面)、反射面22(第2面)、反射面23(第3面)、分岐面24(第4面)、透過面25(第5面)を備えたものである。そして、それにより、プリズム1の1次像面8に対応して、プリズム20内部に1次像面26が形成され、プリズム1の射出瞳9に対応して、プリズム20外部の透過面25の近傍に射出瞳27が形成されるものである。
すなわち、後述する数値実施例に合わせて符号を変えているものの、本実施形態は、第1の実施形態のプリズム1とレンズ28とを組み合わせて、入射光束51を入力してプリズム外部の異なる位置に2つの実像を形成するようにしたのと同等のものである。したがってそれぞれの光学作用面の構成、作用などについては、条件式(1)〜(5)を満足することが好ましい点も含めて、第1の実施形態と同様であるので説明を省略する。
レンズ28は、射出瞳27から射出される略平行光束の実像を形成できれば、どのような光学素子でもよく、正のパワーを有する適宜の光学素子、例えば、球面レンズ、非球面レンズ、フレネルレンズ、反射鏡、ホログラム素子などが採用できる。
なお、レンズ28は、必要に応じて透過面25射出後の軸上主光線50に対して偏心または傾斜して配置することが好ましい。また、良好に収差補正するためには、回転非対称面を含むことが好ましい。
このような構成によれば、入射光束51を、透過光路においては4つの光学作用面により良好な収差補正を行って像面12に結像させることができ、反射光路においては5つの光学作用面により良好な収差補正を行って透過面25の近傍のプリズム20外部に射出瞳27を形成してから、レンズ28により像面11に結像させることができる。したがって、それぞれの像面12、11に受光手段、例えば、受光器、位置検出センサ、CCDなどの撮像素子を配置すれば、入射光束51を2つの倍率の異なる像により同時に受光して、それぞれの受光手段に応じて情報を得ることができる。
また、それぞれの光学作用面のパワーなどを変えることにより、反射光路、透過光路のそれぞれの近軸焦点距離を独立に変えることができるから、入射光束51の入射画角が変化する場合、同じ入射角に対する像面12、11上の像の移動距離、移動速度などをそれぞれ変えることができる。したがって、入射光束51の情報として、これら像面上の移動距離、移動速度を検出することにより、検出感度の異なる光束の入射画角検出を行うことができるものである。
次に本実施形態の変形例について説明する。
本変形例は、図4(b)に示したように、上記第2の実施形態の一例において、透過光路上の分岐面24と像面12との間に正または負のパワーを有するレンズ29(集光手段)を配置したものである。
レンズ29は、レンズ28と同様、パワーを有する他の光学素子を採用することができ、分岐面24を射出する軸上主光線50に対して偏心または傾いて配置された回転非対称面を含むようにすることが好ましい。
これにより、分岐面24の形状を変えることなく、必要に応じて像面12の位置や像面12上の像の倍率を変えることができる。したがって、2つの実像の倍率を容易かつそれぞれ独立に変えることができるという利点がある。また、プリズム20に汎用性を持たせることができ、種々の光学系に用いる場合でも、プリズム20の形状を共通化することができるという利点がある。
また、レンズ28、29により、パワーを分担することにより、プリズム20の各光学作用面の形状を簡素なものとすることが可能となり、製作コストを抑えることができるという利点がある。
本実施形態では、レンズ29として正のパワーを有するレンズを用いることにより、図4(a)に比して大きな画角であってもコンパクトな受光面上に結像することができる。例えば、後述する第3、4の数値実施例に示すように、例えば、図4(a)では半画角1°、像面の像高4mmに対して、図4(b)は半画角1.6°、像面の像高2.4mmというように、格段にコンパクト化することができる。
[第3の実施形態]
本発明の第3の実施形態に係る偏心光学系について説明する。
図5は、本発明の第3の実施形態に係る偏心光学系の一例について説明するための軸上主光線の光路を含む断面における光路図である。なお、図5では、2つの光路を重ね合わせて描いている。図6(a)、(b)はそれぞれの光路を分けて示したものである。図6(a)は、入射画角が0°および±0.8°(紙面垂直軸回り)、図6(b)は、入射画角が0°および±1°(紙面垂直軸回り)、の光線をそれぞれ主光線と2本の従属光線とにより描いている。
本発明の第3の実施形態に係る偏心光学系の一例について説明する。
本実施形態の偏心光学系は、図5に示したように、第1の実施形態のプリズム1に代えてプリズム30を設け、プリズム30の反射光路から射出される略平行光束を像面11に結像するレンズ38(集光手段)を設け、入射光束51を反射光路と透過光路とに分岐して、それぞれプリズム30の外部の像面11、12に結像する光学系である。以下、第1の実施形態と異なる点について簡単に説明する。
プリズム30は、プリズム1の透過面3、反射面4、反射面5、分岐面6、透過面7に代えて、それぞれ透過面31(第1面)、反射面32(第2面)、反射面33(第3面)、分岐面34(第4面)、透過面35(第5面)を備えたものである。そして、それにより、プリズム1の1次像面8に対応して、プリズム30内部に1次像面36が形成され、プリズム1の射出瞳9に対応して、プリズム30外部の透過面35の近傍に射出瞳37が形成されるものである。
レンズ38は、第2の実施形態のレンズ28と同様の光学素子である。
プリズム30の各光学作用面は、図5において、図示反時計回りに、透過面31、分岐面34、透過面35、反射面32、反射面33の順に配置されている。そして、第1面から第3面までの配置は、プリズム1、20と同様であり、第2面、第3面の傾き角が、条件式(4)を満足するものである。
一方、プリズム1、20とは異なり、第5面は、第3面と第2面との間に位置する。したがって、第4面により反射されて第5面に向かう光路の軸上主光線50は、第1面から第2面に向かう軸上主光線50および第2面から第3面に向かう軸上主光線50のいずれとも交差しないものである。
このため、プリズム30内で光路が交差することによって小型化できる利点は少ないものの、反射光路側の射出光束を入射光束51の進行方向に向けて、その方向と略平行または比較的浅い角度で交差するように射出させることができる。その結果、入射光束51と交差する方向にスペースの空きが少ない場合にも光学系を配置することができるという利点がある。
[第4の実施形態]
本発明の第4の実施形態に係る光捕捉追尾装置について説明する。本実施形態の光捕捉追尾装置は、受光装置部分と送光装置部分とからなる。
図7は、本発明の第4の実施形態に係る光捕捉追尾装置の一例の概略構成について説明するための断面模式図である。
本発明の第4の実施形態に係る光追尾装置100(光捕捉追尾装置)について説明する。光追尾装置100は、略平行な入力光を追尾可能に送受光する装置であって、特に空間光通信分野において好適に用いることができる装置である。
まず光追尾装置100の受光装置部分について説明する。
光追尾装置100の受光装置部分の概略構成は、筐体43(装置外装)、偏心光学系40、可動反射素子71(光偏向手段)、受光部72、偏向制御手段56、制御装置41、入力信号制御手段42およびジンバルステージ44(追尾移動機構)からなる。
筐体43は、後述する各部材を一体に保持する保持部材と外装部材とを兼ねた部材であり、例えば、箱形などの適宜形状とされている。そして、その外表面の一部に入射光束51の入射瞳となる開口部である開口絞り43aが設けられている。すなわち、通常の使用状態において入射光束51が筐体43に照射されたとき、最初に入射光束51の光束径を規制する実質的な絞りとして設けられており、第1〜3の実施形態に係る偏心光学系における開口絞り2を具現化する部材となっている。
開口絞り43aは、筐体43と別部材で形成されてもよく、また厳密に筐体43の外表面に設ける必要もない。例えば、通常の使用状態において入射光束51を遮る恐れのない形状であれば、フレア光の入射を防止するフードなどが開口絞り43aの回りに設けられていてもよい。
また、開口絞り43aは、光学的に開口していればよく、例えば集光に必要な波長光を透過させるカバーガラスなどで覆ってもよい。
偏心光学系40は、図1に示した本発明の第1〜3の実施形態に係る偏心光学系に用いるプリズム1、15、20、30などを採用することができる。その際、開口絞り43aが上記の開口絞り2の位置となるように筐体43に適宜の支持部材(不図示)を介して固定される。
そして、偏心光学系40の透過光路の像面12には、入射光束51の像を観察したり、情報を得たりするための受光器12Aが配置される。そして、受光器12Aの検出信号は、検出信号105として送出される。
可動反射素子71は、2軸方向に回動可能とされた平面の反射面71aを備えた光学素子で、例えば、アクチュエータなど適宜の回動駆動手段により駆動されるガルバノミラー、光MEMS(Micro Electro Mechanical Systems)などが採用できる。そして、反射面71aが偏心光学系40の射出瞳9に略重なる位置に配置される。
受光部72は、偏心光学系40の反射光路から射出される光束を可動反射素子71で反射して複数の光路に分岐し複数の受光面上に集光する光学系である。すなわち、本発明の第2、3の実施形態におけるレンズ28、38と同様の集光レンズであるレンズ73を可動反射素子71の中立位置における光路上に配置し、その像側の像面11に受光器11Aを配置して1つの受光面を形成する。そして、可動反射素子71とレンズ73の間に、物体側からビームスプリッタ52A、52B(光路分岐手段)を配置し、それぞれで分岐された光路上に、それぞれ集光レンズ53A、53B(集光手段)を配置し、その像側に受光器54A、54Bを設ける。そして、受光器54A、54Bの受光面54a、54bにおいて、分岐された光束を受光できるようにしたものである。
このように、光追尾装置100の受光装置部分は、本発明の第2、3の実施形態における偏心光学系を含んだ構成とされている。
ビームスプリッタ52A、52Bは、可動反射素子71で反射された略平行光束の光路をそれぞれ分岐する光学素子である。例えばハーフミラーコーティングを施したビームスプリッタプリズム、ハーフミラーや、偏光特性により光路を分岐する偏光ビームスプリッタ(PBS)や、波長特性により光路を分岐する光学素子などが採用できる。
集光レンズ53A(53B)は、ビームスプリッタ52A(52B)で分岐された略平行光束を受光器54A(54B)の受光面54a(54b)上に集光するための光学素子である。
受光器54A、54Bは、入射光束51の入射方向のずれ量を検出するためのもので、例えば、CCD、PSD、4分割PDなどの結像位置を検出可能な位置検出センサが採用できる。そして、それぞれの位置検出感度が異なる構成とされている。ここでは、受光器54Aが受光器54Bよりも広範囲の位置検出を行うとして説明する。例えば、集光レンズ53A、53Bの焦点距離や配置位置を変えて、入射角が変化したときの受光面54a上での光束の移動量が受光面54b上の移動量よりも小さくなる構成を採用できる。
そして受光器54A、54Bには、それらの検出信号を信号処理などして光束の結像位置情報または位置ずれ量を算出するための入射方向検出手段55A、55Bが接続されている。入射方向検出手段55A、55Bは、その算出結果を入射光束51の入射方向に換算し、適切な入射方向に合わせて筐体43の位置を制御するための制御信号(位置信号)を出力できるようになっている。
入射方向のずれ量に対して感度の高い入射方向検出手段55Bは、検出量に基づく制御信号104を、制御装置41を経由して可動反射素子71の偏向角を制御するための偏向制御手段56に入力できるようになっている。そして、偏向制御手段56が制御信号104によって制御される。
制御装置41は、入射方向検出手段55A、55Bが出力する制御信号に基づいて、筐体43の方向を適宜移動させるための制御信号102を生成するための装置である。
入力信号制御手段42は、像面11に結像され、光電変換された電気信号に適宜の信号処理を施し、装置外部に入力信号101を送出するための装置である。特に空間光信号伝送における受光部として用いるためには、受光光束から情報信号を含む変調光を取り出すための変調光検出手段を備える構成とする。
ジンバルステージ44は、筐体43を2軸方向に姿勢制御可能に保持する移動機構であり、垂直回転駆動部44aおよび水平回転駆動部44bが支持台44c上に保持され、垂直回転駆動部44aと水平回転駆動部44bとの移動量を制御するための駆動制御手段44dを備えてなる。
水平回転駆動部44bと垂直回転駆動部44aは、それぞれ鉛直軸回りの回転と水平軸回りの所定角の回転とが可能とされ、それぞれの回転角制御可能な制御モータ(不図示)などによる機構により、駆動可能とされる。
駆動制御手段44dは、制御装置41が生成した制御信号に基づき、垂直回転駆動部44a、水平回転駆動部44bの回転駆動量を算出して、所定の回転駆動を行うための手段である。
本実施形態の光追尾装置100の受光装置部分によれば、入射光束51の入射方向が適切な範囲にあれば、入射光束51が開口絞り43aに入射する。入射光束51は、開口絞り43aに比べて大きな光束径を有しており、通常の使用範囲では入射画角が変動しても開口絞り43aが光束径の内部に位置する。そこで、開口絞り43aに入射した入射光束51は、偏心光学系40内の反射光路をたどって像面11に結像する。そして受光器11Aの検出出力が入力信号制御手段42に送られ、入力信号101が装置外部に送出される。ここで、初期状態では、可動反射素子71の偏向角を軸上主光線が像面11の中心に到達する中立位置に固定しておく。
また、ビームスプリッタ52A(52B)で分岐された略平行光束は、集光レンズ53A(53B)により集光されて受光器54A(54B)に到達する。そして、受光位置に応じた検出出力が入射方向検出手段55A(55B)に送られる。
一方、入射光束51の光路が変動したり、筐体43の位置が不適切であったりする場合、つまり、開口絞り43aに対して入射画角を持つ場合、それぞれの受光面上の位置がずれる。
そこで、入射方向検出手段55Bは、偏心光学系40の光学特性から定まる入射光束51の入射方向と受光面54b上の受光位置との関係に基づいて可動反射素子71の回動量(偏向量)を演算し、制御装置41および偏向制御手段56に制御信号104として送る。そして可動反射素子71を制御して追尾を行う。その際、常に入射画角が入射方向検出手段55Bの検出可能範囲となるように、制御装置41によりジンバルステージ44の移動量が制御される。
また、入射方向検出手段55Aは、偏心光学系40の光学特性から定まる入射光束51の入射方向と受光面54a上の受光位置との関係に基づいて筐体43の移動量を演算し、駆動制御手段44dおよび制御装置41に制御信号102として送る。入射方向検出手段55Aは、検出範囲の一定領域を超えた場合はその旨を制御装置41に通知する。入射方向検出手段55Aは広い検出範囲を有しており、入射方向検出手段55Aからの信号によりジンバルステージ44を制御することにより常に位置検出を行うことを可能としている。
制御装置41は、入射方向検出手段55A、55Bから制御信号を受け取ると、駆動制御手段44dに制御信号102を送る。制御信号102は、筐体43の移動目標位置を定めるものである。移動目標位置は、入射光束51の光軸と偏心光学系40の入射光軸が所定の範囲で一致するように設定される。
この場合、ジンバルステージ44が高精度な移動が可能であれば、入射方向検出手段55Bのより高分解能の位置情報に基づいて移動量を制御するようにしてもよいが、高速に移動するためには、入射方向検出手段55Aのより広範囲の位置情報に基づいて、概略目標位置まで移動させるように制御信号102を生成することができる。概略目標位置は少なくとも受光器54Bに検出出力が発生する程度に正確な目標値とする。
そのような概略目標値まで移動したら、ジンバルステージ44を停止して位置を保持する。そして、制御装置41から偏向制御手段56に送られる制御信号に基づいて、可動反射素子71を回動させ、像面11上で受光位置が一定位置となるように偏向角制御行う。ただし、入射光の入射角が連続的に変化し続ける場合は、ジンバルステージ44と可動反射素子71が連携して常に最適な受光状態を維持するよう制御を行う。
例えば、光通信分野においては、通信速度が高速化するにつれて受光器11Aなどの受光面積が微小化している。特に、受光器11Aの受光面が光ファイバ端面である場合には、例えばコア径10μm以下のきわめて細径化されている受光面に微小スポット径の光束を結合することが要求されている。
このような微動制御をジンバルステージ44のみで行う場合には、きわめて高い精度が要求される。その場合は、可動反射素子71(ガルバノミラー)にて高精度の追尾を行うことが望ましい。
次に、第4の実施形態に係る光捕捉追尾装置の送光装置部分について説明する。
光追尾装置100の送光装置部分は、光源部70、出力信号制御手段63、ハーフミラー60(光路合成手段)を設けることにより、送光機能を備えるようにしたものである。
光源部70は、半導体レーザ62と、半導体レーザ62の発散光束を平行な出力光とするためのコリメートレンズ61とを備える。
出力信号制御手段63は、送光される光束で搬送する出力信号103に応じて半導体レーザ62を駆動制御するための手段である。
ハーフミラー60は、可動反射素子71とビームスプリッタ52Aとの間の光路中に配置され、その光路内において物体側から入射する光束を略透過させ、光源部70から射出される出力光の光軸を物体側へ反射するための光学素子である。ハーフミラー60は、例えば、ビームスプリッタ52Aに好適に用いることができる光学素子を同様に採用することができる。
光追尾装置100の送光装置部分は、光源部70からの配置位置をハーフミラー60に対して調整し、光源部70が射出する出力光の光軸と、可動反射素子71とビームスプリッタ52Aとの間の軸上主光線に一致させるように入射させる。その結果、出力光は、可動反射素子71近傍の射出瞳9、偏心光学系40に入射し、その反射光路を逆進して入射瞳である開口絞り43aから筐体43の外部に射出される。
その際、可動反射素子71の偏向角は、入射光束51を像面11の所定位置に結像させるように制御されるので、その光路内の軸上主光線は一定となるから、出力光の射出方向を制御するために光源部70の位置を可変することなく、固定した状態で常に正確な方向に向けて出力光を射出することができる。すなわち、出力光が、入力光の通る光路を逆進して装置外部に射出される送光機能を備える。
このように、光追尾装置100の受光装置部分においては、入射画角が変動しても、光捕捉追尾可能な受光装置とすることができ、受光光量変動の少ない安定した受光を行うことができる。そして、概略の粗動移動はジンバルステージ44で行い、より高速な制御が必要な微動制御は、光束の偏向角を可動反射素子71で制御することにより行うので、例えば、空間光通信のように高精度かつ高速応答性が求められる場合にきわめて好適な光捕捉追尾装置とすることができる。
このような光追尾装置100の送光装置部分においては、偏心光学系40の主要部を送光時にも兼用するので、少ない部品点数で装置を構成することができるとともにコンパクトな装置とすることができるという利点がある。また、入力光を光捕捉追尾するのみで、出力光を正確に射出できるので、簡素な構成とすることができ、安価な装置とすることができる利点がある。
したがって、本実施形態の光追尾装置100によれば、第1〜3の実施形態の偏心光学系の作用効果を備えるとともに、入力光に高精度かつ高効率に光捕捉追尾して安定した送受光を行うことができる光捕捉追尾装置とすることができる。
なお、光捕捉追尾装置を2台、距離を隔てて対向させて配置すれば、互いに送光装置部分と受光装置部分の両方を有し、かつ、光捕捉追尾可能な構成としているので、相対位置が変化しても追尾により安定して双方向の送受光を行うことのできる空間光通信用光学システムとすることができる。
また、一方を受光装置部分の偏心光学系以外の受光専用部分を省略し、出力信号制御手段と略平行光束を放射する光源部と偏心光学系とで構成された送光装置とする。そして、対向して離れた位置に配置された他の一方を偏心光学系以外の送光装置部分を省略し、例えば、偏心光学系40、可動反射素子71、集光手段53A、53B、受光器54A、54B、入射方向検出手段55A、55B、制御装置41、偏向制御手段56で構成された光捕捉追尾可能な受光装置とする。これにより、光捕捉追尾を行う1方向の空間光通信用光学システムとすることができる。
さらに、送光装置の出力信号制御手段により信号変調のされていない光を搬送するビーコン光とし、受光器11Aや受光装置の入力信号制御手段42を省略すれば、空間光通信には限らない光捕捉追尾用光学システムとすることができる。
また、双方向、一方向の空間光通信用光学システムにおいて、送光側、受光側のそれぞれに偏心光学系の光軸とアラインメントのとれた偏心光学系とは別の光学系を配置して、空間光通信の信号光を送受信するようにすれば、追尾と送受光の光学系が別体の空間光通信用光学システムとすることもできる。
また、ビーコン光の送光装置部分だけを偏心光学系の光軸とアラインメントのとれた、偏心光学系とは別の光学系とすることもできる。
また、ビル間などの相対的位置変化のない場合、受光装置(部分)の追尾に関するものを省略することにより、固定の偏心光学系を備えた双方向、一方向の空間光通信用光学システムとすることができる。
なお、上記のいずれの実施形態においても、条件式(1)〜(5)、式(1a)〜(5a)、式(1b)〜(4b)は、適宜組み合わせて用いることができる。
なお、上記第1〜3の実施形態の説明では、偏心光学系として、第4面を分岐面とする例で説明したが、2つの異なる光路を必要としない場合や、第4面または第5面を射出した後に、光路を分岐して、複数の光路を形成する場合には、第4面を分岐面としなくともよい。あるいは、分岐面としてもよいが、反射光、透過光のいずれかを用いるだけでもよい。
また、第4面を反射面として、第5面を射出された光束のみを利用したり、第4面を透過面として、第4面から射出された光束を利用したりしてもよい。その場合、第4面のコーティングはそれぞれ、透過率の低い反射コーティング、低反射コーティング(ARコーティング)が採用できる。
また、上記第1〜3の実施形態の説明では、第4面を内部入射光に対する反射率を制御する反射コーティング、ハーフミラーコーティングを施して形成する例で説明したが、第4面を分岐面とするために他のコーティングを採用してもよい。
例えば、偏光ビームスプリッタコーティング(PBSコーティング)を行い、第4面に到達する光束の偏光状態に応じて分岐を行うようにしてもよい。入力光が第4面に至るまでに偏光状態に応じてPBSコーティングを変えることにより、分岐光量比を調整することができる。また必要なら適宜の偏光子などの偏光状態を偏光する光学素子を適宜の位置に配置してもよい。
また例えば、ダイクロイックビームスプリッタコーティングを行い、第4面に到達する光束の波長に応じて分岐を行うようにしてもよい。
また、上記の第1〜3の実施形態の説明では、プリズム外に2つの像面が形成される例で説明したが、プリズム外の光路に分岐面を設けて、複数の光路に分岐し、複数の像面を設けてもよい。そうすれば、それぞれの像面に受光素子や位置検出手段を配置することができるから、それらの出力を用いてさらに高精度の位置検出などを行うことができるという利点がある。
また、上記第3の実施形態の説明では、制御装置41、入力信号制御装置42、偏向制御手段56が筐体43内にある例で説明したが、これらは筐体43とは別個に配置してもよいことは言うまでもない。
また、上記第4の実施形態の説明では、光路合成手段を回動可能な反射面と第1光路分岐手段との間に設けた例で説明したが、射出瞳より像側であれば、どこに配置してもよい。例えば、光路分岐手段同士の間や、像側でもよい。また例えば、集光手段の像側に配置してもよい。この場合、光源部は集光手段の光学素子を、平行光束化するための光学素子として兼用してもよい。
また、上記第4の実施形態の説明では、偏心光学系が装置外装に収められ、装置外装ごと追尾移動機構で移動される例で説明したが、追尾移動するのは偏心光学系のみでよい。したがって、開口絞り43aを装置外装に設けず、装置外装の内部に偏心光学系を保持する光学ユニットを設け、その光学ユニットを追尾移動機構で移動するようにしてもよい。その際、入射方向検出手段、回動制御手段などの偏心光学系以外のものは光学ユニット外に設けることができる。そうすれば、追尾移動機構が移動させる慣性が軽減されるので、より高速に光捕捉追尾を行うことができる。
また、上記第4の実施形態の説明では、反射光路側の光束を受光して入力信号制御装置42、制御装置41に入力する例で説明したが、必要に応じて、受光器12Aの検出信号105を入力するようにしてもよい。
次に、上記に説明した第1の実施形態の偏心光学系の第1の数値実施例を、図2(a)、(b)を参照して説明する。
下記に第1の数値実施例の、光学系の構成パラメータを示す。図2(a)、(b)に表記されたr、d(iは整数)は、下記に示す光学系の構成パラメータのr、dに対応する。また屈折率については、d線(波長587.56nm)に対するものを表記している。これらの表記は以下の参照図面すべてに共通である。
光路1は、分岐面6で反射される光束が進む光路(図2(a)参照)であり、光路2は、分岐面6で透過される光束が進む光路(図2(b)参照)である。
なお、自由曲面(FFS)および偏心のデータのうち、光路1、2に共通するものは、[]内に共通の番号を付して重複を避けた。
座標系などは上記に説明しているので説明は省略する。偏心の表示におけるα、β、γは、それぞれ上記に傾き角の方向として説明した方向の角度を示す。長さの単位は(mm)、角度の単位は(°)である。また、偏心の原点および回転中心は、データ中に適宜注記している。
また自由曲面は、上記に説明した式(a)で与えられる。なお、データの記載されていない自由曲面、非球面に関する項は0である。
(光路1)
面番号 曲率半径 面間隔 偏心 屈折率 アッベ数
物体面 ∞ ∞
1 ∞(絞り面) d1 = 2.00
2 FFS[1] d2 = 0.00 偏心[1] n1 = 1.5254 ν1 = 56.2
3 FFS[2] d3 = 0.00 偏心[2] n2 = 1.5254 ν2 = 56.2
4 FFS[3] d4 = 0.00 偏心[3] n3 = 1.5254 ν3 = 56.2
5 FFS[4] d5 = 0.00 偏心[4] n4 = 1.5254 ν4 = 56.2
6 ∞(1次像面) d6 = 0.00 偏心[5] n5 = 1.5254 ν5 = 56.2
7 FFS[5] d7 = 0.00 偏心[6]
8 ∞(射出瞳) d8 =10.00 偏心[7]
9 ∞(理想レンズ) d9 =10.00
像 面 ∞ d10= 0.00

FFS[1]
4 1.1916x10-26 1.9672x10-38 5.8335x10-5
10 9.3853x10-611 8.3918x10-713 -7.9209x10-7
15 6.9622x10-717 1.9564x10-819 1.6950x10-8
21 -5.4054x10-9
FFS[2]
4 8.4125x10-46 -3.1221x10-38 2.6985x10-5
10 -1.9713x10-511 -5.3738x10-713 -3.5866x10-7
15 -6.0551x10-917 -2.1823x10-819 1.8897x10-9
21 -1.1519x10-9
FFS[3]
4 -2.3965x10-36 -6.8603x10-38 3.6261x10-6
10 -7.4904x10-511 -2.9687x10-613 -3.0602x10-6
15 1.0182x10-617 -1.2686x10-719 -1.9603x10-8
21 5.7999x10-9
FFS[4]
4 -7.2261x10-46 -8.3825x10-48 7.9289x10-6
10 6.6475x10-611 -5.0317x10-713 -6.4622x10-7
15 -3.0789x10-717 -6.6292x10-819 -1.2786x10-8
21 -1.7236x10-8
FFS[5]
4 9.7263x10-26 9.7160x10-28 -2.9297x10-4
10 -2.4558x10-411 1.8329x10-413 2.0941x10-4
偏心[1]
X 0.00 Y 0.00 Z 13.94
α -17.73 β 0.00 γ 0.00
偏心[2]
X 0.00 Y -4.44 Z 55.08
α -32.64 β 0.00 γ 0.00
偏心[3]
X 0.00 Y 27.18 Z 36.16
α -81.34 β 0.00 γ 0.00
偏心[4]
X 0.00 Y -32.53 Z 21.74
α -112.60 β 0.00 γ 0.00
偏心[5]
X 0.00 Y 28.02 Z 59.03
α 69.57 β 0.00 γ 0.00
偏心[6]
X 0.00 Y 40.91 Z 66.97
α -124.22 β 0.00 γ 0.00
偏心[7]
X 0.00 Y 50.02 Z 72.29
α 59.71 β 0.00 γ 0.00
(光路2)
面番号 曲率半径 面間隔 偏心 屈折率 アッベ数
物体面 ∞ ∞
1 ∞(絞り面) d1 = 2.00
2 FFS[1] d2 = 0.00 偏心[1] n1 = 1.5254 ν1 = 56.2
3 FFS[2] d3 = 0.00 偏心[2] n2 = 1.5254 ν2 = 56.2
4 FFS[3] d4 = 0.00 偏心[3] n3 = 1.5254 ν3 = 56.2
5 FFS[4] d5 = 0.00 偏心[4] n4 = 1.5254 ν4 = 56.2
像 面 ∞ d11= 0.00 偏心[8]

偏心[8]
X 0.00 Y -88.32 Z 13.08
α 79.29 β 0.00 γ 0.00
本実施例の偏心光学系の光学特性値のうち、入射瞳径D、半画角φ、φ、像面の像高(半角)H、H、1次像面までの近軸焦点距離F、FY、1次像面から第5面までの空気換算長L、および式(1)〜(5)に関する計算値は、各実施例の値とともに次表に記載した。
ここで添字X、Yは、それぞれ、X、Y軸方向に関する距離、回転角を表すものとし、以下の実施例においても同様に表記する。
Figure 2005249859
したがって、本実施例は、式(1)〜(5)を満足し、さらに式(1b)〜(4b)、式(5a)をも満足する偏心光学系となっている。
また、上表の条件における本実施例の横収差図を図8〜10(光路1)、図11〜13(光路2)に示した。各図に付された添字(1a)、(1b)、…、(6a)、(6b)は、添字aがY軸方向、添字bがX軸方向を意味し、数字1〜6が、光束の画角に対応する。各添字が対応する画角の組合せは以下の通りである。
添字 Y軸方向半画角 X軸方向半画角
1 −|φ| +|φ
2 −|φ| 0
3 0 0
4 +|φ| 0
5 +|φ| +|φ
6 0 +|φ
すなわち、添字3は光軸上の横収差を示す。
各図において、横軸は、開口比を示し、縦軸は、添字a、bに対応してそれぞれY−Z平面(Y方向)、X−Z平面(X方向)の波長780nmにおける横収差を示す。横収差の単位は(mm)である。これらは以下のすべての図14〜16にも共通である。
図8〜10から分かるように、いずれの半画角においても、横収差は±0.1mm(光路1)、±0.05mm(光路2)の範囲に収まる良好な収差特性が得られた。
なお、面番号9の理想レンズは、偏心光学系のみの収差を示すため便宜的に用いたものである。
次に、上記に説明した第1の実施形態の偏心光学系の第1変形例に係る第2の数値実施例を、図3を参照して説明する。
下記に第2の数値実施例の、光学系の構成パラメータを示す。
透過光路は、第1の数値実施例の光路2と同じなので省略し、分岐面6で反射される光束が進む光路(光路1)のみ記載する。座標系その他は実施例1と同様である。
また、本実施例では、プリズム15とレンズ17との屈折率を同一にしたので、接合面16では屈折が起こらないため下記では接合面16の記載を省略している。
また、下記において、FFS[1]〜FFS[4]と、偏心[1]〜偏心[5]とは、第1の数値実施例と同一の値とする。そのため下記では記載を省略する。
(光路1)
面番号 曲率半径 面間隔 偏心 屈折率 アッベ数
物体面 ∞ ∞
1 ∞(絞り面) d1 = 2.00
2 FFS[1] d2 = 0.00 偏心[1] n1 = 1.5254 ν1 = 56.2
3 FFS[2] d3 = 0.00 偏心[2] n2 = 1.5254 ν2 = 56.2
4 FFS[3] d4 = 0.00 偏心[3] n3 = 1.5254 ν3 = 56.2
5 FFS[4] d5 = 0.00 偏心[4] n4 = 1.5254 ν4 = 56.2
6 ∞(1次像面) d6 = 0.00 偏心[5] n5 = 1.5254 ν5 = 56.2
7 r1 = 5.161 d7 = 0.00 偏心[6]
8 ∞(射出瞳) d8 =10.00
9 ∞(理想レンズ) d9 =10.00
像 面 ∞ d10= 0.00

偏心[6]
X 0.00 Y 40.91 Z 66.97
α -122.92 β 0.00 γ 0.00
実施例1中の表にともに記載したように、本実施例は、式(1)〜(5)を満足し、さらに式(1b)〜(4b)、式(5a)をも満足する偏心光学系となっている。そして、第1の数値実施例と略同一の光学特性を示す光学系となっている。
また、上表の条件における本実施例の横収差図を図14〜16に示した。各図に付された添字、グラフの軸、単位などは、第1の数値実施例と同じである。
図14〜16から分かるように、いずれの半画角においても、横収差は±0.5mmの範囲に収まる良好な収差特性が得られた。
なお、面番号9の理想レンズは、偏心光学系のみの収差を示すため便宜的に用いたものである。
次に、上記に説明した第2の実施形態の偏心光学系の一例に係る第3の数値実施例を、図4(a)を参照して説明する。
下記に第3の数値実施例の光学系の構成パラメータを示す。
光路1は、分岐面24で反射される光束が進む光路であり、光路2は、分岐面24で透過される光束が進む光路である。座標系その他は実施例1と同様である。
(光路1)
面番号 曲率半径 面間隔 偏心 屈折率 アッベ数
物体面 ∞ ∞
1 ∞(絞り面) d1 = 2.00
2 FFS[1] d2 = 0.00 偏心[1] n1 = 1.5254 ν1 = 56.2
3 FFS[2] d3 = 0.00 偏心[2] n2 = 1.5254 ν2 = 56.2
4 FFS[3] d4 = 0.00 偏心[3] n3 = 1.5254 ν3 = 56.2
5 FFS[4] d5 = 0.00 偏心[4] n4 = 1.5254 ν4 = 56.2
6 ∞(1次像面) d6 = 0.00 偏心[5] n5 = 1.5254 ν5 = 56.2
7 FFS[5] d7 = 0.00 偏心[6]
8 ∞(射出瞳) d8 =10.00 偏心[7]
9 r9 = 9.2386 d9 = 5.00 n6 = 1.5168 ν6 = 64.1
10 r10=-15.855 d10= 9.88
像 面 ∞ d11= 0.00

FFS[1]
4 1.3226x10-26 3.4209x10-38 5.4391x10-5
10 1.7980x10-511 1.1213x10-613 -5.7590x10-7
15 4.5880x10-717 2.3876x10-819 2.1772x10-8
21 -2.9474x10-9
FFS[2]
4 1.1521x10-36 -3.2517x10-38 3.6459x10-5
10 -1.6875x10-511 -8.9896x10-713 -4.2894x10-7
15 7.5657x10-917 -3.8729x10-819 -5.9025x10-10
21 -2.8563x10-10
FFS[3]
4 -3.2881x10-36 -8.6575x10-38 6.7149x10-6
10 -7.0663x10-511 -7.4101x10-613 -7.4085x10-6
15 1.5688x10-617 -3.8226x10-719 -1.1340x10-7
21 -2.4770x10-8
FFS[4]
4 6.3290x10-46 3.2583x10-48 1.4396x10-5
10 8.1710x10-611 -3.8600x10-613 -1.7106x10-6
15 -1.5518x10-717 -9.0781x10-719 -3.3000x10-7
21 -1.7745x10-7
FFS[5]
4 7.2252x10-26 6.6113x10-28 2.4499x10-3
10 2.0059x10-311 1.5862x10-513 2.0057x10-4
偏心[1]
X 0.00 Y 0.00 Z 12.36
α -18.40 β 0.00 γ 0.00
偏心[2]
X 0.00 Y -4.91 Z 56.07
α -30.02 β 0.00 γ 0.00
偏心[3]
X 0.00 Y 25.31 Z 33.81
α -79.74 β 0.00 γ 0.00
偏心[4]
X 0.00 Y -31.69 Z 17.62
α -113.95 β 0.00 γ 0.00
偏心[5]
X 0.00 Y 19.42 Z 49.63
α -121.87 β 0.00 γ 0.00
偏心[6]
X 0.00 Y 36.82 Z 60.50
α -110.26 β 0.00 γ 0.00
偏心[7]
X 0.00 Y 48.34 Z 69.60
α 51.68 β 0.00 γ 0.00
(光路2)
面番号 曲率半径 面間隔 偏心 屈折率 アッベ数
物体面 ∞ ∞
1 ∞(絞り面) d1 = 2.00
2 FFS[1] d2 = 0.00 偏心[1] n1 = 1.5254 ν1 = 56.2
3 FFS[2] d3 = 0.00 偏心[2] n2 = 1.5254 ν2 = 56.2
4 FFS[3] d4 = 0.00 偏心[3] n3 = 1.5254 ν3 = 56.2
5 FFS[4] d5 = 0.00 偏心[4] n4 = 1.5254 ν4 = 56.2
像 面 ∞ d11= 0.00 偏心[8]

偏心[8]
X 0.00 Y -66.96 Z 10.37
α 74.38 β 0.00 γ 0.00
実施例1中の表にともに記載したように、本実施例は、式(1)〜(5)を満足し、さらに式(1b)〜(4b)、式(5a)をも満足する偏心光学系となっている。
次に、上記に説明した第2の実施形態の偏心光学系の変形例に係る第4の数値実施例を、図4(b)を参照して説明する。
下記に第4の数値実施例の光学系の構成パラメータを示す。
光路1は、第3の数値実施例の光路1と同一なので省略し、分岐面24で透過される光束が進む光路(光路1)について示す。座標系その他は実施例1と同様である。
また、下記において、FFS[1]〜FFS[4]と、偏心[1]〜偏心[4]とは、第3の数値実施例と同一の値とする。そのため下記では記載を省略する。
なお、受光部は1/3インチCCDに対応し、水平1.6°、垂直1.2°となっている。
(光路2)
面番号 曲率半径 面間隔 偏心 屈折率 アッベ数
物体面 ∞ ∞
1 ∞(絞り面) d1 = 2.00
2 FFS[1] d2 = 0.00 偏心[1] n1 = 1.5254 ν1 = 56.2
3 FFS[2] d3 = 0.00 偏心[2] n2 = 1.5254 ν2 = 56.2
4 FFS[3] d4 = 0.00 偏心[3] n3 = 1.5254 ν3 = 56.2
5 FFS[4] d5 = 0.00 偏心[4] n4 = 1.5254 ν4 = 56.2
12 ∞ d12= 0.00 偏心[8]
13 r13= 15.07 d13= 5.17 n7 = 1.5163 ν7 = 64.1
14 r14=-441.02 d14= 0.00
像 面 ∞ d11= 0.00 偏心[9]

偏心[8]
X 0.00 Y -39.37 Z 16.29
α -100.05 β 0.00 γ 0.00
偏心[9]
X 0.00 Y -55.02 Z 15.00
α 79.37 β 0.00 γ 0.00
実施例1中の表にともに記載したように、本実施例は、式(1)〜(5)を満足し、さらに式(1b)、(2b)、(4b)、(5a)をも満足する偏心光学系となっている。
次に、上記に説明した第3の実施形態の偏心光学系に係る第5の数値実施例を、図6(a)、(b)を参照して説明する。
下記に第5の数値実施例の、光学系の構成パラメータを示す。
光路1は、分岐面34で反射される光束が進む光路であり、光路2は、分岐面34で透過される光束が進む光路である。座標系その他は実施例1と同様である。
(光路1)
面番号 曲率半径 面間隔 偏心 屈折率 アッベ数
物体面 ∞ ∞
1 ∞(絞り面) d1 = 2.00
2 FFS[1] d2 = 0.00 偏心[1] n1 = 1.5254 ν1 = 56.2
3 FFS[2] d3 = 0.00 偏心[2] n2 = 1.5254 ν2 = 56.2
4 FFS[3] d4 = 0.00 偏心[3] n3 = 1.5254 ν3 = 56.2
5 FFS[4] d5 = 0.00 偏心[4] n4 = 1.5254 ν4 = 56.2
6 ∞(1次像面) d6 = 0.00 偏心[5] n5 = 1.5254 ν5 = 56.2
7 非球面[1] d7 = 0.00 偏心[6]
8 ∞(射出瞳) d8 = 0.00 偏心[7]
9 r9 = 15.71 d9 = 5.20 偏心[8] n6 = 1.5168 ν6 = 64.1
10 非球面[2] d10= 0.00
像 面 ∞ d11= 0.00 偏心[9]

FFS[1]
4 1.3526x10-26 6.3108x10-38 3.7095x10-5
10 -4.2521x10-511 1.2401x10-613 7.8852x10-7
15 6.1274x10-817 2.6340x10-819 2.4319x10-9
21 -7.0736x10-9
FFS[2]
4 1.8780x10-36 -2.7373x10-38 5.9151x10-5
10 -3.4196x10-511 -1.2614x10-613 -2.8139x10-7
15 -3.1897x10-717 -3.6084x10-819 -7.0850x10-9
21 -7.2774x10-10
FFS[3]
4 -2.8320x10-36 -1.2351x10-28 9.7126x10-5
10 -1.9874x10-411 -1.0072x10-513 -1.6170x10-5
15 -1.2865x10-517 -1.1726x10-719 9.0514x10-8
21 6.1825x10-7
FFS[4]
4 -3.7190x10-36 -5.6577x10-38 -2.6053x10-5
10 -2.0448x10-511 -6.3260x10-613 -3.7161x10-6
15 -8.8217x10-717 4.3772x10-819 4.5824x10-7
21 5.6846x10-7
非球面[1]
c -5.72
k -6.7182x10-1
A 2.6209x10-4 B -1.2726x10-5 C 2.1221x10-7
非球面[2]
c -8.08
k -9.2333x10-1
A 3.6144x10-4 B -2.3069x10-7
偏心[1]
X 0.00 Y 0.00 Z 13.12
α -16.93 β 0.00 γ 0.00
偏心[2]
X 0.00 Y -5.05 Z 62.24
α -28.65 β 0.00 γ 0.00
偏心[3]
X 0.00 Y 26.15 Z 37.36
α -78.27 β 0.00 γ 0.00
偏心[4]
X 0.00 Y -37.42 Z 20.20
α -134.70 β 0.00 γ 0.00
偏心[5]
X 0.00 Y -30.28 Z 45.55
α 25.04 β 0.00 γ 0.00
偏心[6]
X 0.00 Y -25.69 Z 60.44
α 18.21 β 0.00 γ 0.00
偏心[7]
X 0.00 Y -23.77 Z 68.33
α 17.25 β 0.00 γ 0.00
偏心[8]
X 0.00 Y -19.94 Z 77.64
α 14.88 β 0.00 γ 0.00
偏心[9]
X 0.00 Y -15.56 Z 92.58
α 8.84 β 0.00 γ 0.00
(光路2)
面番号 曲率半径 面間隔 偏心 屈折率 アッベ数
物体面 ∞ ∞
1 ∞(絞り面) d1 = 2.00
2 FFS[1] d2 = 0.00 偏心[1] n1 = 1.5254 ν1 = 56.2
3 FFS[2] d3 = 0.00 偏心[2] n2 = 1.5254 ν2 = 56.2
4 FFS[3] d4 = 0.00 偏心[3] n3 = 1.5254 ν3 = 56.2
5 FFS[4] d5 = 0.00 偏心[4] n4 = 1.5254 ν4 = 56.2
像 面 ∞ d12= 0.00 偏心[10]

偏心[10]
X 0.00 Y -59.47 Z 21.69
α 91.53 β 0.00 γ 0.00
実施例1中の表にともに記載したように、本実施例は、式(1)〜(4)を満足し、さらに光路1では式(1b)、(2b)、(3a)、(4b)をも満足し、光路2では式(1b)〜(4b)をも満足する偏心光学系となっている。
本発明の第1の実施形態に係る偏心光学系の一例について説明するための軸上主光線の光路を含む断面における光路図である。 図1における反射光路、透過光路をそれぞれ分けて描いた光路図である。 本発明の第1の実施形態に係る偏心光学系の第1変形例について説明するための軸上主光線の光路を含む断面における光路図である。 本発明の第2の実施形態に係る偏心光学系の一例およびその変形例について説明するための軸上主光線の光路を含む断面における光路図である。 本発明の第3の実施形態に係る偏心光学系の一例について説明するための軸上主光線の光路を含む断面における光路図である。 図5における反射光路、透過光路をそれぞれ分けて描いた光路図である。 本発明の第4の実施形態に係る光捕捉追尾装置の一例の概略構成について説明するための断面模式図である。 第1の数値実施例における光路1の横収差図である。 同じく画角の異なる場合の横収差図である。 同じく画角の異なる場合の横収差図である。 第1の数値実施例における光路2の横収差図である。 同じく画角の異なる場合の横収差図である。 同じく画角の異なる場合の横収差図である。 第2の数値実施例における光路1の横収差図である。 同じく画角の異なる場合の横収差図である。 同じく画角の異なる場合の横収差図である。
符号の説明
1、15、20、30 プリズム
2、43a 開口絞り(入射瞳)
3、21、31 透過面(第1面)
4、22、32 反射面(第2面)
5、23、33 反射面(第3面)
6、24、34 分岐面(第4面)
7、25、35 透過面(第5面)
8、26、36 1次像面(プリズム内部の少なくとも一つの実像)
9、19、27、37 射出瞳
11、12 像面(受光面)
11A、12A、54A、54B 受光器(位置検出センサ)
16 接合面
17 レンズ
18 凸面(第5面)
28、38、73 レンズ(集光手段)
40 偏心光学系
41 制御装置
42 入力信号制御手段
43 筐体(装置外装)
44 ジンバルステージ(追尾移動機構)
44d 駆動制御手段
50 軸上主光線
51 入射光束(入力光)
52A、52B ビームスプリッタ(光路分岐手段)
53A、53B 集光レンズ(集光手段)
54a、54b 受光面
55A、55B 入射方向検出手段
56 偏向制御手段
60 ハーフミラー(光路合成手段)
61 コリメートレンズ
62 半導体レーザ
63 出力信号制御手段
70 光源部
71 可動反射素子(光偏向手段)
71a 反射面(回動可能な反射面)
72 受光部
100 光追尾装置(光捕捉追尾装置)
101 入力信号
102、104 制御信号
103 出力信号
105 検出信号

Claims (25)

  1. 略平行な光束を入力光とする偏心光学系であって、
    屈折率が1以上の媒質を有し、該媒質の境界面に互いに偏心または傾いて配置された少なくとも5つの光学作用面が、前記入力光が進む一つの光路に沿う順に第1面、第2面、第3面、第4面、第5面として設けられ、
    これら5つの光学作用面のうち少なくとも2面が回転非対称面で構成されたプリズムを備え、
    前記入力光が前記第1面〜第5面を順に進んで前記プリズム外部に射出される光路において、前記プリズム内部に少なくとも一つの実像が形成されるとともに、前記プリズム外部に射出瞳が形成されるよう構成されたことを特徴とする偏心光学系。
  2. 略平行な光束を入力光とする偏心光学系であって、
    屈折率が1以上の媒質を有し、該媒質の境界面に互いに偏心または傾いて配置された少なくとも5つの光学作用面が、前記入力光が進む一つの光路に沿う順に第1面、第2面、第3面、第4面、第5面として設けられ、
    これら5つの光学作用面のうち少なくとも1面が前記入力光の光路を透過光路と反射光路とに分岐する分岐面とされたプリズムを備え、
    前記反射光路が、前記入力光が前記第1面〜第5面を順に進んで前記プリズム外部に射出される光路であり、
    該反射光路または前記透過光路において、前記プリズム内部に少なくとも一つの実像が形成されるよう構成されたことを特徴とする偏心光学系。
  3. 請求項2に記載の偏心光学系において、
    前記プリズム外部に射出された光束により射出瞳が形成されるよう構成されたことを特徴とする偏心光学系。
  4. 請求項3に記載の偏心光学系において、
    前記反射光路の前記プリズム内部に、前記少なくとも一つの実像が形成され、
    前記反射光路の前記プリズム外部に、前記射出瞳が形成され、
    前記透過光路の前記プリズム外部に、他の実像が形成されるよう構成されたことを特徴とする偏心光学系。
  5. 請求項2〜4のいずれかに記載の偏心光学系において、
    前記分岐面で反射した光束の軸上主光線が、前記プリズム内部の少なくとも2つの軸上主光線と交差する光路と形成することを特徴とする偏心光学系。
  6. 請求項2〜5に記載の偏心光学系において、
    前記第1面が、前記入力光を前記プリズム内部に透過する透過面とされ、
    前記第2面が、前記第1面で透過された光束を反射する内部反射面とされ、
    前記第3面が、前記第2面で反射された光束を反射する内部反射面とされ、
    前記第4面が、前記第3面で反射された光束の光路を前記透過光路と前記反射光路とに分岐する前記分岐面とされ、
    前記第5面が、前記反射光路を進む光束を透過する透過面とされ、
    これら5つの光学作用面のうち少なくとも2面が回転非対称面からなり、
    前記プリズム内部の前記少なくとも一つの実像が前記反射光路に形成されるとともに、前記透過光路において前記プリズム外部に他の実像が形成されるように構成されたことを特徴とする偏心光学系。
  7. 請求項1〜6のいずれかに記載の偏心光学系において、
    前記第1面を透過し前記第2面に向かう軸上主光線に対して、前記第3面で反射して前記第4面に向かう軸上主光線と、前記第4面で反射して前記第5面に向かう軸上主光線とがそれぞれ交差するような位置関係に配置されることを特徴とする偏心光学系
  8. 請求項1〜7のいずれかに記載の偏心光学系において、
    前記第2面が、少なくとも前記プリズム内部のすべての軸上主光線を含む平面において正のパワーを有する回転非対称面からなることを特徴とする偏心光学系。
  9. 請求項1〜8のいずれかに記載の偏心光学系において、
    前記第3面が、少なくとも前記プリズム内部のすべての軸上主光線を含む平面において負のパワーを有する回転非対称面からなることを特徴とする偏心光学系。
  10. 請求項1〜9のいずれかに記載の偏心光学系において、
    前記プリズム内部の前記少なくとも一つの実像が、第4面と第5面との間に形成されることを特徴とする偏心光学系。
  11. 請求項1〜10のいずれかに記載の偏心光学系において、
    前記プリズム内部の前記少なくとも一つの実像までの近軸焦点距離をF、該実像の結像位置から前記プリズム外部に射出される射出面までの空気換算長をLとするとき、次式を満足することを特徴とする偏心光学系。
    0.01≦L/F≦0.3 ・・・(1)
  12. 請求項1〜11に記載の偏心光学系において、
    前記プリズム内部の前記少なくとも一つの実像までの近軸焦点距離Fとするとき、次式を満足することを特徴とする偏心光学系。
    60(mm)≦F≦500(mm) ・・・(2)
  13. 請求項1〜12のいずれかに記載の偏心光学系において、
    前記プリズム内部の前記少なくとも一つの実像までの近軸焦点距離をF、入射瞳径をDとするとき、比F/Dが次式を満足することを特徴とする偏心光学系。
    2≦F/D≦15 ・・・(3)
  14. 請求項1〜13のいずれかに記載の偏心光学系において、
    前記プリズムから射出された光束を受光面に集光する集光手段を少なくとも一つ備えたことを特徴とする偏心光学系。
  15. 請求項2〜14のいずれかに記載の偏心光学系において、
    前記反射光路の射出面の近傍に、前記射出面から射出された光束を集光または発散させるレンズが配置されたことを特徴とする偏心光学系。
  16. 請求項15に記載の偏心光学系において、
    前記反射光路の射出面および該射出面の近傍に配置されるレンズのレンズ面の一つが平面とされ、
    前記射出面と前記レンズとがそれぞれの平面同士を対向させて配置されたことを特徴とする偏心光学系。
  17. 請求項15または16に記載の偏心光学系において、
    前記反射光路の射出面と前記レンズとが互いに接合されたことを特徴とする偏心光学系。
  18. 請求項1、3〜17のいずれかに記載の偏心光学系と、略平行光束を放射する光源部とを含むことを特徴とする送光装置。
  19. 請求項18に記載の送光装置において、
    前記光源部から射出される前記略平行光束を前記射出瞳に入射するための光路合成手段を備えることを特徴とする送光装置。
  20. 請求項2に記載の偏心光学系と、略平行光束を放射する光源部とを含むことを特徴とする送光装置。
  21. 請求項1〜17のいずれかに記載の偏心光学系と、
    該偏心光学系の前記プリズム外部に射出された光束を受光して受光位置を検出する少なくとも一つの位置検出センサとを備えることを特徴とする受光装置。
  22. 請求項1〜17のいずれかに記載の偏心光学系と、
    該偏心光学系の前記プリズム外部に射出された光束を受光する少なくとも一つの受光器と、
    該受光器に接続された入力信号制御手段とを備えることを特徴とする受光装置。
  23. 略平行光を射出する送光装置と、該送光装置と離れて対向して配置された前記略平行光を入力光として受光する受光装置とを含む光学システムであって、
    前記受光装置が請求項1〜17のいずれかに記載の偏心光学系を備えることを特徴とする光学システム。
  24. 請求項23に記載の光学システムにおいて、
    前記受光装置の受光面の少なくとも一つが位置検出センサにより構成され、前記位置検出センサからの位置信号に基づき、光捕捉追尾することを特徴とする光学システム。
  25. 請求項23または24に記載の光学システムにおいて、
    前記送光装置には出力信号制御手段を有し、前記受光装置には入力信号制御手段を有しており、通信信号を変調して送受信することにより空間光通信が行えることを特徴とする光学システム。
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