JP2005249174A - 車両用ドラムブレーキ装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 ブレーキドラムの内周面に押圧されるライニングの面圧分布を均一化でき、しかも、単一のブレーキシューを車両の前進後退に拘わらず常にリーディングシューとして機能させることできる車両用ドラムブレーキ装置を提供する。
【解決手段】 アクチュエータ3,3がブレーキシュー2,2の内周部の中央部をそれぞれブレーキドラムの内周面に向けて径方向に押動することにより、ブレーキシュー2,2がブレーキドラムの内周面に向かって平行移動し、ブレーキシュー2,2の外周面に貼着された半円弧状のライニング1,1がブレーキドラムの内周面に均一に押圧される。そして、ブレーキドラムの回転方向に向くブレーキシュー2,2の一端部2A,2Aがこれに対応するアンカー4,4の支持面4Aにフローティング支持されることにより、ライニング1,1がサーボ効果を発揮しつつブレーキドラムの内周面に均一に摩擦接触し、ブレーキドラムに十分なブレーキ力が付与される。
【選択図】 図1

Description

本発明は、車両に装備されるブレーキ装置に関し、詳しくは、ブレーキドラムの内周面にライニングが摩擦接触するブレーキシューを備えた車両用ドラムブレーキ装置に関するものである。
車両に装備されるブレーキ装置として、ブレーキドラムの内周面にライニングが摩擦接触するブレーキシューを備えたドラムブレーキ装置が従来一般に知られている(例えば特許文献1参照)。この種のドラムブレーキ装置には、リーディングトレーリング、ユニサーボ、デュオサーボ、2リーディング等の種々のタイプのものがあるが、いずれにしても、ブレーキシューの一端部がアンカー等によりピボット支持またはフローティング支持され、ブレーキシューの他端部がホイールシリンダにより押動されることで、ブレーキシューの外周側に貼着されたライニングがブレーキドラムの内周面に摩擦接触するように構成されている。
特開平7−280002号公報(図1)
ところで、前述した従来一般のドラムブレーキ装置においては、ホイールシリンダによりブレーキシューの他端部が押動されると、ブレーキシューがアンカー等により支持された一端部を支点としてブレーキドラム側へ揺動し、これに応じてブレーキシューの外周面に貼着されたライニングがブレーキドラムの内周面に押圧されて摩擦接触する。このため、ブレーキドラムの内周面に摩擦接触するライニングの面圧分布が不均一となり易く、その結果、ライニングの偏摩耗、ブレーキ力の不安定な変動、ブレーキの鳴き現象や振動の発生などの種々の問題が発生し易い。
そこで、本発明は、ブレーキドラムの内周面に押圧されるライニングの面圧分布を均一化でき、しかも、単一のブレーキシューを車両の前進後退に拘わらず常にリーディングシューとして機能させることができる車両用ドラムブレーキ装置を提供することを課題とする。
本発明に係る車両用ドラムブレーキ装置は、ブレーキドラムの内周面に対応する円弧状のライニングが外周面に設けられたブレーキシューと、このブレーキシューの内周部の中央部をブレーキドラムの内周面に向けて径方向に押動するアクチュエータと、ブレーキシューの両端部をフローティング支持するためのアンカーとを備えていることを特徴とする。
本発明に係る車両用ドラムブレーキ装置では、アクチュエータがブレーキシューの内周部の中央部をブレーキドラムの内周面に向けて径方向に押動することにより、ブレーキシューがブレーキドラムの内周面に向かって平行移動し、ブレーキシューの外周面に設けられた円弧状のライニングがブレーキドラムの内周面に均一に押圧される。そして、ブレーキドラムの回転方向に向くブレーキシューの一端部がこれに対応するアンカーにフローティング支持されることにより、ライニングがサーボ効果を発揮しつつブレーキドラムの内周面に均一に摩擦接触し、ブレーキドラムに十分なブレーキ力が付与される。
本発明の車両用ドラムブレーキ装置は、単一のブレーキシューと、単一のブレーキシューに対応した単一のアクチュエータおよび一対のアンカーを備えて構成されていてもよいし、一対のブレーキシューと、一対のブレーキシューに対応した一対のアクチュエータおよび一対のアンカーを備えて構成されていてもよい。また、3個のブレーキシューと、3個のブレーキシューに対応した3個のアクチュエータおよび3個のアンカーを備えて構成されていてもよいし、4個のブレーキシューと、4個のブレーキシューに対応した4個のアクチュエータおよび4個のアンカーを備えて構成されていてもよい。
ここで、一対のブレーキシューと、一対のブレーキシューに対応した一対のアクチュエータおよび一対のアンカーを備えた本発明の車両用ドラムブレーキ装置を車両の後輪用に装備する場合、一対のアクチュエータのうち一方のアクチュエータは、車両の前輪用に装備されたブレーキ装置の故障検出信号に応じて作動するように構成することができる。
本発明の車両用ドラムブレーキ装置において、ブレーキシューを押動するアクチュエータは、油圧式のホイールシリンダに限らず、電動式の電動ピストンで構成することができる。
本発明に係る車両用ドラムブレーキ装置によれば、アクチュエータがブレーキシューの中央部をブレーキドラムの径方向に押動することにより、ブレーキシューがブレーキドラムの内周面に向かって平行移動するため、ブレーキシューに設けられた円弧状のライニングをブレーキドラムの内周面に均一に押圧してその面圧分布を均一化することができ、ライニングの偏摩耗、ブレーキ力の不安定な変動、ブレーキの鳴き現象や振動の発生などの種々の問題を解消することができる。
また、ブレーキドラムの回転方向に向くブレーキシューの端部がこれに対面するアンカーにフローティング支持されることにより、ライニングがサーボ効果を発揮しつつブレーキドラムの内周面に摩擦接触するため、同一のブレーキシューを車両の前進後退に拘わらず常にリーディングシューとして機能させることができ、車両の前進時のみならず後退時においても十分なブレーキ力を発生させることができる。
以下、図面を参照して本発明に係る車両用ドラムブレーキ装置の実施の形態を説明する。参照する図面において、図1は本発明の第1実施形態に係る車両用ドラムブレーキ装置の内部構造を示す正面図、図2は第2実施形態に係る車両用ドラムブレーキ装置の内部構造を示す正面図、図3は第3実施形態に係る車両用ドラムブレーキ装置の内部構造を示す正面図である。
第1実施形態に係る車両用ドラムブレーキ装置は、図1に示すように、ブレーキドラム(図示省略)の内周面に対応する半円弧状のライニング1がそれぞれ外周面に貼着された一対のブレーキシュー2,2と、一対のブレーキシュー2,2の内周部の中央部をそれぞれブレーキドラム(図示省略)の内周面に向けて径方向に押動する一対のアクチュエータ3,3と、ブレーキシュー2,2の一端部2Aおよび他端部2Bをそれぞれフローティング支持するための一対のアンカー4,4とをバックプレート5上に備えている。
一対のブレーキシュー2,2は、それぞれ半円弧状の外周面および内周面を有する同一形状に形成され、バックプレート5上に点対称に配置されている。一対のブレーキシュー2,2の内周面の中央部には、アクチュエータ3,3のピストン3A,3Aにより押動される凹部2C,2Cが形成されている。そして、一対のブレーキシュー2,2の間には、これらをブレーキドラム(図示省略)の内周面から離間させる方向(相互に接近させる方向)に付勢する一対の引張ばね6,6が張設されている。この一対の引張ばね6,6は、ブレーキシュー2,2の中央部を通る直径線の両側に等間隔で配置されている。
一対のアクチュエータ3,3は、油圧式のホイールシリンダで構成されている。このアクチュエータ3,3は、ピストン3A,3Aの進出によりブレーキシュー2,2をブレーキドラム(図示省略)の内周面に向けて径方向に押動するように、ピストン3A,3Aの先端部がブレーキシュー2,2の凹部2C,2Cに係合した状態でバックプレート5上に固定されている。
一対のアンカー4,4は、一方のブレーキシュー2の一端部2Aと他方のブレーキシュー2の他端部2Bとの間、および、一方のブレーキシュー2の他端部2Bと他方のブレーキシュー2の一端部2Aとの間に配置されている。これらのアンカー4,4には、ブレーキシュー2,2の一端部2A,2Aをフローティング支持するための支持斜面4A,4Aと、ブレーキシュー2,2の他端部2Bをフローティング支持するための支持斜面4B,4Bとが形成されている。
アンカー4,4の支持斜面4A,4Aおよび支持斜面4B,4Bは、一対の引張ばね6,6によってブレーキドラム(図示省略)の内周面から離間する方向(相互に接近する方向)に付勢された一対のブレーキシュー2,2をブレーキドラムと同心状に調芯するように、ブレーキシュー2,2の一端部2A,2Aおよび他端部2B,2Bをそれぞれバックプレート5の中心側へ案内するように傾斜している。
以上のように構成された第1実施形態の車両用ドラムブレーキ装置では、図示しないブレーキペダルの操作などによってアクチュエータ3,3が作動すると、アクチュエータ3,3のピストン3A,3Aが進出してブレーキシュー2,2の中央部の凹部2C,2Cをブレーキドラム(図示省略)の内周面に向けて径方向に押動する。これにより、ブレーキシュー2,2がブレーキドラムの内周面に向かって平行移動し、ブレーキシュー2,2の外周面に貼着された半円弧状のライニング1,1がブレーキドラム(図示省略)の内周面に均一に押圧される。
ここで、車両の前進によりブレーキドラム(図示省略)が実線矢印Fの方向に回転している場合、その回転方向に向くブレーキシュー2,2の一端部2A,2Aがそれぞれアンカー4,4の支持斜面4A,4Aに当接してフローティング支持される。その結果、ブレーキシュー2,2の外周面に貼着された半円弧状のライニング1,1がサーボ効果を発揮しつつブレーキドラムの内周面に均一に摩擦接触し、ブレーキドラムに十分なブレーキ力を付与する。
一方、車両の後退によりブレーキドラム(図示省略)が破線矢印Rの方向に回転している場合、その回転方向に向くブレーキシュー2,2の他端部2B,2Bがそれぞれアンカー4,4の支持斜面4B,4Bに当接してフローティング支持される。その結果、ブレーキシュー2,2の外周面に貼着された半円弧状のライニング1,1がサーボ効果を発揮しつつブレーキドラムの内周面に均一に摩擦接触し、ブレーキドラムに十分なブレーキ力を付与する。
すなわち、アクチュエータ3,3のピストン3A,3Aがブレーキシュー2,2の中央部の凹部2C,2Cをブレーキドラム(図示省略)の径方向に押動することにより、ブレーキシュー2,2がブレーキドラムの内周面に向かって平行移動するため、第1実施形態の車両用ドラムブレーキ装置によれば、ブレーキシュー2,2の外周面に貼着された半円弧状のライニング1,1をブレーキドラムの内周面に均一に押圧して摩擦接触させることができ、その面圧分布を均一化することができる。その結果、ライニング1,1の偏摩耗、ブレーキ力の不安定な変動、ブレーキの鳴き現象や振動の発生などの種々の問題を解消することができる。
また、ブレーキドラム(図示省略)が実線矢印F方向に回転する車両の前進時にはブレーキシュー2,2の一端部2A,2Aがアンカー4,4の支持斜面4A,4Aにフローティング支持されてライニング1,1がサーボ効果を発揮し、ブレーキドラムが破線矢印R方向に回転する車両の後退時にはブレーキシュー2,2の他端部2B,2Bがアンカー4,4の支持斜面4B,4Bにフローティング支持されてライニング1,1がサーボ効果を発揮するため、ブレーキシュー2,2を車両の前進後退に拘わらず常にリーディングシューとして機能させることができ、車両の前進時のみならず後退時においても十分なブレーキ力を発生させることができる。
つぎに、第2実施形態に係る車両用ドラムブレーキ装置を説明する。この車両用ドラムブレーキ装置は、図1に示した車両用ドラムブレーキ装置の一対のブレーキシュー2,2およびアクチュエータ3,3を単一のブレーキシュー2およびアクチュエータ3としたものであり、引張ばね6,6は、一端部がブレーキシュー2に係止され、他端部がバックプレート5に係止されている。その他の構造部分は図1に示した車両用ドラムブレーキ装置と同様であるから、同一の符号を付すことで詳細な説明は省略する。
この第2実施形態の車両用ドラムブレーキ装置においても、アクチュエータ3のピストン3Aがブレーキシュー2の中央部の凹部2Cをブレーキドラム(図示省略)の径方向に押動することにより、ブレーキシュー2がブレーキドラムの内周面に向かって平行移動するため、ブレーキシュー2の外周面に貼着された半円弧状のライニング1をブレーキドラムの内周面に均一に押圧して摩擦接触させることができ、その面圧分布を均一化することができる。その結果、ライニング1の偏摩耗、ブレーキ力の不安定な変動、ブレーキの鳴き現象や振動の発生などの種々の問題を解消することができる。
また、ブレーキドラム(図示省略)が実線矢印F方向に回転する車両の前進時にはブレーキシュー2の一端部2Aがアンカー4の支持斜面4Aにフローティング支持されてライニング1がサーボ効果を発揮し、ブレーキドラムが破線矢印R方向に回転する車両の後退時にはブレーキシュー2の他端部2Bがアンカー4の支持斜面4Bにフローティング支持されてライニング1がサーボ効果を発揮するため、ブレーキシュー2を車両の前進後退に拘わらず常にリーディングシューとして機能させることができ、車両の前進時のみならず後退時においても十分なブレーキ力を発生させることができる。
ここで、第2実施形態の車両用ドラムブレーキ装置によれば、ブレーキシュー2およびアクチュエータ3の部品点数がそれぞれ1個で済むため、図1に示した車両用ドラムブレーキ装置に較べて部品点数および重量を低減することができる。
続いて、第3実施形態に係る車両用ドラムブレーキ装置を説明する。この車両用ドラムブレーキ装置は、図1に示した車両用ドラムブレーキ装置における油圧式の一対のアクチュエータ3,3を電動式の第1アクチュエータ7および第2アクチュエータ8に変更したものであり、車両の後輪用に装備される。この車両用ドラムブレーキ装置におけるその他の構造部分は、図1に示した車両用ドラムブレーキ装置と同様であるため、同一の符号を付すことで詳細な説明を省略する。
第1アクチュエータ7および第2アクチュエータ8は、モータにネジ機構を介して連結されたピストン7A,8Aがモータの回転方向に応じて進退する構造の公知の電動ピストン(特公平5−63655公報または特表2002−505733号公報)で構成されている。そして、これらの第1アクチュエータ7および第2アクチュエータ8は、ピストン7A,8Aの進出によりブレーキシュー2,2をブレーキドラム(図示省略)の内周面に向けて径方向に押動するように、ピストン7A,8Aの先端部がブレーキシュー2,2の凹部2C,2Cに係合した状態でバックプレート5上に固定されている。
ここで、図示しないブレーキペダルの踏込み操作に応じて第1アクチュエータ7が作動し、その際、車両の前輪に装備されたブレーキ装置が故障していると判定された場合にのみ第2アクチュエータ8が作動するように、第1アクチュエータ7および第2アクチュエータ8は、図4に示すブレーキ制御装置9によって作動が制御される。
ブレーキ制御装置9は、図示しないECU(Electric Control Unit)等のマイクロコンピュータのハードウェアおよびソフトウェアを利用して構成されおり、入出力インターフェースI/OおよびA/Dコンバータの他、プログラムおよびデータを記憶したROM(Read Only Memory)、入力データ等を一時記憶するRAM(Random Access Memory)、プログラムを実行するCPU(Central Processing Unit)等をハードウェアとして備えている。そして、このブレーキ制御装置9には、前輪ブレーキ故障判定基準値出力部9A、データテーブル9B、前輪ブレーキ故障検出部9C、第1アクチュエータ駆動信号出力部9D、第2アクチュエータ駆動信号出力部9Eがソフトウェアとして構成されている。
ここで、図5に示すように、図示しない前輪に装備されたブレーキ装置が正常に作動する場合、ブレーキペダルの踏力の増大に応じて車両の減速度は実線で示すように大きく増大するが、前輪のブレーキ装置が故障している場合には、車両の減速度は破線で示すように半減する。そこで、前輪ブレーキ装置の故障を判定するため、データテーブル9Bには、図5に破線で示した前輪ブレーキ装置の故障時に予測される車両減速度が故障判定基準値としてブレーキ踏力に対応して記憶されている。
前輪ブレーキ故障判定基準値出力部9A、第1アクチュエータ駆動信号出力部9Dおよび第2アクチュエータ駆動信号出力部9Eには、図示しないブレーキペダルの踏込み操作時の踏力を検出するブレーキペダル踏力センサ10からの踏力検出信号がブレーキペダルの踏み込み操作に応じて入力される。また、前輪ブレーキ故障検出部9Cには、車両の減速度の検出する車両減速度センサ11からの減速度検出信号が入力される。
前輪ブレーキ故障判定基準値出力部9Aは、ブレーキペダル踏力センサ10からその踏力検出信号が入力されると、データテーブル9Bをルックアップすることにより、踏力検出信号の検出値に対応した前輪ブレーキ装置の故障判定基準値を前輪ブレーキ故障検出部9Cに出力する。
前輪ブレーキ故障検出部9Cは、前輪ブレーキ故障判定基準値出力部9Aから故障判定基準値が入力されると、その故障判定基準値と実際の車両減速度を示す車両減速度センサ11から入力された減速度検出信号の検出値とを比較する。そして、この前輪ブレーキ故障検出部9Cは、車両の減速度の検出値が故障判定基準値以下の場合にのみ、前輪ブレーキ装置が故障しているものと判定して第2アクチュエータ駆動信号出力部9Eに故障検出信号を出力する。
第1アクチュエータ駆動信号出力部9Dは、ブレーキペダル踏力センサ10からその踏力検出信号が入力されると、その検出値に対応した大きさの駆動信号を第1アクチュエータ駆動回路12に出力し、第1アクチュエータ7をブレーキペダルの踏力に応じて作動させる。一方、第2アクチュエータ駆動信号出力部9Eは、ブレーキペダル踏力センサ10からその踏力検出信号が入力されると、前輪ブレーキ故障検出部9Cから故障検出信号が入力された場合にのみ、ブレーキペダル踏力センサ10から入力された踏力検出信号の検出値に対応した大きさの駆動信号を第2アクチュエータ駆動回路13に出力し、第2アクチュエータ8をブレーキペダルの踏力に応じて作動させる。
以上のように構成された第3実施形態の車両用ドラムブレーキ装置では、例えば車両の走行中に図示しないブレーキペダルが踏込み操作されると、図3に示した第1アクチュエータ7および第2アクチュエータ8が図4に示したブレーキ制御装置9により図5に示すフローチャートの処理手順に沿って制御される。
まず、ステップS1では、ブレーキペダル踏力センサ10からブレーキペダルの踏力検出信号が前輪ブレーキ故障判定基準値出力部9A、第1アクチュエータ駆動信号出力部9Dおよび第2アクチュエータ駆動信号出力部9Eに入力される。続くステップS2では、第1アクチュエータ駆動信号出力部9Dから踏力検出信号の検出値に対応した大きさの駆動信号が第1アクチュエータ駆動回路12に出力される。これにより、第1アクチュエータ7がブレーキペダルの踏力に応じて作動する。
ステップS3では、車両減速度センサ11から前輪ブレーキ故障検出部9Cに車両の減速度検出信号が入力される。続くステップS4では、前輪ブレーキ故障判定基準値出力部9Aによりデータテーブル9Bがルックアップされる。そして、ステップS5では、前輪ブレーキ装置の故障判定基準値が前輪ブレーキ故障判定基準値出力部9Aから前輪ブレーキ故障検出部9Cに出力される。
ステップS6では、前輪ブレーキ故障検出部9Cにより、車両減速度センサ11から入力された減速度検出信号の検出値が前輪ブレーキ故障判定基準値出力部9Aから入力された故障判定基準値以下であるか否かが判定される。そして、ステップS6の判定結果がYESであれば、前輪ブレーキ装置が故障しているものと判定して前輪ブレーキ故障検出部9Cから故障検出信号が第2アクチュエータ駆動信号出力部9Eに出力される(ステップS7)。なお、ステップS6の判定結果がNOであれば、続くステップS8をパスして一連の処理が終了する。
続くステップS8では、ブレーキペダル踏力センサ10からの踏力検出信号の検出値に対応した大きさの駆動信号が第2アクチュエータ駆動信号出力部9Eから第2アクチュエータ駆動回路13に出力される。これにより、第2アクチュエータ8がブレーキペダルの踏力に応じて作動する。
このようなブレーキ制御装置9による一連の処理により、第3実施形態の車両用ドラムブレーキ装置では、図示しない前輪ブレーキ装置が正常に作動している場合には、第1アクチュエータ7のみがレーキペダルの踏力に応じて作動し、前輪ブレーキ装置が故障していると判定された場合には、第1アクチュエータ7および第2アクチュエータ8がレーキペダルの踏力に応じて作動する。
そして、前輪ブレーキ装置が正常な作動状態にあって、第1アクチュエータ7のみが作動する場合には、第1アクチュエータ7のピストン7Aが一方のブレーキシュー2の中央部の凹部2Cをブレーキドラム(図示省略)の径方向に押動することにより、一方のブレーキシュー2がブレーキドラムの内周面に向かって平行移動する。そして、一方のブレーキシュー2の外周面に貼着された半円弧状のライニング1がブレーキドラム(図示省略)の内周面に均一に押圧されることにより、ブレーキドラムに十分なブレーキ力が付与される。
また、前輪ブレーキ装置が故障状態にあって、第1アクチュエータ7に加えて第2アクチュエータ8も作動する場合には、第2アクチュエータ8のピストン8Aが他方のブレーキシュー2の中央部の凹部2Cをブレーキドラム(図示省略)の径方向に押動することにより、他方のブレーキシュー2もブレーキドラムの内周面に向かって平行移動する。そして、他方のブレーキシュー2の外周面に貼着された半円弧状のライニング1もブレーキドラム(図示省略)の内周面に均一に押圧されることにより、ブレーキドラムには一対のブレーキシュー2,2の一対のライニング1,1によって前輪ブレーキ装置の故障に対応できる大きなブレーキ力が付与される。
そして、この第3実施形態においても、ブレーキシュー2の外周面に貼着された半円弧状のライニング1をブレーキドラムの内周面に均一に押圧して摩擦接触させることができ、その面圧分布を均一化することができるため、ライニング1の偏摩耗、ブレーキ力の不安定な変動、ブレーキの鳴き現象や振動の発生などの種々の問題を解消することができる。
また、ブレーキドラム(図示省略)が実線矢印F方向に回転する車両の前進時にはブレーキシュー2の一端部2Aがアンカー4の支持斜面4Aにフローティング支持されてライニング1がサーボ効果を発揮し、ブレーキドラムが破線矢印R方向に回転する車両の後退時にはブレーキシュー2の他端部2Bがアンカー4の支持斜面4Bにフローティング支持されてライニング1がサーボ効果を発揮するため、ブレーキシュー2を車両の前進後退に拘わらず常にリーディングシューとして機能させることができ、車両の前進時のみならず後退時においても十分なブレーキ力を発生させることができる。
本発明に係る車両用ドラムブレーキ装置は、第1実施形態〜第3実施形態に限定されるものではない。例えば、図1に示したブレーキシュー2は、ブレーキドラム(図示省略)の内周面に沿って円周方向に等角度間隔で配置される3個または4個の小型のブレーキシューに変更し、これに対応してアンカーおよびアクチュエータの個数を3個または4個とすることもできる。
本発明の第1実施形態に係る車両用ドラムブレーキ装置の内部構造を示す正面図である。 第2実施形態に係る車両用ドラムブレーキ装置の内部構造を示す正面図である。 第2実施形態に係る車両用ドラムブレーキ装置の内部構造を示す正面図である。 図3に示した第1アクチュエータおよび第2アクチュエータの作動を制御するブレーキ制御装置のブロック構成図である。 図4に示したデータテーブルに故障判定基準値として記憶されている車両減速度とブレーキペダル踏力との関係を示すグラフである。 図4に示したブレーキ制御装置による処理を示すフローチャートである。
符号の説明
1 ライニング
2 ブレーキシュー
3 アクチュエータ
4 アンカー
5 バックプレート
6 引張ばね
7 第1アクチュエータ
8 第2アクチュエータ
9 ブレーキ制御装置

Claims (5)

  1. ブレーキドラムの内周面に対応する円弧状のライニングが外周面に設けられたブレーキシューと、このブレーキシューの内周部の中央部をブレーキドラムの内周面に向けて径方向に押動するアクチュエータと、前記ブレーキシューの両端部をフローティング支持するためのアンカーとを備えていることを特徴とする車両用ドラムブレーキ装置。
  2. 請求項1に記載の車両用ドラムブレーキ装置であって、単一のブレーキシューと、この単一のブレーキシューに対応した単一のアクチュエータおよび一対のアンカーを備えていることを特徴とする車両用ドラムブレーキ装置。
  3. 請求項1に記載の車両用ドラムブレーキ装置であって、一対のブレーキシューと、この一対のブレーキシューに対応した一対のアクチュエータおよび一対のアンカーを備えていることを特徴とする車両用ドラムブレーキ装置。
  4. 車両の後輪用に装備される請求項3に記載の車両用ドラムブレーキ装置であって、前記一対のアクチュエータのうち一方のアクチュエータは、車両の前輪用に装備されたブレーキ装置の故障検出信号に応じて作動するように構成されていることを特徴とする車両用ドラムブレーキ装置。
  5. 請求項1〜4の何れかに記載の車両用ドラムブレーキ装置であって、前記アクチュエータが電動ピストンにより構成されていることを特徴とする車両用ドラムブレーキ装置。
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